(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】直流磁場用超電導コイル電源装置
(51)【国際特許分類】
H01F 6/00 20060101AFI20241021BHJP
H01F 6/06 20060101ALI20241021BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
H01F6/00 180
H01F6/06 130
H01F6/06 510
H02M3/155 W
(21)【出願番号】P 2023523952
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(86)【国際出願番号】 JP2021043991
(87)【国際公開番号】W WO2022249514
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2021090691
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000133939
【氏名又は名称】テラル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】河島 裕
(72)【発明者】
【氏名】杉本 志郎
(72)【発明者】
【氏名】伊東 徹也
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201302893(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 6/00
H01F 6/06
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超電導コイルと、
直流電圧を供給可能な電源装置と、
前記電源装置の一端と前記超電導コイルの一端との間に並列に接続された複数のチョッパ回路と、
前記チョッパ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記超電導コイルを充電する際、前記複数のチョッパ回路を時分割で動作させ
、
前記チョッパ回路は、
前記電源装置の一端と前記超電導コイルの一端とを直列に接続する、第1スイッチ及びインダクタと、
前記第1スイッチと前記インダクタとの間のノードと、グランドとを接続する第2スイッチと、を備え、
前記グランドは、前記電源装置の他端と前記超電導コイルの他端とを接続するノードである、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記制御部は、1周期の間に前記各チョッパ回路を1回ずつ動作させる、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、MOSFETである、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか一項に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記制御部は、前記チョッパ回路を動作させる際のデューティ比を調整可能である、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項5】
超電導コイルと、
直流電圧を供給可能な電源装置と、
前記電源装置の一端と前記超電導コイルの一端との間に並列に接続された複数のチョッパ回路と、
前記チョッパ回路を制御する制御部と、
前記超電導コイルの両端を短絡可能な低抵抗スイッチ
と、を備え、
前記制御部は、前記超電導コイルを充電する際、前記複数のチョッパ回路を時分割で動作させ、
前記制御部は、前記超電導コイルに流れる電流が所定の閾値以上になると、前記低抵抗スイッチをオンに制御して前記超電導コイルの両端を短絡させる、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記低抵抗スイッチは、MOSFETとダイオードの並列回路が複数並列に接続された構成である、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項7】
超電導コイルと、
直流電圧を供給可能な電源装置と、
前記電源装置の一端と前記超電導コイルの一端との間に並列に接続された複数のチョッパ回路と、
前記チョッパ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記超電導コイルを充電する際、前記複数のチョッパ回路を時分割で動作させ、
前記超電導コイル及び前記複数のチョッパ回路は、冷却容器の内部に設置されており、
前記冷却容器は、第1領域と、前記第1領域よりも冷却温度の設定が低い第2領域を有し、
前記チョッパ回路は、前記第1領域に設置され、
前記超電導コイルは、前記第2領域に設置されている、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記電源装置の2つの出力端子にそれぞれ接続される2つの第1リードをさらに備える、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項9】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
並列に接続された複数の前記超電導コイルを備え、
前記直流磁場用超電導コイル電源装置は、
前記複数の超電導コイルの各々の超電導コイルと、前記複数のチョッパ回路との間に接続された、複数の選択スイッチと、
前記複数のチョッパ回路と前記複数の選択スイッチとの間のノードと、前記グランドとを接続する還流ダイオードと、をさらに備える、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項10】
請求項
9に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記還流ダイオードと並列に接続された第3スイッチをさらに備える、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項11】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
並列に接続された複数の前記超電導コイルを備え、
前記直流磁場用超電導コイル電源装置は、前記複数の超電導コイルの各々の超電導コイルと、前記複数のチョッパ回路との間に接続された、複数の選択スイッチをさらに備え、
前記チョッパ回路は、前記インダクタと並列に接続された還流ダイオードをさらに備える、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項12】
請求項
11に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記還流ダイオードと並列に接続された第4スイッチをさらに備える、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【請求項13】
請求項
9から
12のいずれか一項に記載の直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記複数の超電導コイルの各々の超電導コイルの一端と、前記直流磁場用超電導コイル電源装置の外部に設けられた負荷の一端とを接続する複数の電流ブロックダイオードと、
前記複数の超電導コイルの各々の超電導コイルの他端と、前記負荷の他端とを接続する複数の第5スイッチと、をさらに備える、直流磁場用超電導コイル電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、直流磁場用超電導コイル電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超電導コイルを用いた直流磁場発生装置が知られている。超電導コイルを用いた直流磁場発生装置によって高磁場を発生させるためには、超電導コイルに大電流を流す必要がある。
【0003】
超電導コイルに大電流を流す技術として、超電導コイルに流す電流を徐々に増やして超電導コイルを充電し、超電導コイルに大電流を流す技術が知られている。
【0004】
例えば特許文献1は、電流を供給可能な励磁トランスと超電導マグネットとの間に設置されているスイッチのオン/オフを繰り返すことで、超電導マグネットに流す電流を徐々に増やす技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
超電導コイルを充電する際、通常、電源装置からリードを介して超電導コイルに電流を供給する。この際、大電流を供給する必要があるため、電源装置及びリードは大電流に対応可能とする必要があるが、大電流に対応可能な電源装置及びリードはコストが高い。
【0007】
本開示の目的は、超電導コイルを用いた直流磁場発生装置に用いられる直流磁場用超電導コイル電源装置を低コストで実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置は、
超電導コイルと、
直流電圧を供給可能な電源装置と、
前記電源装置の一端と前記超電導コイルの一端との間に並列に接続された複数のチョッパ回路と、
前記チョッパ回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記超電導コイルを充電する際、前記複数のチョッパ回路を時分割で動作させる。
【0009】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記制御部は、1周期の間に前記各チョッパ回路を1回ずつ動作させてもよい。
【0010】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記チョッパ回路は、
前記電源装置の一端と前記超電導コイルの一端とを直列に接続する、第1スイッチ及びインダクタと、
前記第1スイッチと前記インダクタとの間のノードと、グランドとを接続する第2スイッチと、を備え、
前記グランドは、前記電源装置の他端と前記超電導コイルの他端とを接続するノードであってもよい。
【0011】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、MOSFETであってもよい。
【0012】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記制御部は、前記チョッパ回路を動作させる際のデューティ比を調整可能であってもよい。
【0013】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記超電導コイルの両端を短絡可能な低抵抗スイッチをさらに備え、
前記制御部は、前記超電導コイルに流れる電流が所定の閾値以上になると、前記低抵抗スイッチをオンに制御して前記超電導コイルの両端を短絡させてもよい。
【0014】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記低抵抗スイッチは、MOSFETとダイオードの並列回路が複数並列に接続された構成であってもよい。
【0015】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記超電導コイル及び前記複数のチョッパ回路は、冷却容器の内部に設置されていてもよい。
【0016】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記冷却容器は、第1領域と、前記第1領域よりも冷却温度の設定が低い第2領域を有し、
前記チョッパ回路は、前記第1領域に設置され、
前記超電導コイルは、前記第2領域に設置されていてもよい。
【0017】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記電源装置の2つの出力端子にそれぞれ接続される2つの第1リードをさらに備えてもよい。
【0018】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
並列に接続された複数の前記超電導コイルを備え、
前記直流磁場用超電導コイル電源装置は、
前記複数の超電導コイルの各々の超電導コイルと、前記複数のチョッパ回路との間に接続された、複数の選択スイッチと、
前記複数のチョッパ回路と前記複数の選択スイッチとの間のノードと、前記グランドとを接続する還流ダイオードと、をさらに備えてもよい。
【0019】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記還流ダイオードと並列に接続された第3スイッチをさらに備えてもよい。
【0020】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
並列に接続された複数の前記超電導コイルを備え、
前記直流磁場用超電導コイル電源装置は、前記複数の超電導コイルの各々の超電導コイルと、前記複数のチョッパ回路との間に接続された、複数の選択スイッチをさらに備え、
前記チョッパ回路は、前記インダクタと並列に接続された還流ダイオードをさらに備えてもよい。
【0021】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記還流ダイオードと並列に接続された第4スイッチをさらに備えてもよい。
【0022】
本開示に係る直流磁場用超電導コイル電源装置において、
前記複数の超電導コイルの各々の超電導コイルの一端と、前記直流磁場用超電導コイル電源装置の外部に設けられた負荷の一端とを接続する複数の電流ブロックダイオードと、
前記複数の超電導コイルの各々の超電導コイルの他端と、前記負荷の他端とを接続する複数の第5スイッチと、をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本開示によれば、超電導コイルを用いた直流磁場用超電導コイル電源装置を低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の一実施形態に係る直流磁場用超電導コイル電源装置の構成を示す図である。
【
図3】低抵抗スイッチの構成の一例を示す図である。
【
図4】チョッパ回路のスイッチのオン/オフのタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【
図5】本開示の一実施形態に係る直流磁場用超電導コイル電源装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】冷却容器が第1領域及び第2領域を有する構成の一例を示す図である。
【
図7】本開示の第1の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置の構成を示す図である。
【
図8】本開示の第2の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置の構成を示す図である。
【
図9】本開示の第3の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置の構成を示す図である。
【
図10】本開示の第4の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置の構成を示す図である。
【
図11】本開示の第5の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、本開示の一実施形態に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1の構成を示す図である。
【0027】
直流磁場用超電導コイル電源装置1は、電源装置11と、第1リード12-1~12-2と、チョッパ回路13-1~13-8と、低抵抗スイッチ14と、電流センサ15と、第2リード16-1~16-2と、超電導コイル17と、制御部18とを備える。
【0028】
以後、第1リード12-1~12-2については、特に区別する必要がない場合、単に「第1リード12」と称して説明する場合がある。
【0029】
以後、チョッパ回路13-1~13-8については、特に区別する必要がない場合、単に「チョッパ回路13」と称して説明する場合がある。
【0030】
以後、第2リード16-1~16-2については、特に区別する必要がない場合、単に「第2リード16」と称して説明する場合がある。
【0031】
第1リード12、チョッパ回路13、低抵抗スイッチ14、電流センサ15、第2リード16、超電導コイル17及び制御部18は、冷却容器5の内部に設置されている。
【0032】
冷却容器5は、内部を低温に冷却することが可能な装置である。例えば、冷却容器5は、内部を20K程度まで冷却することが可能である。
【0033】
電源装置11は、直流電圧を供給可能な装置である。電源装置11は、例えば、商用電源などから供給される交流電圧を直流電圧に変換するAC/DC変換器を備えていてよい。電源装置11が供給する直流電圧は、例えば6V程度であってよい。
【0034】
電源装置11の2つの出力端子には、第1リード12-1及び第1リード12-2が接続されている。電源装置11の一方の出力端子は、第1リード12-1を介して、複数のチョッパ回路13-1~13-8に接続されている。電源装置11の他方の出力端子は、第1リード12-2を介して、低抵抗スイッチ14及び第2リード16-2に接続されている。また、第2リード16-2及び低抵抗スイッチ14は各チョッパ回路13のグランドに接続されている。
【0035】
第1リード12は、電流を流すことが可能な導体である。第1リード12は、例えば、常電導の電流リードであってよい。
【0036】
複数のチョッパ回路13-1~13-8は、電源装置11の一端と、超電導コイル17の一端との間に並列に接続されている。なお、本実施形態において、「接続されている」との用語は、直接接続されていることだけでなく、間接的に接続されていることも意味する。
【0037】
並列に接続された複数のチョッパ回路13-1~13-8の一方は、第1リード12-1を介して、電源装置11の一端と接続されている。また、並列に接続された複数のチョッパ回路13-1~13-8の他方は、電流センサ15及び第2リード16-1を介して、超電導コイル17の一端と接続されている。また、各チョッパ回路13のグランドは、低抵抗スイッチ14と接続され、第2リード16-2を介して超電導コイル17の他端と接続されている。
【0038】
本実施形態においては、8つのチョッパ回路13-1~13-8が並列に接続される構成を例に挙げて説明するが、並列に接続されるチョッパ回路13の個数は、8つに限定されない。並列に接続されるチョッパ回路13の個数は、2つ以上の任意の個数であってよい。
【0039】
チョッパ回路13-1は、第1スイッチSA1と、第2スイッチSB1と、インダクタL1とを備える。同様に、チョッパ回路13-2は、第1スイッチSA2と、第2スイッチSB2と、インダクタL2とを備える。同様に、チョッパ回路13-8は、第1スイッチSA8と、第2スイッチSB8と、インダクタL8とを備える。
図1においては、チョッパ回路13-3~13-7の図示は省略している。
【0040】
チョッパ回路13-1~13-8は同じ構成であるため、チョッパ回路13-1を例に挙げて説明する。
【0041】
チョッパ回路13-1の第1スイッチSA1及びインダクタL1は、電源装置11の一端と超電導コイル17の一端とを直列に接続する。第2スイッチSB1は、第1スイッチSA1とインダクタL1との間のノードと、グランドとを接続する。
【0042】
チョッパ回路13-1は、第1スイッチSA1がオンで第2スイッチSB1がオフであるときに、電源装置11から供給される電流によって、超電導コイル17及びインダクタL1を充電する。チョッパ回路13-1は、第1スイッチSA1がオフで第2スイッチSB1がオンであるときに、インダクタL1が放電して、超電導コイル17に電流を供給する。
【0043】
チョッパ回路13-1の第1スイッチSA1及び第2スイッチSB1は、制御部18によって制御される。
【0044】
図2に、チョッパ回路13-1の回路構成の一例を示す。第1スイッチSA1及び第2スイッチSB1は、
図2に示すように、MOSFETであってよい。第1スイッチSA1は、NチャネルのMOSFETであってよい。第2スイッチSB1は、NチャネルのMOSFETであってよい。
【0045】
第1スイッチSA1及び第2スイッチSB1がMOSFETである場合、MOSFETのゲートが制御部18によって制御される。
【0046】
第1スイッチSA1及び第2スイッチSB1をMOSFETとすることにより、第1スイッチSA1及び第2スイッチSB1の動作速度を速くすることができる。また、第1スイッチSA1及び第2スイッチSB1をMOSFETとすると、MOSFETはオン抵抗が小さいため、第1スイッチSA1及び第2スイッチSB1の通電損失を低減することができる。
【0047】
チョッパ回路13-1は冷却容器5の内部に設置されているため、第1スイッチSA1及び第2スイッチSB1のオン抵抗は、常温に設置されている場合に比べて小さくなる。また、チョッパ回路13-1は冷却容器5の内部に設置されているため、インダクタL1の直列抵抗値は、常温に設置されている場合に比べて小さくなる。
【0048】
低抵抗スイッチ14は、超電導コイル17の両端を短絡可能なスイッチである。低抵抗スイッチ14の一端は、電流センサ15及び第2リード16-1を介して、超電導コイル17の一端に接続される。低抵抗スイッチ14の他端は、第2リード16-2を介して、超電導コイル17の他端に接続される。
【0049】
なお、低抵抗スイッチ14が超電導コイル17の両端を短絡するとは、完全に短絡することを意味するのではなく、低抵抗スイッチ14が所定の抵抗値以下の抵抗値で超電導コイル17の両端を接続することを意味する。所定の抵抗値は、例えば、0.01~0.1mΩ程度であってよい。
【0050】
低抵抗スイッチ14のオン/オフは、制御部18によって制御される。超電導コイル17が充電されている間、低抵抗スイッチ14はオフとなっている。すなわち、超電導コイル17が充電されている間、低抵抗スイッチ14は、超電導コイル17の両端を短絡しない。超電導コイル17の充電が完了すると、低抵抗スイッチ14はオンとなる。すなわち、超電導コイル17の充電が完了すると、低抵抗スイッチ14は、超電導コイル17の両端を短絡する。
【0051】
超電導コイル17の充電が完了し、低抵抗スイッチ14がオンすると、低抵抗スイッチ14、電流センサ15、第2リード16-1、超電導コイル17及び第2リード16-2を接続する閉ループに電流が流れる。この状態において、超電導コイル17は、所望の直流磁場を発生することができる。
【0052】
図3に、低抵抗スイッチ14の回路構成の一例を示す。低抵抗スイッチ14は、MOSFET141とダイオード142の並列回路が複数並列に接続された構成であってよい。低抵抗スイッチ14は、例えば、MOSFET141とダイオード142の並列回路が10個並列に接続された構成であってよい。なお、MOSFET141は、スイッチとして機能することが可能であれば、MOSFET以外の他の種類の回路素子であってもよい。
【0053】
低抵抗スイッチ14は冷却容器5の内部に設置されているため、MOSFET141のオン抵抗は、常温に設置されている場合に比べて小さい。
【0054】
このように、低抵抗スイッチ14が低損失のMOSFET141を含む構成とすることにより、超電導コイル17に閉ループで電流を流している際の損失を低減することができる。
【0055】
電流センサ15は、超電導コイル17に流れる電流を検出する。電流センサ15は、例えば、CT(Current Transformer)であってよい。
【0056】
第2リード16は、電流を流すことが可能な導体である。第2リード16は、例えば、超電導の電流リードであってよい。超電導の電流リードは抵抗値が低く断熱性が高いため、超電導コイル17に熱が伝わることを抑制することができる。
【0057】
超電導コイル17は、高温超電導線材によって形成されたコイルを含んでよい。超電導コイル17は、例えば、コイル形状の高温超電導線材の間に比較的抵抗の高い常電導材料の金属テープを挟み込んだ、無絶縁コイルであってよい。超電導コイル17を無絶縁コイルとすると、超電導コイル17の機械的な特性の劣化を防止することができる。また、超電導コイル17を無絶縁コイルとすると、超電導コイル17の熱暴走を抑制し安定性を向上させることができる。
【0058】
制御部18は、チョッパ回路13の動作を制御する。制御部18は、第1スイッチSA1~SA8及び第2スイッチSB1~SB8を制御することによって、チョッパ回路13-1~チョッパ回路13-8の動作を制御する。
【0059】
制御部18は、超電導コイル17を充電する際、複数のチョッパ回路13-1~13-8を時分割で動作させる。制御部18による複数のチョッパ回路13-1~13-8の制御の詳細については後述する。
【0060】
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含まず、ロジックICを含む構成であってよい。あるいは、制御部18は、CPUのようなプロセッサを含む構成であってもよい。
【0061】
制御部18がCPUのようなプロセッサを含まない構成とすると、制御部18の信頼性を向上させることができる。あるいは、制御部18がCPUのようなプロセッサを含む構成とすると、制御部18は、高度な処理をすることが可能となる。
【0062】
続いて、直流磁場用超電導コイル電源装置1が超電導コイル17を充電する動作について詳細に説明する。
【0063】
超電導コイル17の充電を開始する際、制御部18は、低抵抗スイッチ14をオフに制御する。
【0064】
続いて、制御部18は、複数のチョッパ回路13を時分割で動作させて、超電導コイル17を充電する。
【0065】
複数のチョッパ回路13を時分割で動作させるとは、1周期の時間をチョッパ回路13の個数で分割し、分割した各時間において1つのチョッパ回路13を動作させることを意味する。すなわち、制御部18は、1周期の間に各チョッパ回路13を1回ずつ動作させる。
【0066】
図1に示す例においては、チョッパ回路13の個数は8個である。チョッパ回路13の個数が8個である場合の制御部18によるチョッパ回路13-1~13-8の制御について、
図4に示すタイミングチャートを参照して説明する。
【0067】
制御部18は、1周期の時間を8分割し、
図4に示す例では、1/8周期分の時間ごとに、各チョッパ回路13を順番に動作させる。1周期は、t1~t17までの時間である。制御部18は、t1~t3の時間にチョッパ回路13-1を動作させる。制御部18は、t3~t5の時間にチョッパ回路13-2を動作させる。制御部18は、t15~t17の時間にチョッパ回路13-8を動作させる。なお、
図4に示すタイミングチャートにおいて、チョッパ回路13-3~13-7の制御については省略している。
【0068】
制御部18は、t1~t2において、チョッパ回路13-1の第1スイッチSA1をオンに制御し、第2スイッチSB1をオフに制御する。この際、制御部18は、その他のチョッパ回路13-2~13-8の第1スイッチSA2~SA8はオフに制御し、第2スイッチSB2~SB8はオンに制御している。
【0069】
この制御により、t1~t2において、電源装置11から供給される電流によって、チョッパ回路13-1のインダクタL1及び超電導コイル17が充電される。
【0070】
続いて、制御部18は、t2~t3において、チョッパ回路13-1の第1スイッチSA1をオフに制御し、第2スイッチSB1をオンに制御する。この際、制御部18は、その他のチョッパ回路13-2~13-8の第1スイッチSA2~SA8はオフに制御し、第2スイッチSB2~SB8はオンに制御している。
【0071】
この制御により、t1~t2において充電されたインダクタL1が放電され、インダクタL1から超電導コイル17に電流が供給される。
【0072】
続いて、制御部18は、t3~t4において、チョッパ回路13-2の第1スイッチSA2をオンに制御し、第2スイッチSB2をオフに制御する。この際、制御部18は、その他のチョッパ回路13-1及び13-3~13-8の第1スイッチSA1及びSA3~SA8はオフに制御し、第2スイッチSB1及びSB3~SB8はオンに制御している。
【0073】
この制御により、t3~t4において、電源装置11から供給される電流によって、チョッパ回路13-2のインダクタL2及び超電導コイル17が充電される。
【0074】
続いて、制御部18は、t4~t5において、チョッパ回路13-2の第1スイッチSA2をオフに制御し、第2スイッチSB2をオンに制御する。この際、制御部18は、その他のチョッパ回路13-1及び13-3~13-8の第1スイッチSA1及びSA3~SA8はオフに制御し、第2スイッチSB1及びSB3~SB8はオンに制御している。
【0075】
この制御により、t3~t4において充電されたインダクタL2が放電され、インダクタL2から超電導コイル17に電流が供給される。
【0076】
制御部18は、このような処理を、チョッパ回路13-3~13-8に対して順次繰り返す。チョッパ回路13-8の動作が終了すると、すなわち、
図4に示すt17まで達すると、制御部18は、チョッパ回路13-1を動作させる処理に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0077】
このようにして、制御部18は、
図4のt1~t17に示す処理を繰り返して超電導コイル17を充電する。
【0078】
制御部18は、超電導コイル17を充電している間、超電導コイル17に流れる電流の値を、超電導コイル17の電流を検出している電流センサ15から取得している。制御部18は、超電導コイル17に流れる電流が所定の閾値以上になったと判定すると、超電導コイル17の充電処理を終了する。また、制御部18は、超電導コイル17に流れる電流が所定の閾値以上になったと判定すると、低抵抗スイッチ14をオンに制御して、超電導コイル17の両端を短絡させる。
【0079】
所定の閾値は、所定の直流磁場を発生するために超電導コイル17に流すことが必要な電流の値であってよい。所定の閾値は、例えば300A程度であってよい。
【0080】
低抵抗スイッチ14がオンすると、低抵抗スイッチ14、電流センサ15、第2リード16-1、超電導コイル17及び第2リード16-2を接続する閉ループに電流が流れる。この状態において、超電導コイル17は、所望の直流磁場を発生する。
【0081】
本実施形態に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1は、このように、並列に接続された8個のチョッパ回路13によって、超電導コイル17を充電する。そのため、超電導コイル17に300Aの電流が流れるように超電導コイル17を充電する場合、1つのチョッパ回路13に流れる電流の平均は、300A/8=37.5Aである。
【0082】
チョッパ回路13-1~13-8は時分割で動作するため、電源装置11は、平均で37.5A程度の電流を供給することが可能であればよい。したがって、電源装置11は、300Aを供給可能な電源装置に比べて低コストの電源装置とすることができる。
【0083】
また、第1リード12も、超電導コイル17に300Aの電流が流れるように超電導コイル17を充電する場合、平均で37.5A程度の電流を流せればよい。したがって、第1リード12は、300Aを流すことが可能な電流リードに比べて断面積を小型化することが可能となる。第1リード12の断面積を小型化することによって、冷却容器5の外部から第1リード12を介して冷却容器5の内部へ侵入する熱量を低減することができる。
【0084】
また、チョッパ回路13も、1つのチョッパ回路13は、平均で37.5A程度の電流を流せればよい。したがって、チョッパ回路13は、300Aを流すことが可能なチョッパ回路に比べて小型化することが可能となる。これにより、チョッパ回路13を冷却容器5の内部に設置することが容易になる。
【0085】
制御部18は、超電導コイル17の充電処理を終了すると、チョッパ回路13-1~13-8の第1スイッチSA1~SA8及び第2スイッチSB1~SB8をオフに制御してよい。
【0086】
あるいは、制御部18は、超電導コイル17の充電処理を終了すると、チョッパ回路13-1~13-8の第1スイッチSA1~SA8はオフに制御し、チョッパ回路13-1~13-8の第2スイッチSB1~SB8はオンに制御してもよい。
【0087】
チョッパ回路13-1~13-8の第2スイッチSB1~SB8をオンに制御すると、インダクタL1と第2スイッチSB1の直列構成、インダクタL2と第2スイッチSB2の直列構成、・・・インダクタL8と第2スイッチSB8の直列構成が並列に低抵抗スイッチ14に接続された構成となり、低抵抗スイッチ14がオンしているときの低抵抗スイッチ14の両端の抵抗値をさらに低減することができる。例えばインダクタL1~L8が超電導コイル化されている場合などのように、インダクタL1~L8と第2スイッチSB1~SB8がオン状態での直並列構成の抵抗値が小さい場合は、低抵抗スイッチ14を省略してもよい。
【0088】
制御部18は、チョッパ回路13を動作させる際、デューティ比を調整可能である。チョッパ回路13-1を例に挙げて説明すると、デューティ比は、チョッパ回路13-1が動作している時間における、第1スイッチSA1がオンとなっている時間の比率である。すなわち、
図4において、チョッパ回路13-1が動作している時間であるt1からt3までの時間をTA、第1スイッチSA1がオンしている時間であるt1からt2までの時間をTBとすると、デューティ比は、TB/TAで表される。
【0089】
制御部18は、デューティ比を調整することで、超電導コイル17に対する充電能力を調整することができる。制御部18は、例えば、100%に近いデューティ比とすることにより、超電導コイル17への充電能力を最大にすることができる。
【0090】
図5に示すフローチャートを参照して、直流磁場用超電導コイル電源装置1の動作について説明する。
【0091】
超電導コイル17の充電を開始すると、制御部18は、低抵抗スイッチ14をオフに制御する。また、制御部18は、
図4に示したタイミングチャートのように、チョッパ回路13-1~13-8の第1スイッチSA1~SA8及び第2スイッチSB1~SB8を制御する(ステップS101)。
【0092】
制御部18は、超電導コイル17を充電している間、電流センサ15が検出した超電導コイル17に流れている電流の値を、電流センサ15から取得している(ステップS102)。
【0093】
制御部18は、超電導コイル17に流れている電流が所定の閾値以上であるか判定する(ステップS103)。
【0094】
超電導コイル17に流れている電流が所定の閾値未満である場合(ステップS103のNo)、制御部18は、ステップS102に戻る。
【0095】
超電導コイル17に流れている電流が所定の閾値以上である場合(ステップS103のYes)、制御部18は、低抵抗スイッチ14をオンに切り替える制御をする(ステップS104)。また、制御部18は、チョッパ回路13-1~13-8による超電導コイル17の充電動作を停止する。
【0096】
<超電導コイルの端子電圧の抑制回路>
直流磁場用超電導コイル電源装置1は、充電時に超電導コイル17の端子間に高電圧がかかることを抑制する回路をさらに備えていてもよい。
【0097】
直流磁場用超電導コイル電源装置1は、超電導コイル17の端子間に高電圧がかかることを抑制する回路として、例えば、超電導コイル17と並列に接続された抵抗を備えていてもよい。あるいは、直流磁場用超電導コイル電源装置1は、超電導コイル17の端子間に高電圧がかかることを抑制する回路として、例えば、超電導コイル17と並列に接続されたダイオードを備えていてもよい。
【0098】
あるいは、直流磁場用超電導コイル電源装置1は、低抵抗スイッチ14が
図3に示すようなMOSFET141を含む構成である場合、低抵抗スイッチ14に含まれるMOSFET141を、超電導コイル17と並列に接続された抵抗として機能させてもよい。例えば、制御部18は、超電導コイル17の充電時に、低抵抗スイッチ14に含まれるMOSFET141のゲートに、MOSFET141をオンさせるときよりも低い電圧を印加して、MOSFET141のドレイン-ソース間の抵抗値を所望の抵抗値とし、MOSFET141を、超電導コイル17と並列に接続された抵抗として機能させてもよい。
【0099】
あるいは、直流磁場用超電導コイル電源装置1は、低抵抗スイッチ14が
図3に示すようなMOSFET141を含む構成である場合、低抵抗スイッチ14に含まれる複数のMOSFET141のうちの一部を逆向きの接続とし、逆向きに接続したMOSFET141を超電導コイル17と並列に接続されたダイオードとして機能させてもよい。
【0100】
<冷却容器の2段階冷却>
冷却容器5は、冷却温度の設定が異なる2つの領域を有していてもよい。例えば、冷却容器5は、
図6に示すように、冷却温度の設定が異なる第1領域及び第2領域を有してよい。この際、第2領域の方が第1領域よりも冷却温度の設定が低くてよい。例えば、第1領域の冷却温度の設定が45K程度であり、第2領域の温度設定が20K程度であってもよい。
【0101】
第2領域の方が第1領域よりも冷却温度の設定が低い場合、チョッパ回路13は、第1領域に設置されてよい。また、超電導コイル17は、第2領域に設置されてよい。
【0102】
このように、冷却温度の設定を2つに分けることで、超電導コイル17の冷却のために必要な極低温の温度まで他の回路を冷却する必要がなくなるため、冷却容器5の冷却負荷を低減することができる。
【0103】
上述のように、本実施形態に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1は、電源装置11の一端と超電導コイル17の一端との間に並列に接続された複数のチョッパ回路13と、チョッパ回路13を制御する制御部18と、を備える。そして、制御部18は、超電導コイル17を充電する際、複数のチョッパ回路13を時分割で動作させる。このように、複数のチョッパ回路13を時分割で動作させて超電導コイル17を充電することにより、電源装置11が供給する必要がある最大の電流を低減することができる。例えば、複数のチョッパ回路13の個数がN個である場合、電源装置11が供給する必要がある平均電流を1/N程度に低減することができる。これにより、電源装置11を低コストの電源装置とすることができる。また、電源装置11が供給する電流が低減されることにより、電源装置11と超電導コイル17とを接続する第1リード12を小型化することができるため、第1リード12を低コストの電流リードとすることができる。したがって、本実施形態に係る構成によれば、超電導コイル17を用いた直流磁場用超電導コイル電源装置1を低コストで実現することができる。
【0104】
<複数の超電導コイル>
図1においては、直流磁場用超電導コイル電源装置1が1つの超電導コイル17を備える構成を説明した。以下、他の実施形態として、直流磁場用超電導コイル電源装置が、複数の超電導コイル17を備える場合について説明する。直流磁場用超電導コイル電源装置が複数の超電導コイル17を備える構成として、第1の構成例~第5の構成例を、
図7~
図11を参照して説明する。
【0105】
(第1の構成例)
図7は、本開示の第1の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1aの構成を示す図である。
【0106】
直流磁場用超電導コイル電源装置1aは、電源装置11と、第1リード12-1~12-2と、チョッパ回路13-1~13-8と、制御部18と、超電導コイルユニット19-1~19-3と、選択スイッチSC1~SC3と、還流ダイオード20とを備える。
【0107】
第1の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1aの説明においては、
図1に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1との相違点について主に説明し、
図1に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1と共通する部分については適宜説明を省略する。
【0108】
以後、超電導コイルユニット19-1~19-3については、特に区別する必要がない場合、単に「超電導コイルユニット19」と称して説明する場合がある。
【0109】
以後、選択スイッチSC1~SC3については、特に区別する必要がない場合、単に「選択スイッチSC」と称して説明する場合がある。
【0110】
各々の超電導コイルユニット19は、低抵抗スイッチ14と、電流センサ15と、第2リード16-1~16-2と、超電導コイル17とを備える。超電導コイルユニット19が備える低抵抗スイッチ14、電流センサ15、第2リード16-1~16-2及び超電導コイル17は、
図1に示した低抵抗スイッチ14、電流センサ15、第2リード16-1~16-2及び超電導コイル17と同様の機能を有する。
【0111】
すなわち、第1の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1aは、
図1に示した低抵抗スイッチ14、電流センサ15、第2リード16-1~16-2及び超電導コイル17のまとまりが複数個並列に接続された構成である。
【0112】
このような構成であることにより、第1の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1aは、並列に接続された複数の超電導コイル17を備える。
【0113】
本実施形態においては、3つの超電導コイルユニット19-1~19-3が並列に接続される構成を例に挙げて説明するが、並列に接続される超電導コイルユニット19の個数は、3つに限定されない。並列に接続される超電導コイルユニット19の個数は、2つ以上の任意の個数であってよい。なお、
図7においては、超電導コイルユニット19-2の図示を省略している。
【0114】
各々の超電導コイルユニット19は、選択スイッチSCを介して複数のチョッパ回路13-1~13-8と接続されている。具体的には、超電導コイルユニット19-1は、選択スイッチSC-1を介して複数のチョッパ回路13-1~13-8と接続されている。超電導コイルユニット19-2は、選択スイッチSC-2を介して複数のチョッパ回路13-1~13-8と接続されている。超電導コイルユニット19-3は、選択スイッチSC-3を介して複数のチョッパ回路13-1~13-8と接続されている。
【0115】
還流ダイオード20は、複数のチョッパ回路13-1~13-8と複数の選択スイッチSC1~SC3との間のノードと、グランドとを接続する。
【0116】
制御部18は、選択スイッチSC1~SC3のうちのいずれかの選択スイッチSCをオンとし、その他の選択スイッチSCをオフとすることで、どの超電導コイル17を充電するかを選択することができる。
【0117】
例えば、制御部18が、選択スイッチSC1をオンし、選択スイッチSC2~SC3をオフすると、選択スイッチSC1に接続されている超電導コイルユニット19-1の超電導コイル17が充電される。
【0118】
制御部18が、いずれかの選択スイッチSCをオンさせて、充電する超電導コイル17を選択した場合、その後の超電導コイル17を充電させる動作は、
図1に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1において超電導コイル17を充電する動作と同様である。
【0119】
制御部18は、オンさせる選択スイッチSCを切り替えることで、どの超電導コイル17を充電するかを選択することができるが、仮に直流磁場用超電導コイル電源装置1aが還流ダイオード20を備えていないとすると、選択スイッチSCを切り替えた際に過電圧が発生しうる。
【0120】
過電圧は、「チョッパ回路13-1~13-8に流れる電流」と、選択スイッチSCにより選択された「超電導コイル17に流れる電流」とが一致しない場合に発生しうる。また、「チョッパ回路13-1~13-8に流れる電流」が有意な値をもつ状態において、選択スイッチSCによりいずれの「超電導コイル17」も選択されていない場合にも過電圧は発生しうる。
【0121】
還流ダイオード20は、上述のような電流の不一致が発生する場合に、差分電流の行先をつくることにより、過電圧が発生することを抑制することができる。
【0122】
図7に示すように、直流磁場用超電導コイル電源装置1aが還流ダイオード20を備えていると、「チョッパ回路13-1~13-8に流れる電流」は、選択スイッチSCにより選択された「超電導コイル17に流れる電流」と「還流ダイオード20に流れる電流」との和に一致する。これにより、還流ダイオード20は、選択スイッチSCを切り替えた際に過電圧が発生することを抑制することができる。
【0123】
(第2の構成例)
図8は、本開示の第2の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1bの構成を示す図である。
【0124】
直流磁場用超電導コイル電源装置1bは、電源装置11と、第1リード12-1~12-2と、チョッパ回路21-1~21-8と、制御部18と、超電導コイルユニット19-1~19-3と、選択スイッチSC1~SC3とを備える。
【0125】
第2の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1bは、
図7に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1aと比べて、還流ダイオード20の代わりに、チョッパ回路21-1~21-8が、それぞれ、還流ダイオードD1~D8を備える点で相違する。
【0126】
図8に示すように、例えば、チョッパ回路21-1は、インダクタL1と並列に接続された還流ダイオードD1を備える。チョッパ回路21-2~21-8も、チョッパ回路21-1と同様に、インダクタL2~L8と並列に接続された還流ダイオードD2~D8をそれぞれ備える。
【0127】
このように、チョッパ回路21-1~21-8が、それぞれ、還流ダイオードD1~D8を備える構成とした場合も、第1の構成例の場合と同様に、選択スイッチSCを切り替えた際に過電圧が発生することを抑制することができる。
【0128】
(第3の構成例)
図9は、本開示の第3の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1cの構成を示す図である。
【0129】
直流磁場用超電導コイル電源装置1cは、電源装置11と、第1リード12-1~12-2と、チョッパ回路13-1~13-8と、制御部18と、超電導コイルユニット19-1~19-3と、選択スイッチSC1~SC3と、還流ダイオード20と、第3スイッチSDとを備える。
【0130】
第3の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1cは、
図7に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1aと比べて、還流ダイオード20と並列に接続された第3スイッチSDをさらに備える点で相違する。
【0131】
このように、第3スイッチSDを備えることで、直流磁場用超電導コイル電源装置1cは、選択スイッチSCを切り替えた際に、電流の不一致に起因する差分電流が、還流ダイオード20を経由することによって低減することを抑制することができる。より具体的には、選択スイッチSCを切り替える際に、差分電流が還流ダイオード20を経由するように通電される時間において、第3スイッチSDをオンすることにより、差分電流は還流ダイオード20より低損失の第3スイッチSDを経由するため、還流ダイオード20によって差分電流が低減することを抑制することができる。差分電流の低減が抑制されると、選択スイッチSCによって次に選択された超電導コイル17の充電に差分電流を多少利用することが可能となる。
【0132】
また、第3スイッチSDを備えることで、直流磁場用超電導コイル電源装置1cは、超電導コイル17を再充電する際に、超電導コイル17の再充電の開始時に超電導コイル17に流れる電流が一時的に低減することを抑制することもできる。
【0133】
直流磁場用超電導コイル電源装置1cが有する上記効果について、
図7に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1aと対比して説明する。
【0134】
図7に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1aにおいて、超電導コイルユニット19-1~19-3に含まれている3つの超電導コイル17の充電が全て完了しているとき、選択スイッチSC1~SC3は全てオフになっている。また、超電導コイルユニット19-1~19-3に含まれている3つの低抵抗スイッチ14は全てオンになっている。これにより、超電導コイルユニット19-1~19-3においては、低抵抗スイッチ14、電流センサ15、第2リード16-1、超電導コイル17及び第2リード16-2を接続する閉ループに電流が流れている。
【0135】
また、超電導コイルユニット19-1~19-3に含まれている3つの超電導コイル17の充電が全て完了し、一定時間以上経過している状態においては、チョッパ回路13-1~13-8に電流は流れていない。
【0136】
例えば、超電導コイル17に流すことが必要な電流の値が300Aである場合、電流が298Aなどに減ると、超電導コイル17を再充電する必要がある。
【0137】
超電導コイルユニット19-1に含まれている超電導コイル17を再充電する場合、制御部18は、超電導コイルユニット19-1に含まれている低抵抗スイッチ14をオフし、選択スイッチSC1をオンにする。
【0138】
このとき、超電導コイルユニット19-1に含まれている超電導コイル17に流れている電流の一部は、チョッパ回路13-1~13-8に分配される。そのため、超電導コイルユニット19-1に含まれている超電導コイル17に流れる電流が少し低減する。
【0139】
上記を回避するため、超電導コイル17を再充電する前に、還流ダイオード20を経由して、チョッパ回路13-1~13-8を予め充電する手法があるが、還流ダイオード20への通電時損失が発生する。
【0140】
図9に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1cは、上記の還流ダイオード20への通電時損失を低減するために、還流ダイオード20と並列に第3スイッチSDを備える構成としている。以下、直流磁場用超電導コイル電源装置1cの動作について説明する。
【0141】
図9に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1cにおいて、超電導コイルユニット19-1~19-3に含まれている3つの超電導コイル17の充電が全て完了しているとき、選択スイッチSC1~SC3は全てオフになっている。また、超電導コイルユニット19-1~19-3に含まれている3つの低抵抗スイッチ14は全てオンになっている。これにより、超電導コイルユニット19-1~19-3においては、低抵抗スイッチ14、電流センサ15、第2リード16-1、超電導コイル17及び第2リード16-2を接続する閉ループに電流が流れている。
【0142】
また、超電導コイルユニット19-1~19-3に含まれている3つの超電導コイル17の充電が全て完了し、一定時間以上経過している状態においては、チョッパ回路13-1~13-8に電流は流れていない。
【0143】
超電導コイルユニット19-1に含まれている超電導コイル17を再充電する場合、制御部18は、まず、第3スイッチSDをオンにする。
【0144】
続いて、制御部18は、第1スイッチSA1をオンして、チョッパ回路13-1のインダクタL1を充電する。インダクタL1を充電すると、制御部18は、第1スイッチSA1をオフし且つ第2スイッチSB1をオンしてインダクタL1に流れる電流を保持し、第1スイッチSA2をオンして、チョッパ回路13-2のインダクタL2を充電する。このような動作を繰り返し、制御部18は、チョッパ回路13-1~13-8のインダクタL1~L8を充電する。
【0145】
インダクタL1~L8の充電が完了すると、制御部18は、第3スイッチSDをオフする。また、制御部18は、超電導コイルユニット19-1に含まれている低抵抗スイッチ14をオフし、選択スイッチSC1をオンにする。
【0146】
このように、チョッパ回路13-1~13-8が予め充電された状態で選択スイッチSC1をオンにすると、超電導コイルユニット19-1に含まれている超電導コイル17に流れている電流は、チョッパ回路13-1~13-8に分配されず、予め充電されていたチョッパ回路13-1~13-8によって超電導コイル17が再充電される。そのため、直流磁場用超電導コイル電源装置1cは、超電導コイル17を再充電する際に、超電導コイル17に流れる電流が低減することを抑制することができる。
【0147】
(第4の構成例)
図10は、本開示の第4の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1dの構成を示す図である。
【0148】
直流磁場用超電導コイル電源装置1bは、電源装置11と、第1リード12-1~12-2と、チョッパ回路22-1~22-8と、制御部18と、超電導コイルユニット19-1~19-3と、選択スイッチSC1~SC3とを備える。
【0149】
第4の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1dは、
図9に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1cと比べて、還流ダイオード20の代わりに、チョッパ回路22-1~22-8が、それぞれ、還流ダイオードD1~D8を備える点で相違する。また、第4の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1dは、
図9に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1cと比べて、第3スイッチSDの代わりに、チョッパ回路22-1~22-8が、それぞれ、第4スイッチSE1~SE8を備える点で相違する。
【0150】
図10に示すように、例えば、チョッパ回路22-1は、インダクタL1と並列に接続された還流ダイオードD1及び第4スイッチSE1を備える。チョッパ回路22-2~22-8も、チョッパ回路22-1と同様に、インダクタL2~L8と並列に接続された還流ダイオードD2~D8及び第4スイッチSE2~SE8をそれぞれ備える。
【0151】
このように、チョッパ回路22-1~22-8が、それぞれ、還流ダイオードD1~D8及び第4スイッチSE1~SE8を備える構成とした場合も、第3の構成例の場合と同様の効果を得ることができる。
【0152】
(第5の構成例)
図11は、本開示の第5の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1eの構成を示す図である。
【0153】
直流磁場用超電導コイル電源装置1eは、電源装置11と、第1リード12-1~12-2と、チョッパ回路13-1~13-8と、制御部18と、超電導コイルユニット19-1~19-3と、選択スイッチSC1~SC3と、還流ダイオード20と、電流ブロックダイオード23-1~23-3と、第5スイッチSF1~SF3と、第3リード24-1~24-2とを備える。
【0154】
以後、電流ブロックダイオード23-1~23-3については、特に区別する必要がない場合、単に「電流ブロックダイオード23」と称して説明する場合がある。
【0155】
以後、第5スイッチSF1~SF3については、特に区別する必要がない場合、単に「第5スイッチSF」と称して説明する場合がある。
【0156】
以後、第3リード24-1~24-2については、特に区別する必要がない場合、単に「第3リード24」と称して説明する場合がある。
【0157】
図11においては図示を省略しているが、
図11に示す超電導コイルユニット19は、
図7に示す超電導コイルユニット19と同様に、低抵抗スイッチ14と、電流センサ15と、第2リード16-1~16-2と、超電導コイル17とを備える。
【0158】
第5の構成例に係る直流磁場用超電導コイル電源装置1eは、
図7に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1aと比べて、電流ブロックダイオード23-1~23-3と、第5スイッチSF1~SF3と、第3リード24-1~24-2とを備える点で相違する。
【0159】
図11に示す負荷30は、直流磁場用超電導コイル電源装置1eの外部に設けられた負荷である。負荷30は、直流磁場用超電導コイル電源装置1eから電力を供給されて電力を消費する任意の負荷であってよい。
【0160】
電流ブロックダイオード23は、超電導コイルユニット19に含まれる超電導コイル17の一端と、負荷30の一端とを第3リード24-1を介して接続する。より具体的には、電流ブロックダイオード23-1は、超電導コイルユニット19-1に含まれる超電導コイル17の一端と、負荷30の一端とを第3リード24-1を介して接続する。また、電流ブロックダイオード23-2は、超電導コイルユニット19-2に含まれる超電導コイル17の一端と、負荷30の一端とを第3リード24-1を介して接続する。また、電流ブロックダイオード23-3は、超電導コイルユニット19-3に含まれる超電導コイル17の一端と、負荷30の一端とを第3リード24-1を介して接続する。
【0161】
第5スイッチSFは、超電導コイルユニット19に含まれる超電導コイル17の他端と、負荷30の他端とを第3リード24-2を介して接続する。より具体的には、第5スイッチSF1は、超電導コイルユニット19-1に含まれる超電導コイル17の他端と、負荷30の他端とを第3リード24-2を介して接続する。また、第5スイッチSF2は、超電導コイルユニット19-2に含まれる超電導コイル17の他端と、負荷30の他端とを第3リード24-2を介して接続する。また、第5スイッチSF3は、超電導コイルユニット19-3に含まれる超電導コイル17の他端と、負荷30の他端とを第3リード24-2を介して接続する。
【0162】
第3リード24は、電流を流すことが可能な導体である。第3リード24は、例えば、常電導の電流リードであってよい。
【0163】
制御部18は、選択スイッチSC1~SC3を順次オンにして充電することで、超電導コイルユニット19-1~19-3に含まれている3つの超電導コイル17を全て充電することができる。
【0164】
3つの超電導コイル17が全て充電された状態においては、制御部18は、選択スイッチSC1~SC3をオフに制御している。
【0165】
この状態で、制御部18が第5スイッチSF1~SF3を全てオンにすると、超電導コイルユニット19-1~19-3に含まれる3つの超電導コイル17に流れる電流を合成して、負荷30に供給することができる。例えば、1つの超電導コイル17に300Aの電流が流れている場合、直流磁場用超電導コイル電源装置1eは、900Aの電流を負荷30に供給することができる。なお、負荷30に電流を供給する際、各超電導コイルユニット19は、低抵抗スイッチ14をオフとする。
【0166】
この場合、電源装置11が供給することが必要な電流は、負荷30に流れる電流900Aを、チョッパ回路13の個数と超電導コイルユニット19の個数との積で割った電流である。すなわち、
図11に示す例の場合、900A/(8×3)=37.5Aである。より一般的には、チョッパ回路13の個数がN個で、超電導コイルユニット19の個数がM個である場合、電源装置11は、負荷30に供給される電流の1/(N×M)倍の電流を供給できればよい。
【0167】
なお、
図11においては、直流磁場用超電導コイル電源装置1eが、
図7に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1aに、電流ブロックダイオード23-1~23-3と、第5スイッチSF1~SF3と、第3リード24-1~24-2とを付加した構成である場合を説明したが、直流磁場用超電導コイル電源装置1eの構成はこれに限定されない。直流磁場用超電導コイル電源装置1eは、
図8に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1bに、電流ブロックダイオード23-1~23-3と、第5スイッチSF1~SF3と、第3リード24-1~24-2とを付加した構成であってもよい。または、直流磁場用超電導コイル電源装置1eは、
図9に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1cに、電流ブロックダイオード23-1~23-3と、第5スイッチSF1~SF3と、第3リード24-1~24-2とを付加した構成であってもよい。または、直流磁場用超電導コイル電源装置1eは、
図10に示した直流磁場用超電導コイル電源装置1dに、電流ブロックダイオード23-1~23-3と、第5スイッチSF1~SF3と、第3リード24-1~24-2とを付加した構成であってもよい。
【0168】
また、直流磁場用超電導コイル電源装置1eは、電流ブロックダイオード23と並列に接続されたスイッチを備えていてもよい。
【0169】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0170】
例えば、上述の実施形態において、8個のチョッパ回路13が並列に接続されている場合を例に挙げて説明したが、並列に接続されるチョッパ回路13の個数は2個以上の任意の個数であってよい。
【0171】
例えば、上述の実施形態において、制御部18が冷却容器5の内部に設置されている場合を例に挙げて説明したが、制御部18は、冷却容器5の外部に設置されていてもよい。あるいは、制御部18の一部を冷却容器5の内部に設置し、制御部18の他の部分を冷却容器5の外部に設置するというように、制御部18の設置場所を分散してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本開示の直流磁場用超電導コイル電源装置は、超電導コイルを用いて直流磁場を発生する用途に好適なものである。
【符号の説明】
【0173】
1、1a、1b、1c、1d、1e 直流磁場用超電導コイル電源装置
5 冷却容器
11 電源装置
12 第1リード
13 チョッパ回路
14 低抵抗スイッチ
15 電流センサ
16 第2リード
17 超電導コイル
18 制御部
19 超電導コイルユニット
20 還流ダイオード
21 チョッパ回路
22 チョッパ回路
23 電流ブロックダイオード
24 第3リード
30 負荷
141 MOSFET
142 ダイオード
D1~D8 還流ダイオード
L1~L8 インダクタ
SA1~SA8 第1スイッチ
SB1~SB8 第2スイッチ
SC1~SC3 選択スイッチ
SD 第3スイッチ
SE1~SE8 第4スイッチ
SF1~SF3 第5スイッチ