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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
   A46B 5/00 20060101AFI20241021BHJP
【FI】
A46B5/00 C
A46B5/00 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021530706
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(86)【国際出願番号】 JP2020026593
(87)【国際公開番号】W WO2021006277
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】P 2019127976
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】520173222
【氏名又は名称】株式会社西尾
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】西尾 秀俊
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-158643(JP,A)
【文献】登録実用新案第3136872(JP,U)
【文献】特開2008-253702(JP,A)
【文献】登録実用新案第3089919(JP,U)
【文献】実開昭50-126459(JP,U)
【文献】実開昭60-074637(JP,U)
【文献】特表2018-508327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 5/00 - 5/06
A61C 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植毛面と、当該植毛面に垂直に植設された複数の毛束とを有するブラシ部と、該ブラシ部に延設された把持部とを備え、
前記ブラシ部の前記複数の毛束は、前記植毛面において、前記ブラシ部の長手方向に前記毛束が並んで配置された毛束列を複数含んで構成され、
複数の前記毛束列は、互いに平行に、かつ前記ブラシ部の短手方向に所定の間隔を空けて配置され、かつ当該毛束列のそれぞれに含まれる複数の毛束が中央に近づくに連れて高くなるように山型に傾斜して形成された歯ブラシであって、
前記ブラシ部と前記把持部とをそれぞれ別体に構成し、両者を着脱可能に連結一体化して成り、
前記ブラシ部と前記把持部の一方に差込プレートと係合凸部を形成し、他方に差込溝と係合凹部を形成し、前記差込プレートを前記差込溝に差し込み、前記係合凸部を前記係合凹部に係合させることによって、前記ブラシ部と前記把持部とを着脱可能に連結一体化し、
前記差込プレートは、前記植毛面に平行な主面を有し、
前記係合凸部は、前記差込プレートの前記主面から垂直に突設され、前記短手方向に膨出した膨出領域を有し、当該主面と正対する正面視において楕円状である
ことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項2】
前記差込プレートは、前記把持部に挿入される先端側の幅が基端側の幅よりも短い台形プレート状である
ことを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2分割されたブラシ部と把持部とを着脱可能に連結一体化して成る歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
虫歯や歯周病の予防には、歯ブラシによる歯間や歯茎のブラッシングが不可欠であるが、歯ブラシは、毛束が植設されたブラシ部と、該ブラシ部に延設された把持部とを含んで構成されている。
【0003】
ところで、近年では電動歯ブラシも一部普及しているが、大部分(全体の90%以上)はブラシ部と把持部とが一体となった従来型のものが使用されている。この従来型の歯ブラシは、ブラシ部に植設された毛束の先端(毛先)が使用と共にバラバラに開いてくると、歯磨き効果が次第に低下してくるとともに、毛束に多数の菌が発生するため、適当な時期に新しいものと交換する必要がある。この歯ブラシの交換時期は、一般的には2箇月弱とされている。
【0004】
電動歯ブラシ以外の従来型の歯ブラシは、ブラシ部と把持部とが一体化されているため、これを新しいものと交換する際には、まだ十分使用に耐えることができる把持部を含めて全体が廃棄されている。このため、無駄が多くて不経済であり、資源の有効利用の観点からも望ましいことではない。
【0005】
そこで、例えば特許文献1には、替えブラシ(毛束が植設されたブラシ組立体)を本体のヘッド部分に着脱可能に組み付けて成る組立式歯ブラシが提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、替えブラシを熱湯(温度80℃程度)に漬けて着脱するようにした組立式歯ブラシが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2001-120352号公報
【文献】特開2002-000353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1において提案された組立式歯ブラシにおいては、替えブラシが組み込まれる本体のヘッド部が既存の歯ブラシのヘッド部よりも大きくなるため、奥歯が磨きにくく、奥歯の歯茎とその周辺に違和感を与えるという問題がある。
【0009】
また、特許文献2において提案された組立式歯ブラシにおいても、替えブラシが着脱される本体のヘッド部が既存の歯ブラシのヘッド部よりも大きくなるため、特許文献1において提案された組立式歯ブラシと同様の問題が発生する他、替えブラシの着脱に熱湯を用いるために安全性に問題があるとともに、熱湯を用意する手間と時間を要し、替えブラシの着脱を子供や高齢者が簡単に行うことができないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、ブラシ部のみを簡単に交換することによって、歯磨き効果の低下や使用時の違和感を招くことなく、経済性の向上や資源の有効利用を図ることができる歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、毛束(2a)が植設されたブラシ部(2)と、該ブラシ部(2)に延設された把持部(3)とを備える歯ブラシ(1)であって、前記ブラシ部(2)と前記把持部(3)とをそれぞれ別体に構成し、両者を着脱可能に連結一体化して成ることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、歯ブラシの交換に際してはブラシ部のみを新しいものと交換し、把持部はそのまま継続して使用することができるため、使い終わった古いブラシ部のみを廃棄すれば済む。このため、無駄が省かれて経済性が高められるとともに、資源の有効利用が図られる。また、柄の部分は同じものを長期間に亘って使用することが可能となるため、装飾性やデザイン性の高いものや高級な材料を用いたものなどを選択して使用することが可能となる。これにより、従来の使い捨てのものと比較して、歯ブラシを個人の嗜好に合致した価値の高い商品とすることができる。
【0013】
また、本発明によれば、ブラシ部の大きさは、既存の歯ブラシのブラシ部の大きさと同じで、両者に差はないため、歯磨き効果の低下や使用時の違和感を招くことがない。
【0014】
また、上記歯ブラシ(1)において、前記ブラシ部(2)と前記把持部(3)の一方(2)に雄ネジ(2b)を形成し、他方(3)に雌ネジ穴(3a)を形成し、前記雄ネジ(2b)を前記雌ネジ穴(3a)に螺着することによって、前記ブラシ部(2)と前記把持部(3)とを着脱可能に連結一体化するようにしてもよい。
【0015】
上記構成によれば、例えばブラシ部に形成された雄ネジを把持部に形成された雌ネジ穴に嵌め込んでブラシ部を回すだけの簡単な操作によって該ブラシ部を把持部にネジ結合することができる。そして、使い終わったブラシ部を取付時とは逆方向に回せば、雄ネジと雌ネジ穴との螺合が解除されて当該ブラシ部を把持部から簡単に取り外してこれを廃棄することができる。したがって、子供や高齢者であっても、ブラシ部を把持部に対して簡単に着脱することができる。
【0016】
また、前記歯ブラシ(11)において、前記ブラシ部(12)と前記把持部(13)の一方(12)に係合爪(12a)を形成し、他方(13)に係合溝(13b)を形成し、前記係合爪(12a)を前記係合溝(13b)に係合させることによって、前記ブラシ部(12)と前記把持部(13)とを着脱可能に連結一体化するようにしてもよい。
【0017】
上記構成によれば、例えばブラシ部に形成された係合爪を把持部に形成された係合溝に係合させるだけの簡単な操作によって、新しいブラシ部を把持部に取り付けて両者を連結一体化することができる。そして、使い終わったブラシ部の係合爪と把持部の係合溝との係合を解除すれば、ブラシ部を把持部から簡単に取り外してこれを廃棄することができる。したがって、子供や高齢者であっても、ブラシ部を把持部に対して簡単に着脱することができる。
【0018】
また、前記歯ブラシ(21)において、前記ブラシ部(22)と前記把持部(23)の一方(22)の軸方向一端に円柱状凸部(22A)を突設し、他方(23)の軸方向一端に、前記円柱状凸部(22A)が挿入嵌合する円穴(23A)を形成するとともに、前記円柱状凸部(22A)の外周の一部に周方向に沿う係合突起(22a)を形成し、前記円穴(23A)の内周に、前記係合突起(22a)の通過を許容する軸方向溝(23a)と該軸方向溝(23a)から周方向に延びる係合溝(23b)を形成し、前記円柱状凸部(22A)を前記円穴(23A)に差し込んでこれを軸中心回りに所定角度だけ回して前記係合突起(22a)を前記係合溝(23b)に係合させることによって、前記ブラシ部(22)と前記把持部(23)とを着脱可能に連結一体化するようにしてもよい。
【0019】
上記構成によれば、例えばブラシ部に突設された円柱状凸部を把持部の円穴に合わせ、該円柱状凸部の外周に形成された係合突起を把持部の円穴の内周に形成された軸方向溝を通過させながら円柱状凸部を円穴内に押し込んで嵌め込んだ後、ブラシ部を軸中心回りに所定角度だけ回すと、円柱状凸部に形成された係合突起が円穴の内周に形成された係合溝に係合するため、ブラシ部が把持部に連結されて一体化される。そして、使い終わったブラシ部を軸中心回りに取付時とは逆方向に所定角度だけ回せば、係合突起と係合溝との係合が解除されるため、ブラシ部を把持部から引き抜いてこれを廃棄することができる。したがって、子供や高齢者であっても、ブラシ部を把持部に対して簡単に着脱することができる。
【0020】
また、前記歯ブラシ(31)において、前記ブラシ部(32)と前記把持部(33)の一方(32)に差込プレート(32a)と係合凸部(32b)を形成し、他方(33)に差込溝(33a)と係合凹部(33b)を形成し、前記差込プレート(32a)を前記差込溝(33a)に差し込み、前記係合凸部(32b)を前記係合凹部(33b)に係合させることによって、前記ブラシ部(32)と前記把持部(33)とを着脱可能に連結一体化するようにしてもよい。
【0021】
上記構成によれば、例えばブラシ部に形成された差込プレートを把持部に形成された差込溝に差し込み、ブラシ部に形成された係合凸部を把持部に形成された係合凹部に係合させるだけの簡単な操作によって、新しいブラシ部を把持部に取り付けて両者を連結一体化することができる。そして、使い終わったブラシ部を把持部から引き抜いて該ブラシ部の係合凸部と把持部の係合凹部との係合を解除すれば、ブラシ部を把持部から簡単に取り外してこれを廃棄することができる。したがって、子供や高齢者であっても、ブラシ部を把持部に対して簡単に着脱することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る歯ブラシによれば、ブラシ部のみを簡単に交換することによって、歯磨き効果の低下や使用時の違和感を招くことなく、経済性の向上や資源の有効利用を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態1に係る歯ブラシの側面図である。
図2図1のA-A線破断面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る歯ブラシの分解側面図である。
図4】本発明の実施の形態2に係る歯ブラシの側面図である。
図5図4のB-B線断面図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る歯ブラシの連結構造を示す部分斜視図である。
図7図7A図7Cは本発明の実施の形態2に係る歯ブラシの連結過程をその順に示す部分断面図である。
図8】本発明の実施の形態3に係る歯ブラシの側面図である。
図9】本発明の実施の形態3に係る歯ブラシの連結構造を示す部分斜視図である。
図10図10A図10Cは本発明の実施の形態3に係る歯ブラシの連結過程をその順に示す図8のC-C線断面図である。
図11】本発明の実施の形態4に係る歯ブラシの一部破断正面図である。
図12】本発明の実施の形態4に係る歯ブラシの側面図である。
図13】本発明の実施の形態4に係る歯ブラシの分解正面図である。
図14】本発明の実施の形態4に係る歯ブラシの分解側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る歯ブラシの側面図、図2図1のA-A線破断面図、図3は同歯ブラシの分解側面図である。
【0026】
本実施の形態に係る歯ブラシ1は、毛束が植設されたブラシ部2と、該ブラシ部2から直線状に延設された柄の部分である把持部3とを備えており、ブラシ部2と把持部3とはそれぞれ別体に構成されている。そして、ブラシ部2と把持部3とは、後述の連結構造によって着脱可能に連結一体化されている。より正確には、ブラシ部2は、新しいものと交換可能であって、このブラシ部2が把持部3に対して着脱可能に連結されている。
【0027】
ここで、ブラシ部2は、歯をブラッシングするための部位であって、これの本体(ベース部)2Aには、例えば20~24タクト(房または束)の毛束2aが植設されている。ここで、毛束2aには、ナイロン、ポリエステルなどの樹脂素材または天然素材の用毛が用いられている。また、ブラシ部2の本体(ベース部)2Aには、ポリプロピレンやポリエステルなどの樹脂素材が用いられている。
【0028】
また、柄の部分である把持部3は、歯のブラッシングの際にユーザーが把持する部分であって、これにもポリプロピレンやポリエステルなどの樹脂素材が用いられている。
【0029】
ところで、一般的に歯ブラシは、使用によって毛束が劣化するために適当な時期(通常は2箇月未満)に新しいものと交換する必要があるが、本実施の形態に係る歯ブラシ1は、前述のようにブラシ部2と把持部3とがそれぞれ別体に構成されており、両者は、着脱可能に連結一体化されている。このため、歯ブラシ1の交換に際しては、毛束2aが劣化したブラシ部2のみを新しいものと交換し、劣化していない把持部3は、そのまま継続して使用することができる。
【0030】
ここで、本実施の形態に係る歯ブラシ1におけるブラシ部2と把持部3との連結構造について説明する。
【0031】
本実施の形態に係る歯ブラシ1においては、ブラシ部2の連結側(把持部3に連結される側)の軸方向(長手方向)一端(図3の下端)には、図3に示すように、軸方向に同心状に突出する円柱状の雄ネジ2bが一体に形成されている。また、把持部3の連結側(ブラシ部2に連結される側)の軸方向一端(図3の上端)には、図3に示すように、円穴状の雌ネジ穴3aが形成されている。なお、ブラシ部2の連結側の軸方向一端部の外径と把持部3の連結側の軸方向一端の外径は、同じ値(同径)に設定されている。
【0032】
以上のような連結構造を有する歯ブラシ1において、ブラシ部2のみを新しいものと交換する場合には、新しいブラシ部2の雄ネジ2bを把持部3の雌ネジ穴3aに合わせて該ブラシ部2を軸中心回りに回せば、このブラシ部2の雄ネジ2bが把持部3の雌ネジ穴3aにねじ込まれ、図1及び図2に示すように、ブラシ部2が把持部3に螺着されて両者が連結一体化される。このようにブラシ部2と把持部3が連結一体化された図1に示す歯ブラシ1は、従来の歯ブラシと同様に、ユーザーが把持部3を把持して操作することによって歯のブラッシングに供せられる。
【0033】
そして、使用によって歯ブラシ1のブラシ部2の毛束2aの劣化が進んだために当該歯ブラシ1が交換時期に達すると、ユーザーは、使い終わったブラシ部2を取付時とは逆方向に回せば、雄ネジ2bと雌ネジ穴3aとの螺合が解除されて当該ブラシ部2を把持部3から簡単に取り外してこれを廃棄することができる。
【0034】
以上のように、本実施の形態に係る歯ブラシ1によれば、該歯ブラシ1が交換時期に達すると、ブラシ部2のみを新しいものと交換し、把持部3はそのまま継続して使用することができるため、使い終わった古いブラシ部2のみを廃棄すれば済む。このため、無駄が省かれて経済性が高められるとともに、資源の有効利用が図られる。また、把持部3は同じものを長期間に亘って使用することが可能となるため、装飾性やデザイン性の高いものや高級な材料を用いたものなどを選択して使用することが可能となる。これにより、従来の使い捨ての歯ブラシと比較して、歯ブラシ1を個人の嗜好に合致した価値の高い商品とすることができる。
【0035】
また、ブラシ部2の大きさは、既存の歯ブラシのブラシ部の大きさと同じで、両者に差はないため、歯磨き効果の低下や使用時の違和感を招くことがない。また、把持部3を継続して繰り返し使用することができるため、ユーザーは、この把持部3として、自分の好みの色やデザインを施したものなどを選定してこれを長期に亘って使い続けることができる。
【0036】
また、ブラシ部2の把持部3に対する着脱は、ブラシ部2に形成された雄ネジ2bを把持部3に形成された雌ネジ穴3aに嵌め込んでブラシ部2を回すだけの簡単な操作によってなされるため、子供や高齢者であっても、ブラシ部2を把持部3に対して簡単に着脱することができる。
【0037】
なお、本実施の形態においては、ブラシ部2に雄ネジ2bを形成し、把持部3に雌ネジ穴3aを形成したが、これとは逆にブラシ部2に雌ネジ穴を形成し、把持部3に雄ネジを形成しても前記と同様の効果が得られることは勿論である。
【0038】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図4図7に基づいて以下に説明する。
【0039】
図4は本発明の実施の形態2に係る歯ブラシの側面図、図5図4のB-B線断面図、図6は同歯ブラシの連結構造を示す部分斜視図、図7A図7Cは同歯ブラシの連結過程をその順に示す部分断面図である。
【0040】
本実施の形態に係る歯ブラシ11の基本構成は、前記実施の形態1に係る歯ブラシ1のそれと同じであり、該歯ブラシ11は、それぞれ独立して別体に構成されたブラシ部12と把持部13とを連結一体化して構成されており、ブラシ部12と把持部13との連結構造が異なるのみであるため、以下、その連結構造について説明する。
【0041】
本実施の形態に係る歯ブラシ11においては、ブラシ部12の連結側の軸方向一端(図5及び図6の下端)の相対向する2箇所には、矩形プレート状のブラケット12Aが一体に突設されており、各ブラケット12Aの下端内面には、係合爪12aが内側(径方向内方)に向かってそれぞれ一体に突設されている。
【0042】
他方、図6に示すように、把持部13の連結側の軸方向一端部(図6の上端部)の外周の相対向する2箇所には、前記係合爪12aの通過を許容するための矩形の軸方向溝13aがそれぞれ形成されている。そして、把持部13の各軸方向溝13aが形成された部位の小径の外周面13Aには、周方向に沿う係合溝13bがそれぞれ形成されている。
【0043】
以上のような連結構造を有する歯ブラシ11において、ブラシ部12のみを新しいものと交換する場合には、新しいブラシ部12を把持部13に向かって図7Aの矢印方向に移動させ、その2つのブラケット12Aの内面にそれぞれ突設された係合爪12aを把持部13に形成された2つの軸方向溝13aに合わせる。そして、この状態からブラシ部12をさらに把持部13側へと押し込むと、図7Bに示すように、該ブラシ部12の2つの係合爪12aが把持部13の軸方向溝13aが形成された部位の外周面13Aに当接してこれらが外側に広がるように弾性変形する。
【0044】
上記状態からブラシ部12を把持部13側へとさらに押し込み、図7Cに示すように、ブラシ部12の係合爪12aが把持部13の係合溝13bにそれぞれ合致した時点で各ブラケット12Aが弾性復元力によってそれぞれ元の位置に復帰するため、各ブラケット12Aに突設された係合爪12aが把持部13の係合溝13bにそれぞれ係合し、ブラシ部12が把持部13に連結されて両者が一体化される。
【0045】
そして、使用によって歯ブラシ11のブラシ部12の劣化が進んだために当該歯ブラシ11が交換時期に達すると、ユーザーは、工具などを用いてブラシ部12のブラケット12Aを押し広げ、ブラケット12Aに突設された係合爪12aと係合溝13bとの係合を解除すれば、ブラシ部12を把持部13から簡単に取り外してこれを廃棄することができる。
【0046】
以上のように、本実施の形態に係る歯ブラシ11によれば、該歯ブラシ11が交換時期に達すると、ブラシ部12のみを新しいものと交換し、把持部13はそのまま継続して使用することができるため、前記実施の形態1に係る歯ブラシ1と同様の効果が得られる。特に、本実施の形態に係る歯ブラシ11においては、ブラシ部12側の係合爪12aを把持部13側の係合溝13bに対して係脱するだけの簡単な操作によってブラシ部12を把持部13に対して着脱することができるため、子供や高齢者であっても、古いブラシ部12を新しいものと簡単に交換することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、ブラシ部12側に係合爪12aを形成し、把持部13側に係合溝13bを形成したが、これとは逆にブラシ部12側に係合溝を形成し、把持部13側に係合爪を形成しても前記と同様の効果が得られることは勿論である。
【0048】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図8図10に基づいて以下に説明する。
【0049】
図8は本発明の実施の形態3に係る歯ブラシの側面図、図9は同歯ブラシの連結構造を示す部分斜視図、図10A図10Cは同歯ブラシの連結過程をその順に示す図8のC-C線断面図である。
【0050】
本実施の形態に係る歯ブラシ21の基本構成は、前記実施の形態1に係る歯ブラシ1のそれと同じであり、該歯ブラシ21は、それぞれ独立して別体に構成されたブラシ部22と把持部23とを連結一体化して構成されており、ブラシ部22と把持部23との連結構造が異なるのみであるため、以下、その連結構造について説明する。
【0051】
本実施の形態に係る歯ブラシ21においては、図9に示すように、ブラシ部22の連結側の軸方向一端(図9の下端)に円柱状凸部22Aが一体に突設されており、把持部23の連結側の軸方向一端(図9の上端)に、前記円柱状凸部22Aが挿入嵌合する円穴23Aが形成されている。
【0052】
そして、ブラシ部22に突設された円柱状凸部22Aの外周の相対向する2箇所に、周方向に沿う係合突起22aが部分的に形成され、把持部23に形成された円穴23Aの内周に、前記係合突起22aの通過を許容する矩形の軸方向溝23aと該軸方向溝23aから周方向に延びる係合溝23bが形成されている。
【0053】
以上のような連結構造を有する歯ブラシ21において、ブラシ部22のみを新しいものと交換する場合には、図10Aに示すように、ブラシ部22側の係合突起22aを把持部23側の軸方向溝23aに合わせた状態で、ブラシ部22の円柱状凸部22Aを把持部23の円穴23Aに嵌め込んでブラシ部22を把持部23側(図10の下方)へと押し込む。すると、ブラシ部22側の2つの係合突起22aは、把持部23側の2つの軸方向溝23aをそれぞれ通過し、これらの係合突起22aが把持部23側の係合溝23bに合致した時点で、ブラシ部22を軸中心回りに所定の方向(図10の時計方向)に回す。
【0054】
上述のようにブラシ部22を軸中心回りに回すと、図10Bに示すように、ブラシ部22側の2つの係合突起22aが把持部23側の2つの係合溝23bにそれぞれ係合しこのブラシ部22が所定角度だけ回された段階で、図10Cに示すように、2つの係合突起22aが2つの係合溝23bに完全に嵌合するため、新しいブラシ部22が把持部23に装着されて両者が連結一体化され、図8に示す歯ブラシ21が組み立てられる。
【0055】
そして、使用によって歯ブラシ21のブラシ部22の劣化が進んだために当該歯ブラシ21が交換時期に達すると、ユーザーは、ブラシ部22を軸中心回りに組立時とは逆方向に回す。すると、ブラシ部22側の2つの係合突起22aと把持部23側の2つの係合溝23bとの係合が解除されるため、ブラシ部22を把持部23から容易に引き抜いて取り外し、この取り外されたブラシ部22を廃棄することができる。
【0056】
以上のように、本実施の形態に係る歯ブラシ21によれば、該歯ブラシ21が交換時期に達すると、ブラシ部22のみを新しいものと交換し、把持部23はそのまま継続して使用することができるため、前記実施の形態1,2に係る歯ブラシ1,11と同様の効果が得られる。特に、本実施の形態に係る歯ブラシ21においては、ブラシ部22の円柱状凸部22Aを把持部23の円穴23Aに嵌め込んでブラシ部22を軸中心回りに所定角度だけ回すだけの簡単な操作によってブラシ部22を把持部23に対して着脱することができるため、子供や高齢者であっても、古いブラシ部22を新しいものと簡単に交換することができる。
【0057】
なお、本実施の形態では、ブラシ部22側に係合突起22aを形成し、把持部23側に係合溝23bを形成したが、これとは逆にブラシ部22側に係合溝を形成し、把持部23側に係合突起を形成しても前記と同様の効果が得られることは勿論である。
【0058】
<実施の形態4>
次に、本発明の実施の形態4を図11図14に基づいて以下に説明する。
【0059】
図11は本発明の実施の形態4に係る歯ブラシの一部破断正面図、図12は同歯ブラシの側面図、図13は同歯ブラシの分解正面図、図14は同歯ブラシの分解側面図である。
【0060】
本実施の形態に係る歯ブラシ31の基本構成は、前記実施の形態1~3に係る歯ブラシ1,11,21のそれと同じであり、該歯ブラシ31は、それぞれ独立して別体に構成されたブラシ部32と把持部33とを連結一体化して構成されており、ブラシ部32と把持部33との連結構造が異なるのみであるため、以下、その連結構造について説明する。
【0061】
本実施の形態に係る歯ブラシ31においては、ブラシ部32の連結側の軸方向一端(図13及び図14の下端)には、台形プレート状の差込プレート32aが図の下方に向かって一体に突設されており、この差込プレート32aには正面図楕円状の係合凸部32bが一体に突設されている。
【0062】
他方、図11に示すように、把持部33の連結側の軸方向一端部(図11の上端部)には、ブラシ部32に形成された差込プレート32aと同形状の差込溝33aと、差込プレート32aに突設された係合凸部32bが係合する係合凹部33bが形成されている。
【0063】
以上のような連結構造を有する歯ブラシ31において、ブラシ部32のみを新しいものと交換する場合には、新しいブラシ部32の差込プレート32aを把持部33の差込溝33aに差し込む。すると、図11に示すように、差込プレート32aに突設された係合凸部32bが把持部33に形成された係合凹部33bに係合するため、ブラシ部32が把持部33に連結されて両者が一体化される。
【0064】
そして、使用によって歯ブラシ31のブラシ部32の劣化が進んだために当該歯ブラシ31が交換時期に達すると、ユーザーは、ブラシ部32を把持部33から引き抜く方向に引っ張れば、該ブラシ部32の差込プレート32aに一体に突設された係合凸部32bと把持部33に形成された係合凹部33bとの係合が解除される。このため、図13及び図14に示すように、ブラシ部32を把持部33から簡単に取り外してこれを廃棄することができる。
【0065】
以上のように、本実施の形態に係る歯ブラシ31によれば、該歯ブラシ31が交換時期に達すると、ブラシ部32のみを新しいものと交換し、把持部33はそのまま継続して使用することができるため、前記実施の形態1~3に係る歯ブラシ1,11,21と同様の効果が得られる。特に、本実施の形態に係る歯ブラシ31においては、ブラシ部32を把持部33に差し込み、或いは引き抜くだけの簡単な操作によってブラシ部32を把持部13に対して着脱することができるため、子供や高齢者であっても、古いブラシ部32を新しいものと簡単に交換することができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、ブラシ部32側に差込プレート32aと係合凸部32bを形成し、把持部33側に差込溝33aと係合凹部33bを形成したが、これとは逆にブラシ部32側に差込溝と係合凹部を形成し、把持部33側に差込プレートと係合凸部を形成しても前記と同様の効果が得られることは勿論である。
【0067】
また、本発明に係る歯ブラシにおけるブラシ部と把持部の連結構造は、以上に例示したものに限定される訳ではなく、他の任意の連結構造を採用することができることは言うまでもない。
【0068】
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、請求の範囲および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14