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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】固体イオン選択電極
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/28 20060101AFI20241018BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G01N27/28 321F
G01N27/416 351B
G01N27/416 351K
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022541962
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 US2021012657
(87)【国際公開番号】W WO2021146105
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】62/960,239
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 S. Kraemer Boulevard, Brea, CA 92821, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ウォーラック, ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ムー, シーハイ
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-128261(JP,A)
【文献】特開2015-068796(JP,A)
【文献】特開平06-273372(JP,A)
【文献】特開昭54-007396(JP,A)
【文献】特開昭59-190653(JP,A)
【文献】特公昭49-027074(JP,B1)
【文献】実公平06-031417(JP,Y2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0276630(US,A1)
【文献】国際公開第2011/034168(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/26-27/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並行試験アセンブリであって、前記並行試験アセンブリは、
(a)筐体であって、前記筐体は、
(i)前記筐体を通過するサンプル経路であって、前記サンプル経路は、流入側の流体分流器と、出力側の流体合流器とを備え、前記流体分流器は、流体を2つ以上の経路に分けるように適合され、前記流体合流器は、前記2つ以上の経路からの流体を単一経路の中に組み合わせるように適合されている、サンプル経路と、
(ii)前記筐体内の開口部によって画定される2つ以上の電極ソケットであって、各電極ソケットは、前記2つ以上の経路のうちの経路に接続された前記開口部からアクセス可能な前記筐体内の空洞を備えている、電極ソケットと、
(iii)前記2つ以上の電極ソケットのうちの参照電極ソケットに開放している前記筐体内のリザーバと
を備えている、筐体と、
(b)前記参照電極ソケット内に位置付けられたねじ山付き部分であって、前記ねじ山付き部分は、前記2つ以上の経路のうちの参照経路に対して参照トランスデューサの参照膜をシールしている、ねじ山付き部分と、
(c)参照電極であって、参照プローブが前記参照電極から延びており、前記参照プローブは、前記リザーバ内に位置付けられた近位端と、前記筐体の外側に位置付けられ、前記参照電極に接続された遠位端とを有し、前記参照プローブの前記近位端は、前記参照トランスデューサに近接している、参照電極と、
(d)前記2つ以上の電極ソケット内に位置付けられた1つ以上のイオン選択電極と
を備え、
前記イオン選択電極の各々は、トランスデューサを前記2つ以上の経路のうちの経路に対してシールしている、並行試験アセンブリ。
【請求項2】
前記サンプル経路は、
(a)サンプル流体を前記流入側において受け取ることと、
(b)前記流体分流器において、前記サンプル流体の一部を前記2つ以上の経路の各々に転送することと、
(c)前記サンプル流体の一部を前記参照トランスデューサおよび前記1つ以上のイオン選択電極のうちの各々のトランスデューサと接触した状態に置くことと、
(c)前記サンプル流体の前記一部を前記流体合流器において受け取り、前記サンプル流体を前記出力側において前記筐体から外に移送することと、
を行うように適合されている、請求項1に記載の並行試験アセンブリ。
【請求項3】
(a)前記参照トランスデューサは、参照電位を生成するように構成され、
(b)前記1つ以上のイオン選択電極の第1のトランスデューサは、ナトリウム濃度を示す電位を生成するように構成され、
(c)前記1つ以上のイオン選択電極の第2のトランスデューサは、カリウム濃度を示す電位を生成するように構成され、
(d)前記1つ以上のイオン選択電極の第3のトランスデューサは、塩化物濃度を示す電位を生成するように構成されている、請求項1に記載の並行試験アセンブリ。
【請求項4】
(a)前記ねじ山付き部分は、前記参照電極ソケットの中にねじ込まれ、前記参照膜を前記参照経路に対してシールし、
(b)前記1つ以上のイオン選択電極の各々は、それぞれのねじ山付き部分を有し、前記それぞれのねじ山付き部分は、前記2つ以上の電極ソケットのうちの各々の電極ソケットの中にねじ込まれ、それぞれの膜を前記2つ以上の経路のうちのそれぞれの経路に対してシールする、請求項1に記載の並行試験アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
患者診断および治療に関連する種々のタイプの試験が、患者の微生物または「病原菌」の分析によって実施されることができる。病原菌は、単細胞または多細胞であり得る細菌、菌類、またはウイルス等の微視的生命有機体である。患者の微生物を含む生物学的サンプルが、患者の感染部、体液、または膿瘍から採取され得、患者の治療を補助するために、試験パネルまたはアレイ内に設置され、種々の試薬と組み合わせられ、培養され、分析され得る。自動化された生化学的分析器または生物学的試験システムが、手動動作を使用する分析と比較したとき、患者サンプルの分析を促進し、検定結果の正確度および信頼性を改良し、種々の抗菌剤の有効性を決定することを補助するような医療施設および他の機関の必要性を満たすために開発されている。
【0002】
そのような生物学的試験システムは、生物学的サンプル中のイオン濃度を決定するために、イオン選択電極の使用を含み得る。これは、感知要素がサンプル流体にさらされるように、イオン選択電極を通り抜けるチャネル、またはその近傍を通るチャネルを通してサンプル流体を圧送することを含み得る。感知要素は、流体サンプルと相互作用し、電圧を発生させ、電圧は、サンプル流体中の特定の物質(例えば、ナトリウム、カリウム、塩化物)の濃度を決定するために測定されることができる。
【0003】
これらの電極および対応するシステムは、多くの場合、高価であり、長応答時間を有し、および/または大サンプルサイズを要求する。加えて、多くのイオン選択電極は、伝導性コアとイオン選択膜との間に不十分なシールを有し得る。これは、多くの場合、「持ち越し汚染」と呼ばれる事象の発生をもたらし得、この事象において、サンプルが、分析後、器具内に留まり、それによって、他のサンプルのその後の分析は、不正確であり、信頼性がない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
並行試験アセンブリであって、前記並行試験アセンブリは、
(a)筐体であって、前記筐体は、
(i)前記筐体を通過するサンプル経路であって、前記サンプル経路は、流入側の流体分流器と、出力側の流体合流器とを備え、前記流体分流器は、流体を2つ以上の経路に分けるように適合され、前記流体合流器は、前記2つ以上の経路からの流体を単一経路の中に組み合わせるように適合されている、サンプル経路と、
(ii)前記筐体内の開口部によって画定される2つ以上の電極ソケットであって、各電極ソケットは、前記2つ以上の経路に接続された前記開口部からアクセス可能な前記筐体内の空洞を備えている、電極ソケットと、
(iii)前記2つ以上の電極ソケットのうちの参照電極ソケットに開放している前記筐体内のリザーバと
を備えている、筐体と、
(b)前記参照電極ソケット内に位置付けられた参照電極であって、前記参照電極は、前記2つ以上の経路のうちの参照経路に対して参照トランスデューサの参照膜をシールしている、参照電極と、
(c)前記参照電極に近接して前記リザーバ内に位置付けられた近位端と、前記筐体の外側に位置付けられた遠位端とを伴う参照プローブと、
(d)前記2つ以上の電極ソケット内に位置付けられた1つ以上のイオン選択電極と
を備え、
前記イオン選択電極の各々は、トランスデューサを前記2つ以上の経路のうちの経路に対してシールしている、並行試験アセンブリ。
(項目2)
前記サンプル経路は、
(a)サンプル流体を前記流入側において受け取ることと、
(b)前記サンプル分流器において、前記サンプル流体の一部を前記2つ以上の経路の各々に転送することと、
(c)前記サンプル流体の一部を前記参照トランスデューサおよび前記1つ以上のイオン選択電極のうちの各々のトランスデューサと接触した状態に置くことと、
(c)前記サンプル流体の前記一部を前記サンプル合流器において受け取り、前記サンプル流体を前記出力側において前記筐体から外に移送することと、
を行うように適合されている、項目1に記載の並行試験アセンブリ。
(項目3)
(a)前記参照トランスデューサは、参照電位を生成するように構成され、
(b)前記1つ以上のイオン選択電極の第1のトランスデューサは、ナトリウム濃度を示す電位を生成するように構成され、
(c)前記1つ以上のイオン選択電極の第2のトランスデューサは、カリウム濃度を示す電位を生成するように構成され、
(d)前記1つ以上のイオン選択電極の第3のトランスデューサは、塩化物濃度を示す電位を生成するように構成されている、項目1に記載の並行試験アセンブリ。
(項目4)
(a)前記参照電極は、前記参照電極ソケットの中にねじ込まれ、前記参照膜を前記参照経路に対してシールし、
(b)前記1つ以上のイオン選択電極の各々は、前記2つ以上の電極ソケットのうちの各々の電極ソケットの中にねじ込まれ、それぞれの膜を前記2つ以上の経路のうちのそれぞれの経路に対してシールする、項目1に記載の並行試験アセンブリ。
(項目5)
カートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリは、
(a)生物学的試験システムのカートリッジ受け取り部内に収まるように適合された筐体と、
(b)前記筐体の上部表面内の凹部によって画定されるサンプルウェルと、
(c)前記サンプルウェル内に位置付けられ、前記筐体内に埋め込まれた参照トランスデューサであって、前記参照トランスデューサは、前記サンプルウェル内のサンプル流体との接触に基づいて、参照電位を発生させるように構成されている、参照トランスデューサと、
(d)前記筐体内にあり、前記参照トランスデューサと接触している参照流体のリザーバであって、前記参照電位は、前記リザーバ内で発生させられる、リザーバと、
(e)前記サンプルウェル内に位置付けられ、前記筐体内に埋め込まれた1つ以上のトランスデューサであって、前記1つ以上のトランスデューサの各々は、前記サンプルウェル内の前記サンプル流体との接触に基づいて、電位を発生させるように構成されている、トランスデューサと、
(f)前記筐体の底部表面上のコネクタの組と
を備え、
(i)前記コネクタの組の参照コネクタは、前記筐体の外側から前記リザーバの中に入り、それによって、前記参照コネクタの近位端が、前記参照トランスデューサに近接し、前記参照コネクタの遠位端が、前記筐体の外側に位置付けられており、
(ii)前記コネクタの組の1つ以上のコネクタの近位端は、前記筐体内の前記1つ以上のトランスデューサに結合され、前記1つ以上のコネクタの遠位端は、前記筐体の外側に位置付けられており、
前記コネクタの組は、前記カートリッジアセンブリが前記カートリッジ受け取り部内に設置されると、前記参照電位および前記1つ以上のトランスデューサの前記電位を前記生物学的試験システムのプロセッサに伝送するように構成されている、カートリッジアセンブリ。
(項目6)
前記1つ以上のトランスデューサは、
(a)前記サンプル流体中のナトリウム濃度を示す電位を発生させるように構成された第1のトランスデューサと、
(b)前記サンプル流体中のカリウム濃度を示す電位を発生させるように構成された第1のトランスデューサと、
(c)前記サンプル流体中の塩化物濃度を示す電位を発生させるように構成された第1のトランスデューサと
を備えている、項目5に記載のカートリッジアセンブリ。
(項目7)
前記サンプルウェルは、表面張力の効果に起因して、前記サンプル流体を保持するように適合されている、項目5に記載のカートリッジアセンブリ。
(項目8)
前記カートリッジアセンブリ上に設置されると、前記サンプルウェル内のサンプル流体をシールするように適合されたカバーをさらに備えている、項目5に記載のカートリッジアセンブリ。
(項目9)
前記筐体は、約0.5cm~約2cmの長さ、約0.35cm~約1.5cmの幅、および約0.1cm~約0.4cmの深度である、項目5に記載のカートリッジアセンブリ。
本明細書は、本発明を特に指示し、明確に請求する請求項で終了するが、本発明は、同様の参照番号が同一の要素を識別する付随の図面と併せて検討されるある例の以下の説明からより深く理解されるであろうと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、例示的生物学的試験システムの概略図である。
【0006】
図2図2は、電極アセンブリが除去されている例示的イオン選択電極アセンブリの斜視図である。
【0007】
図3図3は、イオン選択電極アセンブリの図2の線A-Aに沿った断面図である。
【0008】
図4図4は、図2のイオン選択電極アセンブリの見下げ図である。
【0009】
図5図5は、図2の「イオン選択電極アセンブリの代替斜視図である。
【0010】
図6A図6Aは、図2のイオン選択電極アセンブリと共に使用可能な例示的トランスデューサアセンブリの斜視図である。
【0011】
図6B図6Bは、図6Aのトランスデューサアセンブリの代替斜視図である。
【0012】
図7図7は、図6Aのトランスデューサアセンブリの例示的トランスデューサの斜視図である。
【0013】
図8図8は、図6のトランスデューサアセンブリを含む、イオン選択電極アセンブリの図2の線A-Aに沿った断面図である。
【0014】
図9図9は、例示的参照電極の概略図である。
【0015】
図10図10は、内部詳細が示されている図9の参照電極の概略図である。
【0016】
図11図11は、例示的並行試験アセンブリの斜視図である。
【0017】
図12図12は、図11の並行試験アセンブリの分解斜視図である。
【0018】
図13図13は、例示的筐体の一部が内部詳細を示すために省略されている図11の並行試験アセンブリの概略図である。
【0019】
図14図14は、電極アセンブリが除去されている並行試験アセンブリの図11の線B-Bに沿った断面図である。
【0020】
図15図15は、並行試験アセンブリのサンプル経路を通した液体の流動を示す流動図である。
【0021】
図16図16は、例示的カートリッジアセンブリの斜視図である。
【0022】
図17図17は、図16のカートリッジアセンブリの底面図である。
【0023】
図18図18は、カートリッジアセンブリの図16の線C-Cに沿った断面図の概略図である。
【0024】
図19図19は、図16のカートリッジアセンブリと共に使用可能な代替の例示的生物学的試験システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面は、いかようにも限定であるように意図されず、本発明の種々の実施形態が、必ずしも図面に描写されるわけではないものを含む、種々の他の方法で実行され得ることが考慮される。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する付随の図面は、本発明のいくつかの側面を図示し、説明と一緒に、本発明の原理を解説する役割を果たすが、しかしながら、本発明は、示される精密な配置に限定されないことを理解されたい。
【0026】
本発明のある例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するように使用されるべきではない。本発明の他の例、特徴、側面、実施形態、および利点が、例証として、本発明を実行するために考慮される最良の形態のうちの1つである以下の説明から当業者に明白となるであろう。認識されるであろうように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる明白な側面が可能である。故に、図面および説明は、制限ではなく、本質的に例証として見なされるべきである。
【0027】
本明細書に説明される教示、表現、バージョン、例等のうちのいずれか1つ以上のものは、本明細書に説明される他の教示、表現、バージョン、例等のうちのいずれか1つ以上のものと組み合わせられ得ることを理解されたい。以下に説明される教示、表現、バージョン、例等は、したがって、互いに対して分離して見なされるべきではない。本明細書の教示が組み合わせられ得る種々の好適な方法が、本明細書の教示に照らして当業者に容易に明白となるであろう。そのような修正および変形例は、請求項の範囲内に含まれることが意図される。
【0028】
説明されているように、多くの従来のイオン選択電極(「ISE」)は、種々の要因に起因して不利である。いくつかの従来のISEは、比較的に複雑であって、それは、コストおよび信頼性に影響を及ぼし得る。いくつかの従来のISEは、種々の構成要素を貼り付けるために、またはシールするために接着剤も使用し得、接着剤は、サンプル流体を汚染し、誤った測定を引き起こし得るか、または、接着剤は、経時的に劣化し、保管寿命を限定するか、または、持ち越し汚染のリスクを増加させ得る。多くの従来のイオン選択電極は、低速応答時間にも悩まされ得、正確な結果を提供するために、比較的に大量のサンプルにさらされることを要求し得る。本明細書に開示される実装およびその変形例は、従来のISEに優る多数の利点を提供する。
【0029】
(I.例示的イオン選択電極アセンブリ)
【0030】
図1は、例示的生物学的試験システム(10)の概略図である。生物学的試験システム(10)は、生物学的試験システム(10)の種々の構成要素を動作させるように構成され、生物学的試験の結果に関連付けられたデータを受信および生成するようにも構成されたプロセッサ(12)を含む。サンプル源(14)は、サンプル流体の流動を提供するようにプロセッサ(12)によって動作可能であり、サンプル流体は、サンプル経路(18)を通して進行し、サンプル廃棄装置(16)において退出する。サンプル流体は、生物学的サンプル、試薬、および他の流体を含み得、生物学的試験システム(10)に導入されることに先立って、調製され得るか、または、いくつかの実装では、生物学的試験システム(10)の構成要素によって混合および調製され得る。サンプル源(14)およびサンプル廃棄装置(16)の一方または両方は、弁、ポンプ、および他の流体制御構成要素を含み得るか、または、正/負の流体圧力が、サンプル経路(18)の上流または下流のデバイスによって提供され得る。
【0031】
サンプル経路(18)は、生物学的試験システム(10)の特定の実装に応じて、可変の長さ、経路、および特性を有する流体チャネルである。例えば、いくつかの実装では、サンプル経路(18)は、1つ以上の感知要素(20)のそばを通って、またはそれを通してサンプル流体を移送する単一経路であり得る。いくつかの実装では、サンプル経路(18)は、サンプル流体の流動を1つ以上の経路に分割し(または転送し)得る。感知要素(20)は、サンプルがサンプル経路(18)を通して流動するとき、サンプル流体に接触し、サンプル流体の1つ以上の特性を決定するために、サンプル経路(18)に沿って位置付けられる。これは、例えば、感知要素(20)を通り抜けるサンプル流体、またはサンプル経路(18)の中に突出する感知要素(20)を含み得る。サンプル流体特性の決定は、種々の方法において実施され得、ISEの場合、サンプル流体が感知要素(20)の動作部分に接触する結果として生成された電圧または他の特性の測定を含み得る。
【0032】
いくつかの実装では、プロセッサ(12)は、サンプル源(14)および/またはサンプル廃棄装置(16)を動作させ、サンプル経路(18)に沿ったサンプル流体の流動を制御し得る。サンプル流体が感知要素(20)に接触すると、電圧が、感知要素(20)によって生成され、受け取られる。生成された電圧は、プロセッサ(12)に伝送され得るか、または、電圧を示すデータが、プロセッサ(12)に伝送され得、生成された電圧は、サンプル流体中のイオン(例えば、ナトリウム、カリウム、塩化物)の濃度を示す結果を生成するために、プロセッサ(12)によって使用され得る。そのような結果は、次いで、本開示に照らして当業者に明白であろうように、別のデバイスに伝送され、メモリ上に記憶され、ディスプレイデバイス上に表示され、または、そうでなければ、プロセッサ(12)によって使用され得る。
【0033】
図2は、トランスデューサアセンブリ(例えば、図6Aおよび6Bに示されるようなトランスデューサアセンブリ(122))が除去されている例示的イオン選択電極(「ISE」)アセンブリ(100)の斜視図である。完全なISEアセンブリ(100)は、感知要素(20)として、生物学的試験システム(10)と共に使用され得る。ISEアセンブリ(100)は、サンプル経路(18)がISEアセンブリ(100)を通過するように、生物学的試験システム(10)内に据え付けられ得る。ISEアセンブリ(100)は、筐体(102)を含み、筐体(102)は、ISEアセンブリ(100)をサンプル経路(18)と統合するために、生物学的試験システム(10)の受け取り器部分内に収まるように成形および適合されている。筐体(102)は、配置を補助するための特徴(搭載タブ(108)の組等)を含み得、特徴は、近傍の構造における適切にサイズを決定された空隙と整列し、それの中に挿入され得る。筐体(102)自体も、輪郭が付けられた縁、溝、および他の外部特徴を含み得、それらは、配置および位置付けを補助する。
【0034】
サンプル入力(104)は、ISEアセンブリ(100)が生物学的試験システム(10)と結合されると、サンプル入力(104)がサンプル流体の源(例えば、サンプル源(14)等)と整列させられるように、筐体(102)上に位置付けられる。サンプル経路シール(110)は、サンプル入力(104)を包囲し、サンプル源(14)とサンプル入力(104)との間のシールを補助するために、ISEアセンブリ(100)が生物学的試験システム(10)内に据え付けられると、相手方の構造と結合し得る。サンプル経路シール(110)も、搭載タブ(108)と同様、ISEアセンブリ(100)の適切な据え付けを補助し得る。トランスデューサアセンブリソケット(106)は、下でさらに詳細に説明されるであろうように、筐体(102)の中に延び、トランスデューサアセンブリ(122)を受け取るように成形および適合される。
【0035】
図3は、イオン選択電極アセンブリ(100)の図2の線A-Aに沿った断面図である。この図では、サンプル入力(104)が、筐体(102)を通過し、サンプル出力(112)において退出し、サンプル経路(120)を筐体(102)内に画定することが見える。トランスデューサアセンブリソケット(106)は、ねじ山付き空洞として示され、トランスデューサ受け取り部(114)で終端するように見られ得る。トランスデューサ受け取り部は、トランスデューサシール(118)を含み、それは、試験部分(116)を包囲し、試験部分(116)は、感知開口とも称され得る。試験部分(116)は、トランスデューサ受け取り部(114)とサンプル経路(120)とが交差する、筐体(102)内のエリアである。トランスデューサアセンブリ(122)が、筐体(102)内に据え付けられると、トランスデューサアセンブリ(122)の動作部分は、下でさらに詳細に解説されるであろうように、試験部分(116)において、サンプル経路(120)内のサンプル流体と接触し得る。
【0036】
図3の図では、サンプル入力(104)に提供されるサンプル流体は、筐体(102)を通して水平に移動し、試験部分(116)の中に、次いで、試験部分(116)の外に垂直に移動し、次いで、サンプル出力(112)から退出するまで、筐体(102)を通して垂直に移動するように見られ得る。
【0037】
図4および5の各々は、ISEアセンブリ(100)の代替図を示す。図4では、ISEアセンブリ(100)は、再び、トランスデューサアセンブリ(122)が除去された状態で示され、トランスデューサ受け取り部(114)のエリアは、トランスデューサシール(118)と、試験部分(116)とを含むように見られ得る。図4は、輪郭が付けられた部分(103)を含む筐体(102)の追加の詳細を示し、輪郭が付けられた部分(103)は、生物学的試験システム(10)内でのISEアセンブリ(100)の位置付けを補助するように成形および適合され得る。
【0038】
図6Aおよび6Bの各々は、トランスデューサアセンブリ(122)の斜視図を示す。トランスデューサアセンブリ(122)は、トランスデューサ(126)と、ねじ山付き部分(128)と、据え付けナット(130)と、プローブ(124)とを含む。プローブ(124)は、コネクタ(132)で終端し、ねじ山付き部分(128)内でトランスデューサ(126)に伝導的に結合される。トランスデューサ(126)が、流体サンプルに接触するとき、電圧が、生成され、プローブ(124)を介して、コネクタ(132)に伝送され、コネクタ(132)自体は、ISEアセンブリ(100)が生物学的試験システム(10)内に据え付けられると、プロセッサ(12)と結合するように適合されている。ねじ山付き部分(128)は、プローブ(124)の一部を格納し、プローブ(124)は、トランスデューサ(126)と伝導的に結合し、トランスデューサ受け取り部(114)の中に入り込む。据え付けナット(130)は、ねじ山付き部分(128)に固定され、ねじ山付き部分(128)を据え付けるとき、ツールを用いて把持され、トランスデューサアセンブリ(122)がトランスデューサアセンブリソケット(106)内に緊密に据え付けられることを可能にし得る。
【0039】
図7は、トランスデューサ(126)の斜視図を示す。トランスデューサ(126)は、本体(127)と、膜(129)とを含む。膜(129)は、ポリマー、ガラス、結晶、または他の適切な膜材料から形成され得、本体(127)に鋳造または別様に結合され得る。本体(127)は、伝導性材料から形成され得る。例えば、いくつかの実装では、本体(127)は、固体黒鉛材料から形成され得、膜(129)は、本体(127)の表面上に直接鋳造される。
【0040】
膜(129)の組成および構造は、本開示に照らして当業者に明白であろうように、種々の物質を測定することが可能であるトランスデューサを生成するために、変動させられ得る。例えば、膜(129)の多孔率または厚さは、特定の膜がナトリウムまたはカリウムを測定することになるかどうかに応じて、変動させられ得る。膜(129)は、物質の測定を可能にすることに加え、膜(129)は、可撓性でもあり、トランスデューサアセンブリ(122)がISEアセンブリ(100)内に据え付けられると、サンプル経路(120)をシールすることを補助する。
【0041】
図8は、イオン選択電極の図2の線A-Aに沿った断面図である。図8は、完全に組み立てられたISEアセンブリ(100)と膜(129)のシール機能との両方を図示する。その図では、トランスデューサアセンブリ(122)は、トランスデューサアセンブリソケット(106)内に見られ得る。ねじ山付き部分(128)とトランスデューサアセンブリソケット(128)とが、ねじ山付きスクリュ型アセンブリとして示されるが、トランスデューサアセンブリ(122)が、他の方法、例えば、摩擦嵌め、機械的掛止、およびばね解放掛止等によって筐体(102)内に固定され得ることを理解されたい。
【0042】
ねじ山付き部分(128)の下方では、トランスデューサ(126)は、トランスデューサシール(118)がトランスデューサ(126)の膜(129)と接触するように、トランスデューサ受け取り部(114)内に位置しているように見られ得る。ISEアセンブリ(100)は、例えば、トランスデューサ(126)をトランスデューサ受け取り部(114)内に設置し、次いで、据え付けナット(130)を回転させることによってねじ山付き部分(128)をトランスデューサアセンブリソケット(106)の中にねじ込むことによって示される様式において組み立てられ得る。ねじ山付き部分(128)が、前進させられると、それは、トランスデューサ(126)の背面に接触し、トランスデューサ(126)の背面をトランスデューサシール(118)に押し付ける。膜(129)は、トランスデューサシール(118)に対して押し付けられるにつれて、撓曲し、加圧シールをサンプル経路(120)に対して作成するであろう。ねじ山付き部分(128)および据え付けナット(130)は、好適な圧力がシールを形成することを可能にするが、膜(129)を損傷し得る締め付け過ぎを防止するために、ねじ山付き部分(128)が前進させられ得る深度を制御するように適合され得る(例えば、それらのサイズまたは場所を変化させることによって)。そのような構造的限定に加え、本開示に照らして当業者に明白であろうように、他の圧力限定特徴も、実装され得る(トルクアクティブ化スリップ特徴を据え付けナット(130)内に含むこと、トランスデューサシール(118)とトランスデューサ(126)の一部との間に剛直構造的接触を提供すること、または、他の特徴等によって)。
【0043】
図8に示されるように、組み立てられると、トランスデューサ(126)の膜(129)部分は、サンプル経路(120)内の試験部分(116)にさらされるように見られ得る。サンプル流体がサンプル経路(120)を通して流動すると、サンプル流体は、膜(129)に接触し、サンプル流体の分析を可能にするであろう。この構成は、いくつかの利点を提供する。例えば、膜(129)表面は、直接、サンプル経路(120)と統合し、サンプル流体に接触するための均一表面を提供し、持ち越し汚染、または試験の合間のサンプル流体の保持を防止する。加えて、サンプル経路(120)とトランスデューサアセンブリソケット(106)との間のシールが、トランスデューサ(126)に対するねじ山付き部分(128)の機械的力によって提供され、それは、接着剤、シーラント、または別個のシール特徴が、必要とされないことを意味する。結果として、接着剤からの汚染のリスクが存在せず、かつ接着剤またはシーラントを劣化させ、最終的に、ISEアセンブリ(100)を故障させ、その保管寿命を低減させるリスクが存在しない。ねじ山付き部分(128)によって提供される加圧シールは、事実上、恒久的であり、長期保管寿命を可能にし、使用に先立って、または、使用中、据え付けナット(130)を用いて、容易にチェックまたは締め付けられ得る。
【0044】
いくつかの実装では、筐体(102)およびトランスデューサアセンブリソケット(106)は、プラスチックまたはポリマーから形成され得る一方、ねじ山付き部分(128)は、類似材料であり得る。そのような材料は、構成要素間のシールを達成すること、トランスデューサ(126)に対する締め付け過ぎを防止すること、トランスデューサ(126)からの伝導性を回避すること、または、長保管寿命中の種々の保管条件下で構成要素間のシールを維持すること(例えば、可変温度が、いくつかの材料に関して材料拡張および縮小を引き起こし得る)を補助するように選択され得、そのような選択は、本開示に照らして当業者に明白である。
【0045】
追加の利点として、トランスデューサ(126)は、ねじ山付き部分(128)を設置し、据え付けナット(130)を締め付けることによって、直接、トランスデューサ受け取り部(114)の中に設置され、シールされ得る。膜(129)が本体(127)上に、直接鋳造され、ISEアセンブリ(100)が接着剤または他のステップを伴わずに完全に組み立てられ得るので、膜(129)と接触する人間は、最小化または完全に回避され得る。膜(129)との接触は、多孔性特徴が残骸で詰まる結果をもたらし得るので、そのような接触を最小化し、図8に図示されるようなISEアセンブリ(100)の単純組み立てを提供することは、誤差を低減させ、試験結果の正確度を改良し得る。追加の利点として、そのような実装は、固体のトランスデューサ(126)および膜(129)を提供し、それは、ISEアセンブリ(100)の簡略性、信頼性、耐久性、組立易さ、および使いやすさにおける利点を提供し得る。ISEアセンブリ(100)のために要求される保守の頻度および範囲も、低減させられ得る。何故なら、接着剤またはシールを点検する必要、または、空洞から持ち越し汚染を清掃または洗浄する必要がなく、膜コーティングされたサンプル経路を使用するISEと比較して、サンプル経路を完全に点検する必要が低減させられるからである。
【0046】
ISEアセンブリ(100)の可変の実装は、可変の接触表面積を膜(129)とサンプル経路(120)との間に提供するであろう。例えば、いくつかの実装は、所望に応じて、0.006インチの接触表面積を有し、ISEアセンブリ(100)の全体的サイズが低減させられることを可能にし得る。そのような接触表面積を用いた正確な測定は、トランスデューサ(126)の固体設計、サンプル経路(120)内の膜(129)の位置、膜(129)を損なわせ得る接着剤、溶媒、シーラント、または他の汚染物質が無いこと、および他の要因等の要因に起因して、可能となる。測定応答時間も、1秒以下まで低減させられ得、低減させられた接触表面積および膜(129)が結果を提供し得る正確度に部分的に起因して、より少量のサンプル流体を用いて実施され得る。
【0047】
議論されたように、ISEアセンブリ(100)は、膜(129)の特性を変動させることによって、特定の物質(例えば、ナトリウム、カリウム、塩化物)の濃度を試験するように構成され得る。いくつかの実装では、各ISEアセンブリ(100)は、図1のサンプル経路(18)が複数のISEアセンブリ(100)を通過し得るように、単一物質を試験し得、各ISEアセンブリ(100)は、異なる測定を提供するように構成される。サンプル経路(18)は、順次、ISEアセンブリ(100)を通過し得るか、または、分岐し、並行して、ISEアセンブリ(100)を通過し得る。ISEアセンブリ(100)の他の特徴、変形例、および利点も、存在し、本開示に照らして当業者に明白であり、いくつかのそのような変形例は、下でさらに詳細に開示および説明される。
【0048】
(II.例示的参照電極)
【0049】
説明されているように、ISEアセンブリ(100)のようなISEは、接触中に生成される電圧に基づいて、サンプル流体中の物質の濃度を測定する。ISEアセンブリ(100)によって提供される電圧測定の解釈は、典型的に、参照電圧を要求する。いくつかの実装では、この参照電圧は、参照電極によって提供され得る。図9は、ISEアセンブリ(100)の特徴のうちのいくつかを使用して実装され、組み立てられる例示的参照電極(200)の概略図を示す。参照電極(200)は、試験中、一定電圧測定を提供するという点と、参照電極(200)の感知要素が、直接、サンプル経路(18)に接触しないという点とを含むいくつかの点において、他のISEと異なる。
【0050】
図9に示されるように、参照電極(200)は、サンプル入力(204)を伴う筐体(202)を含む。プローブ(216)は、筐体(202)から部分的に延び、遠位端におけるコネクタ(220)を含み、コネクタ(220)は、プロセッサ(12)と結合し、測定された電圧を示すデータまたは信号を提供する。図10は、参照電極(200)の筐体(202)内の構成要素を図示する概略図である。サンプル入力(204)は、参照電極(200)がサンプル経路(18)内に設置されると、サンプル流体を受け取る。サンプル流体は、ISEアセンブリ(100)の文脈に説明されるものと同様、サンプル経路(212)を通して進行し、サンプル出力(図示せず)を介して、参照電極(200)から退出する。サンプル経路(212)を通して流動するサンプル流体は、トランスデューサ(215)に接触するであろう。トランスデューサ(215)は、ISEアセンブリ(100)の文脈に説明されるものと同様、ソケット(210)の中に前進させられるねじ山付き部分(214)によって、サンプル経路(212)に対してシールされる。
【0051】
筐体(202)は、リザーバ(206)も含み、リザーバ(206)は、伝導性電解質液で充填され、キャップ(208)によって、筐体(202)内にシールされ得る。キャップ(208)は、キャップ(208)をソケット(210)またはねじ山付き部分(214)に取り付けるねじまたは他の留め具によって、筐体(202)上に加圧シールされ得る。プローブ(216)の近位端におけるプローブ先端(218)は、トランスデューサ(215)に近接するが、それと接触しない。このように組み立てられると、参照電極(200)は、サンプル流体がトランスデューサ(215)に接触すると、コネクタ(220)を介して、一定参照電圧をプロセッサ(12)に提供し得る。生物学的試験システム(10)において使用されるとき、参照電極(200)は、サンプル流体中のイオン濃度を決定するために使用可能な参照電圧を提供するために、1つ以上のISEアセンブリ(100)(例えば、サンプル経路(18)に沿って、直列または並列に)と対にされ得る。
【0052】
(III.例示的並行試験アセンブリ)
【0053】
説明されたように、生物学的試験システム(10)は、いくつかの電極アセンブリ(例えば、参照電極(200)、1つ以上のISEアセンブリ(100))を含み得る。生物学的試験に有利であり得る生物学的試験システム(10)の実装では、専用ISEアセンブリ(100)が、ナトリウム、カリウム、および塩化物等のいくつかの特定のイオン濃度の測定のために含まれ得る。そのようなシステムのいくつかの実装は、各々が専用測定構成を有する3つのISEアセンブリ(100)とともに、サンプル経路(18)に沿って順に位置付けられた参照電極(200)を含み得る。
【0054】
生物学的試験システム(10)のいくつかの実装では、感知要素(20)は、サンプル経路(18)内に設置され、複数の能力を含む単一アセンブリとして実装され得る。例として、図11は、例示的並行試験アセンブリ(300)の斜視図を示す。並行試験アセンブリ(300)は、サンプル流体が並行試験アセンブリ(300)の中に流動し、サンプル経路に沿った流動が、サンプル経路に沿った感知要素に接触し、次いで、並行試験アセンブリ(300)から退出するという前提で、ISEアセンブリ(100)および参照電極(200)の文脈に説明されるものと同様にサンプル流体を受け取り、試験する。
【0055】
しかしながら、並行試験アセンブリ(300)を使用することにおいて、複数の感知能力が、提供され得、サンプル流体測定は、複数のISEアセンブリ(100)を通して順に流動するのではなく、並行して、実質的に同じ時間枠内で実施され得る。結果として、流体サンプルの全体的試験時間は、低減させられ得る。
【0056】
図11の並行試験アセンブリ(300)は、筐体(302)を含み、筐体(302)は、サンプル入力(312)を含み、サンプル入力(312)は、サンプル流体を受け取り、筐体(302)を通過するサンプル経路上に伝送する。並行試験アセンブリ(300)を通過するサンプル流体は、参照電極(304)、第1の電極(306)、第2の電極(308)、および第3の電極(310)によって、順次ではなく、並行して、試験され得る。したがって、サンプル流体中の3つの物質(例えば、ナトリウム、カリウム、塩化物)の濃度を試験する生物学的試験システム(10)の実装では、並行試験アセンブリ(300)が、4つの別個のアセンブリの代わりに、使用されることができ、有利なこととして、並行して測定を実施することによって、サンプル流体スループットおよび試験の速度を増加させることもできる。
【0057】
並行試験アセンブリ(300)は、ISEアセンブリ(100)において使用されるものと類似特徴および機能を有するいくつかの構成要素を含むが、それらの配置は、単一筐体(302)内に収まるために、異なる。例証するために、図12は、並行試験アセンブリ(300)の分解斜視図を示す。参照電極(304)は、キャップ(320)から、かつ筐体(302)内のリザーバ(318)内から引き出されて示される。参照電極(200)の文脈に説明されるように、リザーバ(318)は、伝導性電解質流体で充填され、参照電圧の測定を補助し得る。充填されると、リザーバは、キャップ(320)によってシールされ、参照電極(304)は、プローブ先端(322)が、参照トランスデューサ(316)に近接するが、それと接触せずに、リザーバ(318)内に置かれるように、キャップ(320)に通される。参照トランスデューサ(316)は、トランスデューサ(215)に類似し、参照ソケット(336)内に挿入され、参照ソケット(336)の中に前進させられるねじ山付き部分(314)上に押し付けられることによって、筐体(302)内に加圧シールされる。
【0058】
第1の電極(306)は、ISEアセンブリ(100)のトランスデューサ(126)およびねじ山付き部分(128)に類似したねじ山付き部分(324)と、トランスデューサ(326)とを含む。トランスデューサ(326)は、第1の電極ソケット(338)内に設置され、ねじ山付き部分(324)を第1の電極ソケット(338)の中に前進させることによって、筐体(302)内に加圧シールされる。トランスデューサアセンブリ(122)と同様、トランスデューサ(326)において生成される電圧は、電極(306)の長さに沿って、プロセッサ(12)に伝導的に連通される。第2の電極(308)は、第2の電極ソケット(340)の中に圧力嵌めされ得るねじ山付き部分(332)と、トランスデューサ(334)とを含み、各構成要素は、第1の電極(306)の対応する構成要素と類似機能および特徴を有する。第3の電極(310)は、第3の電極ソケット(342)の中に圧力嵌めされ得るねじ山付き部分(328)と、トランスデューサ(330)とを含み、各構成要素は、第1の電極(306)の対応する構成要素と類似機能および特徴を有する。
【0059】
示されるように配置されると、並行試験アセンブリ(300)は、各電極がサンプル流体の異なる測定を提供するように構成され得る。例として、第1の電極(304)は、(例えば、トランスデューサ(326)の膜の特性に基づいて)サンプル流体中のナトリウム含有量を測定するように構成され得、第2の電極(308)は、サンプル流体中のカリウム含有量を測定するように構成され得、第3の電極(310)は、サンプル流体中の塩化物含有量を測定するように構成され得る。そのような構成のために参照電圧測定を提供する、参照電極(304)を用いることで、並行試験アセンブリ(300)は、生物学的試験システム(10)内に順次配置され得るいくつかの別々の構成要素に取って代わる一方、ISEアセンブリ(100)および参照電極(200)と同じ利点を共有することができる(例えば、マニホールド(129)に対する加圧シール、接着剤、シーラント、または溶媒に関する無要件、耐久性および保管寿命の増加、および上で説明される他の改良)。
【0060】
完全に組み立てられた並行試験アセンブリ(300)の筐体内の電極の配置のシミュレートされた図が、図13に見られ得、それは、いくつかの部分が可視性のために省略されている並行試験アセンブリ(300)の概略図を示す。その図では、第1の電極(306)のねじ山付き部分(324)は、第1の電極ソケット(338)の中に前進させられるように見られ得、第2の電極(308)のねじ山付き部分(332)は、第2の電極ソケット(340)の中に前進させられるように見られ得、第3の電極(310)のねじ山付き部分(328)は、第3の電極ソケット(342)の中に前進させられるように見られ得る。同様に、参照電極(304)のねじ山付き部分(314)は、参照ソケット(336)の中に前進させられるように見られ得る。この配置を用いることで、参照トランスデューサ(316)、および第1の電極(306)のトランスデューサ(326)、第2の電極(308)のトランスデューサ(334)、および第3の電極(310)のトランスデューサ(330)の全ては、並行試験アセンブリ(300)のサンプル入力(312)の位置に近接して、筐体(302)内に位置付けられ、シールされる。リザーバ(318)、およびリザーバ(318)内の参照トランスデューサ(316)に対するプローブ先端(322)の位置も、図13において可視である。
【0061】
図13において不可視である1つの構造は、流体が、トランスデューサ間の任意のクロストーク(例えば、電圧または他の特性の誤った検出)を伴わずに試験され得るように、サンプル流体をトランスデューサの各々に転送するチャネルの構造である。その構造は、部分的に、図14に示され、それは、並行試験アセンブリ(300)の図11の線B-Bに沿った断面図であり、第1の電極(306)、第2の電極(308)、および第3の電極(310)は、筐体(302)から除去されている。その図では、筐体(302)の内部構造は、可視であって、サンプル入力(312)が、筐体(302)を通過し、サンプル出力(344)を介して退出し、サンプル経路(346)を画定するチャネルの組につながるように見られ得る。サンプル経路(346)は、サンプル流体の流動が、同様に、ISEアセンブリ(100)のトランスデューサ受け取り部(114)の文脈に開示されるように、それぞれのトランスデューサ受け取り部(347)内に位置付けられるトランスデューサに接触するために、分かれて流れ、筐体(302)内の各ねじ山付き部分のトランスデューサ受け取り部(347)に流動するように、筐体(302)内に画定される。各トランスデューサ受け取り部(347)を通過後、サンプル流体の分岐流動は、再び組み合わせられ、サンプル出力(344)を介して、筐体(302)から退出する。
【0062】
加えて、筐体(302)の構造によって画定されたサンプル経路(346)を図示するために、図15は、並行試験アセンブリ(300)を通した液体の流動を図示する流動図を示す。液体の流動は、サンプル入力(312)から開始し、矢印によって示される方向に進行する。サンプル分流器(354)に到達すると、液体の流動は、各々が部分的サンプル入力(348)である4つの別個のチャネルに分かれ、ISEアセンブリ(100)の試験部分(116)の文脈に説明されるように、同様に、それぞれの試験部分によって受け取られる。
【0063】
図15に示される画像に関して、流体の一部は、部分的サンプル入力(348)に沿って、試験部分(350a)の中に、右に進行し、次いで、試験部分(350a)を通して、部分的サンプル出力(352)の中に流動するように見られ得る。部分的サンプル出力(352)からの流体は、次いで、サンプル合流器(356)において受け取られ、そこで、分岐サンプル流動は、再び組み合わせられ、次いで、サンプル出力(344)を介して退出する。同様に、流体の一部は、サンプル分流器(354)から、試験部分(350d)の中に、上向きに進行し、次いで、試験部分(350d)を通して、サンプル合流器(356)に向かって、下向きに流動し、そこで、他のサンプル流体と再び組み合わせられ、サンプル出力(344)を介して退出する。明白であろうように、流体の一部は、サンプル分流器(354)から、試験部分(350c)の中に、左にも進行し、次いで、試験部分(350c)を通して、サンプル合流器(356)に向かって、流動し、そこで、他のサンプル流体と再び組み合わせられる。最後に、流体の一部は、サンプル分流器(354)から、試験部分(350b)の中に、下向きにも進行し、次いで、試験部分(350b)を通して、サンプル合流器(356)に向かって、戻るように流動し、そこで、他のサンプル流体と再び組み合わせられる。サンプル流体の分流および合流は、本開示に照らして当業者に明白であろうように、サンプル経路(346)を画定する構造の形状および輪郭を用いて、サンプル流体入力の加圧によって、または両方によって、遂行され得る。
【0064】
明白であり得るように、図15に示される試験部分の各々は、トランスデューサ受け取り部(347)等のトランスデューサ受け取り部に対応し、電極が、その中に位置している。例えば、試験部分(350c)は、第1の電極(306)に対応し、トランスデューサ(326)に接触し、試験部分(350a)は、第2の電極(308)に対応し、トランスデューサ(334)に接触し、試験部分(350b)は、第3の電極(310)に対応し、トランスデューサ(330)に接触し、試験部分(350d)は、参照電極(304)に対応し、参照トランスデューサ(316)に接触する。このように、各トランスデューサは、サンプルチャネル(346)を通して流動する、サンプル流体に接触する一方、また、電気クロストークが防止されるように、互いから隔離され得るように見られ得る。
【0065】
並行試験アセンブリ(300)は、有利なこととして、ISEアセンブリ(100)および参照電極(200)の文脈において与えられる理由のためのみならず、並行試験の追加の利点および事実上増加された流体サンプルスループットのためにも実装されることができる。例えば、生物学的試験システム(10)が、並行試験アセンブリ(300)を含む場合、サンプル経路(18)の全長は、低減させられ得る。図15を参照して解説するために、サンプル流体の任意の部分がサンプル経路(346)を通して進行し得る最長距離は、サンプル流体が、分かれ、各枝に沿って並行して進行するので、サンプル流体が4つの順次配置されるアセンブリを通して進行し得る最長距離の約4分の1である。サンプル経路(18)の全長を低減させることによって、生物学的試験システム(10)は、サンプルを試験し、任意の試験内保守を実施し、次いで、第2のサンプルをより迅速に試験することができる。並行試験アセンブリ(300)は、単一アセンブリが、複数のアセンブリより据え付けおよび置換が容易であり得るので、有用性および保守の観点から、追加の利点を提供する。並行試験アセンブリ(300)の他の特徴、利点、および変形例も、存在し、本開示に照らして当業者に明白であろう。
【0066】
(IV.例示的カートリッジアセンブリ)
【0067】
議論されているように、生物学的試験システム(10)は、それを通してサンプル流体が、流動し、1つ以上の感知要素(20)に接触するサンプル経路(18)を提供する。そのようなシステムは、有利なこととして、ISEアセンブリ(100)、参照電極(200)、および並行アセンブリ(300)等のアセンブリと共に使用されることができるが、他のタイプの生物学的試験システムも、本開示に基づいて、実装され得る。例として、生物学的試験システムおよびISEアセンブリのいくつかの実装は、流動経路を要求しないこともあり、いくつかの利点を提供し得る。
【0068】
例として、図16は、例示的カートリッジアセンブリ(400)の斜視図である。カートリッジアセンブリ(400)は、平坦であり、面取りされた縁と、丸みを帯びた角とを含む本体(402)を含む。特定の実装に応じて、本体(402)は、約0.5cm~約2cmの長さ、約0.35cm~約1.5cmの幅、および約0.1cm~約0.4cmの深度であり得る。本体(402)は、図19に示されるもの等の生物学的試験システム(22)の中に挿入され、それから除去され得るポータブルカートリッジタイプアセンブリとして使用可能であるようにサイズおよび形状を決定される。生物学的試験システム(22)は、プロセッサ(12)を含み、また、カートリッジ受け取り部(24)を含む。カートリッジ受け取り部(24)は、カートリッジアセンブリ(400)を受け取り、それと伝導的に結合し、カートリッジアセンブリ(400)に提供されるサンプル流体の試験中、任意の必要電気出力を提供し、試験出力(例えば、電圧を示すデータ、電気信号、または他の情報)を受信し、図1の文脈に説明されるように、処理および解釈のために、試験出力をプロセッサ(12)に提供するように構成される。カートリッジアセンブリ(400)のサイズおよび形状は、本開示に照らして当業者に明白となるであろうように、カートリッジ受け取り部(24)の特性に基づいて、有用性の要因(例えば、特に小サイズは、カートリッジ受け取り部(400)内で取り扱い、設置することが困難であり得る)に基づいて、および他の要因に基づいて、変動させられ得る。
【0069】
カートリッジ(400)は、本体(402)の中に落ち込んだ浅い凹部としてのサンプルウェル(410)を含む。サンプルウェル(410)は、参照トランスデューサ(404)と、第1のトランスデューサ(406)と、第2のトランスデューサ(408)と、第3のトランスデューサ(412)とを含む。サンプルウェル(410)の各トランスデューサは、それらが、サンプル流体に接触することに応答して、電圧を発生させ、電圧が、トランスデューサのタイプおよび特性(例えば、膜(129)の文脈に説明されるように、トランスデューサの膜の特性の変動)に応じて、参照電圧またはサンプル流体中の物質の濃度を示す電圧であるという点で、ISEアセンブリ(100)のトランスデューサ(126)と同様に機能する。
【0070】
カートリッジアセンブリ(400)を使用するとき、液体は、直接、サンプルウェル(410)内に設置され、その中に保持され得る(例えば、表面張力の効果、サンプルウェル(410)を覆うカバーまたはシールの適用、または両方のいずれかによって)。カートリッジアセンブリ(400)が、生物学的試験システム(22)に接続されていないとき、サンプルの分析は、実施されない。しかしながら、カートリッジアセンブリ(400)が、カートリッジ受け取り部(24)に結合されると、トランスデューサは、動作し、説明されているように、結果として生じる電圧に関連する情報を感知し、プロセッサ(12)に伝送するであろう。
【0071】
プロセッサへの電圧情報の伝送は、図17から分かるように、本体(402)の下面のコネクタの組によって、遂行される。その図では、第1のコネクタ(414)、第2のコネクタ(420)、および第3のコネクタ(422)は、サンプルウェル(410)の下の本体(402)の下面から延びているように見られ得る。コネクタの各々は、挿入されると、対応するトランスデューサに伝導的に結合され、カートリッジ受け取り部(24)およびプロセッサ(12)と伝導的に結合するように位置付けられる。リザーバ(418)も、リザーバ(206)およびプローブ(216)に類似する配置において、そこから延びている参照コネクタ(416)を伴って見られ得る(例えば、参照コネクタ(416)は、リザーバ(418)の中に延び、それは、伝導性流体で充填され得、近位先端は、参照トランスデューサ(404)に近接するが、それと接触しないように位置付けられる)。そのような配置を用いることで、各トランスデューサは、本体(402)内に埋め込まれ、トランスデューサの下面上の対応するコネクタに結合される。
【0072】
図18は、そのような配置の例を示す概略図である。その図では、それは、図18の線C-Cに沿った断面図をシミュレートし、サンプルウェル(410)は、本体(402)の中に延びているように見られ得る。第2のトランスデューサ(408)は、本体(402)内に埋め込まれて可視であり、第2のコネクタ(420)は、カートリッジアセンブリ(400)が挿入されると、第2のトランスデューサ(408)の下面と接触し、本体(402)から外向きに延び、カートリッジ受け取り部(24)と結合するように見られ得る。参照トランスデューサ(404)も、本体(402)内に埋め込まれて見られ得る。参照トランスデューサ(404)の下面は、リザーバ(418)に開放され、その中に設置された流体、に接触するであろう。参照コネクタ(416)は、リザーバ(418)の壁を通して延び、その近位端は、参照トランスデューサ(404)の下面に近接するが、距離(424)によって分離されて位置付けられる。
【0073】
カートリッジアセンブリ(400)は、サンプルウェル(410)が、4つのトランスデューサを含み、それが、参照測定トランスデューサ、ナトリウム濃度トランスデューサ、カリウム濃度トランスデューサ、および塩化物濃度トランスデューサを含む構成を支持し得るという点で、並行試験アセンブリ(300)といくつかの類似性を共有する。しかしながら、カートリッジアセンブリ(400)は、サンプル経路またはアセンブリを通して流動する流体を欠いており、代わりに、流体をサンプルウェル(410)内に受け取る。サンプル経路を欠いている実装は、サンプル流体を加圧または移動させる必要性を低減させ、サンプル経路のチャネルを清掃および洗浄する必要性を低減させ、サンプル間の持ち越し汚染を防止することによって、有利であり得る(例えば、カートリッジアセンブリ(400)が、廃棄または使用後清浄されるとき)。
【0074】
カートリッジアセンブリ(400)の利点は、それが臨床現場での使用のために好適であること、それが、その後、廃棄される得ること、または、清掃され、再使用され得ることを含む。例として、処置を患者に直接提供する医師が、それをそのパッケージングから取り出し、ステッカまたはシールを除去し、サンプルウェル(410)を露出させることによって、カートリッジアセンブリ(400)を調製し得る。患者生物学的サンプル(例えば、血液の液滴等)が、収集され、直接、サンプルウェル(410)の中に垂らされ得るか、または、収集され、別個に調製され(例えば、試薬、溶媒、および他の物質を添加するか、または、それと混合することによって)、直接、サンプルウェル(410)の中に垂らされ得る。カートリッジアセンブリ(400)は、次いで、サンプルウェル(410)をシールし、移送中、サンプルが溢流または汚染されることを防止することによって、移送のために調製され得る。カートリッジアセンブリ(400)は、次いで、生物学的試験システム(22)の場所に移送され得、それは、医師と同じ建物または施設内であり得るか、または、サービスを何人かの医療提供者に提供するために遠隔に位置し得る。カートリッジアセンブリ(400)は、カートリッジ受け取り部(24)の中に挿入され得、結果は、プロセッサ(12)によって捕捉され、保存され、表示され、または受信者に伝送され得る(例えば、ウェブサイト、ウェブインタフェース、電子メッセージ、または他の通信を介して、試験結果を提供すること等によって)。試験が完了すると、カートリッジ受け取り部(24)は、カートリッジ受け取り部(24)を後続カートリッジのために準備するために、自動的に、カートリッジアセンブリ(400)を廃棄し得るか、または、手動で除去および廃棄され得る。
【0075】
生物学的試験システム(22)は、有利なこととして、カートリッジアセンブリ(400)が受け取られるのと同時にサンプルを迅速に試験し得るようなシナリオにおいて使用されることができる一方、共有サンプル経路または流体移送システムを欠いているので、より低い保守要件および持ち越し汚染のより低い潜在性も有する。
【0076】
(V.例示的組み合わせ)
【0077】
以下の例は、本明細書の教示が組み合わせられ、または適用され得る種々の非包括的方法に関する。以下の例は、本願の任意の時点で、または本願の後続出願において提示され得る任意の請求項の範囲を制限するように意図するものではないことを理解されたい。いかなる放棄も、意図するものではない。以下の例は、単に、例証目的としてしか提供されていない。本明細書の種々の教示は、多数の他の方法で配置および適用され得ることが考慮される。いくつかの変形例が、下記の例において言及されるある特徴を省略し得ることも考慮される。したがって、下で言及される側面または特徴のいずれも、別様に明示的にそのように示されない限り、後日、本発明者によって、または本発明者の権利相続人によって、不可欠と見なされるべきではない。下記に言及されるものを超える追加の特徴を含む任意の請求項が、本願に、または本願に関連する後続出願に提示される場合、それらの追加の特徴は、特許性に関連する任意の理由に関して、追加されたと見なされないものとする。
【0078】
(実施例1)
【0079】
イオン選択電極であって、イオン選択電極は、(a)筐体であって、筐体は、(i)筐体を通過するサンプル経路であって、サンプル経路は、感知開口を備えている、サンプル経路と、(ii)筐体内の開口部によって画定される電極ソケットであって、電極ソケットは、開口部からアクセス可能な筐体内の空洞を備えている、電極ソケットと、(iii)受け取り器空洞内に位置付けられ、感知開口を介してサンプル経路に接続されたトランスデューサとを備えている、筐体と、(b)膜構造および膜を備えているセンサであって、(i)膜構造は、センサが、サンプル経路を通過する液体溶液が膜に接触するように、トランスデューサ受け取り部内に設置されると、膜を感知開口に位置付けるように構成され、(ii)膜は、液体溶液と接触することに基づいて、電位を生成するように構成される、センサと、(c)電極ソケットに適合し、膜を感知開口に対して付勢するように適合されたソケットプラグと、(d)プラグを通過し、センサと結合された電気接点ソケットであって、電気接点は、筐体の外側からの電位を測定するために使用可能である、電気接点ソケットとを備えている、イオン選択電極。
【0080】
(実施例2)
【0081】
電気接点は、内部接点と、外部接点とを備え、(i)ソケットプラグは、電極ソケットと結合されると、内部接点を膜構造に対して設置するように構成され、(ii)外部接点は、電気接点から、筐体の外側に延び、(ii)内部接点は、外部接点と結合され、電位を膜構造から外部接点に伝達するように構成されている、実施例1に記載のイオン選択電極。
【0082】
(実施例3)
【0083】
ソケットプラグは、ソケットプラグが電極ソケットの中に前進させられると、ソケットプラグと電極ソケットを結合し、膜を感知開口に対して付勢するように構成されたねじ山を備えている、実施例1-2のうちの任意の1つ以上のものに記載のイオン選択電極。
【0084】
(実施例4)
【0085】
ソケットプラグは、電極ソケットの中にねじ込まれると、膜構造と接触し、膜が感知開口に対して圧縮され、膜と感知開口との間に流体不浸透性シールを形成することを引き起こすように構成されている、実施例3に記載のイオン選択電極。
【0086】
(実施例5)
【0087】
ソケットプラグは、電極ソケットの中にねじ込まれると、流体不浸透性シールをソケットプラグと電極ソケットとの間に形成するように構成されている、実施例4に記載のイオン選択電極。
【0088】
(実施例6)
【0089】
膜構造は、伝導性黒鉛を備えている、実施例1-5のうちの任意の1つ以上のものに記載のイオン選択電極。
【0090】
(実施例7)
【0091】
膜は、固体イオン選択膜を備えている、実施例6に記載のイオン選択電極。
【0092】
(実施例8)
【0093】
固体イオン選択膜は、伝導性黒鉛上に直接鋳造される、実施例7に記載のイオン選択電極。
【0094】
(実施例9)
【0095】
サンプル経路にさらされる膜の部分によって画定される接触表面積は、約0.006平方インチである、実施例1-8のうちの任意の1つ以上のものに記載のイオン選択電極。
【0096】
(実施例10)
【0097】
電気接点が電極ソケットと結合されると、センサは、感知開口に対して自己シールする、実施例1-9のうちの任意の1つ以上のものに記載のイオン選択電極。
【0098】
(実施例11)
【0099】
センサおよび感知開口は、いかなる他のシール特徴または接着剤も備えていない、実施例11に記載のイオン選択電極。
【0100】
(実施例12)
【0101】
センサは、膜構造および膜から本質的に成る、実施例1-11のうちの任意の1つ以上のものに記載のイオン選択電極。
【0102】
(実施例13)
【0103】
膜は、液体溶液中のイオンのイオン濃度に基づいて電位を生成するように構成され、イオンは、カリウム、ナトリウム、および塩化物から成る群から選択される、実施例1-12のうちの任意の1つ以上のものに記載のイオン選択電極。
【0104】
(実施例14)
【0105】
イオン選択電極を組み立てる方法であって、方法は、(a)所望の用途に適合するように選択された寸法を有する筐体を製造することであって、筐体は、(i)筐体を通過するサンプル経路であって、サンプル経路は、感知開口を備えている、サンプル経路と、(ii)筐体内の開口部によって画定される電極ソケットであって、電極ソケットは、開口部からアクセス可能な筐体内の空洞を備えている、電極ソケットと、(iii)受け取り器空洞内に位置付けられ、感知開口を介してサンプル経路に接続されたトランスデューサとを備えている、ことと、(b)トランデューサ受信機内に収まるように選択された寸法を有する膜構造を作成し、膜構造の上に直接膜を鋳造することによってセンサを生成することであって、(i)膜構造は、センサがトランデューサ受信機と結合されると、サンプル経路を通過する液体溶液が膜と接触するように、膜を感知開口に位置付けるように構成され、(ii)膜は、液体溶液との接触に基づいて電位を生成するように構成される、ことと、(c)トランデューサ受信機にセンサを設置することと、(d)感知開口に対して膜を付勢するために、電極ソケットの中にソケットプラグを前進させることと、(e)電気接点をセンサに結合することであって、電気接点は、筐体の外側から電位を測定するために使用可能である、こととを含む、方法。
【0106】
(実施例15)
【0107】
液体溶液中のイオンのイオン濃度に基づいて電位を生成するように膜を構成することをさらに含み、イオンは、カリウム、ナトリウム、および塩化物から成る群から選択される、実施例14に記載の方法。
【0108】
(実施例16)
【0109】
膜構造は、伝導性黒鉛を備え、膜は、固体のイオン選択膜を備え、センサの生成後、センサがトランデューサ受信機内に設置されるまで、膜とのいかなる直接的物理的接触も防止することをさらに含む、実施例14-15のうちの任意の1つ以上のものに記載の方法。
【0110】
(実施例17)
【0111】
ソケットプラグを電極ソケットの中にねじ込むことによって、電気接点を電極ソケットと結合させる結果として、(a)ソケットプラグと電極ソケットとの間に液体不浸透性シールを形成することと、(b)膜と感知開口との間に液体不浸透性シールを形成することとをさらに含む、実施例14-15のうちの任意の1つ以上のものに記載の方法。
【0112】
(実施例18)
【0113】
センサを生成することと、センサおよび感知開口内にいかなる接着剤も含むことなく、かついかなる他のシール特徴も含むことなく、膜と感知開口との間に液体不浸透性シールを形成することとをさらに含む、実施例17に記載の方法。
【0114】
(実施例19)
【0115】
参照電極であって、参照電極は、(a)筐体であって、筐体は、(i)筐体を通過するサンプル経路であって、サンプル経路は、感知開口を備えている、サンプル経路と、(ii)筐体内のリザーバと、容器をシールするように適合されたキャップと、(iii)容器内の電極ソケットと、(iv)電極ソケット内に位置付けられ、感知開口を介してサンプル経路に接続されたトランデューサ受信機とを備えている、筐体と、(b)膜構造および膜を備えているセンサであって、(i)膜構造は、センサがトランデューサ受信機内に設置されると、サンプル経路を通過する液体溶液が膜に接触するように、膜を感知開口に位置付けるように構成され、(ii)膜は、液体溶液との接触に基づいて電位を生成するように構成される、センサと、(c)電極ソケットに適合し、感知開口に対して膜を付勢するように適合されたソケットプラグと、(d)電気接点の近位先端がセンサソケットプラグに近接するように、電極ソケットを通してリザーバの中に筐体を通過する電気接点であって、電位を近位先端における液体から筐体の外側にある遠位先端に伝送するように構成されている電気接点とを備えている、参照電極。
【0116】
(実施例20)
【0117】
ソケットプラグが電極ソケットの中に前進させられると、ソケットプラグは、ソケットプラグと電極ソケットを結合し、感知開口に対して膜を付勢するように構成されたねじ山を備えている、実施例19に記載の参照電極。
【0118】
(実施例21)
【0119】
ソケットプラグは、電極ソケットにねじ込まれると、膜構造との接触を生じ、感知開口に対して膜が圧縮され、膜と感知開口との間に液体不浸透性シールを形成することを引き起こすように構成されている、実施例20に記載の参照電極。
【0120】
(実施例22)
【0121】
並行試験アセンブリであって、並行試験アセンブリは、(a)筐体であって、筐体は、(i)筐体を通過するサンプル経路であって、サンプル経路は、流入側の流体分流器と、出力側の流体合流器とを備え、流体分流器は、流体を2つ以上の経路に分けるように適合され、流体合流器は、2つ以上の経路からの流体を単一経路の中に組み合わせるように適合されている、サンプル経路と、(ii)筐体内の開口部によって画定される2つ以上の電極ソケットであって、各電極ソケットは、2つ以上の経路に接続された開口部からアクセス可能な空洞を筐体内に備えている、電極ソケットと、(iii)2つ以上の電極ソケットのうちの参照電極ソケットに開放している筐体内のリザーバとを備えている、筐体と、(b)参照電極ソケット内に位置付けられ、参照トランスデューサの参照膜を2つ以上の経路のうちの参照経路に対してシールしている、参照電極と、(c)参照電極に近接してリザーバ内に位置付けられた近位端と、筐体の外側に位置付けられた遠位端とを伴う参照プローブと、(d)2つ以上の電極ソケット内に位置付けられた1つ以上のイオン選択電極であって、イオン選択電極の各々は、トランスデューサを2つ以上の経路に対してシールする、イオン選択電極とを備えている、並行試験アセンブリ。
【0122】
(実施例23)
【0123】
サンプル経路は、(i)サンプル流体を流入側において受け取り、(ii)サンプル分流器において、サンプル流体の一部を2つ以上の経路の各々に転送し、(iii)サンプル流体の一部を参照トランスデューサおよび1つ以上のイオン選択電極のうちの各々のトランスデューサと接触して設置し、(iv)サンプル流体の一部をサンプル合流器において受け取り、出力側において、サンプル流体を筐体から外に移送するように適合されている、実施例22に記載の並行試験アセンブリ。
【0124】
(実施例24)
【0125】
(i)参照トランスデューサは、参照電位を生成するように構成され、(ii)1つ以上のイオン選択電極の第1のトランスデューサは、ナトリウム濃度を示す電位を生成するように構成され、(iii)1つ以上のイオン選択電極の第2のトランスデューサは、カリウム濃度を示す電位を生成するように構成され、(iv)1つ以上のイオン選択電極の第3のトランスデューサは、塩化物濃度を示す電位を生成するように構成されている、実施例22-23のうちの任意の1つ以上のものに記載の並行試験アセンブリ。
【0126】
(実施例25)
【0127】
(i)参照電極は、参照電極ソケットの中にねじ込まれ、参照膜を参照経路に対してシールし、(ii)1つ以上のイオン選択電極の各々は、2つ以上の電極ソケットのうちの各々の電極ソケットの中にねじ込まれ、それぞれの膜を2つ以上の経路のうちのそれぞれの経路に対してシールする、実施例22-24のうちの任意の1つ以上のものに記載の並行試験アセンブリ。
【0128】
(実施例26)
【0129】
カートリッジアセンブリであって、カートリッジアセンブリは、(a)生物学的試験システムのカートリッジ受け取り部内に収まるように適合された筐体と、(b)筐体の上部表面内の凹部によって画定されるサンプルウェルと、(c)サンプルウェル内に位置付けられ、筐体内に埋め込まれた参照トランスデューサであって、参照トランスデューサは、サンプルウェル内のサンプル流体との接触に基づいて、参照電位を発生させるように構成されている、参照トランスデューサと、(d)筐体内にあり、参照トランスデューサと接触している参照流体のリザーバであって、参照電位は、リザーバ内で発生させられる、リザーバと、(e)サンプルウェル内に位置付けられ、筐体内に埋め込まれた1つ以上のトランスデューサであって、1つ以上のトランスデューサの各々は、サンプルウェル内のサンプル流体との接触に基づいて、電位を発生させるように構成されている、トランスデューサと、(f)筐体の底部表面上のコネクタの組であって、(i)コネクタの組の参照コネクタは、参照コネクタの近位端が、参照トランスデューサに近接し、参照コネクタの遠位端が、筐体の外側に位置付けられるように、筐体の外側からリザーバの中に通過し、(ii)コネクタの組の1つ以上のコネクタの近位端は、筐体内の1つ以上のトランスデューサに結合され、1つ以上のコネクタの遠位端は、筐体の外側に位置付けられる、コネクタの組とを備え、コネクタの組は、カートリッジアセンブリがカートリッジ受け取り部内に設置されると、参照電位および1つ以上のトランスデューサの電位を生物学的試験システムのプロセッサに伝送するように構成されている、カートリッジアセンブリ。
【0130】
(実施例27)
【0131】
1つ以上のトランスデューサは、(i)サンプル流体中のナトリウム濃度を示す電位を発生させるように構成された第1のトランスデューサと、(ii)サンプル流体中のカリウム濃度を示す電位を発生させるように構成された第1のトランスデューサと、(iii)サンプル流体中の塩化物濃度を示す電位を発生させるように構成された第1のトランスデューサとを備えている、実施例26に記載のカートリッジアセンブリ。
【0132】
(実施例28)
【0133】
サンプルウェルは、表面張力の効果に起因して、サンプル流体を保持するように適合されている、実施例26-27のうちの任意の1つ以上のものに記載のカートリッジアセンブリ。
【0134】
(実施例29)
【0135】
カートリッジアセンブリ上に設置されると、サンプルウェル内のサンプル流体をシールするように適合されたカバーをさらに備えている、実施例26-28のうちの任意の1つ以上のものに記載のカートリッジアセンブリ。
【0136】
(実施例30)
【0137】
筐体は、約0.5cm~約2cmの長さ、約0.35cm~約1.5cmの幅、および約0.1cm~約0.4cmの深度である、実施例26-29のうちの任意の1つ以上のものに記載のカートリッジアセンブリ。
【0138】
(雑則)
【0139】
本明細書に説明される例のうちのいずれかは、上で説明されるものに加えて、またはその代わりに、種々の他の特徴を含み得ることを理解されたい。例にすぎないが、本明細書に説明される例のうちのいずれかは、参照することによって本明細書に組み込まれる種々の参考文献のうちのいずれかに開示される種々の特徴のうちの1つ以上のものも含み得る。
【0140】
本明細書に説明される教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上のものは、本明細書に説明される他の教示、表現、実施形態、実施例等のうちのいずれか1つ以上のものと組み合わせられ得ることを理解されたい。上で説明される教示、表現、実施形態、実施例等は、したがって、互いに対して分離して見なされるべきではない。本明細書の教示が組み合わせられ得る種々の好適な方法が、本明細書の教示に照らして当業者に容易に明白となるであろう。そのような修正および変形例は、請求項の範囲内に含まれることが意図される。
【0141】
参照することによって本明細書に組み込まれると考えられる任意の特許、刊行物、または他の開示資料が、全体または部分的に、組み込まれる資料が本開示に記載される既存の定義、文言、または他の開示資料と矛盾しない範囲においてのみ本明細書に組み込まれることを理解されたい。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載されるような開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる任意の矛盾する資料に優先する。参照することによって本明細書に組み込まれると考えられるが、本明細書に記載される既存の定義、文言、または他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部は、その組み込まれる資料と既存の開示資料との間にいかなる矛盾も生じない範囲においてのみ組み込まれるであろう。
【0142】
本発明の種々のバージョンを示し、説明したが、本明細書に説明される方法およびシステムのさらなる適合が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって遂行され得る。そのような潜在的修正のうちのいくつかが、言及され、その他は、当業者に明白であろう。例えば、上記に議論される実施例、バージョン、幾何学形状、材料、寸法、比率、ステップ、および同等物は、例証的であり、要求されない。故に、本発明の範囲は、以下の請求項の観点から考慮されるべきであり、本明細書および図面に示され、説明される構造および動作の詳細に限定されないように理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19