(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】ロボット制御システム、ロボット制御方法及び無線呼出装置
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241018BHJP
【FI】
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2022556488
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(86)【国際出願番号】 KR2021003507
(87)【国際公開番号】W WO2021194193
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0036487
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0033119
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】523277699
【氏名又は名称】ビー-ロボティクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ミョンシク
(72)【発明者】
【氏名】イム ジウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンス
【審査官】岩▲崎▼ 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-052284(JP,A)
【文献】特開2004-005324(JP,A)
【文献】特表2003-515210(JP,A)
【文献】特開平11-143951(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0352735(US,A1)
【文献】特開昭63-284606(JP,A)
【文献】特開2018-041292(JP,A)
【文献】特開2015-038733(JP,A)
【文献】特開2012-160059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00- 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに設けられて前記ロボットを制御するロボット制御システムであって、
自律走行モードで、前記ロボットが予め設定された自律走行経路に沿って移動するように制御する制御モジュールと、
前記ロボットが自律走行モードにある間に移動を妨げる障害物を検知した後、一定回数以上又は一定期間以上外力によって前記自律走行経路を逸脱する場合、前記ロボットを前記自律走行モードから移動経路再設定モードに切り替えるモード切替モジュールと、
前記移動経路再設定モードで、前記ロボットが外力によって移動する場合、前記ロボットが前記外力によって移動する間の移動経路を追跡し、追跡した前記移動経路に基づいて前記自律走行経路を再設定する設定モジュールと、
を含
み、
前記制御モジュールは、
前記自律走行モードで、前記ロボットが呼び出されると、予め設定された停車位置に移動するように制御し、
前記ロボットが前記停車位置に移動してから所定の停車期間が経過すると、前記自律走行経路に沿って移動するように制御し、
前記ロボットに物品が積載されていることが検知されると、前記停車期間を延長する、ロボット制御システム。
【請求項2】
ロボットに設けられて前記ロボットを制御するロボット制御システムであって、
自律走行モードで、前記ロボットが呼び出されると、予め設定された停車位置に移動するように制御する制御モジュールと、
前記ロボットが自律走行モードにある間に移動を妨げる障害物を検知した後、一定回数以上又は一定期間以上外力によって前記停車位置を離脱する場合、前記ロボットを前記自律走行モードから停車位置再設定モードに切り替えるモード切替モジュールと、
前記停車位置再設定モードで、前記ロボットが外力によって移動した場合、前記ロボットが前記外力によって移動した移動位置を判断し、前記停車位置を前記移動位置に再設定する設定モジュールと、
を含
み、
前記制御モジュールは、
前記ロボットが前記停車位置に移動してから所定の停車期間が経過すると、前記自律走行経路に沿って移動するように制御し、
前記ロボットに物品が積載されていることが検知されると、前記停車期間を延長する、ロボット制御システム。
【請求項3】
前記ロボットは、飲食店で飲食容器を運ぶ用途の配膳ロボットであることを特徴とする、請求項1又は請求項
2に記載のロボット制御システム。
【請求項4】
ロボットに設けられて前記ロボットを制御するロボット制御システムによって行われるロボット制御方法であって、
自律走行モードで、前記ロボットが予め設定された自律走行経路に沿って移動するように制御するステップと、
前記ロボットが自律走行モードにある間に移動を妨げる障害物を検知した後、一定回数以上又は一定期間以上外力によって停車位置を離脱する場合、前記ロボットを前記自律走行モードから移動経路再設定モードに切り替えるステップと、
前記移動経路再設定モードで、前記ロボットが外力によって移動する場合、前記ロボットが前記外力によって移動する間の移動経路を追跡し、追跡した前記移動経路に基づいて前記自律走行経路を再設定するステップと、
を含
み、
前記自律走行モードで、前記ロボットが呼び出されると、予め設定された停車位置に移動するように制御し、
前記ロボットが前記停車位置に移動してから所定の停車期間が経過すると、前記自律走行経路に沿って移動するように制御し、
前記ロボットに物品が積載されていることが検知されると、前記停車期間を延長する、ロボット制御方法。
【請求項5】
ロボットに設けられて前記ロボットを制御するロボット制御システムによって行われるロボット制御方法であって、
自律走行モードで、前記ロボットが呼び出されると、予め設定された停車位置に移動するように制御するステップと、
前記ロボットが自律走行モードにある間に移動を妨げる障害物を検知した後、一定回数以上又は一定期間以上外力によって前記停車位置を離脱する場合、前記ロボットを前記自律走行モードから停車位置再設定モードに切り替えるステップと、
前記停車位置再設定モードで、前記ロボットが外力によって移動した場合、前記ロボットが前記外力によって移動した移動位置を判断し、前記停車位置を前記移動位置に再設定するステップと、
を含
み、
前記ロボットが前記停車位置に移動してから所定の停車期間が経過すると、前記自律走行経路に沿って移動するように制御し、
前記ロボットに物品が積載されていることが検知されると、前記停車期間を延長する、ロボット制御方法。
【請求項6】
データ処理装置にインストールされ、請求項
4又は請求項
5に記載の方法を行うために記録媒体に記憶されたコンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項
4又は請求項
5に記載の方法を行うためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット制御システム、ロボット制御方法、及びロボット制御システムが搭載されたロボットを呼び出す無線呼出装置に関する。より具体的には、店舗で運用される配膳ロボットの停車位置又は自律走行経路を容易に変更可能とし、ユーザ又は店舗スタッフが配膳ロボットを簡単に呼び出すことを可能にするシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行やロボット技術の発達とともに、飲食店等の店舗で料理の配膳を配膳ロボットで行うための研究が活発に行われている。配膳ロボットは、人に代わって店内で定められた経路に沿って走行したり、走行経路上の障害物等を認識して、調理された料理を載せて顧客に配膳している。このような配膳ロボットは主に飲食店(以下、店舗という)に備えられ、定められた機能を行うことになるが、そのために配膳ロボットは、店舗内の移動動線を含む地図を生成し、配膳ロボットの停車位置と方向があらかじめ指定されるようになる。
【0003】
ところが、店舗事情によってレイアウトが変更されたり、テーブルの位置が移動された場合には、配膳ロボットが配膳等のために移動する動線や配膳ロボットが停車する位置が変更されるようになり、配膳ロボットの誤動作をもたらす恐れがある。従来はこのように配膳ロボットの移動経路や停車位置を変更するためには、専用プログラムを用いて再指定したり、サービスサーバを介してリモートで変更する方法しかなく、店舗のニーズに素早く対応しにくく、サービスに支障が発生するという問題がある。
【0004】
一方、顧客が食事を終えて食器を返却口に運んだり、又は店舗の店員が食事の完了したテーブルを片付けするとき、空の食器等を配膳ロボットに積載すると、従来に人が直接運ぶ場合に比べて便利性と安全性が向上することができる。このためには、顧客又は店員が所望する時点で配膳ロボットを呼び出す必要があり、従来はこのような呼び出し機能が十分でなく配膳ロボットの活用度が低下するという問題があった。
【0005】
したがって、店舗内で配膳ロボットの移動経路や停車位置等を簡単かつ容易に変更できるようにする技術的思想が求められる。
【0006】
さらに、料理の配膳に加えて、必要に応じて配膳ロボットを容易に呼び出すことを可能にする技術的思想が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、店舗内で配膳ロボットの自律走行経路や停車位置等を簡便かつ容易に変更できるようにする技術的思想を提供することである。
【0008】
さらに、料理の配膳をはじめとして配膳ロボットが必要な場合に、配膳ロボットを容易に呼び出すことを可能にする技術的思想を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によると、ロボットに設けられて前記ロボットを制御するロボット制御システムであって、自律走行モードで、前記ロボットが予め設定された自律走行経路に沿って移動するように制御する制御モジュール;前記ロボットが自律走行モードにある間に所定の切替条件が満たされると、前記ロボットを前記自律走行モードから移動経路再設定モードに切り替えるモード切替モジュール;及び前記移動経路再設定モードで、前記ロボットが外力によって移動すると、前記ロボットが外力によって移動する間の移動経路を追跡し、追跡した前記移動経路に基づいて前記自律走行経路を再設定する設定モジュールを含むロボット制御システムが提供される。
【0010】
一実施形態において、前記モード切替モジュールは、前記ロボットが自律走行モードにある間に前記ロボットに設けられた所定の入力装置を介して移動経路再設定命令が入力されると、前記ロボットを前記移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0011】
一実施形態において、前記モード切替モジュールは、前記ロボットが自律走行モードにある間、一定回数以上又は一定期間以上外力によって前記自律走行経路を離脱する場合、前記ロボットを前記移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0012】
一実施形態において、前記モード切替モジュールは、前記ロボットが自律走行モードで前記自律走行経路に沿って移動する間に移動を妨げる障害物を検知した場合、前記ロボットを前記移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0013】
一実施形態において、前記制御モジュールは、前記自律走行モードで前記ロボットが呼び出されると、予め設定された停車位置に移動するように制御してもよい。
【0014】
一実施形態において、前記制御モジュールは、前記ロボットが前記停車位置に移動してから所定の停車期間が経過すると、前記自律走行経路に沿って移動するように制御し、前記ロボットに物品が積載されることが検知されると、前記停車期間を延長してもよい。
【0015】
本発明の他の態様によると、ロボットに設けられて前記ロボットを制御するロボット制御システムであって、自律走行モードで前記ロボットが呼び出されると、予め設定された停車位置に移動するように制御する制御モジュール;前記ロボットが自律走行モードにある間に所定の切替条件が満たされると、前記ロボットを前記自律走行モードから停車位置再設定モードに切り替えるモード切替モジュール;及び前記停車位置再設定モードで、前記ロボットが外力によって移動した場合、前記ロボットが前記外力によって移動した移動位置を判断し、前記停車位置を前記移動位置に再設定する設定モジュールを含むロボット制御システムが提供される。
【0016】
一実施形態において、前記モード切替モジュールは、前記ロボットが自律走行モードにある間に前記ロボットに設けられた所定の入力装置を介して停車位置再設定命令が入力されると、前記ロボットを前記停車位置再設定モードに切り替えてもよい。
【0017】
一実施形態において、前記モード切替モジュールは、前記ロボットが前記停車位置に移動した後、一定回数以上又は一定期間以上外力によって前記停車位置を離脱する場合、前記ロボットを前記停車位置再設定モードに切り替えてもよい。
【0018】
一実施形態において、前記ロボットが自律走行モードで前記停車位置への移動中に移動を妨げる障害物を検知した場合、前記ロボットを前記停車位置再設定モードに切り替えてもよい。
【0019】
一実施形態において、前記ロボットは、飲食店で飲食容器を運ぶ用途の配膳ロボットであることを特徴としてもよい。
【0020】
本発明の他の態様によると、上述したロボット制御システムを搭載したロボットを呼び出すための無線呼出装置であって、呼び出しボタン;及び前記呼び出しボタンが押されると、前記無線呼出装置に対応する識別情報を含む呼び出し命令を前記ロボットに伝送し、前記ロボットが前記識別情報に対応する停車位置に移動するように制御する呼び出しモジュールを含む無線呼出装置が提供される。
【0021】
一実施形態において、前記呼び出しモジュールは、前記呼び出しボタンが長く又は短く複数回押され、各押下の長さ又は各押下の間の時間間隔の長さによって所定のパターンが形成される場合、前記呼び出し命令を前記ロボットに伝送してもよい。
【0022】
本発明の他の態様によると、上述したロボット制御システムを搭載したロボットを呼び出すための無線呼出装置であって、前記無線呼出装置の外部に位置するタグを認識するタグリーダ;及び前記タグリーダによってタグが認識されると、認識された前記タグに対応する識別情報を含む呼び出し命令を前記ロボットに伝送し、前記ロボットが前記識別情報に対応する停車位置に移動するように制御する呼び出しモジュールを含む無線呼出装置が提供される。
【0023】
本発明の他の態様によると、ロボットに設けられて前記ロボットを制御するロボット制御システムによって行われるロボット制御方法であって、自律走行モードで、前記ロボットが予め設定された自律走行経路に沿って移動するように制御するステップ;前記ロボットが自律走行モードにある間に所定の切替条件が満たされると、前記ロボットを前記自律走行モードから移動経路再設定モードに切り替えるステップ;及び前記移動経路再設定モードで、前記ロボットが外力によって移動すると、前記ロボットが前記外力によって移動する間の移動経路を追跡し、追跡した前記移動経路に基づいて前記自律走行経路を再設定するステップを含むロボット制御方法が提供される。
【0024】
一実施形態において、前記ロボットが自律走行モードにある間に所定の切替条件が満たされると、前記ロボットを前記自律走行モードから移動経路再設定モードに切り替えるステップは、前記ロボットが自律走行モードにある間、前記ロボットに設けられた所定の入力装置を介して移動経路再設定命令が入力される場合、前記ロボットを前記移動経路再設定モードに切り替えるステップを含んでもよい。
【0025】
一実施形態において、前記ロボットが自律走行モードにある間に所定の切替条件が満たされると、前記ロボットを前記自律走行モードから移動経路再設定モードに切り替えるステップは、前記ロボットが自律走行モードで前記自律走行経路に沿って移動する間に移動を妨げる障害物を検知した場合、前記ロボットを前記移動経路再設定モードに切り替えるステップを含んでもよい。
【0026】
一実施形態において、前記ロボットが自律走行モードにある間に所定の切替条件が満たされると、前記ロボットを前記自律走行モードから移動経路再設定モードに切り替えるステップは、前記ロボットが自律走行モードにある間、一定回数以上又は一定期間以上外力によって前記自律走行経路を逸脱する場合、前記ロボットを前記移動経路再設定モードに切り替えるステップを含んでもよい。
【0027】
本発明の他の態様によると、ロボットに設けられて前記ロボットを制御するロボット制御システムによって行われるロボット制御方法であって、自律走行モードで、前記ロボットが呼び出されると、予め設定された停車位置に移動するように制御するステップ;前記ロボットが自律走行モードにある間に所定の切替条件が満たされると、前記ロボットを前記自律走行モードから停車位置再設定モードに切り替えるステップ;及び前記停車位置再設定モードで、前記ロボットが外力によって移動した場合、前記ロボットが前記外力によって移動した移動位置を判断し、前記停車位置を前記移動位置に再設定するステップを含むロボット制御方法が提供される。本発明の他の態様によると、データ処理装置にインストールされ、上述の方法を行うために記録媒体に記憶されたコンピュータプログラムが提供される。
【0028】
本発明の他の態様によると、上述の方法を行うためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一実施形態によると、店舗内で配膳ロボットの移動経路や停車位置等を簡単かつ容易に変更することができ、料理の配膳以外にも必要な場合に配膳ロボットを容易に呼び出すことができ、ユーザの利便性が大幅に向上することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の詳細な説明で引用される図面をより十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態に係るロボット制御システムが搭載されるロボットの概略構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るロボットと無線呼出装置との関係を説明するための図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるロボット制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図4a】複数のテーブル/椅子を備えた店舗でロボットが自律走行する予め設定された経路を示す図である。
【
図4b】店舗内のテーブル/椅子の配置が変更され、既存の自律走行経路の一部に移動できなくなった場合を示す図である。
【
図4c】ロボットが外力によって移動した経路を示す図である。
【
図4d】自律走行経路が再設定された例を示す図である。
【
図5】ロボットの停車位置を再設定する過程を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるロボット制御方法を示すフローチャートである。
【
図7a】本発明の一実施形態による無線呼出装置の一例を示す図である。
【
図7b】本発明の一実施形態による無線呼出装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に示し、詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、本発明の精神及び技術的範囲に含まれるすべての変換、等価物乃至代替物を含むものと理解されたい。本発明の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0033】
第1、第2等の用語は様々な構成要素を説明するために使用することができるが、上記構成要素は上記用語によって限定されるべきではない。上記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0034】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図していない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0035】
本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は、本明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はそれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つ又は複数の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、又はそれらを組み合わせたものの存在又は追加の可能性を事前に除外しないものと理解されたい。
【0036】
また、本明細書において、ある構成要素が他の構成要素にデータを「伝送」する場合、構成要素は、他の構成要素に直接データを伝送することもでき、少なくとも1つの別の構成要素を介して、データを他の構成要素に伝送することもできることを意味します。逆に、ある構成要素が他の構成要素にデータを「直接伝送」する場合、構成要素からまた他の構成要素を介することなく他の構成要素にデータを伝送することを意味する。
【0037】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を中心に本発明を詳細に説明する。各図に示されている同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態に係るロボット制御システムが搭載されるロボットの概略構成を示す図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係るロボットと無線呼出装置との関係を説明するための図である。
【0039】
ロボットは、飲食店で飲食容器を運ぶ用途の配膳ロボットであってもよく、以下ではロボットが配膳ロボットである場合を前提として説明するが、本発明の技術的思想によるロボット制御システムあるいはロボット制御方法が適用されるロボットは配膳ロボットに限定されず、様々な分野、フィールドで運用される種々のロボットに後述するような本発明の技術的思想を適用することができる。
【0040】
まず、
図1を参照すると、ロボット10は、ロボット制御システム100、ハウジング11、インジケータ12、センサ13、ディスプレイ14、入力装置15、移動手段部16、積載部17等を含んでもよい。
【0041】
ロボット制御システム100は、本発明の技術的思想によるロボット制御方法を行い、ロボット10の自律走行経路、停車位置等を変更したり、ロボットの呼び出し命令に応答して呼び出し場所に移動させる等、ロボット10を制御してもよい。
【0042】
ハウジング11は、金属、合成樹脂及び/又はガラス等の素材でロボット11の本体を構成し、ロボット11の内部に位置する構成を保護することができる。ロボット制御システム100は、ハウジング11の内部に設けられてもよい。
【0043】
インジケータ12は、ロボット10の状態(モード)を示す情報を出力することができる。ロボット10は、予め設定された自律走行経路に沿って自律走行し、呼び出しがあるときに呼び出しに対応する停車位置に自律移動する自律走行モード、自律走行経路が再設定される移動経路再設定モード、停車位置が再設定される停車位置再設定モード、待機中の状態で所定の待機位置に停車している待機モード等様々なモードに切り替えることができ、インジケータ12は現在ロボット10のモードを示す情報を出力することができる。例えば、インジケータ12は、ロボット12のモードによって異なる色を出力するLEDインジケータであってもよい。あるいは、インジケータ12は、ロボットのモードを識別できる情報を表示する装置であってもよい。
【0044】
センサ13は、特定の物理量又は特定の種類のエネルギーを検知することができる。例えば、センサ13は、ロボット10の現在位置を検知する位置検知センサ、ロボット10の運動状態(例えば、速度、加速度、姿勢等を検知する運動状態検知センサ、ロボット10に加わる外力を検知する外力検知センサ、光学信号を受けて電気信号に切り替えるイメージセンサ、積載部17に積載されている積載物の重さを検知する重量検知センサをはじめとして、照度センサ、近接センサ、圧力センサ、光センサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサの少なくとも一部を含んでもよい。
【0045】
ディスプレイ14は、ロボット制御システム100が外部に出力しようとする情報を視覚的に出力する装置であってもよい。ディスプレイ14は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)等を含んでもよい。
【0046】
入力装置15は、ユーザの入力を受信できる装置であり、タッチパネル、キーボード、キーパッド等を含んでもよい。タッチパネルの場合、感圧式タッチパネル、抵抗膜方式タッチパネル、静電容量方式タッチパネル等を含むことができ、ディスプレイ装置14と組み合わせたタッチスクリーンの形態であってもよい。
【0047】
移動手段部16は、ロボット10に移動性を付与する手段であり、モータによって駆動されて回転運動する輪、歩行運動を行うことができる脚状の歩行手段等を含んでもよい。
【0048】
積載部17は、食器等の物品を積載する手段としてトレイ等を含んでもよい。
【0049】
図2を参照すると、ロボット10は、無線呼出装置20から呼び出し命令を受信することができ、無線呼出装置20によって呼び出されたロボット10は呼び出し指令に応答して所定の停車位置に移動することができる。仮に、本発明の技術的思想が飲食店で運用される配膳ロボットに適用される場合、無線呼出装置20は、店内の各テーブルに取り付けられていてもよく、無線呼出装置20の駆動によって呼び出し命令を受信した配膳ロボットは、該当テーブル付近の停車位置まで移動することができる。
【0050】
一実施形態において、ロボット10と無線呼出装置20とは、無線通信を介して互いに接続され、本発明の技術的思想を実現するために必要な様々な情報、信号、データ等を送受信することができる。ロボットと無線呼出装置20は、3G、LTE、LTE-A、Wi-Fi、WiGig、Ultra Wide Band(UWB)等の遠距離無線通信方式、あるいはMST、Bluetooth、NFC、RFID、ZigBee、Z-Wave、IR等の近距離無線通信方式により通信できる。
【0051】
別の実施形態において、ロボット10と無線呼出装置20とは、所定の中継サーバ30を介して互いに通信してもよい。このとき、ロボット10と中継サーバ30、及び無線呼出装置20と中継サーバ30は、上述した無線通信方式で通信してもよい。
【0052】
図3は、本発明の一実施形態によるロボット制御システム100の概略構成を示すブロック図である。
【0053】
図3を参照すると、ロボット制御システム100は、通信モジュール110、記憶モジュール120、位置判断モジュール130、制御モジュール140、モード切替モジュール150、設定モジュール160を含んでもよい。本発明の実施形態によると、上述の構成要素の一部の構成要素は、必ずしも本発明の実施に必須な構成要素に該当しなくてもよく、また、実施形態によって、ロボット制御システム100は、これより多くの構成要素を含んでもよいことは言うまでもない。
【0054】
ロボット制御システム100は、本発明の技術的思想を具現するために必要なハードウェアリソース及び/又はソフトウェアを備えることができ、必ずしも1つの物理的構成要素を意味するか、又は1つの装置を意味するわけではない。すなわち、ロボット制御システム100は、本発明の技術的思想を実現するために備えられたハードウェア及び/又はソフトウェアの論理的な結合を意味することができ、必要に応じて互いに離間した装置に設けられ、各機能を行うことによって、本発明の技術的思想を具現するための論理構成の集合として具現されてもよい。また、ロボット制御システム100は、本発明の技術的思想を具現するための各機能又は役割毎に別に具現される構成の集合を意味してもよい。
【0055】
また、本明細書においてモジュールとは、本発明の技術的思想を具現するためのハードウェアと、ハードウェアを駆動するためのソフトウェアとの機能的、構造的結合を意味してもよい。例えば、モジュールは、所定のコードと所定のコードが行われるためのハードウェアリソースの論理単位を意味してもよく、必ずしも物理的に連結されたコードを意味したり、一種のハードウェアを意味するものではないことは、本発明の技術分野の平均的な専門家であれば容易に推論することができる。
【0056】
制御モジュール140は、ロボット制御システム100及びロボット10に含まれる他の構成(例えば、通信モジュール110、記憶モジュール120、位置判断モジュール130、モード切替モジュール150、設定モジュール160)等の機能及び/又はリソースを制御してもよい。
【0057】
通信モジュール110は外部装置と通信を行い、各種信号、情報、データを送受信することができる。通信モジュール110は、3Gモジュール、LTEモジュール、LTE-Aモジュール、Wi-Fiモジュール、WiGigモジュール、Ultra Wide Band(UWB)モジュール、LANカード等の遠距離通信モジュール、あるいはMSTモジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュール、NFCモジュール、RFIDモジュール、ZigBeeモジュール、Z-Waveモジュール、IRモジュール等の近距離通信モジュールを含んでもよい。
【0058】
記憶モジュール120は、外部装置から受信/入力されるデータ、ロボット制御システム100が生成したデータ等、各種データ及びコンピュータプログラムを記憶することができる。記憶モジュール120は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含んでもよい。記憶モジュール120は、例えば、SSD、フラッシュメモリ、ROM、RAM、EEROM、EPROM、EEPROM、ハードディスク、レジスタを含んでもよい。あるいは、記憶モジュール120は、ファイルシステム、データベース、組み込みデータベースを含んでもよい。
【0059】
記憶モジュール120は、ロボット10が自律走行モードで自律走行する経路、すなわち自律走行経路に関する情報を予め記憶することができ、ロボット10が呼び出されると、呼び出しに応答して移動すべき目的地、すなわち停車位置に関する情報を予め記憶しておいてもよい。
【0060】
位置判断モジュール130は、ロボット10の位置を判断することができる。位置判断モジュール130は、ロボット10に設けられているセンサ13で検知した各種信号に基づいてロボット10の位置を判断することができる。例えば、位置判断モジュール130は、GPS(Global Positioning System)情報又はIPS(Indoor Positioning System)情報を通じてロボット10の位置を判断してもよく、又はセンサ13に含まれる速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ等によってロボット10の動きを検知し、これに基づいてロボット10の位置を判断してもよい。これに加えて、公知の様々な方法によって位置判断モジュール130はロボット10の位置を判断することができる。
【0061】
一方、位置判断モジュール130は、一定期間の間のロボット10の位置を定期的に判断することにより、ロボットが一定期間の間に移動した移動経路を追跡することもできる。
【0062】
制御モジュール140は、自律走行モードで、ロボット10が予め設定された自律走行経路に沿って移動するように制御してもよい。
【0063】
図4aは、複数のテーブル/椅子を備えた店舗でロボット10が自律走行する予め設定された経路(すなわち、予め設定された自律走行経路)を示す図である。
図4を参照すると、制御モジュール140は、自律走行モードで、ロボット10が矢印で示される自律走行経路に沿って移動するように制御することができる。
【0064】
自律走行経路に関する情報は予め定義されており、記憶モジュール120に記憶されていてもよい。一実施形態において、自律走行経路に関する情報は、自律走行経路上の複数の中間地点の座標で構成されてもよい。
【0065】
一方、
図4aでは、自律走行経路が1つの経路を循環する形態になっている例を示しているが、自律走行経路は互いに離れた2地点を往復する形態であってもよく、複数の移動経路が複合した形態で構成されてもよい。複数の移動経路が複合した形態である場合、制御モジュール140は、そのうちの1つの移動経路を選択し、ロボット10が選択された移動経路に沿って自律走行するように制御してもよい。
【0066】
また
図3を参照すると、モード切替モジュール150は、ロボット10が自律走行モードにある間に所定の移動経路切替条件が満たされると、ロボットを自律走行モードから移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0067】
一実施形態において、モード切替モジュール150は、ロボットが自律走行モードで自律走行経路に沿って移動する間に移動を妨げる障害物を検知した場合、ロボット10を移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0068】
これについて
図4bを例に説明する。店舗に設けられたテーブルが、
図4aに示すような配置から
図4bに示すような配置に変更された場合、自律走行中のロボット10は、
図4bに示すようにテーブルによって遮られ、もはや自律走行経路に沿って移動できない状況になる。モード切替モジュール150は、ロボット10を移動経路再設定モードに切り替えてもよい。すなわち、店舗に設けられた物等の位置が変更され、既存に設定されていた自律走行経路が遮られた状況で、ロボット10が自律走行経路に沿って移動する間に障害物にぶつかったり、障害物により移動不可な状況が発生した場合、モード切替モジュール150はこれを検知してロボット10を移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0069】
これに加えて、ロボット1を自律走行モードから移動経路再設定モードに切り替えるようにする移動経路切替条件は様々であってもよい。
【0070】
別の実施形態において、モード切替モジュール150は、ロボットが自律走行モードにある間にロボット10に設けられた所定の入力装置15を介して移動経路再設定命令が入力されると、ロボットを移動経路再設定モードに切り替えてもよい。すなわち、ユーザ(例えば、店舗従業員)が自律走行経路の変更が必要であると判断した場合、ユーザは、ロボット10の入力装置15を介して移動経路再設定メニュー等を選択して移動経路再設定命令を入力することができ、これに応答して、モード切替モジュール150は移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0071】
あるいは、別の実施形態において、モード切替モジュール150は、ロボット10が自律走行モードにある間、一定回数以上又は一定期間以上外力によって自律走行経路を逸脱する場合、ロボット10を移動経路再設定モードに切り替えてもよい。より具体的には、ユーザが自律走行モードにあるロボットに外力を与えて押したり引っ張ったりすると、モード切替モジュール150はこれを検知することができる。例えば、モード切替モジュール150は、ロボット10に設けられたセンサ13を介して外力を検知したり、制御モジュール140によって制御されていない状態でロボット10の位置が変更されたり、又はロボット10の位置が予め設定された自律走行経路からずれていることを検知した場合、ロボット10が外力によって自律走行経路を逸脱したと判断することができ、一定回数以上あるいは一定期間以上ロボット10が外力によって自律走行経路を逸脱したと判断した場合、ロボット10を移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0072】
あるいは、モード切替モジュール150は、ロボットが自律走行モードで自律走行経路に沿って移動する間に移動を妨げる障害物を検知した後、一定回数以上又は一定期間以上外力によって自律走行経路を逸脱すると、ロボット10を移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0073】
あるいは、モード切替モジュール150は、ロボットが自律走行モードで自律走行経路に沿って移動する間に移動を妨げる障害物を検知した状況及び/又は一定回数以上又は一定期間以上外力によって自律走行経路を逸脱する状況を検知すると、ユーザにこのような状況を知らせるアラーム情報を出力し、ユーザの移動経路再設定命令を受けて、ロボット10を移動経路再設定モードに切り替えてもよい。
【0074】
一方、再度
図3を参照すると、設定モジュール160は、移動経路再設定モードで、ロボット10が外力によって移動する場合、ロボット10が外力によって移動する間の移動経路を追跡することができる。また、設定モジュール160は、追跡した移動経路に基づいて自律走行経路を再設定してもよい。
【0075】
図4c及び
図4dを参照して自律走行経路が再設定される例を説明する。
【0076】
図4cを参照すると、ユーザは、移動経路再設定モードに切り替えられたロボット10を押したり引っ張ったりして、ロボット10を外力によって移動させることができる。
図4cに示すように、ユーザは、一点鎖線で示す経路に沿ってロボット10を移動させることができる。すると、設定モジュール150は、ロボット10が外力によって移動する間の移動経路を追跡することができる。
【0077】
その後、設定モジュール160は、追跡した移動経路に基づいて自律走行経路を再設定することができる。
図4dに再設定された移動経路が示されている。
図4cの一点鎖線のような外力による移動経路が追跡されると、設定モジュール160は、これを既存に設定されていた自律走行経路に反映し、自律走行移動経路を
図4dに示すように再設定してもよい。
【0078】
一方、モード切替モジュール150は、設定モジュール160によって自律走行経路が再設定された後、ロボット10を自律走行モードに切り替えてもよく、制御モジュール140は再設定された自律走行経路に沿ってロボット10が自律走行するように制御してもよい。
【0079】
上述したように、本発明の一実施形態によるロボット制御システム100は、ロボット10の自律走行経路を変更することができる。これに加えて、本発明の他の実施形態によるロボット制御システム100は、予め設定されたロボット10の停車位置を変更することもでき、以下でこれについて説明する。
【0080】
ロボット10は、自律走行モードで無線呼出装置20によって呼び出されてもよく、制御モジュール120は、ロボット10が呼び出されると、予め設定された停車位置に移動するように制御してもよい。
【0081】
モード切替モジュール150は、ロボット10が自律走行モードにある間に所定の停車位置切替条件が満たされると、ロボット10を自律走行モードから停車位置再設定モードに切り替えてもよい。
【0082】
一実施形態において、モード切替モジュール150は、ロボット10が自律走行モードにある間にロボットに設けられた所定の入力装置15を介して停車位置再設定命令が入力されると、ロボットを停車位置再設定モードに切り替えてもよい。すなわち、ユーザ(例えば、店舗従業員)が停車位置の変更が必要であると判断した場合、ユーザは、ロボット10の入力装置15を介して装置位置再設定メニュー等を選択して停車位置再設定命令を入力してもよく、これに応答して、モード切替モジュール150は、停車位置再設定モードに切り替えることができる。
【0083】
別の実施形態において、モード切替モジュール150は、ロボット10が停車位置に移動した後、一定回数以上又は一定期間以上外力によって停車位置を離脱する場合、ロボット10を停車位置再設定モードに切り替えてもよい。より具体的には、ユーザが呼び出しによって停車位置に移動したロボットに外力を与えたり引っ張ったりすると、モード切替モジュール150はこれを検知することができる。例えば、モード切替モジュール150は、ロボット10に設けられたセンサ13を介して外力を検知したり、制御モジュール140によって制御されていない状態でロボット10の位置が変更されたり、又はロボット10の位置が停車位置からずれていることを検知した場合、ロボット10が外力によって停車位置を離脱したと判断することができ、一定回数以上又は一定期間以上ロボット10が外力によって停車位置を離脱したと判断した場合、ロボット10を停車位置再設定モードに切り替えてもよい。
【0084】
別の実施形態において、ロボットが自律走行モードで停車位置への移動中に移動を妨げる障害物を検知した場合、ロボットを停車位置再設定モードに切り替えてもよい。
【0085】
他の一実施形態において、ロボット10が自律走行モードで無線呼出装置20の呼び出しによって、停車位置への移動中に移動を妨げる障害物を検知した場合、ロボットを停車位置再設定モードに切り替えてもよい。すなわち、店舗に設けられた物等の位置が変更され、既存に設定されていた停車位置に行くための経路が遮られた状況で、ロボット10が停車位置に行くための経路に沿って移動する間に障害物にぶつかったり、障害物により移動が不可な状況になった場合、モード切替モジュール150は、これを検知してロボット10を停車位置再設定モードに切り替えてもよい。
【0086】
一方、設定モジュール160は、停車位置再設定モードで、ロボット10が外力によって移動した場合、ロボット10が外力によって移動した移動位置を判断し、停車位置を移動位置に再設定してもよい。
【0087】
図5を参照して、ロボット10の停車位置が再設定される例を説明する。
【0088】
図5aは、予め設定された既存の停車位置に移動したロボット10を示す図である。停車位置が再設定される前、ロボット10は、無線呼出装置20の呼び出しによって予め設定されていた停車位置1に移動することができる。
【0089】
図5bは、停車位置付近のテーブル/椅子の配置が変わることによって停車位置も変わらなければならないことを示す図である。仮に、テーブル/椅子が位置1の配置から位置2の配置に変わる場合、ロボット10が呼び出しを受けると停車位置2に到着しなければならないが、ロボット10は既存に予め設定されていた停車位置1に移動する。
【0090】
このとき、上述した停車位置切替条件が満たされると、ロボット10は停車位置切替モードに切り替わり、ユーザは、
図5cに示すようにロボットの位置を外力によって位置1から位置2に移動してもよく、設定モジュール160は、停車位置を位置1から位置2に再設定してもよい。
【0091】
一方、モード切替モジュール150は、設定モジュール160によって停車位置が再設定された後、ロボット10を自律走行モードに切り替えることができ、停車位置が再設定された後は、制御モジュール150は、無線呼出装置20の呼び出しがある場合、ロボット10を位置1でなく位置2に移動させることができる。
【0092】
一方、制御モジュール140は、ロボットが呼び出しを受けて停車位置に移動した後、所定の停車期間が経過すると再度自律走行経路に沿って移動するように制御してもよい。しかし、仮にロボット10が停車位置にもう少し留まる必要がある場合、制御モジュール140は停車期間を延長することができ、延長期間が経過した後に再度自律走行経路に沿って移動するように制御してもよい。特に、ロボット10が配膳ロボットである場合、テーブルから片付けすべき食器を積載する必要がある。したがって、制御モジュール140は、ロボット10に物品が積載されていることが検知されると、停車期間を延長してもよい。
【0093】
図6は、本発明の一実施形態によるロボット制御方法を示すフローチャートである。
【0094】
図6を参照すると、ロボット10は、自律走行モードであってもよく、自律走行経路(又は停車位置再設定モード)であってもよい。
【0095】
ロボット10が自律走行モードである場合、ロボット制御システム100は、ロボット10が予め設定された自律走行経路に沿って移動するように制御するか、又は無線呼出装置20の呼び出しによって予め設定された停車位置に移動するように制御してもよい(S10)。
【0096】
また、ロボット制御システム100は、所定の自律走行経路再設定モード切替条件(又は停車位置再設定モード切替条件)を満たすか否かを判断することができ(S20)、満たすと判断した場合、移動経路再設定モード(又は停車位置再設定モード)に切り替えてもよい。
【0097】
移動経路再設定モード(又は停車位置再設定モード)において、ロボット制御システム100は、外力によって移動したロボットの移動経路(又は外力によって移動したロボットの移動位置)を判断し(S30)、自律走行経路(又は停車位置)を再設定することができる(S40)。再設定が完了すると、ロボット制御システム100は再度ロボット10を自律走行モードに切り替えてもよい。
【0098】
図7a及び
図7bは、本発明の一実施形態による無線呼出装置の一例を示す図である。
【0099】
先ず、
図7aを参照すると、一実施形態において、無線呼出装置20は呼び出しボタン21及び呼び出しモジュール22を含んでもよい。
【0100】
呼び出しボタン22は、ユーザの入力を受けるボタンであり、物理的なボタンであってもよく、無線呼出装置20に設けられたタッチスクリーンで具現される仮想ボタンであってもよい。
【0101】
呼び出しモジュール22は、呼び出しボタン21が押下されると、無線呼出装置20に対応する識別情報を含む呼び出し命令をロボット10に伝送し、ロボット10が識別情報に対応する停車位置に移動するように制御してもよい。
【0102】
店舗には複数の無線呼出装置20が設けられていてもよい。例えば、店舗に配置された各テーブルに無線呼出装置が取り付けられていてもよい。この場合、ロボット10は、自身を呼び出した無線呼出装置が設けられたテーブル付近の停車位置にしなければならないため、各無線呼出装置に対応する停車位置が予め設定されていてもよく、特に、各無線呼出装置の識別情報及び該当無線呼出装置に対応する停車位置をマッピングすることができる。また、ロボット10は、無線呼出装置20の呼び出しがある場合、ロボット20は、予め設定された複数の停車位置のうち、自身を呼び出した無線呼出装置20に対応する停車位置に移動することができる。
【0103】
一方、呼び出しボタン21は短く又は長く押すことができ、各押下の長さによって一種のモールス符号のようなパターンを形成することができる。呼び出しモジュール22は、ボタンの押下又は押下の間の時間間隔によって形成されるモールス符号のようなパターンを認識し、該当パターンが予め定義されたパターンと一致する場合にのみ、呼び出し命令をロボット10に伝送してもよい。すなわち、一実施形態において、呼び出しモジュール22は、呼び出しボタン21が長く又は短く複数回押され、各押下の長さ又は各押下の間の時間間隔の長さによって所定のパターンが形成される場合、呼び出し命令をロボット10に伝送してもよい。これにより、店舗内のテーブルに着席した顧客が任意にロボット10を呼び出すことを防止することができ、予め定められたパターンを知っている従業員のみがロボット10を呼び出すようにすることができる。
【0104】
図7bを参照すると、無線呼出装置20は、タグリーダ23と呼び出しモジュール22を含んでもよい。
【0105】
タグリーダ23は、無線呼出装置20の外部に位置するタグを認識することができる。タグは、店舗内のテーブル等の固定位置に取り付けられてもよく、タグリーダ23がタグに対応する識別情報を認識可能にすることができる。タグは、NFCタグ、バーコードタグ、QRコード(登録商標)タグ等を含んでもよい。
【0106】
呼び出しモジュール22は、タグリーダ23によってタグが認識されると、認識されたタグに対応する識別情報を含む呼び出し命令をロボット10に伝送し、ロボット10が識別情報に対応する停車位置に移動するように制御してもよい。
【0107】
図7bのような形態の実施形態の場合、従業員は無線呼出装置20を携帯してテーブルに取り付けられたタグを認識する形態で使用することができる。
【0108】
一方、実施形態によって、ロボット制御システム100は、プロセッサと、プロセッサによって行われるプログラムを記憶するメモリとを含んでもよい。プロセッサは、CPU、GPU、MCU、APU、マイクロプロセッサ、シングルコアCPU又はマルチコアCPUを含んでもよい。メモリは、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、1つ以上の磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体状態メモリデバイス等の不揮発性メモリを含んでもよい。プロセッサ及び他の構成要素によるメモリへのアクセスは、メモリコントローラによって制御されてもよい。ここで、上記プログラムは、プロセッサによって行われる場合、本実施形態に係るロボット制御システム100に上述した方法を実行させることができる。
【0109】
一方、本発明の実施形態による方法は、コンピュータが読み取り可能なプログラム命令の形態で具現され、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納することができ、本発明の実施形態による制御プログラム及び対象プログラムもコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記憶することができる。コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取ることができるデータが記憶されるあらゆる種類の記録装置を含む。
【0110】
記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特に設計及び構成されたものであってもよく、ソフトウェア分野の当業者に公知として使用可能なものであってもよい。
【0111】
コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ等の磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVD等の光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気光学媒体(magneto-optical media)、及びROM、RAM、フラッシュメモリ等のプログラム命令を記憶及び実行するように特に構成されたハードウェア装置が含まれる。また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータが読み取り可能なコードを記憶して行うことができる。
【0112】
プログラム命令の例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタ等を使用して電子的に情報を処理する装置、例えばコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。
【0113】
上述のハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアモジュールとして動作するように構成することができ、その逆も同様である。
【0114】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できるであろう。したがって、上記で説明した実施形態はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一の形態で説明されている各構成要素は分散して実施することができ、同様に分散されたものと記載されている構成要素も組み合わせた形で実施することができる。
【0115】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは後述の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、またその均等概念から導き出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、ロボット制御システム、ロボット制御方法及び無線呼出装置に利用することができる。