(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】レセプタクル端子
(51)【国際特許分類】
H01R 13/11 20060101AFI20241021BHJP
H01R 4/18 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
H01R13/11 303B
H01R4/18 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020023078
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】201920210979.3
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】リー,シンシン
(72)【発明者】
【氏名】ディング,トーンバオ
(72)【発明者】
【氏名】トーン,シーン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ウェイグオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リーミン
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-313132(JP,A)
【文献】特開2001-297814(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0001738(KR,U)
【文献】実開昭58-130373(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/11-13/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断方向(X)および長手方向(Y)を有する板状の形態にあるベース部分(110)を備えるレセプタクル端子であって、
前記レセプタクル端子(100)は、前記ベース部分(110)の前記長手方向(Y)に順に配置されて互いに隔置された3対の弾性アーム(121、122、123)をさらに備え、前記3対の弾性アーム(121、122、123)がそれぞれ、前記レセプタクル端子(100)に挿入されたプラグ端子(200)に接触するためのコンタクト部分(121a、122a、123a)を有し、
前記3対の弾性アーム(121、122、123)のうちの中央の対の弾性アーム(122)の前記コンタクト部分(122a)から前記ベース部分(110)までの距離(H2)は、その他の2対の弾性アーム(121、123)の前記コンタクト部分(121a、123a)から前記ベース部分(110)までの距離(H1)より小さ
く、
前記3対の弾性アーム(121、122、123)は、1対の第1の弾性アーム(121)、1対の第2の弾性アーム(122)、および1対の第3の弾性アーム(123)を含み、前記1対の第2の弾性アーム(122)は、前記1対の第1の弾性アーム(121)と前記1対の第3の弾性アーム(123)との間に位置し、
前記プラグ端子(200)が前記レセプタクル端子(100)に挿入されたとき、前記プラグ端子(200)は、前記第1の弾性アーム(121)、前記第2の弾性アーム(122)、および前記第3の弾性アーム(123)と前記ベース部分(110)との間に締め付けられている、レセプタクル端子。
【請求項2】
前記第1の弾性アーム(121)および前記第3の弾性アーム(123)の前記コンタクト部分(121a、123a)から前記ベース部分(110)までの前記距離(H1)は、前記レセプタクル端子(100)に挿入された前記プラグ端子(200)の舌部の厚さよりわずかに小さい、
請求項
1に記載のレセプタクル端子。
【請求項3】
前記第1の弾性アーム(121)の前記コンタクト部分(121a)から前記ベース部分(110)までの前記距離(H1)は、前記第3の弾性アーム(123)の前記コンタクト部分(123a)から前記ベース部分(110)までの前記距離(H1)に等しい、
請求項
1に記載のレセプタクル端子。
【請求項4】
前記第2の弾性アーム(122)の前記コンタクト部分(122a)から前記ベース部分(110)までの前記距離(H2)は、前記第1の弾性アーム(121)および前記第3の弾性アーム(123)の前記コンタクト部分(121a、123a)から前記ベース部分(110)までの前記距離(H1)の0.7~0.9倍に等しい、
請求項
3に記載のレセプタクル端子。
【請求項5】
前記ベース部分(110)の前記長手方向(Y)における前記第2の弾性アーム(122)の幅は、前記ベース部分(110)の前記長手方向(Y)における前記第1の弾性アーム(121)の幅および前記第3の弾性アーム(123)の幅より大きい、
請求項
1に記載のレセプタクル端子。
【請求項6】
前記1対の第1の弾性アーム(121)は、前記横断方向(X)に前記ベース部分(110)の両側に対称に配置され、それぞれ前記横断方向(X)に前記ベース部分(110)の2つの側部のそれぞれに接続されている、
請求項
1に記載のレセプタクル端子。
【請求項7】
前記1対の第2の弾性アーム(122)は、前記横断方向(X)に前記ベース部分(110)の両側に対称に配置され、それぞれ前記横断方向(X)に前記ベース部分(110)の2つの側部のそれぞれに接続されている、
請求項
6に記載のレセプタクル端子。
【請求項8】
前記1対の第3の弾性アーム(123)は、前記横断方向(X)に前記ベース部分(110)の両側に対称に配置され、それぞれ前記横断方向(X)に前記ベース部分(110)の2つの側部のそれぞれに接続されている、
請求項
7に記載のレセプタクル端子。
【請求項9】
前記1対の第1の弾性アーム(121)および前記1対の第2の弾性アーム(122)は、前記ベース部分(110)の前記長手方向(Y)に隔置され、
前記1対の第2の弾性アーム(122)および前記1対の第3の弾性アーム(123)は、前記ベース部分(110)の前記長手方向(Y)に隔置されている、
請求項
1に記載のレセプタクル端子。
【請求項10】
前記第1の弾性アーム(121)、前記第2の弾性アーム(122)、および前記第3の弾性アーム(123)は、それぞれ前記ベース部分(110)の両側から内方へ弧状に湾曲している、
請求項
1に記載のレセプタクル端子。
【請求項11】
前記プラグ端子(200)が前記レセプタクル端子(100)に挿入されたとき、前記第2の弾性アーム(122)によって前記プラグ端子(200)に及ぼされる押圧力は、前記第1の弾性アーム(121)および前記第3の弾性アーム(123)によって前記プラグ端子(200)に及ぼされる押圧力の和より大きい、
請求項
1に記載のレセプタクル端子。
【請求項12】
前記プラグ端子(200)が前記レセプタクル端子(100)に挿入されたとき、前記第1の弾性アーム(121)の前記コンタクト部分(121a)および前記第3の弾性アーム(123)の前記コンタクト部分(123a)は、それぞれ前記プラグ端子(200)の後端および前端に当接して、前記プラグ端子(200)の前記後端および前記前端が上方へ動くことを防止する、
請求項
1に記載のレセプタクル端子。
【請求項13】
前記レセプタクル端子(100)は、前記長手方向(Y)に前記ベース部分(110)の後端に接続された押圧接続部(131、132)をさらに備え、前記押圧接続部(131、132)は、伝導ワイヤに押圧して接続するように構成されている、
請求項1に記載のレセプタクル端子。
【請求項14】
前記押圧接続部(131、132)は、前記伝導ワイヤの導体に押圧して接続するように構成された第1の押圧接続部(131)と、前記伝導ワイヤの外側クラッドに押圧するための第2の押圧接続部(132)とを含む、
請求項
13に記載のレセプタクル端子。
【請求項15】
横断方向(X)および長手方向(Y)を有する板状の形態にあるベース部分(110)を備えるレセプタクル端子であって、
前記レセプタクル端子(100)は、前記ベース部分(110)の前記長手方向(Y)に順に配置されて互いに隔置された少なくとも2対の弾性アーム(121、122、123)をさらに備え、前記少なくとも2対の弾性アーム(121、122、123)はそれぞれ、前記レセプタクル端子(100)に挿入されたプラグ端子(200)に接触するためのコンタクト部分(121a、122a、123a)を有し、
前記少なくとも2対の弾性アーム(121、122、123)のうちの1対の弾性アーム(122)の前記コンタクト部分(122a)から前記ベース部分(110)までの距離(H2)は、その他の対の弾性アーム(121、123)の前記コンタクト部分(121a、123a)から前記ベース部分(110)までの距離(H1)より小さ
く、
前記少なくとも2対の弾性アーム(121、122、123)は、1対の第1の弾性アームおよび1対の第2の弾性アームを少なくとも含み、
前記プラグ端子(200)が前記レセプタクル端子(100)に挿入されたとき、前記プラグ端子(200)は、少なくとも前記第1の弾性アームおよび前記第2の弾性アーム(122)と前記ベース部分(110)との間に締め付けられている、レセプタクル端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2019年2月18日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第201920210979.3号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、電気的接続の分野に関し、詳細にはレセプタクル端子に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、レセプタクル端子は通常、板状のベース部分と、板状のベース部分の両側に接続された1対の弾性アームとを備える。従来技術では、弾性アームは単一の一体化された湾曲型の構成要素であり、これは弾性アームがより大きい全体的な剛性を有することを意味する。したがって、プラグ端子がレセプタクル端子に挿入されたとき、弾性アームによってプラグ端子に及ぼされる接触圧力が大きすぎ、その結果、プラグ端子を挿入するための挿入力が過剰になり、プラグ端子の挿入動作が非常に困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、従来技術における上記その他の問題および欠陥の少なくとも1つの態様を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、横断方向および長手方向を有する板状の形態にあるベース部分を備えるレセプタクル端子が提供される。レセプタクル端子は、ベース部分の長手方向に順に配置されて互いに隔置された3対の弾性アームをさらに備え、各弾性アームは、レセプタクル端子に挿入されたプラグ端子に接触するのに好適なコンタクト部分を有する。3対の弾性アームのうちの中央の対の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離は、その他の2対の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離より小さい。
【0006】
本開示の例示的な実施形態によれば、3対の弾性アームは、1対の第1の弾性アーム、1対の第2の弾性アーム、および1対の第3の弾性アームを含む。1対の第2の弾性アームは、1対の第1の弾性アームと1対の第3の弾性アームとの間に位置する。
【0007】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第1の弾性アームおよび第3の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離は、レセプタクル端子に挿入されたプラグ端子の舌部の厚さよりわずかに小さい。
【0008】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第1の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離は、第3の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離に等しい。
【0009】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第2の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離は、第1の弾性アームおよび第3の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離の0.7~0.9倍に等しい。
【0010】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、ベース部分の長手方向における第2の弾性アームの幅は、ベース部分の長手方向における第1の弾性アームの幅および第3の弾性アームの幅より大きい。
【0011】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、1対の第1の弾性アームは、横断方向にベース部分の両側に対称に配置され、それぞれ横断方向にベース部分の2つの側部のそれぞれに接続されている。
【0012】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、1対の第2の弾性アームは、横断方向にベース部分の両側に対称に配置され、それぞれ横断方向にベース部分の2つの側部のそれぞれに接続されている。
【0013】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、1対の第3の弾性アームは、横断方向にベース部分の両側に対称に配置され、それぞれ横断方向にベース部分の2つの側部のそれぞれに接続されている。
【0014】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、1対の第1の弾性アームおよび1対の第2の弾性アームは、ベース部分の長手方向に隔置され、1対の第2の弾性アームおよび1対の第3の弾性アームは、ベース部分の長手方向に隔置されている。
【0015】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第1の弾性アーム、第2の弾性アーム、および第3の弾性アームは、それぞれベース部分の両側から内方へ弧状に湾曲している。
【0016】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、プラグ端子がレセプタクル端子に挿入されたとき、プラグ端子は、第1の弾性アーム、第2の弾性アーム、および第3の弾性アームとベース部分との間に締め付けられている。
【0017】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、プラグ端子がレセプタクル端子に挿入されたとき、第2の弾性アームによってプラグ端子に及ぼされる押圧力は、第1の弾性アームおよび第3の弾性アームによってプラグ端子に及ぼされる押圧力の和より大きい。
【0018】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、プラグ端子がレセプタクル端子に挿入されたとき、第1の弾性アームのコンタクト部分および第3の弾性アームのコンタクト部分は、それぞれプラグ端子の後端および前端に当接して、プラグ端子の後端および前端が上方へ動くことを防止する。
【0019】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、レセプタクル端子は、長手方向にベース部分の後端に接続された押圧接続部をさらに備え、押圧接続部は、伝導ワイヤに押圧して接続するように適合されている。
【0020】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、押圧接続部は、伝導ワイヤの導体に押圧して接続するのに好適な第1の押圧接続部と、伝導ワイヤの外側クラッドに押圧するのに好適な第2の押圧接続部とを含む。
【0021】
本開示の別の態様によれば、横断方向および長手方向を有する板状の形態にあるベース部分を備えるレセプタクル端子がさらに提供される。レセプタクル端子は、ベース部分の長手方向に順に配置されて互いに隔置された少なくとも2対の弾性アームをさらに備え、各弾性アームは、レセプタクル端子に挿入されたプラグ端子に接触するためのコンタクト部分を有する。少なくとも2対の弾性アームのうちの1対の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離は、その他の対の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離より小さい。
【0022】
本開示の例示的な実施形態では、レセプタクル端子は、互いに分離された3対の弾性アームを含み、中央の対の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離は、外側の2対の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離より小さい。したがって、外側の2対の弾性アームによってプラグ端子に及ぼされる接触圧力はより小さくなり、それによってレセプタクル端子によってプラグ端子に及ぼされる全体的な接触圧力を低減させ、レセプタクル端子へのプラグ端子の挿入を容易にする。
【0023】
添付の図面を参照する本開示の以下の説明を通して、本開示の他の目的および利点が明らかになり、本開示の包括的な理解に到達するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の例示的な実施形態によるレセプタクル端子の概略斜視図である。
【
図2】
図1に示すレセプタクル端子の縦断面図である。
【
図3】プラグ端子が挿入された
図2に示すレセプタクル端子の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の技術的な解決策について、添付の図面とともに実施形態を通して詳細に説明する。本説明では、同じまたは類似の参照番号は、同じまたは類似の構成要素を指す。図面を参照する本開示の実施形態の以下の説明は、本開示の一般概念について説明することを意図したものであり、本開示に対する限定であると解釈されるべきではない。
【0026】
さらに、以下の詳細な説明では、説明を容易にする目的で、本開示の実施形態の包括的な理解を提供するために、多くの具体的な詳細について記載する。しかし、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実践することができることは明らかである。他の場合、図面を簡略化するために、よく知られている構造およびデバイスは概略的に示す。
【0027】
本開示の技術的な一般概念によれば、横断方向および長手方向を有する板状の形態にあるベース部分を備えるレセプタクル端子が提供される。レセプタクル端子は、ベース部分の長手方向に順に配置されて互いに隔置された3対の弾性アームをさらに備え、各弾性アームは、レセプタクル端子に挿入されたプラグ端子に接触するのに好適なコンタクト部分を有する。3対の弾性アームのうちの中央の対のコンタクト部分からベース部分までの距離は、その他の2対の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離より小さい。
【0028】
本開示の別の技術的な一般概念によれば、横断方向および長手方向を有する板状の形態にあるベース部分を備えるレセプタクル端子が提供される。レセプタクル端子は、ベース部分の長手方向に順に配置されて互いに隔置された少なくとも2対の弾性アームをさらに備え、各弾性アームは、レセプタクル端子に挿入されたプラグ端子に接触するのに好適なコンタクト部分を有する。少なくとも2対の弾性アームのうちの1対のコンタクト部分からベース部分までの距離は、その他の対の弾性アームのコンタクト部分からベース部分までの距離より小さい。
【0029】
図1は、本開示の例示的な実施形態によるレセプタクル端子100の斜視概略図を示し、
図2は、
図1に示すレセプタクル端子100の縦断面図を示し、
図3は、プラグ端子200が挿入された
図2に示すレセプタクル端子100の概略図である。
【0030】
図1~
図3に示すように、図示の実施形態では、レセプタクル端子100は主として、ベース部分110および3対の弾性アーム121、122、および123を備える。ベース部分110は、横断方向Xおよび長手方向Yを有する板状である。3対の弾性アーム121、122、および123は、ベース部分110の長手方向Yに順に配置されて互いに離れている。
【0031】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、弾性アーム121、122、123はそれぞれ、レセプタクル端子100に挿入されたプラグ端子200に接触するのに好適なコンタクト部分121a、122a、123aを有する。3対の弾性アーム121、122、および123のうちの中央の対の弾性アーム122のコンタクト部分122aからベース部分110までの距離H2は、他の2対の弾性アーム121、123のコンタクト部分121a、123aからベース部分110までの距離H1より小さい。
【0032】
したがって、プラグ端子200がレセプタクル端子100に挿入されたとき、中央の対の弾性アーム122の弾性変形量は、他の2対の弾性アーム121、123の弾性変形量より大きくなる。したがって、外側の2対の弾性アーム121、123によってプラグ端子200に及ぼされる接触圧力はより小さくなり、それによってレセプタクル端子100によってプラグ端子200に及ぼされる全体的な接触圧力を低減させ、レセプタクル端子100へのプラグ端子200の挿入を容易にする。
【0033】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、3対の弾性アーム121、122、123は、1対の第1の弾性アーム121、1対の第2の弾性アーム122、および1対の第3の弾性アーム123を含む。1対の第2の弾性アーム122(すなわち、中央の対の弾性アーム122)は、1対の第1の弾性アーム121と1対の第3の弾性アーム123との間に位置する。第1の弾性アーム121のコンタクト部分121aからベース部分110までの距離H1は、第3の弾性アーム123のコンタクト部分123aからベース部分110までの距離H1に等しい。
【0034】
例示的な実施形態では、
図1~
図3に示すように、第2の弾性アーム122のコンタクト部分122aからベース部分110までの距離H2は、第1の弾性アーム121および第3の弾性アーム123のコンタクト部分121a、123aからベース部分110までの距離H1の0.7~0.9倍に等しい。
【0035】
例示的な実施形態では、
図1~
図3に示すように、第1の弾性アーム121および第3の弾性アーム123のコンタクト部分121a、123aからベース部分110までの距離H1は、レセプタクル端子100に挿入されたプラグ端子200の舌部の厚さよりわずかに小さい。したがって、プラグ端子200がレセプタクル端子100に挿入されたとき、第1の弾性アーム121および第3の弾性アーム123によってプラグ端子200に及ぼされる接触圧力はほぼゼロになる。
【0036】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、ベース部分110の長手方向Yにおける第2の弾性アーム122の幅は、ベース部分110の長手方向Yにおける第1の弾性アーム121の幅および第3の弾性アーム123の幅より大きい。
【0037】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、1対の第1の弾性アーム121は、横断方向Xにベース部分110の両側に対称に配置され、それぞれ横断方向Xにベース部分110の2つの側部に接続されている。1対の第2の弾性アーム122は、横断方向Xにベース部分110の両側に対称に配置され、それぞれ横断方向Xにベース部分110の2つの側部に接続されている。1対の第3の弾性アーム123は、横断方向Xにベース部分110の両側に対称に配置され、それぞれ横断方向Xにベース部分110の2つの側部に接続されている。
【0038】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、1対の第1の弾性アーム121および1対の第2の弾性アーム122は、ベース部分110の長手方向Yに隔置されている。1対の第2の弾性アーム122および1対の第3の弾性アーム123は、ベース部分110の長手方向Yに隔置されている。
【0039】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、第1の弾性アーム121、第2の弾性アーム122、および第3の弾性アーム123は、それぞれベース部分110の両側から内方へ弧状に屈曲している。
【0040】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、プラグ端子200がレセプタクル端子100に挿入されたとき、プラグ端子200は、弾性アーム121、122、123とベース部分110との間に締め付けられている。
【0041】
例示的な実施形態では、
図1~
図3に示すように、プラグ端子200がレセプタクル端子100に挿入されたとき、第2の弾性アーム122によってプラグ端子200に及ぼされる押圧力は、第1の弾性アーム121および第3の弾性アーム123によってプラグ端子200に及ぼされる押圧力の和より大きい。
【0042】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、プラグ端子200がレセプタクル端子100に挿入されたとき、第1の弾性アーム121のコンタクト部分121aおよび第3の弾性アーム123のコンタクト部分123aは、それぞれプラグ端子200の後端および前端に当接して、プラグ端子200の後端および前端が上方へ動くことを防止する。このようにして、第1の弾性アーム121および第3の弾性アーム123は、プラグ端子200がレセプタクル端子100内で上下に揺れることを防止するための止め具として機能することができる。
【0043】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、レセプタクル端子100は、長手方向Yにベース部分110の後端に接続された押圧接続部131および132をさらに備え、押圧接続部131および132は、伝導ワイヤ(図示せず)に押圧により接続するのに好適である。
【0044】
図示の実施形態では、
図1~
図3に示すように、押圧接続部131、132は、伝導ワイヤの導体に押圧して接続するのに好適な第1の押圧接続部131と、伝導ワイヤの外側クラッドに押圧するのに好適な第2の押圧接続部132とを含む。
【0045】
図1~
図3に示すように、本開示の別の例示的な実施形態によれば、下記のレセプタクル端子も開示される。レセプタクル端子は、横断方向Xおよび長手方向Yを有する板状の形態にあるベース部分110を含む。レセプタクル端子100は、ベース部分110の長手方向Yに順に配置されて互いに隔置された少なくとも2対の弾性アーム121、122、および123をさらに備える。各弾性アーム121、122、123は、レセプタクル端子100に挿入されたプラグ端子200に接触するのに好適なコンタクト部分121a、122a、123aを有する。少なくとも2対の弾性アーム121、122、および123のうちの1対の弾性アーム122のコンタクト部分122aからベース部分110までの距離H2は、他の弾性アーム121、123のコンタクト部分121a、123aからベース部分110までの距離H1より小さい。
【0046】
上述した実施形態はすべて例示的であり、当業者であれば改善することができることが、当業者には理解されよう。構造上または原理上矛盾することなく、様々な実施形態に記載した構造を自由に組み合わせることができる。
【0047】
本開示について、添付の図面を参照して説明したが、図面に開示した実施形態は、本開示の好ましい実装を例示的に示すことを意図したものであり、本開示に対する限定であると理解することはできない。
【0048】
本開示の一般概念のいくつかの実施形態について図示および説明したが、本開示の一般概念の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【0049】
「備える(comprise)/含む(include)」という単語は、追加の要素またはステップを除外せず、「a」または「an」という単語は、複数を除外しないことに留意されたい。さらに、特許請求の範囲におけるいかなる参照番号も、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。