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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】気象災害対処法学習すごろく
(51)【国際特許分類】
   A63F 3/04 20060101AFI20241021BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20241021BHJP
   A63F 3/00 20060101ALI20241021BHJP
   G01W 1/00 20060101ALN20241021BHJP
【FI】
A63F3/04 501Z
G09B19/00 Z
A63F3/00 504Z
G01W1/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020162908
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055466
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】増山 由佳
(72)【発明者】
【氏名】大町 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】河澄 香菜子
(72)【発明者】
【氏名】勝山 優行
(72)【発明者】
【氏名】宮西 麻紀
(72)【発明者】
【氏名】平田 義二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 由実
(72)【発明者】
【氏名】池田 由佳
(72)【発明者】
【氏名】柴田 みお
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3129935(JP,U)
【文献】実開昭62-084073(JP,U)
【文献】特開2007-183351(JP,A)
【文献】実開昭53-050032(JP,U)
【文献】特開2004-197554(JP,A)
【文献】登録実用新案第3193899(JP,U)
【文献】家族で学ぼう ! いざというときに役立つ防災クイズ(10)「台風編」,[online],2019年08月22日,https://www.zenrosai.coop/anshin/anshinnews/29592.html,検索日2024年8月5日
【文献】家庭で学べるつばめ防災すごろく,[online],2018年03月01日,https://wwww.city.tsubame.niigata.jp/material/files/group/1/20180301.pdf,検索日2024年8月5日
【文献】いえまですごろく|防災ボードゲーム,[online],2018年03月08日,https://web.archive.org/web/20180308082811/http://iemadesugoroku.jp/,検索日2024年8月5日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 3/04
G09B 19/00
A63F 3/00
G01W 1/00
A63F 1/02
G09B 3/00-3/12
G09F 1/00-1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気象災害に対する対処法を学習するための気象災害対処法学習すごろくであって、
前記気象災害対処法学習すごろくは、
駒が移動する学習区画であって、前記気象災害の予兆が表示される学習区画を有する盤面部材、
前記学習区画に表示される前記気象災害の予兆に対する前記対処法が表示される対処法導出・表示部材、
を有し、
前記対処法導出・表示部材は、
平面状の平面状態、及び、所定の位置から折れ曲がった屈曲状態を有し、
所定の一面に配置され、前記対処法を表示する対処法表示領域、及び、前記対処法表示領域が表示される面とは異なる面に表示され、前記対処法を導出するためのヒントが表示される対処法導出ヒント表示領域、
を有し、
前記対処法表示領域は、
前記屈曲状態において、前記平面状態において前記対処法導出ヒント表示領域が表示される側から見て、表示される位置に配置されること、
を特徴とする気象災害対応学習すごろく。
【請求項2】
請求項1に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記対処法表示領域は、
前記平面状態において、前記対処法導出ヒント表示領域とは表裏となる位置に配置されること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【請求項3】
請求項1、又は、請求項2に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記対処法導出・表示部材は、さらに、
前記対処法表示領域が表示される面において、前記気象災害に対する解説が表示され、前記対処法表示領域とは異なる解説表示領域、
を有すること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【請求項4】
請求項3に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記解説表示領域は、
前記屈曲状態において、前記平面状態において前記対処法導出ヒント表示領域が表示される側から見て、表示されない位置に配置されること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれかに係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記盤面部材は、
発生想定場所が同じ気象災害に関する前記学習区画が隣接して配置されていること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記学習区画は、
対応する前記気象災害のカテゴリーを表示する気象災害カテゴリー表示領域を有すること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【請求項7】
請求項6に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記対処法導出・表示部材は、さらに、
対応する前記学習区画が有する前記気象災害カテゴリー表示領域と同じ前記カテゴリーを表示する対処法気象災害カテゴリー表示領域を有すること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれかに係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記学習区画は、
対応する前記気象災害の発生想定場所を表示する色によって着色されていること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【請求項9】
請求項8に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記対処法導出・表示部材は、さらに、
対応する前記学習区画が有する前記色と同じ前記色で着色されていること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象災害対処法学習すごろくに関し、特に、学習者が、気象災害に対する対処法を実践的に学習できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のすごろくについて、図8に示す歴史学習すごろくを例に説明する。歴史学習すごろくでは、盤面1にメインルート4が設けられ、このメインルート4は、スタート点2、及び、ゴール点3と、その間に配置され社会科の歴史学習における時代区分ごとに時代順に設けられた複数の時代区分枠40と、各時代区分枠40内に各複数配置されて、歴史事象に関する学習データが個別に表示された学習ステーション42を含む。また、時代区分枠40内には、発着ポイント用ステーション41が設けられ、所定の学習ステーション42が、バイパスルート5に配置されたバイパスステーション53を介して、いずれかの発着ポイント用ステーション41へリンクされている。これにより、小学校社会科の歴史学習において、すごろくによるゲーム性を取り入れることによって学習効果を一層向上させる(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案第3131203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の歴史学習すごろくには、以下に示すような改善すべき点がある。前述の歴史学習すごろくは、歴史を学習するためのすごろくであり、当然ながら、気象災害に対する対処法を学習できるわけではない。気象災害に対する対処法は、気象災害が生ずる場所やといった気象災害が生ずる状況に基づき、適宜、対処法を選択する必要がある。そのため、気象災害に対する対処法を学習する学習者には、歴史学習のような事実の記憶とは異なり、気象災害が生ずる状況を分析し、取り得る対処法を自ら思考するという実践的な力を学習させる必要がある、という改善すべき点がある。
【0005】
また、効率的に学習させる必要がある、という改善すべき点がある。
【0006】
そこで、本発明は、学習者が、気象災害に対する対処法を実践的に学習できる気象災害対処法学習すごろくを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の目的は、以下の発明により達成される。
(1)
気象災害に対する対処法を学習するための気象災害対処法学習すごろくであって、
前記気象災害対処法学習すごろくは、
駒が移動する学習区画であって、前記気象災害の予兆が表示される学習区画を有する盤面部材、
前記学習区画に表示される前記気象災害の予兆に対する前記対処法が表示される対処法導出・表示部材、
を有し、
前記対処法導出・表示部材は、
平面状の平面状態、及び、所定の位置から折れ曲がった屈曲状態を有し、
所定の一面に配置され、前記対処法を表示する対処法表示領域、及び、前記対処法表示領域が表示される前記面とは異なる面に表示され、前記対処法を導出するためのヒントが表示される対処法導出ヒント表示領域、
を有し、
前記対処法表示領域は、
前記屈曲状態において、前記平面状態において前記対処法導出ヒント表示領域が表示される側から見て、表示される位置に配置されること、
を特徴とする気象災害対応学習すごろく。
(2)
(1)に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記対処法表示領域は、
前記平面状態において、前記対処法導出ヒント表示領域とは表裏となる位置に配置されること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
(3)
(1)、又は、(2)に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記対処法導出・表示部材は、さらに、
前記対処法表示領域が表示される前記面において、前記気象災害に対する解説が表示され、前記対処法表示領域とは異なる解説表示領域、
を有すること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
(4)
(3)に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記解説表示領域は、
前記屈曲状態において、前記平面状態において前記対処法導出ヒント表示領域が表示される側から見て、表示されない位置に配置されること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
(5)
(1)~(4)のいずれかに係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記盤面部材は、
発生想定場所が同じ気象災害に関する前記学習区画が隣接して配置されていること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
(6)
(1)~(5)のいずれかに係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記学習区画は、
対応する前記気象災害のカテゴリーを表示する気象災害カテゴリー表示領域を有すること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
(7)
(6)に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記対処法導出・表示部材は、さらに、
対応する前記学習区画が有する前記気象災害カテゴリー表示領域と同じ前記カテゴリーを表示する対処法気象災害カテゴリー表示領域を有すること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
(8)
(1)~(7)のいずれかに係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記学習区画は、
対応する前記気象災害の発生想定場所を表示する色によって着色されていること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
(9)
(8)に係る気象災害対応学習すごろくにおいて、
前記対処法導出・表示部材は、さらに、
対応する前記学習区画が有する前記色と同じ前記色で着色されていること、
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【発明の効果】
【0008】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0009】
本発明に係る気象災害対応学習すごろくは、気象災害に対する対処法を学習するための気象災害対処法学習すごろくであって、前記気象災害対処法学習すごろくは、駒が移動する学習区画であって、前記気象災害の予兆が表示される学習区画を有する盤面部材、前記学習区画に表示される前記気象災害の予兆に対する前記対処法が表示される対処法導出・表示部材、を有し、前記対処法導出・表示部材は、平面状の平面状態、及び、所定の位置から折れ曲がった屈曲状態を有し、所定の一面に配置され、前記対処法を表示する対処法表示領域、及び、前記対処法表示領域が表示される前記面とは異なる面に表示され、前記対処法を導出するためのヒントが表示される対処法導出ヒント表示領域、を有し、前記対処法表示領域は、前記屈曲状態において、前記平面状態において前記対処法導出ヒント表示領域が表示される側から見て、表示される位置に配置されること、を特徴とする。
【0010】
これにより、学習者は、気象災害に対する対処法を学習できるとともに、取り得る対処法を自ら思考するという実践的な力を学習できる。
【0011】
本発明に係る気象災害対応学習すごろくでは、前記対処法表示領域は、前記平面状態において、前記対処法導出ヒント表示領域とは表裏となる位置に配置されること、を特徴とする。
【0012】
これにより、学習者に、対処法導出ヒント表示領域を提示した後、屈曲させるという簡単な操作で、対処法表示領域を表示できるため、学習者は、効率的に、気象災害に対する対処法を学習できる。
【0013】
本発明に係る気象災害対応学習すごろくでは、前記対処法導出・表示部材は、さらに、前記対処法表示領域が表示される前記面において、前記気象災害に対する解説が表示され、前記対処法表示領域とは異なる解説表示領域、を有すること、を特徴とする。
【0014】
これにより、学習者に、気象災害に対する対処法に関する解説を提供できるため、学習者は、効率的に、気象災害に対する対処法を学習できる。
【0015】
本発明に係る気象災害対応学習すごろくでは、前記解説表示領域は、前記屈曲状態において、前記平面状態において前記対処法導出ヒント表示領域が表示される側から見て、表示されない位置に配置されること、を特徴とする。
を特徴とする気象災害対処法学習すごろく。
【0016】
これにより、解説表示領域を、学習者には表示しない状態にできるため、学習者は、解説無しで、対処法を思考できる。
【0017】
本発明に係る気象災害対応学習すごろくでは、前記盤面部材は、発生想定場所が同じ気象災害に関する前記学習区画が隣接して配置されていること、を特徴とする。
【0018】
これにより、学習者に、発生場所毎に、気象災害に対する対処法を学習できるため、学習者は、効率的に、気象災害に対する対処法を学習できる。
【0019】
本発明に係る気象災害対応学習すごろくでは、前記学習区画は、対応する前記気象災害のカテゴリーを表示する予兆気象災害カテゴリー表示領域を有すること、を特徴とする。
【0020】
これにより、予兆気象災害カテゴリー表示領域を確認するだけで、学習区画に対応する気象災害のカテゴリーを判断できる。
【0021】
本発明に係る気象災害対応学習すごろくでは、前記対処法導出・表示部材は、さらに、対応する前記学習区画が有する前記予兆気象災害カテゴリー表示領域と同じ前記カテゴリーを表示する対処法気象災害カテゴリー表示領域を有すること、を特徴とする。
【0022】
これにより、対処法導出・表示部材の対処法気象災害カテゴリー表示領域を確認するだけで、学習区画に対応する気象災害のカテゴリーを判断できる。
【0023】
本発明に係る気象災害対応学習すごろくでは、前記学習区画は、対応する前記気象災害のカテゴリーを表示する色によって着色されていること、を特徴とする。
【0024】
これにより、学習区画の着色を確認するだけで、学習区画に対応する気象災害の発生想定場所を判断できる。
【0025】
本発明に係る気象災害対応学習すごろくでは、前記対処法導出・表示部材は、さらに、対応する前記学習区画が有する前記色と同じ前記色で着色されていること、を特徴とする。
【0026】
これにより、対処法導出・表示部材の着色を確認するだけで、気象災害のカテゴリーを判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る気象災害対処法学習すごろくの一実施例である気象災害対処法学習すごろく100を示す図である。
図2】気象災害の属性を示す図である。
図3】盤面部材101を示す図である。
図4】盤面部材101の学習区画101cを示す図であり、Aは、「重要度」が「中」の学習区画101cを、Bは、重要度が「高」の学習区画101cを、それぞれ示す。
図5】対処法導出・表示部材103を示す図であり、Aは、対処法導出・表示部材103の表面を、Bは、対処法導出・表示部材103の裏面を、それぞれ示す。
図6】対処法導出・表示部材103の使用方法を示す図であり、Aは、折り曲げる状態を、Bは、学習者側から見た折り曲げた時の状態を、Cは、使用者側から見た折り曲げたときの状態を、それぞれ示す。
図7】本発明に係る気象災害対処法学習すごろくのその他の実施例を示す図である。
図8】従来のすごろくを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例1】
【0029】
本発明に係る気象災害対処法学習すごろくについて、気象災害対処法学習すごろく100(以下、すごろく100とする)を例に説明する。なお、以下においては、すごろく100を用いて、気象災害に対する対処法を学習する場を提供する者、例えば、教師、を使用者とし、対処法を学習する主たる者、例えば、生徒、を学習者として、説明する。
【0030】
第1 すごろく100の構成
すごろく100は、図1に示すように、盤面部材101、及び、対処導出・表示部材103を有している。使用者、及び/又は、学習者は、別途、駒部材P、サイコロDを用意する。学習者は、駒部材Pを、サイコロDの目にしたがい、盤面部材101上に表示されている区画101a(図3参照)間で移動させ、区画101aに対応する気象災害の予兆に対する対処法を、使用者が提供する対処導出・表示部材103を見ながら学習することによって、気象災害時にとるべき対処法を、効率的に、学習できる。
【0031】
1.気象災害の属性
図2に示すように、すごろく100で取り扱う気象災害は、予め定めた属性に基づいて設定されている。属性としては、「予兆」、「対処法」、「対処法導出ヒント」、「解説」、「発生想定場所」、「カテゴリー」、及び、「重要度」が設定されている。「予兆」は、気象災害が発生する際の生ずる予兆を、「対処法」は、気象災害に遭遇した際にとるべき対処法を、「対処法導出ヒント」は、対処法を導き出すためのヒントを、「解説」は、気象災害に対する解説を、「発生想定場所」は、気象災害が発生すると想定される場所を、「カテゴリー」は、気象災害が属するカテゴリーを、「重要度」は、学習者に知っておいてほしい度合いを、それぞれ、示している。例えば、図2では、「予兆」、「対処法」、「対処法導出ヒント」、「解説」、「発生想定場所」、「カテゴリー」、及び、「重要度」が、それぞれ、「山で、もくもくとした黒い雲が近づいてきた」、「高い木から離れる」、「A:高い木から離れる、B:その場にしゃがむ、C:木の下で雨やどり」、「高い木に雷が落ちることがあります。木の下で雨宿りするのはとても危険です。」、「山ステージ」、「カミナリ」、及び、「中」である気象災害が、設定されている。
【0032】
2.盤面部材101の構成
図3に示すように、盤面部材101は、所定の大きさを有する薄膜状、又は、薄板状の部材である。盤面部材101は、所定の一面に、スタート区画101a、ゴール区画101b、学習区画101c、及び、発生想定場所表示領域101dを有している。学習区画101cは、他の学習区画101a3と接続され、スタート区画101aからゴール区画101bまでのルートを形成する。
【0033】
学習区画101cについて、図4を用いて説明する。なお、図4Aは、「重要度」が「中」の学習区画101cを、図4Bは、重要度が「高」の学習区画101cを、それぞれ示す。図4Aに示すように、通常学習区画101cのそれぞれには、気象災害予兆表示領域101c1、予兆気象災害カテゴリー表示領域101c2、及び、重要度表示領域101c3を有している。気象災害予兆表示領域101c1は、学習区画101cの中央に配置される。予兆気象災害カテゴリー表示領域101c2は、学習区画101cの左上に配置される。重要度表示領域101c3は、気象災害予兆記述領域101c1を取り囲むよう枠として配置される。
【0034】
気象災害予兆表示領域101c1には、気象災害の「予兆」に対応する文言が表示される。予兆気象災害カテゴリー表示領域101c2には、気象災害予兆表示領域101c1に対応する気象災害の「カテゴリー」を表すイラスト(以下、気象災害カテゴリーイラスト)が表示されている。重要度表示領域101c3には、気象災害の「重要度」が分かるような枠表示が表示される。なお、「重要度」を示す枠表示は、「重要度」が「中」の場合は、「カテゴリー」毎に予め定めた色によって着色されて表示される。例えば、属性「カテゴリー」が「山」、属性「重要度」が「中」であれば、緑色の枠表示が表示される。
【0035】
なお、図4Bに示すように、属性「重要度」が「高」である気象災害、つまり、学習者に知っておいてほしい気象災害である場合には、重要度表示領域101c3は、他の学習区画101cとは異なる特別な枠表示、例えば、黄色と黒との縞模様の枠表示、が表示される。
【0036】
なお、図1に示すように、盤面部材101に表示される学習区画101cは、各学習区画101cに対応する気象災害の属性「発生想定場所」が同じものが隣接するように配置される。盤面部材101においては、隣接している配置され、同一の「発生想定場所」を有する学習区画101cに隣接して、発生想定場所表示領域101dが配置される。発生想定場所表示領域101dには、例えば、属性「山」の学習区画101cに対しては「山ステージ」と、属性「川」の学習区画101cに対しては「~ステージ」と、・・・、表示される。このように、発生場所が同じ学習区画101cを隣接して配置することによって、学習者は、発生場所毎に、気象災害に対する対処法を学習できる。また、学習者は、同じ気象災害でも発生する場所によって予兆、及び、対処法が異なることを理解できる。
【0037】
3.対処法導出・表示部材103の構成
対処導出・表示部材103は、盤面部材101の各学習区画101cに対応する気象災害の予兆に対する対処法、及び、その対処法を導き出すためのヒントを表示し、学習者が効率的に学習できるようにするための補助部材である。学習補助部材103は、盤面部材101が有する学習区画101c毎に形成される。図1に示すように、対処法導出・表示部材103は、所定の大きさを有する薄膜、又は、薄板状の部材である。対処法導出・表示部材103は、平面状態、及び、屈曲状態を有している。
【0038】
図5を用いて、対処法導出・表示部材103について説明する。図5Aは、平面状態における対処法導出・表示部材103の表面を、図5Bは、平面状態における対処法導出・表示部材103の裏面を、それぞれ示す。図5A図5Bに示すように、対処法導出・表示部材103は、対処法導出ヒント表示領域103a、対処法気象災害カテゴリー表示領域103b、対処法表示領域103c、解説表示領域103d、及び、折り曲げ線103eを有している。なお、対処法導出ヒント表示領域103a、及び、気象カテゴリー記述領域103bは、対処法導出・表示部材103の表面に配置される。また、対処法表示領域103c、及び、解説表示領域103dは、対処法導出・表示部材103の裏面に、配置される。
【0039】
さらに、対処法導出ヒント表示領域103aと対処法表示領域103cとは、表面、裏面の対応する領域として配置される。さらに、折り曲げ線103eは、対処法表示領域103cと解説表示領域103dとの間に配置される。対処法表示領域103cは、図6Aに示すように、対処法導出・表示部材103を折り曲げ線103eで折り曲げた屈曲状態において、平面状態において対処法導出ヒント表示領域103aが表示される側(矢印A103側)から見て、表示される位置に、配置されている。
【0040】
対処法導出ヒント表示領域103aには、気象災害の「対処法導出ヒント」に対応する文言が表示される。対処法表示領域103cには、気象災害の「対処法」に対応する文言が表示される。解説表示領域103dには、気象災害の「解説」に対応する文言が表示される。
【0041】
ここで、図5Aに示すように、対処法導出ヒント表示領域103aに表示される気象災害の「対処法導出ヒント」に対応する文言は、平面状態において、表面から見て、正立するように表示される。これにより、平面状態で、対処法導出ヒント表示領域103aを学習者に向かって表示すると、対処法導出ヒント記述領域103aに表示される文言が、学習者に対して成立するように表示される。また、使用者は、対処法導出ヒントのみを、学習者に対して表示できる。学習者は、対処法導出ヒントを提示されることによって、効率的に、気象雑賀に対する対処法を導出できる。
【0042】
一方、図5Bに示すように、対処法表示領域103cに表示される気象災害の「対処法」に対応する文言は、平面状態において、裏面から見て、倒立するように表示される。これにより、対処法導出・表示部材103が平面状態にあり、学習者に対して表面が表示されている状態、つまり、対処法表示領域103cが表示されている状態から、対処法導出・表示部材103を折り曲げ線103eで折り曲げた屈曲状態にしたときに、つまり、対処法導出ヒント表示領域103aに対応して裏面に配置されている対処法表示領域103cが、学習者に向かって、表示されたときに、対処法表示領域103cに表示されている文言が、成立するように表示される。
【0043】
なお、解説表示領域103dは、学習者に向かって、表面の対処法導出ヒント表示領域103aが表示されている場合であっても、裏面の対処法表示領域103bが表示されている場合であっても、裏面を見ている使用者に向かって成立するように表示される。
【0044】
したがって、図5Bに示すように、対処法導出・表示部材103において、折り曲げ線103eが水平方向に沿って配置されている場合には、対処法導出・表示部材103を折り曲げない状態では、対処法導出ヒント表示領域103aに表示される文言が成立で表示されれば、対処法表示領域103cに表示される文言は倒立で表示される。また、裏面において、対処法表示領域103bに表示される文言が倒立で表示される一方、解説表示領域103dに表示される文言は成立で表示される。これにより、使用者は、対処法導出・表示部材103を折り曲げ線103eに沿って折り曲げるという簡単な操作で、学習者に対して、正解となる対処法を読みやすい正立状態で表示できる一方、解説については、使用者のみが確認でき、また、使用者に対して確認しやすい正立状態にできる。
【0045】
気象災害カテゴリー表示領域103bには、対処法導出ヒント表示領域101c1に対応する気象災害カテゴリーイラストが表示されている。なお、対処法導出・表示部材103の気象災害カテゴリー表示領域103bに表示される気象災害カテゴリーイラストは、対応する学習区画101cの気象災害カテゴリー表示部101c2に表示されている気象災害カテゴリーイラストと同じである。
【0046】
また、気象災害カテゴリー表示領域103bは、全体として、対応する学習区画101cの重要度表示領域101c3で表示される枠表示の色と同じ色となるように着色されている。対処法導出・表示部材103の使用者は、気象災害カテゴリー表示領域103bに表示されている気象災害カテゴリーイラスト、及び、気象災害カテゴリー表示領域103bの色に基づいて、各学習区画103cに対応する対処法導出・表示部材103bを特定できる。
【0047】
第2 すごろく100の使用方法
次に、すごろく100の使用方法を説明する。使用者は、盤面部材101を所定の位置に配置、例えば、黒板に貼り付ける。学習者は、自分の駒105をスタート区画101aに配置する。
【0048】
1)学習者は、サイコロDを振り、自身のコマ105を、出た目の数だけ、ルートに沿って、学習区画101cを移動させる。2)学習者、及び/または、使用者は、駒が止まった学習区画101cの気象災害予兆表示領域101c1に表示されている「予兆」を読み上げる。
【0049】
3)使用者は、駒105が止まった学習区画101cに対応する対処法導出・表示部材103を抽出し、表面、つまり、対処法導出ヒント表示領域103aを、学習者に見せるように、配置する。4)駒105を進めた学習者は、対処法導出ヒント表示領域103aに表示されているヒント、例えば選択肢から、とるべき対処法を選択し、使用者に意思表示する。
【0050】
5)使用者は、図6Aに示すように、折り曲げ線103eに沿って、対処法導出・表示部材103を折り曲げ、図6Bに示すように、裏面に配置されている対処法表示領域103cを、学習者に見えるようにし、学習者が意思表示した対処法に対する答え合わせを実施する。
【0051】
5)使用者は、答え合わせを実施するとともに、図6Cに示すように、使用者から見える対処法導出・表示部材103の解説表示領域103dに表示されている解説を読み上げる。6)使用者は、学習者が意思表示した対処法が正しくなければ、駒105、1つ手前の学習区画101cに移動する。学習者が意思表示した対処法が正しければ、駒部材Pは、そのままの位置とする。7)順次、1~6の動作を繰り返し、ゴール区画101bに最初に到達した学習者を勝者とする。
【0052】
[その他の実施形態]
(1)折り曲げ線103e:前述の実施例1においては、折り曲げ線103eを水平方向に沿って配置するとしたが、対処法導出・表示部材103を屈曲状態とできるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、図7A図7Bに示す対処法導出・表示部材203のように、垂直方向に沿って折り曲げ線203eを配置するようにしてもよい。この場合、対処法導出・表示部材203が平面状態において、図7Aに示すように、表面に、対処法導出ヒント表示領域203a、対処法カテゴリー表示領域203bが配置され、図7Bに示すように、裏面に、対処法表示領域203c、解説表示領域203dが、横並びで配置される。対処法表示領域203cに表示される文言は、対処法導出ヒント表示領域203a、解説表示領域203dと同様に、成立で表示される。
【0053】
(2)対処法導出ヒント表示領域103aの位置:前述の実施例1においては、対処法導出ヒント表示領域103aは、対処法記述領域103cと、表裏となる位置に配置されるとしたが、折り曲げ状態において、対処法導出ヒント表示領域103aに代わって、対処法記述領域103cが表示できる位置であれば、例示のものに限定されない。例えば、図4Aにおいて、解説表示領域103dと表裏となる位置に配置するようにしてもよい。
【0054】
(3)学習区画101c、及び、対処法導出・表示部材103の着色:前述の実施例1においては、各学習区画101cは、対応する気象災害の発生想定場所を表示する色を有する枠表示によって、着色され、また、対処法導出・表示部材103は、対応する学習区画101cが有する色と同じ色で着色されていたが、学習区画101cと対処法導出・表示部材103との対応関係を判断できるものであれば、同じ色で着色されていなくともよい。
【0055】
(4)対象法導出ヒント:前述の実施例1においては、対処法導出ヒントは、選択肢としたが、学習者のヒントとなるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、文章やイラストで表示してもよい。
【0056】
(5)重要度表示領域101c3:前述の実施例1においては、重要度表示領域101c3は、枠表示として表示されるとしたが、各学習区画101cの「重要度」が分かるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、「重要度」が「高」である学習区画101cの気象災害予兆表示領域101c1には、他の学習区画101cとは異なり、表示される文言を太字とするようにしてもよい。
【0057】
(6)学習区画101cと対象法導出・表示部材103との対応:前述の実施例1においては、学習区画101cと対象法導出・表示部材103との対応を、それぞれのカテゴリー表示領域の表示等によって判断するとしたが、両者の対応を判断できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、各学習区画101cに番号を付し、対応する対象法導出・表示部材103にも、同じ番号を表示するようにしてもよい。
【0058】
(7)隣接する学習区画101c:前述の実施例1においては、発生想定場所が同じ学習区画101cを隣接して配置したが、各学習区画を、ランダムに配置するようにしてもよい。これにより、発生想定場所に捉われずに、気象災害に対する対処法を学習させることができる。
【0059】
(8)勝敗:前述の実施例1においては、スタート区画101aからゴール区画101bに、最初に到着した学習者を勝者としたが、例示のものに限定されない。例えば、「重要度」が「中」の学習区画101cには正解ポイント1点、「重要度」が「高」の学習区画101cには正解ポイント3点とする等、学習区画101c毎に付与するポイントを設定し、ポイント合計により勝敗を決定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
100 気象災害対処法学習すごろく
101 盤面部材
101a スタート区画
101b ゴール区画
101c 学習区画
101c1 気象災害予兆表示領域
101c2 予兆気象災害カテゴリー表示領域
101c3 重要度表示領域
101d 発生想定場所表示領域
103 対処法導出・表示部材
103a 対処法導出ヒント表示領域
103b 対処法気象災害カテゴリー表示領域
103c 対処法表示領域
103d 解説表示領域
103e 折り曲げ線
203 対処法導出・表示部材
203a 対処法導出ヒント表示領域
203b 対処法気象災害カテゴリー表示領域
203c 対処法表示領域
203d 解説表示領域
203e 折り曲げ線


図1
図2
図3
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図6
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図8