(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】マルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法、端末、基地局及びコンピューター可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 8/24 20090101AFI20241018BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20241018BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20241018BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20241018BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20241018BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W16/28 130
H04W72/0453
H04W72/1268
H04W88/02 140
(21)【出願番号】P 2023560608
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2021117951
(87)【国際公開番号】W WO2022205785
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-11-27
(31)【優先権主張番号】202110348897.7
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515003145
【氏名又は名称】チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHINA TELECOM CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】31, JINRONG STREET, XICHENG DISTRICT, BEIJING 100033, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シャン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ボ
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ジャンチー
(72)【発明者】
【氏名】シー,シャオミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ペン
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0412421(US,A1)
【文献】Moderator (ZTE),FL summary #1 on SRS enhancements[online],3GPP TSG RAN WG1 #104-e R1-2101783,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_104-e/Docs/R1-2101783.zip>,2021年01月27日
【文献】InterDigital, Inc.,Discussion on SRS Enhancements[online],3GPP TSG RAN WG1 #104-e R1-2100068,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_104-e/Docs/R1-2100068.zip>,2021年01月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末が基地局との接続を確立した後、前記端末がマルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記基地局に送信することを含み、
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、前記端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用され、
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、非コヒーレント送信能力情報、部分コヒーレント送信能力情報、又は完全コヒーレント送信能力情報のうちの少なくとも1つを含み、前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の粒度は、帯域組み合わせ、帯域、又は端末のうちの少なくとも1つの粒度であり、
前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の報告粒度が、アップリンクTxスイッチングをサポートする各帯域組み合わせ、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする2つのアップリンク送信アンテナ
を伴う各帯域、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする帯域組み合わせ内の2つのアップリンク送信アンテナを伴う各帯域、又は前記アップリンクTxスイッチングをサポートする端末の少なくとも1つの粒度である、マルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項2】
前記端末が、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を送信した後に、前記基地局から送信されたアップリンクスケジューリング情報を受信し、該アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行うこと、
を更に含む、請求項1に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項3】
前記端末が前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記基地局に前記送信することは、
前記端末が、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報に基づいてpusch-TransCoherence表示を生成し、前記pusch-TransCoherence表示をMIMO-ParametersPerBand能力情報内に追加し、前記MIMO-ParametersPerBand能力情報を前記基地局に送信すること、
を含む、請求項1に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項4】
前記端末が前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記基地局に前記送信することは、
前記端末が、前記アップリンクTxスイッチングモードにおける前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報をコヒーレンス表示メッセージ内に追加し、前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に送信すること、
を含む、請求項1に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項5】
前記端末によって確立される前記基地局との前記接続はRRC接続を含み、前記端末が前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に前記送信することは、
前記端末が、前記基地局との前記RRC接続を確立した後、前記基地局によって配分された物理アップリンク共有チャネルのタイムスロットを通じて前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に送信すること、
を含む、請求項
4に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項6】
前記端末が、前記基地局によって送信されたRRCシグナリングを受信し、前記アップリンクTxスイッチングモードを構成すること、
を更に含み、
前記RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリングを含む、請求項1に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項7】
前記周波数帯域は、TDD帯域及びFDD帯域を含み、前記2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアは、アップリンクFDDキャリア又はアップリンクTDDキャリアのうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項8】
基地局と端末との間の接続が確立された後、前記基地局が前記端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信することを含み、
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、前記端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用され、
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、非コヒーレント送信能力情報、部分コヒーレント送信能力情報、又は完全コヒーレント送信能力情報のうちの少なくとも1つを含み、前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の粒度は、帯域組み合わせ、帯域、又は端末のうちの少なくとも1つの粒度であり、
前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の報告粒度が、アップリンクTxスイッチングをサポートする各帯域組み合わせ、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする2つのアップリンク送信アンテナ
を伴う各帯域、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする帯域組み合わせ内の2つのアップリンク送信アンテナを伴う各帯域、又は前記アップリンクTxスイッチングをサポートする端末の少なくとも1つの粒度である、マルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項9】
前記基地局が、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信した後に、アップリンクスケジューリング情報を前記端末に送信して、前記端末に、前記アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行わせること、
を更に含む、請求項
8に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項10】
前記基地局が前記端末によって送信された前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記受信することは、
前記基地局が、前記端末によって送信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報を受信し、前記MIMO-ParametersPerBand能力情報内のpusch-TransCoherence表示を抽出し、前記pusch-TransCoherence表示に基づいて前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を特定すること、
を含む、請求項
8に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項11】
前記基地局が前記端末によって送信された前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記受信することは、
前記基地局が、前記端末によって送信されたコヒーレンス表示メッセージを受信し、前記コヒーレンス表示メッセージから前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を抽出することを含む、請求項
8に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項12】
前記基地局がRRCシグナリングを前記端末に送信し、前記端末が前記RRCシグナリングを受信した後、前記端末に、前記アップリンクTxスイッチングモードを構成させることを更に含み、
前記RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリングを含む、請求項
8に記載のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法。
【請求項13】
端末であって、
該端末が基地局との接続を確立した後、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記基地局に送信するように構成される能力情報報告モジュールを備え、
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、該端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用され、
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、非コヒーレント送信能力情報、部分コヒーレント送信能力情報、又は完全コヒーレント送信能力情報のうちの少なくとも1つを含み、前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の粒度は、帯域組み合わせ、帯域、又は端末のうちの少なくとも1つの粒度であり、
前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の報告粒度が、アップリンクTxスイッチングをサポートする各帯域組み合わせ、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする2つのアップリンク送信アンテナ
を伴う各帯域、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする帯域組み合わせ内の2つのアップリンク送信アンテナを伴う各帯域、又は前記アップリンクTxスイッチングをサポートする端末の少なくとも1つの粒度である、端末。
【請求項14】
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報が送信された後、前記基地局によって送信されたアップリンクスケジューリング情報を受信し、該アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行うように構成されるスケジューリング情報処理モジュール、
を更に備える、請求項
13に記載の端末。
【請求項15】
前記能力情報報告モジュールは、
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報に基づいてpusch-TransCoherence表示を生成し、前記pusch-TransCoherence表示をMIMO-ParametersPerBand能力情報内に追加し、前記MIMO-ParametersPerBand能力情報を前記基地局に送信するように構成される第1の報告ユニット、
を備える、請求項
13に記載の端末。
【請求項16】
前記能力情報報告モジュールは、
前記アップリンクTxスイッチングモードにおける前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報をコヒーレンス表示メッセージ内に追加し、前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に送信するように構成される第2の報告ユニット、
を備える、請求項
13に記載の端末。
【請求項17】
前記第2の報告ユニットは、前記基地局とのRRC接続が確立された後、前記基地局によって配分された物理アップリンク共有チャネルのタイムスロットを通じて前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に送信するように構成される、請求項
16に記載の端末。
【請求項18】
前記基地局によって送信されたRRCシグナリングを受信し、前記アップリンクTxスイッチングモードを構成するように構成される第1のスイッチングモード構成モジュール、
を更に備え、
前記RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリングを含む、請求項
13から
17までのいずれか1項に記載の端末。
【請求項19】
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令に基づいて、請求項1から
7までのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、端末。
【請求項20】
基地局と端末との間の接続が確立された後、前記端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信するように構成される能力情報受信モジュールを備え、
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、前記端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用され、
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、非コヒーレント送信能力情報、部分コヒーレント送信能力情報、又は完全コヒーレント送信能力情報のうちの少なくとも1つを含み、前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の粒度は、帯域組み合わせ、帯域、又は端末のうちの少なくとも1つの粒度であり、
前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の報告粒度が、アップリンクTxスイッチングをサポートする各帯域組み合わせ、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする2つのアップリンク送信アンテナ
を伴う各帯域、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする帯域組み合わせ内の2つのアップリンク送信アンテナを伴う各帯域、又は前記アップリンクTxスイッチングをサポートする端末の少なくとも1つの粒度である、基地局。
【請求項21】
前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報が受信された後、アップリンクスケジューリング情報を前記端末に送信して、前記端末に、前記アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行わせるように構成されるスケジューリング情報送信モジュール、
を更に備える、請求項
20に記載の基地局。
【請求項22】
前記能力情報受信モジュールは、
前記端末によって送信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報を受信し、前記MIMO-ParametersPerBand能力情報内のpusch-TransCoherence表示を抽出し、前記pusch-TransCoherence表示に基づいて前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を特定するように構成される第1の情報受信モジュール、
を備える、請求項
20に記載の基地局。
【請求項23】
前記能力情報受信モジュールは、
前記端末によって送信されたコヒーレンス表示メッセージを受信し、前記コヒーレンス表示メッセージから前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を抽出するように構成される第2の情報受信モジュール、
を備える、請求項
20に記載の基地局。
【請求項24】
RRCシグナリングを前記端末に送信し、前記端末が前記RRCシグナリングを受信した後、前記端末に、前記アップリンクTxスイッチングモードを構成させるように構成される第2のスイッチングモード構成モジュール、
を備え、
前記RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリングを含む、請求項
20に記載の基地局。
【請求項25】
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令に基づいて、請求項
8から
12までのいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、基地局。
【請求項26】
プロセッサによって実行されると、請求項1から
7までのいずれか1項に記載の方法を実行するコンピューター命令を記憶している、コンピューター可読記憶媒体。
【請求項27】
プロセッサによって実行されると、請求項8から12までのいずれか1項に記載の方法を実行するコンピューター命令を記憶している、コンピューター可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本開示は、2021年3月31日に出願された中国特許出願第202110348897.7号に基づくものであり、この中国特許出願に対する優先権を主張し、この中国特許出願の開示は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、通信の技術分野に関し、特に、マルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法、端末、基地局、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
アップリンクTxスイッチング技法が、5G標準規格に導入されている。例えば、端末は、アップリンクTxスイッチングモードを用いて構成され、TxスイッチングによってアップリンクにおいてFDDキャリア及び/又はTDDキャリアを使用して、アップリンクリソースの利用を最大にし、これによって、より高いアップリンクレート及びより低いレイテンシーの要件が満たされるように、ネットワーク容量及びカバレッジ性能に対する改善を達成することができるとともに、無線レイテンシーを下げることができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1の態様によれば、端末が基地局との接続を確立した後、前記端末がマルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記基地局に送信すること、ここで、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、前記端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。
【0005】
いくつかの実施の形態においては、前記端末は、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を送信した後、前記基地局によって送信されたアップリンクスケジューリング情報を受信して、前記アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行う。
【0006】
いくつかの実施の形態においては、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、非コヒーレント送信能力情報、部分コヒーレント(partial-coherent)送信能力情報、又は完全コヒーレント(full-coherent)送信能力情報のうちの少なくとも1つを含み、前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の粒度は、帯域組み合わせ、帯域、又は端末のうちの少なくとも1つの粒度である。
【0007】
いくつかの実施の形態においては、前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の報告粒度が、アップリンクTxスイッチングをサポートする各帯域組み合わせ、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする2つのアップリンク送信アンテナが可能な各帯域、前記アップリンクTxスイッチングをサポートする帯域組み合わせ内の2つのアップリンク送信アンテナを伴う各帯域、又は前記アップリンクTxスイッチングをサポートする端末の少なくとも1つの粒度である。
【0008】
いくつかの実施の形態においては、前記端末がマルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記基地局に前記送信することは、前記端末が、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報に基づいてpusch-TransCoherence表示を生成し、前記pusch-TransCoherence表示をMIMO-ParametersPerBand能力情報内に追加し、前記MIMO-ParametersPerBand能力情報を前記基地局に送信することを含む。
【0009】
いくつかの実施の形態においては、前記端末がマルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記基地局に前記送信することは、前記端末が、前記アップリンクTxスイッチングモードにおける前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報をコヒーレンス表示メッセージ内に追加し、前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に送信することを含む。
【0010】
いくつかの実施の形態においては、前記基地局は、前記コヒーレンス表示メッセージを受信しない場合には、前記受信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報内の前記pusch-TransCoherence表示を抽出して、マルチアンテナコヒーレンス情報を取得する。
【0011】
いくつかの実施の形態においては、前記端末によって確立される前記基地局との前記接続はRRC接続を含み、前記端末が前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に前記送信することは、前記端末が、前記基地局との前記RRC接続を確立した後、前記基地局によって配分された物理アップリンク共有チャネルのタイムスロットを通じて前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に送信することを含む。
【0012】
いくつかの実施の形態においては、前記端末は、前記基地局によって送信されたRRCシグナリングを受信し、前記アップリンクTxスイッチングモードを構成し、前記RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリングを含む。
【0013】
いくつかの実施の形態においては、前記周波数帯域は、TDD帯域及びFDD帯域を含み、前記2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアは、アップリンクFDDキャリア又はアップリンクTDDキャリアのうちの少なくとも一方を含む。
【0014】
本開示の第2の態様によれば、基地局と端末との間の接続が確立された後、前記基地局が前記端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信することを含むマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法が提供される。前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、前記端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。
【0015】
いくつかの実施の形態においては、前記基地局は、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信した後、アップリンクスケジューリング情報を前記端末に送信し、これにより、前記端末が前記アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行う。
【0016】
いくつかの実施の形態においては、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、非コヒーレント送信能力情報、部分コヒーレント送信能力情報、又は完全コヒーレント送信能力情報のうちの少なくとも1つを含み、前記非コヒーレント送信能力情報、前記部分コヒーレント送信能力情報、及び前記完全コヒーレント送信能力情報の粒度は、帯域組み合わせ、帯域、又は端末のうちの少なくとも1つの粒度である。
【0017】
いくつかの実施の形態においては、前記基地局が前記端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記受信することは、前記基地局が、前記端末によって送信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報を受信し、前記MIMO-ParametersPerBand能力情報内のpusch-TransCoherence表示を抽出し、前記pusch-TransCoherence表示に基づいて前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を特定することを含む。
【0018】
いくつかの実施の形態においては、前記基地局が前記端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記受信することは、前記基地局が、前記端末によって送信されたコヒーレンス表示メッセージを受信し、前記コヒーレンス表示メッセージから前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を抽出することを含む。
【0019】
いくつかの実施の形態においては、前記基地局は、前記端末が、RRCシグナリングを受信した後、前記アップリンクTxスイッチングモードを構成するように、前記RRCシグナリングを前記端末に送信する。前記RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリングを含む。
【0020】
いくつかの実施の形態においては、前記基地局は、前記コヒーレンス表示メッセージを受信しない場合には、前記受信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報内の前記pusch-TransCoherence表示を抽出して、マルチアンテナコヒーレンス情報を取得する。
【0021】
本開示の第3の態様によれば、端末が基地局との接続を確立した後、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を前記基地局に送信するように構成される能力情報報告モジュールを備える該端末が提供される。前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、該端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。
【0022】
いくつかの実施の形態においては、スケジューリング情報処理モジュールが、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報が送信された後、前記基地局によって送信されたアップリンクスケジューリング情報を受信し、該アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行うように構成される。
【0023】
いくつかの実施の形態においては、前記能力情報報告モジュールは、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報に基づいてpusch-TransCoherence表示を生成し、前記pusch-TransCoherence表示をMIMO-ParametersPerBand能力情報内に追加し、前記MIMO-ParametersPerBand能力情報を前記基地局に送信するように構成される第1の報告ユニットを備える。
【0024】
いくつかの実施の形態においては、前記能力情報報告モジュールは、前記アップリンクTxスイッチングモードにおける前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報をコヒーレンス表示メッセージ内に追加し、前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に送信するように構成される第2の報告ユニットを備える。
【0025】
いくつかの実施の形態においては、前記第2の報告ユニットは、前記基地局とのRRC接続が確立された後、前記基地局によって配分された物理アップリンク共有チャネルのタイムスロットを通じて前記コヒーレンス表示メッセージを前記基地局に送信するように構成される。
【0026】
いくつかの実施の形態においては、第1のスイッチングモード構成モジュールが、前記基地局によって送信されたRRCシグナリングを受信し、前記アップリンクTxスイッチングモードを構成するように構成される。前記RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリングを含む。
【0027】
本開示の第4の態様によれば、メモリと、前記メモリに結合されたプロセッサとを備え、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令に基づいて、上記方法を実行するように構成される、端末が提供される。
【0028】
本開示の第5の態様によれば、基地局と端末との間の接続が確立された後、前記端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信するように構成される能力情報受信モジュールを備える基地局が提供される。前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、前記端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。
【0029】
いくつかの実施の形態においては、スケジューリング情報送信モジュールが、前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報が受信された後、前記端末が、アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行うように、前記アップリンクスケジューリング情報を前記端末に送信するように構成される。
【0030】
いくつかの実施の形態においては、前記能力情報受信モジュールは、前記端末によって送信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報を受信し、前記MIMO-ParametersPerBand能力情報内のpusch-TransCoherence表示を抽出し、前記pusch-TransCoherence表示に基づいて前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を特定するように構成される第1の情報受信モジュールを備える。
【0031】
いくつかの実施の形態においては、前記能力情報受信モジュールは、前記端末によって送信されたコヒーレンス表示メッセージを受信し、前記コヒーレンス表示メッセージから前記マルチアンテナコヒーレンス能力情報を抽出するように構成される第2の情報受信モジュールを備える。
【0032】
いくつかの実施の形態においては、前記端末が、RRCシグナリングを受信した後、前記アップリンクTxスイッチングモードを構成するように、第2のスイッチングモード構成モジュールが、前記RRCシグナリングを前記端末に送信するように構成される。前記RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリングを含む。
【0033】
いくつかの実施の形態においては、前記能力情報受信モジュールは、前記コヒーレンス表示メッセージが受信されていない場合に、前記受信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報内の前記pusch-TransCoherence表示を抽出して、マルチアンテナコヒーレンス情報を取得するように構成される。
【0034】
本開示の第6の態様によれば、メモリと、前記メモリに結合されたプロセッサとを備え、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令に基づいて、上記方法を実行するように構成される基地局が提供される。
【0035】
本開示の第7の態様によれば、プロセッサによって実行されると、上記方法を実行するコンピューター命令を記憶している、コンピューター可読記憶媒体が提供される。
【0036】
本開示の実施形態又は関連技術における解決策をより明確に示すために、実施形態又は関連技術の説明において使用する必要がある図面が以下で簡単に説明されるが、以下の説明における図面は、単に本開示のいくつかの実施形態にすぎないことは明らかであり、当業者には、創造的な努力を支払うことなく、以下の図面に従って他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態によるマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法の概略フロー図である。
【
図2】本開示の他の実施形態によるマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法の概略フロー図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による端末の概略モジュール図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による端末内の能力情報報告モジュールの概略モジュール図である。
【
図5】本開示の他の実施形態による端末の概略モジュール図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による基地局の概略モジュール図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による基地局内の能力情報受信モジュールの概略モジュール図である。
【
図8】本開示の他の実施形態による基地局の概略モジュール図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示のより完全な説明が、本開示の例示的な実施形態が記載されている添付図面に関して以下で行われる。本開示の実施形態における技術的解決策が、本開示の実施形態において、図面とともに以下に明確且つ完全に説明され、説明される実施形態は、全ての実施形態ではなく本開示の一部の実施形態にすぎないことは明らかである。創造的な努力を行うことなく本開示における実施形態に基づいて当業者によって得られる他の全ての実施形態は、本開示の保護の範囲内に含まれることになる。本開示の技術的解決策の様々な態様が、様々な図面及び実施形態とともに以下で説明される。
【0039】
以下の説明における用語「第1の」、「第2の」等は、説明上区別するために使用されているにすぎず、他の特別な意味を有するものではない。
【0040】
本発明者らに既知の関連技術において、端末がアップリンクTxスイッチングモードにあり、端末が周波数帯域の間で動的Txスイッチングを行うときに、いくつかの端末は、マルチアンテナコヒーレンスを維持することができず、これは、アップリンク送信性能に影響を与えるおそれがある。
【0041】
3GPP R16標準規格において、アップリンクTxスイッチングモードは、2つのキャリアの間のスイッチングに適用可能であり、一方のキャリアは、単一のアップリンク送信アンテナが可能であり、他方のキャリアは、2つのアップリンク送信アンテナが可能である。5G R16の後段において、3GPPは、2GHz付近のキャリア周波数においてFDDキャリア用の2つのアップリンク送信アンテナの機能を導入している。3GPP R16/R17は、種々のアップリンクTxスイッチングモードにおいて、少なくとも1つのキャリアが2つのアップリンク送信アンテナの送信能力を有することができるように、種々のシナリオのアップリンクTxスイッチングモードを導入している。いくつかの端末の送信機(Tx)が周波数帯域の間で動的スイッチングを行った後、マルチアンテナコヒーレンスを維持することができず、これは、アップリンク送信性能に影響を与える。
【0042】
このことに鑑み、本開示が解決すべき技術的課題は、マルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法、端末、基地局、及び記憶媒体を提供することである。これらの方法等においては、端末が基地局との接続を確立した後、マルチアンテナコヒーレンス能力情報が基地局に送信される。このマルチアンテナコヒーレンス能力情報は、端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。これらの方法等は、アップリンク送信の性能及び安定性を確保するとともにユーザーの使用経験を改善することが可能であるように、より高いアップリンクレート及び/又はより低いレイテンシー要件が満たされる様々なアップリンクTxスイッチングアプリケーションシナリオに適用可能である。
【0043】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法の概略フロー図である。
【0044】
図1に示すように、ステップ101において、端末が基地局との接続を確立した後、端末は、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を基地局に送信する。
【0045】
いくつかの実施形態においては、5G新無線(NR:new radio)デュアルバンドネットワーキングシナリオの場合に、少なくとも端末によって使用される1つの帯域において、端末は、2つのアップリンク送信アンテナの送信能力を有する。周波数帯域は、TDD帯域、FDD帯域等を含み、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアは、アップリンクFDDキャリア又はアップリンクTDDキャリアのうちの少なくとも一方を含み、各帯域は、2つのアップリンク送信アンテナを伴う1つ、2つ、3つ又はそれよりも多くのキャリアに対応することができる。端末は、モバイルフォン、タブレットコンピューター等を含む。
【0046】
例えば、端末が、アップリンクTxスイッチングモードにあり、端末の送信機の1つ又は2つのセットが、2つのキャリアの間で動的スイッチングを行うとき、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアは、アップリンクFDDキャリア又はアップリンクTDDキャリアとすることができる。すなわち、端末が2つのアップリンク送信アンテナを有するキャリアは、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアであり、このキャリアは、アップリンクデータ送信を行うのに使用可能なキャリアである。
【0047】
マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、動的スイッチングが2つの周波数帯域の間で行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。マルチアンテナコヒーレンス能力情報を報告することによって、端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間で動的スイッチングを行う送信機の1つ又は2つのセットが存在するときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについてマルチアンテナコヒーレンスを維持することが可能であるか否かが識別される。
【0048】
動的スイッチングは、基地局スケジューリング及び3GPP TS38.214において定義されているアップリンクスイッチングメカニズムに基づいて、数百μs程度(例えば、35μs、140μs、210μs)の2つの周波数帯域の間の送信機の高速スイッチングを指す。複数の送信アンテナの間のコヒーレンスは、アップリンクの複数の送信アンテナの間のコヒーレンスであり、これは、或る期間内に或る特定の許容範囲の下で位相連続性及び電力一貫性を維持することを指し、3GPP TS38シリーズにおいて定義されているものである。
【0049】
ステップ102において、端末は、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を送信した後、基地局によって送信されたアップリンクスケジューリング情報を受信し、アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行う。
【0050】
いくつかの実施形態においては、基地局は、マルチアンテナコヒーレンス能力情報等の端末の報告情報を受信し、アップリンクスケジューリング情報を端末に送信する。アップリンクスケジューリング情報は、PUSCHのコードブックサブセット内のプリコーディング行列に対応する基準電力、基準位相等を含み、端末は、アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行う。マルチアンテナコヒーレンス能力情報に基づいて、基地局は、2つのアップリンク送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能な端末について、コヒーレントUL MIMOをスケジューリングすることができる。
【0051】
上述の実施形態におけるマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法において、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を報告することによって、2つの周波数帯域の間で動的スイッチングを行う送信機の1つ又は2つのセットが存在するときに、この方法が動的Txスイッチングモード等の様々なモードに適用可能であるように、端末が、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かが判断される。
【0052】
いくつかの実施形態においては、マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、非コヒーレント送信能力情報、部分コヒーレント送信能力情報、又は完全コヒーレント送信能力情報のうちの少なくとも1つを含み、非コヒーレント送信能力情報の粒度、部分コヒーレント送信能力情報の粒度、及び完全コヒーレント送信能力情報の粒度が、帯域組み合わせ、帯域、又は端末の少なくとも1つの粒度であり、すなわち、マルチアンテナコヒーレンス能力は、各帯域組み合わせ、各帯域、又は各端末に基づいて報告することができる。
【0053】
コヒーレント送信能力は、端末のアンテナの間の相対的な位相差及び電力差を或る特定の範囲内に維持する能力を指す。マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、マルチアンテナのコヒーレント送信能力を含み、完全コヒーレント送信能力、すなわち、全てのアンテナの間でコヒーレント送信を行うことができるものと、部分コヒーレント送信能力、すなわち、コヒーレント送信グループ内のアンテナの間ではコヒーレント送信を行うことができるが、コヒーレント送信グループ同士の間ではコヒーレント送信を行うことができず、各コヒーレント送信グループは、2つのアンテナ等を含み得るものと、非コヒーレント送信能力、すなわち、アンテナの間でコヒーレント送信を行うことができないものと、の3つのタイプのコヒーレント送信能力がある。
【0054】
例えば、非コヒーレント送信能力情報、部分コヒーレント送信能力情報、及び完全コヒーレント送信能力情報の報告粒度は、アップリンクTxスイッチングをサポートする各帯域組み合わせ、アップリンクTxスイッチングをサポートする2つのアップリンク送信アンテナが可能な各帯域、アップリンクTxスイッチングをサポートする帯域組み合わせ内の2つのアップリンク送信アンテナを伴う各帯域、又はアップリンクTxスイッチングをサポートする端末の少なくとも1つの粒度である。
【0055】
種々のスイッチングシナリオに基づいて、マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、2つの送信アンテナの送信能力を有する全て(1つ以上)のキャリアを報告することができる。粒度がTxスイッチングをサポートする各帯域組み合わせのものである場合に、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を報告するシグナリングは、R16及びその後のリリースでは、Txスイッチング用の帯域組み合わせリストにおいて定義される。
【0056】
いくつかの実施形態においては、端末は、マルチアンテナコヒーレンス能力情報の報告に、3GPP R15におけるpusch-TransCoherence能力を再利用することもできるし、新たなコヒーレンス表示メッセージを使用することもできる。3GPP R15におけるpusch-TransCoherence能力を再利用する場合には、端末(基地局RRC構成後のアップリンクTxスイッチング状態にある)は、マルチアンテナコヒーレンス能力情報に基づいてpusch-TransCoherence表示を生成し、pusch-TransCoherence表示をMIMO-ParametersPerBand能力情報内に追加し、MIMO-ParametersPerBand能力情報を基地局に送信する。
【0057】
3GPP R15では、端末によってサポートされるコードブックサブセットに対する制限が、MIMO-ParametersPerBand内のpusch-TransCoherenceによって示される。すなわち、端末によって報告されるpusch-TransCoherenceがnonCoherent(非コヒーレント)であるときは、端末は、非コヒーレント送信能力を有する端末であり、端末によって報告されるpusch-TransCoherenceがpartialNonCoherent(部分非コヒーレント)であるときは、端末は、部分コヒーレント送信能力を有する端末であり、端末によって報告されるpusch-TransCoherenceがfullCoherent(完全コヒーレント)であるときは、端末は、完全コヒーレント送信能力を有する端末である。
【0058】
pusch-TransCoherence表示を再利用するとき、端末が、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持又は部分的に維持することが可能である場合には、pusch-TransCoherenceの値は、帯域組み合わせ、帯域、又は端末の少なくとも1つの粒度に基づいて完全コヒーレント送信能力情報又は部分コヒーレント送信能力情報となるように設定され、端末が複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが不可能である場合には、pusch-TransCoherenceの値は、nonCoherentとなるように設定することもできるし、帯域組み合わせ、帯域、及び端末の少なくとも1つの粒度に基づいて非コヒーレント送信能力情報となるように設定することもできる。
【0059】
いくつかの実施形態においては、端末は、新たに定義されたコヒーレンス表示メッセージを通じてマルチアンテナコヒーレンス能力情報を基地局に送信することができる。このメッセージは、様々なメッセージフォーマットのものとすることができる。マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、Txスイッチングをサポートする各帯域組み合わせの情報、又は2つの送信アンテナ(2つのアップリンク送信アンテナ)が可能な各帯域の情報、又はTxスイッチングをサポートする各帯域組み合わせ内の2つの送信アンテナが可能な各帯域の情報、又はTxスイッチングをサポートする各端末(すなわち、1つ以上の帯域組み合わせ内のTxスイッチングをサポートする端末)の情報である。
【0060】
基地局は、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信しない場合に、端末がアップリンクマルチアンテナコヒーレンスを維持することが可能であるという能力が、Rel-15 pusch-TransCoherenceを通じて端末によって報告される能力と一致していると判断する。すなわち、基地局は、受信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報内のpusch-TransCoherence表示を抽出して、マルチアンテナコヒーレンス情報を取得する。
【0061】
いくつかの実施形態においては、マルチアンテナコヒーレンス能力情報の報告は任意選択事項であり、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を報告しない帯域組み合わせ/帯域/端末について、基地局は、端末がアップリンクマルチアンテナコヒーレンスを維持することが可能であるという能力が、pusch-TransCoherenceを通じて報告される能力と一致していることを確認する。
【0062】
端末は、アップリンクTxスイッチングモードにおけるマルチアンテナコヒーレンス能力情報をコヒーレンス表示メッセージ内に追加し、コヒーレンス表示メッセージを基地局に送信する。端末によって確立された基地局との接続は、様々な接続、例えばRRC接続とすることができ、基地局とのRRC接続が確立された後、端末は、基地局によって配分された物理アップリンク共有チャネルのタイムスロットを通じてコヒーレンス表示メッセージを基地局に送信する。
【0063】
いくつかの実施形態においては、端末は、基地局によって送信されたRRCシグナリングを受信し、アップリンクTxスイッチングモードを構成する。RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリング等を含む。例えば、アップリンクTxスイッチングモードにある端末は、基地局がRRCシグナリング(例えば、R16におけるアップリンクTxスイッチング、R17におけるTxスイッチングRRCスイッチングシグナリング等)を送信することによって構成及び実施することができる。
【0064】
マルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法によって、端末の送信機が周波数帯域の間で動的スイッチングを行った後、マルチアンテナコヒーレンスを維持することができるか否かが識別され、2つのアップリンク送信アンテナが可能な全てのキャリアについて、端末のマルチアンテナコヒーレンス能力情報の報告を導入することによって種々の端末の実施態様を識別することができ、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を任意選択で報告するように設定することによって、端末がTxスイッチングモードにおいてマルチアンテナコヒーレンス能力情報を追加で報告しない場合には、既存の仕様に基づいて開発された端末に対する影響を削減することができるように、基地局は、端末が非Txスイッチングモードのときと同じアップリンクアンテナコヒーレンスを維持することが可能であると考える。
【0065】
図2は、本開示の他の実施形態によるマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法のフロー図である。
【0066】
図2に示すように、ステップ201において、基地局と端末との間の接続が確立された後、基地局は、端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信する。
【0067】
マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。
【0068】
ステップ202において、基地局は、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信した後、アップリンクスケジューリング情報を端末に送信し、これにより、端末がアップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行う。
【0069】
基地局は、端末が2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて送信アンテナコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを、端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報に基づいて識別する。アップリンクの複数の送信アンテナの間のコヒーレンスは、或る期間内に維持される或る特定の許容範囲の下での位相連続性及び電力一貫性を指す。2つのアップリンク送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能な端末について、基地局は、コヒーレントUL MIMOをスケジューリングすることができる。
【0070】
基地局は、アップリンクTxスイッチングモードにおいて追加して報告されるマルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信しない場合には、受信されたMIMO-ParameterPerBand能力情報内のpusch-TransCoherence表示を抽出して、マルチアンテナコヒーレンス情報を取得する。
【0071】
いくつかの実施形態においては、基地局は、端末によって送信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報を受信し、MIMO-ParametersPerBand能力情報内のpusch-TransCoherence表示を抽出して、pusch-TransCoherence表示に基づいてマルチアンテナコヒーレンス能力情報を特定する。
【0072】
基地局が端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信することは、基地局が端末によって送信されたコヒーレンス表示メッセージを受信し、コヒーレンス表示メッセージからマルチアンテナコヒーレンス能力情報を抽出することを含む。基地局は、端末が、RRCシグナリングを受信した後にアップリンクTxスイッチングモードを構成するように、RRCシグナリングを端末に送信する。RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリング等を含む。
【0073】
いくつかの実施形態においては、
図3に示すように、本開示は、能力情報報告モジュール31と、スケジューリング情報処理モジュール32と、第1のスイッチングモード構成モジュール33とを備える端末30を提供する。能力情報報告モジュール31は、端末が基地局との接続を確立した後、マルチアンテナコヒーレンス能力情報を基地局に送信する。マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。
【0074】
マルチアンテナコヒーレンス能力情報が送信された後、スケジューリング情報処理モジュール32は、基地局によって送信されたアップリンクスケジューリング情報を受信して、アップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行う。スイッチングモード構成モジュール33は、基地局によって送信されたRRCシグナリングを受信し、アップリンクTxスイッチングモードを構成する。RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリング等を含む。
【0075】
図4に示すように、能力情報報告モジュール31は、第1の報告ユニット311と、第2の報告ユニット312とを備える。第1の報告ユニット311は、マルチアンテナコヒーレンス能力情報に基づいてpusch-TransCoherence表示を生成し、pusch-TransCoherence表示をMIMO-ParametersPerBand能力情報内に追加し、MIMO-ParametersPerBand能力情報を基地局に送信する。
【0076】
第2の報告ユニット312は、アップリンクTxスイッチングモードにおけるマルチアンテナコヒーレンス能力情報をコヒーレンス表示メッセージ内に追加し、コヒーレンス表示メッセージを基地局に送信する。例えば、第2の報告ユニット312は、基地局とのRRC接続が確立された後、基地局によって配分された物理アップリンク共有チャネルのタイムスロットを通じてコヒーレンス表示メッセージを基地局に送信する。
【0077】
いくつかの実施形態においては、
図5に示すように、本開示は、メモリ51と、プロセッサ52と、通信インターフェース53と、バス54とを備える端末50を提供する。メモリ51は、命令を記憶するのに使用され、プロセッサ52は、メモリ51に結合され、プロセッサ52は、メモリ51に記憶された命令に基づいて、上記マルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法を実施するように構成される。
【0078】
メモリ51は、高速RAMメモリ、不揮発性メモリ等とすることができ、メモリ51は、メモリアレイであってもよい。メモリ51は、ブロックに区画することもでき、これらのブロックは、或る特定の規則に従って仮想ボリュームに組み合わせることができる。プロセッサ52は、本開示のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法を実施するように構成される中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、若しくは特定用向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、又は1つ以上の集積回路とすることができる。
【0079】
いくつかの実施形態においては、
図6に示すように、本開示は、能力情報受信モジュール61と、スケジューリング情報送信モジュール62と、第2のスイッチングモード構成モジュール63とを備える基地局60を提供する。基地局と端末との間の接続が確立された後、能力情報受信モジュール61は、端末によって送信されたマルチアンテナコヒーレンス能力情報を受信する。マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。
【0080】
マルチアンテナコヒーレンス能力情報が受信された後、スケジューリング情報送信モジュール62は、アップリンクスケジューリング情報を端末に送信し、これにより、端末がアップリンクスケジューリング情報に基づいて対応する構成を行う。能力情報受信モジュール62は、コヒーレンス表示メッセージを受信しない場合には、受信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報内のpushch-TransCoherence表示を抽出して、マルチアンテナコヒーレンス情報を取得する。
【0081】
第2のスイッチングモード構成モジュール63は、端末が、RRCシグナリングを受信した後にアップリンクTxスイッチングモードを構成するように、RRCシグナリングを端末に送信する。RRCシグナリングは、アップリンクTxスイッチング構成シグナリング等を含む。
【0082】
いくつかの実施形態においては、
図7に示すように、能力情報受信モジュール61は、第1の情報受信モジュール611と、第2の情報受信モジュール612とを備える。第1の情報受信モジュール611は、端末によって送信されたMIMO-ParametersPerBand能力情報を受信し、MIMO-ParametersPerBand能力情報内のpusch-TransCoherence表示を抽出し、pusch-TransCoherence表示に基づいてマルチアンテナコヒーレンス能力情報を特定する。第2の情報受信モジュール612は、端末によって送信されたコヒーレンス表示メッセージを受信し、コヒーレンス表示メッセージからマルチアンテナコヒーレンス能力情報を抽出する。
【0083】
いくつかの実施形態においては、
図8に示すように、本開示は、メモリ81と、プロセッサ82と、通信インターフェース83と、バス84とを備える基地局80を提供する。メモリ81は、命令を記憶するのに使用され、プロセッサ82は、メモリ81に結合され、プロセッサ82は、メモリ81に記憶された命令に基づいて、上記マルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法を実施するように構成される。
【0084】
メモリ81は、高速RAMメモリ、不揮発性メモリ等とすることができ、メモリ81は、メモリアレイであってもよい。メモリ81は、ブロックに区画することもでき、これらのブロックは、或る特定の規則に従って仮想ボリュームに組み合わせることができる。プロセッサ82は、本開示のマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法を実施するように構成される中央処理ユニット(CPU)、若しくは特定用向け集積回路(ASIC)、又は1つ以上の集積回路とすることができる。
【0085】
いくつかの実施形態においては、本開示は、プロセッサによって実行されると、上記実施形態のいずれかによる方法を実施するコンピューター命令が記憶されたコンピューター可読記憶媒体を提供する。
【0086】
本開示の実施形態は、方法、システム、又はコンピュータープログラム製品として提供することができることが当業者によって理解されるべきである。したがって、本開示は、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態、又はソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態を取ることができる。その上、本開示は、コンピューター使用可能プログラムコードが具現化される1つ以上のコンピューター使用可能非一時的記憶媒体(ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリ等を含むが、これらに限定されるものではない)において実現されるコンピュータープログラム製品の形態を取ることができる。
【0087】
本開示は、本開示の実施形態による方法、デバイス(システム)及びコンピュータープログラム製品のフロー図及び/又はブロック図に関して説明されている。これらのフロー図及び/又はブロック図の各フロー及び/又は各ブロック、並びにフロー図及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータープログラム命令によって実施することができることが理解されるべきである。これらのコンピュータープログラム命令は、汎用コンピューター、専用コンピューター、組み込みプロセッサ、又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサに提供されて、コンピューター又は他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサを通じて実行される命令が、フロー図の1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能を実施する手段を生成するような機械を生み出すことができる。
【0088】
これらのコンピュータープログラム命令は、コンピューター可読メモリに記憶された命令が、フロー図の1つ以上のフロー及び/又はブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能を実施する命令手段を含む製造品を生み出すように、特定の方法で動作するようにコンピューター又は他のプログラマブルデータ処理デバイスをガイドすることができるコンピューター可読メモリに記憶することもできる。
【0089】
上記実施形態におけるマルチアンテナ送信コヒーレンス能力報告方法、端末、基地局及び記憶媒体では、端末が基地局との接続を確立した後、マルチアンテナコヒーレンス能力情報が基地局に送信され、マルチアンテナコヒーレンス能力情報は、端末が、アップリンクTxスイッチングモードにおいて、2つの周波数帯域の間の動的スイッチングが行われるときに、2つのアップリンク送信アンテナを伴うキャリアについて、複数の送信アンテナの間でコヒーレンスを維持することが可能であるか否かを示すのに使用される。本発明は、より高いアップリンクレート及び/又はより低いレイテンシーの要件が満たされて、アップリンク送信の性能及び安定性が確保されるとともにユーザーの使用経験が改善される様々なアップリンクTxスイッチングアプリケーションシナリオに適用可能である。
【0090】
本開示の方法及びシステムは、多くの方法で実施することができる。本開示の方法及びシステムは、例えば、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア、ハードウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせによって実施することができる。方法のステップの上記順序は、単なる例示にすぎず、本開示の方法のステップは、特に別段の記載がない限り、上記で特に説明した順序に限定されるものではない。さらに、いくつかの実施形態においては、本開示は、記録媒体に記録されたプログラムとして更に実施することができ、これらのプログラムは、本開示による方法を実施する機械可読命令を含む。したがって、本開示は、本開示による方法を実行するプログラムを記憶する記録媒体を更に包含する。
【0091】
本開示の説明は、例示及び説明を目的として提示されたものであり、網羅することを意図するものでもなければ、本開示を開示された形態に限定することを意図するものでもない。多くの変更及び変形が当業者には明らかである。実施形態の選択及び説明は、本開示の原理及び実際の適用をより良く説明するとともに、当業者が本開示を理解することを可能にし、したがって、特定の目的に適した様々な変更を有する様々な実施形態を設計することを可能にするためのものである。