(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】香味吸引器及び香味吸引器の製造方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20241018BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20241018BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/30
(21)【出願番号】P 2022568006
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 JP2020046270
(87)【国際公開番号】W WO2022123766
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 則喜
(72)【発明者】
【氏名】桝田 雄気
(72)【発明者】
【氏名】西村 勇輝
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/088562(WO,A2)
【文献】特開平06-022861(JP,A)
【文献】特表2017-503515(JP,A)
【文献】特許第6532076(JP,B1)
【文献】特表2018-507700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
G01K 1/143
G01L 7/00-23/32
G01L 27/00-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容される第1部材と、
前記第1部材に支持される状態検出部と、
前記筐体に収容され、前記状態検出部によって状態が検出される第2部材と、
を備え、
前記筐体は、前記第1部材を前記第2部材に対して付勢し、
前記状態検出部は、前記第1部材が前記第2部材に対して付勢された状態で、前記第2部材に対する所定位置に位置合わせされ
、
前記第1部材は、本体部と、前記本体部から延出し、前記本体部に対して屈曲可能に構成され、前記状態検出部を支持する延出部と、を備え、
前記筐体は、前記第1部材の前記延出部を屈曲された状態に保持し、
前記第1部材の前記延出部は、前記筐体により屈曲された状態で、前記第2部材に対して付勢されている、
香味吸引器。
【請求項2】
請求項1に記載の香味吸引器であって、
前記筐体に収容され、前記状態検出部を前記第2部材の反対側から支持する支持部材をさらに備え、
前記第1部材及び前記支持部材によって前記状態検出部が保持された状態で、前記筐体は、前記第1部材を前記第2部材に対して付勢する、
香味吸引器。
【請求項3】
請求項2に記載の香味吸引器であって、
前記支持部材は、弾性体により構成されている、
香味吸引器。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の香味吸引器であって、
前記筐体は、第1筐体要素と、前記第1筐体要素に取り付けられる第2筐体要素とを有し、
前記第1部材は、前記第2筐体要素に配置され、
前記第1筐体要素と前記第2筐体要素とを互いに取り付けることによって、前記第1部材は、前記第2部材に対して付勢される、
香味吸引器。
【請求項5】
請求項
1に記載の香味吸引器であって、
前記第1部材は、弾性体により構成されている、
香味吸引器。
【請求項6】
請求項
5に記載の香味吸引器であって、
前記第1部材は、Oリングであり、
前記第2部材の一部は、前記Oリングの前記本体部に挿入される、
香味吸引器。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の香味吸引器であって、
前記第2部材は、エアロゾル生成機構であり、
前記状態検出部は、前記エアロゾル生成機構の温度または圧力を検出する、
香味吸引器。
【請求項8】
請求項
7に記載の香味吸引器であって、
前記状態検出部は、前記エアロゾル生成機構に対するパフ動作を検出する、
香味吸引器。
【請求項9】
請求項5~
8のいずれか一項に記載の香味吸引器であって、
前記筐体は、第1筐体要素と、前記第1筐体要素に取り付けられる第2筐体要素とを有し、
前記第1筐体要素と前記第2筐体要素とを互いに取り付けることによって、前記第1部材の前記延出部は、屈曲された状態に保持される、
香味吸引器。
【請求項10】
請求項4または
9に記載の香味吸引器であって、
前記第1筐体要素を覆う外部カバーをさらに備える、
香味吸引器。
【請求項11】
第1筐体要素を準備し、
状態検出部を支持する第1部材を準備し、
前記状態検出部によって状態が検出される第2部材を準備し、
前記第1筐体要素に対する所定位置に、前記第1部材及び前記第2部材を配置し、
前記第1筐体要素により前記状態検出部を支持した前記第1部材を押圧し、前記第1部材を前記第2部材に対して付勢することにより、前記状態検出部を前記第2部材に対する所定位置に位置合わせする、
ことを含
み、
前記第1部材は、本体部と、前記本体部から延出し、前記本体部に対して屈曲可能に構成され、前記状態検出部を支持する延出部を備え、
前記第1筐体要素は、前記第1部材の前記延出部を屈曲された状態に保持し、
前記第1筐体要素により前記状態検出部を支持した前記延出部を押圧し、前記本体部によって屈曲させることにより、前記延出部を前記第2部材に対して付勢し、前記状態検出部を前記第2部材に対する所定位置に位置合わせする、
ことを含む、
香味吸引器の製造方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の香味吸引器の製造方法であって、
前記状態検出部を前記第2部材の反対側から支持する支持部材をさらに準備し、
前記第1部材及び前記支持部材によって前記状態検出部が保持された状態で、前記第1筐体要素が前記支持部材を介して前記第1部材を押圧することにより、前記状態検出部を前記第2部材に対する所定位置に位置合わせする、
ことを含む、
香味吸引器の製造方法。
【請求項13】
請求項
11または12に記載の香味吸引器の製造方法であって、
前記第2部材は、エアロゾル生成機構であり、
前記状態検出部は、前記エアロゾル生成機構の温度または圧力を検出する、
香味吸引器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、香味吸引器及び香味吸引器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子たばこの分野において、装置の状態を検知するための電子部品を装置に搭載し、当該電子部品により取得した所望の情報に基づき、装置を駆動することが行われている。例えば、特許文献1は、紙巻きたばこ加熱装置に気流センサを設け、気流センサの検知する圧力に基づいてユーザが紙巻きたばこを喫煙しているか否かを判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、第1の部材に保持された電子部品が、第2の部材の状態を検知するために適切な位置に位置合わせされる、香味吸引器およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、筐体と、前記筐体に収容される第1部材と、前記第1部材に支持される状態検出部と、前記筐体に収容され、前記状態検出部によって状態が検出される第2部材と、を備え、前記筐体は、前記第1部材を前記第2部材に対して付勢し、前記状態検出部は、前記第1部材が前記第2部材に対して付勢された状態で、前記第2部材に対する所定位置に位置合わせされている、香味吸引器である。
【0006】
上記第1の態様では、状態検出部を支持する第1部材が、筐体内において第2部材に対して付勢されることにより、状態検出部が第2部材の状態を検出するために適切な位置に位置合わせされている。よって第1の態様によれば、簡素な構成により、状態検出部を第2部材に対して適切に位置合わせし、第2部材の状態の検知を実行することができる。
【0007】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、前記筐体に収容され、状態検出部を前記第2部材の反対側から支持する支持部材をさらに備え、前記第1部材及び前記支持部材によって前記状態検出部が保持された状態で、前記筐体は、前記第1部材を前記第2部材に対して付勢する、香味吸引器である。
【0008】
上記第2の態様では、第1部材とともに状態検出部を保持する支持部材が設けられる。よって上記第2の態様によれば、第1部材と支持部材とによって、状態検出部を所望の位置により一層安定して保持できる。
【0009】
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、前記支持部材は、弾性体により構成されている、香味吸引器である。
【0010】
上記第3の態様では、第1部材とともに状態検出部を保持する支持部材が、弾性体により構成されている。よって上記第3の態様によれば、弾性体によって、状態検出部を第2部材に対して安定して付勢できる。
【0011】
本開示の第4の態様は、上記第1~第3の態様において、前記筐体は、第1筐体要素と、前記第1筐体要素に取り付けられる第2筐体要素とを有し、前記第1部材は、前記第2筐体要素に配置され、前記第1筐体要素と前記第2筐体要素とを互いに取り付けることによって、前記第1部材は、前記第2部材に対して付勢される、香味吸引器である。
【0012】
上記第4の態様では、筐体を構成する第1筐体要素と第2筐体要素とが、互いに取り付けられることにより、第1部材が第2部材に対して付勢され、状態検出部が第2部材に対して位置合わせされる。よって第7の態様によれば、装置の製造過程における通常の工程により筐体内での状態検出部の位置合わせを行うことができ、工数の削減が可能となる。
【0013】
本開示の第5の態様は、上記第1の態様において、前記第1部材は、本体部と、前記本体部から延出し、前記本体部に対して屈曲可能に構成され、前記状態検出部を支持する延出部と、を備え、前記筐体は、前記第1部材の前記延出部を屈曲された状態に保持し、前記第1部材の前記延出部は、前記筐体により屈曲された状態で、前記第2部材に対して付勢されている、香味吸引器である。
【0014】
上記第5の態様では、第1部材の延出部によって支持された状態検出部が、筐体内において延出部が屈曲されることにより、第2部材の状態を検出するために適切な位置に位置合わせされている。よって第5の態様によれば、簡素な構成により、状態検出部を第2部材に対して適切に位置合わせし、第2部材の状態の検知を実行することができる。
【0015】
本開示の第6の態様は、上記第5の態様において、前記第1部材は、弾性体により構成されている、香味吸引器である。
【0016】
上記第6の態様では、第1部材の本体部及び延出部が弾性体により構成されている。よって第2の態様によれば、第1部材の延出部を屈曲された状態に保持することが容易となる。
【0017】
本開示の第7の態様は、上記第5または第6の態様において、前記第1部材は、Oリングであり、前記第2部材の一部は、前記Oリングの前記本体部に挿入される、香味吸引器である。
【0018】
上記第7の態様では、状態検出部がOリングの延出部に支持され、Oリングの本体部が第2部材に対して固定される。よって、簡素な構成で状態検出部を第2部材に対して位置合わせすることができる。
【0019】
本開示の第8の態様は、上記第1~第7の態様において、前記第2部材は、エアロゾル生成機構であり、前記状態検出部は、前記エアロゾル生成機構の温度または圧力を検出する、香味吸引器である。
【0020】
上記第8の態様では、エアロゾル生成機構に対して適切に位置合わせされた状態検出部によって、エアロゾル生成機構の温度または圧力が検出される。よって第8の態様によれば、エアロゾル生成機構の温度または圧力を高精度に検出することができる。
【0021】
本開示の第9の態様は、上記第8の態様において、前記状態検出部は、前記エアロゾル生成機構に対するパフ動作を検出する、香味吸引器である。
【0022】
上記第9の態様では、エアロゾル生成機構に対して適切に位置合わせされた状態検出部によって、エアロゾル生成機構に対するパフ動作が検出される。よって第9の態様によれば、エアロゾル生成機構に対するパフ動作を高精度に検出することができる。
【0023】
本開示の第10の態様は、上記第5~第9の態様において、前記筐体は、第1筐体要素と、前記第1筐体要素に取り付けられる第2筐体要素とを有し、前記第1筐体要素と前記第2筐体要素とを互いに取り付けることによって、前記第1部材の前記延出部は、屈曲された状態に保持される香味吸引器である。
【0024】
上記第10の態様では、筐体を構成する第1筐体要素と第2筐体要素とが、互いに取り付けられることにより、延出部が屈曲され、状態検出部が第2部材に対して位置合わせされる。よって第10の態様によれば、装置の製造過程における通常の工程により筐体内での状態検出部の位置合わせを行うことができ、工数の削減が可能となる。
【0025】
本開示の第11の態様は、上記第4または第10の態様において、前記第1筐体要素を覆う外部カバーをさらに備える、香味吸引器である。
【0026】
上記第11の態様では、香味吸引器の筐体の第1筐体要素が、さらなる外部カバーによって覆われる。よって上記第11の態様によれば、筐体の内部で発生した熱が香味吸引器の外部に伝達されることを抑制できる。
【0027】
本開示の第12の態様は、第1筐体要素を準備し、状態検出部を支持する第1部材を準備し、第1筐体要素に対する所定位置に、前記第1部材及び前記第2部材を配置し、前記第1筐体要素により前記状態検出部を支持した前記第1部材を押圧し、前記第1部材を前記第2部材に対して付勢することにより、前記状態検出部を前記第2部材に対する所定位置に位置合わせする、ことを含む、香味吸引器の製造方法である。
【0028】
上記第12の態様により製造された香味吸引器では、状態検出部を支持した第1部材が、第1筐体要素によって押圧されることにより、状態検出部が第2部材の状態を検出するために適切な位置に位置合わせされている。よって第12の態様によれば、簡素な構成により、状態検出部を第2部材に対して位置合わせすることができる香味吸引器を提供することができる。
【0029】
本開示の第13の態様は、上記第12の態様において、前記状態検出部を前記第2部材の反対側から支持する支持部材をさらに準備し、前記第1部材及び前記支持部材によって前記状態検出部が保持された状態で、前記第1筐体要素が前記支持部材を介して前記第1部材を押圧することにより、前記状態検出部を前記第2部材に対する所定位置に位置合わせする、ことを含む、香味吸引器の製造方法である。
【0030】
上記第13の態様では、第1部材とともに状態検出部を保持する支持部材が設けられる。よって上記第13の態様によれば、第1部材と支持部材とによって、状態検出部を所望の位置に安定して保持できる香味吸引器を提供できる。
【0031】
本開示の第14の態様は、上記第12の態様において、前記第1部材は、本体部と、前記本体部から延出し、前記本体部に対して屈曲可能に構成され、前記状態検出部を支持する延出部を備え、前記筐体は、前記第1部材の前記延出部を屈曲された状態に保持し、前記第1筐体要素により前記状態検出部を支持した前記延出部を押圧し、前記本体部によって屈曲させることにより、前記延出部を前記第2部材に対して付勢し、前記状態検出部を前記第2部材に対する所定位置に位置合わせする、ことを含む、香味吸引器の製造方法である。
【0032】
上記第14の態様では、第1部材の延出部によって支持された状態検出部が、筐体内において延出部が屈曲されることにより、第2部材の状態を検出するために適切な位置に位置合わせされている。よって第14の態様によれば、簡素な構成により、状態検出部を第2部材に対して適切に位置合わせし、第2部材の状態の検知を実行する香味吸引器を提供できる。
【0033】
本開示の第15の態様は、上記第12~第14の態様において、前記第2部材は、エアロゾル生成機構であり、前記状態検出部は、前記エアロゾル生成機構の温度または圧力を検出する、香味吸引器の製造方法である。
【0034】
上記第15の態様により製造された香味吸引器では、エアロゾル生成機構に対して適切に位置合わせされた状態検出部によって、エアロゾル生成機構の温度または圧力が検出される。よって第15の態様によれば、エアロゾル生成機構の温度または圧力を高精度に検出できる香味吸引器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1A】第1実施形態に係る香味吸引器の概略正面図である。
【
図3A】アウタハウジングを取り外した香味吸引器の正面図である。
【
図3B】アウタハウジングを取り外した香味吸引器の側面図である。
【
図3C】インナハウジングのフロント筐体要素の裏面の斜視図である
【
図4A】インナハウジングのフロント筐体要素を取り外した香味吸引器の概略正面斜視図である。
【
図4B】インナハウジング内に収納されるサーミスタの概略正面斜視図である。
【
図5】
図1Bに示した矢視5-5における香味吸引器の断面図である。
【
図6B】
図6Aに示す矢視6B-6Bにおけるチャンバの断面図である。
【
図7A】
図6Bに示す矢視7A-7Aにおけるチャンバの断面図である。
【
図7B】
図6Bに示す矢視7B-7Bにおけるチャンバの断面図である。
【
図9】チャンバ内の所望の位置に消費材が配置された状態の
図7Bに示す断面図である。
【
図10】
図1Bに示した矢視10-10における香味吸引器の部分断面図である。
【
図12】インナハウジング内に収納されたOリングの屈曲状態を示す、インナハウジングの第1壁の裏面の斜視図である。
【
図13】屈曲されたOリングの挿入ガイド部材への付勢状態を示す、挿入ガイド部材周辺をX軸正方向側から見た側面図である。
【
図14】横軸に時刻を示し、縦軸にチャンバと挿入ガイド部材との温度、及び消費材に含まれる香味残量を示すグラフである。
【
図15】第2実施形態のサーミスタを保持し、挿入ガイド部材へ付勢して位置合わせするための機構の分解斜視図である。
【
図16】第2実施形態の挿入ガイド部材の近傍の拡大斜視図である。
【
図17】第2実施形態において挿入ガイド部材へ位置合わせされたサーミスタの正面拡大図である。
【
図18】第2実施形態のインナハウジング内に収納されたサーミスタの配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(第1実施形態)
以下、本開示の第1実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0037】
図1Aは、本開示の第1実施形態に係る香味吸引器100の概略正面図である。
図1Bは、香味吸引器100の概略上面図である。
図1Cは、香味吸引器100の概略底面図である。本明細書で説明する図面においては、説明の便宜のためにX-Y-Z直交座標系を付することがある。この座標系において、Z軸は鉛直上方を向いており、X-Y平面は香味吸引器100を水平方向に切断するように配置されており、Y軸は香味吸引器100の正面から裏面へ延出するように配置されている。Z軸は、後述する霧化部30のチャンバ50に収容される消費材の挿入方向ということもできる。また、Y軸は、消費材の挿入方向と直交し且つ後述する第1壁10aと第2壁10bとが対向する方向ということもできる。また、X軸方向は、消費財の挿入方向に直交する面の中のデバイス長手方向ということもできる。Y軸方向は、消費財の挿入方向に直交する面の中のデバイス短手方向ということもできる。
【0038】
香味吸引器100は、例えば、エアロゾル源を含んだ香味源を有するスティック型の消費材を加熱することで、香味を含むエアロゾルを生成するように構成される。
【0039】
図1Aから
図1Cに示されるように、香味吸引器100は、フロントカバー101Aとリアカバー101Bとから構成されるアウタハウジング101と、スライドカバー102とを有する。フロントカバー101Aは、本開示の外部カバーの一例である。
【0040】
アウタハウジング101は、香味吸引器100の最外のハウジングを構成し、ユーザの手に収まるようなサイズを有する。ユーザが香味吸引器100を使用する際は、香味吸引器100を手で保持して、エアロゾルを吸引することができる。なおアウタハウジング101について、フロントカバー101Aを、例えばポリカーボネート等の樹脂で形成することができ、リアカバー101Bを、例えばアルミニウム等の金属で形成することができる。ただし、アウタハウジング101の材質は、これらに限定されず、例えば、樹脂製で形成することができ、特に、ポリカーボネート(PC)、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等、あるいは、アルミニウム等の金属で形成され得、任意好適に選択することができるものとする。
【0041】
アウタハウジング101は、消費材を受け入れるための図示しない第1の貫通孔を有し、スライドカバー102は、第1の貫通孔を閉じるようにアウタハウジング101にスライド可能に取り付けられる。具体的には、スライドカバー102は、アウタハウジングの上記第1の貫通孔を閉鎖する閉位置(
図1A及び
図1Bに示す位置)と、上記第1の貫通孔を開放する開位置との間を、アウタハウジング101の外表面に沿って移動可能に構成される。例えば、ユーザがスライドカバー102を手動で操作することにより、スライドカバー102を閉位置と開位置とに移動させることができる。これにより、スライドカバー102、香味吸引器100の内部への消費材のアクセスを許可または制限することができる。
【0042】
図1B及び
図1Cは、香味吸引器100においてフロントカバー101Aとリアカバー101Bとが略同一の厚みを備えているように図示しているが、アウタハウジング101の構成はこれに限られるものではない。フロントカバー101Aまたはリアカバー101Bの一方を他方に対してより厚くなるように構成することも可能である。
【0043】
香味吸引器100はさらに、図示しない端子を有してもよい。端子は、香味吸引器100を例えば外部電源と接続するインターフェースであり得る。香味吸引器100が備える電源が充電式バッテリである場合は、端子に外部電源を接続することで、外部電源から電源に電流を流し、電源を充電することができる。また、端子にデータ送信ケーブルを接続することにより、香味吸引器100の作動に関連するデータを外部装置に送信できるようにしてもよい。
【0044】
次に、香味吸引器100で使用される消費材について説明する。
図2は、消費材110の概略側断面図である。本開示において、香味吸引器100と消費材110とにより喫煙システムを構成し得る。
図2に示す例においては、消費材110は、喫煙可能物111と、筒状部材114と、中空フィルタ部116と、フィルタ部115と、を有する。喫煙可能物111は、第1の巻紙112によって巻装される。筒状部材114、中空フィルタ部116、及びフィルタ部115は、第1の巻紙112とは異なる第2の巻紙113によって巻装される。第2の巻紙113は、喫煙可能物111を巻装する第1の巻紙112の一部も巻装する。これにより、筒状部材114、中空フィルタ部116、及びフィルタ部115と喫煙可能物111とが連結される。ただし、第2の巻紙113を省略し、第1の巻紙112を用いて筒状部材114、中空フィルタ部116、及びフィルタ部115と喫煙可能物111とを連結してもよい。第2の巻紙113のフィルタ部115側の端部近傍の外面には、ユーザの唇が第2の巻紙113からくっつきにくくするためのリップリリース剤117が塗布される。消費材110のリップリリース剤117が塗布される部分は、消費材110の吸口として機能する。
【0045】
喫煙可能物111は、例えばたばこ等の香味源と、エアロゾル源とを含み得る。また、喫煙可能物111を巻く第1の巻紙112は、通気性を有するシート部材であり得る。筒状部材114は、紙管又は中空フィルタであり得る。
図2に示す例では、消費材110は、喫煙可能物111、筒状部材114、中空フィルタ部116、及びフィルタ部115を備えているが、消費材110の構成はこれに限られない。例えば、中空フィルタ部116を省略し、筒状部材114とフィルタ部115とを互いに隣接配置してもよい。
【0046】
図3Aは、アウタハウジング101を取り外した香味吸引器100の正面図である。
図3Bは、アウタハウジング101を取り外した香味吸引器100の側面図である。
図3Cは、インナハウジング10の前面を構成するフロント筐体要素10Aの裏面の斜視図である。
【0047】
図3Aに示すように、アウタハウジング101が取り外されると、インナハウジング10が露出される。インナハウジング10は、後述する霧化部30、電源部20等を収容し、例えば、樹脂製であり、特に、ポリカーボネート(PC)、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等、あるいは、アルミ等の金属で形成され得る。耐熱性や強度の観点からは、インナハウジング10はPEEKで形成されることが好ましい。ただし、インナハウジング10の材質は、これに限定されるものではない。インナハウジング10は、本開示の筐体の一例である。
【0048】
図3Bは、
図3Aに示されたアウタハウジング101を取り外した香味吸引器100をX軸正方向側から見た側面図である。
図3Bに示すように、インナハウジング10は、香味吸引器100の正面側(Y軸負方向側)に配置されるフロント筐体要素10Aと、香味吸引器100の裏面側(Y軸正方向側)に配置されるリア筐体要素10Bとから構成される。インナハウジング10のフロント筐体要素10Aは、本開示の第1筐体要素の一例であり、インナハウジング10のリア筐体要素10Bは、本開示の第2筐体要素の一例である。
【0049】
図3Cは、フロント筐体要素10A単体を図示した、フロント筐体要素10Aの裏面の斜視図である。
図3B及び
図3Cは、インナハウジング10においてフロント筐体要素10Aとリア筐体要素10Bとが略同一の厚みを備えているように図示しているが、インナハウジング10の構成はこれに限られるものではない。フロント筐体要素10Aまたはリア筐体要素10Bの一方を他方に対してより厚くなるように構成することも可能である。
【0050】
図3Bに示すように、インナハウジング10において、正面側(Y軸負方向側)の壁を第1壁10a、裏面側(Y軸正方向側)の壁を第2壁10bと呼ぶ。すなわち、インナハウジング10は、Y軸方向において対向する第1壁10aと第2壁10bと、第1壁10a及び第2壁10bとを接続する側壁10cとを有する。フロント筐体要素10Aは少なくとも第1壁10aを含み、リア筐体要素10Bは少なくとも第2壁10bを含む。側壁10cは、フロント筐体要素10A及びリア筐体要素10Bによって構成される。
【0051】
次に、香味吸引器100の内部構造について説明する。
図4Aは、アウタハウジング101とスライドカバー102とインナハウジング10のフロント筐体要素10Aとを取り外した、香味吸引器100の概略正面斜視図である。
図4Bは、インナハウジング10内に収納されるサーミスタ72の概略正面斜視図である。
図5は、
図1Bに示した矢視5-5における香味吸引器100の断面図である。
【0052】
図4A及び
図5に示すように、香味吸引器100のインナハウジング10の内部空間には、電源部20と、霧化部30とが設けられる。さらに、インナハウジング10の内部空間には、図示しない回路部が設けられる。
【0053】
回路部は、例えばマイクロプロセッサ等を含み、電源部20から霧化部30への電力の供給を制御することができる。これにより、回路部は、霧化部30による消費材110の加熱を制御することができる。
【0054】
電源部20は、図示しない回路部と電気的に接続される電源21を有する。電源21は、例えば、充電式バッテリ又は非充電式のバッテリであり得る。電源21は、回路部を介して、霧化部30と電気的に接続される。これにより、電源21は、消費材110を適切に加熱するように、霧化部30に電力を供給することができる。
【0055】
霧化部30は、
図5に示すように、消費材110の長手方向に延びるチャンバ50と、チャンバ50の一部を囲う加熱部40と、断熱部32と、略筒状の挿入ガイド部材34と、を有する。チャンバ50は、消費材110を収容するように構成される。加熱部40は、チャンバ50の外周面に接触し、チャンバ50に収容された消費材110を加熱するように構成される。チャンバ50及び加熱部40の詳細については後述する。霧化部30は、本開示における第2部材及びエアロゾル生成機構の一例である。
【0056】
断熱部32は、チャンバ50及び加熱部40を囲うように配置される。断熱部32は、例えばエアロゲルであり得る。挿入ガイド部材34は、例えば、PEEK、PC、又はABS等の樹脂材料により形成され、閉位置にあるスライドカバー102とチャンバ50との間に設けられる。挿入ガイド部材34は、スライドカバー102が開位置にあるときに、香味吸引器100の外部と連通し、消費材110を挿入ガイド部材34に挿入することで、チャンバ50への消費材110の挿入を案内する。
【0057】
香味吸引器100は、さらに、チャンバ50及び断熱部32の両端を支持する、第1支持部35と、第2支持部38とを有する。第1支持部35は、チャンバ50及び断熱部32のスライドカバー102側(Z軸正方向側)の端部を支持するように配置される。さらに、第1支持部35には、挿入ガイド部材34を支持するO(オー)リング37が設置されている。第2支持部38は、チャンバ50及び断熱部32のZ軸負方向側の端部を直接的又は間接的に支持するように配置される。また、
図5に示すように、チャンバ50の底部には、底部材36が設けられていてもよい。底部材36は、チャンバ50に挿入された消費材110を位置決めするストッパとして機能し得る。底部材36は、消費材110が当接する面に空気を供給可能な空間を画定し得る。Oリング37は、本開示の第1部材の一例である。底部材36は、消費材110が当接する面に凹凸を有し、例えば、PEEK等の樹脂材料、金属、ガラス、又はセラミック等で形成され得るがこれに限定されない。また、第1支持部35及び第2支持部38は、例えば、シリコーンゴムなどのエラストマーで形成することができる。また、底部材36をチャンバ50の底部に接合する場合、エポキシ樹脂等の樹脂材料や無機材料で構成され得る接着剤を用いることができる。
【0058】
図4Aに示すように、インナハウジング10のフロント筐体要素10Aを取り外した状態において、Oリング37の一部は、香味吸引器100の正面側(Y軸負方向側)に突出している。この突出する部分が、後述するOリング37の延出部37Bである。また
図4に示すように、霧化部30の正面(Y軸負方向側)には、サーミスタ72が配置される。説明の便宜上、
図4Aでは、電源部20及び霧化部30の詳細の図示を省略している。Oリング37の詳細については、後述する。
【0059】
図4Aに示すように、サーミスタ72は、検出部72Aと、検出部72Aを図示しない回路部へ接続する接続部72Bを備えている。
図4Aに示すように、サーミスタ72の検出部72Aは、Oリング37の延出部37Bに支持される。検出部72Aは、温度センサである。後述するように、Oリング37の延出部37Bに支持された検出部72Aは、延出部37Bが屈曲された状態で、霧化部30の挿入ガイド部材34に対する所定位置に位置合わせされる。香味吸引器100は、検出部72Aで検出した挿入ガイド部材34に対する所定位置の温度に基づいて、ユーザによるパフ動作、すなわちデバイスに対する吸引動作が行われたことを検知することができる。なお、検出部72Aを温度センサに代えて圧力センサとすることで、サーミスタ72を挿入ガイド部材34に対する所定位置の気圧に基づくパフ動作の検出装置とすることもできる。
図4に示すように、接続部72Bは、インナハウジング10の内部で適切に収納されるように、屈曲されて構成されていてもよい。検出部72Aは、本開示の状態検出部の一例である。
【0060】
図4Bに、サーミスタ72の構成の具体例を示す。サーミスタ72の接続部72Bは、絶縁被覆で覆われた2本の導線を有している。またサーミスタ72の検出部72Aは、温度の変化に伴って電気抵抗が変化する素子と、この素子を覆うガラスで形成されている。接続部72Bの2本の導線の一端が検出部72Aに接続されることで、サーミスタ72が構成される。また、接続部72Bの2本の導線の他端は、上述の図示しない回路部に接続される。回路部を介して、電源部20の電源21からサーミスタ72へ一定の微弱電流が供給されている。サーミスタ72の検出部72Aの素子が当接する部位の温度が変化すると、素子の電気抵抗が変化し、サーミスタ72の電圧が変化する。サーミスタ72に供給される電流の大きさは一定なので、Ohmの法則により、測定された電圧より素子の電気抵抗の値を算出できる。一方、サーミスタ72の検出部72Aの素子について、温度と電気抵抗値との関係は既知である。したがって、サーミスタ72の電圧の値を測定することで、検出部72Aの素子の温度を算出することができる。
【0061】
さらに
図4Aに示すように、インナハウジング10の側壁10cの上面(Z軸正方向側の面)には、開口74が設けられている。インナハウジング10の開口74は、上述したアウタハウジング101の図示しない第1の貫通孔と、後述するチャンバ50の開口52とに連通している。インナハウジング10の開口74は、後述する挿入ガイド部材34の第2の貫通孔34Aによって構成される。
【0062】
次に、チャンバ50及び加熱部40の詳細について説明する。
図6Aは、チャンバ50の斜視図である。
図6Bは、
図6Aに示す矢視6B-6Bにおけるチャンバ50の断面図である。
図7Aは、
図6Bに示す矢視7A-7Aにおけるチャンバ50の断面図である。
図7Bは、
図6Bに示す矢視7B-7Bにおけるチャンバ50の断面図である。
図8は、チャンバ50及び加熱部40の斜視図である。
図9は、チャンバ50内の所望の位置に消費材110が配置された状態の
図7Bに示す断面図である。
【0063】
図6A及び
図6Bに示すように、チャンバ50は、消費材110が挿入される開口52と、消費材110を収容する筒状の側壁部60と、を含む筒状部材であり得る。チャンバ50の開口52の周囲には、フランジ部52Aが形成されている。チャンバ50は、耐熱性を有し、且つ熱膨張率が小さい材料で形成されることが好ましく、例えば、ステンレス鋼等の金属、PEEK等の樹脂、ガラス、又はセラミック等で形成され得る。これにより、チャンバ50から消費材110へ効果的な加熱が可能になる。
【0064】
図6B及び
図7Bに示すように、側壁部60は、接触部62と、離間部66と、を含む。消費材110がチャンバ50内の所望の位置に配置されたとき、接触部62は、消費材110の一部と接触又は押圧し、離間部66は、消費材110から離間する。なお、本明細書において、「チャンバ50内の所望の位置」とは、消費材110が適切に加熱される位置、又はユーザが喫煙するときの消費材110の位置をいう。接触部62は、内面62aと、外面62bとを有する。離間部66は、内面66aと、外面66bとを有する。
図8に示すように、加熱部40は、接触部62の外面62bに配置される。加熱部40は、接触部62の外面62bに隙間なく配置されることが好ましい。なお、加熱部40は接着層を含んでもよい。その場合、接着層を含む加熱部40が、接触部62の外面62bに隙間なく配置されることが好ましい。
【0065】
図6A及び
図7Bに示すように、接触部62の外面62bは平面である。接触部62の外面62bが平面であることにより、
図8に示すように接触部62の外面62bに配置される加熱部40に帯状の電極48が接続されている場合に、帯状の電極48が撓むことを抑制することができる。
図6B及び
図7Bに示すように、接触部62の内面62aは平面である。また、
図6B及び
図7Bに示すように、接触部62の厚みは均一である。
【0066】
図6A、
図6B、及び
図7Bに示すように、チャンバ50は、接触部62をチャンバ50の周方向に2つ有し、2つの接触部62は、互いに平行になるように対向する。2つの接触部62の内面62a間の少なくとも一部の距離は、チャンバ50に挿入される消費材110の接触部62間に配置される箇所の幅よりも小さいことが好ましい。
【0067】
図7Bに示すように、離間部66の内面66aは、チャンバ50の長手方向(Z軸方向)に直交する面において、全体的に円弧状の断面を有し得る。また、離間部66は、接触部62と周方向において隣接するように配置される。
【0068】
図6Bに示すように、チャンバ50は
図6に示した底部材36が貫通してチャンバ50内部に配置されるように、その底部56に穴56aを有し得る。底部56に設けられる底部材36は、消費材110の端面の少なくとも一部を露出するように、チャンバ50に挿入された消費材110の一部を支持する。また、底部56は、露出した消費材110の端面が後述する第2の空隙67B(
図9参照)と連通するように、消費材110の一部を支持し得る。
【0069】
図6A及び
図6Bに示すように、チャンバ50は、開口52と側壁部60との間に筒状の非保持部54を有することが好ましい。消費材110がチャンバ50の所望の位置に位置決めされた状態において、非保持部54と消費材110との間に隙間が形成され得る。また、
図6A及び
図6Bに示すように、チャンバ50は、非保持部54の内面と接触部62の内面62aとを接続するテーパ面58aを備えた第1ガイド部58を有することが好ましい。
【0070】
図8に示すように、加熱部40は、加熱要素42を有する。加熱要素42は、例えばヒーティングトラックであってもよい。加熱要素42は、チャンバ50の離間部66に接触せず、接触部62を加熱するように配置されることが好ましい。言い換えれば、加熱要素42は、接触部62の外面にのみ配置されることが好ましい。加熱要素42は、チャンバ50の離間部66を加熱する部分と、接触部62を加熱する部分とで、加熱能力に差を有していてもよい。具体的には、加熱要素42は、離間部66よりも接触部62を高い温度に加熱するように構成されていてもよい。例えば、接触部62と離間部66とにおける加熱要素42のヒーティングトラックの配置密度が調整され得る。また、加熱要素42は、チャンバ50の全周において略同一の加熱能力を有して、チャンバ50の外周に巻回されてもよい。
図8に示すように、加熱部40は、加熱要素42に加えて、加熱要素42の少なくとも一面を覆う電気絶縁部材44を有することが好ましい。電気絶縁部材44は、加熱要素42の両面を覆う様に配置される。
【0071】
図9に示すように、消費材110がチャンバ50内の所望の位置に配置されると、消費材110はチャンバ50の接触部62と接触して押圧され得る。他方、消費材110と離間部66との間には、第2の空隙67Bが形成される。第2の空隙67Bは、チャンバ50の開口52と、チャンバ50内に位置づけられた消費材110の端面と連通し得る。これにより、チャンバ50の開口52から流入した空気は、第2の空隙67Bを通過して、消費材110の内部に流入することができる。言い換えれば、消費材110と離間部66との間に空気流路(第2の空隙67B)が形成される。
【0072】
次に、インナハウジング10内における霧化部30の配置位置及び配置態様について説明する。
図10は、
図1Bに示す矢視10-10における香味吸引器100の部分断面図であり、挿入ガイド部材34及びチャンバ50に消費材110が挿入された状態で示している。
【0073】
挿入ガイド部材34は、第2の貫通孔34Aと、外周に形成された第1係合爪34Bを有している。挿入ガイド部材34は、アウタハウジング101に設けられた消費材を受け入れるための第1の貫通孔を通ってアウタハウジング101の外側から差し込まれ、第1係合爪34Bがインナハウジング10の図示しない係合部と係合することで、第2の貫通孔34Aの周囲を香味吸引器の外側に露出させつつ香味吸引器100から外れないようになっている。挿入ガイド部材34の第2の貫通孔34Aは、消費材110が第2の貫通孔34Aに挿し込まれたとき、消費材110の外周との間に第1の空隙67Aを形成する大きさに形成されている。
【0074】
第1支持部35は、第3の貫通孔35Aと、円環状の第1のリブ35Bと、円周部35Cと、を有している。第1支持部35の第3の貫通孔は、チャンバ50の先端に形成されたフランジ部52A(
図6A及び
図6Bを参照)が通過できない大きさで形成しているので、チャンバ50の底部側から第3の貫通孔に通すと、第1支持部35によってフランジ部52Aが保持されるようになっている。チャンバ50のフランジ部52Aに挿入ガイド部材34の先端を当接させることで、挿入ガイド部材34に対してチャンバ50が位置決めされる。第1のリブは、Oリング37の凹部に圧入してOリング37を保持する。第1支持部35の円周部は、筒状の断熱部32の内径側を保持する。
【0075】
上述のように、チャンバ50は、
図6に示した底部材36が貫通してチャンバ50内部に配置されるように、その底部56に穴56aを有する(
図6Bを参照)。底部56に設けられる底部材36は、消費材110の端面の少なくとも一部を露出するように、チャンバ50に挿入された消費材110の一部を支持する。また、チャンバ50の底部56は、露出した消費材110の先端面が底部材36との間に第3の空隙67Cを形成し、第3の空隙67Cは後述する第2の空隙67B(
図9参照)と連通するように消費材110の一部を支持する。なお
図10では、説明の便宜上、底部材36は、
図5とは凹凸の形状を変えて図示してある。
【0076】
スペーサ39Aは、リング状に形成され、中央の設けられた穴に底部材36が差し込まれ、さらにこの中央の穴から突出する底部材36に第2支持部38が嵌って、底部材36と第2支持部38との間に不動に取り付けられる。スペーサ39Aの外形は断熱部32の内面に対面し、断熱部32の位置決めをする。
【0077】
第2支持部38は、インナハウジング10に設けられた穴に嵌る図示しない突起39Bを有しており、この突起39Bが穴に嵌ることで、インナハウジング10に対する位置決めが行われる。また、突起39Bの周囲はインナハウジング10に圧縮して当接している。すなわち、第2支持部38が圧縮して配設され、この反力はスペーサ39A、底部材36を介して挿入ガイド部材34を付勢する。ゆえに、挿入ガイド部材34のZ軸正方向側端部とチャンバ50のフランジ部52Aとは密着するよう構成されている。以上の構成の結果として、第1の空隙67A、第2の空隙67B、第3の空隙67Cは、連結空間を形成する。
【0078】
上述したように、離間部66と消費材110との間に空気流路(第2の空隙67B)が形成されるので、空気流路を通過する空気が離間部66の熱を吸収し、離間部66を冷却することができる。
【0079】
上述したように、加熱部40の加熱要素42は、チャンバ50の側壁部60の離間部66に接触せずに、接触部62を加熱するように配置される。即ち、離間部66が加熱部40によって直接的に加熱されないので、離間部66の加熱部40による加熱を抑制することができる。
【0080】
図10に示すように、アウタハウジング101は、インナハウジング10をその内部に収容する。アウタハウジング101のフロントカバー101Aの内面(Y軸正方向側の面)は、インナハウジング10の第1壁10aの外面(Y軸負方向側の面)と対向する。インナハウジング10の第1壁10aがアウタハウジング101のフロントカバー101Aにより覆われているので、インナハウジング10の第1壁10aに伝達された霧化部30からの熱が香味吸引器100の外部に伝達されることを抑制することができる。その結果、香味吸引器100をユーザが把持するにあたり、ユーザが違和感を覚えることを抑制することができる。
【0081】
次に、Oリング37及びそのインナハウジング10での配置の詳細について説明する。
図11は、Oリング37の上面図である。
図12は、インナハウジング10内に収納されたOリング37の屈曲状態を示す、インナハウジング10のフロント筐体要素10Aの裏面(Y軸負方向側)の斜視図である。
図13は、屈曲されたOリング37の挿入ガイド部材34への付勢状態を示す、挿入ガイド部材34周辺をX軸正方向側から見た側面図である。
【0082】
図11に示すように、Oリング37は、円環型の本体部37Aと、本体部37AからY軸負方向へ延出する延出部37Bを備えている。上述したように、インナハウジング10のフロント筐体要素10Aを取り外した状態を示す
図4において、延出部37Bは、香味吸引器100の正面側(Y軸負方向側)に突出するように配置される。Oリング37は、本体部37Aと延出部37Bとの接続部分を支点として、延出部37Bを本体部37Aに対してZ軸方向に屈曲できるように構成されている。一例として、Oリング37をゴム等の弾性体により構成することができる。
【0083】
検出部72Aの挿入ガイド部材34に対する所定位置への位置合わせについて説明する。
図4に示されたように、
図11に示されたOリング37の延出部37Bは、サーミスタ72の検出部72Aを支持することができる。検出部72Aを支持した延出部37Bを、Z軸正方向に屈曲させることで、検出部72Aを霧化部30の挿入ガイド部材34に対して適切な位置に配置することができる。本開示の香味吸引器100においては、インナハウジング10の第2壁10b及び側壁10cに対して第1壁10aを取り付けることにより、第1壁10aがOリング37の延出部37Bを押圧して、延出部37BをZ軸正方向に屈曲させる。
【0084】
図12は、インナハウジング10内に収納されたOリング37の延出部37Bの屈曲状態を示す。説明の便宜上、
図12では、Oリング37及びサーミスタ72以外のインナハウジング10内に収納された部品の図示を省略している。
【0085】
図4に示したように、香味吸引器100においてインナハウジング10の第1壁10aを取り外した状態では、Oリング37の延出部37Bは、香味吸引器100の正面側(Y軸負方向側)に突出している。この状態から、第1壁10aを側壁10cへ取り付けると、Oリング37の延出部37Bは第1壁10aの裏面(Y軸正方向側の面)によって押圧され、その結果としてZ軸方向に沿って屈曲される。
【0086】
一例として、第1壁10aによって香味吸引器100の下端側(Z軸負方向側)からOリング37の延出部37Bを押圧することにより、延出部37BをZ軸正方向に屈曲させることができる。
図12において、Oリング37の延出部37Bは、インナハウジング10の第1壁10aによって押圧されて、Z軸正方向に屈曲されている。
図12に示された状態において、延出部37Bに支持されたサーミスタ72の検出部72Aは、霧化部30の挿入ガイド部材34に対して適切な位置に配置されており、ユーザによるパフ動作を検知するために十分な精度の温度測定を行うことができる。
【0087】
図13に示すように、インナハウジング10の第1壁10aによって押圧されたOリング37の延出部37Bは、霧化部30の挿入ガイド部材34に付勢される。
図13は、挿入ガイド部材34の周辺をX軸正方向側から見た側面図である。説明の便宜上、
図13では、インナハウジング10の第1壁10aを始めとして、Oリング37、第1支持部35及びサーミスタ72以外のインナハウジング10内に収納された部品の図示を省略している。Oリング37の延出部37Bが霧化部30の挿入ガイド部材34に付勢されることにより、延出部37Bに支持されたサーミスタ72の検出部72Aは、温度または圧力測定のための好適な位置に安定して保持される。
【0088】
次に、第1実施形態の香味吸引器100における、サーミスタ72による挿入ガイド部材34の温度測定の意義について説明する。
図14は、横軸は時刻tを示し、縦軸はチャンバ50の温度、挿入ガイド部材34の温度、及び消費材110に含まれる香味残量を示すグラフである。なお、
図14に示すグラフはあくまで一例であり、必ずしも当該挙動に限定されるものではない。
【0089】
図14において、時刻t=t0のときチャンバ50の温度はT5であり、最大でt=t9まで加熱が継続されるものとする。また、時刻t=t0のとき、チャンバ50から受熱する挿入ガイド部材34の温度をT4とする。また、時刻t=t0のとき、消費材110に含まれる香味の残量を100%とする。時刻t1からt2の間でユーザが所定量(1パフ時の吸引量を斜線で示す)だけ吸引すると、挿入ガイド部材34の温度はT4からT2まで低下し、消費材110に含まれる香味の残量は80%まで低下する。時刻t2からt3の間にはユーザは吸引をしていないので、チャンバ50から挿入ガイド部材34が受熱し、挿入ガイド部材34の温度はT3まで回復する。時刻t3からt4の間でユーザが再び所定量だけ吸引(2回目のパフ)すると、挿入ガイド部材34の温度はT3からT1まで低下し、消費材に含まれる香味の残量は60%に低下する。時刻t4からt5の間(これは時刻t2からt3までの経過時間より大きい)にはユーザは吸引をしていないので、チャンバ50から挿入ガイド部材34が受熱し、挿入ガイド部材34の温度はT4まで回復する。上述した通り、チャンバ50への加熱が継続され得る終点はt=t9であるが、ユーザによるパフ回数が大きくなると、消費材110に含まれる香味残量が早く減少する。そこで、サーミスタ72による挿入ガイド部材34の温度測定に基づいてパフ回数を計測し、パフ回数が所定の回数を超えた場合には、消費材110の香味残量が十分でないと判断してチャンバ50の加熱を終了させる(具体的には、チャンバ50の加熱要素42に接続する電極48への電力供給を停止する)ように、香味吸引器100を制御する。このようにパフ回数に基づいてチャンバ50の加熱を制御することにより、無駄な加熱を止めて電源部20の電源21の消費を低減し、使用者が吸引するときは十分な香味を吸引できるなど、ユーザの要望を満足させる香味吸引器を提供することができる。
【0090】
第1実施形態の香味吸引器100では、インナハウジング10の第1壁10aによりサーミスタ72の検出部72Aを支持したOリング37の延出部37Bを屈曲させるという簡素な構成により、サーミスタ72の検出部72Aを霧化部30の挿入ガイド部材34に対する所定位置に位置合わせして、ユーザのパフ動作を検出することができる。
【0091】
(第2実施形態)
以下、本開示の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお第1実施形態と同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0092】
図15は、第2実施形態においてサーミスタ72を保持し、挿入ガイド部材234へ付勢して位置合わせするための機構の分解斜視図である。
図16は、第2実施形態の挿入ガイド部材234の近傍の拡大斜視図である。
図17は、第2実施形態において挿入ガイド部材234へ位置合わせされたサーミスタ72の正面拡大図である。
図18は、第2実施形態においてインナハウジング10内に収納されたサーミスタ72の配置を示す図である。
【0093】
本開示の第2実施形態に係る香味吸引器200は、第1実施形態の香味吸引器100と比較して、サーミスタ72の検出部72Aを位置合わせする機構のみが異なる。本開示の第1実施形態においては、挿入ガイド部材34を支持するOリング37を利用して、サーミスタ72を挿入ガイド部材34に対して位置合わせした。具体的には、Oリング37に本体部37Aから延出する延出部37Bを設け、サーミスタ72の検出部72Aを支持したOリング37の延出部37Bを屈曲させることで、サーミスタ72を挿入ガイド部材34に対して付勢し、温度または圧力測定のために好適な位置に位置合わせした。一方、本開示の第2実施形態においては、Oリング37には延出部37Bが設けられていない。第2実施形態においては、
図15に示された保持部材220と、弾性部材230と、によってサーミスタ72の検出部72Aを挟み込むことで、サーミスタ72の検出部72Aを挿入ガイド部材234に対して位置合わせする。すなわち、第1部材である保持部材220及び支持部材である弾性部材230によってサーミスタ72が保持された状態になり、挿入ガイド部材234に検出部72Aが位置合わせされる。なおここでの「保持された状態」とは、保持部材220及び弾性部材230が直接又は間接的にサーミスタが所定位置に配置されることに寄与することにより、サーミスタが当該所定位置を留まらせる状態を指す。
【0094】
図15は、サーミスタ72と、保持部材220と、弾性部材230と、を示す。保持部材220は、貫通した角穴220Aと、湾曲した溝部220Bと、溝部220Bの中に設けられた第1爪220C及び第2爪220Dと、を有する。サーミスタ72の検出部72Aは、角穴220A内に収容される。また、絶縁被覆で覆われた
図2本の導線を有する接続部72Bは、第1爪220C及び第2爪220Dを通過して、溝部220Bの中に収容される。サーミスタ72の接続部72Bの検出部72Aに接続する端部は、直線状の形状から曲げられながら第1爪220C及び第2爪220Dを通過することで、溝部220Bの中では直線状に戻ろうとするため、常に第1爪220C及び第2爪220Dの下に位置しているので、溝部220Bから容易に脱落しないように配置される。素子を含む検出部72Aは、貫通した角穴220Aに収容されることで、角穴220Aの貫通方向の両面が保持部材220から露出している。保持部材220は、一例として、ポリカーボネートやPEEK等の樹脂で形成することができる。また、弾性部材230は、挿入ガイド部材234に位置合わせされた保持部材220とインナハウジングの第1壁210aとの間に配置され、サーミスタ72の検出部72Aを温度または圧力検出のための好適な位置に保持するための補助部材である。第2実施形態に係る保持部材220は、本開示の第1部材の一例である。第2実施形態に係る弾性部材230は、本開示の支持部材の一例である。
【0095】
図16は、第2実施形態に係る挿入ガイド部材234の近傍を示す。説明の便宜上、
図16では、チャンバ50を始めとして、インナハウジング10のリア筐体要素210B及び挿入ガイド部材234以外の部品の図示を省略している。第1実施形態の挿入ガイド部材34と比較して、第2実施形態に係る挿入ガイド部材234は外周に当接部234Aを有している。後述するように、当接部234Aは、保持部材220の角穴220A内に収容されたサーミスタ72の検出部72Aが付勢される箇所である。また、第1実施形態のインナハウジング10のリア筐体要素10Bと比較して、
図16に示すように、第2実施形態に係るリア筐体要素210Bの内壁(Y軸正方向側の面)の鉛直上方(Z軸正方向側端部近傍)には、挿入ガイド部材234と隣接配置されるように棚部212が設けられている。サーミスタ72の先端部を収容した保持部材220をインナハウジング10の第1壁210aの棚部212に固定することで、保持部材220の角穴220A内に収容されたサーミスタ72の検出部72Aが挿入ガイド部材234の当接部234Aに付勢されるように設計されている。リア筐体要素210Bの棚部212と保持部材220とは、例えば両面テープにより固定することができる。
【0096】
図17は、第2実施形態に係るインナハウジング10のリア筐体要素210Bに挿入ガイド部材234を収容し、棚部212にサーミスタ72の先端部を収容した保持部材220を固定した状態を示している。
図17に示されるように、この状態において、保持部材220の角穴220A内に収容されたサーミスタ72の検出部72Aは、挿入ガイド部材234の当接部234Aに付勢されている。
図17の手前側から弾性部材230をサーミスタ72の検出部72Aへ付勢した状態で、インナハウジング10のフロント筐体要素210Aをリア筐体要素210Bに組み付けてインナハウジング10を構成することにより、サーミスタ72の検出部72Aは挿入ガイド部材234に対して好適な位置に固定される。第2実施形態に係るフロント筐体要素210Aは、本開示の第1筐体要素の一例であり、リア筐体要素210Bは、本開示の第2筐体要素の一例である。
【0097】
図18は、上述のように構成された第2実施形態のインナハウジング10のサーミスタ72の近傍をZ軸負方向から見た図である。インナハウジング10のフロント筐体要素210A(により構成される第1壁210a)は、弾性部材230を介して、サーミスタ72の検出部72Aを挿入ガイド部材234へ付勢している。
【0098】
第2実施形態の香味吸引器200では、サーミスタ72の先端を収容した保持部材220をインナハウジング10のリア筐体要素210Bの棚部212に固定し、弾性部材230を介してインナハウジング10のフロント筐体要素210A(により構成される第1壁210a)により押圧する、という簡素な構成により、サーミスタ72の検出部72Aを霧化部30の挿入ガイド部材234に対する所定位置に位置合わせして、ユーザのパフ動作を検出することができる。
【0099】
本開示の第1実施形態では、インナハウジング10の第1壁10aによるOリング37の延出部37Bの屈曲機構を、サーミスタ72の検出部72Aの位置合わせのために利用するものとして説明した。同様に、本開示の第2実施形態では、保持部材22と弾性部材230との組み合わせによる保持機構を、サーミスタ72の検出部72Aの位置合わせのために利用するものとして説明した。しかしながら、本開示は上述の構成に限られるものではない。香味吸引器に設けられる各種の電子部品の位置合わせを行うために、当該電子部品の近傍に配置されている補助部品に屈曲可能に構成された延出部を設け、当該電子部品を支持した当該延出部を筐体の壁により押圧して屈曲させる、という手法を適用することができる。また、香味吸引器に設けられる各種の電子部品の位置合わせを行うために、保持部材と弾性部材との組み合わせによる保持機構を筐体の壁部で押圧して固定する、という手法を適用することができる。なお、第2実施形態では、サーミスタ72の先端を収容した保持部材220をインナハウジング10のリア筐体要素210Bの棚部212に固定する構成として説明したが、固定方法は粘着テープ等に限られず任意好適な方法で固定可能である。また、保持部材220をインナハウジング10のリア筐体要素210Bと一体的に構成してもよい。また、第2実施形態では、保持部材220の角穴220A内にサーミスタ72の検出部72Aを収容させて、挿入ガイド部材234に対する位置合わせを兼ねた構成としたが、第1爪220C及び第2爪220Dの配設位置、溝部220Bの形状によって検出部72Aの位置決めがなされる構成であれば、角穴の形状にのみ限定されず、その他部材も任意好適に形状を変更或いは不要にすることができる。
【0100】
以上に本開示の実施形態を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本開示の作用を奏する以上、本開示の技術的思想の範囲内である。例えば、本開示の香味吸引器100は、チャンバ50の開口52から流入した空気が消費材110の端面に供給される、いわゆるカウンターフロー式の空気流路を有するが、これに限らず、チャンバ50の底部56からチャンバ50内に空気が供給する、いわゆるボトムフロー式の空気流路を有してもよい。また、加熱要素42は、抵抗加熱型に限らず、誘導加熱型であってもよい。その場合、加熱要素42は、誘導加熱によってチャンバ50を加熱することができる。また、消費材110がサセプタを有する場合には、加熱要素42が誘導加熱によって消費材110のサセプタを加熱することができる。
【符号の説明】
【0101】
10…インナハウジング
10A…フロント筐体要素
10B…リア筐体要素
10a…第1壁
10b…第2壁
10c…側壁
20…電源部
21…電源
30…霧化部
32…断熱部
34…挿入ガイド部材
34A…第2の貫通孔
34B…第1係合爪
35…第1支持部
35A…第3の貫通孔
35B…第1のリブ
35C…円周部
36…底部材
37…Oリング
37A…本体部
37B…延出部
38…第2支持部
39A…スペーサ
39B…突起
40…加熱部
42…加熱要素
44…電気絶縁部材
48…電極
50…チャンバ
52…開口
52A…フランジ部
54…非保持部
56…底部
56a…穴
58…第1ガイド部
58a…テーパ面
60…側壁部
62…接触部
62a…内面
62b…外面
66…離間部
66a…内面
66b…外面
67A…第1の空隙
67B…第2の空隙
67C…第3の空隙
72…サーミスタ
72A…検出部
72B…接続部
74…開口
100…香味吸引器
101…アウタハウジング
101A…フロントカバー
101B…リアカバー
102…スライドカバー
110…消費材
111…喫煙可能物
112…第1の巻紙
113…第2の巻紙
114…筒状部材
115…フィルタ部
116…中空フィルタ部
117…リップリリース剤
200…香味吸引器
212…棚部
210A…フロント筐体要素
210B…リア筐体要素
210a…第1壁
220…保持部材
220A…角穴
220B…溝部
220C…第1爪
220D…第2爪
230…弾性部材
234…挿入ガイド部材
234A…当接部