(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像装置の制御方法及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20241021BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241021BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20241021BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20241021BHJP
【FI】
H04W76/10
H04N23/60
H04W88/06
H04W72/0453
(21)【出願番号】P 2020035799
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】恩田 大河
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-002953(JP,A)
【文献】国際公開第2016/204177(WO,A1)
【文献】特開2016-163115(JP,A)
【文献】特開2017-144605(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0075549(US,A1)
【文献】特開2007-013855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器
に接続し、前記外部機器の無線通信部を用いて無線通信を行う撮像装置であって、
前記撮像装置が無線送出可能なチャネルの情報である第1のチャネル情報を記憶する記憶手段と、
前記外部機器が無線送出可能なチャネルの情報である第2のチャネル情報を取得する取得手段と、
無線通信を行う際に使用するチャネルとして設定されている通信チャネルを、前記第1のチャネル情報と前記第2のチャネル情報とに共通しているチャネルに変更する変更手段と、
前記変更手段により前記通信チャネルが変更された場合、変更後の前記通信チャネルを使用して
、前記外部機器の無線通信部による無線通信を行う通信手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
変更後の前記通信チャネルの属する周波数帯が、変更前の前記通信チャネルの属する周波数帯と同じであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1のチャネル情報及び前記第2のチャネル情報はそれぞれ、複数の周波数帯ごとに、複数のチャネルが対応付けられており、
前記変更手段は、変更前の前記通信チャネルの周波数帯と同じ周波数帯に対応付けられているチャネルの中で、前記第1のチャネル情報と前記第2のチャネル情報とに共通しているチャネルに変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記変更手段は、前記共通しているチャネルが複数存在する場合に、所定の条件に基づいて、共通している複数のチャネルの中から何れかのチャネルを選択して、選択したチャネルに変更することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記所定の条件が、変更前の前記通信チャネルに近いことであることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記所定の条件が、周囲の他の外部装置に使用されていないことであることを特徴とする請求項4又は5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記所定の条件が、前記撮像装置が有している固有値を用いて決定されることを特徴とする請求項4乃至6何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記所定の条件が、所定の時間情報を用いて決定されることを特徴とする請求項4乃至7何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記変更手段によって前記通信チャネルが変更された場合に、前記通信チャネルが変更された旨を通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至8何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記変更手段によって前記通信チャネルが変更される前に、変更前の前記通信チャネルと変更後の前記通信チャネルを通知する通知手段をさらに有し、
前記変更手段は、ユーザからの指示があった場合に、前記通信チャネルを変更することを特徴とする請求項1乃至9何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
無線通信を行う際に使用される通信設定の表示要求があった場合に、変更後の前記通信チャネルを強調して表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至10何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
無線通信を行う際に使用される通信設定の表示要求があった場合に、変更後の前記通信チャネルに付随して変更前の前記通信チャネルを表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至10何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記記憶手段は、種別情報が割り付けられた無線送出可能なチャネル情報をさらに記憶し、
前記取得手段は、前記外部機器から前記種別情報を取得して、取得した前記種別情報の前記チャネル情報を前記第2のチャネル情報にすることを特徴とする請求項1乃至12何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項14】
外部機器
に接続し、前記外部機器の無線通信部を用いて無線通信を行う撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置が無線送出可能なチャネルの情報である第1のチャネル情報を記憶する記憶ステップと、
前記外部機器が無線送出可能なチャネルの情報である第2のチャネル情報を取得する取得ステップと、
無線通信を行う際に使用するチャネルとして設定されている通信チャネルを、前記第1のチャネル情報と前記第2のチャネル情報とに共通しているチャネルに変更する変更ステップと、
前記変更ステップにより前記通信チャネルが変更された場合、変更後の前記通信チャネルを使用して
、前記外部機器の無線通信部による無線通信を行う通信ステップと、
を含むことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項15】
請求項1乃至13何れか1項に記載の撮像装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一眼レフカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に外付けで通信モジュールと接続可能な機器が増えている。これら外付けの通信モジュールは、仕向毎に複数のモデルが存在することがある。特許文献1には、機器内に持つ仕向情報と接続される外付け通信モジュールの仕向が異なる場合に、全仕向共通のチャネルに切り替えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線機能を使用する場合、撮像装置内に設定情報を保存し、二度目以降の機能利用ではユーザが再度設定を行うことなく利用できるようにしている場合が多い。この設定情報に無線通信用のチャネルが含まれる場合、ある国で使用するために仕向Aの外付け通信モジュールで作成した無線機能設定を、別の国で使用するために仕向Bの外付け通信モジュールを用いて利用しようとするケースが想定される。しかしながら、無線機能設定の仕向と外付け通信モジュールの設定に不一致が生じる場合、電波が送出されず通信できない。従って、ユーザビリティが損なわれてしまうといった問題がある。
一方で、2.4GHz帯と違い、5GHz帯では各国で共通となるチャネルが極端に少ない。そのため、上述の特許文献1に記載の技術のように、全仕向共通のチャネルに切り替えることが難しい。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、外部機器を用いて無線通信を行う際の利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、外部機器に接続し、前記外部機器の無線通信部を用いて無線通信を行う撮像装置であって、前記撮像装置が無線送出可能なチャネルの情報である第1のチャネル情報を記憶する記憶手段と、前記外部機器が無線送出可能なチャネルの情報である第2のチャネル情報を取得する取得手段と、無線通信を行う際に使用するチャネルとして設定されている通信チャネルを、前記第1のチャネル情報と前記第2のチャネル情報とに共通しているチャネルに変更する変更手段と、前記変更手段により前記通信チャネルが変更された場合、変更後の前記通信チャネルを使用して、前記外部機器の無線通信部による無線通信を行う通信手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外部機器を用いて無線通信を行う際の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る撮像システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係るチャネルチェック処理を説明するフローチャートである。
【
図3】本実施形態に係る仕向情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る通信設定情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るチャネル変更通知の表示例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る通信設定確認画面の表示例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る仕向種別の取得方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0010】
(撮像システム10の構成)
図1は、本実施形態に係る撮像システム10の構成を示す図である。本実施形態において撮像システム10は、デジタルカメラ100と、通信機能を有するデジタルカメラ100に接続可能な外部通信アダプタ120とを有する。デジタルカメラ100は、撮像装置の一例である。外部通信アダプタ120は、外部機器の一例である。
【0011】
(デジタルカメラ100の構成)
図1を参照して、デジタルカメラ100の構成について説明する。デジタルカメラ100は、制御部101と撮像部102と不揮発性メモリ103と作業用メモリ104と操作部105と表示部106と記憶媒体110と接続部111と無線IC112を有する。
制御部101は、デジタルカメラ100の全体を制御する。制御部101が、不揮発性メモリ103に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、デジタルカメラ100の各種機能や本実施形態における処理が実現される。制御部101がデジタルカメラ100の全体を制御する代わりに、複数のハードウエアが処理を分担することで、デジタルカメラ100の全体を制御してもよい。
【0012】
撮像部102は、撮像部102に含まれるレンズで結像された被写体光を電気信号に変換し、ノイズ低減処理等を行い、デジタルデータを画像データとして出力する。撮像した画像データは、バッファメモリに蓄えられた後、制御部101が所定の演算を行い、記憶媒体110に記憶される。
不揮発性メモリ103は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性のメモリである。不揮発性メモリ103は、制御部101で実行されるプログラムや後述するデジタルカメラ仕向情報(
図2(b))、通信設定情報(
図3)等を格納する。
作業用メモリ104は、撮像部102で撮像された画像データを一時的に記憶するバッファメモリや、表示部106の画像表示用メモリ、制御部101の作業領域等として使用される。
【0013】
操作部105は、デジタルカメラ100に対する指示をユーザから受け付ける。操作部105は、ユーザがデジタルカメラ100の電源のON/OFFを指示するための電源ボタンや、撮影を指示するためのレリーズスイッチ、画像データの再生を指示するための再生ボタン等の操作部材を含む。また、後述する表示部106に形成されるタッチパネルも操作部105に含まれる。
レリーズスイッチは、SW1及びSW2を有する。レリーズスイッチが、いわゆる半押し状態となることにより、SW1がONとなる。これにより制御部101は、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備を行うための指示を受け付ける。また、レリーズスイッチが、いわゆる全押し状態となることにより、SW2がONとなる。これにより制御部101は、撮影を行うための指示を受け付ける。
【0014】
表示部106は、撮影の際のビューファインダー画像の表示、撮影した画像データの表示、対話的な操作画面のための文字表示等を行う。表示部106は、デジタルカメラ100に内蔵されなくてもよい。デジタルカメラ100は、内部又は外部の表示部106と接続することができ、表示部106の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
記憶媒体110は、撮像部102から出力された画像データを記憶する。記憶媒体110は、デジタルカメラ100に着脱可能なように構成してもよいし、デジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。デジタルカメラ100は少なくとも記憶媒体110にアクセスする手段を有していればよい。
【0015】
接続部111は、外部接続される外部通信アダプタ120と接続するためのインタフェースである。本実施形態のデジタルカメラ100は、接続部111を介して、外部通信アダプタ120とデータのやりとりを行うことができる。制御部101は、接続部111を制御することで外部通信アダプタ120との通信を実現する。
【0016】
本実施形態による接続部111と外部通信アダプタ120の接続部124間の通信方式はUSB、PCIE(Peripheral Component Interconnect Express)等の物理接続による通信を想定している。なお、その他の物理接続による通信形式や、無線接続による通信形式であってもよい。
無線IC112は、制御部101で制御され、LAN/WAN等の外部へ無線接続を行う。無線接続を行うための設定パラメータとしては、デジタルカメラ100の不揮発性メモリ103や作業用メモリ104に展開されている通信設定が用いられる。
【0017】
(外部通信アダプタ120の構成)
次に、
図1を参照して外部通信アダプタ120の構成について説明する。外部通信アダプタ120は、制御部121と不揮発性メモリ122と作業用メモリ123と接続部124と無線IC125とを有する。
外部通信アダプタ120はデジタルカメラ100と接続部124で接続される。本実施形態の外部通信アダプタ120は、接続部124を介して、デジタルカメラ100とデータのやりとりを行うことができる。接続部124はデジタルカメラ100と通信するための通信インタフェースを含む。制御部121は、接続部124を制御することでデジタルカメラ100との通信を実現する。
無線IC125は、制御部121で制御され、LAN/WAN等の外部へ無線接続を行う。無線接続を行うための設定パラメータとしては、デジタルカメラ100の不揮発性メモリ103や作業用メモリ104に展開されている通信設定が用いられる。
【0018】
制御部121は外部通信アダプタ120の全体を制御する。制御部101が、不揮発性メモリ122に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、外部通信アダプタ120の各種機能や本実施形態における処理が実現される。不揮発性メモリ122は、電気的に消去・記憶可能な不揮発性のメモリである。不揮発性メモリ122は、制御部121で実行されるプログラムや後述する外部通信アダプタ仕向情報(
図2(a))等を格納する。作業用メモリ123は、制御部121の作業領域等として使用される。
【0019】
以上、デジタルカメラ100及び外部通信アダプタ120の構成について説明したが、必ずしもこの構成に限定されない。例えば、装置制御やデータの記憶等は、必ずしも1つのハードウェアで行う必要はなく、複数のハードウェアが処理を分担し、1つの手段として機能してもよい。逆に、1つのハードウェアが種々の処理を行うことで、複数の手段として機能してもよい。また、外部通信アダプタ120の制御部121が無線IC125を制御するのではなく、デジタルカメラ100の制御部101が接続部111、124を介して無線IC125を制御することも考えられる。
【0020】
(仕向情報)
次に、仕向情報について説明する。
図2は、本実施形態の仕向情報の一例を示す図である。本実施形態において仕向情報とは、仕向ごとに設定される無線送出可能なチャネル情報を意味する。またこのチャネル情報には、複数のチャネルが含まれている。複数のチャネルはそれぞれ、所定の周波数帯に対応付けられている。
【0021】
図2(a)は、外部通信アダプタ120に記憶される外部通信アダプタ仕向情報210の一例である。外部通信アダプタ仕向情報210は、複数の周波数帯ごとに、複数のチャネルが対応付けられている。具体的には、2.4GHz帯と、5GHz帯のそれぞれについて、外部通信アダプタ120が無線送出可能なチャネル群が保持される。具体的には、2.4GHz帯の対応チャネルとして、「1,2,3,・・・12」が保持され、5GHz帯の対応チャネルとして「36,40,44,48」が保持される。本実施形態の外部通信アダプタ仕向情報210は、第2のチャネル情報に相当し、外部通信アダプタ120が無線IC125を使用して通信機能を使用する際に用いられる。
【0022】
図2(b)は、デジタルカメラ100に記憶されるデジタルカメラ仕向情報211の一例である。外部通信アダプタ仕向情報210と同様に、デジタルカメラ仕向情報211は、複数の周波数帯ごとに、複数のチャネルが対応付けられている。具体的には、2.4GHz帯と、5GHz帯のそれぞれについて、デジタルカメラ100が無線送出可能なチャネル群が保持される。具体的には、2.4GHz帯の対応チャネルとして、「1,2,3,・・・12,13」が保持され、5GHz帯の対応チャネルとして「40,48,56,64」が保持される。本実施形態のデジタルカメラ仕向情報211は、第1のチャネル情報に相当し、デジタルカメラ100が無線IC112を使用して通信機能を使用する際に用いられる。第1のチャネル情報を記憶する不揮発性メモリ103が、記憶手段に相当する。
【0023】
(通信設定情報)
続いて、デジタルカメラ100の通信設定情報について説明する。
図3は、本実施形態の通信設定情報の一例を示す図である。デジタルカメラ100の不揮発性メモリ103や作業用メモリ104は、通信設定情報310を記憶する。通信設定情報310には、「ESSID」と「認証方式」と「暗号種別」と「暗号鍵」と「チャネル(無線送出チャネル)」と「IPアドレス取得方法」と「DNS取得方法」について、対応する値や情報が保持される。通信設定情報310として、ユーザが指定した通信機能ごとに、通信設定1、通信設定2、通信設定3、・・・、通信設定Mまでの最大M個が保持可能である。
【0024】
(チャネルチェック処理)
図4は、デジタルカメラ100が実行するチャネルチェック処理を示すフローチャートである。チャネルチェック処理とは、デジタルカメラ100の通信設定のチャネルで外部通信アダプタ120の無線送出が可能であるかチェックして、無線送出が不可である場合に、通信設定のチャネルを変更するための処理である。本フローチャートに示す処理は、デジタルカメラ100の制御部101が不揮発性メモリ103に記憶されたプログラムを実行し、外部通信アダプタ120の制御部121が不揮発性メモリ122に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。本フローチャートに示す処理は、ユーザがタッチパネルを含む操作部105を介してデジタルカメラ100が持つ通信機能を起動することで開始される。
【0025】
まず、S401において、制御部101が、接続部111を介して外部通信アダプタ120の接続部124にアクセスし、外部通信アダプタ120に記憶される外部通信アダプタ仕向情報210を取得する。制御部101が、第2のチャネル情報を取得する取得手段として機能する。制御部101は、読み込んだ外部通信アダプタ仕向情報210を、デジタルカメラ100内の不揮発性メモリ103や作業用メモリ104に記憶する。
【0026】
次に、S402において、制御部101が、通信設定情報310のうちデジタルカメラ100で使用する通信設定を読み出す。以下、通信設定に含まれるチャネルを、通信チャネルという。通信チャネルは、無線通信を行う際に使用するように設定されているチャネルである。そして、通信チャネルとS401で記憶した外部通信アダプタ仕向情報210のチャネル群とを比較する。この比較の結果、読み出した通信設定を使用して外部通信アダプタ120の無線送出が可能であるか否かを判定する。具体的には、通信チャネルが、外部通信アダプタ仕向情報210のチャネル群に含まれているか否かを判定する。制御部101が外部通信アダプタ120の無線送出が可能である(通信チャネルが外部通信アダプタ仕向情報210のチャネル群に含まれている)と判定した場合、処理はS410に進む。制御部101が外部通信アダプタ120の無線送出が不可である(通信チャネルが外部通信アダプタ仕向情報210のチャネル群に含まれていない)と判定した場合、処理はS403に進む。
【0027】
例えば、デジタルカメラ100で使用する通信設定が、通信設定情報310の通信設定1(「チャネル」=36)であった場合、外部通信アダプタ仕向情報210のチャネル群に、通信設定1のチャネルが含まれている。そのため、S210にて通信が開始される。
一方で、デジタルカメラ100で使用する通信設定が、通信設定情報310の通信設定3(「チャネル」=52)であった場合、外部通信アダプタ仕向情報210のチャネル群に、通信設定3のチャネルが含まれていない。従って、この通信設定では、外部通信アダプタ120が無線送出することができない。そこで、以下通信設定を変更する処理が行われる。
【0028】
S403において、制御部101が、外部通信アダプタ120が無線送出しようとしている周波数帯が、5GHz帯か否かを判定する。本実施形態では、S402で読み出された通信設定のチャネルが、2.4GHz帯に属するか5GHz帯に属するかを判定する。制御部101が5GHz帯であると判定した場合、処理はS404に進む。制御部101が5GHz帯ではない(2.4GHz帯である)と判定した場合、処理はS405に進む。
例えば、デジタルカメラ100で使用する通信設定が、通信設定情報310の通信設定3(「チャネル」=「52」)であった場合、「52」は5GHz帯であるため、S404の処理が実行される。
【0029】
S404において、制御部101は、デジタルカメラ仕向情報211を読み出して、外部通信アダプタ仕向情報210が持つ5GHz帯のチャネル群と、デジタルカメラ仕向情報211が持つ5GHz帯のチャネル群とを比較する。その後処理はS206に進む。
S405において、制御部101は、デジタルカメラ仕向情報211を読み出して、外部通信アダプタ仕向情報210が持つ2.4GHz帯のチャネル群と、デジタルカメラ仕向情報211が持つ2.4GHz帯のチャネル群とを比較する。その後処理はS206に進む。このようにして、変更前の通信チャネルの周波数帯と、同じ周波数対応に対応付けられているチャネル群同士が比較される。
【0030】
S406において、制御部101は、S404及びS405の比較の結果、デジタルカメラ100と外部通信アダプタ120の両方で使用可能なチャネルが存在するか否かを判定する。具体的には、比較されたチャネル群の中に、共通しているチャネルが存在するか否かを判定する。制御部101が両方で使用可能なチャネル(共通しているチャネル)が存在すると判定した場合、処理はS407に進む。制御部101が両方で使用可能なチャネル(共通しているチャネル)が存在しないと判定した場合、処理はS411に進む。
例えば、S404の比較の結果、外部通信アダプタ仕向情報210とデジタルカメラ仕向情報211とを比較すると、「40」と「48」が共通している。従って、「40」と「48」が両方で使用可能なチャネルであることがわかる。
【0031】
S407において、制御部101は、デジタルカメラ100で使用する通信チャネルを、デジタルカメラ100と外部通信アダプタ120の両方で使用可能なチャネルに変更する。制御部101が、通信チャネルを変更する変更手段として機能する。変更後の通信チャネルの属する周波数帯は、変更前の通信チャネルの属する周波数帯と同じである。
S408において、制御部101は、変更後の通信設定を不揮発性メモリ103に保存し、変更後の通信チャネルを使用して通信を開始する。制御部101が、無線通信を行うための通信手段として機能する。その後一連のチャネルチェック処理が終了する。
S409において、制御部101は、通信を行わない。その後一連のチャネルチェック処理が終了する。
【0032】
以上のような、本実施形態のチャネルチェック処理によれば、デジタルカメラ100の通信設定を使用して外部通信アダプタ120の無線送出ができない場合に、デジタルカメラ100の通信設定が自動で変更される。これにより、速やかに無線通信を開始することができる。
【0033】
なお、上記のS407では、デジタルカメラ100と外部通信アダプタ120の両方で使用可能なチャネルが複数存在する場合が想定される。複数の使用可能なチャネルを候補チャネルという。以下、様々な条件を用いて、候補チャネルから何れかのチャネルを選択して変更する方法について説明する。
例えば、候補チャネルの中から変更前の通信チャネルに最も近いチャネルを選択して変更する方法が考えられる。変更前の通信チャネルが「52」、候補チャネル「40」と「48」であった場合は、「52」に最も近い「48」が変更後の通信チャネルとなる。
【0034】
一方で上記の例では、同じ状況のデジタルカメラ100が周囲に複数存在していた場合に、変更後の通信チャネルが各デジタルカメラ100ですべて同じになってしまう懸念がある。そこで、別の例として、デジタルカメラ100のシリアルNo等の固有値や、チャネルチェック処理開始時の時間情報等のランダム性のある値を用いて、チャネル決定の優先順位を決定し、当該優先順位に基づいて候補チャネルを選択して変更する方法が考えられる。これにより、複数のデジタルカメラ100が同じチャネルに集中することが回避される。また、候補チャネルのそれぞれに対してスキャンを行い、空いている候補チャネルを選択して変更する方法も考えられる。これにより、周囲の他の外部装置に使用されておらず、混雑していないチャネルが選択されて、ストレスのない無線通信が可能になる。
【0035】
(チャネル変更のユーザ通知方法)
次に、チャネルを自動変更した際、変更されたことをユーザへ通知する通知方法について説明する。
図5に、チャネル変更が発生した際のチャネル変更通知の表示例を示す。
S407の処理でチャネルの自動変更が行われた後で、制御部101は、表示部106にチャネル変更通知500(
図5(a))を表示する。制御部101は、通信チャネルが変更された場合に、通信チャネルが変更された旨を通知する通知手段として機能する。チャネル変更通知500には、変更前のチャネルと変更後のチャネルが表示される。これにより、ユーザは変更前後のチャネルを確認することができる。
【0036】
また、ユーザがチャネル変更をされたくない場合も考えられる。この場合は、S407の処理にてチャネル変更を行う前に、制御部101は、表示部106にチャネル変更選択通知501(
図5(b))を表示する。チャネル変更選択通知501には、変更前のチャネルと変更後のチャネルが表示されるとともに、変更を許可するためのOKボタンと変更を取り消すためのキャンセルボタンが表示される。
OKボタンがユーザに選択された場合には、S407の処理の後、S408にて通信が開始する。一方でキャンセルボタンがユーザに選択された場合には、チャネル変更は行われずS406にて使用可能なチャネルが存在しなかった際と同様に、S408にて通信は行われない。このようにして、ユーザは変更前後のチャネルを確認後、実際にチャネル変更を行うかどうかを選択することができる。
【0037】
(チャネル変更のユーザ確認方法)
また、ユーザが現在使用している通信設定を確認する際、変更されたチャネルを適切に確認できるようにする必要がある。
図6に、ユーザが通信設定を確認する際の確認画面の表示例を示す。
本確認画面は操作部105からの表示要求に応じて、表示部106に表示される。設定内容確認画面600(
図6(a))や設定内容確認画面601(
図6(b))には、現在使用している通信設定が表示される。チャネルが自動変更されていた場合に、設定内容確認画面600では、チャネルが強調表示される。具体的には、チャネルが太文字にされたり、通常と異なる文字色が使用されたりする。また設定内容確認画面601では、変更前のチャネルが変更後のチャネルに付随して表示される。これによりチャネルが自動変更されていることをユーザが容易に確認することができる。
【0038】
以上のような、本実施形態のデジタルカメラ100によれば、デジタルカメラ100に設定されるチャネルと、外部通信アダプタ120に設定されるチャネルとが異なる場合に、通信帯域を考慮した適切なチャネルに自動で変更される。これにより、ある仕向の外部通信アダプタ120で作成された通信設定を、他の仕向の外部通信アダプタ120で利用しようとした場合でも、電波を停止させることなく円滑な無線通信を実現することができる。
【0039】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
例えば、チャネル変更のユーザ通知方法として、制御部101が表示部106に画面表示を行う方法の他に、制御部101がデジタルカメラ100や外部通信アダプタ120に設けられた不図示のLEDやスピーカ等を用いて、通知する方法でもよい。これにより、目視や音等により通信チャネルが変更されたことが通知される。
【0040】
また、上述の実施形態では、S401にて外部通信アダプタ120の仕向情報を読み込む際、
図2(a)の外部通信アダプタ仕向情報210のように、外部通信アダプタ120の不揮発性メモリ122内にチャネル情報を保持していることを想定している。一方で、
図7(a)のように、デジタルカメラ100内の不揮発性メモリ103に、デジタルカメラ内外部通信アダプタ用各仕向情報700が保持されていてもよい。デジタルカメラ内外部通信アダプタ用各仕向情報700には、仕向ごとに識別子(種別情報)が割り付けられている。この場合には、外部通信アダプタ120は、不揮発性メモリ122内に外部通信アダプタ仕向種別情報701として、どの仕向なのかを識別するための識別子を保持する。
【0041】
例えば、S401の処理では、制御部101は、外部通信アダプタ120から「仕向1」という識別子を取得し、デジタルカメラ内外部通信アダプタ用各仕向情報700の識別子と照らし合わせる。そして、制御部101は、外部通信アダプタ120で用いられる仕向情報(第2のチャネル情報)を決定する。これにより、外部通信アダプタ120が無線送出可能なチャネルが確定される。
【0042】
また、上述の実施形態では、変更後の通信チャネルをデジタルカメラ100内の不揮発性メモリ103に保存して、再起動後は不揮発性メモリ103から制御部101が変更後の通信チャネルを読み出して、変更後の通信チャネルで無線通信を行うことを想定している。一方で、変更後の通信チャネルを不揮発性メモリ103には保存せず作業用メモリ104上に保持し、再起動後は再度チャネルチェック処理を行うことも考えられる。
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
【0043】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
【符号の説明】
【0044】
10:撮像システム、100:デジタルカメラ(撮像装置に相当)、120:外部通信アダプタ(外部機器に相当)、101,121:制御部、112,125:無線IC、210:外部通信アダプタ仕向情報、211:デジタルカメラ仕向情報、310:通信設定情報