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特許7573835製品情報報知装置、製品情報報知システム、混同色検索サーバ、クライアント・コンピュータ、製品情報報知方法および混同色検索方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】製品情報報知装置、製品情報報知システム、混同色検索サーバ、クライアント・コンピュータ、製品情報報知方法および混同色検索方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/903 20190101AFI20241021BHJP
   G06F 16/907 20190101ALI20241021BHJP
【FI】
G06F16/903
G06F16/907
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020202791
(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公開番号】P2022090401
(43)【公開日】2022-06-17
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000217365
【氏名又は名称】田島ルーフィング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】394019141
【氏名又は名称】一般財団法人日本色彩研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】弁理士法人東京UIT国際特許
(72)【発明者】
【氏名】戸高 浩司
(72)【発明者】
【氏名】大内 啓子
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-293832(JP,A)
【文献】特開2005-167543(JP,A)
【文献】特開2005-182432(JP,A)
【文献】特開2002-092020(JP,A)
【文献】特開2014-238788(JP,A)
【文献】特開2005-177144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0185624(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 30/00-30/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を報知する第1の製品情報報知手段、
上記第1の製品情報報知手段によって報知された第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を報知する第1の色報知手段、
上記第1の色報知手段によって報知された色の中から所望の第1の色を指定する第1の色指定手段、
色弱者が、上記第1の色指定手段によって指定された第1の色と混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つける製品情報検索手段、および
上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を報知する第2の製品情報報知手段、
を備えた製品情報報知装置。
【請求項2】
上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報によって特定される第2の製品がもつ第2の色を上記第2の製品情報と関連づけて報知する第2の色報知手段、
を備えた請求項1に記載の製品情報報知装置。
【請求項3】
複数の色を表示画面に表示するように表示装置を制御する表示制御手段、
上記表示画面に表示されている複数の色の中から所望の第3の色を指定する第2の色指定手段をさらに備え、
上記第1の製品情報報知手段は、
上記第2の色指定手段によって指定された第3の色をもつ上記第1の製品を特定する第1の製品情報を報知する、
請求項1または2に記載の製品情報報知装置。
【請求項4】
上記第1の製品の一般的名称である第1の商品名を指定する第1の商品名指定手段をさらに備え、
上記第1の製品情報報知手段は、
上記第1の商品名指定手段によって指定された第1の商品名の商品に含まれる上記第1の製品を特定する第1の製品情報を報知する、
請求項1から3のうち、いずれか一項に記載の製品情報報知装置。
【請求項5】
上記第2の製品の一般的名称である第2の商品名を指定する第2の商品名指定手段をさらに備え、
上記第2の製品情報報知手段は、
上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報のうち、上記第2の商品名指定手段によって指定された第2の商品名の商品に含まれる上記第2の製品を特定する第2の製品情報を報知する、
請求項1から4のうち、いずれか一項に記載の製品情報報知装置。
【請求項6】
上記第1の製品を指定する製品指定手段をさらに備え、
上記製品情報検索手段は、
上記製品指定手段によって指定された第1の製品のうち、色弱者が、上記第1の色指定手段によって指定された第1の色と混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つける、
請求項1から5のうち、いずれか一項に記載の製品情報報知装置。
【請求項7】
カラー・チャートにおいて上記第2の色と同一色とみなせる色を報知する混同色報知手段、
をさらに備えた請求項1から6のうち、いずれか一項に記載の製品情報報知装置。
【請求項8】
上記製品情報検索手段は、
色弱者のタイプごとに上記第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つけ、
上記第2の製品情報報知手段は、
上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を色弱者のタイプごとに報知する、
請求項1から7のうち、いずれか一項に記載の製品情報報知装置。
【請求項9】
クライアント・コンピュータと混同色検索サーバとを含む製品情報報知システムにおいて、
上記混同色検索サーバが、
販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第1の製品情報データ送信手段、
上記第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第1の色データ送信手段を備え、
上記クライアント・コンピュータが、
上記第1の製品情報データ送信手段から送信されたデータによって表される第1の製品情報と上記第1の色データ送信手段から送信されたデータによって表される第1の製品の色とを関連づけて報知する第1の製品情報報知手段、
上記第1の製品情報報知手段によって第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、所望の第1の色を指定する第1の色指定手段、および
上記第1の色指定手段によって指定された第1の色を表すデータを上記混同色検索サーバに送信する第2の色データ送信手段を備え、
上記混同色検索サーバは、
色弱者が、上記第2の色データ送信手段から送信されたデータによって表される第1の色と混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つける製品情報検索手段、および
上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第2の製品情報データ送信手段を備え、
上記クライアント・コンピュータは、
上記第2の製品情報データ送信手段から送信されたデータによって表される第2の製品情報を報知する第2の製品情報報知手段、
を備えた製品情報報知システム。
【請求項10】
販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータをクライアント・コンピュータに送信する第1の製品情報データ送信手段、
上記第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第1の色データ送信手段、
第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、クライアント・コンピュータにおいて指定された所望の第1の色を表すデータを受信する第1の色データ受信手段、
上記第1の色データ受信手段において受信したデータによって表される第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つける製品情報検索手段、および
上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第2の製品情報データ送信手段、
を備えた混同色検索サーバ。
【請求項11】
混同色検索サーバから送信される、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータおよび第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを受信する第1の受信手段、
上記第1の受信手段において受信したデータによって表される第1の製品情報と第1の製品の色とを関連づけて報知する第1の製品情報報知手段、
上記第1の製品情報報知手段によって第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、所望の第1の色を指定する第1の色指定手段、
上記第1の色指定手段によって指定された第1の色を表すデータを上記混同色検索サーバに送信する第2の色データ送信手段、
上記混同色検索サーバから送信される、上記第1の色と色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を表すデータを受信する第2の受信手段、ならびに
上記第2の受信手段において受信したデータによって表される第2の製品情報を報知する第2の製品情報報知手段、
を備えたクライアント・コンピュータ。
【請求項12】
第1の製品情報報知手段が、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を報知し、
第1の色報知手段が、上記第1の製品情報報知手段によって報知された第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を報知し、
第1の色指定手段が、上記第1の色報知手段によって報知された色の中から所望の第1の色を指定し、
製品情報検索手段が、上記第1の色指定手段によって指定された第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つけ、
第2の製品情報報知手段が、上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を報知する、
製品情報報知方法。
【請求項13】
第1の製品情報データ送信手段が、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータをクライアント・コンピュータに送信し、
第1の色データ送信手段が、上記第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信し、
第1の色データ受信手段が、クライアント・コンピュータにおいて、第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、指定された所望の第1の色を表すデータを受信し、
製品情報検索手段が、上記第1の色データ受信手段において受信したデータによって表される第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つけ、
第2の製品情報データ送信手段が、上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する、
混同色検索方法。
【請求項14】
第1の受信手段が、混同色検索サーバから送信される、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータおよび第1の製品情報によって特定される製品の色を表すデータを受信し、
第1の製品情報報知手段が、上記第1の受信手段において受信したデータによって表される第1の製品情報と第1の製品の色とを関連づけて報知し、
第1の色指定手段が、上記第1の製品情報報知手段によって第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、所望の第1の色を指定し、
第2の色データ送信手段が、上記第1の色指定手段によって指定された第1の色を表すデータを上記混同色検索サーバに送信し、
第2の受信手段が、上記混同色検索サーバから送信される、上記第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を表すデータを受信し、
第2の製品情報報知手段が、上記第2の受信手段において受信したデータによって表される第2の製品情報を報知する、
製品情報報知方法。
【請求項15】
販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を報知させ、
報知された第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を報知させ、
報知された色の中から所望の第1の色を指定させ、
指定された第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つけさせ、
見つけられた第2の製品情報を報知させるように製品情報報知装置のコンピュータを制御し、かつ上記コンピュータが読み取り可能なプログラム。
【請求項16】
販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータをクライアント・コンピュータに送信させ、
上記第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信させ、
クライアント・コンピュータにおいて、第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、指定された所望の第1の色を表すデータを受信させ、
受信したデータによって表される第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つけさせ、
見つけられた第2の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信させるように混同色検索サーバを制御する混同色検索サーバが読み取り可能なプログラム。
【請求項17】
混同色検索サーバから送信される、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータおよび第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを受信させ、
受信したデータによって表される第1の製品情報と第1の製品の色とを関連づけて報知させ、
第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、所望の第1の色を指定させ、
指定された第1の色を表すデータを上記混同色検索サーバに送信させ、
上記混同色検索サーバから送信される、上記第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を表すデータを受信させ、
受信したデータによって表される第2の製品情報を報知させるようにクライアント・コンピュータを制御する上記クライアント・コンピュータが読み取り可能なプログラム。
【請求項18】
請求項15から17のうち、いずれか一項に記載のプログラムを格納した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製品情報報知装置、製品情報報知システム、混同色検索サーバ、クライアント・コンピュータ、製品情報報知方法および混同色検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
色弱者は、一般的な多数派であるC型色覚者と色の感じ方が異なる。たとえば、P型の色弱者は赤色を感じる視細胞の特性がC型色覚者と異なり、D型色弱者は緑色を感じる視細胞の特性がC型色覚者と異なる。カラー・バリア・フリーが浸透しつつあるために、色弱者であっても多数派であるC型色覚者と同じように情報を得られるように様々な工夫がされている。たとえば、P型色弱者である踏切通行者においても、点灯状態の視認が容易な踏切用表示灯(特許文献1)、色弱者が渋滞度の認識を困難となる可能性を低減するための地図表示システム(特許文献2)などが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-55446号公報
【文献】特開2019-215389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
病院のように患者などを検査室のような特定の場所に誘導する場合に行先ごとに廊下や壁の色を塗り分けたり、行先ごとに色を変えたカーペットを廊下に敷いたりしていることがある。その色に沿って行けば患者などは所望の場所に行くことができるからである。このようなことは病院に限らず他の施設、道路などでも行われている。
【0005】
一般的な多数派のC型色覚者は色弱者が区別できない色であっても区別できるので色弱者が区別できない色を使って行先を誘導するように廊下や壁の色を塗り分けたり、行先ごとに色を変えたカーペットなどを敷いたりしてしまうことがある。すると、色弱者は色を混同してしまうので色に沿って所望の場所に行くことができないということが起きてしまう。
【0006】
この発明は、指定した色と色弱者が混同する色をもつ製品、または指定した色と色弱者が混同しない色をもつ製品が分かるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の製品情報報知装置は、販売対象となる製品を特定する第1の製品情報を報知する第1の製品情報報知手段、上記第1の製品情報報知手段によって報知された第1の製品情報によって特定される製品の色を報知する第1の色報知手段、上記第1の色報知手段によって報知された色の中から所望の第1の色を指定する第1の色指定手段(色そのものを指定しなくとも、第1の製品情報の中から所望の製品情報を指定することにより色を指定してもよい)、色弱者が、上記第1の色指定手段によって指定された第1の色(同一とみなされる色を含む)と混同するまたは混同しない(1または複数)第2の色(同一とみなせる色を含む)をもつ製品を特定する第2の製品情報を見つける製品情報検索手段、および上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を報知する第2の製品情報報知手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
第1の発明は、製品情報報知装置に適した製品情報報知方法も提供している。すなわち、この方法は、第1の製品情報報知手段が、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を報知し、第1の色報知手段が、上記第1の製品情報報知手段によって報知された第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を報知し、第1の色指定手段が、上記第1の色報知手段によって報知された色の中から所望の第1の色を指定し、製品情報検索手段が、色弱者が、上記第1の色指定手段によって指定された第1の色と混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つけ、第2の製品情報報知手段が、上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を報知するものである。
【0009】
第1の発明は、製品情報報知装置のコンピュータを制御するプログラムおよびそのプログラムを格納した記録媒体も提供している。
【0010】
上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報によって特定される第2の製品がもつ色(たとえば、カラー表示)を上記第2の製品情報と関連づけて報知する第2の色報知手段をさらに備えてもよい。
【0011】
複数の色を表示画面に表示するように表示装置を制御する表示制御手段、上記表示画面に表示されている複数の色の中から所望の第3の色を指定する第2の色指定手段をさらに備えてもよい。この場合、上記第1の製品情報報知手段は、たとえば、上記第2の色指定手段によって指定された第3の色(同一とみなせる色を含む)をもつ上記第1の製品を特定する第1の製品情報を報知する。
【0012】
上記第1の製品の一般的名称である第1の商品名を指定する第1の商品名指定手段をさらに備えてもよい。この場合、上記第1の製品情報報知手段は、たとえば、上記第1の商品名指定手段によって指定された第1の商品名の商品に含まれる上記第1の製品を特定する第1の製品情報を報知する。
【0013】
上記第2の製品の一般的名称である第2の商品名を指定する第2の商品名指定手段をさらに備えてもよい。この場合、上記第2の製品情報報知手段は、たとえば、上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報のうち、上記第2の商品名指定手段によって指定された第2の商品名の商品に含まれる上記第2の製品を特定する第2の製品情報を報知する。
【0014】
第1の製品を指定する製品指定手段をさらに備えてもよい。この場合、上記製品情報検索手段は、たとえば、上記製品指定手段によって指定された第1の製品のうち、色弱者が、上記第1の色指定手段によって指定された第1の色と混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つける。
【0015】
カラー・チャートにおいて上記第2の色と同一色とみなせる色を報知する混同色報知手段をさらに備えてもよい。色そのものを表示してもよいし、マンセル表色系のように色を定量的に表す場合における値、色の名称などを報知してもよい。
【0016】
上記製品情報検索手段は、たとえば、色弱者のタイプごとに上記第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つけ、上記第2の製品情報報知手段は、上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を色弱者のタイプごとに報知するものでもよい。
【0017】
第2の発明は、クライアント・コンピュータと混同色検索サーバとを含む製品情報報知システムについてのものである。上記混同色検索サーバは、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第1の製品情報データ送信手段、上記第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第1の色データ送信手段を備え、上記クライアント・コンピュータは、上記第1の製品情報データ送信手段から送信されたデータによって表される第1の製品情報と上記第1の色データ送信手段から送信されたデータによって表される第1の製品の色とを関連づけて報知する第1の製品情報報知手段、上記第1の製品情報報知手段によって第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、所望の第1の色を指定する第1の色指定手段、および上記第1の色指定手段によって指定された第1の色を表すデータを上記混同色検索サーバに送信する第2の色データ送信手段を備える。
【0018】
上記混同色検索サーバは、上記第2の色データ送信手段から送信されたデータによって表される第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つける製品情報検索手段、および上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第2の製品情報データ送信手段をさらに備え、上記クライアント・コンピュータは、上記第2の製品情報データ送信手段から送信されたデータによって表される第2の製品情報を報知する第2の製品情報報知手段をさらに備える。
【0019】
第3の発明は製品情報報知システムを構成する混同色検索サーバについてのものである。すなわち、混同色検索サーバは、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第1の製品情報データ送信手段、上記第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第1の色データ送信手段、第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、クライアント・コンピュータにおいて指定された所望の第1の色を表すデータを受信する第1の色データ受信手段、上記第1の色データ受信手段において受信したデータによって表される第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つける製品情報検索手段、および上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信する第2の製品情報データ送信手段を備えていることを特徴とする。
【0020】
第3の発明は、混同色検索サーバに適した方法も提供している。すなわち、この方法は、第1の製品情報データ送信手段が、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信し、第1の色データ送信手段が、上記第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信し、製品情報検索手段が、クライアント・コンピュータにおいて、第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、指定された所望の第1の色を表すデータを受信し、製品情報検索手段が、上記第1の色データ受信手段において受信したデータによって表される第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を見つけ、第2の製品情報データ送信手段が、上記製品情報検索手段によって見つけられた第2の製品情報を表すデータを上記クライアント・コンピュータに送信するものである。
【0021】
第3の発明は、上記混同色検索サーバを制御するプログラムおよびそのプログラムを格納した記録媒体も提供している。
【0022】
第4の発明は、上記製品情報報知システムを構成するクライアント・コンピュータについてのものである。すなわち、混同色検索サーバから送信される、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータおよび第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを受信する第1の受信手段、上記第1の受信手段において受信したデータによって表される第1の製品情報と第1の製品の色とを関連づけて報知する第1の製品情報報知手段、上記第1の製品情報報知手段によって第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、所望の第1の色を指定する第1の色指定手段、上記第1の色指定手段によって指定された第1の色を表すデータを上記混同色検索サーバに送信する第2の色データ送信手段、上記混同色検索サーバから送信される、上記第1の色と、色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を表すデータを受信する第2の受信手段、ならびに上記第2の受信手段において受信したデータによって表される第2の製品情報を報知する第2の製品情報報知手段を備えていることを特徴とする。
【0023】
第4の発明は、クライアント・コンピュータに適した方法も提供している。すなわち、この方法は、第1の受信手段が、混同色検索サーバから送信される、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報を表すデータおよび第1の製品情報によって特定される第1の製品の色を表すデータを受信し、第1の製品情報報知手段が、上記第1の受信手段において受信したデータによって表される第1の製品情報と第1の製品の色とを関連づけて報知し、第1の色指定手段が、上記第1の製品情報報知手段によって第1の製品情報と関連づけられて報知された色の中から、所望の第1の色を指定し、第2の色データ送信手段が、上記第1の色指定手段によって指定された第1の色を表すデータを上記混同色検索サーバに送信し、第2の受信手段が、上記混同色検索サーバから送信される、上記第1の色と色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報を表すデータを受信し、第2の製品情報報知手段が、上記第2の受信手段において受信したデータによって表される第2の製品情報を報知するものである。
【0024】
第4の発明は、上記クライアント・コンピュータを制御するプログラムおよびそのプログラムを格納した記録媒体も提供している。
【発明の効果】
【0025】
第1の発明によると、販売対象となる第1の製品を特定する第1の製品情報が報知され、その第1の製品の色も報知される。報知された色の中から所望の第1の色が指定されると、指定された第1の色と色弱者が混同するまたは混同しない第2の色をもつ第2の製品を特定する第2の製品情報が見つけられる。見つけられた第2の製品情報が報知される。第1の発明によると、使用しようとする第1の製品の色と色弱者が混同するまたは混同しない色をもつ第2の製品が分かる。第2の製品の色が第1の製品の色と色弱者が混同する色の場合には、第1の製品と第2の製品組み合わせて使用すると、色弱者が色の区別がつかないことが分かり、その組み合わせでの使用を避けることができる。また、第2の製品の色が第1の製品の色と色弱者が混同しない色の場合には、第1の製品と第2の製品組み合わせて使用しても、色弱者が色の区別がつくことが分かる。
【0026】
第2の発明から第4の発明においても、第1の発明と同様に、使用しようとする第1の製品の色と色弱者が混同するまたは混同しない色をもつ第2の製品が分かる。第2の製品の色が第1の製品の色と色弱者が混同する色の場合には、第1の製品と第2の製品組み合わせて使用すると、色弱者が色の区別がつかないことが分かり、その組み合わせでの使用を避けることができる。また、第2の製品の色が第1の製品の色と色弱者が混同しない色の場合には、第1の製品と第2の製品組み合わせて使用しても、色弱者が色の区別がつくことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】クライアント・コンピュータの電気的構成を示すブロック図である。
図2】製品データ・ベースの一例である。
図3xy色度図の一例である。
図4xy色度図の一例である。
図5】混同色表示ウインドウの一例である。
図6】クライアント・コンピュータの処理手順を示すフローチャートである。
図7】クライアント・コンピュータの処理手順を示すフローチャートである。
図8】クライアント・コンピュータの処理手順を示すフローチャートである。
図9】クライアント・コンピュータの処理手順を示すフローチャートである。
図10】製品情報テーブルの一例である。
図11】製品名一覧表示領域の表示例である。
図12】検索結果テーブルの一例である。
図13】商品選択ウインドウの一例である。
図14】検索結果テーブルの一例である。
図15】検索結果テーブルの一例である。
図16】検索結果テーブルの一例である。
図17】製品名一覧表示領域の表示例である。
図18】カラー・チャートの一例である。
図19】製品情報報知システムの概要を示している。
図20】混合色検索サーバの一例である。
図21】製品情報報知システムの処理手順を示すフローチャートである。
図22】製品情報報知システムの処理手順を示すフローチャートである。
図23】製品情報報知システムの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
この実施例は、ユーザが選択した製品の色に対して色弱者が混同する色(混同しない色でもよい)をもつ製品をユーザに知らせるものである。カーペット・タイルのような床材の製品を例にして説明するが床材に限らずペンキなどその他の製品(商品)についても適用できる。
【0029】
図1は、この発明の実施例を示すもので、クライアント・コンピュータ(製品情報報知装置の一例である)の電気的構成を示すブロック図である。
【0030】
クライアント・コンピュータ1の全体の動作はCPU(central processing unit)2によって統括される。クライアント・コンピュータ1には、表示装置4、表示装置4の表示を制御する表示制御装置3、データなどを一時的に記憶するメモリ5、データ、プログラムなどを記憶するハード・ディスク7、ならびにハード・ディスク7に書き込まれているデータの読み取りおよびデータをハード・ディスク7に書き込むハード・ディスク・ドライブ6が含まれている。また、クライアント・コンピュータ1には、CPU2にコマンドなどを与えるキーボード、マウス(いずれも図示略)などの入力装置8が設けられている。
【0031】
さらに、クライアント・コンピュータ1にはコンパクト・ディスク(CD)10などに記録されているデータを読み取るCDドライブ9、インターネットなどのネットワークを介して他の装置と通信するための通信装置12および通信装置12を制御するための通信制御装置11も含まれている。
【0032】
後述するようにクライアント・コンピュータ1の動作を制御するプログラムはコンパクト・ディスク10(可搬型記録媒体の一例である。メモリ・カードなど他の記録媒体でもよい。)に記録されており、そのプログラムがコンパクト・ディスク10から読み取られて、クライアント・コンピュータ1にインストールされる。そのようなプログラムは、ネットワークを介して送信されて通信装置12において受信され、クライアント・コンピュータ1にインストールされてもよい。
【0033】
この実施例によるクライアント・コンピュータ1は、カーペット・タイルなどのような床材等の色に対して色弱者が行動するような色をユーザに知らせることができるものである。このために、クライアント・コンピュータ1のハード・ディスク7には製品データ・ベースが格納されている。
【0034】
図2は製品データ・ベースの一例である。
【0035】
この実施例においては、カーペット・タイル、ビニル床シートなどの一般的なものを「商品」といい、商品の名称を「商品名」という。また、販売対象となる具体的なもの、たとえば、メーカごとに仕様などが異なるものを「製品」といい、「AAタイル」のようにメーカ固有の製品の名称を「製品名」という。
【0036】
製品データ・ベースには、「商品名」、「製品名」、「製品番号」、「X値」、「Y値」、「Z値」および「色の名前」の欄が含まれている。
【0037】
「商品名」は上述したように商品の一般名称である。「製品名」は上述のように、製品を特定するもので、たとえばメーカごとに異なる名前である。「製品番号」も製品を特定するもので、メーカごとに固有の記号である。同じ製品名であっても製品番号が異なれば、製品の仕様(色など)が変わる。「X値」、「Y値」および「Z値」はXYZ表色系における製品の色を一義的に表す、それぞれの値である。図2に示す製品データ・ベースでは、XYZ表色系が利用されているがXYZ表色系以外が利用されていてもよい。「色の名前」は製品の色をユーザに感覚的に理解できるように付けられた一般的な名前である。
【0038】
「商品名」は、たとえば「ビニル床タイル」、「カーペット・タイル」などである。床材に限らず、他の商品名でもよい。「製品名」は、たとえば「AAタイル」、「BBタイル」などである。「製品番号」は、「A-202」、「B-101」などである。「X値」、「Y値」および「Z値」は、たとえば「X1」、「Y1」および「Z1」などである。「色の名前」は、たとえば「明るい茶色」、「オレンジ」などである。
【0039】
図3および図4は、XYZ表色系におけるxy色度図を示している。領域20における座標によって色を定量的に表示している。xy色度図では領域20内がカラー表示されるのが一般的であるが、図3および図4ではカラー表示は省略されている。
【0040】
図3には、P型色弱者が色を混同して見える(色を区別しづらい、色を区別できない)混同線21が示されている。同一の混同線21上の座標の色をP型色弱者は混同してしまう。
【0041】
図4には、D型色弱者が混同して見える(色を区別しづらい、色を区別できない)混同線22が示されている。同一の混同線22上の座標の色をD型色弱者は混同してしまう。
【0042】
また、P型色弱者とD型色弱者とのいずれかから混同される色もあり、このような色をP&D型混同色とする。
【0043】
その他のタイプの色弱者もタイプごとに混同して見える色が異なるが、この実施例ではP型色弱者またはD型色弱者が混同する色ならびにP&D型混同色について取り扱う。もちろん、P型色弱者またはD型色弱者以外のタイプの色弱者が混同する色について取り扱うようにしてもよい。
【0044】
図3に示す混同線21上の色のデータ(X値、Y値、Z値)および図4に示す混同線22上の色のデータ(X値、Y値、Z値)は、混同線21または22のそれぞれごとにクライアント・コンピュータ1のハード・ディスク7に記憶されている。
【0045】
図5は、クライアント・コンピュータ1の表示装置4の表示画面に表示される混同色表示ウインドウの一例である。
【0046】
混同色表示ウインドウ30には、指定用色チャート表示領域31、各種ボタン類表示領域40、製品情報一覧表示領域51、製品名一覧表示領域52および検索結果表示領域53が含まれている。
【0047】
指定用色チャート表示領域31は、ユーザが利用しようとする製品の色を指定するボタンが表示されている領域である。指定用色チャート表示領域31は、表示制御装置3(表示制御手段の一例である)の制御により表示装置4の表示画面に表示させられる。指定用色チャート表示領域31には、赤ボタン表示領域32、ピンク・ボタン表示領域33、オレンジ・ボタン表示領域34、茶色ボタン表示領域35、黄色ボタン表示領域36、緑ボタン表示領域37および青ボタン表示領域38が含まれている。赤ボタン表示領域32には、明るい赤ボタン32a、赤ボタン32bおよび暗い赤ボタン32cが含まれている。ピンク・ボタン表示領域33には、明るいピンク・ボタン33a、ピンク・ボタン33bおよび暗いピンク・ボタン33cが含まれている。オレンジ・ボタン表示領域34には明るいオレンジ・ボタン34a、オレンジ・ボタン34bおよび暗いオレンジ・ボタン34cが含まれている。茶色ボタン表示領域35には、明るい茶色ボタン35a、茶色ボタン35bおよび暗い茶色ボタン35cが含まれている。黄色ボタン表示領域36には、明るい黄色ボタン36a、黄色ボタン36bおよび暗い黄色ボタン36cが含まれている。緑ボタン表示領域37には、明るい緑ボタン37a、緑ボタン37bおよび暗い緑ボタン37cが含まれている。青ボタン表示領域38には、明るい青ボタン38a、青ボタン38bおよび暗い青ボタン38cが含まれている。これらのボタン32aなどは、文言で表示されている色(表示画面に表示されている複数の色の一例である)が表示されている。たとえば、明るい赤ボタン32aの色は明るい赤であり、明るいピンク・ボタン33aの色は明るいピンクである。指定用色チャート表示領域31において指定できる色のボタン32aなどは製品データ・ベースに格納されている色の名前に対応している。
【0048】
これらのボタン32aなどをユーザが入力装置8(第2の色指定手段の一例である)のマウスなどを用いて使用したい製品の所望の色(第3の色の一例である)を指定する。ボタン32aなどが押されることにより、押されたボタン32aなどによって特定される色が指定されることとなる。たとえば、明るい赤ボタン32aが押されると明るい赤が指定されたこととなる。指定用色チャート表示領域31に表示されているボタン32a(表示領域32)などのボタン(表示領域)以外の色を指定するためのボタン(表示領域)を指定用色チャート表示領域31に表示されるようにしてもよい。また、指定用色チャート表示領域31においては、色が明るい、暗いなどに分けられているが、そのほかの分け方、たとえば濃い、薄い、鮮やか、ぼやけたなどのように分けてもよい。いずれにしても製品用データ・ベースに格納されている色の名前に対応してある程度の色の種類に分けられていればよい。また、ボタン以外の方法により色を指定してもよい。
【0049】
各種ボタン類表示領域40には、クライアント・コンピュータ1に各種の指令等を与えるボタン類などが表示されている領域である。
【0050】
各種ボタン類表示領域40には、商品検索ボタン41、製品情報表示領域42、選択確認ボタン43、選択解除ボタン44、混同色検索ボタン45、製品名表示ボタン46、XYZ値表示ボタン47および絞り込みボタン48が含まれている。
【0051】
商品検索ボタン41は、クライアント・コンピュータ1において取り扱っている商品を検索するときに押されるボタンである。製品情報表示領域42は、後述するようにユーザによって選択された製品についての製品情報を表示する領域である。選択確認ボタン43は、後述のようにユーザによって選択された製品の製品名を表示するときに押されるボタンである。選択解除ボタン44は、後述のようにユーザによって選択された製品を解除するときに押されるボタンである。
【0052】
混同色検索ボタン45は、ユーザによって指定された色に対して色弱者が混同する色をもつ製品を検索するときに押されるボタンである。製品名表示ボタン46は、後述するように検索結果表示領域53に、ユーザによって指定された色に対して色弱者が混同する色が表示されているときに、その混同する色をもつ製品名を表示するときに押されるボタンである。XYZ値表示ボタン47は、後述するように検索結果表示領域53に、ユーザによって指定された色に対して色弱者が混同する色をもつ製品名が表示されているときに、その混同する色のX値、Y値およびZ値を表示するときに押されるボタンである。絞り込みボタン48は、後述するように検索結果表示領域53に、ユーザによって指定された色に対して色弱者が混同する色をもつ製品名が表示されているときに、それらの製品名を商品で絞り込むときに押されるボタンである。
【0053】
製品情報一覧表示領域51は、指定用色チャート表示領域31によって指定された色をもつ製品の製品名などを表示する、または商品検索ボタン41が押されることにより混同色を検索する取り扱い製品の製品名などを表示する領域である。製品名一覧表示領域52は、検索対象となる製品を指定するための製品名を一覧で表示する領域である。検索結果表示領域53は、検索結果となる混同色およびその混同色をもつ製品の製品名の少なくとも一方を表示する領域である。
【0054】
図6から図9は、クライアント・コンピュータ1の処理手順を示すフローチャートである。クライアント・コンピュータ1に混同色検索指令が与えられることにより、図6から図9に示す処理が開始する。
【0055】
クライアント・コンピュータ1に混同色検索指令が与えられると、クライアント・コンピュータ1の表示装置4の表示画面には図5に示す混同色表示ウインドウ30が表示される(図6ステップ61)。
【0056】
使用する製品が決まっていない場合には、ユーザは指定用色チャート表示領域31に含まれているボタン32aなど(第2の色指定手段の一例である)を用いて製品の色(第3の色の一例である)を指定する(図6ステップ62でYES)。すると、図2に示した製品データ・ベースから指定された色の名前をもつ製品(販売対象となる第1の製品の一例である)を特定する製品情報(第1の製品情報の一例である)などが見つけられる(図6ステップ63)。見つけられた製品情報などが製品情報一覧表示領域51に表示される(図6ステップ64)。製品情報一覧表示領域51は、上述のように表示装置4(第1の製品情報報知手段、第1の色報知手段の一例である)の表示画面に表示される混同色表示ウインドウ30に含まれている。
【0057】
図10は、製品情報一覧表示領域51に表示される製品情報テーブルの一例である。
【0058】
製品情報テーブルには、商品名、製品名、製品番号、製品の色(第1の製品の色の一例である)、X値、Y値、Z値および色の名前(製品の色の名前)についての情報が含まれている。製品の色は、ユーザが具体的にわかるようにカラー表示されている。図10においては、カラー表示の代わりにハッチングで色が示されている。
【0059】
ユーザによって明るい茶色ボタン35aが押され、明るい茶色が指定されたものとする。この場合、製品情報テーブルに表示されている製品名および製品番号(第1の製品を特定する第1の製品情報の一例である。製品名および製品番号でなくとも製品情報は製品がと特定できればよい)によって特定される製品の色の名前はすべて明るい茶色となる。また、ハッチングで示されている製品の色は明るい茶色を示している。但し、明るい茶色という色の名前が付けられている製品であっても、いろいろな種類の明るい茶色(明るさの程度が異なる明るい茶色、明るいけれど濃い茶色、明るいけれど薄い茶色など)があり、いろいろな明るい茶色の製品の製品情報が製品情報一覧表示領域に表示されることとなる。指定された色が明るい茶色以外の場合であっても同様である。
【0060】
ユーザは、製品情報一覧表示領域51に表示されている製品情報テーブルの製品の色の中から所望の色を入力装置8(第1の色指定手段の一例である)に含まれるマウスを用いてダブル・クリック等することにより指定する(図7ステップ65)。製品情報テーブルに表示されている色そのものをダブル・クリック等して色を指定しなくとも、指定する色に対応する商品名、製品名、製品情報などをダブル・クリック等することにより所望の色を指定してもよい。所望の色が指定されると、指定された色についての製品情報等(製品名、製品番号)が製品情報表示領域42に表示される。
【0061】
続いて、選択確認ボタン43が押されたかどうかがCPU2によって判定される(図7ステップ66)。選択確認ボタン43が押されると(図7ステップ66でYES)、製品名一覧表示領域52に表示されている製品名一覧のうち、チェックされている製品名がメモリ5に記憶され製品名表示領域52aに表示される(図7ステップ67)。選択確認ボタン43が押されなければ(図7ステップ66でNO)、ステップ67の処理はスキップされる。
【0062】
図11は、製品名一覧表示領域52に表示される製品名の一例である。
【0063】
製品名一覧表示領域52には、商品に含まれる製品が商品ごとに分類されて製品名が表示されている。たとえば、ビニル床タイルの商品には、AAタイル、BBタイルなどの製品が含まれる。同様に、カーペット・タイルの商品には、CCカーペット、FFカーペットなどの製品が含まれている。これらの製品の左側にはチェック・ボックス52b(第1の製品を指定する製品指定手段の一例である)が形成されている。ユーザは、これらのチェック・ボックス52bのうち、指定した製品の色の混同色をもつ製品のうち、絞り込みたい製品がある場合には、その絞り込みたい製品の左側に形成されているチェック・ボックス52bを入力装置8(製品指定手段の一例である)に含まれるマウスを用いてチェックする。混同色の検索対象は指定された色をもつ製品のうち、チェックされた製品となる。
【0064】
選択解除ボタン44が押されると(図7ステップ68でYES)、チェック・ボックス52bにチェックされているチェックが解除される(図7ステップ69)。製品名表示領域52aには全製品の文字列が表示される。混同色の検索対象が指定された製品の色をもつ全製品となる。選択解除ボタン44が押されないと(図7ステップ68でNO)、ステップ69の処理はスキップされる。
【0065】
つづいて、混同色検索ボタン45が押されると(図7ステップ70でYES)、製品情報データ・ベースの製品の色の中から指定された製品の色と、色弱者が混同する色(色弱者が混同しない色でもよい)をもつ製品情報、製品のX値、Y値およびZ値が製品データ・ベース(図2参照)から見つけられる(図8ステップ71)。この実施例においてはP型色弱者の混同色、D型色弱者の混同色およびP&型混同色(第2の色の一例である。ほぼ同じ色とみなせる色を含む)がCPU2(製品情報検索手段の一例である)によって見つけられる。
【0066】
P型色弱者の混同色については、図3に示す混同線21のうち製品情報データ・ベースの製品の色の中から指定された色(第1の色)が存在する混同線21上の座標によって指定される色をもつ製品の製品情報ならびにその製品のX値、Y値およびZ値が製品データ・ベースから見つけられる。
【0067】
図3を参照して、製品情報データ・ベースの製品の色の中から指定された色が符号C1で示された座標の位置によって表されるとすると、符号C1がある混同線21a上の色をもつとみなせる製品の製品情報ならびにその製品のX値、Y値およびZ値が製品データ・ベースから見つけられる。
【0068】
同様に、D型色弱者の混同色については、図4に示す混同線22のうち製品情報データ・ベースの製品の色の中から指定された色(第1の色)が存在する混同線22上の座標によって指定される色(ほぼ同じ色とみなせる色を含む)をもつ製品の製品情報ならびにその製品のX値、Y値およびZ値が製品データ・ベースから見つけられる。
【0069】
図4を参照して、製品情報データ・ベースの製品の色の中から指定された色が符号C2で示された座標の位置によって表されるとすると、符号C2がある混同線22a上の色をもつとみなせる製品の製品情報(製品名および製品番号)ならびにその製品のX値、Y値およびZ値が製品データ・ベースから見つけられる。
【0070】
P&D型混同色については、P型色弱者の混同色について見つけられた製品情報等とD型色弱者の混同色について見つけられた製品情報等が見つけられる。
【0071】
このようにして見つけられた製品情報(第2の製品情報)ならびにX値、Y値およびZ値によって表される製品の色(第2の色)が検索結果表示領域53(第2の製品情報報知手段、第2の色報知手段の一例である)に表示される(図8ステップ72)。
【0072】
図12は、検索結果表示領域53に表示される検索結果テーブルの一例である。
【0073】
検索結果テーブルの上側には、「製品名で絞り込み:全製品」の文字列が表示されている。これは、後述のように検索結果を製品名で絞り込みを行っておらず、全製品の中から見つけられた製品情報等が検索結果テーブルに表示されていることを示している。
【0074】
検索結果テーブルには、混同色製品情報の欄、混同色商品名の欄および商品名ごとの混同色の欄が含まれている。混同色製品情報の欄には、製品情報テーブルの製品の色の中から指定された色と色弱者が混同する色をもつ製品の製品情報(製品名および製品番号)が、P型色弱者が混同する色(P型混同色)、D型色弱者が混同する色(D型混同色)およびP&D型混同色のように色弱者が混同する色のタイプ別に表示されている。製品情報の周りにはそれらの製品の色がカラー表示されている(図12においてはカラー表示がハッチングで示されている。第2の製品の色を第2の製品情報に関連づけて報知する一例である)。
【0075】
混同色商品名の欄には、混同色製品情報の欄に表示されている製品情報の製品を含む商品名が、P型色弱者が混同する色(P型混同色)、D型色弱者が混同する色(D型混同色)およびP&D型混同色のように色弱者が混同する色のタイプ別に表示されている。たとえば、AAタイル、BBタイル、SSタイルおよびVWタイルの商品名はビニル床タイルであり、LN材の商品名はリノリウムであり、GGカーペットおよびSYカーペットの商品名はカーペット・タイルである。
【0076】
商品名ごとの混同色の欄には、後述のように商品検索ボタン41が押されて商品名を指定した後に上述の混同色の検索が行われた場合に、指定された商品名の商品に含まれる製品の中から混同色の製品情報等が表示される。
【0077】
図8に戻って、絞り込みボタン48が押されると(図8ステップ73でYES)、混同色表示ウインドウ30上に商品選択ウインドウ(第2の商品名指定手段の一例である)が表示される。
【0078】
図13は商品選択ウインドウ90の一例である。
【0079】
商品選択ウインドウ90には、クライアント・コンピュータ1において取り扱いができる商品名が一覧で表示されている。これらの商品名の左側にはチェック・ボックス91が形成されている。また、商品選択ウインドウ90内の右下には決定ボタン92が形成されている。
【0080】
チェック・ボックス91(第2の商品名指定手段の一例である)を入力装置8に含まれるマウスを用いてチェックし、かつ決定ボタン92が押されることにより商品が選択される(図8ステップ75、76)。
【0081】
商品が選択されると、選択された商品に含まれる製品について、上述のように色弱者が混同する色をもつ製品情報、その製品の色が検索結果テーブルの商品名ごとの混同色の欄(第2の製品情報報知手段の一例である)に表示される(図8ステップ76)。
【0082】
商品選択ウインドウ90によって選択された商品としてカーペット・タイルが選択されたものとする。すると、図14を参照して、商品名ごとの混同色の欄には、選択された商品名としてカーペット・タイルの文字列が表示され、P型混同色、D型混同色およびP&D型混同色の混同色ごとに、指定された色と混同する色をもち、かつ指定した商品に含まれる製品についての製品情報およびその製品の色がカラー表示される(カラー表示されている様子はハッチングで示されている)。
【0083】
絞り込みボタンが押されなければ(図8ステップ73でNO)、ステップ74から76の処理はスキップされる。
【0084】
XYZ値表示ボタン47が押されると(図9ステップ77でYES)、図15を参照して製品名および製品番号の代わりに、その製品の色を表すX値、Y値およびZ値が表示される(図9ステップ78)。これらのX値、Y値およびZ値は製品データ・ベース(図2参照)から見つけることができる。XYZ値表示ボタン47が押されなければ(図9ステップ77でNO)、ステップ78の処理はスキップされる。
【0085】
製品名表示ボタン46が押されると(図9ステップ79でYES)、X値、Y値およびZ値が表示されていた製品について図14に示すように製品名および製品番号が表示されるようになる(図9ステップ80)。製品名表示ボタン46が押されなければ(図9ステップ79でNO)、ステップ80の処理はスキップされる。
【0086】
図11に示すように製品名一覧表示領域52に表示されている製品名一覧の中から、所望の製品として「AAタイル」が選択されたものとする。すると、「AAタイル」の製品の中から上述した混同色の検索処理が行われる。この結果、図16に示すように、選択された「AAタイル」のうち、指定された色と混同する色をもつ「AAタイル」についての製品名および製品番号の製品情報が検索結果テーブルに表示されるようになる。図16の検索結果テーブルの上には、指定された色と混同する色をもつ「AAタイル」についての製品名および製品番号の製品情報が検索結果テーブルに表示されていることを示すように、「製品名で絞り込み:AAタイル」という文字列が表示されている。
【0087】
上述したように指定用色チャート表示領域31の中から色を指定して指定した色の混同色を見つけるのではなく、最初に商品を指定することもできる。
【0088】
図6に戻って、指定用色チャート表示領域31の中から色が指定されずに(図6ステップ62でNO)、商品検索ボタン41が押されると(図6ステップ81でYES)、図13に示す商品選択ウインドウ90が混同色表示ウインドウ30上に表示される(図6ステップ82)。ユーザは、商品選択ウインドウ90の商品名(第1の商品名の一例である)の横に形成されているチェック・ボックス91(第1の商品名指定手段の一例である)をチェックし、かつ決定ボタン92を押すことにより所望の商品を選択する(図6ステップ83)。
【0089】
選択された商品についての製品情報などが製品データ・ベース(図2参照)から見つけられ(図6ステップ84)、見つけられた製品情報が製品情報一覧表示領域51に表示される(図6ステップ85)。たとえば、商品として「カーペット・タイル」が選択されたとすると、製品情報一覧表示領域51には、図17に示すような製品情報テーブルが表示される。
【0090】
図17に示す製品情報テーブルには、選択された「カーペット・タイル」についての製品情報などが格納されている。このような「カーペット・タイル」について、製品の色の中から所望の色が指定され、上述したのと同様に指定された製品の色と混同する色をもつ製品情報、色などが色弱者のタイプごとに見つけられる。
【0091】
図18は、カラー・チャートの一例である。
【0092】
カラー・チャート100(混同色報知手段の一例である)には、多数のブロック101が含まれている。これらの多数のブロック101の一つずつが異なる一つの色を示している。方向または方向にあるブロック101になるにつれ色が徐々に変化していく。
【0093】
ブロック101a、101bおよび101cを第1のフレーム102、103および104が囲んでいる。また、ブロック101dを第2のフレーム105が囲んでいる。
【0094】
たとえば、XYZ値表示ボタン47の代わり、またはXYZ値表示ボタン47に加えてカラー・チャート表示ボタンを混同色表示ウインドウ30に設け、カラー・チャート表示ボタンが押されたことにより、図18に示すカラー・チャート100を表示するようにしてもよい。
【0095】
この場合、たとえば、ユーザが指定した色に対応する色(同じとみなせる色を含む)を第2のフレーム105で囲み、ユーザが指定した色に対して色弱者が混同する色(同じとみなせる色を含む)を第1のフレーム102など囲むようにしてもよい。色弱者が混同する色を囲む第1のフレーム102などの形状は、色弱者のタイプごとに変えてもよい。たとえば、P型の色弱者が混同する色をブロック101aが表し、D型の色弱者が混同する色をブロック101bが表していたとすると、ブロック101aを囲む第1のフレーム102とブロック101bを囲む第1のフレーム103との形状を変える。もちろん、第1のフレーム102と103との形状を変えずに文字、記号などを第1のフレーム102と103の近くに表示するようにしてもよい。いずれにしても、タイプが異なる色弱者ごとに色弱者が混同する色が分かるように混同する色を区別できるようにすればよい。
【0096】
図19から図23は、他の実施例を示すもので、製品情報報知システムの実施例を示している。
【0097】
図19は、製品情報報知システムの概要を示している。
【0098】
製品情報報知システムには、クライアント・コンピュータ1と混同色検索サーバ120とが含まれている。これらのクライアント・コンピュータ1と混同色検索サーバ120とはインターネット(他のネットワークでもよい)を介して互いに通信可能である。
【0099】
クライアント・コンピュータ1の電気的構成は、図1に示すものと同じであるが、別の電気的構成であってもよい。製品情報報知システムを構成するクライアント・コンピュータ1の動作プログラムもCD10に格納されていてCD10から読み取られたクライアント・コンピュータ1にインストールされてもよいし、インターネットなどのネットワークを介して通信装置12において受信してクライアント・コンピュータ1にインストールされてもよい。
【0100】
図20は、混同色検索サーバ120の電気的構成を示すブロック図である。
【0101】
混同色検索サーバ120の全体の動作は、CPU(central processing unit)121によって統括される。
【0102】
混同色検索サーバ120には、データ等を一時的に記憶するメモリ122、データ、プログラムなどを記憶するハード・ディスク124、ハード・ディスク124に記録されているデータ等を読み取り、かつデータ等をハード・ディスク124に書き込むハード・ディスク・ドライブ123が含まれている。
【0103】
また、混同色検索サーバ120には、キーボード(図示略)などの入力装置125、インターネットなどのネットワークと通信するための通信装置127、通信装置127を制御する通信制御装置126が含まれている。さらに、混同色検索サーバ120には、データ、プログラムなどが格納されているコンパクト・ディスク129からデータ等を読み取るためのコンパクト・ディスク・ドライブ128も設けられている。
【0104】
混同色検索サーバ120のハード・ディスク124には、図2に示す製品データ・ベース、図3および図4に示す混同線21および22上のデータが格納されている。これらの製品データ・ベースおよび混同線21および22上のデータは、クライアント・コンピュータ1が製品情報システムを構成するものとなる場合にはクライアント・コンピュータ1のハード・ディスク7に格納されていても格納されていなくてもよい。
【0105】
混同色検索サーバ120の動作プログラムはコンパクト・ディスク129に格納されており、コンパクト・ディスク・ドライブによって動作プログラムが読み取られることにより混同色検索サーバ120にインストールされる。もちろん、混同色検索サーバ120の動作プログラムは、インターネットなどのようなネットワークを介して通信装置127において受信し、混同色検索サーバ120にインストールされてもよい。
【0106】
図21から図23は、製品情報システムの処理手順を示すフローチャートである。
【0107】
クライアント・コンピュータ1が混同色検索サーバ120にアクセスすると、混同色検索サーバ120からクライアント・コンピュータ1に、図5に示す混同色表示ウインドウ30を表示するために必要なデータが送信される。このデータがクライアント・コンピュータ1において受信されると、クライアント・コンピュータ1の表示装置4の表示画面には図5に示す混同色表示ウインドウ30が表示される(図21ステップ131)。
【0108】
混同色表示ウインドウ30に含まれる指定用色チャート表示領域31に含まれるボタン32aなどを用いてユーザによって色が指定されると(図21ステップ132でYES)、指定された色を特定するデータがクライアント・コンピュータ1から混同色検索サーバ120に送信される(図21ステップ133)。
【0109】
混同色検索サーバ120においてクライアント・コンピュータ1から送信された色を特定するデータが受信されると(図22ステップ151でYES)、混同色検索サーバ120のハード・ディスク7に格納されている製品データ・ベースの中から、指定された色をもつ製品についての製品情報など(商品名、製品名、製品番号、XYZ値、色の名前)が混同色検索サーバ120のCPU2によって見つけられる(図22ステップ152)。見つけられた製品情報などを表すデータ(第1の製品情報を表すデータ、第1の製品の色を表すデータの一例である)が通信装置127(第1の製品情報データ送信手段、第1の色データ送信手段の一例である)によって混同色検索サーバ120からクライアント・コンピュータ1に送信される(図22ステップ151)。
【0110】
混同色検索サーバ120から送信された製品情報などを表すデータがクライアント・コンピュータ1の通信装置12(第1の受信手段の一例である)において受信されると(図22ステップ134でYES)、クライアント・コンピュータ1の表示装置4の表示画面に表示されている混同色表示ウインドウ30の製品情報一覧表示領域51(第1の製品情報報知手段の一例である)に図10に示すような製品情報テーブルが表示される(図22ステップ135)。製品情報一覧表示領域51(製品情報テーブル)に表示されている製品の色(第1の製品の色の一例である)の中からユーザが使用したい製品の色が入力装置8(第1の色指定手段の一例である)に含まれるマウスなどによって指定される(図22ステップ136)。
【0111】
クライアント・コンピュータ1のユーザによって選択確認ボタン43が押されると(図22ステップ137でYES)、図11に示す製品名一覧表示領域52に表示されている製品名の中からチェック・ボックス52bにチェックされている製品名がクライアント・コンピュータ1のメモリ5に記憶される(図22ステップ138)。また、混同色表示ウインドウ30に含まれている選択解除ボタン44が押されると(図23ステップ139でYES)、製品名一覧表示領域52のチェック・ボックス52bのチェックが解除される(図23ステップ140)。
【0112】
混同色表示ウインドウ30に含まれる混同色検索ボタン45が押されると(図23ステップ141でYES)、ユーザによって指定された色などのデータ(指定された色のX値、Y値、Z値を表すデータ、製品名一覧表示領域52のチェック・ボックス52bがチェックされている製品を表すデータなど。第1の色を表すデータの一例である)が通信装置12(第2の色データ送信手段の一例である)によってクライアント・コンピュータ1から混同色検索サーバ120に送信される(図23ステップ142)。
【0113】
ユーザによって指定された色などのデータが混同色検索サーバ120において受信されると(図23ステップ154でYES)、図3および図4に示すような混同線21および22のデータなどにもとづいて、指定された色と混同する色をもつ製品情報(第2の製品情報)、色などの情報がCPU121(製品情報検索手段の一例である)によって製品データ・ベースから見つけられる(図23ステップ155)。見つけられた製品情報を表すデータ、色(X値、Y値、Z値)を表すデータなどが通信装置127(第2の製品情報データ送信手段の一例である)によって混同色検索サーバ120からクライアント・コンピュータ1に送信される(図23ステップ156)。
【0114】
混同色検索サーバ120から送信された製品情報を表すデータ、色を表すデータなどがクライアント・コンピュータ1の通信装置12(第2の受信手段の一例である)において受信されると(図23ステップ143でYES)、図8ステップ72の処理に移行し、製品情報一覧表示領域(製品情報テーブル)の中から指定された色と、色弱者が混同する色をもつ製品情報、その色が図12に示すように検索結果表示領域53(第2の製品情報報知手段の一例である)に表示される(図8ステップ72)。その後の処理は、図8ステップ73以降の処理と同様である。
【0115】
上述した実施例においては、ユーザが指定した色に対して色弱者が混同する色をもつ製品を色弱者のタイプごとに知らせているが、色弱者が混同しない色をもつ製品を色弱者のタイプごとに知らせるようにしてもよい。色弱者が混同しない色をもつ製品を色弱者のタイプごとに知らせる場合には、P型の色弱者の場合にはユーザが指定した色が図3に示す混同線21上に存在するときにはその指定した色が存在する混同線21上に存在する色以外の色をもつ製品を知らせればよい(ユーザが指定した色が混同線21上に無い場合にはP型色弱者が混同する色は無い)。D型の色弱者の場合にはユーザが指定した色が図4に示す混同線22上に存在するときにはその指定した色が存在する混同線22上に存在する色以外の色をもつ製品を知らせればよい(ユーザが指定した色が混同線22上に無い場合にはD型色弱者が混同する色は無い)。
【0116】
上述の処理を実行する処理部には,ソフトウエアを実行して各種の処理部として機能するCPU2、121のほかに,FPGA(field-programmable gate array)などのように製造後に回路構成を変更可能なプログラマブル・ロジック・ディバイス,ASIC(application specific integrated circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0117】
1つの処理部は,これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし,同種または異種の2つ以上のプロセッサの組合せ(たとえば,複数のFPGA,CPUとFPGAの組合せ)で構成されてもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては,第1に,クライアント・コンピュータやサーバなどのコンピュータに代表されるように,1つ以上のCPUとソフトウエアの組合せで1つのプロセッサを構成し,このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に,システム・オン・チップなどに代表されるように,複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(integrated circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように,各種の処理部は,ハードウエア的な構造として各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0118】
さらに,これらの各種のプロセッサのハードウエア的な構造は,より具体的には,半導体素子などの回路素子を組合せた電気回路である。
【符号の説明】
【0119】
1:クライアント・コンピュータ、2:CPU、3:表示制御装置、4:表示装置、5:メモリ、6:ハード・ディスク・ドライブ、7:ハード・ディスク、8:入力装置、9:CDドライブ、10:コンパクト・ディスク、11:通信制御装置、12:通信装置、20:領域、21:混同線、21a:混同線、22:混同線、22a:混同線、30:混同色表示ウインドウ、31:指定用色チャート表示領域、32:赤ボタン表示領域、32a:明るい赤ボタン、32b:赤ボタン、32c:暗い赤ボタン、33:ピンク・ボタン表示領域、33a:明るいピンク・ボタン、33b:ピンク・ボタン、33c:暗いピンク・ボタン、34:オレンジ・ボタン表示領域、34a:明るいオレンジ・ボタン、34b:オレンジ・ボタン、34c:暗いオレンジ・ボタン、35:茶色ボタン表示領域、35a:明るい茶色ボタン、35b:茶色ボタン、35c:暗い茶色ボタン、36:黄色ボタン表示領域、36a:明るい黄色ボタン、36b:黄色ボタン、36c:暗い黄色ボタン、37:緑ボタン表示領域、37a:明るい緑ボタン、37b:緑ボタン、37c:暗い緑ボタン、38:青ボタン表示領域。38a:明るい青ボタン、38b:青ボタン、38c:暗い青ボタン、40:ボタン類表示領域、41:商品検索ボタン、42:製品情報表示領域、43:選択確認ボタン、44:選択解除ボタン、45:混同色検索ボタン、46:製品名表示ボタン、47:XYZ値表示ボタン、48:絞り込みボタン、51:製品情報一覧表示領域、52:製品名一覧表示領域、52a:製品名表示領域、52b:チェック・ボックス、53:検索結果表示領域、90:商品選択ウインドウ、91:チェック・ボックス、92:決定ボタン、100:カラー・チャート、101:ブロック、101a:ブロック、101b:ブロック、101d:ブロック、102-104:第1のフレーム、105:第2のフレーム、120:混同色検索サーバ、121:CPU、122:メモリ、123:ハード・ディスク・ドライブ、124:ハード・ディスク、125:入力装置、126:通信制御装置、127:通信装置、128:コンパクト・ディスク・ドライブ、129:コンパクト・ディスク
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