(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】衝撃波カテーテルのための薄型電極
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A61B17/22 510
(21)【出願番号】P 2022518250
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 US2020046134
(87)【国際公開番号】W WO2021061294
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-06-30
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515000292
【氏名又は名称】ショックウェーブ メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヴォー, カーン
(72)【発明者】
【氏名】ギャレゴ, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, フイ
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0360482(US,A1)
【文献】特表2015-522344(JP,A)
【文献】特表平06-506373(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0150960(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22
A61B 17/3207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衝撃波を発生させるためのデバイスであって、前記デバイスは、
細長い管と、
前記細長い管の一部の全周に巻きつけられたバルーンであって、前記バルーンは、
前記細長い管にシールされた遠位端と、
前記バルーンの前記遠位端の近位
にありかつ前記バルーンの前記遠位端から直接延びている脚部セグメントと、
前記バルーンの前記脚部セグメントの近位
にありかつ前記バルーンの前記脚部セグメントから直接延びている円錐セグメントと、
前記バルーンの前記円錐セグメントの近位の直線セグメントと
を備え、
前記バルーンが膨張させられると、前記脚部セグメントは、
全体が、円筒形であるか、または、
全体が、平均直径を伴うテーパ状形状であり、前記円錐セグメントは、
全体が、前記脚部セグメントの前記平均直径より大きい平均直径を伴うテーパ状形状であり、前記直線セグメントは、前記円錐セグメントの前記平均直径より大きい直径を伴
う円筒形形状である、バルーンと、
衝撃波を発生させるように構成された少なくとも1つの遠位エミッタと
を備え、
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記脚部セグメン
トに位置付けられている
少なくとも第1の遠位エミッタを含む、デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記円錐セグメントに位置付けられている
少なくとも第2の遠位エミッタをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記脚部セグメントと前記細長い管との間の間隙の遠位端か
ら0.5mm
~1mmに位置している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記バルーンが膨張させられると、前記脚部セグメントの内径と前記細長い管の外径との間の間隙は、
0.0254mm~
0.0762mmである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記脚部セグメントは
、3.5mm
~5.0mmの長さであり、前記円錐セグメントは
、4.5mm
~5.5mmの長さである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記バルーンが膨張させられると、前記バルーンの前記脚部セグメントと前記細長い管との間の第1の頂角は、5度より小さい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記バルーンが膨張させられると、前記バルーンの前記円錐セグメントと前記細長い管との間の第2の頂角は、前記第1の頂角より大きい、請求項
6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、第1の電極対を備え、前記第1の電極対は、
第1の絶縁ワイヤの伝導性部分と、
第2の絶縁ワイヤの伝導性部分と
を備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1の絶縁ワイヤは、
前記第1の絶縁ワイヤの前記伝導性部分である平坦化遠位セグメントを備え
、前記第2の絶縁ワイヤは、
前記第2の絶縁ワイヤの前記伝導性部分である平坦化遠位セグメントを備え
ている、請求項
8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の絶縁ワイヤの前記平坦化遠位セグメントの直径は、前記第1の絶縁ワイヤの近位セグメントの直径
の47%~75%であり、前記第2の絶縁ワイヤの前記平坦化遠位セグメントの直径は、前記第2の絶縁ワイヤの近位セグメントの直径
の47%~75%である、請求項
9に記載のデバイス。
【請求項11】
ポリマーの層が、前記第1の絶縁ワイヤの前記伝導性部分が前記第2の絶縁ワイヤの前記伝導性部分から制御された距離だけ離れて保持されるように、前記第1の絶縁ワイヤおよび前記第2の絶縁ワイヤの少なくとも一部を覆っている、請求項
8に記載のデバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、第2の電極対をさらに備え、前記第2の電極対は、
前記第2の絶縁ワイヤの
追加の伝導性部分と、
第3の絶縁ワイヤの伝導性部分と
を備えている、請求項
8に記載のデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、第2の電極対と第3の電極対とをさらに備え、
前記第2の電極対は、
前記第2の絶縁ワイヤの
追加の伝導性部分と、
前記細長い管の全周に巻きつけられた伝導性シースの第1の側縁と
を備え、
前記第3の電極対は、
前記伝導性シースの第2の側縁と、
第3の絶縁ワイヤの伝導性部分と
を備えている、請求項
8に記載のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、第1の電極対と第2の電極対とを備え、
前記第1の電極対は、
第1の絶縁ワイヤの伝導性部分と、
前記細長い管の全周に巻きつけられた伝導性シースの第1の側縁と
を備え、
前記第2の電極対は、
前記伝導性シースの第2の側縁と、
第2の絶縁ワイヤの伝導性部分と
を備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1の側縁と前記第2の側縁とは、前記伝導性シースの反対側縁上で、円周方向に180度で位置付けられている、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記細長い管は、前記遠位端に向かって細くなっている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
衝撃波を発生させるように構成された少なくとも1つの近位エミッタをさらに備え、前記少なくとも1つの近位エミッタは、前記バルーンの
前記直線セグメントに位置付けられている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つの遠位エミッタおよび前記少なくとも1つの近位エミッタに選択的に接続された可変高電圧パルス発生器をさらに備え、前記可変高電圧パルス発生器は、前記少なくとも1つの遠位エミッタまたは前記少なくとも1つの近位エミッタのいずれかにおいて衝撃波を発生させるようにアクティブにされることができる、請求項
17に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2019年9月24日に出願され、「LOW PROFILE ELECTRODES FOR A SHOCK WAVE CATHETER」と題された米国仮特許出願第62/904,839号の優先権を主張する。
(開示の分野)
【0002】
本開示は、概して、衝撃波電極に関し、より具体的に、血管構造内での衝撃波の発生のための電極に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、経皮的冠動脈形成術または末梢血管形成術のための治療システムに関し、それらにおいて、血管形成バルーンが、病変(例えば、石灰化病変)を広げ、動脈内の正常な血流を回復させるために使用される。このタイプの手技では、バルーンを運ぶカテーテルが、バルーンが石灰化プラークと整列させられるまで、ガイドワイヤに沿って脈管の中に前進させられる。バルーンは、次いで、加圧され、石灰化プラークを減少させ、または破壊し、それらを血管壁に押し戻す。
【0004】
より最近では、本明細書の譲受人は、血管形成タイプバルーン内に電極を含む治療システムを開発した。使用時、バルーンは、閉塞の領域に前進させられる。バルーンは、次いで、最初に、伝導性流体を用いて加圧される。一連の高電圧パルスが、バルーン内の電極に印加され、各パルスは、伝導性流体中に衝撃波を発生させる。衝撃波は、バルーン壁を通過し、閉塞の中に入り、石灰化プラークを砕く。石灰化プラークが、砕かれると、バルーンは、さらに拡張され、血管を開放することができる。そのようなシステムは、米国特許第8,956,371号(特許文献1)、第8,888,788号、および米国公開第2019/0150960号(その全ては、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。さらに、本明細書の譲受人は、前方に方向付けられた衝撃波を発生させるために、ガイドワイヤの先端上に電極を提供するための技法を開発した。このアプローチは、米国特許公開第2015/0320432号(特許文献2)(同様に参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0005】
本発明は、血管形成バルーンの遠位脚部セグメントおよび/または遠位円錐セグメントを含むバルーンの遠位部分に薄型衝撃波電極を位置付けることによって、きつく横断しにくい石灰性病変を治療するための技法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第8,956,371号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0320432号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、衝撃波を発生させるためのデバイスを提供する。衝撃波を発生させるための例示的デバイスは、細長い管と、細長い管の一部の全周に巻きつけられたバルーンであって、バルーンは、細長い管にシールされた遠位端と、バルーンの遠位端の近位の脚部セグメントと、バルーンの脚部セグメントの近位の円錐セグメントと、バルーンの円錐セグメントの近位の直線セグメントとを備え、バルーンが膨張させられると、脚部セグメントは、実質的に円筒形であるか、または、ある平均直径を伴うテーパ状形状であり、円錐セグメントは、脚部セグメントの平均直径より大きい平均直径を伴うテーパ状形状であり、直線セグメントは、円錐セグメントの平均直径より大きい直径を伴う実質的に円筒形形状である、バルーンと、衝撃波を発生させるように構成された少なくとも1つの遠位エミッタであって、少なくとも1つの遠位エミッタは、バルーンの脚部セグメントまたは円錐セグメントに位置付けられる、少なくとも1つの遠位エミッタとを備えている。
【0008】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、バルーンの脚部セグメントに位置付けられている。
【0009】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、バルーンの円錐セグメントに位置付けられている。
【0010】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、バルーンの脚部セグメントに位置付けられた第1の遠位エミッタと、バルーンの円錐セグメントに位置付けられた第2の遠位エミッタとを備えている。
【0011】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、バルーンの脚部セグメントと細長い管との間の間隙の遠位端から約0.5mm~約1mmに位置する。
【0012】
いくつかの実施形態において、バルーンが膨張させられると、脚部セグメントの内径と細長い管の外径との間の間隙は、約0.001インチ~約0.003インチである。
【0013】
いくつかの実施形態において、脚部セグメントは、約3.5mm未満の長さであり、円錐セグメントは、約4.5mm~約5.5mmの長さである。
【0014】
いくつかの実施形態において、バルーンが膨張させられると、バルーンの脚部セグメントと細長い管との間の第1の頂角は、5度より小さい。
【0015】
いくつかの実施形態において、バルーンが膨張させられると、バルーンの円錐セグメントと細長い管との間の第2の頂角は、第1の頂角より大きい。
【0016】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、第1の電極対を備え、第1の電極対は、第1の絶縁ワイヤの伝導性部分と、第2の絶縁ワイヤの伝導性部分とを備えている。
【0017】
いくつかの実施形態において、第1の絶縁ワイヤの伝導性部分は、第1の絶縁ワイヤから絶縁体の第1の部分を除去することによって形成され、第2の絶縁ワイヤの伝導性部分は、第2の絶縁ワイヤから絶縁体の第2の部分を除去することによって形成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、第1の絶縁ワイヤは、平坦化遠位セグメントを備え、絶縁体の第1の部分は、第1の絶縁ワイヤの平坦化遠位セグメントから除去され、第2の絶縁ワイヤは、平坦化遠位セグメントを備え、絶縁体の第2の部分は、第2の絶縁ワイヤの平坦化遠位セグメントから除去される。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1の絶縁ワイヤの平坦化遠位セグメントの直径は、第1の絶縁ワイヤの近位セグメントの直径の約47%~75%であり、第2の絶縁ワイヤの平坦化遠位セグメントの直径は、第2の絶縁ワイヤの近位セグメントの直径の約47%~75%である。
【0020】
いくつかの実施形態において、ポリマーの層が、第1の絶縁ワイヤの伝導性部分が第2の絶縁ワイヤの伝導性部分から制御された距離だけ離れて保持されるように、第1の絶縁ワイヤおよび第2の絶縁ワイヤの少なくとも一部を覆っている。
【0021】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、第2の電極対をさらに備え、第2の電極対は、第2の絶縁ワイヤのさらに先の伝導性部分と、第3の絶縁ワイヤの伝導性部分とを備えている。
【0022】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、第2の電極対と第3の電極対とをさらに備え、第2の電極対は、第2の絶縁ワイヤのさらに先の伝導性部分と、細長い管の全周に巻きつけられた伝導性シースの第1の側縁とを備え、第3の電極対は、伝導性シースの第2の側縁と、第3の絶縁ワイヤの伝導性部分とを備えている。
【0023】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、第1の電極対と第2の電極対とを備え、第1の電極対は、第1の絶縁ワイヤの伝導性部分と、細長い管の全周に巻きつけられた伝導性シースの第1の側縁とを備え、第2の電極対は、伝導性シースの第2の側縁と、第2の絶縁ワイヤの伝導性部分とを備えている。
【0024】
いくつかの実施形態において、第1の側縁および第2の側縁は、伝導性シースの反対側縁上で、円周方向に180度で位置付けられている。
【0025】
いくつかの実施形態において、細長い管は、遠位端に向かって細くなる。
【0026】
いくつかの実施形態において、デバイスは、衝撃波を発生させるように構成された少なくとも1つの近位エミッタを備え、少なくとも1つの近位エミッタは、バルーンの直線セグメントに位置付けられている。
【0027】
いくつかの実施形態において、デバイスは、少なくとも1つの遠位エミッタおよび少なくとも1つの近位エミッタに選択的に接続された可変高電圧パルス発生器を備え、可変高電圧パルス発生器は、少なくとも1つの遠位エミッタまたは少なくとも1つの近位エミッタのいずれかにおいて衝撃波を発生させるようにアクティブにされることができる。
【0028】
衝撃波を発生させる例示的方法は、衝撃波デバイスを患者の脈管の中に導入することを含み、衝撃波デバイスは、バルーンであって、バルーンは、遠位端と、バルーンの遠位端の近位の脚部セグメントと、バルーンの脚部セグメントの近位の円錐セグメントと、バルーンの円錐セグメントの近位の直線セグメントとを備えている、バルーンと、バルーンの脚部セグメントまたは円錐セグメントにおける少なくとも1つの遠位エミッタと、バルーンの直線セグメントにおける少なくとも1つの近位エミッタとを備えている。第1の段階中、方法は、バルーンの遠位脚部セグメントが可能な限り石灰化病変の中に前進させられるように、患者の脈管内で衝撃波デバイスを前進させることと、膨張させられたバルーンが石灰化病変と直接近接して脈管の壁に優しく固定されるように、伝導性流体を用いてバルーンを膨張させることであって、バルーンが膨張させられると、脚部セグメントは、実質的に円筒形であるか、または、ある平均直径を伴うテーパ状形状であり、円錐セグメントは、脚部セグメントの平均直径より大きい平均直径を伴うテーパ状形状であり、直線セグメントは、円錐セグメントの平均直径より大きい直径を伴う実質的に円筒形形状である、ことと、少なくとも1つの遠位エミッタにおいて衝撃波を発生させるように電圧源をアクティブにすることと、電圧源をアクティブにした後、バルーンを収縮させることとを含む。第2の段階中、方法は、バルーンの直線セグメントが可能な限り石灰化病変の中に前進させられるように、患者の脈管内で衝撃波デバイスをさらに前進させることと、膨張させられたバルーンが石灰化病変と直接近接して脈管の壁に優しく固定されるように、伝導性流体を用いてバルーンを膨張させることと、少なくとも1つの近位エミッタにおいて衝撃波を発生させるように電圧源をアクティブにすることとを含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、第1の段階は、バルーンの直線セグメントが石灰化病変の中に前進することが可能であるように、石灰化病変が修正されるまで繰り返される。
【0030】
いくつかの実施形態において、第2の段階中に電圧源をアクティブにすることは、少なくとも1つの近位エミッタおよび少なくとも1つの遠位エミッタの両方において衝撃波を発生させる。
【0031】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、バルーンの脚部セグメントに位置付けられている。
【0032】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、バルーンの円錐セグメントに位置付けられている。
【0033】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの遠位エミッタは、バルーンの脚部セグメントに位置付けられた第1の遠位エミッタと、バルーンの円錐セグメントに位置付けられた第2の遠位エミッタとを備えている。
【0034】
本発明は、衝撃波を発生させるためのデバイスも提供する。衝撃波を発生させるための例示的デバイスは、バルーンであって、バルーンは、遠位端と、バルーンの遠位端の近位の脚部セグメントと、バルーンの脚部セグメントの近位の円錐セグメントとを備え、バルーンが膨張させられると、脚部セグメントは、円筒形であるか、または、第1の頂角を伴うテーパ状形状であり、円錐セグメントは、第1の頂角より大きい第2の頂角を伴うテーパ状形状である、バルーンと、バルーンを通して延びている細長い管であって、バルーンは、細長い管の縦方向セグメントの周囲に巻きつき、バルーンの遠位端は、細長い管にシールされている、細長い管と、細長い管の上に延びている第1の絶縁ワイヤの伝導性部分と、細長い管の上に延びている第2の絶縁ワイヤの伝導性部分とを備えている、細長い管と、バルーンの脚部セグメントとの間の電極対であって、電圧が第1の絶縁ワイヤおよび第2の絶縁ワイヤを横断して印加されると、電流が、第1の絶縁ワイヤから第2の絶縁ワイヤに流動するように構成され、衝撃波が、第1の絶縁ワイヤの伝導性部分および第2の絶縁ワイヤの伝導性部分を横断して作成される、電極対とを備えている。
【0035】
いくつかの実施形態において、電極対は、第1の電極対であり、デバイスは、バルーンの円錐セグメント内に第2の電極対を備えている。
【0036】
いくつかの実施形態において、第2の電極対は、細長い管の上に延びている第2の絶縁ワイヤの伝導性部分と、細長い管の上に延びている第3の絶縁ワイヤの伝導性部分とを備えている。
【0037】
いくつかの実施形態において、第2の電極対は、細長い管の上に延びている第2の絶縁ワイヤの伝導性部分と、細長い管の全周に搭載された伝導性シースとを備えている。
【0038】
いくつかの実施形態において、バルーンは、円錐セグメントの近位の直線セグメントをさら備え、デバイスは、細長い管とバルーンの直線セグメントとの間に第3の電極対をさらに備えている。
【0039】
いくつかの実施形態において、第1の電極対および第2の電極対は、第1の電圧源によって駆動されるように構成され、第3の電極対は、第1の電圧源と異なる第2の電圧源によって駆動されるように構成されている。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1の絶縁ワイヤの伝導性部分は、第1の絶縁ワイヤから絶縁体の第1の部分を除去することによって形成され、第2の絶縁ワイヤの伝導性部分は、第2の絶縁ワイヤから絶縁体の第2の部分を除去することによって形成される。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1の絶縁ワイヤは、平坦化遠位セグメントを備え、絶縁体の第1の部分は、第1のワイヤの平坦化遠位セグメントから除去され、第2の絶縁ワイヤは、平坦化遠位セグメントを備え、絶縁体の第2の部分は、第2のワイヤの平坦化遠位セグメントから除去される。
【0042】
いくつかの実施形態において、第1の絶縁ワイヤの遠位セグメントおよび第2の絶縁ワイヤの遠位セグメントは、包装材料を介して細長い管に固定される。
【0043】
いくつかの実施形態において、第1の頂角は、5度より小さい。
【0044】
いくつかの実施形態において、第2の頂角は、5度より大きい。
【0045】
いくつかの実施形態において、細長い管は、90度間隔を置かれる縦方向溝を備え、第1のワイヤの第1の部分が、第1の縦方向溝内に設置され、第1のワイヤの第2の部分が、第1の溝から90度である第2の縦方向溝内に設置される。
【0046】
衝撃波を発生させる例示的方法は、衝撃波デバイスを患者の脈管の中に導入することであって、衝撃波デバイスは、バルーンであって、バルーンは、遠位端と、バルーンの遠位端の近位の脚部セグメントと、バルーンの脚部セグメントの近位の円錐セグメントと、バルーンの円錐セグメントの近位の直線セグメントとを備えている、バルーンと、バルーンの脚部セグメントまたは円錐セグメントにおける第1の複数の電極対と、バルーンの直線セグメントにおける第2の複数の電極対とを備えている、ことと、バルーンの脚部セグメントが治療部位にあるように、脈管内に衝撃波デバイスを前進させることと、伝導性流体を用いてバルーンを膨張させることであって、バルーンが膨張させられると、脚部セグメントは、円筒形であるか、または、第1の頂角を伴うテーパ状形状であり、円錐セグメントは、第1の頂角より大きい第2の頂角を伴うテーパ状形状であり、直線セグメントは、円筒形形状である、ことと、第1の電圧源をアクティブにすることであって、第1の電圧源は、電極対の第1の組において衝撃波を発生させるが、電極対の第2の組において衝撃波を発生させないように構成される、こととを含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の電圧源をアクティブにした後、バルーンを収縮させることと、衝撃波デバイスを前進させることと、伝導性流体を用いてバルーンを膨張させることと、第1の電圧源および第2の電圧源を同時にアクティブにすることであって、第2の電圧源は、電極対の第2の組において衝撃波を発生させるように構成される、こととをさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の電圧源をアクティブにした後、バルーンを収縮させることと、衝撃波デバイスを前進させることと、伝導性流体を用いてバルーンを膨張させることと、第2の電圧源をアクティブにすることであって、第2の電圧源は、電極対の第2の組において衝撃波を発生させるように構成される、こととをさらに含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
衝撃波を発生させるためのデバイスであって、前記デバイスは、
細長い管と、
前記細長い管の一部の全周に巻きつけられたバルーンであって、前記バルーンは、
前記細長い管にシールされた遠位端と、
前記バルーンの前記遠位端の近位の脚部セグメントと、
前記バルーンの前記脚部セグメントの近位の円錐セグメントと、
前記バルーンの前記円錐セグメントの近位の直線セグメントと
を備え、
前記バルーンが膨張させられると、前記脚部セグメントは、実質的に円筒形であるか、または、ある平均直径を伴うテーパ状形状であり、前記円錐セグメントは、前記脚部セグメントの前記平均直径より大きい平均直径を伴うテーパ状形状であり、前記直線セグメントは、前記円錐セグメントの前記平均直径より大きい直径を伴う実質的に円筒形形状である、バルーンと、
衝撃波を発生させるように構成された少なくとも1つの遠位エミッタと
を備え、
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記脚部セグメントまたは前記円錐セグメントに位置付けられている、デバイス。
(項目2)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記脚部セグメントに位置付けられている、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記円錐セグメントに位置付けられている、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記脚部セグメントに位置付けられた第1の遠位エミッタと、前記バルーンの前記円錐セグメントに位置付けられた第2の遠位エミッタとを備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記脚部セグメントと前記細長い管との間の間隙の遠位端から約0.5mm~約1mmに位置している、項目1に記載のデバイス。
(項目6)
前記バルーンが膨張させられると、前記脚部セグメントの内径と前記細長い管の外径との間の間隙は、約0.001インチ~約0.003インチである、項目1に記載のデバイス。
(項目7)
前記脚部セグメントは、約3.5mm未満の長さであり、前記円錐セグメントは、約4.5mm~約5.5mmの長さである、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
前記バルーンが膨張させられると、前記バルーンの前記脚部セグメントと前記細長い管との間の第1の頂角は、5度より小さい、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
前記バルーンが膨張させられると、前記バルーンの前記円錐セグメントと前記細長い管との間の第2の頂角は、前記第1の頂角より大きい、項目8に記載のデバイス。
(項目10)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、第1の電極対を備え、前記第1の電極対は、
第1の絶縁ワイヤの伝導性部分と、
第2の絶縁ワイヤの伝導性部分と
を備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目11)
前記第1の絶縁ワイヤの前記伝導性部分は、前記第1の絶縁ワイヤから絶縁体の第1の部分を除去することによって形成され、前記第2の絶縁ワイヤの前記伝導性部分は、前記第2の絶縁ワイヤから絶縁体の第2の部分を除去することによって形成される、項目10に記載のデバイス。
(項目12)
前記第1の絶縁ワイヤは、平坦化遠位セグメントを備え、前記絶縁体の前記第1の部分は、前記第1の絶縁ワイヤの前記平坦化遠位セグメントから除去され、前記第2の絶縁ワイヤは、平坦化遠位セグメントを備え、前記絶縁体の前記第2の部分は、前記第2の絶縁ワイヤの前記平坦化遠位セグメントから除去される、項目11に記載のデバイス。
(項目13)
前記第1の絶縁ワイヤの前記平坦化遠位セグメントの直径は、前記第1の絶縁ワイヤの近位セグメントの直径の約47%~75%であり、前記第2の絶縁ワイヤの前記平坦化遠位セグメントの直径は、前記第2の絶縁ワイヤの近位セグメントの直径の約47%~75%である、項目12に記載のデバイス。
(項目14)
ポリマーの層が、前記第1の絶縁ワイヤの前記伝導性部分が前記第2の絶縁ワイヤの前記伝導性部分から制御された距離だけ離れて保持されるように、前記第1の絶縁ワイヤおよび前記第2の絶縁ワイヤの少なくとも一部を覆っている、項目10に記載のデバイス。
(項目15)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、第2の電極対をさらに備え、前記第2の電極対は、
前記第2の絶縁ワイヤのさらに先の伝導性部分と、
第3の絶縁ワイヤの伝導性部分と
を備えている、項目10に記載のデバイス。
(項目16)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、第2の電極対と第3の電極対とをさらに備え、
前記第2の電極対は、
前記第2の絶縁ワイヤのさらに先の伝導性部分と、
前記細長い管の全周に巻きつけられた伝導性シースの第1の側縁と
を備え、
前記第3の電極対は、
前記伝導性シースの第2の側縁と、
第3の絶縁ワイヤの伝導性部分と
を備えている、項目10に記載のデバイス。
(項目17)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、第1の電極対と第2の電極対とを備え、
前記第1の電極対は、
第1の絶縁ワイヤの伝導性部分と、
前記細長い管の全周に巻きつけられた伝導性シースの第1の側縁と
を備え、
前記第2の電極対は、
前記伝導性シースの第2の側縁と、
第2の絶縁ワイヤの伝導性部分と
を備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目18)
前記第1の側縁と前記第2の側縁とは、前記伝導性シースの反対側縁上で、円周方向に180度で位置付けられている、項目17に記載のデバイス。
(項目19)
前記細長い管は、前記遠位端に向かって細くなっている、項目1に記載のデバイス。
(項目20)
衝撃波を発生させるように構成された少なくとも1つの近位エミッタをさらに備え、前記少なくとも1つの近位エミッタは、前記バルーンの直線セグメントに位置付けられている、項目1に記載のデバイス。
(項目21)
前記少なくとも1つの遠位エミッタおよび前記少なくとも1つの近位エミッタに選択的に接続された可変高電圧パルス発生器をさらに備え、前記可変高電圧パルス発生器は、前記少なくとも1つの遠位エミッタまたは前記少なくとも1つの近位エミッタのいずれかにおいて衝撃波を発生させるようにアクティブにされることができる、項目20に記載のデバイス。
(項目22)
衝撃波を発生させる方法であって、前記方法は、
衝撃波デバイスを患者の脈管の中に導入することであって、前記衝撃波デバイスは、
バルーンであって、前記バルーンは、
遠位端と、
前記バルーンの前記遠位端の近位の脚部セグメントと、
前記バルーンの前記脚部セグメントの近位の円錐セグメントと、
前記バルーンの前記円錐セグメントの近位の直線セグメントと、
を備えている、バルーンと、
前記バルーンの前記脚部セグメントまたは前記円錐セグメントにおける少なくとも1つの遠位エミッタと、
前記バルーンの前記直線セグメントにおける少なくとも1つの近位エミッタと
を備えている、ことと、
第1の段階中、
前記バルーンの前記遠位端が石灰化病変の中に前進させられるように、前記患者の脈管内で前記衝撃波デバイスを前進させることと、
前記膨張させられたバルーンが前記石灰化病変と直接近接して前記脈管の壁に優しく固定されるように、伝導性流体を用いて前記バルーンを膨張させることであって、前記バルーンが膨張させられると、前記脚部セグメントは、実質的に円筒形であるか、または、ある平均直径を伴うテーパ状形状であり、前記円錐セグメントは、前記脚部セグメントの前記平均直径より大きい平均直径を伴うテーパ状形状であり、前記直線セグメントは、前記円錐セグメントの前記平均直径より大きい直径を伴う実質的に円筒形形状である、ことと、
電圧源をアクティブにし、前記少なくとも1つの遠位エミッタにおいて衝撃波を発生させることと、
前記電圧源をアクティブにした後、前記バルーンを収縮させることと、
第2の段階中、
前記バルーンの直線セグメントが前記石灰化病変の中に前進させられるように、前記患者の脈管内で前記衝撃波デバイスをさらに前進させることと、
前記膨張させられたバルーンが前記石灰化病変と直接近接して前記脈管の壁に優しく固定されるように、前記伝導性流体を用いて前記バルーンを膨張させることと、
前記電圧源をアクティブにし、前記少なくとも1つの近位エミッタにおいて衝撃波を発生させることと
を含む、方法。
(項目23)
前記第1の段階は、前記バルーンの前記直線セグメントが前記石灰化病変を横断することが可能であるように、前記石灰化病変が修正されるまで繰り返される、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記第2の段階中に前記電圧源をアクティブにすることは、前記少なくとも1つの近位エミッタおよび前記少なくとも1つの遠位エミッタの両方において衝撃波を発生させる、項目22に記載の方法。
(項目25)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記脚部セグメントに位置付けられている、項目22に記載の方法。
(項目26)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記円錐セグメントに位置付けられている、項目22に記載の方法。
(項目27)
前記少なくとも1つの遠位エミッタは、前記バルーンの前記脚部セグメントに位置付けられた第1の遠位エミッタと、前記バルーンの前記円錐セグメントに位置付けられた第2の遠位エミッタとを備えている、項目22に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1A】
図1Aは、複数の電極アセンブリを有する従来技術の衝撃波血管形成デバイスを描写する。
【0050】
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態による、複数の電極アセンブリを有する例示的衝撃波血管形成デバイスを描写する。
【0051】
【
図1C】
図1Cは、いくつかの実施形態による、複数の場所において衝撃波を発生させるようにアクティブにされ得る例示的衝撃波血管形成デバイスにおける衝撃波電極アセンブリの組を描写する。
【0052】
【
図1D】
図1Dは、いくつかの実施形態による、
図1Bの構成を達成するための複数の内側電極とシースとの間の接続性を描写する。
【0053】
【
図1E】
図1Eは、いくつかの実施形態による、
図1Bの構成の電気回路図を図式的に描写する。
【0054】
【
図1F】
図1Fは、いくつかの実施形態による、
図1Bの構成の電気回路図を図式的に描写する。
【0055】
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、複数の場所において衝撃波を発生させるようにアクティブにされ得る例示的衝撃波血管形成デバイスにおける衝撃波電極アセンブリの組を描写する。
【0056】
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、
図2Aの構成を達成するための複数の内側電極とシースとの間の接続性を描写する。
【0057】
【
図2C】
図2Cは、いくつかの実施形態による、
図2Aの構成の電気回路図を図式的に描写する。
【0058】
【
図2D】
図2Dは、いくつかの実施形態による、
図2Aの構成の電気回路図を図式的に描写する。
【0059】
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、複数の場所において衝撃波を発生させるようにアクティブにされ得る例示的衝撃波血管形成デバイスにおける衝撃波電極アセンブリの組を描写する。
【0060】
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、
図3Aの構成を達成するための複数の内側電極とシースとの間の接続性を描写する。
【0061】
【
図3C】
図3Cは、いくつかの実施形態による、
図3Aの構成の電気回路図を図式的に描写する。
【0062】
【
図3D】
図3Dは、いくつかの実施形態による、
図3Aの構成の電気回路図を図式的に描写する。
【0063】
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態による、伝導性シースと2つのワイヤとを備えている例示的衝撃波電極アセンブリを描写する。
【0064】
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、衝撃波電極アセンブリの別の例示的組を描写する。
【0065】
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による、衝撃波電極アセンブリの別の例示的組を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下の説明は、当業者が種々の実施形態を作製および使用することを可能にするために提示される。具体的デバイス、技法、および用途の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に説明される例の種々の修正が、当業者に容易に明白であり、本明細書に定義される一般的原理は、種々の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、他の例および用途に適用され得る。したがって、種々の実施形態は、本明細書に説明され、示される例に限定されることを意図しておらず、請求項と一貫する範囲を与えられるものである。
【0067】
本明細書の譲受人は、血管形成術および/または弁形成術手技における使用のために好適であり得るいくつかの薄型衝撃波電極を開発した。例えば、米国公開第2019/0150960号において、譲受人は、薄型電極アセンブリを開示しており、薄型電極アセンブリにおいて、外側電極は、伝導性シースによって形成され、内側電極は、絶縁ワイヤの導電性部分を露出させるために絶縁ワイヤの一部を除去する(例えば、ワイヤの端部の近傍の絶縁層において孔を切断する)ことによって形成される。内側電極は、所与の電流および電圧に関して再現可能なアークを可能にするために、(例えば、
図4に示されるように)伝導性シースの側縁から制御された距離だけ離れて設置される。
【0068】
図1Aは、譲受人の先行出願の米国公開第2019/0150960号による従来技術の衝撃波血管形成デバイスを描写する。衝撃波デバイスは、細長い管104と、血管形成バルーン101とを含む。血管形成バルーンは、例えば、シール122を介して、シールされた構成において細長い管104の一部で全周に巻き付く。血管形成バルーン101は、環状チャネル124を細長い管104の周囲に形成し、生理食塩水等の伝導性流体が、充填ポート126を介して、細長い管104を通してバルーンの中に入れられることができる。バルーンは、流体で充填され、それによって、バルーンは、膨張させられ、石灰化病変と直接近接して動脈の壁に優しく固定されることができる。いくつかの実施形態において、流体は、使用中のカテーテルの蛍光透視視認を可能にするためのX線造影剤も含み得る。
【0069】
細長い管104は、ワイヤおよび/または内側電極を保持するために構成されたいくつかの縦方向溝またはチャネルを含む。複数の絶縁ワイヤが、細長い管104の溝内に設置される。さらに、いくつかの伝導性シース112、114、および116が、細長い管104の全周に搭載される。可変高電圧パルス発生器150が、絶縁ワイヤのうちの2つに接続される。絶縁ワイヤとシースとは、3つの電極アセンブリを形成し、それらは、米国公開第2019/0150960号に議論されるように、6つの場所において(例えば、血管の長さに沿って)衝撃波を発生させるようにアクティブにされることができる。
【0070】
図1Aの従来技術のシステムは、現代の血管内砕石(「IVL」)カテーテルより薄い横断外形を有することができる。しかしながら、従来技術のシステムが、よりきつい石灰化病変(例えば、従来技術のシステムの横断外形より小さい横断面積を有する)を治療するために使用されるとき、従来技術のシステムは、依然として、欠点を有する。
図1Aに描写されるように、シース112、114、および116は、血管形成バルーン101の直線セグメント(
図1Aに「L」と表示されている)内に位置付けられ、したがって、バルーンの直線セグメント内にのみ衝撃波を発生させる。結果として、治療中、医師は、衝撃波を送達することに先立って、直線セグメント(「L」と表示されている)が治療部位内に位置付けられるまで、バルーンカテーテルを前進させる必要性がある。バルーンの直線セグメントの横断外形(伝導性シースのサイズおよび/またはバルーン材料の量に起因して円錐セグメントおよび脚部セグメントの横断外形より大きくあり得る)を与えられた従来技術のシステムに関して、石灰化病変が横断するために困難である場合、追加の事前拡大および/または事前治療デバイスが、バルーンの最適な位置付けを確実にするために必要とされる。事前拡大および/または事前治療デバイスの使用は、手技に費用および複雑性を追加する。
【0071】
血管形成バルーンの遠位セグメント(すなわち、バルーンの遠位脚部セグメント「N」および/または遠位円錐セグメント「M」)に位置付けられた1つ以上の小型化砕石エミッタを伴うIVLカテーテルが、本明細書において説明される。バルーンの遠位部分においてエミッタを位置付けることは、よりきつく横断しにくい石灰性病変におけるIVL治療を可能にし、IVLバルーンのさらなる横断を促進する。本発明は、それが、バルーンの直線区分(
図1Aに「L」と表示されている)内に、衝撃波を送達するための砕石エミッタのアレイを備えることが可能である点において、
図1Aの従来技術のシステムに類似する。加えて、本発明は、円錐セグメント(「M」と表示されている)および遠位脚部セグメント(「N」と表示されている)の内側に、きつく横断しにくい石灰性病変におけるIVL治療を促進するための薄型エミッタをさらに備えていることができる。
【0072】
図1Bは、本発明のある実施形態による、例示的衝撃波血管形成デバイス100を描写する。衝撃波デバイス100は、細長い管104と、血管形成バルーン102とを含む。血管形成バルーンは、例えば、シール122を介して、シールされた構成において細長い管104の一部で全周に巻き付く。血管形成バルーン102は、環状チャネル124を細長い管104の周囲に形成し、生理食塩水等の伝導性流体が、充填ポート126を介して、細長い管104を通して、バルーンの中に入れられ得る。バルーンは、流体で充填され、それによって、バルーンは、膨張させられ、石灰化病変と直接近接して動脈の壁に優しく固定されることができる。いくつかの実施形態において、流体は、使用中のカテーテルの蛍光透視視認を可能にするためのX線造影剤も含み得る。
【0073】
図1Bは、膨張状態における血管形成バルーン102を描写する。描写されるように、バルーンは、遠位端における3つの縦方向セグメント、すなわち、直線セグメント(「L」と表示されている)と、円錐セグメント(「M」と表示されている)と、脚部セグメント(「N」と表示されている)とを含む。膨張させられると、直線セグメントは、円筒形形状または実質的に円筒形形状に拡張するように構成され、円錐セグメントは、円錐またはテーパ状形状に拡張するように構成され、脚部セグメントは、拡張を全くまたは殆ど提供しないように構成されている。縦方向セグメントの各々は、セグメントの表面上の点と円周方向に180度の対応する点との間のバルーンを横断した距離に等しい直径を有する。セグメントの各々は、加えて、平均直径を有し、それは、セグメントの最大直径とセグメントの最小直径との合計を2で除算したものとして近似される。
図1Bに描写されるように、膨張させられると、円錐セグメントは、脚部セグメントの平均直径より大きい平均直径を有する。直線セグメントは、円錐セグメントの平均直径より大きい直径を有する。
図1Bに示されるように、バルーンが膨張させられると、脚部セグメントは、円錐形状である。円錐セグメントの頂角(200a)は、脚部セグメントの頂角(200b)より大きい。いくつかの実施形態において、頂角200aは、5~10°であり、頂角200bは、0~5°である。いくつかの実施形態において、頂角200aは、5~20°であり、頂角200bは、0~5°である。いくつかの実施形態において、バルーンが膨張させられると、脚部セグメントは、円筒形形状である(すなわち、200bは、0度である)。
【0074】
設計上、2つのワイヤの遠位部分によって形成される遠位エミッタ(「E1」と表示されている)を収容するために、バルーンの脚部セグメントの内径と細長い管104の外径との間の間隙が、存在する。したがって、バルーンが、流体を用いて膨張させられると、間隙は、流体で充填され、遠位エミッタ(「E1」と表示されている)における衝撃波の発生を可能にする。いくつかの実施形態において、間隙は、約0.001インチ~0.003インチである。一般に、エミッタとバルーン壁との間の間隙が大きい(したがって、流体がより多い)ほど、パルシングがバルーン完全性に悪影響を及ぼし得る可能性は、より低い。いくつかの実施形態において、E1は、間隙の遠位端から約0.5~1mmに位置することができる。いくつかの実施形態において、脚部セグメントは、約3.5~5.0mmの長さであり、円錐セグメントは、約4.5~5.5mmの長さである。
【0075】
設計に基づいて、いくつかの実施形態における脚部セグメントは、バルーンが膨張させられると、拡張を全くまたは殆ど提供しない。収縮状態では、脚部セグメントは、円筒形、実質的に円筒形、またはわずかにテーパ状(5度より小さい頂角)であり得る。膨張状態では、脚部セグメントは、円筒形、実質的に円筒形、またはわずかにテーパ状(5度より小さい頂角)であり得る。
【0076】
細長い管104は、ワイヤおよび/または内側電極を保持するために構成された、いくつかの縦方向溝またはチャネルを含む。細長い管104は、管腔も含み、それを通して、ガイドワイヤ120が挿入される。
図1Bの描写される例では、絶縁ワイヤ130、132、134、136、および138が、細長い管104に沿って(例えば、細長い管104の溝内に)設置される。さらに、いくつかの伝導性シース112、114、および116が、細長い管104の全周に搭載される。可変高電圧パルス発生器150が、ワイヤ130と134との間に第1の電圧チャネルを提供し、130と132との間に第2の電圧チャネルを提供することができる。絶縁ワイヤおよびシースは、下で詳細に議論されるように、7つの電極対を形成し、それらは、7つの場所において(例えば、血管の長さに沿って)、同時に、またはIVL治療の複数の段階において、衝撃波を発生させるようにアクティブにされ得る。
【0077】
図1Bに示されるように、第2の最遠位エミッタ(「E2」と表示されている)および第3の最遠位エミッタ(「E3」と表示されている)が、バルーンの円錐セグメントにおいて設置される。描写される例では、E2は、シース116の遠位側縁とワイヤ134の遠位部分とによって形成される。他の実施形態(例えば、
図2A)では、E2は、E1と同様に、2つのワイヤの遠位部分によって形成されることができる。
【0078】
故に、例示的衝撃波血管形成デバイス100は、血管形成バルーンの直線セグメント(「L」)に加えて、遠位セグメント(「M」および「N」)において衝撃波を発生させることができる。これは、バルーンが収縮させられるとき(例えば、遠位セグメントにおける包囲しているバルーン材料のより少ない量に起因して、遠位セグメントにおける薄型ワイヤ間エミッタの使用に起因して、円錐および脚部のテーパ状設計に起因して)、およびバルーンが膨張させられるとき、遠位セグメントが、直線セグメントより薄型であるので、有利である。これは、きつく横断しにくい石灰性病変におけるIVL治療を促進することができる。
【0079】
動作時、医師は、ガイドワイヤ120を患者への進入部位(例えば、脚の鼠径部エリアにおける動脈)から血管の標的領域(例えば、粉砕される必要がある石灰化プラークを有する領域)まで前進させる。ガイドワイヤ管腔を伴う細長い管104と、血管形成バルーンとを備えている
図1Bに示される衝撃波デバイスは、ガイドワイヤの上を血管の標的領域まで前進させられ得る。バルーンは、デバイスが、脈管を通して前進させられている間、細長い部材の上で折り畳まれ得る。衝撃波デバイスの場所は、X線撮像および/または蛍光透視によって決定され得る。
【0080】
バルーンの遠位脚部セグメントおよび円錐セグメントは、きつい病変の内側に可能な限り前進させられる。ガイドカテーテルは、その遠位先端が、シース116の近位にあり、バルーンの直線部分の収縮状態を保持するように位置付けられる。バルーンは、次いで、伝導性流体(例えば、生理食塩水および/または画像造影剤と混合された生理食塩水)によってIVL圧力まで膨張させられ、伝導性流体がバルーンの脚部セグメントおよび円錐セグメントを充填することを可能にする。IVL治療の第1の段階では、電圧が、ワイヤ130と134との間に印加され、(例えば、1サイクルにわたって)3つの最遠位エミッタE1、E2、およびE3をアクティブにする。第1のサイクルの完了後、バルーンは、収縮させられ、バルーンの遠位脚部および円錐セグメントは、病変の中にさらに前進させられる。バルーンは、再び膨張させられ、療法の別のサイクルが、適用される。バルーンのさらなる前進が、サイクルの完了後に試行される。いくつかの実施形態において、他のエミッタは、治療の第1の段階中にアクティブにされない。いくつかの実施形態において、バルーンの直線部分は、バルーンの直線部分が前進し、病変を横断できるまで、ガイドカテーテルによって保持される。きつい病変におけるカルシウムが、修正され、バルーンの直線部分が、病変を横断できた後、バルーンは、再びIVL圧力まで膨張させられる。
【0081】
IVL治療の第2の段階では、ワイヤ130および134を横断して第1の電圧を印加し、130および132を横断して第2の電圧を印加することによって、エミッタの全てが、同時にアクティブにされる。いくつかの実施形態において、3つの遠位エミッタ(すなわち、E1、E2、およびE3)は、バルーンの直線部分が、病変全体を横断することが可能である場合、アクティブにされないこともある。例えば、医師は、同時に、絶縁ワイヤ134をパルス発生器の第1の正の導線に接続し、絶縁ワイヤ132をパルス発生器の第2の正の導線に接続し、絶縁ワイヤ130を負の導線または接地に接続し得る。代替として、医師は、絶縁ワイヤ132をパルス発生器の正の導線に接続することと、絶縁ワイヤ130を負の導線または接地に接続することとのみを行い得る。近位エミッタ(すなわち、3つの遠位エミッタの近位のエミッタ)によって発生させられる衝撃波は、追加の治療を石灰性病変に提供する一方、3つの遠位エミッタE1-E3によって発生させられる衝撃波は、バルーンのさらなる前進を可能にする。衝撃波の大きさは、パルス化電圧の大きさ、電流、持続時間、および繰り返し率を制御することによって制御されることができる。医師は、低エネルギーの衝撃波から開始し、石灰化プラークを砕くために、必要に応じてエネルギーを増加させ得る。そのような衝撃波は、流体を通して、バルーンを通して、血液および血管壁を通して、石灰化病変に伝導され、エネルギーが、硬化したプラークを破壊するであろう。プラーク粉砕の進行は、X線および/または蛍光透視によって監視され得る。石灰化病変が、十分に治療されると、バルーンは、さらに膨張させられ、次いで、収縮させられ得、衝撃波デバイスおよびガイドワイヤは、患者から引き出され得る。
【0082】
したがって、本発明の実施形態は、横断とIVLとの組み合わせのカテーテルということになる。遠位バルーン脚部および円錐セグメントにおけるエミッタは、きつく横断しにくい病変におけるバルーンカテーテルの横断を促進するために使用される。直線セグメント内のエミッタは、IVL治療および拡大を石灰化病変に送達する。いくつかの実施形態において、血管形成バルーンは、軟質等級ポリマー押し出し物(例えば、あるPebax材料)から作製され、遠位円錐および脚部セグメントが、IVL治療からのより高い熱および圧力に耐えることを可能にする。
【0083】
図1Cは、本発明のいくつかの実施形態による、
図1Bの例示的衝撃波血管形成デバイス100内に含まれる例示的衝撃波電極アセンブリを描写する。細長い管104は、細長い管の近位端によって示されるように、4つの縦方向溝を提供する。いくつかの実施形態において、細長い管104は、その遠位端に向かって細くなる。いくつかの絶縁ワイヤ(例えば、導線または基点間ワイヤ)130、132、134、および136が、それらが細長い管の長さに沿って延びているように、細長い管104の外面上に配置される。ワイヤは、直線であるか、または、捻じられることができる。例えば、ワイヤ132は、細長い管104の1つの溝内に配置される一方、ワイヤ130は、捻じられ、ワイヤ130の異なるセグメントは、細長い管104の異なる溝または外面に沿って配置される。
【0084】
衝撃波血管形成デバイス100は、各々が細長い管104の全周に搭載された3つの伝導性シース112、114、および116をさらに含む。
図1Dは、細長い管が除去されたワイヤおよび伝導性シースの相対的設置を描写する。
図1Dは、
図1Eおよび1Fを参照して説明されるように、衝撃波の7つの源を発生させるための2つの電流流動1aおよび1bをさらに描写する。
【0085】
エミッタが、譲受人の先行出願の米国公開第2019/0150960号に説明されるように、伝導性シースの側縁とワイヤの一部とによって形成されることができる。例えば、
図4に示されるように、ワイヤ430の絶縁層の一部が、ワイヤ430の遠位端の近傍で除去され、導電性ワイヤ部分を露出させ、第1の内側電極430aを形成する。描写される例では、絶縁層における孔が、ワイヤの長さに沿った湾曲した外面上で切断されている。除去される部分は、円、長方形、ワイヤの円周の周囲のストリップ等の任意の形状であり得る。除去される部分の場所、形状、およびサイズは、衝撃波の場所、方向、および/または大きさを制御するために、変動し得る。いくつかの実施形態において、内側電極が、ワイヤの導電性断面を露出させるようにワイヤの端部を切断することによって形成され得る。いくつかの実施形態において、丸形ワイヤではなく平坦なワイヤが、電極アセンブリの横断外形をさらに縮小するために使用される。
【0086】
図4に示されるように、第1の内側電極430aは、伝導性シース412の遠位側縁413に隣接するが、それと接触していない。伝導性シース412は、外側電極として機能し、内側電極430aは、第1の伝導性シースの遠位側縁413から制御された距離だけ離れて設置され、所与の電圧および電流に関して再現可能なアークを可能にする。電気アークは、次いで、伝導性流体中に衝撃波を発生させるために使用される。動作時、第1の衝撃波が、内側電極430aおよび伝導性シース412の遠位側縁413を横断して作成される。類似する様式で、絶縁ワイヤ432の一部が、除去され、第2の内側電極432aを形成する。具体的に、ワイヤ432の絶縁層の一部が、ワイヤ432の近位端の近傍で除去され、ワイヤの長さに沿って導電性ワイヤ部分を露出させ、第2の内側電極432aを形成する。示されるように、第2の内側電極432aは、伝導性シース412の近位側縁411に隣接するが、それと接触していない。さらに、第1の内側電極430aおよび第2の内側電極432aは、互いから円周方向に180度で位置付けられる。動作時、伝導性シース412は、外側電極としての機能を果たし、第2の衝撃波が、第2の内側電極432aおよび第1の伝導性シース412の近位側縁411を横断して作成される。内側電極の対角線設置は、音波出力がバルーンに沿ってより均一に縦方向に分配されながら、衝撃波をあまり環状にしないことを可能にする。当業者は、衝撃波の場所が、対応するワイヤおよび対応する伝導性シース(および利用可能である場合、シース上の対応する切り抜きの場所)を適宜配置することによって、柔軟な様式で構成され得ることを認識するはずである。
【0087】
譲受人の先行出願の米国公開第2019/0150960号に説明されるように、2つのエミッタが、シースの同じ側縁に沿って形成されることができ、さらに、衝撃波が、内側電極と、いかなる切り抜きも含まない伝導性シースの直線の側縁との間に発生させられることができる。
【0088】
エミッタは、
図5に描写されるように、2つのワイヤの遠位部分によって形成されることもできる。示されるように、ワイヤ502の絶縁層の一部が、ワイヤの遠位端の近傍で除去され、導電性ワイヤ部分を露出させ、電極502aを形成する。さらに、ワイヤ504の絶縁層の一部が、ワイヤの遠位端の近傍で除去され、導電性ワイヤ部分を露出させ、電極504aを形成する。電極の対は、互いに隣接するが、互いに接触していない。具体的に、電極の対は、所与の電圧および電流に関して再現可能なアークを可能にするために、制御された距離だけ離れて設置される。電気アークは、次いで、伝導性流体中に衝撃波を発生させるために使用される。
【0089】
ワイヤ502および504は、電極対の外形を縮小するために、平坦化されることができる。
図5に示されるように、ワイヤ504の近位端は、その元の形状(すなわち、円筒形)を保持するが、ワイヤ504の遠位セグメントは、その外形を縮小するために、平坦化されている。いくつかの実施形態において、直径が0.0053インチ~0.0064インチのワイヤが、0.0030インチ~0.0040インチの直径まで平坦化され、ワイヤの平坦化遠位セグメントが、ワイヤの非平坦化近位セグメントの直径に対して約47%~75%である直径を有することをもたらすことができる。遠位脚部においてワイヤを有することは、デバイスの寸法および可撓性、したがって、送達性に影響を及ぼし得る。
【0090】
いくつかの実施形態において、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)の層が、ワイヤを押さえつけておくために、切り抜きの前後でワイヤを覆うことができる。
図6に示されるように、複数のPETバンド602a-fが、ワイヤを細長い管に固定するために使用される。具体的に、PETバンド602aおよび602bは、遠位電極対を形成する2つのワイヤを切り抜きの前後で覆う。いくつかの実施形態において、これらの切り抜きは、0.00025インチ(PETの厚さ)だけ上面から後退させられている。
【0091】
図1Eおよび1Fは、いくつかの実施形態による、
図1B-Dの構成の2つの電気回路図を図式的に描写する。
図1Eを参照すると、第1の高電圧が、絶縁ワイヤ130の近位端および絶縁ワイヤ134の近位端を横断して(例えば、
図1Bの高電圧パルス発生器150を使用して)印加されると、電流1aが、絶縁ワイヤ130を共通接地ワイヤ(すなわち、接地または負のチャネルに接続する)として、矢印によって示されるように流動し得る。示されるように、電流は、絶縁ワイヤ134の近位端から、絶縁ワイヤ134の遠位端に向かって、導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極134a)を介して、伝導性シース116(すなわち、外側電極)の近位側縁まで流動する。電圧パルスの持続時間および大きさは、内側電極134aの表面においてガス気泡を発生させるために十分であるように設定され、気泡は、電流のプラズマアークに気泡を横断させ、急速に拡張し、崩壊する気泡を作成させ、それは、バルーン内に機械的衝撃波(「SW1」)を作成する。気泡のサイズおよび気泡の拡張および崩壊の率(したがって、機械的力の大きさ、持続時間、および分布)は、電圧パルスの大きさおよび持続時間、および内側電極と外側電極との間の距離、電極の表面積、および/または外側電極の形状(例えば、その側縁上に弓形切り抜きが存在するかどうか)に基づいて変動し得る。
【0092】
電流1aは、伝導性シース116(すなわち、外側電極)の遠位側縁から絶縁ワイヤ138まで、絶縁ワイヤ138の近位端の近傍の絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極138a)を介してさらに横断し得る。電圧パルスは、それらの間にプラズマアークを形成するために十分に高い電位差を作成し、第2の衝撃波(「SW2」)を生じさせる気泡を発生させ得る。描写される例では、内側電極134aおよび内側電極138aは、互いに円周で反対側に(例えば、細長い管の円周の周囲に180度離れて)位置し、したがって、第1の衝撃波および第2の衝撃波は、反対方向に伝搬し、細長い管の側から外向きに広がり得る。
【0093】
電流1aは、ワイヤ138の遠位端までさらに横断し、ワイヤ138の遠位端の近傍の導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、電極138b)を介して、ワイヤ130の遠位端の近傍の導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、電極130a)まで横断し得る。高電圧パルス発生器は、138bと130aとの間の電位差が、それらの間にプラズマアークを形成するために十分に高く、第3の衝撃波(「SW3」)を生じさせる気泡を発生させるように、電圧パルスを印加し得る。第1および第2の衝撃波と同様、衝撃波は、2つの絶縁体除去スポット138bおよび130aから外向きに伝搬し、広がる。
【0094】
電流は、次いで、負のチャネルまたは接地チャネルであり得る電圧出力ポート(描写せず)まで、絶縁ワイヤ130を介して電圧源発生器に戻る。随意に、コネクタ(描写せず)が、ワイヤが高電圧発生器の出力ポートに容易に接続され得るように、絶縁ワイヤ134および130と電圧パルス発生器との間に提供され得る。
【0095】
図1Fを参照すると、第2の高電圧が、絶縁ワイヤ130の近位端および絶縁ワイヤ132の近位端を横断して(例えば、
図1Bの高電圧パルス発生器150を使用して)印加されると、電流1bが、絶縁ワイヤ130を共通接地ワイヤ(すなわち、接地または負のチャネルに接続する)として、矢印によって示されるように流動し得る。示されるように、電流は、絶縁ワイヤ132の近位端から、絶縁ワイヤ132の遠位端に向かって、導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極132a)を介して、伝導性シース112(すなわち、外側電極)の遠位側縁まで流動し、衝撃波(「SW4」)を発生させる。電流1bは、伝導性シース112(すなわち、外側電極)の近位側縁から絶縁ワイヤ136まで、絶縁ワイヤ136の近位端の近傍の絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極136a)を介してさらに横断し、衝撃波(「SW5」)を発生させ得る。示されるように、132aおよび136aは、伝導性シース112の反対側縁上で互いから円周方向に180度で位置付けられる。
【0096】
電流1bは、ワイヤ136の遠位端に向かって、ワイヤ136の遠位端の近傍の導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、電極136b)を介して、伝導性シース114の近位側縁までさらに横断し、衝撃波(「SW6」)を発生させ得る。電流1bは、伝導性シース114の遠位側縁から絶縁ワイヤ130まで、絶縁ワイヤ130上の絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極130b)を介してさらに横断し、衝撃波(「SW7」)を発生させ得る。電流は、次いで、電圧出力ポートまで、絶縁ワイヤ130を介して電圧源発生器に戻る。示されるように、136bおよび130bは、伝導性シース114の反対側縁上で互いから円周方向に180度で位置付けられる。
【0097】
図1Eおよび1Fに描写される電流流動は、治療の段階に応じて、同時に(例えば、2つの電圧チャネルを同時に印加することによって)、または異なる時間に生じることができる。上で議論される例示的治療では、電流1aのみが、治療の第1の段階中にアクティブにされ、したがって、SW1、SW2、およびSW3のみをアクティブにする。これは、バルーンの遠位セグメント(例えば、遠位円錐および/または遠位脚部)のみが横断または接近できるきつい病変における石灰化を破壊して自由にするためである。きつい病変におけるカルシウムが修正された後、バルーンは、収縮させられ、病変の中にさらに前進させられる。バルーンは、再びIVL圧力まで膨張させられる。IVL治療の第2の段階では、エミッタの全てが、同時にアクティブにされる。近位エミッタによって発生させられる衝撃波(すなわち、SW4、SW5、SW6、およびSW7)は、追加の治療を石灰性病変に提供する一方、3つの遠位エミッタによって発生させられる衝撃波(すなわち、SW1、SW2、SW3)は、バルーンのさらなる前進を可能にする。代替として、SW4、SW5、SW6、およびSW7のみが、第2の段階においてアクティブにされる。
【0098】
いくつかの実施形態において、マルチプレクサが、パルスの印加を制御するために、高電圧パルス発生器と共に使用され得る。これは、異なる周波数、大きさ、およびタイミングを伴う衝撃波が、細長い管に沿って発生させられることを可能にし得る。
図1E-Fの描写される実施形態において、2つの電圧チャネルは、同じ共通接地ワイヤ(すなわち、絶縁ワイヤ130)を共有する。当業者は、任意の数の電圧チャネル(例えば、4つ)が、単一の細長い管の周囲に構成され得、これらの電圧チャネルが、同じまたは異なる共通接地ワイヤに依拠し得ることを理解するはずである。
【0099】
図2A-Dは、本発明のいくつかの実施形態による、
図1Bの例示的衝撃波血管形成デバイス100内に含まれ得る別の例示的衝撃波電極アセンブリ201を描写する。
図1Cの実施形態101は、1つのみのワイヤ間電極対(すなわち、
図1Cに「E1」と表示されている)を含むが、実施形態201は、2つのワイヤ間電極対(
図2Aに「E1」および「E2」と表示されている)を含む。いくつかの実施形態において、E1およびE2の両方は、バルーンの脚部セグメント内に配置され、いくつかの実施形態において、E1は、脚部セグメント内に配置される一方、E2は、バルーンの円錐セグメント内に配置される。
【0100】
図1Cの実施形態101と比較して、実施形態201は、極端に薄型(すなわち、伝導性シースの断面より小さい外形)であるより長い遠位セグメントを有する。したがって、伝導性シースより小さい開口部を有する石灰化病変を治療するとき、実施形態201は、(収縮させられるとき)E1およびE2の両方が、開口部を横断し、病変の中にさらに前進させられ、したがって、石灰化病変のより広いエリアが、治療の第1の段階において分解されることを可能にし、手技が、より効率的に完了されることを可能にすることができる。
【0101】
図2Aを参照すると、細長い管204が、テーパ状遠位部分を有する。全てのワイヤは、接着剤を使用して固定される。ポリエチレンテレフタレート(「PET」)等のポリマーの層が、ワイヤを押さえつけておくために、エミッタ/絶縁体除去スポットの前後でワイヤを覆うことができる。いくつかの絶縁ワイヤ(例えば、導線または基点間ワイヤ)230、234、236、および238が、それらが細長い管の長さに沿って延びているように、細長い管204の外面上に配置される。ワイヤは、直線であるか、または、捻じられることができる。さらに、2つの伝導性シース212および214が、各々、細長い管204の全周に搭載される。
【0102】
図2Bは、細長い管が除去されたワイヤおよび伝導性シースの相対的設置を描写する。
図2Bはさらに、
図2Cおよび2Dを参照して説明されるように、衝撃波の6つの源を発生させるための2つの電流流動2aおよび2bを描写する。
【0103】
図2Cおよび2Dは、いくつかの実施形態による、
図2A-Bの構成の2つの電気回路図を図式的に描写する。
図2Cを参照すると、第1の高電圧が、絶縁ワイヤ230の近位端および絶縁ワイヤ234の近位端を横断して(例えば、
図1Bの高電圧パルス発生器150を使用して)印加されると、電流2aが、絶縁ワイヤ230を共通接地ワイヤ(すなわち、接地または負のチャネルに接続する)として、矢印によって示されるように流動し得る。示されるように、電流は、絶縁ワイヤ234の近位端から、絶縁ワイヤ234の遠位端に向かって、ワイヤ234上の導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、電極234a)を介して、ワイヤ238の近位端上の導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、電極238a)まで流動し、衝撃波(「SW1」)を発生させる。衝撃波は、2つの絶縁体除去スポット234aおよび238aから外向きに伝搬し、広がる。
【0104】
電流2aは、ワイヤ238の遠位端に向かって、絶縁ワイヤ238の遠位端の近傍の絶縁体除去スポット(すなわち、電極238b)を介して、絶縁ワイヤ230の遠位端の近傍の絶縁体除去スポット(すなわち、電極230a)までさらに横断し、衝撃波(「SW2」)を発生させ得る。衝撃波は、2つの絶縁体除去スポット238bおよび230aから外向きに伝搬し、広がる。電流2aは、次いで、負のチャネルまたは接地チャネルであり得る電圧出力ポート(描写せず)まで、絶縁ワイヤ230を介して電圧源発生器に戻る。随意に、コネクタ(描写せず)が、ワイヤが、高電圧発生器の出力ポートに容易に接続され得るように、絶縁ワイヤ234および230と電圧パルス発生器との間に提供され得る。
【0105】
図2Dを参照すると、第2の高電圧が、絶縁ワイヤ230の近位端および絶縁ワイヤ232の近位端を横断して(例えば、
図1Bの高電圧パルス発生器150を使用して)印加されると、電流2bが、絶縁ワイヤ230を共通接地ワイヤ(すなわち、接地または負のチャネルに接続する)として、矢印によって示されるように流動し得る。示されるように、電流は、絶縁ワイヤ232の近位端から、絶縁ワイヤ232の遠位端に向かって、導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極232a)を介して、伝導性シース212(すなわち、外側電極)の遠位側縁まで流動し、衝撃波(「SW3」)を発生させる。電流2bは、伝導性シース212(すなわち、外側電極)の近位側縁から絶縁ワイヤ236まで、絶縁ワイヤ236の近位端の近傍の絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極236a)を介してさらに横断し、衝撃波(「SW4」)を発生させ得る。示されるように、232aおよび236aは、伝導性シース212の反対側縁上で互いから円周方向に180度で位置付けられる。
【0106】
電流2bは、ワイヤ236の遠位端に向かって、ワイヤ236の遠位端の近傍の導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、電極236b)を介して、伝導性シース214の近位側縁までさらに横断し、衝撃波(「SW5」)を発生させ得る。電流2bは、伝導性シース214の遠位側縁から絶縁ワイヤ230まで、絶縁ワイヤ230上の絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極230b)を介してさらに横断し、衝撃波(「SW6」)を発生させ得る。電流は、次いで、電圧出力ポートまで、絶縁ワイヤ230を介して電圧源発生器に戻る。示されるように、236bおよび230bは、伝導性シース214の反対側縁上で互いから円周方向に180度で位置付けられる。
【0107】
図2Cおよび2Dに描写される電流流動は、治療の段階に応じて、同時に(例えば、2つの電圧チャネルを同時に印加することによって)、または異なる時間に生じることができる。上で議論される例示的治療では、電流2aのみが、治療の第1の段階中にアクティブにされ、したがって、SW1およびSW2のみをアクティブにする。これは、バルーンの遠位セグメント(例えば、遠位円錐および/または遠位脚部)のみが横断または接近可能な病変における石灰化を破壊して自由にするためのものである。きつい病変におけるカルシウムが修正された後、バルーンは、収縮させられ、病変の中にさらに前進させられる。バルーンは、再びIVL圧力まで膨張させられる。IVL治療の第2の段階では、エミッタの全てが、
図2Cおよび2Dに示されるように、同時にアクティブにされる。近位エミッタによって発生させられる衝撃波(すなわち、SW3、SW4、SW5、SW6)は、追加の治療を石灰性病変に提供する一方、2つの遠位エミッタによって発生させられる衝撃波(すなわち、SW1、SW2)は、バルーンのさらなる前進を可能にする。代替として、SW3、SW4、SW5、およびSW6のみが、第2の段階においてアクティブにされる。
【0108】
図3A-Dは、本発明のいくつかの実施形態による、
図1Bの例示的衝撃波血管形成デバイス100内に含まれ得る別の例示的衝撃波電極アセンブリ301を描写する。実施形態101および実施形態201と異なり、実施形態301は、いかなるワイヤ間電極対も含まない。むしろ、全てのエミッタは、伝導性シースの側縁とワイヤの伝導性部分とによって形成される。さらに、2つの最遠位エミッタ(伝導性シース316の2つの側縁において形成される)の両方は、バルーンの円錐セグメント(「M」)において配置される。
【0109】
図3Aを参照すると、いくつかの絶縁ワイヤ(例えば、導線または基点間ワイヤ)330、332、334、および336は、細長い管304の外面上に配置され、それらは、細長い管の長さに沿って延びている。ワイヤは、直線であるか、または、捻じられることができる。さらに、3つの伝導性シース312、314、および316が、各々、細長い管304の全周に搭載される。
【0110】
図3Bは、細長い管が除去されたワイヤおよび伝導性シースの相対的設置を描写する。
図3Bは、
図3Cおよび3Dを参照して説明されるように、衝撃波の6つの源を発生させるための2つの電流流動3aおよび3bをさらに描写する。
【0111】
図3Cおよび3Dは、いくつかの実施形態による、
図3A-Bの構成の2つの電気回路図を図式的に描写する。
図3Cを参照すると、第1の高電圧が、絶縁ワイヤ330の近位端および絶縁ワイヤ334の近位端を横断して(例えば、
図1Bの高電圧パルス発生器150を使用して)印加されると、電流3aが、絶縁ワイヤ330を共通接地ワイヤ(すなわち、接地または負のチャネルに接続する)として、矢印によって示されるように流動し得る。示されるように、電流は、絶縁ワイヤ334の近位端から、絶縁ワイヤ334の遠位端に向かって、ワイヤ334上の導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、電極334a)を介して、伝導性シース316の近位側縁まで流動し、衝撃波(「SW1」)を発生させる。
【0112】
電流3aは、伝導性シース316の遠位側縁から、絶縁ワイヤ330の遠位端の近傍の絶縁体除去スポット(すなわち、電極330a)を介して、ワイヤ330までさらに横断し、衝撃波(「SW2」)を発生させ得る。電流3aは、次いで、負のチャネルまたは接地チャネルであり得る電圧出力ポート(描写せず)まで、絶縁ワイヤ330を介して電圧源発生器に戻る。随意に、コネクタ(描写せず)が、ワイヤが、高電圧発生器の出力ポートに容易に接続され得るように、絶縁ワイヤ334および330と電圧パルス発生器との間に提供され得る。
【0113】
図3Dを参照すると、第2の高電圧が、絶縁ワイヤ330の近位端および絶縁ワイヤ332の近位端を横断して(例えば、
図1Bの高電圧パルス発生器150を使用して)印加されると、電流3bが、絶縁ワイヤ330を共通接地ワイヤ(すなわち、接地または負のチャネルに接続する)として、矢印によって示されるように流動し得る。示されるように、電流は、絶縁ワイヤ332の近位端から、絶縁ワイヤ332の遠位端に向かって、導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極332a)を介して、伝導性シース312(すなわち、外側電極)の遠位側縁まで流動し、衝撃波(「SW3」)を発生させる。電流2bは、伝導性シース312(すなわち、外側電極)の近位側縁から絶縁ワイヤ336まで、絶縁ワイヤ336の近位端の近傍の絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極336a)を介してさらに横断し、衝撃波(「SW4」)を発生させ得る。示されるように、332aおよび336aは、伝導性シース312の反対側縁上で互いから円周方向に180度で位置付けられる。
【0114】
電流3bは、ワイヤ336の遠位端に向かって、ワイヤ336の遠位端の近傍の導電性である絶縁体除去スポット(すなわち、電極336b)を介して、伝導性シース314の近位側縁までさらに横断し、衝撃波(「SW5」)を発生させ得る。電流3bは、伝導性シース314の遠位側縁から絶縁ワイヤ330まで、絶縁ワイヤ330上の絶縁体除去スポット(すなわち、内側電極330b)を介してさらに横断し、衝撃波(「SW6」)を発生させ得る。電流は、次いで、電圧出力ポートまで、絶縁ワイヤ330を介して電圧源発生器に戻る。示されるように、336bおよび330bは、伝導性シース314の反対側縁上で互いから円周方向に180度で位置付けられる。
【0115】
図3Cおよび3Dに描写される電流流動は、治療の段階に応じて、同時に(例えば、2つの電圧チャネルを同時に印加することによって)、または異なる時間に生じることができる。上で議論される例示的治療では、電流3aのみが、治療の第1の段階中にアクティブにされ、したがって、SW1およびSW2のみをアクティブにする。これは、バルーンの遠位セグメント(例えば、遠位円錐および/または遠位脚部)のみが横断または接近可能な病変における石灰化を破壊して自由にするためのものである。きつい病変におけるカルシウムが修正された後、バルーンは、収縮させられ、病変の中にさらに前進させられる。バルーンは、再びIVL圧力まで膨張させられる。IVL治療の第2の段階では、エミッタの全てが、
図3Cおよび3Dに示されるように、同時にアクティブにされる。近位エミッタによって発生させられる衝撃波(すなわち、SW3、SW4、SW5、SW6)は、追加の治療を石灰性病変に提供する一方、3つの遠位エミッタによって発生させられる衝撃波(すなわち、SW1、SW2)は、バルーンのさらなる前進を可能にする。
【0116】
前述が、本発明の原理の例証にすぎず、種々の修正、改変、および組み合わせが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者によって行われ得ることを理解されたい。本明細書に開示される種々の衝撃波デバイスの変形例のうちのいずれかは、本明細書の任意の他の衝撃波デバイスまたは衝撃波デバイスの組み合わせによって説明される特徴を含むことができる。さらに、方法のうちのいずれかは、開示される衝撃波デバイスのうちのいずれかと共に使用されることができる。故に、添付される請求項による場合を除いて、本発明が限定されることを意図していない。上で説明される変形例の全てに関して、方法のステップは、順次実施される必要はない。