(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】極低温支援型接着剤除去ツール
(51)【国際特許分類】
B08B 5/02 20060101AFI20241021BHJP
B05B 1/30 20060101ALI20241021BHJP
B05B 15/65 20180101ALI20241021BHJP
B05B 12/36 20180101ALI20241021BHJP
B05B 14/00 20180101ALI20241021BHJP
B05D 3/12 20060101ALI20241021BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20241021BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20241021BHJP
B05B 1/14 20060101ALN20241021BHJP
【FI】
B08B5/02 A
B05B1/30
B05B15/65
B05B12/36
B05B14/00
B05D3/12 E
B05D7/24 301P
B05D3/00 E
B05B1/14 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020074437
(22)【出願日】2020-04-18
【審査請求日】2023-04-10
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ブロホビアック, デニス アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ブロホビアック, ケイ ヤングダール
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー, ケネス アレン
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-323307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/02
B05B 1/30
B05B 15/65
B05B 12/36
B05B 14/00
B05D 3/12
B05D 7/24
B05D 3/00
B05B 1/14
A47L 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温支援型接着剤除去ツールを動作させるための方法であって、
構造物の表面に配置された接着特徴上に極低温流体を分注すること(202)、
前記接着特徴を脆くする物理的な変化をもたらすために前記接着特徴を冷却すること(204)、及び
前記接着特徴が物理的に変化している間に、前記表面から前記接着特徴を切断するために、前記極低温支援型接着剤除去ツールを動作させること(206)を含
み、
前記極低温流体を分注すること及び前記接着特徴を切断するために前記極低温支援型接着剤除去ツールを動作させることが、前記極低温支援型接着剤除去ツールの同じ先端部を介して実行される、方法。
【請求項2】
前記極低温支援型接着剤除去ツールの
前記先端部を取り外すこ
とを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記極低温流体が、前記極低温支援型接着剤除去ツールから分注される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記接着特徴を切断するために、前記極低温支援型接着剤除去ツールを動作させることが、前記接着特徴がガラス転移温度未満である間に実行される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記極低温流体を分注することが
、前記極低温支援型接着剤除去ツールの
前記先端部
を通して内部に送られた極低温流体を噴霧することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
吹き付けられた極低温流体を前記表面から抽出することを更に含
み、
前記抽出することが、前記極低温支援型接着剤除去ツールを介して実行される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記極低温流体が吹き付けられる圧力を制御することを更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ツールを動作させることが、前記表面に跡を付けることなしに実行される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
極低温切断を実行するための装置であって、
極低温流体が移動するための分注経路(145)を含む胴体(120)、
前記極低温流体が前記分注経路を出るためのポート(158)が設けられ、
接着特徴を切断するための切断表面(152)を含む、前記胴体に連結された先端部(150)、及び
前記分注経路を介した前記極低温流体の分注を制御可能に起動するトリガ(130)を備
え、
極低温流体を分注すること及び前記接着特徴を切断することが、同じ前記先端部を介して実行される、装置。
【請求項10】
前記先端部が、前記先端部を前記胴体に固定するための係合特徴(156)を備え、作業表面より軟らかい材料から作製され、前記極低温流体を分注するための通路(334)を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記極低温流体が、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、及びアルゴンから成る群から選択されたガスを含む、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
極低温切断を実行するためのシステムであって、
極低温流体貯蔵器(1282)、及び
前記極低温流体貯蔵器に連結された極低温支援型接着剤除去ツール(100)であって、前記極低温支援型接着剤除去ツールの切断する先端部(1250)から前記極低温流体貯蔵器内に保存されている極低温流体を分注する、極低温支援型接着剤除去ツールを備
え、
極低温流体を分注すること及び接着特徴を切断するために前記極低温支援型接着剤除去ツールを動作させることが、前記極低温支援型接着剤除去ツールの同じ先端部を介して実行される、システム。
【請求項13】
前記極低温支援型接着剤除去ツールに連結され、前記極低温流体を分注するノズルの近くに配置され、前記切断する先端部から離れるように極低温流体を抽出する、真空システム(1284)を更に備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記極低温流体が前記先端部から分注される圧力の量を制御する圧力調整器(1270)を更に備える、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
オペレータが作業位置を見ることを可能にしながら、前記先端部を出る極低温流体が、前記システムのユーザに向けて移動することを防止するシュラウド(1010)を更に備える、請求項12から14のいずれか一項に記載システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製作及び修理の分野に関し、特に、製作される部品から材料を除去することに関する。
【背景技術】
【0002】
接着特徴(adhesive feature:例えば、密封剤、接着剤、デカール、アップリケ、及び可撓性又はゴム状弾性を有する他の特徴)は、燃料漏れを防止し、耐侵食性を提供し、航空便益を与え、特定の光学特性及び性能特性を与え、腐食及び環境曝露の他の影響から航空機を保護するために、航空機の様々な場所に付けられる。接着特徴は、化学的手段を介して航空機の表面に付着し、限られた耐用期間を有する。接着特徴は、それら自身が限られた耐用期間を有する航空機の他の構成要素を保護したり、支援したりもし得る。これらの他の構成要素を除去するためには、それらに対応する接着特徴を除去することが必要だろう。接着特徴を除去することは困難である。というのも、それらのゴム状弾性は、それらの接着特徴が設置されている表面から切断(cleave)され又はさもなければ分離されるよりも、それらの接着特徴をむしろ変形させる傾向があるからである。更に、接着特徴のゴム状弾性は、除去ツールの切断若しくは分離する刃及び/又はその下にある表面がねばねばすることをもたらし得る。というのも、除去されている材料は、それが接触する全てにくっつく傾向を有するからである。
【0003】
接着特徴の除去は、それらが作られるところの材料の粘着性により、困難なものとなっている。これらの材料は、ゴム状弾性を有し、表面にしっかりと密着する傾向がある。適正に使用されたときに、接着特徴の除去向けに設計されたツールは、労働集約的で機械的な除去工程を可能にする。しかし、例えば、オペレータの疲労や短気により、接着特徴の除去向けに設計されたツールが不適正に使用される可能性が存在する。不適正に使用されたときに、ツールは、損傷を受け、航空機の表面に跡を付け、又は航空機の表面から所望な量の接着特徴よりも少ない又は多い量を除去する可能性がある。
【0004】
したがって、先に検討した問題のうちの少なくとも幾つか及び他の想定される問題を考慮した方法及び装置を有していることが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で説明される実施形態は、表面に付けられた接着特徴の温度を減少させる局所的な冷却を提供するための極低温ガスを吹き付ける除去ツールを含む。これにより、接着特徴が脆くなり、機械的に除去する(例えば、擦り落とす)ことが容易になる。除去ツールは、表面の完全性を維持しながら、接着特徴の機械ベースの除去を促進する、切断する/擦り落とす刃又は先端部も含む。一実施形態は、極低温支援型接着剤除去ツールを動作させる方法である。該方法は、構造物の表面に配置された接着特徴上に極低温流体を分注すること、接着特徴を脆くする物理的な変化をもたらすために接着特徴を冷却すること、及び、接着特徴が物理的に変化している間に、表面から接着特徴を切断するために、極低温支援型接着剤除去ツールを動作させることを含む。
【0006】
更なる一実施形態は、極低温切断を実行するための装置である。該装置は、極低温流体が移動するための分注経路を含む胴体、極低温流体が分注経路を出るためのポートが設けられ、切断表面を含む、胴体に連結された先端部、及び、分注経路を介した極低温流体の分注を制御可能に起動するトリガを含む。
【0007】
更なる一実施形態は、極低温切断(cryogenic cleaving)を実行するためのシステムである。該システムは、極低温流体貯蔵器、及び、極低温流体貯蔵器に連結された極低温支援型接着剤除去ツールであって、極低温支援型接着剤除去ツールの切断する先端部から極低温流体貯蔵器内に保存されている極低温流体を分注する、極低温支援型接着剤除去ツールを含む。
【0008】
他の例示的な実施形態(例えば、上述の実施形態に関連する方法及びコンピュータ可読媒体)が、以下で説明され得る。検討してきた特徴、機能及び利点は、様々な実施形態において個別に実現可能であり、又は、以下の説明及び図面を参照して更なる詳細が理解され得る、更に別の実施形態において組み合わされてもよい。
【0009】
ここで、本開示の幾つかの実施形態を、例示としてのみ、添付図面を参照して説明する。全ての図面において、同じ参照番号は同じ要素又は同じ種類の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】例示的な一実施形態における、極低温支援型接着剤除去ツールを示す。
【
図2】例示的な一実施形態における、極低温支援型接着剤除去ツールを動作させるための方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図3~
図4は、例示的な一実施形態における、極低温支援型接着剤除去ツール用の第1の相互交換可能な先端部の図である。
【
図4】
図3~
図4は、例示的な一実施形態における、極低温支援型接着剤除去ツール用の第1の相互交換可能な先端部の図である。
【
図5】
図5~
図6は、例示的な一実施形態における、極低温支援型接着剤除去ツール用の第2の相互交換可能な先端部の図である。
【
図6】
図5~
図6は、例示的な一実施形態における、極低温支援型接着剤除去ツール用の第2の相互交換可能な先端部の図である。
【
図7】
図7~
図9は、例示的な一実施形態における、接着特徴を除去するための極低温支援型接着剤除去ツールの動作を示す。
【
図8】
図7~
図9は、例示的な一実施形態における、接着特徴を除去するための極低温支援型接着剤除去ツールの動作を示す。
【
図9】
図7~
図9は、例示的な一実施形態における、接着特徴を除去するための極低温支援型接着剤除去ツールの動作を示す。
【
図10】例示的な一実施形態における、シュラウドを有する極低温支援型接着剤除去ツールを示す。
【
図11】例示的な一実施形態における、デブリ真空ポートを有する極低温支援型接着剤除去ツールを示す。
【
図12】例示的な実施形態における、極低温切断システムのブロック図である。
【
図13】例示的な実施形態における、航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
【
図14】例示的な実施形態における、航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面及び以下の明細書の記載により、本開示の特定の例示的な実施形態が提供される。従って、当業者は、本明細書で明示的に記載又は図示されない様々な構成を考案して本開示の原理を具体的に実現することができるが、それらは本開示の範囲に含まれることを理解されたい。更に、本明細書に記載の如何なる実施例も、本開示の原理の理解を助けることを意図したものであり、具体的に記載された実施例や諸条件に限定されないという解釈がなされるべきである。この結果、本開示を限定するものは、下記の特定の実施形態又は実施例ではなく、特許請求の範囲及びその均等物である。
【0012】
図1は、例示的な一実施形態における、極低温支援型接着剤除去ツール100を示している。極低温支援型接着剤除去ツール100は、構造物(例えば、航空機の一部分)の表面上に付けられた接着特徴に、極低温流体(例えば、周囲温度より冷たいガス又は液体)を分注するように動作可能な任意のシステム、デバイス、又は構成要素を備える。極低温支援型接着剤除去ツール100は、接着特徴が物理的な変化を示す温度まで冷却されている(例えば、接着特徴を適所に固定する化学的な密封剤のガラス転移温度などのガラス転移温度未満に冷却されている)間に、接着特徴を除去するために表面の切断を実行することもできる。
【0013】
極低温支援型接着剤除去ツール100は、先行技術の擦り落としツールを超えた技術的な利点を提供する。というのも、それは、接着特徴内で使用されている材料内の脆さを高める物理的な変化をもたらす冷却を提供するからである。これによって、接着特徴が脆くなり、その特徴を切断を介して除去することが容易になる。したがって、表面から接着特徴を分離するために必要とされる力が少なくなり、オペレータが所望でない力の量を加える可能性が低減される。言い換えると、より少ない力が加えられることが必要であるため、オペレータが、下にある表面に望ましくない跡をつけ得る力の量を加える可能性が低減される。
【0014】
この実施形態では、極低温支援型接着剤除去ツール100が、ハンドル112及び本体114を備える。これらは、トリガガード116及びハウジング118と共に、極低温支援型接着剤除去ツール100のアーチ状になっている構造及び形状を画定する。これらの構成要素は、任意の所望の人間工学的な制約に従って形作られてよく、金属、プラスチック、セラミックなどから作製されてよい。更なる実施形態では、これらの構成要素が、極低温流体に曝露されたときにそれらの強度を維持する材料から作製される。更なる実施形態では、これらの構成要素が、把持性を高めるためにゴム又はゴム引き(rubberized)化合物で被覆されている。
【0015】
ハウジング118は、分注経路145を導くカップリング144を構造的に支持し、真空経路143を導くカップリング142も構造的に支持する。ハウジング118は、動作中にオペレータの手の対流冷却又は伝導冷却を防止するために、断熱を更に提供することができる。
【0016】
動作がトリガ130を引くことによって開始されたときに、分注経路145は、ツールの胴体120及び突起122を通して外向きに、貯蔵器から極低温流体を分注する。一方で、真空経路143は、吹き付けられた極低温流体を、真空入口160を介して吹き付けエリア(例えば、航空機の表面)から離れるように、抽出する/引き出す負圧/真空を与えてよい。これによって、ツールの外側の極低温流体の量/濃度は、所望の量を超えることが防止され、オペレータの近くの空気の質及び/又は所望の範囲の温度を保証し得る。極低温流体が分注される圧力は、ノブによって制御される手動弁を備え得る圧力調整器170を介して制御されてよい。更なる実施形態では、圧力調整器170が、例えば、カスタム回路、プログラムされた指示命令を実行するハードウェアプロセッサ、又はフィードバックベースの圧力及び/若しくは流量の制御を実施するそれらの何らかの組み合わせとして実装され、又はそれらによって制御されてよい。
【0017】
極低温支援型接着剤除去ツール100は、相互交換可能な切断する先端部を使用することができるように設計されている。したがって、突起122は、係合特徴124(例えば、ばね荷重式ボールベアリング、係合ピン、カムなど)を含む。先端部150などの新しい相互交換可能な先端部が取り付けられるときに、突起122は、係合特徴124が係合特徴156(例えば、切り欠き、ノッチ、又はばね荷重式戻り止め)と係合するまで空洞154内で摺動して、取り外し可能な連結を形成する。先端部150は、そこを介して極低温流体が移動するところの延在した経路として動作し、擦り落とし/切断が開始し得る場所の近くに極低温流体を噴霧するなど分注するための1以上のポート158(例えば、開口部、ノズル、ディフューザなど)を含む。これによって、接着特徴内のゴム状弾性(elastomeric:エラストマー)材料は、それらが切断される前に脆くなる。先端部150は、所望の場所を物理的に切断するための切断表面152及び刃153を更に備える。切断表面152は、静的であってよく、高いレベルの回転速度で駆動されてよく、又は更に高速で振動してよく(例えば、前後に、側方になど)、接着特徴の除去を促進する。
【0018】
先端部150は、任意の適切な材料から作製されてよく、例えば、所望の動作温度範囲内で、十分な硬さ及び強度を有する材料から作製されてよい。そのような硬さ及び強度は、接着特徴の効率的な除去を可能にし得るが、未だに接着特徴が存在しているところの下にある表面を傷付けたり又は削ったりしないほどの十分な軟らかさを有する。例えば、先端部150は、ナイロン、ポリアミド‐イミド、ポリエステル‐イミド、フェノール、アクリル、フッ素ポリマー、及び他の工業用ポリマーから作製されてよい。これによって、先端部150が、動作中に表面を傷付ける可能性が低減される。更なる実施形態では、極低温支援型接着剤除去ツール100の動作範囲まで冷却されたときに脆くならず、高摩耗性、耐衝撃性、耐疲労性、及び機械的な強度を有する、ポリマー先端部が選択されてよい。更に、ポリマー先端部は、(先端部を極低温動作範囲まで冷却することによってもたらされる)先端部の堅さにおける任意の変化が、表面上に跡を付けないように選択されてよい。これによって、接着特徴は、表面に任意の望ましくない又は許容誤差外の跡又は削りをもたらすことなしに、表面から切断される。
【0019】
極低温支援型接着剤除去ツール100の動作の例示的な詳細は、
図1に関連して説明されることとなる。本実施形態では、接着特徴が、構造物(例えば、航空機の一部分)の表面に化学的に固定され、除去されるのを待っていると仮定する。更に、極低温支援型接着剤除去ツール100は、極低温流体貯蔵器及び真空源に連結されていると仮定する。
【0020】
図2は、例示的な一実施形態における、極低温支援型接着剤除去ツールを動作させるための方法を示すフローチャートである。方法200のステップは、
図1の極低温支援型接着剤除去ツール100を参照して説明されるが、当業者であれば、方法200は、必要に応じて他のツールを用いて実施され得ることを理解するであろう。本明細書で説明されるフローチャートのステップは、網羅的なものではなく、図示していない他のステップを含んでよい。本明細書で説明されるステップは、代替的な順序でも実行されてよい。
【0021】
極低温支援型接着剤除去ツール100のオペレータは、接着特徴によってカバーされた表面の一部分の近くに該ツールを配置し、トリガ130を引く。これによって、ステップ202で、極低温流体が、極低温支援型接着剤除去ツール100から、構造物の表面上に分注される。極低温流体は、ガス又は液体を含んでよく、二酸化炭素、(摂氏マイナス210度で液化する)窒素、ヘリウム、アルゴン、又はその他のものから選択されてよい。二酸化炭素は、例えば、接着化合物を分解し、洗浄溶剤として作用する、冷却を超えた更なる利点を提供することができる。
【0022】
極低温流体は、接着特徴のガラス転移温度未満の温度などの、周囲温度より冷たい温度で分注されてよい。例えば、極低温流体は、摂氏0度未満且つ摂氏マイナス195度までの範囲内の温度で分注されてよい。極低温流体の圧力及び体積流量は、予期される接着特徴の除去の速度及び単位面積当たりの熱質量に基づいて、必要に応じて選択されてよい。一実施形態では、圧力が、1ないし50平方インチ当たりのポンド(PSI)の間の範囲内であり、体積流量が、分当たり1リットルないし秒当たり1リットルの間の範囲内である。
【0023】
極低温流体を分注することは、接着特徴を切断する極低温支援型接着剤除去ツールの先端部で、極低温流体を噴霧することを含む。代替的又は追加的に、極低温流体を分注することは、接着特徴を切断する極低温支援型接着剤除去ツールの先端部から、極低温流体を噴霧することを含む。
【0024】
ステップ204では、極低温流体が、(例えば、接着特徴を、接着特徴を適所に固定している化学物質のガラス転移温度未満に冷却することによって)物理的な変化が接着特徴を脆くするように、接着特徴を冷却する。極低温流体は、対流熱伝達及び/又は伝導熱伝達を介して接着特徴を冷却することができる。これによって、化学物質及び/又は全体の接着特徴が脆くなる。極低温流体は、極低温支援型接着剤除去ツール100の先端部150も冷却する。これは、物理的な変化が生じる温度(例えば、ガラス転移温度)より上で、先端部150と接着特徴との間の接触が接着特徴の伝導加熱又は摩擦加熱をもたらさないことを保証する。このやり方では、極低温流体が、極低温ツールの先端部150と接着特徴自体の両方が、接着特徴をその下にある表面から効果的に削り取ったり又は切断したりできるように、十分に冷却されたままであることを保証する。
【0025】
ステップ206では、極低温支援型接着剤除去ツール100が、接着特徴を構造物から除去するために、接着特徴が(例えば、そのガラス転移温度未満に)物理的に変化し/冷却されている間に、接着特徴を表面から切断する(例えば、機械的に除去する)ように動作される。例えば、極低温支援型接着剤除去ツールのオペレータは、先端部を構造物の表面の中に押し付けながら、接着特徴にわたり先端部150を前後に動かすことができる。更なる一実施例では、オペレータが、切断を促進するために、先端部を駆動する電動システムを起動することができる。
【0026】
方法200は、先行技術のシステムを超えた技術的な利点を提供する。というのも、それは、除去されている材料の物理的な特性を変化させるために、冷却を利用する除去技術を提供するからである。これによって、例えば、材料が、普通であれば切断することが困難であるはずのゴム状弾性を失い得るようにすることによって、材料を除去することが容易になる。したがって、オペレータは、以前に可能であったよりも少ない時間と少ない労力で、その上に接着特徴が存在するところの下にある表面上に望ましくない跡が生成されることなしに、接着特徴を有利に除去することができる。
【0027】
図3~
図4は、それぞれ、例示的な一実施形態における、
図1の矢印3及び4に対応する、極低温支援型接着剤除去ツール用の第1の相互交換可能な先端部300の図である。この実施形態では、第1の相互交換可能な先端部300が、本体320を含む。表面310が、本体320から延在し、刃312で終端する。本体320内の空洞330は、極低温支援型接着剤除去ツールの突起にある係合特徴を受け入れるための係合特徴332を含む。通路334が、空洞330から延在し、極低温流体を分注するためのポート340に導くマニホールド336を形成する。したがって、ポート340は、極低温流体を表面上に分注することを可能にする一方で、通路334は、表面310用の冷却を提供する。第1の相互交換可能な先端部300の刃312は、接着特徴を切断するために接着特徴にわたり手動で動かされてよく、又は、刃312は、切断を促進するために所望の速度で振動若しくは回転するように機械的に駆動されてよい。この実施形態では、第1の相互交換可能な先端部が、1インチの4分の1の長さ(L)を有する刃312を有する。ある実施形態では、効率を高めるために、そこから極低温流体が作業面上に衝突するように分注されるところのポート340が、できるだけ刃312の近くであってよい。また更なる実施形態では、通路334及び/又はポート340の角度が、刃312又は刃312によって接触される表面のポイント(若しくはできるだけその近く)に向けて極低温流体を発射するように方向付けられる。次いで、刃312は、刃312及び下にある表面が極低温流体によって冷却されている間に、毎秒複数回の割合で(例えば、手動で)振動されてよい。
【0028】
図5~
図6は、例示的な一実施形態における、
図3及び
図4において描かれているビューに対応する、極低温支援型接着剤除去ツール用の第2の相互交換可能な先端部500の図である。この実施形態では、第2の相互交換可能な先端部500が、本体520を含む。切断表面510が、本体520から延在し、刃512で終端する。本体520内の空洞530は、極低温支援型接着剤除去ツールの突起にある係合特徴を受け入れるための係合特徴532を含む。通路534が、空洞530から延在し、極低温流体を分注するためのポート540に導くマニホールド536を形成する。ポート540は、極低温流体を表面上に分注することを可能にする一方で、通路534は、表面510用の冷却を提供する。したがって、通路534は、一種のマニホールドとして動作する。第2の相互交換可能な先端部500の刃512は、接着特徴を切断するために接着特徴にわたり手動で動かされてよく、又は、刃512は、切断を促進するために機械的に駆動されてよい。この実施形態では、第2の相互交換可能な先端部500が、数インチの長さ(L)を有する刃512を有する。しかし、更なる実施形態では、第2の相互交換可能な先端部500が、数フィートの長さなどの、より長い長さを有する。
【0029】
図7~
図9は、例示的な一実施形態における、接着特徴を除去するための極低温支援型接着剤除去ツール730の動作を示している。
図7で示されているように、極低温支援型接着剤除去ツール730は、分注経路742を介して極低温ガス貯蔵器740に連結され、真空経路752を介して真空システム750に連結されている。極低温支援型接着剤除去ツール730は、航空機の翼710を備えた構造物の表面712から接着特徴720(例えば、デカール)を除去するために使用され得る。
【0030】
図8では、極低温支援型接着剤除去ツール730が、接着特徴720の一部分810を覆って配置され、極低温支援型接着剤除去ツールのトリガが、摂氏マイナス50まで冷却された二酸化炭素ガスの形態を採る極低温流体800を分注するように起動される(二酸化炭素は、摂氏マイナス56度の大気圧で固体からガスに昇華し、特定の温度範囲内の5.1気圧で液化する)。極低温流体800は、ΔTの表示で示されているように、接着特徴又は接着特徴を表面712に接合する化学物質(例えば、エポキシ、糊、又は樹脂)を冷却するために、接着特徴720の一部分810の温度を急激に減少させる。冷却によって、接着特徴又は化学物質がより脆くなることをもたらす物理的な変化が生じる。これは、ゴム弾性を維持し変形を可能にする接着特徴の能力を回避し、したがって、下にある表面からの接着特徴の切断を促進する。材料は、欠けたり又は粉砕されたりして、下にある表面から連結解除されることを可能にする。
【0031】
図9では、極低温支援型接着剤除去ツール730が、セグメント900を残して、接着特徴720の一部分810を切り離すように動作される。極低温支援型接着剤除去ツール730は、接着特徴720の残っている部分上に極低温流体を分注し、それらを切り離すように、
図7~
図8で示されているように再び動作されてよい。この工程は、接着特徴720が完全に除去されてしまうまで繰り返されてよい。
【0032】
図10は、例示的な一実施形態における、シュラウド1010を有する極低温支援型接着剤除去ツール1000を示している。シュラウド1010は、透明であり、オペレータが作業位置を見ることも可能にしながら、ツールを出て行く極低温流体が装置のユーザに向けて移動し得る可能性を低減させる。すなわち、極低温流体が極低温支援型接着剤除去ツール1000から押し出されるときに、極低温支援型接着剤除去ツール1000を出て行く極低温流体が、側方に特定の距離(
図10のL)以上自由に移動することを物理的にブロックし、したがって、シュラウド1010の境界内で前進しなければならない。これは、極低温流体が、オペレータによって保持されている極低温支援型接着剤除去ツール1000の部分に向けて移動することを防止することによって、極低温支援型接着剤除去ツール1000のオペレータの安全性を高める。言い換えると、表面から跳ね返る、表面上に衝突する極低温流体の噴流は、シュラウド1010によって逸らされ、オペレータから安全に離れたままである。
【0033】
図11は、例示的な一実施形態における、デブリ真空ポート1110を有する極低温支援型接着剤除去ツール1100を示している。デブリ真空ポート1110は、1から数インチの直径を有する真空経路などの、大きな直径を有する真空経路1120に導く。真空経路1120の増加したサイズは、切断工程の部分で生じたデブリ1130が、極低温支援型接着剤除去ツール1100が使用される作業エリアから素早く効率的に除去されることを可能にする。
【0034】
実施例
以下の実施例では、更なる工程、システム、及び方法が、下にある表面からの接着特徴の切断を促進するために極低温流体を利用するツールの文脈で説明される。
【0035】
図12は、例示的な実施形態における、極低温切断システム1200のブロック図である。極低温切断システム1200は、(
図1で示されている)ツール100などのツールの形態を採るように設けられる。該ツールは、極低温流体貯蔵器1282及び真空システム1284に連結されている。本実施形態では、極低温切断システム1200が、本体1214、ガード1216、及びハウジング1218と物理的に一体化された、ハンドル1212を含む。ハウジング1218は、カップリング1242とカップリング1244を含む。それらは、それぞれ、極低温流体貯蔵器1282と真空システム1284向けの流体(例えば、液体又はガス)の通過を可能にする。本体1214は、圧力調整器1270を含む。それは、分注され得る極低温流体の圧力及び/又は流量の調整を可能にする。胴体1220及び突起1222は、対応する係合特徴1256と物理的に係合する、係合特徴1224同士の相互作用を介して、先端部1250の空洞1254と係合する。ポート1258は、空洞1254と通じており、切断表面1252は、接着特徴を除去する物理的な力を加えるために利用される。真空入口1260は、吹き付けられた極低温流体を先端部1250の近くから抽出し、極低温流体の蓄積を防止する。ある実施形態では、真空入口1260が、切断された又は削り取られた接着剤/密封剤の断片も抽出する。したがって、
図12で描かれているように、極低温噴流は、極低温切断システムを通してマニホールドされ、作業エリア上の任意の可撓性材料を脆く且つ切り欠き可能/切断可能にするために、作業エリア上に衝突する。
【0036】
より具体的に図面を参照すると、本開示の実施形態を、
図13に示すような航空機の製造及び保守方法1300、及び
図14に示すような航空機1302に関連して説明することができる。製造前の段階では、方法1300が、航空機1302の仕様及び設計1304と、材料の調達1306とを含み得る。製造段階では、航空機1302の構成要素及びサブアセンブリの製造1308と、システムインテグレーション1310とが行われる。その後、航空機1302は、認可及び納品1312を経て運航1314に供され得る。顧客により運航される間に、航空機1302は定期的な整備及び保守1316(改造、再設定、改修なども含み得る)が予定されている。本明細書で具現化される装置及び方法は、方法1300で記載される製造及び保守のうちの1つ以上の任意の適切な段階(例えば、仕様及び設計1304、材料の調達1306、構成要素及びサブアセンブリの製造1308、システムインテグレーション1310、認可及び納品1312、運航1314、整備及び保守1316)、並びに/又は航空機1302の任意の適切な構成要素(例えば、機体1318、システム1320、内装1322、推進システム1324、電気システム1326、液圧システム1328、環境システム1330)で採用され得る。
【0037】
方法1300の各工程は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実行又は実施され得る。本明細書の目的のために、システムインテグレータとは、限定しないが、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含んでもよく、第三者とは、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでもよく、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってもよい。
【0038】
図14に示すように、方法1300によって製造された航空機1302は、複数のシステム1320及び内装1322を備えた機体1318を含み得る。複数のシステム1320の例は、推進システム1324、電気システム1326、液圧システム1328、及び環境システム1330の1つ以上を含む。任意の数の他のシステムも含まれ得る。航空宇宙の例が示されているが、本発明の原理は、自動車産業や建設産業などの、他の産業にも適用され得る。
【0039】
上述のように、本明細書で具現化される装置及び方法は、方法1300において記載される製造及び保守の任意の1つ以上の段階で採用され得る。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造1308に対応する構成要素及びサブアセンブリは、航空機1302の運航中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様のやり方で製作又は製造され得る。また、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、例えば、航空機1302の組立てを実質的に効率化するか、又は航空機1302のコストを削減することにより、サブアセンブリの製造1308及びシステムインテグレーション1310の段階で利用することができる。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上を、航空機1302の運航中、例えば、限定しないが、整備及び保守1316の間に利用することができる。例えば、本明細書に記載の技術及びシステムは、材料の調達1306、構成要素及びサブアセンブリの製造1308、システムインテグレーション1310、運航1314、及び/又は整備及び保守1316のために利用され、並びに/又は機体1318及び/若しくは内装1322のために使用され得る。これらの技術及びシステムは、例えば、推進システム1324、電気システム1326、油圧1328、及び/又は環境システム1330を含む、複数のシステム1320のためにも利用され得る。
【0040】
一実施形態では、或る部品が、機体1318の一部分を含み、構成要素及びサブアセンブリの製造1308中に製造される。次いで、この部品は、システムインテグレーション1310において航空機を形成するように組み立てられ、その後、摩耗により部品が使用不可となるまで運航1314において利用され得る。その後、整備及び保守1316において、その部品は廃棄され、新たに製造された部品と交換され得る。新しい部品を製造するために、構成要素及びサブアセンブリの製造1308の期間中にわたって、創意に富んだ構成要素及び方法が利用され得る。
【0041】
図に示されているか、又は本明細書に記載されている、様々な制御要素(例えば、電気的構成要素又は電子部品)のうちの任意のものが、ハードウェア、プロセッサ実装型ソフトウェア、プロセッサ実装型ファームウェア、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。例えば、あるエレメントは専用ハードウェアとして実装され得る。専用ハードウェア要素は、「プロセッサ(processors)」、「コントローラ(controllers)」と称され得るか、又は何らかの類似の用語で呼ばれ得る。機能は、プロセッサによって提供される場合、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又は、複数の個別のプロセッサであって、そのうちの幾つかが共有となり得る複数の個別のプロセッサによって提供され得る。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアのみを表わすと解釈されるべきでなく、限定するものではないが、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)又はその他の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、ソフトウェア格納用の読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、不揮発性記憶装置、ロジック部、又は、何らかの他の物理ハードウェアコンポーネント若しくはモジュールが黙示的に含まれてもよい。
【0042】
また、制御要素は、プロセッサ又はコンピュータによって実行可能な命令として実装されて、その要素の機能を実行することができる。指示命令の幾つかの例は、ソフトウェア、プログラムコード、及びファームウェアである。指示命令は、プロセッサによって実行されたときに、その要素の機能を実施するようプロセッサに指示するように動作可能である。指示命令は、プロセッサによって可読な記憶装置に格納され得る。記憶装置の幾つかの例は、デジタル若しくはソリッドステートメモリ、磁気ディスク及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、又は光学的に可読なデジタルデータ記憶媒体である。
【0043】
更に、本開示は以下の条項による実施例を含む。
条項1.
極低温支援型接着剤除去ツールを動作させるための方法であって、構造物の表面に配置された接着特徴上に極低温流体を分注すること、前記接着特徴を脆くする物理的な変化をもたらすために前記接着特徴を冷却すること、及び、前記接着特徴が物理的に変化している間に、前記表面から前記接着特徴を切断するために、前記極低温支援型接着剤除去ツールを動作させることを含む、方法。
条項2.
前記極低温支援型接着剤除去ツールの先端部を取り外すことであって、前記先端部が前記表面から前記接着特徴を切断する、先端部を取り外すことを更に含む、条項1に記載の方法。
条項3.
前記極低温流体が、前記極低温支援型接着剤除去ツールから分注される、条項1又は2に記載の方法。
条項4.
前記接着特徴を切断するために、前記極低温支援型接着剤除去ツールを動作させることが、前記接着特徴がガラス転移温度未満である間に実行される、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
条項5.
前記極低温流体を分注することが、前記接着特徴を切断する前記極低温支援型接着剤除去ツールの先端部で、前記極低温流体を噴霧することを含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
条項6.
前記極低温流体を分注することが、前記接着特徴を切断する前記極低温支援型接着剤除去ツールの先端部から、前記極低温流体を噴霧することを含む、条項1から5のいずれか一項に記載の方法。
条項7.
吹き付けられた極低温流体を前記表面から抽出することを更に含む、条項1から6のいずれか一項に記載の方法。
条項8.
前記ツールが、前記表面より軟らかい先端部を含む、条項1から7のいずれか一項に記載の方法。
条項9.
前記ツールが、前記接着特徴を切断する先端部を含み、前記方法が、前記先端部を新しい先端部に交換することを更に含む、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
条項10.
前記極低温流体が吹き付けられる圧力を制御することを更に含む、条項1から9のいずれか一項に記載の方法。
条項11.
前記極低温流体が、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、及びアルゴンから成る群から選択されたガスを含む、条項1から10のいずれか一項に記載の方法。
条項12.
前記ツールを動作させることが、前記表面に跡を付けることなしに実行される、条項1から11のいずれか一項に記載の方法。
条項13.
条項1から12のいずれか一項に記載の方法に従って組み立てられた航空機の一部分。
条項14.
極低温切断を実行するための装置であって、極低温流体が移動するための分注経路を含む胴体、前記極低温流体が前記分注経路を出るためのポートが設けられ、切断表面を含む、前記胴体に連結された先端部、及び、前記分注経路を介した前記極低温流体の分注を制御可能に起動するトリガを備える、装置。
条項15.
前記先端部が、前記先端部を前記胴体に固定するための係合特徴を備え、作業表面より軟らかい材料から作製され、前記極低温流体を分注するための通路を含む、条項14に記載の装置。
条項16.
前記胴体に連結された極低温流体貯蔵器を更に備え、前記胴体が、狙って前記極低温流体を吹き付けることを可能にする、条項14又は15に記載の装置。
条項17.
前記先端部の近くに配置され、吹き付けられた極低温流体を前記先端部から離れるように抽出する真空経路を含む、真空入口を更に備える、条項14から16のいずれか一項に記載の装置。
条項18.
前記真空経路が、前記分注経路より大きく、接着特徴から切断されたデブリを受け入れる、条項17に記載の装置。
条項19.
前記極低温流体が前記先端部から分注される圧力の量を制御する圧力調整器を更に備える、条項14から18のいずれか一項に記載の装置。
条項20.
前記先端部を出る極低温流体が、前記装置のユーザに向けて移動することを防止するシュラウドを更に備える、条項14から19のいずれか一項に記載の装置。
条項21.
前記胴体に取り付けられ、前記先端部で空洞に入るように寸法決定された突起であって、取り外し可能な連結を形成するために前記先端部を前記胴体に固定するための前記先端部にある係合特徴と係合する係合特徴を含む突起を更に備える。条項14から20のいずれか一項に記載の装置。
条項22.
前記ツールが、前記表面より軟らかい先端部を含む、条項14から21のいずれか一項に記載の装置。
条項23.
前記ツールが、前記接着特徴を切断する先端部を含む、条項14から22のいずれか一項に記載の装置。
条項24.
前記先端部が、新しい先端部と交換可能である、条項14から23のいずれか一項に記載の装置。
条項25.
前記極低温流体が、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、及びアルゴンから成る群から選択されたガスを含む、条項14から24のいずれか一項に記載の装置。
条項26.
条項14から25のいずれか一項に記載の装置を使用して航空機の一部分を製作すること。
条項27.
極低温切断を実行するためのシステムであって、極低温流体貯蔵器、及び、前記極低温流体貯蔵器に連結された極低温支援型接着剤除去ツールであって、前記極低温支援型接着剤除去ツールの切断する先端部から前記極低温流体貯蔵器内に保存されている極低温流体を分注する、極低温支援型接着剤除去ツールを備える、システム。
条項28.
前記極低温支援型接着剤除去ツールに連結され、前記極低温流体を分注するノズルの近くに配置され、前記切断する先端部から離れるように極低温流体を抽出する、真空システムを更に備える、条項27に記載のシステム。
条項29.
前記極低温流体が前記先端部から分注される圧力の量を制御する圧力調整器を更に備える、条項27又は28に記載のシステム。
条項30.
オペレータが作業位置を見ることを可能にしながら、前記先端部を出る極低温流体が、前記システムのユーザに向けて移動することを防止するシュラウドを更に備える、条項27から29のいずれか一項に記載システム。
条項31.
前記ツールが、条項14から25のいずれか一項に記載の装置を備える、条項27から30のいずれか一項に記載のシステム。
条項32.
条項27から30のいずれか一項に記載のシステムを使用して航空機の一部分を製作すること。
【0044】
特定の実施形態が本明細書に記載されているが、本開示の範囲は、これらの特定の実施形態に限定されない。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそのいずれの均等物により定められる。