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特許7573644非接触のやり取りを有する食用製品の調製のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】非接触のやり取りを有する食用製品の調製のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/52 20060101AFI20241018BHJP
   A47J 31/00 20060101ALI20241018BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A47J31/52
A47J31/00 302
A47J31/44 510
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022557869
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 PT2021050008
(87)【国際公開番号】W WO2021194364
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】116184
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521042301
【氏名又は名称】ノヴァデルタ - コメルシオ エ インダストリア デ カフェス,エルディーエー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ナベイロ,ルイ ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】デ フィゲイレド ブランコ,ジョアン アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】メディナ ムント,ヘスス
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/067896(WO,A1)
【文献】特表2019-528827(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03459403(EP,A1)
【文献】国際公開第2019/054081(WO,A1)
【文献】特表2018-526085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00~31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用物質のポーション(7)に基づいて、食用製品を調製する方法であって、
- ポーションのエントリ通路(8)により、食用物質のポーション(7)を製品調製機器(5)に手動的又は自動的に供給するステップと、
- 製品放出部(21)から重力の方向とは反対の方向に放出される食用製品を収集し得るように、容器(10、10’)を容器配置手段(2)上において手動的又は自動的に配置するステップと、
を有する食用製品の調製のサイクルを含む方法において、
食用製品の調製の前記サイクルは、
- 開放位置(II)へのアクセス手段(4、41、42)の少なくとも一部の運動を開始するステップと、
- 閉鎖位置(I)へのアクセス手段(4、41、42)の少なくとも一部の運動を開始するステップと、
- 製品調製機器(5)への食用物質のポーション(7)の供給を開始するステップと、
- 前記食用物質のポーション(7)に、食用製品を調製するための流体を流すことを開始するステップと、
を更に含むことを特徴とし、
これにより、前記開始ステップの全ては、食用製品の調製の前記サイクルが装置(1)の任意の部分におけるユーザーによる接触ジェスチャを必ずしも必要としないように、前記装置(1)の前記アクセス手段(4、41、42)の周囲近傍において延在する入力空間(E、E’)において実行される入力ジェスチャによってトリガされ得るものであり、
前記製品放出部(21)及び前記エントリ通路(8)は、前記装置(1)の上部部分のエンベロープ(3)表面上にあり、
前記アクセス手段(4、41、42)は、前記開放位置(II)と前記閉鎖位置(I)との間において運動されるように構成された、前記製品放出部(21)への選択的アクセスを提供する第1アクセス部分(41)及び前記エントリ通路(8)への選択的アクセスを提供する第2アクセス部分(42)を有する、方法。
【請求項2】
前記閉鎖位置(I)へのアクセス手段(4、41、42)の少なくとも一部の運動を開始するステップは、
食用製品の調製の前記サイクルが、前記装置(1)上における接触を伴うことなしに前記ユーザーによる2つ超の入力ジェスチャを必ずしも必要としないように、
予め定義された時間の期間をカウントすること、
の後に且つこれに従って自動的にトリガされ得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開始ステップの全ての開始は、
- 前記装置(1)の周囲近傍において入力ジェスチャを実行するステップと、
- 入力手段(9、91、92、93、94)の少なくとも一部によって前記入力ジェスチャを理解するステップと、
- 前記理解された入力ジェスチャに基づいて入力を生成し、且つ、前記入力を制御手段(6)に提供するステップと、
によってトリガされ、
前記入力手段(9)によって生成された前記入力の後に且つこれに従って、前記装置(1)による食用製品の調製の前記サイクルの個々のステップがトリガされることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記入力ジェスチャは、
- 装置のエンベロープ(3)の少なくとも一部の周囲近傍におけるフリーハンドジェスチャと、
- 前記装置(1)の周囲近傍から、食用物質のポーション(7)及び容器(10、10’)の少なくとも1つに接近するジェスチャと
- 少なくとも前記ポーションのエントリ通路(8)の近傍において、ポーション(7)を取り扱うジェスチャと、
- 少なくとも前記装置(1)の前記容器配置手段(2)の近傍において、且つ、れとの関係におけるその部分の予め定義された向きを伴って、前記容器(10)を取り扱うジェスチャと、
のタイプの非接触ジェスチャの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記非接触ジェスチャは、
- 単一方向及び単一平面の少なくとも1つに沿ったジェスチャと、
- 第1及び第2方向の少なくとも1つ並びに第1及び第2平面の少なくとも1つの少なくとも1つに沿ったジェスチャと、
の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記非接触ジェスチャは、
- スタンバイ状態から動作自在の準備完了状態への前記装置(1)の遷移と、
- 前記装置(1)の動作自在の機器の動作状態の自動的検証と、
- 前記アクセス手段(4、41、42)の少なくとも一部の開放運動によって、容器配置手段(2)及びポーションのエントリ通路(8)の少なくとも1つへのアクセスを提供することと、
のステップの少なくとも1つをトリガすることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
食用製品の調製の前記サイクルは、
- 入力手段(9、91、92)によって生成された第1入力空間(E)における食用物質のポーション(7)を保持する手による入力ジェスチャの前記入力手段(9、91、92)による理解であって、これにより、この第1入力空間(E)は、食用物質の前記ポーション(7)の少なくとも1つの特性を認識するように適合されている、理解と、
- 入力手段(9、91、92)によって生成された第2入力空間(E’)における容器(10、10’)を保持する手の入力ジェスチャの前記入力手段(9)による理解であって、これにより、この第2入力空間(E’)は、前記容器(10、10’)の少なくとも1つの特性を認識するように適合されている、理解と、
のステップの少なくとも1つを更に含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記アクセス手段(42)の前記第2アクセス部分(42)の前記開放位置(II)への運動は、
- 前記容器配置手段(2)における容器(10、10’)の存在の検出と、
- 前記容器(10)が前記容器配置手段(2)上において保持位置に存在していることの確認と、
のイベントの少なくとも1つの後に開始されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
食用物質のポーション(7)を通じた流体の流れに基づいて、例えば飲料などの、食用製品を調製するシステムであって、
- 製品放出部(21)から食用製品を受け取ることができるように、少なくとも1つのタイプの容器(10、10’)の動作自在の配置を提供し得るように適合された容器配置手段(2)と、装置のエンベロープ(3)と、前記製品放出部(21)の上流においてフロー接続状態において提供された製品調製機器(5)に食用物質の前記ポーション(7)を供給し得るように適合されたポーションのエントリ通路(8)と、少なくとも前記流体の流れを制御し得るように適合された制御手段(6)と、入力手段(9、91、92、93、94)と、を提示する装置(1)、 を有するシステムにおいて、
前記製品放出部(21)及び前記エントリ通路(8)は、前記装置(1)の上部部分のエンベロープ(3)表面上にあり、
前記装置(1)は、運動され得るように、且つ、これにより、ポーションの前記エントリ通路(8)及び前記製品放出部(21)の少なくとも1つに対するアクセスを提供し得るように、適合された少なくとも1つのアクセス手段(4、41、42)を提示し、且つ、
前記装置(1)は、
- 前記アクセス手段(4、41、42)の少なくとも一部を駆動する動作と、
- ポーションのエントリ通路(8)によって製品調製機器(5)への食用物質のポーション(7)の供給を開始する動作と、
- 前記流体を流すこと及び前記容器(10、10’)への食用製品の放出を開始する動作と、
を少なくとも実行し得るように適合されており、
これにより、食用製品の調製のサイクルにおける前記動作のすべてが、前記装置(1)の前記アクセス手段(4、41、42)の周囲近傍において延在する入力空間(E)において接触を伴うことなしに実施される入力ジェスチャの理解に基づいて実行され得るものであり、
前記アクセス手段(4、41、42)は、前記製品放出部(21)への選択的アクセスを提供する第1アクセス部分(41)及び前記エントリ通路(8)への選択的アクセスを提供する第2アクセス部分(42)を有する、ことを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記装置(1)は、前記アクセス手段(4、41、42)の少なくとも一部が、
- 前記装置(1)との接触を伴わない最大で2つの異なるタイプのフリーハンド入力ジェスチャ、並びに、
- 前記装置(1)との接触を伴わない最大で4つの異なるタイプの入力ジェスチャ、
の少なくとも1つによって作動され得るように適合されていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記入力手段(9、91、92)は、フリーハンドによるジェスチャ及び物体を保持する手によるジェスチャを含む非接触入力ジェスチャを弁別し得るように適合されており、且つ、
前記入力手段(9、91、92、93、94)は、
- 少なくとも個々の入力空間(E)におけるモーション検出のセンサと、
- 少なくとも個々の入力空間(E)における可視又は赤外線範囲のものを含む画像キャプチャのセンサと、
の少なくとも1つとして提供されており、
これにより、前記入力空間(E)は、前記周囲近傍(3)において延在していることを特徴とする請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記入力手段(9、91、92、93、94)は、
- 前記容器配置手段(2)上における容器(10)の2つの異なる位置の少なくとも1つと、
- ポーションの前記エントリ通路(8)との関係における食用物質のポーション(7)の2つの異なる位置の少なくとも1つと、
の少なくとも1つを弁別し得るように適合されている請求項9乃至11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記入力手段(9)は、
- 周囲近傍の容器(10)の到来と、
- 前記容器配置手段(2)上における容器(10)の配置と、
の少なくとも1つのジェスチャの理解の場合に前記容器配置手段(2)の非手動的運動の作動をトリガする入力を生成し得るように適合されていることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記入力手段は、
- 前記アクセス手段(4)との、及び/又は、前記容器配置手段(2)との、関係における容器(10、10’)の近接性と、
- 前記容器配置手段(2)上における容器(10、10’)の配置と、
の少なくとも1つを自動的に検出し得るように適合されていることを特徴とする請求項9乃至1のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記入力手段(9)は、
容器の初期配置のからの運動を実行し得るように適合された容器配置手段(2)と、
- 閉鎖位置(I)からの運動を実行し得るように適合されたアクセス手段(4、41、42)と、
- 前記装置エンベロープ(3)の部分と、
- 食用物質の前記ポーション(7)と関連するコードの理解に基づいたものを含む前記装置(1)の動作を制御し得るように適合された制御手段(6)と、
の少なくとも1つと動作自在に関連付けられており、
前記初期配置の位置は、前記容器配置手段(2)に対する前記容器の位置であることを特徴とする請求項9乃至1のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記入力手段(9、91、92)は、光学的やり取り、電磁的やり取り、磁気的やり取り、静電容量性タイプのやり取り、の少なくとも1つと関連付けられた入力ジェスチャを理解し得るように適合されていることを特徴とする請求項9乃至1のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記容器配置手段(2)の少なくとも一部は、
前記アクセス手段(4、41、42)における閉鎖位置(I)から開放位置(II)まで、及び/又は
前記容器配置手段(2)に対する容器の初期配置から容器の保持位置(II)まで、
非手動的方式で運動され得るように適合されており、
これにより、前記運動の少なくとも1つは、前記入力手段(9、91、92、93、94)によって理解された入力によって且つこれに従ってトリガされていることを特徴とする請求項9乃至1のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記アクセス手段(4、41、42)の少なくとも一部は、
- 閉鎖位置(I)から開放位置(II)まで、及び/又は
- 開放位置(II)から前記閉鎖位置(I)まで、
非手動的に運動され得るように適合されており、
これにより、前記運動の少なくとも1つは、前記入力手段(9、91、92)によって理解された入力によって且つこれに従ってトリガされていることを特徴とする請求項9乃至1のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記装置(1)は、前記アクセス手段(4、41、42)の少なくとも一部が、
- 前記装置(1)上の物体の存在の検出と、
- 入力の理解を伴わない予め定義された時間の期間のカウンティングと、
の少なくとも1つに基づいて更に自動的に作動され得るように適合されていることを特徴とする請求項9乃至1のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
容器配置手段(2)及びアクセス手段(4、41、42)の少なくとも1つは、前記入力手段(9)によって理解された入力のみが閉鎖位置(I)からの開放運動の動をトリガするように、並びに、開放位置(II)からの閉鎖運動の動が、
- 前記装置(1)の予め定義された動作イベントと、
- 前記装置(1)の予め定義された動作イベントの後の予め定義された時間の期間、の自動的カウントと、
の少なくとも1つによってトリガされ得るように適合された作動手段を提示していることを特徴とする請求項9乃至19のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特に個々の食用物質の抽出を利用して芳香飲料を調製する装置を含む食用製品を調製するシステム及び方法を参照しており、前記装置は、飲料容器の内部への飲料放出手段、特に重力の方向とは反対の方向における放出、を含む。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
従来技術は、飲料調製装置における飲料放出のいくつかの解決策を提示している。具体的には、例えば、エスプレッソタイプのコーヒーなどの芳香飲料の場合に、飲料放出は、飲料容器において得られる飲料の品質に対する潜在的な影響を有する関連する方法である。実際に、特にエスプレッソタイプのコーヒーの場合には、放出フローの主要な特性が、カップの内側におけるクリーム生成及びその保持並びにカップへの放出の際の空気曝露の結果としての温度変動などのいくつかの側面を決定している。
【0003】
独国特許出願公開第2009/048233A1号は、本発明のタイプのシステムを開示しており、これによれば、飲料放出手段を有する蓋様の手段の上昇を利用して、食用物質のポーションが収集空間に提供されている。この解決策は、構造的な複雑さ及び人間工学的制約を提示している。更には、前記蓋様の手段は、飲料放出手段に対する選択的アクセスを提供してはいない。
【0004】
国際公開第2014/086915A1号は、類似のシステムを開示しており、これによれば、食用物質のポーションを導入するための開口部と、類似の高さにおいて提供された飲料放出と、が存在しているものと考えられる。但し、この特許文献は、前記要素のコンパクトな且つ人間工学的な手段を開示してはいない。
【0005】
また、本特許出願の著者によって登録された国際公開第2017/200409A1号も、改善された飲料放出手段を有する芳香飲料を調製するシステムを開示しており、且つまた、装置の有利な構成も提示している。
【0006】
更には、例えば、食用物質を収容したカプセルを挿入するためのアクセス手段の作動がこの目的のために完全なフリーハンドを必要としているシステムも、一般に知られている。従って、ユーザーの両手が実質的に塞がっている場合には、ユーザーが本発明のタイプの装置を動作させることは困難である。例えば、ユーザーが一方の手で飲料容器を保持し且つ他方の手でモバイル通信機器を保持している場合である。
【0007】
従って、このタイプの装置においてアクセス手段の作動の相対的に良好な人間工学を提供する、具体的には、食用物質のポーションを導入するための通路に対する且つ適宜飲料容器の支持部に対する選択的アクセスを提供する、解決策に対するニーズが存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の概要
本発明の目的は、具体的には、動作自在に食用製品の放出と関連付けられるように、装置及び前記装置の容器配置手段上において配置され得る容器を使用することにより、例えば、カプセル又はポッド内のコーヒーなどの食用物質のポーションに基づいて、例えばエスプレッソコーヒータイプの、食用製品を調製する方法を提供することにあり、前記装置は、特定のタイプの入力ジェスチャを必要とする、且つこれによって食用製品の調製のサイクルにおいて装置との間のユーザーによるなんらの接触をも必要としない、確実な作動インターフェイスを利用して、少なくとも前記アクセス手段の作動を提供するように適合されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載の食用製品を調製する方法を利用し、本発明に従って解決されている。
【0010】
具体的には、上述の目的は、ある方法を利用して解決されており、これによれば、前記装置の少なくとも1つのコンポーネントの運動への作動を含む食用製品を調製するサイクルの少なくとも1つのステップは、ユーザーが装置に接触する必要性なしに前記食用製品の調製のサイクルが実行され得るように、前記装置の周囲近傍における、特に入力手段によって生成された入力空間における、ユーザーによって実施された非接触入力ジェスチャの装置と関連付けられた入力手段による検出の後に、トリガすることができる。
【0011】
別の本発明の態様によれば、前記入力ジェスチャは、非接触フリーハンドジェスチャ、容器を保持する非接触ハンドジェスチャ、個々の容器配置手段上において容器を配置するジェスチャ、前記容器配置手段上において容器を取り扱うジェスチャ、食用物質のポーションを配置するジェスチャ、ポーションのエントリ通路の近傍において食用物質のポーションを取り扱うジェスチャの少なくとも1つを含む。
【0012】
本発明による方法は、
- 前記食用物質のポーションを受け取るために適合された、且つ製品放出の上流において流体接続状態にある製品調製機器と、任意選択により、装置のエンベロープと、例えば、電気機械的に運動され、且つ、これにより、容器配置手段、任意選択により、ポーションのエントリ通路、の少なくとも1つに対するアクセスを提供し得るように適合されたアクセス手段と、アクセス手段と動作自在に関連付けられている制御手段及び入力手段と、を提示する装置と、
- 容器配置手段上において動作自在に配置され得るように適合された少なくとも1つのタイプの飲料容器と、
を有するシステムの動作を利用して実行することができる。
【0013】
方法は、動作自在状態において装置を提供するステップを更に有する。
【0014】
本発明は、本発明のタイプの方法を実行するように適合されたシステムを参照しており、具体的には、ユーザーが装置に接触する必要性なしに、2つ超の、好ましくは、1つ超の、初期入力ジェスチャを必要とすることなしに、食用製品を調製するサイクルの実行を提供するシステムを更に参照している。
【0015】
この目的は、請求項11に記載の食用製品を調製するシステムを利用し、本発明に従って解決されている。
【0016】
具体的には、第1の態様によれば、目的は、食用製品の調製のサイクルがユーザーが装置に接触することを必要とすることなしに実行され得るように、特に、装置の、具体的には、前記アクセス手段の、周囲近傍において実施された非接触入力ジェスチャの理解に基づいて、容器配置手段及びこれと関連付けられた製品放出並びにポーションのエントリ通路の少なくとも1つを選択的にカバーし得るように、少なくとも前記容器配置手段に対する選択的アクセスを提供するアクセス手段を提示する装置を有するシステムを利用して解決されている。
【0017】
別の態様によれば、装置は、好ましくは、接触を伴わないフリーハンドジェスチャ、接触を伴わない容器を保持するハンドジェスチャ、個々の容器配置手段上において容器を配置するジェスチャ、前記容器配置手段上における容器を取り扱うジェスチャの少なくとも1つを含む異なるタイプの入力ジェスチャの少なくとも1つを理解及び弁別し得るように適合された入力手段を提示している。
【0018】
別の態様によれば、装置は、周囲近傍における、及び/又は、装置の個々の動作手段において配置された、異なるタイプの物体、具体的には、異なるタイプの食用物質のポーション及び容器、を理解及び弁別し得るように適合された入力手段を提示しており、好ましくは、基準との関係におけるこれらの物体のマークの相対位置を含む。
【0019】
前記入力手段は、装置の周囲近傍の3次元入力空間及び装置の外部エンベロープの入力表面の少なくとも1つにおいて発生する、光学的やり取り、赤外線によるやり取りを含む電磁的やり取り、磁気的やり取り、並びに、好ましくは、やり取りする物体の重量以下である機械力のやり取りの少なくとも1つを理解し得るように適合することができる。
【0020】
本発明の範囲において、「入力空間」という表現は、入力手段によって定義された又は閉じ込められたエリアの少なくとも一部の直交する突起又は少なくとも前記入力手段の近傍の周囲空間の部分を少なくとも含む、装置に隣接して、且つ、装置の外部エンベロープから最大で0.5m、好ましくは、最大で0.3m、の距離において、外部的に延在する空間的エンベロープとして理解されたい。
【0021】
装置は、前記装置の部分との関係における前記飲料容器の且つ前記食用物質のポーションの位置に関係するデータを含む、個々の周囲近傍において前記入力手段によって理解された且つ前記装置の部分ではない物体と関連付けられた入力データに基づいて且つこれに従って飲料調製サイクルを制御し得るように適合された制御手段を提示することができる。
【0022】
装置は、具体的には、容器配置手段上において保持され得るような且つ食用製品が重力のものとは反対の方向に沿って放出され得るような動作方式により、前記食用製品の収集のための少なくとも1つのタイプの飲料容器の配置のための支持を提供するように適合された容器配置手段を提示することができる。
【0023】
装置は、前記容器配置放出と関連付けられた、且つ、重力の方向とは反対の方向に沿って、例えば、飲料などの前記食用製品を注入するように適合された、食用製品の放出を提示することができる。
【0024】
装置は、少なくともほぼ単一平面に沿って延在する前記装置の同一のエンベロープ表面上において、好ましくは、前記装置の上部部分のエンベロープ表面上において、容器配置手段及びポーションのエントリ通路を提示することができる。装置の前記上部部分のみが前記容器配置手段及び前記食用物質のポーションのエントリ通路を提示しており、これにより、アクセス手段が、装置の外部との関係において両方を選択的にカバーし得るように提供されていることが好ましい。
【0025】
図面の説明
以下、好ましい実施形態及び添付の図に基づいて、本発明について更に詳細に説明することとする。
【0026】
図は、以下のものを単純化された概略表現において示している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術による本発明のタイプのシステムにおいて飲料を調製する装置(1)の側面図(左手側)及び正面図である。
図2】従来技術による装置(3)に対して流体接続状態において動作自在に関連付けられた容器配置手段(2)上において動作自在に配置された飲料容器(1)の図である。
図3】本発明による方法の好ましい第1実施形態の図である。
図4】閉鎖状態(I)におけるアクセス手段(4)及び非接触入力ジェスチャを有する本発明によるシステムの第1実施形態の正面図及び平面図(右手側)である。
図5】非接触入力ジェスチャのその他の好ましい実施形態を表す図4による平面図である。
図6】開放位置(II)におけるアクセス手段(4)を有する図4のものに対応する図である。
図7】本発明による方法の好ましい第2の実施形態の図である。
図8】閉鎖位置(I)におけるアクセス手段(4)を有する図4のものに対応する図である。
図9】開放位置(II)に向かって前進する挿入された部分開放位置におけるアクセス手段(4)を有する図8のものに対応する図である。
図10】開放位置(II)におけるアクセス手段(4)を有する図8のものに対応する図である。
図11】本発明によるシステムの一実施形態の側面図であり、且つ、装置(1)のアクセス手段(4)の作動の2つの別個の瞬間を表している。
図12図11による側面図であり、装置(1)のアクセス手段(4)の2つのその他の作動の瞬間を表している。
図13】本発明による方法の別の実施形態の図である。
図14図13による方法の実施形態の継続の図である。
図15】本発明によるシステムの別の実施形態の正面図及び平面図(右手側)であり、且つ、閉鎖位置におけるアクセス手段(41、42)を有する。
図16図15による実施形態の2つの連続的な作動の瞬間の平面図である。
図17】本発明による方法の別の実施形態の図である。
図18図15による図であり、且つ、開放状態におけるアクセス手段(41、42)の部分を有する。
図19図15による実施形態の2つの連続的な作動の瞬間の平面図である。
図20】本発明による方法の別の実施形態の図である。
図21】本発明によるシステムの別の好適な実施形態の側面図及び正面図(右手側)であり、閉鎖位置(I)におけるアクセス手段(4)を有する。
図22】本発明によるシステムの別の好適な実施形態の側面図及び正面図(右手側)であり、開放位置(II)におけるアクセス手段(4)を有する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明の詳細な説明
図1及び図2は、本発明によるシステムの第1のタイプを表している。
【0029】
図1は、本発明によるタイプのシステムにおいて飲料を調製する装置(1)の側面図(図面の左手側)及び正面図を表しており、これは、前記装置(1)の容器配置手段(2)上において動作自在に配置された飲料容器(10、10’)を含む一方で、図2は、本発明のタイプのシステムにおける食用製品(BD)の放出の機能図を表している。
【0030】
表されているように、前記装置(1)は、製品調製機器(5)を提示しており、製品調製機器(5)は、この場合には前記装置(1)の装置ケーシング(3)の内側において提供されており、且つ、製品調製機器(5)が、例えば、カプセルの内側において収容された且つポーションのエントリ通路(8)を通じて導入される飲料のプレカーソルである食用物質のポーション(7)を収集し得るように、その少なくとも1つが閉鎖及び開放位置の間において運動され得る2つの部分を有する。
【0031】
更には、前記装置(1)は、前記食用物質とやり取りするように、60~100℃の温度において且つ1~20バールの圧力においてフロー(FS)を供給し得るように、流体リザーバ(示されていない)のみならず、フロー加圧機器及び流体加熱機器(示されていない)を含むことができる。装置(1)は、それぞれの飲料調製サイクルを制御し得るように適合された制御手段(6)を更に有する。これらの手段については、当業者には周知であり、従って、その更に詳細な表現又は説明は、これを省略する。
【0032】
飲料フロー放出(BD)は、飲料容器(10、10’)の内部に対する飲料放出がそのベース部分(11)を通じて展開されるように、前記製品調製機器(5)の出口から製品放出部(21)を含む容器配置手段(2)まで伝導されている。このタイプのシステムの場合には、飲料容器(10、10’)は、そのベース部分(11)上において配置された且つフロー圧力が予め定義されたフロー圧力超である場合にのみ飲料容器(10、10’)におけるフローエントリを可能にするように適合されたフロー調節手段(13)を提示している。
【0033】
図3は、本発明による方法の一実施形態を表しており、これは、図4図6の図面において更に示されている。
【0034】
表されているように、装置(1)は、装置(1)の所与の使用の場所において周辺空気に対する曝露の結果としてほこり及びその他の残留物の蓄積の可能性を防止するように、装置のエンベロープ(3)と、容器配置手段(2)及び製品放出部(21)に対する選択的アクセスを提供するアクセス手段(4)と、を提示している。
【0035】
アクセス手段(4)は、例えば、機械的作動手段により、閉鎖位置(図4)と、ここでは表されていない食用物質のポーション(7)の導入のために容器配置手段(2)、製品放出部(21)、及びポーションのエントリ通路(8)に対するアクセスを提供する開放位置(II)(図6)の間において回転運動において作動させることができる。
【0036】
アクセス手段(4、41、42)は、少なくとも製品放出部(21)及び容器配置手段(2)に対する選択的アクセスを提供し得るように適合させることが可能であり、これにより、アクセス手段(4)は、アクセス手段(4)が閉鎖位置(I)にある場合には、装置(1)の外部との関係において容器配置手段(2)及び製品放出部(21)によって定義された空間を完全に閉じ込めることができる。
【0037】
アクセス手段(4、41、42)は、選択的アクセスを提供するように、且つ、食用物質のポーション(7)の導入のために適合された且つ容器配置手段(2)が配設される平面に類似した又はこれとは異なる平面及びレベルにおいて配設された外部との関係におけるポーションのエントリ通路(8)を閉じ込めるように、適合させることができる。
【0038】
アクセス手段(4、41、42)は、
- 閉鎖位置(I)であって、装置(1)の外部との関係において、少なくとも容器(10、10’)がその上部において配置されていない場合に製品放出部(21)を含む容器配置手段(2)及びポーションのエントリ通路(8)の少なくとも1つを閉じ込めている閉鎖位置(I)、並びに、
- 少なくとも1つの開放位置(II)であって、製品調製機器(5)への食用物質のポーション(7)の供給のための、その上部における容器(10、10’)の配置のための、具体的には、製品放出部(21)との関係における動作自在の配置のための、容器配置手段(2)及びポーションのエントリ通路(8)の少なくとも1つに対するアクセスを提供する開放位置(II)、
の間において運動され得るように、適合させることが可能であり、具体的には、装置のエンベロープ(3)と動作自在に関連付けることができる。
【0039】
アクセス手段(4、41、42)は、製品放出部(21)を含む容器配置手段(2)に対する、且つ、ポーションのエントリ通路(8)に対する、選択的アクセスを別個に提供し得るように適合させることが可能であり、これにより、第1及び第2部分(41、42)の作動メカニズムは、好ましくは、類似のもの及び共通のものの少なくとも1つである。
【0040】
アクセス手段(4)は、第1及び第2アクセス部分(41、42)を提示することが可能であり、これにより、第1アクセス部分(41)は、製品放出部(21)を含む容器配置手段(2)を閉じ込め、且つ、少なくともこれに対するアクセスを提供しており、且つ、第2アクセス部分(42)は、エントリ通路(8)への選択的アクセスを提供している。
【0041】
第1及び第2アクセス部分(41、42)は、少なくともその一方のものの開放が、他方のものの動作自在の開放の通知の場合にのみ提供されるように、適合させることが可能であり、例えば、ポーションのエントリ通路(8)への第2アクセス部分(42)の開放は、容器(10、10’)が容器配置手段(2)上において動作自在に配置された場合にのみ提供されている。
【0042】
アクセス手段(4、41、42)は、閉鎖位置(I)と開放位置(II)の間における少なくとも1つの運動の際に手動的及び/又は非手動的方式によって作動され得るように、提供することが可能であり、これにより、アクセス手段(4、41、42)は、好ましくは、閉鎖位置(I)において着脱自在の方式で保持することができる。
【0043】
アクセス手段(4、41、42)は、その閉鎖位置(I)と開放位置(II)の間において且つこの逆において非手動的方式で作動され得るように、適合させることが可能であり、これにより、前記作動は、アクセス手段(4、41、42)の少なくとも一部の回転運動及び平行運動の少なくとも1つに対応しており、これにより、前記運動の少なくとも一部は、異なる平面又は容器配置手段(2)及びポーションのエントリ通路(8)がそれに沿って延在する平面に少なくともほぼ平行である平面の少なくとも1つにおいて実行されており、且つ、これにより、前記運動は、単一アクセス部分(4)の運動、好ましくは、互いに調整された方式における第1アクセス部分(41)及び少なくとも第2アクセス部分(42)の運動、例えば、ダイアフラム様の手段における複数のアクセス部分の関節接続された運動の少なくとも1つに更に対応している。
【0044】
容器配置手段(2)は、閉鎖位置(I)と開放位置(II)の間において非手動的方式で作動され得るように適合させることが可能であり、これにより、その配置表面上に容器(10)の配置を可能にし、且つ、その逆もあり、これにより、配置表面上に容器(10)を保持している。
【0045】
アクセス手段(4、41、42)には、例えば、平面的なタイプなどの且つ単一片又は複数片などの蓋、フード、又は類似のもの、ドア、窓、又は類似のもののタイプの一般的な形状が提供されている。
【0046】
アクセス手段(4)は、
- 上部においては完全に延在せず、好ましくは、閉鎖位置(I)にある際に装置のエンベロープ(3)によって横方向において完全に取り囲まれた状態において延在している、
- 閉鎖位置(I)にある際に装置のエンベロープ(3)の上方において完全に延在している、
- 少なくとも大部分の部分において、好ましくは、装置(1)のすべての上部領域において、延在している、
の少なくとも1つとして適合されている。
【0047】
アクセス手段(4、41、42)は、任意の空洞、突起、又は開口部を提示していなくてもよい。
【0048】
アクセス手段(4)は、装置のエンベロープ(3)の上部領域及び正面領域の少なくとも1つにおいて提供することができる。
【0049】
アクセス手段(4、41、42)は、その少なくとも一部が閉鎖位置(I)にある場合に外部との関係における容器配置手段(2)及びポーションのエントリ通路(8)の少なくとも1つを閉じ込めるように、且つ、少なくとも一部が開放位置(II)にある場合に容器配置手段(2)上の飲料容器(10、10’)の配置及びエントリ通路(8)を通じた食用物質のポーション(7)の導入の少なくとも1つを提供するように、適合させることができる。
【0050】
装置(1)は、例えば、カプセル内の食用物質のポーション(7)に基づいて、例えば、芳香飲料などの飲料を調製し得るように提供することができる。
【0051】
装置(1)は、フロー加圧機器の下流においてフロー接続状態において提供された製品調製機器(5)と、食用物質のポーション(7)の導入、製品調製機器(5)への食用物質のポーション(7)の供給のために適合されたポーションの個々のエントリ通路(8)と、を提示することができる。
【0052】
本発明の一態様によれば、装置(1)は、アクセス手段(4)と動作自在に関連付けられた、且つ、アクセス手段(4)の周囲近傍において、特に、入力手段(9)と関連付けられた3次元入力空間(E)において、生成された非接触入力を理解し得るように適合された、入力手段(9)を更に提示している。前記非接触入力は、フリーハンドによるジェスチャ、或いは、容器(10)を保持する手のジェスチャ、具体的には、アクセス手段(4)に向かう容器(10)に接近するジェスチャ、任意選択により、更には、アクセス手段(4)の近傍における予め定義された時間の期間における存在であってよい。
【0053】
前記入力手段(9)は、外部に対して方向付けされた、且つ、特に装置(1)の正面及び上部領域において周囲の幾何学的空間を極大化させるように延在する、要素として提供することが可能であり、且つ、可視方式で構成することが可能であり、これにより、これらは、ユーザーによって結果的に可視又は知覚可能とならないように提供されることが好ましい。
【0054】
本発明による方法において、ユーザーは、例えば、フリーハンドの、或いは、アクセス手段(4)の近傍において容器(10)を保持する、などのジェスチャを実施しており、これにより、例えば、赤外線タイプの入力手段(9)によって理解され得る入力を生成している。前記入力は、アクセス手段(4)の開放運動の作動をトリガし、これにより、容器配置手段(2)及びポーションのエントリ通路(8)に対するアクセスを提供している。ユーザーは、容器(10)を配置し且つ食用物質のポーション(7)を導入し、これにより、個々の入力を生成している。これらの入力に従って、制御手段(6)は、製品が容器(10)内に放出されるように、流体を流すことの開始を自動的にトリガしている。次いで、ユーザーは、容器(10)を除去しており、その後に、アクセス手段(4)は、閉鎖位置(I)に戻るように自動的に運動させることができる。
【0055】
例えば、図4及び図5において表されているものなどのアクセス手段(4)上における接触を伴わない様々なタイプのフリーハンドジェスチャを定義することができる。前記入力手段(9)は、少なくとも2つの異なるジェスチャを理解及び弁別し得るように適合させることができる。
【0056】
図7は、本発明による方法の別の実施形態を表しており、これは、図8図10の図面において更に示されている。
【0057】
ユーザーは、例えば、前記容器(10)と関連する形状の、寸法の、コードの、或いは、磁気又は反射材料の、を含む、特定の特性の検出によって前記容器の存在が検出されるように、入力手段(91)と関連付けられた入力空間(E)においてアクセス手段(41)から容器(10)に接近する且つその開放運動をトリガするジェスチャを実施している。入力空間(E)は、好ましくは、アクセス手段(4)の少なくとも1つの正面部分の上方の、最大で50cmの、好ましくは、最大で30cmの、範囲において、少なくとも上部及び正面領域において延在している。
【0058】
表されているように、前記アクセス手段(4)は、例えば、ポーションのエントリ通路(8)へのではなく、製品放出部(21)に対するアクセスのみを提供するセミ開放位置に対応する閉鎖位置(I)と開放位置(II)の間の第1挿入位置(図9を参照されたい)を占有している。ユーザーは、容器(10)を製品放出部(21)上において動作自在状態において配置し、これにより、ポーションのエントリ通路(8)へのアクセスを提供するように、開放運動の継続をトリガする入力を生成している。
【0059】
ユーザーは、これによって入力が生成されるように、食用物質のポーション(7)を導入している。前記ポーション(7)は、有利には、製品調製機器(5)へのアクセスの経路において検出することができる。更には、例えば、コードなどの前記食用物質のポーション(7)の特定の特性は、例えば、流体温度及び圧力の少なくとも1つなどの製品調製パラメータを定義するように検出することができる。
【0060】
図11及び図12は、装置(1)において製品を調製するサイクルにおける連続的な瞬間を表しており、これにより、アクセス手段(4)は、軸を中心とした回転運動において別個に作動され得るアクセス部分(41、42)を提示しており、これにより、第1アクセス部分(41)の場合には容器配置手段(2)及び製品放出部(21)への、且つ、第2アクセス部分(42)の場合にはポーションのエントリ通路(8)への、アクセスを提供している。
【0061】
前記アクセス部分(41、42)のそれぞれのものは、個々の入力空間(E、E’)が関連付けられている個々の入力手段(91、92)を提示することが可能であり、これにより、第1のものは、その及び/又はそれと関連付けられた特定の特性の検出によるものを含む容器(10)の近接性を検出し得るように適合させることが可能であり、且つ、第2のものは、その及び/又はそれと関連付けられた特定の特性の検出によるものを含む食用物質のポーション(7)の近接性を検出するためのものである。前記入力空間(E、E’)は、異なる瞬間において且つ異なる時間の期間において作動させることが可能であり、例えば、第2入力空間(E’)は、動作状態において配置された容器(10)の検出の後に且つこの場合にのみ作動させることができる。
【0062】
図13及び図14には、製品を調製する個々のサイクルの一実施形態が再現されており、これにより、図15及び図16は、連続的な瞬間の図を表している。
【0063】
前記アクセス部分(41、42)の1つのものの作動のみが入力ジェスチャを必要としていることが好ましく、これにより、第2のものの作動は、第1アクセス部分(41)と関連する予め定義された状態の検証を必要としている。
【0064】
ユーザーは、容器配置手段(2)へのアクセスを提供するように、開放位置への第1アクセス部分の作動をトリガする入力手段(9)によって理解される入力を生成するように、第1アクセス部分(41)の容器(10)に接近することができる。
【0065】
容器(10)には、入力手段(9)の周囲近傍において非接触やり取りを生成し得るように適合された、例えば、磁気タイプの、手段が提供されることが好ましい。
【0066】
次いで、ユーザーは、容器(10)を容器配置手段(2)上において配置しており、これにより、その上部の容器(10)の存在の理解は、ポーションのエントリ通路(8)を解放するように、第2アクセス部分(42)の作動を自動的にトリガしている。ポーションのエントリ通路(8)を通じた食用物質のポーション(7)のエントリ及び/又は製品調製機器(5)におけるその存在の理解は、前記第2アクセス部分(42)の逆閉鎖運動を自動的にトリガしている。更には、制御手段(6)は、第2アクセス部分(42)の閉鎖運動を終了したら、食用製品のフローの調製及び放出の方法が自動的に開始され得るように適合させることができる。
【0067】
これにより、ユーザーによる最小限の入力ジェスチャ及び動作を必要とする装置(1)との間の有利なやり取りが提供されている。
【0068】
具体的には、ユーザーは、なんらのボタンをも押す必要もなく、且つ、なんらのレバーをも作動させる必要もない。
【0069】
図17及び図18は、本発明によるシステム及び方法の代替実施形態を表している。
【0070】
前記入力手段(91、92)は、装置(1)の周囲近傍にある際に、ジェスチャ、並びに、例えば、食用物質のポーション(7)及び/又は容器(10、10’)などの物体を理解するために、例えば、光学、磁気、又は赤外線検出機器として適合させることが可能であり、これにより、ジェスチャ及び物体によって表された軌跡の特性、入力手段(9、91、92)までの相対距離、及び前記入力空間(E、E’)における物体の存在の期間の少なくとも1つが理解されている。
【0071】
更には、ポーションのエントリ通路(8)及び製品調製機器(5)の少なくとも1つとの間における食用物質のポーション(7)のやり取りを理解し得るように適合された第3入力手段(93)と、容器(10)の配置を理解するように適合された第4入力手段(94)と、が更に提供されている。
【0072】
ユーザーは、食用物質のポーション(7)を導入し得るように第2アクセス部分(42)とやり取りすることにより、開始することができる。
【0073】
前記第1アクセス部分(41)の閉鎖運動の終了は、容器配置手段(2)における容器(10)の配置を可能にするように、第2アクセス部分(42)の開放運動を自動的にトリガすることができる。
【0074】
容器(10)の検出は、前記容器配置手段(2)の係合部分の、具体的には、第1位置から前記容器(10)の保持位置への、運動をトリガすることができる。いまや、制御手段(6)は、食用製品の調製及び容器(10)への放出の方法の開始をトリガすることができる。その終了の後に、前記容器(10)の保持の位置から解放の位置への容器配置手段(2)の係合部分の運動を自動的にトリガすることができる。
【0075】
前記アクセス部分(41、42)の少なくとも1つのものと関連付けられた任意の入力ジェスチャの検出を伴わない予め定義された時間の期間の後に、前記第2アクセス部分(42)の閉鎖運動を自動的にトリガすることができる。
【0076】
この時間の期間のカウンティングは、例えば、第1アクセス部分(41)からの食用物質のポーションの接近又は容器配置手段(2)上における容器(10)の配置などの入力ジェスチャの場合には、中断することができる。
【0077】
図19及び図20は、本発明による方法のその他の実施形態を表しており、これによれば、ユーザーが装置(1)の任意の作動手段において接触することが不要であり、これにより、通常使用されるジェスチャが食用製品の調製及び放出のための入力を提供している。
【0078】
第2アクセス部分(42)から容器(10)に接近するジェスチャは、個々の入力手段(92)によって理解することが可能であり、且つ、これにより、前記第2アクセス部分(42)の自動的開放の作動用の入力を生成している。また、好ましくは、例えば、容器(10)の回転のなどの、特定のジェスチャを含む、容器配置手段(2)において容器を配置するジェスチャは、食用製品の調製のために流体を流すことを開始するための入力も生成することができる。
【0079】
好適な一実施形態において、容器(10)は、第1及び第2配置位置の間において回転させることが可能であり、これにより、回転方向及び回転範囲の少なくとも1つが個々の入力を生成することができる。
【0080】
図20において表されているように、装置(1)は、容器配置手段(2)におけるその配置の第1位置において、容器(10)の配置を検出し得るように、好ましくは、容器(10、10’)のタイプも検出し得るように、適合された入力手段(9)を含むことが可能であり、且つ、これにより、容器(10)が保持位置に変化するような運動を自動的に作動させることができる。
【0081】
容器配置手段(2)と関連する入力手段(9)は、例えば、コードの形態における前記容器(10、10’)と関連するデータ及びこれによって理解された入力による食用製品の放出の少なくとも1つを更に理解することができる。
【0082】
これらのステップは、逆の方式で反復することが可能であり、これにより、方法全体が、容器(10)の初期配置の後に、且つ、前記容器配置手段(2)からのその除去の検出の時点まで、自動的な方式で展開することができる。
【0083】
図21及び図22は、本発明によるシステムの第2のタイプを表している。
【0084】
このケースにおける装置(1)は、装置(1)の正面部分上において提供された閉鎖位置(I)及び開放位置(II)の間において運動され得るアクセス手段(4、41、42)及び個々の容器配置手段(2)及びポーションのエントリ通路(8)を提示している。或いは、この代わりに、前記アクセス手段(4、41、42)は、前記第1及び第2アクセス部分(41、42)のみを提示することもできよう。
【0085】
更には、この場合には、製品放出部(21)は、容器(10、10’)が食用製品を収集し得るように動作自在に配置され得る場所の上方において配設されている。
【0086】
アクセス手段(4)は、図21において表されている閉鎖位置(II)にある場合には、装置のエンベロープ(3)と共に、例えば、立方体などの規則的な形状を少なくともほぼ構成しており、且つ、これにより、突起又は空洞を有していないエンベロープを提供していることが好ましい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22