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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】マーキングペン
(51)【国際特許分類】
   B43K 8/03 20060101AFI20241021BHJP
【FI】
B43K8/03 100
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019191407
(22)【出願日】2019-10-18
(65)【公開番号】P2021066043
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-29
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐川 弥
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健司
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 敦
(72)【発明者】
【氏名】神谷 俊史
(72)【発明者】
【氏名】羽賀 久人
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 祐一
【合議体】
【審判長】川俣 洋史
【審判官】桐山 愛世
【審判官】山本 一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-9686(JP,U)
【文献】特開2004-42263(JP,A)
【文献】特開2000-135887(JP,A)
【文献】特開2004-66479(JP,A)
【文献】実開昭52-162925(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0163152(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/00-1/12
B43K 5/00-8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒と、
前記軸筒の内部に収容されるとともに長手方向に対し垂直な断面において軸心寄りに位置し気孔率が7%である密部及び前記密部の周囲に位置し気孔率が85%である疎部から成るとともに、前記密部の前記断面に占める面積の割合が3%以上20%以下である中綿と、
前記中綿に含浸されるとともに静的表面張力値が29.8mN/m以上34.6mN/mである水性インクと、
前記密部に接続し毛管力で前記水性インクを先端へ誘導する筆記先端と、を備えることを特徴とするマーキングペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸筒に水性インクを含浸させた中綿を収容するマーキングペンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軸筒に水性インクを含浸させた中綿を収容するマーキングペンは種々提供されてきた。その中で、2種類の繊維を組み合わせた中綿を使用するものも存在する。たとえば、下記特許文献1では、水性インクの吹き出し防止を目的として、中綿の一部に太径繊維を配置し、その他は細径繊維を使用している。また、下記特許文献2では、熱変色インク顔料の分離を抑制する目的で、太デニールの繊維束を細デニールの繊維内に分散配置した中綿が使用されている。さらに、下記特許文献3では、インクの吐出性を安定化するため、中心部が細デニールで、周辺が太デニールの中綿が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-120257号公報
【文献】特開2017-94526号公報
【文献】特開昭53-104318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
軸筒内に中綿を収容するマーキングペンでは、中綿へのインクの充填のしやすさと、水性インクの保持力の確保とを両立させる必要がある。そこで本願は、中綿へのインク充填を迅速かつ安定的に実行するとともに、水性インクが直流することなく確実に保持することの可能なマーキングペンの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1の態様に係るマーキングペンは、軸筒と、前記軸筒の内部に収容されるとともに長手方向に対し垂直な断面において軸心寄りに位置し気孔率が比較的低い密部及び前記密部の周囲に位置し気孔率が比較的高い疎部から成る中綿と、前記中綿に含浸されるとともに静的表面張力値が35mN/m以下である水性インクと、前記密部に接続し毛管力で前記水性インクを先端へ誘導する筆記先端と、を備えることを特徴とする。
【0006】
ここで、本態様のマーキングペンにおける中綿は、密部と疎部とから成る。密部においては、疎部と比較して中綿を形成する繊維間の距離がより密となっている。換言すると、疎部は密部よりも気孔率が高くそのため繊維間距離が疎である。疎部は、繊維間距離がより疎であることで、水性インクを包蔵する機能を有する。一方、密部は、気孔率が低くそのため繊維間距離がより密であり毛管力が高いため、筆記先端へ水性インクを誘導する機能を有する。筆記先端は、繊維束又は多孔体のような毛管力を有する材質で形成され、中綿のうち密部に接続される。
【0007】
なお、ここで、密部が前記断面において軸心寄りに位置するとは、該断面の辺縁には位置していない、ということを意味する。換言すると、該断面においては、密部はその全周で疎部に囲まれている、ということになる。
【0008】
本願の第2の態様に係るマーキングペンは、上記第1の態様の構成に加え、前記密部の前記断面に占める面積の割合は5%以上15%以下であることを特徴とする。
【0009】
本願の第3の態様に係るマーキングペンは、上記第1又は第2の態様の構成に加え、前記密部の一部が前記断面の中心を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記構成により、本願に開示するマーキングペンは、中綿へのインク充填を迅速かつ安定的に実行するとともに、水性インクが直流することなく確実に保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態のマーキングペンを正面図で示す。
図2図1のマーキングペンから両端のキャップを取り外した状態を正面図で示す。
図3図2の正面断面図である。
図4】第2実施形態のマーキングペンを正面図で示す。
図5図4のマーキングペンから両端のキャップを取り外した状態を正面図で示す。
図6図5の正面断面図である。
図7】中綿において密部と疎部との位置関係の例を断面図で示す。
図8】中綿において密部と疎部との位置関係の例を断面図で示す。
図9】中綿において密部と疎部との位置関係の例を断面図で示す。
図10】中綿において密部と疎部との位置関係の例を断面図で示す。
図11】中綿において密部と疎部との位置関係の例を断面図で示す。
図12】中綿において密部と疎部との位置関係の例を断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0013】
(1)第1の実施形態
図1は、第1の実施形態に係るマーキングペン10の正面図である。なお、以下の説明では便宜上、図面における下端を先端とし、上端を後端とする。円筒形状の軸筒20の先端及び後端に、略同径の略円筒形状のキャップ30、30がそれぞれ装着されている。
【0014】
図2は、図1のマーキングペン10から、先端及び後端のキャップ30、30をそれぞれ取り外した状態を示す正面図である。軸筒20の先端側は外径が縮小した縮径部21となっており、ここに先端側のキャップ30が装着される。縮径部21の先端からは、筆記先端40のうち、より細い線を描くための細書先端41が突出している。一方、軸筒20の後端側には、別体に形成された後軸22が装着されている。後軸22は、縮径部21と同様に外径が縮小しており、ここに後端側のキャップ30が装着される。後軸22の後端からは、筆記先端40のうち、より太い線を描くための太書先端42が突出している。
【0015】
図3は、図2の正面断面図である。軸筒20の内部には、軸心側に位置する密部51と、周辺側に位置する疎部52とから成る中綿50が収容されている。中綿50は軸筒20の内部で、先端から後端までの全長にわたって収容され、水性インクを含浸している。中綿50には、細書先端41は、中綿50の密部51の先端側に接続されている。一方、太書先端42は、密部51の後端側に接続されている。なお、筆記先端40のうち、細書先端41の後端は全面で密部51の先端と接続している必要はなく、その一部が密部51の先端と接続していればよい。同様に、太書先端42の先端は全面で密部51の後端と接続している必要はなく、その一部が密部51の後端と接続していればよい。
【0016】
中綿50の疎部52は、密部51と比較して、気孔率が高くそのため繊維間距離が疎となっている。これにより疎部52は、中綿50の水性インクを含浸する機能を主として担っている。一方、密部51は、疎部52と比較して、気孔率が低くそのため繊維間距離が密となっているため、毛管力が密部51より高い。これにより密部51は、中綿50の水性インクを両端の細書先端41及び太書先端42へ送出する機能を主として担っている。
【0017】
中綿50は、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等の巻縮繊維で構成される。密部51の気孔率(断面において、繊維の実質部分を除いた空隙の占める割合をいう。以下同じ。)は65~85%、好ましくは70~80%である。一方、疎部52の気孔率は75~95%、好ましくは80~90%である。このような気孔率の範囲内で、疎部52の気孔率を、密部51の気孔率より高くなるように設定する。疎部52の気孔率は、密部51の気孔率よりも3%以上高いことが望ましく、特に5~20%高いことがより望ましい。このように気孔率を設定することで、疎部52に水性インクを含浸する機能を主として担わせつつ、密部51によって両端へインクが誘導される。
【0018】
中綿50において、軸心に垂直な断面に占める密部51の面積の割合は、疎部52による水性インクの包蔵量を確保する観点からは15%以下が望ましく、両端へのインク送出を確保する観点からは5%以上が望ましい。
【0019】
水性インクは、中綿50への充填が速やかに行われるよう、静的表面張力値が35mN/m以下である必要がある。そのため、水性インクは界面活性剤を含有することが好ましい。好ましい界面活性剤は、フッ素系界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩又はアルキルエーテル硫酸エステル塩である。これらの界面活性剤は、1種類のみでも、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
【0020】
(2)第2の実施形態
図4は、第2の実施形態に係るマーキングペン10の正面図である。円筒形状の軸筒20の先端及び後端に、略同径の略円筒形状のキャップ30、30がそれぞれ装着されている。後端側のキャップ30は、クリップ31を備えている。
【0021】
図5は、図4のマーキングペン10から、先端及び後端のキャップ30、30をそれぞれ取り外した状態を示す正面図である。軸筒20の先端側は外径が縮小した縮径部21となっており、ここに先端側のキャップ30が装着される。縮径部21の先端からは、筆記先端40のうち、より細い線を描くための細書先端41が突出している。一方、軸筒20の後端側には、別体に形成された後軸22が装着されている。後軸22は、縮径部21と同様に外径が縮小しており、ここに後端側のキャップ30が装着される。後軸22の後端からは、筆記先端40のうち、より太い線を描くための太書先端42が突出している。本実施形態では、太書先端42は透明合成樹脂製の窓部43の辺縁として形成されている。
【0022】
図6は、図5の正面断面図である。軸筒20の内部には、軸心側に位置する密部51と、周辺側に位置する疎部52とから成る中綿50が収容されている。中綿50は軸筒20の内部で、先端から後端までの全長にわたって収容され、水性インクを含浸している。中綿50には、細書先端41は、中綿50の密部51の先端側に接続されている。一方、太書先端42は、窓部43の両側からそれぞれ密部51の後端側に接続されている。
【0023】
中綿50及び水性インクについては、前記第1の実施形態と同様である。
【0024】
(3)中綿の断面配置
通常、マーキングペン10においては筆記先端40は軸心を含む位置に装着されるため、軸筒20の長手方向に対し垂直な中綿50の断面においては、図7に示すように、断面円形の密部51の一部が断面の中心を含む位置に配置され、その周囲に疎部52を位置させることが望ましい。なお、この場合、密部51は図8に示すように断面楕円形としてもよいし、あるいは、図9に示すように断面略四角形としてもよい。
【0025】
また、筆記先端40を軸心からずらした位置に設定する場合、図10に示すように密部51は、疎部52に対し軸心寄りであれば、軸心から偏心させた位置としてもよい。この場合も、図11に示すように密部51は断面楕円形としてもよい。
【0026】
さらには、図12に示すように、全周が疎部52で囲まれていれば、密部51を複数設けることとしてもよい。
【実施例
【0027】
(1)中綿
長さ80mm、内径6mmのポリプロピレン製円筒を軸筒に擬して、これに下記の各実施例及び各比較例の中綿を充填し、下記の実験に供した。中綿は、太さ3デニールのポリエステル繊維を使用した。中綿の密部は、気孔率75%となるようにポリエステル繊維を圧縮し束ね、所定の密部の割合となるように重量を量り取った。一方、中綿の疎部は、気孔率85%となるようにポリエステル繊維を圧縮し束ね、所定の疎部の割合となるように重量を量り取り、これで密部をくるみ、ポリプロピレン製円筒に充填した。
【0028】
なお、上記下中綿の密部及び疎部の気孔率は、あらかじめ下記のように検証しておいた。すなわち、中綿を上記円筒に充填した状態で、中綿に硬化樹脂(商品名:SCANDIPLEX、スキャンディア)を充填し、硬化後に切削して観察面としての中綿断面を露出させた。観察試料台に貼り付け、走査型電子顕微鏡(製品名:S-3400N、日立ハイテクフィールディング)を使用して観察しやすい任意の倍率(10~100倍)にて中綿断面を観察した。さらに観察した領域を画像データとして取り込み、その画像を画像解析ソフト(ソフト名:IMAGEJ、開発元:NATIONAL INSTITUTES OF HEALTH)で画像処理を行い、空間部の面積率を求め、これを気孔率とした。
【0029】
各実施例及び各比較例において、中綿における密部の位置は、図7に示すような軸心を含む位置とした。また、密部の断面形状は、略楕円形状(図8参照)である実施例9及び略四角形状(図9参照)である実施例10をのぞき、いずれも断面略円形状(図7参照)であり、中綿の断面に占める面積の割合は、後掲の表1に示すとおりであった。
【0030】
(2)分散液
水性インク用の着色微粒子分散液(以下、「分散液」とする。)2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及びモノマー投入用1000ml分液漏斗を取り付け、温水槽にセットし、蒸留水500g、重合性界面活性剤(商品名:アデカリアソープSE-10N、アデカ)50g及び過硫酸アンモニウム3gを投入し、窒素ガスを導入しながら、50℃まで昇温させた。
【0031】
一方、フタル酸-2-メタクリロイルオキシエチル(商品名:アクリルエステルPA、三菱レイヨン)300gと、メタクリル酸n-ブチル200gとからなる混合モノマー500gに、水溶性塩基性染料(商品名:AIZEN CATHILON RED BLH 200%、保土谷化学工業)40gを混合した液を調製した。
【0032】
この調製液を上記した分液漏斗から温度50℃付近に保った上記フラスコ内に3時間にわたって撹拌しつつ添加し、乳化重合を行った。さらに5時間熟成して重合を終了し、以下の水性インクで用いられる分散液を得た。
【0033】
(3)水性インク
各実施例及び比較例1の水性インクの組成は、下記のとおりであった。
分散液:50質量%
トリエタノールアミン:2質量%
エチレングリコール:5質量%
界面活性剤:0.5質量%
蒸留水:42.5質量%
【0034】
比較例2で使用した水性インクの組成は、下記のとおりであった。
分散液:50質量%
トリエタノールアミン:2質量%
エチレングリコール:5質量%
界面活性剤:0.05質量%
蒸留水:42.95質量%
【0035】
なお、実施例1~5、9及び10並びに比較例1及び2の水性インクで使用した界面活性剤は2-ペルフルオロアルキル-エタンスルホン酸で、アルキル鎖の炭素数は4~16であった。また、実施例1~5、9及び10並びに比較例1の水性インクの表面張力は33.3mN/mであり、比較例2の水性インクの表面張力は41.7mN/mであった。
【0036】
実施例6の水性インクで使用した界面活性剤は、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムであった。また、実施例6の水性インクの表面張力は29.8mN/mであった。
【0037】
実施例7の水性インクで使用した界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムであった。また、実施例7の水性インクの表面張力は34.6mN/mであった。
【0038】
実施例8の水性インクで使用した界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであった。また、実施例8の水性インクの表面張力は32.4mN/mであった。
【0039】
(4)実験方法
各実施例及び各比較例において、中綿が充填された円筒を垂直に保持してその下端2cmをインクに浸漬して静置した。そして、インクが円筒の上端まで到達する時間を測定した。この到達時間により、下記の評価基準に従い各実施例及び各比較例を評価した。
A:3分以内
B:3分超~6分以内
C:6分超
(5)結果
各実施例及び各比較例についての上記の評価結果を、各性状とともに下記表1に示す。
【表1】
【0040】
まず、実施例1~3は、断面形状が略円形の密部の割合が5%以上15%以下であり、フッ素系界面活性剤である2-ペルフルオロアルキル-エタンスルホン酸が界面活性剤として水性インクに添加され、その表面張力は33.3mN/mと、35mN/m以下であった。その結果、いずれも最も優れた評価が得られた。
【0041】
また、密部の割合が5%を下回った実施例4、及び、15%を上回った実施例5は、実施例1~3には及ばないものの、実用には差し支えない程度の良好な評価が得られた。
【0042】
それに対し、中綿に密部を有さない比較例1は、インクが上端まで達するまでの時間が長く評価が劣っていた。
【0043】
以上より、中綿へのインク充填が迅速に実行される密部の割合は、3~20%、望ましくは5~15%であることが明らかとなった。
【0044】
さらに、水性インクに添加される界面活性剤として、アルキルエーテル硫酸エステル塩であるジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを使用した実施例6、及び、アルキル硫酸エステル塩であるドデシル硫酸ナトリウムを使用した実施例7においても、実施例1~3同様最も優れた評価が得られた。なお、フッ素系界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩又はアルキルエーテル硫酸エステル塩のいずれでもないポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを界面活性剤として用いた実施例8では、それ以外の諸元が共通する実施例3には及ばないもの、実用には差し支えない程度の良好な評価が得られた。
【0045】
それに対し、フッ素系界面活性剤を使用しつつもその含有量が低いために表面張力が35mN/mを上回った実施例2では、インクが上端まで達するまでの時間が長く評価が劣っていた。
【0046】
以上より、水性インクに添加される界面活性剤は、望ましくはフッ素系界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩又はアルキルエーテル硫酸エステル塩である。また、これらのいずれかを添加することによる水性インクの表面張力は35mN/m以下であることが望ましい。
【0047】
なお、密部の割合が5%~15%の範囲内であり、フッ素系界面活性剤が水性インクに添加されている実施例9及び実施例10に示すように、密部の断面形状は評価に影響しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、中綿に水性インクが充填されその水性インクを毛管力により筆記先端に誘導する筆記具、具体的にはマーキングペンに利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 マーキングペン
20 軸筒 21 縮径部 22 後軸
30 キャップ 31 クリップ
40 筆記先端 41 細書先端 42 太書先端
43 窓部
50 中綿 51 密部 52 疎部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12