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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241021BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241021BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
G03G21/16 104
G03G21/00 310
G03G15/16
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020185332
(22)【出願日】2020-11-05
(65)【公開番号】P2022074907
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】谷口 公一
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-200281(JP,A)
【文献】特開2005-308991(JP,A)
【文献】特開2004-125901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 21/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成する画像形成部と、
一次転写位置において前記画像形成部からトナー像が転写される中間転写ベルトであって、転写されたトナー像が二次転写位置において記録材に転写される中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルトの搬送方向において、前記二次転写位置よりも下流で前記一次転写位置よりも上流に配置された第1クリーニングユニットであって、前記ベルトに接触してトナーを静電的に回収する第1ファーブラシ及び第2ファーブラシを備えた第1クリーニングユニットと、
前記中間転写ベルトの搬送方向において、前記二次転写位置よりも下流で前記第1クリーニングユニットよりも上流に配置され、前記ベルトに接触してトナーを静電的に回収する第3ファーブラシを備えた第2クリーニングユニットと、
前記第1クリーニングユニット及び前記第2クリーニングユニットの下方の位置で前記第1クリーニングユニット及び前記第2クリーニングユニットと対向して設けられ、前記二次転写位置を通過した記録材を搬送する搬送路と、を備えた画像形成装置において、
前記第1クリーニングユニットを鉛直方向下方に投影した空間を第1空間とし、記録材の搬送方向において、前記第1クリーニングユニットよりも上流で前記第2クリーニングユニットよりも下流に配置された前記中間転写ベルトを鉛直方向下方に投影した空間を第2空間としたとき、前記装置本体の正面側に配置され、ジャム処理する際に前記第1空間及び前記第2空間にアクセス可能な開口部と、を備え、
前記中間転写ベルトの搬送方向と直交する前記中間転写ベルトの幅方向からみたとき、前記第2空間の、前記中間転写ベルトの幅方向に直交する左右方向の幅は、前記第2クリーニングユニットと前記搬送路との間の鉛直方向の幅よりも長くなるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記中間転写ベルトの前記幅方向からみたとき、前記開口部は、前記第1クリーニングユニットを鉛直方向に投影した第1領域と、前記第2クリーニングユニットを前記中間転写ベルトの幅方向と直交する水平方向に投影した第2領域と、が重なる領域を含む位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記中間転写ベルトの搬送方向において、前記第1クリーニングユニットよりも上流で、前記第2クリーニングユニットよりも下流に配置され、前記中間転写ベルトの表面をカバーするカバー部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送路上の記録材を搬送する搬送ユニットを備え、前記搬送ユニットは、前記第1クリーニングユニットの下方で前記第1クリーニングユニットと対向して配置され、記録材を搬送する第1搬送装置と、前記第2クリーニングユニットの下方で前記第2クリーニングユニットと対向して配置され、記録材を搬送する第2搬送装置と、を備え、前記第2搬送装置は、記録材搬送方向の上流側は、前記第2クリーニングユニットよりも上方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送ユニットは、前記中間転写ベルトの前記幅方向に引き出し可能に構成され、ジャム処理時において、前記搬送ユニットが装着された状態で前記開口部から前記第1空間及び前記第2空間にアクセス可能に構成されていることを特徴する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記中間転写ベルトの幅方向からみたとき、前記開口部は、縦方向に5cm以上15cm以下であり、横方向に10cm以上20cm以下であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成部が収容される第1筐体と、前記第1筐体に設けられ、前記第1筐体から記録材を排出するための排出開口部と、前記排出開口部から排出された記録材を受入れる受入部を備え、前記第1筐体と接続される第2筐体と、を備え、前記排出開口部は、前記開口部からアクセス可能であることを特徴する請求項1乃至6いずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像を担持するベルトを静電クリーニングするベルトクリーニング装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置として、各色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応する感光ドラムと、感光ドラムからトナー像が転写される中間転写ベルトを備える画像形成装置が知られている。
【0003】
このような画像形成装置では、中間転写ベルトのクリーニング手段として、弾性ブレードを中間転写ベルトに当接させてクリーニングを行う方法がある。また、ベルトに付着したトナーを回収ローラに付着させて電気的に回収する方法(静電クリーニング方式)がある。ベルトが弾性層を含む場合は後者の静電クリーニング方式が用いられることが一般的である。電気的に回収するには一般的に数KVというオーダーの電圧を印加する必要がある。このとき、電圧を印加することでトナーの極性が反転してしまうことがあり、極性が反転したトナーの回収を行うために通常2本の印加ローラが使われることが多い。
【0004】
近年では、クリーニング性を向上するために、従来の2本のクリーニングローラに加えて、3本目のクリーニングローラ(もしくはブラシ)を追加する構成も提案されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-233946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静電クリーニング方式の場合、クリーニング部材としてのファーブラシの他に、ファーブラシに電圧を印可するための金属ローラや、金属ローラからトナーを剥ぎ取るブレード等が設けられることが多い。このため、クリーニング部材の本数が増加すると、それに伴って付属される部品も増加するため、大型化しやすい。記録材を二次転写部に対して水平方向に搬送する水平搬送型の画像形成装置の場合、通常、クリーニング装置の下方には、二次転写部を通過した用紙が搬送される用紙搬送路が設けられている。このため、クリーニング装置が大型化すると用紙搬送路の上方空間がクリーニング装置に占有されてしまい、ジャム処理空間が確保しづらく、クリーニング装置下方で発生したジャムを取り除く作業がしづらいという課題があった。
【0007】
そこで、ベルトを外側から張架する外掛けローラを配置し、搬送路の上方に配置されたベルトを内側に屈曲させてベルトの張架断面積を減らし、ジャム処理空間を確保する構成も考えられるが、構成が複雑化してしまう課題がある。そこで、本発明は、ベルトをファーブラシで静電クリーニングする画像形成装置において、ファーブラシの本数を増加しても、簡易な構成でジャム処理空間を確保し、ジャム処理時のユーザビリティの低下を抑制可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、トナー像を形成する画像形成部と、一次転写位置において前記画像形成部からトナー像が転写される中間転写ベルトであって、転写されたトナー像が二次転写位置において記録材に転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの搬送方向において、前記二次転写位置よりも下流で前記一次転写位置よりも上流に配置された第1クリーニングユニットであって、前記ベルトに接触してトナーを静電的に回収する第1ファーブラシ及び第2ファーブラシを備えた第1クリーニングユニットと、前記中間転写ベルトの搬送方向において、前記二次転写位置よりも下流で前記第1クリーニングユニットよりも上流に配置され、前記ベルトに接触してトナーを静電的に回収する第3ファーブラシを備えた第2クリーニングユニットと、前記第1クリーニングユニット及び前記第2クリーニングユニットの下方の位置で前記第1クリーニングユニット及び前記第2クリーニングユニットと対向して設けられ、前記二次転写位置を通過した記録材を搬送する搬送路と、を備えた画像形成装置において、前記第1クリーニングユニットを鉛直方向下方に投影した空間を第1空間とし、記録材の搬送方向において、前記第1クリーニングユニットよりも上流で前記第2クリーニングユニットよりも下流に配置された前記中間転写ベルトを鉛直方向下方に投影した空間を第2空間としたとき、前記装置本体の正面側に配置され、ジャム処理する際に前記第1空間及び前記第2空間にアクセス可能な開口部と、を備え、前記中間転写ベルトの搬送方向と直交する前記中間転写ベルトの幅方向からみたとき、前記第2空間の、前記中間転写ベルトの幅方向に直交する左右方向の幅は、前記第2クリーニングユニットと前記搬送路との間の鉛直方向の幅よりも長くなるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ベルトをファーブラシで静電クリーニングする画像形成装置において、ファーブラシの本数を増加しても、簡易な構成でジャム処理空間を確保し、ジャム処理時のユーザビリティの低下を抑制可能な画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置全体を示す図
図2】クリーニング装置を説明する図
図3】クリーニング装置の配置を説明する図
図4】保護部材を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に沿って本実施例の画像形成装置について説明する。なお、画像形成装置の構成部品の寸法、材質、及びその相対位置等は、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、各図において同一の符号を付したものは、同一の構成または作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0012】
<画像形成装置>
図1は、本実施例に係る画像形成装置の概略構成を示す。画像形成装置100は、複数の画像形成部としてそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する第1、第2、第3、第4の画像形成部(ステーション)SY、SM、SC、SKを有する。第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、後述する中間転写ベルト6の移動方向に沿って等間隔にこの順番で配置されている。各画像形成部SY、SM、SC、SKにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。
【0013】
図1に示すように、感光ドラム1Y、1M、1C、1K(潜像担持体)は、矢線A方向へ回転し、その表面は帯電装置2Y、2M、2C、2Kにより一様に帯電される。露光装置3Y、3M、3C、3Kは、画像情報に基づいて感光ドラム1Y、1M、1C、1Kを露光する。周知の電子写真プロセスによって画像情報に応じた静電潜像が感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成される。
【0014】
現像装置4Y、4M、4C、4Kは、それぞれ有彩色トナーのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)とブラック(K)トナーを内包する。前述の静電潜像はそれら現像装置4Y、4M、4C、4Kにより現像され、各感光ドラム1Y、1M、1C、1K面上にトナー像が形成される。静電潜像の露光部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。
【0015】
また、中間転写ベルト6は、感光体ドラム1の表面に当接されるよう配設されている。中間転写ベルト6は、複数の張架ローラ20、21、22、23、25、26に張架されて矢印Gの方向へ150~470mm/secで回動するようになっている。本実施の形態では、張架ローラ20は中間転写ベルト6の張力を一定に制御するようにしたテンションローラである。また、張架ローラ22は中間転写ベルト6の駆動ローラ(下流ローラ)である。また、張架ローラ21は二次転写用の対向ローラである。対向ローラ21は、二次転写位置で中間転写ベルト6の内面に接触して設けられ、2次転写ローラ9と協働して二次転写ニップを形成する。
【0016】
2次転写ローラ9は、中間転写ベルト6と協働して2次転写ニップを形成し、転写材を挟持して搬送する。2次転写ローラ9は、二次転写位置(2次転写ニップ)で中間転写ベルト6から転写材(記録材)にトナー像を二次転写する。
【0017】
1次転写ローラ5は、一次転写位置において、各感光ドラム1Y、1M、1C、1K上のトナー像を中間転写ベルト6上に1次転写する。1次転写ローラ5は、中間転写ベルト6を介して各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kの対向に配置される。1次転写ローラ5には、トナー像と逆極性の定電圧制御された転写バイアスが印加される。
【0018】
1次転写ローラ5はイオン導電系発泡ゴムの弾性層と芯金からなり、外径が15~20mm、抵抗値が23℃、50%RH環境測定、2KV印加で1E+5~1E+8Ωの転写ローラを使用した。
【0019】
2次転写ローラ9はイオン導電系発泡ゴムの弾性層と芯金からなり、外径が20~25mm、抵抗値が23℃、50%RH環境測定、2KV印加で1E+5~1E+8Ωの転写ローラを使用した。
【0020】
また、張架ローラ21は電子導電性のゴムの弾性層と芯金からなり、外径が20~22mm、抵抗値が23℃、50%RH環境測定、50V印加で1E+5~1E+8Ωの転写ローラを使用した。
【0021】
レジストローラ8は、中間転写ベルト6上のトナー像が2次転写ニップに搬送されてくるのに同期して2次転写部に転写材7を供給する。
【0022】
その際、2次転写ローラ9にトナー像と逆極性の定電圧制御された転写バイアスを印加する。例えば+1~+7KVの転写電圧を印加し+40~+120μAの電流を流し、中間転写ベルト6上のトナー像を転写材7に転写する。
【0023】
次いで転写材7は、二次転写位置を通過した用紙を搬送する搬送路を形成する定着前搬送装置41、定着前搬送装置42により、定着装置30に搬送導入され、トナー像の加熱加圧定着工程を受ける。定着前搬送装置41および42は、幅方向の中央部にベルト体が回動しており、その上に転写材7を載せて搬送する。ベルト体は、幅100~110mmの厚み1~3mmでEPDMなどのゴム材質からなり、径3~7mmの穴があいており、内側から吸引することで転写材7の担持力を高め搬送性を安定させている。定着前搬送装置41および42は、搬送ユニットを形成し、装置本体の手前側に引き出し可能に構成されている。
【0024】
定着前搬送装置41は、静電クリーニング装置11の下方に配置されている。定着前搬送装置41の記録材搬送方向の上流側は、静電クリーニング装置11よりも上方に配置され、二次転写位置よりも下方に配置されている。こうすることで、静電クリーニング装置11の配置スペースを確保しつつ、二次転写位置から定着前搬送装置41へ転写材の受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0025】
静電クリーニング装置11及び静電クリーニング装置12は、中間転写ベルト6上の2次転写残トナーを静電的に回収してクリーニングする。クリーニングされた中間転写ベルト6は画像形成・作像工程に繰り返し使われる。
【0026】
また、本実施例における装置の構成は、図1に示す第1筐体Hと定着装置30を含む排紙処理ユニットを搭載し第2筐体Bに分かれている。この構成によって定着装置30や排紙処理ユニットを付け替えることで生産性や出力物に多様性を持たせることができる。
【0027】
<静電クリーニング装置>
図2に示すように、ベルトクリーニング装置である静電クリーニング装置12(第1クリーニングユニット)は、中間転写ベルト6の近傍に配置されたクリーニング容器としての装置ハウジング121を有する。装置ハウジング121は、静電ファーブラシ122、123を回転可能に支持する。この装置ハウジング121の内部には静電ファーブラシ122、123の他に、アルミニウム製金属ローラ124、125、クリーニングブレード126、127が設けられている。静電クリーニング装置12は、ユニット化されており、中間転写ベルト6を備えた転写ユニットとしての中間転写ユニットが装置本体から着脱された際に、中間転写ベルト6に対して着脱可能に構成されている。
【0028】
また、図2に示すように、ベルトクリーニング装置である静電クリーニング装置11(第2クリーニングユニット)は、中間転写ベルト6の近傍に配置されたクリーニング容器としての装置ハウジング111を有する。装置ハウジング111は、静電ファーブラシ112を回転可能に支持する。この装置ハウジング111の内部には、静電ファーブラシ112の他に、アルミニウム製金属ローラ113、クリーニングブレード114が設けられている。静電クリーニング装置11は、静電クリーニング装置12とは別にユニット化されており、中間転写ベルト6を備えた中間転写ユニットが装置本体から着脱された際に、中間転写ベルト6に対して着脱可能に構成されている。
【0029】
ファーブラシは、糸の抵抗値が3E+5~1E+13(Ω/cm)、繊維太さは2~15デニールのカーボン分散型ナイロン繊維、アクリル繊維またはポリエステル繊維をその植毛密度5万本~50万本/inch^2の割合で金属ローラ上に植毛して成る。
【0030】
上記静電ファーブラシ112、122、123は中間転写ベルト6に対し約1.0~2.0mmの侵入量を保って摺接配置され、不図示の駆動モータにより、中間転写ベルト6の搬送速度の20~80%の速度でもって矢印方向へ回動するように形成されている。金属ローラ113、124、125は、静電ファーブラシ112、122、123に対して1.5~2.5mmの侵入量を保って配置され、静電ファーブラシ112、122、123と同等の速度で矢印方向へ回転されるように配置されている。金属ローラ113、124、125に当接するクリーニングブレード114、126、127はウレタンなどの板状のゴムである。クリーニングブレード114、126、127は、厚みが1.6~2.2mm、IRHD硬度で70~78°(23℃,50%RH)のものを用い、金属ローラに侵入量0.5~2.0mmを保って配置されている。
【0031】
トナー搬送部材115、128はスクリュー形状で構成され、それぞれトナー搬送路141、142の内部において回転可能に設けられ、回転に伴ってトナーを搬送する。
【0032】
静電クリーニング装置11は、中間転写ベルト6を挟んで静電ファーブラシ112と対向するように対向クリーニングローラ24が設けられている。対向クリーニングローラ24には、直流電源により負極性に-20uAの定電流制御された直流電圧が印加されるようになっている(本実施の形態では-20uAとしたがこの限りではない)。対向クリーニングローラ24に印可された電圧により、中間転写ベルト6の回転方向に対して最上流に配置されている静電ファーブラシ112が中間転写ベルト6に残留するトナーを静電クリーニングする。
【0033】
静電クリーニング装置12に設けられている静電ファーブラシ122、123は、中間転写ベルト6を挟んで張架ローラ22に対向して配置されている。
【0034】
静電ファーブラシ122は、中間転写ベルト6の回転方向に対して、静電ファーブラシ112の次に配置されている。静電ファーブラシ122は、金属ローラ124から電流が供給されるように構成されている。金属ローラ124は、直流電源により負極性に-40uAの定電流制御された直流電圧が印加されるようになっている(本実施の形態では-40uAとしたがこの限りではない)。静電ファーブラシ123は、中間転写ベルト6回転方向に対して最下流に位置する。金属ローラ125には、直流電源により正極性に+20uAの定電流制御された直流電圧が印加され、静電ファーブラシ123に電流を供給するようになっている(本実施の形態では+20uAとしたがこの限りではない)。クリーニングに適したクリーニング電界をファーブラシと中間転写ベルト6の間に形成し、中間転写ベルト6上の転写残トナーをファーブラシ112、122、123に吸着回収する。吸着回収したトナーをさらに電界によりファーブラシ112、122、123から金属ローラ113、124、125に転移し、クリーニングブレード114、126、127により掻き落とす。掻き落とされたトナーはトナー搬送部材によって回収容器へと搬送される。
【0035】
<静電クリーニング装置のレイアウト構成>
次に、本実施例における静電クリーニング装置の配置について説明する。
【0036】
上述したように、図2で示すクリーニング装置は、第1クリーニングユニット(第1静電クリーニング装置12)と第2クリーニングユニット(第2静電クリーニング装置11)に分割されている。第1クリーニングユニットとしての静電クリーニング装置12には、前述した第一の静電ファーブラシ122と第二の静電ファーブラシ123が設けられている。第2クリーニングユニットとしての静電クリーニング装置11には、第三の静電ファーブラシ112が設けられている。
【0037】
静電クリーニング装置11は、中間転写ベルト6の搬送方向において、静電クリーニング装置12よりも上流側に配置されている。さらに、静電クリーニング装置11は、静電クリーニング装置12の下面より鉛直方向下方に位置している。
【0038】
本実施例では、静電クリーニング装置11は、転写材の搬送方向において、静電クリーニング装置12の上流端よりも上流側(図3の紙面右側)に配置している。また、静電クリーニング装置11は、鉛直方向から見て、静電クリーニング装置12と重ならない位置に設けられている。こうすることで、JAM処理空間Jを確保することができる。つまり、静電クリーニング装置12の下方にジャム処理時にアクセス可能なスペースが確保できる。また、静電クリーニング装置11の位置を、静電クリーニング装置12の下面よりも下方となる位置まで二次転写位置側に遠ざけることで、静電クリーニング装置11の左側に生じたスペースをジャム処理スペースとして利用することができる。
【0039】
図3のように、JAM処理空間Jは、第1空間として第1JAM処理空間J1と、第2空間としての第2JAM処理空間J2からなる。第1JAM処理空間J1は、静電クリーニング装置12と定着前搬送装置42の間に設けられている空間である。第2JAM処理空間J2は、記録材の搬送方向において、静電クリーニング装置11よりも下流に配置され、静電クリーニング装置12よりも上流に配置され、中間転写ベルト6と搬送路の間に設けられ、第1空間と隣接する空間である。本実施例では、記録材の搬送方向において、第1JAM処理空間J1の幅よりも第2JAM処理空間J2の幅の方が長くなるように静電クリーニング装置11と静電クリーニング装置12の間に間隔が設けられている。
【0040】
本実施例では、第2JAM処理空間J2の間隔(図3の左右方向の幅)は、静電クリーニング11の幅(図3の左右方向の幅)よりも大きく設定されている。また、静電クリーニング装置11は、装置本体の幅方向(中間転写ベルト6の幅方向と直交する水平方向)から見て、静電クリーニング装置12と重ならない位置に設けられている。即ち、静電クリーニング装置11の上面は、静電クリーニング装置12の下面よりも下方に配置されている。
【0041】
これは、図3に示すように、駆動ローラ22が2次転写ローラ21よりも上方に配置され、中間転写ベルト6が駆動ローラ22と2次転写ローラ21の間で斜めに張架されているためである。上記配置によって、静電クリーニング装置11の左側と静電クリーニング装置12の直下である図のJの部分に空間を設けることが可能となる。
【0042】
尚、ジャム処理を行う場合は、ジャム紙を図3の右側に引抜く必要がある。このため、図3の左右方向におけるジャム処理空間Jの幅を大きく確保することが望ましい。そこで、本実施例では、静電クリーニング装置11と静電クリーニング装置12に分割するにあたり、静電クリーニング装置12側に2本のファーブラシ122、123を配置し、静電クリーニング装置11側には1本のファーブラシとしている。このため、静電クリーニング装置11に2本のファーブラシを設ける場合に比べて、左右方向のサイズを抑制することができる。このため、第2JAM処理空間J2を広く確保することができる。また、静電クリーニング装置12の2本のファーブラシは、鉛直方向からみて、重なる位置に配置されている。このため、静電クリーニング装置12の左右方向のサイズをコンパクトにでき、静電クリーニング装置11と静電クリーニング装置12の左右方向の間隔を広げることができ、JAM処理空間J2の幅を大きくすることができる。
【0043】
<JAM処理空間>
本実施例のJAM処理空間Jについて説明する。JAM処理空間Jは、本体稼働中においては図示しない第1筐体の前カバーによってふさがれている。JAMが発生した際に前カバーを開くと、第1筐体の内カバーにJAM処理空間Jと略同一開口部(第3空間)を設けられている。このため、転写ユニット及び搬送ユニットが装着されたまま、ユーザーがその開口部からJAM処理空間Jにアクセスすることが可能となる。
【0044】
即ち、JAM処理用の開口部は、中間転写ベルト6の幅方向から見たとき、静電クリーニング装置12を鉛直方向に投影した第1領域と、静電クリーニング装置11を左右方向に投影した第2領域とが重なる領域を含む位置に形成されている。また、JAM処理用の開口部は、静電クリーニング装置12よりも下方に配置され、転写材の搬送方向において、静電クリーニング装置11よりも下流で、静電クリーニング装置12の下流端よりも上流となる位置に設けられている。また、JAM処理用の開口部は、中間転写ベルト6の幅方向と直交する水平方向において、静電クリーニング装置11と静電クリーニング装置12の間となる領域まで延設して設けられている。
【0045】
次に、JAM処理空間Jの必要性について説明する。前述したように、本実施例は第1筐体Hと第2筐体Bから構成されている。このとき、転写材7が、第1筐体Hと第2筐体Bにまたがって停止した場合、第1筐体H側に転写材7を引き出す必要がある。引き出し方向は、本実施例においては、転写材7を右側に引き出すことになる。第1筐体Hに転写材7を引き出す理由は、図3のC部分(搬送ユニット)がユーザーによって手前に引き出される構成(以下、搬送レールと呼ぶ)をとっており、その目的は、両面搬送路に停止した転写材Tを取り出すためである。
【0046】
転写材7を取り除かずに、搬送レールを引き出してしまうと、転写材7が第1筐体Hおよび第2筐体Bの間で詰まってしまい、例えば転写材7が破損し、一部が筐体内に残ってしまう可能性がある。そのため、転写材7を取り除いた後で、転写材Tを取り除く必要がある。このとき、JAM処理空間Jを設けることによって、ユーザーが転写材7を問題なく引き出す作業が可能となる。
【0047】
JAM処理空間Jはユーザーの手の大きさや、姿勢によって必要な大きさは変動することになるが、本実施例においては、鉛直方向に15cm左右方向に20cm空間を設けている。これにより、手の大きさや姿勢にかかわらず、ストレスなく転写材7を引き出すことが可能である。上記空間を設けられない場合、少なくとも鉛直方向50mmおよび左右方向100mmの空間を有することが望ましい。即ち、開口部の大きさは、縦方向に5cm以上15cm以下であり、横方向に10cm以上20cm以下が好ましい。
【0048】
<中間転写ベルト保護部材>
また、本実施例において、JAM処理空間Jの直上は中間転写ベルト6となっているため、ユーザーが転写材7を引き出す際、もしくは転写材7をつかむ際に誤って中間転写ベルト6に触れる恐れがある。中間転写ベルト上に皮脂が付着したり、または表面に傷がついてしまうと、中間転写ベルト6に転写される転写画像に影響を与えてしまうことから、ユーザーが中間転写ベルト6に触れることは望ましくはない。したがって、本実施例において、中間転写ベルト6にユーザーが触れることができないように、カバー部材としての保護部材27を設けている。図4に示すように、保護部材27は、静電クリーニング装置12に固定されており、静電クリーニング装置11を装着すると同時に保護部材が静電クリーニング装置11に固定される構成となっている。保護部材27は、中間転写ベルト6の幅方向において、最大画像形成領域よりも大きく、保護部材27の両端は、最大画像形成領域の両端よりも外側に配置されている。
【0049】
本実施例においては、静電クリーニング装置12が中間転写ベルトの回転方向において上流、静電クリーニング装置11が下流に配置されている例を示したが、それぞれのクリーニング手段が逆に配置されていてもよい。つまり、クリーニング手段122,123が上流であり、クリーニング手段112が下流の場合でもクリーニング手段が分割されることによって得られる空間をJAM処理空間として用いることができれば効果は同様に得られる。
【0050】
また、本実施例では、静電クリーニング装置11が静電クリーニング装置12の下面よりも下方に配置された例を説明したが、静電クリーニング装置12よりも下方であればよい。静電クリーニング装置11の一部は、静電クリーニング装置12の下面よりも上方に位置しても良い。
【符号の説明】
【0051】
1Y、1M、1C、1K 感光ドラム(潜像担持体)
2Y、2M、2C、2K 帯電装置
3Y、3M、3C、3K 露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5 1次転写ローラ
6 中間転写ベルト
7 転写材
8 レジストローラ
9 二次転写ローラ
10 中間転写ベルトユニット
11、12 静電クリーニング装置
20 中間転写ベルトのテンションローラ
21 二次転写用の対向ローラ
22 中間転写ベルトの駆動ローラ
23、25、26 張架ローラ
27 保護部材
30 定着装置
40 搬送ハウジング
41 定着前搬送装置
50 回収トナー容器
111 装置ハウジング
112、122、123 静電ファーブラシ
113、124、125 金属ローラ
114、126、127 クリーニングブレード
115、128 トナー搬送部材
141 トナー搬送路
142 トナー搬送路
H 第1筐体
B 第2筐体
T 転写材
C 搬送レール
図1
図2
図3
図4