(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】画像処理装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241021BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20241021BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241021BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241021BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/0481
G03G21/00 386
B41J29/42 F
B41J29/38 202
(21)【出願番号】P 2020116487
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠 郁子
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-088440(JP,A)
【文献】特開2015-191412(JP,A)
【文献】特開2011-002506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/04817
G03G 21/00
B41J 29/42
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能を少なくとも第1の設定値を使用して実行することが設定されている所定のオブジェクトが登録されているホーム画面を表示部に表示する表示制御手段と、
前記ホーム画面上の前記所定のオブジェクトに対する
第1操作を受け付け
、かつ前記第1の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行する指示を受け付けた場合、少なくとも前記第1の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行する処理手段と、
を備え、
前記処理手段は、前記所定のオブジェクトに対する
前記第1操作を受け付け、かつ前記第1の設定値を第2の設定値に変更する指示を受け付け、かつ前記所定の機能の処理を実行する
ための指示を受け付けた場合、少なくとも前記第2の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行し、
前記表示制御手段は、前記所定のオブジェクトに対する
前記第1操作とは異なる第2操作を受け付けた場合、前記処理手段によって
、前記第1の設定値が前記第2の設定値
に変更されて前記所定の機能の処理が実行された
回数が、所定の回数以上であることに基づいて、前記第2の設定値を示す
情報を含む領域を
、前記所定の機能における設定値の変更の候補として前記ホーム画面上に表示し、前記領域に
おける前記第2の設定値を示す情報に対する操作を受け付けたことに基づいて、前記ホーム画面に登録されている前記所定のオブジェクトに設定されている前記第1の設定値が前記第2の設定値に変更され
前記処理手段は、前記領域における前記第2の設定値を示す情報に対する操作を受け付けたことに基づいて前記ホーム画面に登録されている前記所定のオブジェクトに設定されている前記第1の設定値が前記第2の設定値に変更された状態で、前記所定の機能の処理を実行するための指示を受け付けた場合、少なくとも前記第2の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記処理手段によって、
前記第1の設定値が前記第2の設定値
に変更されて前記所定の機能の処理が実行された場合、前記第2の設定値を保存する保存手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記所定のオブジェクトに対する
前記第1操作を受け付け、かつ前記第1の設定値を前記第2の設定値に変更する指示を受け付け、かつ前記所定の機能の処理を実行する
ための指示を受け付けた場合、少なくとも前記第2の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行し、
前記表示制御手段は、前記所定のオブジェクトに対する前記第1操作とは異なる
前記第2操作を受け付けた場合、
前記保存手段によって保存された、前記処理手段によって
前記第1の設定値が前記第2の設定値
に変更されて前記所定の機能の処理が実行された
回数が前記所定の回数以上であることに基づいて、前記ホーム画面上に前記第2の設定値を示す
情報を含む領域を表示し、前記領域に
おける前記第2の設定値を示す情報に対する操作を受け付けたことに基づいて、前記ホーム画面に登録されている前記所定のオブジェクトに設定されている前記第1の設定値が前記第2の設定値に変更される
ことを特徴とする請求
項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、少なくとも前記第1の設定値が登録されている第1の機能を実行するための第1のオブジェクトと、少なくとも第3の設定値が登録されている第3の機能を実行するための第2のオブジェクトを含む前記ホーム画面を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記所定のオブジェクトに対する
前記第2操作を受け付けた場合、前記処理手段によって
前記第1の設定値が前記第2の設定値
に変更されて前記所定の機能の処理が実行された
回数が前記所定の回数以上であることに基づいて、前記ホーム画面から前記所定の機能に関する設定値を変更可能な設定画面に遷移することなく前記ホーム画面上に前記第2の設定値を示す
情報を含む領域を表示し、前記領域
における前記第2の設定値を示す情報に対する操作を受け付けたことに基づいて、前記ホーム画面に登録されている前記所定のオブジェクトに設定されている前記第1の設定値が前記第2の設定値に変更される
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記所定のオブジェクトに対する
前記第2操作を受け付けた場合、前記処理手段によって
前記第1の設定値が前記第2の設定値
に変更されて前記所定の機能の処理が実行された
回数が前記所定の回数以上であることに基づいて、前記ホーム画面上に前記第2の設定値を示す
情報を含む領域と、前記所定の機能に関する設定値を変更可能な設定画面を表示するための領域を含む設定領域を表示する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像処理装置が実行する制御方法であって、
所定の機能を少なくとも第1の設定値を使用して実行することが設定されている所定のオブジェクトが登録されているホーム画面を表示部に表示する表示制御工程と、
前記ホーム画面上の前記所定のオブジェクトに対する
第1操作を受け付け
、かつ前記第1の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行する指示を受け付けた場合、少なくとも前記第1の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行する処理工程と、
を備え、
前記処理工程は、前記所定のオブジェクトに対する
前記第1操作を受け付け、かつ前記第1の設定値を第2の設定値に変更する指示を受け付け、かつ前記所定の機能の処理を実行する
ための指示を受け付けた場合、少なくとも前記第2の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行し、
前記表示制御工程は、前記所定のオブジェクトに対する
前記第1操作とは異なる第2操作を受け付けた場合、前記処理工程によって
、前記第1の設定値が前記第2の設定値
に変更されて前記所定の機能の処理が実行された
回数が、所定の回数以上であることに基づいて、前記第2の設定値を示す
情報を含む領域を
、前記所定の機能における設定値の変更の候補として前記ホーム画面上に表示し、前記領域に
おける前記第2の設定値を示す情報に対する操作を受け付けたことに基づいて、前記ホーム画面に登録されている前記所定のオブジェクトに設定されている前記第1の設定値が前記第2の設定値に変更され
前記処理工程は、前記領域における前記第2の設定値を示す情報に対する操作を受け付けたことに基づいて前記ホーム画面に登録されている前記所定のオブジェクトに設定されている前記第1の設定値が前記第2の設定値に変更された状態で、前記所定の機能の処理を実行するための指示を受け付けた場合、少なくとも前記第2の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータにより実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスなどに設置される複合機などの画像形成装置は、多機能化・高機能化が進み、多数の便利な機能が搭載されるようになっている。一般的に、複合機では、ポータル画面からコピーやファクスなど、インストールされている複数のアプリケーション(アプリ)を選択して、アプリの設定画面を呼び出す。そして、アプリ(例えば、コピー)の設定画面内で、アプリを実行する際の各種の設定項目(例えば、部数)について設定値(例えば、1部)を選択して、アプリを実行する。
【0003】
しかし、各アプリを実行する際に設定すべき設定値は、ユーザによって異なる。そこで、アプリについて設定を繰り返す手番を減らすために、ユーザごとに設定された設定値を呼び出すボタンなどをポータル画面に提供する複合機が知られている(例えば、特許文献1)。このようなボタンとしては、ユーザごとに予め設定した設定値を呼び出すボタン(カスタムボタン)、過去に利用した特定の設定値を呼び出すボタン(履歴ボタン)、特定業務に特化した設定値を呼び出すボタン(業務特化ボタン)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、同じユーザがアプリを実行する場合であっても、例えば、印刷する部数を何部にするか、原稿が片面であるか両面であるかなど、利用目的によって一部の設定値の差分が生じることは容易に想定できる。このような利用目的ごとの設定値に対応できるようにカスタムボタンや履歴ボタンを生成していくと、必要となるボタンの数が膨大になってしまう。また、生成された多数のボタンをポータル画面上に表示しようとすれば、ポータル画面からボタンが溢れてしまい、かえってユーザが所望のボタンを探す手間が増えてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、利用目的ごとの一部の設定値の差分に対応して、画面に表示するボタンの数を増やすことなく、短手番で設定値を選択することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像処理装置は、所定の機能を少なくとも第1の設定値を使用して実行することが設定されている所定のオブジェクトが登録されているホーム画面を表示部に表示する表示制御手段と、前記ホーム画面上の前記所定のオブジェクトに対する第1操作を受け付け、かつ前記第1の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行する指示を受け付けた場合、少なくとも前記第1の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行する処理手段と、を備え、前記処理手段は、前記所定のオブジェクトに対する前記第1操作を受け付け、かつ前記第1の設定値を第2の設定値に変更する指示を受け付け、かつ前記所定の機能の処理を実行するための指示を受け付けた場合、少なくとも前記第2の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行し、前記表示制御手段は、前記所定のオブジェクトに対する前記第1操作とは異なる第2操作を受け付けた場合、前記処理手段によって、前記第1の設定値が前記第2の設定値に変更されて前記所定の機能の処理が実行された回数が、所定の回数以上であることに基づいて、前記第2の設定値を示す情報を含む領域を、前記所定の機能における設定値の変更の候補として前記ホーム画面上に表示し、前記領域における前記第2の設定値を示す情報に対する操作を受け付けたことに基づいて、前記ホーム画面に登録されている前記所定のオブジェクトに設定されている前記第1の設定値が前記第2の設定値に変更され前記処理手段は、前記領域における前記第2の設定値を示す情報に対する操作を受け付けたことに基づいて前記ホーム画面に登録されている前記所定のオブジェクトに設定されている前記第1の設定値が前記第2の設定値に変更された状態で、前記所定の機能の処理を実行するための指示を受け付けた場合、少なくとも前記第2の設定値を使用して前記所定の機能の処理を実行する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用目的に対応して、短手番で設定値を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】画像処理装置の内部構成例及びシステム構成例
【
図2】画像処理装置にインストールされるソフトウェア構成
【
図15A】コピー設定画面に表示される設定変更選択肢リストの例
【
図15B】設定変更選択肢リスト及び設定変更画面の例
【
図16】ボタン呼び出し処理を示す他のフローチャート
【
図17】ボタン設定変更処理を示す他のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための実施形態について説明する。
ただし、以下に説明する各実施形態はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。また、以下の実施形態で説明されている特徴の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
<実施形態1>
<画像処理装置の内部構成>
図1(a)は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
画像処理装置1は、例えば、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)などの画像形成装置から構成される。画像処理装置1は、基本的な構成として、例えば、画像処理装置1内の各部を制御するコントローラユニット100と、操作部112と、スキャナ部123と、プリンタ部125とを備える。
【0012】
操作部112は、例えば、数字を入力するためのテンキーや処理の実行を行うためのスタートキーなどのハードキーや液晶タッチパネルで構成され、ユーザが画像処理装置1を操作するためのユーザインタフェースを提供する。ユーザは、操作部112のハードキーを押下したり、タッチパネルに表示される各設定項目を表すアイコンやボタンをタッチすることで、画像処理装置1に情報の入力をしたり、設定を行うことが可能である。
【0013】
スキャナ部123は、原稿などの画像を画像データとして読み取る。プリンタ部125は、記録用紙を搬送し、記録用紙に画像データを可視画像として印刷する。
コントローラユニット100は、バス122を介してスキャナ部123に接続され、また、バス124を介してプリンタ部125に接続される。また、コントローラユニット100は、LAN113や公衆回線(WAN)114や無線115を介して他の機器に接続して、画像情報やデバイス情報の入出力制御を行う。
【0014】
次に、コントローラユニット100の内部の各ハードウェアについて説明する。CPU101は、システム全体を制御するコントローラである。RAM102は、CPU101が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM103は、ブートROMであり、システムのブートプログラムを格納している。HDD104は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データ、後述する通信部111が有するすべての無線通信に関する情報(無線通信の仕様)を格納する。
画像処理装置1では、使用したい機能を実装したアプリケーション(以下、「アプリ」という)をインストールすることで機能を増やすことができる。アプリをインストールすることにより、画像処理装置1上で各種機能を動かすためのアプリケーションプログラムがRAM102やHDD104に記憶される。
【0015】
操作部I/F106は、ユーザインターフェース(UI)である操作部112とコントローラユニット100との間のインターフェース部であり、操作部112に表示すべきデータを操作部112に対して出力する。また、操作部112からユーザが入力した情報を、CPU101に伝える役割を行う。
ネットワーク部109は、LAN113に接続され、情報の入出力を行う。MODEM110は、WAN114に接続され、情報の入出力を行う。通信部111は、不図示のアンテナを介して無線115に接続され、情報の入出力を行う。また、通信部111は、複数種類の無線通信を行うことが可能である。上記の各ハードウェアは、システムバス107上に配置される。
【0016】
イメージバスI/F105は、システムバス107と、画像データを高速で転送する画像バス108とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス108は、PCIバスまたはIEEE1394などで規定される。
画像バス108上に配置される各デバイスについて、ラスターイメージプロセッサ(RIP)116は、PDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F117は、スキャナ部123またはプリンタ部125をコントローラユニット100に接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部118は、入力画像データに対して補正、加工、編集などを行う。プリンタ画像処理部119は、プリント出力画像データに対して、プリンタ部125に合った補正、解像度変換などを行う。画像回転部120は、画像データの回転を行う。画像処理部121は、画像データに対する、JPEG、JBIG、MMR、MHなどの圧縮伸張処理や、PDF、TIFF、OCR、暗号化などのフォーマット変換処理を行う。
【0017】
図1(b)は、画像処理装置1を含むシステムの構成例である。
画像処理装置1は、LAN113、WAN114、無線115などを介して、ネットワーク3により、外部機器であるサーバ2に接続される。
【0018】
<画像処理装置のソフトウェア構成>
次に、
図2を用いて、画像処理装置1にインストールされているアプリなどのソフトウェア構成について説明する。
画像処理装置1にインストールされるアプリとしては、コピーアプリ211、ファクスアプリ212、ポータルアプリ213などがある。コピーアプリ211はコピー動作に関する機能を有し、ファクスアプリ212は文書データの送信/受信を行うファクス動作に関する機能を有する。また、ポータルアプリ213はポータルに関する機能を有する。これらのアプリは、ユーザにより画像処理装置1に直接インストールされるが、ネットワーク部109や通信部111などを経由して画像処理装置1にインストールされてもよい。インストールされたアプリは、アプリケーションプログラムとしてRAM102やHDD104に記憶される。
【0019】
また、
図1の画像処理装置にインストールされたコピーアプリ211、ファクスアプリ212、ポータルアプリ213などの各アプリは、CPU101の命令により、それぞれが独立して動作する。そのため、各アプリで使用されるデータは、アプリごとにグループ分けされてHDD104に記憶される。なお、各アプリで共有されるデータは、共通データとして、HDD104内に設定された共通データ部220に記憶される。
また、画像処理装置1にインストールされる各アプリには、それぞれのアプリを識別するための識別子として、アプリIDが割り当てられる。アプリIDは、共通データとして共通データ部220に記憶される。以下の説明では、コピーアプリ211のアプリIDを「1000」、ファクスアプリ212のアプリIDを「1001」、ポータルアプリ213のアプリIDを「1002」とする。
【0020】
ウインドウ制御部201は、画像処理装置1にインストールされた複数のアプリについて、どのアプリを操作部112に表示するかを判断する。画像処理装置1にインストールされたコピーアプリ211などの各アプリは、ウインドウ制御部201からの命令に応じて、画面リソースや設定値などのデータをHDD104から取得して表示を行う。ウインドウ制御部201は、例えば、コピーアプリ211(アプリID「1000」)の表示要求を受けると、コピーアプリ211の機能による表示が可能か否かを判断し、表示可能である場合は、コピーアプリ211に表示命令を通知する。なお、表示する際の設定情報などがあれば、表示命令と共に通知される。表示命令を受けたコピーアプリ211は、HDD104内に設定されたコピーデータ部221から画面リソースや設定値を取得して操作部112に表示を行う。
【0021】
一方、コピーデータ部221にないデータを表示する場合は、コピーアプリ211はウインドウ制御部201にデータ要求を通知する。これを受けたウインドウ制御部201は、HDD104内に設定された共通データ部220から対応するデータを取得し、コピーアプリ211に通知する。そして、コピーアプリ211がこのデータの表示を行う。
【0022】
ファクスアプリ212は、HDD104内に設定されたファクスデータ部222との間でファクスに関するデータの送受信が可能である。同様に、ポータルアプリ213は、HDD104内に設定されたポータルデータ部223との間でポータルに関するデータの送受信が可能である。
なお、
図2では、画像処理装置1はコピーアプリ211、ファクスアプリ212、ポータルアプリ213の3種類のアプリを備えているものとして説明したが、これ以外のアプリを備えていてもよいものとする。
【0023】
<タッチパネルを備えた操作部の外観>
図3は、画像処理装置1に備えられた操作部112の外観図である。
操作部112にはタッチパネル300が備えられる。タッチパネル300は、例えば液晶表示部から構成され、液晶表示部上にタッチパネルシートが貼られている。タッチパネル300には操作画面及びソフトキーが表示され、表示されているソフトキーがタッチされるとその位置情報がCPU101に伝えられる。
【0024】
また、操作部112には、ユーザにより操作される各種キーやボタンが備えられる。スタートキー301は、原稿の読み取り動作の開始を指示するときなどに用いられる。スタートキー301の中央部には、緑と赤の2色のLED302が備えられ、その色によってスタートキー301が使用可能な状態にあるか否かが示される。ストップキー303は、稼働中の動作を止めるときなどに用いられる。テンキー304は、数字と文字のボタンで構成されており、コピー部数の設定や、タッチパネル300の画面切り替えなどを指示するために用いられる。ユーザモードキー305は、機器の設定を行う場合に押下される。
【0025】
なお、以下の説明において、「画面を表示する」と言う場合、CPU101が対応する画面表示データと画面制御プログラムをHDD104又はRAM102から呼び出し、画面表示データを操作部112に表示することをいう。
同様に、「ユーザが○○を押下する」などのタッチパネルや各種キーに対する操作を言う場合、画面に表示されているボタン、リスト、各種キーなどをユーザが押下することにより、CPU101が操作部112から位置情報を取得し、画面制御プログラムに基づいて指示された処理を実行することをいう。
【0026】
本実施形態では、各アプリにより各画面で表示される情報(座標、フォント、画像リソース、デフォルト設定値など)はすべて、RAM102、ROM103、HDD104のいずれかに記憶されているものとする。そして、RAM102、ROM103、HDD104などに記憶されている情報は、CPU101の制御により、操作部I/F106を通して操作部112のタッチパネル300上に表示される。
【0027】
<ユーザ認証処理>
図4は、画像処理装置1を起動してからログインユーザの画面が表示されるまでのユーザ認証処理を示すフローチャートである。
図4に示したフローチャートにおける処理は、CPU101がHDD104などに記録されたプログラムを実行することによって実現される。
まず、画像処理装置1においてユーザを識別する設定がONになっている場合、本体起動後、CPU101はタッチパネル300に認証画面を表示する(S401)。
図5に、タッチパネル300に表示される認証画面500の一例を示す。認証画面500には、ユーザ名501とパスワード502を入力する領域がある。
【0028】
画像処理装置1は、認証画面500を表示した後、ユーザ名とパスワードの入力待ち状態となる(S402)。
ユーザが、あらかじめ登録したユーザ名とパスワードをそれぞれ入力し、OKボタン503を押下すると、CPU101はHDD104に保存されているユーザ名とパスワードと入力されたユーザ名とパスワードが一致するかの比較を行う(S403)。
【0029】
ユーザ名とパスワードが一致しない場合(S404でNO)、CPU101はタッチパネル300にエラーメッセージを表示し、再び認証画面500を表示する(S405)。一方、ユーザ名とパスワードが一致した場合(S404でYES)、CPU101は、HDD104に保存されたユーザに紐づく情報を呼び出す(S406)。
呼び出しが完了すると、CPU101はユーザのログインを許可し(S407)、ログインを許可したユーザをログインユーザとして、HDD104に保存する(S408)。その後、CPU101は呼び出したログインユーザの情報を反映したポータル画面をタッチパネル300に表示する(S409)。
【0030】
<ポータル画面>
図6(1)は、ログインユーザの設定を反映したポータル画面の一例である。
ログインユーザのポータル画面には、各アプリを起動するためのメニュー600が表示される。ポータル画面には、表示オブジェクトとして、アプリボタン601~603とカスタムボタン604~606などのボタンが表示される。なお、アプリボタン601~603は、デフォルトの設定値でアプリの実行を指示するための呼出ボタンであり、カスタムボタン604~606は、あらかじめ設定した設定値でアプリの実行を指示するための呼出ボタンである。なお、このようなアプリの実行を指示するために画面に表示されるボタンなどのオブジェクトを表示オブジェクトという。また、例えば、カスタムボタン606については、アイコン607と、ボタン名称608と、このボタンに対するコメント609とが表示されるが、表示される内容はこれらに限定されるものではない。
【0031】
カスタムボタン604~606を表示するための情報は、
図10に示すようなボタン情報テーブルとして管理されHDD104に記憶されている。
図10に示すボタン情報テーブルは、カスタムボタンに割り当てられたカスタムボタンNo.に、アプリID、アクションID、アイコン情報、表示情報及びユーザ情報が関連付けられて記憶されている。
アイコン情報には、アイコンとして表示されるビットマップ形式などの画像データ又は画像データへのパスが含まれる。表示情報には、ボタン名称とコメントが含まれる。ボタン名称は、アイコンに表示されるボタンの名称である。コメントは、アイコンにコメントとして表示される内容である。ユーザ情報には、ユーザ名とパスワードが含まれる。ユーザ情報があるカスタムボタンは、ログインユーザのポータル画面に表示されるが、他のユーザのポータル画面には表示されない。一方、ユーザ情報がないカスタムボタンは、ログインユーザに限られず、すべてのユーザのポータル画面に共通して表示される。なお、アクションIDについては後述する。
【0032】
図6(1)の説明に戻り、スライダーバー610は、メニュー600がスライドして移動可能であることを示している。スライダーバー610をスライドするか、矢印611を押すか、メニュー600内をフリックすることで、CPU101はその入力を受けて、HDD104から次の領域に登録されているアプリボタンやカスタムボタンを呼び出し、表示する。現在のログインユーザの名称は、右上のユーザ名表示領域612に表示される。
図6(1)の例では、現在のログインユーザが「ユーザA」であることを表している。
ポータル画面(
図6(1))のメニュー600において、例えば、コピーボタン601がユーザにより押下されると、タッチパネル300の表示がコピー設定画面に切り替わる。
【0033】
<コピー設定画面>
図7(1)は、コピー設定画面700の一例を示している。コピー設定画面700には、コピー機能に関する設定情報として、各種設定項目についての設定値が表示される。
図7(1)の例では、コピー設定画面700は、カラー選択、倍率、用紙サイズ、部数の各設定項目についての設定値を表示する領域701と、その他の設定項目についての設定値を行表示する各種ボタンなどとで構成されている。
プレビューボタン702は、現在の設定値により出力される画像データをプレビューで表したボタンである。プレビューボタン702を押すと、現在の設定値を詳細に表す画面が表示される。また、コピー機能の基本的な設定項目を設定するボタンとして、カラー選択ボタン703、倍率設定ボタン704、用紙選択ボタン705、仕上げボタン706、両面ボタン707、濃度ボタン708、原稿の種類ボタン709、IDカードコピーボタン710がある。その他の機能ボタン711は、コピー機能のその他の設定項目を設定するために用いられる。
【0034】
設定の履歴ボタン712は、コピー機能について過去に使用された設定値の履歴を表示させるためのボタンである。よく使う設定ボタン713は、よく使う設定値を登録、編集、呼び出す画面を表示するためのボタンである。ホームボタン714は、ポータル画面(
図6(1))に戻るためのボタンである。歯車ボタン715は、アプリ全体に関わる設定項目を表示するためのボタンである。
【0035】
図7(1)の例では、設定値を表示する領域701から、現在の設定値が、カラーは白黒、倍率は100%、用紙サイズは自動、部数は1部であることが分かる。また、仕上げボタン706が反転して表示されていることから、ソートが設定されている状態であることが分かる。
ユーザがこの状態でコピーする原稿をスキャナに置き、スタートキー301を押すと、CPU101がこれらの設定値でコピーを実行する指示を画像処理部121に伝える。そして、ユーザがスタートキー301を押下すると、CPU101はスタートの指示を受けて、画像処理部121にスキャナによる原稿の読み取りを実行させる。読み取り完了後、画像処理部121は、出力画像を生成する。その際に、画像処理部121はコピーで設定された画像に関する機能を出力画像に反映させ、入力原稿のコピーを出力する。
【0036】
<ボタン登録処理>
次に、
図8のフローチャートを用いて、カスタムボタンを登録するためボタン登録処理について説明する。ここでは、コピーアプリ211にカスタムボタンを登録する例について説明する。
図8では、コピーアプリ211により行われる処理と、ポータルアプリ213により行われる処理とを区別するために、コピーアプリ211により行われる処理を左側に、ポータルアプリ213により行われる処理を右側に、記載している。なお、本実施形態における処理はすべて、ポータルアプリ213がHDD104に予め保存されている情報やユーザの入力を取得し、この情報に基づいてCPU101を利用して様々な実行命令を出すことで行われる。また、コピーアプリ211やポータルアプリ213により行われる処理はすべて、CPU101により行われる。
【0037】
ここでは、一例として、コピーアプリ211において、
図6(2)に示すように、部数を2部、両面から両面、ソートしてコピーする設定を、カスタムボタン613としてメニュー600に登録する場合について説明する。
まず、
図7(2)に示すように、コピー設定画面700上において、ユーザにより部数、両面、ソートの各種設定項目について設定値が選択されると、コピーアプリ211がそれらの設定値を検知し、設定情報としてHDD104に記憶する(S801)。
次に、コピーアプリ211は、コピー設定画面700内の歯車ボタン715の押下を検知すると、
図9A(1)に示すように、コピー設定画面700上にメニューリスト901を表示する。そして、メニューリスト901内の登録ボタン902の押下を検知すると、コピーアプリ211はカスタムボタンをポータル画面に登録する登録モードに入る(S802)。
【0038】
登録モードに入ると、コピーアプリ211は、
図9A(2)に示すように、コピー設定画面700上に設定確認画面903をポップアップ表示する(S803)。設定確認画面903には、ユーザにより設定された設定項目(部数、両面設定、など)についての設定値(2部、両面から両面、など)と、キャンセルボタン904と、次へボタン905が表示される。
【0039】
コピーアプリ211は、設定確認画面(
図9A(2))において次へボタン905の押下を検知すると(S804でYES)、ポータルアプリ213へ登録依頼を送信する(S805)。登録依頼の際には、コピーアプリ211は、自らのアプリID(1000)と、カスタムボタンとして表示するアイコン情報をHDD104から取得して、ポータルアプリ213に送信する。なお、部数などの設定値に関する情報は送信されない。
S805の具体的な処理としては、コピーアプリ211は、HDD104内に設定されたコピーアプリ211の記憶領域(共通データ部220及びコピーデータ部221を含む)からアプリIDとアイコン情報を取得する。そして、これらの情報をウインドウ制御部201に通知する。そして、ウインドウ制御部201がこれらの情報をポータルアプリ213に送信する。ポータルアプリ213は、受信した情報を当該ポータルアプリ213の記憶領域(共通データ部220及びポータルデータ部223を含む)に記憶する。
【0040】
コピーアプリ211からポータルアプリ213へ登録依頼が送信されると、ポータルアプリによるボタン作成処理が実行される(S806)。ボタン作成処理が開始すると、まず、ポータルアプリ213はカスタムボタン登録画面を表示する(S807)。
図9B(3)に、コピー設定画面700上にポップアップ表示されるカスタムボタン登録画面906の例を示す。
図9B(3)のカスタムボタン登録画面906には、ボタン表示位置を選択・入力するためのソフトボタンが表示される。カスタムボタン登録画面906において次へボタン907の押下を検知すると、ポータルアプリ213は、カスタムボタン登録画面906をカスタムボタン表示設定画面908に遷移させる。
【0041】
図9B(4)に、コピー設定画面700上にポップアップ表示されるカスタムボタン表示設定画面908の例を示す。カスタムボタン表示設定画面908には、ボタン名称を入力するための入力ボックスと、コメントを入力するための入力ボックスと、が表示される。そして、カスタムボタン表示設定画面908において、入力が完了したことを意味するOKボタン909の押下を検知すると、ポータルアプリ213は、カスタムボタン表示設定画面908にて入力された内容に基づいてカスタムボタンを作成する(S808)。
【0042】
カスタムボタンを作成する処理において、まず、ポータルアプリ213は、各回の登録依頼を一意に識別可能なアクションIDを生成する(本実施形態では、アクションIDとして、「1」から通し番号を付与する)。次に、ポータルアプリ213は、アプリID、アクションID、アイコン情報、及び表示情報に基づいてカスタムボタンを作成する。
具体的には、HDD104内のポータルアプリ213の記憶領域に、ボタン情報テーブル(
図10)として、コピーアプリ211のアプリID、アクションID、アイコン情報、及び表示情報が関連付けられて、カスタムボタンに関する記憶される。
図10に示すボタン情報テーブルには、今回の登録処理により、カスタムボタンNO.4が追加されることが示されている。
カスタムボタンの作成が完了すると、ポータルアプリ213は、完了通知と共に、生成したアクションIDをコピーアプリ211に送信する(S809)。そして、ポータルアプリによるボタン作成処理を終了する。
【0043】
ポータルアプリ213によるボタン作成処理が終了すると、コピーアプリ211は、受信したアクションIDを、S801で記憶された設定情報と関連付けて、HDD104におけるコピーアプリ211の記憶領域に保存する(S810)。そして、カスタムボタンをポータル画面に登録する登録モードを終了する。
【0044】
<アクション情報テーブル>
図11に、HDD104内のコピーアプリ211の記憶領域に保存されたアクション情報テーブルの一例を示す。
図11に示すアクション情報テーブルでは、各アクションIDについて、アクション情報としてアイコン情報及び設定情報が関連付けられて記憶されている。
なお、コピーアプリ211がいつも同じアイコンを使用する場合は、アクションIDとアイコン情報を
図11に示すように関連付けて保存しなくてもよい。
【0045】
上述した
図8のボタン登録処理が行われると、ポータル画面に登録されたボタンの設定情報はコピーアプリ211でのみ保存され、ポータルアプリ213はアクションIDのみを保存する。なお、コピーアプリ211に保存された設定情報をポータルアプリ213から実行する際は、コピーアプリ211にアクションIDの実行命令を通知するだけでよい。このため、ポータルアプリ213がどのようなデータ形式で設定情報を管理していたとしても、同じ手順でポータル画面へ登録することができる。
本実施形態では、アプリの一例としてコピーアプリ211での処理を説明したが、ファクスアプリ212や他のアプリでも、同様の処理を行うことが可能である。
【0046】
<実行処理>
次に、
図12のフローチャートを用いて、メニュー600に表示されているカスタムボタンを呼び出してアプリを実行する処理について説明する。
本実施形態では、
図6(2)に示すメニュー600において、カスタムボタン613が押下された例について説明する。
図12では、ポータルアプリ213により行われるボタン呼び出し処理を左側に、コピーアプリ211により行われるアクションID処理を右側に、記載している。
【0047】
メニュー600上のカスタムボタン613の押下を検知すると、ポータルアプリ213は、ボタン情報テーブル(
図10)から、押下されたカスタムボタンに対応するカスタムボタンNo.を検索する(S1201)。
次に、ポータルアプリ213は、ボタン情報テーブルからカスタムボタンNo.に対応するアプリIDとアクションIDを取得し、アプリIDに該当するアプリへアクションIDを通知する(S1202)。ここでは、ボタン情報テーブル(
図10)におけるカスタムボタン613に対応するカスタムボタンNo.4から、アプリIDとして「1000」、アクションIDとして「2」が取得され、取得されたアクションIDがコピーアプリ211に通知される。
【0048】
コピーアプリ211へアクションIDが通知されると、アクションID処理が実行される(S1203)。アクションIDを受信したコピーアプリ211は、アクション情報(
図11)の中から、受信したアクションIDに対応する設定情報を取得する(S1204)。
次に、コピーアプリ211は、当該アプリに係る設定内容確認画面をタッチパネル300にポップアップ表示する(S1205)。
【0049】
図9C(5)は、コピー設定画面700にポップアップ表示される設定内容確認画面910の例である。設定内容確認画面910には、取得されたアクション情報に含まれるアプリ固有の設定値が表示される。
次に、設定内容確認画面910に表示されているOKボタン911の押下を検知すると(S1206でYES)、コピーアプリ211は、受信したアクションIDに対応する設定情報を反映させたコピー設定画面を表示する(S1207)。
図7(2)は、設定情報を反映させたコピー設定画面の例である。ユーザは、
図7(2)のコピー設定画面において、カスタムボタン613に紐づく設定情報のまま実行指示をすることができ、また、いずれかの設定値を変更してから実行指示をすることもできる。
【0050】
次に、コピーアプリ211は、操作部112のスタートキー301がユーザにより押下されるのを待って(S1208)、処理を実行する(S1209)。この場合の処理は、S1207で表示されるコピー設定画面(
図7(2))で設定された設定値報に基づいて実行される。
次に、コピーアプリ211は、実行の際の設定情報と、S1204で取得した設定情報とを比較し、設定情報が変更されたか否かを判断する(S1210)。そして、変更された場合は、差分となる設定値を
図13に示す設定情報差分テーブルに保存する(S1211)。そして、アクションID処理を終了する。
【0051】
S1210の具体的な処理として、S1207で表示されるコピー設定画面(
図7(2))で、ユーザにより白黒、片面の設定がされてから、操作部112のスタートキー301が押下され、S1209の処理が実行された場合について説明する。この場合、コピーアプリ211は、実行の際の設定情報と、アクション情報テーブル(
図11)のうち受信したアクションID(「2」)に対応する設定情報と、を比較する。
その結果、差分の設定情報(設定情報差分)は、白黒及び片面となる。そこで、コピーアプリ211は、HDD104内のコピーアプリ211の記憶領域における設定情報差分テーブル(
図13)に該アプリに関連するカスタムボタンごとに設定情報差分を記憶する。設定回数は、S1210において設定情報差分として抽出される度に、1ずつカウントアップされる。
図13(1)には、アクションID「2」に対応して、白黒及び片面の各設定値について、設定回数がそれぞれ「1」となったことが示されている。
【0052】
<ボタン設定変更処理>
次に、
図14のフローチャートを用いて、メニュー600に表示されているカスタムボタンに対して設定変更指示をしてからアプリを実行する処理について説明する。過去にユーザが表示オブジェクトであるカスタムボタンに紐付く設定の一部を変更してから処理を実行した場合、変更後の設定値である履歴情報が表示オブジェクト毎に記憶される。そして、当該記憶した履歴情報に基づいて、変更回数の多い設定がユーザにレコメンド表示される。ユーザがカスタムボタンに紐付く設定を変更して処理実行した回数が所定の回数以上となった場合、つまり設定情報差分テーブル(
図13)に記録されるレコードの数が所定値を超える場合に
図14に示す処理が行われるようにしてもよい。
ここでは、
図6(1)に示すメニュー600において、カスタムボタン604に対して設定変更指示がなされた例について説明する。
図14では、ポータルアプリ213により行われるボタン設定変更処理を左側に、また、呼び出されたコピーアプリ211により行われるアクションID処理を右側に、記載している。
【0053】
ポータル画面(
図6(1))上のカスタムボタン604の設定変更指示を検知すると、ポータルアプリ213は、ボタン情報テーブル(
図10)から、設定変更指示がされたカスタムボタンに対応するカスタムボタンNo.を検索する(S1401)。この場合の指示は、
図12に示したボタン呼び出し処理を開始するための指示(S1201)と区別することができるものであれば何でもよい。本実施形態では、S1201のボタン呼び出し処理の開始は押下操作としているので、設定変更指示はそれ以外の操作であれば何でもよい。例えば、長押し操作、2回以上の連続押下操作や、ボタン呼び出し処理の開始のためのボタン反応領域と設定変更指示のためのボタン反応領域を分ける、などでも構わない。
【0054】
次に、ポータルアプリ213は、ボタン情報テーブル(
図10)からカスタムボタンNo.に対応するアプリIDとアクションIDを取得し、アプリIDに該当するアプリへアクションIDを通知する(S1402)。ここでは、ボタン情報テーブル(
図10)におけるカスタムボタン604に対応するカスタムボタンNo.1から、アプリIDとして「1000」、アクションIDとして「1」が取得され、取得されたアクションIDがコピーアプリ211に通知される。
【0055】
コピーアプリ211へアクションIDが通知されると、アクションID処理が実行される(S1403)。なお、S1403でのアクションID処理の内容は、後述するように、S1203でのアクションID処理とは異なる。
まず、アクションIDを受信したコピーアプリ211は、設定情報差分テーブル(
図13)の中から、受信したアクションIDに対応する設定情報差分を取得する(S1404)。
次に、コピーアプリ211は、取得した設定情報差分に基づいてカスタムボタン604に対する設定変更選択肢リストをタッチパネル300にポップアップ表示する(S1405)。
【0056】
図15A(1)に、カスタムボタン604に対する設定変更選択肢リスト1500の例を示している。設定変更選択肢リスト1500には、設定ボタンとして、設定変更候補ボタン1501及び1502と、その他の設定ボタン1503が表示される。ここでは、設定ボタン1501、1502、1503は、カスタムボタンが表示されるポータル画面上に表示される。つまり、カスタムボタンの設定変更指示を検知すると画面は遷移せず、カスタムボタンと同一画面に設定ボタンが表示される例を示しているが、これに限らない。カスタムボタンの設定変更指示を検知すると画面が遷移して設定ボタン1501、1502、1503が表示されるようにしてもよい。
設定変更候補ボタン1501及び1502は、設定情報差分テーブル(
図13)の中から、設定回数の多い順から優先的に設定値を表示するボタンである。また、その他の設定ボタン1503は、当該アプリから使用可能なすべての設定項目にアクセスするための設定ボタンである。
図15A(1)の例では、
図13(1)の設定情報差分テーブルに基づいて、設定回数が「7」の右上ホチキス及び設定回数が「5」の両面が、設定変更候補ボタン1501及び1502として表示されている。
【0057】
なお、タッチパネル300のメニュー600領域内に表示可能な設定変更選択肢ボタンの上限個数は、
図15A(1)の例では2つであるが、メニュー600のレイアウトなどによって可変であり、特定の値には限られない。
また、設定情報差分テーブル(
図13)に受信したアクションIDに対応する設定情報差分がない場合は、設定変更選択肢ボタンは表示されず、当該アプリから使用可能なすべての設定項目にアクセスするためのその他の設定ボタン1503のみが表示される。あるいは、その他の設定ボタン1503に加えて、当該アプリで一般的に設定されることの多い1又は複数の設定値を設定変更候補ボタンの初期値として表示してもよい。
【0058】
次に、コピーアプリ211は、設定変更選択肢リスト1500に表示されている設定変更候補ボタンのいずれかが押下されたかを判断する(S1406)。
例えば、設定変更候補ボタンである右上ホチキスボタン1501の押下を検知すると(S1406でYES)、コピーアプリ211は右上ホチキスボタン1501の色を反転させる(
図15A(2))。それとともに、アクション情報テーブル(
図11)中のアクションID「1」に該当する設定情報に紐づけられて、右上ホチキスの設定がHDD104に記憶される(S1407)。
【0059】
一方、設定変更候補ボタン以外のボタンの押下を検知すると(S1406でNO)、コピーアプリ211は、押下されたボタンがその他の設定ボタン1503であるか否かを判断する(S1408)。
押下されたボタンがその他の設定ボタン1503である場合、コピーアプリ211は、受信したアクションIDに対応する設定情報を、コピーアプリ211で設定可能なすべての設定項目にアクセスできる設定変更画面に表示する(S1409)。また、その他の設定ボタン1503が押下される前に設定変更候補ボタン1501、1502のいずれかが押下されていた場合は、その設定値を反映させて表示する。
【0060】
図15B(4)に、その他の設定ボタン1503の押下により表示される、コピーアプリ211で使用可能なすべての設定項目にアクセスできる設定変更画面1504の例を示す。ユーザは設定変更画面1504において、いずれかの設定値を変更することができる。
図15B(4)の設定変更画面1504に表示される内容は、
図7(1)に示したコピー設定画面700と同様であってもよい。また、より簡単に操作できるように、例えば、設定項目をリスト形式で表示するなど、コピー設定画面700とは別の設定変更用の画面を提供してもよい。ただし、コピーアプリ211で使用可能なすべての設定項目にアクセスできる設定変更画面1504では、
図7(1)のコピー設定画面700にはなかった、戻る1505ボタンが表示される。
【0061】
次に、コピーアプリ211は、設定変更画面1504(
図15B(4))に表示されている戻るボタンが押下されたかを判断する(S1410)。
戻る1505ボタンの押下を検知すると(S1410でYES)、コピーアプリ211は、設定変更画面1504で変更された設定値をアクション情報テーブル(
図11)のアクションID「1」に該当する設定情報に紐づけてHDD104に記憶する。また、
図15B(3)に示すように、その他の設定ボタン1503の色を反転させて表示させる(S1411)。
一方、S1406で設定変更選択肢リスト1500(
図15A(1))以外の領域が押下されたことを検知すると(S1406でNOかつS1408でNO)、コピーアプリ211はアクションID処理を終了する。
【0062】
なお、設定変更候補ボタン1501及び1502(
図15A(1))において、先に設定されている設定値と組み合わせ不可の設定値に関するボタンは選択不可とする。同様に、設定変更画面1504(
図15B(4))において、先に設定されている設定値と組み合わせ不可の設定値に関するボタンも選択不可とする。例えば、ボタンの色を押下中の反転色と異なる灰色に変更したり、操作できない網掛けに変更したりする。
なお、先に設定されている内容と組み合わせ不可の設定値がある場合、必ずしも先に設定されている設定値を優先しなくてもよい。例えば、後から設定された設定値を優先して、先に設定された設定値を後から設定された設定値と組み合わせ可の設定値に自動的に変更してしまってもよい。
【0063】
次に、コピーアプリ211は、操作部112のスタートキー301がユーザにより押下されたら(S1412でYES)、処理を実行する(S1413)。この場合の処理は、S1407又はS1411でHDD104に記憶された設定情報に基づいて実行される。ここで、組み合わせ不可の設定値をユーザに通知する方式としては、組み合わせ不可の設定がされたタイミングでボタンを選択不可とすることには限られない。例えば、S1412のタイミングで「組み合わせできない設定は自動的に変更されました」などのメッセージを表示するようにしてもよい。後者の場合は、S1413において、コピーアプリ211は、S1407又はS1411でHDD104に記憶された設定情報を、自動的に補正された設定情報に変更してから処理を実行する。
【0064】
その後、コピーアプリ211は、実行の際の設定情報と、S1402で取得されたアクション情報テーブル(
図11)のアクションIDに該当する設定情報と、を比較し、設定情報が変更されたか否かを判断する(S1414)。
設定情報が変更されていない場合は(S1414でNO)、コピーアプリ211は、そのままアクションID処理を終了する。
【0065】
一方、設定情報が変更された場合は、コピーアプリ211は、差分となる設定値である設定情報差分を設定情報差分テーブル(
図13)に保存する(S1415)。その後、アクションID処理を終了する。
S1415の具体的な処理として、例えば、S1407又はS1411で右上ホチキス設定とカラー設定がされた場合について説明する。この場合、コピーアプリ211は、S1414にて設定情報差分として右上ホチキス設定とカラー設定を抽出し、設定情報差分テーブル(
図13(2))の右上ホチキスの設定回数を7から8にカウントアップする。また、カラーの設定を設定情報差分として新たに記憶する。
【0066】
このように、実施形態1によれば、特定の設定情報が付与されたカスタムボタンについて、設定情報が変更された場合、カスタムボタンごとに設定情報差分を保存する。これにより、カスタムボタンごとに、設定変更候補ボタンとして、利用目的ごとの細かな設定値の差分をユーザに提示することができるため、短手番で所望の設定値を選択することができる。また、カスタムボタンの設定を変更する場合は、変更候補ボタンを表示するようにし、アプリボタンの設定を変更する場合は、すべての設定項目にアクセスできる設定変更画面を表示するように切り替えることもできる。
【0067】
<実施形態2>
実施形態1では、アクションID処理(
図12)において、設定情報を反映させたコピー設定画面700(
図7(2))を表示させ(S1207)、操作部112のスタートキー301が押下されてから(S1208)、処理を実行した(S1209)。
これに対して、実施形態2では、コピー設定画面700にポップアップ表示された設定内容確認画面910(
図9C(5))において、ユーザによりOKボタン911が押下されたら(S1206でYES)、処理を実行するようにする。すなわち、実施形態2では、実施形態1で説明した
図12のフローチャートにおいてS1207~S1208の処理をスキップし、S1206の直後にS1209の処理を開始するようにする。
【0068】
実施形態2においても、ボタン設定変更処理(
図14)のフローチャートにおいて、コピーアプリ211で使用可能なすべての設定項目にアクセスできる設定変更画面1504(
図15B(4))が表示される。そして、設定変更画面1504において、カスタムボタンに登録されている設定項目の変更をすることができる(S1409)。また、カスタムボタンごとに設定情報差分を保存することができる(S1415)。
【0069】
このように、実施形態2においても、カスタムボタンごとに、設定変更候補ボタンとして、利用目的ごとの細かな設定値の差分をユーザに提示することができるため、短手番で所望の設定値を選択することができる。
【0070】
<実施形態3>
実施形態1では、設定変更選択肢リスト1500(
図15A(1))における設定変更候補ボタン1501、1502として、例えば、右上ホチキス、両面などのように、設定値を表示するように構成した。
これに対して、実施形態3では、設定変更候補ボタンとして設定項目を表示するように構成する。
【0071】
これに伴い、実施形態3では、設定情報差分テーブル(
図13)において、設定情報差分として、設定値の代わりに設定項目を記憶する。例えば、
図13(2)の設定情報差分テーブルに示すように、アクションID「1」に関する設定情報差分について、両面、右上ホチキス、カラーという各設定値の代わりに、両面、仕上げ、カラー選択という各設定項目を保存する。
【0072】
また、
図14のボタン設定変更処理のフローチャートのS1405において、設定変更選択肢リスト1500(
図15A(1))における設定変更候補ボタン1501、1502として、仕上げ、両面設定、カラー選択という各種設定項目が表示される。そして、設定変更候補ボタン1501、1502として表示されている設定項目のいずれかの押下を検知すると、押下された設定項目に関連する設定変更画面を表示し、設定変更画面上の設定値ボタンとOKボタンのいずれかの押下を検知するとS1406に戻る。
【0073】
例えば、設定変更候補ボタンとしてカラー選択という設定項目が表示されている場合に、そのボタンの押下が検知されると、
図15C(5)に示すようなカラー選択の設定項目に関連するカラー設定画面1506が表示される。そして、カラー設定画面1506において、設定値ボタン1507~1511のいずれかが選択され、OK1512ボタンの押下が検知されると、S1406の処理に戻る。
なお、
図15C(5)に示したカラー設定画面1506は、コピー設定画面700(
図7(1))においてカラー選択ボタン703が選択された場合における表示される選択画面と同様の構成であってもよい。また、より簡単に操作できるように、例えば、各種設定値がリスト形式で表示されるような画面であってもよい。
【0074】
このように、実施形態3によれば、カスタムボタンごとに表示する設定変更候補ボタンとして設定項目を表示させ、いずれかの設定項目が選択された場合には、その設定項目に関連する設定値を選択するための設定変更画面を表示させる。
これにより、設定変更候補ボタンとして表示可能な上限個数が限られている場合であっても、より多くの設定値の差分に対応することができる。
【0075】
<実施形態4>
実施形態1では、設定変更選択肢リスト1500(
図15A(1))として表示される設定変更候補ボタンに、設定情報差分テーブル(
図13)の設定情報差分として記憶された設定値のうち、設定回数の多い順から優先的に表示するように構成した。
【0076】
しかし、設定変更候補ボタンにおいて表示すべき設定値の中には、例えば、コピーの場合は部数や両面設定など課金に関する設定値や、ファクスの場合は宛先に関する設定値のように、設定回数にかかわらず、常に表示させた方がよいものもある。そこで、実施形態4では、設定変更候補ボタンとして常に表示すべき設定値や設定項目については、固定表示するように構成する。
【0077】
これに伴い、実施形態4では、設定情報差分テーブル(
図13)において、アクションID及び設定情報差分に加えて、「固定表示する/しない」という情報も記憶する。そして、設定情報差分テーブルに「固定表示する」として記憶された設定値については、他の設定値の設定回数にかかわらず、設定変更選択肢リスト1500(
図15A(1))において常に設定変更候補ボタン1501、1502として表示する。
【0078】
このように、実施形態4によれば、特定の設定値や設定項目については、設定回数にかかわらず、常に設定変更候補ボタンとして表示することにより、短手番で所望の設定値を選択することができる。
【0079】
<実施形態5>
実施形態1では、設定変更選択肢リスト1500(
図15A(1))において表示する設定変更候補ボタン1501、1502として、設定値を表示するように構成した。
これに対して、実施形態5では、設定変更候補ボタンとして、設定値の組み合わせを表示するように構成する。
【0080】
これに伴い、実施形態5では、
図13(3)に示すように、設定情報差分テーブルにおいて、設定値の組み合わせと設定回数を関連付けて設定情報差分として記憶する。例えば、
図13(3)の設定情報差分テーブルでは、アクションID「1」に関する設定情報差分において、「両面、右上ホチキス」や「カラー、2in1」のように、変更された設定値の組み合わせを一括で記憶する。
【0081】
また、
図14のボタン設定変更処理のフローチャートのS1404において、設定変更候補ボタン1501、1502として、「両面、右上ホチキス」や「カラー、2in1」のように、設定値の組み合わせが表示される。なお、設定値の組み合わせが表示される設定変更候補ボタン1501及び1502の選択は排他的とし、複数の設定変更候補ボタンを同時に選択することはできないものとする。そこで、先に設定された設定変更候補ボタンがある場合には、その他の設定ボタン1503を除いて、それ以外の設定変更候補ボタンはすべて押下(選択)できないようにする。例えば、ボタンの色を押下中の反転色と異なる灰色に変更したり、操作できない網掛けに変更したりする。
【0082】
このように、実施形態5によれば、設定変更候補ボタンとして、設定値の組み合わせを表示するようにするため、より短手番で所望の設定値を選択することができる。
【0083】
<実施形態6>
実施形態1では、
図14に示したボタン設定変更処理の対象となるボタンをメニュー600(
図6(1))のカスタムボタン604~606として構成した。
これに対して、実施形態6では、ボタン設定変更処理の対象となるボタンをアプリボタン601~603として構成する。
これに伴い、実施形態6では、
図12のフローチャートに示したボタン呼び出し処理は、
図16のフローチャートのように変更される。
【0084】
図16のフローチャートについて、メニュー600(
図6(1))において、アプリボタンとして、コピーボタン601が押下されたものとして説明する。
メニュー600上のコピーボタン601の押下を検知すると、コピーアプリ211は、HDD104から設定値などを取得して、コピー設定画面700(
図7(1))を表示する(S1601)。コピー設定画面700において、ユーザは各種コピー機能を設定するボタンを用いて設定値を選択する。
操作部112のスタートキーが押下されると(S1602)、コピーアプリ211は処理を実行する(S1603)。この場合の処理は、S1601で表示される画面上で設定された設定情報に基づいて実行される。
【0085】
次に、コピーアプリ211は、実行の際の設定情報と、S1601で取得した設定情報とを比較し設定情報が変更されたか否かを判断する(S1604)。
設定情報が変更された場合は(S1604でYES)、差分となる設定値である設定情報差分をHDD104内のコピーアプリ211の記憶領域に、
図13(4)の設定情報差分テーブルに示すように、設定値と設定回数とを関連付けて記憶する(S1605)。なお、設定回数は、S1604において設定情報差分として抽出される度に1ずつカウントアップされる。そして、ボタン呼び出し処理を終了する。
一方、設定情報が変更されなかった場合は(S1604でNO)、そのままボタン呼び出し処理を終了する。
【0086】
また、アプリボタン601~603に対してボタン設定変更処理を実行する場合は、実施形態1で説明した
図14のフローチャートは、開始点と終了点がアプリケーション側となり、また、S1401とS1402の処理は省略される。
【0087】
このように、実施形態6によれば、デフォルトの設定値でアプリを実行するアプリボタンについても、設定情報が変更された場合、設定情報差分を保存する。アプリボタンについては、カスタムボタンに比べると、利用の目的が多様であるが、多数の設定差分情報が収集されるため、実際の利用目的ごとの細かな設定値の差分をユーザに提示することができる。
【0088】
<実施形態7>
実施形態1では、設定変更選択肢リスト1500(
図15A(1))における設定変更候補ボタン1501、1502に、設定情報差分テーブル(
図13)の設定情報差分に含まれる設定値のうち、設定回数の多い順に表示上限個数まで表示するように構成した。
これに対して、実施形態7では、設定変更候補ボタンが選択される度に、選択された設定値と関連度の高い設定値に設定変更候補ボタンを更新するように構成する。
【0089】
これに伴い、実施形態7では、
図13(5)に示す設定情報差分テーブルのように、設定情報差分に加え、選択された設定候補ボタンと同時に設定された設定値を関連設定情報として記憶する。例えば、
図12に示したボタン呼び出し処理のS1210において、両面、右上ホチキス、2in1という設定情報差分が抽出されたとする。この場合、
図13(5)に示すように、設定情報差分の設定値として両面、右上ホチキス、2in1を、設定回数をそれぞれ1ずつカウントアップして記憶する。さらに、それぞれの設定値に対して、同時に抽出された設定値を関連設定情報の設定値として、設定回数を1ずつカウントアップして記憶する。例えば、設定値として両面を挙げると、ここでは、両面と同時に右上ホチキス、2in1が設定されたため、関連設定情報の設定値として、右上ホチキス、2in1をテーブル情報に記憶するとともに、それぞれの設定回数を「1」カウントアップする。
【0090】
また、ボタン設定変更処理を示すフローチャートは、実施形態1で説明した
図14の代わりに、
図17のようになる。
図17のフローチャートにおいて、S1701からS1707までの処理は、
図14のフローチャートのS1401からS1407までの処理と同様である。また、S1709からS1716までの処理は、
図14のフローチャートのS1401からS1407までの処理と同様である。ただし、
図14のフローチャートと対比して、S1708のステップが追加されている点において相違する。ただし、
図17のフローチャートは、
図14のフローチャートと対比して、S1708のステップが追加されている点において相違する。
【0091】
図17のフローチャートにおいて、コピーアプリ211は、S1406の処理に続き、
図13(5)に示す設定情報差分テーブルからS1406で押下された設定値の関連設定情報を取得する。そして、取得した関連設定情報の中から、関連度の高い(設定回数の多い)順に上限個数まで設定値を抽出し、設定変更候補ボタン1501、1502を更新して表示する(S1708)。例えば、S1406において設定変更候補ボタンとして両面が選択されたとすると、設定情報差分テーブル(
図13(5))を検索し、関連度の高い順に上限個数まで設定値(ここでは、白黒、3部)を設定変更候補ボタンとして更新して表示する。
【0092】
このように、実施形態7によれば、選択された設定値に関連する関連設定情報を収集し、これに基づいて設定変更候補ボタンを更新して表示する。これにより、選択された設定値と関連度の高い設定値をより短手番で選択することができる。
【0093】
<実施形態8>
実施形態1では、設定情報差分を記録する設定情報差分テーブル(
図13)は、画像処理装置1のHDD104内の各アプリの記憶領域に保存されるように構成した。
これに対して、実施形態8では、設定情報差分テーブルを、画像処理装置1内ではなく、LAN113、WAN114、無線115などを介して、ネットワーク3により接続される、外部機器であるサーバ2に保存するように構成する。
【0094】
これに伴い、実施形態8では、CPU101が、コピーアプリ211の指示に基づいて、サーバ2に記憶されている設定情報差分を、ネットワーク3を介して取得し、コピーアプリ211に通知する。
なお、サーバ2との接続に不具合が発生し、保存した設定情報差分をサーバ2から取得できなくなることもあると考えられる。こうした場合には、設定変更選択肢リスト1500(
図15A(1))における設定変更候補ボタン1501、1502には、コピーアプリ211についての設定値のうち、使用回数が多い順に上限個数まで表示する。
【0095】
このように、実施形態8によれば、設定情報差分テーブルを画像処理装置1に接続された外部機器であるサーバ2に保存する。また、サーバ2との接続に不具合が発生した場合、設定変更候補ボタン1501、1502としては、設定情報差分に依らず、使用回数に基づいて設定値を表示する。
【0096】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。すなわち、上述した構成例及びその変形例を組み合わせた構成もすべて本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0097】
1 画像処理装置
112 操作部
700 コピー設定画面
1500 設定変更選択肢リスト
1501、1502 設定変更候補ボタン