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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】不動産管理業務の支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20241021BHJP
【FI】
G06Q50/163
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024101615
(22)【出願日】2024-06-25
【審査請求日】2024-06-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522202665
【氏名又は名称】CHACHACO管理株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 渉
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-085400(JP,A)
【文献】特開2023-017361(JP,A)
【文献】特開2002-251441(JP,A)
【文献】特開2005-301907(JP,A)
【文献】特開2019-159351(JP,A)
【文献】特開2005-122524(JP,A)
【文献】特開2017-224207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産賃貸における賃貸物件の物件情報を管理する物件管理部と、
前記物件情報に基づいて、賃貸に係る作業を賃貸業者のスタッフに通知する通知部と、
前記物件情報に基づいて、賃貸物件への入居を促進する施策を提案する施策提案部と、
を備え、
前記物件管理部は、賃貸物件に係る作業期限、賃貸条件、及び入居状況を含む物件情報を管理
賃貸物件を案内する案内人を仮想空間に表示する案内部をさらに備え、
前記物件管理部は、当該賃貸物件の特徴を含む物件情報を管理し、
前記案内部は、案内される被案内人からの問いかけ及び前記特徴を入力として含む言語モデルを用いた処理によって、案内人が前記被案内人に伝える応答を生成し、この言語モデルは、前記問いかけ及び前記特徴を説明変数として含み、前記応答を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われている、
不動産管理業務の支援装置。
【請求項2】
検索条件に基づいて、賃貸物件の検索結果を提供する検索部をさらに備え、
前記物件管理部は、長期入居者の入居者属性を含む物件情報を管理し、
前記検索部は、検索を指令した検索者の検索者属性を含む検索条件に基づき、前記検索者属性と前記入居者属性とに共通部分がある検索結果を提供する、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記施策提案部は、前記賃貸条件及び前記入居状況を入力とする、機械学習を用いた処理によって前記施策を提案し、この機械学習は、賃貸物件に係る賃貸条件及び入居状況を説明変数として含み、当該賃貸物件への入居を促進する施策を目的変数として含む学習データによる事前学習が行われている、請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記物件情報に基づいて、前記賃貸物件のターゲット層を推定するターゲット推定部をさらに備え、
前記物件管理部は、当該賃貸物件の特徴を含む物件情報を管理し、
前記ターゲット推定部は、賃貸物件の特徴を説明変数として含み、当該賃貸物件のターゲット層を目的変数として含む学習データによる事前学習が行われた機械学習を用い、前記特徴を入力とする処理によって前記ターゲット層を推定し、
前記施策提案部に係る機械学習は、賃貸物件のターゲット層を説明変数としてさらに含む学習データによる事前学習が行われている、
請求項3に記載の支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産管理業務の支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
広い範囲の様々な業務を行う不動産管理業務においては、優秀な人材の確保及び採用後の人材教育に多大な労力が求められる。しかしながら、少子高齢化社会を背景に、不動産賃貸業において、人材不足が深刻化している。加えて、人材不足により、採用後の教育に要する時間の確保も難しくなっている。そのため、不動産管理業務を支援する技術による働き方改革が求められている。
【0003】
従来のサービス及び従来技術等における、不動産管理業務を支援する技術等に関し、特許文献1は、管理サーバが少なくとも、賃貸物件の情報が蓄積された賃貸物件データベースと、検索ユーザ端末機を介して送信される検索ユーザの希望物件情報を受信可能な受信手段と、希望物件情報を賃貸物件データベースに蓄積された登録賃貸物件と比較可能な比較手段と、比較手段での比較の結果、希望物件情報に合致する賃貸物件がある場合に当該合致物件についての物件情報を検索ユーザ端末機に送信可能な送信手段を備え、賃貸物件データベースが賃貸物件の基本情報と、利用中ユーザから利用中ユーザ端末機を介して提供される当該利用中ユーザが利用中の賃貸物件に関する利用者物件情報とが相互に関連付けて記憶されたことを特徴とする賃貸物件検索システムを開示している。
【0004】
特許文献1に記載の技術は、物件管理者が負担する空室リスク、新旧の借主の経済的な負担を軽減し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-157468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術は、賃貸物件を探す利用者の物件探しを補助することを介して物件管理者が負担する空室リスク、新旧の借主の経済的な負担を軽減し得るに留まる。よって、特許文献1に記載の技術は、不動産管理業務をより直接的に支援する点において、さらなる改良の余地がある。
【0007】
本発明の課題は、各種業務の進捗管理及び入居促進施策の検討等によって例示される不動産管理業務を自動化し、支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、賃貸に係る作業の賃貸業者のスタッフへの通知及び賃貸物件への入居を促進する施策の提案等の支援処理を行い、これらの処理に共通して用いられる賃貸物件の物件情報を管理すること等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明は、その一態様において、不動産賃貸における賃貸物件の物件情報を管理する物件管理部と、前記物件情報に基づいて、賃貸に係る作業を賃貸業者のスタッフに通知する通知部と、前記物件情報に基づいて、賃貸物件への入居を促進する施策を提案する施策提案部と、を備え、前記物件管理部は、賃貸物件に係る作業期限、賃貸条件、及び入居状況を含む物件情報を管理する、不動産管理業務の支援装置を提供する。
【0010】
本発明の当該態様は、不動産賃貸における賃貸物件の物件情報を管理することにより、物件情報に基づく不動産管理業務の支援を実現する。具体的に、当該態様では、通知部が物件情報に基づいて賃貸に係る作業を賃貸業者のスタッフに通知する。これにより、本発明は、十分な教育を受けていないスタッフであっても、賃貸に係る各種作業をスケジュール通りに実行できるよう支援できる。
【0011】
ところで、不動産管理業務において、賃貸物件は、可能な限り空室がないことが求められる。一方、賃貸物件への入居を促進する施策(広告、ノベルティグッズ配布等)を適切に実施するためには、十分な教育及び経験が求められる。本発明の当該態様では、施策提案部が、通知部と同じ物件情報に基づいて、賃貸物件への入居を促進する施策を提案する。これにより、本発明は、十分な教育を受けておらず、経験が不足したスタッフであっても、賃貸物件への入居を促進する施策を適切に実施できるよう支援できる。
【0012】
よって、本発明は、賃貸物件の物件情報を管理することによって、不動産管理業務に係るスケジュール管理及び入居促進施策の実施を支援し、各種業務の進捗管理及び入居促進施策の検討等によって例示される不動産管理業務を自動化し、支援できる。
【0013】
また、本発明は、検索者属性と入居者属性とに共通部分がある検索結果を提供する態様、施策提案部が機械学習を利用する態様、物件の特徴から賃貸物件のターゲット層を推定する態様、仮想空間に表示された案内人により賃貸物件を案内する態様等の各種態様を取り得る。これらの各種態様は、それぞれ特有の構成によって、各種業務の進捗管理及び入居促進施策の検討等によって例示される不動産管理業務を自動化し、支援することに寄与する。
【発明の効果】
【0014】
以上より、本発明は、各種業務の進捗管理及び入居促進施策の検討等によって例示される不動産管理業務を自動化し、支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、物件データベース131の一例である。
図3図3は、支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図4図4は、前図から続く図である。
図5図5は、前図から続く図である。
図6図6は、前図から続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず初めに、以下の開示、図表、及び/又は請求項等が、単独であるか、又は1つ以上の他の側面との組み合わせとして記述されていると説明されているものの、即時開示の主題はそのように限定されることを意図していない。つまり、即時開示、図表、及び請求項は、ここで記載されている様々な側面を、それぞれ単独であるか、又はお互いと1つ以上の組み合わせで包含することを意図する。例えば、即時開示が第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態を、第1実施形態が特に第2実施形態に関連して記述及び図示されるか、第2実施形態が第3実施形態に関連してのみ記述及び図示されるような方法で記述及び図示する場合でも、即時開示と図示はそのように限定されるものではなく、第1実施形態のみ、第2実施形態のみ、第3実施形態のみ、又は第1、第2及び/又は第3実施形態の1つ以上の組み合わせ、例えば第1実施形態と第2実施形態、第1実施形態と第3実施形態、第2実施形態と第3実施形態、又は第1、第2、及び第3実施形態が含まれることがある。
【0017】
本文中でのフレーズ「又は」の使用は、明示的に指定されていない限り、「排他的ではない」取り決めを意味するものとする。例えば、「項目xがA又はBである」と言う場合、次のいずれかを意味するものとする:(1)項目xがA又はBのどちらか一方のみである、(2)項目xがAとBの両方である。言い換えれば、単語「又は」は、「排他的」な取り決めを定義するために使用されない。
【0018】
また、本文中で用いられるフレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、システム又は要素と組み合わせて使用される場合、そのシステム又は要素がフレーズの後に列挙された要素の1つ以上を含むことを意味する。例えば、要素が第1要素から第3要素の3種類である場合、フレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、次のような構造的配置のいずれかとして解釈する:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0019】
本文中で「以下の少なくとも1つで使用されている」というフレーズが使用される場合も同様の解釈が意図されている。さらに、本文中で使用される「及び/又は」は、言語的な接続詞として用いられ、記載された要素や条件の1つ以上が含まれるか発生することを示すために使用されている。例えば、第1要素、第2要素、及び/又は第3要素を含むデバイスは、次の構造的配置のいずれかとして解釈される:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0020】
なお、本文中でのフレーズ「及び/又は」の使用が「排他的ではない」取り決めを意味することは、日本産業規格(JIS)の「規格票の様式及び作成方法 JIS Z 8301」にも規程されている。
【0021】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0022】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のシステムSは、不動産管理業務の支援システムである。システムSは、少なくとも、不動産管理業務の支援装置1を含んで構成される。支援装置1は、ネットワークNを介して、賃貸物件のオーナー又は賃貸物件の借主が利用する端末Tと通信するよう構成されることが好ましい。
【0023】
〔支援装置1〕
支援装置1は、制御部11、記憶部13、及び通信部14を含んで構成される。支援装置1の種類は、特に限定されず、例えば、サーバ装置、クラウドサーバ等で良い。
【0024】
[制御部11]
制御部11は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。
【0025】
制御部11は、必要に応じて、記憶部13又は通信部14のうち、少なくともいずれか一方と協働する。そして、制御部11は、支援装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、物件管理部111、資産管理部112、通知部113、ターゲット推定部114、施策提案部115、検索部116、案内部117等を実現する。
【0026】
[記憶部13]
記憶部13は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。記憶部13には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、物件データベース131、言語モデルに係るデータ等が格納されている。
【0027】
(物件データベース131)
物件データベース131には、物件管理部111により管理される、不動産賃貸における賃貸物件(物件)の物件情報が格納される。これにより、支援装置1は、物件データベース131に格納された物件情報に基づいて、賃貸に係る作業の通知、賃貸物件への入居を促進する施策の提案等を実現できる。以下では、物件情報が物件を特定する情報と関連付けられて格納されているものとする。「物件を特定する情報」は、例えば、物件ごとに固有の物件IDである。
【0028】
物件情報に係る当該賃貸物件は、その所有者により取引可能である。上述の物件情報は、賃貸物件に係る作業期限、賃貸条件、及び入居状況に係る情報を含む。物件情報に基づいた賃貸物件のターゲット層の推定又は物件情報に基づいた賃貸物件の案内を可能とすべく、上述の物件情報は、当該賃貸物件の特徴に係る情報を含むことが好ましい。ここで言う賃貸物件の特徴は、例えば、間取り、設備(例えば、風呂、トイレ、エアコンの有無・仕様等)、築年数、立地、構造等である。
【0029】
賃貸物件について推定された資産価値を活用すべく、上述の物件情報は、賃貸物件に係る資産価値及び所有者に係る情報を含むことが好ましい。賃貸物件の画像又は映像を用いた案内に用いられるべく、上述の物件情報は、賃貸物件の画像又は映像を表示するためのデータを含むことが好ましい。当該データは、例えば、賃貸物件の外観又は内観を撮像した画像又は映像、賃貸物件の立体形状を示すデータ等を含む。
【0030】
図2は、物件データベース131の一例である。当該例には、物件ID「P0001」及び「P0002」等と関連付けられた賃貸物件の物件情報が格納されている。
【0031】
当該例における物件ID「P0001」と関連付けられた物件情報は、当該賃貸物件に係る作業期限「退去立ち合い:△月△日、精算:△月△日まで、空室清掃:△月△△日まで、入居募集:△月△△日予定」、賃貸条件「家賃:△△万円、敷金:△△万円、礼金:なし、前家賃:1ヶ月分、仲介手数料:△万円、火災保険料:△万円」、入居状況「△月△日退去予定」、特徴「1K、ユニットバス、エアコン無、築△△年、△△駅徒歩△△分、木造、△階建ての1階、北向き」、資産価値「見積り:△百万円、残存価値:0百万円」、所有者「△△ △△」等を含む。
【0032】
当該例における物件ID「P0002」と関連付けられた物件情報は、当該賃貸物件に係る作業期限「直見:△月△日、意向確認:△月△△日」、賃貸条件「家賃:△万円、敷金:なし、礼金:なし、前家賃:1ヶ月分、仲介手数料:△万円、火災保険料:△万円」、入居状況「空室」、特徴「△LDK、バストイレ別、エアコン、オートロック、ベランダ有、築△年、△△駅徒歩△分、鉄筋コンクリート造、△△階建ての△階、日当たり良好」、資産価値「見積り:△△百万円、残存価値:0百万円」、所有者「△△ △△△」等を含む。
【0033】
上述の物件情報が当該例の物件データベース131に格納され、物件管理部111により管理されることにより、支援装置1は、退去立ち合い、清掃、直見等の賃貸に係る多岐にわたる作業を賃貸業者のスタッフに通知できる。そして、支援装置1は、十分な教育を受けていないスタッフであっても、賃貸に係る各種作業をスケジュール通りに実行できるよう支援できる。また、支援装置1は、賃貸条件等に基づいて、賃貸物件への入居を促進する施策を提案できる。加えて、支援装置1は、間取り、風呂・トイレ、エアコン等の設備、築年数、立地、構造等の各種特徴に基づいて、ターゲット層の推定、物件の案内等を行える。
【0034】
(言語モデル)
本実施形態の言語モデルは、案内される被案内人からの問いかけ及び賃貸物件の特徴を入力として含む処理によって、案内人が被案内人に伝える応答を生成するよう構成される。
【0035】
自然言語処理に係る複雑な関係及びパターンが学習され、多様な表現を含む問いかけを理解する高精度な言語モデルによる処理を実現すべく、本実施形態の言語モデルは、いわゆる大規模言語モデル(LLM)であることが好ましい。大規模言語モデルは、例えば、少なくとも10テラバイトの学習データによる事前訓練が行われ、少なくとも100億パラメータを有する言語モデルである。
【0036】
賃貸物件の特徴を捉えた応答を生成すべく、当該言語モデルは、上述の問いかけ及び上述の特徴を説明変数として含み、上述の応答を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0037】
当該言語モデルに係るデータは、記憶部13に格納される態様、外部のサーバに格納される態様のいずれでもよい。外部のサーバにデータが格納される態様の言語モデルは、例えば、API等を経由して生成されたテキスト等を支援装置1に提供する。
【0038】
[通信部14]
通信部14は、支援装置1をネットワークNに接続して通信可能にする部材を含んで構成されていれば、特に限定されない。当該部材として、例えば、イーサネット規格に対応したネットワークカード、無線LANに対応した通信機器等が挙げられる。
【0039】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、支援装置1等を通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0040】
〔端末T〕
端末Tは、賃貸物件のオーナー又は賃貸物件の借主等により利用される。端末Tの種類は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等の携帯端末、デスクトップパソコン等の据置端末等である。
【0041】
〔支援処理のメインフローチャート〕
図3は、支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図4図5、及び図6は、それぞれ、その前図から続く図である。以下は、図3から図6を用いて、本実施形態の支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すものである。
【0042】
支援処理は、物件情報の管理に係る一連の処理(物件管理ステップ)を含む。ステップS1からステップS2は、当該処理の一例である。当該処理は、例示の他、物件情報の登録、削除、複製、又はそのバックアップの作成・復元等に係る各種処理を含む。
【0043】
[ステップS1:物件情報を更新するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、物件管理部111を実行する。そして、制御部11は、物件管理部111により、物件情報を更新するか判別する処理を実行する(物件情報更新判別ステップ)。更新すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS2に移す。更新すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS3に移す。
【0044】
物件情報更新判別ステップにおいて更新の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、物件情報の更新に係るデータ及び指示を受信した場合に、物件情報を更新すると判別する手順を含む。
【0045】
[ステップS2:物件情報を更新]
制御部11は、物件管理部111により、物件情報を更新する処理を実行する(物件情報更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS3に移す。物件情報更新ステップにおいて、物件管理部111は、物件データベース131等に格納された物件情報を更新する物件情報の管理を行う。
【0046】
支援処理は、賃貸物件の資産管理に係る一連の処理(資産管理ステップ)を含むことが好ましい。ステップS3からステップS6は、当該処理の一例である。当該例では、賃貸物件の資産価値を推定し、減価償却に係る残存価値に基づいて当該物件の取引相手を提案する処理が実行される。これにより、支援装置1は、不動産管理業務に係る、残存価値に基づいた物件の取引仲介を支援できる。
【0047】
[ステップS3:資産価値を推定するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、資産管理部112を実行する。そして、制御部11は、資産管理部112により、賃貸物件の資産価値を推定するか判別する処理を実行する(資産価値推定判別ステップ)。推定すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS4に移す。推定すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS5に移す。
【0048】
資産価値推定判別ステップにおいて更新の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、資産価値の推定に係るデータ及び指示を受信した場合に、資産価値を推定すると判別する手順を含む。
【0049】
[ステップS4:資産価値を推定]
制御部11は、資産管理部112により、物件管理部111により管理されている物件情報に含まれる賃貸物件の特徴等に基づいて、資産価値推定判別ステップにおいてその資産価値を推定すると判別された賃貸物件の資産価値を推定する処理を実行する(資産価値推定ステップ)。制御部11は、処理をステップS5に移す。
【0050】
資産価値推定ステップにおいて資産管理部112が資産価値を推定する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、間取り、設備、築年数、立地、構造等によって例示される物件の特徴と資産価値とを対応付けたテーブルを参照する手順、賃貸物件に係る収支に利回りを掛ける手順、機械学習モデルを用いる手順等を含む。賃貸物件に係る収支に利回りを掛ける手順は、年間の純収益(NOI)を不動産価格(V)で割ったキャップレートを算出する手順を含むことが好ましい。資産価値を推定する手順が機械学習モデルを用いる手順を含む場合、当該機械学習モデルは、物件の特徴を説明変数として含み、資産価値を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0051】
[ステップS5:取引相手を提案するか判別]
制御部11は、資産管理部112により、取引相手を提案するか判別する処理を実行する(取引相手提案判別ステップ)。提案すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS6に移す。提案すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0052】
取引相手提案判別ステップにおいて提案の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、取引相手の提案に係るデータ及び指示を受信した場合に、取引相手を提案すると判別する手順を含む。
【0053】
[ステップS6:取引相手を提案]
制御部11は、資産管理部112により、資産価値に減価償却の影響を加味した残存価値に基づいて、取引相手を提案する処理を実行する(取引相手提案ステップ)。制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0054】
取引相手提案ステップは、例えば、提案を求めた利用者が、減価償却期間が徒過し、残存価値がなくなった賃貸物件を所有しており、かつ、同様に残存価値がなくなった賃貸物件を所有している他の所有者がいる場合に、当該利用者に当該他の所有者のいずれかを取引相手として提案する手順を含む。これにより、支援装置1は、自らにとっての残存価値がなくなった物件を手放したい利用者における賃貸物件の取引を支援できる。
【0055】
賃貸物件を指定しての提案を行うべく、取引相手提案ステップにおける資産管理部112は、指定された賃貸物件に係る取引を提案することが好ましい。同等の資産価値を有する賃貸物件間での取引を促すべく、取引相手提案ステップにおける資産管理部112は、資産価値推定ステップにおいて推定された資産価値を参照することが好ましい。
【0056】
支援処理は、上述の物件情報に基づいて、賃貸に係る作業を賃貸業者のスタッフに通知する一連の処理を含む。ステップS7からステップS8は、当該処理の一例である。これにより、支援処理を実行する支援装置1は、十分な教育を受けていないスタッフであっても、賃貸に係る各種作業をスケジュール通りに実行できるよう支援できる。
【0057】
[ステップS7:作業を通知するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、通知部113を実行する。そして、制御部11は、通知部113により、上述の物件情報に基づいて、賃貸に係る作業を通知するか判別する処理を実行する(通知判別ステップ)。通知すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS8に移す。通知すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0058】
通知判別ステップにおいて通知の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、物件管理部111により管理される物件情報に、通知を要する作業が含まれている場合に、当該作業を通知すると判別する手順を含む。通知部113は、例えば、物件情報に含まれる作業の期限までの時間が所与の猶予を下回ったタイミングで通知を要すると判別する。また、通知部113は、例えば、物件情報に含まれる作業の期限を徒過した後のタイミングで通知を要すると判別する。
【0059】
[ステップS8:作業をスタッフに通知]
制御部11は、通知部113により、上述の物件情報に基づいて、賃貸に係る作業を賃貸業者のスタッフに通知する処理を実行する(通知ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す。
【0060】
通知ステップにおいて、通知部113は、例えば、通知判別ステップにおいて通知を要すると判別された作業を通知する表示を端末Tに表示させるデータを、当該作業を担当する賃貸業者のスタッフの端末Tに送信することにより、上述の通知を実現する。十分な教育を受けていないスタッフであっても、賃貸に係る各種作業をスケジュール通りに実行できるよう、通知部113は、作業の内容、作業の期限、又は作業の期限等を含む通知を表示させることが好ましい。
【0061】
また、報告・連絡・相談からなるいわゆる報連相を支援する自動報連相を実現すべく、通知部113は、作業の報告を促す通知を表示させ、当該通知に係る報告等を受信した場合に記憶部13に格納するとともに報告等を確認する立場のスタッフに当該報告等を通知することが好ましい。
【0062】
スタッフの過労を防ぐべく、通知ステップに関し、支援処理は、スタッフの業務状況を入力とする機械学習を用いた処理によって、スタッフの働き方に対する助言を提供する処理を含むことが好ましい。当該処理は、例えば、スタッフの業務状況を説明変数として含み、スタッフの働き方に対する助言を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われた機械学習モデルにより実現される。
【0063】
支援処理は、上述の物件情報に基づいて、賃貸物件への入居を促進する施策を提案する一連の処理を含む。ステップS9からステップS11は、当該処理の一例である。これにより、支援処理を実行する支援装置1は、十分な教育を受けておらず、経験が不足したスタッフであっても、賃貸物件への入居を促進する施策を適切に実施できるよう支援できる。
【0064】
[ステップS9:施策を提案するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、賃貸物件への入居を促進する施策を提案するか判別する処理を実行する(施策提案判別ステップ)。提案すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS10に移す。提案すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0065】
施策提案判別ステップにおいて提案の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、施策の提案に係るデータ及び指示を受信した場合に、施策を提案すると判別する手順を含む。
【0066】
ターゲット層に応じた施策の提案を可能とすべく、賃貸物件への入居を促進する施策を提案する一連の処理は、賃貸物件のターゲット層を推定する処理を含むことが好ましい。ステップS10は、当該処理の一例である。
【0067】
[ステップS10:ターゲットを推定]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、ターゲット推定部114を実行する。そして、制御部11は、ターゲット推定部114により、賃貸物件の特徴を入力とする、機械学習を用いた処理によって賃貸物件のターゲット層を推定する処理を実行する(ターゲット推定ステップ)。制御部11は、処理をステップS11に移す。
【0068】
機械学習による推定の精度を確保すべく、ターゲット推定部114は、賃貸物件の特徴を説明変数として含み、当該賃貸物件のターゲット層を目的変数として含む学習データによる事前学習が行われた機械学習を用いた処理によって上述のターゲット層を推定することが好ましい。
【0069】
[ステップS11:施策を提案]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、施策提案部115を実行する。そして、制御部11は、施策提案部115により、上述の物件情報に基づいて、賃貸物件への入居を促進する施策を提案する処理を実行する(施策提案ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0070】
施策提案部115が施策を提案する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、記憶部13に格納された賃貸物件の特徴と施策との対応付けに基づいて、物件情報に含まれる特徴に対応する施策を提案する手順を含む。施策提案部115が提案する施策は、特に限定されない。当該施策は、例えば、ノベルティのプレゼント、家具のプレゼント、家電製品のプレゼント、各種メディアを用いた広告等を含む。これにより、施策提案部115は、例えば、北向きで冷えやすいとの特徴を有する賃貸物件において、電気毛布をプレゼントする施策を提案できる。
【0071】
推定されたターゲットに基づく提案を行うべく、ターゲット推定ステップが実行される場合、施策提案部115が施策を提案する手順は、記憶部13に格納された賃貸物件のターゲット層と施策との対応付けに基づいて、物件情報に基づいてターゲット推定ステップで推定されたターゲット層に対応する施策を提案する手順を含むことが好ましい。
【0072】
各種の賃貸物件に対するより適切な施策を提案すべく、施策提案部115は、賃貸条件及び入居状況を入力とする、機械学習を用いた処理によって施策を提案することが好ましい。このとき、この機械学習は、賃貸物件に係る賃貸条件及び入居状況を説明変数として含み、当該賃貸物件への入居を促進する施策を目的変数として含む学習データによる事前学習が行われていることが好ましい。これにより、支援装置1は、例えば、特定の時期に長期間入居している入居者がいる場合の状況を想定した施策を提案できる。
【0073】
推定されたターゲット及び機械学習に基づく提案を行うべく、ターゲット推定ステップが実行される場合、施策提案部115は、上述の機械学習に係る事前学習において、賃貸物件のターゲット層を説明変数としてさらに含む学習データによる事前学習が行われている機械学習を用いた処理によって施策を提案することが好ましい。
【0074】
支援処理は、入居者の属性に基づいて賃貸物件の検索結果を提供する一連の処理(検索ステップ)を含むことが好ましい。ステップS12からステップS14は、当該処理の一例である。これにより、支援処理を実行する支援装置1は、十分な教育を受けていないスタッフであっても、入居者の属性に適合する賃貸物件を紹介できるよう、支援できる。
【0075】
[ステップS12:検索を指令されたか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、検索部116を実行する。そして、制御部11は、検索部116により、物件管理部111により物件情報を管理される賃貸物件の検索を指令されたか判別する処理を実行する(検索判別ステップ)。指令されたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS13に移す。指令されたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。
【0076】
検索判別ステップにおいて検索の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、検索条件及び指示を受信した場合に、検索を指令されたと判別する手順を含む。検索条件は、例えば、検索を指令した検索者の検索者属性、間取り、設備(例えば、風呂、トイレ、エアコンの有無・仕様等)、築年数、立地、又は構造等によって例示される賃貸物件の特徴等を含む。
【0077】
[ステップS13:検索を実行]
制御部11は、検索部116により、検索条件に基づいて、賃貸物件を検索する処理を実行する(検索実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS14に移す。検索部116は、当該検索条件に基づき、当該検索者属性と、物件管理部111により管理される物件情報の対応するデータとに共通部分がある検索結果となるよう検索を実行する。共通部分がある検索結果は、例えば、1K又は1DKの間取りの賃貸物件を検索せよとの検索条件が与えられた場合に、物件情報における間取りが1Kの賃貸物件又は物件情報における間取りが1DKの賃貸物件を可能な限り検索結果に含めるよう構成された検索結果である。
【0078】
検索条件が検索を指令した検索者の検索者属性を含む場合、検索部116は、当該検索条件に基づき、当該検索者属性と、物件管理部111により管理される物件情報に含まれる長期入居者の入居者属性とに共通部分がある検索結果となるよう検索を実行する。検索者属性と入居者属性とに共通部分がある検索結果は、例えば、検索者が学生であるとの検索者属性を含む検索条件が与えられた場合に、物件情報において長期入居者の入居者属性が大学生、専門学校生等の学生である賃貸物件を可能な限り検索結果に含めるよう構成された検索結果である。
【0079】
[ステップS14:検索結果を提供]
制御部11は、検索部116により、検索実行ステップにおいて実行された検索に係る検索結果を端末T等に提供する処理を実行する(検索結果提供ステップ)。制御部11は、処理をステップS15に移す。
【0080】
支援処理は、仮想空間に表示された案内人によって賃貸物件を案内する一連の処理(案内ステップ)を含むことが好ましい。ステップS15からステップS19は、当該処理の一例である。これにより、支援処理を実行する支援装置1は、十分な教育を受けていないスタッフの代わりに、入居者に賃貸物件を案内するよう、支援できる。また、これにより、支援処理を実行する支援装置1は、賃貸物件の直接見学、いわゆる直見に係る労力を低減できる。
【0081】
[ステップS15:案内を開始するか判別]
制御部11は、記憶部13及び通信部14と協働し、案内部117を実行する。そして、制御部11は、案内部117により、仮想空間に表示された案内人による案内を開始するか判別する処理を実行する(案内開始判別ステップ)。開始すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS16に移す。開始すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS19の処理を繰り返す。
【0082】
案内開始判別ステップにおいて案内開始の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、賃貸物件を特定するデータとともに案内の開始に係る指示を受信した場合に、案内の開始を指令されたと判別する手順を含む。
【0083】
[ステップS16:案内人を表示]
制御部11は、案内部117により、仮想空間に案内人を表示する処理を実行する(案内人表示ステップ)。制御部11は、処理をステップS17に移す。案内人表示ステップにおいて、案内部117は、例えば、仮想空間に案内人を表示するためのデータ(3Dモデル、テクスチャ、動き情報等)を被案内人の端末Tに送信することで、仮想空間に案内人を表示する。このとき、案内部117は、案内の対象となる賃貸物件の画像に案内人を重畳して表示することが好ましい。
【0084】
[ステップS17:問いかけが行われたか判別]
制御部11は、案内部117により、案内される被案内人から、仮想空間に表示された案内人への問いかけが行われたか判別する処理を実行する(問いかけ判別ステップ)。行われたと判別したならば、制御部11は、処理をステップS18に移す。行われたと判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS19に移す。
【0085】
問いかけ判別ステップにおいて問いかけの有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、テキスト又は音声による問いかけのデータを受信した場合に、問いかけが行われたと判別する手順を含む。
【0086】
[ステップS18:応答を生成]
制御部11は、案内部117により、問いかけ判別ステップにおいて行われたと判別された問いかけへの応答を生成する処理を実行する(応答生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS19に移す。応答生成ステップにおいて、案内部117は、テキスト表示、音声の再生等の適宜の態様で、生成された応答を被案内人に提供する。
【0087】
応答生成ステップにおいて、案内部117が応答を生成する手段は、特に限定されない。当該手段は、例えば、いわゆるチャットボットにより応答を生成するものでもよい。問いかけのデータが音声データである場合、案内部117は、音声認識ネットワークによって当該音声データから問いかけのテキストを生成することが好ましい。
【0088】
多様な表現を含む問いかけを理解し、適切な応答を生成すべく、応答生成ステップにおいて、案内部117は、案内される被案内人からの問いかけ及び上述した賃貸物件の特徴を入力として含む言語モデルを用いた処理によって、案内人が被案内人に伝える応答を生成することが好ましい。このとき、この言語モデルは、上述の問いかけ及び上述の特徴を説明変数として含み、上述の応答を目的変数として含む学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0089】
[ステップS19:案内を終了するか判別]
制御部11は、案内部117により、上述の案内を終了するか判別する処理を実行する(案内終了判別ステップ)。終了すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS19の処理を繰り返す。終了すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS17に移す。
【0090】
案内終了判別ステップにおいて案内終了の有無を判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、案内の終了に係る指示を受信した場合に、案内の終了を指令されたと判別する手順を含む。
【0091】
[代行ステップ]
深夜帯等の管理業務を不動産管理業者又は所有者等に代わって遂行すべく、支援処理は、不動産管理業者及び所有者が管理業務を行えないタイミングにおける入居者からの電話を電話の一時受け代行者に転送し、当該電話に係る管理業務を不動産管理業者及び所有者に代わって行うよう依頼する代行ステップを含むことが好ましい。
【0092】
[経営指標提供ステップ]
十分な教育を受けておらず、経験が不足したスタッフであっても、賃貸物件に係る経営状況が所有者に伝わるようにすべく、支援処理は、賃貸物件に係る経営指標を提供する経営指標提供ステップを含むことが好ましい。経営指標は、例えば、現在入居率、見込入居率、空室期間、男女比、年齢比、人数比、居住比、居住人数、管理費、又は総戸数等の各種指標並びに各種指標の推移等を含む。
【0093】
[オーナー評価ステップ]
十分な教育を受けておらず、経験が不足したスタッフであっても、所有者との関係を良好に保てるようにすべく、支援処理は、賃貸物件に係る所有者との接触履歴及び所有者の評価を管理するオーナー評価ステップを含むことが好ましい。オーナー評価ステップは、例えば、報告書及び明細を所有者に送る際にスタッフの管理業務を評価するアンケートへの回答を求め、当該回答に基づいてスタッフを評価する手順を含む。
【0094】
[支援処理の効果]
上述の支援処理を実行することにより、本実施形態の支援装置1は、不動産賃貸における賃貸物件の物件情報を管理する(ステップS1からステップS2)。支援装置1は、通知部113により、物件管理部111により物件データベース131を用いて管理された物件情報に基づいて賃貸に係る作業を賃貸業者のスタッフに通知する(ステップS7からステップS8)。これにより、支援装置1は、十分な教育を受けていないスタッフであっても、賃貸に係る各種作業をスケジュール通りに実行できるよう支援できる。
【0095】
支援装置1は、施策提案部115により、通知部113と同じ物件情報に基づいて、賃貸物件への入居を促進する施策を提案する(ステップS9、ステップS11)。これにより、支援装置1は、十分な教育を受けておらず、経験が不足したスタッフであっても、賃貸物件への入居を促進する施策を適切に実施できるよう支援できる。
【0096】
支援装置1は、検索者属性と入居者属性とに共通部分がある検索結果を提供する態様において(ステップS12からステップS14)、十分な教育を受けていないスタッフであっても、入居者の属性に適合する賃貸物件を紹介できるよう、支援できる。
【0097】
加えて、支援装置1は、施策提案部115が機械学習を利用する態様において(ステップS11)、各種の賃貸物件に対するより適切な施策を提案し、十分な教育を受けていない等のスタッフであっても、賃貸物件への入居を促進する施策をよりいっそう適切に実施できるよう支援できる。
【0098】
さらに、支援装置1は、物件の特徴から賃貸物件のターゲット層を推定する態様において(ステップS10)、推定されたターゲットに基づく提案を行い、十分な教育を受けていない等のスタッフであっても、賃貸物件への入居を促進する施策をさらにいっそう適切に実施できるよう支援できる。
【0099】
その他、支援装置1は、仮想空間に表示された案内人により賃貸物件を案内する態様において、十分な教育を受けていないスタッフの代わりに、入居者に賃貸物件を案内するよう、支援できる。
【0100】
よって、本実施形態の支援装置1は、賃貸物件の物件情報を管理することによって、不動産管理業務に係るスケジュール管理及び入居促進施策の実施を支援し、各種業務の進捗管理及び入居促進施策の検討等によって例示される不動産管理業務を自動化し、支援できる。
【0101】
<使用例>
以下は、本実施形態の支援装置1の使用例である。
【0102】
〔物件情報の更新〕
不動産管理業務を行う賃貸業者のスタッフ等の利用者は、端末Tから物件情報の更新に係るデータを支援装置1に送信する。当該データには、不動産管理業務に係る作業の内容・期限、物件の特徴等が含まれている。支援装置1は、当該データを受信し、物件情報を更新する管理を行う。
【0103】
〔取引相手の検討〕
賃貸物件のオーナーである利用者は、所有する賃貸物件に係る取引相手の検討を支援装置1に指令する。支援装置1は、賃貸物件の資産価値を推定し、減価償却に係る残存価値に基づいて当該物件の取引相手を提案する。当該利用者は、提案に基づいて賃貸物件の取引を進める。
【0104】
〔作業の通知〕
支援装置1は、物件情報に基づいて、期限が迫っている作業をスタッフに通知する。スタッフは、端末Tを介して当該通知を確認し、通知された作業を進める。
【0105】
〔入居促進施策の実施〕
スタッフ等の利用者は、入居促進施策の検討を支援装置1に指令する。支援装置1は、物件情報に基づいて、賃貸物件への入居を促進する施策を提案する。スタッフは、端末Tを介して当該施策を確認し、広告等の施策を実施する。
【0106】
〔賃貸物件の検索〕
スタッフ、入居希望者等の利用者は、賃貸物件の検索を支援装置1に指令する。支援装置1は、入居希望者の属性等に基づいて、賃貸物件の検索結果を提供する。入居希望者は、検索結果に基づいて、賃貸物件の契約を進める。
【0107】
〔デジタル内見〕
入居希望者等の被案内人は、賃貸物件の案内を支援装置1に指令する。支援装置1は、仮想空間に案内人を表示し、被案内人の問いかけへの応答を表示する。被案内人は、当該表示及び応答に基づいて、賃貸物件の契約を進める。
【0108】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
S システム
1 支援装置
11 制御部
111 物件管理部
112 資産管理部
113 通知部
114 ターゲット推定部
115 施策提案部
116 検索部
117 案内部
13 記憶部
131 物件データベース
14 通信部
N ネットワーク
T 端末
【要約】
【課題】各種業務の進捗管理及び入居促進施策の検討等によって例示される不動産管理業務を自動化し、支援すること。
【解決手段】本発明に係る支援装置1は、不動産賃貸における賃貸物件の物件情報を管理する物件管理部111と、物件情報に基づいて、賃貸に係る作業を賃貸業者のスタッフに通知する通知部113、物件情報に基づいて、賃貸物件への入居を促進する施策を提案する施策提案部115と、を備え、物件管理部111は、賃貸物件に係る作業期限、賃貸条件、及び入居状況を含む物件情報を管理する。なお、施策提案部115は、賃貸条件及び入居状況を入力とする、機械学習を用いた処理によって施策を提案し、この機械学習は、賃貸物件に係る賃貸条件及び入居状況を説明変数として含み、当該賃貸物件への入居を促進する施策を目的変数として含む学習データによる事前学習が行われていることが好ましい。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6