(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】一体式前頸部整復装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A61B17/70
(21)【出願番号】P 2023086202
(22)【出願日】2023-05-25
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202211055702.0
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522381502
【氏名又は名称】▲ハオ▼定均
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼定均
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼海平
(72)【発明者】
【氏名】柳林
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】章雪芳
(72)【発明者】
【氏名】▲ガオ▼子林
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-082706(JP,A)
【文献】特表2011-509716(JP,A)
【文献】実開平07-007613(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0187559(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276896(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0160345(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0076445(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101721244(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106073869(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108309379(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109498077(CN,A)
【文献】中国実用新案第210158688(CN,U)
【文献】中国実用新案第211067252(CN,U)
【文献】中国実用新案第211325522(CN,U)
【文献】中国実用新案第211834665(CN,U)
【文献】中国実用新案第212415879(CN,U)
【文献】中国実用新案第214208464(CN,U)
【文献】中国実用新案第208799309(CN,U)
【文献】中国実用新案第211066981(CN,U)
【文献】中国実用新案第211704803(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
A61B 17/56
A61B 17/58
A61B 17/68
A61F 5/00
A61F 5/04
A61B 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プッシングガンアーム(100)と、
前記プッシングガンアーム(100)の下に位置する整復ガンアーム(200)と、取手(300)と、整復ガン(400)と、を備え、
前記プッシングガンアーム(100)と前記整復ガンアーム(200)とは、平行に設けられ、それらの接続端は、いずれも前記整復ガン(400)に接続され、前記取手
(300
)と
前記整復ガン(400)とは、ヒンジ接続され
て下斜め方向に延伸し、
前記プッシングガンアーム(100)は、プッシング手段を介して前記整復ガン(400)の端部に接続され、前記プッシングガンアーム(100)は、前記整復ガン(400)を前記取手(300)側へ押圧することにより駆動されて前記取手(300)に対して張出され、
前記整復ガンアーム(200)の端部には、下方に向いて整復フック(220)が設けられ、前記整復ガンアーム(200
)には、整復支持手段(210)が設けられ、前記整復ガンアーム(200)の内部には、前記整復支持手段(210)
に設けられる整復シャフトが設けられ、前記取手(300)には、前記整復シャフトと接続される整復ノブ(201)が設けられ、前記整復支持手段(210)は、前記整復ノブ(201)を回転させることによ
り駆動されて昇降し
、
前記整復支持手段(210
)は、
前記プッシングガンアーム(100)が最も前記取手(300)側に位置する際、前記プッシングガンアーム(100)の自由端
と前記整復ガンアーム(200)の前記端部の間に位置することを特徴とする一体式前頸部整復装置。
【請求項2】
前記プッシングガンアーム(100)の接続端には、前記プッシングガンアーム(100)と平行に設けられた推進柱(103)が接続されており、
前記推進柱(103)の上面および下面には、いずれもラック歯車が設けられており、前記推進柱(103)の
前記自由端側には、第1のばね(104)が設けられており、
前記プッシング手段は、接続ブロック(401)と、第2のばね(406)と、偏心カム(402)と、を備え、前記第2のばね(406)は、一端が前記接続ブロック(401)の一端に接続され、他端が前記偏心カム(402)
の一端に接続され、前記接続ブロック(401)の上部は、前記推進柱(103)と固定接続され、前記偏心カム(402)には、前記推進柱(103)の下面に設けられた
前記ラック歯車と噛合する歯が設けられており、前記第2のばね(406)は
、前記偏心カム(402)に接続され、前記取手(300)には、傾斜溝(408)が形成されており、前記偏心カム(402)が前記傾斜溝(408)へ移動すると、前記偏心カム(402)が前記傾斜溝(408)に落下して前記ラック歯車
から離脱し、
前記整復ガン(400)の端部には、推進棒(403)が設けられており、前記推進棒(403)の端部は、前記偏心カム(402)の他端と接触し、前記接続ブロック(401
)は、接続ロッド(407)を介して前記推進棒(403)に接続され、
前記取手(300)の上部には、バッフル(102)がヒンジ接続されており、前記バッフル(102)の下部は、前記推進柱(103)の上面に設けられた
前記ラック歯車と協力して前記推進柱(103)の位置を規制することを特徴とする請求項1に記載の一体式前頸部整復装置。
【請求項3】
前記取手(300)には、スライド溝(305)が設けられており、前記推進柱(103)および前記推進棒(403)は、平行に設けられ、前記スライド溝(305)に沿って移動することを特徴とする請求項2に記載の一体式前頸部整復装置。
【請求項4】
前記バッフル(102)は、回転軸を介して取付座(105)に取り付けられ、前記取付座(105)は、前記取手(300)の上部に設けられ、前記回転軸には、ねじりばね(106)が設けられることを特徴とする請求項2に記載の一体式前頸部整復装置。
【請求項5】
前記推進柱(103)の上面に設けられた
前記ラック歯車の長さは、前記推進柱(103)の下面に設けられた
前記ラック歯車の長さより長いことを特徴とする請求項2に記載の一体式前頸部整復装置。
【請求項6】
前記取手(300)と前記整復ガン(400)との間には、
折り曲げられた弾性シート(404)を備える弾性モジュールが設けられ、前記弾性シート(404)の両端は、接続部(405)を介してそれぞれ前記取手(300)と前記整復ガン(400)とに接続されることを特徴とする請求項2に記載の一体式前頸部整復装置。
【請求項7】
前記取手(300)には、対向する2つの横溝(301)が設けられ、前記整復ノブ(201)は、一方の横溝(301)に設けられ、
前記整復ノブ(201)の回転軸は、前記整復ガンアーム(200)の接続端に設けられた操作ボックス(203)に接続され、前記操作ボックス(203)の
前記整復ノブ(201)に対して反対側には、もう一方の横溝(301)を貫通してナット(202)と螺合されるボルト(204)か設けられることを特徴とする請求項1に記載の一体式前頸部整復装置。
【請求項8】
前記操作ボックス(203)の内部には、第1のかさ歯車(205)と第2のかさ歯車(206)とを含むかさ歯車セットが設けられ、前記第1のかさ歯車(205)と前記第2のかさ歯車(206)とは噛合されており、前記第1のかさ歯車(205)は、前記整復ノブ(201)の
前記回転軸に接続され、前記第2のかさ歯車(206)は、前記整復シャフトの端部に接続されることを特徴とする請求項7に記載の一体式前頸部整復装置。
【請求項9】
前記整復支持手段(210)は、整復スクリュー(213)と、支持シート(211)と、第1の螺合部材(212)と、第2の螺合部材(214)と、を備え、前記整復スクリュー(213)は、前記整復シャフトに設けられ、前記第1の螺合部材(212)および前記第2の螺合部材(214)は、前記整復スクリュー(213)に移動可能に螺合され、前記支持シート(211)の両側は、それぞれ接続シートを介して前記第1の螺合部材(212)および前記第2の螺合部材(214)にヒンジ接続され、
前記第1の螺合部材(212)および前記第2の螺合部材(214)の雌ねじ山の螺旋方向は互いに逆であることを特徴とする請求項1に記載の一体式前頸部整復装置。
【請求項10】
前記プッシングガンアーム(100)の
前記自由端には、当接部(101)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の一体式前頸部整復装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科手術の技術分野に関し、具体的には、一体式前頸部整復装置に関する。
【背景技術】
【0002】
頸椎は、脊椎の中で非常に重要部位であり、頭部を支えるだけでなく、脊椎全体の中で最も大きい可動範囲を有する。また、食道は、頸椎の前部近くを通るので、頸椎の安定性への影響は、脊髄神経による症状を引き起こすだけでなく、消化器系の嚥下や食事にも影響を与える。外傷は、頸椎脱臼や骨折の重要な原因となる場合が多く、整復と、固定と、機能訓練とは、外科的治療の慣用方法になり、整復は、頸椎固定および機能訓練の前提となっている。頸椎が頭部を支えているが、下顎角の妨害により、手術時(特に第2頸椎-第3頸椎(C2-C3)や第3頸椎-第4頸椎(C3-C4)の骨折や脱臼の手術時)の術野の露出に限界がある。外傷による頸椎骨折や脱臼時には、椎間関節のロッキング現象が伴うことが多い。整復は、経験豊富な医師が、こじ開けおよび牽引技術を適用して行う必要があり、そのリスクや難易度が高く、さらに、まず後頸部のロッキング解除を行ってから前頸部を固定する必要があるので、手術時間が長くなり、手術感染の可能性が高くなり、患者や社会の経済的負担も大きくなる。現在、頸椎脱臼を整復するための専用の器具はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術に存在する課題を解決するために、本発明は、一体式前頸部整復装置を提供する。この一体式前頸部整復装置は、頸椎脱臼に対する整復およびロッキング解除装置であり、脊椎の固定および機能訓練の向上に有利な保障を提供し、頸椎の解剖学的配列および機能の回復に重要な臨床的意義を有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術的構成を提供する。
【0005】
本願に係る一体式前頸部整復装置は、プッシングガンアームと、整復ガンアームと、取手と、整復ガンと、を備え、
前記プッシングガンアームと整復ガンアームとは、平行に設けられ、それらの接続端は、いずれも整復ガンに接続され、前記取手と整復ガンとは、ヒンジ接続され、
前記プッシングガンアームは、プッシング手段を介して前記整復ガンの端部に接続され、プッシングガンアームは、整復ガンを取手側へ押圧することにより駆動されて取手に対して張出されることができ、
前記整復ガンアームの端部には、下方に向いて整復フックが設けられ、前記整復ガンアームの端部近傍には、整復支持手段が設けられ、整復ガンアームの内部には、整復支持手段の設けられる整復シャフトが設けられ、取手には、整復シャフトと接続される整復ノブが設けられ、整復支持手段は、整復ノブを回転させることにより駆動されて昇降させることができ、
前記整復ガンアームにおける整復支持手段の位置は、プッシングガンアームの自由端よりも患者側に位置する。
【0006】
本発明のさらなる改良として、前記プッシングガンアームの接続端には、前記プッシングガンアームと平行に設けられた推進柱が接続されており、その上面および下面には、いずれもラック歯車が設けられており、前記推進柱の患者側端には、第1のばねが設けられており、
前記プッシング手段は、接続ブロックと、第2のばねと、偏心カムと、を備え、前記第2のばねは、一端が前記接続ブロックの一端に接続され、他端が前記偏心カムに接続され、前記接続ブロックの上部は、前記推進柱と固定接続され、前記偏心カムには、前記推進柱の下面に設けられたラック歯車と噛合する歯が設けられており、前記第2のばねは、患者側下方に傾斜して前記偏心カムに接続され、前記取手には、傾斜溝が形成されており、前記偏心カムが前記傾斜溝へ移動すると、前記偏心カムが前記傾斜溝に落下して前記ラック歯車と離脱し、
前記整復ガンの端部には、推進棒が設けられており、前記推進棒の端部は、前記偏心カムの他端と接触し、前記接続ブロックの裏側は、接続ロッドを介して前記推進棒に接続され、
前記取手の上部には、バッフルがヒンジ接続されており、前記バッフルの下部は、前記推進柱の上面に設けられたラック歯車と協力して前記推進柱の位置を規制する
【0007】
本発明のさらなる改良として、前記取手には、スライド溝が設けられており、前記推進柱および前記推進棒は、平行に設けられ、前記スライド溝に沿って移動する。
【0008】
本発明のさらなる改良として、前記バッフルは、回転軸を介して取付座に取り付けられ、前記取付座は、前記取手の上部に設けられ、前記回転軸には、ねじりばねが設けられる。
【0009】
本発明のさらなる改良として、前記推進柱の上面に設けられたラック歯車の長さは、前記推進柱の下面に設けられたラック歯車の長さより長い。
【0010】
本発明のさらなる改良として、前記取手と前記整復ガンとの間には、折曲の弾性シートを備える弾性モジュールが設けられ、前記弾性シートの両端は、接続部を介してそれぞれ前記取手と前記整復ガンとに接続される。
【0011】
本発明のさらなる改良として、前記取手には、対向する2つの横溝が設けられ、前記整復ノブは、一方の横溝に設けられ、その接続軸は、前記整復ガンアームの接続端に設けられた操作ボックスに接続され、前記操作ボックスの他端には、もう一方の横溝を貫通してナットと螺合されるボルトか設けられる。
【0012】
本発明のさらなる改良として、前記操作ボックスの内部には、第1のかさ歯車と第2のかさ歯車とを含むかさ歯車セットが設けられ、前記第1のかさ歯車と前記第2のかさ歯車とは噛合されており、前記第1のかさ歯車は、前記整復ノブの接続軸に接続され、前記第2のかさ歯車は、前記整復シャフトの端部に接続される。
【0013】
本発明のさらなる改良として、
前記整復支持手段は、整復スクリューと、支持シートと、第1の螺合部材と、第2の螺合部材と、を備え、前記整復スクリューは、前記整復シャフトに設けられ、前記第1の螺合部材および前記第2の螺合部材は、前記整復スクリューに移動可能に螺合され、前記支持シートの両側は、それぞれ接続シートを介して前記第1の螺合部材および前記第2の螺合部材にヒンジ接続され、
前記第1の螺合部材および前記第2の螺合部材の雌ねじ山の螺旋方向は互いに逆である。
【0014】
本発明のさらなる改良として、前記プッシングガンアームの自由端には、当接部設けられる。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べて、本発明は、以下の有益な効果を奏する。
【0016】
本発明に係る一体式前頸部整復装置は、頸椎脱臼に対する整復およびロッキング解除装置であり、この整復装置は、脱臼の椎体の下部椎体の後方上縁に深く進入して、整復フックを、脱臼の椎体の下部椎体の後方上縁を引っ掛けて前方への牽引力を持たせるプッシングガンアームを有する。プッシングガンアームは、整復ガンを取手側へ押圧することにより駆動されて前記取手に対して張出することができ、プッシングガンアームの自由端は、脱臼の椎体当接することができ、押圧する毎に一定の送り量を提供することができる。整復支持手段は、整復ノブを回転させるすことにより駆動されて昇降し、整復支持手段の上部は、中央終板部を上方に突き上げる。一連の操作は、脊椎の固定および機能訓練の向上に有利な保障を提供し、頸椎の解剖学的配列および機能の回復に重要な臨床的意義を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここで説明された図面は、説明のみを目的としており、本発明が開示する範囲を限定することを意図するものではない。また、図面における各部の形状や寸法は、本発明を容易に理解するための模式的なものであり、本発明の各部の形状や寸法を具体的に限定するものではない。
【
図1】本発明に係る一体式前頸部整復装置の斜視図である。
【
図2】本発明に係る一体式前頸部整復装置の正面図である。
【
図3】本発明に係る一体式前頸部整復装置の部分断面図である。
【
図7】本発明に係るプッシングガンアームの接続端の概略図である。
【
図9】本発明に係るバッフルの設置位置の概略図である。
【
図10】本発明に係る弾性モジュールの概略図である。
【
図11】本発明に係る整復ガンアームの接続を示す概略図である。
【
図12】本発明に係る整復ガンアームの接続端の操作ボックスの概略図である。
【
図13】本発明に係るかさ歯車セットの構造概略図である。
【
図14】本発明に係る整復支持手段の構造概略図である。
【
図15】本発明に係る一体式前頸部整復装置の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当業者が本発明の技術的構成をよりよく理解するようにするために、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的構成を明確かつ完全に説明する。説明される実施例は、本発明の全部の実施例ではなく、本発明の実施例の一部にすぎない。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造的な作業をしなくて得た他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に属すべきである。
【0019】
ある要素が他の要素に「設置される」と記載される場合、直接に他の要素に設置されることもでき、介在要素が存在することもできる。ある要素が他の要素に「接続される」と記載される場合、直接に他の要素に接続されることもでき、介在要素が同時に存在することもできる。本明細書における「垂直」、「水平」、「左」、「右」という用語、および類似の表現は、説明のみを目的として使用され、唯一の実施例を表すことではない。
【0020】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明することのみを目的としており、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される「および/または」という用語は、1つまたは複数の関連するリスト項目の任意およびすべての組み合わせを含む。
【0021】
図1~
図3に示すように、本発明に係る一体式前頸部整復装置は、プッシングガンアーム100と、整復ガンアーム200と、取手300と、整復ガン400と、を備える。
【0022】
前記プッシングガンアーム100と整復ガンアーム200とは、平行に設けられ、それらの接続端は、いずれも整復ガン400に接続され、前記取手300と整復ガン400とは、ヒンジ接続される。
【0023】
前記プッシングガンアーム100は、プッシング手段を介して前記整復ガン400の端部に接続され、整復ガン400を取手300側へ押圧することにより、プッシングガンアーム100が駆動されて取手300に対して張出されることができる。
【0024】
前記整復ガンアーム200の端部には、下方に向いて整復フック220が設けられ、前記整復ガンアーム200の端部近傍には、整復支持手段210が設けられ、整復ガンアーム200の内部には、整復支持手段210の設けられる整復シャフトが設けられ、取手300には、整復シャフトと接続される整復ノブ201が設けられ、整復支持手段210は、整復ノブ201を回転させることにより駆動されて昇降することができる。
【0025】
前記整復ガンアーム200における整復支持手段210の位置は、プッシングガンアーム100の自由端よりも患者側に位置する。
【0026】
手術時、整復ガンアーム200は、脱臼の椎体の下部椎体の後方上縁に深く進入して、整復フック220を、脱臼の椎体の下部椎体の後方上縁に引っ掛けて前方への牽引力を持たせる。整復ガン400を取手300側へ押圧することによりプッシングガンアーム100が駆動されて前記取手300に対して張出することができ、プッシングガンアーム100の自由端は、脱臼の椎体に当接することができ、押圧する毎に一定の送り量を提供することができ、ロックされてさらに送れないときまで提供することができる。
【0027】
整復支持手段210は、整復ノブ201を回転させることにより駆動されて昇降することができ、これにより、整復支持手段210の上部は、中央終板部を上方に突き上げる。
【0028】
選択的に、前記プッシングガンアーム100の前記自由端には、当接部101が設けられる。脱臼の椎体とよりよくマッチングして当接して、滑りを防ぐことができる。
【0029】
図3から
図7に示すように、前記プッシングガンアーム100の接続端には、プッシングガンアーム100と平行に設けられた推進柱103が接続されており、その上面および下面には、いずれもラック歯車が設けられており、推進柱103の患者側端には、第1のばね104が設けられている。
【0030】
前記プッシング手段は、接続ブロック401と、第2のばね406と、偏心カム402と、を備え、第2のばね406は、一端が接続ブロック401の一端に接続され、他端が偏心カム402に接続される。接続ブロック401の上部は、推進柱103と固定接続される。偏心カム402には、推進柱103の下面に設けられたラック歯車と噛合する歯が設けられている。第2のばね406は、患者側下方に傾斜して偏心カム402に接続される。前記取手300には、傾斜溝408が形成されている。偏心カム402が傾斜溝408へ移動すると、偏心カム402が傾斜溝408に落下してラック歯車と離脱する。
【0031】
前記整復ガン400の端部には、推進棒403が設けられており、推進棒403の端部は、偏心カム402の他端と接触し、接続ブロック401の裏側は、接続ロッド407を介して推進棒403に接続される。
【0032】
前記取手300の上部には、バッフル102がヒンジ接続されており、バッフル102の下部は、推進柱103の上面に設けられたラック歯車と協力して推進柱103の位置を規制する。
【0033】
この部材は、本発明の肝要な駆動部材であり、整復ガン400を取手300側へ押圧することにより、プッシングガンアーム100を駆動させて前記取手300に対して張出させる目的を達成するように、推進棒403で偏心カム402を押圧する毎に、偏心カム402、接続ブロック401及び接続ロッド407が推進棒403と共に前進することにより、推進柱103が駆動されてて前方に移動し、これにより、偏心カム402が傾斜溝408へ移動したときに傾斜溝408に落下してラック歯車と離脱するが、バッフル102の位置規制により、前進した推進柱103は後退しない。推進柱103は、整復ガン400を再度押圧することによりさらに前進することができる。整復ガン400に対する押圧を解除すると、第2のばね406の作用により、偏心カム402が傾斜溝408から滑り出して、推進柱103の下面に設けられたラック歯車と噛合することができる。ただ、噛合されたラック歯車の位置は後退し、再度整復ガン400を押圧すると、プッシングガンアーム100は駆動されて前記取手300から一定の位置分ずつ張出し、推進柱103の下面に設けられたラック歯車の末尾の歯まで移動して停止する。
【0034】
図6に示すように、器具全般の安定した協働を確保するために、前記取手300にスライド溝305を設ける必要があり、推進柱103および推進棒403は、平行に設けられ、スライド溝305に沿って移動する。移動の直線的進行を確保する。
【0035】
図8および
図9に示すように、バッフル102は、回転軸を介して取付座105に取り付けられ、取付座105は、前記取手300の上部に設けられ、前記回転軸には、ねじりばね106が設けられる。
【0036】
図3に示すように、前記推進柱103の上面に設けられたラック歯車の長さは、前記推進柱103の下面に設けられたラック歯車の長さより長い。
【0037】
図10に示すように、前記取手300と整復ガン400との間には、折曲の弾性シート404を備える弾性アセンブリが設けられ、弾性シート404の両端は、接続部405を介してそれぞれ取手300と整復ガン400とに接続される。取手300および整復ガン400が互いに対向して押圧されると、弾性アセンブリは、弾力を提供して、ユーザに力のフィードバックを与える。
【0038】
図4、
図12および
図13に示すように、前記取手300には、対向する2つの横溝301が設けられ、前記整復ノブ201は、一方の横溝301に設けられ、その接続軸は、前記整復ガンアーム200の接続端に設けられた操作ボックス203に接続され、操作ボックス203の他端には、もう一方の横溝301を貫通してナット202と螺合されるボルト204か設けられる。前記操作ボックス203の内部には、第1のかさ歯車205と第2のかさ歯車206とを含むかさ歯車セットが設けられ、第1のかさ歯車205と第2のかさ歯車206とは噛合されており、第1のかさ歯車205は、整復ノブ201の接続軸に接続され、第2のかさ歯車206は、整復シャフトの端部に接続される。
【0039】
かさ歯車セットにより、整復シャフトが回転するように、整復ノブ201の接続軸の回転力がそれに垂直な旋転力に変換することができる。
【0040】
図14に示すように、前記整復支持手段210は、整復スクリュー213と、支持シート211と、第1の螺合部材212と、第2の螺合部材214と、を備え、前記整復スクリュー213は、整復シャフトに設けられ、第1の螺合部材212および第2の螺合部材214は、前記整復スクリュー213に移動可能に螺合され、前記支持シート211の両側は、それぞれ接続シートを介して第1の螺合部材212および第2の螺合部材214にヒンジ接続される。
【0041】
第1の螺合部材212と第2の螺合部材214との雌ねじ山の螺旋方向は互いに逆である。支持シート211が上昇するように、第1の螺合部材212および第2の螺合部材214は、雌ねじ山の螺旋方向の逆である第1の螺合部材212および第2の螺合部材214と整復スクリュー213とにより互いに対向して移動する。これにより、整復支持手段210の昇降の目的を達成する。
【0042】
図15を参照して、本発明の作業プロセスを下記のように説明する。
【0043】
この整復装置は、3つの重要な部位を有する。その1つは、脱臼の椎体の下部椎体の後方上縁に深く進入して引っ掛けて前方への牽引力を持たせるA部位である。手術時、整復ガンアーム200は、脱臼の椎体の下部椎体の後方上縁に深く進入して、整復フック220を、脱臼の椎体の下部椎体の後方上縁に引っ掛けて前方への牽引力を持たせる。整復ガン400を取手300側へ押圧させることにより、プッシングガンアーム100が駆動されて前記取手300に対して張出することができ、プッシングガンアーム100の自由端は、脱臼の椎体に当接することができ、押圧する毎に一定の送り量を提供することができ、ロックされてさらに送れないときまで提供することができる。
【0044】
A部位が存在する整復ガンアーム200の先端には、整復支持手段210が設けられており、整復支持手段210の中央には、シート状の構造を有するB部位が設けられており、整復装置の後側のノブを回転させることにより、シート状の構造が上昇して、脱臼の椎体の中央終板部を3~6mm突き上げて、ロッキングされた関節突起がロッキング解除されるまで維持される。
【0045】
整復支持手段210は、整復ノブ201を回転させることにより駆動されて昇降することができ、これにより、整復支持手段210の上部は、中央終板部を上方に押す。C部位は、当接する脱臼の椎体の前方に位置し、整復ガンの取手に対する繰り返し的な操作により、C部位が後方に移動して、脱臼の椎体を整復させる。
【0046】
手術の手順は次の通りである。
【0047】
通常の手術のアプローチで、脱臼の椎体を露出させ、椎間板組織を処理し、神経根レトラクターで靭帯を持ち上げて縦方向に切開し、整復装置のA部位を脱臼の椎体の下部椎体の後方上縁に深く進入させて、A部位のアームを持ち上げて前方への力を持たせ、ガンアームのノブを回転させることにより、B部位に位置している整復シートは、A部位の位置しているアームから上昇して脱臼の椎体を突き上げ、ガンアームのノブを繰り返し的に回転させることにより、ロッキングが解除されるまで突き上げる。神経電流や筋肉電流のモニタリングに留意しながら、整復ガンの自由端のC部位を脱臼の椎体の前縁に当接させ、整復ガンの取手を繰り返し的に操作することにより、C部位が後方に推進して脱臼の椎体を整復させる。整復装置を撤去した後、椎体の前方に拡張針を設置し、椎間腔を拡大して、終板を研磨した後、椎体間ケージ(椎体間癒合器具)を挿入し、頸部解剖型のチタンプレートでそれを上下に固定して、椎体バイオニクスが頸椎の元の配列と安定性を回復させる。以上により、「引っ掛け、推進、突き上げ」の目的を実現し、頸椎脱臼を迅速に整復することができる。
【0048】
本発明の説明において、「第1」および「第2」などの用語は、目的を説明し、同様の部品を区別するために使用され、優先順位はなく、相対的な重要性を示したり、示唆したりするものではない。また、本発明の説明において、別段の説明がない限り、「複数」とは、2つあるいは2以上を意味する。
【0049】
上述記載は、図面を参照する説明であり、限定を目的とするものではない。上記記載により、提供された例示以外の多くの実施例および多くの応用を得ることは、当業者として容易である。したがって、本発明の範囲は、上記記載を参照して決定されるべきではなく、特許請求の範囲、および特許請求の範囲と同等な範囲を含む全範囲を参照して決定されるべきである。特許出願および刊行物を含む開示、およびすべての文章は、参照により本明細書に組み込まれる。特許請求の範囲からここで開示されたテーマのいずれかの態様を省略することは、このテーマに関する内容を放棄するのを示すことではなく、出願人がこのテーマを、開示された発明のテーマの一部であるという考慮がないのを示すことではない。