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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20241021BHJP
   A61F 13/532 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
A61F13/56 110
A61F13/532 200
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020214081
(22)【出願日】2020-12-23
(65)【公開番号】P2022099978
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 秀憲
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-065741(JP,A)
【文献】実開昭60-017717(JP,U)
【文献】特表2000-510375(JP,A)
【文献】米国特許第04505704(US,A)
【文献】特開2012-011099(JP,A)
【文献】特表2014-515255(JP,A)
【文献】特開2009-142454(JP,A)
【文献】特開2009-213584(JP,A)
【文献】特開2011-067563(JP,A)
【文献】実開平01-176422(JP,U)
【文献】特開2014-171688(JP,A)
【文献】特開2008-136877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向、縦方向、及び厚さ方向を有する吸収性物品であり、
液透過性トップシートと、吸収体と、使用時に非肌面側となる面に剥離剤が塗布された液不透過性バックシートと、をこの順で含み、
さらに、前記吸収性物品の前記幅方向に沿った断面視において、前記液透過性トップシートの端部と、前記液不透過性バックシートの端部とが、液不透過性不織布によって接合されている接合部を含む、本体部;及び
剥離シート用基材と、前記剥離シート用基材の表面に積層された粘着層と、を含む剥離シート;
を少なくとも備え、
前記剥離シートは、前記粘着層が前記液不透過性バックシートの表面の少なくとも一部を被覆するように、前記本体部の表面上に配置されており
前記吸収性物品を幅方向に断面視した状態において、前記粘着層の端部外縁は、前記接合部の端部内縁よりも突出し、かつ、前記接合部の端部外縁よりも突出しておらず、
前記液不透過性バックシートは、前記剥離シートと接する表面に、前記剥離剤が塗布されている、
吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品は、前記剥離シートが外側となり、前記本体部が内側となるように巻回してロール体とすることが可能である、
請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収体は、前記液不透過性バックシートと接する側の表面に、前記吸収性物品の前記縦方向に沿って凹溝が並列に2本以上形成されており、
前記本体部は、前記凹溝に沿って折り曲げ可能である、
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、から構成されており、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収される。このような吸収性物品には、吸収パッド(尿取りパッド、軽失禁パッド等)、紙おむつ(パンツ型紙おむつ、テープ止め型紙おむつ等)、生理用ナプキン等のように用途に応じて様々な製品が存在する。そして、使用対象についても、ベビー用から高齢者等の介護用まで幅広い。このように、吸収性物品と一口にいっても、その用途や製品のバリエーションは幅広く、様々な製品が展開されている。
【0003】
吸収性物品について、例えば、特許文献1には、液不透過性シートと、該液不透過性シートの一面側に配設された液透過性シートと、これらの液不透過性シートと液透過性シートとの間に配設された、一方向に長い吸収体とを備えた吸収性物品であって、前記吸収体の幅方向の両側に沿って該吸収体の長さ方向にそれぞれ延びる一対の筒状部と、これらの一対の筒状部内にそれぞれ挿通された、該筒状部の長さ方向に延びる一対の紐状部材とを有し、前記一対の紐状部材は、両端部が、挿通された前記筒状部の長さ方向の両端部にそれぞれ固定されていると共に、これらの各紐状部材における両端部以外の部分は、該筒状部の周面に設けられた導出孔を通して筒状部の外部に引き出し自在である、吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-233603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、吸収性物品と一口にいってもその用途や製品のバリエーションは幅広いため、幅広い用途に使用でき、高い汎用性を有する吸収性物品の開発が望まれている。そして、吸収性物品には、保管時の省スペース化に優れることも望まれている。例えば、吸収性物品を倉庫や店舗等に保管及び収納する場合はもちろんのこと、避難所や各種施設に備蓄される災害時等の非常用の防災用品として保管される場合にも、省スペース化のニーズがある。近年の大災害等に対する防災意識の高まりから防災用品の備蓄が進められているため、特に、防災用品としての吸収性物品についてこのようなニーズが高まっている。さらに、災害発生時においては、吸収パッド(尿取りパッド、軽失禁パッド等)、紙おむつ(パンツ型紙おむつ、テープ止め型紙おむつ等)、生理用ナプキン等の幅広い用途に使用可能であり、高い汎用性を有する吸収性物品が重宝されるであろう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、幅広い用途に使用可能であり、高い汎用性を有し、かつ、保管時の省スペース化に優れる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、幅方向、縦方向、及び厚さ方向を有する吸収性物品であり、液透過性トップシートと、吸収体と、使用時に非肌面側となる面に剥離剤が塗布された液不透過性バックシートと、をこの順で含み、吸収性物品の幅方向に沿った断面視において、液透過性トップシートの端部と、液不透過性バックシートの端部とが、液不透過性不織布によって接合されている、本体部;及び剥離シート用基材と、剥離シート用基材の表面に積層された粘着層と、を含む剥離シート;を少なくとも備え、剥離シートは、粘着層が液不透過性バックシートの表面の少なくとも一部を被覆するように、本体部の表面上に配置されている、吸収性物品とすることに知見を得て、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0009】
(1)
幅方向、縦方向、及び厚さ方向を有する吸収性物品であり、液透過性トップシートと、吸収体と、使用時に非肌面側となる面に剥離剤が塗布された液不透過性バックシートと、をこの順で含み、前記吸収性物品の前記幅方向に沿った断面視において、前記液透過性トップシートの端部と、前記液不透過性バックシートの端部とが、液不透過性不織布によって接合されている、本体部;及び剥離シート用基材と、前記剥離シート用基材の表面に積層された粘着層と、を含む剥離シート;を少なくとも備え、前記剥離シートは、前記粘着層が前記液不透過性バックシートの表面の少なくとも一部を被覆するように、前記本体部の表面上に配置されている、吸収性物品である。
(2)
前記吸収性物品は、前記剥離シートが外側となり、前記本体部が内側となるように巻回してロール体とすることが可能である、(1)に記載の吸収性物品である。
(3)
前記吸収体は、前記液不透過性バックシートと接する側の表面に、前記吸収性物品の前記縦方向に沿って凹溝が並列に2本以上形成されており、前記本体部は、前記凹溝に沿って折り曲げ可能である、(1)又は(2)に記載の吸収性物品である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、幅広い用途に使用可能であり、高い汎用性を有し、かつ、保管時の省スペース化に優れる吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係る吸収性物品を、使用時に肌面側となる側から見た下面図である。
図2図2は、図1のX1-X1線の断面図である。
図3図3は、図2の端部の部分断面図である。
図4図4は、本実施形態に係る吸収性物品の使用態様の一例を示す部分断面図である。
図5図5は、図4の吸収性物品を切断した状態を示す部分断面図ある。
図6図6は、図5の切断された吸収性物品から剥離シートを引き剥がそうとする状態を示す部分断面図である。
図7図7は、本実施形態に係る吸収性物品の使用態様の別の一例を示す上面図である。
図8図8は、図7の端部の部分断面図である。
図9図9は、図8の剥離シートの一部を剥がして下着に貼り付けた状態を示す部分断面図である。
図10図10は、図7の吸収性物品を巻回したロール体の側面図である。
図11図11は、図10のロール体の端部を引き出して、必要量を切断した状態を示す側面図である。
図12図12は、本実施形態に係る吸収性物品の使用態様の別の一例を示す上面図である。
図13図13は、図12の吸収性物品の使用状態の一例を示す部分断面図である。
図14図14は、本実施形態に係る吸収性物品の両端を折り曲げてを下着に取り付けた場合の一例を示す下面図である。
図15図15は、図14のX2-X2線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0013】
そして、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0014】
なお、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
【0015】
図1は、本実施形態に係る吸収性物品を、使用時に肌面側となる側から見た下面図であり、図2は、図1のX1-X1線の断面図であり、図3は、図2の端部の部分断面図である。
【0016】
本実施形態に係る吸収性物品1は、幅方向X、縦方向Y、及び厚さ方向Zを有する吸収性物品1であり、液透過性トップシート11と、吸収体12と、使用時に非肌面側となる面に剥離剤が塗布された液不透過性バックシート13と、をこの順で含み、吸収性物品1の幅方向Xに沿った断面視において、液透過性トップシート11の端部111と、液不透過性バックシート13の端部131とが、液不透過性不織布14によって接合されている、本体部10;及び剥離シート用基材21と、剥離シート用基材21の表面に積層された粘着層22と、を含む剥離シート20;を少なくとも備え、剥離シート20は、粘着層22が液不透過性バックシート13の表面の少なくとも一部を被覆するように、本体部10の表面上に配置されている、吸収性物品1である。
【0017】
本体部10は、吸収性物品1を幅方向Xに断面視した状態(図1におけるX1-X1線の断面視)において、液透過性トップシート11の端部111と、液不透過性バックシート13の端部131とが、液不透過性不織布14によって接合されている。具体的には、図2に示すように、液不透過性不織布14の一方の端部は、第1接合部151を介して、液不透過性バックシート13の端部131と接合されており、かつ、液不透過性不織布14のもう一方の端部は、第2接合部152を介して、液透過性トップシート11の端部111と接合されている。これにより、液不透過性不織布14によって本体部10の端部処理も兼ねることができる。
【0018】
剥離シート20は、粘着層22が液不透過性バックシート13の表面の少なくとも一部を被覆するように、本体部10の表面上に配置されている。
【0019】
特に断りがない限り、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の着用時及び着用後の少なくとも一方をいう。着用とは、吸収性物品1を身体に装着した状態をいう。吸収性物品1は、通常衣類の内部において身体に装着されるものであるが、吸収性物品1の少なくとも一部が外部に露出するように身体に装着してもよい。
【0020】
そして、肌側面とは、吸収性物品1の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌に臨む面であり、非肌側面とは、吸収性物品1の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の衣服に臨む面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
【0021】
また、吸収性物品1が体液を吸収する仕組みとしては、例えば、まず、肌側面である液透過性トップシート11を体液が通過し、吸収体12が体液を吸収する。そして、非肌側面である液不透過性バックシート13が体液の外部への漏出を防止して、体液が吸収体12に保持される。
【0022】
なお、吸収性物品1の幅方向Xとは、吸収性物品1の短手方向である。吸収性物品1の縦方向Yとは、幅方向Xに対して直交する方向であり、吸収性物品1の長手方向である。吸収性物品1の厚さ方向Zとは、液透過性トップシート11、吸収体12、及び液不透過性バックシート13等の各部材の積層方向であり、図1における紙面の垂直方向である。なお、上述したように、図1は、肌面側となる側から見た概略図であり、図2において下方から上方に向けて(液透過性トップシート11側から液不透過性バックシート13側に向けて)見た状態を図示している。
【0023】
以下、各構成部材について説明する。
【0024】
<本体部>
【0025】
本体部10は、肌側面から非肌側面に向けて(図2の下方から上方に向けて)、液透過性トップシート11、吸収体12、及び液不透過性バックシート13が積層されている。
【0026】
(液透過性トップシート)
【0027】
液透過性トップシート11は、着用時には肌側面となるから、吸収体12に向けて体液を速やかに通過させる性質を有することが好ましい。このような観点から、体液が吸収体12へ移動可能な液透過性を有する基材を用いることができる。液透過性トップシート11としては、例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の親水性の不織布、サーマルボンド/スパンボンド等の同種又は異種の不織布を積層した複合不織布、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等からなる発泡フィルム、これらの2種以上の積層体である複合シート等が挙げられる。これらの中でも、体液の吸収体12への移行性(液透過性)、吸収性物品1内での体液の拡散性等の観点から、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド/スパンボンド複合不織布等であることが好ましい。これら不織布の材料としては、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維等が挙げられる。
【0028】
液透過性トップシート11には、例えば、液透過性等を向上させる観点から、その表面にエンボス加工又は穿孔加工を施してもよい。エンボス加工及び穿孔加工は、公知の方法によって施すことができる。また、肌への刺激を低減させるため、液透過性トップシート11は、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有してもよい。
【0029】
(吸収体)
【0030】
吸収体12は、体液を吸収する部材である。吸収体12としては、例えば、高吸収性ポリマー121とパルプとを含むことが好ましい。
【0031】
パルプとしては、木材パルプ、古紙パルプ、非木材パルプ等が挙げられる。パルプは、木材パルプ100%からなるものであってもよいし、木材パルプの他に、古紙パルプや非木材パルプを含んでいてもよいが、フラッフパルプであることが好ましい。木材パルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が好ましく、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)がより好ましい。針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)としては、サウザンパインやダグラスファー等のNBKPを用いることができる。古紙パルプを含む場合、古紙パルプとしては、ミルクカートン等が好ましい。
【0032】
パルプの坪量は、特に限定されないが、180g/m以上375g/m以下であることが好ましい。この坪量は、例えば、測定対象を切り取って、試験片を得る。そして、試験片の質量及び面積を測定し、その質量を面積で除することによって試験片の坪量として算出することができる。なお、後述するSAP粒子を含有する場合は、その質量を除いた後に質量を測定する。
【0033】
高吸収性ポリマー121は、SAP(Super Absorbent Polymer)等とも呼ばれ、体液を吸収し、かつ、体液の逆流を防止できるものであれば特に限定されない。SAPとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマーを含む重合体が挙げられる。かかる重合体としては、例えば、ポリアクリル酸塩、ポリアスパラギン酸塩、(デンプン-アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸-ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン-無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、質量当たりの体液吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩であることが好ましく、ポリアクリル酸ナトリウムであることがより好ましい。そして、これらは、粒状の粒子(SAP粒子)であることが好ましい。
【0034】
高吸収性ポリマー121の坪量は、特に限定されないが、例えば、吸収量、触感、及び吸収後の快適性等の観点から、70g/m以上125g/m以下であることが好ましい。
【0035】
さらに、吸収体12は、液不透過性バックシート13と接する側の表面に、吸収性物品1の縦方向Yに沿って凹溝122が並列に2本以上形成されており、本体部10は、凹溝122に沿って折り曲げ可能であることが好ましい。本実施形態では、吸収性物品1には、7本の凹溝122が、縦方向Yに沿って並列に配置されている場合を例示している。これによって、本体部10を縦方向Yに沿って曲げやすいという利点が得られる。例えば、詳細は後述するが、このような吸収性物品1を下着Uに装着して使用する際、凹溝122のいずれかを起点にして折り曲げることで、横モレ防止用の堰き止めとして機能する折り返し部B(図15参照)を設けることができる。
【0036】
なお、凹溝122の溝の深さについては、本体部10が、吸収体12の凹溝122に沿って、折り曲げ可能である程度の深さであることが好ましい。このように、使用目的や着用者の好み等に応じて、本体部10の寸法形状を容易に変更できるため、適用できる用途の幅が広がり、汎用性が一層向上する。
【0037】
吸収体12に凹溝122を設けない場合、本体部10を折り曲げると吸収体12の厚さ(厚さ方向Z参照)の分だけ屈曲部分が膨らんでしまい、嵩張ってしまうことが起こり得るが、凹溝122を設けることにより、このような屈曲部分の膨らみを解消できるため、折り曲げ時の省スペース化を一層向上させることができる。
【0038】
吸収体12は、公知の吸収性物品に用いられる吸収体の製法に準拠して形成させることができる。例えば、ドラム状の積繊機(例えば、積繊ドラム等)を用いて吸収体12を形成する製造方法を採用できる。あるいは、エアレイド等のように連続したワイヤー上に積繊する製造方法であってもよい。また、凹溝122を形成する場合には、例えば、積繊する際に、凹溝122の形状に対応した凸部を有するワイヤーを用いることによって、凹溝122を形成する方法を採用できる。あるいは、凹溝122が形成されていないフラットな吸収体を作製し、その後に、凹溝122に対応するエンボス賦形を行う方法を採用することもできる。
【0039】
(液不透過性バックシート)
【0040】
液不透過性バックシート13は、吸収体12が保持する体液が外部に漏出して、衣類を濡らしたり、皮膚表面に付着したりすることがないよう、通気性又は非通気性の液不透過性を有する材料を基材として好適に用いることができる。
【0041】
液不透過性バックシート13の材料としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体である複合シート等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合フィルム等が挙げられる。複合シートに用いられる不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布との積層体である複合不織布、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とスパンボンド不織布との積層体である複合不織布等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合フィルムであることが好ましく、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンとプリプロピレンとの複合不織布であることがより好ましい。
【0042】
また、着用時の蒸れを防止する観点から、通気性を有する液不透過性バックシート13であることが好ましい。液不透過性バックシート13に通気性を付与する方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、液不透過性バックシート13の基材となる樹脂フィルムを多孔質化する方法、液不透過性バックシート13の基材にエンボス加工を施す方法等が挙げられる。樹脂フィルムを多孔質化する方法の一例としては、樹脂にフィラーを含有させてフィルム化し、得られたフィルムからフィラーを除去する方法等が挙げられる。フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム等の無機塩が挙げられる。
【0043】
さらに、液不透過性バックシート13は、剥離シート20と接する表面(すなわち、吸収体12が積層された表面と反対側の表面)には、剥離剤が塗布されている。剥離剤の種類は、剥離シート20の粘着層22の材料等を考慮して決定することができ、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤等が挙げられる。
【0044】
(液不透過性不織布)
【0045】
本体部10は、肌側面から非肌側面に向けて(図2の下方から上方に向けて)、上述した液透過性トップシート11、吸収体12、及び液不透過性バックシート13が積層されており、液不透過性不織布14によって、液透過性トップシート11の端部111と液不透過性バックシート13の端部131とが接合されている。なお、液不透過性不織布14の接合は、例えば、接合部15(第1接合部151及び第2接合部152)によって行うことができる。液不透過性不織布14による接合方法は、例えば、ホットメルト接着剤、ヒートシール、又は超音波溶着等によって行うことができる。図2では、接合部15を介して接合する方法を例示したが、必ずしも接合部15を介さなくてもよい。
【0046】
液不透過性不織布は、JIS L 1092(低水圧法)に基づく耐水圧が、200Pa以上のスパンボンド不織布またはスパンボンドとメルトブローが積層した不織布であることが好ましい。
【0047】
<剥離シート>
【0048】
剥離シート20は、剥離シート用基材21と、その表面に積層された粘着層22とを含むものであり、後述するように、下着等の被着対象に貼り付けるための粘着テープとして再利用することもできる。
【0049】
(剥離シート用基材)
【0050】
剥離シート用基材21の材料は、特に限定されないが、粘着層22の成分が外部に染み出すことを防止でき、肌触りがよいものであればよい。例えば、樹脂フィルム、不織布、樹脂フィルムと不織布との積層体である複合シート等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂からなるフィルム、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合フィルム等が挙げられる。不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布との積層体である複合不織布、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とスパンボンド不織布との積層体である複合不織布等が挙げられる。これらの中でも、スパンボンド不織布、またはスパンボンド不織布とメルトブロー不織布との積層体である複合不織布が好ましい。
【0051】
そして、剥離シート用基材21の坪量は、特に限定されないが、20g/m以上80g/m以下であることが好ましい。20g/mより低い場合には剥離シートで本体切断面を覆ったときに高吸収性ポリマーがこぼれる原因となるおそれがある。また80g/mより高くなるとコシが強くなり扱いにくくなる。
【0052】
(粘着層)
【0053】
粘着層22は、例えば、粘着性を有する成分(例えば、粘着剤等)を含む液体を上述した剥離シート用基材21に塗布することによって形成させ、それを液不透過性バックシート13に積層させることができる。あるいは、剥離シート用基材21に粘着剤をホットメルトにより塗布し、それを液不透過性バックシート13に積層させてもよい。
【0054】
粘着性を有する成分としては、特に限定されず、例えば、吸収パッド(尿取りパッド、軽失禁パッド等)や生理用ナプキンのズレ止め等に使用される成分と同じものを採用できる。粘着性を有する成分の具体例としては、例えば、溶剤型のアクリル系粘着剤、シリコーン系全着剤、ホットメルト型の合成ゴム系粘着剤であるスチレンブタジエン共重合体、スチレンイソプレン共重合体がより好ましい。
【0055】
後述するように、剥離シート20を、本体部10を被着対象(例えば、おむつやパンツ等)に固定するための粘着シートや、吸収体12の端部を封止するための封止シート等として再利用する場合には、粘着層22の粘着力は、本体部10から剥離シート20を剥離した後でも再び貼着可能な粘着力であることが好ましい。この程度の粘着力を有することにより、再利用により適した剥離シートとすることができる。
【0056】
また、図3に示すように、吸収性物品1を幅方向Xに断面視した状態において、粘着層22の端部外縁bは、接合部15の端部内縁a1よりも突出し、かつ、接合部15の端部外縁a2よりも突出していないことが好ましい。このような位置関係となるように、粘着層22を液不透過性バックシート13の表面上に配置することで、例えば、吸収性物品1を長期保管するうちに、粘着層22が幅方向Xに広がりすぎてしまい、剥離シート用基材21から外側にはみ出てしまうといった不具合を防止できる。
【0057】
例えば、吸収性物品1をロール体に巻回して保管する場合や、吸収性物品1を複数積み重ねて保管する場合、粘着層22が剥離シート用基材21よりも外側にはみ出てしまうと、隣接する層同士がエッヂでくっついてしまい、吸収性物品1を取り出し難くなるといった不具合を引き起こすが、上述した位置関係となるように粘着層22を液不透過性バックシート13の表面上に配置することによって、このような不具合が起きないため、長期間の保管に好適である。
【0058】
吸収性物品1の縦方向Yの寸法は、特に限定されない。また、吸収性物品1の幅方向Xの寸法は、特に限定されないが、例えば、50mm以上500mm以下の範囲である。吸収性物品1の寸法をこのような範囲にすることにより、吸収パッド(尿取りパッド、軽失禁パッド等)、紙おむつ(パンツ型紙おむつ、テープ止め型紙おむつ等)、生理用ナプキン等により適した吸収性物品1とすることができる。
【0059】
吸収性物品1は、例えば、ベビー用又は成人用を問わず、吸収パッド(尿取りパッド、軽失禁パッド等)、紙おむつ(パンツ型紙おむつ、テープ止め型紙おむつ等)、生理用ナプキン等として好適に使用できる。さらには、ヒトに限らず、各種ペット用のペットトイレ、トイレシート等にも使用できる。また、吸収性物品1は、アウターとしての各種紙おむつと、インナーとしての吸収性物品とを組み合わせて用いることもできる。したがって、吸収性物品1は、その用途に応じて、体液の流出を防ぐための立体ギャザー(不図示)を設けてもよい。
【0060】
吸収性物品1は、保管時の省スペース化に優れており、かつ、使用態様のバリエーションが幅広いものとすることができ、汎用性が高く、幅広い用途に使用可能である。以下に、本実施形態に係る吸収性物品1の使用方法等について、いくつかのバリエーションを例示的に説明する。
【0061】
<使用方法等>
【0062】
図4は、本実施形態に係る吸収性物品の使用態様の一例を示す部分断面図であり、図5は、図4の吸収性物品を切断した状態を示す部分断面図であり、図6は、図5の切断された吸収性物品から剥離シートを引き剥がそうとする状態を示す部分断面図である。
【0063】
吸収性物品1は所望の箇所を切断することによって、所望の寸法形状の吸収性物品1a,1bにして、使用することができる。
【0064】
図4は、吸収性物品1の縦方向Yに沿って断面視した状態での部分断面図であり、吸収性物品1の厚さ方向Zに沿って、吸収性物品1を切断しようとする状態を示している(図4の「Cut」参照)。
【0065】
図5は、図4の切断直後の状態を示す部分断面図であり、吸収性物品1aと吸収性物品1bとに分離している。
【0066】
図6は、切断された吸収性物品1aについて、その剥離シート20を上方(矢印F1参照)に引き剥がそうとしている状態を示している。剥離シート20を本体部10から剥離することによって、本体部10の液不透過性バックシート13を露出させることができる。液不透過性バックシート13は、使用時に肌面側となる面に剥離剤が塗布されているため、後述するように、剥離シート20の再貼着や再剥離が可能となり、剥離シート20の再利用に資する。
【0067】
図7は、本実施形態に係る吸収性物品の使用態様の別の一例を示す上面図であり、図8は、図7の端部の部分断面図であり、図9は、図8の剥離シートの一部を剥がして下着に貼り付けた状態を示す部分断面図である。
【0068】
吸収性物品1cは、その剥離シート20の一部を切り取って剥離シート片20aを得て、これを本体部10の端部を覆うように貼り付けて使用されている。図7は、かかる吸収性物品1cを、非肌面側(液不透過性バックシート13側)から見た状態を示している。そして、吸収性物品1cは、切り取られた剥離シート片20aを、本体部10の端部を封止するように再び貼り付けている(図8参照)。
【0069】
さらに、本実施形態によれば、剥離シート片20aの一部を引き剥がして、その粘着層22を下着Uに貼り付けることによって、下着Uに固定させることができる(図9参照)。ここでは、吸収性物品1cを例にして、剥離シート片20aを下着Uに貼り付けて使用する方法を説明する。
【0070】
まず、液不透過性バックシート13に剥離剤が塗布されているため、本体部10の端部を封止している剥離シート片20aを再剥離させることが可能となる。その結果、剥離シート片20aを、被着対象(例えば、おむつやパンツ等)に本体部10を固定するための粘着シートとして再利用できる。
【0071】
例えば、剥離シート片20aの粘着層22の表面全てが本体部10の端部に貼り付けられている状態(図8参照)から、液不透過性バックシート13を被覆する部分だけ剥離シート片20aを剥がし、外側に展開させる。これによって、まず剥離シート片20aの粘着層22を一部分だけ露出させ、かつ、剥離シート片20aのその他の部分は本体部10の端部に貼り付けられた状態となる。そして、露出した粘着層22の部分を、下着Uに貼り付けることによって、本体部10を下着Uに固定することができる(図9参照)。
【0072】
なお、剥離シート20の一部を切り取って、剥離シート片20aとして使用する場合、剥離シート20の切り取られる部分の長さdは、特に限定されないが、通常、20mm以上100mm以下の範囲であることが好ましい。このような長さdであることによって、端部処理をより効果的に行うことができるとともに、上述したように、下着U等の被着対象に本体部10を固定するための粘着テープとしても好適に利用できる。
【0073】
図10は、図7の吸収性物品を巻回したロール体の側面図であり、図11は、図10のロール体の端部を引き出して、必要量を切断した状態を示す側面図である。
【0074】
吸収性物品1cはロール体の状態で保管することができる。具体的には、吸収性物品1cは、剥離シート20が外側となり、本体部10が内側となるように巻回してロール体とすることができる。ロール体にできることで、保管時の省スペース化等に資する。
【0075】
まず、吸収性物品1cでは、剥離シート20のロール体の端部周辺を被覆する部分を切り取り、剥離シート片20aを準備する。この剥離シート片20aによって、本体部10の引き出し側の端部を封止して、本体部10の端部を保護する。本実施形態によれば、このように本体部10の端部(例えば、末端端部や切断端部)を封止できるため、本体部10の端部処理や切断面の保護に資する。
【0076】
例えば、本体部10を切断した際に吸収体12の切断面が露出して、吸収体12の内部に含まれる高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)121が外部にこぼれ出すことがあるかもしれない。そのような現象を特に防ぐために、剥離シート片20aによって切断面を封止する端部処理を施すことが好ましい。剥離シート片20aをこのような端部封止に使用する場合、剥離シート片20aの縦方向Yの長さは、特に限定されないが、通常、20mm以上100mm以下の範囲であることが好ましい。
【0077】
ここでは、剥離シート20の一部が切り取られた吸収性物品1cをロール体とした場合を例示したが、剥離シート20が切り取られていない吸収性物品1についても、同様にして、ロール体とすることができるのは勿論である。このようなロール体は、その端部(図8の剥離シート片20a参照)を把持し、繰り出し方向Rに向けて必要量だけ引き出し、所望の箇所を切断することによって、使用することができる。
【0078】
例えば、ロール体から、繰り出し方向Rに向けて、所定量の吸収性物品1cを引き出し(図10参照)、繰り出された吸収性物品1cの1か所を切断することによって、必要量の吸収性物品1eを取り出すことができる(図11参照)。
【0079】
そして、図11に示すように、切断によって新しく形成された吸収性物品1d,1eの端部(切断面)を、剥離シート片20b,20cによって更に封止することができる。剥離シート片20bは、吸収性物品1dの引き出し側の端部(切断面)を被覆していた剥離シート20の一部を切り取ったものである。同様に、剥離シート片20cは、吸収性物品1eの切断した側の端部(切断面)を被覆していた剥離シート20の一部を切り取ったものである。本実施形態のロール体では、剥離シート20がロール体の外側に位置しているため、剥離シート片20b,20cを切り取りやすいという利点がある。そして、残りのロール体である吸収性物品1dは次の使用まで保管すればよい。
【0080】
図12は、本実施形態に係る吸収性物品の使用態様の別の一例を示す上面図であり、図13は、図12の吸収性物品の使用状態の一例を示す部分断面図である。
【0081】
続いて、吸収性物品1fについて、本体部10から引き剥がした剥離シート片20d,20eを、本体部10の4箇所を固定する粘着テープとして再利用する使用態様を例示する。吸収性物品1fは、上述した方法によって、剥離シート20から、それぞれ剥離シート片20d,20eを切り取り、図示する箇所に再び貼り付けたものである。
【0082】
剥離シート20から切り取られた剥離シート片20d,20eは、一時的には端部からの高分子吸収体がこぼれるのを防ぐために切断端部を封止した後、被着対象に装着する際には被着対象に貼り付けることで、被着対象に本体部10を固定するために使用できる。
【0083】
例えば、ロール体から切り取った吸収性物品1e(図11参照)等において、剥離シート20が中央部分に残っていたりする。このような剥離シート20の不要な部分を切り取って、剥離シート片20d,20eとして使用することもできる。剥離シート片20d,20eを、本体部10の所望の場所(例えば、図12の場合、本体部10の幅方向における端部や、縦方向における端部)に貼り付けることで、本体部10を被着対象(下着等)に安定して固定させることができる。
【0084】
また、図13に示すように、剥離シート片20eを、本体部10だけでなくクロッチKも一体で覆いこむように貼り合わせることもできる(図12の矢印F2参照)。
【0085】
図14は、本実施形態に係る吸収性物品の両端を折り曲げてを下着に取り付けた場合の一例を示す下面図であり、図15は、図14のX2-X2線の断面図である。
【0086】
本実施形態によれば、横モレの防止や幅長の調整等を目的として、本体部10を折り曲げて使用することもできる。例えば、上述した吸収性物品1を、吸収体12の凹溝122(図2参照)に沿って折り曲げてから、下着Uに装着する。図14は、かかる吸収性物品1を下着Uに装着し、吸収性物品1の側から(図15において下方から上方に向けて)見た状態を図示している。
【0087】
この場合、吸収性物品1は、その構造上、立体ギャザーを設けることができない。そのため、横モレの心配がある。そこで、吸収体12を凹溝122に沿って折り曲げることによって、吸収性物品1の縦方向Yの両端に沿って、折り返し部Bを設ける。その際、上述した剥離シート片によって折り返し部Bを固定することもできる。
【0088】
ここでは、剥離シート20を引き剥がさないで、吸収性物品1を折り曲げて使用する態様を例示したが、剥離シート20を引き剥がして、本体部10のみとした上で、本体部10を折り曲げて使用してもよいことは勿論である。
【0089】
以上説明した各使用方法は、吸収性物品1の使用方法の一例にすぎず、この他にも使用目的に応じて適宜好適な使用方法を選択できることはいうまでもない。
【0090】
以上説明してきたように、吸収性物品1は、簡便な構造でありながら、幅広い用途に使用可能であり、高い汎用性を有し、かつ、保管時の省スペース化に優れる。さらに、その好適な態様として、サイズ調整や切断が一層容易にできる。したがって、ベビー用又は成人用を問わず、吸収パッド(尿取りパッド、軽失禁パッド等)、紙おむつ(パンツ型紙おむつ、テープ止め型紙おむつ等)、生理用ナプキン等として好適に使用できる。そして、ヒト用に限らず、各種ペット用のペットトイレ、ペットシーツ、トイレシート等にも好適に使用できる。
【0091】
さらに、吸収性物品1は、これを折り曲げたり切断したりすることによって、これらの各種用途に適した形状となるよう、目的に応じて変形又は変更できるという利点や、保管時の省スペース化に優れるという利点も併せ持つので、災害時等の非常用に備蓄される防災用品として好適に使用できる。
【符号の説明】
【0092】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f:吸収性物品、
10:本体部、
11:液透過性トップシート、
111:(液透過性トップシートの)端部、
12:吸収体、
121:高吸収性ポリマー(高吸収性ポリマー粒子)、
122:凹溝、
13:液不透過性バックシート、
131:(液不透過性バックシートの)端部、
14:液不透過性不織布、
15:接合部、
151:第1接合部、
152:第2接合部、
20:剥離シート、
20a,20b,20c,20d,20e:剥離シート片、
21:剥離シート用基材、
22:粘着層、
R:繰り出し方向、
a1:(接合部の)端部内縁、
a2:(接合部の)端部外縁、
b:(粘着層の)端部外縁、
d:長さ、
K:クロッチ、
B:折り返し部、
U:下着、
F1,F2:矢印、
X:幅方向、
Y:縦方向、
Z:厚さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15