(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20241018BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20241018BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q30/04
G06Q30/0601 310
(21)【出願番号】P 2023104132
(22)【出願日】2023-06-26
【審査請求日】2023-12-11
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 顕範
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-025726(JP,A)
【文献】特開2012-098878(JP,A)
【文献】特開2000-141809(JP,A)
【文献】特開2020-104496(JP,A)
【文献】国際公開第2005/062220(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、ユーザに係る商取引の管理を行うためのプログラムであって、
前記メモリは、前記ユーザに関するデータと、前記商取引の管理において必要となる、
複数のユー
ザが過去の取引で使用したテンプレートデータとを記憶し、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記ユーザから、前記ユーザに係る前記商取引に関する取引データの入力を受け付けるステップと、
前記ユーザに関するデータと、前記受け付けた取引データとに基づき、前記記憶されている
複数のユー
ザが過去の取引で使用したテンプレートデータのうちの1または複数を、前記受け付けた取引データに係る前記商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出するステップと、
前記抽出したテンプレートデータを、前記ユーザへ提示するステップと、
前記ユーザから、前記提示したテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付けるステップと、
前記ユーザが選択したテンプレートデータを、前記受け付けた取引データに係る前記商取引の管理に使用するテンプレートデータとして
共有可能に登録するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記メモリは、前記商取引の管理において必要となるテンプレートデータに、任意のワードからなるタグデータを紐づけて記憶し、
前記記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を抽出するステップにおいて、前記ユーザに関するデータと、前記受け付けた取引データとに基づいて前記タグデータを検索し、前記商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記メモリは、前記ユーザの属性データを前記ユーザに関するデータとして記憶し、
前記取引データを受け付けるステップにおいて、前記商取引の相手方の属性データを受け付け、
前記記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を抽出するステップにおいて、前記ユーザの属性データと、前記商取引の相手方の属性データとに基づいて前記タグデータを検索し、前記商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記取引データを受け付けるステップにおいて、前記商取引の対象となる商品またはサービスに関する取引対象データを受け付け、
前記記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を抽出するステップにおいて、前記取引対象データに基づいて前記タグデータを検索し、前記商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出する、請求項2または請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、さらに、
前記登録された前記商取引の管理に使用するテンプレートデータに基づき、前記ユーザが前記取引データに係る前記商取引に使用する帳票の帳票データを生成するステップと、
前記生成した帳票データを、前記受け付けた取引データに係る前記商取引に使用する帳票データとして登録するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
制御部と、メモリとを備え、ユーザに係る商取引の管理を行う情報処理装置であって、
前記メモリは、前記ユーザに関するデータと、前記商取引の管理において必要となる、
複数のユー
ザが過去の取引で使用したテンプレートデータとを記憶し、
前記制御部は、
前記ユーザから、前記ユーザに係る前記商取引に関する取引データの入力を受け付けるステップと、
前記ユーザに関するデータと、前記受け付けた取引データとに基づき、前記記憶されている
複数のユー
ザが過去の取引で使用したテンプレートデータのうちの1または複数を、前記受け付けた取引データに係る前記商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出するステップと、
前記抽出したテンプレートデータを、前記ユーザへ提示するステップと、
前記ユーザから、前記提示したテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付けるステップと、
前記ユーザが選択したテンプレートデータを、前記受け付けた取引データに係る前記商取引の管理に使用するテンプレートデータとして
共有可能に登録するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項7】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行され、ユーザに係る商取引の管理を行うための方法であって、
前記メモリは、前記ユーザに関するデータと、前記商取引の管理において必要となる、
複数のユー
ザが過去の取引で使用したテンプレートデータとを記憶し、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記ユーザから、前記ユーザに係る前記商取引に関する取引データの入力を受け付けるステップと、
前記ユーザに関するデータと、前記受け付けた取引データとに基づき、前記記憶されている
複数のユー
ザが過去の取引で使用したテンプレートデータのうちの1または複数を、前記受け付けた取引データに係る前記商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出するステップと、
前記抽出したテンプレートデータを、前記ユーザへ提示するステップと、
前記ユーザから、前記提示したテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付けるステップと、
前記ユーザが選択したテンプレートデータを、前記受け付けた取引データに係る前記商取引の管理に使用するテンプレートデータとして
共有可能に登録するステップと、を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージソフト(統合基幹業務システムと呼ばれることが多く、多くはクラウド型サービスとして提供される)として、見込・引合管理から見積・受注・売上・請求・債権管理まで、販売業務全体を管理する販売管理システムがあり、その中でワークフロー管理機能、帳票管理機能も備えている。
【0003】
上述した技術に関連する技術として、特許文献1に開示された技術がある。
【0004】
特許文献1には、各種取引にて使用される帳票レイアウトの情報を保持しており、ユーザの操作により容易に帳票レイアウトを変更可能とする、電子調達システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、各種取引にて使用される帳票、例えば請求書のような帳票類についての帳票データをはじめとする商取引に使用されるテンプレートデータについて、適切なものを選択するのが望ましい。例えば、ユーザの業種や取引先の企業規模によっては見積、発注等の手順が異なる場合もあり、自己の業種、取引先の企業規模等に最適化されたテンプレートデータを使用したい、というニーズがあった。
【0007】
そこで、本開示では、自己の業種、取引先の企業規模等に最適化されたテンプレートデータを簡便に選択し、使用することを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、ユーザに係る商取引の管理を行うためのプログラムであって、メモリは、ユーザに関するデータと、商取引の管理において必要となるテンプレートデータとを記憶し、プログラムは、プロセッサに、ユーザから、ユーザに係る商取引に関する取引データの入力を受け付けるステップと、ユーザに関するデータと、受け付けた取引データとに基づき、記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出するステップと、抽出したテンプレートデータを、ユーザへ提示するステップと、ユーザから、提示したテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付けるステップと、ユーザが選択したテンプレートデータを、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして登録するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、商取引の管理において必要となるテンプレートデータを、ユーザに関するデータとユーザから受け付けた取引データとに基づいて提示し、ユーザから選択を受け付けて当該取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして登録する。これにより、自己の業種、取引先の企業規模等に最適化されたテンプレートデータを簡便に選択し、使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示で使用するテンプレートデータの一例である、帳票データの例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る販売管理システム1の全体構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】
図2のサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4のテンプレートデータベース2021のデータ構造の例を示す図である。
【
図6】
図4の取引データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【
図7】販売管理システム1によるテンプレートデータ選択処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】販売管理システム1によるテンプレート編集データ送信処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】端末装置10に表示する、公開されたテンプレートデータの画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。以下の説明では、同一の構成には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
<概要>
以下、本開示に係る販売管理システムについて説明する。本開示に係る販売管理システムは、法人または個人事業主が、他の事業者との間で行う取引についての各種情報である取引データを管理するためのシステムである。事業者である企業や個人事業主の間で、商品、サービス等についての取引を行う場合、見積、発注、受注、納品、請求等の手順を経ることが多く、これらの手順ごとに見積書、発注書等の帳票を発行して取引処理を行う必要がある。本開示に係る販売管理システムは、見積、発注等の手順を管理し、それぞれの手順ごとに必要な帳票発行を支援するサービスを提供するためのシステムである。本開示に係る販売管理システムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムである。
【0013】
また、本開示に係る販売管理システムは、ユーザの取引データを管理し、会計処理のサービスを提供している。ユーザに対して提供される会計処理のサービスとは、仕入、売上、借入のような入出金の取引を管理することであり、取引を帳簿(仕訳帳、総勘定元帳)に記録(記帳)し、所定の決算期に決算処理として試算表を作成し、財務諸表である損益計算書や貸借対照表を作成している。
【0014】
さらに、本開示に係る販売管理システムは、ユーザの取引データの管理において必要となるテンプレートデータを記憶して管理している。テンプレートデータとは、取引データの管理上必要となる各種情報を、ユーザの業種、事業規模等に応じて模範となる各種データをテンプレートとして管理するデータ群であり、例えば、見積、発注等の手順を示すワークフローデータ、見積書、発注書等の帳票レイアウトデータを含む。
【0015】
図1は、本開示で使用するテンプレートデータの一例である、帳票データの例を示す図である。本開示に係る販売管理システムが記憶する帳票データは、
図1に例として示す、請求書P1の画像データである。請求書P1は、ユーザの取引で使用される請求書を作成するためのテンプレートデータであり、請求書発行年月日、請求先会社名、請求元会社名、件名、品目、数量、金額等が記載されている。
【0016】
ところで、上記のように、各種取引にて使用される請求書P1のような帳票類をはじめとする、商取引に使用されるテンプレートデータは、ユーザの業種や取引先の企業規模によっては見積、発注等の手順が異なる場合もあり、変更する必要がある。そのため、自己の業種、取引先の企業規模等に最適化されたテンプレートデータを使用したい、というニーズがあった。
【0017】
そこで、本開示に係る販売管理システムは、商取引の管理において必要となるテンプレートデータを記憶して管理する。また、ユーザから商取引に関する取引データの入力を受け付け、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータを、ユーザに関するデータとユーザから受け付けた取引データとに基づいて提示し、ユーザから選択を受け付けて当該取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして登録する。
【0018】
上記のような構成により、テンプレートデータを、ユーザに関するデータ(ユーザの所属企業、業種等)と取引データ(取引先の所属企業、業種、企業規模等)とに基づいて提示するので、自己の業種、取引先の企業規模等に最適化されたテンプレートデータを簡便に選択することが可能になる。これにより、販売管理システムにおいて、顧客に対する利便性及び満足度の向上につなげることを可能にしている。
【0019】
<実施の形態1>
以下、販売管理システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0020】
<1 販売管理システム1の全体構成>
図2は、実施の形態1に係る販売管理システム1の全体構成を示すブロック図である。
図2に示すように、販売管理システム1は、複数の端末装置(
図2では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)であり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。なお、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0021】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用して販売管理システム1の機能である取引データを管理し、テンプレートデータの閲覧、選択、編集を行う者であり、例えば事業者である企業の従業員、または個人事業主等である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0022】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。
図2に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0023】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0024】
サーバ20は、販売管理システム1の機能である、商取引の管理において必要となるテンプレートデータを記憶して管理する装置である。サーバ20は、ユーザから商取引に関する取引データの入力を受け付け、テンプレートデータに対する編集入力を受け付ける。また、サーバ20は、ユーザが編集したテンプレートデータを、その取引データに係るテンプレートデータとして記憶させ、他のユーザが閲覧可能な状態で公開する。
【0025】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0026】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0027】
<1.1 端末装置10の構成>
図3は、
図2の端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、カメラ160と、記憶部170と、制御部180とを含む。端末装置10は、
図3では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。
図3に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
図3に示す端末装置10は、移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末として説明するが、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよい。
【0028】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0029】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0030】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0031】
操作受付部130は、制御部180の制御に応じて、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0032】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部180へ出力する。
【0033】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部180へ出力する。
【0034】
音声処理部140は、制御部180の制御に応じて、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部180へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0035】
ディスプレイ150は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0036】
カメラ160は、制御部180の制御に応じて、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置により構成されてもよい。
【0037】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15及び記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170は、ユーザ情報171を記憶する。
【0038】
ユーザ情報171は、端末装置10を使用して、販売管理システム1の機能である取引データを管理し、テンプレートデータの閲覧、選択、編集を行うユーザに関するデータである。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、事業者または担当者の氏名または名称等の情報(ユーザの属性データ)が含まれる。
【0039】
制御部180は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10の記憶部170に格納され、インストールされているアプリケーションである図示しないプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部181と、送受信部182と、通知制御部183と、データ処理部184としての機能を発揮する。
【0040】
入力操作受付部181は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0041】
送受信部182は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0042】
通知制御部183は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部183は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0043】
データ処理部184は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0044】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図4は、
図2のサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0045】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0046】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26から構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、テンプレートデータベース2021と、取引データベース2022等を記憶する。
【0047】
テンプレートデータベース2021は、販売管理システム1の管理対象である、ユーザの取引データの管理において必要となるテンプレートデータを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0048】
テンプレートデータとは、取引データの管理上必要となる各種情報を、ユーザの業種、事業規模等に応じて模範となる各種データをテンプレートとして管理するデータ群であり、例えば、見積、発注等の手順を示すワークフローデータ、見積書、発注書等の帳票レイアウトデータを含むものである。テンプレートデータを構成するファイルのデータ形式には、特段の限定はなく、PDF(Portable Document Format)、Word、XML(eXtensible Markup Language)形式などデータの配置位置等を記述しうるデータ形式であれば既知のものが好適に適用可能である。
【0049】
また、テンプレートデータベース2021は、販売管理システム1の管理対象である、ユーザの取引データの管理において必要となるテンプレートデータに、任意のワードからなるタグデータを紐づけて記憶する。タグデータの任意のワードは、ユーザ情報171から取得したユーザの属性データでもよく、商取引の対象となる商品またはサービスに関する取引対象データであってもよい。詳細は後述する。
【0050】
取引データベース2022は、販売管理システム1のユーザによる、各種物品等の仕入、販売に係る売上、各種支払等の取引に関するデータ(取引データ)、具体的にはユーザである事業者における入出金に関する情報を保持するためのデータベースである。なお、取引データベース2022には、ユーザ情報171のユーザに関するデータが格納されてもよい。詳細は後述する。
【0051】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、取引データ受付モジュール2033、テンプレート抽出モジュール2034、ユーザ提示モジュール2035、テンプレート選択受付モジュール2036、テンプレート編集受付モジュール2037、及びテンプレート公開モジュール2038に示す機能を発揮する。
【0052】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0053】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0054】
取引データ受付モジュール2033は、事業者である企業の従業員、または個人事業主等であるユーザから、商取引に関する取引データの入力を受け付ける処理を制御する。取引データ受付モジュール2033が受け付ける取引データは、例えば、他の事業者との間で行う取引についての各種情報、具体的には発注者、受注者、購入者等の当該取引に関係する主体に関する情報、案件の内容に関する情報、納期、金額等の情報である。また、取引データは、納品物や成果物が報告書や設計書のように電子情報として管理可能なものである場合は、納品物や成果物が含まれてもよい。なお、取引に関係する主体は、発注者、受注者、購入者等の当該取引に関係する主体であればよく、法人でも個人でもよい。
【0055】
例えば、端末装置10は、入力操作受付部181による処理で、ユーザから取引データの入力を受け付ける。ユーザが取引データを入力すると、端末装置10は、送受信部182を介して、ユーザにより選択されたテンプレートデータの情報を送信する。取引データ受付モジュール2033は、通信部201を介して、ユーザにより入力された取引データを受信して受け付ける。
【0056】
取引データ受付モジュール2033が受け付ける取引データは、取引における各手順、具体的には見積、発注、受注、納品、請求等の手順の期限の情報を含んでもよい。
【0057】
取引データ受付モジュール2033は、受け付けた取引データを、取引データベース2022に格納して記憶させる。
【0058】
テンプレート抽出モジュール2034は、ユーザ情報171(ユーザに関するデータ)と、取引データ受付モジュール2033が受け付けた取引データに基づき、テンプレートデータベース2021に格納されているテンプレートデータのうちの1または複数を、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出する処理を制御する。テンプレート抽出モジュール2034が抽出するテンプレートデータは、例えば、見積、発注等の手順を示すワークフローデータ、見積書、発注書等の帳票レイアウトデータであり、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして使用するものである。
【0059】
テンプレート抽出モジュール2034は、例えば、ユーザの属性データに基づき、テンプレートデータベース2021を検索し、当該ユーザが過去の取引で(編集して)使用したテンプレートデータや、取引主体の業種、取引内容、企業規模等が類似するユーザが編集したテンプレートデータを、当該取引データに使用するために推奨されるテンプレートデータとして抽出する。
【0060】
また、テンプレート抽出モジュール2034は、例えば、取引データに含まれる当該取引に関係する主体に関する情報(商取引の相手方の属性データ)、案件の内容に関する情報に基づき、テンプレートデータベース2021を検索し、当該ユーザまたは他のユーザが過去の取引で(編集して)使用したテンプレートデータや、取引主体の業種、取引内容、企業規模等が類似するユーザが編集したテンプレートデータを、当該取引データに使用するために推奨されるテンプレートデータとして抽出する。
【0061】
このとき、テンプレート抽出モジュール2034は、例えば、任意のワードからなるタグデータに基づいてテンプレートデータベース2021を検索してもよい。任意のワードからなるタグデータは、例えば、ユーザの属性データに関するもの、商取引の対象となる商品またはサービスに関する取引対象データに関するものを含む。
【0062】
ユーザ提示モジュール2035は、テンプレート抽出モジュール2034が抽出したテンプレートデータを、取引データ受付モジュール2033が受け付けた取引データに係るユーザへ提示する処理を制御する。ユーザ提示モジュール2035は、通信部201を介して、テンプレートデータを端末装置10へ送信する。端末装置10は、送受信部182を介して、テンプレートデータを受信し、通知制御部183による処理でテンプレートデータをディスプレイ150に表示させて、当該取引データに係るユーザに提示する。
【0063】
テンプレート選択受付モジュール2036は、取引データ受付モジュール2033が受け付けた取引データに係るユーザから、ユーザ提示モジュール2035が提示したテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付ける処理を制御する。例えば、端末装置10は、入力操作受付部181による処理で、当該取引データに係るユーザからテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付ける。このとき、ユーザは、取引相手の業種、取引内容、企業規模等に応じて、または好みにより、自己の取引に使用するテンプレートデータを選択する。
【0064】
ユーザがテンプレートデータのうちの1を選択すると、端末装置10は、送受信部182を介して、ユーザにより選択されたテンプレートデータの情報を送信する。テンプレート選択受付モジュール2036は、通信部201を介して、ユーザにより選択されたテンプレートデータの情報を受信して受け付ける。
【0065】
テンプレート選択受付モジュール2036は、ユーザにより選択されたテンプレートデータを、当該取引データに使用するテンプレートデータとして、取引データベース2022に格納して記憶させる。
【0066】
テンプレート編集受付モジュール2037は、テンプレート選択受付モジュール2036が受け付けた、ユーザにより選択されたテンプレートデータに対する編集入力を受け付ける処理を制御する。このとき、ユーザは、選択されたテンプレートデータが端末装置10のディスプレイ150に表示された状態で、端末装置10に対して編集入力を行うので、端末装置10は、入力操作受付部181による処理で、テンプレートデータに対する編集入力を受け付ける。端末装置10は、送受信部182を介して、ユーザによるテンプレートデータに対する編集入力の情報を送信する。テンプレート編集受付モジュール2037は、通信部201を介して、ユーザによるテンプレートデータに対する編集入力の情報を受信して受け付ける。
【0067】
ユーザは、例えば、ユーザにより選択されたテンプレートデータに対して、取引相手の会社名、住所、担当者氏名、取引内容を適用するための編集入力を行う。テンプレート編集受付モジュール2037は、テンプレートデータに対するこのような編集入力を受け付ける。
【0068】
また、ユーザは、例えば、ユーザにより選択されたテンプレートデータに対して、当該テンプレートデータのフォントや文字の大きさと異なるものにする、会社名、品目のような各記載項目の配置や色彩を変える、等のような帳票類のレイアウトを変更するための編集入力を行う。テンプレート編集受付モジュール2037は、テンプレートデータに対するこのような編集入力を受け付ける。
【0069】
また、テンプレート編集受付モジュール2037は、編集入力を受け付けたテンプレートデータを、取引データ受付モジュール2033が受け付けた取引データに係るテンプレートデータとして記憶させる処理を制御する。テンプレート編集受付モジュール2037は、編集入力を受け付けたテンプレートデータを、取引データベース2022に格納して記憶させる。このとき、テンプレート編集受付モジュール2037は、取引データベース2022に格納されている取引データに紐づけて記憶させる。
【0070】
さらに、テンプレート編集受付モジュール2037は、編集入力を受け付けたテンプレートデータを、新たなテンプレートデータとしてテンプレートデータベース2021に記憶させる処理を制御する。このとき、テンプレート編集受付モジュール2037は、編集入力を受け付けたテンプレートデータを、当該ユーザの属性データに紐づけて、例えば当該ユーザの属性データをタグデータとして紐づけて、新たなテンプレートデータとしてテンプレートデータベース2021に格納して記憶させてもよい。なお、当該ユーザの属性データは、端末装置10のユーザ情報171から取得してもよい。
【0071】
また、テンプレート編集受付モジュール2037は、編集入力を受け付けたテンプレートデータを、商取引の対象となる商品またはサービスに関する取引対象データに紐づけて、新たなテンプレートデータとしてテンプレートデータベース2021に格納して記憶させてもよい。具体的には、テンプレート編集受付モジュール2037は、テンプレートデータを、当該取引データに含まれる当該取引に関係する主体に関する情報、案件の内容に関する情報に紐づけて、新たなテンプレートデータとしてテンプレートデータベース2021に格納して記憶させる。
【0072】
テンプレート公開モジュール2038は、テンプレート編集受付モジュール2037がテンプレートデータベース2021に記憶させたテンプレートデータを、他のユーザが閲覧可能な状態で公開する処理を制御する。テンプレート公開モジュール2038は、例えば、Webサービスとして提供されている販売管理システム1の会員であるユーザのみが参照可能なように公開してもよく、会員ではない一般ユーザのみが参照可能なように公開してもよい。さらに、テンプレート公開モジュール2038は、販売管理システム1の会員のうち、特定のサービスの提供を受けるための一部の会員、例えば有料会員、特定のコースの会員であるユーザのみが参照可能なように公開してもよい。
【0073】
なお、制御部203の機能として、テンプレート選択受付モジュール2036により記憶されて登録されたテンプレートデータに基づき、ユーザが取引データに係る商取引に使用する帳票の帳票データを生成する機能と、生成した帳票データを、当該取引データに係る商取引に使用する帳票データとして登録する機能と、を備えてもよい。
【0074】
<2 データ構造>
以下、
図5及び
図6を参照しながら、販売管理システム1により参照されるデータ構造について説明する。
図5は、
図4のテンプレートデータベース2021のデータ構造の例を示す図である。また、
図6は、
図4の取引データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
【0075】
図5に示すように、テンプレートデータベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名称」と、項目「テンプレートデータ詳細」等を含む。
【0076】
項目「ユーザID」は、販売管理システム1の機能である取引データを管理し、テンプレートデータの閲覧、選択、編集を行うユーザそれぞれを識別する情報である。
【0077】
項目「ユーザ名称」は、販売管理システム1のユーザの氏名または名称を示す情報であり、例えば、法人名称や担当者の氏名、個人事業主の個人氏名が格納されている。
【0078】
項目「テンプレートデータ詳細」は、販売管理システム1にて管理するテンプレートデータに関する管理情報であり、具体的には、項目「テンプレートデータID」と、項目「テンプレートデータ」と、項目「備考」等を含む。この項目「テンプレートデータ詳細」は、取引データの管理上必要となる各種情報を管理するデータ群であり、商取引に関する取引データの模範となるデータである。
【0079】
項目「テンプレートデータID」は、販売管理システム1にて管理するテンプレートデータそれぞれを識別する情報である。
【0080】
項目「テンプレートデータ」は、販売管理システム1の管理対象となる、取引データの管理上必要となる各種情報を管理するデータ群であり、例えば、XML形式などのデータの配置位置等を記述しうるデータ形式で格納されている。
【0081】
項目「備考」は、販売管理システム1にて管理するテンプレートデータについての補足情報であり、
図5に示す例では、テンプレートデータが帳票レイアウトデータである場合における帳票の種類、当該帳票レイアウトデータの特徴を示す情報が格納されている。
【0082】
テンプレートデータベース2021に格納されているテンプレートデータは、販売管理システム1の初期データとしてあらかじめ格納されているテンプレートデータと、テンプレート編集受付モジュール2037がユーザにより編集されて受け付けたテンプレートデータとを含む。
【0083】
図6に示すように、取引データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「取引先ID」と、項目「取引先名」と、項目「業種」と、項目「取引詳細情報」等を含む。
【0084】
項目「取引先ID」は、販売管理システム1の管理対象である取引データに含まれる、取引先である事業者それぞれを識別する情報である。
【0085】
項目「取引先名」は、販売管理システム1の管理対象である取引データに含まれる、取引先の名称を示す情報であり、例えば、法人名称や担当者の氏名、個人事業主の個人氏名が格納されている。
【0086】
項目「業種」は、販売管理システム1の管理対象である取引データに含まれる、取引先の業種を示す情報であり、
図6に示す例では、「卸売業」、「販売業」等の業種の名称が格納されている。
【0087】
項目「取引詳細情報」は、販売管理システム1にて管理する取引データに関する管理情報であり、具体的には、項目「日付」と、項目「摘要」と、項目「品目」と、項目「金額」等を含む。この項目「取引詳細情報」は、事業者、担当者等であるユーザが日々の取引について登録した情報であり、例えば、項目「日付」の順に時系列で、最新の情報がレコードとして追加されるように構成されている。
【0088】
項目「日付」は、販売管理システム1にて管理する取引データに係る取引が発生した日付の情報である。
【0089】
項目「摘要」は、販売管理システム1にて管理する取引データに係る取引について、支出(出金)であるか、または収入(入金)であるかを示す情報であり、例えば、支出である場合は「支出」の情報が、収入である場合は「収入」の情報が格納されている。
【0090】
項目「品目」は、販売管理システム1にて管理する取引データに係る取引について、具体的な物品やサービス等の内容を示す情報である。
【0091】
項目「金額」は、販売管理システム1にて管理する取引データに係る取引についての入出金の金額を示す情報である。
【0092】
サーバ20は、ユーザから取引に関する情報を受け付けることに伴って、取引データベース2022の項目「取引詳細情報」にレコードを追加する。
【0093】
<3 動作>
以下、
図7及び
図8を参照しながら、実施の形態1における販売管理システム1による支払データ生成処理、及び支払データ送信処理について説明する。
【0094】
図7は、販売管理システム1によるテンプレートデータ選択処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0095】
ステップS111において、端末装置10の入力操作受付部181は、事業者である企業の従業員、または個人事業主等であるユーザから、商取引に関する取引データを入力する操作を受け付ける。送受信部182は、受け付けた取引データ、及びユーザ情報171をサーバ20へ送信する。
【0096】
ステップS121において、サーバ20の取引データ受付モジュール2033は、ステップS111で送信された取引データ及びユーザ情報171を、通信部201を介して受け付ける。ステップS121で受け付ける取引データは、例えば、他の事業者との間で行う取引についての各種情報、具体的には発注者、受注者、購入者等の当該取引に関係する主体に関する情報、案件の内容に関する情報、納期、金額等の情報である。
【0097】
ステップS122において、サーバ20のテンプレート抽出モジュール2034は、ステップS121で受け付けた取引データに基づき、当該取引データに使用するために推奨されるテンプレートデータを、テンプレートデータベース2021に格納されているテンプレートデータから抽出する。ステップS122では、例えば、取引データに含まれる当該取引に関係する主体に関する情報、案件の内容に関する情報に基づき、テンプレートデータを抽出する。
【0098】
ステップS123において、サーバ20のユーザ提示モジュール2035は、ステップS122で抽出したテンプレートデータを、ステップS121で受け付けた取引データに係るユーザへ提示するため、端末装置10へ通信部201を介して送信する。
【0099】
ステップS113において、ステップS121で受け付けた取引データに係るユーザの端末装置10の送受信部182は、サーバ20から送信されたテンプレートデータを受け付ける。通知制御部183は、受け付けたテンプレートデータを、ディスプレイ150に表示させる。
【0100】
ステップS114において、端末装置10の入力操作受付部181は、ステップS113でディスプレイ150に表示させたテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付ける。このとき、ユーザは、取引相手の業種、取引内容、企業規模等に応じて、または好みにより、自己の取引に使用するテンプレートデータを選択する。送受信部182は、受け付けたテンプレートデータの選択情報をサーバ20へ送信する。
【0101】
ステップS124において、サーバ20のテンプレート選択受付モジュール2036は、ステップS114で送信された、ユーザにより選択されたテンプレートデータを、通信部201を介して受け付ける。また、テンプレート選択受付モジュール2036は、ユーザにより選択されたテンプレートデータを、取引データベース2022に格納して記憶させることにより登録する。
【0102】
以上のように、販売管理システム1では、ユーザから、商取引に関する取引データの入力を受け付けると、当該取引データに基づき、当該取引データに使用するために推奨されるテンプレートデータを抽出し、ユーザへ提示する。そして、ユーザから、提示されたテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付けると、当該取引データに使用するテンプレートデータとして登録する。そのため、ユーザの業種、取引先の企業規模等に最適化されたテンプレートデータを簡便に選択することが可能になる。これにより、販売管理システムにおいて、顧客に対する利便性及び満足度の向上につなげることが可能になる。
【0103】
図8は、販売管理システム1によるテンプレート編集データ送信処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0104】
ステップS211において、端末装置10の入力操作受付部181は、ステップS113でディスプレイ150に表示させたテンプレートデータに対する編集入力を受け付ける。このとき、ユーザは、選択されたテンプレートデータが端末装置10のディスプレイ150に表示された状態で、端末装置10に対して、取引相手の会社名、住所、担当者氏名、取引内容を適用するための編集入力や、テンプレートデータの例である帳票類のレイアウトを変更する編集入力を行う。送受信部182は、受け付けたテンプレートデータに対する編集入力の情報をサーバ20へ送信する。
【0105】
ステップS221において、サーバ20のテンプレート編集受付モジュール2037は、ステップS211で送信された、ユーザにより編集されたテンプレートデータに対する編集入力の情報を、通信部201を介して受け付ける。また、テンプレート編集受付モジュール2037は、編集入力を受け付けたテンプレートデータを、当該取引データに係るテンプレートデータとして取引データベース2022に格納して記憶させる。さらに、テンプレート編集受付モジュール2037は、編集入力を受け付けたテンプレートデータを、新たなテンプレートデータとしてテンプレートデータベース2021に格納して記憶させる。
【0106】
ステップS222において、サーバ20のテンプレート編集受付モジュール2037は、ステップS221で記憶されたテンプレートデータを、他のユーザが閲覧可能な状態で公開する。
【0107】
以上のように、販売管理システム1では、ユーザにより選択されたテンプレートデータに対する編集入力を当該ユーザから受け付け、当該取引データに係るテンプレートデータとして登録するとともに、新たなテンプレートデータとして登録する。そして、新たなテンプレートデータとして登録したテンプレートデータを、他のユーザが閲覧可能な状態で公開する。そのため、ユーザのデザイン性を発揮したテンプレートデータを他のユーザと共有することができる。これにより、顧客に対する利便性及び満足度の向上につなげることが可能になる。
【0108】
<4 画面例>
以下、
図9を参照しながら、販売管理システム1により公開されたテンプレートデータの画面例について説明する。
【0109】
図9は、端末装置10に表示する、公開されたテンプレートデータの画面例を示す図である。
図9の画面例は、ユーザ提示モジュール2035により、抽出されたテンプレートデータがディスプレイ150に表示された状態の画面例を示す。
図7のステップS123に相当する。
【0110】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、ウィンドウ1031が表示されている。このウィンドウ1031には、テンプレートデータベース2021に格納され、他のユーザが閲覧可能な状態で公開されているテンプレートデータ表示画面1031aが表示されている。
図10に示す例では、テンプレートデータ表示画面1031aには、ユーザの法人名称等がユーザ表示欄1031bに表示され、当該ユーザが編集したテンプレートデータの種類がカテゴリ表示欄1031cに表示され、当該ユーザが編集したテンプレートデータがデータ表示欄1031dに表示されている。また、データ表示欄1031dの右側には、当該テンプレートデータの内容等を示す説明欄1031eが表示されている。
【0111】
他のユーザは、テンプレートデータ表示画面1031aに表示されている、ユーザ表示欄1031b、カテゴリ表示欄1031c、及び説明欄1031eを参照することによりデータ表示欄1031dのテンプレートデータがどのようなものであるかを把握することが可能である。そして、データ表示欄1031dを開くことにより、当該テンプレートデータの詳細な内容を把握することが可能である。その上で、ユーザは、自己の取引データに使用するテンプレートデータとして使用可能か判断することが可能になる。
【0112】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、ユーザから、商取引に関する取引データの入力を受け付けると、当該取引データに基づき、当該取引データに使用するために推奨されるテンプレートデータを抽出し、ユーザへ提示する。そして、ユーザから、提示されたテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付けると、当該取引データに使用するテンプレートデータとして登録する。そのため、ユーザの業種、取引先の企業規模等に最適化されたテンプレートデータを簡便に選択すること可能になる。これにより、販売管理システムにおいて、顧客に対する利便性及び満足度の向上につなげることが可能になる。
【0113】
また、本実施形態によると、ユーザにより選択されたテンプレートデータに対する編集入力を当該ユーザから受け付け、当該取引データに係るテンプレートデータとして登録するとともに、新たなテンプレートデータとして登録する。そして、新たなテンプレートデータとして登録したテンプレートデータを、他のユーザが閲覧可能な状態で公開する。そのため、ユーザのデザイン性を発揮したテンプレートデータを他のユーザと共有することができる。これにより、顧客に対する利便性及び満足度の向上につなげることが可能になる。
【0114】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0115】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0116】
(付記1)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、メモリ25は、ユーザに関するデータ(171)と、商取引の管理において必要となるテンプレートデータ(2021)とを記憶し、プログラムは、プロセッサ29に、ユーザから、ユーザに係る商取引に関する取引データの入力を受け付けるステップ(S121)と、ユーザに関するデータと、受け付けた取引データとに基づき、記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出するステップ(S122)と、抽出したテンプレートデータを、ユーザへ提示するステップ(S123)と、ユーザから、提示したテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付けるステップ(S124)と、ユーザが選択したテンプレートデータを、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして登録するステップ(S124)と、を実行させる、プログラム。
【0117】
(付記2)メモリは、商取引の管理において必要となるテンプレートデータに、任意のワードからなるタグデータを紐づけて記憶し、記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を抽出するステップにおいて、ユーザに関するデータと、受け付けた取引データとに基づいてタグデータを検索し、商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出する、(付記1)に記載のプログラム。
【0118】
(付記3)メモリは、ユーザの属性データをユーザに関するデータとして記憶し、取引データを受け付けるステップにおいて、商取引の相手方の属性データを受け付け、記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を抽出するステップにおいて、ユーザの属性データと、商取引の相手方の属性データとに基づいてタグデータを検索し、商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出する、(付記1)に記載のプログラム。
【0119】
(付記4)取引データを受け付けるステップにおいて、商取引の対象となる商品またはサービスに関する取引対象データを受け付け、記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を抽出するステップにおいて、取引対象データに基づいてタグデータを検索し、商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出する、(付記2)または(付記3)に記載のプログラム。
【0120】
(付記5)プログラムは、さらに、登録された商取引の管理に使用するテンプレートデータに基づき、ユーザが取引データに係る商取引に使用する帳票の帳票データを生成するステップと、生成した帳票データを、受け付けた取引データに係る商取引に使用する帳票データとして登録するステップと、を実行させる、(付記1)に記載のプログラム。
【0121】
(付記6)制御部203と、メモリ(記憶部202)とを備え、ユーザに係る商取引の管理を行う情報処理装置であって、メモリ(記憶部202)は、ユーザに関するデータ(171)と、商取引の管理において必要となるテンプレートデータ(2021)とを記憶し、制御部203は、ユーザから、ユーザに係る商取引に関する取引データの入力を受け付けるステップ(S121)と、ユーザに関するデータと、受け付けた取引データとに基づき、記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出するステップ(S122)と、抽出したテンプレートデータを、ユーザへ提示するステップ(S123)と、ユーザから、提示したテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付けるステップ(S124)と、ユーザが選択したテンプレートデータを、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして登録するステップ(S124)と、を実行する、情報処理装置。
【0122】
(付記7)プロセッサ29と、メモリ25とを備えるコンピュータにより実行され、ユーザに係る商取引の管理を行うための方法であって、メモリ25は、ユーザに関するデータ(171)と、商取引の管理において必要となるテンプレートデータ(2021)とを記憶し、方法は、プロセッサ29が、ユーザから、ユーザに係る商取引に関する取引データの入力を受け付けるステップ(S121)と、ユーザに関するデータと、受け付けた取引データとに基づき、記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出するステップ(S122)と、抽出したテンプレートデータを、ユーザへ提示するステップ(S123)と、ユーザから、提示したテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付けるステップ(S124)と、ユーザが選択したテンプレートデータを、受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして登録するステップ(S124)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0123】
1 :販売管理システム
10 :端末装置
10A :端末装置
10B :端末装置
13 :入力装置
14 :出力装置
15 :メモリ
16 :記憶部
19 :プロセッサ
20 :サーバ
25 :メモリ
26 :ストレージ
29 :プロセッサ
80 :ネットワーク
81 :無線基地局
82 :無線LANルータ
111 :アンテナ
112 :アンテナ
121 :第1無線通信部
122 :第2無線通信部
130 :操作受付部
131 :キーボード
132 :マウス
140 :音声処理部
141 :マイク
142 :スピーカ
150 :ディスプレイ
160 :カメラ
170 :記憶部
171 :ユーザ情報
180 :制御部
181 :入力操作受付部
182 :送受信部
183 :通知制御部
184 :データ処理部
201 :通信部
202 :記憶部
203 :制御部
1031 :ウィンドウ
1031a :テンプレートデータ表示画面
1031b :ユーザ表示欄
1031c :カテゴリ表示欄
1031d :データ表示欄
1031e :説明欄
2021 :テンプレートデータベース
2022 :取引データベース
2031 :受信制御モジュール
2032 :送信制御モジュール
2033 :取引データ受付モジュール
2034 :テンプレート抽出モジュール
2035 :ユーザ提示モジュール
2036 :テンプレート選択受付モジュール
2037 :テンプレート編集受付モジュール
2038 :テンプレート公開モジュール
【要約】 (修正有)
【課題】自己の業種、取引先の企業規模等に最適化されたテンプレートデータを簡便に選択し使用するプログラム、情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】販売管理システムにおいて、サーバは、ユーザに関するデータと商取引の管理において必要となるテンプレートデータとを記憶し、その機能としてユーザからユーザに係る商取引に関する取引データの入力を受け付け、ユーザに関するデータと受け付けた取引データとに基づき、記憶されているテンプレートデータのうちの1または複数を受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして抽出し、抽出したテンプレートデータをユーザへ提示し、ユーザから、提示したテンプレートデータのうちの1を選択する入力を受け付け、ユーザが選択したテンプレートデータを受け付けた取引データに係る商取引の管理に使用するテンプレートデータとして登録する。
【選択図】
図7