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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】グリル
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20241021BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20241021BHJP
   F24C 3/02 20210101ALI20241021BHJP
   F24C 15/20 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
F24C3/12 X
A47J37/06 366
F24C3/02 Q
F24C3/02 Z
F24C15/20 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021053719
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022150912
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】中村 直司
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-042171(JP,A)
【文献】特開2017-129294(JP,A)
【文献】特開2010-284360(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0255660(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0396578(KR,Y1)
【文献】特開2015-198758(JP,A)
【文献】特開2002-078618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
A47J 37/06
F24C 3/02
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を収容するグリル庫と、
前記グリル庫内に設けられ、前記食材を加熱するグリルバーナと、
前記グリル庫の後部から上方に延設され、前記グリル庫内からの燃焼排気を上方へ導く排気ダクトと、
前記排気ダクト内の下側に設けられ、前記燃焼排気に含まれる前記食材から発生した油煙と臭気成分を加熱して減少させるアフターバーナ部と、
前記アフターバーナ部の下方で、且つ前記グリル庫内に後方から対面するように設けられた固定壁部と
前記固定壁部の前面に前方からネジ止め固定され、前記グリル庫内の温度を検知する為のセンサ
を備え、
前記アフターバーナ部は、
前記燃焼排気に対して下方から火炎を形成する炎口部を備えた本体部と、
前記本体部の前側から垂下し、前記固定壁部の前側に配置される垂下壁部と、
前記垂下壁部に設けられ、前記固定壁部の前記前面に固定された前記センサを前記グリル庫内に向けて露出させるセンサ用開口と
を備え、
前記垂下壁部の前面には、前記センサ用開口から露出する前記センサを覆うカバーが前方からネジ止め固定されたこと
を特徴とするグリル。
【請求項2】
前記センサは、前後方向に延びる棒状に形成され、
前記センサの後端には配線が接続され、
前記固定壁部の前記前面には、前記排気ダクトの外側まで貫通し、前記センサの後端側を挿入する為の開口が設けられたこと
を特徴とする請求項に記載のグリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グリル庫の上部後端側に設けられ、グリル庫内に発生する燃焼ガスをグリル庫外に排出する排気部と、グリル庫内の後部に設けられ、グリル庫内の温度を検知するセンサとを備えた加熱調理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、食材を収容するグリル庫と、グリル庫内の食材を加熱するグリルバーナと、食材から発生した油煙や臭気成分をグリル庫奥部の排気用開口からグリル本体の上方へ導く排気通路と、排気通路内に設けられ、排気用開口側に向く炎孔面を備え、炎孔面に形成された火炎により油煙と臭気成分を加熱して減少させるアフターバーナとを備えたグリルも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-129294号公報
【文献】特許第5281985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の加熱調理装置において、グリル庫内のセンサを取り外す場合、作業者は、グリル庫の後部から排気部を取り外し、センサを固定するビスを斜め上方から外していた。特許文献2に記載のアフターバーナを、特許文献1に記載の排気部内に取り付けた場合、センサがアフターバーナの下側に配置されるため、従来と同様に斜め上方からビスを外す構造とした場合、アフターバーナを取り外してからセンサを外さなければならず、手間になる可能性があった。
【0006】
本発明の目的は、アフターバーナ部を取り外すことなく、センサを取り外すことができるグリルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1のグリルは、食材を収容するグリル庫と、前記グリル庫内に設けられ、前記食材を加熱するグリルバーナと、前記グリル庫の後部から上方に延設され、前記グリル庫内からの燃焼排気を上方へ導く排気ダクトと、前記排気ダクト内の下側に設けられ、前記燃焼排気に含まれる前記食材から発生した油煙と臭気成分を加熱して減少させるアフターバーナ部と、前記アフターバーナ部の下方で、且つ前記グリル庫内に後方から対面するように設けられた固定壁部と前記固定壁部の前面に前方からネジ止め固定され、前記グリル庫内の温度を検知する為のセンサとを備え、前記アフターバーナ部は、前記燃焼排気に対して下方から火炎を形成する炎口部を備えた本体部と、前記本体部の前側から垂下し、前記固定壁部の前側に配置される垂下壁部と、前記垂下壁部に設けられ、前記固定壁部の前記前面に固定された前記センサを前記グリル庫内に向けて露出させるセンサ用開口と
を備え、前記垂下壁部の前面には、前記センサ用開口から露出する前記センサを覆うカバーが前方からネジ止め固定されたことを特徴とする。
【0008】
【0009】
請求項のグリルの前記センサは、前後方向に延びる棒状に形成され、前記センサの後端には配線が接続され、前記固定壁部の前記前面には、前記排気ダクトの外側まで貫通し、前記センサの後端側を挿入する為の開口が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のグリルによれば、グリル庫内に後方から対面する固定壁部の前面に対して、センサが前方からネジ止め固定されているので、センサを交換する際、前方からセンサを取り外し、又は取り付けることができる。これにより、グリルはアフターバーナ部を取り外すことなく、センサの交換が可能となる。
【0011】
さらに、センサを取り囲むカバーが垂下壁部の前面にネジ止め固定されているので、センサを交換する際に、アフターバーナ部を取り外すことなく、カバーも前方から取り外すことができる。
【0012】
請求項のグリルによれば、センサの後端側が開口を介して排気ダクトの外側に配置されるので、センサの後端に接続された配線を排気ダクトの外側に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】グリル装置1の斜視図である。
図2】グリル装置1の断面斜視図である。
図3図2に示すW領域内の拡大図である。
図4】グリル装置1の後側の断面図である。
図5】排気ダクト4の斜視図である。
図6】排気ダクト4の分解斜視図である。
図7】底部材40に固定されたアフターバーナユニット5の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置構成などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。
【0015】
図1図4を参照し、グリル装置1の構成を説明する。グリル装置1は、図示しないコンロの筐体内に取り付けられる。図1図2に示すように、グリル装置1は、グリル庫2、グリル扉3、排気ダクト4等を備える。
【0016】
グリル庫2は略直方体の箱状に形成され、上壁部11、右壁部12、左壁部13(図2参照)、底壁部14を備える。グリル庫2の前側には、正面視矩形状のグリル開口部(図示略)が設けられる。上壁部11には上火バーナ21が設けられる。上火バーナ21はグリル庫2内に向けて火炎を形成する。右壁部12内面の略中段には、下火バーナ22の右炎口部(図示略)が設けられる。左壁部13内面の略中段には、下火バーナ22の左炎口部24が設けられる。右炎口部と左炎口部24は前後方向に延び、同一高さ位置で互いに対向する。右炎口部と左炎口部24は、グリル庫2内に向けて火炎を形成する。なお、上火バーナ21と下火バーナ22は本発明のグリルバーナに相当する。
【0017】
グリル扉3はグリル庫2前側に設けられ、グリル開口部(図示略)を開閉する。グリル扉3の背面下部には、支持枠16(図2参照)が固定される。支持枠16は、焼き網(図示略)と受皿17を着脱可能に支持する。支持枠16は、グリル庫2の底壁部14上面の左右両側に設けられたレール機構(図示略)により前後方向に移動可能に支持される。それ故、グリル扉3は支持枠16と一体して手前側に引き出し可能であり、焼き網と受皿17をグリル庫2外に同時に取り出せる。
【0018】
排気ダクト4はグリル庫2の後部から後側で且つ斜め上方に傾斜して延びる。排気ダクト4の内側は、排気ダクト4の前側に位置する後述の排気用開口38(図2図4参照)を介してグリル庫2内と連通する。排気ダクト4の上部には、グリル排気口39が設けられる。グリル排気口39は上方に向けて開口し、平面視左右方向に長い略矩形状に形成される。グリル庫2内からの燃焼排気は排気ダクト4内を上方に流れ、グリル排気口39から外部へ排出される。
【0019】
排気ダクト4の構造を説明する。図2図4に示すように、排気ダクト4は、ダクト本体30と底部材40を備える。ダクト本体30は、上部と底部が開口する平面視左右方向に長い箱状に形成される。底部材40は、平面視左右方向に長い略矩形状に形成され、ダクト本体30の開口する底部に下側から閉塞するように固定されることで、排気ダクト4の底部を形成する。
【0020】
ダクト本体30は、前板部31、上板部32、右板部33、左板部34、背板部35、前方突出部36、仕切壁37を備える。前板部31は、正面視略逆U字状に形成される。上板部32は、前板部31の上端部から後側で且つ斜め上方に傾斜して延び、平面視左右方向に長い略矩形状に形成される。
【0021】
背板部35は、下端部から上端部に向かって後側に傾斜しながら延び、背面視左右方向に長い略矩形状に形成される。背板部35の上端部は上方に屈曲される。右板部33は、前板部31、上板部32、背板部35の夫々の右端部の間を右側方から閉塞するように設けられる。右板部33は、右側面視上方に向かうに従って前後方向の幅が狭くなる先細り状に形成される。右板部33の下側の後方角部には、右側方に突出する右固定部331が設けられる。左板部34は、前板部31、上板部32、背板部35の夫々の左端部の間を左側方から閉塞するように設けられる。左板部34は、左側面視上方に向かうに従って前後方向の幅が狭くなる先細り状に形成される。左板部34の下側の後方角部にも、左側方に突出する左固定部(図示略)が設けられる。
【0022】
上板部32、背板部35、右板部33、左板部34の夫々の上端部に取り囲まれる内側に、平面視略矩形状のグリル排気口39が形成される。上板部32、背板部35、右板部33、左板部34に囲まれて形成される燃焼排気の通路は、下方から上方に向かうに従って前後方向の幅が狭くなる先細り状に形成される。
【0023】
前方突出部36は、前板部31の正面視略逆U字状の下端部から前方に突出して設けられ、下半分が切断された略半角筒状に形成される。仕切壁37は、前方突出部36の前端部に沿って設けられ、正面視略逆U字状に形成される。仕切壁37は、グリル庫2内と排気ダクト4内とを仕切る壁である。仕切壁37の略逆U字状の下端部の内側には、排気用開口38(図3図5参照)が形成される。排気用開口38は、正面視左右方向に長い略矩形状に形成される。
【0024】
底部材40は、平面視左右方向に長い略矩形状に形成され、ダクト本体30の開口する底部に下側から閉塞するように固定される。底部材40は、底面部41、右固定部42、左固定部43、垂下部49を備え、排気ダクト4の下部を形成する。底面部41は、底部材40の左右方向中央部に設けられる。底面部41は、中央傾斜面411、右側傾斜面412、左側傾斜面413を備える。中央傾斜面411は、底面部41の左右方向中央部に設けられ、前端側から後端側に向かって斜め上方に傾斜する。右側傾斜面412は、中央傾斜面411の右端部から右側で且つ斜め上方に傾斜する。左側傾斜面413は、中央傾斜面411の左端部から左側で且つ斜め上方に傾斜する。
【0025】
中央傾斜面411の中央には、開口部(図示略)が設けられ、その開口部を覆うようにして、センサ固定台44が上方から固定される。センサ固定台44は側面視略三角形の箱状に形成され、前側に固定面45を備える。センサ固定台44の底部は開放される。固定面45は前方に向けられ、正面視矩形状に形成される。固定面45には、センサ支持部材81がネジ82で正面から固定される(図6参照)。センサ支持部材81は、棒状の温度センサ80を前後方向に延びるように支持する。温度センサ80は前端部に検知部を備え、グリル庫2内の雰囲気温度を検知する。固定面45の中央には、正面視矩形状の開口451(図7参照)が設けられる。開口451には、温度センサ80の後端側が後方に向けて挿入される(図4参照)。温度センサ80の後端部に接続された配線801は、中央傾斜面411の開口部を介して底部材40の後方に引き出される。
【0026】
右固定部42は、底面部41の右端部から右側方に延出され、平面視前後方向に長い略矩形状に形成される。左固定部43は、底面部41の左端部から左側方に延出され、平面視前後方向に長い略矩形状に形成される。これら右固定部42と左固定部43に対して、上方からダクト本体30の右固定部331と左固定部(図示略)が位置決めされ、ネジ91,92で固定される。これにより、底部材40に対してダクト本体30が固定され、排気ダクト4が構成される。
【0027】
排気ダクト4内の構造を説明する。図3図4に示すように、排気ダクト4内において、燃焼排気が流れる方向の上流側の下部には、アフターバーナユニット5が設けられる。アフターバーナユニット5の下流側で、且つ排気ダクト4の高さ方向略中段には、フレームトラップ110が取り付けられる。フレームトラップ110は消炎部材である。
【0028】
アフターバーナユニット5の構成を説明する。図6図7に示すように、アフターバーナユニット5は、アフターバーナ50とバーナ支持部60を備える。アフターバーナ50は炎口面55を上面に備える。炎口面55は多数の炎口を備え、上方に向けて火炎を形成する。アフターバーナ50は、炎口面55に形成される多数の火炎により、燃焼排気中に含まれる食材から発生した油煙や臭気成分を焼き切ることで減少させる。
【0029】
バーナ支持部60は、平面視左右両側に延びる略矩形枠状に形成され、その両端部が底部材40の右固定部42と左固定部43にネジ95,96で固定される。バーナ支持部60は、枠部61と垂下壁部62を備える。枠部61は平面視左右方向に長い略矩形枠状に形成される。枠部61の中央には、平面視左右方向に長い略矩形状の開口部611が設けられる。枠部61の上面において、開口部611の右側にはイグナイタ電極27が固定され、開口部611の左側には失火センサ28が固定される。
【0030】
垂下壁部62は、上側垂下部63、段部64、下側垂下部65を備える。垂下壁部62は、バーナ支持部60が底部材40の上側に固定された状態で、センサ固定台44の前側に配置される。上側垂下部63は、枠部61の前端部から下方に垂下し、正面視左右方向に長い略矩形状に形成される。段部64は、上側垂下部63の下端部から前方に突出して設けられ、平面視左右方向に長い略矩形状に形成される。下側垂下部65は、段部64の前端部から下方に垂下し、正面視左右方向に長い略矩形状に形成される。
【0031】
垂下壁部62の左右方向中央部には、センサ用開口68(図7参照)が設けられる。センサ用開口68は正面視矩形状に形成され、上側垂下部63、段部64、下側垂下部65の上部に亘って設けられる。センサ用開口68は、底部材40のセンサ固定台44の固定面45から前方に突出する温度センサ80の先端部を前方に向けて挿通させる(図4参照)。センサ用開口68の下端部には、後方に突出する延設部681が設けられる。延設部681は、段部64よりも低い位置に設けられる。
【0032】
センサ用開口68の内側で且つ延設部681上には、箱状のセンサカバー85が配置される。センサカバー85は、上側垂下部63のセンサ用開口68から前方に突出する温度センサ80の先端部の周囲を覆う。センサカバー85の左側部には、左方に延びる被固定部86が設けられ、右側部には、右方に延びる係止片87が設けられる。係止片87は、センサ用開口68を介して上側垂下部63の背面に係止する。その状態で、被固定部86が上側垂下部63の前面にネジ88で固定される。これにより、センサカバー85が温度センサ80の先端部を覆った状態で、垂下壁部62に固定される。センサカバー85が温度センサ80の先端部を覆うことで、温度センサ80を保護すると共に、燃焼排気が温度センサ80に直接接触するのを防止できる。
【0033】
バーナ支持部60は、アフターバーナ50の上面にネジ93,94で固定される(図6参照)。アフターバーナ50の炎口面55は、バーナ支持部60の開口部611に下側から挿入して位置決めされて、上方に向けて露出する。
【0034】
図4図7を参照し、温度センサ80の交換作業の一例を説明する。作業者は、コンロの筐体から天板を取り外し、グリル庫2の後部からダクト本体30を取り外す。その状態で、作業者は、温度センサ80の配線801のコネクタを、図示しない制御基板から延びる配線のコネクタから外す。この状態で、作業者はセンサカバー85、温度センサ80の順に取り外す作業を行う。
【0035】
上記の通り、センサカバー85は、垂下壁部62に対して前方からネジ88で固定されている。作業者は、グリル扉3を開けた状態で、グリル庫2の正面から工具を入れ、ネジ88を緩めてセンサカバー85を取り外す。そうすると、センサ用開口68の内側から温度センサ80の先端部が露出する。温度センサ80は、センサ用開口68の後方において、センサ固定台44の固定面45に対して前方からネジ82で固定されている。作業者は、センサ用開口68を介して、正面から工具を入れ、ネジ82を緩めてセンサ支持部材81と共に、温度センサ80を取り外す(図7参照)。
【0036】
次いで、作業者は、新しい温度センサ80を取り外し時の上記手順とは逆の手順で、センサ固定台44の固定面45に固定する。このとき、温度センサ80の後端側を、垂下壁部62のセンサ用開口68を介して、固定面45に設けられた開口451に挿入する。温度センサ80の後端側は、底部材40の外側に配置される(図4参照)。作業者は、コンロの筐体内で、配線801を後方に引き出してから、制御基板(図示略)からの配線のコネクタと接続する。温度センサ80の先端側は、センサ用開口68から前方に突出する。作業者はセンサカバー85を取り外し時の上記手順とは逆の手順で、垂下壁部62に固定する。こうして、温度センサ80の交換作業が完了する。
【0037】
このように、グリル装置1では、温度センサ80を固定するネジ82、及びセンサカバー85を固定するネジ88を何れも正面から固定するようにしたことで、温度センサ80及びセンサカバー85の取り外し、及び取り付けを正面から行うことができる。これにより、作業者は、アフターバーナ50を取り外すことなく、温度センサ80の交換が可能となる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のグリル装置1は、グリル庫2、上火バーナ21、下火バーナ22、排気ダクト4、アフターバーナユニット5を備える。グリル庫2は食材を収容する。上火バーナ21と下火バーナ22はグリルバーナであって、グリル庫2内に設けられる。排気ダクト4は、グリル庫2の後部から上方に延設され、食材から発生した油煙と臭気成分を後部に設けられた排気用開口38から上方へ導く。アフターバーナユニット5は、排気ダクト4内の下側に設けられ、燃焼排気に含まれる食材から発生した油煙と臭気成分を加熱して減少させる。アフターバーナユニット5の下方で且つグリル庫2内に後方から対面する位置には、センサ固定台44が設けられる。センサ固定台44の固定面45には、温度センサ80がネジ82で前方から固定される。このような構成を備えることにより、作業者は、温度センサ80を交換する際、前方から温度センサ80を取り外し、又は取り付けることができる。これにより、グリル装置1はアフターバーナユニット5を取り外すことなく、温度センサ80の交換が可能となる。
【0039】
上記説明において、グリル装置1は本発明の「グリル」の一例である。アフターバーナユニット5は、本発明の「アフターバーナ部」の一例である。温度センサ80は、本発明の「センサ」の一例である。センサ固定台44は、本発明の「固定壁部」の一例である。センサ固定台44の固定面45に設けられた開口451は、本発明の「開口」の一例である。アフターバーナ50は、本発明の「本体部」の一例である。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態のグリル装置1は、コンロの筐体内に設置されるものであるが、それ単体のグリル装置であってもよい。グリル装置1は、本発明の「グリルバーナ」としての上火バーナ21と下火バーナ22を備えるが、上火バーナ21及び下火バーナ22の何れか一方のみを備えていてもよい。排気ダクト4内において、フレームトラップ110は省略してもよい。センサカバー85は省略してもよい。
【0041】
本実施形態のグリル装置1は、センサ固定台44を、排気ダクト4の底部材40の中央傾斜面411に設け、そのセンサ固定台44の固定面45に温度センサ80を固定するが、アフターバーナユニット5の下方で且つグリル庫2内に向けて露出する位置であれば、温度センサ80を固定する位置を変えてもよい。例えば、アフターバーナユニット5の垂下壁部62の前面に固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 グリル装置
2 グリル庫
4 排気ダクト
5 アフターバーナユニット
21 上火バーナ
22 下火バーナ
44 センサ固定台
45 固定面
50 アフターバーナ
55 炎口面
62 垂下壁部
68 センサ用開口
80 温度センサ
82,88 ネジ
85 センサカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7