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特許7573783光受信器、親局装置および光通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-17
(45)【発行日】2024-10-25
(54)【発明の名称】光受信器、親局装置および光通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/69 20130101AFI20241018BHJP
   H04B 10/27 20130101ALN20241018BHJP
【FI】
H04B10/69 130
H04B10/69 150
H04B10/27
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024506553
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 JP2022020159
(87)【国際公開番号】W WO2023218623
(87)【国際公開日】2023-11-16
【審査請求日】2024-02-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】川中 啓敬
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-122188(JP,A)
【文献】特開2008-193271(JP,A)
【文献】特許第5811955(JP,B2)
【文献】特開2001-024598(JP,A)
【文献】国際公開第2016/035374(WO,A1)
【文献】特開2003-318680(JP,A)
【文献】KAWANAKA T. et al.,A dual-rate burst-mode receiver with rapid response and high CID tolerance for XGS PON,ELECTRONICS LETTERS,The Institution of Engineering and Technology,2021年09月,Vol. 57 No. 19,pages 738-740
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝送路を介して接続される複数の子局装置から時分割多重方式で光信号を受信する親局装置に実装される光受信器であって、
前記光信号を電流信号に変換する光電変換素子と、
前記光電変換素子からの電流信号を増幅すると共に電圧信号に変換する前置増幅器と、
前記前置増幅器からの前記電圧信号をさらに増幅するとともに、前記電圧信号の振幅を予め定められた範囲に制限するリミッティングアンプと、
前記光信号を受信するタイミングに合わせて、リセット信号を前記前置増幅器に出力する上位システムと、
を備え、
前記前置増幅器は、
前記電流信号を増幅するコア増幅回路と、
第1の調整値を調整することによって前記コア増幅回路の変換利得を変化させる自動利得制御回路と、
前記コア増幅回路が出力する単相信号を差動信号に変換する単相差動変換回路と、
第2の調整値を調整することによって前記単相差動変換回路の閾値を変化させる自動閾値制御回路と、
前記自動利得制御回路が前記コア増幅回路の出力に基づいて調整した前記第1の調整値と、前記自動閾値制御回路が前記コア増幅回路の出力に基づいて調整した前記第2の調整値とを、前記上位システムから受け取る前記子局装置の識別情報と対応づけて記憶部に記憶させる処理装置と、
を有し、
前記自動利得制御回路は、前記リセット信号に合わせたタイミングで、前記記憶部に記憶された前記第1の調整値を用いて前記変換利得を変化させ、
前記自動閾値制御回路は、前記リセット信号に合わせたタイミングで、前記記憶部に記憶された前記第2の調整値を用いて前記閾値を変化させることを特徴とする光受信器。
【請求項2】
前記処理装置は、前記リセット信号に合わせたタイミングで、受信する光信号の送信元である前記子局装置に対応付けて前記記憶部に記憶された前記第1の調整値および前記第2の調整値を前記自動利得制御回路および前記自動閾値制御回路のそれぞれに供給することを特徴とする請求項1に記載の光受信器。
【請求項3】
光伝送路を介して接続される複数の子局装置から時分割多重方式で光信号を受信する親局装置に実装される光受信器であって、
前記光信号を電流信号に変換する光電変換素子と、
前記光電変換素子からの電流信号を増幅すると共に電圧信号に変換する前置増幅器と、
前記前置増幅器からの前記電圧信号をさらに増幅するとともに、前記電圧信号の振幅を予め定められた範囲に制限するリミッティングアンプと、
前記光信号を受信するタイミングに合わせて、リセット信号を前記前置増幅器に出力する上位システムと、
を備え、
前記前置増幅器は、
前記電流信号を増幅するコア増幅回路と、
第1の調整値を調整することによって前記コア増幅回路の変換利得を変化させる自動利得制御回路と、
前記コア増幅回路が出力する単相信号を差動信号に変換する単相差動変換回路と、
第2の調整値を調整することによって前記単相差動変換回路の閾値を変化させる自動閾値制御回路と、
前記自動利得制御回路が前記コア増幅回路の出力に基づいて調整した前記第1の調整値と、前記自動閾値制御回路が前記コア増幅回路の出力に基づいて調整した前記第2の調整値とを、前記上位システムから受け取る前記子局装置の識別情報と対応づけて記憶部に記憶させる処理装置と、
前記光電変換素子からの前記電流信号を増幅する調整用コア増幅回路と、
前記調整用コア増幅回路の出力に基づいて第3の調整値を調整することによって前記調整用コア増幅回路の変換利得を変化させる調整用自動利得制御回路と、
前記調整用コア増幅回路の出力に基づいて第4の調整値を調整する調整用自動閾値制御回路と、
を有し、
前記第3の調整値を用いて前記記憶部に記憶された前記第1の調整値を更新し、
前記第4の調整値を用いて前記記憶部に記憶された前記第2の調整値を更新し、
前記自動利得制御回路は、前記リセット信号に合わせたタイミングで、前記記憶部に記憶された前記第1の調整値を用いて前記変換利得を変化させ、
前記自動閾値制御回路は、前記リセット信号に合わせたタイミングで、前記記憶部に記憶された前記第2の調整値を用いて前記閾値を変化させることを特徴とする光受信器。
【請求項4】
光伝送路を介して接続される複数の子局装置から時分割多重方式で光信号を受信する親局装置に実装される光受信器であって、
前記光信号を電流信号に変換する光電変換素子と、
前記光電変換素子からの電流信号を増幅すると共に電圧信号に変換する前置増幅器と、
前記前置増幅器からの前記電圧信号をさらに増幅するとともに、前記電圧信号の振幅を予め定められた範囲に制限するリミッティングアンプと、
前記光信号を受信するタイミングに合わせて、リセット信号を前記前置増幅器に出力する上位システムと、
を備え、
前記前置増幅器は、
前記電流信号を増幅するコア増幅回路と、
第1の調整値を調整することによって前記コア増幅回路の変換利得を変化させる自動利得制御回路と、
前記コア増幅回路が出力する単相信号を差動信号に変換する単相差動変換回路と、
第2の調整値を調整することによって前記単相差動変換回路の閾値を変化させる自動閾値制御回路と、
前記自動利得制御回路が前記コア増幅回路の出力に基づいて調整した前記第1の調整値と、前記自動閾値制御回路が前記コア増幅回路の出力に基づいて調整した前記第2の調整値とを、前記上位システムから受け取る前記子局装置の識別情報と対応づけて記憶部に記憶させる処理装置と、
前記コア増幅回路の出力に含まれる信号を検出する信号検出回路と、
前記信号検出回路の信号検出結果に基づいて、前記自動閾値制御回路の出力を、前記単相差動変換回路の差動入力に接続する第1の状態と、前記単相差動変換回路の単相入力に接続する第2の状態とを切り替え可能なセレクタと、
を有し、
前記セレクタは、前記リセット信号に応じて前記自動閾値制御回路が前記第2の調整値を用いて閾値を変化させてから前記信号検出回路が信号を検出するまでの間は前記第1の状態とし、前記信号検出回路が信号を検出した後は前記第2の状態とし、
前記自動利得制御回路は、前記リセット信号に合わせたタイミングで、前記記憶部に記憶された前記第1の調整値を用いて前記変換利得を変化させ、
前記自動閾値制御回路は、前記リセット信号に合わせたタイミングで、前記記憶部に記憶された前記第2の調整値を用いて前記閾値を変化させることを特徴とする光受信器。
【請求項5】
前記光電変換素子は、アバランシェフォトダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の光受信器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の光受信器を備えることを特徴とする親局装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の光受信器を有する親局装置と、
前記親局装置と光伝送路を介して接続される複数の子局装置と、
を備えることを特徴とする光通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光通信システムで用いられる光受信器、親局装置および光通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、1本の光ファイバを複数の利用者で共有できるPON(Passive Optical Network)システムと呼ばれるアクセス系光通信システムが広く普及している。PONシステムは、親局装置である1台のOLT(Optical Line Terminal)と、複数の加入者側の端末装置であり子局装置とも呼ばれるONU(Optical Network Unit)とから構成される。OLTとONUとの間は、電源を必要としない受動素子であって光信号を分岐する光分岐器である光スターカプラを介して接続される。
【0003】
PONシステムにおいて、OLTがONUに対して送信時期および送信データ量についての許可を与える時分割多重方式がONUからOLTへの上り通信で用いられる。ONUは、OLTから許可されたタイミングで、許可された送信データ量にて上り通信を行う。
【0004】
OLTとONUとの間の距離はONUの設置場所によって異なるため、OLTが受信する上り光信号の強度は一定ではない。このため、OLTには、複数のONUから様々な強度の上り信号が間欠的に届くことになる。OLTが受信する光信号の強度の範囲は、標準規格などで定められるためある程度制限されるが、例えば、-30dBm程度の弱信号から-10dBm程度の強信号までの範囲となる。このようにOLTは100倍以上も異なる強度の光信号を受信しなければならない。
【0005】
OLTは、受信した光信号の強度が弱い場合、クロックデータリカバリなどの処理のために、高い変換利得で信号増幅しなければならない。このため高い変換利得を持ち、かつ受光素子からの電流信号を電圧信号に変換することができる前置増幅器が広く用いられる。しかしながら、強度が弱い光信号と同じ変換利得で強度が強い光信号を受信すると、増幅器で波形のひずみが生じる。このため、光信号を受信した後に、増幅器の変換利得を調整する方法が広く用いられる。なお、前置増幅器は、後段の増幅器への入力を差動信号とするために、単相差動変換回路を備えており、変換利得を調整した場合、単相差動変換回路の閾値も調整する必要がある。光信号を受信した後に、変換利得および閾値を調整する方法では、光信号の受信を開始してから調整が完了するまでの収束時間の間は、前置増幅器が正常な波形を出力することができない。このため、収束時間は短い方が好ましい。
【0006】
収束時間を短くするために、特許文献1では、変換利得を調整するための自動利得調整回路、および、閾値を調整するための自動閾値制御回路の時定数を信号検出結果に応じて切り替える方法が提案されている。以下、自動利得調整回路のことをAGC(Automatic Gain Control)と称し、自動閾値制御回路のことをATC(Automatic Threshold Control)と称する。この方法では、調整期間にはAGCおよびATCの時定数を小さくし、調整完了後はAGCおよびATCの時定数を大きくする。これにより、収束時間を短縮することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5811955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の技術によれば収束時間を短縮することは可能であるが、依然として収束時間は残存しており、さらなる収束時間の短縮が望まれていた。
【0009】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、光信号の受信開始から変換利得および閾値の調整完了までにかかる時間である収束時間をさらに短縮することが可能な光受信器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる光受信器は、光伝送路を介して接続される複数の子局装置から時分割多重方式で光信号を受信する親局装置に実装される光受信器であって、光信号を電流信号に変換する光電変換素子と、光電変換素子からの電流信号を増幅すると共に電圧信号に変換する前置増幅器と、前置増幅器からの電圧信号をさらに増幅するとともに、電圧信号の振幅を予め定められた範囲に制限するリミッティングアンプと、光信号を受信するタイミングに合わせて、リセット信号を前置増幅器に出力する上位システムと、を備え、前置増幅器は、電流信号を増幅するコア増幅回路と、第1の調整値を調整することによってコア増幅回路の変換利得を変化させる自動利得制御回路と、コア増幅回路が出力する単相信号を差動信号に変換する単相差動変換回路と、第2の調整値を調整することによって単相差動変換回路の閾値を変化させる自動閾値制御回路と、自動利得制御回路がコア増幅回路の出力に基づいて調整した第1の調整値と、自動閾値制御回路がコア増幅回路の出力に基づいて調整した第2の調整値とを、上位システムから受け取る子局装置の識別情報と対応づけて記憶部に記憶させる処理装置と、を有し、自動利得制御回路は、リセット信号に合わせたタイミングで、記憶部に記憶された第1の調整値を用いて変換利得を変化させ、自動閾値制御回路は、リセット信号に合わせたタイミングで、記憶部に記憶された第2の調整値を用いて閾値を変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示にかかる光受信器は、光信号の受信開始から変換利得および閾値の調整完了までにかかる時間である収束時間をさらに短縮することが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1にかかる光通信システムの構成を示す図
図2図1に示す光受信器の構成を示す図
図3図2に示す前置増幅器中の観測点を示す図
図4図3に示す観測点における時間波形の一例を簡略化して示す図
図5図2に示す光受信器による第1の調整値および第2の調整値の登録処理についての説明図
図6】実施の形態2にかかる光受信器の構成を示す図
図7】実施の形態3にかかる光受信器の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示の実施の形態にかかる光受信器、親局装置および光通信システムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる光通信システム5の構成を示す図である。光通信システム5は、OLT1と、複数のONU2-1~2-3とを有するPONシステムである。OLT1は、親局装置とも呼ばれ、光伝送路を分岐させる光分岐器3と、光ファイバ4とを用いて、複数のONU2-1~2-3に接続されている。なお、複数のONU2-1~2-3のそれぞれを区別する必要がない場合、単にONU2と称する。ONU2は、子局装置とも呼ばれる。ここでは1台のOLT1が3台のONU2に接続されているが、1台のOLT1に接続されるONU2の台数は3台に限らない。1台のOLT1に接続されるONU2の台数は、2台であってもよいし、4台以上であってもよい。
【0015】
光通信システム5において、OLT1が複数のONU2のそれぞれに対して送信時期および送信データ量についての許可を与える時分割多重方式が、ONU2からOLT1への上り通信で用いられる。したがって、OLT1は、受信した光信号の送信元であるONU2がONU2-1~2-3のうちどのONU2であるかを予め把握している。OLT1は、光信号を受信する光受信器10を有している。
【0016】
図2は、図1に示す光受信器10の構成を示す図である。光受信器10は、光信号を電流信号に変換する光電変換素子であるAPD(Avalanche Photo Diode)100と、APD100からの電流信号を増幅すると共に電圧信号に変換する前置増幅器200と、前置増幅器200からの電圧信号をさらに増幅すると共に電圧信号の振幅を予め定められた範囲に制限するリミッティングアンプ300と、リミッティングアンプ300からの信号からクロックおよびデータを抽出して再生するクロックデータリカバリ機能を有する上位システム400とを有する。上位システム400は、さらに、前置増幅器200およびリミッティングアンプ300のそれぞれにリセット信号を供給したり、前置増幅器200にONU情報を供給したり、複数のONU2のそれぞれからの信号到達時間およびONU2の識別情報を管理したりする。ONU情報は、例えば、次に受信する光信号の送信元であるONU2の識別情報を含む。
【0017】
APD100は、受信した光信号を電流信号に変換して前置増幅器200に出力する。前置増幅器200は、APD100が出力した電流信号を増幅すると共に電圧信号に変換してリミッティングアンプ300に出力する。リミッティングアンプ300は、前置増幅器200が出力する電圧信号をさらに増幅すると共に、電圧信号の振幅を予め定められた範囲に制限して上位システム400に出力する。上位システム400は、リミッティングアンプ300が出力する信号からクロックおよびデータを抽出して再生する。また、詳細については後述するが、前置増幅器200は、上位システム400が出力するリセット信号と、ONU2の識別情報を含むONU情報とに基づいて前置増幅器200の動作を制御する。
【0018】
前置増幅器200は、コア増幅回路201と、自動利得制御回路であるAGC202と、自動閾値制御回路であるATC203と、単相差動変換回路204と、ADC(Analog Digital Converter)205と、DAC(Digital Analog Converter)206と、記憶部207と、処理装置208とを有する。
【0019】
コア増幅回路201は、APD100からの電流信号を増幅する。コア増幅回路201の変換利得は、AGC202によって調整される。コア増幅回路201の出力は、AGC202、ATC203および単相差動変換回路204のそれぞれに接続される。
【0020】
AGC202は、コア増幅回路201の変換利得を調整する機能を有する。AGC202は、コア増幅回路201に出力する第1の調整値の値を調整することによって、コア増幅回路201の変換利得を変化させることができる。AGC202は、コア増幅回路201の出力に基づいて、コア増幅回路201の出力が予め定められたレベルとなるように第1の調整値を調整し、変換利得を調整する機能を有する。また、AGC202は、DAC206から第1の調整値を受け取ると、DAC206から受け取った第1の調整値をコア増幅回路201に出力することによって変換利得を変化させる機能も有する。第1の調整値は、電圧値であり、コア増幅回路201の帰還抵抗部(不図示)に供給される。帰還抵抗部は、一般的に抵抗とMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)の並列回路である。第1の調整値は、コア増幅回路201の帰還抵抗部を構成するMOSFETのゲート電圧として作用する。第1の調整値の値を調整することによって、MOSFETのゲート電圧が変化し、帰還抵抗部の抵抗値が変化することで結果としてコア増幅回路201の信号増幅利得が変化する。帰還抵抗部の抵抗値が高いほど利得は高く、抵抗値が低いほど利得は低下する。
【0021】
ATC203は、単相差動変換回路204の閾値を調整する機能を有する。ATC203は、単相差動変換回路204に出力する第2の調整値を調整することによって、単相差動変換回路204に入力する閾値を変化させることができる。ATC203は、コア増幅回路201の出力に基づいて、第2の調整値を調整し、単相差動変換回路204の閾値を調整する機能を有する。また、ATC203は、DAC206から第2の調整値を受け取ると、DAC206から受け取った第2の調整値を単相差動変換回路204に出力することによって閾値を調整する機能も有する。第2の調整値は、電圧値であり、単相差動変換回路204を構成する差動増幅回路の2つの入力のうちの一方の入力電圧となる。
【0022】
単相差動変換回路204は、コア増幅回路201の出力と、ATC203の出力である閾値とを入力として、単相信号を差動信号に変換する。例えば、単相差動変換回路204の正相入力をコア増幅回路201の出力とし、単相差動変換回路204の逆相入力をATC203の出力である閾値とすることができる。単相差動変換回路204を構成する差動増幅回路は、一般的なMOSFETベースのCML(Current Model Logic)回路、バイポーラトランジスタベースのECL(Emitter Coupled Logic)などである。単相差動変換回路204がCML回路を用いて構成される場合、第2の調整値は、CML回路を構成するMOSFETのゲート電圧として作用する。単相差動変換回路204がECLを用いて構成される場合、第2の調整値は、ECLを構成するバイポーラトランジスタのベース電圧として作用する。ここで、単相差動変換回路204の正相入力信号中心をDC1とし、逆相入力信号中心をDC2とする。この場合、DCオフセット「DC1-DC2」の値は、高い増幅率と歪みのない出力差動信号を得るためには、0mVとなることが理想的である。歪みのない信号は、例えば、デューティ比50%の正弦波などが挙げられる。ここで「DC1-DC2」の値が0mVとならない場合、単相差動変換回路204の増幅率は下がり、出力差動信号の信号波形に歪みが生じる。つまり、コア増幅回路201の出力電圧の振幅が一定であっても、「DC1-DC2」の値が0mVからずれるほど単相差動変換回路204の出力電圧振幅は低下し、デューティ比も50%からずれる。このため、光受信器10では、「DC1-DC2」の値を0mVに近づけるため、DC2の値をDC1に近づけるように制御している。DC2の値は、ATC203の出力つまり第2の調整値であり、単相差動変換回路204の閾値となる。したがって、受信器10は、第2の調整値がDC1の値つまりコア増幅回路201の出力信号中心に近づくように制御している。単相差動変換回路204が出力する差動信号は、リミッティングアンプ300に入力される。
【0023】
ADC205は、アナログ値をデジタル値に変換する。ADC205は、AGC202およびATC203が出力するアナログ値である第1の調整値および第2の調整値をデジタル値に変換し、変換後のデジタル値を記憶部207に出力することができる。
【0024】
DAC206は、デジタル値をアナログ値に変換する。DAC206は、記憶部207に記憶された第1の調整値をデジタル値からアナログ値に変換し、変換後のアナログ値である第1の調整値をAGC202に出力することができる。またDAC206は、記憶部207に記憶された第2の調整値をデジタル値からアナログ値に変換し、変換後のアナログ値である第2の調整値をATC203に出力することができる。
【0025】
記憶部207は、ADC205が出力するデジタル値である第1の調整値および第2の調整値を保持する機能を有する。記憶部207は、処理装置208からの指示に応じて、保持している第1の調整値および第2の調整値をDAC206に出力することができる。
【0026】
処理装置208は、前置増幅器200の動作を制御する簡易的な回路である。処理装置208は、上位システム400からリセット信号とONU情報とを受け付け、上位システム400から受け付ける情報に基づいて、前置増幅器200の動作を制御することができる。処理装置208が行う制御の詳細については、後述する。
【0027】
図3は、図2に示す前置増幅器200中の観測点を示す図である。図4は、図3に示す観測点における時間波形の一例を簡略化して示す図である。まず図3に示す観測点について説明する。観測点AはAPD100への入力点であり、APD100へ入力する光信号が観測される。観測点Bはコア増幅回路201の出力点であり、コア増幅回路201にて増幅された後の信号が観測される。観測点CはAGC202からコア増幅回路201への出力点であり、第1の調整値が観測される。観測点DはATC203の出力点であり、第2の調整値が観測される。観測点Eは上位システム400から処理装置208への入力点であり、リセット信号が観測される。
【0028】
観測点Aにて観測されるように、時刻TにおいてONU2からの光信号を受信する。このとき、ONU2からの光信号の到来タイミングは既知であるため、時刻Tの光信号の到来に合わせて、観測点Eにて観測されるようにリセット信号が供給される。光信号を受信した後、コア増幅回路201は反転増幅を行うため、観測点Bにて観測されるようにコア増幅回路201の出力は大きくDC(Direct Current)レベルを下げる。観測点Bのグラフに破線で示したラインは、適切な変換利得となった場合のコア増幅回路201の出力レベルを表している。
【0029】
従来通り、AGC202およびATC203のそれぞれが、コア増幅回路201の出力に基づいて第1の調整値および第2の調整値の値を調整することによって、変換利得および閾値を調整したときの観測点Cおよび観測点Dの時間波形は、一点鎖線で示されている。
【0030】
まずAGC202は、光信号を受信した後に、コア増幅回路201の出力が適切なレベルよりも高いか低いかを判定し、図4に示すように変換利得が適切な値よりも大きく、そのためコア増幅回路201の出力が適切なレベルよりも低いと判定した場合、変換利得を下げるように第1の調整値を調整する。なお、ここでは観測点Cで観測される第1の調整値の値が大きいほど変換利得が下がることとしているが、逆に、第1の調整値の値が小さいほど変換利得が下がることとしてもよい。ここでAGC202の調整にかかる時間をt1とする。t1は、高速なものでは数10ns程度となる。
【0031】
続いてATC203は、コア増幅回路201の出力を追従するように設計されることが多い。この場合、観測点Dは観測点Bに似た挙動を示す。ただし、回路の設計次第ではこの限りではない。観測点Dにて観測される第2の調整値は、観測点Bにて観測されるコア増幅回路201の出力のDCレベルに合わせた値とすることが好ましいため、ローパスフィルタなどを用いて観測点Bの波形から高周波成分を落とすことにより第2の調整値を生成してもよい。この場合、観測点Dの波形は時間的に緩やかに変動する。ATC203をコア増幅回路201の出力に追従させる場合、AGC202の調整完了後にATC203の調整が完了する。ATC203の調整にかかる時間をt2とした場合、t2はt1よりも大きくなる。
【0032】
続いて、本実施の形態の光受信器10が光信号を受信したときに行う第1の調整値および第2の調整値の調整方法について説明する。光受信器10は、記憶部207に、予め登録された第1の調整値および第2の調整値をONU2ごとに保持している。光受信器10において、各ONU2から光信号が到達するタイミングは既知である。このため、光受信器10は、光信号の到来に合わせて、予め登録された第1の調整値および第2の調整値を使用して変換利得および閾値を変化させることで、調整にかかる時間を短縮することが可能である。この場合の図4の観測点Cおよび観測点Dの時間波形は、破線で表される。調整にかかる時間t1およびt2は、理論的にはゼロとすることができる。具体的な動作を説明する。光受信器10の上位システム400は、既知の信号受信タイミングに合わせてリセット信号を前置増幅器200に出力し、前置増幅器200の処理装置208は、リセット信号に合わせたタイミングで、記憶部207に記憶された第1の調整値および第2の調整値をAGC202およびATC203のそれぞれに供給する。AGC202は供給された第1の調整値を使用して変換利得を変化させ、ATC203は供給された第2の調整値を使用して閾値を変化させる。
【0033】
なお、上述のように第1の調整値および第2の調整値の調整を光信号の到来に合わせて瞬時に行うためには、予め、使用する第1の調整値および第2の調整値を登録しておく必要がある。以下、第1の調整値および第2の調整値の登録について説明する。
【0034】
図5は、図2に示す光受信器10による第1の調整値および第2の調整値の登録処理についての説明図である。図5には、OLT1の受信信号、OLT1の送信信号、OLT1の内部信号、OLT1の前置増幅器200におけるAGC202の出力、前置増幅器200の状態と、ONU2の受信信号、ONU2の送信信号が表されている。OLT1の内部信号は、OLT1の内部で、例えば、上位システム400と前置増幅器200との間でやり取りされる信号を指す。ONU2は、図1に示すONU2-1~2-3のいずれかである。
【0035】
図5は、ネットワークに初めてONU2が接続された時刻から始まる。OLT1は、新規に接続されたONU2がネットワークに存在するかを確認するためGate信号を送信する(ステップS1)。ONU2に送信されるGate信号と同期して、内部信号としてGate信号が前置増幅器200に供給される(ステップS2)。ここで、前置増幅器200にGate信号を供給する電気経路は、図2に示すリセット信号が供給される信号線路であってもよいし、図2に示すONU情報が供給される信号線路であってもよいし、これらの信号線路とは異なる新規の信号線路が設けられてもよい。
【0036】
前置増幅器200は、Gate信号を受信すると、第1の調整値および第2の調整値の登録処理を行う「Reg.stand-by」状態に移行する。なお、以下の説明中において、第1の調整値および第2の調整値のことを、単に調整値と称することがある。ONU2は、Gate信号を受信すると、OLT1に対して自身をネットワークに登録するために必要な情報を含む登録要求を送信する(ステップS3)。
【0037】
OLT1は、ONU2からの登録要求を受信すると、この段階では、このONU2に適した調整値は不明であるため、従来通りに、コア増幅回路201の出力に基づいた調整値の調整処理が行われる。調整値の調整が完了すると、OLT1はONU2からの信号を受領したことを示すリセット信号を内部信号として前置増幅器200に供給する(ステップS4)。前置増幅器200は、このリセット信号を受領した段階の調整値をデジタル信号に変換し、記憶部207へ登録する。この段階では、登録された調整値は、ONU2の識別情報と対応づけられていない。さらにリセット信号が内部信号として供給されると(ステップS5)、前置増幅器200は調整値登録状態を解除する。
【0038】
登録要求後にOLT1は、ONU2の送信タイミングおよび送信データ量を決定すると、これらの割当情報を含む信号であってONU2への登録確認信号である「Register+gate」信号を送信する(ステップS6)。このとき、OLT1は内部信号で、ONU2の識別情報を含むデータ列を前置増幅器200に対して供給する(ステップS7)。前置増幅器200は、この識別情報を受信すると、すでに記憶部207に保持した調整値と受信した識別情報とを対応づけて登録する。例えば、前置増幅器200は、ONU2の識別情報とレジスタアドレスとを対応させることによって、調整値と識別情報とを対応づけることができる。
【0039】
ONU2は、「Register+gate」信号を受信すると、受信できたことを確認するためのAck信号を送信する(ステップS8)。この段階では、ONU2からの信号到達タイミングは既知であるため、OLT1は、Ack信号の受信タイミングに合わせて、リセット信号と、受信する信号の送信元であるONU2を識別する識別情報とを内部信号として供給する(ステップS9)。
【0040】
前置増幅器200は、既に調整値の登録が済んでいるため、供給された識別情報に対応づけて記憶部207に記憶された調整値をリセット信号に合わせて呼び出し、AGC202およびATC203のそれぞれに供給することによって、瞬時に調整値の調整を完了する。調整値が調整されることで、変換利得および閾値が調整されることになる。ONU2からの信号が終了すると、OLT1はリセット信号を内部信号として前置増幅器200に供給する(ステップS10)。前置増幅器200は、このリセット信号に合わせたタイミングで、調整値呼び出し状態を解除する。
【0041】
以上説明したように、実施の形態1にかかる光受信器10は、光伝送路を介して複数の子局装置であるONU2と接続され、複数のONU2から時分割多重方式で光信号を受信する親局装置であるOLT1に実装される光受信器10であって、光信号を電流信号に変換する光電変換素子であるAPD100と、APD100からの電流信号を増幅すると共に電圧信号に変換する前置増幅器200と、前置増幅器200からの電圧信号をさらに増幅するとともに、電圧信号の振幅を予め定められた範囲に制限するリミッティングアンプ300と、光信号を受信するタイミングに合わせて、リセット信号を前置増幅器200に出力する上位システム400と、を備え、前置増幅器200は、コア増幅回路201と、第1の調整値を調整することによってコア増幅回路の変換利得を変化させる自動利得制御回路であるAGC202と、コア増幅回路201が出力する単相信号を差動信号に変換する単相差動変換回路204と、第2の調整値を調整することによって単相差動変換回路204の閾値を変化させる自動閾値制御回路であるATC203と、AGC202がコア増幅回路201の出力に基づいて調整した第1の調整値と、ATC203がコア増幅回路201の出力に基づいて調整した第2の調整値とを、上位システム400から受け取るONU2の識別情報と対応づけて記憶部207に記憶させる処理装置208と、を有する。処理装置208が識別情報と第1の調整値および第2の調整値とを対応付けて記憶させる処理は、例えば、ONU2が初めてネットワークに接続されたときに、初期登録処理の一部として行われる。
【0042】
かかる構成により、各ONU2からの光信号を受信するときに適切な第1の調整値および第2の調整値をONU2の識別情報と対応づけて保持することが可能になるため、コア増幅回路201の変換利得および単相差動変換回路204の閾値を調整する際に、予め保持された調整値を使用することによって、調整にかかる時間を短縮することが可能になる。
【0043】
AGC202は、リセット信号に合わせたタイミングで、記憶部207に記憶された第1の調整値を用いてコア増幅回路201の変換利得を変化させ、ATC203は、リセット信号に合わせたタイミングで、記憶部207に記憶された第2の調整値を用いて閾値を変化させる。このように、既知の受信タイミングに合わせて供給されるリセット信号に合わせたタイミングで変換利得および閾値の調整を完了することができるため、前置増幅器200が最初から正常な波形を出力することが可能になる。
【0044】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2にかかる光受信器10Aの構成を示す図である。光受信器10Aは、OLT1に備わる。光受信器10Aは、APD100と、前置増幅器200Aと、リミッティングアンプ300と、上位システム400とを有し、光受信器10の前置増幅器200の代わりに、前置増幅器200Aを有する。以下、実施の形態1にかかる光受信器10と異なる部分について主に説明し、共通する部分については詳細な説明を省略する。
【0045】
前置増幅器200Aは、前置増幅器200の構成に加えて、APD100からの電流信号を増幅する調整用コア増幅回路209と、調整用コア増幅回路209の出力に基づいて第3の調整値を調整することによって調整用コア増幅回路209の変換利得を変化させる調整用自動利得制御回路であるAGC210と、調整用コア増幅回路209の出力に基づいて第4の調整値を調整する調整用自動閾値制御回路であるATC211とをさらに有する。処理装置208は、AGC210による調整後の第3の調整値とATC211による調整後の第4の調整値とをADC205でデジタル値に変換させて、変換後の第3の調整値を用いて、記憶部207に記憶された第1の調整値を更新し、ATC211による調整後の第4の調整値を用いて、記憶部207に記憶された第2の調整値を更新することができる。ここで、処理装置208は、第3の調整値および第4の調整値の調整時に使用されていた第1の調整値および第2の調整値を更新する。
【0046】
これにより、光受信器10Aは、記憶部207に一度登録された第1の調整値および第2の調整値を、更新することができる。したがって、環境変化、経年劣化などによって適切な調整値が変化した場合であっても、このような変化に対して追従することが可能になる。
【0047】
実施の形態3.
図7は、実施の形態3にかかる光受信器10Bの構成を示す図である。光受信器10Bは、OLT1に備わる。光受信器10Bは、APD100と、前置増幅器200Bと、リミッティングアンプ300と、上位システム400とを有し、光受信器10の前置増幅器200の代わりに、前置増幅器200Bを有する。以下、実施の形態1にかかる光受信器10と異なる部分について主に説明し、共通する部分については詳細な説明を省略する。
【0048】
前置増幅器200Bは、前置増幅器200の構成に加えて、コア増幅回路201の出力に含まれる信号を検出する信号検出回路212と、信号検出回路212の信号検出結果に基づいて、単相差動変換回路204の入力端子への接続を切り替えるセレクタ213とを有する。セレクタ213は、ATC203の出力を、単相差動変換回路204の差動入力に接続する第1の状態と、単相差動変換回路204の単相入力に接続する第2の状態とを切り替え可能である。第2の状態では、単相差動変換回路204の単相入力の片入力にATC203の出力が接続され、もう一方の片入力にコア増幅回路201の出力が接続されることになる。セレクタ213は、コア増幅回路201の変換利得および単相差動変換回路204の閾値の調整が完了してから、信号検出回路212が信号を検出するまでの間は第1の状態とし、信号検出回路212が信号を検出した後は第2の状態とする。これにより、リセット信号が入力された後の無信号区間で前置増幅器200Bの差動出力間にDCオフセットが生じることを抑制することができる。前置増幅器200Bの差動出力間にDCオフセットが生じた場合、つまり、上述の「DC1-DC2」の値が0mVでない場合、単相差動変換回路204の増幅率が下がり、単相差動変換回路204の出力波形で歪みが生じるといった状態が生じ得る。また、DCオフセットが大きく、単相差動変換回路204の入出力範囲を逸脱すると、単相差動変換回路204から波形が出力されないといった状態が生じ得る。DCオフセットを抑制することによって、このような状態を回避することが可能になり、OLT1が安定した動作を継続することが可能になる。
【0049】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0050】
例えば、上記の実施の形態では、光電変換素子の一例としてアバランシェフォトダイオードを挙げたが、光電変換素子はアバランシェフォトダイオード以外の光電変換素子であってもよい。例えば、光電変換素子は、PIN接合型のフォトダイオードであってもよい。
【0051】
また、上記の実施の形態では、単相差動変換回路204の正相入力をコア増幅回路201の出力とし、単相差動変換回路204の逆相入力をATC203の出力である閾値としたが、単相差動変換回路204の正相入力をATC203の出力である閾値とし、単相差動変換回路204の逆相入力をコア増幅回路201の出力としてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 OLT、2,2-1~2-3 ONU、3 光分岐器、4 光ファイバ、5 光通信システム、10,10A,10B 光受信器、100 APD、200,200A,200B 前置増幅器、201 コア増幅回路、202,210 AGC、203,211 ATC、204 単相差動変換回路、205 ADC、206 DAC、207 記憶部、208 処理装置、209 調整用コア増幅回路、212 信号検出回路、213 セレクタ、300 リミッティングアンプ、400 上位システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7