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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】画像読取装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20241021BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
H04N1/04 106A
H04N1/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020111820
(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公開番号】P2022010982
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099324
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】富井 太士
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-038780(JP,A)
【文献】特開2017-199976(JP,A)
【文献】特開2012-209908(JP,A)
【文献】特開昭60-127865(JP,A)
【文献】特開平02-044378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04
H04N 1/10
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置される透明部材と、
前記透明部材に載置された前記原稿を第1方向に移動しながら読み取る読取手段と、
前記読取手段による読取結果に基づいて前記原稿を検出する制御手段と、を備えており、
前記制御手段は、前記読取手段を前記第1方向に移動させ、前記第1方向における前記原稿の先端エッジを検出した場合、前記第1方向に直交する第2方向の前記原稿の先端エッジの長さに基づいて、前記透明部材の上に載置された前記原稿のサイズの候補を選択し、選択された前記原稿のサイズの候補に基づき、前記読取手段を前記第1方向に所定の距離を移動させ、前記読取手段により前記原稿の前記所定の距離を読み取った読取結果に基づいて前記第1方向における前記原稿の後端エッジを検出するか否かにより、前記原稿のサイズを決定することを特徴とする、
画像読取装置。
【請求項2】
前記読取手段は、前記選択されたサイズの候補のうち前記第1方向における長さが最も小さいサイズの前記第1方向の長さ分だけ前記第1方向に移動し、
前記制御手段は、前記読取手段が前記長さ分だけ移動しながら読み取った読取結果に基づいて前記第1方向における後端エッジが検出されるか否かにより、前記原稿のサイズを決定することを特徴とする、
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記原稿の前記第1方向の後端エッジを決定する場合、前記原稿のサイズを、前記選択されたサイズの候補のうち最も小さい候補のサイズと判断し、前記原稿の前記第1方向の後端エッジを検出しない場合、前記原稿のサイズを、前記選択されたサイズの候補のうち最も大きい候補のサイズと判断することを特徴とする、
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記原稿の前記第1方向の先端エッジを決定するまでに前記読取手段が移動した第1距離を算出し、前記第1距離が、前記読取手段が移動可能な最大の第2距離と前記第1距離との差よりも大きければ、前記原稿のサイズを、前記選択されたサイズの候補のうち最も小さい候補のサイズと判断することを特徴とする、
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項5】
原稿のサイズ毎の前記第2方向及び前記第1方向の長さを示すテーブルを備えており、
前記制御手段は、前記第2方向の両端のエッジの検出結果に基づいて原稿の前記第2方向の長さを判断し、該原稿の前記第2方向の長さに応じた原稿のサイズの候補を前記テーブルを参照して決定することを特徴とする、
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記テーブルは、定型サイズの原稿の前記第2方向及び前記第1方向の長さを示すことを特徴とする、
請求項5記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記テーブルは、ユーザにより登録された原稿のサイズの前記第2方向及び前記第1方向の長さを示すことを特徴とする、
請求項5記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記読取結果に対して、前記第2方向及び前記第1方向にそれぞれ所定数の画素を含む領域を1つのブロックとして2値化処理を行い、前記2値化処理の結果に基づいて前記原稿のエッジを検出することを特徴とする、
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記ブロックに含まれる画素の輝度値の最大値と最小値との差分に基づいて、前記2値化処理を行うことを特徴とする、
請求項8記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記読取結果の画像から背景の画像を除いた読取結果を所定の保存手段に保存することを特徴とする、
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項11】
原稿が載置される透明部材と、前記透明部材に載置された前記原稿を第1方向に移動しながら読み取る読取手段と、前記読取手段による読取結果に基づいて前記原稿を検出する制御手段と、を備える画像読取装置と、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段に前記シートを給送するシート給送手段と、を備え、
前記制御手段は、前記読取手段を前記第1方向に移動させ、前記第1方向における前記原稿の先端エッジを検出した場合、前記第1方向に直交する第2方向の前記原稿の先端エッジの長さに基づいて、前記透明部材の上に載置された前記原稿のサイズの候補を選択し、選択された前記原稿のサイズの候補に基づき、前記読取手段を前記第1方向に所定の距離を移動させ、前記読取手段により前記原稿の前記所定の距離を読み取った読取結果に基づいて前記第1方向における前記原稿の後端エッジを検出するか否かにより、前記原稿のサイズを決定し、
前記シート給送手段は、前記画像読取装置で検出された原稿のサイズに応じたサイズのシートを給送することを特徴とする、
画像形成装置。
【請求項12】
前記シート給送手段は、異なるサイズのシートが収納される複数の給紙カセットを備えており、前記画像読取装置で検出された前記原稿のサイズに応じたサイズのシートが収納される給紙カセットを決定し、該給紙カセットからシートを給送することを特徴とする、
請求項11記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿台に載置された原稿のサイズを決定する画像読取装置、及び、決定されたサイズに基づいてシートに画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置は、原稿に光源から出射した光を照射し、その反射光をイメージセンサで読み取ることで、原稿に記録(印字等)された画像や文字等の原稿画像を読み取る読取部を備える。画像読取装置は、シートに画像を印刷する画像形成装置に接続される場合に、読み取った原稿画像を表す画像データを画像形成装置へ送信する。画像形成装置は、画像読取装置から取得した画像データに基づいて画像形成を行うことで、原稿画像の複写を行う。
【0003】
このような画像読取装置は、透過部材で構成された原稿台を備える。原稿は原稿画像が形成された面を原稿台に向けて載置される。読取部は、一方向に移動しながら、原稿台を介して光源から光を原稿に照射し、原稿台を介して原稿から反射される光をイメージセンサで受光することで、原稿画像を読み取る。なお、イメージセンサは、受光素子がライン状に並んで構成される。読取部が移動する方向は、受光素子のラインに対して直交する方向である。受光素子のラインの方向が主走査方向であり、読取部の移動方向が副走査方向である。
【0004】
画像読取装置は、原稿台に載置された原稿のサイズを、読取部を用いて検出する構成を有する。特許文献1は、光源から光を照射しない状態で得られるイメージセンサの出力と、光源から光を照射した状態で得られるイメージセンサの出力と、に基づいて原稿のサイズを検出する技術を開示する。特許文献2は、原稿台の所定領域に7つの検知位置を設定し、これらの検知位置で原稿の有無を検知することで原稿のサイズを検出する技術を開示する。特許文献3は、画像データから原稿端部の影を検出し、主走査方向及び副走査方向の原稿端部の位置を決定する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-68423号公報
【文献】特開2006-67330号公報
【文献】特開2017-92562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2では、原稿台上の原稿のサイズの検出は、原稿の角部が原稿台の基準位置に突き当てられた状態で当該原稿が原稿台に載置されていることが前提となっている。しかしながら、画像読取装置では、原稿台の基準位置に原稿の角部が突き当てられていない状態で当該原稿の画像が読み取られることがある。このような場合、原稿台に載置された原稿のサイズを決定するためのセンサが画像読取装置に設けられていたとしても、当該原稿のサイズを正確に決定することはできない。したがって、画像読取装置は、読取部を副走査方向に移動させながら原稿画像を読み取り、主走査方向における原稿の両端部の位置及び副走査方向における原稿の両端部の位置を検出することによって、原稿のサイズを決定する必要がある。
【0007】
画像形成装置は、画像読取装置から通知される原稿のサイズに関する情報に基づいて、画像を形成するシートのサイズを決定し、決定したサイズのシートの給送を開始する。したがって、複写開始の指示が入力されてから原稿のサイズが決定されるまでの時間が長いほど、複写開始の指示が入力されてから画像形成された1枚目のシートが出力されるまでの時間(FCOT:First Copy Out Time)が長くなる。即ち、画像形成装置の生産性が低下してしまう。そのため、原稿台の基準位置に角部が突き当てられていない状態の原稿のサイズを確定するのに要する時間をより短くするための構成が求められていた。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、原稿台上の原稿のサイズをより迅速に決定することができる画像読取装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像読取装置は、原稿が載置される透明部材と、
前記透明部材に載置された前記原稿を第1方向に移動しながら読み取る読取手段と、前記読取手段による読取結果に基づいて前記原稿を検出する制御手段と、を備えており、前記制御手段は、前記読取手段を前記第1方向に移動させ、前記第1方向における前記原稿の先端エッジを検出した場合、前記第1方向に直交する第2方向の前記原稿の先端エッジの長さに基づいて、前記透明部材の上に載置された前記原稿のサイズの候補を選択し、選択された前記原稿のサイズの候補に基づき、前記読取手段を前記第1方向に所定の距離を移動させ、前記読取手段により前記原稿の前記所定の距離を読み取った読取結果に基づいて前記第1方向における前記原稿の後端エッジを検出するか否かにより、前記原稿のサイズを決定することを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、原稿が載置される透明部材と、前記透明部材に載置された前記原稿を第1方向に移動しながら読み取る読取手段と、前記読取手段による読取結果に基づいて前記原稿を検出する制御手段と、を備える画像読取装置と、シートに画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段に前記シートを給送するシート給送手段と、を備え、前記制御手段は、前記読取手段を前記第1方向に移動させ、前記第1方向における前記原稿の先端エッジを検出した場合、前記第1方向に直交する第2方向の前記原稿の先端エッジの長さに基づいて、前記透明部材の上に載置された前記原稿のサイズの候補を選択し、選択された前記原稿のサイズの候補に基づき、前記読取手段を前記第1方向に所定の距離を移動させ、前記読取手段により前記原稿の前記所定の距離を読み取った読取結果に基づいて前記第1方向における前記原稿の後端エッジを検出するか否かにより、前記原稿のサイズを決定し、前記シート給送手段は、前記画像読取装置で検出された原稿のサイズに応じたサイズのシートを給送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、原稿台上の原稿のサイズをより迅速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】画像読取装置を備えた画像形成装置の構成図。
図2】画像読取装置の構成説明図。
図3】制御システムの説明図。
図4】(a)、(b)は、エッジ部分の抽出処理の説明図。
図5】原稿サイズの検出方法の説明図。
図6】原稿サイズ毎の主走査方向及び副走査方向の長さを表す図。
図7】原稿画像の読取処理を表すフローチャート。
図8】原稿が原稿台からはみ出して載置された状態を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
【0013】
(画像形成装置)
図1は、本実施形態の画像読取装置を備えた画像形成装置の構成図である。本実施形態の画像形成装置202は、カラープリンタである。画像形成装置202は、中間転写ベルト216を用いた4ドラムプリンタである。画像形成装置202は、筐体内に、画像形成部202B、シート給送部230、及び制御部260を備える。画像形成部202Bは、シート給送部230により給送されてきたシートPに画像を形成する。画像形成装置202の筐体の上部には画像読取装置201が設けられる。画像読取装置201は、原稿の画像を読み取り、読取結果を画像形成装置202へ送信する。また、画像読取装置201は、原稿のサイズを検出して画像形成装置202へ通知する。画像読取装置201と画像形成装置202との間には、画像形成されたシートPが排出される排出空間Sが形成される。制御部260は、画像形成装置202による画像形成動作及び用紙給送動作等を制御する。
【0014】
画像形成部202Bは、レーザスキャナ210と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像を形成するための4個のプロセスカートリッジ211と、中間転写ユニット202Cと、定着器220と、を備えている。各プロセスカートリッジ211は、感光ドラム212、帯電器213、及び現像器214を備えている。中間転写ユニット202C及び定着器220は、4個のプロセスカートリッジ211の上方に配置される。中間転写ユニット202Cの上方には、現像器214にトナーを供給するためのトナーカートリッジ215が配置される。
【0015】
中間転写ユニット202Cは、二次転写内ローラ216a及びテンションローラ216bに巻き掛けられた中間転写ベルト216を備えている。中間転写ベルト216の内側には、各感光ドラム212に対向する位置で中間転写ベルト216に当接する複数の一次転写ローラ219が設けられている。二次転写内ローラ216aは、駆動ローラとして機能し、不図示の駆動部により駆動されることで中間転写ベルト216を矢印方向に回転駆動する。一次転写ローラ219により、各感光ドラム212上に形成された負極性を持つトナー像が、順次、中間転写ベルト216に多重転写される。
【0016】
中間転写ユニット202Cの二次転写内ローラ216aに対向する位置には、中間転写ベルト216上に形成(転写)されたトナー像をシートPに転写する二次転写外ローラ217が設けられている。二次転写内ローラ216aと二次転写外ローラ217とにより二次転写部が形成される。定着器220は、二次転写外ローラ217の上部に配置される。定着器220の上部には第1排出ローラ対225a、第2排出ローラ対225b、及び両面反転部202Dが配置されている。両面反転部202Dは、シートPを正逆転可能な反転ローラ対222及び一面に画像が形成されたシートPを再度画像形成部202Bに搬送する再搬送通路R等を備える。
【0017】
以上のような構成の画像形成装置202は、以下のように動作することでシートPに画像を形成する。ここでは複写動作を行う場合について説明する。複写動作時には、まず、画像読取装置201が原稿から原稿画像を読み取る。画像読取装置201は、読み取った原稿画像を表す画像データ及び原稿のサイズを表すデータを制御部260へ送信する。
【0018】
画像形成部202Bの各プロセスカートリッジ211は、感光ドラム212の表面を帯電器213により所定の極性、電位で一様に帯電する。レーザスキャナ210は、制御部260の制御により、画像データに応じて変調したレーザ光により、帯電された感光ドラム212の表面を照射する。レーザ光の照射により、各感光ドラム212の表面に対応する色の静電潜像が形成される。現像器214は、対応する色のトナーにより、静電潜像を現像して可視化する。これにより各感光ドラム212には、対応する色のトナー像が形成される。各感光ドラム212のトナー像は、一次転写ローラ219に印加された一次転写バイアスにより、中間転写ベルト216に順次重畳して転写される。これにより、中間転写ベルト216上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0019】
画像が形成されるシートPは、シート給送部230により給送される。シート給送部230は、シートPを収納する給紙カセット1と、給紙カセット1からシートPを給送する搬送部と、を備える。搬送部は、ピックアップローラ8、フィードローラ9、リタードローラ10、及びレジストローラ対240を備える。本実施形態は、給紙カセット1、ピックアップローラ8、フィードローラ9、及びリタードローラ10を4組備えた構成である。複数の給紙カセット1の各々には異なるサイズのシートが収納される。シート給送部230は、画像読取装置201から通知される原稿のサイズに応じたサイズのシートを、該シートを収納する給紙カセット1から給送する。
【0020】
ピックアップローラ8は、給紙カセット1からシートPを搬送経路に給紙する。フィードローラ9及びリタードローラ10は、ピックアップローラ8により給紙されたシートPを既知の分離技術で1枚ずつ分離して搬送する分離部である。1枚ずつ分離されたシートPは、レジストローラ対240へ搬送される。レジストローラ対240は、搬送方向に対するシートPの斜行を補正する。
【0021】
レジストローラ対240は、中間転写ベルト216上のトナー像が二次転写部へ搬送されるタイミングに応じて、斜行補正後のシートPを二次転写部へ搬送する。二次転写部に搬送されたシートPは、二次転写外ローラ217に印加された二次転写バイアスにより、中間転写ベルト216からトナー像が一括して転写される。トナー像が転写されたシートPは、定着器220へ搬送される。定着器220は、熱及び圧力を加えることで各色のトナーを溶融混色し、シートPにカラー画像を定着させる。画像が定着されたシートPは、定着器220から第1排出ローラ対225a及び第2排出ローラ対225bのいずれか一方により排出空間Sへ排出される。シートPは、排出空間Sの底面に突出して設けられる積載部223に積載される。なお、シートPの両面に画像を形成する場合、シートPは、一方の面に画像が形成された後、反転ローラ対222により両面反転部202Dの再搬送通路Rに搬送され、再度、画像形成部202Bに搬送されて他方の面に画像が形成される。
【0022】
(画像読取装置の構成)
図2は、本実施形態の画像読取装置の構成説明図である。画像読取装置201は、内部に、ラインセンサである読取部119、モータ109、ホームポジションセンサ112、シェーディング板134、及びコントロール基板133を備える。画像読取装置201は、透過部材により構成される原稿台127が配置される。読み取り対象となる原稿132は、画像や文字等の原稿画像が形成された読取面を原稿台127側に向けて、原稿台127に載置される。画像読取装置201には、原稿抑え部材110が設けられる。原稿抑え部材110は、原稿台127に対して開閉可能に取り付けられている、原稿抑え部材110は、閉状態のときに原稿台127に載置された原稿132を抑えつける。原稿抑え部材110の原稿台127側の面は白色である。読取部119は、ほぼ直方体であり、長手方向を主走査方向として原稿台127に載置された原稿132の原稿画像を読み取る。
【0023】
モータ109は、ステッピングモータ等のパルスモータである。モータ109は、タイミングベルト208を介して駆動軸111aに駆動力を伝達する。駆動軸111aは、ワイヤ114a、114bを介して駆動軸111bに接続される。読取部119は、不図示の固定具によりワイヤ114a、114bに固定される。モータ109により駆動軸111aが回転駆動されることで、ワイヤ114a、114bが回転し、読取部119が主走査方向に直交する副走査方向に移動する。原稿台127上の原稿132の原稿画像を読み取る場合、読取部119は、副走査方向に移動しながら原稿画像を主走査方向に1ラインずつ読み取ることで、原稿132の全体の原稿画像を読み取ることができる。
【0024】
読取部119は、ワイヤ114a側にフラグ120が設けられる。ホームポジションセンサ112は、読取部119がホームポジションに位置する場合にフラグ120を検知する。コントロール基板133は、ホームポジションセンサ112の検知結果を取得し、取得した検知結果に基づいてモータ109の駆動制御を行う。シェーディング板134は、原稿132の読み取り開始前に、読取部119のシェーディングを行うための基準部材である。シェーディングを行う場合、読取部119はシェーディング板134を読取可能な位置に移動してシェーディング板134を読み取る。コントロール基板133は、シェーディング板134の読取結果に基づいてシェーディングを行う。
【0025】
図3は、画像読取装置201の制御システムの説明図である。ここでは、コントロール基板133によるモータ109及び読取部119の制御について説明する。コントロール基板133は、読取部119の動作を制御するコントローラである。
【0026】
コントロール基板133は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)105、及びRAM(Random Access Memory)106を備える情報処理装置である。CPU101は、不図示の電源スイッチの操作により画像読取装置201が起動することで、ROM105に格納される制御プログラムを実行して画像読取装置201の動作を制御する。これによりRAM106には制御に用いられる各種パラメータ等の変数情報が展開される。コントロール基板133は、CPU101に接続される画像処理部102、モータドライバ108、及び発振器103を備える。CPU101は、ホームポジションセンサ112が接続されており、ホームポジションセンサ112の検知結果を取得可能となっている。CPU101と画像処理部102とはバス接続される。
【0027】
画像処理部102には、エッジ抽出部146、画像メモリ118、シェーディングメモリ115、ワークメモリ116、及び不揮発性メモリ117が接続される。不揮発性メモリ117は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)117である。画像処理部102は、読取部119に接続されており、読取部119による読取結果から画像データを生成して出力する。画像処理部102及びエッジ抽出部146は、ハードウェアにより実現してもよいが、CPU101がコンピュータプログラムを実行することで実現される機能ブロックであってもよい。画像メモリ118、シェーディングメモリ115、及びワークメモリ116は、RAM106とは別の個々の書き換え可能なメモリであってもよいが、RAM106の記憶領域にそれぞれ設けられてもよい。
【0028】
読取部119は、光源126、イメージセンサ123、発光駆動部125、AFE(Analog Front End)122、及び発振器124を備える。光源126は、発光駆動部125により駆動制御されて発光する。光源126は、例えばLED(Light Emitting Diode)により構成され、主走査方向に線状の光を出射する。イメージセンサ123は、主走査方向に複数の受光素子が並んで構成される。
【0029】
イメージセンサ123、AFE122、及び発光駆動部125は、シリアル通信線130を介して画像処理部102により動作モード等が設定される。動作モードの設定値はROM105に予め格納されている。画像処理部102は、動作モードの設定時にCPU101を介してROM105から各種設定値を読み出して、イメージセンサ123、AFE122、及び発光駆動部125に設定する。動作モードには、例えば読み取り時にカラー画像を読み取るカラーモード、白黒画像を読み取る白黒モード等がある。また、スタンバイ状態やスタンバイ解除の指示もシリアル通信線130を介して行われる。イメージセンサ123は、動作モードに応じて、受光素子の受光状態が切り替わる。AFE122は、動作モードに応じて、イメージセンサ123から出力される電気信号を増幅するためのゲイン設定値等が切り替わる。光源126は、動作モードに応じて、出射する光量が異なるように設定値が切り替わる。
【0030】
動作モードの設定値は、起動時にROM105から読み出されてワークメモリ116に保存される。動作モードの切替時には画像処理部102は、ワークメモリ116に保存される設定値により読取部119の各種の設定を行う。なお、ワークメモリ116は、これ以外に、画像処理部102の処理の過程で発生する演算結果や各種パラメータを保存する。
【0031】
読取部119は、モータ109の駆動負荷である。モータ109は、モータドライバ108により駆動制御される。モータドライバ108はCPU101の指示により動作する。モータ109が駆動制御されることで、読取部119が副走査方向に等速で移動する。読取部119は、副走査方向に移動しながら、発光駆動部125の制御により光源126から光を原稿台127に向けて照射する。読取部119が副走査方向に移動しながら照射した光は、原稿台127を透過して、原稿台127に載置される原稿132を照射する。原稿132による反射光は、原稿台127を透過し、不図示の光学系を介してイメージセンサ123に受光される。イメージセンサ123は、受光した反射光を電気信号に変換して出力する。
【0032】
このように読取部119は、副走査方向に等速移動しながら原稿132を1ラインずつ読み取り、読取結果としてアナログ信号である電気信号を生成する。電気信号は、イメージセンサ123からAFE122へ送信される。AFE122は、発振器124から取得するクロック信号に基づいて動作し、イメージセンサ123から取得した電気信号に各種処理を行ってデジタル画像信号を生成する。なお、読取部119は、画像読取装置201の起動時に、AFE122の入力レンジ内にイメージセンサ123から入力されるシェーディング板134の読取結果(電気信号)が収まるように調整されている。
【0033】
読取部119は、起動時にイメージセンサ123の各種の設定と出力レベルの調整とを行う。これによりイメージセンサ123の起動制御は、発光駆動部125の起動制御よりも時間がかかる。そのために読取部119は、イメージセンサ123の起動が完了した後に発光駆動部125の起動を開始する。なお、読取部119は、イメージセンサ123に受光素子としてCMOSセンサを用いるCMOSラインセンサで構成されてもよいが、CIS(Contact Image Sensor)により構成されてもよい。
【0034】
AFE122で生成されたデジタル画像信号は、信号線129を介して画像処理部102へ送信される。AFE122から画像処理部102へのデジタル画像信号の送信は、シングルエンドで行う場合と作動信号で行う場合とが可能であるが、本実施形態の説明においては、いずれであってもよい。読取部119は、副走査方向に移動しながら読取動作を行う場合に、原稿132の他に原稿抑え部材110の白色部分も読み取ることになる。そのために、デジタル画像信号には、原稿132の画像の他に背景となる白色の画像が含まれる。
【0035】
CPU101は、モータ109の駆動制御をホームポジションセンサ112の検知結果に応じて行う。ホームポジションセンサ112は、読取部119のフラグ120を検知することで検知結果が変化する。CPU101は、この検知結果から読取部119がホームポジションに位置するか否かを判断することができる。CPU101は、起動後に読取部119がホームポジションに位置するか否かを判断し、ホームポジションにある場合に読取部119の位置情報をリセットする。CPU101は、ホームポジションを基準にして読取部119の位置をモータ109により制御する。起動後に読取部119がホームポジションに位置しない場合、CPU101は、他の処理を実行しながら読取部119を移動させ、ホームポジションセンサ112の検知結果を常時監視する。検知結果により読取部119がホームポジションに位置すると判断した場合に、読取部119の移動を終了して読取部119の位置情報をリセットする。
【0036】
CPU101の動作速度は、発振器103から入力されるクロック信号により決定される。CPU101は、発振器103から入力されるクロック信号に基づいて、読取部119の加速、減速、等速移動用のモータ駆動クロック、移動方向制御信号、モータ相電流制御用のリファレンス信号等を生成する。モータドライバ108及びモータ109は、モータ駆動クロック、移動方向制御信号、モータ相電流制御用のリファレンス信号等に基づいて、読取部119の移動制御を行う。そのために読取部119は、副走査方向の位置、移動速度、及び移動方向が制御される。
【0037】
画像処理部102は、読取部119から取得するデジタル画像信号に対してシェーディング補正処理等の画像処理を行い、画像データを生成する。画像データには、背景を除いた原稿画像を表す画像データと背景を含む原稿画像を表す画像データとがある。本実施形態では、画像処理部102は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各輝度値を含む画像データを生成する。画像データは、画素毎に各色の輝度値が設定される。シェーディングメモリ115は、シェーディング補正を実行する際の補正係数算出及び補正係数の保存に用いられる。不揮発性メモリ117は、画像読取装置201の機体固有の調整値を保存するバックアップメモリである。画像メモリ118は、複数ページ分の背景を除いた原稿画像を表す画像データを保存可能である。画像読取装置201は、画像形成装置202の制御部260へ信号線131を介して画像データを送信する。なお、画像読取装置201は、スキャナとして用いられる場合には、パーソナルコンピュータやスマートフォン等の外部装置へ画像データを送信してもよい。
【0038】
なお、画像形成装置202には操作部28が接続される。操作部28は、入力インタフェース及び出力インタフェースを組み合わせて構成されるユーザインタフェースである。入力インタフェースは、各種キー、タッチパネル等である。出力インタフェースは、ディスプレイ、スピーカ等である。ユーザは、操作部28により複写動作の開始指示等の指示や、動作モードの指示等を行うことができる。
【0039】
(エッジ検出)
画像処理部102で生成された背景を含む画像データは、エッジ抽出部146へ送信される。エッジ抽出部146は、画像データから原稿のエッジ部分を抽出する。本実施形態のエッジ抽出部146は、画像データに含まれる各画素のG(緑)の輝度値を用いて原稿のエッジ部分を抽出する。図4は、エッジ抽出部146によるエッジ部分の抽出処理の説明図である。
【0040】
図4(a)に示すように、エッジ抽出部146は、画像データに対し、主走査方向及び副走査方向にそれぞれ所定数の画素を含む領域を1つのブロックとして2値化処理を行う。本実施形態では、エッジ抽出部146は、主走査方向及び副走査方向にそれぞれ3画素×3画素の9画素の領域を1つのブロックとする。図4(a)では、主走査方向の画素位置がn(1≦n≦7486)、副走査方向の画素位置がm(1<m)で表される。各画素の輝度値はpx(x=0~8)で表される。
【0041】
エッジ抽出部146は、1ブロック内の9画素の輝度値の最大値pmaxと最小値pminとの差分を算出する。A点のように1ブロック内の9画素すべてが原稿読み取り時の原稿の背景(白色)の画像となる場合、最大値pmaxと最小値pminとの差分が小さくなる。B点のように背景(白色)と原稿との境界では、原稿の端部の影(グレー)により、最大値pmaxと最小値pminとの差分がA点よりも大きくなる。エッジ抽出部146は、最大値pmaxと最小値pminとの差分が所定の閾値pth(図4(a)では14)よりも大きい場合に(式1)、該ブロックの9画素にエッジ画素があると判断する。本実施形態では、エッジ抽出部146は、ブロックの中央の画素(座標(n、m))をエッジ画素と判断する。
pmax-pmin≧pth …(1)
【0042】
エッジ抽出部146は、このようなエッジ画素の判断を画像データに含まれる画素に対して順次行う。ただし、エッジ抽出部146は、(n、m)=(0、0)、(7487、0)の位置の画素についてはエッジ画素の判断を行わない。
【0043】
図4(a)では、画像データの1画素が8ビット(輝度値:0~255)で表される。図4(b)は、画像データからエッジ画素を抽出した結果を表す。画像データは、上記の(式1)を満たす画素(エッジ画素)と、満たさない画素とで2値化される。エッジ画素は白色で表される。このようにエッジ抽出部146は、画像処理部102から取得した画像データを2値化して、原稿のエッジにより生じる影を原稿のエッジ部分として判断する。エッジ部分は、主走査方向及び副走査方向の両方で抽出される。原稿の読取開始後に最初に検出される副走査方向のエッジ部分を先端エッジという。主走査方向の両端のエッジ部分は、副走査方向のエッジ部分を検出した時点で検出される。主走査方向の両端のエッジ部分が検出されることで、原稿の主走査方向のサイズが特定可能である。
【0044】
(原稿サイズ検出)
図5は、原稿サイズの検出方法の説明図である。図5は、原稿台127上に載置された原稿132を表す。本実施形態では、原稿台127上に載置された原稿から原稿画像を読み取る読み取り動作を行いながら、主走査方向の原稿のサイズを特定し、原稿サイズの候補を抽出する。図6は、原稿サイズ毎の主走査方向及び副走査方向の長さを表す図である。原稿132は、原稿台127の基準位置に角部が突き当てられていない。
【0045】
原稿台127に載置された原稿132を読み取る場合、読取部119は、開始位置Aから読取動作を開始する。読取部119は、最大で読取位置Bまで読取動作を行うことができる。読取動作を完了した読取部119は、ホームポジションへ戻る。開始位置Aから読取位置Bまでは距離Lである。読取部119は矢印α方向(副走査方向)へ移動しながら読取動作を行う。図5は、読取部119が開始位置Aから距離Xまで読取動作を行いながら移動したところで、原稿132の副走査方向の先端エッジが検出された状態を表す。
【0046】
読取部119が開始位置Aから距離Xまで移動したタイミングで、エッジ抽出部146が原稿132のエッジ部分を抽出することで、原稿132の主走査方向の長さが検出される。原稿132の原稿サイズがA4Rの場合、原稿132の主走査方向の長さが210[mm]である。図6を参照すると、主走査方向の長さが210[mm]の定型の原稿の原稿サイズはA4R及びA5のいずれかとなる。
【0047】
画像処理部102は、エッジ抽出部146によるエッジ部分の抽出結果に基づいて主走査方向の長さを判断し、図6のテーブルに基づいて原稿サイズの候補を判断する。図6のテーブルは例えば不揮発性メモリ117に格納されており、画像処理部102により適宜参照される。例えば、画像処理部102は、主走査方向の長さをエッジ部分の抽出結果から210[mm]と判断し、読み取り対象の原稿132の原稿サイズがA4R及びA5のいずれかであると判断する。なお、この場合、原稿132は主走査方向が短手方向になるように原稿台127に載置されている。
【0048】
この時点で原稿台127に載置されている原稿132の原稿サイズの候補にはA5も入っている。A5の原稿サイズでは、副走査方向の長さが、148[mm]である。主走査方向の長さを判断した後に、画像処理部102は、読取部119が図5の位置から148[mm]移動した時点で、エッジ抽出部146が原稿の副走査方向のエッジ(後端エッジ)を検出するか否かを判断する。ここで読取部119が副走査方向に移動する距離は、原稿サイズの候補のうち副走査方向の長さが最も短い候補の副走査方向の長さに相当する。148[mm]移動した時点で原稿の後端エッジが検出される場合、画像処理部102は、原稿台127に載置された原稿132の原稿サイズがA5であると判断する。後端エッジが検出されない場合、原稿132の読み取りが完了していないが、原稿サイズがA4Rであると判断される。CPU101は、画像処理部102から原稿サイズの検出結果を取得して、この時点で、原稿サイズを画像形成装置202の制御部260に通知することが可能となる。画像形成装置202の制御部260は、通知された原稿サイズに基づいて給送すべきシートPのサイズを決定する。
【0049】
読取部119は、原稿サイズが検出された後も、読取動作を継続して行うことができる。つまり読取部119が開始位置Aから距離X移動した時点で原稿サイズの候補が抽出され、候補となった複数の原稿サイズの副走査方向の長さのうち短いほうの長さ分さらに移動した時点で原稿サイズが確定する。原稿サイズの確定後も読取部119は原稿サイズに応じた分だけ画像を読み取り、読み取りが終了するとホームポジションへ戻る。
【0050】
(画像読取処理)
図7は、原稿画像の読取処理を表すフローチャートである。この処理は、原稿の複写の開始(又は画像読取の開始)が指示されると開始される。ユーザは、原稿台127に原稿132を載置して操作部28により複写の開始(又は画像読取の開始)の指示を行う。複写の開始の指示は、画像形成装置202の制御部260で受け付けられる。制御部260は、複写の開始の指示に応じて画像読取装置201のCPU101へ原稿の読み取りの開始を指示する。ここでは、A4Rの原稿132が載置される場合について説明する。
【0051】
CPU101は、読み取り開始の指示を受け付けた否かを判断する(S101)。読み取り開始の指示を受け付けた場合(S101:Y)、CPU101は、読取部119の読取開始前の調整を行う(S102)。例えばCPU101は、読取部119をシェーディング板134を読み取り可能な位置に移動させて、シェーディングを行う。読取開始前の調整が終了すると、CPU101は、読取部119による読取動作を開始する(S103)。
【0052】
CPU101は、画像処理部102により、エッジ抽出部146が原稿132の先端エッジを検出したか否かを判断する(S104)。原稿132の先端エッジを検出した場合(S104:Y)、CPU101は、画像処理部102により原稿132の主走査方向の長さを検出する(S105)。本実施形態では、原稿132の主走査方向の長さとして210[mm]が検出される。これにより画像処理部102は、A4R及びA5を原稿132の原稿サイズの候補とする。
【0053】
CPU101は、原稿サイズの候補を抽出するために読取部119が移動した距離Xを算出する(S106)。本実施形態では、読取部119の移動をモータ109の駆動により行う。モータ109はモータドライバ108により制御される。そのためにCPU101は、距離Xの算出を、モータドライバ108に入力する制御用のパルス信号の1パルス当たりの読取部119の移動距離に基づいて行う。
【0054】
CPU101は、算出した距離Xが、距離Xと読取部119が移動可能な最大の距離Lとの差よりも大きいか否かを判断する(X>L-X)(S107)。図8は、原稿132が原稿台127からはみ出して載置された状態を表す図である。原稿132がこのように載置される場合、読取部119により読み取られる原稿のサイズが限定される。そのためにS107の処理により、原稿132が原稿台127からはみ出して載置されているか否かが判断される。
【0055】
距離Xが距離Xと距離Lとの差よりも大きい場合(S107:Y)、CPU101は、原稿台127に載置された原稿132の原稿サイズをA5と判断する(S108)。距離Xが距離Xと距離Lとの差よりも小さい場合(S107:N)、CPU101は、原稿サイズの候補のうち、副走査方向に小さい候補の副走査方向の長さ分だけ読取部119を移動させながら画像を読み取らせる(S111)。本実施形態では、原稿サイズの候補がA5とA4Rであるために、副走査方向に最も小さい候補はA5である。読取部119は、A5の副走査方向の長さである148[mm]分移動しながら画像を読み取る。
【0056】
CPU101は、エッジ抽出部146によるエッジの抽出結果から画像処理部102が原稿132の後端エッジを検出したか否かを判断する(S112)。原稿132の後端エッジを検出した場合(S112:Y)、CPU101は、画像処理部102により、原稿台127に載置された原稿132の原稿サイズをA5と判断する(S108)。原稿132の後端エッジを検出しない場合(S112:N)、CPU101は、読取部119がA5の副走査方向の長さである148[mm]分移動したか否かを判断する(S113)。CPU101は、モータドライバ108に入力する制御用のパルス信号の1パルス当たりの読取部119の移動距離に基づいて、この判断を行う。148[mm]分移動していない場合(S113:N)、CPU101は、引き続き原稿132の後端エッジを検出したか否かを判断する(S112)。148[mm]分移動した場合(S113:Y)、CPU101は、画像処理部102により、原稿台127に載置された原稿132の原稿サイズを候補のうち最も大きいA4Rと判断する(S114)。CPU101は、原稿132の原稿サイズの判断後も読取部119により原稿画像の読み取りを継続する。
【0057】
CPU101は、S108或いはS114の処理で判断した原稿132の原稿サイズを表す原稿サイズ情報を画像形成装置202の制御部260へ通知する(S109)。画像形成装置202の制御部260は、原稿サイズ情報に基づいて給送するシートのサイズを決定する。なお、原稿132の先端エッジを検出しない場合(S104:N)、原稿台127に原稿132が載置されていない可能性がある。この場合、CPU101は、原稿サイズ情報として原稿132が載置されていない通知を画像形成装置202の制御部260へ行う、制御部260は、この通知に応じて、操作部28のディスプレイに原稿台127に原稿132が載置されていないことを表示する。この表示によりユーザは原稿台127への原稿132の載置忘れに気づくことができる。CPU101は、1枚分の原稿132の原稿画像の読み取りが終了すると、読取部119の読取動作を終了する(S110)。以上により画像読取装置201は、原稿画像を読み取りながら原稿サイズを検出することができる。
【0058】
以上のように、原稿台127に原稿132が位置決めされずに載置される場合であっても、画像読取装置201は、原稿サイズをより迅速に特定することができる。その結果、画像形成装置202は、原稿画像の読み取りが完了していない場合であっても複写のための動作を始動することができ、高速な複写が可能となる。即ち、画像形成装置の生産性をより向上させることができる(低下を抑制することができる)。
【0059】
なお、本実施形態では、原稿台127上に載置される原稿132の原稿サイズをA4Rとして説明したが、原稿サイズは上記の定型サイズに限定するものではない。例えば図6のテーブルは定型サイズの場合について例示しているが、このテーブルにユーザにより不定型の原稿サイズを登録できるようにしてもよい。また、確定されたサイズを示す情報を操作部28のディスプレイに表示して、ユーザに確定されたサイズを通知してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8