IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

特許7573610端末、無線通信方法、基地局及びシステム
<>
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図1
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図2
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図3
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図4
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図5
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図6
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図7
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図8
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図9
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図10
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図11
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図12
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図13
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図14
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図15
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図16
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図17
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図18
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図19
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図20
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図21
  • 特許-端末、無線通信方法、基地局及びシステム 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法、基地局及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/1268 20230101AFI20241018BHJP
   H04W 72/02 20090101ALI20241018BHJP
   H04W 72/563 20230101ALI20241018BHJP
   H04W 72/11 20230101ALI20241018BHJP
   H04W 72/21 20230101ALI20241018BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20241018BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W72/02
H04W72/563
H04W72/11
H04W72/21
H04W28/04 110
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022531238
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(86)【国際出願番号】 JP2020024236
(87)【国際公開番号】W WO2021255938
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 優元
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】Xiaomi,Discussion on remaining issues on UCI enhancement for URLLC,3GPP TSG RAN WG1#101-e R1-2003920,フランス,3GPP,2020年05月15日
【文献】NTT DOCOMO, INC.,UCI enhancements for URLLC,3GPP TSG RAN WG1#99 R1-1912886,フランス,3GPP,2019年11月09日
【文献】vivo,UL inter-UE Tx prioritization for URLLC,3GPP TSG RAN WG1#98b R1-1910225,フランス,3GPP,2019年10月04日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャンセルを行うUL送信のリソースに関する情報を含む下り制御情報と、設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度に関する情報と、セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度に関する情報と、を受信する受信部と、
前記セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルと前記設定グラントベースの上り共有チャネルが時間領域においてオーバーラップし、前記設定グラントベースの上り共有チャネルが前記UL送信をキャンセルするリソースを利用し、前記HARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度と前記設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度が同じ場合、前記HARQ-ACKを前記設定グラントベースの上り共有チャネルに多重した後に前記設定グラントベースの上り共有チャネルの送信を、前記下り制御情報に含まれる前記キャンセルを行う前記UL送信のリソースに関する前記情報に基づいて、キャンセルするように制御する制御部と、を有する端末。
【請求項2】
前記下り共有チャネルに対するHARQ-ACKの優先度と前記設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度がlowである請求項1に記載の端末。
【請求項3】
キャンセルを行うUL送信のリソースに関する情報を含む下り制御情報と、設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度に関する情報と、セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度に関する情報と、を受信する工程と、
前記セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルと前記設定グラントベースの上り共有チャネルが時間領域においてオーバーラップし、前記設定グラントベースの上り共有チャネルが前記UL送信をキャンセルするリソースを利用し、前記HARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度と前記設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度が同じ場合、前記HARQ-ACKを前記設定グラントベースの上り共有チャネルに多重した後に前記設定グラントベースの上り共有チャネルの送信を、前記下り制御情報に含まれる前記キャンセルを行う前記UL送信のリソースに関する前記情報に基づいて、キャンセルするように制御する工程と、を有する端末の無線通信方法。
【請求項4】
キャンセルを行うUL送信のリソースに関する情報を含む下り制御情報と、設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度に関する情報と、セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度に関する情報と、を送信する送信部と、
前記セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルと前記設定グラントベースの上り共有チャネルが時間領域においてオーバーラップし、前記設定グラントベースの上り共有チャネルが前記UL送信をキャンセルするリソースを利用し、前記HARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度と前記設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度が同じ場合、前記下り制御情報に含まれる前記キャンセルを行う前記UL送信のリソースに関する前記情報に基づいて、前記HARQ-ACKが多重された前記設定グラントベースの上り共有チャネルのキャンセルを指示する制御部と、を有する基地局。
【請求項5】
端末及び基地局を有するシステムであって、
前記端末は、
キャンセルを行うUL送信のリソースに関する情報を含む下り制御情報と、設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度に関する情報と、セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度に関する情報と、を受信する受信部と、
前記セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルと前記設定グラントベースの上り共有チャネルが時間領域においてオーバーラップし、前記設定グラントベースの上り共有チャネルが前記UL送信をキャンセルするリソースを利用し、前記HARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度と前記設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度が同じ場合、前記HARQ-ACKを前記設定グラントベースの上り共有チャネルに多重した後に前記設定グラントベースの上り共有チャネルの送信を、前記下り制御情報に含まれる前記キャンセルを行う前記UL送信のリソースに関する前記情報に基づいて、キャンセルするように制御する制御部と、を有し、
前記基地局は、
前記下り制御情報と、前記上り共有チャネルの優先度に関する情報と、前記上り制御チャネルの優先度に関する情報と、を送信する送信部と、
前記下り制御情報に含まれる前記キャンセルを行う前記UL送信のリソースに関する前記情報に基づいて、前記HARQ-ACKが多重された前記設定グラントベースの上り共有チャネルのキャンセルを指示する制御部と、を有するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、次世代移動通信システムにおける端末、無線通信方法及び基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてLong Term Evolution(LTE)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTE(Third Generation Partnership Project(3GPP) Release(Rel.)8、9)の更なる大容量、高度化などを目的として、LTE-Advanced(3GPP Rel.10-14)が仕様化された。
【0003】
LTEの後継システム(例えば、5th generation mobile communication system(5G)、5G+(plus)、New Radio(NR)、3GPP Rel.15以降などともいう)も検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 36.300 V8.12.0 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 8)”、2010年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
将来の無線通信システム(例えば、5G、NRなど)では、例えば、高速及び大容量(例えば、enhanced Mobile Broad Band(eMBB))、超多数端末(例えば、massive Machine Type Communication(mMTC)、Internet of Things(IoT))、超高信頼及び低遅延(例えば、Ultra Reliable and Low Latency Communications(URLLC))など、通信要件(requirement)が異なる複数のサービス(ユースケース、通信タイプ、等ともいう)が混在すること想定される。
【0006】
例えば、Rel.16以降では、信号/チャネルに対して優先度が設定され、各信号/チャネルにそれぞれ設定された優先度に基づいて通信を制御することが検討されている。例えば、複数の信号/チャネルがオーバーラップした場合に、各信号/チャネルの優先度に基づいて送受信が制御されることが想定される。
【0007】
また、遅延削減及び/又は信頼性に対する通信要件を満たすために、スケジュールされたuplink(UL)送信に対してキャンセル(cancellation、preemption、interruption、取り消し、割り込み、中断等ともいう)を行うことも想定される。
【0008】
しかし、複数のUL送信がオーバーラップする場合、UL送信のキャンセル情報に基づくUL送信制御をどのように制御するかについて十分に検討されていない。例えば、UL送信に優先度が設定される場合、優先度に基づくUL送信制御と、UL送信のキャンセル情報に基づくUL送信制御をどのように制御するかが問題となる。
【0009】
そこで、本開示は、UL送信のキャンセル動作がサポートされる場合であってもUL送信を適切に行うことができる端末、無線通信方法及び基地局を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る端末は、キャンセルを行うUL送信のリソースに関する情報を含む下り制御情報と、設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度に関する情報と、セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度に関する情報と、を受信する受信部と、前記セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACK送信用の上り制御チャネルと前記設定グラントベースの上り共有チャネルが時間領域においてオーバーラップし、前記設定グラントベースの上り共有チャネルが前記UL送信をキャンセルするリソースを利用し、前記HARQ-ACK送信用の上り制御チャネルの優先度と前記設定グラントベースの上り共有チャネルの優先度が同じ場合、前記HARQ-ACKを前記設定グラントベースの上り共有チャネルに多重した後に前記設定グラントベースの上り共有チャネルの送信を、前記下り制御情報に含まれる前記キャンセルを行う前記UL送信のリソースに関する前記情報に基づいて、キャンセルするように制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、UL送信のキャンセル動作がサポートされる場合であってもUL送信を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、優先度に基づくUL送信制御の一例を示す図である。
図2図2は、優先度に基づくUL送信制御の他の例を示す図である。
図3図3は、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの送信制御の一例を示す図である。
図4図4は、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの送信制御の他の例を示す図である。
図5図5は、ULキャンセル指示によりPUSCH送信がキャンセルされる場合の一例を示す図である。
図6図6は、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御の一例を示す図である。
図7図7は、第1の態様に係るUL送信制御の一例を示す図である。
図8図8は、第1の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図9図9は、第1の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図10図10は、第1の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図11図11は、第1の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図12図12は、第1の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図13図13は、第1の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図14図14は、第2の態様に係るUL送信制御の一例を示す図である。
図15図15は、第2の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図16図16は、第2の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図17図17は、第2の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図18図18は、第2の態様に係るUL送信制御の他の例を示す図である。
図19図19は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図20図20は、一実施形態に係る基地局の構成の一例を示す図である。
図21図21は、一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。
図22図22は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<トラフィックタイプ>
将来の無線通信システム(例えば、NR)では、モバイルブロードバンドのさらなる高度化(例えば、enhanced Mobile Broadband(eMBB))、多数同時接続を実現するマシンタイプ通信(例えば、massive Machine Type Communications(mMTC)、Internet of Things(IoT))、高信頼かつ低遅延通信(例えば、Ultra-Reliable and Low-Latency Communications(URLLC))などのトラフィックタイプ(サービス、サービスタイプ、通信タイプ、ユースケース、等ともいう)が想定される。例えば、URLLCでは、eMBBより小さい遅延及びより高い信頼性が要求される。
【0014】
トラフィックタイプは、物理レイヤにおいては、以下の少なくとも一つに基づいて識別されてもよい。
・異なる優先度(priority)を有する論理チャネル
・変調及び符号化方式(Modulation and Coding Scheme(MCS))テーブル(MCSインデックステーブル)
・チャネル品質指示(Channel Quality Indication(CQI))テーブル
・DCIフォーマット
・当該DCI(DCIフォーマット)に含まれる(付加される)巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)ビットのスクランブル(マスク)に用いられる(無線ネットワーク一時識別子(RNTI:System Information-Radio Network Temporary Identifier))
・RRC(Radio Resource Control)パラメータ
・特定のRNTI(例えば、URLLC用のRNTI、MCS-C-RNTI等)
・サーチスペース
・DCI内の所定フィールド(例えば、新たに追加されるフィールド又は既存のフィールドの再利用)
【0015】
具体的には、PDSCHに対するHARQ-ACKのトラフィックタイプは、以下の少なくとも一つに基づいて決定されてもよい。
・当該PDSCHの変調次数(modulation order)、ターゲット符号化率(target code rate)、トランスポートブロックサイズ(TBS:Transport Block size)の少なくとも一つの決定に用いられるMCSインデックステーブル(例えば、MCSインデックステーブル3を利用するか否か)
・当該PDSCHのスケジューリングに用いられるDCIのCRCスクランブルに用いられるRNTI(例えば、C-RNTI又はMCS-C-RNTIのどちらでCRCスクランブルされるか)
【0016】
また、SRのトラフィックタイプは、SRの識別子(SR-ID)として用いられる上位レイヤパラメータに基づいて決定されてもよい。当該上位レイヤパラメータは、当該SRのトラフィックタイプがeMBB又はURLLCのいずれであるかを示してもよい。
【0017】
また、CSIのトラフィックタイプは、CSI報告に関する設定(configuration)情報(CSIreportSetting)、トリガに利用されるDCIタイプ又はDCI送信パラメータ等に基づいて決定されてもよい。当該設定情報、DCIタイプ等は、当該CSIのトラフィックタイプがeMBB又はURLLCのいずれであるかを示してもよい。また、当該設定情報は、上位レイヤパラメータであってもよい。
【0018】
また、PUSCHのトラフィックタイプは、以下の少なくとも一つに基づいて決定されてもよい。
・当該PUSCHの変調次数、ターゲット符号化率、TBSの少なくとも一つの決定に用いられるMCSインデックステーブル(例えば、MCSインデックステーブル3を利用するか否か)
・当該PUSCHのスケジューリングに用いられるDCIのCRCスクランブルに用いられるRNTI(例えば、C-RNTI又はMCS-C-RNTIのどちらでCRCスクランブルされるか)
【0019】
トラフィックタイプは、通信要件(遅延、誤り率などの要件、要求条件)、データ種別(音声、データなど)などに関連付けられてもよい。
【0020】
URLLCの要件とeMBBの要件の違いは、URLLCの遅延(latency)がeMBBの遅延よりも小さいことであってもよいし、URLLCの要件が信頼性の要件を含むことであってもよい。
【0021】
例えば、eMBBのuser(U)プレーン遅延の要件は、下りリンクのUプレーン遅延が4msであり、上りリンクのUプレーン遅延が4msであること、を含んでもよい。一方、URLLCのUプレーン遅延の要件は、下りリンクのUプレーン遅延が0.5msであり、上りリンクのUプレーン遅延が0.5msであること、を含んでもよい。また、URLLCの信頼性の要件は、1msのUプレーン遅延において、32バイトの誤り率が10-5であることを含んでもよい。
【0022】
また、enhanced Ultra Reliable and Low Latency Communications(eURLLC)として、主にユニキャストデータ用のトラフィックの信頼性(reliability)の高度化が検討されている。以下において、URLLC及びeURLLCを区別しない場合、単にURLLCと呼ぶ。
【0023】
<優先度の設定>
Rel.16以降のNRでは、所定の信号又はチャネルに対して複数レベル(例えば、2レベル)の優先度を設定することが検討されている。例えば、異なるトラフィックタイプ(サービス、サービスタイプ、通信タイプ、ユースケース等ともいう)にそれぞれ対応する信号又はチャネル毎に別々の優先度を設定して通信を制御(例えば、衝突時の送信制御等)することが想定される。これにより、同じ信号又はチャネルに対して、サービスタイプ等に応じて異なる優先度を設定して通信を制御することが可能となる。
【0024】
優先度は、信号(例えば、HARQ-ACK等のUCI、参照信号等)、チャネル(PDSCH、PUSCH、PUCCH等)、参照信号(例えば、チャネル状態情報(CSI)、サウンディング参照信号(SRS)等)、スケジューリングリクエスト(SR)、及びHARQ-ACKコードブックの少なくとも一つに対して設定されてもよい。また、SRの送信に利用されるPUCCH,HARQ-ACKの送信に利用されるPUCCH,CSIの送信に利用されるPUCCHに対して優先度がそれぞれ設定されてもよい。
【0025】
優先度は、第1の優先度(例えば、high)と、当該第1の優先度より優先度が低い第2の優先度(例えば、low)で定義されてもよい。あるいは、3種類以上の優先度が設定されてもよい。
【0026】
例えば、動的にスケジュールされるPDSCH用のHARQ-ACK、セミパーシステントPDSCH(SPS PDSCH)用のHARQ-ACK、SPS PDSCHリリース用のHARQ-ACKに対して優先度が設定されてもよい。あるいは、これらのHARQ-ACKに対応するHARQ-ACKコードブックに対して優先度が設定されてもよい。なお、PDSCHに優先度を設定する場合、PDSCHの優先度を当該PDSCHに対するHARQ-ACKの優先度と読み替えてもよい。
【0027】
また、動的グラントベースのPUSCH、設定グラントベースのPUSCH等に対して優先度が設定されてもよい。
【0028】
優先度に関する情報は、上位レイヤシグナリング及びDCIの少なくとも一つを利用して基地局からUEに通知されてもよい。例えば、スケジューリングリクエストの優先度は、上位レイヤパラメータ(例えば、schedulingRequestPriority)で設定されてもよい。DCIでスケジュールされるPDSCH(例えば、ダイナミックPDSCH)に対するHARQ-ACKの優先度は、当該DCIで通知されてもよい。SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの優先度は、上位パラメータ(例えば、HARQ-ACK-Codebook-indicator-forSPS)で設定されてもよいし、SPS PDSCHのアクティブ化を指示するDCIで通知されてもよい。PUCCHで送信されるP-CSI/SP-CSIは所定の優先度(例えば、low)が設定されてもよい。一方で、PUSCHで送信されるA-CSI/SP-CSIは、DCI(例えば、トリガ用DCI又はアクティブ化用DCI)で優先度が通知されてもよい。
【0029】
ダイナミックグラントベースのPUSCHの優先度は、当該PUSCHをスケジュールするDCIで通知されてもよい。設定グラントベースのPUSCHの優先度は、上位レイヤパラメータ(例えば、priority)で設定されてもよい。P-SRS/SP-SRS、DCI(例えば、DCIフォーマット0_1/DCIフォーマット2_3)でトリガされるA-SRSは、所定の優先度(例えば、low)が設定されてもよい。
【0030】
(UL送信のオーバーラップ)
UEは、複数のUL信号/ULチャネルがオーバーラップ(又は、衝突)する場合、優先度に基づいてUL送信を制御してもよい。
【0031】
複数のUL信号/ULチャネルがオーバーラップするとは、複数のUL信号/ULチャネルの時間リソース(又は、時間リソースと周波数リソース)がオーバーラップする場合、又は複数のUL信号/ULチャネルの送信タイミングがオーバーラップする場合であってもよい。時間リソースは、時間領域又は時間ドメインと読み替えられてもよい。時間リソースは、シンボル、スロット、サブスロット、又はサブフレーム単位であってもよい。
【0032】
同一UE(例えば、intra-UE)において複数のUL信号/ULチャネルがオーバーラップすることは、少なくとも同一の時間リソース(例えば、シンボル)において複数のUL信号/ULチャネルがオーバーラップすることを意味してもよい。また、異なるUE(例えば、inter-UE)においてUL信号/ULチャネルが衝突することは、同一の時間リソース(例えば、シンボル)及び周波数リソース(例えば、RB)において複数のUL信号/ULチャネルがオーバーラップすることを意味してもよい。
【0033】
例えば、優先度が同じ複数のUL信号/ULチャネルがオーバーラップする場合、UEは、当該複数のUL信号/ULチャネルを、1つのULチャネルに多重(multiplex)して送信するように制御する(図1A参照)。
【0034】
図1Aでは、第1の優先度(high)が設定されるHARQ-ACK(又は、HARQ-ACK送信用のPUCCH)と、第1の優先度(high)が設定されるULデータ/UL-SCH(又は、ULデータ/UL-SCH送信用のPUSCH)がオーバーラップする場合を示している。この場合、UEは、HARQ-ACKをPUSCHに多重(又は、マッピング)してULデータとHARQ-ACKの両方を送信する。
【0035】
優先度が異なる複数のUL信号/ULチャネルがオーバーラップする場合、UEは、優先度が高いUL送信を行い(例えば、優先度が高いUL送信を優先し)、優先度が低いUL送信を行わない(例えば、ドロップする)ように制御してもよい(図1B参照)。
【0036】
図1Bでは、第1の優先度(high)が設定されるULデータ/HARQ-ACK(又は、ULデータ/HARQ-ACK送信用のULチャネル)と、第2の優先度(low)が設定されるULデータ/HARQ-ACK(又は、ULデータ/HARQ-ACK送信用のULチャネル)がオーバーラップする場合を示している。この場合、UEは、優先度が低いULデータ/HARQ-ACKをドロップし、優先度が高いULデータ/HARQ-ACKを優先(prioritize)して送信するように制御する。なお、UEは、優先度が低いUL送信の送信タイミングを変更(例えば、延期又はシフト)してもよい。
【0037】
2個より多い(又は、3個以上の)UL信号/ULチャネルが時間領域においてオーバーラップする場合(図2A参照)、2つのステップにより送信が制御されてもよい。第1のステップでは、優先度が同じUL送信間で1つのULチャネルに多重する(図2B参照)。第2のステップでは、優先度が異なるUL送信間で、優先度が高いUL送信を優先して送信し、優先度が低いUL送信をドロップするように制御してもよい(図2C参照)。
【0038】
(セミパーシステントスケジューリング)
NRでは、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC)で設定されるセミパーシステントスケジューリング(Semi-Persistent Scheduling(SPS))がサポートされる。SPSは、サービングセル毎、BWP毎、又はキャリア毎に設定されてもよい。例えば、DL SPSのアクティベーション/ディアクティベーションは、セル間、BWP間又はキャリアん間で別々に制御されてもよい。
【0039】
DL SPSは、PDSCHに適用されてもよい。この場合、PDSCHは、PDCCH(又は、DCI)によりアクティベーション/ディアクティベーションが指示されてもよい。ディアクティベーションは、リリース/解放と読み替えられてもよい。UEは、PDCCHによりDL SPSのアクティベーションが指示された場合、所定の送信条件を利用して送信/割当てが制御されるセミパーシステントPDSCHの受信動作を制御してもよい。受信動作は、PDCCH(又は、DCI)のモニタ、復号処理、又は復調処理と読み替えられてもよい。
【0040】
セミパーシステントPDSCHに適用される送信条件/送信パラメータは、PDCCH及び上位レイヤシグナリングの少なくとも一つにより設定されてもよい。送信条件は、例えば、PDSCH又は当該PDSCHをスケジュールするPDCCH(又は、DCI/DCIフォーマット)に適用される所定RNTI、SPS用のHARQプロセス数、及び周期(Periodicity)の少なくとも一つが含まれていてもよい。
【0041】
図3は、セミパーシステントPDSCH(SPS PDSCH)が送信される場合の一例を示している。ここでは、周期(Periodicity)が20ms、適用されるサブキャリア間隔が15kHzに設定される場合を示している。もちろん、PDSCHの送信条件はこれに限られない。
【0042】
図3において、ネットワークは、DCIを利用して、SPS PDSCHのアクティベーションを指示する。SPS PDSCHのアクティベーションを指示するDCIは、例えば、DCIフォーマット1_0/1_1であってもよい。UEは、当該DCIを検出した場合、所定周期でSPS PDSCHが送信されると想定(又は、期待)してSPS PDSCHの受信処理を行う。
【0043】
UEは、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKのフィードバックを行ってもよい。例えば、UEは、PUCCHを利用してSPS PDSCHに対するHARQ-ACKを送信してもよい。HARQ-ACK(又は、PUCCH)の送信タイミング(例えば、K0)等の条件は、SPS PDSCHのアクティブ化を指示するDCIを利用してUEに通知されてもよい。あるいは、HARQ-ACK(又は、PUCCH)の送信タイミング(例えば、K0)等の条件は、上位レイヤシグナリング(例えば、dl-DataToUL-ACK)で設定されてもよい。
【0044】
UEは、SPS PDSCHのディアクティベーションを指示するDCIを受信した場合、SPS PDSCHの受信処理を行わないように制御してもよい。UEは、SPS PDSCHのディアクティベーションを指示するDCIに対するHARQ-ACKのフィードバックを行ってもよい。例えば、UEは、PUCCHを利用してDCIに対するHARQ-ACKを送信してもよい。HARQ-ACK(又は、PUCCH)の送信タイミング(例えば、K1)等の条件は、SPS PDSCHのディアクティブ化を指示するDCIを利用してUEに通知されてもよい(図4参照)。
【0045】
SPS PDSCHに対するHARQ-ACKと、他のUL送信(例えば、PUSCH/SRS)が時間領域でオーバーラップする場合も想定される。かかる場合、各UL送信の優先度を考慮してUL送信を制御してもよい。
【0046】
SPS PDSCHに対するHARQ-ACKと他のUL送信とのオーバーラップは、所定条件において生じないように制御されてもよい。例えば、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの優先度が高い(high)場合、優先度が低い(low)の他のUL送信(PUSCH/PUCCH)が当該HARQ-ACKとオーバーラップする領域にダイナミックにスケジュールされないように制御されてもよい。UEは、SPS PDSCHに対するHARQ-ACK(high)とオーバーラップして、優先度が低い他のUL送信がDCIでスケジュールされることを想定しなくてもよい。
【0047】
一方で、SPS PDSCHに対するHARQ-ACKの優先度が低い(low)場合、他のUL送信(PUSCH/PUCCH)が当該HARQ-ACKとオーバーラップする領域にダイナミックにスケジュール又は準静的に設定されてもよい。
【0048】
(UL送信のキャンセル指示)
優先度が異なるトラフィックタイプの導入に伴い、最初にスケジュールされたUL送信より、後からスケジュールを行うUL送信を優先して送信したいケースが生じることが想定される。例えば、第1のUEに第1のUL送信(例えば、eMBB)をスケジュールした後に、当該第1のUL送信に利用するリソースを利用して、第2のUEに第2のUL送信(例えば、URLLC)をスケジュールしたいケースも考えられる。
【0049】
そのため、最初にスケジュールされたULチャネル/信号(例えば、PUSCH)が実際に送信される前に、当該ULチャネル/信号をキャンセルすると共に、キャンセルされたULチャネル/信号のリソースに他のULチャネル/信号をスケジュールすることが考えられる。
【0050】
そのため、所定のUL送信(又は、UL信号/ULチャネル)の送信のキャンセルを行うために、UL取消(cancellation)指示(indication)が検討されている。UL取消指示は、ULキャンセル指示と呼ばれてもよい。
【0051】
例えば、ULキャンセル指示は、1つのUEに対してスケジュール/設定されたUL送信(例えば、eMBB UL送信)を取り消すことによって、別のUEのUL送信(例えば、URLLC UL送信)を可能にする(例えば、図5参照)。図5は、UE#1にスケジュールされるeMBB UL送信(例えば、PUSCH#1)と、URLLC UE#2にスケジュールされるUL送信(例えば、PUSCH#2)がオーバーラップする場合に、ULキャンセル指示を利用してPUSCH#1をキャンセルする場合の一例を示している。
【0052】
ULキャンセル指示は、少なくとも所定のUL送信がキャンセルされるリソース(例えば、周波数リソース(PRB)及び時間リソース(シンボル))を指定してもよい。ここでは、PUSCH#1の送信に利用されるリソースの一部が、ULキャンセル指示で指定されるリソースに相当する場合を示している。
【0053】
図5では、UE#1がULキャンセル指示を検出した場合、当該UE#1は、UL送信を取り消す(キャンセルする、中止する)。UL送信を取り消すことは、UL送信をプリエンプトする(preempt)、UL送信を先取りする、UL送信に代わる、などと読み替えられてもよい。
【0054】
ULキャンセル指示は、ULキャンセル指示を受信したUEに対してスケジュールされたUL送信を中断(interrupt)/延期してもよい。また、ULキャンセル指示は、ULキャンセル指示を受信したUEが、当該UEのいかなる送信も意図されないと想定するリソースを通知するために用いられてもよい。
【0055】
ULキャンセル指示を実現するために、キャンセル指示用に少なくともグループ共通(group common(GC))-下り制御情報(DCI、物理下り制御チャネル(PDCCH))がサポートされてもよい。当該DCIは、所定のDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット2_4)が利用されてもよい。
【0056】
例えば、所定のDCIフォーマットにより、UL送信をキャンセルする周波数リソース(例えば、PRB)及び時間リソース(例えば、シンボル)に関する情報が1以上のUEに通知されてもよい。なお、ULキャンセル指示用のUE固有(UE-specific)DCIがサポートされてもよい。
【0057】
ULキャンセル指示(例えば、DCIフォーマット2_4)は、所定条件において、所定のUL送信、又は当該所定のUL送信を指示/スケジュールするDCI(例えば、ULグラント)に対してのみ適用されてもよい。所定のUL送信は、PUSCH及びSRSの少なくとも一つであってもよい。所定条件は、ULグラントの送信に利用されるPDCCHの最後のシンボル(ending symbol)が、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCHの先頭シンボル(first symbol)より前にある場合であってもよい。
【0058】
所定条件を満たす場合、UEは、ULキャンセル指示で通知されたリソースを利用するUL送信(例えば、DG-PUSCH#1)をキャンセルする(図6参照)。
【0059】
一方で、所定条件を満たさない場合、UEは、ULキャンセル指示で通知されたリソースを利用するUL送信をキャンセルしなくてもよい。例えば、UEが、ULキャンセル指示で通知されたリソースを利用するUL送信をスケジュールするULグラントを受信する場合を想定する。かかる場合、当該ULグラントの送信に利用するPDCCHの最後のシンボルが、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCHの先頭シンボルより前でない場合、UEはULキャンセル指示で通知されたリソースを利用するUL送信(例えば、DG-PUSCH#2)を行ってもよい(図6参照)。なお、この場合、DG-PUSCH#2は、キャンセルされるDG-PUSCH#1とオーバーラップしない領域にスケジュールされる構成としてもよい。
【0060】
DCIで通知されるULキャンセル指示(例えば、UL Cl)が適用されるUL送信は、上位レイヤパラメータの設定有無/当該UL送信に設定される優先度に基づいて決定されてもよい。
【0061】
例えば、あるUEに対して、ULキャンセル指示(例えば、UL Cl)と、優先度の指示(例えば、intra-UE priority indicator)が設定/適用される場合、所定の上位レイヤパラメータ(例えば、applicabilityforCI)の設定/通知有無に基づいて、ULキャンセル指示が適用されるUL送信が決定されてもよい。
【0062】
当該所定の上位レイヤパラメータが設定される場合、UEは、優先度が低い(例えば、第2の優先度(low)が設定された)UL送信に対してのみULキャンセル指示を適用してもよい。つまり、所定の上位レイヤパラメータが設定される場合、UEは、優先度が高い(例えば、第1の優先度(high)が設定された)UL送信についてULキャンセル指示を適用しなくてもよい。第2の優先度(low)が通知/設定されたUL送信にのみULキャンセル指示を適用する動作は、第1のUE動作(Behavioure#1)と呼ばれてもよい。
【0063】
所定の上位レイヤパラメータが設定されない場合、UEは、UL送信の優先度に関わらず、ULキャンセル指示を適用してもよい。UL送信の優先度に関わらず、ULキャンセル指示を適用する動作は、第2のUE動作(Behavioure#2)と呼ばれてもよい。
【0064】
あるいは、所定の上位レイヤパラメータにより、ULキャンセル指示が適用されるUL送信(例えば、優先度等)がUEに設定/通知されてもよい。
【0065】
このように、DCIに含まれるULキャンセル指示に基づいて、UL送信のキャンセルを制御することにより、トラフィックタイプが異なるUL送信のスケジュールを柔軟に制御することが可能となる。
【0066】
一方で、複数のUL送信がオーバーラップする場合、UL送信のキャンセル情報に基づくUL送信制御をどのように制御するかが問題となる。例えば、複数のUL送信がオーバーラップする場合、優先度に基づく送信制御と、ULキャンセル指示に基づく送信制御をどのように制御するかが問題となる。
【0067】
例えば、第1のUL送信と、第2のUL送信がオーバーラップする場合、優先度に基づく送信制御(例えば、多重/ドロップ)と、ULキャンセル指示に基づく送信制御(例えば、UL送信キャンセル)と、の適用をどのように制御するかが問題となる。
【0068】
本発明者らは、本実施の形態の一態様として、複数のUL送信がオーバーラップ場合に優先度に基づくUL送信制御とULキャンセル指示に基づくUL送信制御がある点に着目し、複数のUL送信制御の適用について検討して本実施の形態の一態様を着想した。
【0069】
また、本発明者らは、SPS PDSCHに対するHARQ-ACK(high)と他のUL送信(例えば、設定グラントベースPUSCH)のオーバーラップ、SPS PDSCHに対するHARQ-ACK(low)と他のUL送信のオーバーラップが生じる点に着目し、かかる場合の複数のUL送信制御の適用について検討して本実施の形態の一態様を着想した。
【0070】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施の態様で説明する構成は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【0071】
また、本開示において、「A/B」は、A及びBの少なくとも一つ、「A/B/C」は、A、B及びCの少なくとも一つと読み替えられてもよい。
【0072】
以下の説明では、第1のUL送信と第2のUL送信の2個のUL送信がオーバーラップ/衝突する場合を例に挙げて説明するが、3個以上のUL送信がオーバーラップ/衝突する場合にも適用できる。
【0073】
以下の説明では、第1のUL送信として、ダイナミックにスケジュールされるPDSCHに対するHARQ-ACK(第1の態様)用のPUCCH、又はSPS PDSCHに対するHARQ-ACK(第2の態様)用のPUCCHを例に挙げて説明するが、これに限られない。第1のUL送信は、HARQ-ACK以外の他のUCI(例えば、SR、CSI)送信用のPUCCHであってもよいし、PUCCH以外の他のUL送信であってもよい。また、第2のUL送信として、PUSCHを例に挙げて説明するが、これに限られない。第2のUL送信として、他のUL送信(例えば、SRS)であってもよい。
【0074】
また、以下の説明において、第1のUL送信は、ULキャンセル指示でキャンセルされないUL信号/ULチャネルであり、第2のUL送信は、ULキャンセル指示でキャンセルされ得るUL信号/ULチャネル(例えば、PUSCH/SRS)であってもよい。あるいは、第1のUL送信及び第2のUL送信は、ULキャンセル指示でキャンセルされ得るUL信号/ULチャネルであってもよい。
【0075】
(第1の態様)
第1の態様では、オーバーラップする第1のUL送信と第2のUL送信に対して、優先度に基づくUL送信制御と、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を適用する場合について説明する。
【0076】
優先度に基づくUL送信制御は、優先度に基づいて、第1のUL送信と第2のUL送信を共通のULチャネルに多重(multiplex)/マッピングする第1の動作、又は第1のUL送信と第2のUL送信の一方を優先して送信し他方をドロップする第2の動作であってもよい。第1の動作は第1のUL送信と第2のUL送信の優先度が同じ場合に適用され、第2の動作は第1のUL送信と第2のUL送信の優先度が異なる場合に適用されてもよい。
【0077】
ULキャンセル指示(例えば、DCIフォーマット2_4)に基づくUL送信制御は、ULキャンセル指示で通知されたリソースの少なくとも一部を利用するUL送信をキャンセルする動作であってもよい。ULキャンセル指示に基づくUL送信制御は、ULグラントの送信に利用されるPDCCHの最後のシンボル(ending symbol)が、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCHの先頭シンボル(first symbol)より前にある場合に適用されてもよい。
【0078】
UEは、第1のUL送信と第2のUL送信がオーバーラップする場合、以下の動作1-1~動作1-3の少なくとも一つを利用して、UL送信を制御してもよい。
【0079】
<動作1-1>
UEは、第1の送信制御(例えば、優先度に基づくUL送信制御)と、第2の送信制御(例えば、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御)と、の一方を常に先に(又は、優先して)適用し、その後に他方を適用するように制御する。
【0080】
例えば、UEは、優先度に基づくUL送信制御(例えば、UL intra-UE multiplexing/prioritization)を適用/優先し、その後にULキャンセル指示に基づくUL送信制御(UL cancelation)を適用してもよい。
【0081】
図7は、第2の優先度(low)が設定される第1のUL送信と、第2の優先度(low)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0082】
第1のUL送信は、DCIでスケジュールされるPDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信はDCIでダイナミックにスケジュールされるPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0083】
UEは、PDSCHをスケジュールするDCIに含まれる情報(例えば、K)に基づいて、HARQ-ACK(又は、HARQ-ACK用のPUCCH)の送信タイミングを決定してもよい。ここでは、PDSCHとHARQ-ACK用のPUCCH間のオフセットが、所定のタイムラインを満たす場合(例えば、N1+d1,1+1シンボルより大きい場合)を示している。N1は、PDSCHのプロセス能力(processing capability)、サブキャリア間隔、及びDMRSの追加ポジションに関する上位レイヤパラメータ(dmrs-AdditionalPosition)の少なくとも一つに基づいて決定される値であってもよい。d1,1は、PDSCHのプロセス能力、PDSCHマッピングタイプ、対応するPDCCH、及びPDSCHのシンボル数に基づいて決定される値であってもよい。
【0084】
UEは、PUSCHをスケジュールするDCIに含まれる情報(例えば、K)に基づいて、PUSCHの送信タイミングを決定してもよい。ここでは、DCI(又は、PDCCH)とPUSCH間のオフセットが、所定のタイムラインを満たす場合(例えば、N2+d2,1+1シンボルより大きい場合)を示している。N2は、PUSCHのプロセス能力(processing capability)、サブキャリア間隔、及びDMRSの追加ポジションに関する上位レイヤパラメータ(dmrs-AdditionalPosition)の少なくとも一つに基づいて決定される値であってもよい。d2,1は、PUSCHの割当てシンボルの構成に基づいて決定される値であってもよい。例えば、PUSCHの割当ての最初のシンボルがDMRSのみで構成される場合、d2,1=0であり、それ以外の場合はd2,1=1であってもよい。
【0085】
UEは、ULキャンセル指示に基づいて、ULキャンセルリソースの位置を決定してもよい。ここでは、DCI(又は、PDCCH)とULキャンセルリソース間のオフセットが、所定のタイムラインを満たす場合(例えば、T’proc,2シンボルより大きい場合)を示している。T’proc,2は、N2+d2,1シンボルであってもよい。N2は、PUSCHのプロセス能力(processing capability)、サブキャリア間隔、及びDMRSの追加ポジションに関する上位レイヤパラメータ(dmrs-AdditionalPosition)の少なくとも一つに基づいて決定される値であってもよい。また、N2は、UE能力2(capability 2)が適用されてもよい。d2,1は、doffset・2-μUL/2-μで示されてもよい。doffsetは、上位レイヤパラメータ(例えば、delta_offset)で通知される値であってもよい。μは、PDCCHのサブキャリア間隔の構成と、上位レイヤパラメータで設定される最小のサブキャリア間隔構成のうち最小のサブキャリア間隔に対応してもよい。
【0086】
なお、所定のタイムラインを満たさない場合には、優先度に基づく送信制御/ULキャンセル指示に基づく送信制御が適用されなくてもよい。
【0087】
また、図7では、PUSCHをスケジュールするDCIの送信に利用されるPDCCH(例えば、最後のシンボル)は、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCH(例えば、先頭シンボル)より前にある場合を示している。また、PDSCHをスケジュールするDCIの送信に利用されるPDCCH(例えば、最後のシンボル)は、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCH(例えば、先頭シンボル)より前にある場合を示している。
【0088】
UEは、はじめに優先度に基づくUL送信制御を行う。図7において、UEは、優先度が同じ第1のUL送信と第2のUL送信を共通のULチャネルに多重する。ここでは、UEは、第1のUL送信(HARQ-ACK)を第2のUL送信(ここでは、PUSCH)に多重するように制御する。多重するULチャネルは、あらかじめ仕様で定義されてもよいし、ネットワークからUEにDCI/上位レイヤシグナリングにより通知されてもよい。
【0089】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図7において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするため、第2のUL送信をキャンセルする。ここでは、PUSCHに多重されるHARQ-ACK(第1のUL送信)もキャンセルされる。
【0090】
なお、PUSCHをスケジュールするDCIの送信に利用されるPDCCHの最後のシンボルが、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCHの先頭シンボルより後ろにある場合、第2のUL送信はキャンセルせずに送信されてもよい。
【0091】
図8は、図7において、第2のUL送信が設定グラントベースのPUSCH(例えば、DCIでダイナミックにスケジュールされないPUSCH)である場合を示している。PDSCHをスケジュールするDCIの送信に利用されるPDCCHの最後のシンボルは、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCHの先頭シンボルより後にある場合を示している。
【0092】
はじめに、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行う。図8において、UEは、優先度が同じ第1のUL送信と第2のUL送信を共通のULチャネルに多重する。ここでは、UEは、第1のUL送信(HARQ-ACK)を第2のUL送信(ここでは、設定グラントベースのPUSCH)に多重するように制御する。
【0093】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図8において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするため、第2のUL送信をキャンセルする。ここでは、PUSCHに多重されるHARQ-ACK(第1のUL送信)もキャンセルされる。
【0094】
図9は、第1の優先度(high)が設定される第1のUL送信と、第2の優先度(low)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0095】
第1のUL送信は、DCIでスケジュールされるPDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信はDCIでダイナミックにスケジュールされるPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0096】
また、図9では、PUSCHをスケジュールするDCIの送信に利用されるPDCCHの最後のシンボルは、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCHの先頭シンボルより前にある場合を示している。また、PDSCHをスケジュールするDCIの送信に利用されるPDCCHの最後のシンボルは、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCHの先頭シンボルより前にある場合を示している。
【0097】
はじめに、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行う。図9において、UEは、優先度が高い第1のUL送信を優先し、優先度が低い第2のUL送信をドロップ(又は、キャンセル)する。
【0098】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図9において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするが、第2のUL送信はドロップされている。そのため、UEは、第1のUL送信を送信し、第2のUL送信は行わないように制御してもよい。
【0099】
図10は、第2の優先度(low)が設定される第1のUL送信と、第1の優先度(high)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0100】
第1のUL送信は、DCIでスケジュールされるPDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信はDCIでダイナミックにスケジュールされるPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0101】
また、図10では、PUSCHをスケジュールするDCIの送信に利用されるPDCCHの最後のシンボルは、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCHの先頭シンボルより前にある場合を示している。また、PDSCHをスケジュールするDCIの送信に利用されるPDCCHの最後のシンボルは、ULキャンセル指示の送信に利用されるPDCCHの先頭シンボルより前にある場合を示している。
【0102】
はじめに、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行う。図10において、UEは、優先度が高い第2のUL送信を優先し、優先度が低い第1のUL送信をドロップ(又は、キャンセル)する。
【0103】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図10において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするため、第2のUL送信をキャンセルする。
【0104】
このように、優先度に基づくUL送信制御を最初に適用し、その後にULキャンセル指示に基づくUL送信制御を適用することにより、優先度に基づくUL送信制御がULキャンセル指示に影響されずに行うことができる。
【0105】
なお、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御(UL cancelation)を適用/優先し、その後に優先度に基づくUL送信制御(例えば、UL intra-UE multiplexing/prioritization)を適用してもよい。
【0106】
<動作1-2>
UEは、第1の送信制御(例えば、優先度に基づくUL送信制御)と、第2の送信制御(例えば、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御)と、のうち最初に(又は、優先して)適用する送信制御を自律的に決定してもよい。あるいは、最初に(又は、優先して)適用する送信制御が上位レイヤシグナリング等によりネットワークからUEに設定されてもよい。
【0107】
<動作1-3>
UEは、所定条件に基づいて、第1の送信制御(例えば、優先度に基づくUL送信制御)と、第2の送信制御(例えば、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御)と、のうち、先に(又は、優先して)適用する送信制御を判断してもよい。所定条件は、例えば、対応するDCI(又は、PDCCH)の受信タイミングであってもよい。
【0108】
例えば、UEは、第1の送信制御に対応するDCI/第2の送信制御に対応するDCIと、ULキャンセル指示に対応するDCIと、の受信タイミングに基づいて、UL送信制御の適用順序を決定してもよい。
【0109】
<ケース1>
UEが、PDSCHをスケジュールするDCI、及びPUSCHをスケジュールするDCIの少なくとも一つを受信した後に、ULキャンセル指示を指定するDCIを受信し、当該ULキャンセル指示によりPUSCHの送信に利用されるリソースが指定される場合を想定する。かかる場合、UEは、優先度に基づくUL送信制御を先に適用し、その後にULキャンセル指示に基づくUL送信制御を適用してもよい。かかる動作は、HARQ-ACKの優先度/PUSCHの優先度に関わらず適用されてもよい。
【0110】
図11は、第2の優先度(low)が設定される第1のUL送信と、第2の優先度(low)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0111】
第1のUL送信は、DCIでスケジュールされるPDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信はDCIでダイナミックにスケジュールされるPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0112】
UEは、PDSCHをスケジュールするDCIに含まれる情報に基づいて、HARQ-ACK(又は、HARQ-ACK用のPUCCH)の送信タイミングを決定してもよい。ここでは、PDSCHとHARQ-ACK用のPUCCH間のオフセットが、所定のタイムライン(>N1+d1,1+1シンボル)を満たす場合を示している。
【0113】
UEは、PUSCHをスケジュールするDCIに含まれる情報に基づいて、PUSCHの送信タイミングを決定してもよい。ここでは、DCI(又は、PDCCH)とPUSCH間のオフセットが、所定のタイムライン(>N2+d2,1+1シンボル)を満たす場合を示している。
【0114】
UEは、ULキャンセル指示に基づいて、ULキャンセルリソースの位置を決定してもよい。ここでは、DCI(又は、PDCCH)とULキャンセルリソース間のオフセットが、所定のタイムライン(>T’proc,2シンボル)を満たす場合を示している。
【0115】
なお、所定のタイムラインを満たさない場合には、優先度に基づく送信制御/ULキャンセル指示に基づく送信制御が適用されなくてもよい。
【0116】
また、図11では、PDSCHをスケジュールするDCI、PUSCHをスケジュールするDCIを受信/検出した後に、ULキャンセル指示を指示するDCIを受信/検出する場合を示している。この場合、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行った後に、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。
【0117】
図11において、UEは、はじめに優先度に基づくUL送信制御を行う。図11において、UEは、優先度が同じ第1のUL送信と第2のUL送信を共通のULチャネルに多重する。ここでは、UEは、第1のUL送信(HARQ-ACK)を第2のUL送信(ここでは、PUSCH)に多重するように制御する。
【0118】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図11において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするため、第2のUL送信をキャンセルする。ここでは、PUSCHに多重されるHARQ-ACK(第1のUL送信)もキャンセルされる。
【0119】
図12は、図11において、第1のUL送信に第1の優先度(high)が設定される場合を示している。その他の構成は図11と同じである。
【0120】
図12において、UEは、はじめに優先度に基づくUL送信制御を行う。図12において、UEは、優先度が高い第1のUL送信を優先し、優先度が低い第2のUL送信をドロップ(又は、キャンセル)する。
【0121】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図12において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするが、第2のUL送信はドロップされている。そのため、UEは、第1のUL送信を送信し、第2のUL送信は行わないように制御してもよい。
【0122】
<ケース2>
UEが、ULキャンセル指示を指定するDCIを受信した後に、PDSCHをスケジュールするDCI(又は、PDSCHに対応するHARQ-ACK)と、設定グラントベースPUSCHを受信し、当該ULキャンセル指示によりPUSCHの送信に利用されるリソースが指定される場合を想定する。かかる場合、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を先に適用し、その後に優先度に基づくUL送信制御を適用してもよい。かかる動作は、HARQ-ACKの優先度/PUSCHの優先度に関わらず適用されてもよい。
【0123】
第2のUL送信が設定グラントベースのPUSCHである場合、UEは、ULキャンセル指示を指定するDCIの受信タイミングと、設定グラントベースのPUSCHの受信タイミングに基づいてUL送信制御の適用順序を決定してもよい。
【0124】
図13は、第2の優先度(low)が設定される第1のUL送信と、第2の優先度(low)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0125】
第1のUL送信は、DCIでスケジュールされるPDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信は設定グラントベースのPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0126】
UEは、PDSCHをスケジュールするDCIに含まれる情報に基づいて、HARQ-ACK(又は、HARQ-ACK用のPUCCH)の送信タイミングを決定してもよい。ここでは、PDSCHとHARQ-ACK用のPUCCH間のオフセットが、所定のタイムライン(>N1+d1,1+1シンボル)を満たす場合を示している。
【0127】
UEは、ULキャンセル指示に基づいて、ULキャンセルリソースの位置を決定してもよい。ここでは、DCI(又は、PDCCH)とULキャンセルリソース間のオフセットが、所定のタイムライン(>T’proc,2シンボル)を満たす場合を示している。
【0128】
なお、所定のタイムラインを満たさない場合には、優先度に基づく送信制御、ULキャンセル指示に基づく送信制御が適用されなくてもよい。
【0129】
また、図13では、ULキャンセル指示を指示するDCIを受信/検出した後に、PDSCHをスケジュールするDCI、PUSCHをスケジュールするDCIを受信/検出する場合を示している。この場合、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行った後に、優先度に基づくUL送信制御を行う。
【0130】
図13において、UEは、はじめにULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図13において、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするため、第2のUL送信をキャンセルする。
【0131】
次に、UEは、図13において、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行う。しかし、第2のUL送信はすでにキャンセル済みであり、第1のUL送信と第2のUL送信はオーバーラップしないため、UEは、第1のUL送信を送信するように制御してもよい。
【0132】
このように、DCIの受信タイミングに基づいて適用するUL送信制御の順序を決定することにより、オーバーラップするUL送信の優先度が同じ場合であっても一方のUL送信をキャンセルせずに行うことが可能となる。
【0133】
(第2の態様)
第2の態様では、第1のUL送信がSPS PDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合について説明する。第1の態様と第2の態様は組み合わせて適用してもよい。
【0134】
UEは、第2のUL送信がDCIでスケジュールされないUL送信(例えば、設定グラントベースのPUSCH)である場合、以下の動作2-1-1~動作2-1-2の少なくとも一つを利用して、UL送信を制御してもよい。
【0135】
<動作2-1-1>
UEは、第1の送信制御(例えば、優先度に基づくUL送信制御)と、第2の送信制御(例えば、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御)と、の一方を先に(又は、優先して)適用し、その後に他方を適用するように制御する。
【0136】
例えば、UEは、優先度に基づくUL送信制御(例えば、UL intra-UE multiplexing/prioritization)を適用/優先し、その後にULキャンセル指示に基づくUL送信制御(UL cancelation)を適用してもよい。
【0137】
図14は、第1の優先度(high)が設定される第1のUL送信と、第2の優先度(low)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0138】
第1のUL送信は、DCIでアクティブ化されるSPS PDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信は設定グラントベースのPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0139】
はじめに、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行う。図14において、UEは、優先度が高い第1のUL送信を優先し、優先度が低い第2のUL送信をドロップ(又は、キャンセル)する。
【0140】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図14において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするが、第2のUL送信はドロップされている。そのため、UEは、第1のUL送信を送信し、第2のUL送信は行わないように制御してもよい。
【0141】
図15は、第2の優先度(high)が設定される第1のUL送信と、第2の優先度(low)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0142】
第1のUL送信は、DCIでアクティブ化されるSPS PDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信は設定グラントベースのPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0143】
はじめに、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行う。図15において、UEは、優先度が同じ第1のUL送信と第2のUL送信を共通のULチャネルに多重する。ここでは、UEは、第1のUL送信(HARQ-ACK)を第2のUL送信(ここでは、PUSCH)に多重するように制御する。
【0144】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図15において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするため、第2のUL送信をキャンセルする。ここでは、PUSCHに多重されるHARQ-ACK(第1のUL送信)もキャンセルされる。
【0145】
優先度に基づくUL送信制御を最初に適用し、その後にULキャンセル指示に基づくUL送信制御を適用することにより、優先度に基づくUL送信制御がULキャンセル指示に影響されずに行うことができる。
【0146】
なお、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御(UL cancelation)を適用/優先し、その後に優先度に基づくUL送信制御(例えば、UL intra-UE multiplexing/prioritization)を適用してもよい。
【0147】
<動作2-1-2>
UEは、第1の送信制御(例えば、優先度に基づくUL送信制御)と、第2の送信制御(例えば、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御)と、のうち最初に(又は、優先して)適用する送信制御を自律的に決定してもよい。あるいは、最初に(又は、優先して)適用する送信制御が上位レイヤシグナリング等によりネットワークからUEに設定されてもよい。
【0148】
UEは、第2のUL送信がDCIでスケジュールされるUL送信(例えば、ダイナミックグラントベースのPUSCH)である場合、以下の動作2-2-1~動作2-2-3の少なくとも一つを利用して、UL送信を制御してもよい。
【0149】
<動作2-2-1>
UEは、第1の送信制御(例えば、優先度に基づくUL送信制御)と、第2の送信制御(例えば、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御)と、の一方を先に(又は、優先して)適用し、その後に他方を適用するように制御する。
【0150】
例えば、UEは、優先度に基づくUL送信制御(例えば、UL intra-UE multiplexing/prioritization)を適用/優先し、その後にULキャンセル指示に基づくUL送信制御(UL cancelation)を適用してもよい。
【0151】
図16は、第2の優先度(high)が設定される第1のUL送信と、第1の優先度(high)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0152】
第1のUL送信は、DCIでアクティブ化されるSPS PDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信はDCIでダイナミックにスケジュールされるPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0153】
はじめに、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行う。図16において、UEは、優先度が高い第2のUL送信を優先し、優先度が低い第1のUL送信をドロップ(又は、キャンセル)する。
【0154】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図16において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするため、第2のUL送信をキャンセルする。
【0155】
優先度に基づくUL送信制御を最初に適用し、その後にULキャンセル指示に基づくUL送信制御を適用することにより、優先度に基づくUL送信制御がULキャンセル指示に影響されずに行うことができる。
【0156】
なお、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御(UL cancelation)を適用/優先し、その後に優先度に基づくUL送信制御(例えば、UL intra-UE multiplexing/prioritization)を適用してもよい。この場合、図16において、第2のUL送信をキャンセルし、第1のUL送信を行ってもよい。
【0157】
<動作2-2-2>
UEは、第1の送信制御(例えば、優先度に基づくUL送信制御)と、第2の送信制御(例えば、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御)と、のうち最初に(又は、優先して)適用する送信制御を自律的に決定してもよい。あるいは、最初に(又は、優先して)適用する送信制御が上位レイヤシグナリング等によりネットワークからUEに設定されてもよい。
【0158】
<動作2-2-3>
UEは、所定条件に基づいて、第1の送信制御(例えば、優先度に基づくUL送信制御)と、第2の送信制御(例えば、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御)と、のうち、先に(又は、優先して)適用する送信制御を判断してもよい。所定条件は、例えば、対応するDCI(又は、PDCCH)の受信タイミングであってもよい。
【0159】
例えば、UEは、第1の送信制御に対応するDCI/第2の送信制御に対応するDCIと、ULキャンセル指示に対応するDCIと、の受信タイミングに基づいて、送信制御の適用順序を決定してもよい。
【0160】
<ケース1>
UEが、SPS PDSCHをアクティブ化するDCIとPUSCHをスケジュールするDCIを受信した後に、ULキャンセル指示を指定するDCIを受信し、当該ULキャンセル指示によりPUSCHの送信に利用されるリソースが指定される場合を想定する。かかる場合、UEは、優先度に基づくUL送信制御を先に適用し、その後にULキャンセル指示に基づくUL送信制御を適用してもよい。かかる動作は、HARQ-ACKの優先度が第2の優先度(low)であり、PUSCHの優先度が第1の優先度(high)の場合に適用されてもよい。
【0161】
図17は、第2の優先度(low)が設定される第1のUL送信と、第2の優先度(low)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0162】
第1のUL送信は、DCIでスケジュールされるPDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信はDCIでダイナミックにスケジュールされるPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0163】
UEは、PDSCHをアクティブ化するDCIに含まれる情報に基づいて、HARQ-ACK(又は、HARQ-ACK用のPUCCH)の送信タイミングを決定してもよい。
【0164】
UEは、PUSCHをスケジュールするDCIに含まれる情報に基づいて、PUSCHの送信タイミングを決定してもよい。ここでは、DCI(又は、PDCCH)とPUSCH間のオフセットが、所定のタイムライン(>N2+d2,1+1シンボル)を満たす場合を示している。
【0165】
UEは、ULキャンセル指示に基づいて、ULキャンセルリソースの位置を決定してもよい。ここでは、DCI(又は、PDCCH)とULキャンセルリソース間のオフセットが、所定のタイムライン(>T’proc,2シンボル)を満たす場合を示している。
【0166】
なお、所定のタイムラインを満たさない場合には、優先度に基づく送信制御、ULキャンセル指示に基づく送信制御が適用されなくてもよい。
【0167】
また、図17では、PDSCHをアクティブ化するDCI、PUSCHをスケジュールするDCIを受信/検出した後に、ULキャンセル指示を指示するDCIを受信/検出する場合を示している。この場合、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行った後に、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。
【0168】
図17において、UEは、はじめに優先度に基づくUL送信制御を行う。図17において、UEは、優先度が高い第2のUL送信を優先し、優先度が低い第1のUL送信をドロップ(又は、キャンセル)する。
【0169】
次に、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図17において、UEは、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするため、第2のUL送信をキャンセルする。
【0170】
<ケース2>
UEが、ULキャンセル指示を指定するDCIを受信した後に、PUSCHをスケジュールするDCIを受信し、当該ULキャンセル指示によりPUSCHの送信に利用されるリソースが指定される場合を想定する。かかる場合、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を先に適用し、その後に優先度に基づくUL送信制御を適用してもよい。
【0171】
図18は、第2の優先度(low)が設定される第1のUL送信と、第1の優先度(high)が設定される第2のUL送信がオーバーラップし、第2のUL送信がULキャンセル指示で通知されるリソースの一部/全部を利用する場合を示している。
【0172】
第1のUL送信は、DCIでアクティブ化されるSPS PDSCHに対するHARQ-ACK(又は、当該HARQ-ACK送信用のPUCCH)である場合を示している。第2のUL送信はDCIでダイナミックにスケジュールされるPUSCH(又は、当該PUSCHで送信されるULデータ)である場合を示している。
【0173】
UEは、PDSCHをアクティブ化するDCIに含まれる情報に基づいて、HARQ-ACK(又は、HARQ-ACK用のPUCCH)の送信タイミングを決定してもよい。
【0174】
UEは、PUSCHをスケジュールするDCIに含まれる情報に基づいて、PUSCHの送信タイミングを決定してもよい。ここでは、DCI(又は、PDCCH)とPUSCH間のオフセットが、所定のタイムライン(>N2+d2,1+1シンボル)を満たす場合を示している。
【0175】
UEは、ULキャンセル指示に基づいて、ULキャンセルリソースの位置を決定してもよい。ここでは、DCI(又は、PDCCH)とULキャンセルリソース間のオフセットが、所定のタイムライン(>T’proc,2シンボル)を満たす場合を示している。
【0176】
なお、所定のタイムラインを満たさない場合には、優先度に基づく送信制御、ULキャンセル指示に基づく送信制御が適用されなくてもよい。
【0177】
また、図18では、ULキャンセル指示を指示するDCIを受信/検出した後に、PUSCHをスケジュールするDCIを受信/検出する場合を示している。この場合、UEは、ULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行った後に、優先度に基づくUL送信制御を行う。
【0178】
図18において、UEは、はじめにULキャンセル指示に基づくUL送信制御を行う。図18において、ULキャンセル指示で通知されるリソースと、第2のUL送信(ここでは、PUSCH)の割当てリソースと、が時間領域でオーバーラップするため、第2のUL送信をキャンセルする。
【0179】
次に、UEは、図18において、UEは、優先度に基づくUL送信制御を行う。しかし、第2のUL送信はすでにキャンセル済みであり、第1のUL送信と第2のUL送信はオーバーラップしないため、UEは、第1のUL送信を送信するように制御してもよい。
【0180】
あるいは、PUSCHのスケジュールに利用されるDCIが、ULキャンセル指示を通知するDCIより後に送信されるため、第2のUL送信(PUSCH)をキャンセルしないように制御してもよい。この場合、UEは、続いて適用する優先度に基づくUL送信制御により、第1のUL送信をドロップし、第2のUL送信を送信するように制御してもよい。
【0181】
(バリエーション)
第1の態様及び第2の態様において、上位レイヤシグナリングの設定によりULキャンセル指示が適用されるUL送信が制御されてもよい。例えば、所定の上位レイヤシグナリング(例えば、applicabilityforCI)が設定される場合、第2の優先度(low)のUL送信に対してULキャンセル指示によるキャンセルを適用し、第1の優先度のUL送信に対してULキャンセル指示を適用しなくてもよい。また、所定の上位レイヤシグナリングが設定されない場合、UL送信の優先度に関わらず、ULキャンセル指示を適用してもよい。
【0182】
(無線通信システム)
以下、本開示の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本開示の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0183】
図19は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1は、Third Generation Partnership Project(3GPP)によって仕様化されるLong Term Evolution(LTE)、5th generation mobile communication system New Radio(5G NR)などを用いて通信を実現するシステムであってもよい。
【0184】
また、無線通信システム1は、複数のRadio Access Technology(RAT)間のデュアルコネクティビティ(マルチRATデュアルコネクティビティ(Multi-RAT Dual Connectivity(MR-DC)))をサポートしてもよい。MR-DCは、LTE(Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA))とNRとのデュアルコネクティビティ(E-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC))、NRとLTEとのデュアルコネクティビティ(NR-E-UTRA Dual Connectivity(NE-DC))などを含んでもよい。
【0185】
EN-DCでは、LTE(E-UTRA)の基地局(eNB)がマスタノード(Master Node(MN))であり、NRの基地局(gNB)がセカンダリノード(Secondary Node(SN))である。NE-DCでは、NRの基地局(gNB)がMNであり、LTE(E-UTRA)の基地局(eNB)がSNである。
【0186】
無線通信システム1は、同一のRAT内の複数の基地局間のデュアルコネクティビティ(例えば、MN及びSNの双方がNRの基地局(gNB)であるデュアルコネクティビティ(NR-NR Dual Connectivity(NN-DC)))をサポートしてもよい。
【0187】
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する基地局12(12a-12c)と、を備えてもよい。ユーザ端末20は、少なくとも1つのセル内に位置してもよい。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示す態様に限定されない。以下、基地局11及び12を区別しない場合は、基地局10と総称する。
【0188】
ユーザ端末20は、複数の基地局10のうち、少なくとも1つに接続してもよい。ユーザ端末20は、複数のコンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))を用いたキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation(CA))及びデュアルコネクティビティ(DC)の少なくとも一方を利用してもよい。
【0189】
各CCは、第1の周波数帯(Frequency Range 1(FR1))及び第2の周波数帯(Frequency Range 2(FR2))の少なくとも1つに含まれてもよい。マクロセルC1はFR1に含まれてもよいし、スモールセルC2はFR2に含まれてもよい。例えば、FR1は、6GHz以下の周波数帯(サブ6GHz(sub-6GHz))であってもよいし、FR2は、24GHzよりも高い周波数帯(above-24GHz)であってもよい。なお、FR1及びFR2の周波数帯、定義などはこれらに限られず、例えばFR1がFR2よりも高い周波数帯に該当してもよい。
【0190】
また、ユーザ端末20は、各CCにおいて、時分割複信(Time Division Duplex(TDD))及び周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))の少なくとも1つを用いて通信を行ってもよい。
【0191】
複数の基地局10は、有線(例えば、Common Public Radio Interface(CPRI)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線(例えば、NR通信)によって接続されてもよい。例えば、基地局11及び12間においてNR通信がバックホールとして利用される場合、上位局に該当する基地局11はIntegrated Access Backhaul(IAB)ドナー、中継局(リレー)に該当する基地局12はIABノードと呼ばれてもよい。
【0192】
基地局10は、他の基地局10を介して、又は直接コアネットワーク30に接続されてもよい。コアネットワーク30は、例えば、Evolved Packet Core(EPC)、5G Core Network(5GCN)、Next Generation Core(NGC)などの少なくとも1つを含んでもよい。
【0193】
ユーザ端末20は、LTE、LTE-A、5Gなどの通信方式の少なくとも1つに対応した端末であってもよい。
【0194】
無線通信システム1においては、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))ベースの無線アクセス方式が利用されてもよい。例えば、下りリンク(Downlink(DL))及び上りリンク(Uplink(UL))の少なくとも一方において、Cyclic Prefix OFDM(CP-OFDM)、Discrete Fourier Transform Spread OFDM(DFT-s-OFDM)、Orthogonal Frequency Division Multiple Access(OFDMA)、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)などが利用されてもよい。
【0195】
無線アクセス方式は、波形(waveform)と呼ばれてもよい。なお、無線通信システム1においては、UL及びDLの無線アクセス方式には、他の無線アクセス方式(例えば、他のシングルキャリア伝送方式、他のマルチキャリア伝送方式)が用いられてもよい。
【0196】
無線通信システム1では、下りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))、ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel(PBCH))、下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel(PDCCH))などが用いられてもよい。
【0197】
また、無線通信システム1では、上りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel(PUSCH))、上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel(PUCCH))、ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel(PRACH))などが用いられてもよい。
【0198】
PDSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、System Information Block(SIB)などが伝送される。PUSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送されてもよい。また、PBCHによって、Master Information Block(MIB)が伝送されてもよい。
【0199】
PDCCHによって、下位レイヤ制御情報が伝送されてもよい。下位レイヤ制御情報は、例えば、PDSCH及びPUSCHの少なくとも一方のスケジューリング情報を含む下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))を含んでもよい。
【0200】
なお、PDSCHをスケジューリングするDCIは、DLアサインメント、DL DCIなどと呼ばれてもよいし、PUSCHをスケジューリングするDCIは、ULグラント、UL DCIなどと呼ばれてもよい。なお、PDSCHはDLデータで読み替えられてもよいし、PUSCHはULデータで読み替えられてもよい。
【0201】
PDCCHの検出には、制御リソースセット(COntrol REsource SET(CORESET))及びサーチスペース(search space)が利用されてもよい。CORESETは、DCIをサーチするリソースに対応する。サーチスペースは、PDCCH候補(PDCCH candidates)のサーチ領域及びサーチ方法に対応する。1つのCORESETは、1つ又は複数のサーチスペースに関連付けられてもよい。UEは、サーチスペース設定に基づいて、あるサーチスペースに関連するCORESETをモニタしてもよい。
【0202】
1つのサーチスペースは、1つ又は複数のアグリゲーションレベル(aggregation Level)に該当するPDCCH候補に対応してもよい。1つ又は複数のサーチスペースは、サーチスペースセットと呼ばれてもよい。なお、本開示の「サーチスペース」、「サーチスペースセット」、「サーチスペース設定」、「サーチスペースセット設定」、「CORESET」、「CORESET設定」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0203】
PUCCHによって、チャネル状態情報(Channel State Information(CSI))、送達確認情報(例えば、Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement(HARQ-ACK)、ACK/NACKなどと呼ばれてもよい)及びスケジューリングリクエスト(Scheduling Request(SR))の少なくとも1つを含む上り制御情報(Uplink Control Information(UCI))が伝送されてもよい。PRACHによって、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送されてもよい。
【0204】
なお、本開示において下りリンク、上りリンクなどは「リンク」を付けずに表現されてもよい。また、各種チャネルの先頭に「物理(Physical)」を付けずに表現されてもよい。
【0205】
無線通信システム1では、同期信号(Synchronization Signal(SS))、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal(DL-RS))などが伝送されてもよい。無線通信システム1では、DL-RSとして、セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal(CRS))、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI-RS))、復調用参照信号(DeModulation Reference Signal(DMRS))、位置決定参照信号(Positioning Reference Signal(PRS))、位相トラッキング参照信号(Phase Tracking Reference Signal(PTRS))などが伝送されてもよい。
【0206】
同期信号は、例えば、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal(PSS))及びセカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal(SSS))の少なくとも1つであってもよい。SS(PSS、SSS)及びPBCH(及びPBCH用のDMRS)を含む信号ブロックは、SS/PBCHブロック、SS Block(SSB)などと呼ばれてもよい。なお、SS、SSBなども、参照信号と呼ばれてもよい。
【0207】
また、無線通信システム1では、上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal(UL-RS))として、測定用参照信号(Sounding Reference Signal(SRS))、復調用参照信号(DMRS)などが伝送されてもよい。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。
【0208】
(基地局)
図20は、一実施形態に係る基地局の構成の一例を示す図である。基地局10は、制御部110、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース(transmission line interface)140を備えている。なお、制御部110、送受信部120及び送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
【0209】
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
【0210】
制御部110は、基地局10全体の制御を実施する。制御部110は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
【0211】
制御部110は、信号の生成、スケジューリング(例えば、リソース割り当て、マッピング)などを制御してもよい。制御部110は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部110は、信号として送信するデータ、制御情報、系列(sequence)などを生成し、送受信部120に転送してもよい。制御部110は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行ってもよい。
【0212】
送受信部120は、ベースバンド(baseband)部121、Radio Frequency(RF)部122、測定部123を含んでもよい。ベースバンド部121は、送信処理部1211及び受信処理部1212を含んでもよい。送受信部120は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ(phase shifter)、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
【0213】
送受信部120は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部1211、RF部122から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部1212、RF部122、測定部123から構成されてもよい。
【0214】
送受信アンテナ130は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
【0215】
送受信部120は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを送信してもよい。送受信部120は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを受信してもよい。
【0216】
送受信部120は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
【0217】
送受信部120(送信処理部1211)は、例えば制御部110から取得したデータ、制御情報などに対して、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤの処理、Radio Link Control(RLC)レイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、Medium Access Control(MAC)レイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
【0218】
送受信部120(送信処理部1211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform(DFT))処理(必要に応じて)、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform(IFFT))処理、プリコーディング、デジタル-アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
【0219】
送受信部120(RF部122)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ130を介して送信してもよい。
【0220】
一方、送受信部120(RF部122)は、送受信アンテナ130によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
【0221】
送受信部120(受信処理部1212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ-デジタル変換、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))処理、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform(IDFT))処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
【0222】
送受信部120(測定部123)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部123は、受信した信号に基づいて、Radio Resource Management(RRM)測定、Channel State Information(CSI)測定などを行ってもよい。測定部123は、受信電力(例えば、Reference Signal Received Power(RSRP))、受信品質(例えば、Reference Signal Received Quality(RSRQ)、Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR)、Signal to Noise Ratio(SNR))、信号強度(例えば、Received Signal Strength Indicator(RSSI))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部110に出力されてもよい。
【0223】
伝送路インターフェース140は、コアネットワーク30に含まれる装置、他の基地局10などとの間で信号を送受信(バックホールシグナリング)し、ユーザ端末20のためのユーザデータ(ユーザプレーンデータ)、制御プレーンデータなどを取得、伝送などしてもよい。
【0224】
なお、本開示における基地局10の送信部及び受信部は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0225】
送受信部120は、UL送信をキャンセルするリソースに関する情報を含む下り制御情報を送信してもよい。
【0226】
制御部110は、時間領域においてオーバーラップする複数のUL送信がスケジュール又は設定され、複数のUL送信の少なくとも一つがUL送信をキャンセルするリソースを利用する場合、各UL送信の優先度に基づく第1のUL送信制御と、UL送信をキャンセルするリソースに関する情報に基づく第2のUL送信制御と、の一方が先に適用された後に他方が適用されると判断してUL送信の受信を制御してもよい。
【0227】
制御部110は、セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACKと他のUL送信が時間領域においてオーバーラップし、他のUL送信がUL送信をキャンセルするリソースを利用する場合、HARQ-ACKと前記他のUL送信にそれぞれ対応する優先度に基づく第1のUL送信制御と、UL送信をキャンセルするリソースに関する情報に基づく第2のUL送信制御と、の一方が先に適用された後に他方が適用されると判断してUL送信の受信を制御してもよい。
【0228】
(ユーザ端末)
図21は、一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230を備えている。なお、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
【0229】
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
【0230】
制御部210は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部210は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
【0231】
制御部210は、信号の生成、マッピングなどを制御してもよい。制御部210は、送受信部220及び送受信アンテナ230を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部210は、信号として送信するデータ、制御情報、系列などを生成し、送受信部220に転送してもよい。
【0232】
送受信部220は、ベースバンド部221、RF部222、測定部223を含んでもよい。ベースバンド部221は、送信処理部2211、受信処理部2212を含んでもよい。送受信部220は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
【0233】
送受信部220は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部2211、RF部222から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部2212、RF部222、測定部223から構成されてもよい。
【0234】
送受信アンテナ230は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
【0235】
送受信部220は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを受信してもよい。送受信部220は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを送信してもよい。
【0236】
送受信部220は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
【0237】
送受信部220(送信処理部2211)は、例えば制御部210から取得したデータ、制御情報などに対して、PDCPレイヤの処理、RLCレイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、MACレイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
【0238】
送受信部220(送信処理部2211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、DFT処理(必要に応じて)、IFFT処理、プリコーディング、デジタル-アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
【0239】
なお、DFT処理を適用するか否かは、トランスフォームプリコーディングの設定に基づいてもよい。送受信部220(送信処理部2211)は、あるチャネル(例えば、PUSCH)について、トランスフォームプリコーディングが有効(enabled)である場合、当該チャネルをDFT-s-OFDM波形を用いて送信するために上記送信処理としてDFT処理を行ってもよいし、そうでない場合、上記送信処理としてDFT処理を行わなくてもよい。
【0240】
送受信部220(RF部222)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ230を介して送信してもよい。
【0241】
一方、送受信部220(RF部222)は、送受信アンテナ230によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
【0242】
送受信部220(受信処理部2212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ-デジタル変換、FFT処理、IDFT処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
【0243】
送受信部220(測定部223)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部223は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部223は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR、SNR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部210に出力されてもよい。
【0244】
なお、本開示におけるユーザ端末20の送信部及び受信部は、送受信部220及び送受信アンテナ230の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0245】
送受信部220は、UL送信をキャンセルするリソースに関する情報を含む下り制御情報を受信してもよい。
【0246】
制御部210は、時間領域においてオーバーラップする複数のUL送信がスケジュール又は設定され、複数のUL送信の少なくとも一つがUL送信をキャンセルするリソースを利用する場合、各UL送信の優先度に基づく第1のUL送信制御と、UL送信をキャンセルするリソースに関する情報に基づく第2のUL送信制御と、の一方を先に適用した後に他方を適用するように制御してもよい。
【0247】
制御部210は、セミパーシステントに送信される下り共有チャネルに対するHARQ-ACKと他のUL送信が時間領域においてオーバーラップし、他のUL送信が前記UL送信をキャンセルするリソースを利用する場合、HARQ-ACKと他のUL送信にそれぞれ対応する優先度に基づく第1のUL送信制御と、UL送信をキャンセルするリソースに関する情報に基づく第2のUL送信制御と、の一方を先に適用した後に他方を適用するように制御してもよい。
【0248】
制御部210は、第1のUL送信制御を先に適用するように制御してもよい。あるいは、制御部210は、下り制御情報と、複数のUL送信の少なくとも一つに対応する下り制御情報と、の受信タイミングに基づいて、第1のUL送信制御と第2のUL送信制御のうちいずれを先に適用するかを決定してもよい。
【0249】
複数のUL送信は、上り制御チャネルを利用する送信と上り共有チャネルを利用するUL送信が含まれていてもよい。
【0250】
他のUL送信は、下り制御情報でスケジュールされる上り共有チャネル、上位レイヤシグナリングで設定される下り共有チャネル、及びサウンディング参照信号の少なくとも一つであってもよい。
【0251】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0252】
ここで、機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)などと呼称されてもよい。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0253】
例えば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図22は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0254】
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、部(section)、ユニットなどの文言は、互いに読み替えることができる。基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0255】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0256】
基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0257】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部110(210)、送受信部120(220)などの少なくとも一部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0258】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110(210)は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0259】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically EPROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0260】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(Compact Disc ROM(CD-ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0261】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))及び時分割複信(Time Division Duplex(TDD))の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信部120(220)、送受信アンテナ130(230)などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部120(220)は、送信部120a(220a)と受信部120b(220b)とで、物理的に又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0262】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、Light Emitting Diode(LED)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0263】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0264】
また、基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0265】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル、シンボル及び信号(シグナル又はシグナリング)は、互いに読み替えられてもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号(reference signal)は、RSと略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0266】
無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0267】
ここで、ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing(SCS))、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval(TTI))、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0268】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0269】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0270】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。なお、本開示におけるフレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、シンボルなどの時間単位は、互いに読み替えられてもよい。
【0271】
例えば、1サブフレームはTTIと呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0272】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0273】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0274】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0275】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(3GPP Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0276】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0277】
リソースブロック(Resource Block(RB))は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0278】
また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。
【0279】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB(PRB))、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group(SCG))、リソースエレメントグループ(Resource Element Group(REG))、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0280】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(Resource Element(RE))によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0281】
帯域幅部分(Bandwidth Part(BWP))(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0282】
BWPには、UL BWP(UL用のBWP)と、DL BWP(DL用のBWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0283】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0284】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix(CP))長などの構成は、様々に変更することができる。
【0285】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0286】
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。様々なチャネル(PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0287】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0288】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び下位レイヤから上位レイヤの少なくとも一方へ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0289】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0290】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、本開示における情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))、上り制御情報(Uplink Control Information(UCI)))、上位レイヤシグナリング(例えば、Radio Resource Control(RRC)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(Master Information Block(MIB))、システム情報ブロック(System Information Block(SIB))など)、Medium Access Control(MAC)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0291】
なお、物理レイヤシグナリングは、Layer 1/Layer 2(L1/L2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC Control Element(CE))を用いて通知されてもよい。
【0292】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0293】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0294】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0295】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line(DSL))など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0296】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。「ネットワーク」は、ネットワークに含まれる装置(例えば、基地局)のことを意味してもよい。
【0297】
本開示において、「プリコーディング」、「プリコーダ」、「ウェイト(プリコーディングウェイト)」、「擬似コロケーション(Quasi-Co-Location(QCL))」、「Transmission Configuration Indication state(TCI状態)」、「空間関係(spatial relation)」、「空間ドメインフィルタ(spatial domain filter)」、「送信電力」、「位相回転」、「アンテナポート」、「アンテナポートグル-プ」、「レイヤ」、「レイヤ数」、「ランク」、「リソース」、「リソースセット」、「リソースグループ」、「ビーム」、「ビーム幅」、「ビーム角度」、「アンテナ」、「アンテナ素子」、「パネル」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0298】
本開示においては、「基地局(Base Station(BS))」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNB(eNodeB)」、「gNB(gNodeB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(Transmission Point(TP))」、「受信ポイント(Reception Point(RP))」、「送受信ポイント(Transmission/Reception Point(TRP))」、「パネル」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0299】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head(RRH)))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0300】
本開示においては、「移動局(Mobile Station(MS))」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment(UE))」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0301】
移動局は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0302】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、無線通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0303】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」、「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0304】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
【0305】
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、Mobility Management Entity(MME)、Serving-Gateway(S-GW)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0306】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0307】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE-Beyond(LTE-B)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、6th generation mobile communication system(6G)、xth generation mobile communication system(xG)(xG(xは、例えば整数、小数))、Future Radio Access(FRA)、New-Radio Access Technology(RAT)、New Radio(NR)、New radio access(NX)、Future generation radio access(FX)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、これらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE又はLTE-Aと、5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0308】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0309】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0310】
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0311】
また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0312】
また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0313】
また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0314】
本開示に記載の「最大送信電力」は送信電力の最大値を意味してもよいし、公称最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)を意味してもよいし、定格最大送信電力(the rated UE maximum transmit power)を意味してもよい。
【0315】
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。
【0316】
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル、プリント電気接続などを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0317】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0318】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0319】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0320】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22