(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】プラスチックアロイ(alloy)製の耳栓コア
(51)【国際特許分類】
A61F 11/10 20060101AFI20241018BHJP
B29C 48/21 20190101ALI20241018BHJP
B29C 48/09 20190101ALI20241018BHJP
B29C 44/36 20060101ALI20241018BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20241018BHJP
B32B 5/18 20060101ALI20241018BHJP
A61F 11/08 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A61F11/10 100
B29C48/21
B29C48/09
B29C44/36
B29C44/00 C
B29C44/00 F
B32B5/18
A61F11/08 100
(21)【出願番号】P 2022518637
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(86)【国際出願番号】 IB2020058568
(87)【国際公開番号】W WO2021059083
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-09-13
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】エリー,ジャコブ エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】コフィン,ロバート シー.
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-529483(JP,A)
【文献】特表2004-518793(JP,A)
【文献】特開2019-125922(JP,A)
【文献】特開平10-314213(JP,A)
【文献】特開平04-096956(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0215942(US,A1)
【文献】米国特許第5573015(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/230830(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0213315(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 11/08-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料及び第2の材料を含む細長いコアと、
発泡性材料を含む外層であって、前記細長いコアの外面の少なくとも一部分を被覆している、外層と、
を備え、
前記第1の材料はポリアミドを含み、前記第2の材料はポリプロピレンを含み、
前記第2の材料は、前記発泡性材料の活性化中に前記外層に熱結合するように構成されている、
押込み耳栓。
【請求項2】
前記発泡性材料は、活性化されると外層の体積を増大させる発泡剤を含む、請求項1に記載の押込み耳栓。
【請求項3】
前記発泡剤は、活性化されていない膨張性球状発泡剤を含む、請求項2に記載の押込み耳栓。
【請求項4】
前記発泡剤は、活性化されていない化学発泡剤を含む、請求項2に記載の押込み耳栓。
【請求項5】
前記発泡剤は、前記第2の材料との熱結合を可能にする温度で加熱活性化され、前記温度は、前記第1の材料の溶融温度よりも低い、請求項2~4のいずれか一項に記載の押込み耳栓。
【請求項6】
前記第1の材料はまた、耐衝撃性改良剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の押込み耳栓。
【請求項7】
前記第1の材料と前記第2の材料とは、共押出しされ
ている、請求項1~6のいずれか一項に記載の押込み耳栓。
【請求項8】
前記外層は、前記細長いコア上に押し出され
ている、請求項1~7のいずれか一項に記載の押込み耳栓。
【請求項9】
第1の材料及び第2の材料の押し出された混合物を含む基材と、
第3の材料を含む外層であって、前記基材の外面を少なくとも部分的に被覆する、前記外層と、
を備え、
前記第1の材料はポリアミドを含み、前記第2の材料はポリプロピレンを含み、
前記第3の材料は、活性化可能な発泡剤を含み、前記活性化可能な発泡剤は、活性化中に前記第2の材料と熱結合する、
物品。
【請求項10】
前記発泡剤は、活性化中に膨張して金型の形状になるように構成されている、請求項9に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
聴覚保護装置及び騒音減衰装置の使用は周知であり、様々な種類の装置が検討されている。このような装置としては、内耳への音波の通過を物理的に遮断するために、ユーザの外耳道に挿入される、又はユーザの外耳道の上に配置される発泡体材料又はゴム材料から部分的又は完全に構成される耳栓及びセミオーラル(semi-aural)装置が挙げられる。
【0002】
圧縮性又は「丸める」タイプの耳栓は、一般に、圧縮性の弾力性のある本体部分を備え、緩慢に回復する好適な発泡体材料で作製してもよい。耳栓は、最初に指の間で回転させて本体部分を圧縮し、次いで本体部分を外耳道に押込み、その後、本体部分を膨張させて外耳道を充填することによって、ユーザの外耳道に挿入することができる。
【0003】
押込み式耳栓も検討されており、圧縮性の減衰部分と、減衰部分から延びる剛性部分と、を含んでもよい。押込み式耳栓を挿入するために、ユーザは、剛性部分を把持し、減衰部分を適切なレベルの力で外耳道に押込む。減衰部分は、外耳道に収容されると圧縮する。押込み耳栓は、耳栓を外耳道に迅速かつ容易に挿入することを可能にすることができ、挿入前の耳栓の減衰部分との接触を最小限に抑えることによって、衛生状態を向上させることができる。
【0004】
押込み耳栓は、様々な用途において望ましい特性を示すが、それらは費用がかさむことがあり、製造上の困難な課題を課す場合がある。
【発明の概要】
【0005】
押込み耳栓が提供される。押込み耳栓は、第1の材料及び第2の材料を含む細長いコアを備える。押込み耳栓はまた、発泡性材料を含む外層を備え、外層は、細長いコアの外面の少なくとも一部分を被覆している。第2の材料は、発泡性材料の活性化中に外層に熱結合するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【0007】
【
図2】本発明の一実施形態における耳栓のブレンドされたポリマーのコアを示す、押込み耳栓のコアの顕微鏡写真である。
【0008】
【
図3A】本発明による例示的な押込み耳栓の断面図であり、様々な例示的な形状を有する音響減衰部分をしている。
【
図3B】本発明による例示的な押込み耳栓の断面図であり、様々な例示的な形状を有する音響減衰部分をしている。
【
図3C】本発明による例示的な押込み耳栓の断面図であり、様々な例示的な形状を有する音響減衰部分をしている。
【
図3D】本発明による例示的な押込み耳栓の断面図であり、様々な例示的な形状を有する音響減衰部分をしている。
【0009】
【
図4】耳栓を製造する例示的な方法の中間状態における、細長いコアと外層とを含むプリフォームの斜視図である。
【0010】
【
図5】本発明による例示的な製造プロセスの概略表現である。
【0011】
【
図6A】本発明の例示的な実施形態において使用される金型の一例の断面図である。
【
図6B】本発明の例示的な実施形態において使用される金型の一例の断面図である。
【0012】
【
図7A】本発明の例示的な実施形態において使用される金型の一例の断面図である。
【
図7B】本発明の例示的な実施形態において使用される金型の一例の断面図である。
【0013】
【
図8】本発明による例示的な製造プロセスの概略表現である。
【0014】
【
図9】本発明の例示的な実施形態における、押込み耳栓を製造する方法である。
【0015】
【
図10A】実施例で論じる耳栓及びプリフォームを示す図である。
【
図10B】実施例で論じる耳栓及びプリフォームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
「金型」とは、中空形態の中に置かれた構成要素に形状を付与してもよく、又は付与しなくてもよい中空形態を意味する。
【0017】
「熱結合された」とは、2つの材料又は表面の分子が、溶融相にあるときに、結合が形成されるように他方の材料又は表面に拡散した状態を意味する。化学結合は、存在しない、又は熱結合された材料若しくは表面の間の一次結合源を提供しない。
【0018】
「熱可塑性材」とは、繰り返し加熱及び再成形することができ、冷却時にその形状を保持するポリマーを意味する。
【0019】
「熱硬化性材」とは、不可逆的に硬化され得るポリマーを意味する。
【0020】
「活性化されていない」とは、発泡剤を指すときには、発泡剤が材料中のガス又は気泡の形成を促進するために更に活性化され得ることを意味する。
【0021】
別途指示がない限り、全ての組成物は、重量パーセントとして提示される。
【0022】
ユーザに聴覚保護を提供する耳栓、及び耳栓を製造する方法が、以下の説明に提供される。本明細書で説明される耳栓は、比較的軟質の外層によって直接又は間接的に被覆された比較的剛性の細長いコアを含む。外層は、ユーザの外耳道に挿入され得る圧縮性の音響減衰部分と、耳栓を取り扱うためにユーザが把持し得るステム部分と、を含む。そのような耳栓は、音響減衰部分が圧縮される又は「丸められる」ことを最初に必要とすることなく、外耳道に挿入することができる。
【0023】
図1は、本開示による押込み耳栓の断面図である。耳栓100は、第1の端部111及び第2の端部112と、外側主表面113と、を有する細長いコア110を備える押込み耳栓である。耳栓100は、細長いコア110の外側主表面113の少なくとも一部分に直接又は間接的に結合された外層120を更に含む。外層120は、例えば、ユーザの外耳道に少なくとも部分的に挿入するための音響減衰部分121と、音響減衰部分121よりも直径が小さく、平均密度が大きいステム部分122と、を含む。
【0024】
耳栓100の挿入中、ステム部分122及び細長いコア110は、ユーザが握持し得るハンドルとして機能する。耳栓100を、具体的には音響減衰部分121を、ユーザの耳に接近させて、外耳道に挿入する。音響減衰部分121は、配置される際に圧縮され、細長いコア110は、挿入を容易にするのに十分な剛性を提供する。使用時、音響減衰部分121は、実質的に外耳道内に配置されて、音の通過を阻止し、ステム部分122は、外耳道から外向きに延びて、耳栓を除去するためのハンドルを提供する。
【0025】
一実施形態では、細長いコア110は、第1の端部111と第2の端部112との間のいかなる場所でも実質的に均一な円形断面を有し、細長いコア110は、概ね円筒形の形状を呈する。円形断面は、ユーザの耳の一部分に接触することによって不快感を引き起こし得る縁部を最小限に抑えることができる。様々な他の例示的な実施形態では、細長いコアは、三角形の断面、正方形の断面、又は他の好適な断面を有してもよく、あるいは、耳栓100の長さに沿って変動する断面を有してもよい。外側主表面113は、刻み付きの表面、溝付きの表面、又は別様にテクスチャ加工された表面を有し得る。そのような表面は、ロバストな結合が生成されるように、外層120又は中間層に接触する表面積を増大させることができる。いくつかの実施形態では、細長いコア110は、所望の剛性を提供するための層、並びに外層とのロバストな結合を促進する層又は他の所望の特性を提供する層などの、複数の同心層を含む。
【0026】
耳栓100は、直接又は間接的に細長いコア110を実質的に被覆する外層120を更に含む。一実施形態では、外層120は、音響減衰部分121とステム部分122の両方を含む。一実施形態では、外層120は、細長いコア110の外側主表面113を実質的に取り囲み、かつ、細長いコア110の第1の端部111から第2の端部112まで延びている。いくつかの実施形態では、外層120は、音響減衰部分121の一部分がステム部分122の一部分に接触するような連続した層である。細長いコア110の第1の端部111及び第2の端部112は、少なくとも部分的に露出していてもよく、細長いコア110は、細長いコア110の存在を隠すために、外層120の色と同様の色をしていても、あるいは、細長いコア110の存在を示すために、外層120の色と異なる色をしていてもよい。音響減衰部分121は、細長いコア110の第1の端部111の近くに配置され、かつ、ユーザの外耳道に収容されるように成形されている。一実施形態では、音響減衰部分121は、ベル形状を有し、かつ、最も幅広の点において、ステム部分122の直径よりも大きい直径を有する。
図3A~
図3Dに示す様々な他の実施形態では、例えば、音響減衰部分125、126、127、128はそれぞれ、弾丸形状、半球形状、円錐形状、マッシュルーム形状、又はそれ以外の、所望のフィット性を提供するような、若しくは特定の用途に合うような形状をしていてもよい。
【0027】
以下でより詳細に説明するように、外層120は、加熱されると膨張して金型を充填するように構成されている材料で形成され、音響減衰部分121のための様々な形状の生成が可能になる。外層120の材料は、使用中に容易に破断又は崩壊することがないように、外層120の脆さを制御するように選択され得る。耳栓の脆さは、適切な分子量を有する材料を選択することによって部分的に制御してもよく、より高い分子量は、一般により脆くない耳栓をもたらす。
【0028】
特定の用途に所望されるような特定の密度を提供するために、外層120の密度を製造中に制御することができる。外層120は、例えば、外層120の残りの部分よりも高密度である一体的な外側スキンを外層120が有するように、厚さにより変動する密度を呈し得る。そのようなスキンは、音響減衰部分121及びステム部分122の一方又は両方に存在し得る。代替的には、音響減衰部分121又はステム部分122は、実質的に均一な密度を有し得る。いくつかの実施形態では、外層110は、発泡性の熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)、スチレン-イソプレンゴム(SIS)、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0029】
細長いコア110は、外層120が直接又は間接的に被覆し得る基材を提供し、ユーザの外耳道への耳栓100の挿入を容易にする。細長いコア110は、外層120よりも大きい剛直性又は剛性を有する必要があるが、ユーザにとって快適かつ安全であるように十分に軟質でなければならない。細長いコア110は、音響減衰部分121を適切な力で外耳道に押込むことによって、耳栓100を使用するために少なくとも部分的にユーザの耳の中に配置し得る十分な剛直性を提供しなければならない。十分に剛性の細長いコア110を適切な外層120と組み合わせることにより、最初に音響減衰部分121を圧縮する又は「丸める」必要なく、耳栓100を少なくとも部分的にユーザの耳の中に配置することが可能になる。音響減衰部分121を最初に圧縮する又は「丸める」必要なく直接挿入することにより、例えば、耳の中に配置する前の音響減衰部分121との接触を制限することによって、衛生状態が向上する。細長いコア110はまた、使用のために配置されたときに外耳道の輪郭へとわずかに変形することができるように、適切なレベルの可撓性を示さなければならない。
【0030】
したがって、耳栓の設計及び構造の1つの重要な側面は、細長いコア110及び外層120のための材料の選択である。製造プロセス中、発泡性の外層120は、高温になり、膨張して金型の形状にフィットする。同時に、発泡性の層120はまた、コア110に熱結合する。これは、熱可塑性エラストマーとの少なくともいくらかの混和性を必要とする。
【0031】
コア材料は、発泡性のオーバーコーティング層120の膨張に必要な温度では溶融又は変形するべきではない。しかしながら、細長いコア110は、外層120と熱結合する材料で作製されることが望ましい。細長いコア110は、製造中に外層120といくらかブレンドされることになるが、コア自体の構造的完全性も維持する必要がある。更に、耳栓が、ユーザの耳に挿入するのに十分に剛性であるが、依然として使用中に快適であるように、コア材料は、調整可能な剛性を有することが望ましい。
【0032】
いくつかの異なる材料を、好適な細長いコア110のために可能な材料として調査した。ポリオレフィンは、多くの好適な熱可塑性エラストマーと混和性である。別個のコア110と外層120とは、鎖の絡み合いを経験しないので混和性が重要であり、表面力(ファンデルワールス力)は、層同士を一緒に結合するには十分でない。耐熱性をより高くするために、ポリプロピレンを選択した。ポリプロピレンのコアは、変形が大きくなりすぎ、成形プロセス中に十分な支持を提供しなかった。ポリプロピレンのコアを鉱物系充填材料で充填することにより、追加の支持を提供したが、その結果、コアの剛性が高くなりすぎた。アクリル、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタンなどを含む他のポリマー塩基も調査した。
【0033】
構造に追加すべき第3の層も調査したが、これは、製造プロセスに更なる工程を追加し、コスト及び複雑さを増大させる。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態における耳栓のブレンドされたポリマーのコアを示す、押込み耳栓のコアの顕微鏡写真である。ブレンドされたコア150は、複数のポリプロピレン領域160を支持するポリアミドマトリックス170を有する。
【0035】
ポリプロピレンとポリアミドとのブレンドは、製造プロセス中に十分な構造を提供しながら、コアと発泡性のオーバーコーティング層との間の熱結合も可能にすることが分かった。ポリアミドは、約220℃の溶融温度を有する高融点支持スキャフォールドを有する格子構造170を形成する。ポリプロピレン領域160は、外層120とコア110との間の結合を促進する。ポリアミドは、発泡工程中に固体を維持するのに十分な高い溶融温度を有し、ポリプロピレン領域220と外層120との間の熱結合が可能になる。
【0036】
いくつかの実施形態では、コア110は、少なくとも約50%、又は少なくとも約55%、又は少なくとも約60%のポリアミド混合物を含む。いくつかの実施形態では、コア110は、約65%のポリアミド混合物と、約35%のポリプロピレンを含む。ポリアミド混合物は、耐衝撃性改良剤を含む。耐衝撃性改良剤は、ポリアミド混合物の少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%である。一実施形態では、耐衝撃性改良剤は、マレイン化されたスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)である。耐衝撃性改良剤を含めたことで、可撓性が改善されたが、驚くべきことにコアの安定性の著しい低減はもたらされなかった。耐衝撃性改良剤を含めた結果、加熱撓み温度が低くなり、金型内で加熱されたときの変形がより大きくなることが予想されていた。しかしながら、本明細書で説明した実施形態は、製造時に変形することなく、純粋なポリプロピレンのコアと同様の結合品質を有する。また、コード対コアの引っ張り強度は、耐衝撃性改良剤を追加すると、2lbsから6lbsに改善された。コードの結合強度は、望ましくない/偶発的なコードの外れを防止するために最小値よりも高くなければならない。コード対コアの引っ張り強度は、Instron,Inc.(Norwood,MA,USA)から入手可能なModel 5967Universal Testing Systemなどの引張試験機械で測定される。コードは、1つのクランプ内に、プラグが反対側のクランプ内に固定されている状態で固定される。クランプ同士は、所与の速度で離れるように移動し、ロードセルを用いて引っ張り力が測定される。力が急激に低下すると、試験が停止する。ピーク力が記録される。
【0037】
図3A~
図3Dは、本発明による例示的な押込み耳栓の断面図であり、様々な例示的な形状を有する音響減衰部分をしている。
図1は、押込み耳栓の音響減衰部分の1つの例示的な形状を示しているが、他の実施形態は、異なる形状をしている。例えば、音響減衰部分125、126、127、又は128の形状のうちのいずれかが可能であり得る。他の好適な形状も想定される。
【0038】
図4は、耳栓を製造する1つの方法の中間状態における、細長いコアと外層とを含むプリフォームの斜視図である。耳栓100は、複数の、工程プロセスで形成され得る。一実施形態では、耳栓100は、中間状態を含むプロセスで形成され、中間状態では、外層120が直接又は間接的に細長いコア110の周りに被覆されて、プリフォーム130などの予め形成された聴覚保護装置をもたらすが、音響減衰部分121はまだ含まれない。
【0039】
図4に示す中間状態では、プリフォーム130の外層120は、活性化されていない発泡剤を含む。一実施形態では、活性化されていない発泡剤は、例えば、炭化水素、又は熱若しくは他の活性化源に曝露すると膨張する他の適切なガスを封入するシェルを含む、熱可塑性球体を含む膨張性球状発泡剤を含む。熱可塑性のシェルが膨張した結果、外層120の材料の体積が増大し、密度が減少する。活性化されていない発泡剤はまた、膨張性球体に内蔵されている、又はそうでなければ含有されていない膨張性材料を含む、化学発泡剤であってもよい。そのような発泡剤の活性化により、膨張性材料を膨張させて、外層の材料中に空隙又は間隙を生じさせる。一実施形態では、プリフォーム130の外層120は、活性化されていない膨張性球状発泡剤及び活性化されていない化学発泡剤を含む。外層120に存在する発泡剤の活性化、及び外層120の関連する膨張は、所望の形状、密度、硬度、及び他の所望の特性を呈する、音響減衰部分121とステム部分122とを有する耳栓100を提供するように、制御することができる。
【0040】
膨張性球状発泡剤及び化学発泡剤の両方の存在により、膨張性球状発泡剤のみが使用された場合に、さもなければもたらされることになるレベルから外層120の硬度を低下させると同時に、活性化中に外層120を適切に形成することができるように、十分な構造及び膨張を提供するのを支援することができる。化学発泡剤によって生成されたガスの一部又は全ては、活性化後にガスの一部又は全てが外層内に存在しないように、活性化中に逃げることができる。膨張性球状発泡剤の一部又は全ては、最終耳栓が熱可塑性球体を含んでもよいように、最終耳栓の外層内に留まることができる。一実施形態では、耳栓100の外層120は、1重量%~5重量%の発泡剤又は発泡剤の残留物を含み、約3重量%の発泡剤又は発泡剤の残留物を含んでもよい。
【0041】
図4に示す中間状態において、プリフォーム130を、耳栓100の所望の長さに切断してもよく、多数の耳栓をその後に形成するのに十分な延長された長さに切断してもよく、あるいは、
図8を参照して以下に説明するように切断する前に外層120の活性化が行われるように、切断しないままとしてもよい。延長された長さを有するプリフォーム130は、後続の処理及び発泡剤の活性化のための取り扱いを容易にすることができる。一実施形態では、プリフォーム130は、その後に切断し活性化して所望の量の耳栓100を得ることができる、延長された長さに切断される。延長されたプリフォーム130は、輸送又は取り扱いを容易にするために、コイル状に巻いても、又は別様に成形してもよい。
【0042】
図5は、本発明による1つの製造プロセスの概略表現である。本開示は、耳栓を製造する方法を更に提供する。この方法は、ブレンドされたポリマーの細長いコアなどの基材を、活性化されていない発泡剤を含む外層で被覆する工程と、発泡剤を活性化して、外層の少なくとも一部分を所望の形状に膨張させる工程と、を含み得る。
【0043】
本発明は、
図1に関して説明した耳栓100などの個人用保護器具を製造する方法を提供する。1つの方法は、基材を外層で被覆する工程と、外層の少なくとも一部分に熱を加えて外層の少なくとも一部分を膨張させる工程と、を含む。外層の膨張は、外層の材料中に存在する発泡剤の活性化に起因して生じ、膨張前に金型の中に外層の少なくとも一部分を配置することによって制御することができる。外層の一部分は、外層が膨張する際に金型の形状によって制限してもよく、又は発泡剤の活性化を制限するために熱から遮蔽される。
【0044】
本明細書に記載の方法は、耳栓を製造するためだけでなく、他の種類の聴覚保護装置及び他の個人用保護器具のための構成要素、並びに他の用途に好適な他の成形部品又は形成部品の製造にも好適である。例えば、本方法は、所望の形状及び密度を提供するように発泡させることができる呼吸保護装置のフェイスピースのための封止を生成するためのプロセスを提供する。他の例示的な用途として、イヤーマフ、レスピレーター、アイウェア、他の個人用保護器具、そのような個人用保護器具の構成要素、及び他の適用例の製造が挙げられる。
【0045】
本発明による押込み耳栓を製造する1つの方法は、ブレンドされた細長いコアを、活性化されていない発泡剤を含む外層で直接又は間接的に被覆する工程と、外層の少なくとも一部分の発泡剤を活性化して、音響減衰部分と、ブレンドされた細長いコアに直接又は間接的に結合されたステム部分とを形成する工程と、を含む。
【0046】
一実施形態では、ブレンドされた細長いコアは、ポリオレフィンを含む。一実施形態では、ブレンドされた細長いコアは、耐衝撃性改良剤を含む。一実施形態では、ブレンドされた細長いコアは、少なくとも約50%のポリアミド、又は少なくとも約60%のポリアミド、又は少なくとも約65%のポリアミドを含む。一実施形態では、ブレンドされたコアは、少なくとも10%の結合成分、又は少なくとも約15%の結合成分、又は少なくとも約20%の結合成分、又は少なくとも約25%の結合成分、又は少なくとも約25%の結合成分、又は少なくとも約30%の結合成分、又は少なくとも約35%の結合成分を含む。一実施形態では、結合成分はポリプロピレンである。
【0047】
一実施形態では、ポリアミド混合物は、少なくとも10%の耐衝撃性改良剤、又は少なくとも15%の耐衝撃性改良剤、又は少なくとも20%の耐衝撃性改良剤、又は少なくとも25%の耐衝撃性改質剤を含む。一実施形態では、耐衝撃性改良剤はSEBSである。
【0048】
図5は、本開示による耳栓200を製造する方法の1つの実施形態の概略を示している。延長されたブレンドされた細長いコア210は、第1の材料を第1のダイ240を通して押し出し、第1の材料を適切な直径に延伸することによって形成される。ブレンドされた細長いコアは、中実であってもよく、又は細長いコア210の全体若しくは一部分を通って延びる長手方向チャネルを含んでもよく、異なる特性を有する1つ以上の同心層を含んでもよい。押し出し後、ブレンドされた細長いコアは、製造プロセスの後続の工程において安定したままであるように冷却されてもよい。温度変化の大きさは、使用される材料及び最終製品の所望の特性に依存し得る。一実施形態では、細長いコア210は、第2のダイ250によって被覆される前の時点で外層220の活性化温度又は硬化温度よりも低い温度を呈するように、必要に応じて冷却される。被覆される前に、ブレンドされた細長いコア210は、延長された長さを有し、耳栓の所望の長さにまだ切断されていない。
【0049】
図5に示す実施形態では、ブレンドされた細長いコア210は、第2のダイ250によって、発泡性材料を含む外層220で直接又は間接的に被覆される。第2のダイ250は、当該技術分野において既知の共押出ダイ又は他の好適なダイであってもよい。一実施形態では、発泡性は、熱可塑性材及び1つ以上の活性化されていない発泡剤を含む。外層220は、活性化されていない発泡剤の活性化温度未満の温度に留まっている間に、ブレンドされた細長いコア210に適用される。一実施形態では、外層は、SEBS及び100℃~205℃、120℃~190℃、あるいは約170℃の活性化温度を有する発泡剤を含む。他の好適な材料には、可塑化ポリ塩化ビニル、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、天然ゴム、他の熱可塑性材、熱硬化性ポリマー、及び当該技術分野において既知の他の好適な材料が含まれる。外層220がゴム又は熱硬化性ポリマーを有する第2の材料を含む実施形態では、外層220は、ゴム又は熱硬化性ポリマーの加硫温度又は硬化温度未満温度で適用され得る。そのような実施形態では、外層220は、熱又は他の好適な活性化プロセス若しくは硬化プロセスを用いて、その後にそれぞれ活性化し硬化することができる、活性化されていない発泡剤、及び硬化さていない又は部分的に硬化されたゴム又は熱硬化性ポリマーを含んでもよい。
【0050】
ブレンドされた細長いコア210に最初に適用される場合、外層220中の発泡剤の重量パーセントは、使用される熱可塑性材料又は他の材料の種類、及び音響減衰部分221の所望の最終形状、密度、硬度、又は他の特性に基づいて選択され得る。一実施形態では、外層220は、90%~99.5%のSEBSと10%~0.5%の適切な活性化されていない発泡剤との初期組成、あるいは、約93%のSEBSと、Eka Chemicals AB(Sundsvall,Sweden)からいずれも入手可能であるEXPANCEL 930 DU 120、EXPANCEL 920 DU 120などの、7%の活性化されていない膨張性球状発泡剤との初期組成を有する。
【0051】
他の実施形態では、外層220は、Biddle Sawyer Corp.(New York,New York)から入手可能なオキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)などの活性化されていない化学発泡剤を含む初期組成を有する。OBSH発泡剤などの化学発泡剤が存在することにより、唯一の発泡剤としてEXPANCELなどの膨張性球状発泡剤を含む外層から形成された音響減衰部分よりも低い硬度値を有する音響減衰部分を得ることができる。
【0052】
一実施形態では、外層220は、活性化されていない膨張性球状発泡剤及び活性化されていない化学発泡剤を含む。膨張性球状発泡剤及び化学発泡剤の両方の存在により、外層が適切に形成され、化学発泡剤だけで存在し得ないように、十分な構造を提供するのに役立つ可能性があり、同時に、膨張性球状発泡剤のみが使用された場合に、さもなければ生じるであろうレベルから外層の硬度を低下させる。したがって、化学発泡剤と膨張性球状発泡剤とを組み合わせると、外耳道への挿入などの所望の用途に適した硬度レベルを有する外層をもたらし得る。一実施形態では、外層220は、最初に適用される場合、約0.5重量%~3重量%の活性化されていない化学発泡剤、又は約2重量%の活性化されていない化学発泡剤と、約0.5重量%~9.5重量%の活性化されていない膨張性球状発泡剤、又は約2重量%の活性化されていない膨張性球状発泡剤と、を含み得る。外層220はまた、他の好適な発泡剤、あるいは、EXPANCEL発泡剤、OBSH発泡剤、及び他の好適な発泡剤の様々な組み合わせを含み得る。外層220は、当該技術分野において既知の、所望の色を付与するための顔料、抗酸化剤、UV安定剤、並びに、押し出し及び離型を補助するための油又はワックスを更に含み得る。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態では、外層220は、ブレンドされた細長いコア210全体に被覆されたとき、溶融状態にある。結果として、外層220及び細長いコア210の分子、又は1つ以上の中間層の分子は、互いの材料又は表面に拡散し、熱結合が形成されると考えられる。材料又は表面が冷却し、凝固するとき、外層220は、細長いコア210に直接又は間接的に熱結合されたままである。一実施形態では、有意な化学結合が存在せず、細長いコア210と外層220との間の一次結合源は熱結合である。他の例示的な実施形態では、外層220は、細長いコア210全体を被覆されたとき、細長いコア210又は1つ以上の中間層と接触するが、外層220と細長いコア210との間、又は1つ以上の中間層との間に有意な結合は形成されない。外層220の活性化及び/又は硬化時に、外層220と細長いコア210との間に直接又は間接的に熱結合を形成することができる。
【0054】
他の例示的な実施形態では、細長いコア210は、第2のダイ250の代わりとして、又はそれに加えて、積層、成形、噴霧、浸漬、又は当該技術分野において既知の他の好適なプロセスによって、外層220又は1つ以上の中間層で被覆してもよい。そのような工程は、細長いコア210が所望の長さに切断される前又は後に行われてもよい。使用されるプロセスにかかわらず、外層220の温度は、発泡剤が被覆プロセス中に活性化されていないままであるように、発泡剤の活性化温度未満のままであるべきである。EPDMゴム又は熱硬化性ポリマーなどの、硬化されていない材料又は部分的に硬化された材料が外層220に含まれる場合、外層220の温度は、材料の硬化温度未満のままでなければならない。
【0055】
一実施形態では、外層220によって被覆されたブレンドされたコア210は、カッター260で所望の耳栓の長さに切断される。結果は、ブレンドされた細長いコア210と、外層220と、を有するプリフォーム230であり、外層220は、その後に活性化して音響減衰部分221及びステム部分222を有する耳栓を生成することができる、活性化されていない発泡剤を含む。
【0056】
カッター260は、耳栓200の所望の長さに、又は多数の耳栓をその後に形成するのに十分な延長された長さに、プリフォーム230を切断してもよい。一実施形態では、プリフォーム230は、その後に切断し活性化して、又は活性化し切断して、所望の量の耳栓200を得ることができる延長された長さに切断される。延長されたプリフォーム230は、取り扱い又は輸送を容易にするために、コイル状に巻いても、又は別様に成形してもよい。
【0057】
一実施形態では、外層220に存在する活性化されていない発泡剤は、炭化水素又は他の膨張性材料を封入する熱可塑性球体を含む。適切な量の熱を加えることにより、熱可塑性シェル及び炭化水素を膨張させる。他の例示的な実施形態では、発泡剤は、単独で、又は膨張性球状発泡剤と組み合わせで、内蔵されている、若しくはさもなければ封入されていない、熱又は他の活性化源に曝露されたときにガスを生成する膨張性材料を含む。抑制されていないまま残っている場合、発泡剤の活性化は、外層220の中に気泡を生成し、最終的には、外層220の体積を増大させ、密度を減少させる。外層220の膨張は、外層220の厚さ及び組成によって、熱、触媒、若しくは他の活性化源を選択的に適用することによって、及び/又は発泡剤が活性化される際に外層220の膨張を制限するためにプリフォーム230の少なくとも一部分を金型の中に置くことによって、制御することができる。
【0058】
図6A及び
図6Bに示す例示的な方法では、外層220の膨張を制御するために金型270が使用される。金型270は、プリフォーム230の一部分を受け入れるステム部分の形態の第1のキャビティ271を含む。プリフォーム230は、金型270の中に置かれる前に、所望の耳栓200の長さに切断され得る。代替的には、プリフォーム230は、延長された長さであってもよく、金型270に挿入した後に長さに切断されてもよい。金型270に挿入した後にプリフォーム230を切断することにより、取り扱い及び挿入が容易になり得る。プリフォーム230の露出した部分に熱を加えて、少なくとも、外層220内に存在する発泡剤の活性化温度まで外層220の温度を上昇させ、
図6Bに示すように外層220を膨張させる。第1のキャビティ271の中に配置された耳栓200の一部分は、発泡剤の活性化が制限されるように、熱から効果的に遮蔽することができる。代替的には、又は加えて、第1のキャビティ271は、外層220を拘束し、さもなければより大きな体積及びより低密度の外層をもたらすことになる、発泡剤の活性化によって引き起こされる膨張を実質的に抑制する。その後、ブレンドされた細長いコア210及び外層220を冷却し、金型270から排出する。完成した耳栓200は、自由に膨張し得る、露出した外層によって形成された音響減衰部分221と、発泡剤の活性化中に金型270の中に部分的に拘束されたステム部分222と、を含む。金型の拘束及び/又は発泡剤の制限された活性化に起因して、ステム部分222は、音響減衰部分221よりも高い平均密度及び/又は音響減衰部分221よりも高い硬度を有し得る。
【0059】
図7A及び
図7Bの例示的な実施形態では、金型370を使用して、プリフォーム330の外層320の膨張を制御する。金型370は、プリフォーム330の一部分を受け入れるステム部分の形態の第1のキャビティ371を含む。金型370は、音響減衰部分の形態の第2のキャビティ372を更に含む。プリフォーム330が最初に金型370の中に置かれたときに、プリフォーム330と第2のキャビティ372の外周部との間に、間隙375が存在する。いくつかの実施形態では、プリフォーム330と第1のキャビティ371の外周部との間に、小さな間隙376が存在し得る。熱又は他の好適な活性化源を適用すると、外層320の一部分が膨張して間隙375を充填し、第2のキャビティ372の形状に実質的に適合する。第1のキャビティ371の中に配置された耳栓300の一部分は、発泡剤の活性化が制限されるように、熱から効果的に遮蔽することができる。代替的には、又は加えて、発泡剤の活性化中にさもなければ生じる外層220の膨張は、第1のキャビティ371によって拘束される。更に、熱を加えることにより外層320を軟化させ、発泡剤が活性化されると、外層320は、膨張して第1のキャビティ371を充填することができ、最初に、第1のキャビティ371内の外層320の一部が第2のキャビティ372に流入して、間隙375を充填することができる。一実施形態では、金型370は、いかなる溶融材料の通過も防止しながら、過剰なガスが逃げることを可能にするための小さなガス抜き口を含む。
【0060】
一実施形態では、金型370は、活性化プロセスの一部分又は全部の間、第1のキャビティ371が第2のキャビティ372の上方に向けられるように向けられる。そのような向きにより、活性化中に材料が、第1のキャビティ371から第2のキャビティ372に流れることが可能になり得る。更に、第1のキャビティ371が第2のキャビティ372の上方に向けられている向きは、発泡剤の活性化中に形成された気泡又は間隙がキャビティ372の下面から上向きに離れるように移動する傾向があり得るので、音響減衰部分321上の一体的なスキンの形成を促進し得る。
【0061】
その後、耳栓300を冷却し、金型370から排出する。完成した耳栓300は、金型370の第2のキャビティ372の形状を有する音響減衰部分321と、金型370の第1のキャビティ371の形状を有するステム部分322と、を含む。第1のキャビティ371の拘束及び/又は第1のキャビティ371の区域における発泡剤の制限された活性化に起因して、ステム部分322は、音響減衰部分321よりも高い平均密度及び/又は硬度を有し得る。
【0062】
図7A及び
図7Bに示す例示的な実施形態では、耳栓300は、長手方向において、約15mm~40mm、又は約25.5mmの全長lを有するプリフォーム330から形成される。外層320は、約2.5mm~6.5mm、又は約4.5mmの外径d1を有し、細長いコア310は、約1.5mm~3.5mm、又は約2.5mmの外径d3を有する。上述の外層320の活性化後、
図7Bに示すように、最終的な耳栓300は、長手方向において、約15mm~40mm、又は約25.5mmの全長Lを有し、音響減衰部分321は、最も幅広の点において、約8mm~16mm、又は約12.5mmの外径D1を有し、ステム部分322は、約3mm~10mm、又は約6.5mmの直径D2を有し、細長いコア310は、約1.5mm~3.5mm、又は約2.5mmの外径D3を有する。特定の用途のための所望の特性を有する最終的な耳栓300を形成するために、外層320及び細長いコア310の材料に基づいて、かつ、必要に応じて、プリフォーム330及び完成した耳栓300の寸法を変動させることができる。
図7A及び
図7Bには示していないが、いくつかの実施形態では、耳栓の第1の端部から耳栓の第2の端部まで部分的に又は完全に延びるチャネルが存在し得ることもまた明確に企図される。
【0063】
図8は、本発明による例示的な製造プロセスの概略表現である。概略400の構成要素は、必ずしも一定の比率で描かれてはいない。
【0064】
第1の材料402を、押し出された細長いコア415を出力する第1の押出機410に提供する。細長いコア415を、第2の材料422と共に、プリフォーム425を出力する第2の押出機422に提供する。プリフォーム425は、第2の材料から形成されたオーバーレイヤを有する細長いコアを含む。第2の材料422は、発泡性材料を含み得る。
【0065】
プリフォーム425を、金型450内の金型キャビティ452に提供する。熱454又は別の活性化メカニズムを適用し、発泡性のオーバーレイヤを金型キャビティ452内で膨張させて、金型キャビティ452の形状に適合させる。活性化プロセスが完了すると、押込み耳栓460を、金型450から除去する。
【0066】
押出機410及び420は、材料402、422を適切な直径に延伸するように構成され得る。また、押出機410及び420のいずれかが、押し出された材料を耳内耳栓の所望の長さに切断するように構成された切断機構を含み得る。しかしながら、別の実施形態では、切断機構(図示せず)は、プリフォーム425を金型450に提供する前に行われる別個の動作である。
【0067】
押出機は、コア415及びプリフォーム425を形成するための機構として示されているが、コア415は、積層、成形、噴霧、浸漬、又は当該技術分野において既知の任意の他の好適なプロセスを使用して外層で被覆できることも想定される。
【0068】
ブレンドされた細長いコア415及びコーティングされたコアは、押出動作及び/又は切断動作の中間に冷却され得る。
図8には、プリフォーム425の全体が金型キャビティ452内に置かれる実施形態が示されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、プリフォーム425の一部分のみ、例えば音響減衰部分が金型の中に置かれる。一実施形態では、熱又は他の活性化源によって発泡剤が活性化して、プリフォーム425の外層を膨張させる。外層が硬化されていない材料又は部分的に硬化された材料を含むいくつかの実施形態では、熱又は他の活性化源の適用もまた、外層を硬化させる。一実施形態では、金型キャビティ452は、ステム部分の形態の第1のキャビティと、音響減衰部分の形態の第2のキャビティと、を含む。熱又は他の好適な活性化源を適用すると、外層の一部分が膨張して第2のキャビティを充填し、第2のキャビティの形状に実質的に適合する一方で、第1のキャビティの中に配置された一部分は、発泡剤の活性化が制限されるように熱から効果的に遮蔽される。代替的には、又は加えて、発泡剤の活性化中にさもなければ生じる外層の膨張は、第1のキャビティの形状によって実質的に拘束される。一実施形態では、金型450は、いかなる溶融材料の通過も防止しながら、過剰なガスが逃げることを可能にするための小さなガス抜き口を含む。
【0069】
別の例示的な実施形態では、プリフォーム425の一部分のみが金型キャビティの中に配置される。金型キャビティは、プリフォーム425の一部分の膨張を実質的に拘束してステムを形成するようにステムの形態であり得る一方で、プリフォームの残りの部分は、自由に膨張して音響減衰部分を形成し得る。代替的には、金型キャビティは、プリフォームの一部分の膨張を拘束し、選択的に活性化して音響減衰部分を形成するように、音響減衰部分の形態であり得る一方で、プリフォーム425の残りの部分は、活性化又は部分的にのみ活性化され、ステムを形成する。
【0070】
図9は、本発明の例示的な実施形態における、押込み耳栓を製造する方法である。方法500は、本明細書で説明する耳内耳栓のうちのいずれかを形成するのに有用であり得る。方法500は、
図8に関して説明した概略と同様のシステムを使用して、又は別の好適なシステムを使用して実行され得る。
【0071】
工程510において、コアが押し出される。いくつかの実施形態では、コア510は、少なくとも約50%、又は少なくとも約55%、又は少なくとも約60%のポリアミド混合物を含む。いくつかの実施形態では、コア110は、約65%のポリアミド混合物と、約35%のポリプロピレンを含む。ポリアミド混合物は、耐衝撃性改良剤を含む。耐衝撃性改良剤は、ポリアミド混合物の少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%である。工程520において、オーバーコート層がコア上に押し出される。一実施形態では、オーバーコート層は、細長いコアを実質的に被覆する。オーバーコート層は、加熱されると膨張して金型キャビティを充填するように構成されている材料で形成される。材料は、使用中に容易に破断又は崩壊することがないように、外層の脆さを制御するように選択され得る。耳栓の脆さは、適切な分子量を有する材料を選択することによって部分的に制御してもよく、より高い分子量は、一般により脆くない耳栓をもたらす。いくつかの実施形態では、オーバーコート層は、発泡性の熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーは、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)、スチレン-イソプレンゴム(SIS)、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0072】
工程530において、音響減衰部分が形成される。これは、ブロック532に示すように、コーティングされたコアをサイズに切断することを含み得る。音響減衰部分は、ブロック534に示すように、コーティングされたコアの少なくとも一部分を金型の中に置くことによって形成され得る。金型は、例えば
図3A~
図3Dに示した形状などの音響減衰部分の所望の形状、並びに他の適切な形状を有するキャビティを含み得る。音響減衰部分の形成は、ブロック536に示すように、加熱によりオーバーコート層を活性化することを含み得る。ブロック538に示すように、他の処理工程を適用してもよい。例えば、外層をいくらか硬化してもよい。
【0073】
本明細書で説明する耳栓及び耳栓を製造する方法は、いくつかの利点を提供する。本明細書に記載される耳栓は、所望のレベルの聴覚保護を提供するためにユーザの外耳道に快適に配置することができ、より剛性の細長いコアの存在により、挿入前に音響減衰部分を丸める必要性を排除することによって、衛生状態を向上させることができる。本明細書で説明する方法は、耳栓を効率的に製造することを可能にする。本明細書で説明する、細長いコアに直接又は間接的に結合された外層を有する耳栓は、多くの従来の押込み式耳栓の必要な音響減衰構成要素に剛直な構成要素を接合する追加の工程のコスト及び複雑さを排除する。細長いコア及び外層は、追加の接着工程又は追加の組み立て工程を必要とせずに熱結合され得る。
【0074】
本発明をその複数の実施形態を参照して説明してきた。上述の詳細な説明及び実施例は、理解の明瞭性のためにのみ与えられたものである。これによって不必要な限定がなされるものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態において多くの変更を行うことができることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲は、本明細書で説明した厳密な詳細及び構造に限定すべきではなく、むしろ請求項の言葉で説明されている構造及びこれらの構造の均等物によって限定すべきである。上記の実施形態のいずれかに関して記載されたいずれかの特徴又は特性は、個々に、又は他のいずれかの特徴又は特性と組み合わせて組み込むことができ、単に明確性のために上記の順番及び組み合わせで提示される。
実施形態
【0075】
実施形態1は、押込み耳栓である。押込み耳栓は、第1の材料及び第2の材料を有する細長いコアを有する。押込み耳栓はまた、発泡性材料を含む外層を有し、外層は、細長いコアの外面の少なくとも一部分を被覆している。第2の材料は、発泡性材料の活性化中に外層に熱結合するように構成されている。
【0076】
実施形態2は、実施形態1の特徴を含むが、発泡性材料は、活性化されると外層の体積を増大させる発泡剤を含む。
【0077】
実施形態3は、実施形態2の特徴を含むが、発泡剤は、活性化されていない膨張性球状発泡剤を含む。
【0078】
実施形態4は、実施形態2に記載の特徴を含むが、発泡剤は、活性化されていない化学発泡剤を含む。
【0079】
実施形態5は、実施形態2~4のいずれか1つに記載の特徴を含むが、発泡剤は、加熱活性化される。
【0080】
実施形態6は、実施形態5の特徴を含むが、発泡剤は、第2の材料との熱結合を可能にする温度で加熱活性化される。
【0081】
実施形態7は、実施形態6の特徴を含むが、当該温度は、第1の材料の溶融温度よりも低い。
【0082】
実施形態8は、実施形態1~7のいずれか1つに記載の特徴を含むが、細長いコアは、第1の剛性を有し、外層は、第2の剛性を有し、第1の剛性は、第2の剛性よりも高い。
【0083】
実施形態9は、実施形態1~8のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、ポリアミドである。
【0084】
実施形態10は、実施形態1~9のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第2の材料は、ポリプロピレンである。
【0085】
実施形態11は、実施形態1~10のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、細長いコアの少なくとも約50重量%である。
【0086】
実施形態12は、実施形態11に記載の特徴を含むが、第1の材料は、細長いコアの少なくとも約60重量%である。
【0087】
実施形態13は、実施形態12に記載の特徴を含むが、第1の材料は、細長いコアの少なくとも65重量%である。
【0088】
実施形態14は、実施形態9~13のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料はまた、耐衝撃性改良剤を含む。
【0089】
実施形態15は、実施形態14に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約10%である。
【0090】
実施形態16は、実施形態15に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約15%を含む。
【0091】
実施形態17は、実施形態16に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約20%である。
【0092】
実施形態18は、実施形態17に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約25%である。
【0093】
実施形態19は、実施形態14~18のいずれか1つに記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンを含む。
【0094】
実施形態20は、実施形態1~19のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料と第2の材料とは、共押出しされる。
【0095】
実施形態21は、実施形態1~20のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、細長いコア上に押し出される。
【0096】
実施形態22は、物品である。物品は、基材を有する。基材は、第1の材料及び第2の材料の押し出された混合物を含む。物品はまた、第3の材料を含む外層を含む。外層は、基材の外面を少なくとも部分的に被覆する。第3の材料は、活性化可能な発泡剤を含む。活性化可能な発泡剤は、活性化中に第2の材料と熱結合する。
【0097】
実施形態23は、実施形態22に記載の特徴を含むが、物品は、耳栓である。
【0098】
実施形態24は、実施形態22又は23のいずれかに記載の特徴を含むが、発泡剤は、活性化中に膨張するように構成されている。
【0099】
実施形態25は、実施形態24に記載の特徴を含むが、発泡剤は、活性化中に膨張して金型の形状になるように構成されている。
【0100】
実施形態26は、実施形態22~25のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、ポリアミドを含み、第2の材料は、ポリオレフィンを含む。
【0101】
実施形態27は、実施形態26に記載の特徴を含むが、ポリオレフィンは、ポリプロピレンである。
【0102】
実施形態28は、実施形態22~27のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、押し出された混合物の少なくとも約50%である。
【0103】
実施形態29は、実施形態22~28のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、押し出された混合物の少なくとも約60%である。
【0104】
実施形態30は、実施形態22~29のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、押し出された混合物の少なくとも約65%である。
【0105】
実施形態31は、実施形態22~30のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料はまた、耐衝撃性改良剤を含む。
【0106】
実施形態32は、実施形態31に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約10%である。
【0107】
実施形態33は、実施形態31に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約15%である。
【0108】
実施形態34は、実施形態31に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約20%である。
【0109】
実施形態35は、実施形態31に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約25%である。
【0110】
実施形態36は、実施形態31~35のいずれか1つに記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンである。
【0111】
実施形態37は、実施形態22~36のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第3の材料は、基材上に押し出される。
【0112】
実施形態38は、実施形態22~37のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、聴覚保護装置の一部分を形成する。
【0113】
実施形態39は、実施形態22~38のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、フェイスピースの封止の一部分を形成する。
【0114】
実施形態40は、実施形態22~39のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、呼吸保護装置の一部分を形成する。
【0115】
実施形態41は、実施形態22~40のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、イヤーマフの一部分を形成する。
【0116】
実施形態42は、実施形態22~41のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、アイウェア物品の一部分を形成する。
【0117】
実施形態43は、物品を製造する方法である。この方法は、基材を外層で被覆することによって、第1の端部部分と第1の端部部分の反対側の第2の端部部分とを有するプリフォームを形成する工程を含む。基材は、第2の材料と共押出しされる第1の材料を含む。外層は、第3の材料を含み、第3の材料は、第1の端部部分から第2の端部部分までの少なくとも一部分に延びる。この方法はまた、第1の端部部分を第1の金型キャビティの中に配置し、第2の端部部分を第2の金型キャビティの中に配置する工程を含み、第1の金型キャビティは、最も幅広の点において、第2の金型キャビティの直径よりも小さい直径を有する。この方法はまた、外層の少なくとも一部分が膨張し、第2の金型キャビティの形状に適合するように、第2の端部部分の外層の少なくとも一部分に熱を加える工程を含み、外層は、基材に熱結合し、第1の端部部分は、ステムを形成し、第2の端部部分は、音響減衰部分を形成する。
【0118】
実施形態44は、実施形態43の特徴を含むが、第3の材料は、活性化されていない膨張性球状発泡剤を含む。
【0119】
実施形態45は、実施形態43又は44の特徴を含むが、熱を加えることは、外層の一部分を100℃~205℃の温度に供することを含む。
【0120】
実施形態46は、請求項43~45のいずれか1つに記載の特徴を含むが、熱結合は、第3の材料への第2の材料の結合を含む。
【0121】
実施形態47は、請求項43~46のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第3の材料は、活性化されていない化学発泡剤を含む。
【0122】
実施形態48は、請求項43~47のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、ポリアミドを含む。
【0123】
実施形態49は、請求項43~48のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、耐衝撃性改良剤を含む。
【0124】
実施形態50は、請求項43~49のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第2の材料は、ポリプロピレンを含む。
【0125】
実施形態51は、実施形態43~50のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、基材内にスキャフォールド構造を含み、第2の材料は、スキャフォールド構造内に少なくともいくつかの別個の領域を含む。
【0126】
実施形態52は、実施形態43~50 1コンマのいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、基材の少なくとも50%である。
【0127】
実施形態53は、実施形態43~52のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、基材の少なくとも60%である。
【0128】
実施形態54は、実施形態43~53のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、基材の少なくとも約65%である。
【0129】
実施形態55は、実施形態49~54のいずれか1つに記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約10%である。
【0130】
実施形態56は、実施形態49~54のいずれか1つに記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約15%である。
【0131】
実施形態57は、実施形態49~54のいずれか1つに記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約20%である。
【0132】
実施形態58は、実施形態49~54のいずれか1つに記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約25%である。
【0133】
実施形態59は、実施形態43~58のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、聴覚保護装置の一部分を形成する。
【0134】
実施形態60は、実施形態43~58のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、フェイスピースの封止の一部分を形成する。
【0135】
実施形態61は、実施形態43~58のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、呼吸保護装置の一部分を形成する。
【0136】
実施形態62は、実施形態43~58のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、イヤーマフの一部分を形成する。
【0137】
実施形態63は、実施形態43~58のいずれか1つに記載の特徴を含むが、外層は、アイウェア物品の一部分を形成する。
【0138】
実施形態64は、物品を製造する方法である。この方法は、基材を外層で被覆して、第1の端部部分と第2の端部部分とを有するプリフォームを調製する工程を含む。基材は、第1の材料及び第2の材料を含み、外層は、第3の材料を含み、第3の材料は、活性化温度を有する発泡剤を含む。第3の材料は、活性化温度未満の温度を有する。この方法はまた、プリフォームの第1の端部部分を金型の第1のキャビティの中に配置し、第2の端部部分を金型の第2のキャビティの中に配置する工程を含み、第1の金型キャビティは、最も幅広の点において、第2の金型キャビティの直径よりも小さい直径を有する。この方法はまた、第2の端部部分の温度を少なくとも発泡剤の活性化温度まで上昇させて、第2の端部部分内の発泡剤を活性化し、第2の端部部分を音響減衰部分へと形成する工程も含む。
【0139】
実施形態65は、実施形態64に記載の特徴を含むが、第1の材料は、ポリアミドである。
【0140】
実施形態66は、実施形態64又は65のいずれかに記載の特徴を含むが、第1の材料は、耐衝撃性改良剤を含む。
【0141】
実施形態67は、実施形態66に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約10%である。
【0142】
実施形態68は、実施形態66に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約15%である。
【0143】
実施形態69は、実施形態66に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約20%である。
【0144】
実施形態70は、実施形態66に記載の特徴を含むが、耐衝撃性改良剤は、第1の材料の少なくとも約25%である。
【0145】
実施形態71は、実施形態64~70のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料と第2の材料とは、共押出しされる。
【0146】
実施形態72は、実施形態64~71のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、基材の少なくとも約50%である。
【0147】
実施形態73は、実施形態64~72のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、基材の少なくとも約60%である。
【0148】
実施形態74は、実施形態64~73のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第1の材料は、基材の少なくとも約65%である。
【0149】
実施形態75は、実施形態64~74のいずれか1つに記載の特徴を含むが、基材を被覆することは、第3の材料を基材上に押し出すことを含む。
【0150】
実施形態76は、実施形態64~75のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第2の材料は、ポリオレフィンである。
【0151】
実施形態77は、実施形態64~75のいずれか1つに記載の特徴を含むが、第2の材料は、ポリプロピレンである。
【0152】
実施形態78は、実施形態64~77のいずれか1つに記載の特徴を含むが、発泡剤を活性化させることは、第2の端部部分を膨張させ、第2のキャビティの形状に適合させる。
【0153】
実施形態79は、実施形態64~78のいずれか1つに記載の特徴を含むが、活性化温度は、第1の材料の融点よりも低い。
【0154】
実施形態80は、実施形態64~79のいずれか1つに記載の特徴を含むが、活性化温度は、第2の材料と第3の材料との間の熱結合に十分な高さである。
【0155】
実施形態81は、実施形態64~80のいずれか1つに記載の特徴を含むが、活性化温度は、100℃~205℃である。
【0156】
実施形態82は、実施形態64~81のいずれか1つに記載の特徴を含むが、発泡剤の活性化中、第2のキャビティの上方に第1のキャビティを配置する工程も含む。
【実施例】
【0157】
コア試験方法
コア結合試験
外側の発泡体材料とコアとの間の結合が、発泡体成形プロセス後のコアの外観から視覚的に評価される。具体的には、発泡体は、成形後、コアに物理的に付着していなければならない。10Aの右側の画像は、良好な発泡体結合を示す。この画像では、発泡体の一部は、外側の発泡体材料がコアから引き離されたときに、コアに接着したままである。これは、不良モードが、発泡体の凝集不良であることを示している。左側の画像は、成形後の同様の形状のコアを示す。このケースでは、発泡体が引き離されたとき、発泡体とコアとの結合が維持されない。これは、許容できない不良と見なされる。
コアの機械的安定性試験
【0158】
また、コアの機械的安定性も、いくらか定性的に評価される。コアの直径及び長さの測定は、成形前に行われる。キャリパーを使用して評価した際に、成形後のコアの全体的な長さ又は直径の変化が5%を超えるときに不良が発生する。
コアの可撓性試験
【0159】
可撓性は、コアに使用される材料の曲げ弾性率に関連し、成形プロセスによる影響を受けないと考えられる。しかしながら、高度に剛直性の材料は、エンドユーザにとって快適でないことがあり、したがって、この用途には拒絶され得る。
実施例
【0160】
ポリプロピレンコア上に発泡性材料を押し出し、次いで、得られたオーバーコート押出物を1インチの長さに切断することによって、
図10Bの左側に示した1インチの円筒形のプリフォームを作製した。異なるコア材料を評価するために、プリフォームの真ん中からポリプロピレンを押し出し、同様のサイズの代替コア材料片と置き換えた。代替コア材料を、商業的供給源から棒材として入手し、次いで長さに切断したか、あるいはペレット形態で入手し、次いで押し出して、長さに切断した。約1インチの長さのプリフォームの圧縮成形によって、非常に長いガラス繊維を含有するポリプロピレンコアが得られた。
【0161】
代替コア材料が所定の位置にある状態で、プリフォームを375Fで5分間金型の中に置き、次いで、冷却して(
図2の右側に示す実施例の)耳栓を得た。次いで、発泡体をコア材料から引き離し、コアの結合及び変形を上述のように評価した。試験した様々な材料の結果を表1に示す。
【表1】