(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】浄水タンク及びこれを含む浄水器
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20230101AFI20241018BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
C02F1/00 B
C02F1/28 G
(21)【出願番号】P 2023522565
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 KR2021014236
(87)【国際公開番号】W WO2022080891
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0132822
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヒド
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンファン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョング
(72)【発明者】
【氏名】オ,ユウォン
(72)【発明者】
【氏名】パク,チャンジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ウン
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0139871(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0115270(KR,A)
【文献】特開平10-071307(JP,A)
【文献】特開2010-195483(JP,A)
【文献】登録実用新案第3041371(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0222999(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/00、1/28
B01D23/00-37/08
C02F9/00-9/20
F25D11/00-16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を浄化して浄水を提供する浄水器であって、
前記浄水を収容するための浄水タンク、及び
前記浄水を前記浄水器の外部に排出するための排出口を含み、
前記浄水タンクは、
前記浄水を収容するための収容空間を提供するタンク本体部、
前記収容空間の浄水が流入するように前記収容空間と連通する流入口を備え、上下方向に延びる排出バッファ部、
排出流路を通って前記浄水を前記排出口に排出するために、前記排出バッファ部の内側から下方に延びる挿入部を含む出水チューブ、及び
前記排出バッファ部内の浄水のスロッシング(sloshing)が低減されるように、前記挿入部から前記排出バッファ部の内周面に延びるガスケットを含
み、
前記排出バッファ部は連通口をさらに備え、
前記排出バッファ部は前記連通口を介して前記収容空間に連通し、
前記連通口は前記ガスケットより上側に設けられ、
前記挿入部の下側端部は前記ガスケットより下側に配置される、
浄水器。
【請求項2】
前記浄水タンクは、
前記タンク本体部の上部と連結され、前記浄水を前記収容空間に案内する入水部をさらに含み、
前記流入口は、前記ガスケットより下側に設けられ、前記排出バッファ部と前記収容空間とを連通させ、
前記収容空間内の前記浄水は前記流入口を通って前記排出バッファ部に流動されることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記ガスケットには、
上下方向に貫通する1つ以上の貫通孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項4】
前記出水チューブは、
前記挿入部と前記排出バッファ部との間に気体が流れるのを防止するために、前記挿入部と前記排出バッファ部との間をシールするシール部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項5】
前記ガスケットは、前記排出バッファ部及び前記出水チューブのいずれかに固定支持されることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項6】
前記浄水が前記浄水タンクに流入する通路を選択的に遮断する入水弁をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項7】
前記排出流路が開放されて前記浄水器の外部と連通し、前記入水弁の開閉によって前記排出口への前記浄水の流れが制御されることを特徴とする請求項
6に記載の浄水器。
【請求項8】
浄水を収容するための収容空間を提供するタンク本体部、
前記収容空間の前記浄水が流入するように前記収容空間と連通する流入口を備え、上下方向に延びる排出バッファ部、
排出流路を通って前記浄水を排出口に排出するために、前記排出バッファ部の内側から下方に延びる挿入部を含む出水チューブ、及び
前記排出バッファ部内の浄水のスロッシングが低減されるように、前記挿入部から前記排出バッファ部の内周面に延びるガスケットを含
み、
前記排出バッファ部は連通口をさらに備え、
前記排出バッファ部は前記連通口を介して前記収容空間に連通し、
前記連通口は前記ガスケットより上側に設けられ、
前記挿入部の下側端部は前記ガスケットより下側に配置される、
浄水タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水タンク及びこれを含む浄水器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、浄水器は、上水道などの水供給源から水を供給してもらい、浄水に濾過した後に浄水を使用者に提供する装置である。このような浄水は使用者に直ちに提供されることもできるが、所定温度以下に冷却された後、冷水で提供されたり、所定温度以上に加熱された後、温水で提供されたりもする。
【0003】
本出願人の韓国公開特許第10-2018-0063022号公報「水処理機器」及び韓国公開特許第10-2014-0055169号公報「冷水タンク」は、浄水を冷却して使用者に提供するためのタンクを開示する。このような従来のタンクは、浄水が入水パイプを介してタンクに流入し、タンクに一時的に収容される。また、浄水はタンクに一時的に収容されている間に所定温度以下に冷却され、所定温度以下に冷却された浄水は出水パイプを介して外部に排出される。前述の浄水器内の浄水の流れはバルブによって制御されることができる。例えば、入水パイプに設けられた入水弁が開かれると、浄水はタンク内に流入する。
【0004】
しかしながら、従来の浄水器は、出水パイプに設けられた出水弁を除去する場合、使用者が浄水を抽出した後に残った少量の浄水、すなわち残水が任意に抽出される現象が発生する問題がある。具体的には、浄水タンク内部に気体と浄水が混在する状態で入水弁を開閉すると、タンクに流入する浄水の流動状態は変化し、気体層の圧力変化により振動が発生する。これにより、タンク内部の浄水はうねるようになり、気体層の振動及び浄水のスロッシングにより少量の浄水が出水パイプ内側に流入する。このように、所定の浄水が出水パイプの内側に流入すると、出水パイプに残留する少量の浄水、すなわち残水が外部に排出される。
【0005】
韓国公開特許第10-2017-0125560号公報などの「浄水器」は、出水側のバルブによって浄水の外部排出を制御している。但し、近年、小型浄水器の必要性が増大するにつれて、浄水器のサイズを縮小するための様々な試みがなされており、そのうち浄水器内部に設けられるバルブの数を減らすことにより浄水器のサイズを縮小した小型浄水器が求められている。
【0006】
したがって、浄水器のサイズを縮小しながら、入水弁の開閉に伴う不要な残水の排出を防止することができる装置の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0063022号公報
【文献】韓国公開特許第10-2014-0055169号公報
【文献】韓国公開特許第10-2017-0125560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は、上記のような背景に着目して発明されたものであり、浄水タンク内に収容されている浄水がうねることを低減することにより、残水の排出を防止することができる浄水器を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の一実施例は、浄水器の内部に設けられるバルブの数を減らすことによって小型化された浄水器を提供することを目的とする。
【0010】
さらに、本発明の一実施例は、バルブの数を減らすことによってバルブに費やされるコストを削減し、内部構成を簡素化し、製造プロセスを単純化することができる浄水器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、水を浄化して浄水を提供する浄水器であって、前記浄水を収容するための浄水タンク、及び前記浄水を前記浄水器の外部に排出するための排出口を含み、前記浄水タンクは、前記浄水を収容するための収容空間を提供するタンク本体部、前記収容空間の浄水が流入するように前記収容空間と連通する流入口を備え、上下方向に延びる排出バッファ部、排出流路を通って前記浄水を前記排出口に排出するために、前記排出バッファ部の内側から下方に延びる挿入部を含む出水チューブ、及び前記排出バッファ部内の浄水のスロッシング(sloshing)が低減されるように、前記挿入部から前記排出バッファ部の内周面に延びるガスケットを含む、浄水器が提供されることができる。
【0012】
また、前記排出バッファ部は連通口をさらに備え、前記排出バッファ部は前記連通口を介して前記収容空間に連通し、前記連通口は前記ガスケットより上側に設けられることができる。
【0013】
また、前記挿入部の下側端部は前記ガスケットより下側に配置されることができる。
【0014】
また、前記浄水タンクは、前記タンク本体部の上部と連結され、前記浄水を前記収容空間に案内する入水部をさらに含み、前記流入口は、前記ガスケットより下側に設けられ、前記排出バッファ部と前記収容空間とを連通させ、前記収容空間内の前記浄水は前記流入口を通って前記排出バッファ部に流動されることができる。
【0015】
さらに、前記ガスケットには、上下方向に貫通する1つ以上の貫通孔が形成されることができる。
【0016】
また、前記出水チューブは、前記挿入部と前記排出バッファ部との間に気体が流れるのを防止するために、前記挿入部と前記排出バッファ部との間をシールするシール部をさらに含むことができる。
【0017】
また、前記ガスケットは、前記排出バッファ部及び前記出水チューブのいずれかに固定支持されることができる。
【0018】
また、前記浄水が前記浄水タンクに流入する通路を選択的に遮断する入水弁をさらに含むことができる。
【0019】
また、前記入水弁の開閉によって前記排出口への前記浄水の流れが制御されることができる。
【0020】
本発明の他の態様によれば、浄水を収容するための収容空間を提供するタンク本体部、前記収容空間の浄水が流入するように前記収容空間と連通する流入口を備え、上下方向に延びる排出バッファ部、排出流路を通って前記浄水を排出口に排出するために、前記排出バッファ部の内側から下方に延びる挿入部を含む出水チューブ、及び前記排出バッファ部内の浄水のスロッシングが低減されるように、前記挿入部から前記排出バッファ部の内周面に延びるガスケットを含む、浄水タンクが提供されることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施例によれば、浄水タンク内に収容された浄水がうねるのを低減することにより、残水の排出を防止することができる。
【0022】
また、本発明の一実施例によれば、浄水器の内部に設けられるバルブの数を減らすことによって浄水器のサイズを最小化する効果がある。
【0023】
また、本発明の一実施例によれば、バルブの数を減らすことによってバルブに費やされるコストを削減し、内部構成を簡素化し、製造プロセスを単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例による浄水器を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例による浄水器内で水が流動する流れを概略的に示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の技術的思想を具現するための具体的な実施例について添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
なお、本発明の説明において、関連する公知の構成又は機能に関する具体的な説明が本発明の要旨をぼかす可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0027】
また、ある構成要素が他の構成要素に「接続」、「支持」、「流入」、「排出」、「流動」、「連通」されると言及されている場合は、その他の構成要素に直接接続、支持、流入、排出、流動、連通されることもできるが、間にまた他の構成要素が存在してもよいことを理解すべきである。
【0028】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0029】
本明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、定数、ステップ、動作、要素及び/又は成分を具体化し、他の特定の特性、領域、定数、ステップ、動作、要素、成分及び/又はグループの存在や付加を除外するものではない。
【0030】
なお、本明細書において、上側、下側などの方向の表現は、図面における図示を参照して説明したものであり、当該対象の方向が変化すれば異なって表現され得ることを予め明らかにしておく。なお、本明細書において、上下方向は
図1のz軸方向であってもよく、前後方向は
図1のy軸方向であってもよい。なお、左右方向は、
図1のx軸方向であってもよい。
【0031】
以下、図面を参照して本発明の一実施例に係る浄水器1の具体的な構成について説明する。
【0032】
以下、
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施例による浄水器1は、外部から供給された水を濾過することにより、清浄な水を使用者に提供することができる。例えば、浄水器1は、水道などの水源(図示せず)から水を供給してもらうことができ、供給された水を清浄な水に濾過することができる。このような浄水器1は、フレーム100、浄水タンク200、入水弁300、排出口400、フィルター500及び排出流路600を含むことができる。
【0033】
一方、外部から浄水器1の内部に流入した水は、原水、浄水に区分することができる。以下では、外部から浄水器1の内部に流入した水のうち、フィルター500を経ていない水は原水と定義し、フィルター500を経て濾過された水は浄水と定義する。
【0034】
フレーム100は、浄水タンク200、入水弁300、排出口400及びフィルター500を支持することができる。このようなフレーム100は、浄水タンク200、入水弁300及びフィルター500が収容される空間を提供することができ、フレーム100の外側には浄水が排出されるための排出口400が支持されることができる。
【0035】
図3及び
図4を参照すると、浄水タンク200は浄水を収容することができ、浄水が所定時間残留するための空間を提供することができる。また、浄水タンク200内に残留する浄水は所定温度以下に冷却されることができる。このような浄水タンク200は、タンク本体部210、排出バッファ部220、出水チューブ230、ガスケット240、入水部250、隔壁部材260及びバッフル270を含むことができる。
【0036】
タンク本体部210は、浄水が収容される空間を提供することができる。このようなタンク本体部210の内部空間は、隔壁部材260によって複数の空間に区画されることができる。また、タンク本体部210の内部に流入した浄水は、タンク本体部210の上側から下側に流れることができる。例えば、浄水はタンク本体部210の上部に流入してタンク本体部210の下部から排出され、タンク本体部210から排出された浄水は排出バッファ部220に流れることができる。このようなタンク本体部210には収容空間211が形成されることができる。一方、タンク本体部210は冷却器(図示せず)と連結されることができ、収容空間211内の浄水は冷却器により所定温度以下に冷却されることができる。
【0037】
図5を参照すると、収容空間211は浄水が流れる空間を提供することができる。このような収容空間211は、タンク本体部210の内部に形成され、1つ以上の隔壁部材260によって複数の空間に区画されることができる。このような複数の空間に沿って浄水は流れることができる。一方、収容空間211内の浄水は上側から下側に流れることができ、流動中に所定温度以下に冷却されることができる。
【0038】
また、収容空間211は、流入口221及び連通口222を介して排出通路223と連通することができる。したがって、収容空間211の下側に流れた浄水は、流入口221を通って排出通路223に流れ、排出通路223を通って再び上側に流れる。一方、収容空間211には浄水と気体とが混在することができ、収容空間211の上側には気体層が形成されることができる。
【0039】
排出バッファ部220は、収容空間211の浄水を出水チューブ230に案内することができる。このような排出バッファ部220は上下方向に延びて形成され、タンク本体部210の一方の側に支持されることができる。例えば、排出バッファ部220は、浄水が流れるために中空の形状を有することができる。このような排出バッファ部220には、流入口221、連通口222及び排出通路223が形成されることができる。
【0040】
流入口221は、収容空間211の浄水が排出通路223に流入するように収容空間211及び排出通路223と連通することができる。すなわち、流入口221の一方の側は収容空間211と連通し、他方の側は排出通路223と連通することができる。例えば、低温の浄水は収容空間211の下側に位置するため、流入口221は排出バッファ部220の下側に形成される。したがって、収容空間211の下側に残留する低温の浄水は、流入口221を通って排出通路223に流れることができる。また、流入口221はガスケット240より下側に位置し、流入口221を介して排出通路223に流入した浄水はガスケット240の下側から満ちてくる。
【0041】
連通口222は、収容空間211に残留する気体が排出通路223に流れるために排出バッファ部220に形成されることができる。例えば、収容空間211に浄水が満ちてき始めるとき、収容空間211に残留する気体は連通口222及び出水チューブ230を介して外部に排出されることができる。このような連通口222は、収容空間211及び排出通路223と連通することができる。すなわち、流入口221の一方の側は収容空間211と連通し、他方の側は排出通路223と連通することができる。このような連通口222は、排出バッファ部220を貫通するように形成され、排出バッファ部220の上側に形成されることができる。また、連通口222は、後述するガスケット240よりも上側に位置する。
【0042】
図6を参照すると、排出通路223は、浄水及び気体が流れる通路を提供することができる。このような排出通路223は、排出バッファ部220の内側空間に形成されることができる。また、排出通路223は、流入口221及び連通口222を介して収容空間211と連通することができ、出水チューブ230を介して外部と連通することができる。このような排出通路223の内側にはガスケット240が配置され、排出通路223はガスケット240によって区画されることができる。
【0043】
出水チューブ230は、排出通路223の浄水を排出口400に案内することができる。また、出水チューブ230は、排出バッファ部220の内側に挿入されるように下方に延長されることができる。このような出水チューブ230は、挿入部231及びシール部233を含むことができる。
【0044】
挿入部231は、排出バッファ部220の内側に挿入されるように提供され、浄水を後述する排出流路600に案内することができる。このような挿入部231の一方の側は排出通路223と連通することができ、他方の側は排出流路600と連通することができる。例えば、挿入部231は上下方向に延びて形成されることができる。また、挿入部231は、下側端部がガスケット240より下側に配置されるようにガスケット240を貫通して延長されることができる。このような挿入部231内には浄水が流動することができる。
【0045】
シール部233は、挿入部231と排出バッファ部220との間に気体及び液体が流れないように、挿入部231と排出バッファ部220との間を封止することができる。このようなシール部は、挿入部231を包むように提供されることができ、排出通路223を遮断するように提供されることができる。例えば、シール部233は弾性材料を有することができる。
【0046】
図6及び
図7を参照すると、ガスケット240は、排出バッファ部220の内側空間、すなわち排出通路223に残留する浄水のスロッシング(sloshing)を低減することができる。例えば、入水弁300が開かれて収容空間211内に浄水が流入したとき、又は浄水がタンク本体部210に流入した後、入水弁300が遮断されるとき、浄水の流れと気体層の圧力変化により振動が発生する。このような振動は、収容空間211の浄水をうねるようにし、排出通路223に残留する浄水に所定の圧力を加えることになる。この場合、ガスケット240は、排出通路223の浄水がうねるのを防止する。これにより、排出通路223に残留する浄水が挿入部231内側に流入するのを防止することができ、出水チューブ230内側の浄水が外部に排出され、残水が発生するのが防止されることができる。
【0047】
一方、ガスケット240は、排出バッファ部220及び出水チューブ230のいずれかに固定支持されることができる。例えば、ガスケット240は、排出バッファ部220の内壁に固定支持されるように提供され、出水チューブ230はガスケット240に挿入されることができる。別の例として、ガスケット240は出水チューブ230に固定支持されるように提供され、出水チューブ230と共に排出バッファ部220に挿入されることができる。このように、ガスケット240は、出水チューブ230から排出バッファ部220の内周面に延びて、ガスケット240の下側の浄水が排出バッファ部220と出水チューブ230との間にうねるのを防ぐことができる。ガスケット240は、スロッシングを防止するために、排出通路223内のガスケット240の下側空間とガスケット240の上側空間とを区画することができる形状を有することができる。例えば、ガスケット240はプレート形状を有することができ、ガスケット240の外周面は排出バッファ部220の内周面に対応する形状を有することができる。このようなガスケット240は弾性材料で形成され、出水チューブ230に嵌合することができる。
【0048】
また、ガスケット240には1つ以上の貫通孔241が形成されることができる。このような1つ以上の貫通孔241は、上下方向にガスケット240を貫通するようにガスケット240に形成されることができる。したがって、1つ以上の貫通孔241を介して気体はガスケット240を上下方向に貫通することができる。このような1つ以上の貫通孔241は、収容空間211に浄水が流入するとき、収容空間211に残留する気体が外部に排出されるように提供されることができる。例えば、収容空間211に浄水が流入するとき、気体は連通口222を介して収容空間211から排出通路223に流入する。この場合、排出通路223に流入した気体は、貫通孔241を介してガスケット240の下側に流れた後、出水チューブ230を介して外部に排出される。このように、貫通孔241が形成されることにより、排出通路223内でガスケット240によって区画されるガスケット240の下側空間はガスケット240の上側空間と連通することができる。
【0049】
このような貫通孔241は複数個提供されることができ、複数の貫通孔241はガスケット240の外周面に沿って所定距離離隔して配置されることができる。また、複数の貫通孔241は、ガスケット240の内周面よりも外周面に隣接するようにガスケット240に形成されることができる。一方、ガスケット240の内周面は、出水チューブ230が挿入され得る挿入孔242を形成することができる。このような挿入孔242は、ガスケット240の中央部に形成されることができ、挿入部231が貫通するように提供されることができる。また、挿入孔242の形状は、挿入部231の外周面に対応して形成されることができる。
【0050】
入水部250は、タンク本体部210に流入する浄水を収容空間211に案内することができる。このような入水部250は、入水弁300と接続することができ、入水弁300によって流入する浄水の流量は調整されることができる。一方、入水部250は、入水される浄水が低温の浄水と急激に混合されるのを防止するために、タンク本体部210の上部に形成されることができる。言い換えれば、出水される浄水の温度を低く保つために、入水部250を介して収容空間211に入水する浄水は、タンク本体部210の上側に供給されることができる。また、入水部250は、一例として、入水口が形成されたパイプ形状を有することができる。
【0051】
図5を再度参照すると、隔壁部材260は、収容空間211内の浄水の流れを案内することができる。このような隔壁部材260は、収容空間211を複数の空間に区画することができる。さらに、隔壁部材260は1つ以上設けられることができ、1つ以上の隔壁部材260は水平方向に延びて形成されることができる。例えば、隔壁部材260の一端部はタンク本体部210の内壁に支持されることができ、隔壁部材260の他端部はタンク本体部210の内壁から水平方向に所定距離離隔されることができる。このように、隔壁部材260とタンク本体部210との間の離隔空間を介して浄水は上側から下側に流れることができる。また、隔壁部材260は複数個設けられてもよく、複数の隔壁部材260は、相互に上下方向に離隔されるようにタンク本体部210に支持されることができる。
【0052】
バッフル270は、入水部250を介してタンク本体部210の内部に流入する浄水を隔壁部材260に案内することができる。このようなバッフル270は、所定温度以上の浄水が流入すると、収容空間211内の浄水と直ちに混合されるのではなく、一次的にバッフル270に沿って流れた後に混合されるように構成される。これにより、収容空間211に流入した浄水が収容空間211内に残留する低温の浄水と急激に混合されるのが防止されることができる。また、収容空間211の浄水は低い温度が維持されることができる。例えば、バッフル270は水平方向に延びて形成されることができ、タンク本体部210の上側でタンク本体部210に支持されることができる。また、バッフル270は、入水部250の位置に対応して配置されることができる。
【0053】
入水弁300は、浄水が流れる通路を開閉することができる。このような入水弁300は、フィルター500で濾過された浄水のうち冷却される必要がある一部を浄水タンク200に案内することができる。例えば、入水弁300が開いている場合、浄水は浄水タンク200に流入することができる。また、入水弁300が遮断されるとき、浄水タンク200に流入する浄水が遮断され、所定の振動が発生する可能性がある。このような振動は、浄水タンク200の上側に残っている気体層に伝達されることができ、収容空間211の浄水をうねるようにする。
【0054】
排出口400は、浄水タンク200から排出された浄水を外部に排出して使用者に提供することができる。このような排出口400は、フレーム100の外側に支持されることができ、一部が外部に向かって開口されることができる。また、排出口400は排出流路600と連結され、排出流路600を通過した浄水を外部に排出することができる。例えば、排出口400は、コック(cock)又は蛇口(faucet)などを含むことができる。
【0055】
フィルター500は、浄水器1に流入した原水を浄水に濾過することができる。このようなフィルター500には原水が流入することができ、フィルター500で濾過された浄水は入水弁300に流動することができる。さらに、フィルター500は1つ以上設けられることができ、フレーム100に交換可能に設けられることができる。
【0056】
排出流路600は、浄水が流れる通路を提供し、挿入部231から流入した浄水を排出口400に案内することができる。このような排出流路600の一方の側は挿入部231と接続し、他方の側は排出口400と接続することができる。また、排出流路600に開閉弁が設けられなくてもよい。すなわち、排出流路が開放され、浄水器の外部と連通して、排出流路内にある浄水が自由に流れることができる状態であっても、入水弁の開閉によって排出口への浄水の流れが制御されることができる。したがって、排出流路600内に残留する浄水は、挿入部231から流入した浄水によって押し流されて排出口400に流れる。言い換えれば、入水弁300が開いて浄水が浄水タンク100に流入すると、排出流路600内の浄水は排出口400に流れる。このように、排出流路600に開閉弁が設けられないことにより、浄水の排出は入水弁300によって制御されることができる。
【0057】
以下では、上記のような構成を有する浄水器1の動作及び効果について説明する。
【0058】
本発明の一実施例による浄水器1は、原水を濾過して浄水として使用者に提供することができ、浄水を冷却して冷たい浄水を使用者に提供することができる。このような浄水器1は、外部から原水を供給してもらうことができ、原水はフィルター500を介して濾過される。フィルター500で濾過された浄水は、入水弁300を介して浄水タンク200に流れることができる。
【0059】
入水弁300によって入水部250が開かれると、浄水はタンク本体部210の内部に流入することができる。収容空間211に流入した浄水は、バッフル270及び1つ以上の隔壁部材260に沿って流れることができる。収容空間211に浄水が満たされていない初期状態の場合、浄水は収容空間211の下側に流れた後、流入口221を通過して排出通路223に流動する。この場合、収容空間211の気体は、連通口222、貫通孔241及び出水チューブ230を順次経て外部に排出されることができる。また、持続的に浄水が収容空間211に流入すると、収容空間211の排出通路223には浄水が満ちてくるようになり、所定温度以下に冷却されることができる。
【0060】
排出通路223で満ちてくる浄水が挿入部231の下端を越えると、気体はそれ以上外部に排出されなくなり、所定の高さを越えると気体層の圧力により浄水は挿入部231に流入するようになる。挿入部231に流入した浄水は、排出流路600及び排出口400を順次経て外部に排出される。
【0061】
一方、使用者の操作によって入水弁300が開かれると、前述したように、浄水は所定の温度以下に冷却されて外部に排出される。また、使用者の操作によって入水弁300が閉じられると、タンク本体部210に流入する浄水が遮断されることにより、浄水はそれ以上外部に排出されない。この場合、浄水は排出口400、出水チューブ230の内側管、排出バッファ部220及びタンク本体部210に残留するようになる。
【0062】
本発明の一実施例による浄水器1は、出水チューブ230に入水弁300のような機能をする開閉弁が備えられない。したがって、出水チューブ230を介して外部に排出される浄水は、入水弁300の動作によって制御されることができる。例えば、入水弁300が開かれる場合、浄水はタンク本体部210に流入することができ、流入した浄水により排出通路223の浄水は出水チューブ230に流入する。このような出水チューブ230に残留する浄水は、出水チューブ230に流入した浄水によって押され、排出口400を介して外部に排出されるようになる。
【0063】
このように、出水チューブ230に開閉弁が設けられなくても、入水弁300の開閉だけでも排出口400を介して外部に排出される浄水の量を調節することができる効果がある。また、出水チューブ230に開閉弁を設けないことにより浄水器1の大きさが従来に比べて著しく小さくなる効果がある。
【0064】
また、入水弁300が遮断されるとき、収容空間211の浄水がうねってもガスケット240が排出通路223の浄水がうねるのを防止することにより、出水チューブ230に浄水が流入するのを防ぐことができる。すなわち、浄水器1の外部に排出される残水が発生するのを防止する効果がある。
【0065】
以上、本発明の実施形態を具体的な実施例として説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれに限定されず、本明細書に開示された技術的思想に従う最も広い範囲を有するものと解釈されるべきである。当業者は、開示された実施例を組合せ/置換して摘示されていない形状のパターンを実施することができるが、これも本発明の範囲から逸脱しないであろう。さらに、当業者は、本明細書に基づいて開示された実施例を容易に変更又は変形することができ、そのような変更又は変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。