(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】車両アクセス制御システム
(51)【国際特許分類】
B60R 25/01 20130101AFI20241018BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20241018BHJP
E05B 83/00 20140101ALI20241018BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20241018BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20241018BHJP
【FI】
B60R25/01
E05B49/00 K
E05B83/00 H
H04Q9/00 301B
B60R25/24
(21)【出願番号】P 2022558319
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 IN2020050674
(87)【国際公開番号】W WO2021199055
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】202041014150
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】521196110
【氏名又は名称】ティーヴィーエス モーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TVS MOTOR COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アニルド マーティ,クリシュナムーティ
(72)【発明者】
【氏名】アヌパマ,カルッパイアン
(72)【発明者】
【氏名】バラジ,スリニヴァサン
(72)【発明者】
【氏名】ブイ,アジャイ クマー
(72)【発明者】
【氏名】ジャベッツ ディナガー,サムラジュ
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-276635(JP,A)
【文献】特開2006-306161(JP,A)
【文献】特開2015-083395(JP,A)
【文献】特開2017-220364(JP,A)
【文献】特開2011-098608(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02141066(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00-25/40
E05B 49/00
E05B 83/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(100)であって、
前記車両(100)を起動するために前記車両(100)のステアリングコラム(113)の近くに位置決めされたイグニッションユニット(111)であって、複数のステータス信号を生成する、イグニッションユニット(111)と、
前記車両(100)の複数の特徴にアクセスするための前記イグニッションユニット(111)に動作可能に結合されたロックユニット(104)と、
前記車両(111)のアクセスを制御するアクセス制御システム(404)であって、
前記イグニッションユニット(111)の動作を制御するためのオンボードセキュリティデバイス(302)、ならびに
前記オンボードセキュリティデバイス(302)、および前記イグニッションユニット(111)の動作を制御するためのユーザデバイス(401)上に展開されたロック解除アプリケーション(401a)と通信するための通信ユニット(403)であって、前記オンボードセキュリティデバイス(302)が、前記複数のステータス信号のうちの1つに基づいて前記通信ユニット(403)の動作を制御し、
前記通信ユニット(403)が、動作していないとき、電力節約モードであり、
前記通信ユニット(403)の動作を制御することが、前記イグニッションユニット111が、その押圧移動を示すプレスステータス信号を生成し、前記プレスステータス信号を前記オンボードセキュリティデバイス302に送信し、前記オンボードセキュリティデバイス302が、前記プレスステータス信号を受信すると、前記通信ユニット403を前記電力節約モードから作動させることを含む、通信ユニット(403)
を備える、前記イグニッションユニット(111)および前記ロックユニット(104)に通信可能に結合された、アクセス制御システム(404)と
を備える車両(100)。
【請求項2】
前記イグニッションユニット(111)によって生成される前記複数のステータス信号が、
前記イグニッションユニット(111)の押圧移動を示すプレスステータス信号と、
前記車両(100)の前記ステアリングコラム(113)のロッキングのための前記イグニッションユニット(111)の位置を示すロックステータス信号と、
前記車両(100)の本体上の前記ロックユニット(104)を使用可能にするための前記イグニッションユニット(111)の位置を示す非アクティブステータス信号と、
前記車両(100)を開始するための前記イグニッションユニット(111)の位置を示すアクティブステータス信号と
を含む、請求項1に記載の車両(100)。
【請求項3】
前記複数のステータス信号に基づいて動作する前記車両(100)
の本体および前記ユーザデバイス(401)のうちの少なくとも1つの上に位置決めされた複数の1つまたは複数のインジケータ(405)をさらに備える、請求項1に記載の車両(100)。
【請求項4】
前記1つまたは複数のインジケータ(405)が、可聴ビーパと、複数のインジケータランプと、複数のターンシグナルランプ(106)と、前記ユーザデバイスの前記ロック解除アプリケーション(401a)のグラフィカルユーザインタフェースとを備える、請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記アクセス制御システム(404)の前記通信ユニット(403)が、
前記オンボードセキュリティデバイス(302)を介して前記イグニッションユニット(111)から所定の持続時間にわたって前記プレスステータス信号の受領に基づいて、前記ロック解除アプリケーション(401a)から認証要求を受信し、
前記ロック解除アプリケーション(401a)および前記イグニッションユニット(111)に認証確認を送信する、請求項2に記載の車両(100)。
【請求項6】
前記オンボードセキュリティデバイス(302)が、前記イグニッションユニット(111)からの前記プレスステータス信号の受信時に、前記ロック解除アプリケーション(401a)から前記認証要求を受信するために前記通信ユニット(403)を作動させる、請求項5に記載の車両(100)。
【請求項7】
前記オンボードセキュリティデバイス(302)が、前記ロックステータス信号、前記非アクティブステータス信号、および前記アクティブステータス信号のうちの1つを生成するように前記イグニッションユニット(111)を作動させる、請求項2に記載の車両(100)。
【請求項8】
前記車両の前記複数の特徴が、シートロックと、燃料タンクキャップ(108)と、オンボードチャージャ(406)とを備える、請求項1に記載の車両(100)。
【請求項9】
前記オンボードセキュリティデバイス(302)が、前記車両(100)の長手方向に中央に位置決めされる、請求項1に記載の車両(100)。
【請求項10】
車両(100)のアクセスを制御するための方法であって、
前記車両(100)のステアリングコラムの近くのイグニッションユニット(111)と、前記イグニッションユニット(111)に動作可能に結合されたロックユニット(104)と、アクセス制御システム(404)であって、前記イグニッションユニット(111)の動作を制御するためのオンボードセキュリティデバイス(302)、ならびに前記オンボードセキュリティデバイス(302)、および前記イグニッションユニット(111)の前記動作を制御するためのユーザデバイス(401)上に展開されたロック解除アプリケーション(401a)と通信するための通信ユニット(403)を備える、アクセス制御システム(404)とを用意するステップ(501)と、
前記オンボードセキュリティデバイス(302)によって前記イグニッションユニット(111)から第1の持続時間にわたってプレスステータス信号を受信するステップ(502)と、
前記イグニッションユニット(111)からの前記プレスステータス信号の受信時に前記ロック解除アプリケーション(401a)から認証要求を受信するために、前記オンボードセキュリティデバイス(302)によって、電力節約モードから前記通信ユニット(403)を作動させるステップ(503)と、
前記オンボードセキュリティデバイス(302)による作動時に、前記通信ユニット(403)によって前記ロック解除アプリケーション(401a)から前記認証要求を受信するステップ(504)と、
前記認証要求の検証に基づいて、前記オンボードセキュリティデバイス(302)によって前記ロック解除アプリケーション(401a)および前記イグニッションユニット(111)に送信されることになる認証確認を生成するステップ(505)であって、前記認証確認は、前記イグニッションユニット(111)が、ロックステータス信号、非アクティブステータス信号、およびアクティブステータス信号のうちの1つを生成することを可能にする、生成するステップ(505)と、
前記イグニッションユニット(111)からの前記ロックステータス信号、前記非アクティブステータス信号、および前記アクティブステータス信号のうちの1つの受領に基づいて、前記オンボードセキュリティデバイス(302)による前記車両(100)の前記アクセスを制御するステップ(606)と
を含む方法。
【請求項11】
前記車両(100)の前記アクセスを制御する前記ステップが、
前記オンボードセキュリティデバイス(302)による第2の持続時間にわたる前記イグニッションユニット(111)からの前記ロックステータス信号の受領時に、前記オンボードセキュリティデバイス(302)によって前記車両(100)の前記ステアリングコラム(113)をロックするステップ、
前記イグニッションユニット(111)からの前記非アクティブステータス信号の受領時に、前記オンボードセキュリティデバイス(302)によって前記車両の複数の特徴にアクセスするために、第3の持続時間にわたって、前記車両(100)の本体上の前記ロックユニット(104)を使用可能にするステップ、および
前記オンボードセキュリティデバイス(302)による第4の持続時間にわたる前記イグニッションユニット(111)からの前記アクティブステータス信号の受領時に、前記車両(100)内の電源からの複数の電気的負荷への電力の供給を始めるステップ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第2の持続時間、第3の持続時間、および第4の持続時間それぞれにわたって前記イグニッションユニット(111)から受信した前記ロックステータス信号、前記非アクティブステータス信号、および前記アクティブステータス信号に基づいて、前記オンボードセキュリティデバイス(302)によって前記車両(100)の本体および前記ユーザデバイス(401)のうちの少なくとも1つの上に位置決めされた1つまたは複数のインジケータ(405)を動作させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記オンボードセキュリティデバイス(302)によって前記ユーザデバイス(401)の健康状態を決定し、限られた量の時間にわたって前記ユーザデバイス(401)の充電を容易にするステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、車両に関し、より詳細には、車両内のアクセス制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、車両のユーザによって手動でメカニカルキーを使用してアクセス可能である、ステアリングロックユニットと、シートロックおよび/または燃料タンクキャップロックとを装備する。そのようなステアリングロックユニットは、ステアリングコラムが移動されるためにロック解除される必要があり、電源たとえばバッテリからの電力は、ステアリングロックユニット内の電気的接点を通ってすべての電気的負荷に供給される。ステアリングロックユニットをロック解除するために、キースロットを通って挿入されるメカニカルキーは、ステアリングロックユニットに関して一意である。メカニカルキーが挿入され、数度回転されると、ステアリングコラムと接続されたステアリングロックバーが後退し、これによって、ステアリングコラムが自由に回転させられ、バッテリからの電力がすべての電気的負荷に供給される。
【0003】
同様に、燃料タンクキャップを開くため、および収納区画にアクセスするために、別のロックユニットが、二輪車両の本体上に設置された独立したロックユニットとして提供される。代替的に、シートロックおよび/または燃料タンクキャップロックは、ステアリングロックユニットと統合されることがある。別個のメカニカルキーは、シートロックおよび/または燃料タンクキャップロックのキースロットを通って挿入されなければならず、一方向の回転によって、燃料タンクキャップがロック解除され、反対方向の回転によって、収納区画がロック解除される。
【0004】
そのようなメカニカルキーの容易な複製可能性は、メカニカルキーの電子キーFOBまたはポータブルハンドヘルドデバイスとの置き換えをもたらした。ステアリングロックユニットおよび/またはシートロックおよび/または燃料タンクキャップロックの機械的装置は、送信機ユニットまたは受信機ユニットをもつ電気機械的装置によって置き換えられる。しかしながら、電子キーFOBを用いた車両のアクセスは、電子キーFOBの能力およびステアリングロックユニットの電気機械的装置の能力によって制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ステアリングロックユニットの電気機械的装置と電子キーFOBの組み合わせをもつ車両にアクセスすることにおける欠点は、数多い。電子キーFOB内のバッテリの電荷が少ない場合、ステアリングロックユニットは、ロック解除不可能であり、車両のアクセス不可能性をもたらす。簡単さおよび簡潔さのために、ステアリングロックという用語が使用され、この用語は、代替シナリオでは、イグニションロックまたは両方とすることもできる。モバイルデバイスがステアリングロックユニットをロックまたはロック解除するために使用される場合、ステアリングロックユニットは、モバイルの国際移動体装置識別子(IMEI)番号に結び付けられることがある。ユーザがモバイルデバイスを変更する場合、ステアリングロックユニットがロック解除可能でないことがあり、したがって、車両はアクセス不可能であることがあり、それは、ユーザにとっての不便さにつながる。問題は、開いており、追加のドアを開く必要がないロックシステムまたはイグニションシステムへのアクセスを有する車両にとってさらに重要であり、たとえば、4輪車は閉じた存在物(closed entity)であり、ロックシステムまたはイグニションシステムは、ドアが開かれない限りアクセス不可能であり、これは、多くの2輪車両または3輪車両には当てはまらない。
【0006】
電子キーFOBは、ステアリングロックユニットがロック解除されるためにステアリングロックユニットによって認証されるキーを生成する。しかしながら、既存の車両では、車両の本体上の追加のスイッチは、認証プロセスを始めるために必要とされる。追加のスイッチが防盗性であっても、車両にアクセスするようにシステムを達成するための部品の数の増加によって、そのような車両のアセンブリの製造コストおよびサイクルタイムが増加する。オープンタイプである車両はさらに、車両の所有者にとって望ましくない修復コストにつながり得る改ざんによるダメージを起こしやすい。
【0007】
車両上の送信機および受信機(トランシーバ)ユニットは、モバイルデバイスとステアリングロックユニットとの間の通信を容易にする。しかしながら、トランシーバユニットは、連続的に電力オン状態であり、バッテリからより多くの電力を消費し、特に低パワーウェイトレシオ車両にとって非常に望ましくないバッテリの枯渇をもたらす。そのような車両では、ステアリングロックユニットを駆動するための電子制御ユニットの場所は、車両のフロントエンドまたはリアエンドのどちらかに設置され、ワイヤリングハーネスの長さを増加させることをもたらす。さらに、そのような車両は、使用後に車両をロックすることをユーザに要求する。ユーザが車両をロックするのに失敗した場合、ステアリングロックユニットは、ロック解除状態であり、それによって、車両盗難のリスクを増加させる。
【0008】
公知技術の上述の欠点および他の問題を克服する、シートロックおよび/または燃料タンクキャップロックおよびテレマティックスユニットと統合された電気機械的ステアリングロックユニットを装備する車両の必要性が長い間存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による一実施形態では、車両は、上記で言及された欠点に対処するアクセス制御システムを装備する。車両は、イグニッションユニットと、ロックユニットと、アクセス制御システムとを備える。イグニッションユニットは、車両を起動するために車両のステアリングコラムの近くに位置決めされる。イグニッションユニットは、複数のステータス信号を生成する。ロックユニットは、車両の複数の特徴にアクセスするためにイグニッションユニットに動作可能に結合される。アクセス制御システムは、イグニッションユニットおよびロックユニットに通信可能に結合される。アクセス制御システムは、オンボードセキュリティデバイスと、通信ユニットとを備える。オンボードセキュリティデバイスは、イグニッションユニットの動作を制御するために車両の長手方向に中央に位置決めされる。オンボードセキュリティデバイスおよびイグニッションユニットの動作を制御するためのユーザデバイス上に展開されたロック解除アプリケーションと通信するための通信ユニットであって、オンボードセキュリティデバイスは、ステータス信号のうちの1つに基づいて通信ユニットの動作を制御する、通信ユニット。
【0010】
別の実施形態では、車両のアクセスを制御するための方法が、アクセス制御システム、ロックユニット、およびイグニッションユニットを用いて開示される。この方法は、イグニッションユニット、ロックユニット、通信ユニットとオンボードセキュリティデバイスとを備えるアクセス制御システムを用意するステップを含む。さらに、方法は、オンボードセキュリティデバイスによってイグニッションユニットから第1の持続時間にわたってプレスステータス信号(press status signal)を受信するステップと、イグニッションユニットからのプレスステータス信号の受信時にロック解除アプリケーションから認証要求を受信するために、オンボードセキュリティデバイスによって、電力節約モードから通信ユニットを作動させるステップとを含む。さらに、オンボードセキュリティデバイスによる作動時に、認証要求が、通信ユニットによってロック解除アプリケーションから受信され、この認証要求の検証に基づいて、オンボードセキュリティデバイスは、ロック解除アプリケーションおよびイグニッションユニットに送信されることになる認証確認を生成し、オンボードセキュリティデバイスは、イグニッションユニットからのロックステータス信号、アクティブステータス信号、および非アクティブステータス信号のうちの1つの受領に基づいて、車両のアクセスを制御し、認証確認はイグニッションユニットが、ロックステータス信号、アクティブステータス信号、および非アクティブステータス信号を生成することを可能にする。車両の構成要素および車両のアクセスを制御するためのそれらの間の相互作用および車両のアクセスを制御する方法は、
図1A~
図1Bから
図6A~
図6Cの詳細な説明において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】アクセス制御システムの一実施形態をもつ車両の斜視図を例示的に示す。
【
図1B】アクセス制御システムの一実施形態をもつ車両の斜視図を例示的に示す。
【
図2】車両のレッグシールド内の位置決めされたイグニッションユニットを例示的に示す図である。
【
図3A】オンボードセキュリティデバイスの位置を示す車両のフレームを例示的に示す図である。
【
図3B】オンボードセキュリティデバイスの位置を示す車両のフレームを例示的に示す図である。
【
図4A】車両のアクセスを制御するための異なるアーキテクチャの概略図である。
【
図4B】車両のアクセスを制御するための異なるアーキテクチャの概略図である。
【
図5】車両のアクセスを制御するためのステップを示すフローチャートを例示的に示す。
【
図6A】車両のアクセスを制御するためのアクセス制御システムのオンボードセキュリティデバイスによって実行されるフローチャートを例示的に示す。
【
図6B】車両のアクセスを制御するためのアクセス制御システムのオンボードセキュリティデバイスによって実行されるフローチャートを例示的に示す。
【
図6C】車両のアクセスを制御するためのアクセス制御システムのオンボードセキュリティデバイスによって実行されるフローチャートを例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明は、添付の図を参照しながら説明される。同じ数字は、同様の特徴および構成要素を参照するために図面全体を通して使用される。
【0013】
図1A~
図1Bは、アクセス制御システムの一実施形態をもつ車両100の斜視図を例示的に示す。車両100は、サドルタイプの車両、ステップスルー型車両などであってよい。一実施形態では、車両100は、二輪車両、三輪車両、または複数輪車両であってよい。車両100は、電気車両、ハイブリッド電気車両、従来のICエンジン車両などであってよい。
図1A~
図1Bにおいて例示的に示される実施形態では、車両100は、その中にアクセス制御システムがインストールされた二輪車両である。車両100は、サービスプロバイダによって管理されるフリートの一部であってよい。サービスプロバイダは、フリート管理システムを使用してフリートを管理してよい。フリート内の車両100は、多数の異なるユーザによってアクセスされてよい。ユーザは、サービスプロバイダのフリート管理システムに関する認証アカウントを保有してよい。一実施形態では、車両100は、一人のユーザによって所有され、そのユーザによって使用されることがある。
【0014】
車両100の本体は、フロントパネル101、サイドパネル102、日除け板103、フロントヘッドランプ107、ターンシグナルランプ106などの、複数の車両本体パネルを備えてよい。例示的に示されるように、ロックユニット104は、車両100のサイドパネル102上に位置決めされる。ロックユニット104は、車両100の複数の特徴へのアクセスを提供する。特徴は、たとえば、車両100のシート105の下の収納空間、燃料タンク蓋、車両100のオンボードチャージャなどである。ロックユニット104の回転の異なる方向は、ユーザが、シートロック、燃料タンク蓋、オンボードチャージャなどをロック解除することを可能にする。一実施形態では、ロックユニット104が時計回り方向に回転される場合、燃料タンク蓋が開く。一実施形態では、ロックユニット104が反時計回り方向に回転される場合、シートロックが開く。一実施形態では、シートロックが開いている場合、ユーザは、車両100のシート105の下の収納空間内に位置決めされた車両100上のオンボードチャージャへのアクセスを得ることができる。燃料タンク蓋108は、
図1Bに例示的に示されている。燃料タンク蓋108は、車両100のリアパネル109上でリアヘッドランプ110の上方に位置決めされる。一実施形態では、ロックユニット104は、方向のどちらかでロックユニットを回転させるためにキーと係合するロックシリンダを有さないことがある。一実施形態では、ロックユニット104は、車両100内のイグニッションユニット111と噛み合わされる。イグニッションユニット111の動作は、ロックユニット104の回転を可能または不可能にする。ロックユニット104は、ロックユニット04をロックおよびロック解除するためのアクチュエータを備える。アクチュエータは、シートロックおよび燃料タンク蓋108の開放を制限する。燃料タンク蓋108およびシートロックは、イグニッションユニット111の一連の動作の後でのみ開かれるように構成される。
【0015】
図1Bに例示的に示されるように、イグニッションユニット111は、車両100のレッグシールド112に設けられる。レッグシールド112およびフロントパネル101は、車両100のステアリングコラムを取り囲む。したがって、イグニッションユニット111は、車両100のステアリングコラムの近くに位置決めされる。ロックユニット104は、イグニッションユニット111に動作可能に結合される。イグニッションユニット111は、車両100を起動する。イグニッションユニット111は、複数のステータス信号を生成する。車両100は、イグニッションユニット111およびロックユニット104に通信可能に結合されるアクセス制御システムをさらに備える。アクセス制御システムは、車両100のアクセスを制御する。アクセス制御システムは、オンボードセキュリティデバイスと、通信ユニットとを備える。オンボードセキュリティデバイスおよび通信ユニットは、車両100のフロントパネル101、サイドパネル102、およびリアパネル109のうちの少なくとも1つとともに取り囲まれる。オンボードセキュリティデバイスおよび通信ユニットは、それらの機能のためのバッテリなどの車両100の電源から電力が供給される電気的構成要素である。オンボードセキュリティデバイス、通信ユニット、イグニッションユニット111、およびロックユニット104は、リアパネル109に向かってフロントパネル101から延びる長手方向に車両100の長さに沿って走行する複数のケーブルと接続される。オンボードセキュリティデバイスは、イグニッションユニット111の動作を制御する。通信ユニットは、オンボードセキュリティデバイスと、ユーザデバイスの上に展開されたロック解除アプリケーションと通信する。
【0016】
通信ユニットはまた、サービスプロバイダのフリート管理システムによる車両100の場所の追跡を容易にする。通信ユニットは、オンボードでユーザデバイス上のロック解除アプリケーションと通信し、車両100の位置の追跡を容易にし、サービスプロバイダの他のフリート管理アプリケーションと通信するオンボードで車両100である組み込みシステムである。通信ユニットは、1つまたは複数のアンテナ、GPSユニットを有し、異なる通信インタフェース、処理ユニット、および何らかのメモリを介して外部世界との車両100の通信をサポートする。通信インタフェースは、たとえば、赤外線(IR)インタフェース、Bluetooth Sig, Inc.のブルートゥース(登録商標)を実装するインタフェース、Wi-Fi Alliance CorporationのWi-Fi(登録商標)を実装するインタフェース、イーサネットインタフェース、デジタル加入者線(DSL)インタフェース、トークンリングインタフェース、周辺機器コントローラ相互接続(PCI)インタフェース、ローカルエリアネットワーク(LAN)インタフェース、ワイドエリアットワーク(WAN)インタフェース、シリアルプロトコルを使用するインタフェース、パラレルプロトコルを使用するインタフェース、イーサネット通信インタフェース、非同期転送モード(ATM)インタフェース、高速シリアルインタフェース(HSSI)、光ファイバ分散データインタフェース(FDDI)、伝送制御プロトコル(TCP)/インターネットプロトコル(IP)に基づくインタフェース、衛星技術、無線周波数(RF)技術、近距離通信などのワイヤレス通信技術に基づくインタフェース、ZigBee Alliance CorporationのZigBee(登録商標)を実装する通信インタフェース、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワークをサポートするインタフェース、モバイル用グローバルシステム(GSM)通信ネットワークインタフェース、符号分割多元接続(CDMA)ネットワークインタフェース、第3世代(3G)移動体通信ネットワークインタフェース、第4世代(4G)移動体通信ネットワークインタフェース、第5世代(5G)移動体通信ネットワークインタフェース、ロングタームエボリューション(LTE)移動体通信ネットワークインタフェースなどの移動体電気通信ネットワークインタフェースなどのうちの1つまたは複数である。通信ユニットは、オンボードセキュリティデバイスとユーザデバイス上のロック解除アプリケーションとの間の中間物として機能する。
【0017】
ユーザデバイスは、インターネットへのアクセスをもつ、パーソナルコンピュータ、インターネット対応セルラー電話、タブレットコンピューティングデバイスなどであってよい。車両100へのアクセスを得るために、車両100のユーザは、キーfobまたはメカニカルキーとは異なり、ユーザデバイス上のロック解除アプリケーションを利用することがある。ロック解除アプリケーションは、Androidベースのアプリケーション、iOSアプリケーション、Windowsベースのアプリケーションなどであってよい。一実施形態では、ロック解除アプリケーションは、ユーザデバイスのアプリケーションストア内で入手可能である、車両100のOEMによって提供されるアプリケーションである。車両100がフリートの一部である一実施形態では、サービスプロバイダは、サービスプロバイダとともにユーザアカウントおよびサブスクリプションプランにアクセスするために車両100のユーザによってユーザデバイス上でダウン可能(downable)およびインストール可能であるアプリケーションをホストすることがある。
【0018】
オンボードセキュリティデバイスは、ドライバユニットと、処理ユニットと、メモリと、オンボードセキュリティデバイスが通信ユニットおよびイグニッションユニットと通信することを可能にするネットワーキングインタフェースとを備える、車両100上の組み込みシステムである。オンボードセキュリティデバイスの処理ユニットは、ロック解除アプリケーションからの認証要求を認証する。認証に基づいて、ドライバユニットは、オンボードセキュリティデバイスの処理ユニットの構成により、イグニッションユニット111およびロックユニット104を駆動する。処理ユニットは、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサなどであってよい。
【0019】
オンボードセキュリティデバイスは、車両100の長手方向に中央に位置決めされる。オンボードセキュリティデバイスを車両100内の中央に設置することは、通信ユニット、車両100の電源、オンボードセキュリティデバイス、および車両100の点滅光ユニットの間のケーブル行程の長さの減少を可能にする。一実施形態では、通信ユニットは、動作していないとき、電力節約モードである。電力節約モードは、車両100の電源から最小電力を消費する、通信ユニットのスリープモードである。通信ユニットは、オンボードセキュリティデバイスによって電力節約モードから作動される。通信ユニットは、作動されるとき、ユーザデバイス上のロック解除アプリケーションから認証要求を受信する。オンボードセキュリティデバイスは、車両構成、ICエンジン車両、または電気/ハイブリッド電気車両に応じて、車両の開始を防止するために、車両内の必要とされる回路を遮断することがある。
【0020】
車両100は、ターンシグナルランプ(TSL)106、ビーパ、ユーティリティランプ107および110などの、複数のインジケータをさらに含む。車両上のインジケータは、点滅光ユニットによって制御される。点滅光ユニットは、車両100の電源から電力供給を受け、TSL106、ユーティリティランプ107および110の点滅、ならびに車両100内のビーパの吹鳴音を制御する。アクセス制御システムは、TSL106、ユーティリティランプ107および110の点滅ならびに車両100内のビーパの吹鳴音の強度、持続時間、および頻度を制御する。インジケータの吹鳴音の頻度、強度、および持続時間は、イグニッションユニット111およびロックユニット104の異なる状態を示す。
【0021】
図2は、車両のレッグシールド112内に位置決めされたイグニッションユニット111を例示的に示す。イグニッションユニット111は、ノブと、シャフトアセンブリに取り付けられたソレノイドユニット202をもつシャフトアセンブリ201とを備える。ソレノイドユニット202は、イグニッションユニット111のノブ201aの回転を制限する。イグニッションユニット111のノブ201aは、3つの位置-例示的に示されるロック位置、オフ位置、およびオン位置(図示せず)-において位置決め可能である。さらに、ノブ201aは、3つの位置のうちの1つに位置決めするために軸方向に押されることがある。ロック位置におけるノブ201aは、車両100のステアリングコラムがロックされることを示す。オフ位置におけるノブ201aは、ロックユニット104が動作されることを可能にする。オン位置におけるノブ201aは、車両100の開始動作を示す。ソレノイドユニット202への電力供給は、車両100のバッテリパックなどの電源からである。ソレノイドユニット202は、オンボードセキュリティデバイスによって駆動される。ノブ201aの異なる位置に対応して、イグニッションユニット111は、プレスステータス信号、ロックステータス信号、非アクティブステータス信号、およびアクティブステータス信号などの、複数のステータス信号を生成する。プレスステータス信号は、イグニッションユニットのノブ201aの軸方向押圧移動を示す。ロックステータス信号は、ノブ201aのロック位置を示す。非アクティブステータス信号は、ノブ201aのオフ位置を示す。アクティブステータス信号は、ノブ201aのオン位置を示す。車両100の本体上に位置決めされたインジケータは、生成されたステータス信号に基づいて動作する。一実施形態では、プレスステータス信号に対応して、インジケータは、第1の持続時間にわたって所定の頻度で点滅するまたは鳴る。ロックステータス信号に対応して、車両の本体上に位置決めされたインジケータは、第2の持続時間にわたって所定の頻度で点滅するまたは鳴る。非アクティブステータス信号に対応して、インジケータは、第3の持続時間にわたって所定の頻度で点滅するまたは鳴る。アクティブステータス信号に対応して、インジケータは、第4の持続時間にわたって所定の頻度で点滅するまたは鳴る。
【0022】
図3A~
図3Bは、オンボードセキュリティデバイス302の位置を示す車両100のフレーム301を例示的に示す。例示的に示されるように、イグニッションユニット111は、車両100のステアリングコラム113の近位に位置決めされる。オンボードセキュリティデバイス302は、ブラケット303を使用して車両100のフレーム上に車両100の長さに沿って中央に位置決めされる。オンボードセキュリティデバイス302は、車両100のシート105の近位に位置決めされる。オンボードセキュリティデバイス302は、車両100のユーザが認証されない限り、車両100が始動するのを防止する。車両100のユーザの認証が成功すれば、オンボードセキュリティデバイス302は、オフ位置およびオン位置などの異なる位置に回転するために、イグニッションユニット111のソレノイド202に通電する。オンボードセキュリティデバイス302はまた、車両100の本体上のインジケータを使用可能にする。オンボードセキュリティ302は、ワイヤリングハーネスを構成する複数のケーブルを介して接続される。より短いケーブルのために車両100の中央部分たとえばシートレールに設置されたオンボードセキュリティデバイス302は、オンボードセキュリティデバイス302とインジケータとの間、およびオンボードセキュリティデバイス302とイグニッションユニット111とロックユニット104との間に走行する。
【0023】
図4A~
図4Bは、車両100のアクセスを制御するための異なるアーキテクチャの概略図を示す。ユーザデバイス401上のロック解除アプリケーション401aと、通信ユニット403と、オンボードセキュリティデバイス302と、イグニッションユニット111と、ロックユニット104と、インジケータ405と、車両100のオンボードチャージャ406とを備える、車両100のアクセスを制御するための構成要素間の相互作用は、
図4A~
図4Bに例示的に示されている。例示的に示されるように、オンボードセキュリティデバイス302および通信ユニット404は、車両100のアクセス制御システム404を構成する。
【0024】
ユーザデバイス401は、たとえば、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピューティングデバイス、モバイルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、ポータブルコンピューティングデバイス、ラップトップ、携帯情報端末、Google IncのGoogle Glass(登録商標)、Apple Inc.のApple Watch(登録商標)、Google Inc.のAndroid Smartwatch(登録商標)などのウェアラブルデバイス、タッチセントリック(touch centric)デバイス、ワークステーション、サーバ、クライアントデバイス、ポータブル電子デバイス、ネットワーク対応コンピューティングデバイス、インタラクティブネットワーク対応通信デバイス、ウェブブラウザ、他の任意の適切なコンピューティング機器、複数のコンピューティング機器の組み合わせである。一実施形態では、ユーザデバイス401は、複数のデバイスの機能を組み合わせるハイブリッドコンピューティングデバイスである。ハイブリッドコンピューティングデバイスの一例は、電子メール(eメール)を受信し、モバイル通話をサポートし、メディアプレーヤ機能を有し、ウェブブラウジングをサポートするポータブルデバイスである。一実施形態では、コンピューティング機器は、メディア再生プリケーション、ウェブブラウザ、電子メール(eメール)アプリケーション、カレンダーアプリケーションなどのアプリケーションを実施するために使用される。ロック解除アプリケーション401aは、ユーザデバイス401上でダウンロード可能および使用可能である。
【0025】
認証要求は、ユーザデバイス401上のロック解除アプリケーション401aのグラフィカルユーザインタフェース上でのユーザの選択によって、ユーザデバイス401によって生成される。グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介するユーザデバイス401のディスプレイユニットは、たとえば、車両100にアクセスするように認証アカウントを構成するため、車両100の通信ユニット403に送信されることになる認証要求を始めるため、通信ユニット403から認証確認を受信するなどのための、情報、ディスプレイインタフェース、スワイプ可能な矢印、アイコン、ボタンなどのユーザインタフェース要素を表示する。
【0026】
ディスプレイユニットは、たとえば、ビデオディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)系ディスプレイなどを備える。GUIは、たとえば、サービスプロバイダのフリート管理システムによってホストされるウェブサイトのウェブページ、オンラインウェブインタフェース、ウェブベースのダウンロード可能アプリケーションインタフェース、モバイルベースのダウンロード可能アプリケーションインタフェースなどのうちの1つである。GUIは、ユーザが、認証要求を生成し、認証確認、認証成功または不成功についての通知を受信し、車両100の全体的な健康状態を監視し、車両情報を見ることなどを可能にする。
【0027】
図4Aに例示的に示されるように、フリート管理システムは、ネットワーク、たとえば、インターネット、ワイヤレスネットワーク、モバイル電気通信ネットワークなどを介してアクセス可能なサーバ402または402などのサーバのネットワーク上でホストされるウェブベースのプラットフォームとして実装されてよい。ロック解除アプリケーション401aからの認証要求は、サーバ402を介して通信ユニット403に送信される。サーバ402は、認証要求を受信し、通信ユニット403に送信する。同様に、サーバ402は、通信ユニット403から認証確認を受信し、ユーザデバイス401上のロック解除アプリケーション401aに送信する。
【0028】
図4Bに例示的に示されるように、ロック解除アプリケーション401aは、通信ユニット403の通信インタフェースを介してオンボードセキュリティデバイス302と直接的に相互作用してよい。ロック解除アプリケーション401aからの認証要求は、通信ユニット403を介してオンボードセキュリティデバイス302に送信される。
【0029】
図4A~
図4Bに例示的に示される実施形態では、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111からのプレスステータス信号の受信時にのみ認証要求を受信する。車両は、使用されていない静止状態では、ロック位置にイグニッションユニット111のノブ201aを有する。イグニッションユニット111は、オンボードセキュリティデバイス301にロックステータス信号を送信する。イグニッションユニット111のノブ201aがロック位置にあれば、ユーザが車両にアクセスすることを意図したとき、ユーザは、イグニッションユニットのノブ201aを押す。イグニッションユニット111の設計は、それを押したときのみ、ロック位置からオフ位置およびオン位置へのノブ201aの移動を可能にする。イグニッションユニット111は、プレスステータス信号を生成し、プレスステータス信号をオンボードセキュリティデバイス302に送信する。オンボードセキュリティデバイス302は、プレスステータス信号を受信すると、通信ユニット403を電力節約モードから作動させる。通信ユニット403は、スリープモードからウェイクアップし、ユーザデバイス401のロック解除アプリケーション401aからの認証要求を待機する。
【0030】
通信ユニット403は、認証要求、車両のステータス情報などを受信するための車両100の利用可能性についてロック解除アプリケーション401a内でユーザに示す。ユーザは、ロック解除アプリケーション401aのGUIを介して、認証要求たとえば英数字コードを通信ユニット403に送信する。対応して、オンボードセキュリティデバイス302の処理ユニットは、認証要求に対応する認証確認を生成する。オンボードセキュリティデバイス302は、ロック解除アプリケーション401aからの認証要求と、フリートのためにOEMまたはサービスプロバイダによってオンボードセキュリティデバイス302内で構成される登録ユーザに対応する登録コードとの比較に基づいて、認証確認を生成する。
【0031】
車両100のユーザの認証成功時、オンボードセキュリティデバイス302は、通信ユニット403を介してロック解除アプリケーション401aに認証確認を送信する。オンボードセキュリティデバイス302は、第1の持続時間内でオフ位置およびオン位置などの異なる位置に回転するために、イグニッションユニット111のソレノイドに通電する。オンボードセキュリティデバイス302はまた、第1の持続時間にわたって、車両100の本体上のTSL106、ユーティリティランプ107および110、ならびにビーパなどのインジケータ405を使用可能にする。オンボードセキュリティデバイス302は、ロック解除アプリケーション401a上のインジケータ405、たとえば、ロック解除アプリケーション401aのGUI、ユーザデバイス401上の視聴覚通知なども使用可能にする。インジケータ405は、登録ユーザの認証成功を示す。オンボードセキュリティデバイス302は、第1の持続時間内で非アクティブステータス信号またはアクティブステータス信号をポーリングする。すなわち、第1の持続時間以内に、ユーザは、ロック位置からオフ位置またはオン位置にノブ201aを回さなければならない。非アクティブステータス信号またはアクティブステータス信号が第1の持続時間以内にイグニッションユニット111によって生成されない場合、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニットのノブ201aの回転を制限し、登録ユーザの再認証を待機する。オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111のソレノイドユニット202の電源を切断する。オンボードセキュリティデバイス302は、第2の持続時間にわたってインジケータ405を介して再認証の必要性を示す。
【0032】
第1の持続時間以内に、ユーザがイグニッションユニット111のノブ201aをロック位置からオフ位置に回した場合、イグニッションユニット111は、非アクティブステータス信号を生成する。オンボードセキュリティデバイス302は、非アクティブステータス信号を受信し、ロックユニット104が動作されることを可能にする。ユーザは、ロックユニット104を動作させることができる。ロックユニットを時計回りまたは反時計回りに回転させると、ユーザは、燃料タンク蓋108または車両100内のシート105の下の収納空間にアクセスすることができる。オンボードセキュリティデバイス302は、第3の持続時間にわたってインジケータ405を使用してイグニッションユニット111のオフ位置を示す。
【0033】
第3の持続時間以内に、ユーザがイグニッションユニット111のノブ201aをオフ位置からオン位置に回した場合、イグニッションユニット111は、アクティブステータス信号を生成する。オンボードセキュリティデバイス302は、アクティブステータス信号を受信し、ロックユニット104の動作を不可能にし、車両111内の電気的負荷への電力の供給を始める。オン位置にあるノブ201aは、車両100の開始動作を示す。オンボードセキュリティデバイス302は、第4の持続時間にわたってインジケータ405を使用してイグニッションユニット111のオン位置を示す。
【0034】
第3の持続時間を超えると、オンボードセキュリティデバイス302は、アクティブステータス信号をポーリングする。すなわち、イグニッションユニット111は、第3の持続時間の後も、引き続きオフ位置にある。オンボードセキュリティデバイス302が非アクティブステータス信号を受信した場合、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111のノブ201aのオフ位置からの回転を制限し、登録ユーザの再認証を待機する。オンボードセキュリティデバイス302は、第3の持続時間にわたってインジケータ405を介して再認証の必要性を示す。
【0035】
一実施形態では、再認証のために、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111からのプレスステータス信号が受信されるかどうかを決定する。プレスステータス信号の受信に加えて、オンボードセキュリティデバイス302は、バッテリレベルなどのユーザデバイス401の健康状態を決定するために、ユーザデバイス401と通信する。ユーザデバイス401のバッテリレベルが不十分である場合、オンボードセキュリティデバイス302は、車両100内のオンボードチャージャ406への電力供給が、限られた量の時間にわたってユーザデバイス401の充電を容易にすることを可能にする。
【0036】
シート105の下の収納空間または燃料タンク蓋108にアクセスするために、オンボードセキュリティデバイス302は、ユーザがイグニッションユニット111のノブ201aをオン位置からオフ位置に回転させることを可能にする。さらに、車両100のステアリングコラム113をロックするため、および車両100を駐車させるために、オンボードセキュリティデバイス302は、ユーザがイグニッションユニット111のノブ201aをオフ位置からロック位置に回転させることを可能にする。車両100に再びアクセスするために、登録ユーザの再認証が必要とされる。
【0037】
図5は、車両のアクセスを制御するためのステップをもつ方法を示すフローチャート500を例示的に示す。ステップ501では、車両100のステアリングコラム113の近くのイグニッションユニット111、ロックユニット104、およびアクセス制御システム404をもつ車両100が用意される。アクセス制御システム404は、オンボードセキュリティデバイス302と、通信ユニット403とを備える。通信ユニット403は、オンボードセキュリティデバイス302と、イグニッションユニット111の動作を制御するためにユーザデバイス401の上に展開されたロック解除アプリケーション401aと通信する。ステップ502では、アクセス制御システムのオンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111から第1の持続時間にわたってプレスステータス信号を受信する。ステップ503では、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111からのプレスステータス信号の受信時にロック解除アプリケーション401aから認証要求を受信するように、電力節約モードから通信ユニット403を作動させる。ステップ504では、通信ユニット403は、オンボードセキュリティデバイス302による作動時に、ロック解除アプリケーション401aから認証要求を受信する。さらに、ステップ505では、オンボードセキュリティデバイス302は、認証要求の検証に基づいて、ロック解除アプリケーション401aおよびイグニッションユニット111に送信されることになる認証確認を生成する。オンボードセキュリティデバイス302は、通信ユニット403を電力節約モードから再び作動させる。通信ユニット403は、ロック解除アプリケーション401aに認証確認を送信する。イグニッションユニット111への認証確認は、オンボードセキュリティデバイス302によって送信される。認証確認は、イグニッションユニット111が、ロックステータス信号、非アクティブステータス信号、またはアクティブステータス信号を生成することを可能にする。ステップ506では、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111からのロックステータス信号、非アクティブステータス信号、またはアクティブステータス信号の受領に基づいて、車両100のアクセスを制御する。
【0038】
車両100のアクセスを制御することは、車両100のステアリングコラム113をロックすることもしくは車両100のステアリングコラム113を動かないようにすること、車両100の特徴にアクセスするために車両100の本体上のロックユニット104を使用可能にすること、または車両100内の電源から電気的負荷への電力の供給を始めることを含む。オンボードセキュリティデバイス302は、第2の持続時間にわたってイグニッションユニット111からのロックステータス信号の受領時にステアリングコラム113をロックする。オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111からの非アクティブステータス信号の受領時に、第3の持続時間にわたって、ロックユニット104を使用可能にする。オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111からのアクティブステータス信号の受領に基づいて、第4の持続時間にわたって、車両100内の電気的負荷への電力供給を始める。オンボードセキュリティデバイス302は、第2の持続時間、第3の持続時間、および第4の持続時間それぞれにわたって、イグニッションユニット111からのロックステータス信号、非アクティブステータス信号、およびアクティブステータス信号に基づいて、車両100の本体上のインジケータ405およびユーザデバイス401を動作させる。
【0039】
図6A~
図6Cは、車両100のアクセスを制御するためのアクセス制御システム404のオンボードセキュリティデバイス302によって実行されるフローチャートを例示的に示す。ステップ601では、イグニッションユニット111は、車両100のユーザによって押される。オンボードセキュリティデバイス302の処理ユニットは、イグニッションユニット111からプレスステータス信号を受信する。ステップ602では、オンボードセキュリティデバイス302は、「X」量の時間にわたってユーザデバイス401の緊急充電を可能にする。オンボードセキュリティは、プレスステータス信号を受信したときにユーザデバイス401の健康状態を決定し、限られた量の時間にわたってオンボードチャージャ406への車両100内の緊急電力供給を可能にする。ステップ603では、オンボードセキュリティは、イグニッションユニット111からのロックステータス信号を待機する。その後、ステップ604では、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111からロックステータス信号を受信する。ロックステータス信号が受信されない場合、オンボードセキュリティデバイス302は、ステップ603に戻り、ロックステータス信号を待機する。イグニッションユニット111はロック位置にあり、アクセス制御システムの通信ユニット403は、スリープモードである。ステップ605では、オンボードセキュリティデバイス302は、たとえば、所定の量の時間にわたって通信ユニット403をウェイクアップする。X秒。ステップ606では、オンボードセキュリティデバイス302は、時間を追跡し、イグニッションユニット111の押圧後に経過した時間がX秒以内であるかどうかを決定する。持続時間がX秒以内である場合、ステップ607では、通信ユニット403は、ユーザデバイス401から認証要求を受信することを待機する。持続時間がX秒よりも大きい場合、通信ユニット403はスリープモードに戻り、オンボードセキュリティは、ステップ603では、ロックステータス信号のために再び待機する。通信ユニット403は、認証要求をオンボードセキュリティデバイス302に送信する。
【0040】
ステップ608では、オンボードセキュリティデバイス302は、認証要求がX秒以内に受信されたかどうかを決定する。はいの場合、ステップ609において、オンボードセキュリティデバイス302は、ユーザデバイス401上のロック解除アプリケーション401aとオンボードセキュリティデバイス302との間で認証を始める。ステップ610では、オンボードセキュリティデバイス302は、認証が確立されたかどうかを確認する。認証要求がX秒以内に受信されない場合、オンボードセキュリティは、ステップ603において、ロックステータス信号を再び待機する。認証が確立されていない場合、オンボードセキュリティデバイス302は、ステップ611において、所定の持続時間、たとえばT2秒にわたって車両100上のインジケータ405に通電し、ステップ603に戻る。
【0041】
認証が確立されている場合、ステップ612において、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111の回転を可能にするために制御信号を送る。ステップ613では、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111が自由に回転することを示すために、T1秒間インジケータ405に通電する。イグニッションユニット111が自由に回転することは、ターンシグナルランプの点滅、ビーパの吹鳴音、速度計に関する標識、またはロック解除アプリケーション401a内の通知によって示される。ステップ614では、オンボードセキュリティデバイス302は、持続時間「T」秒にわたってタイマを使用可能にする。ステップ615では、オンボードセキュリティデバイス302は、インジケータ405の通電後に経過した時間はT秒以内であることを決定する。はいの場合、ステップ616では、オンボードセキュリティデバイス302は、ロック位置からオン位置またはオフ位置へのイグニッションユニット111の移動を可能にする。インジケータ405の通電後に経過した時間がT秒よりも大きい場合、ステップ617では、イグニッションユニット111の移動を制限し、ステップ618では、オンボードセキュリティは、再認証が必要とされる場合、ステップ603に移動することを示すためにインジケータ405にT2秒間通電する。
【0042】
ステップ619では、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111がオフ位置に移動されるかどうかを決定する。はいの場合、ステップ621では、オンボードセキュリティは、ロックユニット104を使用可能にする。ロックユニット104が一方向、たとえば、時計回り方向に回転される場合、シートロックはロック解除される。ロックユニット104が、反対方向、たとえば、反時計回り方向に回転される場合、燃料タンクキャップ108がロック解除される。イグニッションユニット111が、ステップ620においてオフ位置に移動されない場合、オンボードセキュリティデバイス302は、通電後に経過したインジケータ405の時間がT秒よりも小さいかどうかを再び決定する。いいえの場合、ステップ617では、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111の移動を制限し、ステップ618では、再認証が必要とされており、ステップ603に移動することを示すように、インジケータ405はT2秒間に通電する。
【0043】
オンボードセキュリティデバイス302はさらに、ステップ622において、イグニッションユニット111の移動を可能にする。イグニッションユニット111は、オフ位置からオン位置に回転されることがある。ステップ626では、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111がオン位置にあるかどうかを決定する。イグニッションユニット111がオン位置に回転される場合、ステップ627では、オンボードセキュリティデバイス302は、ロックユニット104を使用不可能にし、ステップ628において、バッテリから電気的負荷への電力の供給を可能にし、イグニッションユニット111の移動を不可能にする。イグニッションユニット111がオフ位置からロック位置に移動した場合、オンボードセキュリティデバイス302は、ステップ624において、イグニッションユニット111移動を不可能にし、ロックユニット104を使用不可能にする。ステップ625では、オンボードセキュリティデバイス302は、再認証が必要とされ、ステップ603に移動するかを示すために、T2秒間インジケータ405に通電する。イグニッションユニット111がオン位置からオフ位置、オフ位置からロック位置に移動される場合、車両100は再びロックされ、車両100にアクセスするために、再び認証要求が必要とされる。
【0044】
車両電気的負荷に電力を供給しているが、ステップ629では、オンボードセキュリティデバイス302は、イグニッションユニット111がオフ位置に移動されるかどうかを決定する。はいの場合、オンボードセキュリティデバイス302は、ステップ622において、イグニッションユニット111の移動を再び可能にすることができる。いいえの場合、オンボードセキュリティデバイス302は、ステップ628において、車両電気的負荷に電力を供給し続け、イグニッションユニット111の移動を不可能にする。
【0045】
車両のアクセスを制御するそのような実装形態は、以下のように車両アクセス管理の技術的進歩を提供する。キーFOBの既存の実施およびすでに開示されたとしてのキーfobの使用と関連付けられた欠点は、完全に回避される。ユーザデバイス上のロック解除アプリケーションは、必要な場合はいつでもどこでもフリートから車両にアクセスするための自由と快適さをユーザに与える。キーまたはキーFOBを運ぶ重荷は回避され、ユーザデバイスは、車両をロック解除する目的でサーブする。また、アクセス制御システムは、車両のユーザの認証の前に、ユーザデバイスのバッテリを監視し、ユーザデバイスの緊急充電の提供を提示する。車両のロック解除は、ユーザデバイス単体ではなく、ロック解除アプリケーションと関連付けられるので、ユーザは、インストールを望むときはいつでもロック解除アプリケーションをインストールする柔軟性を持って容易にされる。車両のロック解除は、ユーザデバイスのIMEI番号に限定されない。電力節約モードの通信ユニットは、車両の電源からの通信ユニットの電流消費量を減少させる。通信ユニットは、そのため、動作してないときはいつでも、電力節約モードに戻るように構成され、それによって、可能なときはいつでも、車両の電源の電力消費量を減少させる。モペット、電気二輪車両などの、低いパワーウェイトレシオをもつ車両では、バッテリの容量は非常に重要であり、車両アクセス制御システムのためのバッテリによる電荷の節約は、限定される必要がある。そのような車両では、電力節約モードを用いることによって車両アクセス制御システムによるバッテリの電力消費量を節減することによって、車両は、非常に効率的になる。
【0046】
認証の成功および不成功は、インジケータを使用して示され、車両にアクセスするプロセスを使いやすいものにする。また、車両が、イグニッションユニットのある位置において所定の持続時間を超えて無人にされている場合、車両が自動的にロックされ、ユーザは再認証される必要があるので、車両の盗難または不正使用の可能性は減少される。オンボードセキュリティデバイスを車両内の中央に設置することによって、車両内でのケーブル行程が減少され、車両の製造および組み立てのコストを減少させる助けとなる。オンボードセキュリティデバイスと通信ユニットの間のケーブル長の減少によって、信号送信および受信がより良いところはどこでも、車両の前方または後方に通信ユニットを置く柔軟性も可能にされる。