(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】車両制御装置、及び車両制御方法
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/50 20060101AFI20241021BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2021024597
(22)【出願日】2021-02-18
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 直登志
(72)【発明者】
【氏名】槌谷 裕志
(72)【発明者】
【氏名】大島 崇司
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/020080(WO,A1)
【文献】特開2008-009941(JP,A)
【文献】特開2017-174449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/50
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、制御する車両制御装置であって、
前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識部と、
前記周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識部と、
前記対象物状態認識部により認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御部と、
を備え
、
前記表示制御部は、
前記周辺対象物認識部により、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、
前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記他車両の方を向いて停止していることが認識されたときには、前記外部通知処理を実行しない
車両制御装置。
【請求項2】
被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、制御する車両制御装置であって、
前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識部と、
前記周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識部と、
前記対象物状態認識部により認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御部と、
を備え
、
前記表示制御部は、
前記周辺対象物認識部により、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、
前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記他車両の方を向かずに停止していることが認識されたときには、
前記外部通知処理により、前記歩行者に対して待機を促す通知を前記表示器に表示する
車両制御装置。
【請求項3】
被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、制御する車両制御装置であって、
前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識部と、
前記周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識部と、
前記対象物状態認識部により認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御部と、
を備え
、
前記表示制御部は、
前記周辺対象物認識部により、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、
前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記外部通知処理により、前記歩行者に対して、前記対象物状態認識部により認識される前記被制御車両と前記他車両との距離に基づく注意喚起の通知を前記表示器に表示し、
前記外部通知処理において、前記被制御車両と前記他車両との距離に応じて、前記歩行者に対する注記喚起のレベルを変更する
車両制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記対象物状態認識部により、前記他車両が停止したことが認識されたときには、
前記外部通知処理により、前記歩行者に対して横断を促す通知を前記表示器に表示する
請求項
3に記載の車両制御装置。
【請求項5】
被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、制御する車両制御装置であって、
前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識部と、
前記周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識部と、
前記対象物状態認識部により認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御部と、
を備え
、
前記表示制御部は、
前記周辺対象物認識部により、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、
前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記対象物状態認識部により、前記他車両が前記被制御車両に到達する前に右折又は左折することが認識されたときには、
前記外部通知処理により、前記歩行者に対して横断を促す通知を前記表示器に表示する
車両制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記外部通知処理により、前記他車両に対して、前記対象物状態認識部により認識される前記被制御車両と前記他車両との距離に基づく注意喚起の通知を前記表示器に表示し、且つ前記被制御車両の灯体を点灯させる
請求項
1から請求項5のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、
前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の後方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記外部通知処理により、前記歩行者に対して待機を促す通知を前記表示器に表示する
請求項
1から請求項6のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、
前記周辺対象物認識部により、前記被制御車両以外の第1他車両である前記第1対象物と、前記被制御車両及び前記第1他車両以外の第2他車両である前記第2対象物とが認識され、
前記対象物状態認識部により、前記第1他車両が、前記被制御車両の前方で前記被制御車両に近づく向きに曲がり、且つ前記第2他車両が、前記被制御車両を挟んで前記第1他車両と対向する状態で、前記被制御車両の後方から前記被制御車両の側方を通過することが認識されたときに、
前記外部通知処理により、前記第1他車両に対して前記第2他車両の通過を報知する通知を前記表示器に表示する
請求項
1から請求項7のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項9】
被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、コンピュータにより制御する車両制御方法であって、
前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識ステップと、
前記周辺対象物認識ステップにより第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識ステップと、
前記対象物状態認識ステップにより認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御ステップと、
を含
み、
前記表示制御ステップは、
前記周辺対象物認識ステップにより、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、
前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記他車両の方を向いて停止していることが認識されたときには、前記外部通知処理を実行しない
車両制御方法。
【請求項10】
被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、コンピュータにより制御する車両制御方法であって、
前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識ステップと、
前記周辺対象物認識ステップにより第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識ステップと、
前記対象物状態認識ステップにより認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御ステップと、
を含
み、
前記表示制御ステップは、
前記周辺対象物認識ステップにより、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、
前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記他車両の方を向かずに停止していることが認識されたときには、
前記外部通知処理により、前記歩行者に対して待機を促す通知を前記表示器に表示する
車両制御方法。
【請求項11】
被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、コンピュータにより制御する車両制御方法であって、
前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識ステップと、
前記周辺対象物認識ステップにより第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識ステップと、
前記対象物状態認識ステップにより認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御ステップと、
を含
み、
前記表示制御ステップは、
前記周辺対象物認識ステップにより、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、
前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記外部通知処理により、前記歩行者に対して、前記対象物状態認識ステップにより認識される前記被制御車両と前記他車両との距離に基づく注意喚起の通知を前記表示器に表示し、
前記外部通知処理において、前記被制御車両と前記他車両との距離に応じて、前記歩行者に対する注記喚起のレベルを変更する
車両制御方法。
【請求項12】
被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、コンピュータにより制御する車両制御方法であって、
前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識ステップと、
前記周辺対象物認識ステップにより第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識ステップと、
前記対象物状態認識ステップにより認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御ステップと、
を含
み、
前記表示制御ステップは、
前記周辺対象物認識ステップにより、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、
前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、
前記対象物状態認識ステップにより、前記他車両が前記被制御車両に到達する前に右折又は左折することが認識されたときには、
前記外部通知処理により、前記歩行者に対して横断を促す通知を前記表示器に表示する
車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、及び車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車外に向けて文字を表示するディスプレイにより、自車両の周辺に所在する歩行者や他車両等に対して、自車両の状態や意図を示すようにした車両状態表示システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記車両状態表示システムのように、歩行者等の車外の対象物に向けて情報を表示する態様として、対象物に向けて注意喚起を表示することが考えられる。そして、自車両の周辺に複数の対象物が存在する場合には、各対象物に対して、注意喚起の表示を適切に行うことが望ましい。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、被制御車両の周辺に複数の対象物が存在する場合に、対象物に対する表示器による通知を適切に行うことができる車両制御装置、及び車両制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、制御する車両制御装置であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識部と、前記周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識部と、前記対象物状態認識部により認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記周辺対象物認識部により、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記他車両の方を向いて停止していることが認識されたときには、前記外部通知処理を実行しない車両制御装置が挙げられる。
【0008】
上記目的を達成するための第2態様として、被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、制御する車両制御装置であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識部と、前記周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識部と、前記対象物状態認識部により認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記周辺対象物認識部により、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記他車両の方を向かずに停止していることが認識されたときには、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して待機を促す通知を前記表示器に表示する車両制御装置が挙げられる。
【0009】
上記目的を達成するための第3態様として、被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、制御する車両制御装置であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識部と、前記周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識部と、前記対象物状態認識部により認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記周辺対象物認識部により、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して、前記対象物状態認識部により認識される前記被制御車両と前記他車両との距離に基づく注意喚起の通知を前記表示器に表示し、前記外部通知処理において、前記被制御車両と前記他車両との距離に応じて、前記歩行者に対する注記喚起のレベルを変更する車両制御装置が挙げられる。
【0011】
上記車両制御装置において、前記表示制御部は、前記対象物状態認識部により、前記他車両が停止したことが認識されたときには、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して横断を促す通知を前記表示器に表示する構成としてもよい。
【0012】
上記車両制御装置において、前記表示制御部は、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記外部通知処理により、前記他車両に対して、前記対象物状態認識部により認識される前記被制御車両と前記他車両との距離に基づく注意喚起の通知を前記表示器に表示し、且つ前記被制御車両の灯体を点灯させる構成としてもよい。
【0013】
上記目的を達成するための第4態様として、被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、制御する車両制御装置であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識部と、前記周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識部と、前記対象物状態認識部により認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記周辺対象物認識部により、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記対象物状態認識部により、前記他車両が前記被制御車両に到達する前に右折又は左折することが認識されたときには、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して横断を促す通知を前記表示器に表示する車両制御装置が挙げられる。
【0014】
上記車両制御装置において、前記表示制御部は、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の後方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して待機を促す通知を前記表示器に表示する構成としてもよい。
【0015】
上記車両制御装置において、前記表示制御部は、前記周辺対象物認識部により、前記被制御車両以外の第1他車両である前記第1対象物と、前記被制御車両及び前記第1他車両以外の第2他車両である前記第2対象物とが認識され、前記対象物状態認識部により、前記第1他車両が、前記被制御車両の前方で前記被制御車両に近づく向きに曲がり、且つ前記第2他車両が、前記被制御車両を挟んで前記第1他車両と対向する状態で、前記被制御車両の後方から前記被制御車両の側方を通過することが認識されたときに、前記外部通知処理により、前記第1他車両に対して前記第2他車両の通過を報知する通知を前記表示器に表示する構成としてもよい。
【0016】
上記目的を達成するための第5態様として、被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、コンピュータにより制御する車両制御方法であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識ステップと、前記周辺対象物認識ステップにより第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識ステップと、前記対象物状態認識ステップにより認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記周辺対象物認識ステップにより、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記他車両の方を向いて停止していることが認識されたときには、前記外部通知処理を実行しない車両制御方法が挙げられる。
上記目的を達成するための第6態様として、被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、コンピュータにより制御する車両制御方法であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識ステップと、前記周辺対象物認識ステップにより第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識ステップと、前記対象物状態認識ステップにより認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記周辺対象物認識ステップにより、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記他車両の方を向かずに停止していることが認識されたときには、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して待機を促す通知を前記表示器に表示する車両制御方法が挙げられる。
上記目的を達成するための第7態様として、被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、コンピュータにより制御する車両制御方法であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識ステップと、前記周辺対象物認識ステップにより第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識ステップと、前記対象物状態認識ステップにより認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記周辺対象物認識ステップにより、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して、前記対象物状態認識ステップにより認識される前記被制御車両と前記他車両との距離に基づく注意喚起の通知を前記表示器に表示し、前記外部通知処理において、前記被制御車両と前記他車両との距離に応じて、前記歩行者に対する注記喚起のレベルを変更する車両制御方法が挙げられる。
上記目的を達成するための第8態様として、被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、コンピュータにより制御する車両制御方法であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識ステップと、前記周辺対象物認識ステップにより第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識ステップと、前記対象物状態認識ステップにより認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップは、前記周辺対象物認識ステップにより、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行し、前記対象物状態認識ステップにより、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記対象物状態認識ステップにより、前記他車両が前記被制御車両に到達する前に右折又は左折することが認識されたときには、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して横断を促す通知を前記表示器に表示する車両制御方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0017】
上記車両制御装置によれば、被制御車両の周辺に複数の対象物が存在する場合に、対象物に対する表示器による通知を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、車両制御装置が搭載された車両の構成図である。
【
図3】
図3は、外部通知処理の第1のフローチャートである。
【
図4】
図4は、外部通知処理の第2のフローチャートである。
【
図5】
図5は、他車両が自車両に接近すると共に自車両の前方を歩行者が横断する状況における、表示器による通知の説明図である。
【
図6】
図6は、他車両が自車両に到達する前に左折する状況における、表示器による通知の説明図である。
【
図7】
図7は、他車両が自車両に接近すると共に自車両の後方を歩行者が横断する状況における、表示器による通知の説明図である。
【
図8】
図8は、他車両が自車両に前方で右折すると共に、二輪車両が自車両の左側をすり抜ける状況における、表示器による通知の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[1.車両の構成]
図1を参照して、本実施形態の車両制御装置10が搭載された車両1の構成について説明する。車両1は四輪車両であり、本開示の被制御車両に相当する。以下では、車両1を自車両1と称する。
【0020】
自車両1の前部には、自車両1の前方を撮影するフロントカメラ40、自車両1の前方に存在する対象物の位置を検出するフロントレーダー44、クラクション48、自車両1の前方に向けて情報を表示するフロント表示器50、及びヘッドライト65a,65bが備えられている。フロント表示器50の前面にはフロントブラインド51が配置され、フロントブラインド51の向きを左右に切り替えることにより、フロント表示器50の表示方向を左方向と右方向に切り替えることができる。
【0021】
フロントブラインド51を左向きにすることにより、例えば、自車両1の左前方に位置する歩行者を対象として、フロント表示器50による通知を行うことができる。このとき、対向車の運転者はフロント表示器50の表示を視認することができない。また、フロントブラインド51を右向きにすることにより、例えば、自車両1の前方から自車両1に接近する対向車を対象として、フロント表示器50による通知を行うことができる。このとき、自車両1の左前方に位置する歩行者は、フロント表示器50による表示を視認することができない。
【0022】
自車両1の後部には、自車両1の後方を撮影するリアカメラ43、自車両1の後方に存在する対象物の位置を検出するリアレーダー47、及び自車両1の後方に向けて情報を表示するリア表示器60が備えられている。リア表示器60の前面には、フロント表示器50と同様に、リアブラインド61(
図2参照)が配置されている。リアブラインド61の向きを左右に切り替えることにより、リア表示器60の表示方向を左方向と右方向に切り替えることができる。
【0023】
自車両1の右側部には、自車両1の右側方を撮影する右サイドカメラ41、及び自車両1の右側方に存在する対象物の位置を検出する右サイドレーダー45が備えられている。自車両1の左側部には、自車両1の左側方を撮影する左サイドカメラ42、及び自車両1の左側方に存在する対象物の位置を検出する左サイドレーダー46が備えられている。
【0024】
さらに、自車両1には、ナビゲーション装置70と通信ユニット80が備えられている。ナビゲーション装置70は、複数の航法衛星から地上に向けて送信される電波を受信することにより自車両1の位置を検出するGNSS(Global Navigation Satellite System)センサ71と、地図データ72を備えて、目的地へのルート案内等を実行する。通信ユニット80は、他車両、外部サーバー、路側機等との間で通信を行う。なお、カメラとレーダーを、自車両1の四隅に備える構成としてもよい。
【0025】
[2.車両制御装置の構成]
図2を参照して、車両制御装置10の構成について説明する。車両制御装置10は、プロセッサ20、メモリ30、及び図示しないインターフェース回路等により構成された制御ユニットである。車両制御装置10には、フロントカメラ40、右サイドカメラ41、左サイドカメラ42、及びリアカメラ43による撮影画像と、フロントレーダー44、右サイドレーダー45、左サイドレーダー46、及びリアレーダー47による対象物の位置検出データが入力される。
【0026】
車両制御装置10から出力される制御信号により、クラクション48、フロント表示器50、フロントブラインド51、リア表示器60、リアブラインド61、及びヘッドライト65a,65bの作動が制御される。車両制御装置10は、ナビゲーション装置70とのデータ通信により、自車両1の位置、周辺道路の状況等を認識する。車両制御装置10は、通信ユニット80を介して他車両等と通信を行う。
【0027】
プロセッサ20は、メモリ30に保存された制御プログラム31を読み込んで実行することにより、周辺対象物認識部21、対象物状態認識部22、及び表示制御部23として機能する。プロセッサ20は本開示のコンピュータに相当し、周辺対象物認識部21により実行される処理は、本開示の車両制御方法における周辺対象物認識ステップに相当する。対象物状態認識部22により実行される処理は、本開示の車両制御方法における対象物認識ステップに相当し、表示制御部23により実行される処理は、本開示の車両制御方法における表示制御ステップに相当する。
【0028】
周辺対象物認識部21は、フロントカメラ40、右サイドカメラ41、左サイドカメラ42、及びリアカメラ43による撮影画像と、フロントレーダー44、右サイドレーダー45、左サイドレーダー46、及びリアレーダー47による対象物の位置検出データとに基づいて、自車両1の周辺に存在する歩行者、他車両等の対象物を認識する。
【0029】
対象物状態認識部22は、周辺対象物認識部21により認識された対象物の状態を、フロントカメラ40、右サイドカメラ41、左サイドカメラ42、又はリアカメラ43による対象物の画像と、フロントレーダー44、右サイドレーダー45、左サイドレーダー46、又はリアレーダー47による対象物の検出位置とに基づいて認識する。本実施形態において、対象物状態認識部22は、対象物の状態として、自車両1と対象物との距離、対象物の移動方向、対象物が歩行者である場合の歩行者の向き等を認識する。
【0030】
表示制御部23は、周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識されたときに、第1対象物又は第2対象物に対して、フロント表示器50又はリア表示器60による通知を行う外部通知処理を実行する。表示制御部23は、外部通知処理において、対象物状態認識部22により認識される第1対象物と第2対象物の状態に基づいて、第1対象物又は第2対象物に対して行う、フロント表示器50又はリア表示器60による通知の内容を決定する。
【0031】
[3.外部通知処理]
図3~
図4に示したフローチャートに従って、車両制御装置10により実行される、自車両1の周辺に存在する対象物の認識から外部通知処理の実行までの一連の処理について説明する。以下では、
図5に示したように、第1対象物として自車両1の前方を横断しようとする歩行者Pが認識され、第2対象物として自車両1の前方から自車両1に接近する他車両Vが存在する場合について説明する。
【0032】
図3のステップS1で、周辺対象物認識部21は、フロントカメラ40、右サイドカメラ41、左サイドカメラ42、及びリアカメラ43による撮影画像と、フロントレーダー44、右サイドレーダー45、左サイドレーダー46、及びリアレーダー47による対象物の位置検出データとに基づいて、自車両1の周辺に存在する対象物を認識する。続くステップS2で、周辺対象物認識部21は、複数の対象物を認識したときにステップS3に処理を進め、複数の対象物を認識しなかったときにはステップS1に処理を進める。
【0033】
ステップS3で、周辺対象物認識部21は、認識した対象物が歩行者と他車両であるときはステップS4に処理を進め、認識した対象物が歩行者と他車両でないときにはステップS1に処理を進める。ステップS4で、対象物状態認識部22は、周辺対象物認識部21により認識された歩行者と他車両の状態を認識する。
図5の例では、対象物状態認識部22は、フロントカメラ40による撮影画像から抽出された歩行者Pと他車両Vの画像と、フロントレーダー44により検出される歩行者Pと他車両Vの位置とに基づいて、歩行者Pと他車両Vの状態を認識する。
【0034】
より具体的には、対象物状態認識部22は、歩行者Pと他車両Vの状態として、以下の(1)~(7)を認識する。
(1)歩行者Pと自車両1との距離。
(2)歩行者Pの移動方向。
(3)歩行者Pの移動速度。
(4)歩行者Pの向き。
(5)他車両Vと自車両1との距離。
(6)他車両Vの移動方向。
(7)他車両Vの移動速度。
歩行者Pの移動方向と移動速度は、フロントレーダー44により検出される歩行者Pの位置の変化、或いはフロントカメラ40による撮影画像から抽出される歩行者Pの画像の変化に基づいて認識される。他車両Vの移動方向及び移動速度についても同様である。
【0035】
続くステップS5で、表示制御部23は、歩行者Pと他車両Vが通知対象条件を満たしているか否かを判断する。本実施形態では、通知対象条件として、以下の(a)~(d)が全て満たされることが設定されている。
(a)歩行者Pと自車両1との距離が第1所定距離(例えば5m)以下。
(b)他車両Vと自車両1との距離が第2所定距離(例えば10m)以下。
(c)歩行者Pが道路側を向いている。
(d)他車両Vが自車両1に向かって接近している。
【0036】
表示制御部23は、歩行者Pと他車両Vが通知対象条件を満たしているときはステップS6に処理を進める。一方、歩行者Pと他車両Vが通知対象条件を満たしていないときには、表示制御部23は、ステップS1に処理を進め、この場合は、ステップS6以降の外部表示処理は実行されない。
【0037】
ステップS6で、表示制御部23は、歩行者Pが停止しているか否かを判断する。そして、表示制御部23は、歩行者Pが停止しているときはステップS20に処理を進め、歩行者Pが停止していないとき(横断動作中)にはステップS7に処理を進める。ステップS20で、表示制御部23は、歩行者Pの画像から歩行者Pの顔の向きを認識することにより、歩行者Pが他車両Vの方を向いているか否かを判断する。
【0038】
そして、表示制御部23は、歩行者Pが他車両Vの方を向いているときは、
図4のステップS13に処理を進め、この場合、表示制御部23は、歩行者Pに対するフロント表示器50による通知を行わない。これにより、他車両Vに気づいて待機している歩行者Pに対して、煩わしい通知が行われることを回避することができる。一方、歩行者Pが他車両Vの方を向いていないときには、表示制御部23は、ステップS21に処理を進めて、フロントブラインド51を左向きにしてフロント表示器50に「そのままお待ちください」との通知を表示して、
図4のステップS13に処理を進める。これにより、歩行者Pに対して、待機することを促すことができる。
【0039】
ステップS7で、表示制御部23は、フロントブラインド51を右向きにしてフロント表示器50に、
図5に示したように「歩行者横断中」との通知101を表示する。これにより、他車両Vの運転者に対して、歩行者Pが横断しようとしていることを報知する。また、表示制御部23は、自車両1と他車両Vとの距離が所定距離以下になったときには、フロント表示器50による通知101の表示に加えて、ヘッドライト65a、65b或いは自車両1の他の灯体(図示しない)を点灯させることにより、他車両Vの運転者に対してより強い注記喚起を行う。
【0040】
続く
図4のステップS8で、表示制御部23は、対象物状態認識部22により他車両Vが減速しながら接近していることが認識されているか否かを判断する。そして、表示制御部23は、他車両Vが減速しながら接近しているときはステップS30に処理を進め、他車両Vが減速していないときにはステップS9に処理を進める。ステップS30で、表示制御部23は、フロントブラインド51を左向きにしてフロント表示器50に、「対向車に注意して下さい」との通知100を表示してステップS13に処理を進める。これにより、歩行者Pに対して、他車両Vに注意して横断することを促すことができる。
【0041】
ステップS9で、表示制御部23は、対象物状態認識部22により他車両Vが停止していることが認識されているか否かを判断する。そして、表示制御部23は、他車両Vが停止しているときはステップS31に処理を進め、他車両Vが停止していないときにはステップS10に処理を進める。ステップS31で、表示制御部23は、フロントブラインド51を左向きにしてフロント表示器50に「お先にどうぞ」との通知を表示してステップS13に処理を進める。これにより、歩行者Pに対して横断を促すことができる。
【0042】
ステップS10で、表示制御部23は、対象物状態認識部22により、他車両Vが自車両1の位置に到達する前に右折又は左折することが認識されたか否かを判断する。そして、表示制御部23は、他車両Vが右折又は左折するときはステップS32に処理を進め、他車両Vが右折も左折もしないときにはステップS11に処理を進める。ステップS32で、表示制御部23は、フロントブラインド51を左向きにしてフロント表示器50に、「注意して横断して下さい」との通知を表示してステップS13に処理を進める。
【0043】
ここで、
図6は、他車両Vが自車両1の位置に到達する前に右折をする状況を例示しており、他車両Vが右折することで、他車両Vが歩行者Pの横断を妨げることがなくなる。そこで、フロント表示器50に「注意して横断して下さい」との通知102を表示して、歩行者Pに道路の横断を促すことができる。他車両Vが右折又は左折することは、フロントカメラ40の撮影画像から他車両Vの挙動を認識することにより、或いは他車両Vのウィンカーの点滅を認識することによって、判断することができる。また、他車両Vと自車両1との車車間通信により、他車両Vから右折又は左折を通知する情報を受信することによって、他車両Vが右折又は左折することを認識してもよい。
【0044】
ステップS11で、表示制御部23は、対象物状態認識部22により認識される他車両Vと自車両1との距離が、判定距離以上(例えば10m)であるか否かを判断する。そして、表示制御部23は、他車両Vと自車両1との距離が判定距離以上であるときはステップS33に処理を進め、他車両Vと自車両1との距離が判定距離未満であるときにはステップS12に処理を進める。
【0045】
ステップS33で、表示制御部23は、フロントブラインド51を左向きにしてフロント表示器50に「止まって下さい」との通知を表示し、ステップS13に処理を進める。これにより、歩行者Pに対して、横断を待つように促すことができる。また、ステップS12で、表示制御部23は、フロントブラインド51を左向きにしてフロント表示器50に「止まって下さい!」と、停止を強調する通知を表示し、ステップS13に処理を進める。これにより、歩行者Pに対する注意喚起のレベルを上げて、他車両Vが自車両1に近づいている状況で、歩行者Pに対して横断を待つことをさらに強く促すことができる。また、「止まって下さい!」との強調表示に加えて、クラクション48等による吹鳴動作を実行することにより、歩行者Pに対する注意喚起のレベルをさらに上げてもよい。
【0046】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、
図5及び
図6に示したように、自車両1の前方に位置する歩行者Pと他車両Vが認識された場合に、表示制御部23がフロント表示器50に通知を表示する例について説明した。他の実施形態として、
図7に示したように、対象物状態認識部22により、他車両Vが自車両1の前方から自車両1に接近し、歩行者Pが自車両1の後方を横断しようとしていることが認識された場合に、表示制御部23が、歩行者Pと他車両Vに対して通知を表示する外部通知処理を実行するようにしてもよい。
【0047】
この場合、表示制御部23は、歩行者Pに対して、リアブラインド61を左向きにしてリア表示器60に「そのままお待ち下さい」との通知を表示する。また、表示制御部23は、他車両Vに対して、フロントブラインド51を右向きにしてフロント表示器50に「歩行者の横断に注意して下さい」との通知104を表示する。これにより、歩行者Pに対して、自車両1に隠れて視認し難い他車両Vが通過するのを待つように促し、また、他車両Vの運転者に対して、自車両1の後ろから歩行者Pが現れることへの注意を促すことができる。
【0048】
また、
図8に示したように、周辺対象物認識部21により、二輪車両Bと他車両Vが認識され、対象物状態認識部22により、二輪車両Bが自車両1の左側方をすり抜けて自車両1の前方に移動し、他車両Vが自車両1の前方で右折することが認識された場合に、表示制御部23により外部表示処理を実行するようにしてもよい。
【0049】
図8の状況で、他車両Vは本開示の第1他車両に相当し、二輪車両Bは第2他車両に相当する。他車両Vは他車両Vが自車両1に近づく向きである左向きに曲がり、二輪車両Bは、自車両1を挟んで他車両Vと対向した状態で、自車両1の後方から自車両1の側方を通過しようとしている。
【0050】
この場合、表示制御部23は、外部表示処理により、フロントブラインド51を右向きにしてフロント表示器50に「バイクすり抜け注意!」との通知105を表示する。これにより、他車両Vの運転者からは、自車両1に隠れて視認し難い二輪車両Bの存在を、他車両Vの運転者に認識させて、他車両Vと二輪車両Bとが接触することを防止することができる。なお、二輪車両Bの運転者に対して、クラクション48を鳴らすことによって、右折する他車両Vに注意することを促すようにしてもよい。
【0051】
上記実施形態では、フロント表示器50の前面にフロントブラインド51を配置し、リア表示器60の前面にリアブラインド61を配置することにより、フロント表示器50とリア表示器60の表示方向を左右に切り替えた。他の実施形態として、フロントブラインド51とリアブラインド61を省略した構成としてよい。或いは、ブラインド以外の他の構成により、フロント表示器50とリア表示器60の表示方向を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、フロント表示器50に対して左側から目視したときと右側から目視したときとで、表示されているコンテンツが異なるように表示する方式(デュアルビュー表示)を採用してもよく、或いはフロント表示器50の画面自体を傾けて表示してもよい。
【0052】
上記実施形態では、
図3、
図4のフローチャートのステップS6、ステップS20、ステップS8~ステップS11の条件の成否によって、フロント表示器50による通知の表示を変更したが、これらの条件の全部ではなく一部の条件の成否を判断するようにしてもよい。
【0053】
上記実施形態では、車両制御装置10に備えられたプロセッサ20(本開示のコンピュータに相当する)により、本開示の車両制御方法を実行したが、車両1と通信を行う外部サーバーを構成するコンピュータ等により、本開示の車両制御方法を実行するようにしてもよい。この場合は、車両1から外部サーバーに車両1の周辺に存在する対象物の情報が送信され、外部サーバーから車両1に対して、フロント表示器50及びリア表示器60に表示する通知の指示情報が送信される。また、周辺対象物認識部21、対象物状態認識部22、及び表示制御部23を、車両制御装置10と外部サーバーに分散させる構成としてもよい。
【0054】
なお、
図1、
図2は、本願発明の理解を容易にするために、車両1及び車両制御装置10の構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、車両1及び車両制御装置10の構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、
図3、
図4に示したフローチャートによる各構成要素の処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0055】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0056】
(第1項)被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、制御する車両制御装置であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識部と、前記周辺対象物認識部により第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識部と、前記対象物状態認識部により認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御部と、を備える車両制御装置。
第1項の車両制御装置によれば、被制御車両の周辺に複数の対象物が存在する場合に、対象物に対する表示器による表示を適切に行うことができる。
【0057】
(第2項)前記表示制御部は、前記周辺対象物認識部により、歩行者である前記第1対象物と前記被制御車両以外の他車両である前記第2対象物とが認識されたときに、前記外部通知処理を実行する第1項に記載の車両制御装置。
第2項の車両制御装置によれば、被制御車両の周辺に存在する他車両と歩行者が認識されたときに、歩行者又は他車両に対する表示器による通知を適切に行うことができる。
【0058】
(第3項)前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記他車両の方を向いて停止していることが認識されたときには、前記外部通知処理を実行しない第2項に記載の車両制御装置。
第3項の車両制御装置によれば、歩行者が他車両の方を向いて停止していることから、歩行者が他車両の接近を認識していると推定される場合に、外部通知処理を実行しないことにより、歩行者に対して煩わしい通知がなされることを回避することができる。
【0059】
(第4項)前記表示制御部は、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記他車両の方を向かずに停止していることが認識されたときには、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して待機を促す通知を前記表示器に表示する第2項又は第3項に記載の車両制御装置。
第4項の車両制御装置によれば、歩行者が他車両の方を向かずに停止していることから、歩行者が他車両に接近に気づいていないと推定される場合に、歩行者に横断の待機を促すことができる。
【0060】
(第5項)前記表示制御部は、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して、前記対象物状態認識部により認識される前記被制御車両と前記他車両との距離に基づく注意喚起の通知を前記表示器に表示する第2項から第4項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
第5項の車両制御装置によれば、被制御車両と他車両との距離に応じて変化する、歩行者に対する他車両の影響度合を考慮して、歩行者に対する表示器による通知を行うことができる。
【0061】
(第6項)前記表示制御部は、前記外部通知処理において、前記被制御車両と前記他車両との距離に応じて、前記歩行者に対する注記喚起のレベルを変更する第5項に記載の車両制御装置。
第6項の車両制御装置によれば、注意喚起のレベルの違いにより、歩行者に対して他車両の接近状況を認識させることができる。
【0062】
(第7項)前記表示制御部は、前記対象物状態認識部により、前記他車両が停止したことが認識されたときには、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して横断を促す通知を前記表示器に表示する第5項又は第6項に記載の車両制御装置。
第7項の車両制御装置によれば、他車両が停止して歩行者に対する影響が減少した場合に、前方歩行者に対して横断を促すことができる。
【0063】
(第8項)前記表示制御部は、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記外部通知処理により、前記他車両に対して、前記対象物状態認識部により認識される前記被制御車両と前記他車両との距離に基づく注意喚起の通知を前記表示器に表示し、且つ前記被制御車両の灯体を点灯させる第2項から第7項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
第8項の車両制御装置によれば、表示器による注意喚起の表示と灯体の点灯の組み合わせにより、他車両に対する注意喚起の効果を高めることができる。
【0064】
(第9項)前記表示制御部は、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の前方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記対象物状態認識部により、前記他車両が前記被制御車両に到達する前に右折又は左折することが認識されたときには、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して横断を促す通知を前記表示器に表示する第2項から第8項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
第9項の車両制御装置によれば、他車両が被制御車両に到達する前に右折又左折することにより、歩行者に対する他車両の影響が無くなる場合に、歩行者に対して横断を促すことができる。
【0065】
(第10項)前記表示制御部は、前記対象物状態認識部により、前記歩行者が前記被制御車両の後方を横断すると認識され、且つ前記他車両が前記被制御車両の前方から前記被制御車両に接近していることが認識されたときに、前記外部通知処理により、前記歩行者に対して待機を促す通知を前記表示器に表示する第2項から第9項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
第10項の車両制御装置によれば、被制御車両の後方に位置しているために、被制御車両の前方から被制御車両に接近する他車両に気づき難い歩行者に対して、横断の待機を促すことができる。
【0066】
(第11項)前記表示制御部は、前記周辺対象物認識部により、前記被制御車両以外の第1他車両である前記第1対象物と、前記被制御車両及び前記第1他車両以外の第2他車両である前記第2対象物とが認識され、前記対象物状態認識部により、前記第1他車両が、前記被制御車両の前方で前記被制御車両に近づく向きに曲がり、且つ前記第2他車両が、前記被制御車両を挟んで前記第1他車両と対向する状態で、前記被制御車両の後方から前記被制御車両の側方を通過することが認識されたときに、前記外部通知処理により、前記第1他車両に対して前記第2他車両の通過を報知する通知を前記表示器に表示する第1項から第10項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
第11項の車両制御装置によれば、第1他車両に対して、被制御車両の側方を通過する第2他車両の存在を通知することにより、第1他車両と第2他車両との接触を回避することができる。
【0067】
(第12項)被制御車両に備えられて前記被制御車両の外部に向けて情報を表示する表示器の表示態様を、コンピュータにより制御する車両制御方法であって、前記被制御車両の周辺に存在する対象物を認識する周辺対象物認識ステップと、前記周辺対象物認識ステップにより第1対象物と第2対象物が認識された場合に、前記被制御車両と前記第1対象物との距離、前記被制御車両と前記第2対象物との距離、前記第1対象物の移動方向、及び前記第2対象物の移動方向、を含む前記第1対象物と前記第2対象物の状態を認識する対象物状態認識ステップと、前記対象物状態認識ステップにより認識される前記第1対象物と前記第2対象物の状態に基づいて、前記第1対象物又は前記第2対象物に対する通知を前記表示器に表示する外部通知処理を実行する表示制御ステップと、を含む車両制御方法。
第12項の車両制御方法をコンピュータにより実行することにより、第1項の車両制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0068】
1…車両(被制御車両)、10…車両制御装置、20…プロセッサ、21…周辺対象物認識部、22…対象物状態認識部、23…表示制御部、30…メモリ、31…制御用プログラム、40…フロントカメラ、41…右サイドカメラ、42…左サイドカメラ、43…リアカメラ、44…フロントレーダー、45…右サイドレーダー、46…左サイドレーダー、47…リアレーダー、48…クラクション、50…フロント表示器、51…フロントブラインド、60…リア表示器、61…リアブラインド、P…歩行者、V…他車両、B…二輪車両。