(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】伝送ケーブル支持構造
(51)【国際特許分類】
H02B 1/20 20060101AFI20241021BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
H02B1/20 N
H02G3/30
(21)【出願番号】P 2021019427
(22)【出願日】2021-02-10
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 浩久
【審査官】荒木 崇志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-180985(JP,U)
【文献】特開平07-264725(JP,A)
【文献】特開昭59-099910(JP,A)
【文献】特開2005-235443(JP,A)
【文献】特開2002-124783(JP,A)
【文献】特開2020-035559(JP,A)
【文献】特開2020-095964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00 - 1/38
H02B 1/46 - 7/08
H01R 13/40 - 13/533
H02G 3/06 - 3/40
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電盤内で被取付部に固定される取付部を備えた支持部材と、伝送ケーブルを支持可能なケーブル支持部を備える結合部材と、を備えた伝送ケーブル支持構造であって、
結合部材
自体に、情報取り扱い機器と電気的な接続が可能な機器結合部を備え
、
ケーブル支持部に支えられる伝送ケーブルに流れる電気を機器結合部に供給することが可能であり、
支持部材と結合部材を連結した状態で結合部材の位置又は向きを調整可能である伝送ケーブル支持構造。
【請求項2】
結合部材は、伝送ケーブルの被覆を破ることが可能な圧接部を備え、
圧接部と機器結合部が電気的に接続された請求項1に記載の伝送ケーブル支持構造。
【請求項3】
直線的な移動または曲線的な移動の少なくとも一方によって、支持部材の取付部に対する結合部材の位置を調整可能である請求項1又は2に記載の伝送ケーブル支持構造。
【請求項4】
ケーブル支持部は、伝送ケーブルが摺動可能な状態である第一の状態と、圧接部が伝送ケーブルに電気的に接続する状態である第二の状態と、を選択的に設定可能である請求項2に記載の伝送ケーブル支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送ケーブル支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、ブレーカや制御機器などを備えた配電盤の内外の環境の情報や、電力情報などを計測するために計測器などの情報取り扱い機器を設置することがなされている。各計測器と計測器を管理する管理装置は伝送ケーブルなどを用いて接続するが、配電盤の電気機器や配線の敷設を行った後に、計測器などの取り付けや配線を行うのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
このため、既に配策された多数のケーブルが邪魔して、伝送ケーブルの取付作業や情報取り扱い機器の取付作業に手間が掛かるという問題があった。また、引用文献1に記載されているように、必要な情報取り扱い機器を後から設置する場合もあるが、その場合は、なおのこと、情報取り扱い機器の取り付けや情報取り扱い機器に対する伝送ケーブルの配索などに手間がかかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、情報取り扱い機器の取付を容易にできるものとするとともに、情報取り扱い機器を取り付けた場合でも配電盤内の配線が煩雑にならず、かつ、柔軟に配置できる伝送ケーブル支持構造にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、配電盤内で被取付部に固定される取付部を備えた支持部材と、伝送ケーブルを支持可能なケーブル支持部を備える結合部材と、を備えた伝送ケーブル支持構造であって、結合部材に、情報取り扱い機器と電気的な接続が可能な機器結合部を備えた伝送ケーブル支持構造とする。
【0007】
また、結合部材は、伝送ケーブルの被覆を破ることが可能な圧接部を備え、圧接部と機器結合部が電気的に接続された構成とすることが好ましい。
【0008】
また、直線的な移動または曲線的な移動の少なくとも一方によって、支持部材の取付部に対する結合部材の位置を調整可能である構成とすることが好ましい。
【0009】
また、ケーブル支持部は、伝送ケーブルが摺動可能な状態である第一の状態と、圧接部が伝送ケーブルに電気的に接続する状態である第二の状態と、を選択的に設定可能である構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、情報取り扱い機器の取付を容易にできるものとするとともに、情報取り扱い機器を取り付けた場合でも配電盤内の配線が煩雑にならず、かつ、柔軟に配置できる伝送ケーブル支持構造にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】伝送ケーブル支持構造を用いて配電盤に伝送ケーブルを配策した例を示した図である。ただし、斜線を付した四角の部分は伝送ケーブルの支持にのみ伝送ケーブル支持構造が使用されており、縦線を付した四角の部分は伝送ケーブル支持構造に情報取り扱い機器を取り付けている。
【
図2】伝送ケーブル支持構造の使用例を表した図である。ただし、支持部材の内部に隠れているはずの結合部材の膨らみ部が、隠れていない状態で描いている。
【
図3】
図2に示す伝送ケーブル支持構造を、支持部材の部分と結合部材の部分で分けるように分解した図である。ただし、結合部材には情報取り扱い機器が接続されている。
【
図4】伝送ケーブル支持構造の使用例を複数表した図である。ただし、支持部材の内部に隠れているはずの結合部材の膨らみ部が、隠れていない状態で描いている。
【
図5】ケーブル支持部材に使用する支持用パーツの斜視図である。ただし、ケーブル導入部に伝送ケーブルを挿入した状態を表している。
【
図6】
図5に示す支持用パーツを固定コネクタ側から見た側面図である。
【
図8】
図7に示した情報取り扱い機器の斜視図である。
【
図9】ケーブル支持部で追加の伝送ケーブルを接合する前と後の状態を表す図である。ただし、支持部材の内部に隠れているはずの結合部材の膨らみ部が、隠れていない状態で描いている。
【
図10】
図2とは異なる形態の伝送ケーブル支持構造の使用例を表す図である。
【
図11】
図2と異なる形態におけるケーブル支持部と機器結合部の組み合わせ方及び機器結合部と情報機器取り扱い部の接続のしかたの例を表した図である。
【
図12】伝送ケーブル支持構造の一例を表す図である。
【
図13】
図12に示す伝送ケーブル支持構造の使用例を表す図である。ただし、結合部材を傾けた状態を二点鎖線で表している。
【
図14】伝送ケーブル支持構造の一例の部分拡大図である。
【
図15】伝送ケーブル支持構造の一例の使用例を表す図である。ただし、結合部材を傾けた状態を二点鎖線で表している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に発明を実施するための形態を示す。
図1乃至
図3に示されていることから理解されるように、本実施形態の伝送ケーブル支持構造1は、配電盤70内で被取付部72に固定される取付部21を備えた支持部材20と、伝送ケーブル81を支持可能なケーブル支持部51を備える結合部材50と、を備えており、結合部材50に、情報取り扱い機器82と電気的な接続が可能な機器結合部52を備えている。このため、情報取り扱い機器82の取付を容易にできるものとするとともに、情報取り扱い機器82を取り付けた場合でも配電盤70内の配線が煩雑にならず、かつ、柔軟に配置できる伝送ケーブル支持構造1にすることができる。
【0013】
ここで、伝送ケーブル支持構造1が取り付けられる配電盤70について説明する。配電盤70は、ブレーカや内部機器を搭載するものである。典型的なものとして、ブレーカや変圧器71や計測器など電気電子機器を備えるキュービクルや、主幹ブレーカや分岐ブレーカなどを備えた配電盤70が例示できる。実施形態では、外郭を形成する筐体内に、筐体の支柱や、機器、絶縁板を取り付けたりするための金属製のレールが複数備えられている。
図1に示す例では、配電盤70は内部に変圧器71を備えている。
【0014】
実施形態の伝送ケーブル支持構造1は、一端側が配電盤70に固定できるように構成されており、他端側で伝送ケーブル81を支持できる構成である。具体的には、伝送ケーブル81を支持できる結合部材50を配電盤70に固定される支持部材20で支持できるような構成である。
【0015】
伝送ケーブル支持構造1は、配電盤70内で被取付部72に固定される。実施形態の伝送ケーブル支持構造1は、支持部材20と結合部材50を備えている。支持部材20に備えられた取付部21が、支柱やレールまたは電気電子機器に取り付けられる。また、結合部材50は、支持部材20に支えられており、ケーブル支持部51と機器結合部52を備えている。
【0016】
実施形態のケーブル支持部51は、伝送ケーブル81を穴状のケーブル導入部61に挿通させるようにすることで、伝送ケーブル81の途中の部分を支持することができる。また、情報取り扱い機器82と電気的に接続可能な機器結合部52は、伝送ケーブル81の途中の部分と機器結合部52を電気的に接続させることで、機器結合部52に接続した情報取り扱い機器82に電源を供給することができる。つまり、伝送ケーブル81の途中の部分から電源を情報取り扱い機器82に供給するために用いることができる。
【0017】
情報取り扱い機器82は、筐体内の環境情報や、電気電子機器の動作状態を検出したりするものが例示できる。具体的には、筐体内外の温度を計測する温度計や湿度などを計測する湿度計が一例として挙げられるが、電気電子機器の動作状態、電流などを計測する電流計や電圧計などでもよい。また、電気電子機器や筐体の温度などをサーモカメラなどで計測する赤外線センサでもよい。また、筐体内外の計測器や外部機器と通信を行ったり、計測器や管理装置83と通信したりするため、ルーターの電波を強化するための中継器などの通信部であっても良い。勿論、これらの例に限る必要は無い。
【0018】
図2及び
図3に示す例では支持部材20と結合部材50は直接的に連結するように接続されている。支持部材20は取付部21が配電盤70内の被取付部72に固定されるが、この状態において、伝送ケーブル81を被取付部72から離れた位置で支持させることができる。また、伝送ケーブル81を被取付部72から水平方向に離して支持させることができるようにするため、支持部材20と結合部材50が連結された状態で、伝送ケーブル81などの荷重に耐えられるような剛性を確保できるようにしている。
【0019】
また、実施形態の伝送ケーブル支持構造1は、結合部材50の位置や向きなどを調整可能としている。このため、状況に合わせて伝送ケーブル81を支持する向きや情報取り扱い機器82の向きなどを調整することが可能となる。
【0020】
図2に示す例では、支持部材20は取付部21から離れるように直線的に延びた基部22を備えており、当該基部22に沿って摺動可能な伸縮部23を支持部材20に備えている。この支持部材20には、締めたり弛めたりすることが可能な締め付け部24を備えている。支持部材20に備えられた締め付け部24を緩めれば、伸縮部23が基部22に対して摺動可能な状態とすることができる。適度な位置まで伸縮部23を摺動させた後に締め付け部24を締め付ければ、基部22に対して伸縮部23が摺動できない状態とすることができる。このような構成とすることにより、結合部材50を直線的に移動させて固定することができる。
【0021】
また、結合部材50の向きを変更可能とするため、
図2及び
図3に示す例では、結合部材50の先端を差し込み可能な凹部25を支持部材20に備えるとともに、凹部25に沿って摺動可能な球状の膨らみ部53を結合部材50に備える構成としている。この結合部材50と支持部材20は固定部26により固定可能である。実施形態の固定部26は雄ねじ状であり、固定部26を緩めれば、結合部材50を支持部材20に対して摺動可能な状態とすることができる。適度な位置まで摺動させた後に固定部26を締め付ければ、支持部材20に対して結合部材50が摺動できない状態とすることができる。
【0022】
結合部材50の摺動は、球状の膨らみ部53が凹部25に沿って回転するように摺動するものであり、支持部材20に対する結合部材50の傾きなどを変える自由度を高くすることができる。
【0023】
なお、直線的な移動または曲線的な移動の少なくとも一方によって、支持部材20の取付部21に対する結合部材50の位置を調整可能であるようにすれば、結合部材50の位置調整は可能である。直線的な移動や曲線的な移動などにより、支持部材20の取付部21に対する結合部材50の位置を調整可能であるようにすれば、伝送ケーブル81や情報取り扱い機器82の指向性や高さなどを調整することが出来る。支持部材20の取付部21に対する結合部材50の位置を調整可能であるようにする構成は、結合部材50で行うものであっても、支持部材20で行うものであっても、双方で行うものであっても良い。
【0024】
実施形態のケーブル支持部51には押圧操作がなされる押圧操作部62を備えている。また、内部にはケーブル支持部51に挿入された伝送ケーブル81と接触可能な圧接部63を備えている。この例では、プライヤーなどの圧接用の工具を用いて押圧操作部62をすることで、内部に形成した刃状の圧接部63が伝送ケーブル81の被覆を破ることができる。
【0025】
伝送ケーブル81の被覆を破った圧接部63は、伝送ケーブル81の内部にある心線と電気的に接続した状態で維持される。圧接部63と機器結合部52は電気的に接続されているので、圧接部63と伝送ケーブル81の内部にある心線が接した状態で、情報取り扱い機器82を機器結合部52に差し込むと、情報取り扱い機器82に伝送ケーブル81から電源を供給することが出来る。なお、
図2に示す例では、機器結合部52はコネクタの差し込みが可能な穴形状である。このため、情報取り扱い機器82用のコネクタを機器結合部52に差し込めば、伝送ケーブル81から情報取り扱い機器82に電気を送ることができる。
【0026】
なお、伝送ケーブル支持構造1は、情報取り扱い機器82と接続していない場合でも、伝送ケーブル81を支持する道具として使用できる。この場合、伝送ケーブル支持構造1は、伝送ケーブル81を支持する高さ位置を調整するための固定部材などとして利用することが出来る。
【0027】
また、実施形態のケーブル支持部51は、伝送ケーブル81が摺動可能な状態である第一の状態と、圧接部63が伝送ケーブル81に電気的に接続する状態である第二の状態と、を選択的に設定可能である。このようにすれば、ケーブル支持部51は、伝送ケーブル81が摺動可能な状態である第一の状態で伝送ケーブル81を支持することができる。また、圧接部63が伝送ケーブル81に電気的に接続する状態である第二の状態に変更することもできる。なお、第二の状態においては、伝送ケーブル81は自在に摺動することができないように固定される。
【0028】
伝送ケーブル支持構造1が支持する伝送ケーブル81は、電源線や通信線(またはPLC)が典型例である。実施形態における伝送ケーブル81の一端は管理装置83に接続されており、伝送ケーブル81を通じて、各情報取り扱い機器82で取得された情報を管理装置83に収集することができる。また、実施形態の管理装置83は、各情報取り扱い機器82に電源を供給する。なお、情報取り扱い機器82が通信器を介して管理装置83や、外部機器と情報を収集させることもできる。
【0029】
図2に示す例の伝送ケーブル支持構造1は、棒状の支持部材20の先端側に結合部材50が取り付けられている。支持部材20と結合部材50は、固定部26を用いて固定されている。
図4の左端に示す伝送ケーブル支持構造1は、情報取り扱い機器82が機器結合部52に接続されておらず、伝送ケーブル81を支持するために使用している。
図4の真ん中に示す伝送ケーブル支持構造1と右端に示す伝送ケーブル支持構造1は、各々、伝送ケーブル81を支持するとともに情報取り扱い機器82が装着されている。これらは支持部材20の長さや支持部材20に対する結合部材50の角度が異なるように設定している。なお、支持部材20の長さや支持部材20に対する結合部材50の角度の調整は、ケーブル支持部51で伝送ケーブル81などを支持している状態でも行うことができる。
【0030】
ところで、実施形態のケーブル支持部51は機器結合部52と分離可能である。このようなことを可能とするため、
図5及び6に示すことから理解されるような、脱着可能な支持用パーツ60を用いている。この例では、伝送ケーブル81を導入可能なケーブル導入部61と並ぶように固定コネクタ64が設けられており、固定コネクタ64は他の部品と電気的な接続が可能なように構成されている。また、他の部品から延びる爪部が引っ掛けられるような被ロック部65を備えている。このため、他の部品と支持用パーツ60が偶発的に分離することを抑制している。なお、他の部品と結合させる際に用いられる結合操作部66は、結合時に操作される。
【0031】
なお、
図2に示す例に用いられている情報取り扱い機器82は、
図7及び8に示すことから理解されるような構造である。この情報取り扱い機器82は、コネクタ接続が可能な構成となっており、結合部材50から延びる爪部が引っ掛けられるような被ロック部84を備えている。
【0032】
なお、ケーブル支持部51に設けられた押圧操作部62は、伝送ケーブル81の中間位置の被覆を部分的に破るために使用するもので無くても良い。例えば、伝送ケーブル81の端部を他の伝送ケーブル81の端部と圧着するために用いても良い。この場合、圧接部63は、伝送ケーブル81の端部同士を接合するために用いる(
図9参照)。
【0033】
ところで、伝送ケーブル支持構造1は、上記したような構成である必要は無い。例えば
図10に示すことから理解されるように、支持部材20と結合部材50の間に他の部品を介在させても良い。
図10に示す例では支持部材20と結合部材50の間にDINレール85を介在させている。DINレール85は支持部材20と結合部材50に各々に対して着脱可能にされている。DINレール85の長さ調整をしたい場合は、支持部材20と結合部材50の少なくとも一方から分離させ、切断すればよい。
【0034】
また、
図10に示す例では、一部分が回動可能なように結合部材50を構成している。また、機器結合部52は、機器保持部材86を介在させて情報取り扱い機器82と接続させている。なお、取付部21は板状となっており、被取付部72と接触する面積を確保できるようにしている。
【0035】
図2に示す例では、支持部材20により支えられている結合部材50の一部に対してケーブル支持部51を構成する支持用パーツ60を取り付けていたが、そのような構成である必要は無い。
図11に示す例では、ケーブル支持部51を構成する支持用パーツ60が支持部材20に支えられる部分であり、この支持用パーツ60に対して、機器結合部52を構成する機器接続用パーツ87を接続し、その機器接続用パーツ87に対して直接情報取り扱い機器82を接続したり、配線を介して接続したりしても良い。前者の場合、情報取り扱い機器82を伝送ケーブル81にバンドなどで固定するようにしても良い。後者の場合、情報取り扱い機器82を別の場所に固定しても良い。
【0036】
図12に示す例では、支持部材20が台座88を回動可能に支持するように構成している。台座88はケーブル支持部51を構成する支持用パーツ60を支えるものであり、機器結合部52を構成する機器接続用パーツ87などとの接続は
図11に示すようなものが例示できる。台座88は対称形状にしておけば、ケーブル支持部51を構成する支持用パーツ60などの取り付け向きを変更しやすい。
【0037】
図12に示す支持部材20は、被取付部72にねじ固定するようにしているが、支持部材20は被取付部72に対して粘着力で接続しても良いし、磁力で接続してもよい。前者の場合両面テープなどを使用しても良く、後者の場合、永久磁石を使用しても良い。なお、支持部材を伸縮可能な構成にしたり、脱着可能な構成にしたりしても良いことは勿論のことである。
図12に示すように台座88が回動可能な構成とすれば、
図13に示すことから理解されるように、計測対象物91に対して向きが合うように調整しやすくなる。また、この台座88を回動した後、位置固定可能に形成している。
【0038】
また、支持部材20などは
図14に示すことから理解されるように、複数の方向への動きを組み合わせるようにしても良い。
図14に示す例では、回動部であるボールナット92の回動方向と異なる方向で回動可能なように台座88を軸支している。なお、台座88には、結束バンドを通過できるほどの貫通穴89が複数設けられている。このため、台座88に隣接する支持用パーツ60や情報取り扱い機器82などを、結束バンドなどを用いて台座88に固定することができる。
【0039】
図15に示す例では、ボールナット92を動かすことで台座88などの傾きを変えることができる例を表している。
【0040】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、ケーブル支持部で伝送ケーブルを拘束するのは、ケーブル支持部に設けた貫通した穴に伝送ケーブルを挿入する態様に限らない。例えば、伝送ケーブルを添わせることが可能な面や開閉可能な扉などを組み合わせて伝送ケーブルの周方向を囲えるようにし、扉を開いた状態で伝送ケーブルを収めた後に扉を閉めることで、伝送ケーブルを拘束できるようにしても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 伝送ケーブル支持構造
20 支持部材
21 取付部
50 結合部材
51 ケーブル支持部
52 機器結合部
63 圧接部
70 配電盤
72 被取付部
81 伝送ケーブル
82 情報取り扱い機器