(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】検索支援システム、検索支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20241018BHJP
G06F 16/9038 20190101ALI20241018BHJP
【FI】
G06Q10/1053
G06F16/9038
(21)【出願番号】P 2024087798
(22)【出願日】2024-05-30
【審査請求日】2024-05-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】萩野 貴拓
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0365867(US,A1)
【文献】特許第7403023(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0210958(US,A1)
【文献】特許第7482335(JP,B1)
【文献】特開2006-228038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/9038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索支援システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、
検索ステップでは、検索対象情報に対する検索を実行し、ここで、前記検索対象情報は、データベースに登録された、求職者情報又は求人情報であり、
設定ステップでは、前記検索の実行前、実行中、又は実行後に、検索者からの入力に基づいて、前記検索対象情報から抽出する特定ポイントを設定し、
情報作成ステップでは、情報作成用参照情報に基づいて、前記検索によって抽出された前記検索対象情報に含まれるキーワード又は文章を用いて、前記特定ポイントに対応する特定情報を前記検索対象情報ごとに作成し、ここで、前記情報作成用参照情報は、前記検索対象情報と前記特定ポイントと前記特定情報との相関関係を含み、
結果表示制御ステップでは、前記特定情報を含む検索結果を表示させ
、
前記情報作成ステップでは、前記特定情報ごとに、前記特定ポイントとのマッチングの大きさを示すマッチング指標を付与し、
前記結果表示制御ステップでは、前記マッチング指標に基づいて、前記検索結果に表示する前記特定情報を決定する、検索支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記結果表示制御ステップでは、前記検索によって抽出された複数の前記検索対象情報を、それぞれの前記特定情報を含むリスト形式で表示させる、検索支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記情報作成用参照情報は、前記検索対象情報及び前記特定ポイントを入力とし、前記特定情報を出力することが可能なように学習された特定情報作成モデルを含み、
前記情報作成ステップでは、前記検索対象情報及び前記特定ポイントを前記特定情報作成モデルに入力し、前記特定情報作成モデルに前記特定情報を出力させる、検索支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記設定ステップでは、前記検索者によって指定された基準情報と、設定用参照情報とに基づいて、求人の要件、又は求職者の経歴若しくは希望に関する前記特定ポイントを決定し、ここで、前記検索対象情報が求職者情報である場合、前記基準情報は求人情報であり、前記検索対象情報が求人情報である場合、前記基準情報は求職者情報であり、前記設定用参照情報は、前記基準情報と前記特定ポイントとの相関関係を含む、検索支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載の検索支援システムにおいて、
前記設定用参照情報は、前記基準情報を入力とし、前記特定ポイントを出力することが可能なように学習された特定ポイント設定モデルを含み、
前記設定ステップでは、前記基準情報を前記特定ポイント設定モデルに入力することで前記特定ポイント設定モデルに出力させた前記特定ポイントを取得する、検索支援システム。
【請求項6】
請求項4に記載の検索支援システムにおいて、
前記検索対象情報は、求職者情報であり、
前記基準情報は、前記検索者が候補者を検索する求人情報である、検索支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載の検索支援システムにおいて、
前記設定ステップでは、求人情報で要件とされているスキル又は経験を前記特定ポイントとして設定し、
前記情報作成ステップでは、求職者情報に含まれる、前記特定ポイントであるスキル又は経験に関連する経歴を含む前記特定情報を作成する、検索支援システム。
【請求項8】
請求項6に記載の検索支援システムにおいて、
前記プロセッサは、次のステップさらに実行するように構成され、
スカウト文書作成ステップでは、前記検索結果に含まれる求職者情報のうち、前記検索者が選択した求職者情報を有する求職者に対するスカウト文書を作成し、ここで、前記スカウト文書は、前記基準情報に含まれる求人票が添付されるとともに、宛先となる求職者に対応する前記特定情報を含む、検索支援システム。
【請求項9】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記設定ステップでは、前記検索の実行前に、前記特定ポイントを設定するための入力を前記検索者から受け付ける、検索支援システム。
【請求項10】
請求項9に記載の検索支援システムにおいて、
前記検索ステップでは、前記検索者が指定した基準情報のベクトルデータと、前記検索対象情報のベクトルデータとの比較によって前記検索を実行し、ここで、前記検索対象情報が求職者情報である場合、前記基準情報は求人情報であり、前記検索対象情報が求人情報である場合、前記基準情報は求職者情報である、検索支援システム。
【請求項11】
請求項9に記載の検索支援システムにおいて、
前記設定ステップでは、前記検索の実行前に前記特定ポイントを設定し、
前記検索ステップでは、前記特定ポイントのベクトルデータと、前記検索対象情報のベクトルデータとの比較によって前記検索を実行する、検索支援システム。
【請求項12】
請求項
1に記載の検索支援システムにおいて、
前記結果表示制御ステップでは、前記検索結果において、前記マッチング指標が所定以上の前記特定情報が作成された前記検索対象情報のみを表示させる、検索支援システム。
【請求項13】
請求項1に記載の検索支援システムにおいて、
前記結果表示制御ステップでは、前記特定情報を表すテキストの一部を前記検索結果において表示させるとともに、前記検索結果における前記特定情報の選択に応じて前記テキストの全体を表示させる、検索支援システム。
【請求項14】
請求項1
3に記載の検索支援システムにおいて、
前記結果表示制御ステップでは、1つの前記特定ポイントに対し複数の前記特定情報が作成された場合に、1つの前記特定ポイントに対応する複数の前記特定情報を表示させるとともに、前記検索結果において選択された前記特定情報のみに対し、前記テキストの全体を表示させる、検索支援システム。
【請求項15】
検索支援方法であって、
請求項1から請求項1
4のいずれか1項に記載の検索支援システムが実行する各ステップを備える、検索支援方法。
【請求項16】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1から請求項1
4のいずれか1項に記載の検索支援システムの各ステップを実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索支援システム、検索支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、求人者が条件に合致する求職者を検索する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、検索された求職者が求人の条件等にマッチしているかを確認するコストが大きい場合がある。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、検索に要するコストを低減できる検索支援システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、検索支援システムが提供される。この検索支援システムは、少なくとも1つのプロセッサを備える。プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成される。検索ステップでは、検索対象情報に対する検索を実行する。検索対象情報は、データベースに登録された、求職者情報又は求人情報である。設定ステップでは、検索の実行前、実行中、又は実行後に、検索者からの入力に基づいて、検索対象情報から抽出する特定ポイントを設定する。情報作成ステップでは、情報作成用参照情報に基づいて、検索によって抽出された検索対象情報に含まれるキーワード又は文章を用いて、特定ポイントに対応する特定情報を検索対象情報ごとに作成する。情報作成用参照情報は、検索対象情報と特定ポイントと特定情報との相関関係を含む。結果表示制御ステップでは、特定情報を含む検索結果を表示させる。
【0007】
このような態様によれば、検索結果において、設定された特定ポイントに対応する特定情報が検索結果に含まれるため、検索対象情報のスクリーニングが効率的に行える。そのため、検索者による検索に要するコストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】求人者端末20に表示される求職者情報の検索結果表示画面RDの一例を示す図である。
【
図6】年齢及び現在の年収の絞り込み条件を設定するためのUIの一例を示す図である。
【
図7】検索支援システム1によって実行される情報処理(求職者の検索処理)の流れの一例(第1パターン)を示すアクティビティ図である。
【
図8】検索支援システム1によって実行される情報処理(求職者の検索処理)の流れの別の例(第2パターン)を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、一実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、一実施形態に係る種々の情報処理において、入力と、入力に応じた出力とが実現されうる。ここで、入力の結果として出力が得られれば、かかる情報処理において参照される情報(以下、参照情報と称する。)の態様は、限定されない。参照情報は、例えば、データベース、ルックアップテーブル、所定の関数(統計学的手法によって構築された、回帰式等の判定式を含む。)等のルールベースの情報でもよいし、入力と出力との相関を予め学習させた学習済みモデルでもよいし、プロンプトを入力することで所望の結果を出力可能な大規模言語モデルでもよい。
【0012】
また、一実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、一実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
さらに、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。また、プロセッサは、汎用プロセッサでもよいし、専用の回路でもよい。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0015】
<検索支援システム1>
図1は、検索支援システム1を表す構成図である。検索支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、複数の求人者端末20と、複数の求職者端末30とを備える。サーバ装置10と、求人者端末20と、求職者端末30とは、通信回線2を通じて相互に通信可能に構成されている。サーバ装置10、求人者端末20及び求職者端末30の接続は有線でも無線でもよい。
【0016】
検索支援システム1は、例えば、複数の求人者(第1求人者U1及び第2求人者U2)と、複数の求職者(第1求職者U3及び第2求職者U4)とが利用する求人・求職システムの少なくとも一部を構成する。検索支援システム1は、求人者による求職者の検索、求職者による求人の検索等を主に行う。一実施形態において、検索支援システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。以下、これらの構成要素について説明する。
【0017】
<サーバ装置10>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、通信バス14とを備える。制御部11、記憶部12、及び通信部13は、サーバ装置10の内部において通信バス14を介して電気的に接続されている。
【0018】
<制御部11>
制御部11は、サーバ装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能毎に複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
<記憶部12>
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム、変数等を記憶している。
【0020】
<通信部13>
通信部13は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置10は、通信部13及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0021】
サーバ装置10は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置10は、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0022】
<求人者端末20>
図3は、求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3Aに示されるように、求人者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、通信バス26とを備える。制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、及び出力部25は、求人者端末20の内部において通信バス26を介して電気的に接続されている。求人者端末20は、サーバ装置10によって提供されるサービスを受ける組織に属するユーザである各求人者が、業務において使用する情報処理端末である。制御部21、記憶部22及び通信部23の説明は、サーバ装置10における各部の説明と同様のため省略する。
【0023】
<入力部24>
入力部24は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス26を介して制御部21に転送される。制御部21は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部24は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部24は、出力部25と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部24がタッチパネルとして実施される場合、ユーザは、入力部24に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部24としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、トラックパッド、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0024】
<出力部25>
出力部25は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。出力部25は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、出力部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施されうる。これらの表示デバイスは、求人者端末20の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0025】
<求職者端末30>
図3Bに示されるように、求職者端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、通信バス36とを備える。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、及び出力部35は、求職者端末30の内部において通信バス36を介して電気的に接続されている。求職者端末30は、サーバ装置10によって提供されるサービスを受けるユーザである各求職者が使用する情報処理端末である。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34及び出力部35の説明は、求人者端末20における各部の説明と同様のため省略する。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11(検索支援システム1が備える少なくとも1つのプロセッサ)に含まれる各機能部として実行されうる。
【0027】
図4は、サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
【0028】
図4Aに示されるように、サーバ装置10(制御部11)は、基本表示制御部111と、設定部112と、検索部113と、情報作成部114と、結果表示制御部115と、個別情報制御部116と、スカウト文書作成部117と、人工知能部120とを備える。
図4Bに示されるように、求人者端末20(制御部21)は、表示部211と、操作取得部212とを備える。
図4Cに示されるように、求職者端末30(制御部31)は、表示部311と、操作取得部312とを備える。
【0029】
<第1実施形態>
以下では、第1実施形態として、検索支援システム1を利用する求人者が、検索者として求職者情報を検索する形態について説明する。したがって、下記の説明における「検索者」は、求人者であり、「検索対象情報」は、求職者情報である。
【0030】
求人者には、営利法人(例えば企業等)、非営利法人(例えば、協同組合、財団法人等)、公的法人(例えば地方公共団体等)等の組織が含まれる。また、求人者には、組織の代理人として、求職者と組織とを仲介する人材仲介業者も含まれる。人材仲介業者は、ヘッドハンター、エージェント等とも呼ばれる。
【0031】
求職者情報は、求職者データベースに登録された求職者に関する情報(登録情報)である。求職者データベースは、例えば記憶部12に記憶される。また、求職者の登録情報には、求職者の履歴書、職務経歴書、その他のプロフィール情報が含まれる。なお、「履歴書」は、主に求職者のプロフィール、現況、学歴、職歴、希望の労働条件等が記載された文書であり、「職務経歴書」は、レジュメとも呼ばれ、求職者が求人者に対して、自身のこれまでの職務に関する経歴、経験、スキル、資格等を伝える文書である。また、求職者の登録情報には、求職者が希望する業種及び職種が含まれてもよい。
【0032】
<基本表示制御部111>
基本表示制御部111は、種々の情報を求人者端末20及び求職者端末30に表示させるように構成される。例えば、基本表示制御部111は、求人者が作成した求人票及びスカウト文書、求職者が作成した登録情報等を、求人者端末20の表示部211又は求職者端末30の表示部311に表示させる。
【0033】
<設定部112>
設定部112は、検索部113による検索の実行前、実行中、又は実行後に、検索者からの入力に基づいて、検索対象情報から抽出する特定ポイントを設定するように構成される。検索対象情報は、データベースに登録された、求職者情報又は求人情報である。第1実施形態では、上述のように、検索対象情報は求職者情報である。
【0034】
設定部112は、特定ポイントそのものの入力を検索者から受け付けてもよいし、特定ポイントを設定するための基準情報の入力を検索者から受け付けてもよい。特定ポイントそのものの入力を受け付ける場合は、設定部112は、少なくとも1つのキーワード又は文章を含むテキストの入力を受け付け、入力されたテキストを特定ポイントとして設定する。また、設定部112は、予め用意した特定ポイントの選択肢を検索者に提示し、当該選択肢において検索者から選択されたものを特定ポイントとして設定してもよい。
【0035】
特定ポイントを設定するための基準情報の入力を受け付ける場合は、設定部112は、入力された基準情報に基づいて、特定ポイントを決定する。基準情報は、特定ポイントを決定できる事項が含まれる情報であり、典型的には、検索対象情報が求職者情報である場合、基準情報は求人情報であり、検索対象情報が求人情報である場合、基準情報は求職者情報である。
【0036】
第1実施形態では、基準情報は、検索者が候補者を検索する求人情報である。これにより、検索者(求人者)が求職者を検索したい求人を選択することで、特定ポイントの設定が可能となる。なお、求人情報には、求人票のほか、求人に関する求人者又は求職者の行動の履歴等の付随情報が含まれてもよい。
【0037】
具体的には、設定部112は、検索者によって指定された基準情報と、設定用参照情報とに基づいて、求人の要件、又は求職者の経歴若しくは希望に関する特定ポイントを決定する。これにより、検索者が特定ポイントを直接作成することなく、予め登録されている基準情報を用いて特定ポイントを設定することができる。なお、第1実施形態では、設定部112は、求人情報と設定用参照情報とに基づいて、特定ポイントを決定する。求人情報に求人の要件を示す項目が含まれる場合、設定部112は、当該項目の内容を特定ポイントとして抽出してもよい。
【0038】
第1実施形態では、設定部112は、例えば、検索者が登録した求人情報の一覧を求人者端末20に表示させ、求人者端末20から特定ポイントを設定する(つまり求職者(候補者)を検索する)求人情報の選択入力を受け付ける。また、設定部112は、求人者端末20から求人票のデータのアップロードを受け付け、当該求人票に基づいて特定ポイントを設定してもよい。つまり、設定部112は、求人票のアップロードによって求人情報(基準情報)の指定を受け付けてもよい。さらに、設定部112は、求人情報のネットワーク上の場所を示すアクセス情報(例えば、採用サイト、採用管理システム等のURL、IPアドレス等)の入力を受け付け、当該ネットワーク上の場所からダウンロードされた求人情報に基づいて特定ポイントを設定してもよい。すなわち、設定部112は、アクセス情報の入力によって求人情報(基準情報)の指定を受け付けてもよい。
【0039】
設定用参照情報は、基準情報と特定ポイントとの相関関係を含む。設定用参照情報は、例えば、記憶部12に記憶されている。設定用参照情報は、基準情報を入力として、特定ポイントを出力可能なように構築された推定器である。設定用参照情報は、例えば、基準情報から抽出される特徴量(ベクトルデータ)と、特定ポイントとの相関関係を示す、テーブル、関数、単純アルゴリズム等を含んでもよい。設定用参照情報に含まれる相関関係は、例えば、実際の基準情報(第1実施形態では求人票)と特定ポイントとの関係を記録したデータを統計学的に解析することで構築することができる。
【0040】
設定用参照情報は、基準情報を入力とし、特定ポイントを出力することが可能なように学習された特定ポイント設定モデルを含んでもよい。この場合、設定部112は、基準情報を人工知能部120の特定ポイント設定モデルに入力することで特定ポイント設定モデルに出力させた特定ポイントを取得する。これにより、多数の基準情報における特定ポイントの設定事例、又は自然言語処理に基づいた、特定ポイントの設定が可能となる。
【0041】
第1実施形態における特定ポイント設定モデルは、学習用の基準情報(例えば、求人情報)と、当該基準情報に関する特定ポイント(例えば、求人情報から抽出される求人の要件、又は求職者の経歴若しくは希望に関する特定ポイント)との組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。特定ポイント設定モデルにおいて、学習によって算出、チューニング等されたパラメータが、設定用参照情報の相関関係を構成する。
【0042】
特定ポイント設定モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、設定部112は、基準情報(例えば、求人情報)を入力とし、当該基準情報に関する特定ポイント(例えば、求人情報における求人の要件、又は求職者の経歴若しくは希望に関する特定ポイント)を出力する指示を含むプロンプトを特定ポイント設定モデルに入力し、特定ポイントを特定ポイント設定モデルに出力させる。設定部112は、基準情報に基づいて特定ポイントを設定する指示を特定ポイント設定モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトを特定ポイント設定モデルへ入力してもよい。また、設定部112は、特定ポイントの設定・出力指示と基準情報とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の基準情報のサンプルと、それに対応する1以上の特定ポイントのサンプルとを挿入したプロンプトを特定ポイント設定モデルに入力してもよい。特定ポイント設定モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、基準情報に基づいて特定ポイントを抽出する。
【0043】
求人の要件に関する特定ポイントは、例えば、経験、スキル及び資格の少なくとも1つに関連するキーワードを含む。このような特定ポイントの具体的な例としては、「情報セキュリティの基礎知識」、「IT系システム等の開発・設計経験」、「システムの情報セキュリティアセスメント」等が挙げられる。典型的には、設定部112は、求人情報で要件とされているスキル又は経験を特定ポイントとして設定するとよい。この場合、設定用参照情報は、要件のスキル又は経験を特定ポイントとして設定するための相関関係を含む。
【0044】
求職者の経歴に関する特定ポイントは、例えば、学歴、職歴、及び、所属した又は所属している組織の少なくとも1つに関連するキーワードを含む。求職者の希望に関する特定ポイントは、例えば、希望職種、希望業種、希望役職、希望年収、及び希望勤務地の少なくとも1つに関連するキーワードを含む。
【0045】
特定ポイント設定モデルは、基準情報に含まれる特定項目の内容を特定ポイントとして抽出してもよい。特定ポイント設定モデルが生成AIの場合、設定部112は、基準情報の特定項目の内容を特定ポイントとして出力する指示をプロンプトに挿入する。特定項目は、予め定められた項目であり、例えば、求人票における「必須要件」、「歓迎(好ましい)要件」等の項目が挙げられる。
【0046】
特定ポイント設定モデルは、予め用意された、特定ポイントの候補キーワードが記載されたリストの中から、入力された基準情報に対応する特定ポイントを選択して出力してもよい。特定ポイント設定モデルは、リストに記載された候補キーワードをそのまま特定ポイントとして出力してもよいし、リストに記載された複数の候補キーワードを組み合わせたものを特定ポイントとして出力してもよい。特定ポイント設定モデルが生成AIの場合、設定部112は、候補キーワードが記載されたリストの内容又はリストの参照先と、リストに含まれる候補キーワードから基準情報に適した特定ポイントを選択して出力する指示とをプロンプトに挿入する。
【0047】
設定部112は、基準情報に基づいて決定した特定ポイントに対する修正を検索者から受け付けてもよい。具体的には、設定部112は、特定ポイントをユーザ端末(第1実施形態では求人者端末20)に提示し、特定ポイントに含まれるキーワードの修正、削除、追加等の編集を受け付けてもよい。
【0048】
また、設定部112は、複数の特定ポイントを設定してもよい。すなわち、設定部112は、複数の特定ポイントの入力を検索者から受け付けてもよいし、指定された1つの基準情報に基づいて複数の特定ポイントを設定してもよい。さらに、設定部112は、検索者が入力したテキストから特定ポイントを設定するとともに、基準情報に基づいて別の特定ポイントを設定してもよい。設定部112が複数の特定ポイントを設定した場合、情報作成部114は、複数の特定ポイントごとに特定情報を作成する。
【0049】
設定部112は、検索部113による検索対象情報の検索の実行前に、特定ポイントを設定するための入力を検索者から受け付けるとよい。これにより、検索者が特定ポイントを入力した後、又は基準情報を指定した後に、検索対象情報の検索を実行することができるため、検索者による検索の流れがスムーズになる。特に、第1実施形態では、検索の実行前に求人情報の指定を受け付けることで、候補者を検索したい求人を確定した上で、求職者を検索することができる。なお、「検索の実行前」とは、検索部113による検索条件の入力の受け付け前、検索部113による検索処理の開始前(検索条件の入力を行なわない場合)、又は検索条件の入力後かつ検索部113による検索処理の開始前を意味する。したがって、検索部113による検索条件の入力と同時に、特定ポイントを設定するための入力を受け付ける場合も想定される。
【0050】
なお、設定部112は、検索部113による検索の実行中(検索処理の開始後かつ検索結果の表示前)に特定ポイントを設定するための入力を受け付けてもよいし、検索の実行後(検索結果が表示された後)に特定ポイントを設定するための入力を受け付けてもよい。
【0051】
特定ポイントの設定は、情報作成部114による特定情報の作成開始前であれば、検索部113による検索の実行前、実行中、及び実行後のいずれのタイミングで行なわれてもよい。ただし、設定部112は、検索部113による検索の実行前に特定ポイントを設定するとよい。これにより、後述されるように、特定ポイントを用いた検索の実行が可能となる。
【0052】
また、設定部112は、予め用意された事前作成ポイントを特定ポイントとして設定してもよい。事前作成ポイントは、検索者が基準情報を指定する前に、基準情報ごとに予め作成され、記憶部12等に記憶されている。この場合、設定部112が参照する設定用参照情報は、基準情報の事前作成ポイントを特定ポイントとして設定するための相関関係を含む。設定部112は、設定用参照情報を参照して、指定された基準情報の事前作成ポイントを取得し、当該事前作成ポイントを情報作成部114が使用する特定ポイントとして決定する。
【0053】
事前作成ポイントは、例えば、過去に検索者によって基準情報が指定された際に、設定部112によって当該基準情報に設定された特定ポイントである。つまり、設定部112は、特定ポイントの設定履歴がある基準情報については、過去の特定ポイント(事前作成ポイント)を再利用する。この場合、事前作成ポイントは、基準情報に基づいて設定部112が決定した特定ポイントであってもよいし、検索者が作成した特定ポイントであってもよい。
【0054】
事前作成ポイントは、基準情報が登録又は編集された際に作成されてもよい。例えば、第1実施形態では、求人票が登録された際、又は求人票の内容が修正された際に、特定ポイント設定モデルによって当該求人票の特定ポイントが自動で設定され、当該特定ポイントが事前作成ポイントとして当該求人票と紐づけられて記憶されてもよい。
【0055】
設定部112は、複数の事前作成ポイントを検索者に提示し、検索者から特定ポイントとして設定する事前作成ポイントの選択を受け付けてもよい。
【0056】
<検索部113>
検索部113は、検索対象情報に対する検索を実行するように構成される。第1実施形態では、検索部113は、求職者データベースに対し、求人者端末20から入力された検索条件及び/又は検索部113が設定した検索条件を満たす求職者情報の検索を実行する。
【0057】
具体的には、検索部113は、検索者から少なくとも1つの検索キーワードを含む検索クエリの入力を受け付け、入力された検索クエリに基づいて検索対象情報のキーワード検索を実行する。すなわち、検索部113は、受け付けた検索クエリに含まれる検索キーワードと同一の又は類似するキーワードが含まれる検索対象情報を抽出する。キーワード検索におけるキーワードの類似判断は、例えば、ベクトルデータ等の特徴量による比較、同義語、類義語、表記ゆれワード等が登録されたデータベースの参照、学習モデル(大規模言語モデル)による判定等によって行われる。
【0058】
検索者によって特定ポイントを設定する基準情報が指定されている場合、検索部113は、検索者が指定した基準情報のベクトルデータと、検索対象情報のベクトルデータとの比較によって検索を実行してもよい。これにより、基準情報に含まれる属性と近い属性を有する検索対象情報を抽出することができる。特に、第1実施形態では、このような基準情報を利用したベクトルデータ検索によって、求人票に含まれる要件等にマッチする求職者を検索することができる。
【0059】
検索部113は、キーワード検索と基準情報を利用したベクトルデータ検索との双方を実行し、検索の和集合又は積集合を検索結果としてもよい。また、検索部113は、基準情報を利用したベクトルデータ検索のみを実行してもよい。この場合、検索者は、基準情報を指定すれば、検索クエリを入力することなく、検索を行うことができる。
【0060】
検索の実行前に設定部112によって特定ポイントが設定されている場合、検索部113は、特定ポイントのベクトルデータと、検索対象情報のベクトルデータとの比較によって検索を実行してもよい。これにより、基準情報の指定の有無に関わらず、かつ検索クエリの入力を必要とせず、特定ポイントに近い属性を有する検索対象情報を抽出することができる。特に、第1実施形態では、このような特定ポイントを利用したベクトルデータ検索によっても、求人票に含まれる要件等にマッチする求職者を検索することができる。
【0061】
検索部113は、キーワード検索と特定ポイントを利用したベクトルデータ検索との双方を実行し、検索の和集合又は積集合を検索結果としてもよい。また、検索部113は、特定ポイントを利用したベクトルデータ検索のみを実行してもよい。この場合、検索者は、特定ポイントの入力又は特定ポイントを設定するための基準情報の指定を行えば、検索クエリを入力することなく、検索を行うことができる。
【0062】
<情報作成部114>
情報作成部114は、情報作成用参照情報に基づいて、検索部113による検索によって抽出された検索対象情報に含まれるキーワード又は文章を用いて、特定ポイントに対応する特定情報を検索対象情報ごとに作成するように構成される。第1実施形態では、情報作成部114は、抽出された求職者情報ごとに特定情報を作成する。
【0063】
特定情報は、検索対象情報における、特定ポイントに含まれるキーワードに関連する関連キーワードを少なくとも含む。情報作成部114は、各検索対象情報から抽出した関連キーワード、又は関連キーワードを含む関連文章をそのまま特定情報としてもよい。また、情報作成部114は、複数の関連キーワード又は関連文章を組み合わせる処理、関連キーワードを抽象化又は正規化する処理、関連文章からキーワードを抽出する処理、関連文章から不要なキーワードを削除する処理等によって、特定情報を作成してもよい。
【0064】
「関連キーワード」には、特定ポイントに含まれるキーワードと一致又は類似するキーワード、特定ポイントに含まれるキーワードを上位概念化(抽象化)した又は下位概念化(具体化)したキーワード等が含まれる。関連キーワードにおける類似判断は、例えば、ベクトルデータ等の特徴量による比較、同義語、類義語、表記ゆれワード等が登録されたデータベースの参照、学習モデル(大規模言語モデルを含む)による判定等によって行われる。また、関連キーワードにおける上位概念判断又は下位概念判断は、キーワードごとの上位概念及び下位概念の関係を定義したテーブル(データベース)の参照、学習モデル(大規模言語モデルを含む)による判定等によって行われる。
【0065】
第1実施形態では、例えば、特定ポイントが特定のスキルを表すスキルキーワードを含む場合、情報作成部114は、求職者情報に含まれる経歴に関する項目(職歴、資格、スキル等に関する項目)から、当該スキルに該当するキーワード(スキルキーワードと一致若しくは類似するキーワード、又は、スキルキーワードを下位概念化したキーワード)を関連キーワードとして抽出し、当該関連キーワードに基づいて特定情報を作成する。例えば、特定ポイントが「情報セキュリティ」というスキルキーワードを含む場合、情報作成部114は、「情報セキュリティ」というキーワードそのものに加えて、「暗号化技術」、「認証アルゴリズム」等の「情報セキュリティ」を下位概念化したキーワード(つまり、「情報セキュリティ」の具体例、詳細分類等に該当するキーワード)も関連キーワードとして抽出する。情報作成部114は、このようにして抽出された関連キーワードを含む特定情報を作成する。
【0066】
特定情報は、関連キーワードに加えて、関連キーワードの属性を示す補足情報を含んでもよい。例えば、第1実施形態において、関連キーワードがスキルを表すスキルキーワードである場合、情報作成部114は、当該スキルに関連する経験(例えば、スキルを習得したり使用したりした経験)を表すキーワード又は数値(例えば、スキルを使用したとき(現在又は過去)に所属した組織名、部署名、役職名、職種名、期間等)を求職者情報からさらに抽出し、補足情報として特定情報に追加してもよい。また、情報作成部114は、関連キーワードの補足的な説明(例えば、スキルを適用した商材、環境、業務規模等)を補足情報として特定情報に追加してもよい。
【0067】
特定ポイントが求人要件のスキル又は経験である場合、情報作成部114は、求職者情報に含まれる、特定ポイントであるスキル又は経験に関連する経歴を含む特定情報を作成するとよい。これにより、求人の要件とされるスキル又は経験と、その根拠とを検索結果で確認することができる。例えば、特定ポイントが特定の経験に関する場合、情報作成部114は、当該経験に対応する各求職者の経歴を求職者情報から抽出し、これを補足情報として特定情報に追加してもよい。例えば、情報作成部114は、当該経験に対応する経験をした過去の所属組織名、部署名、役職名、職種名、期間等を求職者情報から抽出し、特定情報に追加してもよい。
【0068】
情報作成用参照情報は、検索対象情報と特定ポイントと特定情報との相関関係を含む。情報作成用参照情報は、例えば、記憶部12に記憶されている。情報作成用参照情報は、検索対象情報と特定ポイントとを入力として、特定情報を出力可能なように構築された推定器である。情報作成用参照情報は、例えば、特定ポイントに含まれるキーワードと検索対象情報から抽出される関連キーワードとの第1相関関係を示す、テーブル、関数、単純アルゴリズム等と、検索対象情報から抽出される関連キーワードと特定情報との第2相関関係を示す、テーブル、関数、単純アルゴリズム等とを含んでもよい。情報作成用参照情報に含まれる相関関係は、例えば、実際の検索対象情報(第1実施形態では求職者情報)と特定ポイントと特定情報との関係を記録したデータを統計学的に解析することで構築することができる。
【0069】
情報作成用参照情報は、検索対象情報及び特定ポイントを入力とし、特定情報を出力することが可能なように学習された特定情報作成モデルを含んでもよい。この場合、情報作成部114は、検索対象情報及び特定ポイントを人工知能部120の特定情報作成モデルに入力し、特定情報作成モデルに特定情報を出力させる。これにより、多数の検索対象情報と特定ポイントとの組からの特定情報の作成事例、又は自然言語処理に基づいた、特定情報の作成が可能となる。
【0070】
第1実施形態における特定情報作成モデルは、学習用の求職者情報と、学習用の特定ポイントと、当該求職者情報と当該特定ポイントとから作成される特定情報との組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。特定情報作成モデルにおいて、学習によって算出、チューニング等されたパラメータが、情報作成用参照情報の相関関係を構成する。
【0071】
特定情報作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、情報作成部114は、求職者情報及び特定ポイントを入力とし、当該求職者情報から当該特定ポイントに対応する特定情報を出力する指示を含むプロンプトを特定情報作成モデルに入力し、特定情報を特定情報作成モデルに出力させる。情報作成部114は、求職者情報及び特定ポイントに基づいて特定情報を作成する指示を特定情報作成モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトを特定情報作成モデルへ入力してもよい。また、情報作成部114は、特定情報の作成・出力指示と求職者情報及び特定ポイントとに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求職者情報及び特定ポイントの組のサンプルと、それに対応する1以上の特定情報のサンプルとを挿入したプロンプトを特定情報作成モデルに入力してもよい。特定情報作成モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、特定情報を作成する。
【0072】
また、特定情報作成モデルは、求職者情報及び特定のスキルや経験に関する特定ポイントを入力とし、求職者情報から抽出した、当該スキルや経験に関連する求職者の経歴(例えば、当該スキルを習得したり使用したりした経験、当該経験に対応する又は類似する過去の経験等)を表すキーワード又は数値(例えば、スキルを使用したとき(現在又は過去)に所属した組織名、部署名、役職名、職種名、期間等)を含む特定情報を出力してもよい。特定情報作成モデルが生成AIの場合、情報作成部114は、求職者情報及び特定ポイントを入力とし、当該求職者情報から、当該特定ポイントに対応する求職者の経歴(例えば、現在又は過去に所属した組織名、部署名、役職名、職種名、期間等)を含む特定情報を出力する指示を含むプロンプトを、特定情報作成モデルに入力する。
【0073】
情報作成部114は、作成した特定情報を対応する検索対象情報に紐づけて、結果表示制御部115が参照可能なように、例えば記憶部12に記憶する。また、情報作成部114は、特定情報が作成できない場合(例えば、検索対象情報から関連キーワードが抽出できない場合)は、特定情報が作成できなかったことを示す情報(コード)を当該検索対象情報に紐づけて記憶する。
【0074】
情報作成部114は、1つの特定ポイントに対して、複数の特定情報を作成してもよい。つまり、情報作成部114は、1つの検索対象情報から、1つの特定ポイントに含まれるキーワードに関連する、複数の関連キーワードを抽出してもよい。
【0075】
情報作成部114は、特定情報ごとに、特定ポイントとのマッチングの大きさを示すマッチング指標を付与してもよい。これにより、検索部113による検索結果に対して、マッチング指標に基づく表示の調整を行うことができる。マッチング指標は、数値が高いほどマッチングが大きいことを示す数値であり、離散的な数値(ラベル)の中から選択されるものであってもよいし、連続的な数値であってもよい。例えば、マッチング指標は、「確実にマッチ」や「おそらくマッチ」といったラベルとして付与されてもよい。
【0076】
マッチング指標は、例えば、特定情報の作成時に検索対象情報から抽出された関連キーワードと、特定ポイントに含まれるキーワードとの一致の度合いに基づいて設定される。例えば、情報作成部114は、関連キーワードが、特定ポイントに含まれるキーワードと一致する特定情報に最高評価の指標(確実にマッチしていることを表す指標(例えば、「確実にマッチ」のラベル))を付与し、それ以外の特定情報(関連キーワードが特定ポイントに含まれるキーワードと類似するか、上位概念又は下位概念の関係にある特定情報)に次点の指標(おそらくマッチしていることを表す指標(例えば、「おそらくマッチ」のラベル))を付与する。なお、情報作成部114は、関連キーワードが特定ポイントに含まれるキーワードと一致する場合に限らず、これらが類似する特定情報にも最高評価の指標を付与するようにしてもよい。
【0077】
また、マッチング指標は、例えば、特定情報のベクトルデータと、特定ポイントのベクトルデータとの類似度(例えば、コサイン類似度)として算出されてもよい。
【0078】
情報作成部114は、特定情報作成モデルに、特定情報とともにマッチング指標を出力させてもよい。例えば、特定情報作成が生成AIである場合、情報作成部114は、特定情報の作成・出力指示に加え、特定情報にマッチング指標(又はマッチング指標を表すラベル)を付与する指示、又はマッチング指標(マッチングの度合い)ごとに特定情報を出力する指示を挿入したプロンプトを特定情報作成モデルに入力してもよい。
【0079】
また、情報作成部114は、特定ポイントと特定情報とを人工知能部120のマッチング指標算出モデルに入力し、マッチング指標算出モデルにマッチング指標を出力させてもよい。マッチング指標算出モデルは、特定ポイントと特定情報とを入力とし、マッチング指標を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、マッチング指標算出モデルは、特定ポイント及び特定情報と、これらに対応するマッチング指標との組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。
【0080】
<結果表示制御部115>
結果表示制御部115は、特定情報を含む検索結果を表示させるように構成される。第1実施形態では、結果表示制御部115は、検索部113によって検索された求職者情報を求人者端末20に表示させる。
【0081】
具体的には、結果表示制御部115は、検索部113による検索によって抽出された複数の検索対象情報を、それぞれの特定情報を含むリスト形式で表示させる。これにより、検索者が特定情報を参照することで、検索結果をスクリーニングすることができる。
【0082】
なお、検索部113の検索完了時に特定ポイントが設定されていない場合は、結果表示制御部115は、特定情報を含まない検索結果を一度表示させ、特定ポイントの設定後、上記の方法で特定情報を作成した上で検索結果を更新することで、特定情報を追加した検索結果を改めて表示させてもよい。
【0083】
図5は、求人者端末20に表示される求職者情報の検索結果表示画面RDの一例を示す図である。
図5の下段の検索結果表示画面RDは、上段の検索結果表示画面RDの右側から連続する部分であり、さらに右側の一部が省略されている。
【0084】
検索結果表示画面RDには、検索部113によって検索された(抽出された)求職者情報が1行に1件ずつリスト表示される。検索結果表示画面RDでは、求職者情報ごとに、求職者情報から抽出された抽出情報EIと、情報作成部114が作成した特定情報SIとが表示される。
【0085】
抽出情報EIには、求職者のプロフィール及び/又は経歴に関する情報が含まれ、例えば、求職者の現在の所属組織、現在の役職、卒業大学又は大学院、年齢、居住地、経験職歴、経験職歴の年数、現在の年収等が含まれてもよい。
【0086】
特定情報SIには、特定ポイントごとの特定情報が含まれる。複数の特定ポイントが設定されている場合は、特定ポイントごとに特定情報の表示欄(リストの列)が設けられる。また、
図5の例では、特定情報の項目名が「特定ポイント1」等とされているが、特定ポイントの内容(キーワード等)が項目名として表示されてもよい。
図5の例では、「特定ポイント1」は「情報セキュリティの基礎知識」、「特定ポイント2」は「IT系システム等の開発・設計経験」と表示されてもよい。
【0087】
また、1つの特定ポイントに対し、複数の特定情報が作成されている場合は、複数の特定情報が1つの特定ポイントに対応付けられて表示される。例えば、特定ポイント2の「IT系システム等の開発・設計経験」に該当する複数の経験が求職者情報から抽出され、それぞれの経験に基づいた特定情報が作成されている場合は、これらの特定情報が結果リストに表示される。
【0088】
図5では、特定情報のテキストの一部のみが結果リストに表示されているが、検索者が特定情報の表示欄を選択することで、特定情報の全体テキストが表示される。すなわち、結果表示制御部115は、特定情報の文字数が所定以上の場合は、特定情報を表すテキストの一部(冒頭部分)のみを検索結果において表示させるとともに、検索結果における検索者の特定情報の選択によって特定情報のテキストの全体を表示させてもよい。これにより、特定情報の文字数が多い場合であっても、結果リストの視認性を損なうことなく、個別の選択によって特定情報の内容を確認及び把握することができる。
【0089】
結果リストにおける特定情報の選択には、マウスカーソルの重ね合わせ(マウスオーバー)、タップ、ロングタップ、クリック、ダブルクリック等の検索者による操作が含まれる。また、特定情報全体の表示形式としては、いわゆるツールチップやポップヒントのように、特定情報を表示した領域を結果リストの上に、特定情報全体を含む要素を重ねて表示させる形式が挙げられる。この場合、ツールチップ等のように、通常の結果リストの表示時には表示されておらず、マウスオーバー等の特定の操作が結果リストに対して行われた場合に、特定情報に関する詳しい情報を動的に表示することで、例えば、特定情報全体のテキストが長い場合であっても、結果リストの視認性を損なうことなく、特定情報全体の内容を確認及び把握することができる。なお、ツールチップ等の形式で表示された特定情報は、所定時間の経過に伴い、表示されなくなっても(表示が解除されても)よい。
【0090】
結果表示制御部115は、1つの特定ポイントに対して作成された複数の特定情報を表示させた場合は、それぞれの特定情報に対するマウスオーバー等の選択操作を受けて、選択された特定情報の全文テキストをツールチップ等の形態で表示させる。例えば、特定ポイント1に対し、2つの特定情報(特定情報1及び特定情報2)が作成された場合、結果リストにおいて特定情報1が選択されると、特定情報1の全文が表示され、結果リストにおいて特定情報2が選択されると、特定情報2の全文が表示される。このように、結果表示制御部115は、1つの特定ポイントに対し複数の特定情報が作成された場合に、1つの特定ポイントに対応する複数の特定情報を表示させるとともに、検索結果において選択された特定情報のみに対し、テキストの全体を表示させてもよい。これにより、例えば、作成された複数の特定情報それぞれの全体テキストが長い場合であっても、結果リストの視認性を損なうことなく、複数の特定情報それぞれについて、テキスト全体の内容を確認及び把握することができる。
【0091】
結果表示制御部115は、検索結果に含まれる検索対象情報において、特定情報が作成されなかった特定ポイントがある場合は、特定情報に替えて、特定情報がないことを示す表記(例えば、「Null」等)を当該特定ポイントの表示欄に表示させてもよい。
【0092】
基準情報が選択されている場合、結果表示制御部115は、選択された基準情報を示す補助情報を、検索結果と同一画面に表示してもよい。補助情報は、例えば、検索結果の上部に表示される。基準情報が求人情報の場合、補助情報には、例えば、求人概要、必須要件、歓迎要件等が含まれる。
【0093】
結果表示制御部115は、特定情報に付与されたマッチング指標に基づいて、検索結果に表示する特定情報を決定してもよい。これにより、特定ポイントとのマッチングの度合いが高い特定情報のみが検索結果に表示されるため、検索者によるスクリーニングの効率が高められる。
【0094】
具体的には、結果表示制御部115は、検索結果において、マッチング指標が所定以上の特定情報が作成された検索対象情報のみを表示させてもよい。これにより、マッチング度合いが高い特定情報がない検索対象情報、及び特定情報が作成されなかった(特定ポイントとマッチしなかった)検索対象情報を検索結果から除外することができる。その結果、検索者による検索効率が向上する。なお、結果表示制御部115は、マッチング指標の大きさ(マッチング指標の付与の有無)によらず、特定情報が作成された検索対象情報のみを表示させてもよい。つまり、結果表示制御部115は、情報作成部114によってマッチング指標が特定情報に付与されていない場合において、特定情報が作成されなかった検索対象情報を検索結果として表示させなくてもよい。
【0095】
結果表示制御部115は、1つの特定ポイントに対して作成された複数の特定情報を表示させる場合は、マッチング指標に基づいてこれらの特定情報の表示順を決定してもよい。例えば、結果表示制御部115は、マッチング指標が高い順に上方から特定情報を表示させてもよいし、「確実にマッチ」のラベルが付与された特定情報が上に、「おそらくマッチ」のラベルが付与された特定情報が下になるように複数の特定情報を表示させてもよい。
【0096】
結果表示制御部115は、特定情報ごとのマッチング指標を検索結果として表示させてもよい。また、結果表示制御部115は、検索者による特定情報の選択を受け付け、当該特定情報のマッチング指標を表示させてもよい。例えば、結果表示制御部115は、
図5の結果リストの特定情報に対する検索者の選択(マウスカーソルの重ね合わせ、タップ等)を受けて、ツールチップ等の要素によって、マッチング指標(マッチング指標を表すラベル)を結果リストの上に重ねて表示させてもよい。
【0097】
結果表示制御部115は、結果リストにおいて、それぞれのマッチング指標が認識できる態様で特定情報を表示させてもよい。例えば、結果表示制御部115は、特定情報に「確実にマッチ」、「おそらくマッチ」等のラベルを示すアイコン等を付して表示させてもよいし、マッチング指標の大小に応じて、色分け等の視覚的に区別できる態様で特定情報を表示させてもよい。
【0098】
結果表示制御部115は、検索者から、検索結果に対する絞り込み条件(フィルタリング条件)の入力を受け付けてもよい。例えば、第1実施形態では、絞り込み条件として、現在の所属組織、現在の役職、卒業大学又は大学院、年齢、居住地、経験職歴、経験職歴の年数、現在の年収等が挙げられる。結果表示制御部115は、検索された検索対象情報のうち、入力された絞り込み条件を満たす検索対象情報のみを検索結果として表示させる。絞り込み条件のうち、数値で表されるものについては、視覚的なUIによって入力されてもよい。
【0099】
図6は、年齢及び現在の年収の絞り込み条件を設定するためのUIの一例を示す図である。第1スライドバーSB1は、年齢の範囲を選択するUIであり、第2スライドバーSB2は、現在の年収の範囲を選択するUIである。第1スライドバーSB1及び第2スライドバーSB2は、それぞれ、上限下限を示すオブジェクト(丸点)を左右にスライドさせる入力を受け付ける。第1スライドバーSB1及び第2スライドバーSB2は、例えば、
図5の検索結果表示画面RDにおいて、結果リストと同一画面に表示され、結果リストの上方に配置される。これにより、検索者が結果リストを見ながら、絞り込み条件の上限及び/又は下限の設定を容易に行うことができる。第1スライドバーSB1、第2スライドバーSB2等で、所定の条件の上限及び/又は下限が設定されると、設定された条件で結果リストに表示される検索対象情報が絞り込まれ、結果リストが更新される。
【0100】
結果表示制御部115は、特定ポイントに対応する特定情報の有無を検索結果の絞り込み条件としてもよい。例えば、結果表示制御部115は、検索者が指定した特定ポイントに対応する特定情報が無い検索対象情報を検索結果から除いてもよい。また、結果表示制御部115は、特定ポイントのマッチング指標を検索結果の絞り込み条件としてもよい。例えば、結果表示制御部115は、検索者が指定した特定ポイントに対応する特定情報において、検索者が指定したマッチング指標の条件(例えば、マッチング指標が所定値である(マッチング指標として所定のラベルが付されている)、マッチング指標が閾値以上である等)を満たす検索対象情報のみを検索結果として表示させてもよい。これにより、例えば、「確実にマッチ」のラベルが付与された検索対象情報のみを表示させることができる。
【0101】
<個別情報制御部116>
個別情報制御部116は、検索結果に含まれる検索対象情報のうち、検索者が選択した検索対象情報の詳細を個別に表示させるように構成される。第1実施形態では、個別情報制御部116は、検索結果から検索者が選択した求職者情報(プロフィール情報、レジュメ等)を求人者端末20に表示させる。例えば、個別情報制御部116は、
図5の結果リストのいずれかの項目(例えば抽出情報EIのいずれか)に対する入力操作を受けて、個別の求職者情報を表示させる。
【0102】
個別情報制御部116は、選択された検索対象情報の詳細を表示させる際に、特定情報の根拠部分(例えば、特定ポイントと対応するキーワード)を、着色、フォントの変更、装飾等によってハイライト表示させてもよい。また、複数の特定ポイントが設定されている(1つの検索対象情報に対し複数の特定情報が作成されている)場合は、個別情報制御部116は、特定ポイントごとに特定情報の根拠部分を、色分け等により視覚的に区別できる態様で表示させてもよい。さらに、個別情報制御部116は、検索結果画面から遷移した検索対象情報の表示画面で根拠部分が初期表示されるように、検索対象情報の初期表示位置を調整してもよい。
【0103】
また、個別情報制御部116は、選択された検索対象情報の詳細を表示させる際に、検索対象情報の冒頭部分に特定情報を追加して表示させてもよい。この場合、複数の特定情報が作成されている場合は、個別情報制御部116は、これらの特定情報をまとめた文章、これらの特定情報から抽出したキーワード等を検索対象情報の冒頭部分に追加してもよい。さらに、個別情報制御部116は、冒頭部分に追加した特定情報又は特定情報に関する記載に対する選択を受け付け、選択された特定情報の根拠部分が表示画面に表示されるように検索対象情報の表示位置を変更(ジャンプ)させてもよい。
【0104】
<スカウト文書作成部117>
スカウト文書作成部117は、求人者が選択した求職者に対するスカウト文書を作成及び送信するように構成される。スカウト文書は、検索支援システム1に登録された、求人の候補者となる求職者に送信される。
【0105】
具体的には、スカウト文書作成部117は、検索結果に含まれる求職者情報のうち、検索者(求人者)が選択した求職者情報を有する求職者に対するスカウト文書を作成する。スカウト文書は、基準情報に含まれる求人票が添付されるとともに、宛先となる求職者に対応する特定情報を含んでもよい。これにより、求人者がスカウト文書に求人票を添付する(スカウト文書に添付する求人票を選択する)手間を省くことができる。そのため、特定ポイントの設定時に求人情報(求人票)を選択することで、求職者の検索からスカウト文書の送信までを求人者が効率的に実行することができる。また、スカウト文書に特定情報が含まれることで、求職者に求人者の注目点を伝えることができるため、求人と求職者とのマッチングを促進することができる。なお、スカウト文書は、スカウトメールと呼ばれてもよい。
【0106】
複数の求職者情報がスカウト文書の宛先として選択されている場合、スカウト文書作成部117は、同一の求人票が添付され、かつ、求職者情報それぞれに対応する特定情報が挿入された複数のスカウト文書を一括作成する。
【0107】
スカウト文書作成部117は、求人者端末20から文字等の入力を受け付けることでスカウト文書を作成してもよいし、基準情報に含まれる(つまり求人者が検索時に選択した)求人票を人工知能部120のスカウト文書作成モデルに入力し、スカウト文書作成モデルにスカウト文書を出力させてもよい。スカウト文書作成部117は、職種ごとや業種ごとに、スカウト文面のテンプレート又はスカウト文書作成モデルを用意してもよい。
【0108】
スカウト文書作成モデルは、求人票を入力とし、スカウト文書を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、スカウト文書作成モデルは、学習用の求人票と、当該求人票に対応するスカウト文書のデータとの組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。
【0109】
スカウト文書作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、スカウト文書作成部117は、求人票を入力とし、スカウト文書を出力する指示を含むプロンプトをスカウト文書作成モデルに入力し、スカウト文書をスカウト文書作成モデルに出力させる。スカウト文書作成部117は、求人票からスカウト文書を作成する指示をスカウト文書作成モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトをスカウト文書作成モデルへ入力してもよい。また、スカウト文書作成部117は、スカウト文書の作成・出力指示と求人票とに加え、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上のスカウト文書のサンプルとを挿入したプロンプトをスカウト文書作成モデルに入力してもよい。スカウト文書作成モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、求人票からスカウト文書を作成する。
【0110】
<求人票の添付>
スカウト文書作成部117は、求人者が手入力で作成したスカウト文書、又は既存のスカウト文書に、基準情報に含まれる求人票を添付してもよいし、上述したスカウト文書作成モデルが出力した(つまり自動生成された)スカウト文書に、基準情報に含まれる求人票を添付してもよい。
【0111】
求人者が手入力で作成したスカウト文書に求人票を添付する場合、スカウト文書作成部117は、求人者端末20の入力部24によって求人者が文章を入力することで作成されたスカウト文書を取得し、取得したスカウト文書に、設定部112が取得した求人票を添付する。また、既存のスカウト文書に求人票を添付する場合、スカウト文書作成部117は、求人者端末20からのファイルのアップロード等の手段により既存のスカウト文書を取得し、取得した既存のスカウト文書に、設定部112が取得した求人票を添付する。
【0112】
また、スカウト文書作成モデルは、基準情報に含まれる求人票が添付されたスカウト文書を出力することが可能なように学習された学習モデルであってもよい。つまり、スカウト文書作成部117は、求人票をスカウト文書作成モデルに入力し、スカウト文書作成モデルに求人票が添付されたスカウト文書を出力させてもよい。あるいは、スカウト文書作成部117は、既存のスカウト文書と求人票とをスカウト文書作成モデルに入力し、スカウト文書作成モデルに、求人票が添付されたスカウト文書を出力させてもよい。また、スカウト文書作成モデルが生成AIの場合、スカウト文書作成部117は、求人票を入力とし、当該求人票が添付されたスカウト文書を出力する指示を含むプロンプトをスカウト文書作成モデルに入力し、求人票が添付されたスカウト文書をスカウト文書作成モデルに出力させてもよい。
【0113】
<特定情報の挿入>
スカウト文書作成部117は、例えば、「あなたの以下の点に興味を持ちました。(1)<特定情報1>(2)<特定情報2>(3)<特定情報3>」(<特定情報n>には、スカウト文書の送信先として設定された求職者に対応する特定情報のテキストが反映される)のように複数の特定情報を箇条書きにした文章をスカウト文書に挿入する。また、スカウト文書作成部117は、所定以上のマッチング指標(例えば、確実にマッチしていることを表す指標)が付与された特定情報のみをスカウト文書に挿入してもよい。
【0114】
スカウト文書作成部117は、求人者が手入力で作成したスカウト文書、既存のスカウト文書、スカウト文書作成モデルが出力したスカウト文書等に、情報作成部114が作成した特定情報を挿入する。また、スカウト文書作成部117は、予め特定情報が挿入されたスカウト文書のテンプレートを作成し、当該テンプレートに対する求人者からの文章の入力を受け付けてもよい。
【0115】
スカウト文書作成モデルは、求人票と特定情報とを入力とし、特定情報が挿入されたスカウト文書を出力とするように学習された学習モデルであってもよい。つまり、スカウト文書作成モデルは、学習用の求人票及び特定情報と、当該求人票及び当該特定情報に対応するスカウト文書のデータとの組み合わせを教師データとして学習した学習モデルであってもよい。また、スカウト文書作成モデルが生成AIの場合、スカウト文書作成部117は、求人票及び特定情報を入力とし、当該特定情報が挿入されたスカウト文書を出力する指示を含むプロンプトをスカウト文書作成モデルに入力し、特定情報が挿入されたスカウト文書をスカウト文書作成モデルに出力させてもよい。
【0116】
さらに、スカウト文書作成部117は、求人票と特定情報とをスカウト文書作成モデルに入力し、スカウト文書作成モデルに当該求人票が添付されるとともに当該特定情報が挿入されたスカウト文書を出力させてもよい。
【0117】
<人工知能部120>
人工知能部120は、各機能部から入力を受け付け、指示された出力を返すように構成されている。なお、サーバ装置10が各機能部において使用する人工知能は、共通のものであってもよいし、機能部毎に個別に用意されたものであってもよい。
【0118】
人工知能部120は、GPT(Generative Pretrained Transformer、GPT-1、GPT-2、GPT-3及びGPT-4を含む)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、BART(Bidirectional and Auto-regressive Transformer)等を含むトランスフォーマ(Transformer)や再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network(RNN))等の言語モデル等の学習モデルを備えるAI(Artificial Intelligence)であって、生成AIを含んでもよい。
【0119】
言語モデルは、機械学習アルゴリズムによる学習モデルの一例である。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークを利用した深層学習(ディープラーニング)等が挙げられる。人工知能部120は、上記のアルゴリズムを適宜適用することができる。
【0120】
人工知能部120は、教師あり学習、教師なし学習、又は自己教師あり学習等の学習方法によって構築された学習済みモデルを有してもよい。教師あり学習では、教師データ(学習データ)を用いて機械学習を行う。教師データは、学習用の入力データ及び出力データ(正解データ)のペアで構成される。また、言語モデルは、特定のタスクのために訓練されたものだけでなく、幅広いタスクに対して汎用的に用いることができる汎用モデルであってもよい。
【0121】
人工知能部120は、人工知能として、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(Large Language Models(LLM))のような汎用的な自然言語処理の学習モデルであってもよい。LLMは、テキストデータ等で構成される大規模なデータ(例えば、(i)インターネット上にあるWebコンテンツ、又は、(ii)所定のデータベースに蓄積されたデータ)を事前に大量に学習した学習モデルであり、タスクを与えることで様々な言語処理タスクを実行することができるものであり、与えられたプロンプトにしたがって、文章のパターンや文脈の把握、質問への応答、文章の生成等の幅広い自然言語処理タスクを行うことができる。このような汎用的な学習モデルは、One-shot LearningやFew-shot Learning等により、ファインチューニングなしで様々なタスクに対応可能な言語モデルを含む。また、汎用的な学習モデルは、Zero-shot Learningによっても、様々なタスクに対応可能に構成されてもよい。制御部11の各機能部において用いられる人工知能は、それぞれ別個の学習モデルであってもよいし、共通した汎用的な学習モデルであってもよい。
【0122】
人工知能部120に含まれる学習モデル(特定ポイント設定モデル、特定情報作成モデル等の、各機能部において使用される学習モデル)は、転移学習又はファインチューニングとして追加の学習を行うことが可能である。例えば、人工知能部120は、新たな求職者の登録情報、求人票の登録等が発生する都度、これらを新たな教師データとして、追加の学習を行ってファインチューニングされてもよい。これにより、学習モデルから出力される情報の精度が向上する。
【0123】
人工知能部120に含まれる学習モデルは、元となる学習モデルを用いた知識蒸留(Knowledge Distillation)により得られた学習モデル(蒸留モデル)であってもよい。知識蒸留では、大規模言語モデルなどの、学習済みモデルを教師モデルとし、教師モデルの出力(Sоft Target)に対する生徒モデル(蒸留モデル)の出力の損失(Sоft Target Loss)が小さくなるように、生徒モデルのパラメータを調整することで、生徒モデルの学習が行われ、その生徒モデルが蒸留モデルとなる。また、教師データ(学習モデルの入力データと出力データとの組合わせ)の正解ラベル(Hard Target)に対する生徒モデルの出力の損失(Hard Target Loss)が小さくなるように生徒モデルの学習が行われてもよい。蒸留モデルは、元となる学習モデル(教師モデル)に比べて、当該学習モデルと近い性能をもちつつ、パラメータ数が小さく、処理負荷が小さくなる。そのため、蒸留モデルを用いることで、検索支援システム1のコストを低減できる。
【0124】
例えば、特定ポイント設定モデル、特定情報作成モデル等は、大規模言語モデルにおける入力データと出力データとの組み合わせを教師データとして学習された蒸留モデルであってもよい。また、検索支援システム1の導入時には特定ポイント設定モデル、特定情報作成モデル等として大規模言語モデルを使用し、当該大規模言語モデルによる教師データが蓄積された時点で、当該教師データによる知識蒸留によって得られた蒸留モデルを特定ポイント設定モデル、特定情報作成モデル等として使用してもよい。
【0125】
<表示部>
求人者端末20の表示部211及び求職者端末30の表示部311は、それぞれ、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す画面を表示する。
【0126】
<操作取得部>
求人者端末20の操作取得部212は、求人者端末20を利用するユーザ(求人者)による操作を受け付ける。求職者端末30の操作取得部312は、求職者端末30を利用するユーザ(求職者)による操作を受け付ける。
【0127】
<第2実施形態>
以下では、第2実施形態として、検索支援システム1を利用する求職者が、検索者として求人情報を検索する形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態における「検索対象情報」としての「求職者情報」を「求人情報」に置き換え、第1実施形態の「基準情報」としての「求人情報」を「求職者情報」に置き換えたものであり、基本表示制御部111、設定部112、検索部113、情報作成部114、結果表示制御部115、及び個別情報制御部116の機能(処理内容)は、第1実施形態と共通である。
【0128】
具体的には、第2実施形態では、設定部112は、求人検索を行う求職者が指定した求職者情報(つまり、求職者自身が登録した求職者情報)と、設定用参照情報とに基づいて、求職者の要件に関する特定ポイントを決定する。第2実施形態では、設定部112は、求職者の経歴又は希望に関する特定ポイントを決定する。
【0129】
設定用参照情報(特定ポイント設定モデル)は、第1実施形態の求人情報(求人票)に替えて、求職者情報(求職者の登録情報)のデータを用いて構築される。例えば、第2実施形態における特定ポイント設定モデルは、学習用の求職者情報と、当該求職者情報から抽出される求職者の経歴又は希望に関する特定ポイントとの組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。また、特定ポイント設定モデルが生成AIである場合、設定部112は、求職者情報を入力とし、当該求職者情報における求職者の経歴又は希望に関する特定ポイントを出力する指示を含むプロンプトを特定ポイント設定モデルに入力し、特定ポイントを特定ポイント設定モデルに出力させる。
【0130】
また、第2実施形態では、求職者の登録情報が登録された際、又は登録情報の内容が修正された際に、特定ポイント設定モデルによって当該登録情報の特定ポイントが設定され、当該特定ポイントが事前作成ポイントとして当該登録情報と紐づけられて記憶されてもよい。
【0131】
第2実施形態では、検索部113は、求人データベースに対し、求職者端末30から入力された検索条件及び/又は検索部113が設定した検索条件を満たす求人情報の検索を実行する。また、検索部113が求職者情報のベクトルデータ又は特定ポイントのベクトルデータを利用した検索を実行することで、求職者の経歴又は希望にマッチする求人を検索することができる。
【0132】
第2実施形態では、情報作成部114は、情報作成用参照情報に基づいて、検索部113の検索によって抽出された求人情報ごとに特定情報を作成する。
【0133】
情報作成用参照情報(特定情報作成モデル)は、第1実施形態の求職者情報(求職者の登録情報)に替えて、求人情報(求人票)のデータを用いて構築される。例えば、第2実施形態における特定情報作成モデルは、学習用の求人情報と、学習用の特定ポイントと、当該求人情報と当該特定ポイントとから作成される特定情報との組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。特定情報作成モデルが生成AIである場合、情報作成部114は、求人情報及び特定ポイントを入力とし、当該求人情報から当該特定ポイントに対応する特定情報を出力する指示を含むプロンプトを特定情報作成モデルに入力し、特定情報を特定情報作成モデルに出力させる。
【0134】
第2実施形態では、結果表示制御部115は、検索部113によって検索された求人情報を求職者端末30に表示させる。また、個別情報制御部116は、検索結果から検索者(求職者)が選択した求人情報(求人票等)を求職者端末30に表示させる。
【0135】
3.情報処理方法
本節では、サーバ装置10の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、サーバ装置10の各部が、各ステップとしてコンピュータにより実行される。
【0136】
この情報処理は、検索ステップと、設定ステップと、情報作成ステップと、結果表示制御ステップと、スカウト文書作成ステップとを備える。検索ステップでは、検索対象情報に対する検索を実行する。設定ステップでは、検索の実行前、実行中、又は実行後に、検索者からの入力に基づいて、検索対象情報から抽出する特定ポイントを設定する。情報作成ステップでは、情報作成用参照情報に基づいて、検索によって抽出された検索対象情報に含まれるキーワード又は文章を用いて、特定ポイントに対応する特定情報を検索対象情報ごとに作成する。結果表示制御ステップでは、特定情報を含む検索結果を表示させる。スカウト文書作成ステップでは、検索結果に含まれる求職者情報のうち、検索者が選択した求職者情報を有する求職者に対するスカウト文書を作成する。
【0137】
ここでは、第1実施形態(検索者が求人者である形態)に沿って、検索支援システム1の情報処理のパターン例を2つ提示する。
図7は、検索支援システム1によって実行される情報処理(求職者の検索処理)の流れの一例(第1パターン)を示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0138】
求職者の検索処理は、ユーザである求人者による求人情報の選択から開始される。求人者は、求人者端末20において、求人情報を指定する(アクティビティA101)。サーバ装置10は、求人者端末20から指定された求人情報を取得する(アクティビティA102)。続いて、サーバ装置10は、取得した求人情報に基づいて特定ポイントを設定する(アクティビティA103)。
【0139】
特定ポイントの設定後、サーバ装置10は、指定された求人情報に基づいて、求職者検索を実行する(アクティビティA104)。なお、特定ポイントの設定は、求職者検索中又は求職者検索後に行なわれてもよい。続いて、サーバ装置10は、検索された求職者情報それぞれに対し、特定ポイントに基づいて特定情報を作成する(アクティビティA105)。特定情報の作成後、サーバ装置10は、特定情報を含む検索結果を求人者端末20に出力する(アクティビティA106)。これにより、求職者の検索結果が求人者端末20に表示される(アクティビティA107)。
【0140】
求人者は、求人者端末20において、検索結果の中からスカウト文書を送信する求職者を選択し、スカウト文書の作成を指示する(アクティビティA108)。サーバ装置10は、求人者が指定した求人票が添付され、かつ、宛先の求職者の特定情報が挿入されたスカウト文書を作成する(アクティビティA109)。続いて、サーバ装置10は、作成したスカウト文書を求人者端末20に出力する(アクティビティA110)。これにより、作成されたスカウト文書が求人者端末20に表示される(アクティビティA111)。
【0141】
図8は、検索支援システム1によって実行される情報処理(求職者の検索処理)の流れの別の例(第2パターン)を示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0142】
求職者の検索処理は、ユーザである求人者による検索クエリの入力から開始される。求人者は、求人者端末20において、検索クエリを入力する(アクティビティA201)。サーバ装置10は、入力された検索クエリに基づいて、求職者検索を実行する(アクティビティA202)。続いて、サーバ装置10は、検索結果を求人者端末20に一次出力する(アクティビティA203)。これにより、求職者の検索結果が求人者端末20に一次表示される(アクティビティA204)。なお、ここでの検索結果には特定情報は含まれていない。
【0143】
検索結果の一次表示後、求人者は、求人者端末20において、求人情報を指定する(アクティビティA205)。サーバ装置10は、求人者端末20から指定された求人情報を取得する(アクティビティA206)。続いて、サーバ装置10は、取得した求人情報に基づいて特定ポイントを設定する(アクティビティA207)。特定ポイントの設定後、サーバ装置10は、検索された求職者情報それぞれに対し、特定ポイントに基づいて特定情報を作成する(アクティビティA208)。特定情報の作成後、サーバ装置10は、特定情報を含む検索結果を求人者端末20に二次出力する(アクティビティA209)。これにより、求職者の検索結果が求人者端末20に二次表示される(アクティビティA210)。
【0144】
4.作用
本実施形態の作用をまとめると、次の通りとなる。すなわち、検索結果において、設定された特定ポイントに対応する特定情報が検索結果に含まれるため、検索対象情報のスクリーニングが効率的に行える。そのため、検索者による検索に要するコストが低減される。
【0145】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0146】
5.その他
上記実施形態では、サーバ装置10が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置10に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。特に、人工知能部120は、サーバ装置10の外部構成であってもよい。その場合、外部構成である人工知能部120は、例えば、人工知能のサービスサーバによって提供され、サーバ装置10の各機能部から入力を受け付け、人工知能のサービスを実行する要求を受け付け、処理結果として指示された出力をサーバ装置10に返すように構成される。人工知能のサービスサーバは、学習モデルとして言語モデルを用いてサービスを提供するサーバであってもよいし、言語モデルを用いて言語処理タスクを実行するサーバであってもよい。人工知能のサービスサーバは、LLMによって構築されてもよい。人工知能のサービスサーバは、テキスト、画像、音声等によるプロンプトの入力を受け付け、当該プロンプトに対する回答を生成して応答する。
【0147】
また、検索支援システム1は、必ずしもスカウト文書作成部117を備えなくてもよい。さらに、検索支援システム1は、求人者による求職者検索のみに用いられてもよいし、求職者による求人検索のみに用いられてもよいし、求職者検索及び求人検索の双方に用いられてもよい。
【0148】
本実施形態の態様は、検索支援システム1に限定されず、情報処理方法であっても、プログラムであってもよい。検索支援方法は、検索支援システム1が実行する各ステップを備える。プログラムは、コンピュータに、検索支援システム1の各ステップを実行させる。
【0149】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0150】
(1)検索支援システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、検索ステップでは、検索対象情報に対する検索を実行し、ここで、前記検索対象情報は、データベースに登録された、求職者情報又は求人情報であり、設定ステップでは、前記検索の実行前、実行中、又は実行後に、検索者からの入力に基づいて、前記検索対象情報から抽出する特定ポイントを設定し、情報作成ステップでは、情報作成用参照情報に基づいて、前記検索によって抽出された前記検索対象情報に含まれるキーワード又は文章を用いて、前記特定ポイントに対応する特定情報を前記検索対象情報ごとに作成し、ここで、前記情報作成用参照情報は、前記検索対象情報と前記特定ポイントと前記特定情報との相関関係を含み、結果表示制御ステップでは、前記特定情報を含む検索結果を表示させる、検索支援システム。
【0151】
(2)上記(1)に記載の検索支援システムにおいて、前記結果表示制御ステップでは、前記検索によって抽出された複数の前記検索対象情報を、それぞれの前記特定情報を含むリスト形式で表示させる、検索支援システム。
【0152】
(3)上記(1)又は(2)に記載の検索支援システムにおいて、前記情報作成用参照情報は、前記検索対象情報及び前記特定ポイントを入力とし、前記特定情報を出力することが可能なように学習された特定情報作成モデルを含み、前記情報作成ステップでは、前記検索対象情報及び前記特定ポイントを前記特定情報作成モデルに入力し、前記特定情報作成モデルに前記特定情報を出力させる、検索支援システム。
【0153】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記設定ステップでは、前記検索者によって指定された基準情報と、設定用参照情報とに基づいて、求人の要件、又は求職者の経歴若しくは希望に関する前記特定ポイントを決定し、ここで、前記検索対象情報が求職者情報である場合、前記基準情報は求人情報であり、前記検索対象情報が求人情報である場合、前記基準情報は求職者情報であり、前記設定用参照情報は、前記基準情報と前記特定ポイントとの相関関係を含む、検索支援システム。
【0154】
(5)上記(4)に記載の検索支援システムにおいて、前記設定用参照情報は、前記基準情報を入力とし、前記特定ポイントを出力することが可能なように学習された特定ポイント設定モデルを含み、前記設定ステップでは、前記基準情報を前記特定ポイント設定モデルに入力することで前記特定ポイント設定モデルに出力させた前記特定ポイントを取得する、検索支援システム。
【0155】
(6)上記(4)又は(5)に記載の検索支援システムにおいて、前記検索対象情報は、求職者情報であり、前記基準情報は、前記検索者が候補者を検索する求人情報である、検索支援システム。
【0156】
(7)上記(6)に記載の検索支援システムにおいて、前記設定ステップでは、前記求人情報で要件とされているスキル又は経験を前記特定ポイントとして設定し、前記情報作成ステップでは、前記求職者情報に含まれる、前記特定ポイントであるスキル又は経験に関連する経歴を含む前記特定情報を作成する、検索支援システム。
【0157】
(8)上記(6)又は(7)に記載の検索支援システムにおいて、前記プロセッサは、次のステップさらに実行するように構成され、スカウト文書作成ステップでは、前記検索結果に含まれる求職者情報のうち、前記検索者が選択した求職者情報を有する求職者に対するスカウト文書を作成し、ここで、前記スカウト文書は、前記基準情報に含まれる求人票が添付されるとともに、宛先となる求職者に対応する前記特定情報を含む、検索支援システム。
【0158】
(9)上記(1)から(8)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記設定ステップでは、前記検索の実行前に、前記特定ポイントを設定するための入力を前記検索者から受け付ける、検索支援システム。
【0159】
(10)上記(9)に記載の検索支援システムにおいて、前記検索ステップでは、前記検索者が指定した基準情報のベクトルデータと、前記検索対象情報のベクトルデータとの比較によって前記検索を実行し、ここで、前記検索対象情報が求職者情報である場合、前記基準情報は求人情報であり、前記検索対象情報が求人情報である場合、前記基準情報は求職者情報である、検索支援システム。
【0160】
(11)上記(9)又は(10)に記載の検索支援システムにおいて、前記設定ステップでは、前記検索の実行前に前記特定ポイントを設定し、前記検索ステップでは、前記特定ポイントのベクトルデータと、前記検索対象情報のベクトルデータとの比較によって前記検索を実行する、検索支援システム。
【0161】
(12)上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記情報作成ステップでは、前記特定情報ごとに、前記特定ポイントとのマッチングの大きさを示すマッチング指標を付与し、前記結果表示制御ステップでは、前記マッチング指標に基づいて、前記検索結果に表示する前記特定情報を決定する、検索支援システム。
【0162】
(13)上記(12)に記載の検索支援システムにおいて、前記結果表示制御ステップでは、前記検索結果において、前記マッチング指標が所定以上の前記特定情報が作成された前記検索対象情報のみを表示させる、検索支援システム。
【0163】
(14)上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の検索支援システムにおいて、前記結果表示制御ステップでは、前記特定情報を表すテキストの一部を前記検索結果において表示させるとともに、前記検索結果における前記特定情報の選択に応じて前記テキストの全体を表示させる、検索支援システム。
【0164】
(15)上記(14)に記載の検索支援システムにおいて、前記結果表示制御ステップでは、1つの前記特定ポイントに対し複数の前記特定情報が作成された場合に、1つの前記特定ポイントに対応する複数の前記特定情報を表示させるとともに、前記検索結果において選択された前記特定情報のみに対し、前記テキストの全体を表示させる、検索支援システム。
【0165】
(16)検索支援方法であって、上記(1)から(15)のいずれか1つに記載の検索支援システムが実行する各ステップを備える、検索支援方法。
【0166】
(17)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(15)のいずれか1つに記載の検索支援システムの各ステップを実行させるための、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0167】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0168】
1 :検索支援システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :通信バス
20 :求人者端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :入力部
25 :出力部
26 :通信バス
30 :求職者端末
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
36 :通信バス
111 :基本表示制御部
112 :設定部
113 :検索部
114 :情報作成部
115 :結果表示制御部
116 :個別情報制御部
117 :スカウト文書作成部
120 :人工知能部
211 :表示部
212 :操作取得部
311 :表示部
312 :操作取得部
【要約】
【課題】検索に要するコストを低減できる検索支援システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、検索支援システムが提供される。この検索支援システムは、少なくとも1つのプロセッサを備える。プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成される。検索ステップでは、検索対象情報に対する検索を実行する。検索対象情報は、データベースに登録された、求職者情報又は求人情報である。設定ステップでは、検索の実行前、実行中、又は実行後に、検索者からの入力に基づいて、検索対象情報から抽出する特定ポイントを設定する。情報作成ステップでは、情報作成用参照情報に基づいて、検索によって抽出された検索対象情報に含まれるキーワード又は文章を用いて、特定ポイントに対応する特定情報を検索対象情報ごとに作成する。情報作成用参照情報は、検索対象情報と特定ポイントと特定情報との相関関係を含む。結果表示制御ステップでは、特定情報を含む検索結果を表示させる。
【選択図】
図1