(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】プリンタ、センサ装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20241021BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241021BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20241021BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
B41J29/00 C
B41J29/38 601
B41J3/36 Z
B65H7/14
(21)【出願番号】P 2021029761
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】清水 孝吉
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-131725(JP,A)
【文献】特開2018-015942(JP,A)
【文献】特開2007-015373(JP,A)
【文献】特開2015-193433(JP,A)
【文献】特開2017-052618(JP,A)
【文献】特開2019-059581(JP,A)
【文献】特開平09-051403(JP,A)
【文献】特開昭63-076567(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0180737(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
B41J 29/38
B41J 3/36
B65H 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字媒体収容部と印字ヘッドとの間に設けられた搬送路を通過する印字媒体を検出対象にし、第1の実装面焦点間距離を持つ第1の光センサと、
前記印字媒体を検出対象にし、前記第1の実装面焦点間距離とは異なる第2の実装面焦点間距離を持つ第2の光センサと、
少なくとも前記第1の光センサ及び前記第2の光センサを含む範囲に亘り延伸し、前記第1の光センサ及び前記第2の光センサが配置されたフレキシブル基板と、
前記第1の光センサの焦点ずれ距離と前記第2の光センサの焦点ずれ距離との差分が、前記第1の光センサの実装面焦点間距離と前記第2の光センサの実装面焦点間距離との差分よりも小さくなるように前記フレキシブル基板を介して前記第1の光センサの位置及び前記第2の光センサの位置を固定する固定部材と、
前記第1の光センサが前記フレキシブル基板に接続された位置を含む第1の領域において前記フレキシブル基板に固着された第1の補強板と、
前記第2の光センサが前記フレキシブル基板に接続された位置を含む第2の領域において前記フレキシブル基板に固着された第2の補強板と、
を備
え、
前記フレキシブル基板の前記第1の領域と前記第2の領域の間には何れの補強板も固着されていない可撓領域が設けられており、
前記フレキシブル基板の前記可撓領域は前記第1の領域と前記第2の領域の間の段差に応じて撓んでいる、プリンタ。
【請求項2】
前記第1の領域において前記フレキシブル基板及び前記第1の補強板が前記固定部材により固定されていて、
前記第2の領域において前記フレキシブル基板及び前記第2の補強板が前記固定部材により固定されている、
請求項
1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記固定部材は、前記第1の領域において前記フレキシブル基板及び前記第1の補強板を固定するための第1表側支持部及び第1裏側支持部並びに前記第2の領域において前記フレキシブル基板及び前記第2の補強板を固定するための第2表側支持部及び第2裏側支持部を備える、
請求項
2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記第1の補強板は、前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面の反対の面に固着され、
前記第1の光センサは、前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面に配置された、
請求項
1から
3の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記第2の補強板は、前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面の反対の面に固着され、
前記第2の光センサは、前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面に配置された、
請求項
4に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記第2の補強板は、前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面に固着され、
前記第2の光センサは、前記第2の補強板を介して前記フレキシブル基板に配置された、
請求項
1から
4の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記第2の光センサは、接続用のピンを備え、
前記第2の補強板及び前記フレキシブル基板には、前記接続用のピンが共通に貫通する貫通穴が設けられ、
前記第2の光センサに備わる前記接続用のピンの先端付近が前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面の反対の面に固定された、
請求項
6に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記第1の補強板は、前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面に固着され、
前記第1の光センサは、前記第1の補強板を介して前記フレキシブル基板に配置され、
前記第2の補強板は、前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面に固着され、
前記第2の光センサは、前記第2の補強板を介して前記フレキシブル基板に配置された、
請求項
1から
3の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記第1の光センサは、第1の接続用のピンを備え、
前記第1の補強板及び前記フレキシブル基板には、前記第1の接続用のピンが共通に貫通する貫通穴が設けられ、
前記第1の光センサに備わる前記第1の接続用のピンの先端付近が前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面の反対の面に固定され、
前記第2の光センサは、第2の接続用のピンを備え、
前記第2の補強板及び前記フレキシブル基板には、前記第2の接続用のピンが共通に貫通する貫通穴が設けられ、
前記第2の光センサに備わる前記第2の接続用のピンの先端付近が前記フレキシブル基板の前記搬送路に対向する側の面の反対の面に固定された、
請求項
8に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記搬送路を通過する前記印字媒体に平行な面における前記フレキシブル基板の位置を決めるためのボスを更に備え、
前記フレキシブル基板には前記ボスが挿入される穴が設けられている、
請求項1から
9の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記印字媒体収容部を開放又は閉鎖するプリンタカバーを更に備え、
前記固定部材は、前記プリンタカバーに設けられる、
請求項1から
10の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項12】
前記印字媒体収容部を開放又は閉鎖し、互いに重なって配置される外側プリンタカバー及び内側プリンタカバーを有するプリンタカバーを更に備え、
前記第1表側支持部及び前記第2表側支持部は、前記内側プリンタカバーに設けられ、
前記第1裏側支持部及び前記第2裏側支持部は、前記外側プリンタカバーに設けられる、
請求項
3に記載のプリンタ。
【請求項13】
第1の実装面焦点間距離を持つ第1の光センサと、
前記第1の実装面焦点間距離とは異なる第2の実装面焦点間距離を持つ第2の光センサと、
少なくとも前記第1の光センサ及び前記第2の光センサを含む範囲に亘り延伸し、前記第1の光センサ及び前記第2の光センサが配置されたフレキシブル基板と、
前記第1の光センサの検出対象に対する焦点ずれ距離と前記第2の光センサの検出対象に対する焦点ずれ距離との差分が、前記第1の光センサの実装面焦点間距離と前記第2の光センサの実装面焦点間距離との差分よりも小さくなるように前記フレキシブル基板を介して前記第1の光センサの位置及び前記第2の光センサの位置を固定する固定部材と、
前記第1の光センサが前記フレキシブル基板に接続された位置を含む第1の領域において前記フレキシブル基板に固着された第1の補強板と、
前記第2の光センサが前記フレキシブル基板に接続された位置を含む第2の領域において前記フレキシブル基板に固着された第2の補強板と、
を備
え、
前記フレキシブル基板の前記第1の領域と前記第2の領域の間には何れの補強板も固着されていない可撓領域が設けられており、
前記フレキシブル基板の前記可撓領域は前記第1の領域と前記第2の領域の間の段差に応じて撓んでいる、センサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字媒体に情報を印字するプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印字媒体をサーマルヘッド及びプラテンローラで圧接挟持し、サーマルヘッド上の発熱素子を選択的に発熱させて、印字媒体である連続紙などに熱転写により印字を施すサーマル式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が知られている。
【0003】
特許文献1には、連続紙の弛みやうねりによって反射センサと連続紙との距離が大きくなることを防止でき、反射センサの検出精度を安定させることができるプリンタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているプリンタの反射センサは、連続紙に印刷されているアイマークを検出するためのものである。
【0006】
印字媒体としては、アイマークが台紙に印刷された物のほか、台紙にラベルが台紙の長手方向に離散的に仮着されただけの物がある。このような印字媒体に印字を行うためには、台紙の長手方向に沿ったラベル位置と相互に隣接するラベル間のギャップ位置を検出する必要があり、このために透過型のギャップセンサを搬送路に設ける必要がある。
【0007】
1台のプリンタがアイマークを検出するための反射型のセンサ(以下、単に「アイマークセンサ」という。)とギャップ位置からラベルを検出するための透過型のギャップセンサ(以下、単に「ギャップセンサ」という。)を備え、使用する印字媒体の種類に応じてセンサを切り替えられるようにしている場合が多い。
【0008】
印字媒体の搬送路の傍らにおいてアイマークとギャップセンサを相互に隣接した位置に配置する場合、1つの板状の基板やフレキシブル基板にアイマークセンサとギャップセンサを並べて実装する。
【0009】
アイマークセンサが最も精度よくアイマークを検出するためのアイマークセンサの実装面から印字媒体までの距離(以下、「アイマークセンサの実装面焦点間距離」という。)と、ギャップセンサが最も精度よくラベル位置とギャップ位置を検出するためのギャップセンサの実装面から印字媒体までの間の距離(以下、「ギャップセンサの実装面焦点間距離」という。)とは、一般に異なる。
【0010】
従って、搬送路の傍らにアイマークとギャップセンサを実装した基板を例えばアイマークセンサの実装面焦点間距離にあわせて配置すると、ギャップセンサと印字媒体との間の距離は、ギャップセンサの実装面焦点間距離とは異なってしまい、これによりギャップセンサによるラベル位置とギャップ位置の検出精度が下がってしまう。
【0011】
また、搬送路の傍らにアイマークとギャップセンサを実装した基板を例えばギャップセンサの実装面焦点間距離にあわせて配置すると、アイマークセンサと印字媒体との間の距離は、アイマークセンサの実装面焦点間距離とは異なってしまい、これによりアイマークセンサによるアイマークの検出精度が下がってしまう。
【0012】
これは、アイマークセンサとギャップセンサを1つの基板に隣接して並べた場合だけではなく、2つのセンサを1つの基板に隣接して並べた場合について一般にいえることである。
【0013】
そこで、本発明は、同一の基板に実装面焦点間距離が相互に異なる2つのセンサを並べて実装した場合であっても、それぞれのセンサが精度よく印字媒体から検出対象を検出することができるようなプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のある態様によれば、
印字媒体収容部と印字ヘッドとの間に設けられた搬送路を通過する印字媒体を検出対象にし、第1の実装面焦点間距離を持つ第1の光センサと、
前記印字媒体を検出対象にし、前記第1の実装面焦点間距離とは異なる第2の実装面焦点間距離を持つ第2の光センサと、
少なくとも前記第1の光センサ及び前記第2の光センサを含む範囲に亘り延伸し、前記第1の光センサ及び前記第2の光センサが配置されたフレキシブル基板と、
前記第1の光センサの焦点ずれ距離と前記第2の光センサの焦点ずれ距離との差分が、前記第1の光センサの実装面焦点間距離と前記第2の光センサの実装面焦点間距離との差分よりも小さくなるように前記フレキシブル基板を介して前記第1の光センサの位置及び前記第2の光センサの位置を固定する固定部材と、
くなるように前記フレキシブル基板を介して前記第1の光センサの位置及び前記第2の光センサの位置を固定する固定部材と、
前記第1の光センサが前記フレキシブル基板に接続された位置を含む第1の領域において前記フレキシブル基板に固着された第1の補強板と、
前記第2の光センサが前記フレキシブル基板に接続された位置を含む第2の領域において前記フレキシブル基板に固着された第2の補強板と、
を備え、
前記フレキシブル基板の前記第1の領域と前記第2の領域の間には何れの補強板も固着されていない可撓領域が設けられており、
前記フレキシブル基板の前記可撓領域は前記第1の領域と前記第2の領域の間の段差に応じて撓んでいる、プリンタが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明のある態様によれば、同一の基板に実装面焦点間距離が相互に異なる2つのセンサを並べて実装した場合であっても、それぞれのセンサが精度よく印字媒体から検出対象を検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1Aは、本発明の第1の実施の形態によるプリンタカバーが閉じた状態におけるプリンタの前面と左側面と上面を示す斜視図であり、
図1Bは、本発明の第1の実施の形態によるプリンタカバーが閉じた状態におけるプリンタの前面と左側面と上面を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態によるプリンタカバーが開いた状態におけるプリンタの左側面と上面を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態によるプリンタにおける連続紙搬送路付近を示す部分的な断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態によるプリンタのプリンタカバーの分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態によるプリンタにおいて、プリンタカバーと本体ケースの連結構造を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態によるプリンタカバーが開いた状態における外側プリンタカバー及び内側プリンタカバープリンタの内面及びこれらの内面に配置された部品を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの内側プリンタカバー及び外側プリンタカバーの内面並びにカバー側コネクタ及びプラテン軸を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの本体側コネクタ、プラテン軸支持部及びプラテン保持ブラケット並びにそれらの周辺部を示す斜視図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態によるプリンタにおけるセンサユニット、カバー側コネクタ及びこれらの接合部の構成を示す斜視図である。
【
図10】
図10A、
図10B及び
図10Cは、それぞれ、本発明の第1の実施の形態によるセンサユニットの展開した状態における裏側平面図、側面図及び表側平面図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの本体カバー間コネクタ及びこれに接続された回路を示す回路図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図3におけるXII-XII断面図である。
【
図13】
図13A、
図13B及び
図13Cは、それぞれ、プリンタへ装着した状態における、本発明の第1の実施の形態によるセンサユニットの裏側平面図、側面図及び表側平面図である。
【
図14】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図12におけるXIV-XIV断面図である。
【
図15】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図12におけるXV-XV断面図である。
【
図16】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図12におけるXVI-XVI断面図である。
【
図17】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図12におけるXVII-XVII断面図である。
【
図18】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図12におけるXVIII-XVIII断面図である。
【
図19】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図12におけるXIX-XIX断面図である。
【
図20】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図12におけるXX-XX断面図である。
【
図22】本発明の第2の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図3におけるXII-XII断面図である。
【
図23】本発明の第3の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図3におけるXII-XII断面図である。
【
図24】本発明の第4の実施の形態によるプリンタの光センサ付近の構成を示す、
図3におけるXII-XII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
(1)プリンタの構成
以下、実施の形態に係るプリンタ1について、
図1A、
図1B及び
図2を参照して説明する。
【0019】
図1Aは、実施の形態に係るプリンタ1のプリンタカバー3が閉じた状態の正面、平面及び左側面を表す斜視図である。
図1Bは、実施の形態に係るプリンタ1のプリンタカバー3が開いた状態の正面、平面及び左側面を表す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態に係るプリンタ1の上面及び左側面を表す斜視図である。
【0020】
図1A、
図1B及び
図2に示すように、本実施の形態のプリンタ1は、本体ケース2と、プリンタカバー3と、表示パネル15と、プラテンローラ10と、サーマルヘッド28(本発明の「印字ヘッド」の一例である。)を備える。
【0021】
例えば
図1Aにおいて理解されるように、プリンタ1の外部底面は略長方形をなしており、その長辺に沿った方向を前後方向と定義する。すなわち、表示パネル15が設けられている側を前方(FR)と定義し、その反対側のプリンタカバー側を後方(RR)と定義する。当該前後方向を基準として、右側(RH)、左側(LH)、上側(UP)及び下側(LO)を定義する。なお、以下の説明では適宜、右側(RH)の方向又は左側(LH)の方向を横方向といい、上側(UP)の方向又は下側(LO)の方向を上下方向という。
【0022】
図2に示すように、プリンタ1の内部は、連続紙(本発明の「印字媒体」の一例)353がロール状に巻回されたロール体355を収容するためのロール体収容室9が設けられてもよく、本体ケース2にはロール体355を載置するための内部底面が形成されてもよい。連続紙353は、台紙と、台紙に仮着された複数のラベルを含む。
【0023】
プリンタカバー3は、プリンタ1の内部を開放又は閉鎖するカバーである。プリンタカバー3の後端には、プリンタカバー3を本体ケースに対して後開きに回動可能に支持するためのヒンジ軸81を含むヒンジ8が設けられている。
【0024】
プリンタカバー3および本体ケースは、いずれか一方のヒンジ軸81への取り付けに遊びを持たせることで、プリンタカバー3の開放時において、わずかに前後方向のスライドが可能である。
【0025】
表示パネル15は、ユーザに対する入出力インタフェースを提供し、例えばタッチパネル機能を備えた液晶表示パネルである。
【0026】
図2に示すように、プリンタカバー3のヒンジ8が在る側に対向する側である先端側には、プラテンローラ10が正逆方向に回転可能に支持されている。
【0027】
プラテンローラ10は、一対のロール体ガイド6aに保持された状態でロール体収容室9に収容されたロール体355から引き出された連続紙353を搬送する搬送手段であり、ロール体355の幅方向に沿って延在した状態で形成されている。なお、プラテンローラ10は、ステッピングモータ(図示せず)等に機械的に連結されて駆動される。
【0028】
サーマルヘッド28は、例えば、文字、記号、図形又はバーコード等のような情報を、ロール体355から引き出された連続紙353に印字する印字手段である。
図3に示すように、プリンタカバー3が閉鎖状態のときには、プリンタカバー3が閉鎖状態のときには、サーマルヘッド28の印字面が連続紙通路に向き、かつプラテンローラ10に対向する。サーマルヘッド28の印字面には、通電により発熱する複数の発熱抵抗体(図示せず)が連続紙353の幅方向に沿って並んで設置されている。サーマルヘッド28は、サーマルヘッド28に印字信号を伝送する回路基板(図示せず)に接続されている。
【0029】
なお、連続紙通路は、プリンタカバー3を閉鎖状態にしたときに、形成される。連続紙通路は、プリンタカバー3を閉鎖状態にしたときに、連続紙353の搬送方向においては、連続紙通路前面壁391と連続紙通路後面壁393が対向する領域のロール体収容室9からの入り口付近からサーマルヘッド28とプラテンローラ10により連続紙353を挟持する位置までの範囲に少なくとも跨る。また、連続紙通路は、プリンタカバー3を閉鎖状態にしたときに、幅方向においては、プリンタ1のほぼ全幅に亘っている連続紙通路前面壁391と連続紙通路後面壁393が対向する全領域、部分領域又は前記全領域を含む領域に跨る。
【0030】
サーマルヘッド28の裏側にはサーマルヘッド28に対してプラテンローラ10の方向に付勢力を与える付勢部材としてのコイルばね(図示せず。)が設けられている。
【0031】
プリンタカバー3が閉鎖されて印字が行われているときには、連続紙353がプラテンローラ10によって搬送されつつ、プラテンローラ10とサーマルヘッド28の間で挟持される。このとき、サーマルヘッド28は、上記付勢力によってプラテンローラ10に押し付けられ、それによって印字に適したヘッド圧が生成される。
【0032】
図2を参照すると、連続紙通路前面壁391及び連続紙通路後面壁393には、プリンタカバー3を閉鎖状態にしたときに、ロール体355からサーマルヘッド28まで搬送されている連続紙353を挟んで相互に対向するように、本体側光学フィルタ351及びカバー側光学フィルタ349がそれぞれ設けられている。
【0033】
(2)本体ケース
本体ケース2は、プリンタ1の後半部分にあるロール体収容室9付近において、ロール体収容室9の下半分の空間を左右側方、後方及び下方から覆う部分及びプリンタ1の前半部分にある機構及び回路などが収まっている空間を左右側方、前方、下方及び上方から覆う部分を有する。
【0034】
(3)プリンタカバー
プリンタカバー3は、ロール体収容室9付近において、ロール体収容室9の上半分の空間を左右側方、後方及び上方から覆う。
【0035】
プリンタカバー3は、
図1Aに示すような閉鎖位置と
図1Bに示すような最大開放角度での開放位置の間でヒンジ8の回転軸について開閉可能である。
【0036】
図4に示すように、プリンタカバー3は、互いに重なって配置される外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を有する。外側プリンタカバー31には一対の締結部310L,310Rが設けられ、内側プリンタカバー32には一対の挿通孔320L,320Rが設けられている。ねじSC1,SC2をそれぞれ、内側プリンタカバー32の挿通孔320L,320Rを通して、外側プリンタカバー31の締結部310L,310Rに締結することで、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32が一体化される。
【0037】
一体型プラテンローラ11は、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32に挟持されるようにして外側プリンタカバー31及び内側プリンタカバー32に保持される。一体型プラテンローラ11をプリンタカバー3から着脱させるためには、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32の締結を解除する必要がある。
【0038】
図5に示すように、プリンタカバー3の一端には、揺動軸となるヒンジ軸81を含むヒンジ8が取り付けられており、プリンタカバー3の他端には、一体型プラテンローラ11(プラテンローラ10と剥離バー12を含む。)が取り付けられている。
【0039】
(4)プラテンローラ
図6に示すように、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32が分離されているときに、プラテンローラ10は、外側プリンタカバー31に設けられたプラテン保持部312に仮保持されることができる。
【0040】
また、図示しないが、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32がねじ止めにより一体化したプリンタカバー3になっているときには、プラテン軸10aの両端部を受ける一対の軸受けが外側プリンタカバー31の内側に設けられた軸受け保持部と内側プリンタカバー32の外側に設けられた軸受け保持部により挟まれる。
【0041】
これにより、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32がねじ止めにより一体化したプリンタカバー3になっているときには、プラテン軸10aは、プリンタカバー3に回転可能に固定される。
【0042】
(5)プラテン軸支持部
図2に示すように、プラテン軸支持部26は、本体のプリンタカバー3に覆われる部分に設けられる。より詳細には、プラテン軸支持部26は、閉鎖したプリンタカバー3の先端辺の左右両端付近の本体部分に一対設けられる。
【0043】
一対のプラテン軸支持部26は、プリンタカバー3が閉鎖位置に在るときにプラテン軸10aの左右両端部付近にある一対の第1の被支持部10c(
図7参照)をそれぞれ回転可能に支持する。
【0044】
(6)プラテン保持ブラケット
図8に示すように、プラテン保持ブラケット27は、一対のアーム部27gとこれらを結合するビーム部27hを有する。アーム部27gの先端には、上側把持部27dと下側把持部27eが設けられている。
【0045】
プリンタカバー3が閉鎖位置に在るときには、プラテン軸10aの軸に垂直な面における位置は、軸の前端面側及び後端面側にあるプラテン軸支持部26の前側壁部及び後側壁部と軸の上端面側及び下端面側にあるプラテン保持ブラケット27の上側把持部27dと下側把持部27eにより四方から規定されることになる。より詳細にはプラテン軸10aの第1の被支持部10c(
図6参照)がプラテン軸支持部26の前側壁部及び後側壁部により前後方向の位置が規定され、プラテン軸10aの第2の被支持部10d(
図6参照)がプラテン保持ブラケット27の上側把持部27dと下側把持部27eにより上下方向の位置が規定される。
【0046】
(7)本体カバー間コネクタ
図2を参照すると、本体ケース2には本体側コネクタ363が設けられており、プリンタカバー3にはカバー側コネクタ373が設けられている。
【0047】
プリンタカバー3が開放状態にあるときには、カバー側コネクタ373は本体側コネクタ363から離間しているが、プリンタカバー3が閉鎖状態にあるときには、カバー側コネクタ373は本体側コネクタ363と結合する。
【0048】
図7に示すように、内側プリンタカバー32に設けられたカバー側コネクタ当接面375には、2×3の格子状に並んだピン状のカバー側コネクタ雄端子377が配置される。
【0049】
図8に示すように、本体側コネクタ当接面365の凹部に2×3の格子状に並んだ本体側コネクタ雌端子367が配置される。
【0050】
プリンタカバー3が閉鎖状態に在るときには、本体側コネクタ当接面365とカバー側コネクタ当接面375が当接し、また、2×3の本体側コネクタ雌端子367と2×3のカバー側コネクタ雄端子377がそれぞれ接触し、これにより、本体ケース2側の回路とプリンタカバー3側の回路が接続される。
【0051】
図9を参照すると、2×3のカバー側コネクタ雄端子377は、これらをこれらの軸方向に伸縮可能に収容するための2×3の端子基部379、これらの端子基部379が取り付けられた固定部材381と一体化されている。
【0052】
(8)センサユニット
【0053】
(8-1)センサユニットの構成
図9を更に参照すると、固定部材381は、第1フレキシブル基板503の第1の端部と接続されている。
図9には詳細に描かれていないが、この接続のためには、固定部材381の2×3の端子基部379が設けられた面の反対面には、2×3のカバー側コネクタ雄端子377と電気的に接続されている2×3のピンが設けられている。また、これらの2×3のピンを通すための2×3の電気的な端子穴が第1フレキシブル基板503の第1の端部付近に設けられている。そして、2×3のピンと2×3の端子穴ははんだ付けなどにより電気的に接続されている。
【0054】
図6に示すように内側プリンタカバー32にはカバー側コネクタ設置部371が設けられているが、カバー側コネクタ設置部371にある収容部(図示せず。)に固定部材381が収容される。そして、その収容部に設けられた2×3の穴から
図7に示すように2×3のカバー側コネクタ雄端子377が突出する。
【0055】
第1フレキシブル基板503は、細長い矩形の形状を有するが、
図6に示すように内側プリンタカバー32に装着された状態においては、
図9に示すように6箇所で折り曲げられている。
【0056】
また、後述するように、センサユニット501に設けられた第1の貫通穴501a(
図10参照)に内側プリンタカバー32に設けられた第1ボス531(
図12参照)が通り、センサユニット501に設けられた第2の貫通穴501b(
図10参照)に内側プリンタカバー32に設けられた第2ボス533(
図12参照)が通るように第1フレキシブル基板503の位置を調整しつつ、センサユニット501を内側プリンタカバー32に装着する。これにより、
図6に示すように、アイマークセンサ(本発明の「第1センサ」に対応する。)509とギャップセンサの受光素子(本発明の「第2センサ」に対応する。)511がカバー側光学フィルタ349の裏面と対向するようにセンサユニット501は内側プリンタカバー32の内部に装着される。そして、上記したように、
図5に示すように、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を一体化したときには、センサユニット501は、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32の間の内部空間397(
図3参照)に配置されるようになる。この詳細については後述する。
【0057】
図11に示すように、本体側コネクタ雌端子367-1から367-6は、本体側回路385に接続されている。また、本体側回路385には電源383が接続されている。
【0058】
また、6組の本体側コネクタ雌端子367-1から367-6とカバー側コネクタ雄端子377-1から377-6のうち、第1の組と第2の組の本体側コネクタ雌端子367-1,367-2及びカバー側コネクタ雄端子377-1,377-2は、反射型のアイマークセンサ509に対応したものである。反射型のアイマークセンサ509は、連続紙353に光を照射し、連続紙353に付されている黒色のアイマークを連続紙353からの反射光の強度により検出する。第1の組のカバー側コネクタ雄端子377-1と第2組のカバー側コネクタ雄端子377-2は、それぞれ、第1フレキシブル基板503の基板内配線503-1,503-2を介して、アイマークセンサ509に接続されている。
【0059】
第3の組と第4の組の本体側コネクタ雌端子367-3,367-4及びカバー側コネクタ雄端子377-3,377-4は、透過型のギャップセンサの受光素子511に対応したものである。透過型のギャップセンサは、受光素子511の他に発光素子555を含む。透過型のギャップセンサの受光素子511は、対応する発光素子555から本体側光学フィルタ351、連続紙353及びカバー側光学フィルタ349を介して受光した光の強度により連続紙353において台紙にラベルが仮着されている部分を検出する(連続紙353において台紙にラベルが仮着されている部分と貼付されていない部分を識別する)。
【0060】
第3の組のカバー側コネクタ雄端子377-3と第4の組のカバー側コネクタ雄端子377-4は、それぞれ、第1フレキシブル基板503の基板内配線503-3,503-4を介して、ギャップセンサの受光素子511に接続される。
【0061】
第5の組と第6の組の本体側コネクタ雌端子367-5,367-6及びカバー側コネクタ雄端子377-5,377-6は、プリンタカバー3の開閉を検出するためのものである。第5の組のカバー側コネクタ雄端子377-5と第6の組のカバー側コネクタ雄端子377-6は、第1フレキシブル基板503の基板内配線503-5により短絡される。
【0062】
第6の組の本体側コネクタ雌端子367-6及びカバー側コネクタ雄端子377-6は、グランド配線に対応する。
【0063】
【0064】
図10Aから
図10Cを参照すると、第1フレキシブル基板503の長手方向において片側の端部から所定の範囲に亘り第1フレキシブル基板503の裏面に第1補強板505が固着されている。固着方法は問わないが、例えば、接着、融着でよい。
【0065】
また、第1フレキシブル基板503の長手方向において第1補強板505から所定距離だけ離間した位置から所定の範囲に亘り第1フレキシブル基板503の裏面に第2補強板507が固着されている。固着方法は問わないが、例えば、接着、融着でよい。
【0066】
第1フレキシブル基板503の長手方向において第1補強板505が固着されている領域と第2補強板507が固着されている領域の間の領域(つまり、補強板が固着されていない部分)は可撓領域503cとして機能する。
【0067】
第1フレキシブル基板503、第1補強板505及び第2補強板507の幅は共に等しいことが好ましいがこの限りではない。
【0068】
第1フレキシブル基板503に第1補強板505が固着されている領域には貫通穴501aが空けられているが、貫通穴501aは、第1フレキシブル基板503の貫通穴503aと第1補強板505の貫通穴505aを含む。
【0069】
第1フレキシブル基板503に第2補強板507が固着されている領域には貫通穴501bが空けられているが、貫通穴501bは、第1フレキシブル基板503の貫通穴503bと第2補強板507の貫通穴503bを含む。
【0070】
第1フレキシブル基板503の平面でみて第1補強板505が固着されている領域(ただし、貫通穴501aが空けられている領域は除く。)において、第1フレキシブル基板503の表面にはアイマークセンサ509が配置されている。
【0071】
第1フレキシブル基板503の平面でみて第2補強板507が固着されている領域(ただし、貫通穴501bが空けられている領域は除く。)において、第1フレキシブル基板503の表面にはギャップセンサの受光素子511が配置されている。
【0072】
なお、第1の実施の形態においては、アイマークセンサ509及びギャップセンサの受光素子511は、表面実装(SMT;surface mount technology)型の形態のものである。
【0073】
(8-2)センサユニットの配置
図6を参照して、内側プリンタカバー32にセンサユニット501が装着されることを既に説明した。装着後に、
図5に示すように、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を一体化させると、センサユニット501は、内部空間397(
図3参照)に配置される。このとき、センサユニット501のうちのアイマークセンサ509及びギャップセンサの受光素子511が配置されている部分及びその周辺部は、
図12から
図20に示すように、配置される。
【0074】
図3を参照すると、内側プリンタカバー32の連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395の間に内部空間397が設けられている。連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395は、サーマルヘッド28及びプラテンローラ10が対向する位置から連続紙通路のロール体収容室9側の入り口に向かうに従って近接する。この近接に伴い、内部空間397は、狭まっていく。
【0075】
図12は、
図3における断面線XII-XIIに対応した断面図である。
図12には、断面線XIV-XIV、断面線XV-XV、断面線XVII-XVII、断面線XVIII-XVIII、断面線XIX-XIX、断面線XX-XXが示されているが、それぞれの断面線に対応した断面図が
図14、
図15、
図17、
図18、
図19、
図20である。また
図12には、矢視線XVI-XVIが示されているが、これに対応した矢視図が
図16である。
【0076】
図13は、
図12に示すように本体ケース2の内部空間397に配置されたときのセンサユニット501の形状を示す。
【0077】
図14、
図15、
図16は、それぞれ、空間397の内部にある視点からセンサユニット501の裏面が見えるようにした断面図、空間397の内部にある視点からセンサユニット501の表面が見えるようにした断面図、連続紙通路の内部にある視点から連続紙通路後面壁393の表面並びに窓411及び窓413越しのアイマークセンサ509及びギャップセンサの受光素子511が見えるようにした矢視図である。
【0078】
図12に示すように、アイマークセンサ509の周辺においては、第1フレキシブル基板503及び第1補強板505は、表面側からは、第1表側支持部521-1,521-2,521-4により支持され、裏面側からは、第1裏側支持部523-1,523-2,523-3,523-4により支持される。以下、第1表側支持部521-1,521-2,521-4を総称して第1表側支持部521ということがある。同様に、第1裏側支持部523-1,523-2,523-3,523-4を総称して、第1裏側支持部523ということがある。
【0079】
第1フレキシブル基板503及び第1補強板505が第1表側支持部521-1及び第1裏側支持部523-1により支持される部分の側断面図が
図17であり、第1フレキシブル基板503及び第1補強板505が第1表側支持部521-3により支持される部分の側断面図が
図18である。
【0080】
図18には、窓411を介して連続紙通路に露出しているアイマークセンサ509が示されている。なお、カバー側光学フィルタ349の図示は省略している。
【0081】
また、
図12に示すように、ギャップセンサの受光素子511の周辺においては、第1フレキシブル基板503及び第2補強板507は、表面側からは、第2表側支持部525-1,525-3により支持され、裏面側からは第2裏側支持部527-1,527-2,527-3により支持される。以下、第2表側支持部525-1,525-3を総称して第2表側支持部525ということがある。同様に、第2裏側支持部527-1,527-2,527-3を総称して第2裏側支持部527ということがある。
【0082】
第1フレキシブル基板503及び第2補強板507が第2表側支持部525-1及び第2裏側支持部527-1により支持される部分の側断面図が
図19であり、第1フレキシブル基板503及び第2補強板507が第2裏側支持部527-2により支持される部分の側断面図が
図20である。
【0083】
図20には、窓413を介して連続紙通路に露出しているギャップセンサの受光素子511が示されている。なお、カバー側光学フィルタ349の図示は省略している。
【0084】
図14、
図17から
図20に示すように、内側プリンタカバー32の連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395の間には7つの下側支持部529-1~529-7が設けられている。以下、下側支持部529-1~529-7を総称して下側支持部529ということがある。
【0085】
より詳細に説明すると、
図12、
図14に示すように、7つの下側支持部529は、プリンタ1の幅方向において相互に離間するようにして配置されている。また、7つの下側支持部529のうち4つを
図17から
図20に示すように、各下側支持部529は、内側プリンタカバー32の連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395が合わさる位置から連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395が所定距離だけ離間する位置までの範囲において、連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395の間を埋めるようにして配置されている。従って、各下側支持部529は、内側プリンタカバー32の連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395が合わさる位置から連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395が所定距離だけ離間する位置までの距離を高さとした逆台形又は逆三角形の側方断面形状を有し、所定の厚みを有する部材である。
【0086】
7つの下側支持部529は、内側プリンタカバー32に一体化して成形されているが、その限りではない。
【0087】
図14、
図17から
図20に示すように、7つの下側支持部529の上面は、センサユニット501を下から支える部材として機能する。つまり、各下側支持部529は、センサユニット501をセンサユニット501の幅方向における片側から支える部材として機能する。
【0088】
また、
図12、
図15、
図17に示すように、内側プリンタカバー32の連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395の間には7つの下側支持部529のうち3つの下側支持部529-1,529-2,529-4に対応する第1表側支持部521-1,521-2,521-4が設けられている。
【0089】
下側支持部529-1と第1表側支持部521-1は一体化しているが、この限りではない。同様に、下側支持部529-2と第1表側支持部521-2は一体化し、下側支持部529-4と第1表側支持部521-4は一体化しているが、この限りではない。
【0090】
幅方向においてアイマークセンサ509が存在する位置にある下側支持部529-3に対応する第1表側支持部521は設けられない。従って、アイマークセンサ509の検出範囲を第1表側支持部521が妨害することはない。
【0091】
より詳細に説明すると、
図12、
図15に示すように、3つの第1表側支持部521-1,521-2,521-4は、プリンタ1の幅方向において相互に離間するようにして配置されている。また、
図12に示すように、センサユニット501が配置されたときのセンサユニット501の厚み方向において第1表側支持部521-1,521-2,521-4の長さは相互に等しい。一例として第1表側支持部521-1を
図17に示すように、第1表側支持部521の長さは、センサユニット501の幅とこの幅方向において同一であるがこの限りではない。支持機能を失わない限り、各第1表側支持部521のセンサユニット501の幅方向における長さは自由である。
【0092】
各第1表側支持部521は、対応する下側支持部529の上端からセンサユニット501の幅と同一の長さの搬送路方向の範囲において、連続紙通路後面壁393を起点として収容室前方面壁395に向かうようにして延びる。
【0093】
第1表側支持部521は、矩形の側方断面形状を有し、所定の厚みを有する部材である。
【0094】
第1表側支持部521は、下側支持部529と共に、又は下側支持部529とは分離して、内側プリンタカバー32に一体化して成形されているが、この限りではない。
【0095】
図12、
図15、
図17に示すように、各第1表側支持部521は、センサユニット501のアイマークセンサ509付近の部分を連続紙通路後面壁393側から支える部材として機能する。つまり、各第1表側支持部521は、センサユニット501をセンサユニット501の表側から支える部材として機能する。
【0096】
更に、
図12、
図15、
図19に示すように、内側プリンタカバー32の連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395の間には7つの下側支持部529のうち2つの下側支持部529-5,529-7に対応する第2表側支持部525-1,525-3が設けられている。
【0097】
幅方向においてギャップセンサの受光素子511が存在する位置にある下側支持部529に対応する第2表側支持部525は設けられない。従って、ギャップセンサの検出範囲を第2表側支持部525が妨害することはない。
【0098】
より詳細に説明すると、
図12、
図15に示すように、2つの第2表側支持部525-1,525-3は、プリンタ1の幅方向において相互に離間するようにして配置されている。また、
図12に示すように、センサユニット501が配置されたときのセンサユニット501の厚み方向において第2表側支持部525-1,525-3の長さは相互に等しい。一例として第2表側支持部525-1を
図19に示すように、第2表側支持部525の長さは、センサユニット501の幅とこの幅方向において同一であるが、この限りではない。支持機能を失わない限り、各第2表側支持部525のセンサユニット501の幅方向における長さは自由である。
【0099】
各第2表側支持部525は、対応する下側支持部529の上端からセンサユニット501の幅と同一の長さの搬送路方向の範囲において、連続紙通路後面壁393を起点として収容室前方面壁395に向かうようにして延びる。
【0100】
第2表側支持部525は、第1表側支持部521と同様に、矩形の側方断面形状を有し、所定の厚みを有する部材である。
【0101】
第1表側支持部521は、下側支持部529と共に、又は、下側支持部529と分離して、内側プリンタカバー32に一体化して成形されているが、この限りではない。
【0102】
図12、
図15、
図19に示すように、各第2表側支持部525は、センサユニット501のギャップセンサの受光素子511付近の部分を連続紙通路後面壁393側から支える部材として機能する。つまり、各第2表側支持部525は、センサユニット501をセンサユニット501の表側から支える部材として機能する。
【0103】
更に、
図12、
図14、
図17、
図18に示すように、内側プリンタカバー32の連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395の間には7つの下側支持部529-1~529-7のうち4つの下側支持部529-1,529-2,529-3,529-4に対応する第1裏側支持部523-1,523-2,523-3,523-4が設けられている。
【0104】
より詳細に説明すると、
図12、
図14に示すように、4つの第1裏側支持部523-1~523-4は、プリンタ1の幅方向において相互に離間するようにして配置されている。また、
図12に示すように、搬送路方向の同じ位置で比較したとき、センサユニット501が配置されたときのセンサユニット501の厚み方向において第1裏側支持部523-1,523-2,523-3,523-4の長さは相互に等しい。一例として第1裏側支持部523-1を
図17に示し、他の一例として第1裏側支持部523-3を
図18に示すように、第1裏側支持部523の長さは、センサユニット501の幅とこの幅方向において同一であるが、この限りではない。支持機能を失わない限り、各第1裏側支持部523のセンサユニット501の幅方向における長さは自由である。
【0105】
各第1裏側支持部523は、対応する下側支持部529の上端からセンサユニット501の幅と同一の長さの搬送路方向の範囲において、連続紙通路後面壁393を起点として収容室前方面壁395に向かうようにして延びる。
【0106】
第1裏側支持部523は、逆台形の側方断面形状を有し、所定の厚みを有する部材である。
【0107】
第1裏側支持部523は、外側プリンタカバー31に一体化して成形されている。より詳細に説明すると、
図6、
図17、
図18に示すように、プラテン保持部312に接合するようにして一体化して成形されている。
【0108】
図12、
図15、
図17、
図18に示すように、各第1裏側支持部523は、センサユニット501のアイマークセンサ509付近の部分を収容室前方面壁395側から支える部材として機能する。つまり、各第1裏側支持部523は、センサユニット501をセンサユニット501の裏側から支える部材として機能する。
【0109】
図17に示すように、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を一体化したときには、第1表側支持部521、第1フレキシブル基板503、第1補強板505及び第1裏側支持部523が、連続紙通路後面壁393及び収容室前方面壁395により挟まれるようにして積層した状態となるため、第1フレキシブル基板503及び第1補強板505の位置が少なくともこの積層の方向において安定する。従って、連続紙353からアイマークセンサ509までの距離が安定する。
【0110】
更に、
図12、
図14、
図19、
図20に示すように、内側プリンタカバー32の連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395の間には7つの下側支持部529のうち3つの下側支持部529-5,529-6,529-7に対応する第2裏側支持部527-1,527-2,527-3が設けられている。
【0111】
より詳細に説明すると、
図12、
図14に示すように、3つの第2裏側支持部527-1~527-3は、プリンタ1の幅方向において相互に離間するようにして配置されている。また、
図12に示すように、搬送路方向の同じ位置で比較したとき、センサユニット501が配置されたときのセンサユニット501の厚み方向において第2裏側支持部527-1~527-3の長さは相互に等しい。一例として第2裏側支持部527-1を
図19に示し、他の一例として第2裏側支持部527-2を
図20に示すように、第2裏側支持部527の長さは、センサユニット501の幅とこの幅方向において同一であるが、この限りではない。支持機能を失わない限り、各第2裏側支持部527のセンサユニット501の幅方向における長さは自由である。
各第2裏側支持部527は、対応する下側支持部529の上端からセンサユニット501の幅と同一の長さの搬送路方向の範囲において、連続紙通路後面壁393を起点として収容室前方面壁395に向かうようにして延びる。
【0112】
第2裏側支持部527は、逆台形又は逆三角形の側方断面形状を有し、所定の厚みを有する部材である。
【0113】
第2裏側支持部527は、外側プリンタカバー31に一体化して成形されている。より詳細に説明すると、
図6、
図19、
図20に示すように、プラテン保持部312に接合するようにして一体化して成形されている。
【0114】
図12、
図15、
図19、
図20に示すように、各第2裏側支持部527は、センサユニット501のギャップセンサの受光素子511付近の部分を連続紙通路後面壁393側から支える部材として機能する。つまり、各第2裏側支持部527は、センサユニット501をセンサユニット501の裏側から支える部材として機能する。
【0115】
図19に示すように、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を一体化したときには、第2表側支持部525、第1フレキシブル基板503、第2補強板507及び第2裏側支持部527が、連続紙通路後面壁393及び収容室前方面壁395により挟まれるようにして積層した状態となるため、第1フレキシブル基板503及び第2補強板507の位置が少なくともこの積層の方向において安定する。従って、連続紙353からギャップセンサの受光素子511までの距離が安定する。
【0116】
外側プリンタカバー31が内側プリンタカバー32から分離しているときには、センサユニット501の厚み方向においては、センサユニット501のアイマークセンサ509付近の部分は、第1表側支持部521により連続紙通路後面壁393側から支えられているのみである。これに対して、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を一体化させたときには、センサユニット501の厚み方向においては、センサユニット501のアイマークセンサ509付近の部分は、第1表側支持部521により連続紙通路後面壁393側から支えられ、且つ、第1裏側支持部523により収容室前方面壁395側から支えられるようになる。
【0117】
外側プリンタカバー31が内側プリンタカバー32から分離しているときには、センサユニット501の厚み方向においては、センサユニット501のギャップセンサの受光素子511付近の部分は、第2表側支持部525により連続紙通路後面壁393側から支えられているのみである。これに対して、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を一体化させたときには、センサユニット501の厚み方向においては、センサユニット501のギャップセンサの受光素子511付近の部分は、第2表側支持部525により連続紙通路後面壁393側から支えられ、且つ、第2裏側支持部527により収容室前方面壁395側から支えられるようになる。
【0118】
外側プリンタカバー31が内側プリンタカバー32から分離しているときには、センサユニット501の幅方向においては、センサユニット501のアイマークセンサ509付近の部分は、下側支持部529により一方から支えられているのみである。これに対して、外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を一体化させたときには、センサユニット501の幅方向においては、センサユニット501のアイマークセンサ509付近の部分は、下側支持部529により一方から支えられ、且つ、プラテン保持部312により他方から支えられるようになる。
【0119】
装着されている第1フレキシブル基板503の厚み方向における第1表側支持部521-1,521-2,521-4の長さをL1として、装着されている第1フレキシブル基板503の厚み方向における第2表側支持部525-5,525-7の長さをL2として、アイマークセンサ509の実装面焦点間距離をD1として、ギャップセンサの受光素子511の実装面焦点間距離をD2としたときに、式(1)の関係を満たすように、長さL1及び長さL2を設定する。
実装面焦点間距離D2-実装面焦点間距離D1=長さL2-長さL1・・・式(1)
ここで、実装面焦点間距離とは、光学的な焦点距離にセンサの実装面から焦点距離の基準となる位置までの厚み(実装面基準点間距離)を加算した距離のことである。従って、実装面焦点間距離は、センサの実装面から焦点までの距離に等しいことになる。
アイマークセンサ509の焦点距離及び実装面基準点間距離を、それぞれ、F1,H1とすると、D1=F1+H1である。
また、ギャップセンサの受光素子511の焦点距離及び実装面基準点間距離を、それぞれ、F2,H2とすると、D2=F2+H2である。そうすると、式(1)は、式(2)のように表すこともできる。
焦点距離F1+実装面基準点間距離H1
-(焦点距離F2+実装面基準点間距離H2)
=長さL2-長さL1 ・・・式(2)
このような長さL1及び長さL2の設定により、アイマークセンサ509の実装面から連続紙353までの距離S1をアイマークセンサ509の実装面焦点間距離D1に一致させ、且つ、ギャップセンサの受光素子511の実装面から連続紙353までの距離S2をギャップセンサの受光素子511の実装面焦点間距離D2に一致させることができる。
【0120】
ただし、これだけでは、必ずしもS1=D1且つS2=D2にはならず、S1=D1+Δd且つS2=D2+Δdにより表される焦点ずれΔdが生じる。そこで、D2-D1=L2-L1の関係を維持しつつ、焦点ずれΔdがゼロになるようにL1、L2を共に調整すればよい。
図12は、特には、S1、S2を示していないが、S1=D1、S2=D2である状態を示している。
【0121】
このように、実装面焦点間距離D1が実装面焦点間距離D2と異なるときには、上記のように、長さL1と長さL2を調整することにより、アイマークセンサ509から連続紙353までの距離S1を実装面焦点間距離D1に一致させ、ギャップセンサの受光素子511から連続紙353までの距離S2を実装面焦点間距離D2に一致させることができる。このように一致させたとき、第1フレキシブル基板503の厚み方向でみたとき、第1フレキシブル基板503のアイマークセンサ509付近の位置に対して、第1フレキシブル基板503のギャップセンサの受光素子511付近の位置がD2-D1だけ異なることになる。
【0122】
従って、第1フレキシブル基板503の第1補強板505が固着されている領域の第2補強板507側の端部と第1フレキシブル基板503の第2補強板507が固着されている領域の第1補強板505側端部の間には、ずれ量がD2-D1の段差が発生する。この段差は、これらの端部の間に設けられた可撓領域503cが撓むことにより吸収することができる。
【0123】
図13は、段差を吸収するために可撓領域503cが撓んだ状態にあるセンサユニット501の端部付近を示している。また、このように撓んだセンサユニット501は、
図12にも示している。
【0124】
第1表側支持部521-4及び第1裏側支持部523-4は、第1フレキシブル基板503に第1補強板505が固着されている領域のうち可撓領域503cに近接する辺縁部付近において、第1フレキシブル基板503及び第1補強板505を表側及び裏側から支持している。
【0125】
同様に、第2表側支持部525-1及び第2裏側支持部527-1は、第1フレキシブル基板503に第2補強板507が固着されている領域のうち可撓領域503cに近接する辺縁部付近において、第1フレキシブル基板503及び第2補強板507を表側及び裏側から支持している。
【0126】
従って、可撓領域503cが撓んでも、これに引きずられて、第1フレキシブル基板503に第1補強板505が固着されている領域又は第1フレキシブル基板503に第2補強板507が固着されている領域が変形したり、傾いたりすることを未然に防止することができる。従って、アイマークセンサ509又はギャップセンサの受光素子511の位置が変わったり、傾いたりすることを未然に防止することができる。
【0127】
連続紙通路を挟んで、連続紙通路後面壁393に対向する連続紙通路前面壁391の側には、ギャップセンサの受光素子511と対になる発光素子555が配置されている。発光素子555は、第2フレキシブル基板551に配置されている。第2フレキシブル基板551には、第3補強板553が固着されている。
【0128】
なお、
図12においては、ギャップセンサの発光素子555から連続紙353までの実装面焦点間距離をD2として示しているが、この限りではない。つまり、ギャップセンサの発光素子555から連続紙353までの距離がギャップセンサの受光素子511から連続紙353までの距離と等しいときにギャップセンサの検出精度が最も高いとは限らない。
【0129】
また、
図12では、連続紙通路前面壁391と連続紙通路後面壁393との間隙の距離をGとした場合、連続紙353は、連続紙通路後面壁393からG/2だけ離れた位置にある。しかし、必ずしも連続紙353がこの位置にあるとは限らない。連続紙通路後面壁393から連続紙353がどの程度の距離だけ離れているかは、プリンタのモデルにより異なる。
【0130】
更に、アイマークセンサ509の実装面焦点間距離D1とギャップセンサの受光素子511の実装面焦点間距離D2との差であるD2-D1が短くなるように、第1表側支持部521-1,521-2,521-4の長さL1を第2表側支持部525-5,525-7の長さL2に対して少し異ならせるだけでも、長さL1と長さL2が等しい場合と比べて、アイマークセンサ509の検出精度とギャップセンサの検出精度を向上させる効果を奏することができる。
【0131】
つまり、許容度αを導入し、
L2-L1=(D2-D1)×α
としたとき、α=1である必要性はなく、例えば、α=0.5,0.8,1.2,1.5でもアイマークセンサ509の検出精度とギャップセンサの検出精度を向上させる効果を奏することができる。但し、α>0である必要はある。
【0132】
図21Aは、距離L1=距離L2とした比較例を示すものである。つまり、第1表側支持部521の長さL1と第2表側支持部525の長さL2を同一としたものである(L2-L1=0)。
【0133】
この場合、アイマークセンサ509の焦点位置P1と連続紙353の検出位置Q1との間の距離(第1の焦点ずれ距離)E1と、ギャップセンサの受光素子511の焦点位置P2と連続紙353の検出位置Q2との間の距離(第2の焦点ずれ距離)E2との間には、
ΔE
=E1-E2
=D2-D1
≠0
の関係がある。従って、例えば、アイマークセンサ509について焦点を合わせて第1の焦点ずれ距離E1=0にしてもギャップセンサの受光素子511については焦点が合わず第2の焦点ずれ距離E2≠0になる。具体的には、アイマークセンサ509について焦点を合わせて第1の焦点ずれ距離E1=0にしたときには、アイマークセンサ509についての第1の焦点ずれ距離E1がD1-D2になる。同様に、ギャップセンサの受光素子511について焦点を合わせて第2の焦点ずれ距離E2=0にしてもアイマークセンサ509については焦点が合わず第1の焦点ずれ距離E1≠0になる。具体的には、ギャップセンサの受光素子511について焦点を合わせて第2の焦点ずれ距離E2=0にしたときには、アイマークセンサ509についての第1の焦点ずれ距離E1がD2-D1になる。
【0134】
図21B、
図21Cは、距離L1≠距離L2としたものである。特に、
図21Bは、上記の実施の形態と同様に、第1表側支持部521の長さL1と第2表側支持部525の長さL2について、L2-L1=D2-D1としたものである。又は、L2-L1=(D2-D1)×αにおいてα=1としたものである。
【0135】
この場合、アイマークセンサ509の焦点位置P1と連続紙353の検出位置Q1との間の第1の焦点ずれ距離E1と、ギャップセンサの受光素子511の焦点位置P2と連続紙353の検出位置Q2との間の第1の焦点ずれ距離E1との間には、
ΔE
=E1-E2
=(D2-D1)-(L2-L1)
=0
の関係がある。従って、例えば、ギャップセンサの受光素子511について焦点を合わせて第2の焦点ずれ距離E2=0にしたときには、アイマークセンサ509についても焦点が合い第1の焦点ずれ距離E1=0になる。
【0136】
図21Cは、第1表側支持部521の長さL1と第2表側支持部525の長さL2について、
L2-L1=(D2-D1)×α
において、α≒0.5としたものである。
【0137】
この場合、アイマークセンサ509の焦点位置P1と連続紙353の検出位置Q1との間の第1の焦点ずれ距離E1と、ギャップセンサの受光素子511の焦点位置P2と連続紙353の検出位置Q2との間の第1の焦点ずれ距離E1との間には、
ΔE
=E1-E2
=(D2-D1)-(L2-L1)
=(D2-D1)-(D2-D1)×α
≒0.5×(D2-D1)
の関係がある。従って、例えば、ギャップセンサの受光素子511について焦点を合わせ第2の焦点ずれ距離E2=0にしたときには、アイマークセンサ509の第1の焦点ずれ距離E1が0.5×(D2-D1)になる。
【0138】
従って、L2-L1=(D2-D1)×αにおいて、α≠1であってもある程度の検出精度向上の効果があることがわかる。例えば、0.5<α<1.5の範囲にαを設定すればよい。
【0139】
上記の
図21Aの比較例では、第1の焦点ずれ距離E1と、第2の焦点ずれ距離E2との差分E1-E2(焦点ずれ距離相互間のずれ)が、第1の実装面焦点間距離D1と第2の実装面焦点間距離D2の差分D2-D1(実装面焦点間距離相互間のずれ)と同一である(E1-E2=D2-D1)。
【0140】
これに対して、上記の
図21B、
図21Cの例では、第1の焦点ずれ距離E1と、第2の焦点ずれ距離E2との差分E1-E2(焦点ずれ距離相互間のずれ)が、第1の実装面焦点間距離D1と第2の実装面焦点間距離D2の差分D2-D1(実装面焦点間距離相互間のずれ)よりも小さくなるように調整されている(E1-E2<D2-D1)。
【0141】
特に、
図21Bの例では、E1-E2=0になるように調整されており、
図21Cの例では、E1-E2≒(D2-D1)×0.5になるように調整されている。
【0142】
なお、上記の説明では、アイマークセンサ509が連続紙353を検出対象とするときの連続紙353の検出位置Q1の連続紙通路後面壁393からの距離R1(両者間の連続紙通路後面壁393の垂線方向の距離)と、ギャップセンサの受光素子511が連続紙353を検出対象とするときの連続紙353の検出位置Q2の連続紙通路後面壁393からの距離R2(両者間の連続紙通路後面壁393の垂線方向の距離)が同じであるとしている。
【0143】
しかし、距離R1が距離R2と異なっていてもよい。つまり、例えば、アイマークセンサ509が連続紙353を検出対象とするときの連続紙353#1と、ギャップセンサの受光素子511が連続紙353を検出対象とするときの連続紙353#2とが異なったものであり、連続紙353#1が連続紙通路を通ると連続紙353#2が連続紙通路を通る位置が異なっていて、これにより距離R1と距離R2が異なっていてもよい。
【0144】
距離R1と距離R2との差分がΔRであるならば、
L2-L1=(D2-D1)+ΔR
にすることによりアイマークセンサ509とギャップセンサの受光素子511の双方について焦点を合わせることができる。上記のように許容度αを入れるならば、
L2-l1=((D2-D1)+ΔR)×α
にすればよい。
【0145】
外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を一体化したときに第1裏側支持部523が収容室前方面壁395に接触しないように構成しても良い。この場合であっても、第1裏側支持部523は、プラテン保持部312に接合するようにして一体化して成形されているので、第1フレキシブル基板503及び第1補強板505を第1表側支持部521の反対側(センサユニット501の裏側)から支持することができる。
【0146】
外側プリンタカバー31と内側プリンタカバー32を一体化したときに第2裏側支持部527が収容室前方面壁395に接触しないように構成しても良い。この場合であっても、第2裏側支持部527は、プラテン保持部312に接合するようにして一体化して成形されているので、第1フレキシブル基板503及び第2補強板507を第2表側支持部525の反対側(センサユニット501の裏側)から支持することができる。
【0147】
相互に離間している第1表側支持部521の間に梁を設けても良い。相互に離間している第2表側支持部525の間に梁を設けても良い。第1表側支持部521と第2表側支持部525の間に梁を設けても良い。
【0148】
同様に、相互に離間している第1裏側支持部523の間に梁を設けても良い。相互に離間している第2裏側支持部527の間に梁を設けても良い。第1裏側支持部523と第2裏側支持部527の間に梁を設けても良い。
【0149】
図12、
図18に示すように、アイマークセンサ509が設けられている位置には第1表側支持部521が設けられていない。しかし、アイマークセンサ509の検出範囲を妨害しない範囲において(つまり、窓411と被らない範囲において)第1表側支持部521を設けてもよい。
【0150】
同様に、
図12、
図20に示すように、ギャップセンサの受光素子511が設けられている位置には第2表側支持部525が設けられていない。しかし、ギャップセンサの検出範囲を妨害しない範囲において(つまり、窓413と被らない範囲において)第2表側支持部525を設けてもよい。
【0151】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態においては、アイマークセンサ509及びギャップセンサの受光素子511は、表面実装型の形態のものであった。
【0152】
これに対して、第2の実施の形態では、アイマークセンサ509はDIP(Dual Inline Package)型の形態のものであり、ギャップセンサの受光素子511は表面実装型の形態のものである。
【0153】
第1の実施の形態においては、表面実装型のアイマークセンサ509を第1フレキシブル基板503の表面に実装したときに、第1フレキシブル基板503の裏面は何の影響も受けていないので、この裏側に第1補強板505を固着することができた。
【0154】
これに対して、DIP型のアイマークセンサ509を第1フレキシブル基板503の表面に実装するならば、裏面にピンが突き出され、そのピンを裏面からはんだ付けすることになるが、この場合、そのような裏面に第1補強板505を安定して固着することができない。
【0155】
そこで、
図22に示すように、第2の実施の形態では、第1フレキシブル基板503の表面に第1補強板505を固着し、これらにDIP型のアイマークセンサ509のピンを通すための貫通穴(図示せず。)を空けている。そして、DIP型のアイマークセンサ509のピンをこの貫通穴に通し、そのピンの先端を第1フレキシブル基板503の裏面側からはんだ付けしている。
【0156】
この場合、
図22に示すように、第1表側支持部521と第1フレキシブル基板503の間に第1補強板505が挟まることになる。
【0157】
なお、
図22では、第1の実施の形態と比較すると、第1裏側支持部523-3を削除しているが、ピンのはんだ付けに支障のない範囲で、第1裏側支持部523-3の一部を欠落させるだけでもよい。
【0158】
従って、第1の実施の形態と同様な実装面焦点間距離に関する調整をする場合、
実装面焦点間距離D2-実装面焦点間距離D1
=長さL2-(長さL1+第1補強板505の厚みT1)
となるような調整をする。
【0159】
また、D2-D1=L2-(L1+T1)の関係を維持しつつ、ずれΔdがゼロになるようにL1、L2を共に調整する。
【0160】
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態においては、アイマークセンサ509及びギャップセンサの受光素子511は、表面実装型の形態のものであった。
【0161】
これに対して、第3の実施の形態では、アイマークセンサ509は表面実装型の形態のものであり、ギャップセンサの受光素子511はDIP型の形態のものである。
【0162】
第1の実施の形態においては、表面実装型のギャップセンサの受光素子511を第1フレキシブル基板503の表面に実装したときに、第1フレキシブル基板503の裏面は何の影響も受けていないので、この裏側に第2補強板507を固着することができた。
【0163】
これに対して、DIP型のギャップセンサの受光素子511を第1フレキシブル基板503の表面に実装するならば、裏面にピンが突き出され、そのピンを裏面からはんだ付けすることになるが、この場合、そのような裏面に第2補強板507を安定して固着することができない。
【0164】
そこで、
図23に示すように、第3の実施の形態では、第1フレキシブル基板503の表面に第2補強板507を固着し、これらにDIP型のギャップセンサの受光素子511のピンを通すための貫通穴(図示せず。)を空けている。そして、DIP型のギャップセンサの受光素子511のピンをこの貫通穴に通し、そのピンの先端を第1フレキシブル基板503の裏面側からはんだ付けしている。
【0165】
この場合、
図23に示すように、第2表側支持部525と第1フレキシブル基板503の間に第2補強板507が挟まることになる。
【0166】
なお、
図23では、第1の実施の形態と比較すると、第2裏側支持部527-2を削除しているが、ピンのはんだ付けに支障のない範囲で、第2裏側支持部527-2の一部を欠落させるだけでもよい。
【0167】
従って、第1の実施の形態と同様な実装面焦点間距離に関する調整をする場合、
実装面焦点間距離D2-実装面焦点間距離D1
=(長さL2+第2補強板507の厚みT2)-長さL1
となるような調整をする。
【0168】
また、D2-D1=(L2+T2)-L1の関係を維持しつつ、ずれΔdがゼロになるようにL1、L2を共に調整する。
【0169】
[第4の実施の形態]
第1の実施の形態においては、アイマークセンサ509及びギャップセンサの受光素子511は、表面実装型の形態のものであった。
【0170】
これに対して、第4の実施の形態では、アイマークセンサ509及びギャップセンサの受光素子511はDIP型の形態のものである。
【0171】
図24に示すように、第4の実施の形態では、第1フレキシブル基板503の表面に第1補強板505を固着し、これらにDIP型のアイマークセンサ509のピンを通すための貫通穴(図示せず。)を空けている。そして、DIP型のアイマークセンサ509のピンをこの貫通穴に通し、そのピンの先端を第1フレキシブル基板503の裏面側からはんだ付けしている。また、第1フレキシブル基板503の表面に第2補強板507を固着し、これらにDIP型のギャップセンサの受光素子511のピンを通すための貫通穴(図示せず。)を空けている。そして、DIP型のアイマークセンサ509のピンをこの貫通穴に通し、そのピンの先端を第1フレキシブル基板503の裏面側からはんだ付けしている。
【0172】
この場合、
図24に示すように、第1裏側支持部523と第1フレキシブル基板503の間に第1補強板505が挟まることになる。また、第2表側支持部525と第1フレキシブル基板503の間に第2補強板507が挟まることになる。
【0173】
従って、第1の実施の形態と同様な実装面焦点間距離に関する調整をする場合、
実装面焦点間距離D2-実装面焦点間距離D1
=(長さL2+第2補強板507の厚みT2)
-(長さL1+第1補強板505の厚みT1)
となるような調整をする。
【0174】
また、D2-D1=(L2+T2)-(L1+T1)の関係を維持しつつ、ずれΔdがゼロになるようにL1、L2を共に調整する。
【0175】
なお、
図24では、第1の実施の形態と比較すると、第1裏側支持部523-3を削除しているが、ピンのはんだ付けに支障のない範囲で、第1裏側支持部523-3の一部を欠落させるだけでもよい。
【0176】
同様に、
図24では、第1の実施の形態と比較すると、第2裏側支持部527-2を削除しているが、ピンのはんだ付けに支障のない範囲で、第2裏側支持部527-2の一部を欠落させるだけでもよい。
【0177】
[第5の実施の形態]
上記の実施の形態では、アイマークセンサ509の実装面焦点間距離D1よりもギャップセンサの受光素子511の実装面焦点間距離D2のほうが長い。また、これに応じて、第1表側支持部521-1,521-2,521-4の長さをL1として、連続紙通路後面壁393と収容室前方面壁395を結ぶ方向における第2表側支持部525-5、525-7の長さをL2としたときに、長さL1よりも長さL2のほうが長い。
【0178】
これに対して、図示しないが、第5の実施の形態では、アイマークセンサ509の実装面焦点間距離D1よりもギャップセンサの受光素子511の実装面焦点間距離D2のほうが短い。また、これに応じて、長さL1よりも長さL2のほうが短い。
【0179】
[第6の実施の形態]
上記の実施の形態では、アイマークセンサ509とギャップセンサの受光素子511と発光素子555の組は、連続紙通路の幅方向に並んでいたが、この限りではない。例えば、連続紙通路の搬送方向に並んでいても良いし、連続紙通路の搬送方向に対して斜めに並んでいてもよい。
【0180】
[第7の実施の形態]
上記の実施の形態では、第1の光センサとして、アイマークセンサ509を用い、第2の光センサとして、ギャップセンサの受光素子511を用いていたが、この限りではない。例えば、第1の光センサとして、ギャップセンサの受光素子511を用い、第2の光センサとして、アイマークセンサ509を用いてもよい。
【0181】
また、上記の実施の形態では、第1の光センサとして、反射型の光センサを用い、第2の光センサとして、透過型の光センサを用いていたが、この限りではない。第1の光センサとして、反射型の光センサ又は透過型の光センサを用い、第2の光センサとして反射型の光センサ又は透過型の光センサを用いてもよく、また、これらの組み合わせも自由である。
【0182】
更に、上記の実施の形態では、第2の光センサとしてギャップセンサの受光素子511を用い、これに対応する発光素子555を連続紙通路の対向側に設けたが、対応する回路の入れ替えと共に発光素子と受光素子を入れ替えをしてもよい。
【0183】
本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他の種々の形で実施することができる。そのため、前述した各実施の形態は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更はすべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0184】
1:プリンタ
2:本体ケース
3:プリンタカバー
6a:ロール体ガイド
8:ヒンジ
9:ロール体収容室
10:プラテンローラ
10a:プラテン軸
10c:第1の被支持部
10d:第2の被支持部
11:一体型プラテンローラ
12:剥離バー
15:表示パネル
26:プラテン軸支持部
27:プラテン保持ブラケット
27d:上側把持部
27e:下側把持部
27g:アーム部
27h:ビーム部
28:サーマルヘッド
31:外側プリンタカバー
32:内側プリンタカバー
81:ヒンジ軸
295:収容室前方面壁
310L:締結部
310R:締結部
312:プラテン保持部
320L:挿通孔
320R:挿通孔
349:カバー側光学フィルタ
351:本体側光学フィルタ
353:連続紙(印字媒体)
355:ロール体
363:本体側コネクタ
365:本体側コネクタ当接面
367:本体側コネクタ雌端子
367-1~367-6:本体側コネクタ雌端子
371:カバー側コネクタ設置部
373:カバー側コネクタ
375:カバー側コネクタ当接面
377:カバー側コネクタ雄端子
377-1~377-6:カバー側コネクタ雄端子
379:端子基部
381:固定部材
383:電源
385:本体側回路
391:連続紙通路前面壁
393:連続紙通路後面壁
395:収容室前方面壁
397:内部空間
411:窓
413:窓
501:センサユニット
501a:第1の貫通穴
501b:第2の貫通穴
503:第1フレキシブル基板
503-1~503-5:基板内配線
503a:貫通穴
503b:貫通穴
503c:可撓領域
505:第1補強板
505a:貫通穴
507:第2補強板
509:アイマークセンサ(第1センサ)
511:ギャップセンサの受光素子(第2センサ)
521-1、521-2、521-4:第1表側支持部
523-1~523-4:第1裏側支持部
525-1、525-3:第2表側支持部
527-1~527-3:第2裏側支持部
529-1~529-7:下側支持部
531:第1ボス
533:第2ボス
555:ギャップセンサの発光素子
D1、D2:実装面焦点間距離
SC1:ねじ
SC2:ねじ