(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】採用支援システム、採用支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024111365
(22)【出願日】2024-07-11
【審査請求日】2024-07-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 眞利
(72)【発明者】
【氏名】田島 拓実
(72)【発明者】
【氏名】三浦 鉱輝
(72)【発明者】
【氏名】ノロブエルデネ バトザヤー
(72)【発明者】
【氏名】張田谷 魁人
【審査官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-095301(JP,A)
【文献】特開2020-064467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
採用支援システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、
ストック管理ステップでは、登録されている求職者のうち、送信条件を充足する特定求職者のみに送信可能な専用スカウトメールのストックを所定のタイミングで求人者に付与し、
ここで、前記送信条件は、求職に関する行動が所定期間行われていないこと、又は所定期間中の前記行動の回数が所定数未満であることであり、
送信ステップでは、前記専用スカウトメールの送信対象者として選択された前記特定求職者に前記専用スカウトメールを送信するとともに、前記専用スカウトメールのストックを減少させる、採用支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の採用支援システムにおいて、
前記専用スカウトメールのストックには使用期限が設定され、
前記ストック管理ステップでは、前記使用期限に到達した前記専用スカウトメールのストックを削除するとともに、所定数の前記専用スカウトメールのストックを新たに付与する、採用支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の採用支援システムにおいて、
前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、
選択受付ステップでは、前記特定求職者に送信するスカウトメールとして、前記専用スカウトメール及び通常スカウトメールのどちらか一方の選択を受け付け、
ここで、前記通常スカウトメールは、前記特定求職者と前記特定求職者以外の求職者とを含む任意の求職者に送信可能なスカウトメールであり、前記通常スカウトメールのストックは、前記専用スカウトメールのストックと区別して管理され、
前記送信ステップでは、選択されたスカウトメールを前記特定求職者に送信する、採用支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の採用支援システムにおいて、
前記選択受付ステップでは、前記専用スカウトメールのストックが存在する場合、前記専用スカウトメールが初期選択された状態で、前記特定求職者に送信するスカウトメールの選択を受け付ける、採用支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の採用支援システムにおいて、
前記送信ステップでは、前記専用スカウトメールの送信時点において前記送信対象者が前記送信条件を充足しなくなった場合に、前記専用スカウトメールが送信できないことを示す情報を表示させる、採用支援システム。
【請求項6】
請求項5に記載の採用支援システムにおいて、
前記送信ステップでは、前記送信対象者への通常スカウトメールの代替送信を受け付けるとともに、前記代替送信を受け付けた場合に、前記通常スカウトメールを前記送信対象者に送信し、
ここで、前記通常スカウトメールは、前記特定求職者と前記特定求職者以外の求職者とを含む任意の求職者に送信可能なスカウトメールであり、前記通常スカウトメールのストックは、前記専用スカウトメールのストックと区別して管理される、採用支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載の採用支援システムにおいて、
前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、
検索ステップでは、検索条件に基づいて求職者の検索を実行するとともに、前記特定求職者への絞り込み指示を受けて前記特定求職者を抽出した検索結果を表示させる、採用支援システム。
【請求項8】
請求項1に記載の採用支援システムにおいて、
前記プロセッサは、次の各ステップをさらに実行するように構成され、
検索ステップでは、検索条件に基づいた求職者の検索結果を表示させ、
送信者選択ステップでは、前記検索結果に含まれる求職者の中から、スカウトメールを一括送信する複数の一括送信対象者の選択を受け付け、
決定ステップでは、前記一括送信対象者それぞれが前記送信条件を充足するか否かに基づいて、前記一括送信対象者それぞれに送信するスカウトメールを前記専用スカウトメール及び通常スカウトメールの中から決定するとともに、前記一括送信対象者に送信される前記専用スカウトメール及び前記通常スカウトメールそれぞれの総数を表示させ、
ここで、前記通常スカウトメールは、前記特定求職者と前記特定求職者以外の求職者とを含む任意の求職者に送信可能なスカウトメールであり、前記通常スカウトメールのストックは、前記専用スカウトメールのストックと区別して管理される、採用支援システム。
【請求項9】
請求項8に記載の採用支援システムにおいて、
前記決定ステップでは、前記専用スカウトメールのストックが存在する場合、前記送信条件を満たす前記一括送信対象者に送信するスカウトメールを前記専用スカウトメールとして決定する、採用支援システム。
【請求項10】
請求項8に記載の採用支援システムにおいて、
前記決定ステップでは、前記専用スカウトメールのストックの数よりも、前記送信条件を満たす前記一括送信対象者の数が多い場合、前記専用スカウトメールのストックの不足を示す情報を表示させるとともに、一括送信の取りやめ、又は前記送信条件を満たす前記一括送信対象者への前記通常スカウトメールの代替送信を受け付ける、採用支援システム。
【請求項11】
請求項8に記載の採用支援システムにおいて、
前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、
スカウト本文作成ステップでは、全ての前記一括送信
対象者宛のスカウトメールに適用される本文を作成するか、又は前記専用スカウトメールに適用される本文と前記通常スカウトメールに適用される本文とを個別に作成する、採用支援システム。
【請求項12】
請求項1に記載の採用支援システムにおいて、
前記ストック管理ステップでは、前記専用スカウトメールに対する前記特定求職者からの返信に応じて、通常スカウトメールのストックを付与し、
ここで、前記通常スカウトメールは、前記特定求職者と前記特定求職者以外の求職者とを含む任意の求職者に送信可能なスカウトメールであり、前記通常スカウトメールのストックは、前記専用スカウトメールのストックと区別して管理される、採用支援システム。
【請求項13】
採用支援方法であって、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の採用支援システムが実行する各ステップを備える、採用支援方法。
【請求項14】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の採用支援システムの各ステップを実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採用支援システム、採用支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、求人条件に合致する求職者にスカウトメールを送信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スカウトメールに関しては、求人者に対してより良いサービスを提供する点で、改善の余地がある。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、求人者に対してより良いサービスを提供することができる採用支援システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、採用支援システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、ストック管理ステップでは、登録されている求職者のうち、送信条件を充足する特定求職者のみに送信可能な専用スカウトメールのストックを所定のタイミングで求人者に付与し、ここで、送信条件は、求職に関する行動が所定期間行われていないこと、又は所定期間中の行動の回数が所定数未満であることであり、送信ステップでは、専用スカウトメールの送信対象者として選択された特定求職者に専用スカウトメールを送信するとともに、専用スカウトメールのストックを減少させる、採用支援システムが提供される。
【0007】
このような態様によれば、求人者に対してより良いサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】求人者端末20に表示される求職者の検索結果表示画面RDの一例を示す図である。
【
図6】求人者端末20に表示される通知画面NDの一例を示す図である。
【
図7】求人者端末20に表示される第1スカウトメール送信画面SD1の一例を示す図である。
【
図8】求人者端末20に表示される第2スカウトメール送信画面SD2の一例を示す図である。
【
図9】タブが切り替えられた状態の第2スカウトメール送信画面SD2の一例を示す図である。
【
図10】求人者端末20に表示される第2スカウトメール送信画面SD2の別の例を示す図である。
【
図11】求人者端末20に表示される第1アラート画面AD1の一例を示す図である。
【
図12】求人者端末20に表示される第2アラート画面AD2の一例を示す図である。
【
図13】採用支援システム1によって実行される情報処理(スカウトメールの送信処理)の流れの一例を示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、一実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、一実施形態に係る種々の情報処理において、入力と、入力に応じた出力とが実現されうる。ここで、入力の結果として出力が得られれば、かかる情報処理において参照される情報(以下、参照情報と称する。)の態様は、限定されない。参照情報は、例えば、データベース、ルックアップテーブル、所定の関数(統計学的手法によって構築された、回帰式等の判定式を含む。)等のルールベースの情報でもよいし、入力と出力との相関を予め学習させた学習済みモデルでもよいし、プロンプトを入力することで所望の結果を出力可能な大規模言語モデルでもよい。
【0012】
また、一実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、一実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
さらに、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。また、プロセッサは、汎用プロセッサでもよいし、専用の回路でもよい。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0015】
<採用支援システム1>
図1は、採用支援システム1を表す構成図である。採用支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、複数の求人者端末20と、複数の求職者端末30とを備える。サーバ装置10と、求人者端末20と、求職者端末30とは、通信回線2を通じて相互に通信可能に構成されている。サーバ装置10、求人者端末20及び求職者端末30の接続は有線でも無線でもよい。
【0016】
採用支援システム1は、例えば、複数の求人者(第1求人者U1及び第2求人者U2)と、複数の求職者(第1求職者U3及び第2求職者U4)とが利用する求人・求職システムの少なくとも一部を構成する。採用支援システム1は、求人者による求職者の検索、求職者へのスカウトメールの送信等を主に行う。一実施形態において、採用支援システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。以下、これらの構成要素について説明する。
【0017】
<サーバ装置10>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、通信バス14とを備える。制御部11、記憶部12、及び通信部13は、サーバ装置10の内部において通信バス14を介して電気的に接続されている。
【0018】
<制御部11>
制御部11は、サーバ装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、サーバ装置10は、機能毎に複数の制御部11を有してもよい。また、それらの組合せであってもよい。
【0019】
<記憶部12>
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム、変数等を記憶している。
【0020】
<通信部13>
通信部13は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置10は、通信部13及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0021】
サーバ装置10は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置10は、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0022】
<求人者端末20>
図3は、求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3Aに示されるように、求人者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、通信バス26とを備える。制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、及び出力部25は、求人者端末20の内部において通信バス26を介して電気的に接続されている。求人者端末20は、サーバ装置10によって提供されるサービスを受ける組織に属するユーザである各求人者が、業務において使用する情報処理端末である。制御部21、記憶部22及び通信部23の説明は、サーバ装置10における各部の説明と同様のため省略する。
【0023】
<入力部24>
入力部24は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス26を介して制御部21に転送される。制御部21は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部24は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部24は、出力部25と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部24がタッチパネルとして実施される場合、ユーザは、入力部24に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部24としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、トラックパッド、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0024】
<出力部25>
出力部25は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。出力部25は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、出力部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施されうる。これらの表示デバイスは、求人者端末20の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0025】
<求職者端末30>
図3Bに示されるように、求職者端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、通信バス36とを備える。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、及び出力部35は、求職者端末30の内部において通信バス36を介して電気的に接続されている。求職者端末30は、サーバ装置10によって提供されるサービスを受けるユーザである各求職者が使用する情報処理端末である。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34及び出力部35の説明は、求人者端末20における各部の説明と同様のため省略する。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11(採用支援システム1が備える少なくとも1つのプロセッサ)に含まれる各機能部として実行されうる。
【0027】
図4は、サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
【0028】
図4Aに示されるように、サーバ装置10(制御部11)は、基本表示制御部111と、ストック管理部112と、検索部113と、送信者選択部114と、スカウト本文作成部115と、選択受付部116と、決定部117と、送信部118と、人工知能部120とを備える。
図4Bに示されるように、求人者端末20(制御部21)は、表示部211と、操作取得部212とを備える。
図4Cに示されるように、求職者端末30(制御部31)は、表示部311と、操作取得部312とを備える。
【0029】
<基本表示制御部111>
基本表示制御部111は、種々の情報を求人者端末20及び求職者端末30に表示させるように構成される。例えば、基本表示制御部111は、求人者が作成した求人票及びスカウト本文、求職者が作成した登録情報等を、求人者端末20の表示部211又は求職者端末30の表示部311に表示させる。
【0030】
求人者には、営利法人(例えば企業等)、非営利法人(例えば、協同組合、財団法人等)、公的法人(例えば地方公共団体等)等の組織が含まれる。また、求人者には、組織の代理人として、求職者と組織とを仲介する人材仲介業者も含まれる。人材仲介業者は、ヘッドハンター、エージェント等とも呼ばれる。
【0031】
求職者の登録情報は、求職者データベースに登録された求職者に関する情報である。求職者データベースは、例えば、記憶部12に記憶される。また、求職者の登録情報には、求職者の履歴書、職務経歴書、その他のプロフィール情報が含まれる。なお、「履歴書」は、主に求職者のプロフィール、現況、学歴、職歴、希望の労働条件等が記載された文書であり、「職務経歴書」は、レジュメとも呼ばれ、求職者が求人者に対して、自身のこれまでの職務に関する経歴、経験、スキル、資格等を伝える文書である。また、求職者の登録情報には、求職者が希望する業種及び職種が含まれてもよい。
【0032】
<ストック管理部112>
ストック管理部112は、求人者が求人票に基づいて求職者に送信する、スカウトメールのストックを管理するように構成される。スカウトメールのストックは、求人者が求職者に送信可能なスカウトメールの数を表し、スカウトメールを送信する都度消費される。スカウトメールのストックは、求人者(組織又は人材仲介業者)ごとに管理される。
【0033】
ストック管理部112は、通常スカウトメールと、専用スカウトメールとの2種類のスカウトメールのストックを管理する。専用スカウトメールは、求職者データベースに登録されている求職者のうち、送信条件を充足する特定求職者のみに送信可能なスカウトメールである。
【0034】
専用スカウトメールの送信条件は、求職に関する行動が所定期間行われていないこと、又は所定期間中の求職に関する行動の回数が所定数未満であることである。「求職に関する行動」としては、例えば、求人の閲覧、求人への応募、求人のブックマークリストへの登録、求人に基づいて送信されたスカウトメールへの返信等の、特定の求人に対する行動に加え、採用支援システム1が提供する採用支援サービスへのログイン、自身の登録情報の編集等の、求職者によるすべての求職活動に関連する行動が含まれる。これにより、求職に関する活動が少ない(又は活動を行っていない)、非アクティブな求職者(特定求職者)に送信されるスカウトメールの数を増やすことができる。
【0035】
例えば、ストック管理部112は、採用支援サービスへのログイン、求人の閲覧等の予め定められた特定行動が所定期間(例えば、30日間)行われていない求職者に対し、専用スカウトメールの送信条件を充足する(特定求職者である)と判定する。また、ストック管理部112は、例えば、現時点から過去の所定期間において、採用支援サービスへのログイン、求人の閲覧等の特定行動の回数が予め定めた所定数未満の求職者に対し、専用スカウトメールの送信条件を充足すると判定してもよい。また、ストック管理部112は、求職に関する行動に加えて、求職者の属性(例えば、年齢、職歴、年収等)を送信条件に加えてもよい。
【0036】
なお、専用スカウトメールは、同一の特定求職者に繰り返し送信可能であってもよい。また、専用スカウトメールは、同じ日に一人の特定求職者に対して複数回送信可能であってもよい。
【0037】
通常スカウトメールは、求職者データベースに登録されている求職者のうち、特定求職者と特定求職者以外の求職者とを含む任意の求職者(典型的には、スカウトメールを受信可能な全ての求職者)に送信可能なスカウトメールである。なお、通常スカウトメールは、送信可能な求職者の範囲や、メール単価(1ストックの購入金額)等に応じてさらに種類が分けられていてもよく、ストック管理部112は、複数の種類の通常スカウトメールのストックを管理してもよい。例えば、特定の属性の求職者にのみ送信可能な第1通常スカウトメールと、求職者の属性等に関係なく送信可能な第2通常スカウトメールとが区別されて、それぞれのストックがストック管理部112によって管理されてもよい。
【0038】
なお、求職者においては、受信したスカウトメールの種類(専用スカウトメールであるか通常スカウトメールであるか)は、区別されない。つまり、求職者端末30には、受信したスカウトメールの種類は表示されない。
【0039】
通常スカウトメールのストックは、専用スカウトメールのストックと区別して管理される。つまり、求人者が専用スカウトメールを送信した場合は、専用スカウトメールの送信数に応じて専用スカウトメールのストックが消費され、求人者が通常スカウトメールを送信した場合は、通常スカウトメールの送信数に応じて通常スカウトメールのストックが消費される。
【0040】
通常スカウトメールのストックは、基本的には、求人者によるスカウトメールの購入によって増加する。例えば、ストック管理部112は、スカウトメールの送信前に、求人者による通常スカウトメールの事前購入を受け付け、受け付けた購入数のストックを増加させる。例えば、求人者には、購入した通常スカウトメールの数に応じた金額、又は購入した通常スカウトメールの数と、通常スカウトメールの単価とに応じた金額が課金される。また、通常スカウトメールのストックが不足している場合、通常スカウトメールの送信後に、不足していたストックの数に応じた金額が求人者に課金されてもよい。
【0041】
ストック管理部112は、専用スカウトメールのストックを所定のタイミングで求人者に無償で付与する。「所定のタイミング」としては、例えば、1週間ごと、10日ごと、1月ごと等である。例えば、ストック管理部112が1週間ごとに専用スカウトメールのストックを付与する場合は、月曜日の0時に求人者にストックが付与される。個々の求人者につき一度に付与される専用スカウトメールの数は限定されないが、例えば100通程度である。これにより、例えば、求職に関する活動が少ない(又は活動を行っていない)、非アクティブな求職者(特定求職者)に送信されるスカウトメールの数を増やすことができる。これにより、非アクティブな求職者がアクティブな求職者となり、求人と求職者とのマッチングを活性化することができる。
【0042】
専用スカウトメールのストックには使用期限が設定されてもよい。ストック管理部112は、使用期限に到達した専用スカウトメールのストックを削除するとともに、所定数の専用スカウトメールのストックを新たに付与してもよい。これにより、使用期限内での専用スカウトメールの利用を求人者に促すことができる。使用期限は、専用スカウトメールのストックを付与するタイミングの間隔と同じであってもよい。この場合、使用期限内で消費されなかった専用スカウトメールのストックが削除されると同時に、新たな専用スカウトメールのストックが補充される。つまり、ストック管理部112は、専用スカウトメールのストックの付与タイミングにおいて、ストックの残数にかかわらず、専用スカウトメールのストックを所定数にリセットしてもよい。この場合、専用スカウトメールのストックの数は、所定数を超えることはない。
【0043】
ストック管理部112は、全ての求人者に専用スカウトメールのストックを付与してもよいし、所定の条件を満たす求人者のみに専用スカウトメールのストックを付与してもよい。例えば、ストック管理部112は、求人者の属性(登録情報)等に基づき、人材仲介業者(エージェント等)かどうかを判定し、当該求人者が人材仲介業者の条件を満たす場合に専用スカウトメールのストックを付与してもよい。つまり、ストック管理部112は、求人者のうち、人材仲介業者(エージェント等)が利用するアカウントのみに、専用スカウトメールのストックを付与してもよい。また、ストック管理部112は、求人者それぞれの属性等に応じて、求人者それぞれに付与する専用スカウトメールのストックの数(所定数)を変更してもよい。
【0044】
ストック管理部112は、専用スカウトメールに対する特定求職者からの返信に応じて、通常スカウトメールのストックを付与してもよい。これにより、専用スカウトメールの利用に対するインセンティブを求人者に与えることができるとともに、返信の可能性が高い特定求職者への専用スカウトメールの送信を促すことができる。
【0045】
ストック管理部112は、一人の求職者からの返信につき、1通の通常スカウトメールのストックを付与してもよい。この場合は、同一の求職者から複数の返信があっても、付与される通常スカウトメールのストックの数は1である。また、ストック管理部112は、どの求職者が返信を行ったかとは無関係に、1通の返信につき1通の通常スカウトメールのストックを付与してもよい。この場合は、例えば同一の求職者から2回の返信があったとき、付与される通常スカウトメールのストックの数は2通である。
【0046】
ストック管理部112は、例えば、求人者個々のスカウトメールの管理画面において、専用スカウトメール及び通常スカウトメールそれぞれのストック数、専用スカウトメールの有効期限(リセットまでの残り時間)等を表示させてもよい。
【0047】
<検索部113>
検索部113は、検索条件に基づいて求職者の検索を実行するように構成される。求職者の検索では、検索部113は、求人者端末20から求職者データベースに対する検索条件(検索クエリ)の入力を受け付け、当該検索条件に基づいて求職者を検索する。検索部113は、検索条件に基づいた求職者の検索結果を求人者端末20に表示させる。
【0048】
検索部113は、求人者端末20から特定求職者への絞り込み指示を受けて、特定求職者を抽出した検索結果を求人者端末20に表示させてもよい。これにより、専用スカウトメールの送信対象となる求職者の中から、求人者がスカウトメールの送信者を選択することができる。
【0049】
図5は、求人者端末20に表示される求職者の検索結果表示画面RDの一例を示す図である。検索結果表示画面RDは、クエリ表示欄QFと、全体チェックボックスCB1と、ソートオブジェクトSOと、絞り込みオブジェクトNOと、結果表示領域RAとを含む。
【0050】
クエリ表示欄QFには、検索に用いた検索クエリ(検索キーワード)が表示される。また、クエリ表示欄QFには、条件変更ボタンB11が配置される。条件変更ボタンB11に対し入力操作が行われると、検索クエリの入力画面(入力欄)が表示される。全体チェックボックスCB1は、検索された全求職者を一括選択するためのオブジェクトである。なお、
図5の例では、全体チェックボックスCB1の横に検索された求職者の総数が表示されている。
【0051】
ソートオブジェクトSOは、結果表示領域RAにおける求職者の並び順の設定を受け付ける。ソートオブジェクトSOとしては、例えば、予め用意された、並び順に用いられる属性(パラメータ)を一覧から選択可能なプルダウンリストが用いられる。
図5の例では、並び順の属性として「ログイン日時」(採用支援サービスへのログイン日時が近い順)が選択された状態が示されている。
【0052】
絞り込みオブジェクトNOは、結果表示領域RAに表示される求職者の、特定求職者(
図5の例では「一時未ログイン」として表示)への絞り込みの実行及び解除を行うための操作を受け付ける。絞り込みオブジェクトNOとしては、例えば、特定求職者への絞り込みのオン・オフを切り替えるトグルスイッチが用いられる。
図5の例では、特定求職者(一時未ログイン)への絞り込みが有効にされた(トグルスイッチがオンにされた)状態が示されている。なお、
図5の例では、特定行動を、「採用支援サービスへのログイン」とし、当該ログインを所定期間行っていない(一時未ログインの)求職者を、特定求職者としている。
【0053】
結果表示領域RAには、検索条件を満たす求職者情報JIがリスト表示される。また、絞り込み条件が有効になっている場合は、検索条件を満たし、かつ、当該絞り込み条件を満たす求職者情報JIのみがリスト表示される。さらに、求職者情報JIは、ソートオブジェクトSOにて設定された並び順で表示される。各求職者情報JIには、求職者の情報(例えば、年齢、居所、現在の年収、現在の所属組織、現在の職種、現在の役職、学歴、スキル、職種履歴、業務履歴等)と、特定求職者に該当することを示す情報(
図5の例では「一時未ログイン」のキーワード)とが含まれる。なお、特定求職者に該当することを示す情報は、文字情報に限定されず、アイコン、タグ等であってもよい。また、各求職者情報JIには、個別チェックボックスCB2が付与されている。求人者は、スカウトメールの送信等のアクションの対象となる求職者情報JIの個別チェックボックスCB2に対し入力操作を行うことで、当該求職者情報JIを選択する。
【0054】
求職者の検索条件に、専用スカウトメールの送信条件(特定求職者の必要条件)と一部又は全体が重複する条件(以下、「特定条件」)が含まれている場合において、求人者から検索結果に対する特定求職者への絞り込み指示を受けた場合は、検索部113は、当初の検索条件から特定条件を外した検索条件による新たな検索を行い、当該検索の結果を特定求職者に絞り込んだものを検索結果として求人者端末20に表示させてもよい。さらに、検索部113は、特定求職者への絞り込みが解除された場合は、当初の検索条件(つまり、特定条件が除外されていない検索条件)による検索結果を求人者端末20に表示させてもよい。
【0055】
例えば、専用スカウトメールの送信条件(特定求職者の必要条件)が「採用支援サービスへの最終ログインが30日以上前」であり、かつ、求職者の検索条件に「採用支援サービスへの最終ログイン日時が〇〇日以内」という特定条件(特定求職者の必要条件と一部重複する条件)が含まれる場合において、特定求職者の絞り込みが指示されると、検索部113は、特定条件(最終ログイン日時)の指定を外した残りの検索条件で検索される求職者のうち、必要条件を満たす求職者(特定求職者)のみを検索結果として表示させる。特定求職者の絞り込みが解除されると、検索部113は、元の検索条件(最終ログイン日時を含む検索条件)で検索された検索結果を復元して表示させる。
【0056】
このように求職者の検索条件に特定条件が含まれる場合、検索部113は、絞り込みの指示を受けた際に、検索条件を変更することを通知する表示(アラート)を求人者端末20に表示させてもよい。
図6は、求人者端末20に表示される通知画面NDの一例を示す図である。通知画面NDは、例えば、
図5の絞り込みオブジェクトNOが有効(オン)にされた場合に表示される。通知画面NDは、キャンセルボタンB21と、表示ボタンB22とを含む。キャンセルボタンB21に対し入力操作が行われると、絞り込みがキャンセルされる。表示ボタンB22に対し入力操作が行われると、上述のように検索条件が変更された上で、絞り込み結果が表示される。
【0057】
<送信者選択部114>
送信者選択部114は、検索結果に含まれる求職者の中から、スカウトメールを送信する送信対象者の選択を受け付けるように構成される。求人者は、単一の送信対象者を選択してもよいし、複数の送信対象者を同時に選択してもよい。つまり、送信者選択部114は、検索結果に含まれる求職者の中から、スカウトメールを一括送信する複数の一括送信対象者の選択を受け付けてもよい。
【0058】
例えば、送信者選択部114は、求人者端末20における
図5の検索結果表示画面RDの全体チェックボックスCB1又は個別チェックボックスCB2への入力操作によって、1又は複数の送信対象者の選択を受け付ける。
【0059】
<スカウト本文作成部115>
スカウト本文作成部115は、送信者選択部114が選択を受け付けた送信対象者に送信するスカウトメールの本文(スカウト本文)を作成するように構成される。スカウト本文作成部115は、求人者端末20から文字等の入力を受け付けることでスカウト本文を作成してもよいし、スカウト本文作成に必要な初期情報(例えば、求人票)を人工知能部120のスカウト本文作成モデルに入力し、スカウト本文作成モデルにスカウト本文を出力させてもよい。スカウト本文作成部115は、職種ごとや業種ごとに、スカウト文面のテンプレート又はスカウト本文作成モデルを用意してもよい。
【0060】
スカウト本文作成モデルは、初期情報を入力とし、スカウト本文を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、スカウト本文作成モデルは、学習用の初期情報(求人票)と、当該初期情報に対応するスカウト本文のデータとの組み合わせを教師データとして学習した学習モデルである。
【0061】
スカウト本文作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、スカウト本文作成部115は、初期情報を入力とし、スカウト本文を出力する指示を含むプロンプトをスカウト本文作成モデルに入力し、スカウト本文をスカウト本文作成モデルに出力させる。スカウト本文作成部115は、初期情報からスカウト本文を作成する指示をスカウト本文作成モデルへ与えるプロンプトを生成し、当該プロンプトをスカウト本文作成モデルへ入力してもよい。また、スカウト本文作成部115は、スカウト本文の作成・出力指示と初期情報とに加え、例えば、1以上の初期情報のサンプルと、それに対応する1以上のスカウト本文のサンプルとを挿入したプロンプトをスカウト本文作成モデルに入力してもよい。スカウト本文作成モデルは、入力されたプロンプトにしたがって、初期情報からスカウト本文を作成する。
【0062】
送信者選択部114において、複数の一括送信者の選択を受け付けた場合、スカウト本文作成部115は、全ての一括送信者宛のスカウトメールに適用されるスカウト本文を作成するか、又は専用スカウトメールに適用されるスカウト本文と通常スカウトメールに適用されるスカウト本文とを個別に作成してもよい。これにより、前者(全ての一括送信者共通のスカウト本文を作成する場合)には、求人者のスカウトメールの一括送信時の工数が低減される。また、後者(専用スカウトメール及び通常スカウトメールそれぞれのスカウト本文を作成する場合)には、求職者の属性(つまり、特定求職者であるか否か)に応じて求人者がスカウト本文を使い分けることができる。
【0063】
<選択受付部116>
選択受付部116は、送信者選択部114において、特定求職者が送信対象者として選択された場合に、個別の特定求職者に送信するスカウトメールとして、専用スカウトメール及び通常スカウトメールのどちらか一方の選択を受け付けるように構成される。これにより、求人者が特定求職者に送信するスカウトメールの種類を柔軟に設定することができる。
【0064】
選択受付部116は、専用スカウトメールのストックが存在する場合、専用スカウトメールが初期選択された状態で、特定求職者に送信するスカウトメールの選択を受け付けてもよい。これにより、求人者が特定求職者にスカウトメールを送信する場合に、専用スカウトメールを選択する手間を減らすことができる。
【0065】
図7は、求人者端末20に表示される第1スカウトメール送信画面SD1の一例を示す図である。第1スカウトメール送信画面SD1は、送信者選択部114で選択された求職者に個別にスカウトメールを送る場合に表示される。第1スカウトメール送信画面SD1は、本文作成領域CAと、種類選択領域TAと、送信ボタンB31とを含む。
【0066】
本文作成領域CAは、テンプレート選択オブジェクトTOと、件名入力欄TFと、本文入力欄BFと、求人添付ボタンB32とを含む。件名入力欄TFは、スカウトメールの件名の入力を受け付ける。本文入力欄BFは、スカウトメールの本文の入力を受け付ける。テンプレート選択オブジェクトTOは、件名及び本文のテンプレートの選択を受け付ける。テンプレート選択オブジェクトTOとしては、例えば、予め用意されたテンプレートを一覧から選択可能なプルダウンリストが用いられる。テンプレート選択オブジェクトTOにおいてテンプレートが選択されると、選択されたテンプレートに対応する件名及び本文が、件名入力欄TF及び本文入力欄BFに自動入力される。また、求人添付ボタンB32に対し入力操作がされると、スカウトメールに添付する求人票の選択画面が表示される。
【0067】
種類選択領域TAは、送信対象者に送信されるスカウトメールの種類の選択を受け付ける。
図7の例では、通常スカウトメールと専用スカウトメールとに択一的に選択可能なオブジェクト(ラジオボタン)が付与されている。また、種類選択領域TAには、通常スカウトメール及び専用スカウトメールそれぞれのストックの数が表示される。送信対象者が特定求職者である場合は、専用スカウトメールが初期選択された状態で、第1スカウトメール送信画面SD1が表示される。ただし、送信対象者が特定求職者である場合でも、専用スカウトメールのストックがゼロの場合は、通常スカウトメールが初期選択された状態で、第1スカウトメール送信画面SD1が表示される。この場合、選択受付部116は、専用スカウトメールのストックがないことを示す情報(例えばテキストメッセージ)を第1スカウトメール送信画面SD1内に表示させてもよいし、種類選択領域TAにおいて専用スカウトメールを選択不可能(選択肢として不活性)の状態にしてもよい。
【0068】
送信ボタンB31が入力操作されると、後述される送信部118による専用スカウトメール又は通常スカウトメールの送信が実行される。
【0069】
<決定部117>
決定部117は、選択受付部116が選択を受け付けた送信対象者に送信するスカウトメールを決定するように構成される。送信対象者に対し個別にスカウトメールを送信する場合は、選択受付部116によって受け付けたスカウトメールが送信対象者に送信される。
【0070】
複数の一括送信対象者にスカウトメールを送信する場合は、決定部117は、一括送信対象者それぞれが送信条件を充足するか否かに基づいて、一括送信対象者それぞれに送信するスカウトメールを専用スカウトメール及び通常スカウトメールの中から決定するとともに、一括送信対象者に送信される専用スカウトメール及び通常スカウトメールそれぞれの総数を求人者端末20に表示させてもよい。これにより、複数の送信対象者に対し、求人者が個々にスカウトメールの種類を選択する工数を低減できる。また、専用スカウトメール及び通常スカウトメールの総数が表示されることで、それぞれのスカウトメールの消費量を求人者が把握した上でスカウトメールの一括送信を行うことができる。
【0071】
さらに、決定部117は、一括送信対象者に専用スカウトメール及び通常スカウトメールを送信した後の、専用スカウトメール及び通常スカウトメールそれぞれのストックの残数を求人者端末20に表示させてもよい。
【0072】
決定部117は、専用スカウトメールのストックが存在する場合、送信条件を満たす一括送信対象者に送信するスカウトメールを専用スカウトメールとして決定してもよい。これにより、求人者が通常スカウトメールに対して専用スカウトメールを優先的に消費させることができる。
【0073】
また、決定部117は、専用スカウトメールのストックの数よりも、送信条件を満たす一括送信対象者の数が多い場合、専用スカウトメールのストックの不足を示す情報を表示させるとともに、一括送信の取りやめ、又は送信条件を満たす一括送信対象者への通常スカウトメールの代替送信を受け付けてもよい。これにより、求人者が意図しない通常スカウトメールの消費を回避することができる。また、専用スカウトメールが不足している場合に、求人者が一括送信対象者の絞り込み等の見直しを行うことができる。
【0074】
決定部117は、一括送信対象者のうち、過去にスカウトメール(専用スカウトメール及び通常スカウトメールのいずれか)を送信したことがある送信対象者を求人者端末20に提示してもよい。また、決定部117は、一括送信対象者のうち、専用スカウトメール及び通常スカウトメールのいずれも送信することができない送信除外者を求人者端末20に提示してもよい。送信除外者は、例えば、所定期間(例えば、30日以内)に、同一求人者からのスカウトメールへの返信、同一求人者についての求人への応募等のアクションがあった求職者である。決定部117は、選択受付部116で選択を受け付けた一括送信対象者から送信除外者を除外する。なお、送信除外者は、専用スカウトメールの送信条件を満たさない。
【0075】
図8は、求人者端末20に表示される第2スカウトメール送信画面SD2の一例を示す図である。第2スカウトメール送信画面SD2は、送信者選択部114で選択された複数の求職者(一括送信対象者)にスカウトメールをまとめて送る場合に表示される。第2スカウトメール送信画面SD2は、スカウト切り替えタブSTと、本文作成領域CAと、送信情報表示領域SAと、送信ボタンB41とを含む。
【0076】
スカウト切り替えタブSTは、本文作成領域CAで作成するスカウトメールの種類を切り替えるためのオブジェクトである。
図8では、通常スカウトメールのタブタイトルとしての「通常会員用」と、専用スカウトメールのタブタイトルとしての「一時未ログイン会員用」とがスカウト切り替えタブSTに表示されている。各タブタイトルには、それぞれのスカウトメールの送信予定数(送信対象者の人数)も合わせて(
図8の例ではカッコ内に)表示されている。また、
図8は、通常スカウトメール(「通常会員用」)のタブが選択された状態を示しており、この状態で本文作成領域CAに入力された内容は、通常スカウトメールに挿入又は添付される。なお、第2スカウトメール送信画面SD2の本文作成領域CAは、第1スカウトメール送信画面SD1の本文作成領域CAと同様のものである。
【0077】
図9は、タブが切り替えられた状態の第2スカウトメール送信画面SD2の一例を示す図である。
図9は、スカウト切り替えタブSTの専用スカウトメール(「一時未ログイン会員用」)のタブが選択された状態を示しており、この状態で本文作成領域CAに入力された内容は、専用スカウトメールに挿入又は添付される。また、専用スカウトメール用の本文作成領域CAには、共通化チェックボックスCB3が表示される。共通化チェックボックスCB3がチェックされると、本文作成領域CAの各入力欄の表示が消える。また、専用スカウトメールの本文として、通常スカウトメールの本文が使用される。つまり、スカウト本文作成部115は、通常スカウトメール用の本文作成領域CAに入力された内容に基づいて、全ての一括送信者宛のスカウトメールに適用されるスカウト本文を作成する。一方、共通化チェックボックスCB3にチェックが入っていない場合は、スカウト本文作成部115は、専用スカウトメール用の本文作成領域CA及び通常スカウトメール用の本文作成領域CAそれぞれに入力された内容に基づいて、専用スカウトメールに適用されるスカウト本文と通常スカウトメールに適用されるスカウト本文とを個別に作成する。
【0078】
送信情報表示領域SAには、通常スカウトメール及び専用スカウトメールそれぞれの送信人数(対象者数)と、現在のストックの数と、一括送信後のストックの数とが表示される。送信ボタンB41に対し入力操作が行われると、送信部118による通常スカウトメール及び専用スカウトメールの送信が実行される。
【0079】
図10は、求人者端末20に表示される第2スカウトメール送信画面SD2の別の例を示す図である。
図10の第2スカウトメール送信画面SD2では、
図8のスカウト切り替えタブSTに替えて、通常スカウト領域NAと専用スカウト領域EAとが表示される。通常スカウト領域NAには、通常スカウトメールの送信予定数と、通常スカウトメール用のスカウト本文を作成するための本文作成領域CAとが表示される。
【0080】
専用スカウト領域EAには、専用スカウトメールの送信予定数と、カスタマイズチェックボックスCB4とが表示される。カスタマイズチェックボックスCB4にチェックが入っていない場合は、専用スカウトメールには、通常スカウトメールと共通のスカウト本文が適用される。一方、カスタマイズチェックボックスCB4がチェックされると、専用スカウトメール用の本文作成領域CAが表示(第2スカウトメール送信画面SD2において展開)され、スカウト本文作成部115が専用スカウトメール用のスカウト本文の入力を受け付ける。
【0081】
また、一括送信者全員が専用スカウトメールの送信対象者(特定求職者)であり、かつ、専用スカウトメールのストックの数が送信対象者の数以上の場合は、第2スカウトメール送信画面SD2において通常スカウト領域NAは表示されず(例えば、通常スカウト領域NAの替わりに通常スカウトの送信対象者がいない旨のメッセージが表示され)、専用スカウト領域EAにおいて専用スカウトメール用の本文作成領域CAが初期表示されてもよい。
【0082】
<送信部118>
送信部118は、通常スカウトメール及び専用スカウトメールを送信対象者である求職者に送信する。具体的には、送信部118は、通常スカウトメールの送信対象者として選択された求職者に通常スカウトメールを送信するとともに、通常スカウトメールのストックを減少させる。また、送信部118は、専用スカウトメールの送信対象者として選択された特定求職者に専用スカウトメールを送信するとともに、専用スカウトメールのストックを減少させる。
【0083】
送信部118は、通常スカウトメールを特定求職者に送信してもよい。つまり、送信部118は、求人者によって選択された(つまり、選択受付部116が選択を受け付けた種類の)スカウトメールを特定求職者に送信する。
【0084】
送信部118は、専用スカウトメールの送信時に、専用スカウトメールの送信対象者が特定求職者であるか(送信条件を充足するか)判定する。送信部118は、送信対象者が送信条件を充足しないと判定した場合は、専用スカウトメールを当該送信対象者に送信しない。また、複数の送信対象者に専用スカウトメールを一括送信する場合では、送信部118は、送信条件を充足している送信対象者のみに専用スカウトメールを送信し、送信条件を充足していない送信対象者には専用スカウトメールを送信しない。
【0085】
送信部118は、専用スカウトメールの送信時点において専用スカウトメールの送信対象者が送信条件を充足しなくなった場合に、専用スカウトメールが送信できないことを示す情報を求人者端末20に表示させてもよい。これにより、送信対象者のステータス変更によって専用スカウトメールが送信できなかったことを求人者に知らせることができる。
【0086】
送信対象者が送信条件を充足しなくなるケースとしては、例えば、検索部113による求職者の検索から、送信部118によるスカウトメールの送信までの期間(例えば、専用スカウトメールの送信対象者の選択、専用スカウトメールのスカウト本文の作成等に要する時間)において、専用スカウトメールの送信対象者として選択した求職者がログイン等の、専用スカウトメールの送信条件に関するアクションを行った場合が挙げられる。より具体的には、例えば、専用スカウトメールの送信条件(特定求職者の必要条件)が「採用支援サービスへの最終ログインが30日以上前」である場合、送信対象者が送信条件を充足しなくなるケースとしては、検索部113による求職者の検索の時点では、直近30日の間にログインしていなかった求職者が、送信部118によるスカウトメールの送信までの期間に採用支援サービスにログインした結果、送信条件を充足しなくなった場合等である。
【0087】
送信部118は、送信条件を充足しなくなった送信対象者への通常スカウトメールの代替送信を受け付けるとともに、代替送信を受け付けた場合に、通常スカウトメールを送信対象者に送信してもよい。これにより、求人者が通常スカウトメールを送信するための求職者の再検索、スカウト本文の再設定等を行うことなく、専用スカウトメールの送信対象としていた求職者にスカウトメールを送信することができる。
【0088】
複数の送信対象者に専用スカウトメールを一括送信する場合では、送信部118は、送信条件を充足していない送信対象者のうち、通常スカウトメールを送信する送信対象者の選択を求人者端末20から受け付けてもよい。この場合、求人者端末20によって選択された送信対象者のみに通常スカウトメールの代替送信が行われ、選択されなかった送信対象者にはスカウトメールは送信されない。
【0089】
図11は、求人者端末20に表示される第1アラート画面AD1の一例を示す図である。第1アラート画面AD1は、例えば、
図7の第1スカウトメール送信画面SD1において、種類選択領域TAの専用スカウトメールが選択された状態で送信ボタンB31に対し入力操作が行われた際に、送信対象の特定求職者が送信条件を満たさなくなっていた場合(送信ボタンB31に対し入力操作が行われるまでの間に、送信対象者が採用支援サービスにログインする等、専用スカウトメールの送信条件に関するアクションを行った場合)に表示される。
【0090】
図11Aに示される第1アラート画面AD1に含まれる確認ボタンB51に対し入力操作が行われると、第1アラート画面AD1が消え、種類選択領域TAの通常スカウトメールが選択され、かつ、専用スカウトメールが選択できない状態で、
図7の第1スカウトメール送信画面SD1が求人者端末20に再表示される。また、求人者端末20に表示される送信対象者の情報が更新される(例えば、特定求職者に該当する旨の表示が解除される)。
【0091】
また、送信部118は、
図11Aの第1アラート画面AD1に替えて、
図11Bの第1アラート画面AD1を求人者端末20に表示させてもよい。
図11Bの第1アラート画面AD1では、専用スカウトメールの送信対象外となった特定求職者に対し、通常スカウトメールを代替送信するか否かを問い合わせるメッセージが表示される。第1アラート画面AD1に含まれる送信取消ボタンB52に対し入力操作が行われると、当該求職者へのスカウトメールの送信がキャンセルされる。一方、第1アラート画面AD1に含まれる代替送信ボタンB53に対し入力操作が行われると、当該求職者へ通常スカウトメールが送信され、通常スカウトメールのストックが消費される。
【0092】
図12は、求人者端末20に表示される第2アラート画面AD2の一例を示す図である。第2アラート画面AD2は、例えば、
図8の第2スカウトメール送信画面SD2において、送信ボタンB41に対し入力操作が行われた際に、送信対象の求職者の一人でも送信条件を満たさなくなっていた場合に表示される。第2アラート画面AD2では、専用スカウトメールの送信対象外となった求職者の数と、当該求職者に対し、通常スカウトメールを代替送信するか否かを問い合わせるメッセージが表示される。第2アラート画面AD2に含まれる送信取消ボタンB61に対し入力操作が行われると、当該求職者へのスカウトメールの送信がキャンセルされる。一方、第2アラート画面AD2に含まれる代替送信ボタンB62に対し入力操作が行われると、当該求職者へ通常スカウトメールが送信され、通常スカウトメールのストックが消費される。
【0093】
<人工知能部120>
人工知能部120は、各機能部から入力を受け付け、指示された出力を返すように構成されている。なお、サーバ装置10が各機能部において使用する人工知能は、共通のものであってもよいし、機能部毎に個別に用意されたものであってもよい。
【0094】
人工知能部120は、GPT(Generative Pretrained Transformer、GPT-1、GPT-2、GPT-3及びGPT-4を含む)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、BART(Bidirectional and Auto-regressive Transformer)等を含むトランスフォーマ(Transformer)や再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network(RNN))等の言語モデル等の学習モデルを備えるAI(Artificial Intelligence)であって、生成AIを含んでもよい。
【0095】
言語モデルは、機械学習アルゴリズムによる学習モデルの一例である。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークを利用した深層学習(ディープラーニング)等が挙げられる。人工知能部120は、上記のアルゴリズムを適宜適用することができる。
【0096】
人工知能部120は、教師あり学習、教師なし学習、又は自己教師あり学習等の学習方法によって構築された学習済みモデルを有してもよい。教師あり学習では、教師データ(学習データ)を用いて機械学習を行う。教師データは、学習用の入力データ及び出力データ(正解データ)のペアで構成される。また、言語モデルは、特定のタスクのために訓練されたものだけでなく、幅広いタスクに対して汎用的に用いることができる汎用モデルであってもよい。
【0097】
人工知能部120は、人工知能として、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(Large Language Models(LLM))のような汎用的な自然言語処理の学習モデルであってもよい。LLMは、テキストデータ等で構成される大規模なデータ(例えば、(i)インターネット上にあるWebコンテンツ、又は、(ii)所定のデータベースに蓄積されたデータ)を事前に大量に学習した学習モデルであり、タスクを与えることで様々な言語処理タスクを実行することができるものであり、与えられたプロンプトにしたがって、文章のパターンや文脈の把握、質問への応答、文章の生成等の幅広い自然言語処理タスクを行うことができる。このような汎用的な学習モデルは、One-shot LearningやFew-shot Learning等により、ファインチューニングなしで様々なタスクに対応可能な言語モデルを含む。また、汎用的な学習モデルは、Zero-shot Learningによっても、様々なタスクに対応可能に構成されてもよい。制御部11の各機能部において用いられる人工知能は、それぞれ別個の学習モデルであってもよいし、共通した汎用的な学習モデルであってもよい。
【0098】
人工知能部120に含まれる学習モデル(スカウト本文作成モデル等の、各機能部において使用される学習モデル)は、転移学習又はファインチューニングとして追加の学習を行うことが可能である。例えば、人工知能部120は、新たな求職者の登録情報、求人票の登録等が発生する都度、これらを新たな教師データとして、追加の学習を行ってファインチューニングされてもよい。これにより、学習モデルから出力される情報の精度が向上する。
【0099】
人工知能部120に含まれる学習モデルは、元となる学習モデルを用いた知識蒸留(Knowledge Distillation)により得られた学習モデル(蒸留モデル)であってもよい。知識蒸留では、大規模言語モデルなどの、学習済みモデルを教師モデルとし、教師モデルの出力(Sоft Target)に対する生徒モデル(蒸留モデル)の出力の損失(Sоft Target Loss)が小さくなるように、生徒モデルのパラメータを調整することで、生徒モデルの学習が行われ、その生徒モデルが蒸留モデルとなる。また、教師データ(学習モデルの入力データと出力データとの組合わせ)の正解ラベル(Hard Target)に対する生徒モデルの出力の損失(Hard Target Loss)が小さくなるように生徒モデルの学習が行われてもよい。蒸留モデルは、元となる学習モデル(教師モデル)に比べて、当該学習モデルと近い性能をもちつつ、パラメータ数が小さく、処理負荷が小さくなる。そのため、蒸留モデルを用いることで、採用支援システム1のコストを低減できる。
【0100】
例えば、スカウト本文作成モデル等は、大規模言語モデルにおける入力データと出力データとの組み合わせを教師データとして学習された蒸留モデルであってもよい。また、採用支援システム1の導入時にはスカウト本文作成モデル等として大規模言語モデルを使用し、当該大規模言語モデルによる教師データが蓄積された時点で、当該教師データによる知識蒸留によって得られた蒸留モデルをスカウト本文作成モデル等として使用してもよい。
【0101】
3.情報処理方法
本節では、サーバ装置10の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、サーバ装置10の各部が、各ステップとしてコンピュータにより実行される。
【0102】
この情報処理は、ストック管理ステップと、検索ステップと、送信者選択ステップと、スカウト本文作成ステップと、選択受付ステップと、決定ステップと、送信ステップとを備える。ストック管理ステップでは、登録されている求職者のうち、送信条件を充足する特定求職者のみに送信可能な専用スカウトメールのストックを所定のタイミングで求人者に付与する。検索ステップでは、検索条件に基づいて求職者の検索を実行するとともに、特定求職者への絞り込み指示を受けて特定求職者を抽出した検索結果を表示させる。送信者選択ステップでは、検索結果に含まれる求職者の中から、スカウトメールを一括送信する複数の一括送信対象者の選択を受け付ける。スカウト本文作成ステップでは、全ての一括送信者宛のスカウトメールに適用される本文を作成するか、又は専用スカウトメールに適用される本文と通常スカウトメールに適用される本文とを個別に作成する。選択受付ステップでは、特定求職者に送信するスカウトメールとして、専用スカウトメール及び通常スカウトメールのどちらか一方の選択を受け付ける。決定ステップでは、一括送信対象者それぞれが送信条件を充足するか否かに基づいて、一括送信対象者それぞれに送信するスカウトメールを専用スカウトメール及び通常スカウトメールの中から決定するとともに、一括送信対象者に送信される専用スカウトメール及び通常スカウトメールそれぞれの総数を表示させる。送信ステップでは、専用スカウトメールの送信対象者として選択された特定求職者に専用スカウトメールを送信するとともに、専用スカウトメールのストックを減少させる。
【0103】
図13は、採用支援システム1によって実行される情報処理(スカウトメールの送信処理)の流れの一例を示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0104】
スカウトメールの送信処理は、サーバ装置10による専用スカウトメールのストックの付与から開始される。サーバ装置10は、求人者のアカウントに対し、専用スカウトメールを所定のタイミングで付与する(アクティビティA101)。求人者は、求人者端末20において、スカウトメールを送信する求職者を検索する検索条件を入力する(アクティビティA102)。サーバ装置10は、求人者端末20に入力された検索条件に基づいて、求職者の検索を実行する(アクティビティA103)。続いて、サーバ装置10は、検索結果を求人者端末20に出力する(アクティビティA104)。これにより、求人者端末20に検索結果が表示される(アクティビティA105)。
【0105】
求人者は、求人者端末20に表示された検索結果からスカウトメールの送信対象者を選択する(アクティビティA106)。サーバ装置10は、求人者端末20から送信対象者の選択を受け付ける(アクティビティA107)。送信対象者の選択後、求人者は、求人者端末20においてドラフト本文を作成する(アクティビティA108)。また、求人者は、求人者端末20において、送信対象者に送信するスカウトメールの種類(専用スカウトメール又は通常スカウトメール)を選択する(アクティビティA109)。サーバ装置10は、求人者端末20からドラフト本文、スカウトメールの種類等の情報を受け付け、スカウトメールの送信準備を行う(アクティビティA110)。具体的には、サーバ装置10は、専用スカウトメールの送信対象者が専用スカウトメールの送信条件を充足しているか確認する。送信準備後、サーバ装置10は、求人者が選択したスカウトメールを送信対象者に送信する(アクティビティA111)。
【0106】
4.作用
本実施形態の作用をまとめると、次の通りとなる。すなわち、求人者に対してより良いサービスを提供することができる採用支援システム等を提供することができる。
【0107】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0108】
5.その他
上記実施形態では、サーバ装置10が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置10に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。特に、人工知能部120は、サーバ装置10の外部構成であってもよい。その場合、外部構成である人工知能部120は、例えば、人工知能のサービスサーバによって提供され、サーバ装置10の各機能部から入力を受け付け、人工知能のサービスを実行する要求を受け付け、処理結果として指示された出力をサーバ装置10に返すように構成される。人工知能のサービスサーバは、学習モデルとして言語モデルを用いてサービスを提供するサーバであってもよいし、言語モデルを用いて言語処理タスクを実行するサーバであってもよい。人工知能のサービスサーバは、LLMによって構築されてもよい。人工知能のサービスサーバは、テキスト、画像、音声等によるプロンプトの入力を受け付け、当該プロンプトに対する回答を生成して応答する。
【0109】
また、採用支援システム1は、必ずしも選択受付部116を備えなくてもよい。つまり、採用支援システム1は、専用スカウトメールのストックが存在する場合は、必ず専用スカウトメールを特定求職者に送信するように構成されてもよい。
【0110】
本実施形態の態様は、採用支援システム1に限定されず、採用支援方法であっても、プログラムであってもよい。採用支援方法は、採用支援システム1が実行する各ステップを備える。プログラムは、コンピュータに、採用支援システム1の各ステップを実行させる。
【0111】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0112】
(1)採用支援システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、ストック管理ステップでは、登録されている求職者のうち、送信条件を充足する特定求職者のみに送信可能な専用スカウトメールのストックを所定のタイミングで求人者に付与し、ここで、前記送信条件は、求職に関する行動が所定期間行われていないこと、又は所定期間中の前記行動の回数が所定数未満であることであり、送信ステップでは、前記専用スカウトメールの送信対象者として選択された前記特定求職者に前記専用スカウトメールを送信するとともに、前記専用スカウトメールのストックを減少させる、採用支援システム。
【0113】
(2)上記(1)に記載の採用支援システムにおいて、前記専用スカウトメールのストックには使用期限が設定され、前記ストック管理ステップでは、前記使用期限に到達した前記専用スカウトメールのストックを削除するとともに、所定数の前記専用スカウトメールのストックを新たに付与する、採用支援システム。
【0114】
(3)上記(1)又は(2)に記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、選択受付ステップでは、前記特定求職者に送信するスカウトメールとして、前記専用スカウトメール及び通常スカウトメールのどちらか一方の選択を受け付け、ここで、前記通常スカウトメールは、前記特定求職者と前記特定求職者以外の求職者とを含む任意の求職者に送信可能なスカウトメールであり、前記通常スカウトメールのストックは、前記専用スカウトメールのストックと区別して管理され、前記送信ステップでは、選択されたスカウトメールを前記特定求職者に送信する、採用支援システム。
【0115】
(4)上記(3)に記載の採用支援システムにおいて、前記選択受付ステップでは、前記専用スカウトメールのストックが存在する場合、前記専用スカウトメールが初期選択された状態で、前記特定求職者に送信するスカウトメールの選択を受け付ける、採用支援システム。
【0116】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記送信ステップでは、前記専用スカウトメールの送信時点において前記送信対象者が前記送信条件を充足しなくなった場合に、前記専用スカウトメールが送信できないことを示す情報を表示させる、採用支援システム。
【0117】
(6)上記(5)に記載の採用支援システムにおいて、前記送信ステップでは、前記送信対象者への通常スカウトメールの代替送信を受け付けるとともに、前記代替送信を受け付けた場合に、前記通常スカウトメールを前記送信対象者に送信し、ここで、前記通常スカウトメールは、前記特定求職者と前記特定求職者以外の求職者とを含む任意の求職者に送信可能なスカウトメールであり、前記通常スカウトメールのストックは、前記専用スカウトメールのストックと区別して管理される、採用支援システム。
【0118】
(7)上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、検索ステップでは、検索条件に基づいて求職者の検索を実行するとともに、前記特定求職者への絞り込み指示を受けて前記特定求職者を抽出した検索結果を表示させる、採用支援システム。
【0119】
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、次の各ステップをさらに実行するように構成され、検索ステップでは、検索条件に基づいた求職者の検索結果を表示させ、送信者選択ステップでは、前記検索結果に含まれる求職者の中から、スカウトメールを一括送信する複数の一括送信対象者の選択を受け付け、決定ステップでは、前記一括送信対象者それぞれが前記送信条件を充足するか否かに基づいて、前記一括送信対象者それぞれに送信するスカウトメールを前記専用スカウトメール及び通常スカウトメールの中から決定するとともに、前記一括送信対象者に送信される前記専用スカウトメール及び前記通常スカウトメールそれぞれの総数を表示させ、ここで、前記通常スカウトメールは、前記特定求職者と前記特定求職者以外の求職者とを含む任意の求職者に送信可能なスカウトメールであり、前記通常スカウトメールのストックは、前記専用スカウトメールのストックと区別して管理される、採用支援システム。
【0120】
(9)上記(8)に記載の採用支援システムにおいて、前記決定ステップでは、前記専用スカウトメールのストックが存在する場合、前記送信条件を満たす前記一括送信対象者に送信するスカウトメールを前記専用スカウトメールとして決定する、採用支援システム。
【0121】
(10)上記(8)又は(9)に記載の採用支援システムにおいて、前記決定ステップでは、前記専用スカウトメールのストックの数よりも、前記送信条件を満たす前記一括送信対象者の数が多い場合、前記専用スカウトメールのストックの不足を示す情報を表示させるとともに、一括送信の取りやめ、又は前記送信条件を満たす前記一括送信対象者への前記通常スカウトメールの代替送信を受け付ける、採用支援システム。
【0122】
(11)上記(8)から(10)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、次のステップをさらに実行するように構成され、スカウト本文作成ステップでは、全ての前記一括送信者宛のスカウトメールに適用される本文を作成するか、又は前記専用スカウトメールに適用される本文と前記通常スカウトメールに適用される本文とを個別に作成する、採用支援システム。
【0123】
(12)上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記ストック管理ステップでは、前記専用スカウトメールに対する前記特定求職者からの返信に応じて、通常スカウトメールのストックを付与し、ここで、前記通常スカウトメールは、前記特定求職者と前記特定求職者以外の求職者とを含む任意の求職者に送信可能なスカウトメールであり、前記通常スカウトメールのストックは、前記専用スカウトメールのストックと区別して管理される、採用支援システム。
【0124】
(13)採用支援方法であって、上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の採用支援システムが実行する各ステップを備える、採用支援方法。
【0125】
(14)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の採用支援システムの各ステップを実行させるための、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0126】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0127】
1 :採用支援システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :通信バス
20 :求人者端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :入力部
25 :出力部
26 :通信バス
30 :求職者端末
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
36 :通信バス
111 :基本表示制御部
112 :ストック管理部
113 :検索部
114 :送信者選択部
115 :スカウト本文作成部
116 :選択受付部
117 :決定部
118 :送信部
120 :人工知能部
211 :表示部
212 :操作取得部
311 :表示部
312 :操作取得部
AD1 :第1アラート画面
AD2 :第2アラート画面
B11 :条件変更ボタン
B21 :キャンセルボタン
B22 :表示ボタン
B31 :送信ボタン
B32 :求人添付ボタン
B41 :送信ボタン
B51 :確認ボタン
B52 :送信取消ボタン
B53 :代替送信ボタン
B61 :送信取消ボタン
B62 :代替送信ボタン
BF :本文入力欄
CA :本文作成領域
CB1 :全体チェックボックス
CB2 :個別チェックボックス
CB3 :共通化チェックボックス
CB4 :カスタマイズチェックボックス
EA :専用スカウト領域
JI :求職者情報
NA :通常スカウト領域
ND :通知画面
NO :絞り込みオブジェクト
QF :クエリ表示欄
RA :結果表示領域
RD :検索結果表示画面
SA :送信情報表示領域
SD1 :第1スカウトメール送信画面
SD2 :第2スカウトメール送信画面
SO :ソートオブジェクト
ST :スカウト切り替えタブ
TA :種類選択領域
TF :件名入力欄
TO :テンプレート選択オブジェクト
U1 :第1求人者
U2 :第2求人者
U3 :第1求職者
U4 :第2求職者
【要約】
【課題】求人者に対してより良いサービスを提供することができる採用支援システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、採用支援システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、ストック管理ステップでは、登録されている求職者のうち、送信条件を充足する特定求職者のみに送信可能な専用スカウトメールのストックを所定のタイミングで求人者に付与し、ここで、送信条件は、求職に関する行動が所定期間行われていないこと、又は所定期間中の行動の回数が所定数未満であることであり、送信ステップでは、専用スカウトメールの送信対象者として選択された特定求職者に専用スカウトメールを送信するとともに、専用スカウトメールのストックを減少させる、採用支援システムが提供される。
【選択図】
図1