(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】水素製造設備用の制御装置、水素製造設備、水素製造設備の制御方法及び水素製造設備用の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
C25B 15/02 20210101AFI20241018BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20241018BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20241018BHJP
【FI】
C25B15/02
C25B9/00 A
C25B1/04
(21)【出願番号】P 2022104240
(22)【出願日】2022-06-29
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 光留
【審査官】太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5037518(US,A)
【文献】中国特許出願公開第113897620(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0326327(US,A1)
【文献】特開2018-165386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 15/02
C25B 9/00
C25B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの水電解装置を含む水素製造設備の運転を制御するための制御装置であって、
前記水電解装置に要求される水素生成量である必要水素流量を取得するように構成された必要水素流量取得部と、
前記必要水素流量を、前記水電解装置で前記必要水素流量の水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流を取得するように構成された変換部と、
前記必要水素流量と、前記水電解装置での実際の水素生成量である実水素流量との差分に基づく第1補正項を用いて前記暫定必要電流を補正することで前記水電解装置に与える電流指令値を取得するように構成された第1補正部と、
を備える水素製造設備用の制御装置。
【請求項2】
前記第1補正部は、前記第1補正項を前記暫定必要電流に加算して前記電流指令値を取得するように構成された
請求項1に記載の水素製造設備用の制御装置。
【請求項3】
前記第1補正部は、前記必要水素流量と前記実水素流量との差分に基づいて比例及び積分演算をすることにより前記第1補正項を算出するように構成された
請求項1又は2に記載の水素製造設備用の制御装置。
【請求項4】
前記必要水素流量取得部は、
前記水電解装置で生成された水素が貯留される貯留部から水素が供給される水素消費設備での水素の消費流量を取得するように構成された消費流量取得部と、
予め定められた前記貯留部の設定圧力と、前記貯留部の実圧力との差分に基づく第2補正項を用いて前記消費流量を補正することで前記必要水素流量を取得するように構成された第2補正部と、
を含む
請求項1又は2に記載の水素製造設備用の制御装置。
【請求項5】
前記第2補正部は、前記第2補正項を前記消費流量に加算して前記必要水素流量を取得するように構成された
請求項4に記載の水素製造設備用の制御装置。
【請求項6】
前記第2補正部は、前記貯留部の前記設定圧力と前記実圧力との差分に基づいて比例及び積分演算をすることにより前記第2補正項を算出するように構成された
請求項4に記載の水素製造設備用の制御装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの水電解装置は、複数の水電解装置を含み、
前記必要水素流量を前記複数の水電解装置の台数で除して前記水電解装置1台あたりの必要水素流量を取得するように構成された除算部を備え、
前記変換部は、前記水電解装置1台当たりの前記必要水素流量を変換して前記水電解装置1台あたりの暫定必要電流を取得するように構成され、
前記第1補正部は、前記複数の水電解装置ごとに算出される前記第1補正項を前記水電解装置1台当たりの前記暫定必要電流に加算して、前記複数の水電解装置ごとの電流指令値を取得するように構成された
請求項1又は2に記載の水素製造設備用の制御装置。
【請求項8】
少なくとも1つの水電解装置と、
前記少なくとも1つの水電解装置の運転を制御するように構成された請求項1又は2に記載の制御装置と、
を備える水素製造設備。
【請求項9】
少なくとも1つの水電解装置を含む水素製造設備の運転を制御するための制御方法であって、
前記水電解装置に要求される水素生成量である必要水素流量を取得するステップと、
前記必要水素流量を、前記水電解装置で前記必要水素流量の水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流を取得するステップと、
前記必要水素流量と、前記水電解装置での実際の水素生成量である実水素流量との差分に基づく第1補正項を用いて前記暫定必要電流を補正することで前記水電解装置に与える電流指令値を取得するステップと、
を備える水素製造設備の制御方法。
【請求項10】
少なくとも1つの水電解装置を含む水素製造設備の運転を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記水電解装置に要求される水素生成量である必要水素流量を取得する手順と、
前記必要水素流量を、前記水電解装置で前記必要水素流量の水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流を取得する手順と、
前記必要水素流量と、前記水電解装置での実際の水素生成量である実水素流量との差分に基づく第1補正項を用いて前記暫定必要電流を補正することで前記水電解装置に与える電流指令値を取得する手順と、
を実行させるための水素製造設備用の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水素製造設備用の制御装置、水素製造設備、水素製造設備の制御方法及び水素製造設備用の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
水素を製造するための装置として、水電解装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、固体電解質膜を含む電解セルを有する水電解装置で水を電気分解することで水素を製造するシステムが開示されている。特許文献1のシステムでは、効率的に水素を生成すべく、電解セルで生成される水素の圧力の検出結果に基づいて、電解セルに供給される電流が制御されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、水電解装置に供給される電流の制御は、水電解装置で生成された水素ガスが貯留される貯留部(貯蔵ヘッダ等)の圧力に基づき行われることが多い。しかし、貯留部の圧力のみに基づく制御を行う場合、貯留部からの水素の供給先(水素消費設備)での水素消費量の変化が貯留部の圧力変化として現れてからの制御となるため、水電解装置の応答が遅れ、水素消費設備が要する貯留部の圧力を維持できない可能性がある。また、水電解装置における水素発生量と、水電解装置に電流を供給するための整流器の電流値との関係性は、水電解槽の劣化や整流器の制御誤差等の要因によって変化することがある。この場合、水電解装置での水素生成量が想定よりも少なくなり、水素消費設備が要する貯留部の圧力を維持できない可能性がある。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することが可能な水素製造設備用の制御装置、水素製造設備、水素製造設備の制御方法及び水素製造設備用の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の少なくとも一実施形態に係る水素製造設備用の制御装置は、
少なくとも1つの水電解装置を含む水素製造設備の運転を制御するための制御装置であって、
前記水電解装置に要求される水素生成量である必要水素流量を取得するように構成された必要水素流量取得部と、
前記必要水素流量を、前記水電解装置で前記必要水素流量の水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流を取得するように構成された変換部と、
前記必要水素流量と、前記水電解装置での実際の水素生成量である実水素流量との差分に基づく第1補正項を用いて前記暫定必要電流を補正することで前記水電解装置に与える電流指令値を取得するように構成された第1補正部と、
を備える。
【0008】
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る水素製造設備は、
少なくとも1つの水電解装置と、
前記少なくとも1つの水電解装置の運転を制御するように構成された上述の制御装置と、
を備える。
【0009】
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る水素製造設備の制御方法は、
少なくとも1つの水電解装置を含む水素製造設備の運転を制御するための制御方法であって、
前記水電解装置に要求される水素生成量である必要水素流量を取得するステップと、
前記必要水素流量を、前記水電解装置で前記必要水素流量の水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流を取得するステップと、
前記必要水素流量と、前記水電解装置での実際の水素生成量である実水素流量との差分に基づく第1補正項を用いて前記暫定必要電流を補正することで前記水電解装置に与える電流指令値を取得するステップと、
を備える。
【0010】
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る水素製造設備用の制御プログラムは、
少なくとも1つの水電解装置を含む水素製造設備の運転を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記水電解装置に要求される水素生成量である必要水素流量を取得する手順と、
前記必要水素流量を、前記水電解装置で前記必要水素流量の水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流を取得する手順と、
前記必要水素流量と、前記水電解装置での実際の水素生成量である実水素流量との差分に基づく第1補正項を用いて前記暫定必要電流を補正することで前記水電解装置に与える電流指令値を取得する手順と、
を実行させるように構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することが可能な水素製造設備用の制御装置、水素製造設備、水素製造設備の制御方法及び水素製造設備用の制御プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る水素製造設備の概略図である。
【
図2】一実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る水素製造設備の概略図である。
【
図4】一実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0014】
(水素製造設備の構成)
図1及び
図3は、それぞれ、一実施形態に係る制御装置が適用される水素製造設備の概略図である。
図1及び
図3に示すように、水素製造設備100は、水素を生成するようにそれぞれ構成された少なくとも1つの水電解装置2(水素製造装置)と、水電解装置2で生成された水素を貯留するための貯留部4と、水電解装置2の運転を制御するための制御装置10と、を備える。
【0015】
貯留部4には、ガス状の水素が貯留されるようになっている。貯留部4に貯留された水素は、水素消費設備6に供給されるようになっていてもよい。貯留部4は、水素消費設備6への水素の供給に適した特性を有していてもよい。貯留部4は、例えば貯蔵ヘッダ(ヘッダタンク)を含んでもよい。
【0016】
水素消費設備6は特に限定されない。水素消費設備6は、例えば、水素を燃焼するように構成された水素燃焼設備(例えばガスタービン設備又は製鉄設備等)、水素を液化するように構成された水素液化設備、水素を燃料として化学反応により電気を生成する設備(例えばSOFC(Solid Oxide Fuel Cell)等の燃料電池を含む発電設備等)、水素を原料として燃料を製造する設備(例えば燃料合成設備等)又は、水素を機器に供給するように構成された水素ガスステーションを含んでもよい。
【0017】
水電解装置2は、水の電気分解により水素を生成するように構成される。水電解装置2のタイプは限定されない。水電解装置2は、例えば、アルカリ型水電解装置、固体高分子膜(Polymer Electrolyte Membrane:PEM)型水電解装置、アニオン交換膜(Anion Exchange Membrane:AEM)型水電解装置、又は、固体酸化物形電解セル(Solid Oxide Electrolysis Cell: SOEC)水電解装置であってもよい。
【0018】
詳しくは図示しないが、水電解装置2は、水を電気分解するための電解槽を含む。電解槽には水が供給されるようになっている。電解槽には、整流器8を介して電流が供給される。これにより、電解槽に設けられた一対の電極間に電圧をかけて電流を流すことで電解槽内の水が電気分解され、陰極側で水素が発生し、陽極側で酸素が発生する。電解槽内には、電解質が溶解した水(電解質溶液)が供給されており、該水(電解質溶液を構成する水)が電気分解されるようになっていてもよい。電解質は、水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ性物質であってもよい。
【0019】
陰極側で発生した水素ガスは、気液分離器及び/又は除湿器に導かれて水分が除去された後、貯留部4に導かれる。陽極側で発生した酸素ガスは、気液分離器及び/又は除湿器に導かれて水分が除去された後、酸素消費設備に供給されるようになっていてもよく、あるいは、外部に放出されるようになっていてもよい。
【0020】
なお、
図1及び
図3において、整流器8には、送電線92を介して電源90からの電流が供給されるようになっている。電源90は電力系統であってもよいし、他の電源(発電装置や電池等)であってもよい。
【0021】
幾つかの実施形態では、水素製造設備100は、複数の水電解装置2を含んでいてもよい。
図3に示す例示的な実施形態では、水素製造設備100は、複数(具体的には2台)の水電解装置2(2A,2B)を備えている。複数の水電解装置2(2A,2B)に対して、複数の整流器8(8A,8B)からそれぞれ電流が供給されるようになっている。なお、水素製造設備100に含まれる水電解装置2の台数は問われない。
【0022】
水素製造設備100は、貯留部4の圧力を計測するように構成された圧力センサ16を備えていてもよい。
【0023】
水素製造設備100は、水電解装置2(2A,2B)で生成される水素の流量を計測するための流量センサ12(12A,12B)を備えていてもよい。流量センサ12は、
図1及び
図3に示すように、水電解装置2からの水素を貯留部4に導くためのラインに設けられていてもよい。
【0024】
水素製造設備100は、水素消費設備6における水素の消費流量を計測するための流量センサ14を備えていてもよい。流量センサ14は、
図1及び
図3に示すように、貯留部4からの水素を水素消費設備6に導くためのラインに設けられていてもよい。
【0025】
圧力センサ16、流量センサ12及び/又は流量センサ14は、制御装置10に電気的に接続され、これらのセンサによる計測結果を示す信号が制御装置10に送られるようになっていてもよい。
【0026】
制御装置10は、圧力センサ16、流量センサ12及び/又は流量センサ14等から受け取った信号に基づいて、整流器8(水電解装置2)に与える電流の指令値(電流指令値I)を算出する。そして、水電解装置2に供給される電流が算出した電流指令値Iに合致するように、整流器8を制御するように構成される。このようにして、制御装置10によって水電解装置2に供給される電流の制御が行われる。
【0027】
なお、水素消費設備6による水素の需要を満たすためには、水素消費量に応じた分の水素を水電解装置2で生成して、貯留部4の圧力が所定の設定圧力以上となるように維持することが望まれる。
【0028】
(水素製造設備の制御)
以下、幾つかの実施形態に係る水素製造設備の制御装置及び制御方法について説明する。
図2及び
図4は、それぞれ、一実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すブロック図に係る制御装置は、例えば
図1に示す水素製造設備に適用可能である。
図4に示すブロック図に係る制御装置は、例えば
図2に示す水素製造設備に適用可能である。
【0029】
図2及び
図4に示すように、一実施形態に係る制御装置10は、必要水素流量取得部20と、変換部31と、第1補正部34と、を備えている。
【0030】
必要水素流量取得部20は、水電解装置2に要求される水素生成量である必要水素流量FDを取得するように構成される。
【0031】
必要水素流量取得部20は、貯留部4から水素が供給される水素消費設備6での水素の消費流量を取得するように構成された消費流量取得部21を含んでもよい。必要水素流量取得部20は、消費流量取得部21で取得される消費流量を必要水素流量FDとして取得してもよい。あるいは、必要水素流量取得部20は、消費流量取得部21で取得された消費流量を後述する第2補正部22にて補正したものを、必要水素流量FDとして取得してもよい。
【0032】
図2及び
図4に示すように、消費流量取得部21は、水素消費設備6(例えばガスタービン)に供給される燃料流量の指令値である燃料指令値に基づいて、水素の消費流量を算出してもよい。この場合、消費流量取得部21は、燃料指令値を水素の流量に変換する変換器24を含んでもよい。変換器24は、燃料指令値と水素の流量との相関関係を示す関数を用いて、燃料指令値を水素の流量に変換するように構成されていてもよい。消費流量取得部21は、水素消費設備6を制御するための制御装置から燃料指令値を取得してもよい。
【0033】
あるいは、消費流量取得部21は、貯留部4から水素消費設備6に供給される水素の流量を消費流量として取得してもよい。この場合、流量センサ14(
図1及び
図3参照)による水素流量の計測値を消費流量として取得してもよい。
【0034】
変換部31は、必要水素流量取得部20で取得された必要水素流量FDを、水電解装置2で該必要水素流量FDの水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流IDを取得するように構成される。変換部31は、必要水素流量FDと、水電解装置2で該必要水素流量FDの水素を生成するために必要な電流との相関関係を示す関数を用いて、必要水素流量FDを電流値に変換するように構成された変換器32を含んでもよい。
【0035】
第1補正部34は、必要水素流量取得部20で取得された必要水素流量FDと水電解装置2での実際の水素生成量である実水素流量FAとの差分(FD-FA)に基づく第1補正項を用いて暫定必要電流IDを補正し、これにより、水電解装置2に与える電流指令値Iを取得するように構成される。
【0036】
図2及び
図4に示す第1補正部34は、必要水素流量F
Dと実水素流量F
Aとの差分(F
D-F
A)を算出するための減算部36と、該差分(F
D-F
A)に基づき比例及び積分演算をすることにより第1補正項を算出するための比例積分演算器38と、変換器32で取得された暫定必要電流I
Dに第1補正項を加算するように構成された加算器40と、を含む。水電解装置2での実際の水素生成量である実水素流量F
Aは、例えば、流量センサ12(
図1及び
図3参照)による計測値として取得することができる。
【0037】
上述の実施形態では、水素消費量に対応する必要水素流量FDから電流指令値Iを算出するようにしたので、例えば貯留部4の圧力のみに基づいて電流指令値を算出する場合に比べて、負荷(水素消費量)の変化に対する応答遅れを小さくすることができる。また、必要水素流量FDから算出される暫定必要電流IDを、必要水素流量FDと実水素流量FAの差分に基づく第1補正項を用いて補正することで電流指令値Iを算出するようにしたので、水電解装置2での水素発生量と水電解装置2に電流を与えるための整流器8の電流値との関係性が電解槽の劣化や整流器8の制御誤差等により変化する場合であっても、この変化に応じた適切な電流指令値Iを算出することができる。よって、このように算出された電流指令値Iに基づき水電解装置2の電流制御をすることで、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0038】
また、上述の実施形態によれば、負荷変化に対する応答性が良好であるため、水素の需要と供給のミスマッチを抑制し、貯留部4の圧力安定性を向上することができる。このため、例えば、貯留部4の容量を小さくすることができ、設備コストを低減することができる。
【0039】
上述したように、必要水素流量FDと実水素流量FAとの差分に基づいて比例及び積分演算をすることにより第1補正項を算出し、該第1補正項を暫定必要電流IDに加算して電流指令値Iを取得してもよい。これにより、水電解装置2での水素発生量と水電解装置2に電流を与えるための整流器8の電流値との関係性が変化する場合であっても、この変化に応じた適切な電流指令値Iを算出することができる。よって、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、上述したように、必要水素流量取得部20は、消費流量取得部21で取得された消費流量を第2補正部22にて補正したものを、必要水素流量FDとして取得してもよい。第2補正部22は、予め定められた貯留部4の設定圧力PSと、貯留部4の実際の圧力である実圧力PAとの差分(PS-PA)に基づく第2補正項を用いて、消費流量取得部21で取得された消費流量を補正することで、必要水素流量FDを取得するように構成される。
【0041】
図2及び
図4に示す第2補正部22は、貯留部4の設定圧力P
Sと実圧力P
Aとの差分(P
S-P
A)を算出するための減算部26と、該差分(P
S-P
A)に基づき比例及び積分演算をすることにより第2補正項を算出するための比例積分演算器28と、消費流量取得部21で取得された消費流量に第2補正項を加算するように構成された加算器30と、を含む。貯留部4の設定圧力P
Sは、予め制御装置10の記憶装置等に記憶されていてもよく、第2補正部22は、該記憶装置から設定圧力P
Sを取得してもよい。また、第2補正部22は、圧力センサ16による計測値を貯留部4の実圧力P
Aとして取得してもよい。
【0042】
上述したように、水素消費量に対応する必要水素流量FDに基づいて電流指令値Iを算出し、該電流指令値Iに基づいて水電解装置2を運転することで、消費量と同等量の水素を生成及び供給可能となる。一方、消費に対する供給の遅れがあった場合、貯留部4の圧力は元の値(設定圧力PS)に到達することができなくなる。この点、上述の実施形態では、貯留部4の設定圧力PSと実圧力PAとの差分(PS-PA)に基づく第2補正項を用いて、貯留部4から供給先(水素消費設備6)に供給される水素の流量(消費流量)を補正して必要水素流量FDを取得するようにしたので、該必要水素流量FDに基づき算出される電流指令値Iに基づき水電解装置2の電流制御を行うことで、貯留部4の圧力を設定圧力PSに近付けることができる。よって、貯留部4の圧力を設定圧力PSに維持しやすくしながら、かつ、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0043】
また、上述したように、幾つかの実施形態では、貯留部4の設定圧力PSと実圧力PAとの差分に基づいて比例及び積分演算をすることにより第2補正項が算出され、当該第2補正項を消費流量に加算することにより必要水素流量FDが取得される。よって、該必要水素流量FDに基づき算出される電流指令値Iに基づき水電解装置2の電流制御を行うことで、貯留部4の圧力を設定圧力PSに近付けることができる。よって、貯留部4の圧力を設定圧力PSに維持しやすくしながら、かつ、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0044】
図4に示す例示的な実施形態では、制御装置10は、必要水素流量取得部20からの必要水素流量F
Dを、複数の水電解装置2の台数Nで除して、水電解装置2の1台あたりの必要水素流量(F
D/N)を取得するように構成された除算部42を備えている。
【0045】
この実施形態では、変換部31は、水電解装置2の1台当たりの必要水素流量(F
D/N)を変換して水電解装置2の1台あたりの暫定必要電流I
D_Nを取得する。また、第1補正部34は、複数の水電解装置2の各々について第1補正項を算出する。即ち、複数の水電解装置2において生成される水素の流量(実水素流量F
A)をそれぞれ取得して、水電解装置2ごとに異なる実水素流量F
Aを用いて、第1補正項を算出する。なお、複数の水電解装置2についての実水素流量F
Aは、流量センサ12A,12B(
図3参照)を用いて取得することができる。そして、第1補正部34によって算出された複数の水電解装置2についての第1補正項を、水電解装置2の1台当たりの暫定必要電流I
D_Nに加算することで、複数の水電解装置2ごとの電流指令値I_Nを取得する。
【0046】
水素製造設備100が複数の水電解装置2を含む場合、電解槽や整流器8の個体差等により、複数の水電解装置2ごとに、水素発生量と整流器8の電流値との関係性の変化のしかたは異なると考えられる。この点、上述の実施形態によれば、必要水素流量FDを水電解装置の台数Nで除して水電解装置1台あたりの必要水素流量(FD/N)を取得し、これに基づき水電解装置2の1台あたりの暫定必要電流ID_Nを取得するとともに、水電解装置2ごとに算出される第1補正項を用いて該暫定必要電流ID_Nを補正して水電解装置2ごとの電流指令値I_Nを得る。これにより、機器の個体差の影響を低減しながら、水電解装置ごとに、水素発生量と整流器8の電流値との関係性の変化に応じた適切な電流指令値を算出することができる。よって、このように算出された電流指令値I_Nに基づき複数の水電解装置2の電流制御をすることで、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0047】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0048】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る水素製造設備(100)用の制御装置(10)は、
少なくとも1つの水電解装置(2)を含む水素製造設備の運転を制御するための制御装置であって、
前記水電解装置に要求される水素生成量である必要水素流量(FD)を取得するように構成された必要水素流量取得部(20)と、
前記必要水素流量を、前記水電解装置で前記必要水素流量の水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流(ID)を取得するように構成された変換部(31)と、
前記必要水素流量と、前記水電解装置での実際の水素生成量である実水素流量(FA)との差分に基づく第1補正項を用いて前記暫定必要電流を補正することで前記水電解装置に与える電流指令値(I)を取得するように構成された第1補正部(34)と、
を備える。
【0049】
上記(1)の構成では、水素消費量に対応する必要水素流量から電流指令値を算出するようにしたので、負荷(水素消費量)の変化に対する応答遅れを小さくすることができる。また、必要水素流量から算出される暫定必要電流を、必要水素流量と実水素流量の差分に基づく第1補正項を用いて補正することで電流指令値を算出するようにしたので、水電解装置での水素発生量と水電解装置に電流を与えるための整流器の電流値との関係性が変化する場合であっても、この変化に応じた適切な電流指令値を算出することができる。よって、このように算出された電流指令値に基づき水電解装置の電流制御をすることで、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0050】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記第1補正部は、前記第1補正項を前記暫定必要電流に加算して前記電流指令値を取得するように構成される。
【0051】
上記(2)の構成によれば、必要水素流量から算出される暫定必要電流に、必要水素流量と実水素流量の差分に基づく第1補正項を加算することで電流指令値を算出する。よって、水電解装置での水素発生量と水電解装置に電流を与えるための整流器の電流値との関係性が変化する場合であっても、この変化に応じた適切な電流指令値を算出することができる。よって、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0052】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記第1補正部は、前記必要水素流量と前記実水素流量との差分に基づいて比例及び積分演算をすることにより前記第1補正項を算出するように構成される。
【0053】
上記(3)の構成によれば、必要水素流量と実水素流量との差分に基づいて比例及び積分演算をすることにより第1補正項を算出する。よって、該第1補正項を用いて暫定必要電流を補正することで、水電解装置での水素発生量と水電解装置に電流を与えるための整流器の電流値との関係性が変化する場合であっても、この変化に応じた適切な電流指令値を算出することができる。よって、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0054】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記必要水素流量取得部は、
前記水電解装置で生成された水素が貯留される貯留部(4)から水素が供給される水素消費設備(6)での水素の消費流量を取得するように構成された消費流量取得部(21)と、
予め定められた前記貯留部の設定圧力(PS)と、前記貯留部の実圧力(PA)との差分に基づく第2補正項を用いて前記消費流量を補正することで前記必要水素流量を取得するように構成された第2補正部(22)と、
を含む。
【0055】
上記(1)で述べたように水素消費量に対応する必要水素流量に基づいて電流指令値を算出し、該電流指令値に基づいて水電解装置を運転することで、消費量と同等量の水素を生成及び供給可能となる。一方、消費に対する供給の遅れがあった場合、貯留部の圧力は元の値(設定圧力)に到達することができなくなる。この点、上記(4)の構成では、貯留部の設定圧力と実圧力との差分に基づく第2補正項を用いて、貯留部から供給先(水素消費設備)に供給される水素の流量(消費流量)を補正して必要水素流量を取得するようにしたので、該必要水素流量に基づき算出される電流指令値に基づき水電解装置の電流制御を行うことで、貯留部の圧力を設定圧力に近付けることができる。よって、上記(4)の構成によれば、貯留部の圧力を設定圧力に維持しやすくしながら、かつ、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0056】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記第2補正部は、前記第2補正項を前記消費流量に加算して前記必要水素流量を取得するように構成される。
【0057】
上記(5)の構成によれば、貯留部から供給先(水素消費設備)に供給される水素の流量(消費流量)に、貯留部の設定圧力と実圧力との差分に基づく第2補正項を加算することで必要水素流量を取得する。よって、該必要水素流量に基づき算出される電流指令値に基づき水電解装置の電流制御を行うことで、貯留部の圧力を設定圧力に近付けることができる。よって、貯留部の圧力を設定圧力に維持しやすくしながら、かつ、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0058】
(6)幾つかの実施形態では、上記(4)又は(5)の構成において、
前記第2補正部は、前記貯留部の前記設定圧力と前記実圧力との差分に基づいて比例及び積分演算をすることにより前記第2補正項を算出するように構成される。
【0059】
上記(6)の構成によれば、貯留部の設定圧力の実圧力との差分に基づいて比例及び積分演算をすることにより第2補正項を算出する。よって、該第2補正項を用いて水素の消費流量を補正して必要水素流量を取得するとともに、該必要水素流量に基づき算出される電流指令値に基づき水電解装置の電流制御を行うことで、貯留部の圧力を設定圧力に近付けることができる。よって、貯留部の圧力を設定圧力に維持しやすくしながら、かつ、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0060】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記少なくとも1つの水電解装置は、複数の水電解装置(2A,2B)を含み、
前記必要水素流量を前記複数の水電解装置の台数(N)で除して前記水電解装置1台あたりの必要水素流量を取得するように構成された除算部(42)を備え、
前記変換部は、前記水電解装置1台当たりの前記必要水素流量を変換して前記水電解装置1台あたりの暫定必要電流(ID_N)を取得するように構成され、
前記第1補正部は、前記複数の水電解装置ごとに算出される前記第1補正項を前記水電解装置1台当たりの前記暫定必要電流に加算して、前記複数の水電解装置ごとの電流指令値(I_N)を取得するように構成される。
【0061】
水素製造設備が複数の水電解装置を含む場合、電解槽や整流器の個体差等により、複数の水電解装置ごとに、水素発生量と整流器の電流値との関係性の変化のしかたは異なると考えられる。この点、上記(7)の構成によれば、必要水素流量を水電解装置の台数で除して水電解装置1台あたりの必要水素流量を取得し、これに基づき水電解装置1台あたりの暫定必要電流を取得するとともに、水電解装置ごとに算出される第1補正項を用いて該暫定必要電流を補正して水電解装置ごとの電流指令値を得る。これにより、機器の個体差の影響を低減しながら、水電解装置ごとに、水素発生量と整流器の電流値との関係性の変化に応じた適切な電流指令値を算出することができる。よって、このように算出された電流指令値に基づき複数の水電解装置の電流制御をすることで、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0062】
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る水素製造設備(100)は、
少なくとも1つの水電解装置(2)と、
前記少なくとも1つの水電解装置の運転を制御するように構成された上記(1)乃至(7)の何れか一項に記載の制御装置(10)と、
を備える。
【0063】
上記(8)の構成では、水素消費量に対応する必要水素流量から電流指令値を算出するようにしたので、負荷(水素消費量)の変化に対する応答遅れを小さくすることができる。また、必要水素流量から算出される暫定必要電流を、必要水素流量と実水素流量の差分に基づく第1補正項を用いて補正することで電流指令値を算出するようにしたので、水電解装置での水素発生量と水電解装置に電流を与えるための整流器の電流値との関係性が変化する場合であっても、この変化に応じた適切な電流指令値を算出することができる。よって、このように算出された電流指令値に基づき水電解装置の電流制御をすることで、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0064】
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る水素製造設備の制御方法は、
少なくとも1つの水電解装置(2)を含む水素製造設備(100)の運転を制御するための制御方法であって、
前記水電解装置に要求される水素生成量である必要水素流量(FD)を取得するステップと、
前記必要水素流量を、前記水電解装置で前記必要水素流量の水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流(ID)を取得するステップと、
前記必要水素流量と、前記水電解装置での実際の水素生成量である実水素流量(FA)との差分に基づく第1補正項を用いて前記暫定必要電流を補正することで前記水電解装置に与える電流指令値(I)を取得するステップと、
を備える。
【0065】
上記(9)の方法では、水素消費量に対応する必要水素流量から電流指令値を算出するようにしたので、負荷(水素消費量)の変化に対する応答遅れを小さくすることができる。また、必要水素流量から算出される暫定必要電流を、必要水素流量と実水素流量の差分に基づく第1補正項を用いて補正することで電流指令値を算出するようにしたので、水電解装置での水素発生量と水電解装置に電流を与えるための整流器の電流値との関係性が変化する場合であっても、この変化に応じた適切な電流指令値を算出することができる。よって、このように算出された電流指令値に基づき水電解装置の電流制御をすることで、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0066】
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る水素製造設備用の制御プログラムは、
少なくとも1つの水電解装置(2)を含む水素製造設備(100)の運転を制御するための制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記水電解装置に要求される水素生成量である必要水素流量(FD)を取得する手順と、
前記必要水素流量を、前記水電解装置で前記必要水素流量の水素を生成するために必要な電流に変換して暫定必要電流(ID)を取得する手順と、
前記必要水素流量と、前記水電解装置での実際の水素生成量である実水素流量(FA)との差分に基づく第1補正項を用いて前記暫定必要電流を補正することで前記水電解装置に与える電流指令値(I)を取得する手順と、
を実行させるように構成される。
【0067】
上記(10)の構成では、水素消費量に対応する必要水素流量から電流指令値を算出するようにしたので、負荷(水素消費量)の変化に対する応答遅れを小さくすることができる。また、必要水素流量から算出される暫定必要電流を、必要水素流量と実水素流量の差分に基づく第1補正項を用いて補正することで電流指令値を算出するようにしたので、水電解装置での水素発生量と水電解装置に電流を与えるための整流器の電流値との関係性が変化する場合であっても、この変化に応じた適切な電流指令値を算出することができる。よって、このように算出された電流指令値に基づき水電解装置の電流制御をすることで、負荷変化に対する応答の遅れを抑制しながら、必要量の水素を適切に製造することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0069】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0070】
2 水電解装置
4 貯留部
6 水素消費設備
8 整流器
8A 整流器
8B 整流器
10 制御装置
12 流量センサ
12A 流量センサ
12B 流量センサ
14 流量センサ
16 圧力センサ
20 必要水素流量取得部
21 消費流量取得部
22 第2補正部
24 変換器
26 減算部
28 比例積分演算器
30 加算器
31 変換部
32 変換器
34 第1補正部
36 減算部
38 比例積分演算器
40 加算器
42 除算部
90 電源
92 送電線
100 水素製造設備