(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】降車支援装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241021BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08B21/00 N
(21)【出願番号】P 2021052168
(22)【出願日】2021-03-25
【審査請求日】2024-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
【住所又は居所原語表記】Vahrenwalder Strasse 9, D-30165 Hannover, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 宏次
(72)【発明者】
【氏名】徳田 将則
(72)【発明者】
【氏名】石田 正穂
(72)【発明者】
【氏名】福田 純也
(72)【発明者】
【氏名】宮迫 賢一
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-059342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G08B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を検知するための電波センサを備え、該電波センサによる検知結果に基づいて自車両に接近してくる物体を検知し、該検知した物体が前記自車両のドアの横を通過する可能性があると判定したときに警報条件が成立したと判定して警報を行うようになっている降車支援装置において、
前記自車両に接近してくる物体を検知したときに前記電波センサによる検知結果に基づいて当該物体の予測移動経路を取得し、
前記取得した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっている場合、当該物体を対象接近物体として設定し、該対象接近物体と前記自車両との間に当該対象接近物体とは別の物体が存在しない場合、前記対象接近物体が前記自車両のドアの横を通過する可能性があると判定し、
前記対象接近物体を設定したときに該対象接近物体と前記自車両との間に当該対象接近物体とは別の物体が存在する場合、該別の物体のエッジの位置に基づいて前記予測移動経路を補正し、該補正した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっている場合、前記対象接近物体が前記自車両のドアの横を通過する可能性があると判定する、
ように構成されている、
降車支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の降車支援装置において、
前記取得した予測移動経路が前記自車両から横方向に所定距離以内のエリアを通る経路となっている場合、前記取得した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっていると判定し、
前記補正した予測移動経路が前記所定距離以内のエリアを通る経路となっている場合、前記補正した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっていると判定する、
ように構成されている、
降車支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の降車支援装置において、
前記検知した物体が前記自車両のドアの横に到達するまでに要すると予測される時間が所定時間以下になったときに前記取得した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっている場合、前記検知した物体を前記対象接近物体として設定するように構成されている、
降車支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
停止中の自車両の横を通過する可能性のある物体を検知したときにドアを開けられないようにすることにより、乗員が自車両から降車することができないようにする降車支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。又、停止中の自車両の横を通過する可能性のある物体を検知したときに警報を行うことにより、自車両の横を通過する可能性のある物体が存在することを自車両の乗員に知らせるようにした降車支援装置も知られている。こうした降車支援装置によれば、自車両の乗員の安全を守ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
従来の降車支援装置として、停止中の自車両に接近してくる車両等の物体(接近物体)の検知にレーダセンサ等の電波センサを利用する降車支援装置が知られている。電波センサは、電波を出力するが、その電波は、物体のエッジで回折する。従って、接近物体と自車両との間に接近物体とは別の物体が存在する場合、電波センサから出力され、接近物体で反射した電波(反射波)が当該別の物体のエッジで回折することがあり、回折した電波(反射波)に基づいて接近物体の移動経路を予測すると、接近物体が自車両のドアの横を通過する可能性があるか否かの判定を誤ってしまう可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、接近物体と自車両との間に別の物体が存在する場合においても、接近物体が自車両のドアの横を通過する可能性があるか否かを正確に判定することができる降車支援装置を提供することにある。
【0006】
本発明に係る降車支援装置は、物体を検知するための電波センサを備え、該電波センサによる検知結果に基づいて自車両に接近してくる物体を検知し、該検知した物体が前記自車両のドアの横を通過する可能性があると判定したときに警報条件が成立したと判定して警報を行うようになっている。
【0007】
本発明に係る降車支援装置は、前記自車両に接近してくる物体を検知したときに前記電波センサによる検知結果に基づいて当該物体の予測移動経路を取得し、前記取得した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっている場合、当該物体を対象接近物体として設定し、該対象接近物体と前記自車両との間に当該対象接近物体とは別の物体が存在しない場合、前記対象接近物体が前記自車両のドアの横を通過する可能性があると判定する。
【0008】
一方、本発明に係る降車支援装置は、前記対象接近物体を設定したときに該対象接近物体と前記自車両との間に当該対象接近物体とは別の物体が存在する場合、該別の物体のエッジの位置に基づいて前記予測移動経路を補正し、該補正した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっている場合、前記対象接近物体が前記自車両のドアの横を通過する可能性があると判定する。
【0009】
対象接近物体と自車両との間に別の物体が存在すると、その別の物体のエッジで対象接近物体で反射した電波の回折が生じる可能性がある。こうした場合に電波に基づいて取得された予測移動経路に基づいて対象接近物体が自車両のドアの横を通過する可能性があるか否かを判定すると、その判定に誤りが生じる可能性がある。本発明によれば、対象接近物体と自車両との間に別の物体が存在する場合、その別の物体のエッジの位置に基づいて対象接近物体の予測移動経路が補正され、その補正された予測移動経路に基づいて対象接近物体が自車両のドアの横を通過する可能性があるか否かが判定される。このため、対象接近物体と自車両との間に別の物体が存在する場合においても、対象接近物体が自車両のドアの横を通過する可能性があるか否かをより精度良く判定することができる
【0010】
本発明に係る降車支援装置は、前記取得した予測移動経路が前記自車両から横方向に所定距離以内のエリアを通る経路となっている場合、前記取得した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっていると判定するように構成されてもよい。この場合、本発明に係る降車支援装置は、前記補正した予測移動経路が前記所定距離以内のエリアを通る経路となっている場合、前記補正した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっていると判定するように構成されてもよい。
【0011】
対象接近物体は、警報を行うか否かを左右する要素であるので、警報を行うか否かを適切に判定するためには、対象接近物体と判断される物体は、予測移動経路が自車両から横方向に或る一定の距離以内のエリアを通過する経路となっている物体であることが好ましい。本発明によれば、自車両に接近してくる物体であって予測移動経路が自車両から横方向に所定距離以内のエリアを通過する経路となっている物体が接近物体として検知される。このため、警報を行うか否かを、より適切に判定することができる。
【0012】
又、本発明に係る降車支援装置は、前記検知した物体が前記自車両のドアの横に到達するまでに要すると予測される時間が所定時間以下になったときに前記取得した予測移動経路が前記自車両のドアの横を通る経路となっている場合、前記検知した物体を前記対象接近物体として設定するように構成されてもよい。
【0013】
対象接近物体が自車両から遠い場所を移動しているうちから警報を行うよりも、対象接近物体が自車両に近づいてから警報を行うほうが好ましい。本発明によれば、対象接近物体が自車両のドアの横を通過するまでに要すると予測される時間が所定時間以下になったときに移動経路条件が成立する。このため、警報をより適切に行うことができる。
【0014】
本発明の構成要素は、図面を参照しつつ後述する本発明の実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る降車支援装置及びそれが搭載される車両(自車両)を示した図である。
【
図3】
図3の(A)は、自車両に後方から接近してくる車両(接近車両)が存在する場面を示した図であり、
図3の(B)は、その接近車両が自車両の横を通過しようとしている場面を示した図である。
【
図4】
図4は、自車両に後方から接近してくる車両(接近車両)と自車両との間に別の車両が存在する場面を示した図である。
【
図5】
図5は、自車両に後方から接近してくる車両(接近車両)と自車両との間に別の車両が存在する状況において接近車両で反射した電波(反射波)の様子を示した図である。
【
図6】
図6は、自車両に後方から接近してくる車両(接近車両)と自車両との間に別の車両が存在する状況において接近車両で反射した電波(反射波)に基づいて取得される予測移動経路を示した図である。
【
図7】
図7の(A)は、自車両に後方から接近してくる車両(接近車両)を検知した場面を示した図であり、
図7の(B)は、接近車両の走行方向及び接近車両と自車両との間の縦方向の距離を示した図であり、
図7の(C)は、接近車両の左前方角部の予測移動経路を示した図である。
【
図9】
図9は、近接エリアとしての近接ラインを示した図である。
【
図10】
図10の(A)は、自車両に後方から接近してくる車両(接近車両)と自車両との間に別の車両が存在しない状況において取得される接近車両の左前方角部の予測移動経路を示した図であり、
図10の(B)は、接近車両と自車両との間に別の車両が存在する状況において取得される接近車両の左前方角部の予測移動経路を示した図である。
【
図11】
図11は、自車両に後方から接近してくる車両(接近車両)と自車両との間に別の車両が存在する状況において取得される接近車両の縦距離及び横距離、接近車両と自車両との間に存在する別の車両の縦距離及び横距離並びに接近車両の接近角度等を示した図である。
【
図12】
図12は、自車両に後方から接近してくる車両(接近車両)と自車両との間に別の車両が存在する状況において接近車両の左前方角部の補正された予測移動経路を示した図である。
【
図13】
図13は、自車両に後方から接近してくる車両(接近車両)と自車両との間に別の車両が存在する状況において接近車両の左前方角部の補正された予測移動経路と、近接ラインと、の位置関係を示した図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態に係る降車支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る降車支援装置について説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る降車支援装置10が示されている。降車支援装置10は、車両(自車両100)に搭載される。
【0017】
図2に示したように、本例において、自車両100は、4つのドア100Dを備えている。これら4つのドア100Dは、それぞれ、自車両100の右側前方に設けられた右前方ドア100D_RF、自車両100の右側後方に設けられた右後方ドア100D_RR、自車両100の左前方に設けられた左前方ドア100D_LF、及び、自車両100の左後方に設けられた左後方ドア100D_LRである。
【0018】
尚、図面中、符号Xは、自車両100を基準とした縦方向を示しており、符号Yは、自車両100を基準とした横方向を示している。従って、縦方向Xは、自車両100の前後方向又は全長方向であり、横方向Yは、自車両100の左右方向又は幅方向である。
【0019】
本例において、各ドア100Dは、スイング式(枢動式)のドアである。従って、各ドア100Dは、それらの前方部分において鉛直に延びる枢動軸線周りでスイング可能(枢動可能)に自車両100の車体100Bに取り付けられている。尚、ドア100Dの1つ又はそれ以上がスライド式(摺動式)のドアであってもよい。
【0020】
以下、右前方ドア100D_RF及び右後方ドア100D_RRをそれぞれ「右側ドア100D_R」と称呼し、左前方ドア100D_LF及び左後方ドア100D_LRをそれぞれ「左側ドア100D_L」と称呼する。
【0021】
<ECU>
降車支援装置10は、ECU90を備えている。ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称である。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション又はプログラム又はルーチンを実行することにより、各種機能を実現するようになっている。
【0022】
<警報装置等>
自車両100には、警報装置21及びドアロック装置22が搭載されている。
【0023】
<警報装置>
警報装置21は、例えば、各種の警報音を出力するブザーである。警報装置21は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、警報装置21から警報音を出力させることができる。
【0024】
<ドアロック装置>
ドアロック装置22は、各ドア100Dをロックしたり、各ドア100Dのロックを解除したりする装置である。ドアロック装置22は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、ドアロック装置22の作動を制御することができる。
【0025】
<周辺情報検出装置等>
更に、自車両100には、周辺情報検出装置30、ドア開閉検出装置41、ドアロック操作装置42及びドアロック操作検出装置43が搭載されている。
【0026】
<周辺情報検出装置>
周辺情報検出装置30は、自車両100の周辺の情報を検出する装置であり、本例においては、電波センサ31及び画像センサ32を含んでいる。電波センサ31は、例えば、レーダセンサ(ミリ波レーダ等)である。画像センサ32は、例えば、カメラである。尚、周辺情報検出装置30は、超音波センサ(クリアランスソナー)等の音波センサやレーザーレーダ(LiDAR)等の光センサを含んでいてもよい。
【0027】
電波センサ31は、ECU90に電気的に接続されている。電波センサ31は、電波を発信するとともに、物体で反射した電波(反射波)を受信する。電波センサ31は、発信した電波及び受信した電波(反射波)に係る情報(検知結果)をECU90に送信する。別の言い方をすると、電波センサ31は、自車両100の周辺に存在する物体を検知し、その検知した物体に係る情報(検知結果)をECU90に送信する。ECU90は、その情報(電波情報I_R)に基づいて自車両100の周辺に存在する物体に係る情報(物体情報I_O)を取得することができる。本例において、電波センサ31により検知される物体は、車両、自動二輪車、自転車及び歩行者等である。
【0028】
画像センサ32も、ECU90に電気的に接続されている。画像センサ32は、自車両100の周辺を撮像し、撮像した画像に係る情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報(画像情報I_C)に基づいて自車両100の周辺に関する情報(周辺情報I_S)を取得することができる。
【0029】
<ドア開閉検出装置>
ドア開閉検出装置41は、各ドア100Dが開けられているか或いは閉じられているか否かを検出する装置である。ドア開閉検出装置41は、ECU90に電気的に接続されている。ドア開閉検出装置41は、各ドア100Dが開けられているか或いは閉じられているか否かを検出し、その検出結果に係る情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいて各ドア100Dが開けられているのか或いは閉じられているのかを認識することができる。
【0030】
<ドアロック操作装置>
ドアロック操作装置42は、ドア100Dをロックしたりそのロックを解除したりするための装置であり、例えば、自車両100の乗員により操作されるドアロックスイッチ、又は、ドアロック操作装置42に加えられた操作を検出するドアロックセンサである。
【0031】
ドアロック操作装置42は、ドアロック操作検出装置43に電気的に接続されている。又、ドアロック操作検出装置43は、ECU90に電気的に接続されている。ドアロック操作検出装置43は、ドアロック操作装置42に加えられた操作を検出し、その検出した操作に係る情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に応じてドアロック装置22を作動させることにより、ドア100Dをロックしたりそのロックを解除したりする。従って、自車両100の乗員は、ドアロック操作装置42を操作することにより、ドアロック装置22によって各ドア100Dをロックしたりそのロックを解除したりすることができる。
【0032】
<降車支援装置の作動の概要>
次に、降車支援装置10の作動の概要について説明する。
【0033】
以下では、自車両100に接近してくる物体が自車両100に後方から接近してくる車両であるときの降車支援装置10の作動を説明するが、降車支援装置10は、自車両100に接近してくる物体が自車両100に前方から接近してくる車両であるときにも同様に作動する。又、以下では、自車両100に接近してくる物体が車両であるときの降車支援装置10の作動を説明するが、降車支援装置10は、自車両100に接近してくる物体が自動二輪車、自転車又は歩行者等のその他の物体であるときにも同様に作動する。
【0034】
更に、以下では、自車両100に後方から接近してくる車両と自車両100との間に存在する物体が車両であるときの降車支援装置10の作動を説明するが、降車支援装置10は、自車両100に後方から接近してくる車両と自車両100との間に存在する物体が自動二輪車、自転車又は歩行者等のその他の物体であるときにも同様に作動する。
【0035】
図3の(A)に示したように、停止中の自車両100に後方から自車両100のドア100Dに向かって車両200が接近してくることがある。そうした車両200(接近車両200A)は、
図3の(B)に示したように、自車両100の横を通過することがある。このとき、自車両100のドア100Dが開けられると、接近車両200Aがそのドア100Dに衝突してしまう可能性がある。従って、こうした可能性がある場合、警報(警報装置21から警報音を出力する処理)を行えば、接近車両200Aがドア100Dに衝突する可能性があることを自車両100の運転者を含む乗員に知らせることができ、それにより、乗員がドア100Dを開けることを止まれば、接近車両200Aとドア100Dとの衝突を回避することができる。
【0036】
そこで、接近車両200Aと自車両100のドア100Dとの衝突を回避するためには、接近車両200Aの移動経路を予測し、その予測した移動経路(予測移動経路)に基づいて接近車両200Aが自車両100の横を通過する可能性があると判断される場合、警報を行うようにすることが望ましい。
【0037】
降車支援装置10は、電波センサ31から提供される情報に基づいて取得した電波情報I_Rに基づいて接近車両200Aの移動経路を予測し、その予測した移動経路(予測移動経路)に基づいて接近車両200Aが自車両100のドア100Dの横を通過する可能性があるか否かを判定するようになっている。
【0038】
一方、
図4に示したように、接近車両200Aと自車両100との間に別の車両300が停止していることがある。こうした停止中の車両300(停止車両300S)が存在する場合、
図5に示したように、電波センサ31から発信され、接近車両200Aで反射した電波(反射波)が停止車両300Sのエッジ(
図5に示した例においては、停止車両300Sの右前方角部300C_R)で回折することがある。こうした電波の回折が生じると、
図6に示したように、その電波に基づいて取得される接近車両200Aの予測移動経路は、接近車両200Aの真の予測移動経路からずれたものとなってしまう。接近車両200Aの真の予測移動経路を取得することができないと、接近車両200Aが自車両100のドア100Dの横を通過する可能性があるか否かを精度良く予測することができない。その結果、不要な警報が実施されてしまったり、必要な警報が実施されなかったりしてしまう可能性がある。
【0039】
そこで、降車支援装置10は、電波情報I_Rに基づいて以下のようにして接近車両200Aが自車両100のドア100Dの横を通過する可能性があるか否かを判定する。
【0040】
降車支援装置10は、電波情報I_Rに基づいて接近車両200Aを検知する処理を行う。降車支援装置10は、
図7の(A)に示したように、車両200が自車両100に接近してくると、その車両200を電波情報I_Rに基づいて接近車両200Aとして検知する。
【0041】
降車支援装置10は、接近車両200Aを検知すると、電波情報I_Rに基づいて接近車両200Aの相対位置P200、接近車両200Aの縦距離D2_X、接近車両200Aの相対速度dV及び接近車両200Aの走行方向D200を取得する。
【0042】
接近車両200Aの相対位置P200は、自車両100に対する接近車両200Aの位置である。又、接近車両200Aの縦距離D2_Xは、
図7の(B)に示したように、自車両100から接近車両200Aまでの縦方向Xにおける距離である。又、接近車両200Aの相対速度dVは、自車両100に対する接近車両200Aの速度である。又、接近車両200Aの走行方向D200は、
図7の(B)に示したように、自車両100に対する接近車両200Aの走行方向である。
【0043】
降車支援装置10は、取得した相対位置P200及び走行方向D200等に基づいて接近車両200Aの移動経路を予測し、その予測した移動経路を予測移動経路R200として取得する。
【0044】
本例においては、降車支援装置10は、接近車両200Aの予測移動経路R200として、
図7の(C)に示したように、接近車両200Aの右前方角部200C_R及び左前方角部200C_Lのうち、横方向Yにおいて自車両100に近いほうの角部(対象部分P_T)の移動経路を予測し、その予測した移動経路を予測移動経路R200として取得する。降車支援装置10は、接近車両200Aを検知している間、予測移動経路R200の取得を所定演算周期で行う。
【0045】
予測移動経路R200は、それを取得した時点の走行方向D200を保って接近車両200Aが走行したと仮定したときに対象部分P_Tが移動する経路である。尚、
図7の(C)に示した例においては、接近車両200Aが横方向Yにおいて自車両100の右側を走行しているので、対象部分P_Tは、接近車両200Aの左前方角部200C_Lである。
【0046】
降車支援装置10は、予測移動経路R200を取得すると、その予測移動経路R200に基づいて自車両100のドア100Dの横を通過する経路となっているか否かを判定する。本例においては、降車支援装置10は、予測移動経路R200が平面視で見たときに近接エリアANと交差するか否かを判定することにより、自車両100のドア100Dの横を通過する経路となっているか否かを判定する。近接エリアANは、
図8に示したように、右側近接エリアAN_R及び左側近接エリアAN_Lを含んでいる。
【0047】
<右側近接エリア>
右側近接エリアAN_Rは、自車両100の右側に設定されたエリアであって、2つの縦ライン(縦ラインNR_X1及び縦ラインNR_X2)と2つの横ライン(横ラインNR_Y1及び横ラインNR_Y2)とで囲まれた長方形のエリアである。
【0048】
縦ラインNR_X1は、自車両100の右側壁100W_Rに沿って縦方向Xに延びるラインである。縦ラインNR_X2は、縦ラインNR_X1(即ち、自車両100の右側壁100W_R)から右側に所定距離dN_Yだけ離れて縦方向Xに延びるラインである。従って、右側近接エリアAN_Rの横方向Yにおける長さは、所定距離dN_Yに相当する長さである。
【0049】
横ラインNR_Y1は、自車両100の前壁100W_Fに沿って横方向Yに延びるラインである。横ラインNR_Y2は、自車両100の後壁100W_Bに沿って横方向Yに延びるラインである。本例において、右側近接エリアAN_Rの縦方向Xの長さは、長さdN_Xである。
【0050】
<左側近接エリア>
左側近接エリアAN_Lは、自車両100の左側に設定されたエリアであって、2つの縦ライン(縦ラインNL_X1及び縦ラインNL_X2)と2つの横ライン(横ラインNL_Y1及び横ラインNL_Y2)とで囲まれた長方形のエリアである。
【0051】
縦ラインNL_X1は、自車両100の左側壁100W_Lに沿って縦方向Xに延びるラインである。縦ラインNL_X2は、縦ラインNL_X1(即ち、自車両100の左側壁100W_L)から左側に所定距離dN_Yだけ離れて縦方向Xに延びるラインである。従って、左側近接エリアAN_Lの横方向Yにおける長さは、所定距離dN_Yに相当する長さである。
【0052】
横ラインNL_Y1は、自車両100の前壁100W_Fに沿って横方向Yに延びるラインである。横ラインNL_Y2は、自車両100の後壁100W_Bに沿って横方向Yに延びるラインである。本例において、左側近接エリアAN_Lの縦方向Xの長さは、長さdN_Xである。
【0053】
<近接ライン>
本例においては、
図9に示したように、右側近接エリアAN_Rとして、右側近接ラインLN_Rが用いられ、左側近接エリアAN_Lとして、左側近接ラインLN_Lが用いられる。
【0054】
右側近接ラインLN_Rは、自車両100の右側壁100W_Rから右方向に所定距離dN_Yの地点まで延びるラインである。別の言い方をすると、右側近接ラインLN_Rは、自車両100から横方向Yに所定距離dN_Y以内のエリアである。左側近接ラインLN_Lは、自車両100の左側壁100W_Lから左方向に所定距離dN_Yの地点まで延びるラインである。別の言い方をすると、左側近接ラインLN_Lは、自車両100から横方向Yに所定距離dN_Y以内のエリアである。
【0055】
尚、所定距離dN_Yは、少なくとも、自車両100の右側ドア100D_Rを最大に開けたときにその右側ドア100D_Rの先端が達する地点と自車両100の右側壁100W_Rとの間の距離(最小限距離Dm)以上の距離に設定される。又、所定距離dN_Yは、少なくとも、自車両100の左側ドア100D_Lを最大に開けたときにその左側ドア100D_Lの先端が達する地点と自車両100の左側壁100W_Lとの間の距離(最小限距離Dm)以上の距離に設定される。
【0056】
自車両100の乗員がドア100Dを開けて降車したときに、その乗員が開けたドア100Dの先端部分よりも更に横に出てしまう可能性があること、接近車両200Aが自車両100から比較的遠い後方の位置を走行している時点では予測移動経路R200が自車両100から最小限距離Dmよりも長い距離だけ離れていても、その後、接近車両200Aが横方向Yに自車両100に近づく可能性があること、及び、極めて正確な予測移動経路R200を取得することが困難であること等を考慮し、安全性を確保するために、本例においては、所定距離dN_Yは、最小限距離Dmよりも長い距離に設定されている。
【0057】
又、降車支援装置10は、接近車両200Aを検知すると、接近車両200Aが自車両100のドア100Dに到達するまでに要すると予測される予測到達時間を電波情報I_Rに基づいて取得する。本例において、降車支援装置10は、接近車両200Aが自車両100のドア100Dに到達するまでに要すると予測される予測到達時間として、接近車両200Aが自車両100に到達するまでに要すると予測される予測到達時間TTCを取得する。
【0058】
降車支援装置10は、予測到達時間TTCを縦距離D2_X及び相対速度dVに基づいて演算により取得する。本例においては、降車支援装置10は、縦距離D2_Xを相対速度dVで除算することにより予測到達時間TTCを取得する(TTC=D2_X/dV)。降車支援装置10は、接近車両200Aを検知している間、予測到達時間TTCの取得を所定演算周期で行う。
【0059】
更に、降車支援装置10は、接近車両200Aを検知すると、電波情報I_Rに基づいて接近車両200Aと自車両100との間に別の車両が存在するか否かを判定する。降車支援装置10は、接近車両200Aを検知している間、接近車両200Aと自車両100との間に別の車両が存在するか否かの判定を所定演算周期で行う。
【0060】
<移動経路条件の成立>
降車支援装置10は、予測到達時間TTCの如何を問わず、予測移動経路R200が近接エリアANと交差している場合、暫定移動経路条件C_Rpが成立したと判定してもよいが、本例においては、接近車両200Aが自車両100に近づき、予測到達時間TTCが所定予測到達時間TTC_Tまで短くなったときに予測移動経路R200が近接エリアANと交差している場合、又は、予測到達時間TTCが所定予測到達時間TTC_T以下となっているときに予測移動経路R200が近接エリアANと交差した場合、暫定移動経路条件C_Rpが成立したと判定する。
【0061】
降車支援装置10は、暫定移動経路条件C_Rpが成立したと判定すると、暫定移動経路条件C_Rpを成立させた接近車両200Aを対象接近車両200Tとして設定する。
【0062】
暫定移動経路条件C_Rpが成立したと判定されるケースとしては、
図10の(A)に示したように、対象接近車両200Tと自車両100との間に車両が存在していない状況で予測移動経路R200が近接エリアANと交差している場合と、
図10の(B)に示したように、対象接近車両200Tと自車両100との間に車両300が存在している状況で予測移動経路R200が近接エリアANと交差している場合と、の二種類のケースがある。
【0063】
図10の(A)から理解されるように、対象接近車両200Tと自車両100との間に車両が存在していない状況で予測移動経路R200が近接エリアANと交差していると判定される場合、予測移動経路R200は、対象接近車両200Tの真の移動経路である。
【0064】
しかしながら、
図10の(B)から理解されるように、対象接近車両200Tと自車両100との間に車両300が存在している状況で予測移動経路R200が近接エリアANと交差していると判定される場合、予測移動経路R200は、回折の影響を受けた電波に基づいて取得されたものであり、そのため、対象接近車両200Tの真の移動経路とは異なっている可能性がある。
【0065】
そこで、降車支援装置10は、暫定移動経路条件C_Rpが成立したと判定したときに対象接近車両200Tと自車両100との間に別の車両が存在しないと判定した場合には、対象接近車両200Tが自車両100のドア100Dの横を通過する可能性があり、移動経路条件C_Rが成立したと判定する。
【0066】
本例において、降車支援装置10は、移動経路条件C_Rが成立したと判定したときに警報条件C_Aが成立したと判定するが、移動経路条件C_Rが成立し且つ対象接近車両200Tが通過すると予測される側の自車両100のドア100Dを開けるための自車両100の乗員による操作を検知したときに警報条件C_Aが成立したと判定するように構成されてもよい。自車両100のドア100Dを開けるための操作は、ドア100Dのロックを解除する操作及びドア100Dを実際に開ける操作等である。
【0067】
降車支援装置10は、警報条件C_Aが成立したと判定した場合、警報を行う。
【0068】
一方、降車支援装置10は、対象接近車両200Tと自車両100との間に別の車両が存在すると判定した場合、その別の車両を対象停止車両300Tとして設定し、電波情報I_Rに基づいて「対象接近車両200Tの縦距離D2_X」、「対象接近車両200Tの横距離D2_Y」及び「対象停止車両300Tの縦距離D3_X」を取得する(
図11参照)。
【0069】
図11に示したように、対象接近車両200Tの縦距離D2_Xは、「対象接近車両200Tの対象部分P_T(左前方角部200C_L)」と「自車両100の後壁100W_B」との間の縦方向Xにおける距離である。
【0070】
又、対象接近車両200Tの横距離D2_Yは、「対象接近車両200Tの対象部分P_T(左前方角部200C_L)」と「自車両100の左側壁100W_L及び右側壁100W_Rのうち、横方向Yにおいて対象接近車両200Tに近いほうの側壁(
図11に示した例においては、自車両100の右側壁100W_R)」との間の横方向Yにおける距離である。
【0071】
又、対象停止車両300Tの縦距離D3_Xは、「対象停止車両300Tの前壁300W_F」と「自車両100の後壁100W_B」との間の縦方向Xにおける距離である。
【0072】
尚、
図11に符号αで示した角度は、この時点で降車支援装置10が取得している対象接近車両200Tの接近角度θである。対象接近車両200Tの接近角度θとは、縦方向Xに対する対象接近車両200Tの走行方向D200の角度である。
【0073】
降車支援装置10は、縦距離D2_X、横距離D2_Y及び縦距離D3_Xを取得すると、これらに基づいて対象停止車両300Tの横距離D3_Yを演算により取得する。
【0074】
対象停止車両300Tの横距離D3_Yは、「対象停止車両300Tの左側壁300W_L及び右側壁300W_Rのうち、横方向Yにおいて対象接近車両200Tに近いほうの側壁(
図11に示した例においては、対象停止車両300Tの右側壁300W_R)」と「自車両100の左側壁100W_L及び右側壁100W_Rのうち、横方向Yにおいて対象接近車両200Tに近いほうの側壁(
図11に示した例においては、自車両100の右側壁100W_R)」との間の横方向Yにおける距離である。
【0075】
対象停止車両300Tの横距離D3_Yは、下式1に示したように、縦距離D2_X、横距離D2_Y及び縦距離D3_Xに基づいて演算により取得する。
【0076】
D3_Y=D2_Y×(D3_X/D2_X) …(1)
【0077】
降車支援装置10は、対象停止車両300Tの横距離D3_Yを取得すると、下式2に示したように、縦距離D2_X、横距離D2_Y及び横距離D3_Yに基づいて角度βを演算により取得する。
【0078】
β=arctan((D2_Y-D3_Y)/D2_X) …(2)
【0079】
降車支援装置10は、取得した角度βを接近角度θとする予測移動経路R200を取得する。これにより取得される予測移動経路R200は、例えば、
図12に示した経路である。
【0080】
先に述べたように、降車支援装置10がもともと取得していた予測移動経路R200の接近角度θは、角度αであるが、上述したように、式2に従って降車支援装置10が演算により取得した接近角度θは、角度βである。
【0081】
従って、降車支援装置10は、角度βを接近角度θとする予測移動経路R200を取得することにより、もともと取得していた予測移動経路R200を補正している。別の言い方をすると、降車支援装置10は、自車両100と対象接近車両200Tとの間に存在する車両(対象停止車両300T)のエッジの位置に基づいて予測移動経路R200を補正している。
【0082】
降車支援装置10は、補正した予測移動経路R200(補正予測移動経路R200_C)が近接エリアANと交差するか否かを判定する。
【0083】
降車支援装置10は、
図13に示したように、補正予測移動経路R200_Cが近接エリアANと交差しない場合、対象接近車両200Tが自車両100のドア100Dの横を通過する可能性はないと判断する。従って、このとき、降車支援装置10は、移動経路条件C_Rが成立したとは判定せず、又、警報条件C_Aが成立したとも判定しない。従って、この場合、降車支援装置10は、警報を行わない。
【0084】
一方、降車支援装置10は、補正予測移動経路R200_Cが近接エリアANと交差する場合、対象接近車両200Tが自車両100のドア100Dの横を通過する可能性があると判断し、移動経路条件C_Rが成立したと判定する。
【0085】
先に述べたように、降車支援装置10は、移動経路条件C_Rが成立したと判定したときに警報条件C_Aが成立したと判定するが、移動経路条件C_Rが成立し且つ対象接近車両200Tが通過すると予測される側の自車両100のドア100Dを開けるための自車両100の乗員による操作を検知したときに警報条件C_Aが成立したと判定するように構成されてもよい。
【0086】
降車支援装置10は、警報条件C_Aが成立したと判定した場合、警報を行う。
【0087】
以上、自車両100と対象接近車両200Tとの間に存在する物体が停止中の車両である場合を例にして、降車支援装置10の作動を説明したが、自車両100と対象接近車両200Tとの間に存在する物体が移動する物体であっても、降車支援装置10は、同様に作動する。
【0088】
降車支援装置10によれば、対象接近車両200Tと自車両100との間に別の物体(上述した例においては、対象停止車両300T)が存在する場合、その別の物体のエッジの位置に基づいて予測移動経路R200が補正され、その補正された予測移動経路R200に基づいて対象接近車両200Tが自車両100のドア100Dの横を通過する可能性があるか否かが判定される。このため、対象接近車両200Tと自車両100との間に別の物体が存在する場合においても、対象接近車両200Tが自車両100のドア100Dの横を通過する可能性があるか否かをより精度良く判定することができる。
【0089】
<降車支援装置の具体的な作動>
次に、降車支援装置10の具体的な作動について説明する。降車支援装置10のECU90のCPUは、
図14に示したルーチンを所定時間周期で実行するようになっている。
【0090】
従って、所定のタイミングになると、CPUは、
図14のステップ1400から処理を開始し、その処理をステップ1405に進め、接近車両200Aを検知したか否かを判定する。
【0091】
CPUは、ステップ1405にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1410に進め、予測移動経路R200を取得する。次いで、CPUは、処理をステップ1415に進め、予測到達時間TTCを取得する。次いで、CPUは、処理をステップ1420に進め、予測移動経路R200が右側近接ラインLN_R又は左側近接ラインLN_Lと交差するか否かを判定する。
【0092】
CPUは、ステップ1420にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1425に進め、予測到達時間TTCが所定予測到達時間TTC_T以下であるか否かを判定する。
【0093】
CPUは、ステップ1425にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1430に進め、停止車両300Sが存在するか否かを判定する。
【0094】
CPUは、ステップ1430にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1440に進め、現時点で取得している予測移動経路R200を先に述べたようにして補正する。次いで、CPUは、処理をステップ1440に進め、補正後の予測移動経路R200が右側近接ラインLN_R又は左側近接ラインLN_Lと交差するか否かを判定する。
【0095】
CPUは、ステップ1440にて「Yes」と判定した場合、警報条件C_Aが成立したと判定し、処理をステップ1445に進め、警報を実施する。次いで、CPUは、処理をステップ1495に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0096】
一方、CPUは、ステップ1440にて「No」と判定した場合、警報条件C_Aが成立していないと判定し、処理をステップ1495に直接進め、本ルーチンを一旦終了する。この場合、警報条件C_Aが成立していなので、警報は実施されない。
【0097】
又、CPUは、ステップ1430にて「No」と判定した場合、警報条件C_Aが成立したと判定し、処理をステップ1450に進め、警報を実施する。次いで、CPUは、処理をステップ1495に進め、本ルーチンを一旦終了する。
【0098】
又、CPUは、ステップ1405、ステップ1420又はステップ1425にて「No」と判定した場合、処理をステップ1495に進め、本ルーチンを一旦終了する。このとき、CPUは、警報を実施している場合には、その警報の実施を終了する。
【0099】
以上が降車支援装置10の具体的な作動である。
【0100】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【符号の説明】
【0101】
10…降車支援装置、21…警報装置、30…周辺情報検出装置、100…自車両、100D…ドア、200A…接近車両、200T…対象接近車両、300S…停止車両、300T…対象停止車両、R200…予測移動経路、AN…近接エリア