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特許7573614カスタム歯内ドリルガイド、並びに、カスタム歯内ドリルガイドを製造するための方法、システム、及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】カスタム歯内ドリルガイド、並びに、カスタム歯内ドリルガイドを製造するための方法、システム、及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A61C 3/02 20060101AFI20241018BHJP
   A61C 5/40 20170101ALI20241018BHJP
   A61C 5/82 20170101ALI20241018BHJP
【FI】
A61C3/02 Z
A61C5/40
A61C5/82
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022536804
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 US2020065466
(87)【国際公開番号】W WO2021127083
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-12-08
(31)【優先権主張番号】62/948,916
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517264281
【氏名又は名称】デンツプライ シロナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ショットン,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンソン,ケヴィン
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-519479(JP,A)
【文献】特表2019-502450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0304326(US,A1)
【文献】欧州特許第03013273(EP,B1)
【文献】特表2012-516704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/00-19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理ドリルガイドの製造用の仮想ドリルガイドを作成するための方法であって、前記方法は、
1つ以上の物理歯のデジタル3D表現を取得することと、
1つ以上の管の位置をデジタル3D表現で取得することと、
対応する物理歯科用ダムクランプの所望の位置及び/又は配向に基づいて仮想歯科用ダムクランプをデジタル3D表現で配置することと、
前記1つ以上の管の取得された位置に基づいて1つ以上の仮想バーをデジタル3D表現で配置することと、
(i)1つ以上の配置された仮想バーの少なくとも1つの特性、(ii)前記仮想歯科用ダムクランプの少なくとも1つの特性、及び/又は(iii)1つ以上の仮想歯の解剖学的構造、に基づいて仮想ドリルガイドを作成することと、
を含み、
前記仮想ドリルガイドは、製造される物理ドリルガイドが前記仮想ドリルガイドに対応するように設計され、
前記物理ドリルガイドは1つ以上の物理穴を有し、各物理穴は、(i)前記1つ以上の物理歯内の1つ以上の物理管へのアクセス開口部の作製を可能にするために及び/又は(ii)前記1つ以上の物理歯内の管の開存性を確立する際のガイダンスを提供するために、物理バーを所定の角度及び位置で受け入れるように構成され、
前記1つ以上の物理穴は、それぞれ、前記仮想ドリルガイドの、配置された仮想バーの位置に基づいている、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の配置された仮想バーの特性及び前記仮想歯科用ダムクランプの少なくとも1つの特性は、形状、サイズ、配向、及び位置を含む1つ以上の特性から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の仮想歯は、前記仮想ドリルガイドの単独の設計を可能にするべくデジタル3D表現からセグメント化される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の仮想バーは、前記1つ以上の仮想バーの切削端が管オリフィスのところに配置されるように回転及び平行移動させることによって配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記仮想ドリルガイドは、単一の歯又は複数の隣接歯に着座するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想ドリルガイドは自動的に設計される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記仮想ドリルガイドは、少なくともユーザからの入力を使用して構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記仮想ドリルガイドは、仮想光源を受け入れるための仮想チャネルを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記仮想ドリルガイドは、仮想吸引システムへの接続ための仮想コネクタを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記仮想ドリルガイドは、複数の仮想歯科用ダムクランプに適応するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
歯内療法的な使用のための物理ドリルガイドを作製する方法であって、前記方法は、
1つ以上の物理歯のデジタル3D表現を取得することと、
1つ以上の管の位置をデジタル3D表現で取得することと、
対応する物理歯科用ダムクランプの所望の位置及び/又は配向に基づいて仮想歯科用ダムクランプをデジタル3D表現で配置することと、
前記1つ以上の管の取得された位置に基づいて1つ以上の仮想バーをデジタル3D表現で配置することと、
(i)1つ以上の配置された仮想バーの少なくとも1つの特性、(ii)仮想歯科用ダムクランプの少なくとも1つの特性、及び/又は(iii)1つ以上の仮想歯の解剖学的構造、に基づいて仮想ドリルガイドを作成することと、
前記仮想ドリルガイドを使用して物理ドリルガイドを製作することと、
を含む、方法。
【請求項12】
コンピュータシステムによって実行されるときに、前記コンピュータシステムに、
1つ以上の物理歯のデジタル3D表現を取得することと、
1つ以上の管の位置をデジタル3D表現で取得することと、
前記1つ以上の管の取得された位置に基づいて1つ以上の仮想バーをデジタル3D表現で配置することと、
(i)1つ以上の配置された仮想バーの少なくとも1つの特性、(ii)仮想歯科用ダムクランプの少なくとも1つの特性、及び/又は(iii)1つ以上の仮想歯の解剖学的構造、に基づいて仮想ドリルガイドを作成することと、
製造される物理ドリルガイドが前記仮想ドリルガイドに対応するように前記仮想ドリルガイドを設計することと、
を含む手順を実行させるプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記物理ドリルガイドは1つ以上の物理穴を有し、各物理穴は、(i)前記1つ以上の物理歯内の1つ以上の物理管へのアクセス開口部の作製を可能にするために及び/又は(ii)前記1つ以上の物理歯内の管の開存性を確立する際のガイダンスを提供するために、物理バーを所定の角度及び位置で受け入れるように構成され、
前記1つ以上の物理穴は、それぞれ、前記仮想ドリルガイドの、配置された仮想バーの位置に基づいている、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
物理ドリルガイドの製造用の仮想ドリルガイドを作成するためのシステムであって、前記システムは、
1つ以上の物理歯のデジタル3D表現を取得し、
1つ以上の管の位置をデジタル3D表現で取得し、
対応する物理歯科用ダムクランプの所望の位置及び/又は配向に基づいて仮想歯科用ダムクランプをデジタル3D表現で配置し、
前記1つ以上の管の取得された位置に基づいて1つ以上の仮想バーをデジタル3D表現で配置し、
(i)1つ以上の配置された仮想バーの1つ以上の特性、(ii)仮想歯科用ダムクランプの1つ以上の特性、及び(iii)1つ以上の仮想歯の解剖学的構造、に基づいて仮想ドリルガイドを作成し、
製造される物理ドリルガイドが前記仮想ドリルガイドに対応するように前記仮想ドリルガイドを設計する、
ように構成されたプロセッサを含み、
前記物理ドリルガイドは1つ以上の物理穴を有し、各物理穴は、(i)前記1つ以上の物理歯内の1つ以上の物理管へのアクセス開口部の作製を可能にするために及び/又は(ii)前記1つ以上の物理歯内の管の開存性を確立する際のガイダンスを提供するために、物理バーを所定の角度及び位置で受け入れるように構成され、
前記1つ以上の物理穴は、それぞれ、前記仮想ドリルガイドの、配置された仮想バーの位置に基づいている、システム。
【請求項14】
前記1つ以上の仮想バーは、前記1つ以上の仮想バーの切削端が管オリフィスのところに配置されるように回転及び平行移動させることによって配置される、請求項13に記載のシステム
【請求項15】
前記仮想ドリルガイドは自動的に設計される、請求項13に記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第62/948,916号の非仮特許出願である。
【0002】
本発明は、一般に、歯内ドリルガイドに関し、より詳細には、歯内治療を受けた歯内の管の開存性を確立する際に方向性を提供しながら、作製するアクセス開口部を減らす目的で、ドリルガイドを作製するための方法、システム、及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に関する。本発明はまた、ドリルガイドと、ドリルガイドで使用されるアクセサリの設計に関する。
【背景技術】
【0003】
歯内根管手技では、臨床医が歯の根管治療が必要であると判断すると、臨床医は、普通はおよそ2000RPM以上で回転する空気駆動の高速バーを使用して、歯にアクセス開口部を作製するプロセスを開始する場合がある。歯にアクセス開口部を作製する目的は、歯の根管から細菌を除去し、残存を防ぐために、臨床医が根管をシェーピングし、清掃し、塞ぐ(充填/シールする)のに十分な開口部及び経路(通常は直線的なアクセス)を提供することであり得る。
【0004】
歯に作製するアクセス開口部をより小さくすることで、歯の強度が高まる可能性があることを調査は示している。Allen他による刊行物(Stress distribution in a tooth treated through minimally invasive access compared to one treated through traditional access: A finite element analysis study, J Conserv Dent. 2018 Sep-Oct; 21(5): 505-509.)は、コンポジット充填による最小侵襲アクセス、コンポジット充填とクラウンによる最小侵襲アクセス、及びコンポジット充填とクラウンによる従来のアクセスを比較している。ここでは、100Nの咬合荷重を適用したとき、コンポジット充填による最小侵襲アクセス(6.98MPa)は、コンポジット充填とクラウンによる最小侵襲アクセス(11.79MPa)及びコンポジット充填とクラウンによる従来のアクセス(16.81MPa)と比べて、応力が顕著に低減している。
【0005】
Zhang他による刊行物(The Effect of Endodontic Access Cavities on Fracture Resistance of First Maxillary Molar Using the Extended Finite Element Method, J Endod. 2019 Mar;45(3):316-321.)は、保存的歯髄腔の準備によって、歯内治療を受けた歯の破折抵抗性が高まる可能性があることを示している。頸部では、自然歯及び保存的歯髄腔と比較して、修正した歯髄腔及び従来の歯髄腔では、より大きな応力集中領域が見られた。
【0006】
アメリカ歯内療法学会(Endodontics: Colleagues for Excellence: Access Opening and Canal Location: Spring 2010)によれば、特定の歯の根管オリフィスの数は、治療開始前に分からない場合がある。「X線写真は有用であり、根の数を示すこともあるが、根管オリフィスの数又は位置を特定できないことが平均して挙げられている。」(4頁)。オリフィスの数とオリフィスの位置は、対称性の法則1、対称性の法則2、色の変化の法則、オリフィスの位置の法則1、及びオリフィスの位置の法則2を含む、臨床医のトレーニングに基づく場合がある(4~5頁)。
【0007】
いくつかの従来技術は、1つ以上の歯の解剖学的構造をデジタルスキャンし、デジタルスキャンをドリルガイドの作成に使用できるファイルフォーマットに変換し、ドリルガイドを作製し、ドリルガイドを使用してドリルを患者の解剖学的構造に対して適正に配向するプロセスを示している。これらの従来技術のほとんどは、歯科用インプラントの配置及び修復用のドリルガイドを作製するために用いられている。
【0008】
米国特許第9138299号は、歯のスキャン画像を撮って、管がどこにいくつあるかを臨床医が識別するのを支援し、ソフトウェアでアクセスキャビティを作成できるようにするために、歯内療法の目的でデジタルスキャンを使用することを具体的に説明している。さらに、作製する所望のアクセスキャビティに基づくカスタムメイドのジグを作製できることを説明している。この発明の制限は、ジグがどのように設計/作製されるか、ジグがどのように患者に取り付けられるか、及びジグがアクセス開口部を作製するための高速バーと併せて又は管の開存性をもたらすためのハンドファイルと併せてどのように用いられるかを説明も提供もしていないことである。さらに、歯の管への直線的なアクセスを強いることを明記しているが、臨床医が手技を行っているときにこれが歯の解剖学的構造との関係性においてどのように行われるかを開示していない。
【0009】
米国特許出願第2013/0171580号は、歯のアクセス開口部を作製するためのドリルガイドを設計するプロセスを説明している。この出願は、アクセス開口部を作製する際に高速バーを使用できるようにするための取付具の設計をどうするかが不十分である。さらに、この出願は、根管の開存性をもたらすためにハンドファイルが歯内にどのように配置されるかを開示していない。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、清掃/シェーピング用の高速バー及びファイルを適正に配向するために解剖学的構造と適合するドリルガイドが作製され得るように、管が歯内にいくつあるかだけでなく、解剖学的構造に対するそれらの位置も歯科医が確実に知るための方法、システム、及びコンピュータ可読媒体を開示する。このプロセスの利点は、管が歯内のどこにあるかを知ることによって、比較的小さなアクセス開口部を達成して、修復プロセス中に強い歯冠をもたらすことができること、及び、管が歯内のどこにあるかを知ることによって、歯内手技の時間及び管を見落とす確率を減らすことができることであり得る。
【0011】
さらに、本開示は、歯に作製するアクセス開口部を最小にするためにドリルガイドがどのように作製され得るか、並びに、管の開存性を確立するためにハンドファイルを使用するときに歯科医/臨床医によってドリルガイドがどのように使用され得るかを開示する。
【0012】
本明細書での一態様において、本発明は、物理ドリルガイドの製造用の仮想ドリルガイドを作成するための方法であって、1つ以上の物理歯のデジタル3D表現を取得することと、1つ以上の管の位置をデジタル3D表現で取得することと、対応する物理歯科用ダムクランプの所望の位置及び/又は配向に基づいて仮想歯科用ダムクランプをデジタル3D表現で配置することと、取得した1つ以上の管の位置に基づいて1つ以上の仮想バーをデジタル3D表現で配置することと、(i)1つ以上の配置された仮想バーの特性、(ii)仮想歯科用ダムクランプの特性、及び(iii)1つ以上の仮想歯の解剖学的構造、に基づいて仮想ドリルガイドを作成することとを含み、仮想ドリルガイドに基づいて製造される物理ドリルガイドが、配置された仮想バーの位置に基づく1つ以上の物理穴を有するように、及び、(i)1つ以上の物理歯内の1つ以上の物理管へのアクセス開口部の作製を可能にするために及び(ii)1つ以上の物理歯内の管の開存性を確立する際の方向性を提供するために1つ以上の物理穴が物理バーを所定の角度及び位置で受け入れるように構成されるように仮想ドリルガイドが設計される、方法を提供し得る。
【0013】
本明細書での別の態様において、方法は、(i)仮想ドリルガイドに基づいて物理ドリルガイドを製造するステップ、(ii)金属インサートを1つ以上の物理穴に配置し、物理ドリルガイドの金属インサート内に配置されたバーを使用して1つ以上の物理歯にアクセス開口部を作製するステップ、(iii)ハンドファイルスリーブを1つ以上の物理歯冠と接触するまで金属インサートの中に入れ、ハンドファイルを使用して1つ以上の物理歯内の管の開存性を確立するステップ、(iv)1つ以上の配置された仮想バーの特性と歯科用ダムクランプの特性は、形状、サイズ、配向、及び位置を含む1つ以上の特性から選択される、(v)1つ以上の仮想歯は、仮想ドリルガイドの単独の設計を可能にするべくデジタル3D表現からセグメント化される、(vi)1つ以上の仮想バーは、1つ以上の仮想バーの切削端が管オリフィスのところに配置されるように回転及び平行移動させることによって配置される、(vii)仮想ドリルガイドは、単一の歯又は複数の隣接歯に着座するように設計される、(viii)仮想ドリルガイドは自動的に設計される、(ix)仮想ドリルガイドは、少なくともユーザからの入力を使用して設計される、(x)仮想ドリルガイドは、光源を受け入れるためのチャネルを有するように設計される、(xi)仮想ドリルガイドは、吸引システムに接続するためのコネクタを有するように設計される、(xii)仮想ドリルガイドは、複数の仮想歯科用ダムクランプに適応するように設計される、のうちの1つ以上の組み合わせをさらに含み得る。
【0014】
本明細書での一態様において、本発明は、歯内療法的な使用のための物理ドリルガイドを作製する方法であって、1つ以上の物理歯のデジタル3D表現を取得することと、1つ以上の管の位置をデジタル3D表現で取得することと、対応する物理歯科用ダムクランプの所望の位置及び/又は配向に基づいて仮想歯科用ダムクランプをデジタル3D表現で配置することと、取得した1つ以上の管の位置に基づいて1つ以上の仮想バーをデジタル3D表現で配置することと、(i)1つ以上の配置された仮想バーの特性、(ii)仮想歯科用ダムクランプの特性、及び(iii)1つ以上の仮想歯の解剖学的構造、に基づいて仮想ドリルガイドを作成することと、仮想ドリルガイドを使用して物理ドリルガイドを製作することとを含む、方法を提供し得る。
【0015】
本明細書でのさらに別の態様において、本発明は、物理ドリルガイドであって、それぞれ第1の表面で始まり、物理ドリルガイドの本体を通り、第1の表面とは反対側の第2の表面まで延びる、1つ以上の穴を備え、ドリルガイドは、1つ以上の物理バーと1つ以上の歯科用ダムクランプに適応するように、及び、1つ以上の歯にフィットするように寸法設定され、1つ以上の穴の寸法は、(i)1つ以上の物理歯内の1つ以上の物理管へのアクセス開口部の作製を可能にするために及び(ii)1つ以上の物理歯内の管の開存性を確立する際の方向性を提供するために、物理バーを所定の角度及び位置で受け入れるように構成される、物理ドリルガイドを提供し得る。
【0016】
本明細書でのさらなる態様において、本発明は、コンピュータシステムによって実行されるときに、コンピュータシステムに、1つ以上の物理歯のデジタル3D表現を取得することと、1つ以上の管の位置をデジタル3D表現で取得することと、取得した1つ以上の管の位置に基づいて1つ以上の仮想バーをデジタル3D表現で配置することと、(i)1つ以上の配置された仮想バーの特性、(ii)仮想歯科用ダムクランプの特性、及び(iii)1つ以上の仮想歯の解剖学的構造、に基づいて仮想ドリルガイドを作成することと、仮想ドリルガイドに基づいて製造される物理ドリルガイドが、配置された仮想バーの位置に基づく1つ以上の物理穴を有するように、及び、1つ以上の物理穴が、(i)1つ以上の物理歯内の1つ以上の物理管へのアクセス開口部の作製を可能にするために及び(ii)1つ以上の物理歯内の管の開存性を確立する際の方向性を提供するために、物理バーを所定の角度及び位置で受け入れるように構成されるように、仮想ドリルガイドを設計することとを含む手順を行わせるプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供し得る。
【0017】
本明細書でのまた別の態様において、本発明は、物理ドリルガイドの製造用の仮想ドリルガイドを作成するためのシステムであって、1つ以上の物理歯のデジタル3D表現を取得し、1つ以上の管の位置をデジタル3D表現で取得し、対応する物理歯科用ダムクランプの所望の位置及び/又は配向に基づいて仮想歯科用ダムクランプをデジタル3D表現で配置し、取得した1つ以上の管の位置に基づいて1つ以上の仮想バーをデジタル3D表現で配置し、(i)1つ以上の配置された仮想バーの特性、(ii)仮想歯科用ダムクランプの特性、及び(iii)1つ以上の仮想歯の解剖学的構造、に基づいて仮想ドリルガイドを作成する、ように構成されたプロセッサを含み、仮想ドリルガイドに基づいて製造される物理ドリルガイドが配置された仮想バーの位置に基づく1つ以上の物理穴を有するように、及び、1つ以上の物理穴が(i)1つ以上の物理歯内の1つ以上の物理管へのアクセス開口部の作製を可能にするために及び(ii)1つ以上の物理歯内の管の開存性を確立する際の方向性を提供するために物理バーを所定の角度及び位置で受け入れるように構成されるように仮想ドリルガイドが設計される、システムを提供し得る。
【0018】
本明細書での別の態様において、システムは、(i)プロセッサはさらに、仮想ドリルガイドに基づいて物理ドリルガイドを製造するように構成される、(ii)1つ以上の仮想バーは、1つ以上の仮想バーの切削端が管オリフィスのところに配置されるように回転及び平行移動させることによって配置される、(iii)仮想ドリルガイドは自動的に設計される、のうちの1つ以上の組み合わせをさらに含み得る。
【0019】
例示的な実施形態は、本明細書で以下に提供される詳細な説明及び添付の図面からより十分に理解され、同様の要素は、同様の参照文字によって表され、これらは単なる例示として与えられ、したがって、本明細書での例示的な実施形態を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本発明の一実施形態に係るシステムの高レベルブロック図表である。
図1B】本発明の一実施形態に係る例示的な方法を示すフローチャートである。
図2】治療される歯の3Dスキャン(例えばCBCT)の図表である。
図3A】本発明の一実施形態に係るCBCTスキャンのモデル/デジタル3D表現の斜視図である。
図3B】本発明の別の実施形態に係るCBCTスキャンのモデル/デジタル3D表現の斜視図である。
図4A】治療される歯の識別を例示する3Dモデルの斜視図である。
図4B】治療される歯の識別を例示する3Dモデルの別の斜視図である。
図4C】本発明の一実施形態に係る識別された治療される歯の斜視図である。
図4D】本発明の別の実施形態に係る識別された治療される歯の斜視図である。
図4E】本発明の別の実施形態に係る識別された治療される歯の斜視図である。
図5】物理歯の斜視図を示す。
図6】歯のμCTスキャンを示す。
図7A】3Dモデルの歯に配置された歯科用ダムクランプを示す3Dモデルの斜視を示す。
図7B】歯に配置された歯科用ダムクランプを示す3Dモデルの斜視図を示す。
図7C】歯に配置された歯科用ダムクランプを示す物理歯の斜視図を示す。
図7D図7Cの別の斜視図を示す。
図8A】本発明の例示的な実施形態に係るバーの配向を例示する3Dモデルの斜視図である。
図8B】本発明の別の例示的な実施形態に係るバーの配向を例示する3Dモデルの斜視図である。
図8C】本発明の別の例示的な実施形態に係るバーの配向を例示する3Dモデルの斜視図である。
図8D】本発明の別の例示的な実施形態に係るバーの配向を例示する3Dモデルの斜視図である。
図9A】本発明の例示的な実施形態に係る仮想3Dガイドを示す斜視図である。
図9B】本発明の例示的な実施形態に係る仮想3Dガイドを示す斜視図である。
図9C】本発明の例示的な実施形態に係る仮想3Dガイドを示す別の斜視図である。
図9D】本発明の別の例示的な実施形態に係る別の仮想3Dガイドを示す斜視図である。
図9E】本発明の例示的な実施形態に係る仮想3Dガイドを示す斜視図である。
図9F】本発明の例示的な実施形態に係る別の仮想3Dガイドを示す別の斜視図である。
図9G】本発明の例示的な実施形態に係る別の仮想3Dガイドを示す別の斜視図である。
図9H】本発明の別の例示的な実施形態に係る別の仮想3Dガイドを示す別の斜視図である。
図10A】本発明の一実施形態に係るカスタムドリルガイドを例示する斜視図である。
図10B】本発明の一実施形態に係るカスタムドリルガイドを例示する斜視図である。
図10C】本発明の一実施形態に係るカスタムドリルガイドを例示する斜視図である。
図10D】本発明の一実施形態に係るカスタムドリルガイドを例示する斜視図である。
図11A】再使用可能な金属インサートを例示する斜視図である。
図11B】再使用可能な金属インサートを例示する別の斜視図である。
図11C】再使用可能な金属インサートを例示する別の正面図である。
図11D】再使用可能な金属インサートを例示する別の正面図である。
図11E】再使用可能な金属インサートを例示する斜視図である。
図12A】高速バーを例示する正面図である。
図12B】高速バーを例示する別の正面図である。
図13A】歯のアクセス開口部の作製を示すスケッチである。
図13B】歯のアクセス開口部の作製を示す別のスケッチである。
図13C】歯のアクセス開口部の作製を示す別のスケッチである。
図14】アクセス開口部の作製後の歯のCTスキャンを示す正面図である。
図15】アクセス開口部を備えた歯の上面図である。
図16A】ハンドファイルとハンドファイルのためのガイドを例示する側面図である。
図16B】ハンドファイルとハンドファイルのためのガイドを例示する別の側面図である。
図17A】ハンドファイルをドリルガイドと共に使用するプロセスを例示するスケッチである。
図17B】ハンドファイルをドリルガイドと共に使用するプロセスを例示する別のスケッチである。
図17C】ハンドファイルをドリルガイドと共に使用するプロセスを例示する別のスケッチである。
図18】開存性をもたらした後の歯のCTスキャンを示す図表である。
図19】シェーピング後の歯のCTスキャンを示す図表である。
図20】充填後の歯のCTスキャンを示す図表である。
図21】定位置で充填された充填歯を示す斜視図である。
図22A】本発明の代替的な実施形態の斜視図である。
図22B】本発明の代替的な実施形態の別の斜視図である。
図22C】本発明の代替的な実施形態の別の斜視図である。
図23A】本発明の代替的な実施形態の斜視図である。
図23B】本発明の代替的な実施形態の別の斜視図である。
図23C】本発明の代替的な実施形態の別の斜視図である。
図23D】本発明の代替的な実施形態の別の斜視図である。
図24A】本発明のまた別の代替的な実施形態の斜視図である。
図24B】本発明のまた別の代替的な実施形態の斜視図である。
図24C】本発明のまた別の代替的な実施形態の斜視図である。
図24D】本発明のまた別の代替的な実施形態の斜視図である。
図25】本発明の例示的な実施形態に係るコンピュータシステムのブロック図表である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面での異なる図は、同じ構成要素を識別するために同じであり得る少なくともいくつかの参照番号を有し得るが、そのような各構成要素の詳細な説明は、各図面に関連して以下に提供されない場合がある。
【0022】
本明細書で説明される例示的な態様によれば、歯内治療を受けた歯内の管の開存性を確立する際に方向性を提供しながら、作製するアクセス開口部を減らす目的で、物理ドリルガイドを作製するための方法、システム、及びコンピュータで読み取り可能な記憶媒体が提供される。本発明はまた、物理ドリルガイドに関する。
【0023】
カスタムドリルガイドを製造するためのシステム及び方法
【0024】
本発明は、カスタムドリルガイド1000(図10A)を製造するための図1Aに示すようなシステム1を提案する。カスタムドリルガイドは、例えば、ミリング、研削などの除去製造、並びに、3Dプリンティングなどの付加製造、又は仮想設計を物理的形態に変換する他の任意の方法を使用して製造される、物理ドリルガイドであり得る。より詳細には、これはコンピュータシステム100のCAD/CAMシステム206を使用して製造することができる。一実施形態において、支援CAD/CAMシステム206はまた、後述する設計プロセスのうちのいくつか又はすべてのためのソフトウェアを含み得る。別の実施形態において、ソフトウェアは、CAD/CAMシステム206から分離されていてもよい。システム1は、コンピュータシステム100に接続されている又はコンピュータシステム100から分離されている、イメージングユニット10を含み得る。システム1のイメージングユニット10は、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)デバイス、マイクロコンピュータ断層撮影(μCT)デバイス、核磁気共鳴画像法(MRI)デバイスなどの、歯のデジタルスキャン200を作成するために使用される任意のデバイスであり得る。システム1はまた、バーのライブラリ1200、歯科用ダムクランプのライブラリ、ハンドファイルのライブラリを含むデータベース202、及び/又は、それ以外の、歯内のアクセス及び/又は経路を作製するためのアクセサリのデータベース、ディスプレイユニット128、及び/又は入力ユニット130を含み得る。データベース202、入力ユニット130、及びディスプレイユニット128は、コンピュータシステム100の一部であってもよく、又は、コンピュータシステム100から分離されていてもよい。一実施形態において、システム1は、バー、歯科用ダムクランプ、及びハンドファイルの作製/設計を可能にし得る。
【0025】
コンピュータシステム100は、入力ユニット130、データベース202、及びディスプレイユニット128と併せて、歯内治療を受けた歯内の管の開存性を確立する際に方向性を提供しながら、アクセス開口部1500を提供する目的で、カスタム/物理ドリルガイド1000を設計及び作製するために使用され得る。さらに、コンピュータシステム100は、アクセス開口部1500を作製する際にバー1200(高速バーなど)を使用するとき及び管の開存性をもたらす際にハンドファイル1600を使用するときの効果を確実なものにするべくカスタムドリルガイド1000と共に用いられるアクセサリを配置及び配向するために使用され得る。いくつかの実施形態において、照明機能部と、一体化された吸引機能部が、カスタムドリルガイド1000に設計されてもよい。
【0026】
図1Bは、本明細書での実施形態のうちの少なくともいくつかに係るプロセスS100を示している。プロセスS100は、物理歯冠500(図5)にアクセス開口部1500(図15)を作製する目的で、具体的には歯内の各管600(図6)の位置を突き止める目的で、さらには各管600内のハンドファイル1600を介して作業長までの開存性をもたらす目的で、カスタムドリルガイド1000を作製するために用いられ得る。
【0027】
このプロセスでは、図1BのステップS101によって示されるように、臨床医は患者の歯/口腔をスキャンして3Dスキャン/画像を取得する。このスキャンは、根管治療が行われる口腔内の関心ある領域で実施される。3Dスキャンは、CBCT、MRI、μCT、及び/又はその他のイメージング技術を含み得る様々なイメージング技術を使用して実施され、歯又は歯のセットのデジタルキャラクタライゼーションが作成され、歯又は歯のセットのデジタルキャラクタライゼーションが、DICOM、HL7、IHEなどのフォーマットに変換される(ステップS102)。3Dスキャンは、スキャンの一部として根管の位置が突き止められるようなものであり得る。ここでは、根管は、治療される歯冠に関連して位置が突き止められる。
【0028】
関心ある領域(例えば根管治療する歯)のデジタル作成が得られると、コンピュータシステム100を使用して、デジタルスキャン200が、モデル/デジタル3D表現300(ステレオリソグラフの.stl又は3D点群の.xyzなどのフォーマットを有する)に変換され(ステップS103)、インターフェースにインポートされ(ステップS104)、根管治療を受ける物理歯500の管600の対応する位置に特異的な仮想ドリルガイド900を作成する際に用いられる。
【0029】
ここでは、臨床医は、コンピュータシステム100を使用して、仮想歯科用ダムクランプ700のライブラリにアクセスする。仮想歯400が識別され、根管治療を受ける物理歯500に対応するこの仮想歯400に仮想歯科用ダムクランプ700が配置及び配向され(ステップS105)、したがって、対応する物理歯科用クランプ701が根管手技のために配置されることになる。配置は臨床医が手動で修正することもできる。仮想歯科用ダムクランプ700に対応する物理歯科用ダムクランプ701を使用して、歯科用ダム1001を歯の定位置に保持することができ、また、ドリルガイドを歯に固定するために用いることもできる。
【0030】
次いで、仮想バー801のライブラリを含むデータベース202にアクセスして、仮想バー801が仮想歯400内の各管600のオリフィス800に配向されるような様態(位置、角度など)で仮想バー801を配置する(ステップS106)。ここでは、治療される歯は、歯内の根管を識別するために「インテロゲート」される。これは、歯(象牙質、エナメルなど)と管(空隙スペース)との密度又はグレースケールの差異に基づいている。次いで、仮想バー801を管600のオリフィスの位置に配置することによって、仮想バー801の位置が推奨される。ソフトウェアは、仮想バー801が互いに干渉するのを防ぎ(又は実質的に防ぎ)ながら最小のアクセス開口部1500に最適化されるように前記仮想バー801を配置及び配向するための仮想バー801の推奨位置を有する。仮想バー801が推奨位置/角度に配置された後で、臨床医は、随意的に、X、Y、及びZ軸内又はその周りで平行移動及び回転させることによって仮想バー801の配向を変えることができる。
【0031】
仮想バー801と仮想歯科用ダムクランプ700の位置が確立されると、コンピュータシステムは、これらの構成要素/アクセサリの特性(仮想バー801、仮想歯科用ダムクランプ700、及び周囲の歯の解剖学的構造の形状、サイズ、配向、及び位置などの特性)を組み込んだドリルガイド(仮想ドリルガイド900)の設計を作成し、したがって、対応する物理構成要素/アクセサリの特性は、設計及び製造時にカスタムドリルガイド1000の特性(例えば、サイズ、形状、配向など)に対して考慮に入れられたものとなる(ステップS107)。ここでは、仮想バー801と仮想歯科用及び/又はダムクランプ700が仮想歯に配置される。仮想ドリルガイド900はアルゴリズムによって設計され、アルゴリズムは、治療される歯冠と適合する及びその周りに固定されるように設計された治療される歯の周りの固定具設計を作成し、次いで、その固定具を歯科用ダムクランプに固定するように設計する。次いで、固定具の中に入れるバーのボリュームを差し引くことによって固定具の穴が作成される。
【0032】
仮想ドリルガイド設計が設計されると、デジタル出力ファイル(ステレオリソグラフィファイルの.stlなど)をエクスポートし(ステップS108)、カスタムドリルガイド1000を作製/製造する際に使用する(ステップS109)。ドリルガイドが製造又は3Dプリントされると、臨床医は金属スリーブ/インサート1100(図11A)をドリルガイドの穴に配置する(ステップS110)。スリーブは、アクセス開口部を作製している間に回転及び移動しないように配置される。これを確実なものにするために、スリーブは、ドリルガイドの穴と適合するキー溝又はフラットなどの回転防止特徴を有するように設計され、また、さらに下がっていかないようにリング又はストップを頂部に有し得る。スリーブが上がっていくのを防ぐために、スリーブは、ドリルの底部で係合する圧縮可能なクリップを有し得る。当業者は、本明細書に照らして、同様の結果を達成するために他の設計が採用され得ることを認識するであろう。これにより、2000RPM以上で回転し得る高速バーがカスタムドリルガイド1000と接触するのを防ぐことができる。バーがカスタムドリルガイド1000と接触する場合、3Dプリントされた材料と接触するバー1200の高速摩擦に起因して、前記カスタムドリルガイドの材料が溶けたり、歪んだりする可能性がある。これらの金属インサート1100は、各手技後にインサートの滅菌(蒸気オートクレーブ)により再使用可能であり得る又は交換される/使い捨てであり得る。
【0033】
カスタムドリルガイド1000の内部に金属インサートが配置されると、根管治療手技を開始することができる。ここで、臨床医は、仮想歯科用クランプ700に対応する物理歯科用ダムクランプ701を歯科用ダム1001と併せて患者の1つ又は複数の治療される歯に配置することができ(ステップS111)、この場合、物理歯科用クランプ701は、仮想歯科用クランプ700がコンピュータシステム100のソフトウェアで位置決め/配置されたのと同じ様態で配置及び配向される。次いで、臨床医は、根管治療を受ける歯にカスタムドリルガイドを配置する。
【0034】
ステップS112に示すように、カスタムドリルガイドが配置及び/又は固定されると、臨床医は、高速バーなどのバー1200を使用して、物理歯500内の各管600のオリフィス800へのアクセス開口部1500を作製することができる。各管オリフィス800のところにアクセス開口部1500が作製されると、臨床医は、歯内の各管の開存性を確立する目的で、手動ステンレス鋼ハンドファイルを使用することができる。ここでは、開存性は、根尖孔の中で小さなファイルで再帰ファイリングすることによって管の頂端部が屑のない状態に維持される、管の準備技術と考えることができる。ハンドファイルを使用する際に、臨床医は、カスタムドリルガイド1000の金属インサート1100の内部にハンドファイルスリーブ1601を配置することができる。ハンドファイルスリーブ1601は、ハンドファイルスリーブ1601が歯冠と接触するようにドリルガイドの金属インサート内に配置される(ステップS113)。一実施形態において、ハンドファイルスリーブ1601は再使用可能である。別の実施形態において、ハンドファイルスリーブ1601は使い捨てである。
【0035】
次のステップの、ステップS114において、臨床医は、ハンドファイルを使用することによって歯の各管内の開存性を確立する。臨床医は、ハンドファイル1600を使用しながら各管内の開存性を確立するプロセス中に根管長測定器を使用することがあり、根管長測定器は各管の作業長の測定に電気回路の概念を用いるため、ハンドファイルスリーブ1601は導電性材料から作製されないことが好ましい。金属製のハンドファイルスリーブは、根管長測定器の短絡又は不正確な読み取りを引き起こす可能性がある。ハンドファイルスリーブ1601の材料は、ポリフェニルスルホン(Radel)、ポリエーテルイミド(Ultem)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの蒸気オートクレーブ可能なプラスチック材料から作製することができ、又は3Dプリント可能な材料から製造して使い捨てにすることができる。
【0036】
ハンドファイルスリーブ1601の目的は、ハンドファイルの位置が管オリフィスから逸脱するのを防ぐために、ハンドファイル1600がドリルガイドの穴の中心にとどまるようにすることであり得る。臨床医が所定のハンドファイルサイズ(#10、#15など)までの各管の開存性を確立すると、臨床医は手技の機械化されたファイルプロセスを続行する準備ができた状態となる。次いで、臨床医は、管及び管の開口部の位置が確立されているので、機械化されたシェーピング、洗浄、及び充填プロセスのために、カスタムドリルガイド1000を患者から除去することができる(ステップS115)。
【0037】
本発明の代替的な実施形態において、ユーザ/臨床医がカスタムドリルガイド1000を製造する前に仮想ドリルガイド900を単独で計画又は設計することができるように、モデル/デジタル3D表現300の残りの部分から、1つ以上の歯が分離/セグメント化される。このようにして、仮想ドリルガイド900を設計するために仮想バー801の位置をより明瞭に視覚化することができる。
【0038】
別の代替的な実施形態において、歯科用ダムクランプ、バー、ハンドファイルスリーブ、金属インサート、ハンドファイルなどの、処置手技で使用するためのアクセサリを、製造用のデジタル3D表現300の寸法に基づいて、ソフトウェアで個々に設計することができる。
【0039】
カスタムドリルガイド
【0040】
カスタムドリルガイド1000及びカスタムドリルガイド1000を作成するプロセスS100を、ここで図2図21、及び図1Bを参照してより詳細に説明する。説明されるステップのいずれか又はすべては、コンピュータシステムによって自動的に、臨床医によって手動で、又はこれらの任意の組み合わせによって実行される。
【0041】
図11Aに示すように、カスタムドリルガイド1000は、それぞれ第1の表面1102で始まり、物理ドリルガイドの本体を通り、第1の表面1102とは反対側の第2の表面1103まで延びる、1つ以上の穴1101を含み得る。カスタムドリルガイド1000は、1つ以上の物理バーと1つ以上の歯科用ダムクランプに適応するように、及び、本明細書に記載の1つ以上の歯にフィットするように寸法設定される。1つ以上の穴1101の寸法は、1つ以上の物理管へのアクセス開口部の作製を可能にするために及び(ii)治療される歯内の管の開存性を確立する際に方向性を提供するために、物理バーを所定の角度及び位置で受け入れるように構成される。仮想歯科用ダムクランプ700に対応する物理歯科用ダムクランプ701を使用して、歯科用ダム1001を定位置に保持することができ、また、カスタムドリルガイド1000を歯に固定するために用いることもできる。これは、1つ以上の歯に取り付けられるように寸法設定されている仮想歯科用ダムクランプ700上の仮想アーム704及び仮想ヘッド705の存在を通じて設計段階で達成される。仮想歯科用ダムクランプ700が占めるスペースは、仮想ドリルガイド900から前記スペースを差し引くことなどによって、仮想ドリルガイド900を作成するときに考慮に入れることができる。仮想ドリルガイド900は、治療(高速バーでの手技など)中に対応するカスタムドリルガイド1000が移動せずに1つ以上の歯にしっかりと固定されるように、仮想アーム又はヘッドなどの仮想歯科用ダムクランプ700の部分と係合するように設計することができる。カスタムドリルガイド1000と物理歯科用ダムクランプ701のヘッド705a又はアーム704a又は他の任意の部分との様々な形態の係合が達成可能である。例えば、図10A図10Bでは、カスタムドリルガイド1000のヘッドスロット1002は、カスタムドリルガイド1000を歯に固定するために、物理歯科用ダムクランプ701のヘッド705aを受け入れるように寸法設定される。図10Dでは、カスタムドリルガイド1000の延長部1003は、物理歯科用ダムクランプ701のアーム704aと係合するように寸法設定される。
【0042】
そのスキャンが図6に示されている、口蓋管602、遠位(遠位頬側)管603、近心頬側管1 604、及び近心頬側管2 605を含む4つの管を有する下顎臼歯501などの歯500(図5)を使用して、カスタムドリルガイド及びプロセスをさらに説明する。
【0043】
図2は、患者のCBCT(コーンビームコンピュータ断層撮影)スキャンなどのスキャンを実行するときに提供される出力の例を示している。このデジタルスキャン200は、図3Aに示すような下顎の3D表現などのモデル/デジタル3D表現300に変換することができる。前記モデル/デジタル3D表現300は、例えば、図3Aに示すようなstlフォーマット又は図3Bに示すような点群フォーマットなどであり得る。
【0044】
図4A図4Eは、様々な形態で識別された下顎臼歯501を示している。具体的には、図4A図4Bは、下顎のモデル/デジタル3D表現300を示しており、前記モデル/デジタル3D表現300は、下顎臼歯501を表す仮想歯400を含む。図4C図4Dに示すようなデジタル画像出力メッシュファイル401、402(ステレオリソグラフィフォーマット、点群フォーマットなど)を、コンピュータシステム100のソフトウェアにインポートすることができ、ソフトウェアは、歯403(図4E)及び歯内の管600の修正された仮想形態も表示することができる。管は、点群フォーマット及び.stlフォーマットで見ることができる。これらはまた、充填なしの管を見るためにSTEP、IGESなどのソリッドモデリングフォーマットに変換することもできる。
【0045】
図6に示す例示的な実施形態において、下顎臼歯501のμCT画像601(又はCBCT画像、MRI画像などの他の画像)は、内部の管形態が外側の歯の解剖学的構造との関係性においてどこにあるかを示すことができる。
【0046】
図7に示すように、カスタムドリルガイド1000を製造する際に用いられ得る仮想ドリルガイド900を作成するために、図7A及び図7Bに示すように仮想歯科用ダムクランプ700を仮想歯400に(手動で又は自動的に)配置することができる。この配置は、下顎臼歯501上の対応する物理歯科用クランプ701の位置と一致又は実質的に一致するように行うことができる(図7C図7D)。図7A図7Dは、物理歯500(下顎臼歯501)に対する、ソフトウェアでの歯科用クランプの位置と、対応する物理歯科用ダムクランプ701の実際の位置との比較を示している。
【0047】
図8Aは、仮想歯科用ダムクランプ700が歯に配置されると、仮想バー801がライブラリから選択され、それらはそれぞれ、事前定義されたアルゴリズムに基づくソフトウェアによって自動的に配置される、及び/又はさらに、(例えば、それらをX、Y、及びZ平面内で回転及び平行移動させることを通じて)ユーザによって配置されることを示しており、仮想バー801の切削端は、歯の各管オリフィス800(図8C図8D)のところに位置決めされ、アクセス開口部1500のサイズを最小にするように配向される。より詳細には、アクセス開口部1500は、臨床医がハンドファイル及び歯科用ドリルを根管のオリフィスの中に配置及び位置決めすることを可能にするために歯冠から除去されたスペースであり得る。その目的は、根管のオリフィスへのハンドファイル及び歯科用ドリルの位置決め及び配置を提供するのに十分に大きいが歯冠から材料が不必要に除去されるほど大きくない、1つ以上のアクセス開口部1500を作製することであり得る。
【0048】
仮想バー801の位置及び配向が決定されると、仮想ドリルガイド900を作成することができる。これは、例えば、患者の口腔の寸法を考慮に入れ、患者の口腔を開いたままにし、さらにバー、ハンドファイル、及びドリルがドリルガイドに入ることを可能にするべく、ドリルガイドに必要な材料の厚さ及びドリルガイドの頂部の高さ要件を考慮に入れることによって達成することができ、すなわち、1つ以上の配置された仮想バーの特性、仮想歯科用ダムクランプの特性、及び/又は1つ以上の仮想歯の解剖学的構造を、仮想ドリルガイド900を作成するために考慮に入れることができる。
【0049】
この仮想ドリルガイド900は、入力ユニット130及びディスプレイユニット128を使用して設計することができる。図9A図9Hは、仮想ドリルガイド900の設計の例を示している。図9A図9Cは、例えば患者の下顎に着座し得る仮想ドリルガイド900を示しており、図9D図9Hは、患者の下顎臼歯などの単一の歯に着座し得る別の仮想ドリルガイドの設計を示している。一実施形態において、仮想ドリルガイド900、901の設計は自動とすることができ、製造されたカスタムドリルガイド1000が1つ又は複数の物理歯上に固定され(しかし取り外し可能である)、まっすぐな物理バーに対する適正な配向にドリルガイド内に(貫通して延びる)穴1101(図11A)を有することを保証するために、仮想バー801及び仮想歯科用ダムクランプ700の位置を考慮に入れることができる。例示的な実施形態において、仮想ドリルガイド900の穴(仮想バー801が配置される)は、バーが配置されるスペースを差し引くこと(すなわち、仮想ドリルガイド900と仮想バー801との間のボリュームの除去)によって作成される。さらに、歯科用ダムクランプを配置するために必要なスペースが、仮想ドリルガイド900から差し引かれる。もちろん、仮想ドリルガイドを作成する他の方法が、本明細書を読んだ後に認識されるであろう。
【0050】
ドリルガイドの設計が完了すると、ドリルガイドの設計を、製造/生産のために送信/通信できるフォーマット(例えば、ステレオリソグラフィ)にエクスポートすることができる。
【0051】
図10A図10D、並びに、図9A図9C、及び図11Aは、カスタムドリルガイド1000、1000aの例と、それらが患者の1つ以上の歯にどのように取り付けられるかを示している。例えば、図10Dに示すように、カスタムドリルガイド1000aの両方の側部に2つの延長部1003が存在し、これらは物理歯科用ダムクランプ701のアーム704aの周りにフィットする。図11Bでは、カスタムドリルガイド1000の後部から2つの他の延長部1104が存在し、そこに患者の顎が置かれ、前記カスタムドリルガイド1000が定位置に保持される。図9も、これらの2つの他の延長部1104を示している。
【0052】
製造後に、プリントされたガイドの様々な図を示す図11A図11Eに示すように、高速歯科用バーがカスタムドリルガイド1000、1000aに接触するのを防ぐために、仮想穴903に対応するドリルガイドの穴1101に金属スリーブ1100を配置することができる。高速バーとドリルガイドが接触すると、ガイドの穴が溶けたり、歪んだりする可能性がある。
【0053】
図12A図12Bは、本発明で使用され得る例示的なバー1200を示している。図12Bは、図12Aの拡大図であり、多目的テーパ端切削バー1203及びラウンドサイド切削バー1204を例示している。本明細書での好ましい実施形態において、使用されるバー1200の構造は、図12A図12Bの各バーからの特徴を組み合わせたものである。バーは、1204で示されるようにテーパ端切削バー1203のテーパの長さが短くなったものであり得る。端切削バーがこの用途に使用される理由は、バーをドリルガイドの中及び/又は内に前進させる際に、バーの端を歯冠の硬いエナメル質に貫入する及び切り込むためであり得る。サイド切削バーは、ドリルガイドと一緒に使用すると、歯冠の効率的な切削を達成できない可能性がある。バー1200のテーパは、バー1200がドリルガイド内の金属インサート1100内の中心にとどまるように、可能な限り小さくする必要があり得る。バーが、ドリルガイド内の金属インサートより長く又は同じぐらいの長さにテーパしている場合、バーがドリルガイドの穴の中心にとどまることはより難しくなる可能性がある。例えば、バーのテーパ部分だけがドリルガイド内の金属インサート内にある場合、バーは、ドリルガイドの中心からずれる可能性があり、ドリルガイドの穴の中心に対して角度をなす可能性もある。これは、歯内の根管と位置が合っていないアクセス開口部が歯に作製されることになる。
【0054】
対応する物理歯科用ダムクランプ701が1つ以上の物理歯500に配置されると、カスタムドリルガイド1000、1000aを図13A図13Cに示すように配置することができ、次いで、臨床医は、歯内に管のオリフィス800へのアクセス開口部1500を作製するべく、ドリルガイドの内部に高速バーを前進させることに進むことができる。
【0055】
図14は、歯内にアクセス開口部1500が作製された後の下顎臼歯501のμCTスキャンを示している。
【0056】
図15は、下顎臼歯501の歯冠の上面図であり、作製されたアクセス開口部1500のサイズを示している。歯内の各管600の位置を突き止めるべくアクセス開口部1500が高速バーで作製されると、臨床医は、手動ステンレス鋼ハンドファイルなどのハンドファイル1600を使用して、管600をシェーピングするために機械化されたファイルを使用できるように各管600内の経路を作製することができる。ハンドファイル1600をカスタムドリルガイド1000と一緒に使用するために、ハンドファイルスリーブ1601を使用して、管のオリフィス開口部へのハンドファイルの中心性を維持するのを支援することができる。図16A図16Bは、ハンドファイルスリーブ1601と、それがハンドファイル1600にどのようにフィットするかを示している。ハンドファイルスリーブ1601は、再利用のために滅菌可能な蒸気オートクレーブ可能な材料から、又は3Dプリントされた材料などの使い捨てプラスチックから作製することができる。ハンドファイルスリーブの材料は、臨床医が管の開存性及び各管の作業長を確立しているときにハンドファイルと併せて根管長測定器を使用できるようにするために、導電性ではないことが好ましい。ここでは、臨床医は、ハンドファイルスリーブ1601が歯冠と接触するように、ハンドファイルスリーブを、カスタムドリルガイド1000内に配置された金属インサート1100の中に配置する。次いで、臨床医は、ハンドファイル1600をハンドファイルスリーブ1601の中に前進させることができ、これにより、図17A図17Cに示すように、ハンドファイル1600は、管のオリフィスの中心に配置され、その中に入っていくことができる。
【0057】
図18は、カスタムドリルガイド1000とハンドファイルスリーブ1601を使用して#15サイズまでのK-Files(商標)で各管が作製されている下顎臼歯501のμCTを示している。ハンドファイル1600を使用して臨床医によって定義された所定のサイズまで管600が作製されると、臨床医は1つ以上の歯からドリルガイドを除去することができる。機械化されたファイル、洗浄、及び充填を使用する残りのプロセスは、カスタムドリルガイド1000を使用せずに実施される。
【0058】
図19は、各管600を25.07可変テーパサイズまでシェーピングした後にスキャンした下顎臼歯501のμCTを示している。次いで、超音波で活性化したNaOCl及びEDTAを使用して下顎臼歯501を洗浄した。洗浄後に、ファイルの形状と適合するシーラ及びガッタパーチャポイントを用いるシングルコーン充填技術を使用して下顎臼歯501を充填した。
【0059】
図20は、充填後の下顎臼歯501のμCTスキャンを示しており、図21A図21Bは、充填後の患者の口腔内の下顎臼歯501を示している。
【0060】
ここで図22図23に移って、本発明のさらなる実施形態を説明する。図22A図22Cに示すように、カスタムドリルガイド1000bは、治療中に口腔を照らすために、LED光源などの光源2202を受け入れるためなどの照明機能を組み込むためのチャネル2201、又は光源への接続部を有することができる。カスタムドリルガイドはまた、電源(図示せず)への接続部2203(絶縁ケーブル又はワイヤなど)も有することができる。接続部2203及び電源は、好ましくは、一実施形態においてカスタムドリルガイド1000bに収容される。図22Cに示す別の実施形態において、カスタムドリルガイド1000bは、吸引システム(図示せず)に接続するためのコネクタ2204と、治療中に患者の口腔から液体又は屑を除去するための吸引機能を組み込むためのチャネル2205を有することができる。
【0061】
図23A図23Dは、カスタムドリルガイド1000cのさらに別の実施形態を示している。これらの図面には、第2の仮想ドリルガイド902の設計が、別の仮想歯科用クランプ703とともに示されている。ここでは、特異的な歯科用ダムクランプを、第2の仮想ドリルガイド902と係合することができる。特異的な歯科用ダムクランプは、カスタムドリルガイド1000cに適応する及びカスタムドリルガイド1000cに取り付けられるように特異的に設計及び製造される。第2の仮想歯科用ダムクランプ703上の仮想アーム704は、U形タブ2301を通じて第2の仮想ドリルガイド902上の延長部1003と係合することができる。カスタムドリルガイド1000c上の延長部1003は、圧縮可能であり、クランプに配置されるときに圧縮され、次いで、カスタムドリルガイド1000cをクランプに保持するべく解放される。これにより、カスタムドリルガイド1000cを歯及びクランプにより容易に配置することができる。
【0062】
図24A図24Dには、別のカスタムドリルガイドに製造することができる第3の仮想ドリルガイド900cが示されている。これらの図面は、ガイドの様々な斜視図を示している。第3の仮想ドリルガイド900cに対応する第3の仮想歯科用ダムクランプ702は、治療中に第3の仮想ドリルガイド900cを歯に保持するために、第3の仮想ドリルガイド900cの孔2400にフィットするように設計される。ここでは、図24A図24Bに示すように、複数の同様の又は異なる仮想歯科用ダムクランプ702を使用して複数の歯にクランプすることができる。この代替的な実施形態において、歯科用ダムクランプは、前記治療される歯の代わりに、治療される歯に隣接する歯に配置されてもよい。これにより、治療される歯との関係性において固定具の配向が適正になるようにする上で、臨床医により高い融通性が提供される。
【0063】
この説明に照らして、他の方法、プロセス、及び実施形態が提供された説明に照らして実装され得ることを当業者は理解するであろう。
【0064】
ドリルガイドを製造するためのコンピュータシステム
【0065】
図1BのプロセスS100を説明したので、ここでは、本明細書での例示的な実施形態のうちの少なくともいくつかに従って使用することができるコンピュータシステム100のブロック図表を示す図25への言及を行う。この例示的なコンピュータシステム100に関して様々な実施形態が本明細書で説明されるが、この説明を読んだ後に、他のコンピュータシステム及び/又はアーキテクチャを使用してどのように本発明を実装するかが当業者には明らかとなるであろう。
【0066】
コンピュータシステム100は、ドリルガイドを設計及び/又は製造する際に使用することができるCAD/CAMシステム206を含み得る又はそれとは別個であり得る。コンピュータシステムはまた、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ122、ユーザインターフェース126、及び入力ユニット130を含み得る。入力ユニット130は、1つの例示的な実施形態において、製造のための仮想ドリルガイド900を設計するべく、モニタなどのディスプレイユニット128と一緒に歯科医/臨床医によって使用される。本明細書での別の例示的な実施形態において、入力ユニット130は、タッチスクリーンインターフェースディスプレイ装置(図示せず)で使用される指又はスタイラスである。入力ユニット130は、代替的に、ジェスチャー認識デバイス、トラックボール、マウス、或いはキーボード又はスタイラスなどの他の入力デバイスであり得る。一例では、ディスプレイユニット128、入力ユニット130、及びコンピュータプロセッサ122は、集合的にユーザインターフェース126を形成する。
【0067】
コンピュータプロセッサ122は、例えば、中央処理ユニット、マルチプロセッシングユニット、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などを含み得る。プロセッサ122は、通信インフラストラクチャ124(例えば、通信バス又はネットワーク)に接続することができる。本明細書での一実施形態において、プロセッサ122は、仮想ドリルガイド900を作成する要求を受信し、CAD/CAMシステム206及びデータベース202を使用して仮想ドリルガイド900を自動的に作成する、又は作成を可能にする。プロセッサ122は、非一時的記憶装置に記憶された対応する命令をコンピュータで読み取り可能なプログラム命令の形態でロードし、ロードした命令を実行することでこれを達成することができる。
【0068】
コンピュータシステム100は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)であり得るメインメモリ132をさらに含み、また、二次メモリ134を含み得る。二次メモリ134は、例えば、ハードディスクドライブ136及び/又はリムーバブルストレージドライブ138を含み得る。リムーバブルストレージドライブ138は、よく知られている様態で、リムーバブルストレージユニット140から読み出す及び/又はリムーバブルストレージユニット140に書き込むことができる。リムーバブルストレージユニット140は、リムーバブルストレージドライブ138によって読み出す及び書き込むことができる、例えばフロッピーディスク、磁気テープ、光ディスク、フラッシュメモリデバイスなどであり得る。リムーバブルストレージユニット140は、コンピュータで実行可能なソフトウェア命令及び/又はデータを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0069】
さらに代替的な実施形態において、二次メモリ134は、コンピュータシステム100にロードされるコンピュータで実行可能なプログラム又は他の命令を記憶する他のコンピュータ可読媒体を含み得る。このようなデバイスは、リムーバブルストレージユニット144及びインターフェース142(例えば、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース)、リムーバブルメモリチップ(例えば、消去可能プログラム可能な読出し専用メモリ(「EPROM」)又はプログラム可能な読出し専用メモリ(「PROM」))及び関連するメモリソケット、及びソフトウェア及びデータをリムーバブルストレージユニット144からコンピュータシステム100の他の部分に転送することを可能にする他のリムーバブルストレージユニット144及びインターフェース142を含み得る。
【0070】
コンピュータシステム100はまた、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステム100と外部デバイスとの間で転送されることを可能にする通信インターフェース146を含み得る。そのようなインターフェースは、モデム、ネットワークインターフェース(例えば、イーサネットカード、無線インターフェース、インターネットを通じてホストされたサービスを提供するクラウドなど)、通信ポート(例えば、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)ポート又はFireWire(登録商標)ポート)、パーソナルコンピュータメモリカードインターナショナルアソシエーション(「PCMCIA」)インターフェース、Bluetooth(登録商標)などを含み得る。通信インターフェース146を介して転送されるソフトウェア及びデータは、信号の形態であってもよく、通信インターフェース146によって送信及び/又は受信することができる電子、電磁気、光学、又は別のタイプの信号であってもよい。信号は、通信パス148(例えば、チャネル)を介して通信インターフェース146に提供することができる。通信パス148は、信号を搬送することができ、ワイヤ又はケーブル、光ファイバ、電話回線、セルラーリンク、無線周波数(「RF」)リンクなどを使用して実装することができる。通信インターフェース146は、コンピュータシステム100とリモートサーバ又はクラウドベースのストレージとの間でソフトウェア又はデータ又は他の情報を転送するために使用することができる。
【0071】
1つ以上のコンピュータプログラム又はコンピュータ制御論理をメインメモリ132及び/又は二次メモリ134に記憶することができる。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェース146を介して受信されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサ122によって実行されるときに、コンピュータシステム100に本明細書に記載のいくつかの又はすべての方法を実行させる、コンピュータで実行可能な命令を含み得る。
【0072】
別の実施形態において、ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、リムーバブルストレージドライブ138、ハードディスクドライブ136、及び/又は通信インターフェース146を使用してコンピュータシステム100のメインメモリ132及び/又は二次メモリ134にロードされてもよい。
【0073】
本明細書に記載の機能を実行するための他のハードウェア及びソフトウェア構成の実装は、この説明を考慮すれば当業者には明らかであろう。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図9H
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図23C
図23D
図24A
図24B
図24C
図24D
図25