(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5513 20060101AFI20241021BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20241021BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20241021BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
A61K31/5513
A61P1/00
A61P1/04
A61P29/00
(21)【出願番号】P 2022512485
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(86)【国際出願番号】 IB2020053313
(87)【国際公開番号】W WO2021198745
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】102020000006625
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日(発行日) 2019年4月10日 <ウェブサイトのアドレス:https://etd.adm.unipi.it/t/etd-03212019-135621/> <資 料> ウェブサイトのプリントアウト
(73)【特許権者】
【識別番号】519437098
【氏名又は名称】ウニベルシタ ディ ピサ
(73)【特許権者】
【識別番号】000228590
【氏名又は名称】日本ケミファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【氏名又は名称】加藤 広之
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】アントニオーリ ルーカ
(72)【発明者】
【氏名】フォルナイ マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】ペッレグリーニ カロリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ブランディッツィ コッラード
【審査官】菊池 美香
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-521308(JP,A)
【文献】国際公開第2018/104305(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/093061(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/105608(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/005467(WO,A1)
【文献】SCIENTIFIC REPORTS,2016年,6:32461,pp. 1-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/5513
A61P 1/00
A61P 1/04
A61P 29/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
P2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬
であって、
前記化合物が5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオンである、医薬。
【請求項2】
P2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬であって、
前記化合物が5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオンである、医薬。
【請求項3】
前記炎症性
腸疾患がクローン病又は潰瘍性大腸炎である請求項1
又は2に記載の医薬。
【請求項4】
前記炎症性腸疾患の予防又は治療が、前記炎症性腸疾患の寛解導入療法又は寛解維持療法である請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項5】
前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少のために用いられる請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項6】
前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少のために用いられる請求項1ないし
5のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項7】
前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における組織学的損傷、粘膜壊死又は細胞浸潤の抑制又は減少のために用いられる請求項1ないし
6のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項8】
前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における粘膜の保護又は維持のために用いられる請求項1ないし
7のいずれか1項に記載の医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過敏性腸症候群及び炎症性腸疾患に対する予防又は治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)とは、機能性消化管疾患の代表疾患であり、その中核となる症状は、腹痛あるいは腹部不快感とそれに関連した下痢、便秘などの排便習慣の変化を伴う慢性疾患である。過敏性腸症候群の症状は、精神的な要因やストレスによって悪化したりする。その症状は、RomeIII診断基準によれば、下痢型、便秘型、下痢型と便秘型の両者の特徴を併せ持つ混合型、いずれも満たさない分類不能型に分類され、それらは便形状(全体の25%以上)に従ってIBSを下位分類することが提唱されている。
【0003】
過敏性腸症候群の薬物治療は、例えば、下痢型に対して三環系抗うつ薬は有効とされるが、眠気や便秘・口渇などの副作用が生じやすい。便秘優位型の過敏性腸症候群に対する薬剤としては、海外では5-HT3拮抗薬が使用されている。また腹痛や便秘において、海外では、5-HT4受容体刺激薬や5-HT4受容体刺激薬と5-HT3受容体刺激薬の作用を持つ薬剤が有効とされる。しかしながら、5-HT系列の薬物は副作用があることからその使用が制限されている。そのため現在まで過敏性腸症候群に対する薬物療法は非常に制限的である(非特許文献1)。
【0004】
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)は、腸管に慢性・再発性の炎症を引き起こすことを特徴とする多因子免疫障害である。炎症性腸疾患は、クローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)に大別され、単純性潰瘍,非特異的多発性小腸潰瘍症などを狭義の炎症性腸疾患として呼称される場合がある(非特許文献2)。
クローン病と潰瘍性大腸炎は、臨床的には下痢、血便、腹痛などの同様の症状を共有しているが、現在、炎症性腸疾患の病因は不明である。
【0005】
しかし、特定の環境要因が遺伝的に影響を受けやすい宿主を誘発すると、免疫系の妨害及び/又は微生物との不均衡な相互作用が慢性腸炎の発症につながると考えられている。これまで、Th1細胞は、特にクローン病において、腸の慢性の炎症に関連する病因において重要な役割を果たすと考えられ、Th2細胞は潰瘍性大腸炎で重要な役割を果たすと考えられている。
また近年、Th17細胞の活性化とTh17/調節性T(Treg)細胞の不均衡が、腸の炎症の発生における重要な要素であると認識されている(非特許文献3)。
炎症性腸疾患の発生率が高く増加している原因の一つに、従来の薬物(コルチコステロイド、免疫抑制剤、及びサリチル酸塩)では有効性及び/又は安全性が乏しいことを挙げることができる。他の治療の選択肢としては、バイオテクノロジー薬による治療が挙げられるが、前記治療はある程度の効果を発揮するが、重篤な副作用を伴うことも特徴である。
【0006】
そのため、IBDの薬理学的治療に満足できるものはなく、現在、有益な利益/リスクプロファイルが得られる新薬を探す取り組みが進行中である(非特許文献4)。
【0007】
そのような状況において、長年にわたって免疫/炎症反応の形成に関し、ATPが重要な役割を果たす証拠が数多く報告されている。これらの報告から、P2X4受容体は、そのようなATP調節活性の媒介に関与することが明らかになった。特に、P2X4受容体は、IL-1βやIL-18などの炎症誘発性サイトカインの放出を持続させる炎症誘発性反応を持続する。さらに、虚血後炎症、関節リウマチ、喘息の気道炎症、神経変性疾患、さらにはメタボリックシンドロームなど、複数の免疫/炎症性病態へのP2X4の関与を示すいくつかの証拠がある(非特許文献5乃至7)。
【0008】
以上のとおり、非特許文献1乃至7から従来の薬物や治療は、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療薬としても使用され得るものであるが、効果が乏しいか、なんらかの副作用を起こし得ることが知られ、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療薬として有効なものではない。
【0009】
特許文献1においては、P2X4受容体アンタゴニストの記載がある。
しかしながら、特許文献1において実施例に記載のある化合物は、例えば、ParoxetineやFluoxetine等の選択的セロトニン再取り込み阻害剤であり、ベンゾジアゼピン誘導体化合物である本願化合物とは全く異なる構造である。また、神経損傷(L5脊髄神経損傷モデル)を施した神経因性疼痛病態モデルを用いた実験結果のみが示され、P2X4受容体アンタゴニストに過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療効果があることは判っていない。
【0010】
また特許文献2においても、P2X4受容体拮抗作用を示す化合物の記載があるが、特許文献1と同様に、神経因性疼痛モデルによる効果が示されているだけであり、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療効果があることは不明である。
【0011】
また、本願出願人は、その他にP2X4受容体拮抗剤に関する特許出願を特許文献3乃至9のとおり行っているが、いずれの出願も、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療効果があることは不明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】国際公開2008/020651
【文献】国際公開2010/093061
【文献】国際公開2008/023847
【文献】国際公開2012/008478
【文献】国際公開2012/014910
【文献】国際公開2012/017876
【文献】国際公開2013/105608
【文献】国際公開2015/005468
【文献】国際公開2015/005467
【非特許文献】
【0013】
【文献】日本消化器病学会 機能性消化管疾患診療ガイドライン2014_過敏性腸症候群(IBS)
【文献】日本内科学会雑誌 98(1),5-11,2009-01-10
【文献】Kim DH and Cheon JH(2017)Pathogenesis of Inflammatory Bowel Disease and Recent Advances in Biologic Therapies.Immune network 17:25-40.
【文献】Katz S(2007)“Mind the Gap”:an unmet need for new therapy in IBD.Journal of clinical gastroenterology 41:799-809.
【文献】Kawano A,Tsukimoto M,Mori D,Noguchi T,Harada H,Takenouchi T,Kitani H and Kojima S(2012)Regulation of P2X7-dependent inflammatory functions by P2X4 receptor in mouse macrophages.Biochemical and biophysical research communications 420:102-107.
【文献】Sakaki H,Fujiwaki T,Tsukimoto M,Kawano A,Harada H and Kojima S(2013)P2X4 receptor regulates P2X7 receptor-dependent IL-1beta and IL-18 release in mouse bone marrow-derived dendritic cells.Biochemical and biophysical research communications 432:406-411.
【文献】Suurvali J,Boudinot P,Kanellopoulos J and Ruutel Boudinot S(2017)P2X4:A fast and sensitive purinergic receptor.Biomedical journal 40:245-256.
【文献】Antonioli L,et al.Inhibition of Adenosine Deaminase Attenuates Inflammation in Experimental Colitis.J Pharmacol Exp Ther.2007;322(2):435-42
【文献】Antonioli L,et al.The Blockade of Adenosine Deaminase Ameliorates Chronic Experimental Colitis through the Recruitment of Adenosine A▲2A▼ and A▲3▼ Receptors.J Pharmacol Exp Ther.2010;335(2):434-42
【文献】Pellegrini C,et al.Front Pharmacol.2018;9:1405
【文献】JOHN L. Wallace and CATHERINE M.Keenan.An orally active inhibitor of leukotriene synthesis accelerates healing in a rat model of colitis.The American journal of physiology 1990;258(4 Pt 1):G527-34.
【文献】Fornai M et al.Differential Role of Cyclooxygenase 1 and 2 Isoforms in the Modulation of Colonic Neuromuscular Function in Experimental Inflammation.J Pharmacol Exp Ther.2006;317(3):938-45.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、P2X4受容体アンタゴニスト作用を有する一般式(A)乃至(BII)で表される化合物が、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患に対する予防又は治療に有用であることを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
すなわち、本発明により、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防及び/又は治療のための医薬であって、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬が提供される。
【0017】
P2X4受容体拮抗作用を有する化合物としては、例えば、下記の一般式(A)乃至(BII)で表される化合物を用いることができる。より好ましくは、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物として、下記の一般式(BI)又は(BII)で表される化合物を用いることができる。
【0018】
本発明の医薬は、例えば過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療、特には前記炎症性腸疾患におけるクローン病の予防又は治療、又は前記炎症性腸疾患における潰瘍性大腸炎の予防及又は治療のために用いることができる。さらには、例えば炎症性腸疾患における寛解導入療法又は寛解維持療法のために用いることができる。さらには、例えばクローン病又は潰瘍性大腸炎における寛解導入療法又は寛解維持療法のために用いることができる。
さらには、例えば過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少のために用いることができる。さらには、例えば過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少のために用いることができる。
さらには、例えば過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における組織学的損傷の抑制又は減少のために用いることができる。さらには、例えば過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜壊死の抑制又は減少のために用いることができる。さらには、例えば過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における細胞浸潤の抑制又は減少のために用いることができる。さらには、例えば過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜の保護又は維持のために用いることができる。
【0019】
別の観点からは、本発明により、上記の医薬の製造のためのP2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩の使用;及び過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療方法、特には前記炎症性腸疾患におけるクローン病の予防又は治療方法、又は前記炎症性腸疾患における潰瘍性大腸炎の予防又は治療方法、又は炎症性腸疾患における寛解導入療法又は寛解維持療法、又はクローン病又は潰瘍性大腸炎における寛解導入療法又は寛解維持療法、又は過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少のための過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療方法、又は過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少のための過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療方法、又は過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における組織学的損傷の抑制又は減少のための過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療方法、又は過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜壊死の抑制又は減少のための過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療方法、又は過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における細胞浸潤の抑制又は減少のため過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療方法、又は過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜の保護又は維持のための過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療方法であって、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物又はその薬学的に許容される塩の予防又は治療有効量を、ヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の医薬は、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として有用であり、特には前記炎症性腸疾患におけるクローン病の予防又は治療のための医薬、又は前記炎症性腸疾患における潰瘍性大腸炎の予防又は治療のための医薬として有用であり、さらには、例えば炎症性腸疾患における寛解導入療法又は寛解維持療法のための医薬として有用であり、クローン病又は潰瘍性大腸炎における寛解導入療法又は寛解維持療法のための医薬として有用であり、さらには、例えば過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少のための医薬として有用であり、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少のための医薬として有用であり、さらには、例えば過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における組織学的損傷の抑制又は減少のための医薬として有用であり、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜壊死の抑制又は減少のための医薬として有用であり、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における細胞浸潤の抑制又は減少のための医薬として有用であり、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜の保護又は維持のための医薬として有用あり、それぞれ高い有効性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】対照ラットとDNBS誘発大腸炎モデルにおいて(A)体重と(B)膵臓の重量の増減を比較し、さらに前記モデルと前記対照ラットに化合物Aを経口投与した場合と、前記モデルと前記モデルに化合物A又はデキサメタゾンを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図2】対照ラットとDNBS誘発大腸炎モデルにおいて結腸組織の巨視的損傷を比較し、さらに前記モデルと前記対照ラットに化合物Aを経口投与した場合と、前記モデルと前記モデルに化合物A又はデキサメタゾンを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図3】対照ラットとDNBS誘発大腸炎モデルにおいて結腸組織の微視的損傷(組織学的損傷)を比較し、さらに前記モデルと前記対照ラットに化合物Aを経口投与した場合と、前記モデルと前記モデルに化合物A又はデキサメタゾンを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図4】対照ラットの結腸組織とDNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織の炎症性サイトカイン(A)TNFと(B)インターロイキン-1βとの関連性を比較し、さらに前記モデルと前記対照ラットに化合物Aを経口投与した場合と、前記モデルと前記モデルに化合物A又はデキサメタゾンを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図5】対照ラットの結腸組織とDNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織のオクルディンに対する発現効果を比較し、さらに前記モデルと前記モデルに化合物Aを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図6】対照ラットの結腸組織とDNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織の(A)プロカスパーゼ-1の発現効果と(B)カスパーゼ-1の発現効果を比較し、さらに前記モデルと前記モデルに化合物Aを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図7】対照ラットとDNBS誘発大腸炎モデルにおいて(A)体重と(B)膵臓の重量の増減を比較し、さらに前記モデルと前記対照ラットに化合物Bを経口投与した場合と、前記モデルと前記モデルに化合物B又はデキサメタゾンを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図8】対照ラットとDNBS誘発大腸炎モデルにおいて結腸組織の巨視的損傷を比較し、さらに前記モデルと前記対照ラットに化合物Bを経口投与した場合と、前記モデルと前記モデルに化合物B又はデキサメタゾンを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図9】対照ラット、DNBS誘発大腸炎モデル、及び化合物B又はデキサメタゾンを経口投与した前記モデルにおいて結腸組織の微視的損傷(組織学的損傷)結腸標本の組織学的検査によって比較した図である。
【
図10】対照ラットとDNBS誘発大腸炎モデルにおいて結腸組織の微視的損傷(組織学的損傷)を比較し、さらに前記モデルと前記対照ラットに化合物Bを経口投与した場合と、前記モデルと前記モデルに化合物B又はデキサメタゾンを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図11】対照ラットの結腸組織とDNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織の炎症性サイトカイン(A)TNFと(B)インターロイキン-1βとの関連性を比較し、さらに前記モデルと前記対照ラットに化合物Bを経口投与した場合と、前記モデルと前記モデルに化合物B又はデキサメタゾンを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図12】対照ラットの結腸組織とDNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織のオクルディン発現効果を比較し、さらに前記モデルと前記モデルに化合物Bを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。
【
図13】対照ラットの結腸組織とDNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織の(A)プロカスパーゼ-1の発現効果と(B)カスパーゼ-1の発現効果を比較し、さらに前記モデルと前記モデルに化合物Bを経口投与した場合とについても同様の比較を示した図である。 なお、
図1ないし
図8及び
図10ないし
図13の図面中の「*」は、対照ラットと比較した結果、有意差(P<0.05)があることを示し、「a」はDNBS誘発大腸炎モデルと比較した結果、有意差(P<0.05)があることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の医薬は、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として用いることができるが、下記の用途のための医薬としても用いることができる。
本発明の医薬は、前記炎症性腸疾患がクローン病又は潰瘍性大腸炎の予防及又は治療のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記炎症性腸疾患における寛解導入療法又は寛解維持療法のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記クローン病又は前記潰瘍性大腸炎における寛解導入療法又は寛解維持療法のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における組織学的損傷の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における粘膜壊死の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における細胞浸潤の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における粘膜の保護又は維持のための医薬として用いることができる。
【0023】
別の側面として、本発明の医薬は、下記の用途のための医薬としても用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における癒着又は潰瘍を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における貫壁性炎症領域の発現を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療ための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における組織学的損傷を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における粘膜の壊死又は損傷を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における細胞浸潤を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、炎症性サイトカインの増加を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、インターロイキン-1βの増加を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、結腸の損傷及び炎症性サイトカインの増加を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、結腸の損傷及びインターロイキン-1βの増加を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬として用いることができる。
【0024】
本明細書において、「予防」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患の発症を未然に防止すること、及びそのための行為又は手段を含む概念である。
本明細書において、「治療」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患を、消失、完治、治癒又は寛解させること、及びそのための行為又は手段を含み、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患の悪化を抑制すること、及びそのための行為又は手段を含み、また、改善を含む概念である。ここで、「改善」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患を、「健常な」又は「正常な」状態に近づけること又はそのための行為若しくは手段、及び「健常な」又は「正常な」状態にすること又はそのための行為若しくは手段を含む概念である。したがって、1つの実施態様において、「改善」とは、「病的な」又は「異常な」症状又は状態の指標となる数値が、前記「改善」に従って、小さくなるか、又は大きくなって、正常な値に近づくか、又は正常な値となることを含む。また、「抑制」とは、症状、状態又は疾患の悪化又は進行を、停止又は減速させること、及びそのためのことを含み、また、前記症状、状態又は疾患を改善すること、又はそのための行為若しくは手段を含む概念である。ここで、「改善」とは前記の意味を有する。前記「症状、状態又は疾患の悪化又は進行」は、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患の悪化又は進行、及び「健常な」又は「正常な」状態から、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患への悪化又は進行を含む。1つの実施態様において、「抑制」とは、症状、状態又は疾患の悪化又は進行を、停止又は減速させること、又はそのための行為若しくは手段である。別の実施態様において、「抑制」とは、症状、状態又は疾患の悪化又は進行を、停止又は減速させることである。
【0025】
1つの実施態様において、「治療」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患を、消失、完治、治癒又は寛解させること、及びそのための行為又は手段である。別の実施態様において、「治療」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患を、消失、完治、治癒又は寛解させることである。 本明細書において、「寛解導入療法」とは、「病的な」又は「異常な」症状、状態又は疾患の発現又は悪化、特に悪化の急性期において、前記症状、状態又は疾患の寛解のために行われる治療方法を意味する。また、「寛解維持療法」とは、前記症状、状態又は疾患の寛解の状態を維持するため、又は前記症状、状態又は疾患の再燃を予防するために行われる治療方法を意味する。1つの実施態様において、「寛解導入療法」は、過敏性腸症候群若しくは炎症性腸疾患、又はそれらに伴う症状の寛解のために行われる治療方法であり、「寛解維持療法」は、過敏性腸症候群若しくは炎症性腸疾患、又はそれらに伴う症状の寛解の状態を維持するため、又は過敏性腸症候群若しくは炎症性腸疾患、又はそれらに伴う症状の再燃を予防するために行われる治療方法を意味する。
本明細書において、「粘膜の保護」とは、正常な粘膜の組織若しくは機能の維持若しくは保全、又は粘膜の組織若しくは機能の損傷若しくは障害の抑制を意味する。ここで抑制とは、前記の意味を有する。「粘膜の維持」とは、正常な粘膜の組織若しくは機能の保全、又は粘膜の組織若しくは機能の悪化の抑制を意味する。ここで抑制とは、前記の意味を有する。
本明細書において、前記症状、状態若しくは疾患若しくはそれらの指標となる数値、又は粘膜の組織の状態若しくは機能は、本発明が提供する医薬の投与前と投与後で比較するか、又はプラセボ若しくは本発明が提供する医薬を含まないコントロールの投与群と本発明が提供する医薬の投与群とを比較して評価され得る。
本明細書において、「抑制」とは、生体内物資量の増加を停止又は減速させる意味で使用され得る。
本明細書において、「大腸の組織の健全性の維持」とは、正常な大腸の組織若しくはその機能の維持若しくは保全、又は大腸の組織若しくはその機能の損傷若しくは障害の抑制を意味する。ここで抑制とは、前記の意味を有する。「貢献」とは、ある状態や機能から目的とする状態や機能にするために力を発揮することをいう。1つの実施態様において、「大腸の組織の健全性を維持する働きに貢献する」とは、大腸組織が何らかのダメージを負い、損傷等されている状態やその機能を、大腸組織の正常な状態やその機能とするために力を発揮することをいう。
【0026】
本発明の前記医薬の有効成分としては、下記に示す一般式(A)乃至(BII)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を用いることができる。
下記に示す表中などに用いられる略号は以下のとおりである。Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:n-プロピル基、iPr:イソプロピル基、tBu:tert-ブチル基、Ac:アセチル基、Ph:フェニル基。
下記に示す表中などにおいて、置換基をその置換位置の位置番号とともに記す場合がある。また、化学式において、見かけ上同一の位置番号を区別するため、便宜的に一方の位置番号にプライム「′」を付して表示する場合があるが、化合物名において、一義的に構造を特定し得る限り、前記プライムを用いることなく位置番号を表記することがある。
【0027】
(A-1)下記の一般式(A):
(式中、R
1Aは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基又はフェニル基で置換された炭素数1~3のアルキル基を表し、
R
2A及びR
3Aは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数2~8のアシルアミノ基、炭素数1~8のアルキルスルホニルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、カルバモイル基、炭素数1~8のアルキルチオ基、炭素数1~8のアルキルスルフィニル基、炭素数1~8のアルキルスルホニル基、又はスルファモイル基を表し、
R
4A及びR
5Aは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基又はフェニル基で置換された炭素数1~3のアルキル基を表し、
そして、W
Aは置換基を有していてもよい環構成元素として窒素原子を1~4個含む5又は6員環の複素環を表す。)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0028】
一般式(A)において、R1A、R2A、R3A、R4A及びR5Aの炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基等が挙げられる。
R1Aの炭素数2~8のアルケニル基としては、アリル基等が挙げられる。
R1A、R2A、R3A、R4A及びR5A又はR11A、R12A、R13A、R14A及びR15Aの1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はt-ブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基、クロロメチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基又は2-フルオロエチル基等が挙げられる。
R1A、R4A及びR5Aのフェニル基で置換された炭素数1~3のアルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。
R2A及びR3Aの炭素数1~8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0029】
R2A及びR3Aの1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はt-ブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、2-クロロエトキシ基、2-ブロモエトキシ基又は2-フルオロエトキシ基等が挙げられる。
R2A及びR3Aのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子等が挙げられる。
R2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基等が挙げられる。
R2A及びR3Aの炭素数1~8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
R2A及びR3Aの炭素数2~8のアシルアミノ基としては、アセチルアミノ基が挙げられる。
R2A及びR3Aの1~3のハロゲン原子で置換された炭素数2~8のアシルアミノ基としては、トリフルオロメチルカルボニルアミノ基が挙げられる。
【0030】
R2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ基が挙げられる。
R2A及びR3Aの炭素数2~8のアシル基としては、アセチル基が挙げられる。
R2A及びR3Aのアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数1~8)としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
R2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルチオ基としては、メチルチオ基が挙げられる。
R2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル基が挙げられる。
R2A及びR3Aの炭素数1~8のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基が挙げられる。
【0031】
WAの置換基を有していてもよい環構成元素として窒素原子を1~4個含む5又は6員環の複素環としては、テトラゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピロール、チアゾール、ピリジン、ピロリジンが挙げられる。
WAの置換基を有していてもよい環構成元素として窒素原子を1~4個含む5又は6員環の複素環が有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素数1~8のアルキル基、トリフルオロメチル基等の1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、フッ素原子等のハロゲン原子、シアノ基、オキソ基、チオキソ基等が挙げられる。
一般式(A)中のR2A及びR3Aは、R2A、R3Aが置換しているベンゼン環に、同一又は異なったものが1~3個存在していてもよい。
【0032】
一般式(A)の化合物としては以下に示す化合物が好ましい。
(A-2)WAが置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、オキソ基、チオキソ基から選ばれるものを有していてもよいテトラゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、ピラゾール又はイミダゾールである(A-1)に記載の化合物。
(A-3)WAが置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基から選ばれるものを有していてもよいテトラゾール、1,2,4-トリアゾール又は1,2,3-トリアゾールである(A-1)又は(A-2)に記載の化合物。
(A-4)WAが5-オキソ-1,2,4-オキサジアゾール又は5-チオキソ-1,2,4-オキサジアゾールである(A-1)ないし(A-3)のいずれかに記載の化合物。
(A-5)WAがテトラゾールである(A-1)ないし(A-4)のいずれかに記載の化合物。
【0033】
(A-6)R1Aが水素原子又は炭素数1~8のアルキル基である(A-1)ないし(A-5)のいずれかに記載の化合物。
(A-7)R1Aが水素原子である(A-1)ないし(A-6)のいずれかに記載の化合物。
(A-8)R4Aが水素原子で、R5Aが水素原子又は炭素数1~8のアルキル基である(A-1)ないし(A-7)のいずれかに記載の化合物。
(A-9)R4A及びR5Aが共に水素原子である(A-1)ないし(A-8)のいずれかに記載の化合物。
(A-10)R2Aが水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)である(A-1)ないし(A-9)のいずれかに記載の化合物。
(A-11)R2Aが水素原子である(A-1)ないし(A-10)のいずれかに記載の化合物。
(A-12)R3Aが水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)である(A-1)(A-11)のいずれかに記載の化合物。
(A-13)R3Aが水素原子である(A-1)ないし(A-12)のいずれかに記載の化合物。
一般式(A)で表される化合物の薬学的に許容される塩としては、例えば、一般式(A)のR2A、R3Aがアミノ基等の場合は、塩酸塩等が挙げられる。更に一般式(A)のR2A、R3Aがカルボキシル基の場合は、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0034】
一般式(A)に包含される代表的化合物を以下に示す。
<代表化合物A-100>
(式中、R
1A、R
4A、R
5A及びW
A並びにW
Aの置換位置は表1~3に記載のとおりである。)
表1~3において、W
Aの置換位置は、ベンゼン環上の置換位置を示す。すなわち、表中の2位、3位及び4位は、代表化合物A-100の式中の2′位、3′位及び4′位にそれぞれ対応する。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
<代表化合物A-200>
(式中、R
1A、R
2A、R
4A、R
5A及びW
A並びにW
Aの置換位置は表4及び5に記載のとおり)
表4及び5において、W
Aの置換位置は、ベンゼン環上の置換位置を示す。すなわち、表中の2位、3位及び4位は、代表化合物A-200の式中の2′位、3′位及び4′位にそれぞれ対応する。
【0039】
【0040】
【0041】
<代表化合物A-300>
(式中、R
1A、R
2A、R
3A、R
4A、R
5A及びW
A並びにW
Aの置換位置は表6及び7に記載のとおり)
表6及び7において、W
Aの置換位置は、ベンゼン環上の置換位置を示す。すなわち、表中の3位及び4位は、代表化合物A-300の式中の3′位及び4′位にそれぞれ対応する。
【0042】
【0043】
【0044】
(B-1)次の一般式(BI):
(式中、R
1B及びR
2Bは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、若しくはアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表すか、又は
R
1BとR
2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、テトラヒドロナフタレン環、インダン環、テトラヒドロキノリン環又はテトラヒドロイソキノリン環から選択される縮合環を形成してもよく、そしてR
1BとR
2Bが一緒になって、R
1BとR
2Bがそれぞれ結合している炭素原子からなる環には、1~4個の同一又は異なってもよい炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される置換基で置換されていてもよく、
R
3B及びR
4Bは同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
R
5Bは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
R
6B及びR
7Bは同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基又はアミノ基を表し、
X
BはC、CH又はNを表し、
Y
BはN、NH又はC(=O)を表し、
但し、X
BがNのとき、Y
BはN,NHでなく、
また、X
BがC,CHのとき、Y
BはC(=O)でなく、
実線と破線からなる二重線は、単結合又は二重結合を表し、
Z
Bは酸素原子又は硫黄原子を表し、
A
Bは、置換基として、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ピリミジン環、ナフタレン環、キノリン環、若しくはインドール環を表すか、又は結合手を表し、
B
BはN(R
8B)C(=O)、NHCONH、CON(R
9B)、NHC(=S)NH、N(R
10B)SO
2、SO
2N(R
11B)又はOSO
2を表し、
ここで、R
8B、R
9B、R
10B及びR
11Bは、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
D
Bは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよく、更に二重結合を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン鎖、又は結合手を表し、
E
Bは、O、S、NR
12B、又は結合手を表し、
ここで、R
12Bは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
G
Bは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいオキサゾリル基、又は置換基を有していてもよいチアゾリル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンを表し、
そして、m
Bは0~5の整数を表す。
但し、R
1BとR
2Bが一緒になって環を形成しない場合で、X
BがC、Y
BがNで、実線と破線からなる二重線が二重結合で、Z
Bが酸素原子で、A
Bがベンゼン環で、m
Bが0で、B
BがC(=O)NHで、E
Bが結合手でG
Bがフェニル基の場合を除く。)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0045】
(B-2)下記の一般式(BII):
(式中、
は、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、テトラヒドロナフタレン環、インダン環、テトラヒドロキノリン環又はテトラヒドロイソキノリン環を表し、
そしてこれらの環は1~4個の同一又は異なってもよい炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される置換基で置換されていてもよく、
R
3Ba及びR
4Baは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
R
5Baは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
R
6Ba及びR
7Baは同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表し、
は、置換基として、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基、又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ピリミジン環、ナフタレン環、キノリン環、又はインドール環を表し、
B
BaはN(R
8Ba)C(=O)、NHCONH,CON(R
9Ba)、NHC(=S)NH、N(R
10Ba)SO
2、SO
2N(R
11Ba)、又はOSO
2を表し、
ここで、R
8Ba、R
9Ba、R
10Ba及びR
11Baは、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
E
Baは、O、S、NR
12Ba又は結合手を表し、
ここで、R
12Baは水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)を表し、
G
Baは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいオキサゾリル基、又は置換基を有していてもよいチアゾリル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンを表し、
そして、n
Bは0~5の整数を表す。)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0046】
次に本明細書の一般式(BI)及び(BII)における置換基について説明する。
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基等が挙げられる。
炭素数3~8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数2~8のアルケニル基としては、アリル基等が挙げられる。
炭素数1~8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0047】
1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はt-ブチル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基、クロロメチル基、2-クロロエチル基、2-ブロモエチル基又は2-フルオロエチル基等が挙げられる。
1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基としては、1~3個のフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子により置換されたメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基又はt-ブトキシ基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、2-クロロエトキシ基、2-ブロモエトキシ基又は2-フルオロエトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子等が挙げられる。
【0048】
炭素数1~8のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基等が挙げられる。
炭素数2~8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
炭素数2~8のアシルアミノ基としては、アセチルアミノ基が挙げられる。
炭素数2~8のアシル基としては、アセチル基等が挙げられる。
【0049】
アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)としては、メトキシカルボニル基等が挙げられる。
アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)としては、ベンジル基等が挙げられる。
水酸基で置換された炭素数1~8のアルキル基としては、2-ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
【0050】
炭素数1~6のアルキルスルフィニル基としては、メタンスルフィニル基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルキルチオ基としては、メチルチオ基等が挙げられる。
炭素数1~6のアルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基等が挙げられる。
【0051】
置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基、置換基を有していてもよいイミダゾリル基、置換基を有していてもよいオキサゾリル基及び置換基を有していてもよいチアゾリル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基等が挙げられる。
【0052】
上記一般式(BI)の化合物としては、次に示す化合物が好ましい。
(B-1-1)
R1B及びR2Bが同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいピリジル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である上記(B-1)に記載の化合物。
【0053】
(B-1-2)
R1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環、又はテトラヒドロナフタレン環を形成し、そしてR1BとR2Bが一緒になって、R1BとR2Bがそれぞれ結合している炭素原子から形成されるベンゼン環又はシクロヘキセン環は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよい上記(B-1)又は(B-1-1)に記載の化合物。
(B-1-3)
R1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、そしてR1BとR2Bが一緒になって、R1BとR2Bがそれぞれ結合している炭素原子から形成されるベンゼン環は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよい上記(B-1)又は(B-1-1)に記載の化合物。
(B-1-4)
R1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環、又はテトラヒドロナフタレン環を形成する上記(B-1)又は(B-1-1)に記載の化合物。
【0054】
(B-1-5)
R3B及びR4Bが同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である、上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-4)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-6)
R5Bが水素原子、炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である、(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-5)のいずれかに記載の化合物、前記化合物。
(B-1-7)
R5Bが水素原子である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-6)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-8)
R6B及びR7Bが同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、又は1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-7)のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
(B-1-9)
R6B及びR7Bが共に水素原子である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-8)のいずれかに記載の化合物。
【0055】
(B-1-10)
R3B、R4B、R5B、R6B及びR7Bが水素原子である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-9)のいずれかに記載の化合物。
【0056】
(B-1-11)
XBがNで、YBがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が、単結合である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-10)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-12)
XBがCで、YBがNで、実線と破線からなる二重線が、二重結合である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-11)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-13)
ZBが酸素原子である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-12)のいずれかに記載の化合物。
【0057】
(B-1-14)
ABが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいフェニル基、又はピリジル基である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-13)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-15)
ABが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいフェニル基である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-14)のいずれかに記載の化合物。
【0058】
(B-1-16)
ABがフェニル基、又はピリジル基である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-15)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-17)
ABが結合手である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-16)のいずれかに記載の化合物。
【0059】
(B-1-18)
BBがNHC(=O)、NHCONH,CONH,NHC(=S)NH,NHSO2,SO2NH又はOSO2である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-17)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-19)
BBがNHC(=O)、NHCONH又はNHSO2である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-18)のいずれかに記載の化合物。
【0060】
(B-1-20)
BBがNHC(=O)又はNHSO2である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-19)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-21)
BBがNHC(=O)である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-20)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-22)
DBが、置換基として炭素数1~8のアルキル基、又は1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよく、更に二重結合を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン鎖である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-21)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-23)
DBが結合手である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-22)のいずれかに記載の記載の化合物。
【0061】
(B-1-24)
DBが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-23)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-25)
DBが置換基として炭素数1~3のアルキル基、炭素数2~3のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-24)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-26)
EBが結合手である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-25)のいずれかに記載の化合物。
【0062】
(B-1-27)
GBが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-26)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-28)
GBが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-27)のいずれかに記載の化合物。
【0063】
(B-1-29)
GBが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼン又はピリジンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-28)のいずれかに記載の化合物。
【0064】
(B-1-30)
GBが置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-29)のいずれかに記載の化合物。
【0065】
(B-1-31)
mBが0である上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-30)のいずれかに記載の化合物。
【0066】
(B-1-32)
ABがベンゼン環であり、mBが0であり、BBがNHC(=O)又はNHSO2であり、DBが炭素数1~3のアルキル基又は結合手であり、EBが結合手であり、GBが置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-31)のいずれかに記載の化合物。
【0067】
(B-1-33)
ABがベンゼン環であり、mBが0であり、BBがNHC(=O)であり、DBが結合手であり、EBが結合手であり、GBが置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-32)のいずれかに記載の化合物。
(B-1-34)
R1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、R3B、R4B、R5B、R6B及びR7Bは水素原子を表し、XBがNで、YBがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、ZBが酸素原子を表し、ABはベンゼン環を表し、mBは0を表し、BBはNHC(=O)又はNHSO2を表し、DBは炭素数1~3のアルキル基又は結合手を表し、EBは結合手を表し、GBは置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-33)の何れか1に記載の化合物。
(B-1-35)
上記の一般式(BI)において、R1BとR2Bが一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、R3B、R4B、R5B、R6B及びR7Bは水素原子を表し、XBがNで、YBがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、ZBが酸素原子を表し、ABはベンゼン環を表し、mBは0を表し、BBはNHC(=O)を表し、DBは結合手を表し、EBは結合手を表し、GBは置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである(B-1)又は(B-1-1)ないし(B-1-34)の何れか1に記載の化合物。
【0068】
上記一般式(BII)の化合物としては以下に示す化合物が好ましい。
(B-2-1)
が、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシルアミノ基、カルボキシル基、炭素数2~8のアシル基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数は1~8。)、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよいナフタレン環又はテトラヒドロナフタレン環である上記(B-2)に記載の化合物。
(B-2-2)
が、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基から選択される1~4個の同一又は異なってもよい置換基で置換されていてもよいナフタレン環である上記(B-2)又は(B-2-1)に記載の化合物。
【0069】
(B-2-3)
R3Ba及びR4Baが同一又は異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-2)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-4)
R5Baが水素原子、炭素数1~8のアルキル基又はアラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-3)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-5)
R5Baが水素原子である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-4)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-6)
R6Ba及びR7Baが同一又は異なっていてもよく水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、又は1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-5)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-7)
R6Ba及びR7Baが共に水素原子である上記(B-2)又は(B-2-1)ないし(B-2-6)のいずれかに記載の化合物。
【0070】
(B-2-8)
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、アラルキル基(アリール部分の炭素数は、6~10で、アルキレン部分の炭素数は1~8)、フェニル基又はピリジル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいフェニル基、又はピリジル基である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-7)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-9)
が置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有していてもよいフェニル基である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-8)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-10)
が結合手である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-9)のいずれかに記載の化合物。
【0071】
(B-2-11)
BBaがNHC(=O)、NHCONH,CONH,NHC(=S)NH,NHSO2,SO2NH又はOSO2である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-10)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-12)
BBaがNHC(=O)、NHCONH又はNHSO2である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-11)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-13)
EBaが結合手である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-12)のいすれかに記載の化合物。
【0072】
(B-2-14)
GBaが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいピペラジン、ピペリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、チオフェン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ピロール、ピリジン又はピリミジンである上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-13)のいずれかに記載の化合物。
(B-2-15)
GBaが置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、炭素数1~8のアルキルアミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、炭素数2~8のアシル基、メチレンジオキシ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、又は炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンである上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-14)のいずれかに記載の化合物。
【0073】
(B-2-16)
nBが0である上記(B-2)又は(B-2-1)~(B-2-15)のいずれかに記載の化合物。
【0074】
上記の一般式(BI)において、RB1とRB2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環又はテトラヒドロナフタレン環から選択される縮合環を形成していることが好ましく、ナフタレン環を形成していることが特に好ましい。
【0075】
上記の一般式(BI)において、RB3、RB4、RB5、RB6及びRB7は水素原子を表していることが好ましい。
【0076】
上記の一般式(BI)において、XBがNで、YBがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合であることが好ましい。
【0077】
上記の一般式(BI)において、ZBが酸素原子であることが好ましい。
【0078】
上記の一般式(BI)において、ABはベンゼン環又はピリジン環を表していることが好ましく、ベンゼン環を表していることが特に好ましい。
【0079】
上記の一般式(BI)において、mBは0ないし4を表していることが好ましく、0を表していることが特に好ましい。
【0080】
上記の一般式(BI)において、BBはN(R8B)C(=O)又はN(R10B)SO2を表していることが好ましく、このとき、R8BとR10Bは水素原子を表していることがより好ましい。また、上記の一般式(BI)において、BBはNHC(=O)を表していることが特に好ましい。
【0081】
上記の一般式(BI)において、DBは置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している又は又は結合手であることを表していることが好ましく、炭素数1~3のアルキル基、炭素数2~3のアルケニル基から選択される同一又は異なっていてもよい置換基を1~4個有している又は又は結合手であることを表していることがより好ましく、結合手を表していることが特に好ましい。
【0082】
上記の一般式(BI)において、EBは、O、又は結合手を表していることが好ましく、結合手を表していることが特に好ましい。
【0083】
上記の一般式(BI)において、GBは、置換基として炭素数1~8のアルキル基、炭素数2~8のアルケニル基、炭素数1~8のアルコキシ基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数2~8のジアルキルアミノ基、カルボキシル基、炭素数1~6のアルキルスルフィニル基、炭素数1~6のアルキルチオ基、炭素数1~6のアルキルスルホニル基から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよい、ベンゼン又はピリジンを表していることが好ましく、GBは、置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよい、ベンゼンを表していることが特に好ましい。
【0084】
上記の一般式(BI)において、ABはベンゼン環を表し、mBは0を表し、BBはNHC(=O)又はNHSO2を表し、DBは炭素数1~3のアルキル基又は結合手を表し、EBは結合手を表し、GBは置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることが特に好ましい。
【0085】
上記の一般式(BI)において、ABはベンゼン環を表し、mBは0を表し、BBはNHC(=O)を表し、DBは結合手を表し、EBは結合手を表し、GBは置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることが特に好ましい。
【0086】
上記の一般式(BI)において、RB1とRB2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、RB3、RB4、RB5、RB6及びRB7は水素原子を表し、XBがNで、YBがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、ZBが酸素原子を表し、ABはベンゼン環を表し、mBは0を表し、BBはNHC(=O)又はNHSO2を表し、DBは炭素数1~3のアルキル基又は結合手を表し、EBは結合手を表し、GBは置換基として炭素数1~8のアルキル基、1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることがさらに好ましい。
【0087】
上記の一般式(BI)において、RB1とRB2が一緒になって、それらが結合しているベンゼン環と一緒になってナフタレン環を形成し、RB3、RB4、RB5、RB6及びRB7は水素原子を表し、XBがNで、YBがC(=O)で、実線と破線からなる二重線が単結合を表し、ZBが酸素原子を表し、ABはベンゼン環を表し、mBは0を表し、BBはNHC(=O)を表し、DBは結合手を表し、EBは結合手を表し、GBは置換基として1~3のハロゲン原子で置換された炭素数1~8のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、から選択される同一又は異なる置換基を1~4個有していてもよいベンゼンを表していることが特に好ましい。
【0088】
一般式(BI)及び/又は(BII)に包含される代表的化合物を以下に示す。
【0089】
<代表化合物例B-100>
【0090】
【0091】
(式中、BBa(置換位置)、nB、EBa及びGBaは表8~17に記載のとおり)
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
<代表化合物例B-200>
【0103】
【0104】
(式中、BBa(置換位置)、nB、EBa及びGBaは表18及び19に記載のとおり)
【0105】
【0106】
【0107】
<代表化合物例B-300>
【0108】
【0109】
(式中、R1B、BBa(置換位置)、nB、EBa及びGBaは表20に記載のとおり)
【0110】
【0111】
<代表化合物例B-400>
【0112】
【0113】
(式中、BBa(置換位置)、nB、EBa及びGBaは表21に記載のとおり)
【0114】
【0115】
<代表化合物例B-500>
【0116】
【0117】
(式中、BBa(置換位置)、nB、EBa及びGBaは表22に記載のとおり)
【0118】
【0119】
<代表化合物例B-600>
【0120】
【0121】
(式中、BB(置換位置)、DB、EB及びGBは表23に記載のとおり)
【0122】
【0123】
<代表化合物例B-700>
【0124】
【0125】
(式中、mB(置換位置)、BB、DB、EB及びGBは表24に記載のとおり)
【0126】
【0127】
<代表化合物例B-800>
【0128】
【0129】
(式中、XBa、YBa、BBa(置換位置)、nB、EBa及びGBaは表25に記載のとおり)
【0130】
【0131】
<代表化合物例B-900>
【0132】
【0133】
(式中、I=II-III=IV、BBa(置換位置)、nB、EBa及びGBaは表26に記載のとおり)
【0134】
【0135】
<代表化合物例B-1000>
【0136】
【0137】
(式中、I-II-III-IV、BBa(置換位置)、nB、EBa及びGBaはは表27に記載のとおり)
【0138】
【0139】
<代表化合物例B-1100>
【0140】
【0141】
(式中、R5Ba、BBa(置換位置)、nB、EBa及びGBaは表28に記載のとおり)
【0142】
【0143】
上記の一般式(A)で表される化合物は国際公開2010/093061に開示されているので、これらの国際公開を参照することにより、これらの化合物をいずれも容易に入手することができる。これらの国際公開の開示の全てを参照により本明細書の開示として含める。
【0144】
上記一般式(BI)及び(BII)で表される化合物は国際公開2013/105608に開示されているので、これらの国際公開を参照することにより、これらの化合物をいずれも容易に入手することができる。これらの国際公開の開示の全てを参照により本明細書の開示として含める。
【0145】
また、上記国際公開2010/093061及び国際公開2013/105608には、上記一般式(A)から(BII)で表される化合物が、P2X4受容体拮抗作用を有する旨の記載がある。
【0146】
なお、上記一般式(A)ないし(BII)で表される化合物に包含される好適な化合物又はその薬学的に許容される塩の具体例を以下に示すが、本発明の医薬の有効成分に利用可能な化合物又はその薬学的に許容される塩はこれらに限定されることはない。
(化合物A1) 5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A2) 5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A3) 5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン カリウム塩;
(化合物A4) 5-[4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A5) 5-[4-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A6) 1-メチル-5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A7) 1,3-ジメチル-5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A8) 5-[2-クロロ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A9) 5-[2-クロロ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A10) 5-[2-メチル-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0147】
(化合物A11) 5-[2-メチル-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A12) 5-[2-ブロモ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A13) 5-[3-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A14) 5-[3-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A15) 5-[3-(5-オキソ-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A16) 5-[3-(5-チオキソ-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A17) 5-[3-(5-チオキソ-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
(化合物A18) 5-[3-(オキサゾール-2-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A19) 5-[3-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A20) 5-[4-フルオロ-3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物A21) 5-[4-フルオロ-3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;
【0148】
(化合物B1) 5-(4-ベンゾイルアミノフェニル)-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B2) 5-[4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B3) 5-[4-(3-ブロモベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B4) 5-[4-[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B5) 5-[4-(2-メチルベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B6) 5-[4-(2,6-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B7) 5-[4-(2,6-ジクロロベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B8) 5-[4-(3-クロロベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B9) 5[4-(2-フェニルアセチルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B10) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニルチオ尿素;
【0149】
(化合物B11) 5-[4-(2,3-ジメトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B12) 5-[4-(2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B13) 5-[4-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B14) 5-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B15) 5-[4-(2,5-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B16) 5-[4-(5-ブロモ-2-クロロベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B17) 5-[4-(2,4-ジクロロベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B18) 5-[4-(2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B19) 5-[4-(2,3-ジヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B20) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニル尿素;
【0150】
(化合物B21) 5-[4-[(2,6-ジクロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B22) 5-[4-[(2-メトキシフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B23) 5-[4-[(2-ヒドロキシフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B24) 1-(2-クロロフェニル)-3-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]チオ尿素;
(化合物B25) 5-[4-[3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B26) 5-[4-[2-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B27) 1-(2-クロロフェニル)-3-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]尿素;
(化合物B28) 5-[4-[(2-フェニルプロピオニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B29) 5-[4-(2-クロロ-3-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B30) 5-[4-(3-フェニルプロピオニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0151】
(化合物B31) 5-[4-[(1H-インドール-3-カルボニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B32) 5-[4-(2-クロロ-3-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B33) 5-[4-[(2-メチル-2-フェニルプロピオニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B34) 5-[4-(2-フェノキシアセチルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B35) 5-[4-[2-(2-クロロ-4-メトキシフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B36) 5-[4-[(1-メチル-1H-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B37) 5-[4-[2-(2,4-ジクロロフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B38) 5-[4-[2-(2-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B39) 5-[4-(3-フェニルプロペニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B40) 5-[4-[(3-ピリジルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
【0152】
(化合物B41) 5-[4-(1H-ベンズイミダゾール-2-カルボニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B42) 1-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-7-メトキシ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B43) 5-[4-[(ベンゾイルアミノ)メチル]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B44) 5-[4-[(2-クロロベンゾイルアミノ)メチル]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B45) 1-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)フェニル]-7-ヒドロキシ-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B46) 5-[4-(2-クロロベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B47) 5-[4-(2-ブロモベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B48) 5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B49) 5-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)-3-フルオロフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B50) 5-[4-[2-(2-メチルフェニル)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0153】
(化合物B51) 5-[4-[(キノキサリン-2イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B52) 5-[4-[(5-メチルチオフェン-2イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B53) 5-[3-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B54) 5-[4-[(2,4,6-トリメチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B55) 5-[4-(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B56) 1-[4-(2,3-ジメチルベンゾイル)アミノフェニル]-6-メチル-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B57) 5-[4-[(2-エチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B58) 5-[4-[(6-メチルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B59) 5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B60) 1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-(2-メチルフェニル)チオ尿素;
【0154】
(化合物B61) 5-[4-(2-メトキシ-3-メチルベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B62) 5-[4-(2,3-ジクロロベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B63) 5-[4-(2,3-ジメチルベンゾイルアミノ)-3-ヒドロキシフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B64) 5-[4-(2-クロロ-3-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B65) 5-[4-[(4-ジメチルアミノベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B66) 5-[4-[2-(2,4-ジクロロフェノキシ)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B67) 5-[4-[2-(2-メチルフェノキシ)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B68) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラハイドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)ブチル]-2-クロロ-3-メトキシベンズアミド;
(化合物B69) 5-[4-(2-クロロ-3-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B70) 5-[4-(2-アセチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0155】
(化合物B71) 5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B72) 5-[2-(2-ヨードベンゾイル)アミノエチル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B73) 5-[3-[(2-ヨードベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B74) 6,7-ジメチル-1-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B75) 5-[4-[(1-メチルピペリジン-4-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B76) 5[4-[(ベンゾフラン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B77) 5-[4-[(1-メチル-1H-インドール-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B78) 5-[4-(2-プロペニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B79) 5-[4-(2-プロピルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B80) 5-[3-フルオロ-4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0156】
(化合物B81) 5-[4-(2-ヒドロキシ-3-メチルベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B82) 5-[4-[(2-イソプロポキシベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B83) 5-[4-[(3-メチルチオフェン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B84) 5-[4-(2-フェノキシプロピオニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B85) 5-[4-[2-(4-クロロ-2-メチルフェノキシ)アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B86) 5-[4-[(4-フルオロ-2-トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B87) 5-[4-(4-フルオロ-2-メトキシベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B88) 5-[4-(4-フルオロ-2-ヒドロオキシベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B89) 5-[3-[(2-ヨードフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B90) 5-[4-(2-メチル-2-フェノキシプロピオニルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0157】
(化合物B91) 5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B92) 5-[4-[(3-ジメチルアミノベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B93) 5-[4-(4-ヨード-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B94) 5-[4-(6-フルオロ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B95) 5-[4-(2-ヒドロキシ-4-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B96) 5-[4-(6-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B97) 5-[4-(2-フルオロベンゾイル)アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B98) 5-[4-[(2-ジメチルアミノベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B99) 5-[4-(2-メトキシ-6-メチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B100) 5-[4-(2-ヒドロキシ-6-メチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0158】
(化合物B101) 5-[4-[3-(2-メチルフェニル)プロピオニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B102) 5-(4-フェニルカルバモイルフェニル)-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B103) 5-(4-ベンジルカルバモイルフェニル)-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B104) 5-[4-[3-(2-メチルフェニル)プロペノイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B105) 5-[4-[3-(2-クロロフェニル)プロピオニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B106) 5-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B107) 5-[4-[(1-メチル-1H-ピロール-2-イルアセチル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B108) 5-[4-(2-クロロベンジル)カルバモイルフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B109) 5-[4-[3-(2-クロロフェニル)プロペノイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B110) 5-[4-(2-クロロフェニル)カルバモイルフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0159】
(化合物B111) 5-[4-(6-ブロモ-2,3-メチレンジオキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B112) 5-[4-(6-ブロモ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B113) 5-[4-[(2-tert-ブチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B114) 5-[2-(2-ヨードベンゾイル)アミノピリジン-5-イル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B115) 5-[4-(6-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B116) 5-[4-(6-クロロ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B117) 5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-[1,4]ジアゼピノ[2,3-h]キノリン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B118) 5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B119) 5-[4-(2-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B120) 5-[4-[2-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0160】
(化合物B121) 5-[4-[2-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B122) 5-[4-[(2-イソプロペニルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B123) 5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B124) 5-[4-[2-クロロ-5-(メチルチオ)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B125) 5-[4-[2-(メチルチオ)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B126) 5-[4-[3-(メチルチオ)ベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B127) 5-[4-[2-エチル-6-メトキシベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B128) 5-[4-(3-メタンスルホニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B129) 6-エチル-1-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1H-1,5-ベンゾジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B130) 5-[4-[2-エチル-6-ヒドロキシベンゾイルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0161】
(化合物B131) 5-[4-(3-メタンスルフィニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B132) 5-[4-(2-クロロ-5-メタンスルフィニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B133) 5-[4-(2-メタンスルフィニルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B134) 5-[4-[[2-(4-モルホリニル)アセチル]アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B135) 5-[4-(2-クロロ-6-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B136) 5-[4-[[(3-クロロピリジン-2-イル)カルボニル]アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B137) 5-[4-(2-クロロ-6-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1,3-ジヒドロナフト[1,2-e]-1,4-ジアゼピン-2-オン;
(化合物B138) 5-[4-(3-クロロ-2-メトキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B139) 5-[4-[(3-メチルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B140) 5-[4-[[(3-クロロピリジン-2-イル)カルボニル]アミノ]フェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0162】
(化合物B141) 5-[4-(3-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B142) 5-[4-[[(3-ヒドロキシピリジン-2-イル)カルボニル]アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B143) 5-[4-[(3-ビニルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B144) 5-[4-[(3-エチルピリジン-2-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B145) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B146) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B147) 3-ブロモ-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B148) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-メトキシベンゼンスルホンアミド;
(化合物B149) N-[3-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B150) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
【0163】
(化合物B151) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロ-ナフト[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ニトロ-ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B152) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロ-ナフト[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B153) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B154) 4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)-N-フェニルベンゼンスルホンアミド;
(化合物B155) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b]-[1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-ナフタレンスルホンアミド;
(化合物B156) N-[3-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b]-[1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-ナフタレンスルホンアミド;
(化合物B157) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]シクロヘキサンスルホンアミド;
(化合物B158) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-3-ピリジンスルホンアミド 塩酸塩;
(化合物B159) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-4-イソプロピルベンゼンスルホンアミド;
(化合物B160) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニルメタンスルホンアミド;
【0164】
(化合物B161) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-チオフェン-スルホンアミド;
(化合物B162) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-ナフタレンスルホンアミド;
(化合物B163) 4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト-[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル 3-ブロモベンゼン-スルホネート;
(化合物B164) N-ベンジル-N-[4-(1-ベンジル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B165) N-ベンジル-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5イル)フェニル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B166) 3-ブロモ-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルベンゼンスルホンアミド;
(化合物B167) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチル-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B168) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
(化合物B169) N-[4-(7-クロロ-2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B170) N-[4-(7-ブロモ-2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
【0165】
(化合物B171) N-[4-[(2,4-ジオキソ-7-(トリフルオロメチル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)]フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B172) N-[4-(2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B173) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B174) 1-(3-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B175) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-[1,2-b][1,4]-ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
(化合物B176) N-[4-(7-ブロモ-6-メチル-2,4-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B177) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B178) 3-ブロモ-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;
(化合物B179) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-メトキシベンゼンスルホンアミド;
(化合物B180) 1-(2-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
【0166】
(化合物B181) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-メチルフェニル)メタンスルホンアミド;
(化合物B182) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-ニトロフェニル)メタンスルホンアミド;
(化合物B183) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-フェニルエタンスルホンアミド;
(化合物B184) 1-(2,3-ジクロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B185) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-7-メトキシ-1H-ベンゾ[1,2-b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B186) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-7-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[1,2-b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B187) 1-(4-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B188) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)ベンジル]メタンスルホンアミド;
(化合物B189) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)-2-メトキシフェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B190) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)-2-ヒドロキシフェニル]メタンスルホンアミド;
【0167】
(化合物B191) 1-(2,6-ジクロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B192) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-6-メチル-1H-ベンゾ[1,2-b][1,4]ジアゼピン-1-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B193) 1-(2-クロロフェニル)-N-[3-(2,4-ジオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)プロピル]メタンスルホンアミド;
(化合物B194) 1-(2-クロロフェニル)-N-[2-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)エチル]メタンスルホンアミド;
(化合物B195) N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-ヨードフェニル)メタンスルホンアミド;
(化合物B196) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B197) 1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2-オキソ-2,3-ジハイドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;
(化合物B198) 1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B199) 1-(2-エチルフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B200) 1-(2,3-ジメチルフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
【0168】
(化合物B201) 2-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルエタンスルホンアミド;
(化合物B202) 1-(2-ニトロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B203) 1-(2-アミノフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B204) 1-(2-ジメチルアミノフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]フェニル-N-メチルメタンスルホンアミド;
(化合物B205) 5-[4-[(ピリジン-4-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B206) 5-[4-[2-[(ピリジン-3-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B207) 5-[4-[(ピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B208) 5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;
(化合物B209) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B210) 5-[4-[2-[(ピリジン-2-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
【0169】
(化合物B211) 5-[4-[[4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B212) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-[1,4]ジアゼピノ[2,3-f]イソキノリン-2,4(3H,5H)-ジオン;
(化合物B213) 5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-8,9,10,11-テトラヒドロ-1H-[1,4]ジアゼピノ[2,3-f]イソキノリン-2,4(3H,5H)-ジオン;及び
(化合物B214) 5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン。
【0170】
本発明の医薬の有効成分としてより好適な化合物又はその薬学的に許容される塩は、一般式(A)ないし(BII)で表される化合物又は薬学的に許容される塩に包含される。より具体的には、5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン カリウム塩;5-[3-(5-チオキソ-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[3-(5-チオキソ-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[4-フルオロ-3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-フルオロ-3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニル尿素;5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[(2-エチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;1-(2-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-メチルフェニル)メタンスルホンアミド;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-フェニルエタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルメタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2-オキソ-2,3-ジハイドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[2-[(ピリジン-2-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン及び5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオンが例示される。もっとも、本発明の医薬の有効成分は上記の特定の化合物又はその薬学的に許容される塩に限定されることはない。
【0171】
本発明の医薬の有効成分としてさらに好適な化合物又はその薬学的に許容される塩は、一般式(A)ないし(BII)で表される化合物又は薬学的に許容される塩に包含される。より具体的には、5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[3-(5-チオキソ-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[3-(5-チオキソ-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン及び5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオンが例示される。もっとも、本発明の医薬の有効成分は上記の特定の化合物又はその薬学的に許容される塩に限定されることはない。
【0172】
上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物は、シス・トランス異性体や光学活性体、ラセミ体等の立体異性体が存在する場合もあるが、何れも本発明に含まれる。
【0173】
上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物は、互変異性体が存在する場合もあるが、前記互変異性体は前記化合物と同等の活性を示し、本発明に含まれる。
【0174】
また、上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物は、置換基の種類に応じて1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、これらの不斉炭素に基づく任意の光学異性体、光学異性体の任意の混合物、ラセミ体、2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の任意の混合物などを本発明の医薬の有効成分として用いてもよい。上記の一般式(AI)ないし(BII)で表される化合物が二重結合や環状構造を含む場合には幾何異性体が存在する場合があるが、純粋な形態の幾何異性体のほか、それらの任意の割合の混合物を本発明の医薬の有効成分として用いてもよい。
【0175】
本発明の医薬の有効成分としては、上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物のほか、前記化合物の遊離形態の化合物又は塩の形態の化合物の任意の溶媒和物を本発明の医薬の有効成分として用いてもよい。前記溶媒和物には、水和物も含む。
本明細書において、上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物は、特に断りのない限り、当該化合物のシス・トランス異性体や光学活性体、ラセミ体等の立体異性体、互変異性体、不斉炭素に基づく任意の光学異性体、ラセミ体、2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体、及びそれらの混合物を含み得るものとする。
【0176】
本発明の医薬の有効成分としては、上記の一般式(A)ないし(BII)で表される化合物のほか、これらの化合物の酸付加塩又は塩基付加塩を用いてもよい。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩などの有機酸塩などを用いることができるが、これらに限定されることはない。塩基付加塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、若しくはカルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩若しくはエタノールアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらの塩のうち、薬学的に許容される塩を本発明の医薬の有効成分として用いることが好ましい。
【0177】
本発明の医薬は、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。好ましくは前記炎症性腸疾患の潰瘍性大腸炎又はクローン病の予防又は治療に用いることができる。より好ましくは、前記炎症性腸疾患における寛解導入療法又は寛解維持療法に用いることができる。さらに好ましくは、前記クローン病又は潰瘍性大腸炎における寛解導入療法又は寛解維持療法に対して高い有効性を発揮することができる。
さらに本発明の医薬は、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少のために用いることができる。また本発明の医薬は、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少のために用いることができる。
さらに本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における組織学的損傷の抑制又は減少のために用いることができる。好ましくは過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜壊死の抑制又は減少のために用いることができる。より好ましくは、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における細胞浸潤の抑制又は減少のために用いることができる。さらに好ましくは、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜の保護又は維持のために用いることができる。
【0178】
別の側面として、本発明の医薬は、下記の用途のためにも用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における癒着又は潰瘍を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における貫壁性炎症領域の発現を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における組織学的損傷を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における粘膜の壊死又は損傷を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。
本発明の医薬は、腸組織における細胞浸潤を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。
本発明の医薬は、炎症性サイトカインの増加を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。
本発明の医薬は、インターロイキン-1βの増加を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。
本発明の医薬は、結腸の損傷及び炎症性サイトカインの増加を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。
本発明の医薬は、結腸の損傷及びインターロイキン-1βの増加を伴う、前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の予防又は治療に用いることができる。
これらの炎症性腸疾患はいずれも本発明の医薬の適用対象となる。もっとも、本発明の医薬の適用対象はこれらに限定されることはない。
【0179】
本発明の医薬は経口投与又は非経口投与に投与することができる。本発明の医薬は、製剤の技術分野における通常の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、吸入剤、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤、注射剤、坐薬等の適宜の剤型の医薬として製造することができる。
【0180】
これら製剤は、一般的な技術を用いて製造することができるが、例えば、錠剤の場合には、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、色素などの薬学的に許容される添加剤が用いることができる。賦形剤としては、乳糖、D-マンニトール、結晶セルロース、ブドウ糖などが、崩壊剤としては、デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC-Ca)などが、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどが、結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。
【0181】
注射剤の調整には、溶剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤などの薬学的に許容される添加剤が用いられる。これらの薬学的に許容される添加剤や製剤の調製方法は当業者が適宜選択できる。
すなわち、本発明の医薬は、前記有効成分と薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物として提供され得る。
【0182】
非経口投与のための吸入剤としては、エアゾール剤、吸入用粉末剤、吸入用液剤(例えば、吸入用溶液、吸入用懸濁剤等)、又はカプセル状吸入剤が含まれ、前記吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。これらの吸入剤は適当な吸入容器を用いて適用することができ、例えば、吸入用液剤を投与する際には、噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)等を、吸入用粉末剤を投与する際には粉末薬剤用吸入投与器等を使用することができる。
【0183】
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物を粉末又は液状にして、吸入噴射剤又は担体中に配合し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。一般式(A)ないし(BII)で示される化合物を粉末化する場合、常法に従って粉末化される。例えば、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム等とともに微粉末にし、均一な混合物にするか、造粒して粉末剤を調製する。また、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物を液状化する場合、例えば前記化合物を水、生理食塩液又は有機溶剤等の液状担体に溶解すればよい。噴射剤としては、従来公知の噴射剤、例えば、代替フロン、液化ガス噴射剤(例えば、フッ化炭化水素、液化石油、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等)、圧縮ガス(例えば、可溶性ガス(例えば、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等)、不溶性ガス(例えば、窒素ガス等)等が用いられる。
【0184】
吸入剤には、さらに、必要に応じて薬学的に許容される添加剤を適宜配合してもよい。添加剤としては、一般に使用されている添加剤であれば何でもよく、例えば、固形賦形剤(例えば、白糖、乳糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット、マルトース、セルロース等)、液状賦形剤(例えば、プロピレングリコール等)、結合剤(デンプン、デキストリン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、白糖等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等)、矯味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリチルリチンアンモニウム塩、グリシン、オレンジ粉末等)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、安定化剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム等)、懸濁化剤又は乳化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、レシチン、トリオレイン酸ソルビタン等)、分散剤(例えば、界面活性剤等)、溶剤(例えば、水等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、pH調節剤(例えば、塩酸、硫酸等)可溶化剤(例えば、エタノール等)、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤等が用いられる。例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤、着色剤、緩衝化剤、等張化剤、増粘剤、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。また、例えば吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤、結合剤、賦形剤、着色剤、防腐剤、吸収促進剤(胆汁酸塩、キトサン等)などを必要に応じて適宜選択して調製される。
【0185】
さらに、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物を徐放性とするため、吸入剤においては生体内分解性重合物を含有していてもよい。生体内分解性重合物とは、脂肪酸エステル重合体又はその共重合体、ポリアクリル酸エステル類、ポリヒドロキシ酪酸類、ポリアルキレンオキサレート類、ポリオルソエステル、ポリカーボネート及びポリアミノ酸類が挙げられ、これらは1種類又はそれ以上混合して使用することができる。また、卵黄レシチン等のリン脂質、キトサン等を用いてもよい。脂肪酸エステル重合体又はその共重合体とは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸及び乳酸-グリコール酸共重合体が挙げられ、これらは1種類又はそれ以上混合して使用することができる。その他に、ポリα-シアノアクリル酸エステル、ポリβ-ヒドロキシ酪酸、ポリトリメチレンオキサート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリγ-ベンジル-L-グルタミン酸及びポリL-アラニンの1種類又はそれ以上混合も使用することができる。好ましくは、ポリ乳酸、ポリグルコール酸又は乳酸-グリコール酸共重合体であり、より好ましくは、乳酸-グリコール酸共重合体である。また、乳酸-グリコール酸共重合体等の生体内分解性重合物を用いて薬物を封入したマイクロスフェアやナノスフェアを調製してもよい。
【0186】
本発明の医薬の投与量は特に限定されないが、一般的には、成人に対して、
吸入剤、吸入粉末剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤により有効成分量として1日あたり約0.01μg~100mg、好ましくは0.3μg~10mg、
注射剤により有効成分量として1日あたり約0.01mg~100mg、
経口投与により1日あたり0.01mg~2000mg程度を
投与することができる。もっとも、上記の投与量に限定されることはなく、年齢や症状等により増減することができる。
【0187】
本発明の医薬は、各種過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療又は予防に有用な他剤と組み合わせて使用することができる。そのような組み合わせの個々の成分は、治療又は予防の期間中、別々の異なる時に又は同時に、分割された又は単一の製剤で投与することができる。したがって、本発明は同時の又は時間が異なる投与の全てを含むと解釈すべきであり、本発明における投与はそのように解釈すべきである。本発明の医薬と上記の各種過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療又は予防に有用な他剤との組み合わせの範囲には、原則として上記の各種過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療又は予防に有用ないかなる医薬製剤との組み合わせも包含される。
【0188】
本発明に係る組み合わせ製剤中の各製剤は、各種の形態を選択することができ、それぞれ上記製剤と同様に製造することができる。また、本発明の医薬と他の各種過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療薬又は予防薬を含む合剤の場合にも、常法又は慣用技術に従って、当業者が容易に製造することができる。
上記組み合わせは、本発明の医薬に一つの他の活性物質のみならず、2又はそれ以上の他の活性物質を組み合わせたものを包含する。本発明の医薬と、上記の各種過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の治療薬又は予防薬から選ばれた1、2又はそれ以上の活性化物質との組み合わせには多くの例が存在する。
【0189】
本発明は以下の側面を有する。
<1a>過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療の方法であって、それが必要な対象(例えばヒトを含む哺乳類)に、P2X4受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物)又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含む前記方法;
<2a>前記炎症性腸疾患がクローン病又は潰瘍性大腸炎である、<1a>に記載の方法;
<3a>前記炎症性腸疾患の予防又は治療の方法が、前記炎症性腸疾患における寛解導入療法又は寛解維持療法である、<1a>に記載の方法;
<4a>前記炎症性腸疾患の予防又は治療の方法が、クローン病又は潰瘍性大腸炎における寛解導入療法又は寛解維持療法である、<1a>に記載の方法;
<5a>さらに腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少が行われる、<1a>ないし<4a>のいずれか1つに記載の方法;
<6a>さらに腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少が行われる、<1a>ないし<5a>のいずれか1つに記載の方法;
<7a>さらに腸組織における組織学的損傷の抑制又は減少が行われる、<1a>ないし<6a>のいずれか1つに記載の方法;
<8a>さらに腸組織における粘膜壊死の抑制又は減少が行われる、<1a>ないし<7a>のいずれか1つに記載の方法;
<9a>さらに腸組織における細胞浸潤の抑制又は減少が行われる、<1a>ないし<8a>のいずれか1つに記載の方法;
<10a>さらに腸組織における粘膜の保護又は維持が行われる、<1a>ないし<9a>のいずれか1つに記載の方法;
<11a>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における癒着又は潰瘍を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1a>に記載の方法;
<12a>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における貫壁性炎症領域の発現を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1a>に記載の方法;
<13a>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における組織学的損傷を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1a>に記載の方法;
<14a>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における粘膜の壊死又は損傷を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1a>に記載の方法;
<15a>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における細胞浸潤を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1a>に記載の方法;
<16a>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、炎症性サイトカインの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1a>に記載の方法;
<17a>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、インターロイキン-1βの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1a>に記載の方法;
<18a>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、結腸の損傷及び炎症性サイトカインの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1a>に記載の方法;及び
<19a>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、結腸の損傷及びインターロイキン-1βの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1a>に記載の方法。
【0190】
本発明は以下の別の側面を有する。
<1b>過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療に使用するためのP2X4受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物)又はその薬学的に許容される塩;
<2b>前記炎症性腸疾患がクローン病又は潰瘍性大腸炎である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<3b>前記炎症性腸疾患における寛解導入療法又は寛解維持療法に使用するための<1b>に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
<4b>前記クローン病又は前記潰瘍性大腸炎における寛解導入療法又は寛解維持療法に使用するための<2b>に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
<5b>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少に使用するための<1b>ないし<4b>のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
<6b>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少に使用するための<1b>ないし<5b>のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
<7b>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における組織学的損傷の抑制又は減少に使用するための<1b>ないし<6b>のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
<8b>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における粘膜壊死の抑制又は減少に使用するための<1b>ないし<7b>のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
<9b>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における細胞浸潤の抑制又は減少に使用するための<1b>ないし<8b>のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
<10b>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における粘膜の保護又は維持に使用するための<1b>ないし<9b>のいずれか1つに記載の化合物又はその薬学的に許容される塩;
<11b>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における癒着又は潰瘍を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<12b>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における貫壁性炎症領域の発現を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<13b>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における組織学的損傷を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<14b>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における粘膜の壊死又は損傷を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<15b>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における細胞浸潤を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<16b>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、炎症性サイトカインの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<17b>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、インターロイキン-1βの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;
<18b>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、結腸の損傷及び炎症性サイトカインの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩;及び
<19b>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、結腸の損傷及びインターロイキン-1βの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1b>に記載の使用のための化合物又はその薬学的に許容される塩。
【0191】
本発明は以下のさらに別の側面を有する。
<1c>過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の予防又は治療のための医薬を製造するためのP2X4受容体拮抗作用を有する化合物(例えば、一般式(A)ないし(BII)で示される化合物)又はその薬学的に許容される塩の使用;
<2c>前記炎症性腸疾患がクローン病又は潰瘍性大腸炎である、<1c>に記載の使用;
<3c>前記炎症性腸疾患における寛解導入療法又は寛解維持療法のための医薬を製造するためである、<1c>に記載の使用;
<4c>前記クローン病又は前記潰瘍性大腸炎における寛解導入療法又は寛解維持療法のための医薬を製造するためである、<2c>に記載の使用;
<5c>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少のための医薬を製造するためである、<1c>ないし<4c>のいずれか1つに記載の使用;
<6c>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少のための医薬を製造するためである、<1c>ないし<5c>のいずれか1つに記載の使用;
<7c>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における組織学的損傷の抑制又は減少のための医薬を製造するためである、<1c>ないし<6c>のいずれか1つに記載の使用;
<8c>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における粘膜壊死の抑制又は減少のための医薬を製造するためである、<1c>ないし<7c>のいずれか1つに記載の使用;
<9c>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における細胞浸潤の抑制又は減少のための医薬を製造するためである、<1c>ないし<8c>のいずれか1つに記載の使用;
<10c>さらに前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患の腸組織における粘膜の保護又は維持のための医薬を製造するためである、<1c>ないし<9c>のいずれか1つに記載の使用;
<11c>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における癒着又は潰瘍を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1c>に記載の使用;
<12c>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における貫壁性炎症領域の発現を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1c>に記載の使用;
<13c>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における組織学的損傷を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1c>に記載の使用;
<14c>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における粘膜の壊死又は損傷を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1c>に記載の使用;
<15c>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、腸組織における細胞浸潤を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1c>に記載の使用;
<16c>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、炎症性サイトカインの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1c>に記載の使用;
<17c>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、インターロイキン-1βの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1c>に記載の使用;
<18c>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、結腸の損傷及び炎症性サイトカインの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1c>に記載の使用;及び
<19c>前記過敏性腸症候群又は前記炎症性腸疾患が、結腸の損傷及びインターロイキン-1βの増加を伴う、過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患である、<1c>に記載の使用。
【実施例】
【0192】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
以下の実施例では、P2X4受容体アンタゴニストとして、5-[3-(5-チオキソ-4H―[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩(WO2010/093061、実施例14の化合物:以下「化合物A」と呼ぶ)、及び5-[4-(2-ヨードベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン(WO2013/105608、実施例48の化合物:以下「化合物B」と呼ぶ)、並びに以下に示すその他の化合物を用いた:
5-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン ナトリウム塩;5-[4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノフェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[(2-クロロフェニルアセチル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;1-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-3-フェニル尿素;5-[4-[(2-エチルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-tert-ブチルベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(2-ヨードベンゾイル)アミノフェニル]-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-(6-クロロ-2-ヒドロキシベンゾイルアミノ)フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]ベンゼンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;1-(2-ブロモフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-1-(2-メチルフェニル)メタンスルホンアミド;N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-2-フェニルエタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2,4-ジオキソ-1,2,3,4,8,9,10,11-オクタヒドロナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]-N-メチルメタンスルホンアミド;1-(2-クロロフェニル)-N-[4-(2-オキソ-2,3-ジハイドロ-1H-ナフト[1,2-e][1,4]ジアゼピン-5-イル)フェニル]メタンスルホンアミド;5-[4-[(2-メチルピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン 塩酸塩;5-[4-[(2-クロロピリジン-3-イル)カルボニルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン;5-[4-[2-[(ピリジン-2-イル)オキシ]アセチルアミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン及び5-[4-[(2-イソプロピルベンゾイル)アミノ]フェニル]-1H-ナフト[1,2-b][1,4]ジアゼピン-2,4(3H,5H)-ジオン。
なお、本願実施例における有意差は、
図1ないし
図8及び
図10ないし
図13の図面中の「*」と「a」にて示しており、それぞれP<0.05であったことを示す。また、
図1ないし
図8及び
図10ないし
図13の図面において、「*」は対照ラットと比較した結果有意差があることを示し、「a」はDNBS誘発大腸炎モデルと比較結果有意差があることを示す。
また、本願実施例における検体数は8乃至10にて行った。
【0193】
実施例1 本発明の有効成分である化合物のP2X4受容体拮抗作用の測定
(試験方法)
本発明の有効成分である化合物のP2X4受容体拮抗作用を測定した。ATP受容体(ヒトP2X4)を1321N1細胞に導入し、P2X4受容体安定発現系として使用した。P2X4受容体発現細胞を96ウェルプレートに播種し、37℃,5%CO2条件下で24時間培養してカルシウム測定に使用した。カルシウム蛍光指示薬であるFura-2AMをカルシウムイメージング用細胞外液に溶解させ、播種した細胞に処置し、室温で45分間静置することで細胞内にFura-2AMを取り込ませた。測定にはマイクロプレートリーダーであるEnVision(PerkinElmer)を使用した。キセノンランプから照射される光を340nm及び380nmのフィルターにそれぞれ透過させ、細胞に照射した際に発する510nmの蛍光F340及びF380を観測し、レシオ値F340/F380の変化を細胞内カルシウム変化の指標とした。測定は、ATP最終濃度1μMになるように各ウェルに添加し、ATP誘発細胞内カルシウム応答を経時的に観察することで行った。被験物質の阻害活性は被験物質をATP添加15分間前処置することにより測定し、被験物質非存在下の場合との比較により算出した。結果を以下の表29に示す。
【0194】
【0195】
実施例2(使用モデル動物の準備)
モデル動物は、雄のアルビノラットであるSprague-Dawleyラット(体重200-225g)を使用した。前記モデル動物は、22-24℃、湿度50-60%、12時間毎の光サイクルで温度制御された環境下で1ケージに3匹収容され、標準的な実験用飼料と水道水が自由に与えられ、実験室への搬入後少なくとも1週間は使用されなかった。
前記モデル動物の飼育と取り扱いは、イタリア政府によって承認され採択された欧州共同体理事会指令210/63/UEの規定に従った。実験は、ピサ大学の動物実験倫理委員会及びイタリア保健省(承認番号674/2016-PR)によって承認された。
【0196】
(DNBS誘発大腸炎モデルの作製)
2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸(以下、DNBSと記載する、シグマアルドリッチ社製)によって大腸炎を誘発したモデル(本明細書において「DNBS誘発大腸炎モデル」と称する)の作製を行った。
【0197】
(大腸炎の誘発)
大腸炎の誘発は、アントニオリらの方法(非特許文献8)に従って行った。イソフルラン(アボット・ラボラトリーズ社製)による短時間麻酔中に、0.25mlの50%エタノール中の15mgの2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸(DNBS)を、肛門近位に8cm挿入したポリエチレンPE-60カテーテルを介して直腸内投与した。対照ラットには、0.25mlの50%エタノールを投与した。
【0198】
(対照ラット)
対照群として、雄のアルビノラットであるSprague-Dawleyラット(体重200-225g)の内、DNBSによる処置を行わなかったモデル動物を使用した(本明細書において「対照ラット」と称する)。なお、図面において対照ラットはControlと表現する。
【0199】
化合物AのDNBSモデルに対する抗炎症効果を、実施例3乃至8において確認した。
使用した試験化合物、投与方法、試験中の前記モデルの観察及び検体の作製は、以下の方法にて行った。
【0200】
(試験化合物、投与方法等)
DNBSの送達直後のラットに、化合物A(3、10、30mg/kg)又はデキサメタゾン(1mg/kg)を経口投与した。
そのため、本実験では化合物Aの寛解維持療法の効果を確認することができる。
また上記群とは別に、対照ラットに化合物A(30mg/kg)を経口投与した。
なお、実施例3乃至8において、単に「化合物Aを投与した群」又は「デキサメタゾンを投与した群」と表現している群は、DNBSの送達直後に化合物A又はデキサメタゾンを投与した群のことを指す。
【0201】
(試験中のDNBS誘発大腸炎モデルの観察)
食物摂取は、薬物治療の開始から毎日監視した。さらに、実験期間中、毎朝ラットの体重を測定し、下痢及び便中の血液又は直腸出血の証拠を調べた。
整形されたペレットの糞を正常、肛門にくっつかないペースト状及び半形成の糞を軟便、及び毛皮又は尾の周りの毛皮に付着した糞便が存在する場合を下痢として定義した。また、動物の直腸領域の周りの目に見える血液が存在する場合を直腸出血として定義した。
【0202】
(検体の作製)
DNBS誘発大腸炎モデル及び対照ラットは、CO2チャンバーで安楽死させた。死後、中腹切開し、結腸を摘出し、縦方向(縦走筋方向)に開き、滅菌生理食塩水ですすぎ、縦方向に2つの部分に分けた。
【0203】
実施例3(体と脾臓の重量変化)
DNBS誘発大腸炎モデルでは、有意な体重減少が記録された。具体的には、DNBS投与6日後、その体重が平均で-15±5g(-37.6±4.4%)減少した。一方で、対照ラットは体重増加(+37.5±8.7g、(+23.5±3.8%))を示した(
図1A)。
デキサメタゾン(1mg/kg)を投与した群においても体重は減少したが、化合物A(3、10、及び30mg/kg)を投与した群では体重の増加が観察された(
図1A)。
ここで、脾臓重量は、全身性炎症の指標として想定される。DNBS誘発大腸炎モデルにおいては、脾臓重量の有意な増加が観察された(+42%)(
図1B)。
一方で、化合物A及びデキサメタゾンを投与した群では、前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して脾臓重量が有意に減少した(
図1B)。
この結果、化合物Aを投与することにより、DNBS誘発大腸炎モデルにおける体重減少と脾臓重量の増加に対して大幅な改善が確認された。
【0204】
実施例4(巨視的損傷)
巨視的損傷の評価は、以下の方法にて行った。
(評価)
検体の巨視的損傷のスコア付けをすることで評価した。なお検体は、先に述べたとおり、結腸組織を切除し、生理食塩水ですすいだものを用いた。
スコア付けは、非特許文献11に報告された基準を微修正した基準(非特許文献12)に従って行った。結腸損傷の巨視的スコアリングの基準は次の(1)乃至(4)のとおりであり(非特許文献8乃至10)、(1)乃至(4)の合計点をスコアとした。
(1)潰瘍の存在について。ない:0点、潰瘍はないが充血している:1点、充血又は腸壁肥厚を伴わない潰瘍がある:2点、炎症を伴う潰瘍が1か所ある:3点、炎症を伴う潰瘍が2箇所以上ある:4点、結腸の長さに沿って1cmを超える広範な損傷箇所がある:5点、結腸の長さに沿って2cmを超える広範な損傷領域がある:6点。
(2)結腸組織と他の臓器との間の癒着の存在について。癒着なし:0点、1つの隣接臓器とのみの癒着がある:1点、複数の隣接臓器との癒着がある:2点。
(3)糞便の硬度について。糞便が形成する程度ある:0点、糞便にゆるみがある:1点、液体便である:2点
(4)結腸組織(結腸壁)の厚さ(mm):1mmを1点としてスコアリングした。
【0205】
(化合物Aの抗炎症作用の確認)
DNBS誘発大腸炎モデルでは、DNBS投与6日後に、遠位結腸は肥厚し、潰瘍化したように見え、明らかな貫壁性炎症領域を伴った。癒着がしばしば見られ、腸は時折拡張し、巨視的損傷のスコアは7.8±1.4であった。
一方で、化合物Aを10及び30mg/kgの用量で投与した群は、前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して巨視的損傷スコアの有意な減少を示した(
図2)。デキサメタゾンを投与した群は、前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して巨視的損傷スコアの有意な減少を示した(
図2)。
この結果、化合物Aを投与することにより、組織パラメーター(巨視的スコア)の大幅な改善が確認された。
【0206】
実施例5(微視的な損傷)
微視的損傷の評価は、以下の方法にて行った。
(評価)
腸全体の標本から得られたヘマトキシリン/エオシンで染色された組織切片を光学顕微鏡により、微視的な損傷と炎症を評価した。腸炎の重症度の評価は、検体の微視的損傷(組織学的損傷)のスコア付けをすることで行った。なお検体は、先に述べたとおり、結腸組織を切除し、生理食塩水ですすいだものを用いた。
スコア付けは、非特許文献11に報告された基準を微修正した基準(非特許文献12)に従って行った。結腸損傷の微視的スコアリング(組織学的損傷のスコアリング)の基準は次の(1)乃至(5)のとおりであり(非特許文献8乃至10)、(1)乃至(5)の合計点をスコアとした。
組織学的基準:
(1)粘膜構造の喪失(粘膜構造の喪失なし:0点、粘膜構造の喪失が軽度~重度:1~3点)
(2)細胞浸潤(細胞浸潤なし:0点、細胞浸潤が軽度~重度:1~3点)
(3)筋肉肥厚(筋肉肥厚なし:0点、筋肉肥厚が軽度~重度:1~3点)
(4)陰窩膿瘍(なし:0点、あり:1点)
(5)杯細胞の減少(なし:0点、あり:1点)
【0207】
(化合物Aの抗炎症作用の確認)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸標本の組織学的検査では、大腸炎がはっきりと認められ、腺構造が完全に破壊され、粘膜壊死の広い領域に関連していることが示された。粘膜下組織は、浮腫と血管拡張に関連する炎症細胞の著しい浸潤により肥厚した。時には、これらの変化は筋肉層にも関係し、筋肉層も厚くなったように見えた。壊死領域を囲む粘膜及び粘膜下組織は、対照ラットから得られた組織と比較して、顕著な細胞浸潤に関連した炎症を示した(
図3)。
炎症を起こしたラット(DNBS誘発大腸炎モデル)の結腸切片は、DNBS投与6日後に重度の損傷を示した(
図3)。
化合物Aを投与した群から得られた結腸組織では、前記DNBS誘発大腸炎モデルの結腸組織と比較して組織学的損傷に影響しなかった(
図3)。一方で、デキサメタゾン1mg/kgを投与した群から得られた結腸組織は、前記DNBS誘発大腸炎モデルの結腸組織と比較して微視的スコアの有意な改善を示した(
図3)。
【0208】
実施例6(TNF及びIL-1βアッセイ)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織の炎症性サイトカイン(腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor、本願明細書において、TNFという)とインターロイキン-1β(本願明細書において、IL-1βという。))と、化合物Aを投与した場合の前記炎症性サイトカインを評価した。
(検体の調製)
-80℃で保存された組織サンプルを秤量し、解凍し、100mgあたり0.3mlのPBS(pH7.2)と共に4℃で組織をホモジナイズし、20分間13,400g、回転数10894rpmで遠心分離する。その後、上清のアリコート(100μl)をアッセイに使用した。
(組織の炎症誘発性指標の評価)
炎症誘発性サイトカインであるTNF、IL-1βの組織レベルを、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)キット(BioSource International、Camarillo、CA)で測定した。
(化合物Aの抗炎症作用の確認)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷は、TNF(2.2±0.3から12.4±0.8pg/mgに増加)(
図4A)及びIL-1β(9.3±0.4から32.5±1.4pg/mgに増加)(
図4B)の両方の有意な増加と関連していた。
化合物Aを投与した群では、これらの炎症指標に影響しなかった(
図4A及び4B)。対照的に、デキサメタゾンを投与した群では完全に防止された(
図4A及び4B)。
【0209】
実施例7(結腸組織におけるオクルディンの発現)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織のオクルディン(密着結合に位置する細胞膜内在性タンパク質)発現効果と、化合物Aを投与した場合の前記発現効果を、ウェスタンブロットにより観察した。
(試料の調製)
結腸組織の重量(30μgのタンパク)を測定し、前記組織を溶解バッファー中でホモジナイズした。
(試験方法)
タンパク質は、ブラッドフォード法により定量した。前記タンパク質を、あらかじめキャストされた4-20%ポリアクリルアミドゲル(Biorad社製、Mini-PROTEAN(登録商標)TGXゲル)によって分離した後、PVDF膜(Biorad社製、Trans-Blot(登録商標)TurboTM PVDF Transfer packs)に転写した。膜は、0.1%Tween 20を含むTris緩衝生理食塩水(TBS、20mM Tris-HCl、PH7.5、150mM NaCl)で希釈した3%BSAでブロックした。抗体は、オクルディン抗体(ab167161、Abcam社製、希釈1:5000)を使用した。タンパク質バンドはECL試薬(Clarity(登録商標)Western ECL Blotting Substrate、Biorad)で検出した。濃度測定は、ImageJソフトウェアによって行った。
【0210】
(オクルディンの発現の観察)
対照ラットと比較してDNBS誘発大腸炎モデルの結腸粘膜でオクルディンが有意に減少したことが示された(
図5)。
化合物A(10mg/kg)(
図5)又はデキサメタゾン(1mg/kg、図示せず)を投与した群では、前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して炎症組織でのオクルディンの発現が増加した。
この結果から、化合物Aは、DNBS誘発大腸炎モデルで観察された密着結合オクルディンの減少に対抗していることが判った。そのため、化合物Aは、大腸の組織の健全性を維持する働きに貢献することが判った。
【0211】
実施例8(結腸組織におけるプロカスパーゼ-1及びカスパーゼ-1の発現)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織のプロカスパーゼ-1及びカスパーゼ-1の発現効果と、化合物Aを投与した場合の前記発現効果を、ウェスタンブロットにより観察した。試料の調製と試験方法は実施例7と同様の方法で行った。
(試料の調製と試験方法)
抗体をオクルディン抗体ではなく、プロカスパーゼ-1抗体とカスパーゼ抗体(いずれもad1872,Abcam社製、希釈1:1000)を使用すること以外は、実施例7と同様に試料を調製し、試験を行った。
【0212】
(プロカスパーゼ-1とカスパーゼ-1の発現の観察)
ウェスタンブロットにより、DNBS誘発大腸炎モデルでプロカスパーゼ-1の発現の増加を観察した(
図6A)。並行して、DNBS誘発大腸炎モデルにおける大腸炎の誘導は、結腸レベルでのカスパーゼ-1発現の増加と関連していた(
図6B)。
化合物A(10mg/kg)を投与した群では、炎症を起こした結腸でカスパーゼ-1の発現を低下させることができないことが示された(
図6B)。
【0213】
化合物BのDNBSモデルに対する抗炎症効果を、実施例9乃至14において確認した。
使用した試験化合物、投与方法は、以下の方法にて行った。
【0214】
(試験化合物、投与方法等)
DNBSの送達直後のラットに、化合物B(3、10、30mg/kg)又はデキサメタゾン(1mg/kg)を経口投与した。
そのため、本実験では化合物Bの寛解維持療法の効果を確認することができる。
また上記群とは別に、対照ラットに化合物B(30mg/kg)を経口投与した。
なお、実施例9乃至14において、単に「化合物Bを投与した群」又は「デキサメタゾンを投与した群」と表現している群は、DNBSの送達直後に化合物B又はデキサメタゾンを投与した群のことを指す。
【0215】
試験中の前記モデルの観察及び検体の作製は、先の化合物Aにて述べた方法と同様の方法で行った。
【0216】
実施例9(体と脾臓の重量変化)
DNBS誘発大腸炎モデルでは、有意な体重減少が記録された。具体的には、DNBS投与6日後、その体重が平均で-15±5g(-37.6±4.4%)減少した。一方で、対照ラットは体重増加(+37.5±8.7g、(+23.5±3.8%))を示した(
図7A)。
デキサメタゾン(1mg/kg)を投与した群においても体重は減少したが、化合物B(3、10、及び30mg/kg)を投与した群では体重の増加が観察された(
図7A)。
ここで、脾臓重量は、全身性炎症の指標として想定される。DNBS誘発大腸炎モデルにおいては、脾臓重量の有意な増加が観察された(+42%)(
図7B)。
一方で、化合物B及びデキサメタゾンを投与した群では、前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して脾臓重量が有意に減少した(
図7B)。
この結果、化合物Bを投与することにより、DNBS誘発大腸炎モデルにおける体重減少と、脾臓重量の増加に対して大幅な改善が確認された。
【0217】
実施例10(巨視的損傷)
巨視的損傷の評価は、実施例4と同様の方法にて行った。
(化合物Bの抗炎症作用の確認)
DNBS誘発大腸炎モデルでは、DNBS投与6日後に、遠位結腸は肥厚し、潰瘍化したように見え、明らかな貫壁性炎症領域を伴った。癒着がしばしば見られ、腸は時折拡張し、巨視的損傷は7.8±1.4を占めた。
一方で、化合物Bを3、10及び30mg/kgの用量で投与した群は、前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して巨視的損傷スコアの有意な減少を示した(
図8)。デキサメタゾンを投与した群は、前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して巨視的損傷スコアの有意な減少を示した(
図8)。
この結果、化合物Bを投与することにより、組織パラメーター(巨視的スコア)の大幅な改善が確認された。
【0218】
実施例11(微視的な損傷)
微視的損傷の評価は、実施例5と同様の方法にて行った。
(化合物Bの抗炎症作用の確認)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸標本の組織学的検査では、大腸炎がはっきりと認められ、腺構造が完全に破壊され、粘膜壊死の広い領域に関連していることが示された。粘膜下組織は、浮腫と血管拡張に関連する炎症細胞の著しい浸潤により肥厚した。時には、これらの変化は筋肉層にも関係し、筋肉層も厚くなったように見えた。壊死領域を囲む粘膜及び粘膜下組織は、対照ラットから得られた組織(
図9A)と比較して、顕著な細胞浸潤に関連した炎症を示した(
図9B)。
炎症を起こしたラット(DNBS誘発大腸炎モデル)の結腸切片は、DNBS投与6日後に重度の損傷を示した(
図9B、
図10)。化合物Bを投与した群から得られた結腸組織では、前記DNBS誘発大腸炎モデルの結腸組織と比較して用量依存的に組織学的損傷が減少した(
図9C-E、
図10)。化合物Bを10及び30mg/kgの用量で投与した群は前記DNBS誘発大腸炎モデルの結腸組織と比較して微視的スコアの有意な改善を示した(
図10)。デキサメタゾン1mg/kgを投与した群から得られた結腸組織は、前記DNBS誘発大腸炎モデルの結腸組織と比較して微視的スコアの有意な改善を示した(
図9F、
図10)。
【0219】
実施例12(TNF及びIL-1βアッセイ)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織の炎症性サイトカイン(TNFとIL-1β)と、化合物Bを投与した場合の前記炎症性サイトカインを評価した。
評価を行う上での検体の調製と、組織の炎症誘発性指標(TNF、IL-1β)の評価は、実施例6と同様の方法にて行った。
(化合物Bの抗炎症作用の確認)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷は、TNFの優位な増加(4.5±0.4から12.1±1.7pg/mgに増加)と関連していた。化合物Bを投与した群では、この炎症指標に影響しなかった(
図11A)。対照的に、デキサメタゾン1mg/kgを投与した群では、完全に防止された(
図11A)。
また、DNBS誘発大腸炎モデルではIL-1βの有意な増加(9.5±5.4から32.7±1.8pg/mgに増加)と関連していた(
図11B)。化合物B(3、10及び30mg/kg)を投与した群及びデキサメタゾン(1mg/kg)を投与した群では、組織IL-1βが前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して大幅に減少した(
図11B)。
このことから、化合物Bは、炎症サイトカインであるIL-1βを減少させる効果を有することが判った。
【0220】
実施例13(結腸組織におけるオクルディンの発現)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織のオクルディン(密着結合に位置する細胞膜内在性タンパク質)発現効果と、化合物Bを投与した場合の前記発現効果を、ウェスタンブロットにより観察した。試料の調製と試験方法は実施例7と同様の方法で行った。
【0221】
(オクルディンの発現の観察)
対照ラットと比較してDNBS誘発大腸炎モデルの結腸粘膜でオクルディンが有意に減少したことが示された(
図12)。
化合物B(10mg/kg)(
図12)又はデキサメタゾン(1mg/kg、図示せず)を投与した群では、前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して炎症組織でのオクルディンの発現が増加した。
以上の結果から、化合物Bは、DNBS誘発大腸炎モデルで観察された密着結合オクルディンの減少に対抗していることが判った。そのため、化合物Bは、大腸の組織の健全性を維持する働きに貢献することが判った。
【0222】
実施例14(結腸組織におけるプロカスパーゼ-1及びカスパーゼ-1の発現)
DNBS誘発大腸炎モデルの結腸損傷時における結腸組織のプロカスパーゼ-1及びカスパーゼ-1の発現効果と、化合物Bを投与した場合の前記発現効果を、ウェスタンブロットにより観察した。試料の調製と試験方法は実施例8と同様の方法で行った。
【0223】
(プロカスパーゼ-1とカスパーゼ-1の発現の観察)
ウェスタンブロットにより、DNBS誘発大腸炎モデルでプロカスパーゼ-1の発現の増加を観察した(
図13A)。並行して、DNBS誘発大腸炎モデルにおける大腸炎の誘導は、結腸レベルでのカスパーゼ-1発現の増加と関連していた(
図13B)。
化合物B(10mg/kg)を投与した群では、炎症を起こした結腸でカスパーゼ-1の発現が前記DNBS誘発大腸炎モデルと比較して減少されることが示された(
図13B)。
【産業上の利用可能性】
【0224】
本発明の医薬は、前記炎症性腸疾患における寛解導入療法または寛解維持療法のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、クローン病又は前記潰瘍性大腸炎における寛解導入療法または寛解維持療法のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における癒着又は潰瘍の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における貫壁性炎症領域の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における組織学的損傷の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜壊死の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における細胞浸潤の抑制又は減少のための医薬として用いることができる。
本発明の医薬は、前記過敏性腸症候群又は炎症性腸疾患の腸組織における粘膜の保護又は維持のための医薬として用いることができる。