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特許7573690超音波式流量制御装置及び超音波式流量制御装置に適用される液体漏洩検出方法
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  • 特許-超音波式流量制御装置及び超音波式流量制御装置に適用される液体漏洩検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】超音波式流量制御装置及び超音波式流量制御装置に適用される液体漏洩検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/28 20060101AFI20241018BHJP
   G01F 1/663 20220101ALI20241018BHJP
   G01F 1/66 20220101ALI20241018BHJP
【FI】
G01M3/28 A
G01F1/663
G01F1/66 101
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023091683
(22)【出願日】2023-06-02
(65)【公開番号】P2024146671
(43)【公開日】2024-10-15
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】112112539
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】315000342
【氏名又は名称】桓達科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】FINETEK Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.16,Tzuchiang St.,Tucheng Industrial Park, New Taipei City, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉定國
(72)【発明者】
【氏名】謝宗哲
(72)【発明者】
【氏名】陳俊儒
(72)【発明者】
【氏名】鄭兆凱
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-075405(JP,A)
【文献】特開昭52-016286(JP,A)
【文献】特開2002-340725(JP,A)
【文献】特表2014-505874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/28
G01F 1/663
G01F 1/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路に配置され、流量制御弁に接続され、前記管路を流れる液体の流量値を算出するように構成される超音波流量検出モジュールと、
前記超音波流量検出モジュールに接続される制御モジュールと、を含み、
前記制御モジュールは、
前記流量制御弁が閉状態であることを示す信号又は前記流量制御弁が開状態であることを示す信号を受信したか否かを判断し、
前記閉状態の信号を受信した場合、前記超音波流量検出モジュールに補正信号を送信して前記超音波流量検出モジュールの前記流量値をゼロにし、
前記流量制御弁が閉状態になった場合、前記超音波流量検出モジュールが検出した第1流量信号と第2流量信号を取得し、前記超音波流量検出モジュールが、前記補正信号を受信する前に前記第1流量信号を検出し、前記補正信号を受信した後に前記第2流量信号を検出するように構成され、
前記超音波流量検出モジュールが前記流量制御弁の上流位置に配置される場合、液体漏洩条件は信号差が閾値より大きいことであり、前記制御モジュールは、時系列に基づいて前記第1流量信号と前記第2流量信号とを比較して前記信号差を取得し、前記流量制御弁が前記閉状態でかつ前記信号差が前記閾値より大きい場合、液体漏洩事件が発生したと判定するように構成される、超音波式流量制御装置。
【請求項2】
前記超音波流量検出モジュールが前記流量制御弁の下流位置に配置される場合、前記液体漏洩条件は、前記第2流量信号がゼロでないことであり、前記制御モジュールは、前記流量制御弁が前記閉状態でかつ前記第2流量信号がゼロでない場合、前記液体漏洩事件が発生したと判定する、請求項1に記載の超音波式流量制御装置。
【請求項3】
前記超音波流量検出モジュールは、前記流量制御弁が前記開状態に切り替えられた場合、前記液体の前記流量値を連続的に算出するように構成される、請求項1に記載の超音波式流量制御装置。
【請求項4】
超音波式流量制御装置に適用される液体漏洩検出方法であって、
前記超音波式流量制御装置は、超音波流量検出モジュールと、前記超音波流量検出モジュールに接続される制御モジュールとを含み、前記超音波流量検出モジュールは管路に配置され、前記管路上の流量制御弁に接続され、
前記液体漏洩検出方法は、
前記超音波流量検出モジュールにより、前記管路を流れる液体の流量値を算出するステップと、
前記流量制御弁が閉状態であることを示す信号又は前記流量制御弁が開状態であることを示す信号を受信したか否かを判断するステップと、
前記制御モジュールによって前記閉状態の信号を受信した場合、前記超音波流量検出モジュールに補正信号を送信して前記超音波流量検出モジュールの前記流量値をゼロにし、
前記制御モジュールにより、前記流量制御弁が閉状態になった場合、前記超音波流量検出モジュールが検出した第1流量信号と第2流量信号を取得し、前記超音波流量検出モジュールが、前記補正信号を受信する前に前記第1流量信号を検出し、かつ前記補正信号を受信した後に前記第2流量信号を検出するステップと、
前記超音波流量検出モジュールが前記流量制御弁の上流位置に配置される場合、液体漏洩条件は信号差が閾値より大きいことであり、前記制御モジュールにより、時系列に基づいて前記第1流量信号と前記第2流量信号とを比較して前記信号差を取得するステップと、
前記流量制御弁が前記閉状態でかつ前記信号差が前記閾値より大きい場合、前記制御モジュールにより、液体漏洩事件が発生したと判定するステップと、を含む、液体漏洩検出方法。
【請求項5】
前記超音波流量検出モジュールが前記流量制御弁の下流位置に配置される場合前記液体漏洩条件は、前記第2流量信号がゼロでないことであり、
前記流量制御弁が前記閉状態でかつ前記第2流量信号がゼロでない場合、前記制御モジュールにより、前記液体漏洩事件が発生したと判定するステップをさらに含む、請求項に記載の液体漏洩検出方法。
【請求項6】
前記流量制御弁が前記開状態に切り替えられた場合、前記液体の前記流量値を連続的に算出する、請求項に記載の液体漏洩検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量計及び液体検出方法に関し、特に超音波式流量制御装置及び超音波式流量制御装置に適用される液体漏洩検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模な液体輸送施設では、様々な用途に応じたパイプラインが交錯し、複雑な構造になっている。水道施設の場合、家庭用の管路や工業用の管路と上水道に接続され、管路が相互に連結され、膨大な水道管路システムが形成されている。
【0003】
一般的に、使用者は、経験則や水道メータの情報に基づいて、漏水の有無を判断することができる。しかしながら、膨大な水道管路システムでは、水道管路システムの漏水が発生したか否かを判断することは困難である。既存の水道管路システムは、漏水を検出する有効なメカニズムを有しておらず、検出されずに漏水が発生した場合、水資源の浪費につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、管路における液体漏洩の発生を迅速に検知し、液体漏洩の位置を検出できる超音波式流量制御装置及び超音波式流量制御装置に適用される液体漏洩検出方法を提供することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係る超音波式流量制御装置は、超音波流量検出モジュールと、制御モジュールとを含み、超音波流量検出モジュールは、管路に配置され、流量制御弁に接続され、前記管路を流れる液体の流量値を算出するように構成され、前記制御モジュールは、前記超音波流量検出モジュールに接続され、前記流量制御弁がオフ状態であることを示す信号又は前記流量制御弁がオン状態であることを示す信号を受信したか否かを判断し、前記オフ状態の信号を受信した場合、前記超音波流量検出モジュールに補正信号を送信して前記流量値をゼロにし、前記超音波流量検出モジュールが検出した第1流量信号と第2流量信号を取得し、前記超音波流量検出モジュールが前記補正信号を受信する前に前記第1流量信号を検出し、前記補正信号を受信した後に前記第2流量信号を検出し、前記第1流量信号及び前記第2流量信号のうちの少なくとも一方に基づいて、液体漏洩条件が成立したと判断した場合、液体漏洩事件が発生したと判定するように構成される。
【0006】
本発明に係る液体漏洩検出方法は、超音波式流量制御装置に適用され、前記超音波式流量制御装置は、超音波流量検出モジュールと、前記超音波流量検出モジュールに接続される制御モジュールとを含み、前記超音波流量検出モジュールは管路に配置され、前記管路上の流量制御弁に接続され、前記液体漏洩検出方法は、前記超音波流量検出モジュールにより、前記管路を流れる液体の流量値を算出するステップと、前記流量制御弁がオフ状態であることを示す信号又は前記流量制御弁がオン状態であることを示す信号を受信したか否かを判断するステップと、前記制御モジュールによって前記オフ状態の信号を受信した場合、前記超音波流量検出モジュールに補正信号を送信して前記流量値をゼロにし、前記制御モジュールにより、前記超音波流量検出モジュールが検出した第1流量信号と第2流量信号を取得し、前記超音波流量検出モジュールが前記補正信号を受信する前に前記第1流量信号を検出し、前記超音波流量検出モジュールが前記補正信号を受信した後に前記第2流量信号を検出するステップと、前記第1流量信号及び前記第2流量信号のうちの少なくとも一方に基づいて、液体漏洩条件が成立したと判断した場合、前記制御モジュールにより、液体漏洩事件が発生したと判定するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る超音波式流量制御装置及び超音波式流量制御装置に適用される液体漏洩検出方法によれば、管路に液体漏洩の有無を迅速に検出でき、液体漏洩の位置を直接知ることができる。その結果、使用者が液体漏洩の可能性がある場所のトラブルシューティングが不要となり、メンテナンスの効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る超音波式流量制御装置が管路に配置された状態の概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る超音波式流量制御装置が管路に配置された状態の概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係る液体漏洩検出方法のフローチャートである。
図4】本発明の別の実施形態に係る液体漏洩検出方法のフローチャートである。
図5】本発明の別の実施形態に係る液体漏洩検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の詳細な説明及び技術内容は、図面を参照しつつ説明するが、添付の図面は、説明のみの目的で提供されており、本発明を限定することを意図するものではない。
【0010】
本明細書で用いられる「第1」、「第2」などの用語は、様々な部品、アセンブリ、領域、層、及び/又は部分を説明するものであり、これらの部品、アセンブリ、領域、層、及び/又は部分は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの部品、アセンブリ、領域、層、又は部分を他の要素と区別するためにのみ用いられる。本明細書で用いられる「第1」、「第2」などの用語は、文脈が明確に示していない限り、順序や順番を意味するものではない。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波式流量制御装置が管路に配置された状態の概略図である。超音波式流量制御装置は、超音波流量検出モジュール110と、制御モジュール120とを含む。超音波流量検出モジュール110は、管路400に配置され、流量制御弁300に接続されている。
【0012】
本実施形態において、超音波流量検出モジュール110は、管路400の上流位置に配置されており、すなわち、流れる液体は、まず超音波流量検出モジュール110に到達し、次に流量制御弁300に到達する。
【0013】
流量制御弁300は、管路400に配置され、管路400を液体が流れるか否かを制御する。流量制御弁300がオフ状態である場合、液体は流量制御弁300を通過して管路400内を流れることができない。流量制御弁300がオン状態である場合、液体は流量制御弁300を通過して管路400内を流れることができる。
【0014】
一実施形態において、超音波流量検出モジュール110は、管路400内の水の流れを検出して流量信号を生成し、その流量信号に基づいて瞬時流量値を算出するために用いられる。超音波流量検出モジュール110は、一定期間の全ての瞬時流量値に基づいて、管路400を流れる管路400内の液体の流量値(総流量値)を算出する。
【0015】
一実施形態において、制御モジュール120は、管路400内に液体漏洩事件が発生するか否かを判断することができる。例えば、流量制御弁300がオフ状態であるが、超音波式流量制御装置は、(例えば超音波流量検出モジュール110によって)液体が管路400内に流動することを検出する場合、制御モジュール120は、管路400内に液体漏洩事件が発生したと判断する。
【0016】
一実施形態において、超音波式流量制御装置は、ドップラー法を用いた流量計又は時間差法を用いた流量計である。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態に係る超音波式流量制御装置が管路に配置された状態の概略図である。図2の超音波式流量制御装置は、図1の超音波式流量制御装置と同様であるが、本実施形態の超音波流量検出モジュール110が管路400の下流位置に配置されている点、すなわち、流れる液体がまず流量制御弁300に到達し、次に超音波流量検出モジュール110に到達する点で図1の超音波式流量制御装置と異なる。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態に係る液体漏洩検出方法のフローチャートである。液体漏洩検出方法は、図1及び図2の超音波式流量制御装置によって実行することができる。
【0019】
ステップS210において、超音波流量検出モジュール110は、管路400を流れる管路400内の液体の流量値を算出する。超音波流量検出モジュール110は、時間差法又はドップラー法を用いて、管路400内を流れる液体の流量値を測定することができる。
【0020】
ステップS220において、制御モジュール120は、超音波流量検出モジュール110に補正信号を送信することで、超音波流量検出モジュール110の流量値をゼロにする。本実施形態において、超音波流量検出モジュール110の流量値がゼロにされた後、管路400内を流れる液体の流量値をゼロから測定する
【0021】
ステップS230において、制御モジュール120は、超音波流量検出モジュール110よって検出された第1流量信号及び第2流量信号を取得する。一実施形態において、第1流量信号は、超音波流量検出モジュール110が補正信号を受信してゼロにされる前に検出されるものであり、第2流量信号は、超音波流量検出モジュール110が補正信号を受信してゼロにされた後に検出されるものである。
【0022】
詳細には、超音波流量検出モジュール110は、流量信号を連続的に検出することで瞬時流量値を算出する。次に、制御モジュール120は、超音波流量検出モジュール110に補正信号を送信し、超音波流量検出モジュール110は、補正信号に基づいて現在の合計流量値をゼロにする。流量値がゼロになると、超音波流量検出モジュール110は、別の流量信号を連続的に検出することで、瞬時流量値を継続的に算出る。そのため、超音波流量検出モジュール110が補正信号を受信する前に検出した第1流量信号は、ゼロにされる前の流量信号であり、超音波流量検出モジュール110が補正信号を受信した後に検出した第2流量信号は、ゼロにされた後の流量信号である。
【0023】
一実施形態において、補正信号が第1流量信号及び第2流量信号の間にあるので、制御モジュール120は、補正信号を基準として、流量値がゼロにされる前と後とでの流量信号によって液体漏洩事件が発生するか否かを評価する。
【0024】
ステップS240において、制御モジュール120は、第1流量信号及び第2流量信号の少なくとも一方に基づいて、液体漏洩条件が成立するか否かを判断する。
【0025】
液体漏洩条件が成立した場合には、ステップS250が実行される。液体漏洩条件は、後述するように、超音波流量検出モジュール110が管路400に配置されている位置(例えば、管路400の上流位置又は下流位置)によって異なる。
【0026】
ステップS250において、制御モジュール120は、液体漏洩事件が発生したと判定し、漏洩警告信号を生成する。制御モジュール120は、漏洩警告信号を電子装置に送信して、超音波流量検出モジュール110及び/又は流量制御弁300の位置の近傍に液体漏洩がある可能性があることを使用者に知らせることができる。これにより、使用者は、液体が漏洩した場所を直接知ることができ、使用者が漏洩を把握したり、修理したりする速度を速めることができる。
【0027】
図4は、本発明の別の実施形態に係る液体漏洩検出方法のフローチャートである。液体漏洩検出方法は、図1の超音波式流量制御装置(すなわち、超音波流量検出モジュール110が管路400の上流位置に配置される超音波式流量制御装置)によって実行することができる。
【0028】
ステップS210において、超音波流量検出モジュール110は、管路400を流れる液体の流量値を算出する。
【0029】
ステップS212において、制御モジュール120は、流量制御弁300の状態がオフ状態に切り替わったか否かを判断する。
【0030】
液体漏洩が発生していない場合、流量制御弁300がオフ状態に切り替えられると、管路400の上流側には液体が溜まり、管路400の下流側の管路は空になる(すなわち、液体が流れ切る)。
【0031】
流量制御弁300がオン状態に切り替えられると、管路400の上流から下流まで液体をスムーズに流れることができる。
【0032】
流量制御弁300がオン状態に切り替えられると、ステップS214が実行される。
【0033】
ステップS214において、超音波流量検出モジュール110は、管路400を流れる液体の流量値を連続的に算出する。
【0034】
流量制御弁300がオフ状態に切り替えられると、ステップS220が実行される。
【0035】
ステップS220において、制御モジュール120は、超音波流量検出モジュール110に補正信号を送信することで、超音波流量検出モジュール110の流量値をゼロにする。流量値がゼロにされた後、超音波流量検出モジュール110は、継続的に流量信号を検出し、流量値を算出する。
【0036】
ステップS230において、制御モジュール120は、超音波流量検出モジュール110がゼロにされる前に検出した第1流量信号及びゼロにされた後に検出した第2流量信号を取得する。
【0037】
一実施形態において、超音波流量検出モジュール110が管路400の上流位置に配置される場合、液体漏洩条件は、第1流量信号及び第2流量信号の信号差が閾値より大きいことである。
【0038】
ステップS242に、制御モジュール120は、時系列に基づいて第1流量信号と第2流量信号とを比較して信号差を取得する。
【0039】
一実施形態において、超音波式流量制御装置は、時間差法を用いて流量値を算出し、超音波流量検出モジュール110は、信号送信機と信号受信機とを含む。一実施形態において、第1流量信号及び第2流量信号は、それぞれ第1の時点及び第2の時点で信号受信機によって受信された信号である。
【0040】
一実施形態において、超音波式流量制御装置は、ドップラー法を用いて流量値を算出し、超音波流量検出モジュール110は、センサを含む。一実施形態において、第1流量信号及び第2流量信号は、それぞれ第1の時点及び第2時点でセンサによって受信された信号であり、第2の時点は第1の時点の後にある。
【0041】
一実施形態において、超音波流量検出モジュール110は、第1の時点と第2の時点との間の時点で補正信号を受信する。
【0042】
一実施形態において、制御モジュール120は、同一の信号サンプリング点に基づいて第1流量信号及び第2流量信号の信号値を比較し、かつ同一の信号サンプリング点における2つの信号値の差を算出することによって信号差を取得する。
【0043】
ステップS244において、制御モジュール120は、信号差が閾値より大きいか否かを判断する。一実施形態において、超音波流量検出モジュール110が上流側に配置されているので、流量制御弁300がオフ状態である場合、液体は管路400の上流側(図1における流量制御弁300の左側)に溜まる。つまり、液体漏洩が発生していない場合、管路400の上流側は液体で満たされることになる。
【0044】
ステップS244において、信号差が閾値より大きい場合には、管路400で液体漏洩事件が発生したことになる。液体漏洩の発生原因としては、管路400の上流側の破損や流量制御弁300の故障等が考えられる。
【0045】
ステップS250において、制御モジュール120は、液体漏洩事件が発生したと判定し、漏洩警告信号を生成する。
【0046】
なお、ステップS210、S220、S230、及びS250については説明したため、ここでは省略する。
【0047】
図5は、本発明の別の実施形態に係る液体漏洩検出方法のフローチャートである。液体漏洩検出方法は、図2の超音波式流量制御装置(すなわち、超音波流量検出モジュール110が管路400の下流位置に配置される超音波式流量制御装置)によって実行することができる。
【0048】
ステップS210において、超音波流量検出モジュール110は、管路400を流れる管路400内の液体の流量値を算出する。
【0049】
ステップS212において、制御モジュール120は、流量制御弁300の状態がオフ状態に切り替わったか否かを判断する。流量制御弁300がオン状態に切り替えられると、管路400の上流から下流まで液体をスムーズに流れることができる。流量制御弁300がオン状態に切り替えられると、ステップS214が実行される。流量制御弁300がオフ状態に切り替えられると、ステップS220が実行される。
【0050】
ステップS214において、超音波流量検出モジュール110は、管路400を流れる液体の流量値を連続的に算出する。
【0051】
ステップS220において、制御モジュール120は、超音波流量検出モジュール110に補正信号を送信することで、超音波流量検出モジュール110の流量値をゼロにする。
【0052】
ステップS230において、制御モジュール120は、超音波流量検出モジュール110がゼロにされる前に検出した第1流量信号及びゼロにされた後に検出した第2流量信号を取得する。
【0053】
一実施形態において、超音波流量検出モジュール110が管路400の下流位置に配置される場合、液体漏洩条件は、第2流量信号がゼロでないことである。
【0054】
ステップS248において、制御モジュール120は、第2流量信号がゼロでないか否かを判断する。第2流量信号がゼロでない場合、ステップS250が実行される。
【0055】
液体漏洩が発生していない場合、流量制御弁300がオフ状態に切り替えられると、管路400の下流側の管路は空になる。このとき、超音波式流量制御装置は、信号を検出することができない。言い換えれば、液体漏洩がない場合、第2流量信号はゼロのままである。
【0056】
第2流量信号がゼロでない場合は、管路400内に液体の流れがあり、超音波流量検出モジュール110がその流れを検出することを意味する。
【0057】
ステップS250において、制御モジュール120は、液体漏洩事件が発生したと判定し、漏洩警告信号を生成する。
【0058】
一実施形態において、流量制御弁300は、水道止水栓、水道メータスイッチ、水道施設に用いるスイッチ等であってもよい。
【0059】
一実施形態において、超音波式流量制御装置は、管路400に配置される超音波式流量制御装置の位置を記録する位置情報(例えば、アドレス又は配管コード等)を有する。超音波式流量制御装置は、液体漏洩が発生したと判定した後、電子装置に位置情報を送信して使用者に知らせることができる。
【0060】
一実施形態において、電子装置は、複数の超音波式流量制御装置を通信接続し、グラフィカルユーザインタフェースを介して地図を提示することができる。液体漏洩が発生した場所を地図上に表示することで、メンテナンスの管理や手配を容易に行うことができる。
【0061】
以上をまとめると、本発明に係る超音波式流量制御装置及び超音波式流量制御装置に適用される液体漏洩検出方法によれば、管路に液体漏洩の有無を迅速に検出でき、液体漏洩の位置を直接知ることができる。その結果、使用者が液体漏洩の可能性がある場所のトラブルシューティングが不要となり、メンテナンスの効率を向上させることができる。
【0062】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもなく、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の全ての範囲は以下の特許請求の範囲に基づくものであり、本発明の特許請求の範囲に合致する精神とその類似の変形例は、本発明の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0063】
110 超音波流量検出モジュール
120 制御モジュール
300 流量制御弁
400 管路
図1
図2
図3
図4
図5