(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】自動バッチ生産の薄膜付着システム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2021571641
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(86)【国際出願番号】 US2020018786
(87)【国際公開番号】W WO2020172244
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-02-07
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504225666
【氏名又は名称】ビーコ・インストゥルメンツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペイシアー、マイケル、ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】サーシェン、マイケル、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バータック、アダム、エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ルコルディエール、ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ブデン、ソーシフ アーマド、カーン ホサコテ
(72)【発明者】
【氏名】ラオ、ラメシュ プラサド、マンシャラドア ナラハリ
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-312727(JP,A)
【文献】特開2005-203458(JP,A)
【文献】国際公開第2017/134853(WO,A1)
【文献】特表2008-521261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理システムであって、前記半導体処理システムが、
真空チャンバ、前記真空チャンバ内に位置する
VTMロボット・アーム、及び複数の開口部を有する真空搬送モジュール(VTM)と、
予加熱チャンバ、反応器、ロード・ロック、及びロード・ステーションを有する複数の薄膜付着プロセス・モジュールと、
複数の半導体ウエハを保持するように構成される少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックと
を備え、
前記予加熱チャンバ、前記反応器、及び前記ロード・ロックの各々が、前記複数の開口部のうちのそれぞれの対応する開口部に結合され、前記ロード・ステーションが前記ロード・ロックに結合され、前記
VTMロボット・アームが、前記搬送可能なウエハ・ラックの上に装填される複数のウエハの自動バッチ処理のために、前記ロード・ロックと、前記予加熱チャンバと、前記反応器との間で前記搬送可能なウエハ・ラックを自動で選択的に搬送するように構成され
、
前記ロード・ロックが、前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを支持するように設計及び構成されるターンテーブルを有し、前記ロード・ロックが前記ターンテーブルの回転位置を制御するための回転駆動システムを有し、前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックが、前記搬送可能なウエハ・ラックの上にウエハを装填するための第1の回転位置と、前記VTMロボット・アームにより前記搬送可能なウエハ・ラックを前記ロード・ロックから前記真空チャンバまで搬送することを目的として前記搬送可能なウエハ・ラックを前記VTMロボット・アームに結合するための第2の回転位置との間にある、半導体処理システム。
【請求項2】
前記ロード・ステーションが、前記ロード・ロックの中に前記搬送可能なウエハ・ラックが配置されるとき、ウエハ・カセットから、前記搬送可能なウエハ・ラックまで、ウエハを搬送するように構成される
ロード・ステーション・ロボット・アームを有する、請求項
1に記載の
半導体処理システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックが、第1のウエハ・サイズを保持するように構成される第1の搬送可能なウエハ・ラック、及び第2のウエハ・サイズを保持するように構成される第2の搬送可能なウエハ・ラックを有する、請求項
1に記載の
半導体処理システム。
【請求項4】
前記第1及び第2の搬送可能なウエハ・ラックの各々が、前記VTMロボット・アームに結合されるように構成されるユニバーサル・インターフェースを有するベースを有する、請求項
3に記載の
半導体処理システム。
【請求項5】
前記VTMロボット・アームが、前記第1の搬送可能なウエハ・ラック及び前記第2の搬送可能なウエハ・ラックの両方に結合されてそれらを搬送するように構成されるユニバーサルのエンド・エフェクタを有する、請求項
3に記載の
半導体処理システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックが、複数のウエハを各々装填される複数の搬送可能なウエハ・ラックを有し、前記
半導体処理システムが、前記複数の薄膜付着プロセス・モジュールのうちの対応するそれぞれの1つの薄膜付着プロセス・モジュールの中に前記複数の搬送可能なウエハ・ラックの各々を同時に配置することにより、前記複数の搬送可能なウエハ・ラックを並行して処理するように構成される、請求項
1に記載の
半導体処理システム。
【請求項7】
前記VTMロボット・アームが、薄膜付着の製造プロセスに従って前記複数の薄膜付着プロセス・モジュールの中まで及びその外へ前記複数の搬送可能なウエハ・ラックを連続的に搬送するように構成される、請求項
6に記載の
半導体処理システム。
【請求項8】
前記
半導体処理システムが、前記複数の搬送可能なウエハ・ラックのうちのそれぞれの対応する搬送可能なウエハ・ラック上でのウエハ処理プロセスの、予熱フェーズ、薄膜付着フェーズ、及び冷却フェーズを別個に且つ同時に実施することによりウエハ処理のスループットを向上させるように構成される、請求項
6に記載の
半導体処理システム。
【請求項9】
真空搬送モジュール(VTM)、前記VTM内に位置するVTMロボット、ロード・ロック、予加熱チャンバ、薄膜付着反応器、及び少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを有する薄膜付着システムを用いて、薄膜付着プロセスを実施する方法であって、前記方法が、
前記VTMロボットを用いて、前記ロード・ロックから、前記VTMを通して、前記予加熱チャンバまで、前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックの第1の搬送を行うステップであって、前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックに複数のウエハが装填されている、第1の搬送を行うステップと、
前記予加熱チャンバの中で前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び前記複数のウエハを加熱する
加熱ステップと、
前記VTMロボットを用いて、前記予加熱チャンバから、前記VTMを通して、前記
薄膜付着反応器まで、前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び前記複数のウエハの第2の搬送を行うステップと、
前記
薄膜付着反応器の中で前記複数のウエハに対して薄膜付着プロセスを実施するステップと、
前記VTMロボットを用いて、前記
薄膜付着反応器から、前記VTMを通して、前記ロード・ロックまで、前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び前記複数のウエハの第3の搬送を行うステップと、
前記ロード・ロックの中で前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び前記複数のウエハに対して制御下の冷却プロセスを実施するステップと
を含
み、
前記薄膜付着システムがロード・ステーションをさらに有し、前記ロード・ステーションがロード・ポート及びロード・ステーション・ロボット・アームを有し、
前記方法が、
前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックが前記ロード・ロックの中に位置するとき、前記ロード・ステーション・ロボット・アームを用いて、前記ロード・ポート内に位置するウエハ・カセットと前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックとの間で前記複数のウエハを連続的に搬送するステップ
をさらに含み、
前記ロード・ロックが前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを支持するように構成されるターンテーブルを有し、
前記方法が、
前記連続的な搬送ステップのために、前記ターンテーブル及び前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを第1の回転位置に配置するステップと、
前記第1の搬送を行うステップ及び前記第3の搬送を行うステップのために、前記ターンテーブル及び前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを第2の回転位置に配置するステップと
をさらに含む、方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックが複数の搬送可能なウエハ・ラックを有し、前記複数の搬送可能なウエハ・ラックの各々に対応する複数のウエハが装填され、前記方法が、
第1の複数のウエハを装填される前記複数の搬送可能なウエハ・ラックのうちの第1の搬送可能なウエハ・ラックに対しての前記加熱ステップ、第2の複数のウエハを装填される前記複数の搬送可能なウエハ・ラックのうちの第2の搬送可能なウエハ・ラックに対しての前記薄膜付着プロセス、及び第3の複数のウエハを装填される前記複数の搬送可能なウエハ・ラックのうちの第3の搬送可能なウエハ・ラックに対しての前記制御下での冷却プロセス、を並行して実施するステップ
をさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1、前記第2、及び前記第3の複数のウエハのうちの少なくとも1つが、前記第1、前記第2、及び前記第3の複数のウエハのうちの別の1つとは異なるサイズを有する、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
半導体処理システムであって、
真空チャンバ、前記真空チ
ャンバ内に位置する
VTMロボット・アーム、および複数の開口部を有する真空搬送モジュール(VTM)と、
反応器およびロード・ロックを有する複数の薄膜付着プロセス・モジュールと、
複数の半導体ウエハを保持するように構成された少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックと
を備え、
前記反応器と前記ロード・ロックの各々は、前記複数の開口部のうちの対応する開口部にそれぞれ結合され、
前記
VTMロボット・アームは、前記搬送可能なウエハ・ラックに装填された複数のウエハの自動バッチ処理を行うために、自動で選択的に前記搬送可能なウエハ・ラックを前記ロード・ロックと前記複数の薄膜付着プロセス・モジュールの1つ又は複数との間に搬送するように構成されて
おり、
前記ロード・ロックが、前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを支持するように設計及び構成されたターンテーブルを有し、前記ロード・ロックが前記ターンテーブルの回転位置を制御するための回転駆動システムを有し、前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックが、前記搬送可能なウエハ・ラック上にウエハを装填するための第1の回転位置と、前記VTMロボット・アームにより前記搬送可能なウエハ・ラックを前記ロード・ロックから前記真空チャンバまで搬送することを目的として前記搬送可能なウエハ・ラックを前記VTMロボット・アームに結合するための第2の回転位置との間にある、半導体処理システム。
【請求項13】
前記複数の薄膜付着プロセス・モジュールは、前記ロード・ロックに結合されたロード・ステーションを備え、該ロード・ステーションは、前記搬送可能なウエハ・ラックが前記ロード・ロックに配置されたときに、ウエハをウエハ・カセットから前記搬送可能なウエハ・ラックに搬送するように構成された
ロード・ステーション・ロボット・アームを有する、請求項
12に記載の半導体処理システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックが、第1のウエハ・サイズを保持するように構成される第1の搬送可能なウエハ・ラック、及び第2のウエハ・サイズを保持するように構成される第2の搬送可能なウエハ・ラックを有する、請求項
12に記載の半導体処理システム。
【請求項15】
前記第1及び第2の搬送可能なウエハ・ラックの各々が、前記VTMロボット・アームに結合されるように構成されるユニバーサル・インターフェースを有するベースを有する、請求項
14に記載の半導体処理システム。
【請求項16】
前記VTMロボット・アームが、前記第1の搬送可能なウエハ・ラック及び前記第2の搬送可能なウエハ・ラックの両方に結合されてそれらを搬送するように構成されるユニバーサルのエンド・エフェクタを有する、請求項
14に記載の半導体処理システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックが、複数のウエハを各々装填される複数の搬送可能なウエハ・ラックを有し、前記
半導体処理システムが、前記複数の薄膜付着プロセス・モジュールのうちの対応するそれぞれの1つの薄膜付着プロセス・モジュールの中に前記複数の搬送可能なウエハ・ラックの各々を同時に配置することにより、前記複数の搬送可能なウエハ・ラックを並行して処理するように構成される、請求項
12に記載の半導体処理システム。
【請求項18】
前記VTMロボット・アームが、薄膜付着の製造プロセスに従って前記複数の薄膜付着プロセス・モジュールの中まで及びその外へ前記複数の搬送可能なウエハ・ラックを連続的に搬送するように構成される、請求項
17に記載の半導体処理システム。
【請求項19】
前記
半導体処理システムが、前記複数の搬送可能なウエハ・ラックのうちのそれぞれの対応する搬送可能なウエハ・ラック上でのウエハ処理プロセスの、予熱フェーズ、薄膜付着フェーズ、及び冷却フェーズを別個に且つ同時に実施することによりウエハ処理のスループットを向上させるように構成される、請求項
17に記載の半導体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く言えば、薄膜付着システムの分野に関するものである。詳細には、本発明は、自動バッチ生産の薄膜付着システム及び当該自動バッチ生産の薄膜付着システムを使用する方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
薄膜付着プロセスは、絶縁性薄膜層、誘電性薄膜層、及び導電性薄膜層を、半導体サブスレート、半導体回路デバイス、などの、種々のサブストレート及び構成要素に、並びに、光学デバイス及び電気光学デバイスで使用される、透明ガラス、半透明ガラス、及び他のサブストレートに、加えるのに利用される。原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)などの化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)プロセスでは、ウエハがしばしば個別に位置合わせされてウエハ・キャリアの中に装填され、ウエア・キャリアが次いでCVD反応器の反応チャンバの中に慎重に配置される。化学反応が完了すると、高温のウエア・キャリア及びウエハが反応チャンバから慎重に取り外されなければならない。いくつかのシステムでは、薄膜付着プロセスが完了すると、高温の脆いウエハが個別に反応器から取り外される。このような個別の取り扱いにより、ウエハが割れてCVDシステムのスループットが制限される可能性が増す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9,175,388号明細書
【文献】米国特許第9,328,417号明細書
【文献】米国特許第9,777,371号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実装形態では、本開示が、サブストレートのバッチ処理のために構成される自動の薄膜付着システムのための真空搬送モジュール(VTM:vacuum transfer module)を対象とする。VTMが、薄膜付着プロセス・モジュールに結合されるように構成される複数の開口部を有する真空チャンバ、及びチャンバ内に位置するロボット・アームであって、ロボット・アームが搬送可能なサブストレート・ラックに結合されるように構成されるエンド・エフェクタを有し、搬送可能なサブストレート・ラックが複数のサブストレートを保持するように構成される、ロボット・アーム、を有し、ロボット・アームが、開口部のうちの1つ又は複数の開口部を通して搬送可能なサブストレート・ラックを選択的に移動させて、搬送可能なサブストレート・ラック上に装填される複数のサブストレートを処理するために搬送可能なサブストレート・ラックを薄膜付着プロセス・モジュールのうちの対応する1つの薄膜付着プロセス・モジュールの中に置くように、構成される。
【0005】
別の実装形態では、本開示が半導体処理システムを対象とする。システムが、真空チャンバ、真空チャンバ内に位置するロボット・アーム、及び複数の開口部を有する真空搬送モジュール(VTM)と、予加熱チャンバ、反応器、ロード・ロック、及びロード・ステーションを有する複数の薄膜付着プロセス・モジュールと、複数の半導体ウエハを保持するように構成される少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックと、を有し、予加熱チャンバ、反応器、及びロード・ロックの各々が、複数の開口部のうちのそれぞれの対応する開口部に結合され、ロード・ステーションがロード・ロックに結合され、ロボット・アームが、搬送可能なウエハ・ラックの上に装填される複数のウエハの自動バッチ処理のために、ロード・ロックと、予加熱チャンバと、反応器との間で搬送可能なウエハ・ラックを自動で選択的に搬送するように構成される。
【0006】
別の実装形態では、本開示が、真空搬送モジュール(VTM)、VTM内に位置するVTMロボット、ロード・ロック、予加熱チャンバ、薄膜付着反応器(thin film deposition reactor)、及び少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを有する薄膜付着システムを用いて、薄膜付着プロセスを実施する方法を対象とする。本方法が、VTMロボットを用いて、ロード・ロックから、VTMを通して、予加熱チャンバまで、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックの第1の搬送を行うことであって、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックに複数のウエハが装填されている、第1の搬送を行うことと、予加熱チャンバの中で少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハを加熱することと、VTMロボットを用いて、予加熱チャンバから、VTMを通して、反応器まで、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハの第2の搬送を行うことと、反応器の中で複数のウエハに対して薄膜付着プロセスを実施することと、VTMロボットを用いて、反応器から、VTMを通して、ロード・ロックまで、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハの第3の搬送を行うことと、ロード・ロックの中で少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハに対して制御下の冷却プロセスを実施することと、を含む。
【0007】
別の実装形態では、本開示が、薄膜付着システムを制御するための制御システムを対象とし、薄膜付着システムが、真空搬送モジュール(VTM)、VTM内に位置するVTMロボット、ロード・ロック、予加熱チャンバ、薄膜付着反応器、及び少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを有する。制御システムが、プロセッサと、VTMロボットを用いて、ロード・ロックから、VTMを通して、予加熱チャンバまで、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックの第1の搬送を行うことであって、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックに複数のウエハが装填されている、第1の搬送を行うこと、予加熱チャンバの中で少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハを加熱すること、VTMロボットを用いて、予加熱チャンバから、VTMを通して、反応器まで、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハの第2の搬送を行うこと、反応器の中で複数のウエハに対して薄膜付着プロセスを実施すること、VTMロボットを用いて、反応器から、VTMを通して、ロード・ロックまで、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハの第3の搬送を行うこと、並びに、ロード・ロックの中で少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハに対して制御下の冷却プロセスを実施すること、を含むオペレーションを実施するためにプロセッサにより薄膜付着システムを制御するための機械可読命令を含むメモリとを有する。
【0008】
別の実装形態では、本開示が、真空搬送モジュール(VTM)、VTM内に位置するVTMロボット、ロード・ロック、予加熱チャンバ、薄膜付着反応器、及び少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを有する薄膜付着システムのプロセッサにより、VTMロボットを用いて、ロード・ロックから、VTMを通して、予加熱チャンバまで、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックの第1の搬送を行うことであって、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックに複数のウエハが装填されている、第1の搬送を行うこと、予加熱チャンバの中で少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハを加熱すること、VTMロボットを用いて、予加熱チャンバから、VTMを通して、反応器まで、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハの第2の搬送を行うこと、反応器の中で複数のウエハに対して薄膜付着プロセスを実施すること、VTMロボットを用いて、反応器から、VTMを通して、ロード・ロックまで、少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハの第3の搬送を行うこと、並びに、ロード・ロックの中で少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラック及び複数のウエハに対して制御下の冷却プロセスを実施すること、を含むオペレーションを実施するように構成される機械可読命令を含む非一時的な機械可読記憶媒体を対象とする。
【0009】
別の実装形態では、本開示が搬送可能なウエハ・ラックを対象とする。搬送可能なウエハ・ラックが、ベース・プレート、トップ・プレート、及びベース・プレートとトップ・プレートとの間に配置される複数のカラムであって、複数のカラムの各々が、ベース・プレートとトップ・プレートとの間に摺動可能に配置される複数のウエハを支持するための複数の凹部を有する、ベース・プレート、トップ・プレート、及び複数のカラムと、ベース・プレート上に配置されるインターフェースであって、インターフェースが、搬送可能なウエハ・ラック及び搬送可能なウエハ・ラックの上に配置される複数のウエハを、ウエハの処理のために複数の薄膜付着プロセス・モジュールの間で搬送するために、ロボット・アームのエンド・エフェクタに結合されるように構成及び寸法決定される、インターフェースと、を有する。
【0010】
本発明を説明するために、図面が本発明の1つ又は複数の実施例の態様を示す。しかし、本発明が、図面に示される正確な構成及び手段のみに限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本開示のモジュール式の薄膜付着システムの一実例を示す上面図である。
【
図1B】
図1Aのシステムの真空搬送モジュール(VTM)及びロード・ロックを示す上面図であり、ここでは、VTM内にあるロボット・アーム及びロード・ロック内にあるターンテーブルを含めて、これらの構成要素の内部チャンバを示すために頂部が取り外されている。
【
図2A】空である、つまりウエハを装填されていない単一カラムの搬送可能なウエハ・ラックを示す上面斜視図である。
【
図2B】
図2Aの単一カラムの搬送可能なウエハ・ラックを示す底面斜視図である。
【
図3A】複数のウエハを装填されている二重カラムの搬送可能なウエハ・ラックを示す上面斜視図である。
【
図3B】
図2Aの二重カラムの搬送可能なウエハ・ラックを示す底面斜視図である。
【
図4】ロード・ステーションの内部の一部分を示す図である。
【
図5】二重カラムの搬送可能なウエハ・ラックを備えるロード・ロックを示す図である。
【
図7】フロア、
図5及び6のロード・ロックのターンテーブルを示す上面斜視図である。
【
図8】
図7のフロア及びターンテーブルを示す底面斜視図である。
【
図9】2つの搬送可能なウエハ・ラックを支持するように構成されるターンテーブルを備えるロード・ロックを示す図である。
【
図10】VTMの内部チャンバの一実例を示す図である。
【
図11】VTMロボット・エンド・エフェクタを示す斜視図である。
【
図12】モジュール式の薄膜付着システムを使用して自動バッチ生産の薄膜付着プロセスを実施する一実例の方法を示す図である。
【
図13】モジュール式の薄膜付着システムを使用して自動バッチ生産の薄膜付着プロセスを実施する別の実例の方法を示す図である。
【
図14】本開示のモジュール式の薄膜付着システムと共に使用されるための計算システムのコンポーネントの機能ブロック図を示す図である。
【
図15】本開示のモジュール式の薄膜付着システムを使用する4つの搬送可能なウエハ・ラックの並行処理を概念的に示す時系列である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の態様が、ウエハ当たりのコストを下げながら、高スループットと組み合わされる均一性をもたらすように構成される完全自動バッチ生産の薄膜付着システムを有する。本明細書で開示される実例の実施例は半導体ウエハ及び搬送可能なウエハ・ラックを参照するが、本開示のシステムは半導体ウエハ以外のサブストレートに対して薄膜処理を適用するのにも使用され得る。いくつかの実例では、システムが、低衝撃のバッチ式の搬送を介して自動で安全なウエハの取り扱いを含む。いくつかの実例では、本開示のシステムが、特定の仕様に概して合うように適合される柔軟性のある熱管理の解決策を可能にするモジュール式の予加熱・冷却のデザインを有する。いくつかの実例では、本開示の自動バッチの薄膜付着システムが、大容量の反応器、低い消耗品・維持コスト、及びコンパクトなフットプリントを組み込む。
【0013】
本開示の態様が、例えば最大300mmのウエハまでの、シームレスなウエハ・サイズの移行を可能にする、高いロバスト性及び柔軟性を有する反応器デザインをさらに有する。いくつかの実例では、システムが、例えば、100mm、150mm、200mm、及び/又は300mmなどの、特定のウエハ・サイズにおいて最適なスループットを達成するように容易に構成され得る。いくつかの実例では、システムが、例えば100mm及び150mmなどの、例えば2つ以上である、複数の異なるウエハ・サイズを並行して処理するのを可能にする。このような並行的であるサイズに関する能力により、プロセスの開発及び生産のスケーリングが容易になる。本開示の態様が、プロセス・フローのボトルネックを最小にして優れた処理の柔軟性を提供するように効果的に適合され得る構成性に関する利点を提供するモジュール式のアーキテクチャをさらに含む。
【0014】
本開示の態様が、小規模バッチの生産前の評価から、拡大した生産にわたって、ウエハごとのコストを低減することをさらに含む。一実例では、本開示のシステムが例えば、生産性、優れた膜性能、及び低い運転コストを組み合わせて、最大月40,000ウエハのスループットを実現することができる(100nmの厚さのAl2O3ウエハのための及びバッチごとに100個のウエハのための、原子層堆積(ALD)プロセスを想定する)。
【0015】
いくつかの実例では、本開示のシステムが、封入層及びバリア層、並びに光学コーティングを含めた、酸化フィルムのために最適化され得る。態様がさらに、高いスループット、自動化、並びに脆い及び/又は温度感受性のサブストレート(例えば、LNO、LTO、ガラス、III-V)のための安全なウエハの取り扱い、さらには、プロセスの柔軟性及びスループットを最適化するためのモジュール式の熱管理を含むことができる。
【0016】
図1A及び1Bを参照すると、モジュール式の薄膜付着システム100の一実例が本開示の実施例に従って描かれている。システム100が、例えば133Pa(1Torr)から66661Pa(500Torr)の範囲内の真空圧力などの、大気圧を基準とした真空圧力で維持されるように設計される内部チャンバ1002を画定する外側構造104を有する中央真空搬送モジュール(VTM)102を有する。示される実例では、VTM102が、システムの対応するモジュールに動作可能に結合されるように構成される開口部1008(
図1Bでは3つの開口部に符号が付される)を各々有する5つの側面を画定する五角形形状のフットプリントを有する。示される実例では、VTM102が、原子層体積(ALD)反応器などの、従来技術で既知の多様な薄膜付着反応器のうちの任意の薄膜付着反応器であってよい薄膜付着反応器106に結合される。一実例では、反応器106が、参照によりその内容の全体が本明細書に組み込まれている、「Reaction chamber with removable liner」と題される米国特許第9,175,388号、「System and method for thin film deposition」と題される米国特許第9,328,417号、及び、「ALD systems and methods」と題される米国特許第9,777,371号で説明されるような1つ又は複数の特徴を有するALD反応器であってよい。一実例では、反応器106が、Veeco Instruments Inc.によって製造されるPhoenix(商標)ALD反応器であってよい。反応器106が、ウエハ・ラック200及び300(
図2及び3)などの1つ又は複数の搬送可能なウエハ・ラックを受けるように構成及び寸法決定される反応器チャンバを有することができる。
【0017】
VTM102がさらに、反応器106内でウエハを処理する前に、ウエハの少なくとも1つ又は複数のカラムを装填されている搬送可能なウエハ・ラックを予加熱するための第1の予加熱チャンバ108a及び第2の予加熱チャンバ108bに結合される。システム100が第1のロード・ロック112a及び第2のロード・ロック112bをさらに有し、第1のロード・ロック112a及び第2のロード・ロック112bの各々が、VTMチャンバ内の真空環境と周囲環境との間でウエハ・ラックを搬送するためにVTM102に動作可能に結合される。システム100が、ロード・ステーションのロード・ポート118a~dのうちの1つのロード・ポートの中に位置するウエハ・カセットとロード・ロック112の中に位置する搬送可能なウエハ・ラックとの間でウエハを搬送するためのロード・ステーション116をさらに有する。システム100が、システム100を制御するためのユーザ入力を受信するためのユーザインターフェース120をさらに有する。VTM102が、システム100の種々のモジュールの間でウエハのラックを自動で搬送するための少なくとも1つのロボット1004(
図1B及び10を参照)を有することができる。ロード・ステーション116が、ロード・ポート118の中に位置するウエハ・カセットとロード・ロック112の中に位置するウエハ・ラックとの間で個別のウエハを自動で搬送するための少なくとも1つのロボット(
図4を参照)をさらに有することができる。システム100が、システムの種々のモジュール内の環境を制御するための制御システムによって制御される一連のドア及び弁をさらに有する。示される実施例では、振り子ゲート弁(pendulum gate valve)122a、122bがロード・ロック122とVTM102との間に位置し、大気ドア124a、124bが各々のロード・ロックとロード・ステーション116との間に位置する。一実例では、ゲート弁122がISO500の振り子ゲート弁であり、VTMロボット・アーム1004(
図10)により、ロード・ロック112の中に位置するウエハ・ラックにアクセスするのを可能にするのに、及び対応するゲート弁122の中にある開口部を通してVTM102の中までウエハ・ラック及びウエハを搬送するのを可能にするのに、十分である500mmの直径の開口部を画定する。システム100が、各々の予加熱チャンバ108をVTMチャンバから分離するための大型フォーマットの加熱されるゲート弁126a及び126bをさらに有する。一実例では、加熱されるゲート弁126が、VTMロボット・アーム1004によりVTMチャンバと予加熱チャンバとの間でウエハ・ラックを搬送するのを可能にするのに十分である約450mm×260mmであるサイズを有する開口部を画定する。加熱されるゲート弁126が、加熱中に予加熱チャンバの内部とほぼ同じ温度でドアの予加熱チャンバ側の温度を維持するために弁のドアを加熱するための加熱要素を有する。
図1BがVTM102及びロード・ロック112の上面図であり、ここでは、VTM内にあるロボット・アーム1004及びロード・ロック内にあるターンテーブル506を含めて、これらの構成要素の内部チャンバを示すためにこれらの構成要素の頂部が取り外されている。
【0018】
システム100のモジュールの性質が、製造量、サブストレートの種類、付着される薄膜の種類などの、具体的な処理要求に従ってシステム100を容易に修正するのを可能にする。例えば、予加熱チャンバ108のうちの1つの予加熱チャンバが反応器106と同じ種類の反応器であってよいか又は異なる種類の反応器であってよい第2の反応器106に置き換えられ得るか、或はロード・ロック112のうちの1つのロード・ロックが予加熱チャンバ108若しくは反応器106又は他のウエハ処理モジュールに置き換えられ得る。他の実例では、5つを超えるモジュールに結合されるための5つを超える数の開口部を有する代替のVTMが提供され得、例えば、本開示に従って作られるVTMが、開口部を備える対応する数の6つの、7つの、又は8つの側面を備える六角形、七角形、又は八角形などの外形を有することができるか、或はVTMが、任意の数の開口部及び対応するモジュールを備える、細長い長方形形状などを有することができる。
【0019】
システム100が、システムの全体にわたって搬送される搬送可能なウエハ・ラック(例えば、
図2A、2B、3A、及び3Bを参照)の上にウエハのバッチを配置することにより、ウエハのバッチを並行して処理するのに使用され得る。搬送可能なウエハ・ラックの上にウエハを配置することにより、ウエハ・ラックに最初に装填するときの高温ではない室温においてのみウエハを取り扱いながらウエハのバッチを処理することが可能となり、これは特には、例えば、LNO、LTO、ガラス、及びIII-Vウエハなどの、非常に脆いウエハのために有益である。システム100のモジュールの性質が、反応器内で行われる薄膜付着プロセスから、時間を要する予加熱段階及び冷却段階を切り離すことにより効率的な熱管理を可能にする。例えば、
図1に示される実例では、反応器106内で1つの搬送可能なウエハ・ラックを処理しながら、第2の搬送可能なウエハ・ラックが予加熱チャンバ108のうちの1つの予加熱チャンバ内で加熱され得、反応器106内で既に処理された第3の搬送可能なウエハ・ラックがロード・ロック112のうちの1つのロード・ロック内で冷却され得、このとき、ロード・ロックのうちの他の1つのロード・ロックの中に位置する第4の搬送可能なウエハ・ラックに、処理するためのウエハが装填され得る。システム100の全体にわたってウエハのラック全体を搬送及び処理することによりさらに、複数のウエハ・サイズを並行して処理することが可能となる。例えば、後で説明されるように、システム100が、多様なサイズのウエハを担持するように各々構成されるがVTMロボット及びロード・ロックに結合されるためのユニバーサル・インターフェースを各々有する複数の搬送可能なウエハ・ラックを有することができる。システム100の構成要素の例示の態様が下記で説明される。
【0020】
搬送可能なウエハ・ラック
図2A及び2Bが単一カラムのウエハ・ラック200の一実例を示しており、
図3A及び3Bが2つのカラムの搬送可能なウエハ・ラック300の一実例を示している。示される実例では、ラック200が約20.3cm(8インチ)の高さ及び33.0cm(13インチ)の幅を有することができ、約20個から30個の200mm~300mmのウエハを保持するように構成及び寸法決定され得る。二重カラムのラック300が約20.3cm(8インチ)の高さ及び33.0cm(13インチ)の幅を有することができ、20個から30個の150mmのウエハを各々の含む2つのカラムを保持するように構成及び寸法決定され得る。他の実例では、搬送可能なウエハ・ラックが、ウエハの3つの以上のカラムを担持するように構成され得る。ラック200及びラック300の各々が、VTM102の中にあるロボット1004(
図10を参照)のエンド・エフェクタ1006及びロード・ロック112内のターンテーブル506(
図5を参照)にインターフェース接続されるように構成される同じユニバーサル・インターフェース204を有するベース202、302を有する。インターフェース204が、VTMロボット1004のエンド・エフェクタ1006の中の凹部1102(
図11)のサイズ及び形状に対して相補的である外形を有し、それによりエンド・エフェクタと対合するようになる。示される実例では、インターフェース204がベース202及びベース302から隆起しており(stand proud of)、第1の湾曲端部206及び第2の湾曲端部208並びに第1の平坦側面210及び第2の平坦側面212を有する。インターフェース204が、ロード・ロック・ターンテーブル506上の対応するテーパ状の突出部714a~714cに位置合わせされるように構成される、相補的な形状を有する複数のテーパ状の凹部214a~214cをさらに有する。当業者には認識されるように、ターンテーブル上の対応する突出部との組合せで、多様な凹部個数のうちの任意の凹部個数、多様な凹部パターンのうちの任意の凹部パターン、及び各々の多様な凹部の形状のうちの任意の凹部の形状が使用され得、本出願で示される具体的な構成は見た目及び機能の両方のために選択されるものである。他の実例では、エンド・エフェクタ1006、ターンテーブル506、又はシステム100の他の構成要素を基準としたラック200、300の特定の側方位置及び回転位置を画定するために、或はラックを固定するか又は結合するために、他の対合構造部が使用され得る。例えば、インターフェース204がベース202、302から延在するのではなく窪んでいてよく、対応する形状の突出部を受けるようにサイズ決定され得る。
【0021】
単一カラムの搬送可能なウエハ・ラック200が、複数のカラム224a~224dにより離間される平行な関係で配置されるトップ・プレート220及びボトム・プレート222を有し、それによりこれらの間で複数のウエハ又は他のサブストレートを受けて支持する。カラム224の各々が、ウエハの縁部を受けて支持するようにサイズ決定及び構成される複数の凹部226(1つのみ符号を付される)を有し、隣接する凹部の間隔がラック内の隣接するウエハの間の間隔を画定する。示される実例では、ラック200が4つのカラムを有し、カラム224a及び224cが、トップ・プレート220の両側の、トップ・プレートのほぼ中間点のところに位置し、ウエハのほぼ中心線のところでウエハを支持する。カラム224b及び224dが、ウエハの一方側を支持して、ラックの反対側からラックに挿入されるウエハのためのバックストップとして機能するために、トップ・プレートの片側に位置する。ボトム・プレート222がトップ・プレート220より大きい幅を有し、ボトム・プレートの底部表面228がVTMロボット1004のエンド・エフェクタ1006のための持ち上げ表面として構成され、それによりラックを持ち上げるときにラックに接触してラックを押圧する。比較的幅広のボトム・プレート222によりさらに、ラック200がエンド・エフェクタ上で安定的に支持されるようになる。
【0022】
二重カラムの搬送可能なウエハ・ラック300が、複数のカラム324a~224gにより離間される平行な関係で配置されるトップ・プレート320及びボトム・プレート322を有し、それによりこれらの間でウエハ350(1つのみ符号を付される)の2つのカラムを受けて支持する。カラム324の各々が、ウエハの縁部を受けて支持するようにサイズ決定及び構成される複数の凹部326(1つのみ符号を付される)を有し、隣接する凹部の間隔がラック内の隣接するウエハの間の間隔を画定する。示される実例では、ラック300が7つのカラムを有し、カラム324a、324g、及び324fが、両側において、トップ・プレート320の中間点且つトップ・プレートのほぼ中心線のところに位置し、それによりウエハのほぼ中心線のところでウエハを支持する。カラム324b、324c、324d、及び324eが、ウエハの片側を支持して、ラックの反対側からラックの中に挿入されるウエハのためのバックストップとして機能するために、トップ・プレートの片側に位置する。ボトム・プレート322が、ラックを持ち上げるときにラックに接触してラックを押圧するための、VTMロボット1004のエンド・エフェクタ1006のための持ち上げ表面として構成される底部表面328を画定する。比較的幅広のボトム・プレート322によりさらに、ラック300がエンド・エフェクタ上で安定的に支持されるようになる。
【0023】
一実例では、ラック200及び300がシステム100の全体にわたって常に垂直位置となるように方向付けられるように構成され、その結果、ウエハのカラムの中心長手方向軸が実質的に垂直となり、ラックのベース202、302のところのみで支持されるように構成される。ラック200及び300がシステム100内の特定のロケーションに配置されてエンド・エフェクタ1006などのロボット・アームのエンド・エフェクタによりベースから持ち上げられるように構成される。したがって、後で説明されるように、ラック200又は300の全体が、垂直の向きにおいて、ラック・ロック112からゲート弁122を通してVTM102の中まで搬送され、さらに、VTMから加熱されるゲート弁126を通して予熱チャンバ108の中まで及び予熱チャンバ108から外へ搬送され、さらに、VTMから反応器106の中まで及び反応器106から外へ搬送される。一実例では、ラック200及び300が、VTM102の中まで又はVTM102から外へ移動させられるときに常に同様の垂直の向きで維持される。他の実例では、本開示に従って作られる搬送可能なウエハ・ラックが、ウエハ・ラックを安全に持ち上げて例えば垂直位置と水平位置との間で回転させるといったように回転させるための、追加の結合構造部を有することができる。例えば、システムが水平の向きでウエハを処理するように構成される薄膜付着反応器を有する。他の実例では、システム100が搬送可能なウエハ・ラックを水平位置で維持するように構成され得、ここでは、ウエハ・カラムの中心長手方向軸がシステム全体にわたって常に実質的に水平となる。
【0024】
搬送可能なウエハ・ラック200及び300が、ステンレス鋼、石英、及び/又はセラミック材料などの、多様な材料のうちの任意の材料から形成され得る。ラック200、300の容易に取り外され得る性質の1つの利点は、ラック200、300が、多様なサイズのウエハを容易に洗浄、置換、及び交換するために、容易に取り外され得ることである。
【0025】
ロード・ステーション
ロード・ステーション116が、当技術分野でよく知られている標準機械的インターフェース(SMIF:standard mechanical interface)カセット又はフロント・オープニング・ユニバーサル・ポッド(FOUPS:front opening universal pod)カセットなどのウエハ・カセットを受けるように構成される。ウエハ・カセットが、システム100によって処理されるために、操作者によりロード・ポート118のうちの1つのロード・ポートの中に配置され得る。一実例では、システム100が複数のウエハ・サイズを並行して処理することができ、例えば150mm、200mm、及び300mmのウエハのうちの1つ又は複数を処理することができる。一実例では、各ロード・ポート118が、例えば最大25個のウエハ、又は最大50個のウエハといったように、複数のウエハを保持するウエハ・カセットを受けるように構成される。
【0026】
図4が、ロード・ステーション116の一実例の内部の一部分を示す。示される実例では、ロード・ステーション116が、個別のウエハを、ロード・ポート118のうちの1つのロード・ポート内に位置するウエハ・カセットから搬送可能なウエハ・ラック(例えば、ロード・ロック112のうちの1つのロード・ロック内に位置するウエハ・ラック200又は300(
図2、3))まで連続的に搬送するための少なくとも1つのロボット400を有する。
図4が、一対のロボット・アーム402、404を有するロード・ステーション・ロボット400の一実例を示す。一実例では、各ロボット・アームが、枢動可能なショルダ、第1のアーム・セグメント、枢動可能なエルボー、第2のアーム・セグメント、枢動可能なリスト、及び1つ又は複数のエンド・エフェクタ406、408を有する。示される実例では、エンド・エフェクタ406及び408が2つの異なるウエハ・サイズのためにサイズ決定され、例えば、エンド・エフェクタ406が100mm及び150mmのウエハのためにサイズ決定され、エンド・エフェクタ408が150mm及び200mmのウエハのためにサイズ決定され、その結果、ロード・ステーション116が、並行して処理するために、100mm、150mm、及び200mmのウエハをシステム100の中に自動で装填することができる。エンド・エフェクタ406、408が、ウエハを安全に握持するための真空チャックをさらに有することができる。
【0027】
一実例では、ロード・ステーション116が、ウエハ・カセットの中に装填されるウエハのサイズを判断してウエハを連続的に搬送するための対応するアーム402/404を使用するために、ウエハ・カセットの上にある、及び/又はロード・ポート118の中に装填されるウエハの上にある、機械可読コードを読み取るように構成されるウエハID読取装置(示されない)を有する。したがって、ロード・ステーション116のこの二重アームの構成により、ハードウェアを一切変えることなく例えば2つである複数の異なるウエハ・サイズを処理することが可能となる。
【0028】
一実例では、ロード・ステーション116内のロボット400が、単一のウエハを取り扱うところである、システム100内の唯一のロケーションである。加えて、単一のウエハがほぼ室温・大気の条件で取り扱われる。各ウエハがロード・ロック112のうちの1つのロード・ロックの中に装填された後、ウエハがバッチ式で取り扱われ、ここでは、ロード・ロック112のうちの1つのロード・ロックの中でウエハが処理されてほぼ室温まで冷却されるまで、いずれのウエハも、操作者に、或は、ウエハを支持する搬送可能なウエハ・ラック以外の、システム100の任意のロボット構成要素又は他の構成要素に、直接に接触しない。
【0029】
ロード・ステーション116が、一体型のHEPAフィルタ、静電気放電を防止するためのイオナイザー・バー、及びロード・ポート内のカセット内でのウエハのアライメントを決定するためのウエハ・アライナをさらに有することができる。
【0030】
ロード・ロック
図5及び6がロード・ロック112のうちの1つのロード・ロックを示す。示されるように、ロード・ロック112が、VTM102(
図1)内の真空圧力と実質的に等しい、大気圧を基準とした真空圧力まで引き下げられるように構成されるロード・ロック・チャンバを画定するエンクロージャ502を有する。ロード・ロック112が、ロード・ステーション116に結合されるように構成及び寸法決定されるロード・ステーション開口部504、及びVTM102に結合されるように構成及び寸法決定されるVTM開口部602(
図6)を有する。示される実例では、ロード・ロック112が、例えばターンテーブル上に位置する
図5及び6に示されるウエハ・ラック300などの、搬送可能なウエハ・ラックに取り外し可能に結合されて搬送可能なウエハ・ラックを支持するように構成される、ロード・ロックの中に回転可能に配置されるターンテーブル506をさらに有する。一実例では、システム100の制御システムが、ウエハをウエハ・ラック300の上に装填するための第1の回転位置にターンテーブル506を配置するように、並びにVTMロボット・アームを用いてロード・ロックからウエハ・ラックを持ち上げて取り外すための第2の位置までターンテーブルを回転させるように、構成される。
【0031】
図7及び8が、ロード・ロック・エンクロージャ502のフロア702内に回転可能に配置されるターンテーブル506の追加の図を示す。示される実例では、ターンテーブル506が、ウエハ・ラック200又は300(
図2及び3)を含めた、複数のウエハ・ラックに結合されて支持するように構成されるユニバーサルのウエハ・ラック・インターフェース704を有する。ユニバーサルのウエハ・ラック・インターフェース704が、ウエハ・ラックの底部表面の方を向くように構成される頂部表面708、反対側の底部表面710、及び外側ペリメータ712を有するプレート706を有し、外側ペリメータが、VTM102(例えば、
図10及び11を参照)のロボット・アーム1004のエンド・エフェクタ1006に対して相補的な形状を有するように構成及び寸法決定される形状を有し、その結果、VTMロボット・アーム・エンド・エフェクタが外側ペリメータ512の少なくとも一部分の周りに配置され得、したがって、ウエハ・ラックをVTM102の中へ搬送することを目的としてターンテーブル506から離して複数のウエハを保持する搬送可能なウエハ・ラックを持ち上げるために垂直方向に移動させられ得る。プレート706が、ウエハ・ラック200及び300のインターフェース204のテーパ状の凹部214a~214cに位置合わせされるように構成される複数のテーパ状の突出部714a~714cを有する。
【0032】
図7及び8に示されるように、ターンテーブル506の回転が、真空フィードスルー722を介してフロアを通って延在するシャフト720を介してターンテーブル506に結合される、フロア702の下方に位置する回転駆動システム802によって駆動され、したがってすべての可動部品がロード・ロック112の真空環境の外部にあり、ウエハ環境での粒子発生が低レベルになることが保証される。示される実例では、回転駆動システム802が回転駆動装置804及び回転アクチュエータ806を有し、回転アクチュエータが空気圧的に制御され、ターンテーブルの回転位置を制御するためのリード・スイッチを有する。他の実例では、ロード・ロックが、回転可能なターンテーブルではなくウエハ・ラックを支持するための静止プラットフォームを有することができる。一実例では、制御システムが、ターンテーブル506の回転位置を制御するように構成され得、その結果、搬送可能なウエハ・ラックが、その後で反応器106の中に配置されるために正確な回転位置にくるようになる。適切な回転位置に達した後、VTMロボットが、予加熱チャンバ108及び反応器106の中への及びそれらから外への搬送の全体を通して適切な位置を維持するように構成され得る。
【0033】
一実例では、ロード・ロック112の各々が、信頼性の高い真空搬送のための存在センサ、ウエハ・ラックに対しての適切なウエハの配置を保証するための突出部センサ、及びVTMロボット1004及びロード・ステーション・ロボット400に教示するのを容易にするためのビューポートを有する。ビューポートが、ウエハ・ラック200、300を基準としてVTM及びロード・ステーション・エンドエフェクタ1006、406、408を正確に配置することを保証するための、並びにロード・ロック蓋510を取り外すのを必要とすることなく両方のロボット・エンド・エフェクタの位置を操作者が確認及び教示するのを可能にすることを保証するための、明瞭な視覚的アクセスを操作者に提供する。
【0034】
各ロード・ロック112が、ロード・ロック・チャンバ内の環境を制御するための圧力・流量制御システム130に結合される。新しいウエハがロード・ロック・チャンバ内のウエハ・ラック200、300の上に装填された後、圧力・流量制御システム130がロード・ロック・チャンバをパージしてチャンバ内の圧力を真空圧力まで低下させるように構成される。後で説明されるように、ウエハが処理された後、ウエハのラックが制御下での冷却のためにロード・ロック112のうちの1つのロード・ロックへ戻される。圧力・流量制御システム130が、窒素、アルゴン、又はヘリウムなどの、1つ又は複数のガスを注入するように、及び標的の冷却シーケンスを達成することを目的として処理されている特定のウエハ又はサブストレートに応じて多様な圧力・温度シーケンスのうちの任意の圧力・温度シーケンスに従うように、構成され得る。ウエハの損傷につながり得るような不適切な冷却により発生する可能性があるウエハ内の熱応力の発生を最小にする又は回避するのに、1つの特定の冷却シーケンスが重要なものとなり得る。一実例では、冷却プロセスが、パージ流量、ロード・ロック・チャンバの圧力、及び時間、の3つの構成要素を含む。一実例では、冷却プロセスが、(1)ロード・ロックの圧力を標的の真空圧力まで低下させること、(2)搬送可能なウエハ・ラックを有するチャンバ及び直近に処理されたウエハを分離すること、(3)指定される時間にわたって窒素などのパージ・ガスを用いてチャンバをパージすること、(4)パージを停止して指定される時間にわたって保持すること、(5)圧力を漸進的に増大させること、並びに(6)大気圧に達するまでステップ3~5を繰り返すこと、を含むことができる。
【0035】
図9が、例えば、1回のバッチで100個のウエハを得るような、100mm及び150mmの50個以上のウエハを各々収容することができる2つのラックであるか、又は1回のバッチで50個のウエハを得るような、各々200mmの25個以上のウエハを各々収容することができる2つのラックである、2つの搬送可能なウエハ・ラックを支持するように構成されるターンテーブル902を有するロード・ロック112の別の実例を示す。示される実例は、二重カラムの搬送可能なウエハ・ラック300のうちの2つを支持するターンテーブル902を示す。このような実例では、搬送可能なウエハ・ラックを装填する方法が、ロード・ステーション116に隣接するラックのうちの第1のラックを装填して次いでターンテーブルを約180度回転させて次いで第2のラックを装填すること、並びに弁122及び124を閉じてロード・ロック・チャンバをパージしてロード・ロック・チャンバ内に真空を引くこと、を含むことができる。
【0036】
VTM
図10が、VTM102の内部チャンバ1002の一実例を示す。示される実例では、VTM102が、システム全体にわたって、ウエハ・ラック200及び300などの搬送可能なウエハ・ラックを移動させるように構成されるロボット・アーム1004を有する。示される実例では、ロボット・アーム1004が、枢動可能なショルダ、第1のアーム・セグメント、枢動可能なエルボー、第2のアーム・セグメント、枢動可能なリスト、及びエンド・エフェクタ1006を有する。
図10は、エンド・エフェクタ1006上に配置される複数のウエハを装填されるウエハ・ラック300のうちの1つのウエハ・ラックを示す。上述したように、VTM102が、システム100の種々のモジュールに結合されるように構成される複数の開口部を有する。
図10は2つの開口部1008a、1008bを示す。予加熱チャンバ108のうちの1つの予加熱チャンバが開口部1008bに結合されており、
図10が、開口部1008b内で閉位置にある加熱されるゲート弁126bのうちの1つの加熱されるゲート弁を示す。反応器106が開口部1008aに結合され、
図10では反応器ドア1010が閉位置で示されている。VTMロボット・アーム1004が、処理のために、例えば1分未満といったように、迅速に、予加熱チャンバ108から反応器106までウエハ・ラックを搬送するように構成され、その結果、ウエハを反応器の中に置くときの加熱されるウエハの温度が、予加熱チャンバ内のウエハの温度に実質的に等しくなる。
【0037】
図11が、VTMロボット・エンド・エフェクタ1006の斜視図である。上述したように、エンド・エフェクタ1006が、ウエハ・ラック200及び300などの、複数の異なる搬送可能なウエハ・ラックに結合されるためのユニバーサルのエンド・エフェクタとして設計及び構成される。エンド・エフェクタ1006が、ラックに結合されるための、ラック200及び300(
図2及び3)のユニバーサル・インターフェース204に対して相補的な形状を有する凹部1102を有する。示される実例では、ロボット・アーム1004が、ウエハ・ラックのベースに結合されるように、及びシステム全体にわたってロボット・アームによりウエハ・ラックを移動させるときにウエハ・ラックを持ち上げてウエハ・ラックを垂直位置で維持するように、構成される。凹部1102が、ラック200又は300(
図2A~3B)のユニバーサル・インターフェース204の第1の湾曲端部206及び第2の湾曲端部208並びに第1の平坦側面210又は第2の平坦側面212と対合するように構成される、第1及び第2の反対側の側面1104、1106、及び第
3の側面1108を有する。エンド・エフェクタが、ラック200又は300のボトム・プレート222又は322の底部表面228又は328に接触するように構成される平坦な頂部表面1112a、1112bを各々有する対向するアーム1110a、1110bをさらに有する。他の実例では、VTMロボット・アームが、搬送可能なウエハ・ラックの頂部にさらに結合されるか又はウエハ・ラックの頂部のみに結合されるように構成され得、いくつかの実例では、VTMロボット・アームが、垂直の向きから水平の向きへウエハ・ラックを回転させるように構成され得る。
【0038】
VTM102が、VTMの中へ及びVTMから外へウエハ・ラックを高い信頼性で搬送するのを保証するための、内部チャンバ1002の全体に位置する1つ又は複数の存在センサを有することができる。一実例では、チャンバ102が、ロボット・アーム1004までの又はロボット・アーム1004からのウエハ・ラックの搬送が成功したことを確認することを目的としてエンド・エフェクタ1006上のウエハ・ラックの存在を検出するように構成される、各々の開口部1008の近傍に位置するか又は各々の開口部1008の中に位置する全通ビーム・センサを有することができる。
【0039】
予加熱チャンバ
図1を再び参照すると、予加熱チャンバ108が、ウエハ・ラック200又は300などの、ウエハを装填される少なくとも1つの搬送可能なウエハ・ラックを受けるようにサイズ決定される内部空間を確定し、一実例では、内部空間が反応器106のプロセス・チャンバの内部空間とほぼ同じサイズである。
図1が、予加熱チャンバに電力供給するための配電モジュール132に結合される予加熱チャンバ108a、並びに、加熱中の予加熱チャンバ内の圧力及び空気の化学組成を制御することを目的として、窒素、アルゴン、又はヘリウムなどのガス媒体を提供するための圧力・流量制御システム134を示す。システム100のための制御システムが、特定の、ウエハのサイズ、種類、又はウエハの数、及び反応器106で実施されることになる薄膜付着プロセスの種類のための、特定の加熱プロフィール及び必要である場合の大気を提供するように予加熱チャンバを制御するように構成され得る。予加熱チャンバ108が、加熱器の内部空間を画定する構造に結合される、放射加熱要素、加熱ランプ、又は管状ヒータなどの、多様な種類の加熱システムのうちの任意の加熱システムを有することができる。一実例では、複数の管状ヒータが予加熱チャンバの外部壁に結合され、予加熱チャンバが壁の温度を読み取るための複数の熱電対を有し、チャンバ内の圧力が、チャンバを隔離することにより、及び所望の圧力を達成するまで2段の逃し弁を通して窒素を流すことにより、制御される。
【0040】
動作方法
図12が、システム100などのモジュール式の薄膜付着システムを使用して自動バッチ生産の薄膜付着プロセスを実施する方法1200の一実例を示す。示される実例では、ブロック1201で、本方法が、第1の複数のウエハを備えるロード・ロック112のうちの1つのロード・ロックなどの第1のロード・ロックの中に位置するウエハ・ラック200又は300などの第1の搬送可能なウエハ・ラックを装填することを含むことができる。ブロック1201が、ロボット404などのロード・ステーション・ロボットにより自動で実施され得る。ブロック1203で、予加熱チャンバ108のうちの1つの予加熱チャンバなどの、第1の予加熱チャンバまで第1のウエハ・ラックを搬送する。ブロック1203が、VTMロボット1004などのVTMロボットによって実施され得る。ブロック1205で、第1のウエハ・ラックが加熱される間、ロード・ロックの中に位置する第2の搬送可能なウエハ・ラックに第2の複数のウエハを装填して第2のウエハ・ラックを第2の予加熱チャンバまで搬送する。ブロック1207で、第1及び第2のウエハ・ラックが予加熱される間、ロード・ロックの中に位置する第3の搬送可能なウエハ・ラックに第3の複数のウエハを装填する。ブロック1209で、第2のウエハ・ラックが第2の予加熱チャンバ内で加熱される間、加熱される第1のウエハ・ラックを反応器106などの反応器チャンバまで搬送し、ALDプロセスなどの薄膜付着プロセスを実施する。ブロック1211で、第1の複数のウエハで薄膜付着プロセスを実施した後、冷却のために反応器チャンバからロード・ロックまで第1のウエハ・ラックを搬送し、第2のウエハ・ラックを反応器チャンバまで搬送し、ロード・ロックから第1の予加熱チャンバまで第3のウエハ・ラックを搬送する。1213で、第1の複数のウエハが冷やされて第3の複数のウエハが予加熱される間、第2の複数のウエハ上で薄膜付着プロセスを実施する。方法1200のステップは、方法1200を実施するための命令を有するバッチ生産のソフトウェア・プログラムを実行するシステム100などのバッチ生産の薄膜付着システムを動作させる制御システムによって実施され得る。
【0041】
方法1200によって示されるように、システム100などのモジュール式のシステムが、スループットを有意に向上させるための及びウエハごとの処理コストを低減するための明確な利点を提供する。時間を要する加熱・冷却フェーズを薄膜付着フェーズから切り離すことにより、ウエハの複数のラックが並行して処理され得る。
【0042】
図13が、システム100などのモジュール式の薄膜付着システムを使用して薄膜付着プロセスの自動バッチ生産を実施する方法1300の一実例を示す。示される実例では、ブロック1301で、本方法が、サブストレートのカセットを、ロード・ステーション116のロード・ポート118などのロード・ステーションの開いているカセット・ロード・ポートの中に装填することを含むことができる。ブロック1303で、装填されたサブストレートのための「処理方法(recipe)」を選択する。一実例では、この処理方法が、実施される薄膜付着プロセスの種類及びこの付着プロセスを自動で実施するための制御システムへの入力情報として使用される重要なプロセス・パラメータを指定する。一実例では、処理方法が、例えば、サイズ、平坦性(又は、ノッチを有する)、材料、カセットの種類、ウエハ・ラックの標識、ラックの中へウエハを装填するときの優先事項(頂部から底部へ、など)、予加熱の処理方法(例えば、温度、時間、予加熱チャンバの圧力)、薄膜付着反応器の処理方法、及びロード・ロックの冷却の処理方法(例えば、時間及びロード・ロック内の圧力)、などの、ウエハ特性を特定することを含むことができる。処理方法がさらに、例えば角度などのウエハのアライメントの指定、ウエハID、VTM内の搬送圧力、ゲート弁のための圧力差、並びに、装填及び取り出しのための指定されるロード・ロック(例えば、装填及び取り出しの両方で同じロード・ロックを使用するか又は異なるロード・ロックを使用する)をさらに含むことができる。処理方法が、ロード・ロックの圧送・パージのサイクルの指定、及び予加熱チャンバのアイドリング温度をさらに含むことができる。
【0043】
ブロック1305で、ロード・ロックの事前の確認を実施し、装填のためにロード・ロックの準備を整える。いくつかの実例では、ロード・ロックの事前の確認が、例えばラック上に位置する機械可読コードを読み取ることにより、ロード・ロックの中に適切な搬送可能なウエハ・ラックが装填されているかを確認することを1回又は複数回として含むことができる。ロード・ロックから気体を排出し、ターンテーブルの位置を確認し、ラックの中にウエハが確実に存在しないようにするためにラックをマッピングする。ブロック1307で、ロード・ステーション・ロボットを用いてカセットから搬送可能なウエハ・ラックまでウエハを連続的に搬送し、ブロック1309で、ロード・ロック内に位置する突出部センサを用いて搬送可能なウエハ・ラック内に装填されたウエハのアライメントを確認する。1311で、ロード・ロックを固定してポンプ・ダウンを行い、VTMロボットの準備を整える。一実例では、ウエハを搬送可能なウエハ・ラックの中に装填した後、ロード・ロック・ドアが閉じられ、ロード・ロックの内部を標的の真空圧力にするまで、1回又は複数回の圧送・パージのサイクルが実施される。制御システムがさらに、VTMロボットまで搬送するために、ロード・ロック・ターンテーブルを適切な位置まで回転させることができ、突出部センサを用いて、第2のウエハ突出部の確認が実施され得る。
【0044】
ブロック1313で、VTMロボットを用いて、ロード・ロックから予加熱チャンバまで搬送可能なウエハ・ラックを搬送する。ロード・ロックが適切な圧力となった後、制御システムがゲート弁を開けることができ、VTMロボット・アームが、ロボット・アームのエンド・エフェクタを搬送可能なウエハ・ラックのベースに係合させるまで、ゲート弁を通ってロード・ロック・チャンバまで延伸することができる。次いで、制御システムがロボット・アームによりウエハのラック全体をロード・ロック・ターンテーブルから持ち上げることができ、アーム及びウエハ・ラックをVTMチャンバの中まで後退させることができる。次いで、制御システムが、搬送が成功したことを確認するためにロボット・アーム・エンド・エフェクタ上のウエハ・ラックの存在を確認するために、VTMチャンバ内に位置する1つ又は複数の存在センサを使用することができる。搬送が成功したことが確認されると、制御システムがロード・ロック・ゲート弁を閉じて予加熱されたゲート弁を開けることができ、ウエハのラックを加熱のために予加熱チャンバの中まで搬送することができる。
【0045】
ブロック1315で、予加熱チャンバの中で搬送可能なウエハ・ラック及びウエハを予加熱する。ウエハ・ラックを予加熱チャンバの中に置いた後、制御システムがロボット・アームをVTMチャンバの中まで後退させることができ、VTM存在センサを用いて搬送が成功したことを確認することができ、加熱されるゲート弁を閉じることができ、選択された処理方法に従って予加熱シーケンスを開始することができる。ブロック1317で、予加熱された搬送可能なウエハ・ラック及びウエハを予加熱チャンバから反応器まで搬送する。予加熱プロセスが完了してウエハのラックが指定される温度に達した後、制御システムが加熱されるゲート弁及び反応器チャンバ・ドアを開けることができ、VTMロボット・アームを予加熱チャンバの中まで延伸させることができ、予加熱されたウエハ・ラックに係合して持ち上げて、予加熱されたウエハ・ラックを予加熱チャンバからVTMチャンバの中まで迅速に搬送してさらにVTMチャンバから処理のために反応器チャンバの中まで搬送することができる。
【0046】
ブロック1319で、反応器チャンバの中でウエハを処理する。ウエハ・ラックを反応器チャンバの中に置いた後、制御システムがロボット・アームを反応器チャンバからVTMチャンバの中まで後退させ、VTM存在センサを用いて成功裏の搬送を確認し、反応器チャンバ・ドアを閉じ、選択される処理方法に従って薄膜付着シーケンスを開始することができる。ブロック1321で、ウエハ・ラックを反応器から冷却のためにロード・ロックまで搬送する。薄膜付着プロセスが完了した後、制御システムが、反応器ゲート弁を開け、VTMロボットを反応器チャンバの中まで延伸させ、ウエハ・ラックに係合して持ち上げ、ウエハ・ラックを、反応器チャンバから、VTMチャンバを通して、冷却のための指定されるロード・ロックまで、搬送することができる。
【0047】
ブロック1323で、冷却プロセス及び取り出しが実施される。VTM存在センサを用いてロード・ロックまでのウエハ・ラックの成功裏の搬送を確認した後、制御システムがロード・ロック・ゲート弁を閉じ、選択される処理方法に従って冷却プロセスを開始することができる。冷却プロセスが完了した後、制御システムが、ロード・ロック・アライメント・センサを用いてラック内のすべてのウエハが位置合わせされたことを確認し、ロード・ステーション・ロボットによりウエハを取り出すための適切な位置までターンテーブルを回転させることができる。システムがさらに、ウエハ温度センサの読取値が例えば50℃などの標的値未満であることを確認し、ロード・ロックから気体を排出して、ロード・ステーション・ロード・ロック・ドアを開けることができる。次いで、ロード・ステーション・ロボットが、冷却されて処理されたウエハを、ウエハ・ラックから、操作者によって取り外すためのカセットまで、連続的に移送することができる。
【0048】
ステップ1301及び1303以外では、方法1300が、方法1300を実施するための命令を有するバッチ生産ソフトウェア・プログラムを実行するシステム100などのバッチ生産の薄膜付着システムを動作させる制御システムによって実施され得る。認識されるであろうが、方法1300により多数の明確な利点が提供され、これには、システムのロード・ステーションにおいてウエハが室温であるときの個別のウエハのみに物理的に接触しながら、搬送可能なウエハ・ラック上に位置する複数のウエハを並行して処理することが可能であることが含まれる。加熱フェーズ中、膜付着フェーズ中、及び冷却フェーズ中に個別のウエハを取り扱ったり個別のウエハに物理的に接触したりすることを一切回避することにより、ウエハが破損する可能性が有意に低下する。
【0049】
本明細書で説明される態様及び実施例のうちの任意の1つ又は複数の態様及び実施例は、コンピュータの技術分野の当業者には明らかなように、本明細書の教示に従ってプログラムされる1つ又は複数の機械(例えば、電子化文書のためのユーザ計算デバイス、ドキュメント・サーバーなどの1つ又は複数のサーバー・デバイス、など、として利用される1つ又は複数の計算デバイス)を使用して好都合に実施され得る。ソフトウェアの技術分野の当業者には明らかなように、本開示の教示に基づいて、適切なソフトウェア・コーディングが熟練のプログラマーによって予め処理され得る。ソフトウェア及び/又はソフトウェア・モジュールを採用する上で考察した態様及び実装形態は、ソフトウェア及び/又はソフトウェア・モジュールの機械実行可能命令を実施するのを補助するための適切なハードウェアをさらに有することができる。
【0050】
このようなソフトウェアは、機械可読記憶媒体を採用するコンピュータ・プログラム製品であってよい。機械可読記憶媒体は、機械(例えば、計算デバイス)によって実行されるための命令のシーケンスを記憶及び/又はエンコードすることができ、本明細書で説明される方法体系及び/又は実施例のうちの任意の1つの方法体形及び/又は実施例を機械により実施する、任意の媒体であってよい。機械可読記憶媒体の実例には、限定しないが、磁気ディスク、光学ディスク(例えば、CD,CD-R、DVD、DVD-Rなど)、光磁気ディスク、リードオンリー・メモリ(ROM)デバイス、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイス、磁気カード、光学カード、固体メモリデバイス、EPROM、EEPROM、及びこれらの任意の組合せが含まれる。本明細書で使用される機械可読媒体は、単一の媒体、さらには、例えばコンピュータ・メモリとの組合せの、コンパクト・ディスクの集合物或は1つ又は複数のハードディスク・ドライブなどの、物理的に分離している媒体の集合物を含むことを意図される。本明細書で使用される機械可読記憶媒体は一時的な形態の信号伝送を含まない。
【0051】
このようなソフトウェアが、伝送波などのデータ・キャリア上でデータ信号として伝達される情報(例えば、データ)をさらに含むことができる。例えば、機械可読情報がデータ・キャリアに包含されるデータ伝達信号として含まれ得、ここでは、信号が、機械(例えば、計算デバイス)による実行のための、命令のシーケンス又はその一部を、及び本明細書で説明される方法体系及び/又は実施例のうちの任意の1つの方法体系及び/又は実施例を機械により実施するための任意の関連情報(例えば、データ構造、及びデータ)をエンコードすることができる。
【0052】
計算デバイスの実例には、限定しないが、電子ブック読み取りデバイス、コンピュータ・ワークステーション、ターミナル・コンピュータ、サーバー・コンピュータ、携帯用デバイス(例えば、タブレット・コンピュータ、スマートフォンなど)、ウェブ・アプライアンス、ネットワーク・ルータ、ネットワーク・スイッチ、ネットワーク・ブリッジ、機械によって行われることになる処置を指定する命令のシーケンスを実行することができる任意の機械、及びこれらの組合せが含まれる。一実例では、計算デバイスがkioskを含むことができ、及び/又はkioskに含まれ得る。
【0053】
図14が、例示の形態のコンピュータ・システム1400の中の計算デバイスの一実施例の図的表示を示しており、ここでは、
図1Aのシステム100を制御するための制御システムなどの制御システムにより本開示の態様及び/又は方法体系のうちの任意の1つ又は複数の態様及び/又は方法体系を実施するための1組の命令が実行され得る。デバイスのうちの1つ又は複数のデバイスにより本開示の態様及び/又は方法体系のうちの任意の1つ又は複数の態様及び/又は方法体系を実施するための特別の構成される1組の命令を実施するのに、複数の計算デバイスが利用され得ることも企図される。コンピュータ・システム1400が、バス1412を介して互いに及び他の構成要素と通信するプロセッサ1404及びメモリ1408を有する。バス1412が、限定しないが、多様なバス構成のうちの任意のバス構成を使用する、メモリ・バス、メモリ・コントローラ、周辺機器用バス、ローカル・バス、及びこれらの任意の組合せを含む、複数の種類のバス構造のうちの任意のバス構造を有することができる。
【0054】
メモリ1408が、限定しないが、ランダム・アクセス・メモリ・コンポーネント、リード・オンリー・コンポーネント、及びこれらの組合せを含む、多様なコンポーネント(例えば、機械可読媒体)を含むことができる。一実例では、起動中などにコンピュータ・システム1400内の要素の間での情報の伝送を補助するベーシック・ルーチンを有する基本入出力システム1416(BIOS)がメモリ1408内に記憶され得る。メモリ1408がさらに、本開示の態様及び/又は方法体系のうちの任意の1つ又は複数の態様及び/又は方法体系を具現化する命令(例えば、ソフトウェア)1420をさらに含むことができる(例えば、1つ又は複数の機械可読媒体に記憶することができる)。別の実例では、メモリ1408が、限定しないが、オペレーティング・システム、1つ又は複数のアプリケーション・プログラム、他のプログラム・モジュール、プログラム・データ、及びこれらの任意の組合せを含む、任意の数のプログラム・モジュールをさらに含むことができる。
【0055】
コンピュータ・システム1400が記憶デバイス1424をさらに有することができる。記憶デバイス(例えば、記憶デバイス1424)の実例には、限定しないが、ハードディスク・ドライブ、磁気ディスク・ドライブ、光学媒体との組合せの光学ディスク・ドライブ、固体記憶デバイス、及びこれらの任意の組合せが含まれる。記憶デバイス1424が適切なインターフェース(図示せず)によりバス1412に接続され得る。実例のインターフェースには、限定しないが、SCSI、アドバンスド・テクノロジー・アタッチメント(ATA)、シリアルATA、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、IEEE1394(FIREWIRE(登録商標))、及びこれらの任意の組合せが含まれる。一実例では、記憶デバイス1424(又は、記憶デバイス1242の1つ又は複数のコンポーネント)がコンピュータ・システム1400に取り外し可能にインターフェース接続され得る(例えば、外部ポート・コネクタ(図示せず)を介する)。具体的には、記憶デバイス1424及び付随の機械可読媒体1428が、機械可読命令、データ構造、プログラム・モジュール、及び/又はコンピュータ・システム1400のための他のデータの、不揮発性の及び/又は揮発性の記憶を実現することができる。一実例では、ソフトウェア1420が機械可読媒体1428内に完全に又は部分的に常駐することができる。別の実例では、ソフトウェア1420がプロセッサ1404の中に完全に又は部分的に常駐することができる。
【0056】
コンピュータ・システム1400が入力デバイス1432をさらに有することができる。一実例では、コンピュータ・システム1400のユーザが、入力デバイス1432を介して、コマンド及び/又は他の情報をコンピュータ・システム1400に入力することができる。入力デバイス1432の実例には、限定しないが、英数字入力デバイス(例えば、キーボード)、ポインティング・デバイス、ジョイスティック、ゲームパッド、音声入力デバイス(例えば、マイクロフォン、音声応答システム、など)、カーソル制御デバイス(例えば、マウス)、タッチパッド、光学スキャナ、ビデオ・キャプチャ・デバイス(例えば、静止カメラ、ビデオ・カメラ)、タッチスクリーン、及びこれらの任意の組合せが含まれる。入力デバイス1432が、限定しないが、シリアル・インターフェース、パラレル・インターフェース、ゲーム・ポート、USBインターフェース、FIREWIRE(登録商標)インターフェース、バス1412への直接のインターフェース、及びこれらの任意の組合せを含めた、多様なインターフェース(図示せず)のうちの任意のインターフェースを介して、バス1412にインターフェース接続され得る。入力デバイス1432が、後でさらに考察されるディスプレイ1436の一部であってよいか又はディスプレイ1436から分離していてよいタッチ・スクリーン・インターフェースを含むことができる。入力デバイス1432が、上述のグラフィカル・インターフェース内で1つ又は複数の図的表示を選択するためのユーザ選択デバイスとして利用され得る。
【0057】
ユーザがさらに、記憶デバイス1424(例えば、取り外し可能なディスク・ドライブ、フラッシュ・ドライブなど)及び/又はネットワーク・インターフェース・デバイス1440を介してコンピュータ・システム1400にコマンド及び/又は他の情報を入力することができる。ネットワーク・インターフェース・デバイス1440などのネットワーク・インターフェース・デバイスが、ネットワーク1444などの、多様なネットワークのうちの1つ又は複数のネットワークに対して、並びにネットワークに接続される1つ又は複数のリモート・デバイス1448に対して、コンピュータ・システム1400を接続するのに利用され得る。ネットワーク・インターフェース・デバイスの実例には、限定しないが、ネットワーク・インターフェース・カード(例えば、モバイル・ネットワーク・インターフェース・カード、LANカード)、モデム、及びこれらの任意の組合せが含まれる。ネットワークの実例には、限定しないが、ワイド・エリア・ネットワーク(例えば、インターネット、エンタープライズ・ネットワーク)、ローカル・エリア・ネットワーク(例えば、オフィス、建物、キャンパス、又は他の比較的小さい地理的空間に付随するネットワーク)、電話ネットワーク、電話/ボイス・プロバイダ(例えば、モバイル通信プロバイダのデータ及び/又はボイスネットワーク)に関連するデータ・ネットワーク、2つの計算デバイスの間での直接の接続、及びこれらの任意の組合せが含まれる。ネットワーク1444などの、ネットワークが、無線形態の及び/又は有線形態の通信を採用することができる。一般に、任意のネットワーク・トポロジーが使用され得る。情報(例えば、データ、ソフトウェア1420、など)が、ネットワーク・インターフェース・デバイス1440を介してコンピュータ・システム1400まで及び/又はコンピュータ・システム1400から通信され得る。
【0058】
コンピュータ・システム1400が、ディスプレイ・デイバス1436などのディスプレイ・デバイスまで表示可能な画像を通信するためのビデオ・ディスプレイ・アダプタ1452をさらに有することができる。ディスプレイ・デバイスの実例には、限定しないが、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)、プラズマ・ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びこれらの任意の組合せが含まれる。ディスプレイ・アダプタ1452及びディスプレイ・デバイス1436が、プロセッサ1404との組合せで、本開示の態様の図的表示を実現するために、利用され得る。ディスプレイ・デバイスに加えて、コンピュータ・システム1400が、限定しないが、オーディオ・スピーカー、プリンタ、及びこれらの任意の組合せを含めた、1つ又は複数の他の周辺出力デバイスを有することができる。このような周辺出力デバイスが、周辺インターフェース1456を介して、バス1412に接続され得る。周辺インターフェースの実例には、限定しないが、シリアル・ポート、USB接続、FIREWIRE(登録商標)接続、パラレル接続、及びこれらの任意の組合せが含まれる。
【0059】
図15が、システム100などの、本開示のモジュール式の薄膜付着システムを使用する4つの搬送可能なウエハ・ラックの並行の処理を概念的に示す時系列である。各列が、時間を基準として、特定のウエハ・ラックのための連続的な処理フェーズを示す。
図15が、反応器106などの薄膜付着反応器内で実施されるALD処理フェーズ1502、予加熱チャンバ108a及び108bなどの2つの予加熱チャンバのうちの1つの予加熱チャンバ内での予加熱に対応する2つの異なる予加熱フェーズ(予加熱フェーズ1、1504、及び予加熱フェーズフェーズ2、1506)、ロード・ロック112a又は112bなどのロード・ロック内で行われ得るバッチ式の装填フェーズ1508、及びロード・ロックのうちの1つのロード・ロック内でやはり行われ得るバッチ式の冷却・取り出しフェーズ1510を示す。
図15が、ラック200又は300などの4つの搬送可能なウエハ・ラックを継続的に同時に処理するのにシステム100が如何にして使用され得るかを示す。
図15が、予加熱フェーズ(1504/1506)が如何にして比較的長くなっているかを示している、一実例のための各フェーズの相対的な継続時間を概念的に示す。上述したように、システム100の1つの利点は、予加熱フェーズ及び冷却フェーズの各々が薄膜付着フェーズから切り離され得ることである。
図15に示されるように、以前に番号を付されたラックにALD処理を受けさせながら各ラックが予加熱され得、さらに各ラックがロード・ロック内で冷却され得、その結果、反応器が、冷却のために占有されずに次のウエハ・ラックへと直接に移され得、それによりシステムのスループットを有意に向上させる。
【0060】
上記で本発明の例示の実施例を詳細に説明してきた。本明細書及び添付の特許請求の範囲が、「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」及び「X、Y、及びZのうちの1つ又は複数」というフレーズで使用されるような接続詞的な表現は、特に明記しない限り、接続されるリストの中にある各アイテムが、リスト内のすべての他のアイテムを排除して任意の数で存在することができるか、又は接続されるリストの中にある任意の又はすべての他のアイテムとの組合せで任意の数で存在することができる(各々のアイテムが同様に任意の数で存在することができる)ことを意味するものとして解釈される、ことに留意されたい。この一般的規則を適用すると、接続されるリストがX、Y、及びZから構成されるような上記の実例の接続詞的フレーズには、各々、「Xのうちの1つ又は複数」、「Yのうちの1つ又は複数」、「Zのうちの1つ又は複数」、「Xのうちの1つ又は複数、及びYのうちの1つ又は複数」、「Yのうちの1つ又は複数、及びZのうちの1つ又は複数」、「Xのうちの1つ又は複数、及びZのうちの1つ又は複数」、並びに「Xのうちの1つ又は複数、Yのうちの1つ又は複数、及びZのうちの1つ又は複数」が包含される。
【0061】
本発明の原理及び範囲から逸脱することなく、種々の修正及び追加が行われ得る。上述の種々の実施例の各々の特徴が、関連の新しい実施例において多様な形で特徴を組み合わせるのを可能にすることを目的として、適切である場合に、説明される他の実施例の特徴と組み合わされ得る。さらに、上記で多数の別個の実施例を説明してきたが、本明細書で説明してきたことは単に、本発明の原理の適用を単に説明するものである。また、本明細書では特定の方法を特定の順番で実施する形で示し、及び/又は説明したが、この順番は本開示の態様を達成するために当業者の範囲内で大きく変更され得る。したがって、本説明は単に例として解釈されることを意図され、本発明の範囲を限定するものとして解釈されない。
【0062】
例示の実施例を上記において開示して、さらには添付図面で示してきた。本発明の原理及び範囲から逸脱することなく、本明細書で具体的に開示される実施例に対して、種々の変更、省略、及び追加が行われ得ることが当業者には理解されよう。