IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

特許7573714管理装置、実装システム及びエラー対処方法
<>
  • 特許-管理装置、実装システム及びエラー対処方法 図1
  • 特許-管理装置、実装システム及びエラー対処方法 図2
  • 特許-管理装置、実装システム及びエラー対処方法 図3
  • 特許-管理装置、実装システム及びエラー対処方法 図4
  • 特許-管理装置、実装システム及びエラー対処方法 図5
  • 特許-管理装置、実装システム及びエラー対処方法 図6
  • 特許-管理装置、実装システム及びエラー対処方法 図7
  • 特許-管理装置、実装システム及びエラー対処方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】管理装置、実装システム及びエラー対処方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20241018BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
G05B19/418 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023206364
(22)【出願日】2023-12-06
(62)【分割の表示】P 2022182739の分割
【原出願日】2017-01-10
(65)【公開番号】P2024037811
(43)【公開日】2024-03-19
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 知克
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-012077(JP,A)
【文献】特開2012-089634(JP,A)
【文献】特開2011-082376(JP,A)
【文献】国際公開第2015/173864(WO,A1)
【文献】特開2015-005212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を実装する実装処理をう実装装置を含む実装システムに用いられ管理装置であって、
前記実装装置がエラー停止したときに当該エラー停止の原因となった前記実装装置のユニットの画像をネットワークを介して受信する通信部と、
前記実装装置のエラー停止に対して作業者による作業が必要であるか否かを確認する画面を表示する管理者用表示部と、を備え
前記管理者用表示部は、前記通信部が受信した前記画像を表示する表示欄と、前記作業者への連絡指示の情報を出力させる連絡キーと、前記作業者への連絡指示の情報を出力させることなく前記実装装置がエラー停止している状態を解除する指令を出力させる再開キーと、を表示する、管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管理装置であって、
前記作業者への連絡指示の情報を出力すること、前記作業者への連絡指示の情報を出力させることなく前記実装装置がエラー停止している状態を解除する指令を出力すること、のいずれかを行う管理制御部、を備えた管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の管理装置と、
基板に部品を実装する実装処理を行う実装装置と、
を備えた実装システム。
【請求項4】
基板に部品を実装する実装処理を行う実装装置を含む実装システムに用いられるエラー対処方法であって、
(a)前記実装装置がエラー停止したときに当該エラー停止の原因となった前記実装装置のユニットの画像をネットワークを介して受信するステップと、
(b)前記画像を含み、前記実装装置のエラー停止に対して作業者による作業が必要であるか否かを確認する画面を表示するステップと、を含み、
前記ステップ(b)では、前記ステップ(a)で受信した前記画像を表示する表示欄と、前記作業者への連絡指示の情報を出力させる連絡キーと、前記作業者への連絡指示の情報を出力させることなく前記実装装置がエラー停止している状態を解除する指令を出力させる再開キーと、を表示する、エラー対処方法。
【請求項5】
請求項4に記載のエラー対処方法であって、
(c)前記作業者への連絡指示の情報を出力すること、前記作業者への連絡指示の情報を出力させることなく前記実装装置がエラー停止している状態を解除する指令を出力すること、のいずれかを行うステップ、を含むエラー対処方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する発明である本開示は、管理装置、実装関連装置及び実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管理装置としては、例えば、予め画像処理エラーとそのエラーの対処方法とを対応付けて記憶しておき、画像処理エラーが発生するとそれに対応する対処方法を選択し、その対処方法で対処する許可を求める画面を表示するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、例えば、部品の吸着位置ずれなどに対して吸着ノズルの低速移動モードを対処方法として有しており、作業者の許可を得たのちに低速移動モードで画像を撮像するなど、対処方法を実装装置の動作に反映させることにより、作業者の作業負担を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-135886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の装置では、エラーの対処方法を実装装置の動作に反映させることによって、作業者の作業負担を低減することができるものとしたが、対処方法を反映させることができないエラーなども存在していた。このようなエラーには、例えば、所定回数カウントすると装置を停止するエラーなどが含まれる。このようなエラーが発生すると、必ずしも作業者の目視確認を要しない場合もあるが、作業者は、実装装置で直接、目視確認することを要していた。実装システムでは、このような作業者が対処しなければならない作業をより低減することが望まれていた。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、実装関連装置で作業者が対処しなければならない作業をより低減することができる管理装置、実装関連装置及び実装システムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する管理装置、実装関連装置及び実装システムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本明細書で開示する管理装置は、
基板に部品を実装する実装処理に関連する実装関連処理を行う実装関連処理部を備えた1以上の実装関連装置を含む実装システムに用いられ、ネットワークを介して前記実装関連装置と情報のやりとりを行う管理装置であって、
使用者への情報を表示する表示部と、
使用者からの指示を入力する入力部と、
前記実装関連装置から前記ネットワークを介して情報を取得する取得部と、
前記実装関連装置へ前記ネットワークを介して情報を出力する出力部と
所定回数カウントすると装置を停止する前記実装関連処理部のエラーに基づいて装置が停止した旨の装置停止情報を前記実装関連装置から前記取得部が取得すると、前記表示部に前記装置停止情報を表示させ、前記入力部から実行再開の指示を入力すると、前記実装関連処理を再開させる再開指令と前記エラーのカウント数のリセット指令とを前記停止中の実装関連装置へ前記出力部から出力させる管理制御部と、
を備えたものである。
【0008】
この管理装置では、所定回数カウントすると装置を停止する実装関連処理部のエラーに基づいて装置が停止した旨の装置停止情報を実装関連装置から取得すると、表示部にその旨の情報を表示させる。使用者が、この表示部の内容を確認したのち、入力部から実行再開の指示を入力すると、管理装置は、実装関連処理を再開させる再開指令とエラーのカウント数のリセット指令とを停止中の実装関連装置へ出力する。このように、この管理装置では、管理装置の使用者の判断によって、実装関連装置の実装関連処理が再開されるから、実装関連装置で作業者が対処しなければならない作業をより低減することができる。ここで、実装関連処理には、部品を基板に実装する実装処理、粘性流体を基板に印刷する印刷処理、基板を搬送する搬送処理、部品及び/又は基板の状態を検査する検査処理のうち1以上が含まれる。また、「所定回数」は、例えば、エラーが偶発的に起こったものではないと判断可能な回数(例えば、3回や5回など)や、生産完了までに不要な遅延が生じると判断できる回数などに経験的に定められるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実装システム10の一例を示す概略説明図。
図2】実装装置15の一例を示す概略説明図。
図3】記憶部53に記憶された情報の一例を表す説明図。
図4】実装処理ルーチンの一例を表すフローチャート。
図5】システム管理処理ルーチンの一例を表すフローチャート。
図6】生産状況表示画面60の一例を示す説明図。
図7】採取位置表示画面70の一例を示す説明図。
図8】処理画像表示画面80の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、実装システム10の一例を示す概略説明図である。図2は、実装装置15の一例を示す概略説明図である。図3は、記憶部53に記憶された生産ライン情報54及び作業者対応情報55の説明図である。実装システム10は、部品Pを基板S(図2参照)に実装する処理に関する実装関連処理を実行する複数の実装ライン11を含む基板の生産ラインとして構成されている。この実装システム10は、例えばLANなどのネットワーク12に接続された実装関連装置と、ネットワーク12に接続され情報を管理する管理コンピュータ(PC)50とを備えている。実装関連装置は、印刷装置13と、印刷検査装置14と、実装装置15と、実装検査装置16と、図示しないリフロー装置及びリフロー検査装置、基板搬送装置などが含まれている。実装システム10は、部品Pを基板S(図2参照)に実装する処理に関する実装関連処理を実行するシステムである。なお、実装関連処理としては、例えば、基板Sに粘性流体であるはんだを印刷する印刷処理、基板Sに部品Pを配置する実装処理、基板Sを加熱するリフロー処理などが含まれる。この実施形態では、説明の便宜のためリフローに関する装置は省略した。
【0011】
実装ライン11には、各装置を担当する作業者Mが割り当てられている。作業者Mは、作業者の情報が記憶されたIDカード17を着用して実装ライン11において各種の作業を行う。実装ライン11では、図示しない読取装置によりIDカード17の情報を読み取ることにより、各実装ライン11で作業を行っている作業者Mを特定可能になっている。また、作業者Mは、実装ライン11での作業を行う際には、携帯端末18を所持する。携帯端末18は、ネットワーク12を介して実装装置15や管理PC50などと情報をやりとり可能であり、実装ライン11に関する情報を表示する。なお、実装ライン11において、作業者Mの特定は、入室の際のカード入力などにより行うものとしてもよい。
【0012】
印刷装置13は、基板上にはんだを印刷する印刷処理を実行する装置である。印刷装置13は、印刷制御部21と、搬送部22と、印刷部23と、通信部24とを備えている。印刷制御部21は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種データを記憶する記憶部などを備えている。この印刷制御部21は、搬送部22や印刷部23、通信部24と情報のやりとりを行い、これらを制御する。搬送部22は、基板Sを搬送固定するユニットである。印刷部23は、導電ペーストや接着剤などの粘性流体を基板Sに印刷するユニットである。この印刷部23は、スキージを用いてスクリーンマスクに形成されたパターン孔にはんだを押し込むことによりそのパターン孔を介して下方の基板にはんだを塗布(印刷)するものとしてもよい。通信部24は、ネットワーク12を介して他の装置に対し情報の受信及び送信を行うものである。
【0013】
印刷検査装置14は、印刷された粘性流体の状態を検査する装置である。印刷検査装置14は、検査制御部と、搬送部と、検査部と、通信部とを備えている。印刷検査装置14の検査部は、粘性流体が印刷された基板Sを撮像部により撮像した撮像画像に基づいて印刷状態が適正であるか否かを検査するユニットである。この印刷検査装置14は、後述する実装検査装置16と同様の構成を備えるものとして、ここではその詳細な説明を省略する。
【0014】
実装装置15は、部品Pを基板S上に実装する実装処理を実行する装置である。実装装置15は、図1,2に示すように、実装制御部30と、搬送部35と、供給部36と、部品撮像部37と、実装部38と、マーク撮像部42と、通信部43とを備えている。実装制御部30は、CPU31を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種データを記憶する記憶部32やカウンタ33などを備えている。この実装制御部30は、搬送部35や供給部36、部品撮像部37、採取部40、マーク撮像部42、通信部43と情報のやりとりを行い、これらを制御する。カウンタ33は、エラーの発生を所定回数カウントすると実装装置15の処理動作を停止するエラー(リカバリアップのエラーとも称する)の発生回数をカウントするものである。この実装ライン11では、リカバリアップエラーとして、例えば、部品Pの採取失敗のエラーや、採取した部品Pの形状や状態を撮像画像から求める際の画像処理エラーのほか、搬送部35による基板Sの搬送エラーや基板Sの固定エラー、供給部36による部品Pの供給エラー、印刷部23による印刷処理エラー、検査部27による検査エラーなどが規定されている。この所定回数は、例えば、エラーが偶発的に起こったものではないと判断可能な回数(例えば、3回や5回など)や、生産完了までに不要な遅延が生じると判断できる回数などに経験的に定められている。このカウンタ33は、複数存在するリカバリアップエラーごとに実装制御部30に設けられている。搬送部35は、基板Sを搬送固定するユニットである。供給部36は、実装部38へ部品Pを供給するユニットである。この供給部36は、例えば、部品Pが保持されたテープを装着したフィーダや部品Pが配列載置されたトレイなどを備えている。部品撮像部37は、撮像範囲がその上方であり、採取部40に採取された1以上の部品Pを撮像するユニットである。実装部38は、部品Pを供給部36から採取し、搬送部35に固定された基板Sへ配置する実装ユニットである。この実装部38は、ヘッド移動部39と、採取部40と、吸着ノズル41と、マーク撮像部42とを備えている。ヘッド移動部39は、ガイドレールに導かれてXY方向へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータとを備えている。採取部40は、スライダに取り外し可能に装着された実装ヘッドであり、ヘッド移動部39によりXY方向へ移動する。採取部40の下面には、1以上の吸着ノズル41が取り外し可能に装着されている。吸着ノズル41は、負圧を利用して部品Pを採取するものである。なお、部品Pの採取は、吸着ノズル41のほか、部品Pを機械的に保持するメカニカルチャックなどにより行ってもよい。マーク撮像部42は、撮像範囲がその下方であり、例えば基板S上に形成されたマークなどを撮像するユニットである。マーク撮像部42は、採取部40の下面に配設されており、採取部40の移動に伴ってXY方向へ移動する。このマーク撮像部42は、供給部36の部品採取位置なども撮像可能である。通信部43はネットワーク12を介して他の装置に対し情報の受信及び送信を行うものである。
【0015】
実装検査装置16は、実装処理された部品Pの実装状態を検査する装置である。実装検査装置16は、検査制御部25と、搬送部26と、検査部27と、通信部28とを備えている。検査制御部25は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種データを記憶する記憶部などを備えている。この検査制御部25は、搬送部26や検査部27、通信部28と情報のやりとりを行い、これらを制御する。搬送部26は、基板Sを搬送固定するユニットである。検査部27は、部品Pが配置された基板Sをカメラにより撮像した撮像画像に基づいて部品の形状や配置位置が適正であるか否かを検査するユニットである。通信部28は、ネットワーク12を介して他の装置に対し情報の受信及び送信を行うものである。
【0016】
リフロー装置は、図示しないが、基板Sのリフロー処理を実行する装置である。リフロー装置は、はんだ上に部品Pが配置された基板Sを加熱することによりはんだを溶融し、その後冷却することにより各部品Pを基板S上に電気的に接続及び固定する。リフロー検査装置は、リフロー後の基板Sを検査する装置である。リフロー検査装置は、リフローされた基板の導通などを検出し最終製品として適正であるか否かを検査する。基板搬送装置は、生産ラインの上流側の装置から下流側の装置へ基板の搬送を行うものであり、搬送コンベアを備える。
【0017】
管理PC50は、作業者Mよりも上位の管理者により操作される管理装置として構成され、実装に関連する情報を管理するコンピュータである。管理PC50は、管理制御部51、通信部56、表示部57、入力部58などを備える。管理制御部51は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種データを記憶する記憶部53などを備えている。この管理制御部51は、通信部56や表示部57、入力部58と情報のやりとりを行い、これらを制御する。記憶部53には、図3に示すように、生産ライン情報54や作業者対応情報55、図示しない実装条件情報などが記憶されている。生産ライン情報54は、生産ラインに含まれる装置の種別及び識別子、生産状況、作業担当者の情報などが各実装ライン11ごとに対応付けられたデータベースである。作業者対応情報55は、作業者ID、作業者名、所持する携帯端末の番号及び担当装置の情報が作業エリアごとに対応付けられたデータベースである。管理PC50は、装置に異常が生じたときなどに、生産ライン情報54及び作業者対応情報55を用いてその担当の作業者Mの携帯端末18を検索することができる。実装条件情報は、どの実装ライン11の実装装置のどの位置にどの部品を配置するかなどのジョブ情報を含む。通信部56は、ネットワーク12を介して他の装置に対し情報の出力及び取得を行うものである。表示部57は、画面を表示する液晶ディスプレイである。入力部58は、例えば、マウスやキーボードなど、作業者の指示を入力するデバイスである。管理PC50は、ネットワーク12に接続されている実装ライン11の各装置と情報のやりとりを行う。例えば、管理PC50は、印刷装置13からはんだの消費状態、実装装置15からフィーダに収容された部品の消費状態、各検査装置から検査結果などを通信部56を介して取得する。また、管理PC50は、各装置からエラー情報なども受信する。
【0018】
次に、実装関連処理の具体例として、実装装置15が実行する実装処理について説明する。図4は、実装装置15のCPU31により実行される実装処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、記憶部32に記憶され、作業者Mの実装開始入力に基づいて実行される。ここでは、実装装置15のリカバリアップエラーの具体例として、部品Pの採取エラーと、実装処理時の採取位置ずれ及び形状確認での部品Pの撮像画像の画像処理エラーとを主として説明する。このルーチンが開始されると、CPU31は、まず、実装条件情報を管理PC50から取得し(S100)、基板Sの搬送及び固定処理を搬送部35に行わせる(S110)。次に、CPU31は、実装条件情報の配置順に基づいて基板Sへの配置対象の部品Pを設定する(S120)。次に、CPU31は、設定された部品Pなど、リカバリアップエラーの発生回数が所定回数になっているカウンタ33があるか否かを判定する(S130)。エラーの発生回数が所定回数に至っているものがないときには、CPU31は、部品Pの採取処理を実装部38に行わせる(S140)。このとき、CPU31は、部品Pの採取前に、部品Pに対応する吸着ノズル41を採取部40へ装着させる処理を行ってもよい。
【0019】
次に、CPU31は、部品Pの採取処理の際にエラーが発生したか否かを判定する(S150)。採取処理のエラーとしては、部品Pの吸着エラーや部品Pの落下などが挙げられる。部品Pの採取の際にエラーが発生していないときには、CPU31は、部品Pの移動処理をヘッド移動部39に行わせ、部品Pの撮像処理を部品撮像部37に行わせる(S160)。このとき、CPU31は、部品Pを採取したのち、部品撮像部37の上方を通過するよう採取部40を移動させる。また、CPU31は、所定の基準画像と、撮像画像とを用いてマッチング処理を行い、採取されている部品Pに許容範囲を超える変形や採取位置ずれなどがないかを判定する。次に、CPU31は、この画像処理の際にエラーが発生したか否かを判定する(S170)。画像処理エラーとしては、例えば、撮像画像の明暗などで部品Pの識別ができない識別エラーや、基準画像の部品形状と撮像画像中の部品形状とが合わないマッチングエラーなど挙げられる。画像処理でエラーが発生していないときには、CPU31は、撮像画像を用いて採取ずれ量を求め、このずれ量を補正した位置に部品Pを配置させる(S180)。なお、このとき、CPU31は、部品Pの形状が許容外であるものや、配置処理を正確にできないような許容外の採取位置ずれした部品Pについては、廃棄処理を行うものとしてもよい。
【0020】
続いて、CPU31は、現基板Sの実装処理が完了したか否かを判定し(S190)、完了していないときには、S120以降の処理を実行する。即ち、CPU31は、次に吸着する部品Pを設定し、部品Pを採取、撮像し、採取ずれ量を補正して基板Sに配置させる。この処理の間に、S150及びS170でエラーが発生したときには、該当するカウンタ33を1インクリメントし(S200)、配置可能な部品を基板Sへ配置処理し(S210)、S120以降の処理を実行する。CPU31は、配置できない部品Pについては、廃棄処理を行うものとしてもよい。この実装システム10では、エラーの発生回数が所定回数に至ったのちも、該当する処理以外の処理については継続するよう設定されている。S120以降の処理を繰り返し実行しているときに、S130でリカバリアップエラーの発生回数が所定回数に至っているカウンタ33があるときには、CPU31は該当装置の実装処理を停止させ、その旨の情報を含む装置停止情報を管理PC50へ送信させる(S220)。
【0021】
次に、CPU31は、管理PC50からの装置停止の原因となったユニットの画像送信指令を受信したか否かを判定し(S230)、画像送信指令を受信したときには、装置停止の原因となったユニットの画像を送信する(S240)。CPU31は、部品Pの採取エラーで装置停止となっているときには、エラーの生じた採取位置の上方にマーク撮像部42が位置するよう採取部40を移動し、マーク撮像部42により部品Pの採取位置を撮像させ、その撮像画像を管理PC50へ送信する。また、画像処理エラーで装置停止となっているときには、画像処理エラーを生じた撮像画像を管理PC50へ送信する。S240のあと、又は、S230で画像送信指令を受信していないときには、CPU31は、実装関連処理の再開指令及びカウンタ33のリセット指令を取得したか否かを判定する(S250)。この再開指令及びリセット指令は、ネットワーク12を介して管理PC50から取得するものとしてもよいし、実装装置15の操作パネルから作業者Mが入力したものを取得するものとしてもよい。管理PC50からの再開指令は、詳しくは後述するが、管理者が遠隔で装置停止の原因の画像を確認して入力部58により入力されたものである。操作パネルからの再開指令は、作業者Mが実装装置15でエラー原因を解消する作業を行ったあと操作パネルから入力されたものである。再開指令及びリセット指令を取得していないときには、CPU31は、そのまま装置停止状態で待機し、再開指令及びリセット指令を取得したときには、カウンタ33をリセットし(S260)、装置停止状態を解除してS140以降の処理を実行する。カウンタ33のリセットは、リセット指令の内容に合わせて、全てのカウンタ33をリセットさせるか、該当するカウンタを個別にリセットさせる。実装装置15では、全てのエラーに対処する場合もあることから、処理再開時にカウンタ33のリセット方法を選択できるようになっている。
【0022】
一方、S190で現基板の実装処理が完了したときには、CPU31は、実装完了した基板Sを搬送部35により排出させ(S270)、生産完了したか否かを判定する(S280)。生産完了していないときには、CPU31は、S110以降の処理を実行する一方、生産完了したときには、そのままこのルーチンを終了する。このように、実装装置15では、リカバリアップエラーの発生に応じて処理を停止させながら、実装処理を行い、基板Sの製造を行う。
【0023】
次に、実装システム10の生産処理中に実行される管理PC50の動作、特に実装ライン11の情報を管理者へ報知する処理について説明する。図5は、管理PC50の管理制御部51が実行するシステム管理処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、管理PC50の記憶部53に記憶され、実装システム10の生産処理の実行中に実行される。このルーチンを開始すると、まず、管理制御部51のCPU52は、実装ライン11から情報を取得する(S300)。実装ライン11の情報としては、例えば、生産完了の情報や、次のフィーダなどを取り付ける段取り替えの指示、実装ジョブを切り替え生産開始する指示、粘性流体や部品Pの補充指示、装置の故障などのエラー、リカバリアップエラーによる装置停止情報などが挙げられる。次に、CPU52は、取得した情報に表示すべき新たな情報があるか否かを判定する(S310)。表示すべき新たな情報があるときには、CPU31は取得した情報を表示部57に表示させる(S320)。
【0024】
図6は、表示部57に表示される生産状況表示画面60の一例を示す説明図である。生産状況表示画面60には、カーソル61、状況表示欄62、選択枠63及び選択キー64などが配置されている。カーソル61は、情報を選択する際に操作されるものである。状況表示欄62は、各実装ライン11での装置名と作業発生時刻及びその作業内容などが表示される欄である。選択枠63は、作業が生じている装置などを選択する欄であり、カーソル61により移動される。選択キー64は、選択枠63により選択されている内容を確定するキーである。生産状況表示画面60には、所定のタイミングで更新された新たな情報が状況表示欄62の最上段に挿入されて表示される。管理者は、選択枠63及び選択キー64を操作して確認する内容を選択する。
【0025】
次に、CPU52は、装置停止情報の選択指示があるか否かを判定する(S330)。装置停止情報は、リカバリアップエラーにより装置が停止した情報であり、部品Pの採取エラーによる装置停止や、画像処理エラーによる装置停止などが含まれる。装置停止情報の選択指示があったときには、CPU52は、停止原因に関係する画像を送信する旨の指令を該当する装置へ送信し(S340)、選択に応じた表示画面を表示させる(S350)。CPU52は、例えば、生産状況表示画面60で、採取エラーによる実装装置15の停止が選択されたときには、採取位置表示画面70を表示部57へ表示させる。あるいは、画像処理エラーによる実装装置15の停止が選択されたときには、処理画像表示画面80を表示部57へ表示させる。
【0026】
図7は、表示部57に表示される採取位置表示画面70の一例を示す説明図である。採取位置表示画面70は、部品Pの採取エラーに対して作業者Mによる作業が必要であるか否かを確認する画面である。この採取位置表示画面70には、カーソル61と、画像表示欄72と、情報表示欄73と、連絡キー74と、個別リセットキー75と、全リセットキー76と、再開キー77とが配置されている。画像表示欄72は、供給部36における部品Pの採取位置の撮像画像を表示する欄である。CPU52は、実装装置15から送信された部品Pの採取位置の撮像画像を取得して画像表示欄72に表示させる。この画像表示欄72には、撮像画像の上に、採取予定位置の中心を通るXY座標軸と、採取予定位置での吸着ノズルの円と、基準画像とが重ねて表示される(図中細線参照)。管理者は、これらの位置関係を画像表示欄72で確認することができる。情報表示欄73は、部品採取に関する情報を表示する欄である。この情報表示欄73には、吸着ノズル41の採取ずれを補正する補正値や、供給部36のずれを補正する補正値、部品Pの高さや採取高さの位置情報、部品採取時のノズル移動速度などが表示される。この情報表示欄73では入力部58からの入力に基づいて各数値を変更可能になっている。情報表示欄73では、その数値が変更されると、その変更内容が画像表示欄72に表示されている画像に反映される。連絡キー74は、それが押下されると、該当する装置の担当の作業者Mの携帯端末18へエラーの内容を出力させるものである。管理者は、画像表示欄72を確認し、作業者Mの作業が必要であると判断した際に、連絡キー74を押下する。個別リセットキー75は、それが押下されると、現在確認中の供給部36に対応するカウンタ33のみをリセットするリセット指令を出力させるものである。全リセットキー76は、それが押下されると実装装置15の全カウンタ33をリセットするリセット指令を出力させるものである。再開キー77は、それが押下されると、リカバリアップエラーで装置停止している状態を解除する指令を出力させるものである。
【0027】
図8は、表示部57に表示される処理画像表示画面80の一例を示す説明図である。処理画像表示画面80は、採取部40に採取された部品Pの画像処理エラーに対して作業者Mによる作業が必要であるか否かを確認する画面である。この処理画像表示画面80には、カーソル61と、画像表示欄82と、基準画像編集欄83と、連絡キー74と、個別リセットキー75と、全リセットキー76と、再開キー77とが配置されている。画像表示欄82は、画像処理エラーになった撮像画像を表示させる欄である。この画像表示欄82には、撮像画像の上に、部品Pの基準画像が重ねて表示される(図中細線参照)。管理者は、撮像された部品Pの形状と基準画像の形状との関係を画像表示欄72で確認することができる。基準画像編集欄83は、基準画像を編集する欄である。部品Pは、供給会社に応じて、角が丸い、とがっているなど、若干の形状の差があることがある。基準画像編集欄83では、このような基準画像の微小な差異を管理者が編集して変更することが可能である。基準画像編集欄83で編集された基準画像は、画像表示欄82に反映される。なお、処理画像表示画面80の連絡キー74、個別リセットキー75、全リセットキー76及び再開キー77は、採取位置表示画面70と同様であるものとしてその説明を省略する。このように、実装ライン11を管理する管理PC50では、採取位置表示画面70や処理画像表示画面80により、リカバリアップエラーの内容、及び装置の状態を確認したり、数値や形状などを変更する編集ができるよう構成されている。
【0028】
さて、S350で表示画面を表示させたのち、CPU52は、処理再開の選択指示があるか否かを再開キー77が押下されたか否かに基づいて判定する(S360)。処理再開の選択指示がないときには、CPU52は、作業者Mへの連絡指示があるか否かを連絡キー74が押下されたか否かに基づいて判定する(S370)。作業者Mへの連絡指示があるときには、CPU52は、作業者対応情報55を用いて、該当装置を担当する作業者Mを検索し(S380)、該当する作業者Mの携帯端末18へ情報を出力する(S390)。作業者Mは、携帯端末18が受信した情報を確認し、該当装置での作業を行う。一方、S360で処理再開の選択指示があったときには、CPU52は、全カウンタリセットが指示されているか否かを全リセットキー76又は個別リセットキー75が押下されたか否かに基づいて判定する(S400)。全カウンタリセットが指示されているときには、CPU52は、処理の再開指令と全カウンタ33のリセット指令とを該当装置へ出力させる(S410)。一方、全カウンタリセットが指示されていないときには、CPU52は、処理の再開指令と該当する個別のカウンタ33のリセット指令とを該当装置へ出力させる(S420)。そして、S410、S420のあと、又は、S310で表示すべき情報がないとき、S330で装置停止情報の選択指示がないとき、S370で作業員への連絡指示がないときには、CPU52は、S300以降の処理を繰り返し実行する。この管理PC50では、各実装ライン11の各装置でのリカバリアップエラーの内容、及び装置の状態を確認したり、数値や形状などを変更する編集ができるため、作業者Mの確認作業などをせずに、実装関連装置の実装関連処理の再開を指示することができる。
【0029】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の搬送部22、印刷部23、搬送部26、検査部27、搬送部35、供給部36、実装部38などが実装関連処理部に相当し、通信部43が取得部及び出力部に相当し、通信部24、通信部28及び通信部43などが受信部及び送信部に相当し、印刷制御部21、検査制御部25及び実装制御部30などが処理制御部に相当する。また、印刷装置13、印刷検査装置14、実装装置15、実装検査装置16、リフロー装置、リフロー検査装置及び基板搬送装置が実装関連装置に相当し、管理PC50が管理装置に相当する。
【0030】
以上説明した管理PC50では、エラー発生を所定回数カウントすると装置を停止するリカバリアップエラーに基づいて装置が停止した旨の装置停止情報を実装装置15(実装関連装置)から取得すると、表示部57にその旨の情報を表示させる。管理者(使用者)が、この表示部57に表示された内容を確認したのち、入力部58から実行再開の指示を入力すると、管理PC50は、実装関連処理を再開させる再開指令とエラーのカウント数のリセット指令とを停止中の実装関連装置へ出力する。このように、この管理PC50では、管理者の判断によって、実装関連装置の実装関連処理が再開されるから、実装関連装置で作業者Mが対処しなければならない作業をより低減することができる。また、管理PC50は、装置停止情報を実装装置15から取得後に、装置停止の原因となる画像の送信指令を実装装置15へ出力する。管理制御部51は、実装装置15から画像を取得すると表示部57へその画像を表示させる。この管理PC50では、装置停止の原因となった画像を管理者が確認することにより、実装装置15を担当する作業者Mによる作業が必要か否かを管理者が判断することができる。このため、この装置では、より確実に作業者Mの作業を低減することができる。
【0031】
また、実装装置15は、部品Pを供給する供給部36と部品Pを採取する採取部40と部品Pを撮像する部品撮像部37と基板Sを搬送する搬送部35とを備え、管理制御部51は、採取部40の採取エラー、部品撮像部37の画像処理エラー、搬送部35の搬送エラーなどを取得する。この管理PC50では、これらのエラーのうち1以上の作業者Mの作業を低減することができる。更に、管理PC50は、実装装置15で作業する作業者Mの携帯端末18へも情報を出力し、管理制御部51は、入力部58から装置停止中の実装装置15での作業指示を入力すると、停止中の実装装置15の担当の作業者Mの携帯端末18へ作業指示を出力させる。この管理PC50では、実装装置15で作業者Mが対処しなければならない作業については、より確実に作業者Mに作業させることができる。
【0032】
また、実装装置15は、所定回数カウントすると装置を停止するユニットのエラーのカウント数が所定回数に至ったのちには、実装部38の実装処理を停止させ、装置が停止した旨の装置停止情報を管理PC50へ送信する。その後、実装装置15は、処理を再開させる再開指令とエラーのカウント数のリセット指令とを管理PC50から受信したときには、該当する実装装置15のエラーのカウント数をリセットし、実装部38の停止中の実装処理を再開させる。このように、この実装装置15では、管理PC50からの指令によって、実装関連処理が再開されるから、実装装置15で作業者Mが対処しなければならない作業をより低減することができる。
【0033】
更に、実装装置15は、供給部36の画像を撮像可能なマーク撮像部42を備え、実装制御部30は、装置停止情報を通信部43から送信後に、装置停止の原因となるユニットの画像の送信指令を通信部43が管理PC50から受信すると、該当ユニットの画像をマーク撮像部42に撮像させ、この撮像した画像を管理PC50へ送信させる。この実装装置15では、装置停止の原因となったユニットの画像を管理PC50の管理者が確認することにより、実装装置15を担当する作業者Mによる作業が必要か否かを管理者が判断することができるため、より確実に作業者Mの作業を低減することができる。更にまた、実装装置15の実装制御部30は、採取部40の採取エラー、部品撮像部37の画像処理エラー、搬送部35の搬送エラーのうち1以上に基づいて装置を停止させ、装置停止情報を管理PC50へ送信させる。この実装装置15では、これらのエラーのうち1以上の作業者Mの作業を低減することができる。
【0034】
なお、本明細書で開示する管理装置及び実装関連装置は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0035】
例えば、上述した実施形態では、CPU52は、装置停止の原因の画像を送信させるものとしたが、特にこれに限定されず、この処理を省略してもよい。例えば、採取位置表示画面70では、画像表示欄72、処理画像表示画面80では、画像表示欄82を省略してもよい。この場合において、撮像画像の代わりにエラーコードなどを表示させるものとしてもよい。こうしても、実装関連装置では、管理PC50からの指令によって、実装関連処理が再開されるから、実装装置15で作業者Mが対処しなければならない作業をより低減することができる。
【0036】
上述した実施形態では、採取位置表示画面70には情報表示欄73があるものとしたが、これを省略してもよい。また、情報表示欄73では、各数値を変更可能としたが、これを省略してもよい。更に、画像表示欄72では、情報表示欄73の変更内容が反映されるものとしたが、これを省略してもよい。また、処理画像表示画面80には基準画像編集欄83があるものとしたが、これを省略してもよい。また、基準画像編集欄83では、基準画像を編集可能としたが、これを省略してもよい。更に、画像表示欄82では、基準画像編集欄83の変更内容が反映されるものとしたが、これを省略してもよい。
【0037】
上述した実施形態では、実装装置15のエラーによる装置停止について説明したが、印刷装置13、印刷検査装置14、実装検査装置16、リフロー装置、リフロー検査装置などにおいても同様である。なお、実装ライン11では上記装置のうち1以上を備えないものとしてもよい。
【0038】
上述した実施形態では、実装装置15と管理PC50とを備えた実装システム10として説明したが、実装装置15のみとしてもよいし、管理PC50のみとしてもよい。
【0039】
ここで、本開示の管理装置において、前記出力部は、前記装置停止情報を前記取得部から取得後に、前記装置停止の原因の画像の送信指令を前記実装関連装置へ出力し、前記管理制御部は、前記画像を前記取得部が取得すると前記表示部へ該画像を表示させるものとしてもよい。この管理装置では、装置停止の原因となった実装関連処理部などの画像を使用者が確認することにより、実装関連装置を担当する作業者による作業が必要か否かを使用者が判断することができるため、より確実に作業者の作業を低減することができる。
【0040】
この管理装置において、前記実装関連装置は、部品を供給する供給部と前記部品を採取する採取部と前記部品を撮像する撮像部と基板を搬送する搬送部と前記基板へ粘性流体を印刷する印刷部と前記部品及び/又は基板の状態を検査する検査部とのうち少なくとも1以上を有する前記実装関連処理部を備え、前記取得部は、前記採取部の採取エラー、前記撮像部の画像処理エラー、前記搬送部の搬送エラー、前記印刷部の印刷処理エラー及び前記検査部の検査エラーのうち1以上に基づく前記装置停止情報を取得するものとしてもよい。この管理装置では、これらのエラーのうち1以上の作業者の作業を低減することができる。なお、所定回数カウントすると装置停止の原因となるエラーとしては、採取部の採取エラーや撮像部の画像処理エラーを含むものとしてもよい。
【0041】
この管理装置において、前記出力部は、前記実装関連装置で作業する作業者の端末へも情報を出力し、前記管理制御部は、前記入力部から前記装置停止中の実装関連装置での作業指示を入力すると、前記停止中の実装関連装置の担当の作業者の端末へ前記出力部から前記作業指示を出力させるものとしてもよい。この管理装置では、実装関連装置で作業者が対処しなければならない作業について、より確実に作業者に作業させることができる。
【0042】
本明細書で開示する実装関連装置は、
情報を管理する管理装置を含む実装システムに用いられ、ネットワークを介して前記管理装置と情報のやりとりを行う実装関連装置であって、
前記管理装置から前記ネットワークを介して情報を受信する受信部と、
前記管理装置へ前記ネットワークを介して情報を送信する送信部と
基板に部品を実装する実装処理に関連する実装関連処理を行う実装関連処理部と、
所定回数カウントすると装置を停止する前記実装関連処理部のエラーのカウント数が前記所定回数に至ったのちには前記実装関連処理部の前記実装関連処理を停止させ、該装置が停止した旨の装置停止情報を前記送信部から前記管理装置へ送信させ、その後、前記受信部が前記実装関連処理を再開させる再開指令と前記エラーのカウント数のリセット指令とを前記管理装置から受信したときには、該エラーのカウント数をリセットし前記実装関連処理部に停止中の実装関連処理を再開させる処理制御部と、
を備えたものである。
【0043】
この実装関連装置は、所定回数カウントすると装置を停止する実装関連処理部のエラーのカウント数が所定回数に至ったのちには、実装関連処理部の実装関連処理を停止させ、装置が停止した旨の装置停止情報を管理装置へ送信する。その後、実装関連装置は、実装関連処理を再開させる再開指令とエラーのカウント数のリセット指令とを管理装置から受信したときには、エラーのカウント数をリセットし実装関連処理部に停止中の実装関連処理を再開させる。このように、この実装関連装置では、管理装置からの指令によって、実装関連処理が再開されるから、実装関連装置で作業者が対処しなければならない作業をより低減することができる。
【0044】
この実装関連装置は、前記実装関連処理部の画像を撮像可能な撮像部、を備え、前記処理制御部は、前記装置停止情報を前記送信部から送信後に、前記装置停止の原因の画像の送信指令を前記受信部が前記管理装置から受信すると、前記実装関連処理部の画像を前記撮像部に撮像させ、該撮像した画像を前記管理装置へ前記送信部に送信させるものとしてもよい。この実装関連装置では、装置停止の原因となった実装関連処理部などの画像を管理装置の使用者が確認することにより、実装関連装置を担当する作業者による作業が必要か否かを使用者が判断することができるため、より確実に作業者の作業を低減することができる。
【0045】
この実装関連装置において、前記実装関連処理部は、部品を供給する供給部と前記部品を採取する採取部と前記部品を撮像する撮像部と基板を搬送する搬送部と前記基板へ粘性流体を印刷する印刷部と前記部品及び/又は基板の状態を検査する検査部とのうち少なくとも1以上を備えており、前記処理制御部は、前記採取部の採取エラー、前記撮像部の画像処理エラー、前記搬送部の搬送エラー、前記印刷部の印刷処理エラー及び前記検査部の検査エラーのうち1以上に基づいて装置を停止させ、前記装置停止情報を前記送信部に送信させるものとしてもよい。この実装関連装置では、これらのエラーのうち1以上の作業者の作業を低減することができる。
【0046】
本明細書で開示する実装システムは、上述したいずれかの管理装置と、上述したいずれかの実装関連装置と、を備えたものである。この実装システムは、上述した管理装置及び実装関連装置を備えているため、管理装置側の判断によって、実装関連装置の実装関連処理が再開されるから、実装関連装置で作業者が対処しなければならない作業をより低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本開示の管理装置や実装関連装置は、部品を採取、配置などの処理を行う装置の技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 実装システム、11 実装ライン、12 ネットワーク、13 印刷装置、14 印刷検査装置、15 実装装置、16 実装検査装置、17 IDカード、18 携帯端末、21 印刷制御部、22 搬送部、23 印刷部、24 通信部、25 検査制御部、26 搬送部、27 検査部、28 通信部、30 実装制御部、31 CPU、32 記憶部、33 カウンタ、35 搬送部、36 供給部、37 部品撮像部、38 実装部、39 ヘッド移動部、40 採取部、41 吸着ノズル、42 マーク撮像部、43 通信部、50 管理PC、51 管理制御部、52 CPU、53 記憶部、54 生産ライン情報、55 作業者対応情報、56 通信部、57 表示部、58 入力部、60 生産状況表示画面、61 カーソル、62 状況表示欄、63 選択枠、64 選択キー、70 採取位置表示画面、72 画像表示欄、73 情報表示欄、74 連絡キー、75 個別リセットキー、76 全リセットキー、77 再開キー、80 処理画像表示画面、82 画像表示欄、83 基準画像編集欄、M 作業者、P 部品、S 基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8