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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】樹木処理システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 23/00 20060101AFI20241021BHJP
【FI】
A01G23/00 551F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019207091
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021078374
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-06-29
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年11月18日~19日、第42回全国育樹祭記念行事 2018森林・林業・環境機械展示実演会にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】508150337
【氏名又は名称】イワフジ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】有吉 実
(72)【発明者】
【氏名】舞草 秀信
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 大樹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 裕樹
【合議体】
【審判長】居島 一仁
【審判官】有家 秀郎
【審判官】加藤 範久
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-186586(JP,A)
【文献】特開2017-42115(JP,A)
【文献】特開2013-29429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G23/00-23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伐採された樹木の処理を行って木材に加工する樹木処理装置と、
前記処理の実施時に前記木材を計測して、前記木材の長さ、直径および重量を含む木材データを取得する情報計測部と、
前記処理を実施した位置を計測し、位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記木材データに前記位置情報を加えて記録する記録部と、を備え、
樹木の伐採を行う作業エリアに点在する複数の木材の集積領域から、出荷時に要求された規格を満たす木材を選別して再集荷する際に用いる、前記木材データに前記位置情報を加えたデータを、前記樹木処理装置による前記処理時に生成することを特徴とする樹木処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の樹木処理システムであって、
樹木種別を含む指示情報を入力する入力部を有し、
前記記録部は、前記木材データに前記樹木種別を加えて記録することを特徴とする樹木処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の樹木処理システムであって、
前記記録部に記録された複数の木材データを情報処理して統計データを生成する情報処理部と、
前記統計データを表示させる表示部と、を備えることを特徴とする樹木処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木処理システムに関し、特に樹木処理装置を用いた樹木処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹木用ハーベスタあるいはプロセッサ等と呼ばれる樹木処理装置が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。これらの樹木処理装置は、機体から延びる作業アームの先端に取り付けられ、伐採された樹木を把持して搬送することが可能である。また樹木処理装置では、樹木を把持しながら枝を切断する枝払いの機能や、樹木を所定の長さで切断する機能が備えられている。
【0003】
このような樹木処理装置では、無限軌道装置を備えて走行する機体から作業アームが伸びており、作業アーム先端に取り付けられた樹木処理装置で樹木の把持、枝払い、切断が行われる。このとき、把持体を有するグリッパで樹木を把持しながら、クローラで樹木を送り出し、カッタで枝を切断し、カットソウで樹木を所定長さで切断する。このように樹木処理装置を用いることで、作業者は機体に搭乗したままで機体と作業アームおよび樹木処理装置を操作して、集荷領域まで樹木を運搬しながら枝払いと切断作業をして木材として集積することができる。
【0004】
しかし、樹木処理装置を用いて樹木を処理して木材として集荷領域に集積しても、広大な作業エリアの複数カ所で樹木処理を行った場合には、複数カ所の集荷領域に木材を集積することになる。集積された木材は、各集荷領域に隣接する伐採地で伐採されたものであり、樹木種別や直径、長さ等が様々であることから、出荷時に要求された規格を満たす木材を選別して再集荷する必要があった。
【0005】
しかし、広大な作業エリアに点在する集荷領域を全て探索し、出荷規格に該当する木材を選択して再集荷する工程は労力と時間が必要であった。また、全ての処理された木材の数量やサイズ等を把握して管理することも困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2000-157075号公報
【文献】特許第5215075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような実情を考慮してなされたものであって、樹木処理装置を用いて処理した木材を適切に管理することが可能な樹木処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の樹木処理システムは、伐採された樹木の処理を行って木材に加工する樹木処理装置と、前記樹木処理装置が実施した前記処理の内容を計測する情報計測部と、前記情報計測部が計測した結果を木材データとして記録する記録部を備えることを特徴とする。
【0009】
このような本発明の樹木処理システムでは、樹木処理装置が実施した内容を計測して木材データとして記録部に記録するため、多数の処理済み木材のデータを正確に把握し、適切に管理することが可能となる。
【0010】
また本発明の一態様では、前記情報計測部は、前記処理の実施時に前記木材の長さおよび直径を計測する。
【0011】
また本発明の一態様では、前記樹木処理装置は、前記処理を実施した際の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記記録部は前記木材データに前記位置情報を加えて記録する。
【0012】
また本発明の一態様では、前記処理の内容を入力する入力部と、前記処理の結果を表示する表示部を有するコントローラを備え、前記記録部は前記コントローラに設けられている。
【0013】
また本発明の一態様では、前記入力部から樹木種別を入力して、前記記録部は前記木材データに前記樹木種別を加えて記録する。
【0014】
また本発明の一態様では、前記コントローラは、前記記録部に記録された複数の木材データを情報処理して統計データを生成し、前記表示部に前記統計データを表示させる情報処理部を備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、樹木処理装置を用いて処理した木材を適切に管理することが可能な樹木処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態における樹木処理装置40を備えた樹木処理システム100の概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態における樹木処理システム100の概要を示すブロック図である。
図3】コントローラ60の表示部61および入力部62の一例を示す模式図である。
図4】コントローラ60の表示部61に統計データを表示した例を示す模式図であり、図4(a)は統計データの種類選択や設定内容表示を行う画面であり、図4(b)は樹木50を処理して得られた木材の蓄積データを表示する画面であり、図4(c)は樹木種別に積算加工量を示す画面である。
図5】出力部65から出力された木材データ、位置情報および統計データの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態における樹木処理装置40を備えた樹木処理システム100の概略構成を示す図である。樹木処理システム100は、機体10と、無限軌道装置20と、作業アーム30と、樹木処理装置40と、樹木50と、コントローラ60を備える。
【0018】
機体10は、操作者が搭乗する座席を備えた筐体であり、無限軌道装置20、作業アーム30、樹木処理装置40およびコントローラ60が取り付けられている。機体10に搭乗した操作者は、機体10内の操作機器を操作することで、無限軌道装置20、作業アーム30および樹木処理装置40の動作を制御して、樹木50を処理して木材に加工し運搬する。
【0019】
無限軌道装置20は、駆動輪で履帯を循環させて走行するための装置であり、機体10の下部に設けられて伐採地において機体10を移動させる。ここでは機体10の移動手段として無限軌道装置20を例として挙げたが、木材の伐採地や集荷領域の地形に応じて適切な移動手段を用いることができ、車輪や脚移動装置等を用いるとしてもよい。
【0020】
作業アーム30は、機体10から延びて屈曲動作および伸長動作を行う多関節アームであり、先端に樹木処理装置が取り付けられている。作業アーム30は、油圧制御や電力制御で動作し、樹木処理装置40の位置を変更するとともに、樹木処理装置40の向きや動作を制御する機構を備えている。
【0021】
樹木処理装置40は、作業アーム30の先端に取り付けられ、樹木50を把持するとともに、樹木50を長手方向に送り出す装置である。また、樹木処理装置40は、樹木50の枝を切断する枝払いの機能や、樹木50を所定長さで切断する切断機能が備わっている。樹木処理装置40の具体的な構造は限定されないが、例えば上述した特許文献1,2のようにグリッパ、クローラ、カッタ、カットソウを備えたものを用いることができる。
【0022】
樹木50は、山間部などの伐採地で伐採された各種樹木であり、伐採されたまま枝や樹皮が残留した状態である。図1に示すように、樹木50は樹木処理装置40によって把持されて運搬され、枝払いや切断等の処理を施されて木材に加工される。
【0023】
コントローラ60は、機体10の操作者が搭乗する座席付近に配置された装置である。後述するようにコントローラ60では、樹木処理装置40が処理した樹木と加工した木材の情報を記録、表示および出力をする。
【0024】
図2は、本発明の実施形態における樹木処理システム100の概要を示すブロック図である。図2に示すように、樹木処理装置40は、情報計測部41と、位置情報取得部42と、情報通信部43と、制御部44と、グリッパ45と、クローラ46と、カッタ47と、カットソウ48を備えている。また、コントローラ60は、表示部61と、入力部62と、情報処理部63と、記録部64と、出力部65と、情報通信部66を備えている。
【0025】
情報計測部41は、樹木処理装置40が実施した樹木50に対する処理の内容を計測する部分である。情報計測部41としては、加工後の木材について直接計測する計測装置を用いてもよいが、制御部44が各部を制御するために用いた制御信号から算出するとしてもよい。情報計測部41が計測する対象としては、木材の直径や長さ、重量等である。より具体的な例としては、制御部44が駆動制御したグリッパ45の稼働量から直径を計測し、クローラ46の回転量とカットソウ48の動作から長さを計測する。情報計測部41が計測した測定値は、情報通信部43を介してコントローラ60に伝達される。
【0026】
位置情報取得部42は、樹木を処理した位置の情報を取得する部分であり、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)等を用いることができる。位置情報取得部42が取得した位置情報は、情報通信部43を介してコントローラ60に伝達される。図2に示した例では樹木処理装置40に位置情報取得部42を設けた例を示したが、樹木を処理した位置を取得できればよく、機体10や作業アーム30、コントローラ60に位置情報取得部42を設けるとしてもよい。
【0027】
情報通信部43は、情報計測部41および位置情報取得部42と接続されて、コントローラ60側の情報通信部66との間で、情報計測部41および位置情報取得部42が取得した情報を通信する。情報通信部43は有線通信技術を用いても無線通信技術を用いてもよいが、樹木処理装置40で樹木50の枝払いや切断の処理を行うことから、配線切断のおそれが無い無線通信技術を用いることが好ましい。
【0028】
制御部44は、樹木処理装置40に備えられた各部の機械的制御を行う部分であり、グリッパ45、クローラ46、カッタ47、カットソウ48を制御して動作させる。制御部44からは、前述した各部に対して制御信号が送出され、各部が制御信号に応じて機械的に動作する。また、制御部44が各部に送出した制御信号は、情報計測部41に伝達され、制御信号に基づいて樹木50の処理内容が計測される。
【0029】
グリッパ45は、開閉動作が可能な複数の把持体を備えて、樹木50を把持する部分である。グリッパ45は、制御部44から送出される制御信号に応じて動作するため、樹木50を把持するまでの制御信号の履歴によって、情報計測部41は樹木50の直径を計測することができる。
【0030】
クローラ46は、グリッパ45に把持された樹木50を長手方向に送出する部分である。クローラ46は、制御部44から送出される制御信号に応じて回転され、クローラ46の回転によって樹木50が送出される。したがって、制御部から送出される制御信号の履歴によって、情報計測部41はクローラ46の回転数から樹木50の送出長さを計測することができる。また、前回の樹木50の切断位置と送出長さから、次回に樹木50を切断して得られる木材の長さを計測することができる。
【0031】
カッタ47は、グリッパ45で把持された樹木50の枝を切断して枝払いする部分である。カッタ47は、制御部44から送出される制御信号に応じて回転されるとしてもよいが、クローラ46の制御に連動して動作するとしてもよい。また、加工後の木材における長さや直径は、カッタ47での樹木50を枝払い処理の状況は関連しないが、カッタ47の負荷を制御部44および情報計測部41でモニタしておき、加工後の木材に含まれる枝の痕跡数を計測するとしてもよい。
【0032】
カットソウ48は、グリッパ45の一端側に取り付けられた切断装置であり、グリッパ45で把持されてクローラ46で所定長さに送出された樹木50を切断して玉切りする部分である。カットソウ48は、制御部44から送出される制御信号に応じて切断動作が実行される。また、カットソウ48の負荷を制御部44および情報計測部41でモニタしておき、切断開始から切断終了までの時間やカットソウ48の回転角度を計測して、樹木50の切断面の直径を計測するとしてもよい。
【0033】
以上に述べたように、情報計測部41および制御部44は、前回および今回のカットソウ48に対する切断指示の制御信号の間に、クローラ46が送出した樹木50の長さを積算することで、玉切りして得られた木材の長さを計測することができる。また、情報計測部41および制御部44は、グリッパ45が樹木50を把持している間のグリッパ45の開閉角度等をモニタすることで、玉切りして得られた木材の直径を計測することができる。
【0034】
表示部61は、コントローラ60に備えられて映像等を表示する部分であり、LED(Light Emitting Diode)を用いたインジケータや、液晶表示装置等のハードウェアを用いることができる。表示部61は、情報処理部63が処理した結果をハードウェア上で表示する。当該表示のために表示形式等の情報を処理する機能は、表示部61に備えているとしてもよく、情報処理部63で行うとしてもよい。
【0035】
入力部62は、コントローラ60に備えられて操作者が指示を入力する部分であり、物理的なスイッチを操作することでの入力や、表示部61をタッチパネルで構成して所定の画像領域への接触による入力を用いることができる。入力部62で入力された指示は、指示情報として情報処理部63に伝達される。入力部62から入力される指示情報としては、日時や樹木50の種類、処理後の木材の長さ設定、記録部64に保存する情報のファイル名、樹木処理装置40による樹木50の処理方法、樹木処理装置40を制御する制御方法の選択等が挙げられる。
【0036】
情報処理部63は、予め記録されたプログラムに従って情報の処理を行う装置である。情報処理部63は、表示部61、入力部62、記録部64、出力部65および情報通信部66と接続されて、各部との間で情報伝達を行うとともに、各部の動作を制御する。また情報処理部63は、記録部64に記録された複数の木材データを情報処理して統計データを生成する。さらに情報処理部63は、得られた統計データを記録部64に記録し、表示部61に統計データを表示させる。情報処理部63の構成は限定されず、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)やメモリ等を備えた公知のコンピュータ装置を用いることができる。
【0037】
記録部64は、情報処理部63が処理した情報を記録する部分であり、磁気記録媒体や半導体記憶装置、不揮発性メモリ等を用いることができる。記録部64に記録される情報としては、情報計測部41が計測した樹木50の処理結果や、樹木50を処理した後の木材の長さや重量、直径、体積、数量等の加工量を含む木材データ、位置情報取得部42が取得した位置情報、入力部62から入力された指示情報等が挙げられる。
【0038】
出力部65は、記録部64に保存された情報を外部の記憶装置に転送する部分であり、公知の情報インターフェースを用いることができる。出力部65を介して外部の記憶装置に記録部64に保存された情報を転送することで、コントローラ60とは異なる情報処理装置を用いてさらに詳細に情報の分析や加工を行うことができる。
【0039】
情報通信部66は、樹木処理装置40側の情報通信部43との間で、情報を伝達する部分である。情報通信部43は有線通信技術を用いても無線通信技術を用いてもよいが、樹木処理装置40で樹木50の枝払いや切断の処理を行うことから、配線切断のおそれが無い無線通信技術を用いることが好ましい。
【0040】
次に、樹木処理装置40を用いた樹木処理システム100の動作について説明する。操作者は、機体10に搭乗して操作用装置を用いて作業アーム30や樹木処理装置40、無限軌道装置20等を操作する。樹木50を処理する場合には、コントローラ60を用いて樹木50の種類や樹木処理装置40の処理内容を入力する。
【0041】
樹木処理装置40は、上述したようにグリッパ45、クローラ46、カッタ47およびカットソウ48を制御部44が制御して、樹木50の把持、運搬、枝払い、玉切りを行う。このとき情報計測部41は、制御部44が各部に送出する制御信号をモニタし、各部の動作履歴や負荷の大きさ等から樹木50を加工した後の木材について、長さ、直径および重量を計測して木材データを取得する。同時に、位置情報取得部42は、樹木50の処理を行った位置を計測し、位置情報を取得する。
【0042】
樹木処理装置40での処理内容は、情報通信部43を用いて情報通信部66に随時伝達され、情報通信部66を介して情報処理部63は木材データと位置情報を取得する。情報処理部63では、木材データと位置情報を記録部64に保存し、表示部61に木材データと位置情報を表示させる。複数の伐採地と集荷領域において、操作者が複数の樹木50の処理を繰り返すと、その間に処理された木材データ、位置情報が記録部64に蓄積される。
【0043】
情報処理部63では、記録部64に蓄積された複数の木材データと位置情報を統計処理して統計データを生成し、記録部64に統計データを記録する。情報処理部63は、必要に応じて表示部61に統計データを表示することもできる。
【0044】
図3は、コントローラ60の表示部61および入力部62の一例を示す模式図である。図3に示した例では、タッチパネル式の表示部61に仮想的なスイッチ画像を表示して、部分的に入力部62としての機能をもたせている。また、入力部62として機械的なスイッチも複数備えている。図3に示したように、機体10に搭乗した操作者は、表示部61に表示された樹木50の処理内容を随時確認して樹木50の処理を行い、必要に応じて入力部62から指示情報の入力を行う。
【0045】
図4は、コントローラ60の表示部61に統計データを表示した例を示す模式図であり、図4(a)は統計データの種類選択や設定内容表示を行う画面であり、図4(b)は樹木50を処理して得られた木材の蓄積データを表示する画面であり、図4(c)は樹木種別に積算加工量を示す画面である。
【0046】
上述したように、コントローラ60の記録部64には、現在処理している樹木50の加工情報だけではなく、過去に処理して得られた木材のデータが統計データとして記録されている。したがって、表示部61に統計データを表示させることで、樹木50の処理によって得られた木材の加工量等を操作者はリアルタイムで知ることができる。これにより、必要なサイズの木材を処理し終えたかや、不足しているサイズの木材は何か等について逐次把握して、不足分の木材を優先的に加工するなどの判断に用いて、処理された木材の数量やサイズ等を把握して管理することができる。
【0047】
また、記録部64には木材データとともに位置情報が記録されているため、目的とする種類とサイズの木材が何処の伐採地と集荷領域に配置されているかを容易に把握して集荷でき、集荷の効率を向上させることができる。また、木材の種類やサイズについてラベルを貼り付ける等の作業をせずとも、樹木処理装置を用いて処理した木材を適切に管理することが可能となる。
【0048】
図5は、出力部65から出力された木材データ、位置情報および統計データの一例を示す模式図である。図5に示したように、出力部65から出力されたデータは、コントローラ60の外部で適宜加工することができる。
【0049】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、樹木処理装置を用いた樹木処理システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
100…樹木処理システム
10…機体
20…無限軌道装置
30…作業アーム
40…樹木処理装置
50…樹木
60…コントローラ
41…情報計測部
42…位置情報取得部
43…情報通信部
44…制御部
45…グリッパ
46…クローラ
47…カッタ
48…カットソウ
61…表示部
62…入力部
63…情報処理部
64…記録部
65…出力部
66…情報通信部
図1
図2
図3
図4
図5