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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】光測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20241021BHJP
   G01J 1/04 20060101ALI20241021BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
G01J1/02 F
G01J1/04 B
G01J1/42 L
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020102778
(22)【出願日】2020-06-15
(65)【公開番号】P2021196258
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】丸山 知行
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-246672(JP,A)
【文献】特開2020-030050(JP,A)
【文献】特開2018-004614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00 - G01J 1/06
G01J 1/42
G01J 3/00 - G01J 3/51
G01M 11/00
G01N 21/00 - G01N 21/01
G01N 21/17 - G01N 21/74
H04N 1/024- H04N 1/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定光の入射量に応じた検出信号を出力する光電変換部と、
前記被測定光を拡散させる拡散光学系と、
前記拡散光学系において拡散させられた前記被測定光の通過が可能な光通過孔が形成された光通過孔形成部と、
前記検出信号に基づいて当該検出信号の信号レベルを特定可能な信号レベルデータを生成するデータ生成部とを備え、
前記信号レベルデータに基づいて前記被測定光についての予め規定された光学的パラメータを測定可能に構成された光測定装置であって、
複数の前記光電変換部を備え
前記各光電変換部は、前記光通過孔形成部における前記光通過孔の縁部を含む第1の仮想平面と直交すると共に当該光通過孔の重心を通過する第1の仮想直線に沿って見たときに、当該光電変換部としての少なくとも2つの第1の光電変換部が、当該第1の仮想直線と直交する第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、かつ当該第1の仮想直線および当該第2の仮想直線の双方と直交する第3の仮想直線上に位置するように配置され、当該光電変換部としての少なくとも2つの第2の光電変換部が、当該第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、かつ当該第3の仮想直線上に位置するように配置されると共に、当該各第1の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度と当該各第2の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度との比が当該測定対象波長範囲内の各波長の前記被測定光毎に相違するように当該各第1の光電変換部および当該各第2の光電変換部のいずれか、または双方に光学フィルタが配設され、
前記データ生成部は、前記第2の仮想直線を挟んで配置された前記少なくとも2つの第1の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成すると共に、当該第2の仮想直線を挟んで配置された前記少なくとも2つの第2の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成する光測定装置。
【請求項2】
被測定光の入射量に応じた検出信号を出力する光電変換部と、
前記被測定光を拡散させる拡散光学系と、
前記拡散光学系において拡散させられた前記被測定光の通過が可能な光通過孔が形成された光通過孔形成部と、
前記検出信号に基づいて当該検出信号の信号レベルを特定可能な信号レベルデータを生成するデータ生成部とを備え、
前記信号レベルデータに基づいて前記被測定光についての予め規定された光学的パラメータを測定可能に構成された光測定装置であって、
複数の前記光電変換部を備え
前記各光電変換部は、前記光通過孔形成部における前記光通過孔の縁部を含む第1の仮想平面と直交すると共に当該光通過孔の重心を通過する第1の仮想直線に沿って見たときに、当該光電変換部としての少なくとも2つの第1の光電変換部と当該光電変換部としての他の少なくとも2つの第1の光電変換部とが、当該第1の仮想直線と直交する第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、当該少なくとも2つの第1の光電変換部の当該第2の仮想直線との距離がそれぞれ相違し、かつ当該他の少なくとも2つの第1の光電変換部の当該第2の仮想直線との距離がそれぞれ相違するように配置され、当該光電変換部としての少なくとも2つの第2の光電変換部と当該光電変換部としての他の少なくとも2つの第2の光電変換部とが、当該第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、当該少なくとも2つの第2の光電変換部の当該第2の仮想直線との距離がそれぞれ相違し、かつ当該他の少なくとも2つの第2の光電変換部の当該第2の仮想直線との距離がそれぞれ相違するように配置されると共に、当該各第1の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度と当該各第2の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度との比が当該測定対象波長範囲内の各波長の前記被測定光毎に相違するように当該各第1の光電変換部および当該各第2の光電変換部のいずれか、または双方に光学フィルタが配設され、
前記データ生成部は、前記各第1の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成すると共に、前記各第2の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成する光測定装置。
【請求項3】
被測定光の入射量に応じた検出信号を出力する光電変換部と、
前記被測定光を拡散させる拡散光学系と、
前記拡散光学系において拡散させられた前記被測定光の通過が可能な光通過孔が形成された光通過孔形成部と、
前記検出信号に基づいて当該検出信号の信号レベルを特定可能な信号レベルデータを生成するデータ生成部とを備え、
前記信号レベルデータに基づいて前記被測定光についての予め規定された光学的パラメータを測定可能に構成された光測定装置であって、
複数の前記光電変換部を備え
前記各光電変換部は、前記光通過孔形成部における前記光通過孔の縁部を含む第1の仮想平面と直交すると共に当該光通過孔の重心を通過する第1の仮想直線に沿って見たときに、当該光電変換部としての少なくとも2つの第2の光電変換部が、当該第1の仮想直線と直交する第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、かつ当該第1の仮想直線および当該第2の仮想直線の双方と直交する第3の仮想直線上に位置するように配置され、当該光電変換部としての1つの第1の光電変換部が、当該第2の仮想直線と当該第3の仮想直線との交点に位置するように配置されると共に、当該第1の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度と当該各第2の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度との比が当該測定対象波長範囲内の各波長の前記被測定光毎に相違するように当該第1の光電変換部および当該各第2の光電変換部のいずれか、または双方に光学フィルタが配設され、
前記データ生成部は、前記第2の仮想直線を挟んで配置された前記少なくとも2つの第2の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成する光測定装置。
【請求項4】
前記データ生成部は、前記検出信号としての電流信号を電圧信号に変換するI/V変換部と、前記電圧信号を前記信号レベルデータに変換するA/D変換部とを備えると共に、当該I/V変換部に複数の前記電流信号が入力されて当該複数の電流信号における電流値の合計値に対応する電圧値の前記電圧信号が当該I/V変換部から出力されるように構成されている請求項1から3のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項5】
前記第2の仮想直線を挟んで互いに離間するように配置された前記光電変換部は、光検出特性が互いに等しい当該光電変換部でそれぞれ構成されると共に、前記光通過孔を通過した前記被測定光が前記第2の仮想直線に対する一方の側に配置された当該光電変換部のうちの少なくとも1つ、および当該第2の仮想直線に対する他方の側に配置された当該光電変換部のうちの少なくとも1つに入射するようにそれぞれ配置されている請求項1から4のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項6】
前記第2の仮想直線を挟んで互いに離間するように配置された前記各光電変換部が、当該第2の仮想直線を基準線として線対称の位置に配置されている請求項1からのいずれかに記載の光測定装置。
【請求項7】
前記第2の仮想直線を挟んで互いに離間するように配置された前記各光電変換部が、前記第1の仮想直線と前記第2の仮想直線との交点を基準点として点対称の位置に配置されている請求項1からのいずれかに記載の光測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定光を拡散光学系において拡散させて光通過孔形成部の光通過孔を通過させた後に光電変換部に入射させ、被測定光の受光量に応じて光電変換部から出力される検出信号に基づいて被測定光についての予め規定された光学的パラメータを測定可能に構成された光測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光測定装置として、出願人は、被測定光についての波長(重心波長)や放射量などの光学的パラメータを測定可能な光測定装置を下記の特許文献に開示している。この光測定装置は、拡散光学系(積分球)、受光部、I/V変換部、A/D変換部および処理部などを備えて構成されている。
【0003】
この場合、拡散光学系は、光測定装置に対する被測定光の入射方向の相違が測定結果に及ぼす影響を軽減するための光学的要素である。具体的には、拡散光学系が積分球で構成されている上記の光測定装置では、入射部の入射孔から入射した被測定光を積分球内で拡散させた後に出射部の出射孔から出射させることにより、入射孔に対する被測定光の入射方向(すなわち、光測定装置に対する被測定光の入射方向)が基準の入射方向(積分球の設計時に被測定光の入射方向として想定した方向)と相違したとしても、出射孔からの被測定光の出射方向や出射量が、被測定光を基準の入射方向で入射させたときと同程度となるように構成されている。
【0004】
また、入射部の入射孔は、積分球内への被測定光の入射量を規定量に制限することができるように開口形状や大きさが規定されており、出射部の出射孔は、積分球内で拡散された被測定光の出射量や、出射された被測定光を受光可能な範囲(領域)を制限することができるようにその開口形状や大きさが規定されている。さらに、受光部は、各波長毎の分光感度を相違させるための光学フィルタおよび光電変換部を有する一対の受光センサと、測定対象波長範囲を規定するための光学フィルタとを備え、上記の出射孔から出射された被測定光を受光可能に配置されている。
【0005】
この光測定装置による測定処理に際しては、拡散光学系(積分球)において拡散されて出射孔から出射された被測定光が受光部における一対の受光センサによって受光されることで両受光センサの光電変換部から被測定光の受光レベルに応じた検出信号がそれぞれ出力される。この検出信号が、I/V変換部においてI/V変換されてA/D変換部に入力され、A/D変換部によって検出信号の信号レベルを特定可能な検出信号データが生成されて処理部に入力される。また、処理部は、入力された検出信号データに基づき、両受光センサ(両光電変換部)の検出信号の信号レベルをそれぞれ特定すると共に、特定した両信号レベルの比に基づいて被測定光の波長などを演算(測定)する。以上により、被測定光についての一連の測定処理が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-030050号公報(第6-19頁、第1-3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、出願人が上記特許文献に開示している光測定装置には、以下の改善すべき課題がある。具体的には、出願人が開示している光測定装置では、光測定装置に対する被測定光の入射方向の相違に関する影響を軽減するために、受光部に受光させる前に被測定光を拡散させるための拡散光学系(積分球)を備えると共に、拡散光学系(積分球)に対する被測定光の入射量を入射孔の形状や大きさの規定によって好適に制限し、かつ拡散光学系(積分球)からの被測定光の出射量や出射された被測定光の受光可能範囲を出射孔の形状や大きさの規定によって制限する構成が採用されている。
【0008】
ここで、図14に示す積分球2xは、この種の光測定装置において採用される拡散光学系の一例である。この積分球2xでは、積分球本体11xに設けられた入射部12xの入射孔12hxから入射させた被測定光を積分球本体11x内で拡散させた後に出射部13xの出射孔13hxから受光部3xに向けて出射させることで、入射孔12hxに対する被測定光の入射方向(すなわち、光測定装置に対する被測定光の入射方向)が基準の入射方向(矢印A0xの向き)と僅かに相違したとしても、出射孔13hxからの被測定光の出射方向や出射量(すなわち、受光部3xによる被測定光の受光量)が、入射孔12hxに対して被測定光を基準の入射方向で入射させたときと同程度となるように構成されている。
【0009】
この場合、この積分球2xでは、出射部13xにおける出射孔13hxの縁部を含む仮想平面Foxと直交する方向(図14,15に示す矢印B0xと並行な向き)が、出射孔13hxからの被測定光の基準の出射方向となるように構成されている。また、この積分球2xを備えて構成された光測定装置では、図15に示すように、受光部3xにおける受光センサ20ax,20bxの受光面が、上記の仮想平面Foxと平行な仮想平面Frxと面一となるように(受光センサ20ax,20bxの受光面が仮想平面Frx内に位置するように)積分球2xに対して受光部3xが配置されている。しかしながら、このような積分球2xを採用し、かつ上記のように受光部3xを積分球2xに対して配置したとしても、出射孔13hxから出射された被測定光の仮想平面Frx上の各部における受光量は完全に均一とはならない。
【0010】
具体的には、まず、出射孔13hxの形状や大きさの規定により、図14~16に示すように、仮想平面Frxにおいて出射孔13hxと対向する領域Boxよりも外側では、出射部13xにおける出射孔13hxの周囲の部位によって被測定光が遮られるため、被測定光が全く受光されない。また、積分球本体11x内での被測定光の拡散があらゆる方向に対して均一とはならないため、例えば、入射孔12hxに対して基準の入射方向(図14に示す矢印A0xの向き)で被測定光が入射させられたときには、図16に示すように、上記の仮想平面Foxと直交すると共に出射孔13hxの重心13ox(図14,15参照)を通過する矢印B0xに沿った仮想直線と仮想平面Frxとの交点である位置ro0xにおいて被測定光の受光量が最も多くなり、位置ro0xから離間するほど受光量が減少する状態となる。
【0011】
このように、仮想平面Frxの各部における受光量は相違するものの、入射孔12hxに対して被測定光が基準の入射方向で入射している状態では、仮想平面Frxにおいて出射孔13hxと対向する領域Box内(出射孔13hxを通過した被測定光が受光され得る範囲内)であって位置ro0xからの距離が等しい位置において被測定光の受光量が同程度となる。したがって、出願人が開示している光測定装置では、図15,16に示す積分球2xに対する受光部3xの配置の例と同様にして、仮想平面Frxにおいて出射孔13hxと対向する領域Boxにおいて位置ro0xからの距離が等しい位置に受光センサ20ax,20bxをそれぞれ配置している。これにより、図16に示すように、入射孔12hxに対して矢印A0xの向きで被測定光が入射させられたときには、出射孔13hxから出射された被測定光の受光センサ20ax,20bxによる受光量Ra0x,Rb0xが同程度となる。
【0012】
しかしながら、例えば、入射孔12hxに対して基準の入射方向(矢印A0xの向き)とは相違する方向で被測定光が入射させられたときには、前述の仮想平面Frxにおける位置ro0x以外の部位において被測定光の受光量が最も多くなる状態となる。具体的には、入射孔12hxに対して基準の入射方向とは相違する方向(例えば、図14に示す矢印A1xの方向)で被測定光が入射させられたときには、出射孔13hxからの被測定光の出射方向が矢印B0xの向きとは相違する方向となる。このため、図17に示すように、出射孔13hxの重心13oxを通過し、かつ仮想平面Foxと斜めに交差する方向(例えば、図14に示す矢印B1xの方向)に沿った仮想直線と仮想平面Frとの交点である位置ro1x(位置ro0xとは相違する部位)において被測定光の受光量が最も多くなり、位置ro1xから離間するほど受光量が減少する状態となる。
【0013】
したがって、出射孔13hから出射された被測定光の受光量を互いに等しくするために仮想平面Frxにおいて位置ro0xからの距離が等しい位置に受光センサ20ax,20bxを配置しているにも拘わらず、図17の左図に示すように、受光センサ20axによる被測定光の受光量が上記の受光量Ra0xよりも多い受光量Rahxとなり、かつ受光センサ20bxによる被測定光の受光量が上記の受光量Rb0xよりも少ない受光量Rblxとなったり、図17の右図に示すように、受光センサ20axによる被測定光の受光量が受光量Ra0xよりも少ない受光量Ralxとなり、かつ受光センサ20bxによる被測定光の受光量が受光量Rb0xよりも多い受光量Rbhxとなったりする。
【0014】
このような受光状態において受光部3xから出力される検出信号に基づいて被測定光についての光学的パラメータを測定したときには、正確な測定値を得るのが困難となる。また、入射孔12hxに対する被測定光の入射方向が基準の入射方向から大きくずれたときや、両受光センサ20ax,20bxを位置ro0xから大きく離間させて配置したときには、両受光センサ20ax,20bxのいずれかにおいて、被測定光の実質的な受光ができない状態(有効な検出信号を出力できない状態)となるおそれもある。
【0015】
上記のような入射孔12hxに対する被測定光の入射方向のずれは、被測定光を出射する光源と光測定装置との位置関係(光源に対する光測定装置の設置位置や設置姿勢)に応じて生じる現象である。したがって、この種の光測定装置を使用した測定作業に不慣れな者が作業を行ったときには、入射孔12hxに対して被測定光が基準の入射方向とは異なる方向で入射する状態において測定が行われ、正確な測定結果を得ることができなかったり、測定結果を得ることができなかったりするおそれがある。このため、この点を改善するのが好ましい。なお、拡散光学系として積分球を備えた構成において生じ得る課題について説明したが、積分球以外の拡散光学系(例えば、光拡散板)を採用した構成においても同様の課題が生じる。
【0016】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、光測定装置(拡散光学系)に対する被測定光の入射方向の相違の測定結果に対する影響を十分に軽減し得る光測定装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成すべく、請求項1記載の光測定装置は、被測定光の入射量に応じた検出信号を出力する光電変換部と、前記被測定光を拡散させる拡散光学系と、前記拡散光学系において拡散させられた前記被測定光の通過が可能な光通過孔が形成された光通過孔形成部と、前記検出信号に基づいて当該検出信号の信号レベルを特定可能な信号レベルデータを生成するデータ生成部とを備え、前記信号レベルデータに基づいて前記被測定光についての予め規定された光学的パラメータを測定可能に構成された光測定装置であって、複数の前記光電変換部を備え、前記各光電変換部は、前記光通過孔形成部における前記光通過孔の縁部を含む第1の仮想平面と直交すると共に当該光通過孔の重心を通過する第1の仮想直線に沿って見たときに、当該光電変換部としての少なくとも2つの第1の光電変換部が、当該第1の仮想直線と直交する第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、かつ当該第1の仮想直線および当該第2の仮想直線の双方と直交する第3の仮想直線上に位置するように配置され、当該光電変換部としての少なくとも2つの第2の光電変換部が、当該第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、かつ当該第3の仮想直線上に位置するように配置されると共に、当該各第1の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度と当該各第2の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度との比が当該測定対象波長範囲内の各波長の前記被測定光毎に相違するように当該各第1の光電変換部および当該各第2の光電変換部のいずれか、または双方に光学フィルタが配設され、前記データ生成部は、前記第2の仮想直線を挟んで配置された前記少なくとも2つの第1の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成すると共に、当該第2の仮想直線を挟んで配置された前記少なくとも2つの第2の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成する
また、請求項2記載の光測定装置は、被測定光の入射量に応じた検出信号を出力する光電変換部と、前記被測定光を拡散させる拡散光学系と、前記拡散光学系において拡散させられた前記被測定光の通過が可能な光通過孔が形成された光通過孔形成部と、前記検出信号に基づいて当該検出信号の信号レベルを特定可能な信号レベルデータを生成するデータ生成部とを備え、前記信号レベルデータに基づいて前記被測定光についての予め規定された光学的パラメータを測定可能に構成された光測定装置であって、複数の前記光電変換部を備え、前記各光電変換部は、前記光通過孔形成部における前記光通過孔の縁部を含む第1の仮想平面と直交すると共に当該光通過孔の重心を通過する第1の仮想直線に沿って見たときに、当該光電変換部としての少なくとも2つの第1の光電変換部と当該光電変換部としての他の少なくとも2つの第1の光電変換部とが、当該第1の仮想直線と直交する第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、当該少なくとも2つの第1の光電変換部の当該第2の仮想直線との距離がそれぞれ相違し、かつ当該他の少なくとも2つの第1の光電変換部の当該第2の仮想直線との距離がそれぞれ相違するように配置され、当該光電変換部としての少なくとも2つの第2の光電変換部と当該光電変換部としての他の少なくとも2つの第2の光電変換部とが、当該第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、当該少なくとも2つの第2の光電変換部の当該第2の仮想直線との距離がそれぞれ相違し、かつ当該他の少なくとも2つの第2の光電変換部の当該第2の仮想直線との距離がそれぞれ相違するように配置されると共に、当該各第1の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度と当該各第2の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度との比が当該測定対象波長範囲内の各波長の前記被測定光毎に相違するように当該各第1の光電変換部および当該各第2の光電変換部のいずれか、または双方に光学フィルタが配設され、前記データ生成部は、前記各第1の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成すると共に、前記各第2の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成する
また、請求項3記載の光測定装置は、被測定光の入射量に応じた検出信号を出力する光電変換部と、前記被測定光を拡散させる拡散光学系と、前記拡散光学系において拡散させられた前記被測定光の通過が可能な光通過孔が形成された光通過孔形成部と、前記検出信号に基づいて当該検出信号の信号レベルを特定可能な信号レベルデータを生成するデータ生成部とを備え、前記信号レベルデータに基づいて前記被測定光についての予め規定された光学的パラメータを測定可能に構成された光測定装置であって、複数の前記光電変換部を備え、前記各光電変換部は、前記光通過孔形成部における前記光通過孔の縁部を含む第1の仮想平面と直交すると共に当該光通過孔の重心を通過する第1の仮想直線に沿って見たときに、当該光電変換部としての少なくとも2つの第2の光電変換部が、当該第1の仮想直線と直交する第2の仮想直線を挟んで互いに離間し、かつ当該第1の仮想直線および当該第2の仮想直線の双方と直交する第3の仮想直線上に位置するように配置され、当該光電変換部としての1つの第1の光電変換部が、当該第2の仮想直線と当該第3の仮想直線との交点に位置するように配置されると共に、当該第1の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度と当該各第2の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度との比が当該測定対象波長範囲内の各波長の前記被測定光毎に相違するように当該第1の光電変換部および当該各第2の光電変換部のいずれか、または双方に光学フィルタが配設され、前記データ生成部は、前記第2の仮想直線を挟んで配置された前記少なくとも2つの第2の光電変換部のそれぞれの前記検出信号の信号レベルを合計して前記信号レベルデータを生成する。
【0018】
また、請求項記載の光測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載の光測定装置において、前記データ生成部は、前記検出信号としての電流信号を電圧信号に変換するI/V変換部と、前記電圧信号を前記信号レベルデータに変換するA/D変換部とを備えると共に、当該I/V変換部に複数の前記電流信号が入力されて当該複数の電流信号における電流値の合計値に対応する電圧値の前記電圧信号が当該I/V変換部から出力されるように構成されている。
【0019】
さらに、請求項記載の光測定装置は、請求項1から4のいずれかに記載の光測定装置において、前記第2の仮想直線を挟んで互いに離間するように配置された前記光電変換部は、光検出特性が互いに等しい当該光電変換部でそれぞれ構成されると共に、前記光通過孔を通過した前記被測定光が前記第2の仮想直線に対する一方の側に配置された当該光電変換部のうちの少なくとも1つ、および当該第2の仮想直線に対する他方の側に配置された当該光電変換部のうちの少なくとも1つに入射するようにそれぞれ配置されている。
【0020】
また、請求項記載の光測定装置は、請求項1からのいずれかに記載の光測定装置において、前記第2の仮想直線を挟んで互いに離間するように配置された前記各光電変換部が、前記第2の仮想直線を基準線として線対称の位置に配置されている。
【0021】
また、請求項記載の光測定装置は、請求項1からのいずれかに記載の光測定装置において、前記第2の仮想直線を挟んで互いに離間するように配置された前記各光電変換部が、前記第1の仮想直線と前記第2の仮想直線との交点を基準点として点対称の位置に配置されている。
【発明の効果】
【0023】
請求項1から3記載の光測定装置では、複数の光電変換部を備えると共に各光電変換部のうちの少なくとも2つの光電変換部が、光通過孔形成部における光通過孔の縁部を含む第1の仮想平面と直交すると共に光通過孔の重心を通過する第1の仮想直線に沿って見たときに、第1の仮想直線と直交する第2の仮想直線を挟んで互いに離間するように配置され、データ生成部が、第2の仮想直線を挟んで配置された少なくとも2つの光電変換部のそれぞれの検出信号の信号レベルを合計して信号レベルデータを生成する。したがって、請求項1から3記載の光測定装置によれば、拡散光学系に対して基準の入射方向と相違する方向から被測定光が入射させられて、光通過孔からの被測定光の出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となり、いずれかの光電変換部に対する被測定光の入射量が光学的パラメータの測定に必要な十分な信号レベルの検出信号を出力可能な量を下回る状態になったとしても、各光電変換部の他のいずれか少なくとも1つによって、光学的パラメータの測定に必要十分な信号レベルの検出信号を出力可能な十分な量の被測定光が受光されるため、拡散光学系に対する被測定光の入射方向の相違の測定結果に対する影響を十分に軽減することができ、予め規定された光学的パラメータを確実に測定することができる。
【0024】
また、請求項1から3記載の光測定装置では、第1の光電変換部および第2の光電変換部の少なくとも一方を複数備えて少なくとも一方が第2の仮想直線を挟んで互いに離間するように配置されると共に、第1の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度と第2の光電変換部の測定対象波長範囲内の分光感度との比が測定対象波長範囲内の各波長の被測定光毎に相違するように第1の光電変換部および第2の光電変換部のいずれか、または双方に光学フィルタが配設されている。したがって、請求項1から3記載の光測定装置によれば、各第1の光電変換部から出力される検出信号、および/または各第2の光電変換部から出力される検出信号について、拡散光学系に対する被測定光の入射方向の相違(光通過孔からの被測定光の出射方向の相違)の影響を十分に軽減することができるため、両検出信号の信号レベルに基づいて測定される各種光学的パラメータの確度を十分に向上させることができる。
【0025】
請求項記載の光測定装置によれば、I/V変換部に複数の電流信号が入力されて複数の電流信号における電流値の合計値に対応する電圧値の電圧信号がI/V変換部から出力されるようにデータ生成部を構成したことにより、1つの光電変換部から出力される1つの電流信号をI/V変換部においてI/V変換して電圧信号を出力させる構成と比較して、I/V変換部に大きな電流値の電流信号を入力させて電圧信号を短時間で出力させることができるため、そのような電圧信号に基づいて予め規定された光学的パラメータを短時間で測定することができる。また、大きな受光センサを採用した構成とは異なり、各光電変換部の配置に関する設計の自由度が向上するため、高精度な測定が可能な光測定装置を容易に製造することができ、各光電変換部の部品コストの高騰を回避できるため、光測定装置の製造コストの高騰を回避することができる。さらに、各光電変換部から出力された検出信号の合成信号をデータ生成部に入力する構成のため、データ生成部を構成するI/V変換部やA/D変換部の数を必要最低限の数とすることができる結果、光測定装置の製造コストを十分に低減することができる。
【0026】
請求項記載の光測定装置では、第2の仮想直線を挟んで互いに離間するように配置された少なくとも2つの光電変換部が、光検出特性が互いに等しい光電変換部でそれぞれ構成されると共に、光通過孔を通過した被測定光が第2の仮想直線に対する一方の側に配置された光電変換部のうちの少なくとも1つ、および第2の仮想直線に対する他方の側に配置された光電変換部のうちの少なくとも1つに入射するようにそれぞれ配置されている。
【0027】
したがって、請求項記載の光測定装置によれば、光通過孔からの被測定光の出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となり、被測定光が基準の出射方向に出射されている状態と比較して、各光電変換部のいずれかの受光量が減少したとしても、各光電変換部の他のいずれかの受光量が増加するため、被測定光が基準の出射方向に出射されている状態、および被測定光が基準の出射方向とは相違する方向に出射されている状態において各光電変換部の総受光量が大きく変化する事態を好適に回避することができる。これにより、拡散光学系に対する被測定光の入射方向の相違の測定結果に対する影響を一層軽減することができ、予め規定された光学的パラメータを一層確実に測定することができる。
【0028】
請求項記載の光測定装置によれば、少なくとも2つの光電変換部を第2の仮想直線を基準線として線対称の位置に配置したことにより、光通過孔からの被測定光の出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となって被測定光の受光量が最も多い位置が第2の仮想直線から離間する方向に変位した状態になり、被測定光が基準の出射方向に出射されている状態と比較して、いずれかの光電変換部の受光量が減少したとしても、他のいずれかの光電変換部の受光量が増加するため、拡散光学系に対する被測定光の入射方向の相違に起因して各光電変換部の総受光量が大きく変化する事態を好適に回避することができる。これにより、拡散光学系に対する被測定光の入射方向の相違の測定結果に対する影響を一層軽減することができ、予め規定された光学的パラメータを一層確実に測定することができる。
【0029】
請求項記載の光測定装置によれば、少なくとも2つの光電変換部を第1の仮想直線と第2の仮想直線との交点を基準点として点対称の位置に配置したことにより、光通過孔からの被測定光の出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となって被測定光の受光量が最も多い位置が第1の仮想直線と第2の仮想直線との交点から第2の仮想直線に沿って離間する方向に変位した状態になり、被測定光が基準の出射方向に出射されている状態と比較して、いずれかの光電変換部の受光量が減少したとしても、他のいずれかの光電変換部の受光量が増加するため、拡散光学系に対する被測定光の入射方向の相違に起因して各光電変換部の総受光量が大きく変化する事態を好適に回避することができる。これにより、拡散光学系に対する被測定光の入射方向の相違の測定結果に対する影響を一層軽減することができ、予め規定された光学的パラメータを一層確実に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】光測定装置1の構成を示す構成図である。
図2】積分球2に対する被測定光Lの入射方向と積分球2からの被測定光Lの出射方向との関係について説明するための説明図である。
図3】積分球2からの被測定光Lの出射方向と受光部3における各受光センサ20a,20bの配置との関係について説明するための説明図である。
図4】受光部3の構成について説明するための説明図である。
図5】受光センサ20a,20bの分光感度特性について説明するための説明図である。
図6】積分球2に対する被測定光Lの入射方向と、積分球2から出射された被測定光Lの受光センサ20a,20bによる受光量との関係について説明するための説明図である。
図7】積分球2に対する被測定光Lの入射方向と、積分球2から出射された被測定光Lの受光センサ20a,20bによる受光量との関係について説明するための他の説明図である。
図8】受光部3Aにおける受光センサ20a,20bの配置について説明するための説明図である。
図9】受光部3Aaにおける受光センサ20a,20bの配置について説明するための説明図である。
図10】受光部3Bにおける受光センサ20a,20bの配置について説明するための説明図である。
図11】受光部3Baにおける受光センサ20a,20bの配置について説明するための説明図である。
図12】受光部3Cにおける受光センサ20a,20bの配置について説明するための説明図である。
図13】受光部3Dにおける受光センサ20a,20bの配置について説明するための説明図である。
図14】積分球x2に対する被測定光の入射方向と積分球2xからの被測定光の出射方向との関係について説明するための説明図である。
図15】積分球2xからの被測定光の出射方向と受光部3xにおける各受光センサ20ax,20bxの配置との関係について説明するための説明図である。
図16】積分球2xに対する被測定光の入射方向と、積分球2xから出射された被測定光の受光センサ20ax,20bxによる受光量との関係について説明するための説明図である。
図17】積分球2xに対する被測定光の入射方向と、積分球2xから出射された被測定光の受光センサ20ax,20bxによる受光量との関係について説明するための他の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、光測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0034】
図1に示す光測定装置1は、「光測定装置」の一例であって、積分球2、受光部3、I/V変換部4、A/D変換部5、操作部6、表示部7、処理部8および記憶部9を備え、被測定光Lについての「予め規定された光学的パラメータ」の一例である波長(重心波長)や放射量、およびそれらに基づいて演算される各種の光学的パラメータを測定可能に構成されている。この場合、被測定光Lは、「被測定光」の一例であって、本例の光測定装置1では、視聴覚機器(プロジェクタ)や照明器具などから発せられる赤色光、緑色光および青色光などを被測定光Lとして測定可能に構成されている。なお、実際には、赤色光、緑色光および青色光を別個独立して測定可能な複数の測定系を備えて光測定装置1が構成されているが、「光測定装置」の構成に関する理解を容易とするために、1種類の被測定光Lを測定可能な構成を例に挙げて説明する。
【0035】
積分球2は、「拡散光学系」および「光通過孔形成部」が一体的に構成された光学的要素であって、積分球本体11、入射部12、出射部13を備えている。積分球本体11は、「拡散光学系」の一例であって、図1,2に示すように、入射部12から入射した被測定光Lを拡散させることにより、受光部3における後述の受光センサ20a,20b・・に対する被測定光Lの入射方向および入射量(受光センサ20a,20b・・による被測定光Lの受光量)を均一化可能に構成されている。
【0036】
入射部12は、積分球本体11内への被測定光Lの入射量や入射方向を制限するための光学的要素であって、一例として、円形の入射孔12hが形成されている。この場合、図2に示すように、この積分球2では、入射部12における入射孔12hの縁部を含む仮想平面Fiと直交する方向(矢印A0の向き)が積分球本体11に対する被測定光Lの「基準の入射方向」となるように、積分球本体11の形状および入射部12の形成位置などが規定されている。
【0037】
出射部13は、積分球本体11において拡散された被測定光Lの出射量や出射方向を制限するための光学的要素であって、「光通過孔形成部」に相当し、一例として、円形の出射孔13h(「拡散光学系において拡散させられた被測定光の通過が可能な光通過孔」の一例)が形成されている。この場合、図2,3に示すように、この積分球2では、出射部13における出射孔13hの縁部を含む仮想平面Fo(「第1の仮想平面」の一例)と直交する方向(矢印B0の向き)が積分球本体11からの被測定光Lの「基準の出射方向」となるように、積分球本体11の形状および出射部13の形成位置などが規定されている。
【0038】
受光部3は、図4に示すように、一例として、2つの受光センサ20a,20a、2つの受光センサ20b,20b、および光学フィルタ21を備えて構成されている。以下、受光センサ20a,20a,20b,20bを区別しないときには「受光センサ20」ともいう。この場合、光学フィルタ21は、予め規定された測定対象波長範囲内の波長の被測定光Lの各受光センサ20に対する入射を許容しつつ、測定対象波長範囲よりも短い波長の光や、測定対象波長範囲よりも長い波長の光の各受光センサ20に対する入射を規制するように構成されている。
【0039】
具体的には、被測定光Lとしての赤色光を検出するための受光部3における光学フィルタ21は、予め規定された赤色光波長範囲内の被測定光Lの透過を許容すると共に赤色光波長範囲外の被測定光Lの透過を規制し、被測定光Lとしての緑色光を検出するための受光部3における光学フィルタ21は、予め規定された緑色光波長範囲内の被測定光Lの透過を許容すると共に緑色光波長範囲外の被測定光Lの透過を規制し、被測定光Lとしての青色光を検出するための受光部3における光学フィルタ21は、予め規定された青色光波長範囲内の被測定光Lの透過を許容すると共に青色光波長範囲外の被測定光Lの透過を規制する。したがって、本例の光測定装置1とは相違するが、測定すべき被測定光Lの波長を制限する必要がない光測定装置1においては、この光学フィルタ21が不要となる。
【0040】
受光センサ20aは、光学フィルタ22aおよび光電変換部23aを備えて構成され、受光センサ20bは、光学フィルタ22bおよび光電変換部23bを備えて構成されている。この場合、本例の光測定装置1における受光部3では、受光センサ20aにおける光学フィルタ22aの光学特性と、受光センサ20bにおける光学フィルタ22bの光学特性とが相違するように構成されている。
【0041】
具体的には、図5に示すように、一例として、光学フィルタ22aは、実線Laで示すように、波長λs~波長λlまでの測定対象波長範囲の光に関する受光センサ20aの分光感度特性が「長い波長の光ほど高感度」との条件(すなわち、「長い波長の光ほど光電変換部23aへの光の入射量が多くなる」との条件)を満たすように、「長い波長の光ほど透過率が高い」との光学特性を備えたフィルタで構成されている。また、光学フィルタ22bは、実線Lbで示すように、測定対象波長範囲の光に関する受光センサ20bの分光感度特性が「短い波長の光ほど高感度」との条件(すなわち、「短い波長の光ほど光電変換部23bへの光の入射量が多くなる」との条件)を満たすように、「短い波長の光ほど透過率が高い」との光学特性を備えたフィルタで構成されている。このような光学フィルタ22a,22bを備えた本例の光測定装置1(受光部3)では、同図に示すように、受光センサ20aの測定対象波長範囲内の分光感度と、受光センサ20bの測定対象波長範囲内の分光感度との比が、測定対象波長範囲内の各波長の被測定光L毎にそれぞれ相違する状態となる。
【0042】
光電変換部23aは、「光電変換部」としての「第1の光電変換部」の一例であって、光学フィルタ21,22aを透過した被測定光Lを受光可能に配設されて受光量に応じた検出信号Sia(光電変換部23aへの被測定光Lの入射量に応じて電流値が変化する電流信号:「検出信号」としての「電流信号」の一例)を出力する。また、光電変換部23bは、「光電変換部」としての「第2の光電変換部」の一例であって、光学フィルタ21,22bを透過した被測定光Lを受光可能に配設されて受光量に応じた検出信号Sib(光電変換部23bへの被測定光Lの入射量に応じて電流値が変化する電流信号:「検出信号」としての「電流信号」の他の一例)を出力する。この場合、図3に示すように、本例の光測定装置1(受光部3)では、各受光センサ20の受光面が出射部13における出射孔13hの縁部を含む前述の仮想平面Foと平行な仮想平面Frと面一となるように(各受光センサ20の受光面が仮想平面Fr内に位置して各受光センサ20の受光面が仮想平面Foと平行となるように)積分球2に対する受光部3(各受光センサ20)の配設角度が規定されている。
【0043】
また、本例の光測定装置1(受光部3)では、入射部12の入射孔12hに対して、被測定光Lが、図2に矢印Aiで示す角度範囲(測定処理時に被測定光Lを出射する光源と光測定装置1との位置関係の相違に応じて生じ得る入射角度のばらつきの範囲:光測定装置1に対する被測定光Lの入射角度についての許容範囲)内のどのような入射方向で入射したとしても、出射孔13hから出射される被測定光Lがすべての受光センサ20に対して入射するように積分球2に対する受光部3(各受光センサ20)の配設位置や配設姿勢が規定されている(「光通過孔を通過した被測定光が第2の仮想直線に対する一方の側に配置された光電変換部のうちの少なくとも1つ、および第2の仮想直線に対する他方の側に配置された光電変換部のうちの少なくとも1つに入射するようにそれぞれ配置されている」との構成の一例)。
【0044】
なお、本例の受光部3では、一例として、上記のように光学フィルタ22aおよび光学フィルタ22bの光学特性が相違するものの、各光電変換部23a,23a,23b,23bが光検出特性の互いに等しい同じ製品で構成されている(「光検出特性が互いに等しい当該光電変換部」を備えた構成の一例)。したがって、本例の受光部3では、一方の光電変換部23aに対する被測定光Lの入射量と、他方の光電変換部23aに対する被測定光Lの入射量とが等しいときには、同じ信号レベルの検出信号Siaがそれぞれ出力され、一方の光電変換部23bに対する被測定光Lの入射量と、他方の光電変換部23bに対する被測定光Lの入射量とが等しいときには、同じ信号レベルの検出信号Sibがそれぞれ出力され、いずれかの光電変換部23aに対する被測定光Lの入射量と、いずれかの光電変換部23bに対する被測定光Lの入射量とが等しいときには、同じ信号レベルの検出信号Sia,Sib(以下、区別しないときには「検出信号Si」ともいう)がそれぞれ出力される。
【0045】
この場合、図6に示すように、本例の受光部3では、出射部13における出射孔13hの縁部を含む仮想平面Foと直交すると共に出射孔13hの重心13o(図2,3参照)を通過する「第1の仮想直線(図2,3における矢印B0と重なる仮想直線)」に沿って見たときに、この「第1の仮想直線」と直交する「第2の仮想直線(図3に示す実線Lr)」を挟んで受光センサ20a,20aが互いに離間するように配置されている。なお、この受光部3では、実線Lrから一方の受光センサ20aまでの離間距離と、実線Lrから他方の受光センサ20aまでの距離とが等しくなるように両受光センサ20a,20aが配置されている。また、この受光部3では、「第1の仮想直線」と「第2の仮想直線」との交点である位置ro0から一方の受光センサ20aまでの離間距離と、位置ro0から他方の受光センサ20aまでの距離とが等しくなるように両受光センサ20a,20aが配置されている。
【0046】
また、本例の受光部3では、上記の「第1の仮想直線」に沿って見たときに、この「第1の仮想直線」と直交する上記の「第2の仮想直線(実線Lr)」を挟んで受光センサ20b,20bが互いに離間するように配置されている。なお、この受光部3では、実線Lrから一方の受光センサ20bまでの離間距離と、実線Lrから他方の受光センサ20bまでの距離とが等しくなるように両受光センサ20b,20bが配置されている。また、この受光部3では、前述の位置ro0から一方の受光センサ20bまでの離間距離と、位置ro0から他方の受光センサ20bまでの距離とが等しくなるように両受光センサ20b,20bが配置されている。
【0047】
一方、I/V変換部4は、「I/V変換部」の一例であって、A/D変換部5と相俟って「データ生成部」を構成する。このI/V変換部4は、光電変換部23a,23bから出力される検出信号Sia,SibをI/V変換して検出信号Sva,Svb(電流信号における電流値の大きさに応じて電圧値が変化する電圧信号:「電圧信号」の一例:以下、区別しないときには「検出信号Sv」ともいう)を出力する。この場合、本例の光測定装置1におけるI/V変換部4は、予め規定された量の検出信号Si(電流信号)が入力されるのに要した時間長(内蔵の蓄電要素に規定量の電荷が蓄電されるのに要した時間長)に応じて電圧値が相違する検出信号Sv(電圧信号)を出力する構成が採用されている。また、I/V変換部4は、検出信号Sia,Sibを並行してI/V変換処理可能な2チャンネルI/V変換素子で構成されている。
【0048】
具体的には、本例の光測定装置1では、両受光センサ20a,20aから出力される2つの検出信号Sia,SiaがI/V変換部4の2チャンネルの測定チャネルの一方に入力されると共に、両受光センサ20b,20bから出力される2つの検出信号Sib,SibがI/V変換部4の2チャンネルの測定チャネルの他方に入力される。したがって、本例の光測定装置1では、両検出信号Sia,Siaの信号レベル(電流値)の合計値に対応する1つの検出信号Sva(「複数の電流信号における電流値の合計値に対応する電圧値の電圧信号」の一例)、および両検出信号Sib,Sibの信号レベル(電流値)の合計値に対応する1つの検出信号Svb(「複数の電流信号における電流値の合計値に対応する電圧値の電圧信号」の他の一例)がI/V変換部4から出力される。
【0049】
A/D変換部5は、「A/D変換部」の一例であって、前述したようにI/V変換部4と相俟って「データ生成部」を構成する。このA/D変換部5は、I/V変換部4から出力される検出信号Svaを所定の周期でA/D変換処理して検出信号データDsa(「検出信号の信号レベルを特定可能な信号レベルデータ」の一例)を生成する(電圧信号をデジタルデータに変換して信号レベルデータを生成する処理:「電圧信号を信号レベルデータに変換する」との処理の一例)と共に、I/V変換部4から出力される検出信号Svbを所定の周期でA/D変換処理して検出信号データDsb(「検出信号の信号レベルを特定可能な信号レベルデータ」の他の一例)を生成し(電圧信号をデジタルデータに変換して信号レベルデータを生成する処理:「電圧信号を信号レベルデータに変換する」との処理の他の一例)、生成した検出信号データDsa,Dsb(以下、区別しないときには「Ds」ともいう)を処理部8に出力する。
【0050】
操作部6は、測定処理条件の設定操作や、測定処理の開始/停止を指示する各種の操作スイッチを備え、スイッチ操作に応じた操作信号を処理部8に出力する。表示部7は、処理部8の制御に従い、測定条件設定画面や測定結果表示画面など(いずれも図示せず)を表示する。
【0051】
処理部8は、光測定装置1を総括的に制御する。具体的には、処理部8は、操作部6の操作によって測定処理の開始を指示されたときに、各A/D変換部5から出力される検出信号データDsを記憶部9に記憶させる。また、処理部8は、A/D変換部5から出力された検出信号データDs、および後述のパラメータ演算用データDrに基づき、受光部3に入射している被測定光Lについての予め規定された光学的パラメータを測定(演算)する。具体的には、処理部8は、記憶部9に記憶させた検出信号データDsaに基づき、受光部3の両光電変換部23a,23aから出力された検出信号Sia,Siaの合計の信号レベルを特定すると共に、記憶部9に記憶させた検出信号データDsbに基づき、受光部3の両光電変換部23b,23bから出力された検出信号Sib,Sibの合計の信号レベルを特定する。また、処理部8は、特定した検出信号Sia,Siaの合計の信号レベル、および検出信号Sib,Sibの合計の信号レベルの比(両信号レベルのいずれか一方に対する他方の比)、並びにパラメータ演算用データDrに記録されている演算用の情報に基づき、受光部3に入射している被測定光Lの波長(重心波長)を測定(演算)する。
【0052】
記憶部9は、処理部8の動作プログラムが記録されたプログラムデータDpや、処理部8が上記のように光学的パラメータを演算するのに使用するパラメータ演算用データDr、およびA/D変換部5から出力される検出信号データDsなどを記憶する。この場合、上記のパラメータ演算用データDrには、位置ro0から受光センサ20a,20bまでの離間距離の相違に起因する検出信号Sia,Sibの信号レベルの相違や、各受光センサ20(各光電変換部23)の光学的特性の個体差に起因する各検出信号Siの信号レベルの相違などの影響を排除して「光学的パラメータ」を演算可能な情報が記録されている。
【0053】
なお、本例の光測定装置1の構成とは相違するが、受光センサ20aの数と受光センサ20bの数とが相違する構成が採用されているときには、この数の相違に起因する検出信号Sia,Sibの信号レベルの相違の影響を排除して「光学的パラメータ」を演算可能な情報がパラメータ演算用データDrに記録される。同様にして、受光センサ20aの光検出特性と受光センサ20bの光検出特性とが相違する構成が採用されているときには、この光検出特性の相違に起因する検出信号Sia,Sibの信号レベルの相違の影響を排除して「光学的パラメータ」を演算可能な情報がパラメータ演算用データDrに記録される。
【0054】
次に、光測定装置1による被測定光Lについての光学的パラメータの測定処理について、添付図面を参照して説明する。
【0055】
この光測定装置1による測定処理に際しては、まず、積分球2の入射部12における入射孔12hに対して被測定光Lが入射するように光測定装置1を設置する。この際には、光源から出射された被測定光Lが図2に矢印Aiで示す角度範囲内の角度で入射孔12hに入射するように光源に対する光測定装置1の設置位置や設置姿勢を適宜調整する。
【0056】
次いで、操作部6を操作して測定処理を開始させると共に、光源から被測定光Lを出射させる。この際には、入射孔12hから入射した被測定光Lが積分球2内において拡散されて、出射部13の各出射孔13hを通過して受光部3に向けて出射される。また、出射孔13hから出射された被測定光Lが受光部3の各受光センサ20によって受光されることにより、各受光センサ20による被測定光Lの受光レベルに応じて受光部3から出力される検出信号Sia,SibがI/V変換部4に入力される。
【0057】
この際に、本例の光測定装置1では、前述したように、両受光センサ20a,20aから出力される2つの検出信号Sia,SiaがI/V変換部4の2チャンネルの測定チャネルの一方に入力されると共に、両受光センサ20b,20bから出力される2つの検出信号Sib,SbaがI/V変換部4の2チャンネルの測定チャネルの他方に入力される。これにより、両検出信号Sia,Siaの信号レベルの合計値に対応する1つの検出信号Sva、および両検出信号Sib,Sibの信号レベルの合計値に対応する1つの検出信号SvbがI/V変換部4から出力されてA/D変換部5に入力される。
【0058】
また、A/D変換部5は、検出信号Sva,Svbを所定の周期でA/D変換処理して検出信号データDsa,Dsbをそれぞれ出力し、処理部8は、A/D変換部5から出力された検出信号データDsa,Dsbを記憶部9に記憶させる。さらに、処理部8は、検出信号データDsaの値(両受光センサ20a,20aから出力された検出信号Sia,Siaの信号レベルの合計値に対応する値)、および検出信号データDsbの値(両受光センサ20b,20bから出力された検出信号Sib,Sibの信号レベルを合計値に対応する値)のいずれか予め規定された一方に対する他方の比(一例として、検出信号データDsaの値に対する検出信号データDsbの値の比:検出信号データDsbの値/検出信号データDsaの値)を演算し、演算した比、およびパラメータ演算用データDr(演算された「比」と被測定光Lの「波長」との対応関係を特定可能な情報)に基づき、受光部3の各受光センサ20に入射した被測定光Lの波長(重心波長)を特定(測定)する。
【0059】
この場合、この光測定装置1では、受光部3における両受光センサ20a,20bの光学フィルタ22a,22bが前述したような光学特性を有して光電変換部23a,23bへの光の入射量が制限される構成が採用されている。このため、受光部3に入射している被測定光Lの波長が長いほど、受光センサ20a,20aの感度が高くなって検出信号Sia,Siaの信号レベルが高くなり、かつ受光センサ20b,20bの感度が低くなって検出信号Sib,Sibの信号レベルが低くなる。また、被測定光Lの波長が短いほど、受光センサ20a,20aの感度が低くなって検出信号Sia,Siaの信号レベルが低くなり、かつ受光センサ20b,20bの感度が高くなって検出信号Sib,Sibの信号レベルが高くなる。
【0060】
したがって、処理部8は、パラメータ演算用データDrに記録されている各種の波長のなかから、検出信号データDsaに基づいて特定した検出信号Sia,Siaの信号レベルの合計値と、検出信号データDsbに基づいて特定した検出信号Sib,Sibの信号レベルの合計値との比に対応する波長を特定することで被測定光Lの波長を特定する。
【0061】
次いで、処理部8は、被測定光Lの放射量をそれぞれ測定する。具体的には、処理部8は、直前に特定した被測定光Lの波長、検出信号Sia,Siaの信号レベルの合計値(検出信号データDsaの値)および検出信号Sib,Sibの信号レベルの合計値(検出信号データDsbの値)のいずれか一方、並びにパラメータ演算用データDr(被測定光Lの波長、および検出信号データDsのいずれか予め規定された一方の値から放射量を演算可能に予め規定された放射量算出用の係数についての情報)に基づき、被測定光Lの放射量を演算する。この後、処理部8は、演算した(測定した)波長や放射量を測定結果として表示部7に表示させると共に記憶部9に記憶させる。以上により、一連の測定処理が完了する。
【0062】
この場合、前述したように、本例の光測定装置1における積分球2では、出射部13における出射孔13hの縁部を含む仮想平面Foと直交する方向(図2,3に示す矢印B0と並行な方向)が、出射孔13hからの被測定光Lの基準の出射方向となるように構成されている。また、本例の光測定装置1では、図3に示すように、受光部3における各受光センサ20の受光面が、仮想平面Foと平行な仮想平面Frと面一となるように(各受光センサ20の受光面が仮想平面Fr内に位置するように)積分球2に対して受光部3が配置されている。このような光測定装置1においても、前述の特許文献に出願人が開示している光測定装置と同様にして、出射孔13hから出射された被測定光Lの仮想平面Fr上の各部における受光量は完全に均一とはならない。
【0063】
具体的には、まず、出射孔13hの形状や大きさの規定により、図2,3,6に示すように、仮想平面Frにおいて出射孔13hと対向する領域Boよりも外側では、出射部13における出射孔13hの周囲の部位によって被測定光Lが遮られるため、被測定光Lが全く受光されない。また、積分球本体11内での被測定光Lの拡散があらゆる方向に対して均一とはならないため、例えば、入射孔12hに対して基準の入射方向(図2に示す矢印A0の向き)で被測定光Lが入射させられたときには、図6に示すように、上記の仮想平面Foと直交すると共に出射孔13hの重心13oを通過する矢印B0に沿った仮想直線と仮想平面Frとの交点である位置ro0において被測定光Lの受光量が最も多くなり、位置ro0から離間するほど受光量が減少する状態となる。
【0064】
このため、本例の光測定装置1では、仮想平面Frにおいて位置ro0と直交する実線Lrを挟んで互いに離間するように配置されている受光センサ20a,20a、および実線Lrを挟んで互いに離間するように配置されている受光センサ20b,20bのうち、実線Lrに近い(位置ro0に近い)受光センサ20a,20aにおける被測定光Lの受光量Ra0よりも、実線Lrから遠い(位置ro0から遠い)受光センサ20b,20bにおける被測定光Lの受光量Rb0の方が少量となる。この結果、検出信号Sia,Siaの信号レベルの合計値(検出信号データDsaの値)よりも、検出信号Sib,Sibの信号レベルの合計値(検出信号データDsbの値)の方が小さな値となる。
【0065】
この場合、積分球本体11内での被測定光Lの拡散があらゆる方向に対して均一とはならないことで出射孔13hから出射される被測定光Lの仮想平面Fr上の各位置における受光量が相違する状態となるのは、積分球2(積分球本体11)、入射部12(入射孔12h)、および出射部13(出射孔13h)の形状や位置関係に応じて定まるものであり、被測定光Lの波長によって大きく変化するものではない。したがって、本例の光測定装置1では、位置ro0から受光センサ20a,20aまでの離間距離と位置ro0から受光センサ20b,20bまでの離間距離との相違等の影響を排除して「光学的パラメータ」を演算可能な情報を記録したパラメータ演算用データDrを予め用意しておき、そのようなパラメータ演算用データDrを用いて演算(測定)を行うことで、正確な重心波長や正確な放射量を得ることが可能となっている。
【0066】
一方、光測定装置1を使用した測定処理に際しては、例えば、入射孔12hに対して基準の入射方向(矢印A0の向き)とは相違する方向で被測定光Lが入射させられることがあり、このような状態においては、出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が矢印B0の向きとは相違する方向となる。具体的には、入射孔12hに対して基準の入射方向とは相違する方向(例えば、図2に示す矢印A1の方向)で被測定光Lが入射させられたときには、仮想平面Foと斜めに交差する方向で出射孔13hからの被測定光Lが出射される状態となる。このような状態においては、図7に示すように、出射孔13hの重心13oを通過し、かつ仮想平面Foと斜めに交差する矢印B1の方向(図2参照)に沿った仮想直線と仮想平面Frとの交点である位置ro1(位置ro0とは相違する部位)において被測定光Lの受光量が最も多くなり、位置ro1から離間するほど受光量が減少する状態となる。
【0067】
しかしながら、本例の光測定装置1(受光部3)では、前述したように、入射孔12hに対して、図2に矢印Aiで示す角度範囲内のどのような角度で被測定光Lが入射させられたとしても、出射孔13hから出射される被測定光Lがすべての受光センサ20に対して入射するように積分球2に対する受光部3(各受光センサ20)の配設位置や配設姿勢が規定されている。
【0068】
これにより、本例の光測定装置1(受光部3)では、図7の左図に示す位置ro1において被測定光Lの受光量が最も多くなるように出射孔13hから被測定光Lが出射されている状態では、左方の受光センサ20aにおいて受光量Rahの被測定光Lが受光され、かつ右方の受光センサ20aにおいて受光量Ralの被測定光Lが受光されると共に、左方の受光センサ20bにおいて受光量Rbhの被測定光Lが受光され、かつ右方の受光センサ20bにおいて受光量Rblの被測定光Lが受光される。また、図7の右図に示す位置ro1において被測定光Lの受光量が最も多くなるように出射孔13hから被測定光Lが出射されている状態では、左方の受光センサ20aにおいて受光量Ralの被測定光Lが受光され、かつ右方の受光センサ20aにおいて受光量Rahの被測定光Lが受光されると共に、左方の受光センサ20bにおいて受光量Rblの被測定光Lが受光され、かつ右方の受光センサ20bにおいて受光量Rbhの被測定光Lが受光される。
【0069】
この場合、上記の受光量Ralは、前述の受光量Ra0(入射孔12hに対して基準の入射方向で被測定光Lが入射させられた状態における両受光センサ20aによる被測定光Lの受光量)よりも少ないが、上記の受光量Rahは、受光量Ra0よりも多い。また、上記の受光量Rblは、前述の受光量Rb0(入射孔12hに対して基準の入射方向で被測定光Lが入射させられた状態における両受光センサ20bによる被測定光Lの受光量)よりも少ないが、上記の受光量Rbhは、受光量Rb0よりも多い。このため、受光量Rah,Ralの合計値と受光量Rbh,Rblの合計値との比は、受光量Ra0,Ra0の合計値と受光量Rb0,Rb0の合計値との比と同程度となる。
【0070】
つまり、仮想平面Frに対して位置ro0において交差する実線Lrを挟んで受光センサ20a,20aを互いに離間して配置した本例の光測定装置1では、出射孔13hからの被測定光Lの出射方向の変化に起因して仮想平面Fr上で受光量が最も多くなる位置が上記の位置ro0から僅かに位置ずれしたときに、両受光センサ20a,20aのいずれかの受光量が減少しても、両受光センサ20a,20aの他のいずれかの受光量が多くなるため、両受光センサ20a,20aの受光量を合計した総受光量は、出射孔13hから基準の出射方向で被測定光Lが出射されている状態と同程度となる。同様にして、仮想平面Frに対して位置ro0において交差する実線Lrを挟んで受光センサ20b,20bを互いに離間して配置した本例の光測定装置1では、出射孔13hからの被測定光Lの出射方向の変化に起因して仮想平面Fr上で受光量が最も多くなる位置が上記の位置ro0から僅かに位置ずれしたときに、両受光センサ20b,20bのいずれかの受光量が減少しても、両受光センサ20b,20bの他のいずれかの受光量が多くなるため、両受光センサ20b,20bの受光量を合計した総受光量は、出射孔13hから基準の出射方向で被測定光Lが出射されている状態と同程度となる。
【0071】
したがって、前述したように、処理部8が、両受光センサ20a,20aから出力される検出信号Sia,Siaの信号レベルの合計値に対応する検出信号データDsaの値と、両受光センサ20b,20bから出力される検出信号Sib,Sibの信号レベルの合計値に対応する検出信号データDsbの値とを使用して光学的パラメータを測定(演算)する本例の光測定装置1では、入射孔12hに対する被測定光Lの入射方向(光測定装置1に対する入射方向)の相違に起因して出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向になったとしても、波長や放射量などの光学的パラメータを正確に測定(演算)することが可能となっている。
【0072】
この場合、前述したように、本例の光測定装置1において採用されているI/V変換部4では、予め規定された量の検出信号Si(電流信号)が入力されるのに要した時間長に応じて電圧値が相違する検出信号Sv(電圧信号)を出力する構成が採用されている。このため、I/V変換部4に対して小電流の電流信号が入力される状態では、予め規定された量の電流信号が入力されるのに要する時間長が長くなり、入力されている電流信号の電流値に対応する電圧値の電圧信号が出力されるまである程度長い時間を要することとなる。
【0073】
したがって、受光センサ20に対して入射している被測定光Lが微弱で、受光センサ20から出力される検出信号Siの信号レベルが低い状態(小電流の電流信号が出力されている状態)では、検出信号Siの信号レベル(電流値)に対応する検出信号Dvが出力されるまでに要する時間が長くなるため、光学的パラメータを短時間で演算(測定)するのが困難となる。このため、例えば測定結果をリアルタイムに更新して報知したいときには、その更新周期が長くなってしまう。
【0074】
一方、1つの受光センサ(光電変換部)から大電流の検出信号Si(電流信号)が出力されるように、受光面積が十分に広い大きな受光センサ(光電変換部)を採用することで、検出信号Siの信号レベル(電流値)に対応する検出信号DvをI/V変換部4から短時間で出力させて、光学的パラメータを短時間で演算(測定)することができる可能性がある。しかしながら、大きな受光センサ(光電変換部)を採用する場合には、その配設位置に制約が生じる結果、設計の自由度が低下する。また、この種の光測定装置において必要とされる光検出特性を有する大きな受光センサが存在しなかったり、存在したとしても非常に高価であったりすることがある。このため、大きな受光センサ(光電変換部)の採用は、困難となっている現状がある。
【0075】
この点、前述したように、本例の光測定装置1では、受光センサ20a,20aから出力される2つの検出信号Sia,SiaがI/V変換部4の2チャンネルの測定チャネルの一方に入力されると共に、両受光センサ20b,20bから出力される2つの検出信号Sib,SibがI/V変換部4の2チャンネルの測定チャネルの他方に入力され、I/V変換部4が、検出信号Sia,Siaの信号レベル(電流値)の合計値に対応する検出信号Sva、および検出信号Sib,Sibの信号レベル(電流値)の合計値に対応する検出信号Svbを出力する構成が採用されている。したがって、大きな受光センサを採用することなく、I/V変換部4に対して比較的大きな電流値の電流信号(検出信号Sia,Siaの合成信号、および検出信号Sib,Sibの合成信号)が入力される状態となる。これにより、検出信号Siの信号レベル(電流値)に対応する検出信号Dvが出力されるまでに要する時間を短くなり、光学的パラメータを短時間で演算(測定)することが可能となっている。
【0076】
また、「データ生成部」を構成するI/V変換部4やA/D変換部5では、その処理結果(I/V変換部4から出力される検出信号Svや、A/D変換部5から出力される検出信号Dv)が、変換部内で生じる一定レベル以上のノイズ成分の影響を受けてS/N比が僅かながらも低下する。したがって、例えば、受光センサ20毎にI/V変換部4を接続して1つの検出信号Siを1つのI/V変換部4によってI/V変換させて検出信号Svを出力させ、I/V変換部4毎にA/D変換部5を接続して1つの検出信号Scを1つのA/D変換部5によってA/D変換させて検出信号Dvを出力させる構成を採用したときには、I/V変換部4やA/D変換部5の数が多数となり、変換処理毎に混入する上記のノイズ成分の影響が大きくなる分だけ、光学的パラメータの測定精度が低下するおそれがある。さらに、I/V変換部4やA/D変換部5の数が増加する分だけ、「光測定装置」の製造コストが高騰するおそれもある。
【0077】
この点、本例の光測定装置1では、両受光センサ20a,20aから出力される検出信号Sia,Siaの合成信号を「データ生成部」に入力させると共に、両受光センサ20b,20bから出力される検出信号Sib,Sibの合成信号を「データ生成部」に入力させる構成を採用したことで、「データ生成部」を構成するI/V変換部4やA/D変換部5の数が必要最低限の数となっている。これにより、測定精度の低下、設計の自由度の低下、および製造コストの高騰を好適に回避することが可能となっている。
【0078】
このように、この光測定装置1では、複数の光電変換部23a,23a,23b,23bを備えると共に、両光電変換部23a,23aが、出射部13における出射孔13hの縁部を含む「第1の仮想平面(図2,3に示す仮想平面Fo)」と直交すると共に出射孔13hの重心13oを通過する「第1の仮想直線(図2,3に示す矢印B0と重なる仮想直線)」に沿って見たときに、「第1の仮想直線」と直交する「第2の仮想直線(図3,6,7に実線Lrで示す直線)」を挟んで互いに離間するように配置され、両光電変換部23b,23bが、「第1の仮想直線」に沿って見たときに「第2の仮想直線」を挟んで互いに離間するように配置され、かつ「データ生成部(本例では、I/V変換部4およびA/D変換部5)」が、光電変換部23a,23aのそれぞれの検出信号Sia,Siaの信号レベルを合計して「信号レベルデータ(検出信号データDsa)」を生成し、光電変換部23b,23bのそれぞれの検出信号Sib,Sibの信号レベルを合計して「信号レベルデータ(検出信号データDsb)」を生成する。この場合、この光測定装置1では、各光電変換部23a,23a,23b,23bが、光検出特性が互いに等しい「光電変換部」でそれぞれ構成されると共に、出射孔13hを通過した被測定光Lが、「第2の仮想直線」に対する一方の側に配置された光電変換部23a、および「第2の仮想直線」に対する他方の側に配置された光電変換部23aに入射し、かつ「第2の仮想直線」に対する一方の側に配置された光電変換部23b、および「第2の仮想直線」に対する他方の側に配置された光電変換部23bに入射するようにそれぞれ配置されている。
【0079】
したがって、この光測定装置1によれば、出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となり、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態と比較して、各受光センサ20a,20aのいずれかの受光量が減少したとしても、各受光センサ20a,20aの他のいずれかの受光量が増加するため、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態、および被測定光Lが基準の出射方向とは相違する方向に出射されている状態において各受光センサ20a,20aの総受光量が大きく変化する事態を好適に回避することができる。また、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態と比較して、各受光センサ20b,20bのいずれかの受光量が減少したとしても、各受光センサ20b,20bの他のいずれかの受光量が増加するため、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態、および被測定光Lが基準の出射方向とは相違する方向に出射されている状態において各受光センサ20b,20bの総受光量が大きく変化する事態を好適に回避することができる。これにより、積分球2(積分球本体11)被測定光Lの入射方向の相違の測定結果に対する影響を軽減することができ、予め規定された光学的パラメータ(重心波長や放射量等)を確実に測定することができる。
【0080】
また、この光測定装置1によれば、I/V変換部4に複数の電流信号(検出信号Si)が入力されて複数の電流信号における電流値の合計値に対応する電圧値の電圧信号(検出信号Sv)がI/V変換部4から出力されるように「データ生成部」を構成したことにより、1つの受光センサ20から出力される1つの検出信号SiをI/V変換部4においてI/V変換して検出信号Svを出力させる構成と比較して、I/V変換部4に大きな電流値の電流信号(検出信号Sia,Siaの合成信号や、検出信号Sib,Sibの合成信号)を入力させて検出信号Svを短時間で出力させることができるため、そのような検出信号Svに基づいて予め規定された光学的パラメータ(重心波長や放射量等)を短時間で測定することができる。また、大きな受光センサを採用した構成とは異なり、各受光センサ20の配置に関する設計の自由度が向上するため、高精度な測定が可能な光測定装置1を容易に製造することができ、各受光センサ20の部品コストの高騰を回避できるため、光測定装置1の製造コストの高騰を回避することができる。さらに、各受光センサ20から出力された検出信号Siの合成信号を「データ生成部」に入力する構成のため、「データ生成部」を構成するI/V変換部4やA/D変換部5の数を必要最低限の数とすることができる結果、光測定装置1の製造コストを十分に低減することができる。
【0081】
さらに、この光測定装置1では、光電変換部23aおよび光電変換部23bの少なくとも一方(本例では、双方)を複数備えて、光電変換部23a,23aが「第2の仮想直線」を挟んで互いに離間するように配置され、かつ光電変換部23b,23bが「第2の仮想直線」を挟んで互いに離間するように配置されると共に、光電変換部23aの測定対象波長範囲内の分光感度と光電変換部23bの測定対象波長範囲内の分光感度との比が測定対象波長範囲内の各波長の被測定光L毎に相違するように光電変換部23aに光学フィルタ22aが配設され、かつ光電変換部23bに光学フィルタ22bが配設されている。
【0082】
したがって、この光測定装置1によれば、各受光センサ20a,20aから出力される検出信号Sia,Sia、および各受光センサ20b,20bから出力される検出信号Sib,Sibの双方について、積分球2(積分球本体11)に対する被測定光Lの入射方向の相違(出射孔13hからの被測定光Lの出射方向の相違)の影響を十分に軽減することができるため、検出信号Sia,Siaの信号レベル、および検出信号Sib,Sibの信号レベルに基づいて測定(演算)される各種光学的パラメータ(重心波長や放射量等)の確度を十分に向上させることができる。
【0083】
なお、「光測定装置」の構成は、上記の光測定装置1の構成の例に限定されない。例えば、前述の光測定装置では、入射部12の入射孔12hに対して、被測定光Lが、図2に矢印Aiで示す角度範囲内のどのような入射方向で入射したとしても、出射孔13hから出射される被測定光Lがすべての受光センサ20に対して入射するように積分球2に対する受光部3(各受光センサ20)の配設位置や配設姿勢が規定されている。
【0084】
このような構成に代えて、入射部12の入射孔12hに対して被測定光Lが上記の矢印Aiで示す角度範囲内の入射方向で入射したときに、入射孔12hに対する入射角度によっては、出射孔13hから出射される被測定光Lが両受光センサ20a,20aのいずれか、および両受光センサ20b,20bのいずれかだけに入射する状態(両受光センサ20a,20aの他のいずれか、および両受光センサ20b,20bの他のいずれかには、光学的パラメータの測定に必要十分な信号レベルの検出信号Siを出力可能な十分な量の被測定光Lが入射しない状態)となるような構成(「光通過孔を通過した被測定光が第2の仮想直線に対する一方の側に配置された光電変換部のうちの少なくとも1つ、および第2の仮想直線に対する他方の側に配置された光電変換部のうちの少なくとも1つに入射するようにそれぞれ配置されている」との構成の他の一例)を採用することができる。
【0085】
このように構成した光測定装置1によれば、積分球2(積分球本体11)に対して基準の入射方向と相違する方向から被測定光Lが入射させられて、出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となり、いずれかの受光センサ20に対する被測定光Lの入射量が光学的パラメータの測定に必要な十分な信号レベルの検出信号Siを出力可能な量を下回る状態になったとしても、各受光センサ20a,20aの他のいずれか少なくとも1つによって、光学的パラメータの測定に必要十分な信号レベルの検出信号Siaを出力可能な十分な量の被測定光Lが受光され、各受光センサ20b,20bの他のいずれか少なくとも1つによって、光学的パラメータの測定に必要十分な信号レベルの検出信号Sibを出力可能な十分な量の被測定光Lが受光されるため、積分球2(積分球本体11)被測定光Lの入射方向の相違の測定結果に対する影響を十分に軽減することができ、予め規定された光学的パラメータ(重心波長や放射量等)を確実に測定することができる。
【0086】
また、2つの受光センサ20a,20aおよび2つの受光センサ20b,20bを備え、実線Lrを挟んで受光センサ20a,20aを互いに離間させて配置すると共に実線Lrを挟んで受光センサ20b,20bを互いに離間させて配置した受光部3を有する光測定装置1の構成について説明したが、図8~12に示す受光部3A,3Aa,3B,3Ba,3Cのように、3つ以上の受光センサ20aおよび3つ以上の受光センサ20bを備え、実線Lrを挟んで複数の受光センサ20aと複数の受光センサ20aとを互いに離間させて配置すると共に実線Lrを挟んで複数の受光センサ20bと複数の受光センサ20bとを互いに離間させて配置することもできる。
【0087】
なお、上記の受光部3A,3Aa,3B,3Ba,3Cや、後述の受光部3D(図13参照)を備えた「光測定装置」において上記の光測定装置1と同様の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、受光部3A,3Aa,3B,3Ba,3C,3Dを備えた「光測定装置」では、一例として、各受光センサ20aからそれぞれ出力される検出信号SiaのすべてがI/V変換部4の2チャンネルの測定チャネルの一方に入力されて各検出信号Siaの信号レベルの合計値に対応する1つの検出信号SvaがI/V変換部4から出力されると共に、各受光センサ20bからそれぞれ出力される検出信号SibのすべてがI/V変換部4の2チャンネルの測定チャネルの一方に入力されて各検出信号Sibの信号レベルの合計値に対応する1つの検出信号SvbがI/V変換部4から出力されるものとする。
【0088】
この場合、図8に示す受光部3Aでは、出射部13における出射孔13hの縁部を含む仮想平面Foと直交すると共に出射孔13hの重心13oを通過する「第1の仮想直線」に沿って見たときに、この「第1の仮想直線」と直交する「第2の仮想直線(実線Lr)」を挟んで受光センサ20a,20aと受光センサ20a,20aとが互いに離間するように配置されている。また、この受光部3Aでは、各受光センサ20a,20a・・が、上記の「第2の仮想直線(実線Lr)」を基準線として線対称の位置に配置されている。また、この受光部3Aでは、上記の「第1の仮想直線」に沿って見たときに、この「第1の仮想直線」と直交する上記の「第2の仮想直線(実線Lr)」を挟んで受光センサ20b,20bと受光センサ20b,20bとが互いに離間するように配置されている。また、この受光部3Aでは、各受光センサ20b,20b・・が、上記の「第2の仮想直線(実線Lr)」を基準線として線対称の位置に配置されている。
【0089】
このような受光部3Aを備えた「光測定装置」を使用した測定処理時には、入射孔12hに対する被測定光Lの入射方向が基準の入射方向とは相違する方向となって出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となり、「第2の仮想直線(実線Lr)」から離間した位置(例えば、同図における位置ro1)において被測定光Lの受光量が最も多い状態になったとしても、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態と比較して、各受光センサ20aのうちのいずれかにおける被測定光Lの受光量が減少し、かつ各受光センサ20bのうちのいずれかにおける被測定光Lの受光量が減少するものの、各受光センサ20aのうちの他のいずれかにおける被測定光Lの受光量が増加し、かつ各受光センサ20bのうちの他のいずれかにおける被測定光Lの受光量が増加する。
【0090】
したがって、実線Lrを基準線として光電変換部23a,23aを線対称の位置に配置すると共に、実線Lrを基準線として光電変換部23b,23bを線対称の位置に配置した受光部3Aを備えた「光測定装置」によれば、出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となって被測定光Lの受光量が最も多い位置が実線Lrから離間する方向に変位した状態になり、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態と比較して、いずれかの受光センサ20aの受光量が減少し、かついずれかの受光センサ20bの受光量が減少したとしても、他のいずれかの受光センサ20aの受光量が増加し、かつ他のいずれかの受光センサ20bの受光量が増加するため、積分球2(積分球本体11)に対する被測定光Lの入射方向の相違に起因して各受光センサ20aの総受光量や各受光センサ20bの総受光量が大きく変化する事態を好適に回避することができる。これにより、「光測定装置」に対する被測定光Lの入射方向の相違の測定結果に対する影響を一層軽減することができ、予め規定された光学的パラメータ(重心波長や放射量等)を一層確実に測定することができる。
【0091】
また、図9に示す受光部3Aaでは、上記の受光部3Aと同様にして、各受光センサ20a,20a・・が「第2の仮想直線(実線Lr)」を基準線として線対称の位置に配置され、かつ各受光センサ20b,20b・・が「第2の仮想直線(実線Lr)」を基準線として線対称の位置に配置されている。
【0092】
この場合、受光部3Aでは、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の一方に配置された2つの受光センサ20a,20a(図8における実線Lrの左方に配置された2つの受光センサ20a,20a)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)上に位置するように配置されると共に、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の他方に配置された2つの受光センサ20a,20a(図8における実線Lrの右方に配置された2つの受光センサ20a,20a)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)上に位置するように配置されている。
【0093】
また、受光部3Aでは、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の一方に配置された2つの受光センサ20b,20b(図8における実線Lrの左方に配置された2つの受光センサ20b,20b)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)上に位置するように配置されると共に、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の他方に配置された2つの受光センサ20b,20b(図8における実線Lrの右方に配置された2つの受光センサ20b,20b)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)上に位置するように配置されている。
【0094】
これに対して、受光部3Aaでは、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の一方に配置された2つの受光センサ20a,20a(図9における実線Lrの左方に配置された2つの受光センサ20a,20a)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)に対して「第2の仮想直線(実線Lr)」に沿って位置ずれした状態となるように配置されると共に、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の他方に配置された2つの受光センサ20a,20a(図9における実線Lrの右方に配置された2つの受光センサ20a,20a)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)に対して「第2の仮想直線(実線Lr)」に沿って位置ずれした状態となるように配置されている。
【0095】
また、受光部3Aaでは、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の一方に配置された2つの受光センサ20b,20b(図9における実線Lrの左方に配置された2つの受光センサ20b,20b)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)に対して「第2の仮想直線(実線Lr)」に沿って位置ずれした状態となるように配置されると共に、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の他方に配置された2つの受光センサ20b,20b(図9における実線Lrの右方に配置された2つの受光センサ20b,20b)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)に対して「第2の仮想直線(実線Lr)」に沿って位置ずれした状態となるように配置されている。
【0096】
この受光部3Aaのような構成を採用した場合においても、前述の受光部3Aと同様にして、入射孔12hに対する被測定光Lの入射方向が基準の入射方向とは相違する方向となって出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となり、「第2の仮想直線(実線Lr)」から離間した位置(例えば、同図における位置ro1)において被測定光Lの受光量が最も多い状態になったとしても、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態と比較して、各受光センサ20aのうちのいずれかにおける被測定光Lの受光量が減少し、かつ各受光センサ20bのうちのいずれかにおける被測定光Lの受光量が減少するものの、各受光センサ20aのうちの他のいずれかにおける被測定光Lの受光量が増加し、かつ各受光センサ20bのうちの他のいずれかにおける被測定光Lの受光量が増加する。したがって、前述の受光部3Aを備えた構成と同様の効果を奏することができる。
【0097】
また、図10に示す受光部3Bでは、上記の受光部3Aと同様にして、出射部13における出射孔13hの縁部を含む仮想平面Foと直交すると共に出射孔13hの重心13oを通過する「第1の仮想直線」に沿って見たときに、この「第1の仮想直線」と直交する「第2の仮想直線(実線Lr)」を挟んで受光センサ20a,20aと受光センサ20a,20aとが互いに離間するように配置されている。また、この受光部3Bでは、各受光センサ20a,20a・・が、上記の「第1の仮想直線」と「第2の仮想直線」との交点である位置ro0を基準点として点対称の位置に配置されている。また、この受光部3Bでは、上記の「第1の仮想直線」に沿って見たときに、この「第1の仮想直線」と直交する上記の「第2の仮想直線(実線Lr)」を挟んで受光センサ20b,20bと受光センサ20b,20bとが互いに離間するように配置されている。また、この受光部3Bでは、各受光センサ20b,20b・・が、位置ro0を基準点として点対称の位置に配置されている。
【0098】
このような受光部3Bを備えた「光測定装置」を使用した測定処理時には、入射孔12hに対する被測定光Lの入射方向が基準の入射方向とは相違する方向となって出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となり、「第2の仮想直線(実線Lr)」における「第1の仮想直線」との交点である位置ro0から「第2の仮想直線(実線Lr)」に沿って離間した位置(例えば、同図における位置ro1)において被測定光Lの受光量が最も多い状態になったとしても、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態と比較して、各受光センサ20aのうちのいずれかにおける被測定光Lの受光量が減少し、かつ各受光センサ20bのうちのいずれかにおける被測定光Lの受光量が減少するものの、各受光センサ20aのうちの他のいずれかにおける被測定光Lの受光量が増加し、かつ各受光センサ20bのうちの他のいずれかにおける被測定光Lの受光量が増加する。
【0099】
したがって、「第1の仮想直線」と「第2の仮想直線」との交点である位置ro0を基準点として光電変換部23a,23aを点対称の位置に配置すると共に、位置ro0を基準点として光電変換部23b,23bを点対称の位置に配置した受光部3Bを備えた「光測定装置」によれば、出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となって被測定光Lの受光量が最も多い位置が「第1の仮想直線」と「第2の仮想直線(実線Lr)」との交点である位置ro0から実線Lrに沿って離間する方向に変位した状態になり、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態と比較して、いずれかの受光センサ20aの受光量が減少し、かついずれかの受光センサ20bの受光量が減少したとしても、他のいずれかの受光センサ20aの受光量が増加し、かつ他のいずれかの受光センサ20bの受光量が増加するため、積分球2(積分球本体11)に対する被測定光Lの入射方向の相違に起因して各受光センサ20aの総受光量や各受光センサ20bの総受光量が大きく変化する事態を好適に回避することができる。これにより、「光測定装置」に対する被測定光Lの入射方向の相違の測定結果に対する影響を一層軽減することができ、予め規定された光学的パラメータ(重心波長や放射量等)を一層確実に測定することができる。
【0100】
また、図11に示す受光部3Baでは、上記の受光部3Bと同様にして、各受光センサ20a,20a・・が「第1の仮想直線」と「第2の仮想直線」との交点である位置ro0を基準点として点対称の位置に配置され、かつ各受光センサ20b,20b・・が位置ro0を基準点として点対称の位置に配置されている。
【0101】
この場合、受光部3Bでは、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の一方に配置された2つの受光センサ20a,20a(図10における実線Lrの左方に配置された2つの受光センサ20a,20a)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)上に位置するように配置されると共に、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の他方に配置された2つの受光センサ20a,20a(図10における実線Lrの右方に配置された2つの受光センサ20a,20a)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)上に位置するように配置されている。
【0102】
また、受光部3Bでは、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の一方に配置された2つの受光センサ20b,20b(図10における実線Lrの左方に配置された2つの受光センサ20b,20b)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)上に位置するように配置されると共に、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の他方に配置された2つの受光センサ20b,20b(図10における実線Lrの右方に配置された2つの受光センサ20b,20b)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)上に位置するように配置されている。
【0103】
これに対して、受光部3Baでは、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の一方に配置された2つの受光センサ20a,20a(図11における実線Lrの左方に配置された2つの受光センサ20a,20a)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)に対して「第2の仮想直線(実線Lr)」に沿って位置ずれした状態となるように配置されると共に、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の他方に配置された2つの受光センサ20a,20a(図11における実線Lrの右方に配置された2つの受光センサ20a,20a)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)に対して「第2の仮想直線(実線Lr)」に沿って位置ずれした状態となるように配置されている。
【0104】
また、受光部3Baでは、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の一方に配置された2つの受光センサ20b,20b(図11における実線Lrの左方に配置された2つの受光センサ20b,20b)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)に対して「第2の仮想直線(実線Lr)」に沿って位置ずれした状態となるように配置されると共に、仮想平面Frにおいて「第2の仮想直線(実線Lr)」によって区切られる両領域の他方に配置された2つの受光センサ20b,20b(図11における実線Lrの右方に配置された2つの受光センサ20b,20b)が「第2の仮想直線(実線Lr)」と直交する仮想直線(図示せず)に対して「第2の仮想直線(実線Lr)」に沿って位置ずれした状態となるように配置されている。
【0105】
この受光部3Baのような構成を採用した場合においても、前述の受光部3Bと同様にして、入射孔12hに対する被測定光Lの入射方向が基準の入射方向とは相違する方向となって出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となり、「第2の仮想直線(実線Lr)」から離間した位置(例えば、同図における位置ro1)において被測定光Lの受光量が最も多い状態になったとしても、被測定光Lが基準の出射方向に出射されている状態と比較して、各受光センサ20aのうちのいずれかにおける被測定光Lの受光量が減少し、かつ各受光センサ20bのうちのいずれかにおける被測定光Lの受光量が減少するものの、各受光センサ20aのうちの他のいずれかにおける被測定光Lの受光量が増加し、かつ各受光センサ20bのうちの他のいずれかにおける被測定光Lの受光量が増加する。したがって、前述の受光部3Bを備えた構成と同様の効果を奏することができる。
【0106】
さらに、図12に示す受光部3Cでは、出射部13における出射孔13hの縁部を含む仮想平面Foと直交すると共に出射孔13hの重心13oを通過する「第1の仮想直線」に沿って見たときに、この「第1の仮想直線」と直交する「第2の仮想直線(実線Lr)」を挟んで受光センサ20a,20aと受光センサ20a,20aとが互いに離間するように配置されている。また、この受光部3Cでは、各受光センサ20a,20a・・が、上記の「第2の仮想直線(実線Lr)」を基準線として線対称の位置に配置されている。さらに、この受光部3Cでは、各受光センサ20a,20a・・が、上記の「第1の仮想直線」と「第2の仮想直線」との交点である位置ro0を基準点として点対称の位置に配置されている。
【0107】
また、この受光部3Cでは、上記の「第1の仮想直線」に沿って見たときに、この「第1の仮想直線」と直交する上記の「第2の仮想直線(実線Lr)」を挟んで4つの受光センサ20b,20b・・と4つの受光センサ20b,20b・・とが互いに離間するように配置されている。また、この受光部3Cでは、各受光センサ20b,20b・・が、上記の「第2の仮想直線(実線Lr)」を基準線として線対称の位置に配置されている。さらに、この受光部3Cでは、各受光センサ20b,20b・・が、位置ro0を基準点として点対称の位置に配置されている。このような受光部3Cを備えた「光測定装置」によれば、上記の受光部3A,3Bを備えた「光測定装置」と同様の効果を奏することができる。
【0108】
この場合、この受光部3Cでは、入射孔12hに対して基準の入射方向で被測定光Lを入射させたときに仮想平面Fr上において被測定光Lの受光量が最も多くなる位置ro0の近傍に各受光センサ20aを配設すると共に、出射孔13hから出射される被測定光Lを受光可能な領域Boの外縁部寄りの位置に各受光センサ20bを配設している。この際に、位置ro0の近傍に配設する受光センサ20aの数と、領域Boの外縁部寄りに配設する受光センサ20bの数とを同数としたときには、受光量が少ない領域Boの外縁部寄りに配設した各受光センサ20bの総受光量が、受光量が多い位置ro0の近傍に配設した各受光センサ20aの総受光量よりも少量となる。これに対して、上記の受光部3Cでは、受光量が少ない領域Boの外縁部寄りに配設した各受光センサ20bの数が、受光量が多い位置ro0の近傍に配設した各受光センサ20aの数よりも多数となっている。
【0109】
したがって、受光量が多い位置ro0の近傍に配設した各受光センサ20aの総受光量と、受光量が少ない領域Boの外縁部寄りに配設した各受光センサ20bの総受光量との差を十分に小さくすることができ、各受光センサ20aの位置ro0からの距離、および各受光センサ20bの位置ro0からの距離の相違の影響を十分に小さくすることができる。これにより、光学的パラメータの測定(演算)時に検出信号データDsaの値および/または検出信号データDsbの値を大きく変更する(補正する)必要がなくなるため、測定結果の確度を一層向上させることができる。
【0110】
さらに、上記の受光部3Cにおける受光センサ20a,20bの配置の例に限定されず、「第1の光電変換部」の数(光電変換部23aを備えた受光センサ20aの数)」、「第2の光電変換部」の数(光電変換部23bを備えた受光センサ20bの数)」を互いに相違する数とすることができる。この場合、上記の受光部3,3A~3Cでは、受光センサ20aおよび受光センサ20bの双方について偶数個を備えているが、「第1の光電変換部(光電変換部23aを備えた受光センサ20a」、および「第2の光電変換部(光電変換部23bを備えた受光センサ20b」のいずれか/または双方を奇数個とすることもできる(図示せず)。
【0111】
また、「第1の光電変換部」の一例である光電変換部23aを有する受光センサ20a、および「第2の光電変換部」の一例である光電変換部23bを有する受光センサ20bをそれぞれ複数備え、「第2の仮想直線」の一例である実線Lrを挟んで受光センサ20a,20aを互いに離間するように配置すると共に実線Lrを挟んで受光センサ20b,20bを互いに離間するように配置した受光部3,3A~3Cについて説明したが、「第1の光電変換部」および「第2の光電変換部」のいずれか一方を複数備えると共に、他方を1つだけ備えて構成することもできる。
【0112】
一例として、図13に示す受光部3Dでは、「第1の光電変換部」の一例である光電変換部23aを有する受光センサ20aを1つだけ有すると共に、「第2の光電変換部」の一例である光電変換部23bを有する受光センサ20bを複数(この例では、2つ)備え、受光センサ20aについては、「第2の仮想直線」の一例である実線Lr上(具体的には、「第1の仮想直線」と「第2の仮想直線」との交点の一例である位置ro0上)に配置すると共に、受光センサ20b,20bについては、実線Lrを挟んで互いに離間するように配置されている。
【0113】
この受光部3Dでは、受光センサ20aの数が1つだけとなっているが、この受光センサ20aが、入射孔12hに対して基準の入射方向で被測定光Lを入射させたときに仮想平面Fr上において被測定光Lの受光量が最も多くなる位置ro0に配置されている。したがって、入射孔12hに対する被測定光Lの入射方向が基準の入射方向とは相違する方向となって出射孔13hからの被測定光Lの出射方向が基準の出射方向とは相違する方向となっても、受光センサ20aは、光学的パラメータの測定に必要十分な信号レベルの検出信号Siaを出力し得る十分な量の被測定光Lを受光することができる。一方、受光センサ20bについては、入射孔12hに対して基準の入射方向で被測定光Lを入射させたときに被測定光Lの受光量が、位置ro0よりも少量となる位置(領域Boにおける外縁部寄りの位置)に配置されているが、その配設数が受光センサ20aよりも多数(本例では、2つ)となっている。したがって、各受光センサ20bの総受光量は、光学的パラメータの測定に必要十分な信号レベルの検出信号Siaを出力し得る十分な量となる。
【0114】
また、「第2の仮想直線を挟んで配置された少なくとも2つの光電変換部」について、「第2の仮想直線」からの距離が等しい位置に配置した構成を例に挙げて説明したが、上記の「少なくとも2つの光電変換部」を「第2の仮想直線」からの距離が相違する位置に配置することもできる。さらに、「第2の仮想直線を挟んで配置された少なくとも2つの光電変換部」について、「光検出特性」が等しい「光電変換部」を採用した構成について説明したが、「光検出特性が互いに相違する2つの光電変換部」を「第2の仮想直線」を挟んで配置することもできる。
【0115】
また、複数の受光センサ20から出力される複数の検出信号Siを1つのI/V変換部4(I/V変換部4における1つの測定チャンネル)に入力してI/V変換部4から複数の検出信号Siの信号レベル(電流値)の合計値に対応する1つの検出信号Svを出力させる構成を例に挙げて説明したが、このような構成に代えて、受光センサ20毎にI/V変換部4を接続して、複数のI/V変換部4から1つの検出信号Siの信号レベル(電流値)に対応する1つの検出信号Svを出力させると共に、複数の検出信号Svの出力を加算回路において加算した後に、1つのA/D変換部5に入力してA/D変換部5から「複数の検出信号Siの信号レベル(電流値)の合計値に対応する1つの検出信号データDs」を出力させる構成を採用することもできる(図示せず)。
【0116】
さらに、各受光センサ20毎にI/V変換部4およびA/D変換部5をそれぞれ接続してI/V変換部4から1つの検出信号Siの信号レベル(電流値)に対応する1つの検出信号Svを出力させ、かつA/D変換部5から1つの検出信号Svの信号レベル(電圧値)に対応する1つの検出信号データDsを出力させると共に、処理部8において、複数の検出信号データDsに基づいて複数の検出信号Siの信号レベル(電流値)の合計値を特定する構成を採用することもできる(図示せず)。
【0117】
また、「拡散光学系」としての積分球本体11、積分球本体11に対する被測定光Lの入射量および入射方向を制限するための入射部12、および積分球本体11において拡散された被測定光Lの受光部3に向けての出射量および出射方向を制限するための「光通過孔形成部」としての出射部13を一体的に形成した積分球2を備えた構成を例に挙げて説明したが、積分球本体11と入射部12とを別体に形成したり、積分球本体11と出射部13とを別体に形成したりすることもできる(図示せず)。さらに、「拡散光学系」の一例である積分球本体11(積分球2)を備えた構成を例に挙げて説明したが、「拡散光学系」は「積分球」等の「反射型拡散光学系」に限定されず、例えば、拡散板(透過時に光を拡散させる光学部品)などの「透過型拡散光学系」を「拡散光学系」として備えて構成することもできる(図示せず)。
【0118】
加えて、「第1の光電変換部」としての光電変換部23a、および「第2の光電変換部」としての光電変換部23bを備えた構成について説明したが、例えば、波長(重心波長)の測定を行わない「光測定装置」においては、光測定装置1における光電変換部23a,23bのいずれかに相当する「光電変換部」を複数備えて「光測定装置」を構成することもできる。
【符号の説明】
【0119】
1 光測定装置
2 積分球
3,3A,3Aa,3B,3Ba,3C,3D 受光部
4 I/V変換部
5 A/D変換部
8 処理部
9 記憶部
11 積分球本体
12 入射部
12h 入射孔
13o 重心
13 出射部
13h 出射孔
20a,20b 受光センサ
21,22a,22b 光学フィルタ
23a,23b 光電変換部
Dsa,Dsb 検出信号データ
Fi,Fo,Fr 仮想平面
L 被測定光
Lr 実線
Ra0,Rb0,Rah,Ral,Rbh,Rbl 受光量
ro0 位置
Sia,Sib,Sva,Svb 検出信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17