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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】キャビティフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/207 20060101AFI20241018BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H01P1/207 Z
H01R13/24
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023042738
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2020568966の分割
【原出願日】2019-06-12
(65)【公開番号】P2023078302
(43)【公開日】2023-06-06
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】10-2018-0067397
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0069124
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508112782
【氏名又は名称】ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナム シン パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヘ キム
(72)【発明者】
【氏名】スン ホ ジャン
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-536362(JP,A)
【文献】特開2007-006529(JP,A)
【文献】特開2014-072042(JP,A)
【文献】特開2009-266470(JP,A)
【文献】特開2003-078078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/207
H01R 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に電極パッドを含む外部部材と、
前記外部部材に対して所定距離離隔して設けられたRF信号連結部と、
前記RF信号連結部を内部に含むフィルタ本体と、
前記フィルタ本体に形成された端子挿入口に挿入配置され、前記電極パッドに接点しながら移動可能に配置される一側端子と、前記RF信号連結部に連結されて前記一側端子に重なるように配置された他側端子と、互いに重なるように配置された前記一側端子と前記他側端子との間に配置される弾性部材とを含む端子部と、
前記他側端子の上端部は、前記一側端子の下端の一部が挿入されるように内部の空いている中空管形態で備えられ、前記中空管形態で備えられた前記他側端子の上端部は、複数に分割されるように上下方向に切開されたテンション切開部を形成し、
前記端子挿入口内でのインピーダンスマッチングのために前記端子部の外側を取り囲むように誘電体が挿入され、前記誘電体は、前記テンション切開部によって切開された前記他側端子の上端部の内側面がその内部に収容された前記一側端子の外周面に常時密着するように、前記他側端子の上端部の外周面を内側に支持し、
前記弾性部材は、前記中空管形態で備えられた前記他側端子の内側内径に対応して形成され、上下に積層配置された複数の弾性球を備える、キャビティフィルタ。
【請求項2】
前記他側端子の上端部の各端は、前記一側端子の下端部が前記中空管形態の前記他側端子の上端部の内部に収容される大きさを有するように傾斜して形成される、請求項に記載のキャビティフィルタ。
【請求項3】
前記誘電体は、前記端子部が挿入される端子貫通ホールを有し、前記端子挿入口内に備えられた挿入口支持段に係止されるように挿入配置される、請求項に記載のキャビティフィルタ。
【請求項4】
前記一側端子の先端である接点部は、所定の接点面積を有する半球形態に形成される、請求項1に記載のキャビティフィルタ。
【請求項5】
前記一側端子は、導電性材質の棒形態で備えられ、前記誘電体の前記端子貫通ホールのガイドを受けながら上下方向に移動可能である、請求項に記載のキャビティフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体(CAVITY FILTER AND CONNECTOR INCLUDED IN THE SAME)に関し、より詳しくは、組立性および大きさを考慮してフィルタと印刷回路基板との間のコネクタ締結構造を改善したMassive MIMOアンテナ用キャビティフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分の記述内容は単に本実施例についての背景情報を提供するに過ぎず、従来技術を構成するものではない。
【0003】
MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術は、複数のアンテナを用いてデータ伝送容量を画期的に増加させる技術であって、送信機ではそれぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では適切な信号処理により送信データを区分する空間多重化(Spatial multiplexing)手法である。そのため、送受信アンテナの個数を同時に増加させることにより、チャネル容量が増加してより多くのデータを伝送可能にする。例えば、アンテナ数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べて、同じ周波数帯域を用いて約10倍のチャネル容量を確保するようになる。
【0004】
4G LTE-advancedでは8個のアンテナまで用いており、現在、pre-5G段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発されており、5Gでははるかに多い数のアンテナを有する基地局装備が用いられることが予想され、これをMassive MIMO技術という。現在のセル(Cell)運営が2-Dimensionであるのに対し、Massive MIMO技術が導入されると3D-Beamformingが可能になるので、Massive MIMO技術はFD-MIMO(Full Dimension)とも呼ばれる。
【0005】
Massive MIMO技術では、アンテナ素子の個数増加に伴い、それによる送受信機とフィルタの個数も併せて増加する。また、2014年ベースで全国的に20万箇所以上の基地局が設置されている状況である。すなわち、実装空間を最小化し実装が容易なキャビティフィルタの構造が必要になり、個別的にチューニングされたキャビティフィルタがアンテナに実装された後も同一のフィルタ特性を提供するようにするRF信号線連結構造が要求される。
【0006】
キャビティ構造を有するRFフィルタは、金属性導体で形成されたボックス構造の内部に導体の共振棒などで構成された共振器が具備され、固有の周波数の電磁場だけを存在させることで共振によって超高周波の特性周波数のみ通過する特徴を有する。このようなキャビティ構造の帯域通過フィルタは、挿入損失が少なく高出力に有利で、移動通信基地局アンテナのフィルタとして多様に活用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、よりスリムでコンパクトな構造を有し、RFコネクタがボディ内に厚さ方向に内蔵されたキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は、複数のフィルタの組立時に発生する組立公差の累積量を最小化できる組立方式と、実装が容易でありながらもフィルタの周波数特性を均一に維持するRF信号連結構造を有するキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0009】
さらに、本発明の目的は、RFピンの分離タイプの場合、相対的な動きを許容しながらも側面テンションを付加して信号の損失が発生するのを防止できるキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0010】
また、本発明の目的は、電気的な連結が必要な2つの部材間の組立公差を吸収しながら一定の接点面積を維持させるとともに、その設置が非常に簡明なキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供することである。
【0011】
本発明の技術的課題は以上に言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための、本発明によるキャビティフィルタの実施形態は、一面に電極パッドが備えられた外部部材に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部と、前記外部部材の電極パッドと前記RF信号連結部とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差を吸収すると同時に前記電極パッドと前記RF信号連結部との間の電気的な流れの断絶を予防する端子部とを含み、前記端子部は、前記電極パッドに接点する一側端子と、前記RF信号連結部に連結される他側端子とに分離されるように備えられるが、前記一側端子と前記他側端子との間に備えられた弾性部材によって前記端子部が備えられた端子挿入口内に存在する前記組立公差を吸収する。
【0013】
ここで、前記端子挿入口内に前記端子部の外側を取り囲むように挿入された誘電体をさらに含むことができる。
【0014】
また、前記端子部のうち前記一側端子は、前記誘電体とともに組立者が提供する組立力によって前記端子挿入口内で移動可能に配置され、前記端子部のうち前記他側端子は、前記RF信号連結部に連結され、前記一側端子および前記他側端子のいずれか1つは、他の1つに所定長さオーバーラップされるように収容される。
【0015】
また、前記一側端子および前記他側端子のいずれか1つには、上下方向に長く形成された複数のテンション切開部が備えられる。
【0016】
また、前記テンション切開部は、前記一側端子に備えられ、前記他側端子の上端部が前記一側端子の下端部の内部に収容される。
【0017】
また、前記テンション切開部は、前記他側端子に備えられ、前記一側端子の下端部が前記他側端子の上端部の内部に収容される。
【0018】
また、前記誘電体は、前記複数のテンション切開部が形成された前記一側端子または前記他側端子の外周面を支持することができる。
【0019】
また、前記端子挿入口内に備えられた前記RF信号連結部を補強するための補強プレートをさらに含むことができる。
【0020】
また、前記補強プレートは、前記フィルタ本体の一部として、前記端子挿入口側に突出形
成された挿入口支持段に固定される。
【0021】
また、前記補強プレートには、前記端子部の貫通する端子貫通ホールが形成され、前記端子貫通ホールを貫通する前記一側端子および前記他側端子のいずれか1つは、前記補強プレートに係止されるように前記端子貫通ホールよりも大きい直径を有する係止段が形成される。
【0022】
また、前記他側端子の外側面には弾性リング設置溝が形成され、前記弾性リング設置溝には少なくとも1つの弾性リングが介在してもよい。
【0023】
また、前記弾性リングは、前記弾性リング設置溝に2つ以上が上下に積層介在してもよい。
【0024】
また、前記弾性部材は、前記他側端子の内部に収容された前記一側端子を弾性支持する弾性スプリングで備えられる。
【0025】
また、前記弾性部材は、前記他側端子の上端面に支持される支持リング部と、前記支持リング部でそれぞれ互いに交差する方向に上方傾斜して突出延長されて、前記一側端子を支持する一対の支持バーとを含むバースプリングで備えられる。
【0026】
また、前記端子部のうち前記他側端子は、前記RF信号連結部から延長形成されたプレート部位に形成されたソルダホールにソルダ固定される。
【0027】
本発明によるコネクティング構造体の一実施形態は、一面に電極パッドが備えられた外部部材に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部と、前記外部部材の電極パッドと前記RF信号連結部とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差を吸収すると同時に前記電極パッドと前記RF信号連結部との間の電気的な流れの断絶を予防する端子部とを含み、前記端子部は、前記電極パッドに接点する一側端子と、前記RF信号連結部に連結される他側端子とに分離されるように備えられるが、前記一側端子と前記他側端子との間に備えられた弾性部材によって前記端子部が備えられた端子挿入口内に存在する前記組立公差を吸収する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、RFコネクタがボディ内に厚さ方向に内蔵されてよりスリムでコンパクトな構造設計が可能で、複数のフィルタの組立時に発生する組立公差の累積量を最小化できる組立方式と、実装が容易でありながらもフィルタの周波数特性を均一に維持するRF信号連結構造設計が可能であり、相対的な動きを許容しながらも側面テンションを付加して安定的な連結が可能なため、アンテナの性能低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】例示的なMassive MIMOアンテナの積層構造を図式化した図であり、
図2】本発明の一実施形態によるキャビティフィルタがアンテナボードと制御ボードとの間に積層された状態を示す断面図であり、
図3】本発明の一実施形態によるキャビティフィルタの構造を底側から眺めた平面透視図であり、
図4】第1実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、
図5】本発明の第1実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
図6図4の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
図7】本発明の第2実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
図8】本発明の第2実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
図9図7の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
図10】本発明の第3実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
図11】本発明の第3実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
図12図10の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
図13】本発明の第4実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
図14】本発明の第4実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
図15図13の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
図16】本発明の第5実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
図17】本発明の第5実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
図18図16の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
図19】本発明の第6実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
図20】本発明の第6実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
図21図19の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
図22】本発明の第7実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
図23】本発明の第7実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
図24図22の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
図25】本発明の第8実施例によるキャビティフィルタを示す分解斜視図であり、
図26】本発明の第8実施例によるキャビティフィルタを示す断面図であり、
図27図25の構成のうち端子部を示す斜視図であり、
図28】本発明によるコネクティング構造体の一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されていても、できる限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施例を説明するにあたり、かかる公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の実施例に対する理解を妨げると判断された場合、その詳しい説明は省略する。
【0031】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含む、ここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般的に使われる、辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願において明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0032】
図1は、例示的なMassive MIMOアンテナの積層構造を図式化した図である。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ7が含まれたアンテナアセンブリが内蔵されるアンテナ装置1の例示的な外形を示したに過ぎず、実際の積層時の外形を限定するものではない。
【0034】
アンテナ装置1は、ヒートシンク(Heat sink)が形成されたハウジング2と、ハウジング2に結合されたレドーム(radome)3とを含む。ハウジング2とレドーム3との間にはアンテナアセンブリが内蔵可能である。
【0035】
ハウジング2の下部には、例えば、ドッキング(docking)構造によりパワーサプライユニット(PSU、Power Supply Unit)4が結合され、パワーサプライユニット4は、アンテナアセンブリに備えられた通信部品を動作させるための動作電源を提供する。
【0036】
通常、アンテナ組立体は、前面に複数のアンテナ6が配列されるアンテナボード5の背面にキャビティフィルタ(Cavity filter)7がアンテナの個数だけ配置され、関連するPCBボード8が次に積層される構造を有する。キャビティフィルタ20(7)は、実装前に個別的に仕様に合わせた周波数特性を有するように細部的にチューニングおよび検証されて用意できる。このようなチューニングおよび検証過程は、実装状態と同じ特性の環境で迅速に行われることが好ましい。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタがアンテナボードと制御ボードとの間に積層された状態を示す断面図である。
【0038】
図2を参照すれば、図1に示された通常のRFコネクタ(図1の図面符号90参照)を排除可能なため、その連結が容易になり、より低い高さプロファイルを有するアンテナ構造を提供することができる。
【0039】
また、高さ方向の両面にRF連結部を具備するが、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ20で連結することにより、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで構成された外部部材8に振動および熱変形が発生してもRF連結が同一に維持されて周波数特性の変化がないという利点がある。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタの構造を底側から眺めた平面透視図である。
【0041】
図3を参照すれば、本発明の一実施形態によるキャビティフィルタ20は、RF信号連結部31(図4以下の図面符号31参照)を含み、内部が中空の第1ケース(図面符号表記せず)と、第1ケースを覆う第2ケース(図面符号表記せず)と、第1ケースの長手方向の両側にキャビティフィルタ20の高さ方向に備えられた端子部(図4以下の図面に10単位の数字のうち「40」と表記された図面符号参照)と、端子部40の両側に備えられた組立穴を含むフィルタモジュール30(図4以下の図面では各実施例を区分するための100単位以上の数字を除き、「30」を付加して指し示した)と含む。端子部40は、第1ケースに備えられた端子挿入口25を貫通して外部部材8、例えば、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドとRF信号連結部31とを電気的に連結する。
【0042】
本発明によるキャビティフィルタ20は、端子部40の構成(一体型または分離型)、後述する側面テンションを付加するための形状および組立公差を吸収するための具体的な構成によって、後述のように多様な実施例で実現できる。
【0043】
より詳しくは、端子部40がアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドと連結(または接触)する一端からRF信号連結部31に連結(または接触)する他端まで一体に形成された一体型フィルタと、端子部40の一端と他端との間のいずれか一地点が分離された分離型フィルタとに区分される。
【0044】
一体型フィルタの場合、組立公差を解消するために、所定の組立力が供給されると、端子部40をなす一部が弾性変形する弾性体で備えられる。ただし、端子部40が一体に形成
された一体型フィルタは、その一端と他端との間まで電気的な流れの断絶が予見されないことから、別途に側面テンションを付加するための別の形状設計を必要としない。
【0045】
これに対し、分離型フィルタの場合、組立公差の解消は、分離された一側端子50と他側端子60とが上述した所定の組立力によって互いにオーバーラップされて移動しながら全体長さが収縮可能に備えられ、組立力が除去される時、その全体長さが復元されるように別の弾性部材80が備えられる。ただし、端子部40が一側端子50と他側端子60とに分離されて備えられることから、互いにオーバーラップされて移動する時、電気的な流れの断絶が発生する恐れがあるので、一側端子50および他側端子60のいずれか1つが弾性体で備えられるか、側面テンションを付加するための別の形状変更が必須として要求される。
【0046】
ここで、「側面テンション」という用語は、上述のように、一側端子50と他側端子60との間の電気的な流れの断絶を防止するために、一側端子50および他側端子60のいずれか1つが他の1つに向かって長手方向と異なる方向に伝達する力と定義することができる。
【0047】
一方、アンテナ装置の特性上、上述した端子部40の形状変更の設計時には、上述した端子挿入口25内でのインピーダンスマッチング設計が並行されなければならないが、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例の詳細な説明では、端子挿入口25内でのインピーダンスが整合された状態であることを前提として記述する。図4以下の図面により説明する本発明によるキャビティフィルタの実施例の構成のうち、端子挿入口25内に端子部40とともに挿入される誘電体または補強プレートのような構成の外形は、インピーダンスマッチング設計によってそれぞれ異なる形状を取ることができる。
【0048】
図4は、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図5は、図4の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図6は、図4の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0049】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、図4図6に示すように、一面に電極パッド(図面符号表記せず)が備えられた外部部材8に対して所定距離離隔して備えられたRF信号連結部31と、外部部材8の電極パッドとRF信号連結部31とを電気的に連結させるが、前記所定距離に存在する組立公差の解消が可能になると同時に電極パッドとRF信号連結部との間の電気的な流れが断絶されることが防止可能な構造を有する端子部40とを含む。
【0050】
ここで、外部部材8は、図2に示すように、他面にアンテナ素子が配置されたアンテナボードまたは増幅器(Power Amplifier、PA)、デジタルボード(Digital board)およびTX Calibrationが一体のワンボード(one-board)で備えられたPCBボードのいずれか1つを通称する用語であり得る。
【0051】
以下では、図3のように、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例を構成する外観構成を第1ケースおよび第2ケースに区分せず、端子挿入口25が備えられたフィルタ本体21と通称し、図面符号21で指し示す。
【0052】
フィルタ本体21には、図4および図5に示すように、端子挿入口25が中空形態で備えられてもよい。端子挿入口25の形態は、後述する複数の実施例に適用されるインピーダンスマッチング設計によって異なる形態を有することができる。
【0053】
フィルタ本体21の一面、特に、後述する端子部40のうち一側端子50が備えられた側
の一面にはワッシャ設置部27が溝加工されて形成される。ワッシャ設置部27は、後述するスターワッシャ90の外側枠部位が係止されて上側に離脱することが防止されるように端子挿入口25よりも大きい内径を有するように溝加工形成されてもよい。
【0054】
同時に、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、ワッシャ設置部27に設置固定されるスターワッシャ90をさらに含むことができる。
【0055】
以下、本発明の第1実施例だけでなく、後述する本発明のすべての実施例に共通してスターワッシャ90が備えられるものとして前提して説明する。したがって、第1実施例以外の他の実施例において別途にスターワッシャ90に関する具体的な説明がなくてもこれを含むものと理解されなければならない。
【0056】
スターワッシャ90は、リング形状に備えられた固定段91がワッシャ設置部27に固定され、固定段91からアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッド側の中心に向かって上方傾斜して形成された複数の支持段92を含むことができる。
【0057】
このようなスターワッシャ90は、組立者によってアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8に、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例を組立てる場合、上述した組立穴を通した、図示しない締結部材などによる締結力に対して、複数の支持段92がアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に支持されながら弾性力を付加することができる。
【0058】
このような複数の支持段92の弾性力の付加は、端子部40の電極パッドに対する接触面積を均一に維持させることができる。
【0059】
また、スターワッシャ90のリング形状の固定段91が電気的な信号を伝達するように備えられた端子部40の外側を取り囲むように備えられて、一種の接地端子(Ground
terminal)の役割を果たすことができる。
【0060】
さらに、スターワッシャ90は、本発明によるキャビティフィルタ20の実施例のアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の間に存在する組立公差を解消する役割を果たす。
【0061】
ただし、スターワッシャ90によって吸収される組立公差は、後述のように、端子挿入口25内に存在するものとして、端子部40によって吸収される組立公差とは区別される概念である。すなわち、本発明の実施例によるキャビティフィルタは、単一の組立過程で別の部材によって少なくとも2箇所で全体的な組立公差を吸収するように設計されることで、より安定的な結合をはかることができる。
【0062】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部40は、図4図6に示すように、外部部材8の電極パッドに接点する一側端子50と、RF信号連結部31としてプレート形態で延びた部位に形成されたソルダホール32に固定される他側端子60とを含むことができる。
【0063】
ここで、一側端子50および他側端子60のいずれか1つは、他の1つの内部に挿入されて、組立時にそれぞれの端部の一部が互いに所定長さオーバーラップ(Overlap)されて配置される。
【0064】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20では、図面上(図4図6参照)、他
側端子60の上側に一側端子50の下側が挿入される構造を有することができる。このために、他側端子60の上端部61は、一側端子50の下端の一部が挿入されるように内部の空いている中空管形態で備えられてもよい。
【0065】
このような一側端子50および他側端子60で備えられた端子部40が端子挿入口25に設けられた場合、端子挿入口25内でのインピーダンスマッチングのために端子部40の外側を取り囲むように誘電体70が挿入される。誘電体70は、テフロン(登録商標)(Teflon)材質であってもよい。しかし、誘電体70の材質がテフロン(登録商標)に限定されるものではなく、端子挿入口25内でのインピーダンスマッチングが可能な誘電率を有する材質であれば、いかなるものでも代替可能である。
【0066】
誘電体70は、端子部40のうち一側端子50と一体に射出成形可能であるが、上述した端子部40の挿入される端子貫通ホール71を有するように別途に成形されて端子挿入口25内に挿入される方式で組立てられてもよい。ここで、誘電体70は、図5に示すように、端子挿入口25内に備えられた挿入口支持段28に係止されるように挿入配置される。
【0067】
一方、一側端子50は、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8に接点する接点部53の接点面積が小さければ小さいほど良い。したがって、一側端子50の先端である接点部53は、図4図6に示すように、所定の接点面積を有する半球形態に形成されてもよい。
【0068】
一側端子50は、その先端である接点部53を介して外部部材8の電極パッドに接触する動作で組立者による組立力の提供時、端子挿入口25内に配置された誘電体70の端子貫通ホール71のガイドを受けながら、図面上、上下方向に移動可能に備えられる。このような一側端子50は、電気が流れる金属材質の棒形態で備えられてもよい。
【0069】
同時に、一側端子50の下側一部が挿入される他側端子60の上端部61には、上下方向に長く形成された複数のテンション切開部64が備えられる。テンション切開部64は、中空管形態で備えられた他側端子60の上端部61が複数に分割されるように切開されて形成されてもよい。
【0070】
テンション切開部64は、他側端子60の上端部61をもって、その内部に収容されるように備えられた一側端子50の下端部の外周側に密着させる動作で上述した側面テンションを付加する役割を果たす。
【0071】
ここで、誘電体70は、テンション切開部64の形成された他側端子60の上端部61の外周面を内側に支持するように備えられることから、テンション切開部64によって切開された他側端子60の上端部61の内側面がその内部に収容された一側端子50の外周面に常時密着するのである。
【0072】
一方、他側端子60の上端部61に形成されたテンション切開部64は、その切開形成時、他側端子60の上端部61の端がそれぞれ他側端子60の中心に向かって所定角度に傾斜して形成することが好ましい。この時、他側端子60の上端部61の各端は、少なくとも一側端子50の下端部が中空管形態の他側端子60の上端部61の内部に収容される大きさを有するように傾斜して形成される。
【0073】
このようなテンション切開部64による側面テンションの付加は、2つに分離された端子部40の電気的な流れの断絶が発生するのを予め防止することができる。
【0074】
一方、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20は、中空管形態の前記他側端子60の上端部61の内側に配置されて、一側端子50を弾性支持する少なくとも1つの弾性部材80を含むことができる。
【0075】
本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20において、少なくとも1つの弾性部材80は、一側端子50をアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8が備えられた方向に弾性支持することにより、結果として、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収する機能を果たす。
【0076】
ここで、弾性部材80は、図4図6に示すように、中空管形態で備えられた他側端子60の内側内径に対応して形成され、上下に積層配置された複数の弾性球で備えられる。
【0077】
このような弾性部材80は、具体的に図示しないが、端子部40のうち一側端子50の先端である接点部53が外部部材8の電極パッド側に密着して組立てられる時、上述のように、端子挿入口25内に存在する組立公差を解消しながら中空管形態の他側端子60の上端部61の内側で圧縮された後、持続的に一側端子50の接点部53が電極パッドに接点するように弾性力を提供する役割を果たす。
【0078】
一方、一側端子50は、図5に示すように、組立者などから何ら組立力が提供されない場合、接点部53がスターワッシャ90の構成のうち支持段92よりも高く突出する高さに形成される。
【0079】
このような構成からなる本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20の組立による組立公差吸収の過程および側面テンション付与の過程を、添付した図面(特に、図5)を参照して説明すれば次の通りである。
【0080】
まず、図5に示すように、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20を電極パッドが備えられたアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に密着させた後、図示しない締結部材が組立穴に締結される動作で所定の締結力をキャビティフィルタ20に伝達する。しかし、必ずしもアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面にキャビティフィルタ20を密着させる必要はなく、それと逆に、所定間隔で整列されているキャビティフィルタ20にアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面を密着させることで組立力を伝達することも可能である。
【0081】
すると、図5に示すように、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8と本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20との間の距離が減少すると同時に、スターワッシャ90の支持段92が上述した締結力によって形状変形しながら、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20とアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8との間に存在する組立公差を一次的に吸収する。
【0082】
これと同時に、端子部40のうち一側端子50は、端子挿入口25内に挿入された誘電体70の端子貫通ホール71のガイドを受けながら他側端子60側に所定距離移動するようにアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面によって押圧され、この時、他側端子60の上端部61の内側に積層配置された複数の弾性球のような弾性部材80が圧縮されながら、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20の端子挿入口25内に存在する組立公差を二次的に吸収する。
【0083】
そして、一側端子50と他側端子60は、他側端子60の上端部61は、テンション切開
部64によって中空管形態の内側に挿入された一側端子50の下端部の外周面に対して側面テンションが付加することから、電気的な流れの断絶が防止可能なため、本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20の信号の性能低下が防止できる。
【0084】
図7は、本発明の第2実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図8は、図7の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図9は、図7の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0085】
本発明の第2実施例によるキャビティフィルタ20は、図7図9に示すように、RF信号連結部31と、一側端子150および他側端子160を含む端子部140と、端子挿入口25内に端子部140の外側を取り囲むように挿入された誘電体170と、RF信号連結部31を補強するための補強プレート195とを含む。
【0086】
ここで、RF信号連結部31、端子部140および誘電体170とその下位構成は、後に特に言及されない限り、すでに説明した本発明の第1実施例によるキャビティフィルタ20の構成と同一であるので、その具体的な説明は第1実施例に代える。以下、第1実施例と比較して相違する点を中心に説明する。
【0087】
図8および図9に示すように、補強プレート195には、他側端子160の貫通する端子貫通ホール171が形成され、他側端子160は、補強プレート195の端子貫通ホール171に固定されてもよい。ここで、他側端子160には、補強プレート195の端子貫通ホール171を貫通しながら補強プレート195の上面に係止されるように端子貫通ホール171よりも大きい直径を有する係止段163が形成される。
【0088】
補強プレート195は、図示しないが、その枠の下面が端子挿入口25に形成された挿入口支持段28に支持可能である。
【0089】
このような補強プレート195は、組立者が提供する組立力によって誘電体170が下方に移動する一側端子150との摩擦力によってともに下方に移動することを制限することで補強する役割を果たす。
【0090】
また、補強プレート195は、他側端子160がその係止段163によって下方移動が制限されるようにすることで、実質的に他側端子160の下端162がソルダ固定されたRF信号連結部31を補強する役割を果たす。
【0091】
すなわち、第1実施例のキャビティフィルタ20の場合、組立力によって移動する一側端子50によって他側端子60も下方に移動しながらRF信号連結部31に組立力が伝達されるが、第2実施例のキャビティフィルタ20は、他側端子60の下側移動を制限することで間接的にRF信号連結部31を補強する役割を果たすことができる。
【0092】
一方、テンション切開部64が他側端子60の上端部61に形成され、中空管形状の他側端子60の上端部661の内側に一側端子50の下端部の一部が挿入され、一側端子50と他側端子60との間に弾性部材80として複数の弾性球が備えられることは、第1実施例と同一の構成を取るので、その具体的な説明は省略する。
【0093】
図10は、本発明の第3実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図11は、図10の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図12は、図10の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0094】
本発明の第3実施例によるキャビティフィルタ20は、図10図12に示すように、R
F信号連結部31と、端子部240と、誘電体270とを含む。
【0095】
本発明の第3実施例によるキャビティフィルタ20の構成のうち、RF信号連結部31および誘電体270とその下位構成は、後に特に言及されない限り、すでに説明した本発明の第1実施例および第2実施例によるキャビティフィルタ20の構成と同一であるので、その具体的な説明は第1実施例および第2実施例に代える。
【0096】
ただし、本発明の第3実施例によるキャビティフィルタ20は、誘電体270を第1実施例によるキャビティフィルタ20の誘電体70の構成と同一のものを採用するが、第2実施例によるキャビティフィルタ20の構成のうち補強プレート195が削除された形態を取る。
【0097】
また、本発明の第3実施例によるキャビティフィルタ20の構成のうち、端子部240は、第1実施例および第2実施例とは異なり、テンション切開部254が一側端子250の下端部252に形成され、他側端子260の上端部261が中空管形態で備えられた一側端子250の下端部252の内側に収容されるように備えられるという点で相違がある。
【0098】
同時に、一側端子250には、テンション切開部254の上端に相当する外周面で外側に突出して形成された離脱防止リブ255がさらに形成されてもよい。
【0099】
一側端子250の離脱防止リブ255は、誘電体270の端子貫通ホール271の内側に係止されるように備えられることにより、一側端子250と他側端子260との間に介在した複数の弾性球280の弾性力によって外側(特に、電極パッドが備えられたアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8が備えられた方向)に一側端子250が離脱するのを防止する役割を果たす。
【0100】
その他、第3実施例によるキャビティフィルタ20は、第1実施例によるキャビティフィルタ20と比較して、誘電体270が一側端子250のテンション切開部254の外周面を支持し、他側端子260の下端部262が別の補強プレート295なしに直接RF信号連結部31にソルダ固定される構成は同一である。
【0101】
図13は、本発明の第4実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図14は、図13の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図15は、図13の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0102】
本発明の第4実施例によるキャビティフィルタ20は、図13図15に示すように、RF信号連結部31と、端子部340と、誘電体370と、補強プレート395とを含む。
【0103】
ここで、補強プレート395は、第2実施例によるキャビティフィルタ20での補強プレート195と同一の機能を果たすので、その具体的な説明は省略する。
【0104】
また、端子部340は、第3実施例によるキャビティフィルタ20の構成と同一に採用されるので、第3実施例の説明に代える。
【0105】
その他、第4実施例によるキャビティフィルタ20は、第2実施例によるキャビティフィルタ20の残りの構成をすべて含むことができる。
【0106】
図16は、本発明の第5実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図17は、図16の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図18は、図16の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0107】
本発明の第5実施例によるキャビティフィルタ20は、図16図18に示すように、RF信号連結部31と、端子部440と、誘電体470と、補強プレート495とを含む。
【0108】
ここで、補強プレート495は、第2実施例および第4実施例によるキャビティフィルタ20での補強プレート195、395と同一の機能を果たすので、その具体的な説明は省略する。
【0109】
また、端子部440は、第3実施例および第4実施例によるキャビティフィルタ20の構成と同一の採用されるので、第3実施例および第4実施例の説明に代える。
【0110】
ただし、本発明の第5実施例によるキャビティフィルタ20は、図16図18に示すように、第1実施例~第4実施例によるキャビティフィルタ20と対比して、一側端子450と他側端子460との間に介在する弾性部材480は、ばねスプリングのような弾性スプリングで備えられる。
【0111】
その他、第5実施例によるキャビティフィルタ20は、第4実施例によるキャビティフィルタ20の残りの構成をすべて含むことができる。
【0112】
図19は、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図20は、図19の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図21は、図19の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0113】
本発明の第6実施例によるキャビティフィルタは、図19図21に示すように、RF信号連結部31と、一側端子550および他側端子560を含む端子部540と、補強プレート595とを含む。
【0114】
本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20の構成のうち、RF信号連結部31、端子部540および補強プレート595とその下位構成は、後に特に言及されない限り、すでに説明した第1実施例~第5実施例によるキャビティフィルタ20の構成と機能が同一であるので、その具体的な説明は上記の実施例に代える。
【0115】
ただし、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20の構成のうち、端子部540は、図19図21に示すように、第1実施例および第2実施例によるキャビティフィルタ20と同一の構成を取る。すなわち、テンション切開部564が他側端子560の上端部561に形成され、一側端子550の下端部の一部が中空形態で備えられた他側端子560の上端部561の内側に収容されるように備えられる。
【0116】
また、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20は、一側端子550が上下に長く形成された棒形態を取るが、他側端子560の内部で弾性部材557として備えられた弾性スプリングによって弾性支持可能である。
【0117】
同時に、一側端子550には、弾性部材557によって外部に離脱するのを防止するように他側端子560の内側で係止される係止リブ554が外周面に形成される。係止リブ554は、他側端子560の内側に挿入時には係止されず、他側端子560の内側に形成された係止段567を限度にして他側端子560の内側で係止されるフック形態で備えられてもよい。
【0118】
一方、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20において、他側端子560の外周面には弾性リング設置溝565が備えられ、弾性リング設置溝565には複数の弾性リ
ング580が上下に積層介在してもよい。本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20において、弾性リング580は、2つ580a、580bが上下に積層配置されるが、必ずしもこの個数に限定されない。
【0119】
ここで、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20は、誘電体の構成が削除される代わりに、弾性リング580を介してテンション切開部564が形成された他側端子560の外周面を圧着して側面テンションを付加することにより、内部で上下に移動する一側端子550の外周面との間に電気的な流れの断絶が生じるのを防止する役割を果たす。
【0120】
また、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20は、端子挿入口25に形成された挿入口支持段28に支持されて配置され、端子部540のうち他側端子560が貫通するように端子貫通ホール597が形成された補強プレート595によって他側端子560の下端部562がソルダ固定されるRF信号連結部31を補強する役割を果たす。
【0121】
このように、本発明の第6実施例によるキャビティフィルタ20は、後述する多様な実施例と同じく、一側端子550および他側端子560の間に弾性スプリングからなる弾性部材557が介在して、組立者が提供する組立力に対応して一側端子550をアンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8に備えられた電極パッド側に弾性支持することにより、端子挿入口25内に存在する組立公差を二次的に解消できるように備えられる。
【0122】
図22は、本発明の第7実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図23は、図22の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図24は、図22の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0123】
本発明の第7実施例によるキャビティフィルタ20は、図22図24に示すように、端子挿入口25内に配置される端子部640と、誘電体670a、670bとを含む。
【0124】
ここで、誘電体670a、670bは、端子挿入口25内でのインピーダンスマッチングのための形状を有することはもちろん、図22に示すように、それぞれ後述する端子部640のうち他側端子660の上端部および下端部の貫通する端子貫通ホール671a、671bが形成された上側誘電体670aおよび下側誘電体670bを含むことができる。
【0125】
また、本発明の第7実施例によるキャビティフィルタ20は、図22図24に示すように、端子挿入口25内に配置され、内部の空いている中空管形態のメイン端子ハウジング29と、メイン端子ハウジング29の上側に離隔して配置されたサブ端子ハウジング29’とを含むことができる。
【0126】
ここで、端子挿入口25は、具体的に図示しないが、メイン端子ハウジング29とサブ端子ハウジング29’の外観形状に対応する形状に形成されてもよい。
【0127】
一方、メイン端子ハウジング29の内部には、他側端子660が上下に貫通して配置されるが、その内部に備えられた上側誘電体670aの端子貫通ホール671aおよび下側誘電体670bの端子貫通ホール671bを貫通するように配置される。
【0128】
同時に、メイン端子ハウジング29を貫通するように配置された他側端子660の上端部の一部は、サブ端子ハウジング29’の内部に所定長さ挿入可能である。また、サブ端子ハウジング29’の内部には一側端子650の下端部に形成された係止段652が外側への離脱が防止されるように設けられ、一側端子650と他側端子660との間には弾性部材680が介在してもよい。
【0129】
一側端子650は、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の電極パッドに接点して備えられた接点部651と、接点部651の外径よりも大きく形成されて、サブ端子ハウジング29’の内側に係止されるように備えられた接点プレート652とを含むことができる。
【0130】
ここで、弾性部材680は、図22および図23に示すように、他側端子660の上端面に支持される支持リング部681と、支持リング部681でそれぞれ互いに交差する方向に上方傾斜して突出延長して、一側端子650のうち接点プレート652の下面を支持する一対の支持バー682とを含むバースプリングで備えられる。
【0131】
バースプリングは、図23に示すように、組立者の組立力が提供されると、一側端子650の押圧によって圧縮変形しながら端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収すると同時に、電流が流れる導電性材質からなることから、別のテンション切開部が備えられないとしても電気的な流れの断絶を防止することができる。
【0132】
同時に、他側端子660の下端部は、端子挿入口25内に備えられたRF信号連結部31のプレートに形成されたソルダホール32にソルダ固定される。
【0133】
このような構成からなる本発明の第7実施例によるキャビティフィルタ20は、組立者から提供される組立力によって、端子部640のうち一側端子650がサブ端子ハウジング29’の内部で弾性部材680によって弾性支持されながら、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収することができる。
【0134】
図25は、本発明の第8実施例によるキャビティフィルタの一部の構成を示す分解斜視図であり、図26は、図25の構成のうち端子挿入口への端子部挿入設置の様子を示す断面図であり、図27は、図25の構成のうち端子部を示す斜視図である。
【0135】
本発明の第8実施例によるキャビティフィルタ20は、図25図27に示すように、端子挿入口25内に配置される端子部740と、誘電体770a、770bとを含む。
【0136】
ここで、誘電体770a、770bは、端子挿入口25内でのインピーダンスマッチングのための形状を有することはもちろん、図26に示すように、それぞれ後述する端子部740のうち一側端子750aの上端部および他側端子750bの下端部の貫通する端子貫通ホール771a、771bが形成された上側誘電体770aおよび下側誘電体770bを含むことができる。
【0137】
ここで、本発明の第8実施例によるキャビティフィルタ20は、図25図27に示すように、端子挿入口25内に配置され、内部の空いている中空管形態の端子ハウジング29と、端子ハウジング29の内部中心に長手方向に長く配置された伝達端子760とを含むことができる。
【0138】
端子挿入口25は、具体的に図示しないが、端子ハウジング29の外観形状に対応する長いバー(bar)形状に形成されてもよい。
【0139】
伝達端子760は、上側誘電体770aの端子貫通ホール771aに上端部761の一部が挿入配置され、下側誘電体770bの端子貫通ホール771bに下端部762の一部が挿入配置されるように固定されてもよい。
【0140】
ここで、本発明の第8実施例によるキャビティフィルタ20において、端子部740は、
図25および図26に示すように、上側誘電体770aの端子貫通ホール771aの内部に配置されるが、伝達端子760の上端部761に対して離隔して配置され、上側誘電体770aから離脱が防止されるように係止固定された一側端子750aと、下側誘電体770bの端子貫通ホール771bの内部に配置されるが、伝達端子760の下端部762に対して離隔して配置され、下側誘電体770bから離脱が防止されるように係止固定された他側端子750bとを含むことができる。
【0141】
同時に、本発明の第8実施例によるキャビティフィルタ20は、それぞれ上側誘電体770aおよび下側誘電体770bに介在するが、一側端子750aと伝達端子760の上端部との間に介在した上部弾性部材780aと、他側端子750bと伝達端子760の下端部762との間に介在した下部弾性部材780bとを含むことができる。
【0142】
ここで、上部弾性部材780aと下部弾性部材780bは、いずれもばねスプリングで備えられてもよい。
【0143】
上部弾性部材780aと下部弾性部材780bは、図26に示すように、組立者の組立力が提供されると、一側端子750aの押圧によって圧縮変形しながら、端子挿入口25内に存在する組立公差を吸収する機能を果たすことができる。
【0144】
一方、本発明の第8実施例によるキャビティフィルタ20は、図26に示すように、伝達端子760の上端部761および下端部762が挿入収容される一側端子750aの下端部752および他側端子750bの上端部752にテンション切開部754が備えられてもよい。
【0145】
このようなテンション切開部754は、それぞれ上側誘電体770aおよび下側誘電体770bによって外周面が密着支持されることから側面テンションを提供可能なため、一側端子750aと伝達端子との間および他側端子750bと伝達端子760との間の電気的な流れの断絶が防止できる。
【0146】
図28は、本発明によるコネクティング構造体の一実施形態を示す断面図である。
【0147】
これまで説明した本発明によるキャビティフィルタの多様な実施例は、一つのモジュールに製作されて、アンテナボードおよびPCBボードのいずれか1つで備えられた外部部材8の一面に付着する形態で実現されることに限定して説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしもこれに限定されるものではなく、図28に示すように、モジュール形態への製作の如何に関係なく、外部部材8の一面に備えられた電極パッドとの間に備えられて、他の連結部材31’との電気的な連結をはかる端子部40が備えられたコネクティング構造体1’として実現される変形実施も可能であろう。
【0148】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲で多様な修正および変形が可能であろう。
【0149】
したがって、本発明に開示された実施例は本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、RFコネクタがボディ内に厚さ方向に内蔵されてよりスリムでコンパクトな構造設計が可能で、複数のフィルタの組立時に発生する組立公差の累積量を最小化できる組立方式と、実装が容易でありながらもフィルタの周波数特性を均一に維持するRF信号連結構造設計が可能であり、相対的な動きを許容しながらも側面テンションを付加して安定的な連結が可能でアンテナの性能低下を防止できるキャビティフィルタおよびこれに含まれるコネクティング構造体を提供する。
【符号の説明】
【0151】
20:キャビティフィルタ
21:フィルタ本体
25:端子挿入口
27:設置溝
30:フィルタモジュール
31:RF信号連結部
32:ソルダホール
40:端子部
50:一側端子
60:他側端子
70:誘電体
71:端子貫通ホール
80:弾性部材
95:補強プレート
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