(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】営業店支援装置及び営業店支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20241018BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
G06Q10/0631
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2022063373
(22)【出願日】2022-04-06
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】恒川 卓也
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-207048(JP,A)
【文献】特開2005-056280(JP,A)
【文献】特開2016-048422(JP,A)
【文献】特開2016-075979(JP,A)
【文献】特開2016-004294(JP,A)
【文献】特開2020-035177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関の各営業店に備わり、来店した顧客の受付と当該営業店のカウンタへの振分処理を行う受付機と通信する通信装置と、
金融機関の各営業店におけるカウンタの種別情報、及び当該カウンタでの担当者による顧客対応の実績情報を保持する記憶装置と、
前記受付機において実行された、顧客の受付と当該営業店の各カウンタへの振分処理の結果であって、前記顧客に関して受け付けた取引の種別、当該取引の受付と完了を示す日時、対応した担当者、及びカウンタの各情報を含むトランザクションデータを、前記通信装置を介して前記受付機から取得し、前記実績情報として前記記憶装置に格納する処理と、 前記各営業店における営業日の属性ごとに前記実績情報をカウンタ別に分類して、前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向を判定する処理と、前記カウンタで顧客対応を行った各担当者による、取引種別ごとの対応時間を前記実績情報に基づき算定して、当該対応時間の長短に応じて当該担当者の前記取引種別の習熟度を判定する処理と、前記種別情報が示す、各営業店における各種カウンタでの対応取引と、前記繁忙傾向が示す前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向と、前記担当者の前記取引種別の習熟度とに基づいて、前記各営業店の各種カウンタでの対応取引における、各属性の営業日での繁忙傾向に対応可能な習熟度を有する担当者の配置計画を生成する処理を実行する演算装置と、
を有することを特徴とする営業店支援装置。
【請求項2】
前記演算装置は、
前記配置計画の生成に際し、所定の営業店における所定のカウンタに配置すべき担当者が前記習熟度の関係で当該営業店における担当者内で引き当てできない場合、前記金融機関における他営業店の担当者のうち、当該カウンタの対応取引及び繁忙傾向に対応可能な習熟度を持つ担当者を引き当てる処理をさらに実行するものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の営業店支援装置。
【請求項3】
前記演算装置は、
前記繁忙傾向を判定するに際し、前記各営業店における営業日の属性たる、休前日、連休中日、休日明け、各月の5日、10日、15日、20日、25日、及び30日、及び月末、の少なくともいずれかごとに前記実績情報をカウンタ別に分類して、前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向を判定するものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の営業店支援装置。
【請求項4】
情報処理装置が、
金融機関の各営業店におけるカウンタの種別情報、及び当該カウンタでの担当者による顧客対応の実績情報を記憶装置にて保持し、
金融機関の各営業店に備わり、来店した顧客の受付と当該営業店のカウンタへの振分処理を行う受付機と通信装置により通信し、前記受付機において実行された、顧客の受付と当該営業店の各カウンタへの振分処理の結果であって、前記顧客に関して受け付けた取引の種別、当該取引の受付と完了を示す日時、対応した担当者、及びカウンタの各情報を含むトランザクションデータを取得し、前記実績情報として前記記憶装置に格納する処理と、 前記各営業店における営業日の属性ごとに前記実績情報をカウンタ別に分類して、前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向を判定する処理と、前記カウンタで顧客対応を行った各担当者による、取引種別ごとの対応時間を前記実績情報に基づき算定して、当該対応時間の長短に応じて当該担当者の前記取引種別の習熟度を判定する処理と、前記種別情報が示す、各営業店における各種カウンタでの対応取引と、前記繁忙傾向が示す前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向と、前記担当者の前記取引種別の習熟度とに基づいて、前記各営業店の各種カウンタでの対応取引における、各属性の営業日での繁忙傾向に対応可能な習熟度を有する担当者の配置計画を生成する処理と、
を実行することを特徴とする営業店支援方法。
【請求項5】
前記情報処理装置が、
前記配置計画の生成に際し、所定の営業店における所定のカウンタに配置すべき担当者が前記習熟度の関係で当該営業店における担当者内で引き当てできない場合、前記金融機関における他営業店の担当者のうち、当該カウンタの対応取引及び繁忙傾向に対応可能な習熟度を持つ担当者を引き当てる処理をさらに実行する、
ことを特徴とする請求項4に記載の営業店支援方法。
【請求項6】
前記情報処理装置が、
前記繁忙傾向を判定するに際し、前記各営業店における営業日の属性たる、休前日、連休中日、休日明け、各月の5日、10日、15日、20日、25日、及び30日、及び月末、の少なくともいずれかごとに前記実績情報をカウンタ別に分類して、前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向を判定する、
ことを特徴とする請求項4に記載の営業店支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、営業店支援装置及び営業店支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の金融機関の傾向として、営業店での顧客へのコンサルティングを通じた金融商品のセールスなど、高付加価値を生み出しやすい業務に注力し、ごく一般的な業務を可能な限り効率化する方針が強まっている。
そのため、ハイカウンタやローカウンタの数が絞り込まれ、行員応対を望む一般の来店客にとって、訪れるべき窓口が限定的となりつつある。すると、少ない窓口に多くの来店客が集中しやすくなり、結果として来店客の滞留が営業店にて生じやすい。
【0003】
そこで、こうした金融機関の窓口業務における混雑緩和や効率化等に関連する従来技術として、例えば、取引項目と時間帯の予約による窓口取引の混雑の緩和を図り、滞留利用者の減少による利用者の不満感の軽減をはかる取引予約案内装置(特許文献1参照)などが提案されている。
【0004】
この技術は、御装置によって制御される、少なくとも、表示入力装置と、記憶装置とを備え、金融機関が窓口でサービス提供する取引項目毎の予約案内を行う取引予約案内装置であって、前記制御装置は、前記表示入力装置に前記取引項目を表示して、利用者に対し希望する取引項目と取引希望時間帯とからなる取引予約情報の入力を促す利用者インタフェース提供手段と、利用者により前記表示入力装置を介して入力される前記取引予約情報を前記記憶装置に格納して該当の取引項目毎の予約待ち行列に追加すると共に、前記予約待ち行列と前記記憶装置に予め設定登録されてある取引項目毎のオペレータの処理能力情報とを比較し、その結果に応じて前記取引項目毎の予約の混雑の程度を示すマーカを更新して前記表示入力装置に表示する表示内容更新制御手段を有する装置にかかるものである。
【0005】
また、他にも、障害に対する対応速度を向上する障害対応システム(特許文献2参照)などが提案されている。
【0006】
この技術は、動取引装置と制御装置とを含み、前記自動取引装置において発生した障害を識別する障害情報に基づいて、障害対応にあたるオペレータに求められる障害対応能力のレベルを決定し、複数の対応端末毎にログインしているオペレータの障害対応能力のレベルが対応付けられた端末情報を参照して、前記複数の対応端末の中から、決定した障害対応能力のレベルのオペレータがログインしている対応端末を優先的に選択するシステムにかかるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-38173号公報
【文献】特開2013-250704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、営業店に多くの顧客が来店する時期、タイミングにおいては、限られた数のハイカウンタやローカウンタで頻繁に滞留が発生し、混雑しやすい傾向にある。その場合、顧客対応の効率や顧客満足度は低下しがちとなる。
また、そうしたカウンタで顧客対応にあたる行員の人員構成も、人員コスト抑制などの観点で、従来よりも限定的となっているケースが多い。スキルと経験が豊富な担当者の数が限られ、かつ営業店のカウンタ数も絞られている場合、当該営業店を訪れる顧客のニーズに効率的に応えることは難しい状況と言える。
【0009】
そこで本発明の目的は、営業店における各種リソースが限定的な状況下にも適宜に対処し、来店する顧客のニーズに的確かつ効率的に応える技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の営業店支援装置は、金融機関の各営業店に備わり、来店した顧客の受付と当該営業店のカウンタへの振分処理を行う受付機と通信する通信装置と、 金融機関の各営業店におけるカウンタの種別情報、及び当該カウンタでの担当者による顧客対応の実績情報を保持する記憶装置と、前記受付機において実行された、顧客の受付と当該営業店の各カウンタへの振分処理の結果であって、前記顧客に関して受け付けた取引の種別、当該取引の受付と完了を示す日時、対応した担当者、及びカウンタの各情報を含むトランザクションデータを、前記通信装置を介して前記受付機から取得し、前記実績情報として前記記憶装置に格納する処理と、 前記各営業店における営業日の属性ごとに前記実績情報をカウンタ別に分類して、前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向を判定する処理と、前記カウンタで顧客対応を行った各担当者による、取引種別ごとの対応時間を前記実績情報に基づき算定して、当該対応時間の長短に応じて当該担当者の前記取引種別の習熟度を判定する処理と、前記種別情報が示す、各営業店における各種カウンタでの対応取引と、前記繁忙傾向が示す前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向と、前記担当者の前記取引種別の習熟度とに基づいて、前記各営業店の各種カウンタでの対応取引における、各属性の営業日での繁忙傾向に対応可能な習熟度を有する担当者の配置計画を生成する処理を実行する演算装置と、 を有することを特徴とする。
また、本発明の営業店支援方法は、情報処理装置が、 金融機関の各営業店におけるカウンタの種別情報、及び当該カウンタでの担当者による顧客対応の実績情報を記憶装置にて保持し、金融機関の各営業店に備わり、来店した顧客の受付と当該営業店のカウンタへの振分処理を行う受付機と通信装置により通信し、前記受付機において実行された、顧客の受付と当該営業店の各カウンタへの振分処理の結果であって、前記顧客に関して受け付けた取引の種別、当該取引の受付と完了を示す日時、対応した担当者、及びカウンタの各情報を含むトランザクションデータを取得し、前記実績情報として前記記憶装置に格納する処理と、 前記各営業店における営業日の属性ごとに前記実績情報をカウンタ別に分類して、前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向を判定する処理と、前記カウンタで顧客対応を行った各担当者による、取引種別ごとの対応時間を前記実績情報に基づき算定して、当該対応時間の長短に応じて当該担当者の前記取引種別の習熟度を判定する処理と、前記種別情報が示す、各営業店における各種カウンタでの対応取引と、前記繁忙傾向が示す前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向と、前記担当者の前記取引種別の習熟度とに基づいて、前記各営業店の各種カウンタでの対応取引における、各属性の営業日での繁忙傾向に対応可能な習熟度を有する担当者の配置計画を生成する処理と、 を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、営業店における各種リソースが限定的な状況下にも適宜に対処し、来店する顧客のニーズに的確かつ効率的に応えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態の営業店支援装置を含むネットワーク構成図である。
【
図2】本実施形態における営業店支援装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態における受付/振分機のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態における管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態における端末のハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態における店舗DBの構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態におけるオペレータDBの構成例を示す図である。
【
図8】本実施形態におけるカレンダ情報の構成例を示す図である。
【
図9】本実施形態におけるトランザクションDBの構成例を示す図である。
【
図10】本実施形態における繁忙傾向DBの構成例を示す図である。
【
図11】本実施形態における配置計画DBの構成例を示す図である。
【
図12A】本実施形態におけるマスタデータ(カウンタ)の構成例を示す図である。
【
図12B】本実施形態におけるマスタデータ(オペレータ)の構成例を示す図である。
【
図13】本実施形態における営業店支援方法のフロー例を示す図である。
【
図14】本実施形態における営業店支援方法のフロー例を示す図である。
【
図15】本実施形態における画面例を示す図である。
【
図16】本実施形態における画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<ネットワーク構成>
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の営業店支援装置10を含むネットワーク構成図である。
図1に示す営業店支援装置10は、営業店における各種リソースが限定的な状況下にも適宜に対処し、来店する顧客のニーズに的確かつ効率的に応えるコンピュータ装置である。
【0014】
本実施形態の営業店支援装置10は、
図1で示すように、金融機関内に構築されたセキュアなネットワーク1を介して、各営業店の受付/振分機200、管理サーバ300、及び端末400と通信可能に接続されている。よって、これらを総称して営業店支援システム10としてもよい。
【0015】
本実施形態の営業店支援装置100は、金融機関における各営業店での各カウンタへの人員配置計画を作成・提供するサービス提供装置と言える。
【0016】
受付/振分機200は、各営業店に備え付けられた、来店客の受付と当該営業店の各カウンタへの振分処理を実行する装置である。この受付/振分機200の機能、構成は、既存のものと基本的には同様となる。
【0017】
また、管理サーバ300は、金融機関の管理業務を担うシステムであり、各営業店の情報や当該営業店の担当者(少なくともカウンタ業務を担うオペレータ)の情報を統括管理するものとなる。
【0018】
また、端末400は、上述の営業店支援装置100から人員配置計画の提供サービスを享受する際に、営業店や金融機関の管理部門等の者が使用する端末である。具体的には、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどを想定できるが、これに限定しない。
<ハードウェア構成>
また、本実施形態の営業店支援装置100のハードウェア構成は、
図2に以下の如くとなる。
【0019】
すなわち営業店支援装置100は、記憶装置101、メモリ103、演算装置104、および通信装置105、を備える。
【0020】
このうち記憶装置101は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0021】
また、メモリ103は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される。
【0022】
また、演算装置104は、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUである。
【0023】
また、通信装置105は、ネットワーク1と接続して、受付/振分機200、管理サーバ300、及び端末400との通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。
【0024】
なお、営業店支援装置100は、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置、を更に備えるとしてもよい。
【0025】
また、記憶装置101内には、本実施形態の営業店支援装置として必要な機能を実装する為のプログラム102に加えて、店舗DB125、オペレータDB126、カレンダ情報127、トランザクションDB128、繁忙傾向DB129、及び配置計画DB130が少なくとも記憶されている。ただし、これらデータベース等についての詳細は後述する。
【0026】
図3は本実施形態における受付/振分機200のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態の受付/振分機200は、記憶装置201、メモリ203、演算装置204、入力装置205、出力装置206、通信装置207、及び印字装置208を備える。
【0027】
このうち記憶装置201は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0028】
また、メモリ203は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される。
【0029】
また、演算装置204は、記憶装置201に保持されるプログラム202をメモリ203に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUである。
【0030】
また、入力装置205は、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付けるキーボードやマウスなどの装置である。
【0031】
また、出力装置206は、演算装置204での処理データの表示を行う、ディスプレイやスピーカー等の装置である。
【0032】
また、通信装置207は、ネットワーク1と接続して、営業店支援システム100、管理サーバ300、及び端末400との通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。
【0033】
また、印字装置208は、本受付/振分機200で受付処理を行った来店客に対し、これから向かうべきカウンタの番号などの情報を紙片に印字し出力する装置である。この印字装置208は、従来の受付/振分機に備わっているものと同様である。
【0034】
また、記憶装置201内には、本実施形態の受付/振分機として必要な機能を実装する為のプログラム202に加えて、トランザクションデータ225、及びマスタデータ226が少なくとも記憶されている。ただし、これらデータについての詳細は後述する。
【0035】
図4は本実施形態における管理サーバ300のハードウェア構成例を示す図である。管理サーバ300は、記憶装置301、メモリ303、演算装置304、及び通信装置305を備える。
【0036】
このうち記憶装置301は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0037】
また、メモリ303は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される。
【0038】
また、演算装置304は、記憶装置301に保持されるプログラム302をメモリ303に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUである。
【0039】
また、通信装置305は、ネットワーク1と接続して、営業店支援システム100、受付/振分機200、及び端末400との通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。
【0040】
なお、管理サーバ300は、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付けるキーボードやマウスなどの入力装置や、演算装置304での処理データの表示を行う、ディスプレイやスピーカー等の出力装置を備えるとしてもよい。
【0041】
また、記憶装置301内には、本実施形態の管理サーバとして必要な機能を実装する為のプログラム302に加えて、マスタDB325が少なくとも記憶されている。ただし、このマスタDB325は、後述するマスタデータ(受付/振分機200が保持するもの)を集約したものであり、説明は省略する。
【0042】
図5は本実施形態における端末400のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態の端末400は、記憶装置401、メモリ403、演算装置404、入力装置405、出力装置406、及び通信装置407を備える。
【0043】
このうち記憶装置401は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0044】
また、メモリ403は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される。
【0045】
また、演算装置404は、記憶装置401に保持されるプログラム402をメモリ403に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUである。
【0046】
また、入力装置405は、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付けるキーボードやマウスなどの装置である。
【0047】
また、出力装置406は、演算装置404での処理データの表示を行う、ディスプレイやスピーカー等の装置である。
【0048】
また、通信装置407は、ネットワーク1と接続して、営業店支援システム100、管理サーバ300、及び受付/振分機200との通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。
<データ構造例>
続いて、本実施形態の営業店支援装置100が用いる各種情報について説明する。
図6に、本実施形態における店舗DB125の一例を示す。
【0049】
本実施形態の店舗DB125は、各営業店の情報を格納したデータベースである。店舗DB125は、例えば、営業店を一意に示す店舗IDをキーとして、当該営業店の店舗名、所在地、設置済みのカウンタの種別、台数、対応取引といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0050】
図7に、本実施形態におけるオペレータDB126の一例を示す。本実施形態のオペレータDB126は、各営業店に所属するカウンタの担当者たるオペレータの情報を格納したデータベースである。
【0051】
このオペレータDB126は、例えば、オペレータを一意に示すオペレータIDをキーとして、当該オペレータの所属店舗、対応可能取引、当該取引の習熟度、及び勤務シフトといったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0052】
図8に、本実施形態におけるカレンダ情報127の一例を示す。本実施形態のカレンダ情報127は、各年の月日の属性情報を格納したテーブルである。
【0053】
このカレンダ情報127は、例えば、年および月日をキーとして、当該特定日の属性(平日、休日、祝日、休前日、連休中日、連休明け、・・・)といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0054】
図9に、本実施形態におけるトランザクションDB128一例を示す。本実施形態のトランザクションDB128は、各受付/振分機200から得たトランザクションデータ225を格納したデータベースである。
【0055】
このトランザクションDB128は、例えば、営業店を一意に示す店舗IDをキーとして、当該営業店の受付/振分機200で来店客に関して受け付けた取引を示す受付番号、当該取引の受付と完了を示す受付日時/完了日時、対象となった取引種別、対応したオペレータのID、対応カウンタ、及び来店客の顧客情報等(例:取引口座、取引内容など)といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0056】
図10に、本実施形態における繁忙傾向DB128の一例を示す。本実施形態の繁忙傾向DB128は、各営業店のカレンダ区分における繁忙傾向の情報を格納したデータベースである。
【0057】
この繁忙傾向DB128は、例えば、営業店を一意に示す店舗IDをキーとして、当該営業店におけるカレンダ区分、当該カレンダ区分におけるカウンタおよび取引種別ごとの繁忙傾向といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0058】
図11に、本実施形態における配置計画DB129の一例を示す。本実施形態の配置計画DB129は、営業店支援装置100が生成した、各営業店のカウンタそれぞれに配置すべきオペレータの情報を格納したデータベースである。
【0059】
この配置計画DB129は、例えば、営業店を一意に示す店舗IDをキーとして、日付、当該日付のカレンダ区分、当該日付に各カウンタに配置すべきオペレータのオペレータIDといったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0060】
図12Aに、本実施形態におけるマスタデータ(カウンタ)226の一例を示す。本実施形態のマスタデータ(カウンタ)226は、当該営業店の各カウンタに関するデータである。このマスタデータ(カウンタ)226は、例えば、カウンタNo.をキーとして、当該カウンタの種別、対応可能な取引を示す対応取引、及び空き状況といったデータを紐付けた構成となっている。
【0061】
図12Bに、本実施形態におけるマスタデータ(オペレータ)226の一例を示す。本実施形態のマスタデータ(オペレータ)226は、当該営業店に所属する各オペレータに関
するデータである。このマスタデータ(オペレータ)226は、例えば、オペレータIDをキーとして、当該オペレータの対応可能取引、当該取引の習熟度、及び勤務シフトといったデータを紐付けた構成となっている。
<フロー例1>
以下、本実施形態における営業店支援方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する営業店支援方法に対応する各種動作は、営業店支援装置100がメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0062】
図13は、本実施形態における営業店支援方法のフロー例を示す図である。この場合、営業店支援装置100は、まず、カレンダ情報127に基づき、トランザクションDB128における各レコードを、当該各受付日時/完了日時をキーに、カレンダ区分(属性)ごとに分類する(s1)。例えば、2022年3月1日のレコードは、カレンダ情報127に基づいて「平日」と分類される。また、2022年5月2日のレコードは、カレンダ情報127に基づいて「連休中日」と分類される。
【0063】
なお、カレンダ区分の例としては、上述の例の他にも、休前日、休日明け、各月の5日、10日、15日、20日、25日、及び30日、及び月末、などの属性も対象として含みうるものとする。
【0064】
続いて、営業店支援装置100は、上述のs1に分類された、カレンダ区分それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向を判定する(s2)。この場合、営業店支援装置100は、例えば、営業店ごとに、「平日」、「休前日」、「連休中日」、「連休明け」などと分類されたレコード群それぞれについて、対応カウンタごとに集計し、当該集計で得た値が大きいほど、つまり多くの取引を受けて繁忙傾向となっていたと判定する。
【0065】
この時、営業店支援装置100は、1日100件以上の取引を受けたカウンタについては、繁忙傾向を「A」、1日50~99件まで取引を受けたカウンタについては、繁忙傾向を「B」、1日50件未満の取引を受けたカウンタについては、繁忙傾向を「C」、などと判定するものとする。なお、営業店支援装置100は、こうして得た繁忙傾向の情報を、繁忙傾向DB129に格納する。
【0066】
続いて、営業店支援装置100は、カウンタで顧客対応を行った各担当者(すなわち、トランザクションDB128のレコードにおける「オペレータID」が示す者)による、取引種別ごとの対応時間を算定する(s3)。
【0067】
この場合、営業店支援装置100は、トランザクションDB128における各レコードのうち、対象取引種別(例:入金)のレコードを全て抽出し、当該レコードそれぞれの「受付日時/完了日時」の値が示す、受付日時から完了日時までの時間を当該レコードが示す取引での対応時間と算定し、それらの平均値(対象全レコードから得た対応時間の合計値をレコード件数で除算したもの)を算定する。この平均値を、当該取引種別に関する当該オペレータの対応時間とする。
【0068】
また、営業店支援装置100は、s3で得た対応時間を所定の基準に照合して、当該対応時間の長短に応じて定まる、当該オペレータにおける当該取引種別の習熟度を判定する(s4)。例えば、s3で得た、取引種別「入金」に関して、或る営業店のオペレータXの対応時間が「4分」だったとして、これを基準(習熟度:a=5分未満、b=5~10分、c=11~15分)に照合して、当該オペレータにおける「入金」取引の習熟度を「a」など判定する。
【0069】
営業店支援装置100は、こうして得た習熟度の情報を、オペレータDB126に格納し、処理を終了する。
<フロー例2>
続いて、オペレータの配置計画生成の処理について説明する。
図14は、本実施形態における営業店支援方法のフロー例を示す図である。この場合、営業店支援装置100は、店舗DB125が示す各営業店に設定されているカウンタの種類(例:ハイ、ロー)、台数及び対応取引(例:入金、出金など)、繁忙傾向DB129が示す各営業店における、カレンダ区分ごと(例:休前日、連休中日など)の各カウンタでの繁忙傾向(例:A、B、Cなど)と、各オペレータの取引種別(例:入金)ごとの習熟度(例:a)とに基づいて、各営業店の各カウンタでの対応取引における、各カレンダ区分の営業日での繁忙傾向に対応可能な習熟度を有するオペレータを特定する(s10)。
【0070】
ここで、繁忙傾向ごとに、対応可能な習熟度のレベルが予め規定され、営業店支援装置100は、当該規定を利用可能であるものとする。この規定としては、例えば、繁忙傾向が「A」である場合に、オペレータに必要な習熟度は「a」、繁忙傾向が「B」である場合に、オペレータに必要な習熟度は「b以上」、繁忙傾向が「C」である場合に、オペレータに必要な習熟度は「c以上」、といった内容の規定を想定できる。
【0071】
よって、「各カレンダ区分の営業日での繁忙傾向に対応可能な習熟度」を有するオペレータ、とは、繁忙傾向が「A」である場合に、習熟度「a」のオペレータを、オペレータDB126において、「所属店舗」が対象営業店の各オペレータのレコードから検索、特定することとなる。ただし、その勤務シフトも参照し、当該営業日に既に勤務設定が入っているオペレータは除外するものとする。
【0072】
営業店支援装置100は、上述のs10にて、各営業店の各カウンタでの対応取引における、各営業日に関して特定したオペレータの情報をレコードとして配置計画DB130に格納する(s11)。
【0073】
営業店支援装置100は、s11で配置計画DB129に格納したレコード、すなわち各営業日における各カウンタの担当者たるオペレータの配置情報を、一週間や一ヶ月など所定期間分まとめることで人員の配置計画を生成する(s12)。
【0074】
また、営業店支援装置100は、s12で生成した配置計画の情報を、例えば端末400に出力(
図15参照)して(s13)、終了する。
【0075】
なお、上述の配置計画の生成に際し、1つの営業店(例えば、営業店X)におけるカウンタに配置すべきオペレータが、習熟度の関係にて当該営業店X内で引き当てできない場合もある。その場合、営業店支援装置100は、他の営業店のオペレータのうち、当該カウンタの対応取引及び繁忙傾向に対応可能な習熟度を持つ担当者を引き当てるとすればさらに好適である。
【0076】
この場合、営業店支援装置100は、他の営業店のオペレータの情報を、オペレータDB126で参照し、引き当て対象となる取引の習熟度が、上述の営業店Xでの該当カウンタの繁忙傾向に対処可能なレベルの者であって、かつ、勤務シフトにて当該営業日に勤務設定が入っていない者、を特定するものとする。
【0077】
営業店支援装置100は、こうして他営業店のオペレータも引き当て対象の人員(
図16において、オペレータIDに下線を付したもの)として、人員配置計画を生成して、これを端末400に出力(
図16参照)し、処理を終了する。
【0078】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0079】
こうした本実施形態によれば、営業店における各種リソースが限定的な状況下にも適宜に対処し、来店する顧客のニーズに的確かつ効率的に応えることが可能となる。
【0080】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態の営業店支援装置において、前記演算装置は、前記配置計画の生成に際し、所定の営業店における所定のカウンタに配置すべき担当者が前記習熟度の関係で当該営業店における担当者内で引き当てできない場合、前記金融機関における他営業店の担当者のうち、当該カウンタの対応取引及び繁忙傾向に対応可能な習熟度を持つ担当者を引き当てる処理をさらに実行するものである、としてもよい。
【0081】
これによれば、金融機関に所属する営業店の各間で、必要となる担当者を融通しあうことで、営業店全体で必要な人員の確保と効率的な人員配置が可能となる。ひいては、営業店における各種リソースが限定的な状況下にもさらに適宜に対処し、来店する顧客のニーズに的確かつ効率的に応えることが可能となる。
【0082】
また、本実施形態の営業店支援装置において、前記演算装置は、前記繁忙傾向を判定するに際し、前記各営業店における営業日の属性たる、休前日、連休中日、休日明け、各月の5日、10日、15日、20日、25日、及び30日、及び月末、の少なくともいずれかごとに前記実績情報をカウンタ別に分類して、前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向を判定するものである、としてもよい。
【0083】
これによれば、営業店において特に繁忙傾向が出現しやすい特定日に関して、当該繁忙傾向に的確に対応しうる人員を効率的に特定することが可能となる。ひいては、営業店における各種リソースが限定的な状況下にもさらに適宜に対処し、来店する顧客のニーズに的確かつ効率的に応えることが可能となる。
【0084】
また、本実施形態の営業店支援方法において、前記情報処理装置が、前記配置計画の生成に際し、所定の営業店における所定のカウンタに配置すべき担当者が前記習熟度の関係で当該営業店における担当者内で引き当てできない場合、前記金融機関における他営業店の担当者のうち、当該カウンタの対応取引及び繁忙傾向に対応可能な習熟度を持つ担当者を引き当てる処理をさらに実行する、としてもよい。
【0085】
また、本実施形態の営業店支援方法において、前記情報処理装置が、前記繁忙傾向を判定するに際し、前記各営業店における営業日の属性たる、休前日、連休中日、休日明け、各月の5日、10日、15日、20日、25日、及び30日、及び月末、の少なくともいずれかごとに前記実績情報をカウンタ別に分類して、前記属性それぞれにおけるカウンタ別の繁忙傾向を判定する、としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 ネットワーク
10 営業店支援システム
100 営業店支援装置
101 記憶装置
102 プログラム
103 メモリ
104 演算装置
105 通信装置
125 店舗DB
126 オペレータDB
127 カレンダ情報
128 トランザクションDB
129 繁忙傾向DB
130 配置計画DB
200 受付/振分機器
201 記憶装置
202 プログラム
203 メモリ
204 演算装置
205 入力装置
206 出力装置
207 通信装置
208 印字装置
225 トランザクションデータ
226 マスタデータ
300 管理サーバ
301 記憶装置
302 プログラム
303 メモリ
304 演算装置
305 通信装置
325 マスタDB
400 端末
401 記憶装置
402 プログラム
403 メモリ
404 演算装置
405 入力装置
406 出力装置
407 通信装置