(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】ステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)阻害剤による上昇した脂質レベルの治療
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7088 20060101AFI20241021BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20241021BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20241021BHJP
C12Q 1/6883 20180101ALI20241021BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20241021BHJP
C07K 14/47 20060101ALI20241021BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALI20241021BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20241021BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241021BHJP
C12N 15/113 20100101ALN20241021BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20241021BHJP
A61K 38/02 20060101ALN20241021BHJP
【FI】
A61K31/7088
A61K31/713
A61P3/06
C12Q1/6883 Z
C12N15/12
C07K14/47
C12Q1/6844 Z
A61K48/00
A61K45/00
C12N15/113 Z ZNA
C12N15/09 110
A61K38/02
(21)【出願番号】P 2021556508
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 US2020023532
(87)【国際公開番号】W WO2020191141
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-13
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】517322042
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ メリーランド ボルチモア
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】シュルディナー、アラン
(72)【発明者】
【氏名】ゴサリア、ネハル
(72)【発明者】
【氏名】ファン フート、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ゴン、ダ-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ペリー、ジェームズ エイ.
【審査官】濱田 光浩
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-515085(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109536610(CN,A)
【文献】特開2010-53122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 45/00
A61P 3/06
A61K 31/7088
A61K 31/713
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)ヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む、前記ゲノム核酸分子、もしくはその相補体、ii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む、前記mRNA分子、もしくはその相補体、iii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む、前記mRNA分子、もしくはその相補体、iv)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む、前記mRNA分子、もしくはその相補体、v)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む、前記cDNA分子、もしくはその相補体、vi)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む、前記cDNA分子、もしくはその相補体、vii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む、前記cDNA分子、もしくはその相補体、viii)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、ix)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、及び/またはx)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、を有する、ヒト対象における上昇した
低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルおよび/または上昇した総コレステロールレベルの治療に使用するための、ステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)阻害剤。
【請求項2】
前記SREBF1阻害剤は、総コレステロールが増加した対象
および/または低密度リポタンパク質(LDL)が増加した対象に投与されるものである、請求項1に記載のSREBF1阻害剤。
【請求項3】
前記SREBF1阻害剤が、SREBF1 mRNAにハイブリダイゼーションするアンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)または短ヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項1または請求項2に記載の
SREBF1阻害剤。
【請求項4】
前記SREBF1阻害剤が、Casタンパク質と、SREBF1ゲノム核酸分子内のgRNA認識配列にハイブリダイゼーションするガイドRNA(gRNA)とを含む、請求項1または請求項2に記載の
SREBF1阻害剤。
【請求項5】
上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加したヒト対象を特定する方法であって、前記方法が、前記対象から得られた生体試料中のヒトSREBF1ポリペプチドをコードするSREBF1バリアント核酸分子の存在または非存在を判定するかまたは判定していることを含み、前記ヒト対象がSREBF1参照である場合、前記ヒト対象の、前記上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加しており、前記ヒト対象が前記SREBF1バリアント核酸分子に対してヘテロ接合性であるか、または前記SREBF1バリアント核酸分子に対してホモ接合性である場合、前記ヒト対象の、前記上昇した脂質レベルを発症するリスクが減少しており、前記SREBF1バリアント核酸分子が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、もしくはその相補体、v)前記試料中のmRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するcDNA分子、もしくはその相補体、vi)前記試料中のmRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するcDNA分子、もしくはその相補体、及び/またはvii)前記試料中のmRNA分子から産生されるcDNA分子であって、前記cDNA分子が、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列、もしくはその相補体を有する、cDNA分子、もしくはその相補体である
、方法。
【請求項6】
ヒト対象におけるヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)バリアント核酸分子を検出する方法であって、前記ヒト対象から得られた試料をアッセイして、前記試料中の核酸分子が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、及び/またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、を含むヌクレオチド配列を含むかどうかを判定することを含む
、方法。
【請求項7】
前記アッセイが、前記核酸分子の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にあるチミン、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にあるウラシル、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にあるウラシル、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にあるウラシル、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にあるチミン、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にあるチミン、もしくはその相補体、及び/またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にあるチミン、もしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記アッセイが、
a)i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置に近接するSREBF1ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の一部分、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置に近接するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置に近接するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置に近接するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置に近接するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置に近接するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分、またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置に近接するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイゼーションするプライマーと、前記試料を接触させることと、
b)少なくともi)配列番号2に記載の17,922位に対応するSREBF1ゲノム核酸分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応するSREBF1 mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応するSREBF1 mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応するSREBF1 mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置、v)配列番号12に記載の1,185位に対応するSREBF1 cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応するSREBF1 cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置、またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応するSREBF1 cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の前記位置を介して、前記プライマーを伸長させることと、
c)前記プライマーの伸長生成物が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含むかどうかを判定することと、を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも約15ヌクレオチドを含む単離された改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーであって、前記改変特異的プローブまたは前記改変特異的プライマーが、ヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含み、前記一部分が、i)配列番号2に記載の17,922位、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位、もしくはその相補体、vii)配列番号14に記載の1,056位、もしくはその相補体、に対応する位置を含む
、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマー。
【請求項10】
ヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸分子であって、前記ポリペプチドが、i)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステイン、もしくはその相補体、ii)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステイン、もしくはその相補体、またはiii)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステイン、もしくはその相補体を含む
、単離核酸分子。
【請求項11】
前記ポリペプチドが、配列番号18、配列番号19または配列番号20
に記載のアミノ酸配列を含む、請求項
10に記載の核酸分子、またはその相補体。
【請求項12】
ヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、またはその相補体を含む
、単離核酸分子。
【請求項13】
前記
単離核酸分子が配列番号2
に記載のヌクレオチド配列を含む、請求項
12に記載の単離核酸分子またはその相補体。
【請求項14】
ヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離mRNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、i)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、ii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、またはiii)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体を含む
、単離mRNA分子。
【請求項15】
前記
単離mRNA分子が、配列番号6、配列番号7または配列番号8
に記載のヌクレオチド配列を含む、請求項
14に記載の単離mRNA分子またはその相補体。
【請求項16】
ヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むcDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、i)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、ii)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、またはiii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体を含む
、cDNA分子。
【請求項17】
前記
cDNA分子が、配列番号12、配列番号13または配列番号14
に記載のヌクレオチド配列を含む、請求項
16に記載のcDNA分子またはその相補体。
【請求項18】
単離されたヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)ポリペプチドであって、i)配列番号18と少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有し、配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含む、ii)配列番号19と少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有し、配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含む、またはiii)配列番号20と少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有し、配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含む
、単離されたヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)ポリペプチド。
【請求項19】
前記ポリペプチドが、配列番号18、配列番号19または配列番号20
に記載のアミノ酸配列を含む、請求項
18に記載のポリペプチド。
【請求項20】
i)ヒトステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む、前記ゲノム核酸分子、もしくはその相補体、ii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む、前記mRNA分子、もしくはその相補体、iii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む、前記mRNA分子、もしくはその相補体、iv)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む、前記mRNA分子、もしくはその相補体、v)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む、前記cDNA分子、もしくはその相補体、vi)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む、前記cDNA分子、もしくはその相補体、vii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列が、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む、前記cDNA分子、もしくはその相補体、viii)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、ix)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、及び/またはx)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、を有する、ヒト対象における上昇した
低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルおよび/または上昇した総コレステロールレベルの治療に使用するための、上昇した
低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルおよび/または上昇した総コレステロールレベルを治療または阻害する治療剤。
【請求項21】
改変特異的プライマーまたは改変特異的プローブを含む分子複合体であって、前記改変特異的プライマーまたは前記改変特異的プローブが、
ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むゲノム核酸分子であって、前記改変特異的プライマーまたは前記改変特異的プローブが、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にあるチミンもしくはその相補体にハイブリダイゼーションされている、前記ゲノム核酸分子、
ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むmRNA分子であって、前記改変特異的プライマーまたは前記改変特異的プローブが、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にあるウラシルもしくはその相補体、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にあるウラシルもしくはその相補体、または配列番号8に記載の1,056位にあるウラシルもしくはその相補体にハイブリダイゼーションされている、前記mRNA分子、あるいは
ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むcDNA分子であって、前記改変特異的プライマーまたは前記改変特異的プローブが、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にあるチミンもしくはその相補体、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にあるチミンもしくはその相補体、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にあるチミンもしくはその相補体にハイブリダイゼーションされている、前記cDNA分子にハイブリダイゼーションされている
、分子複合体。
【請求項22】
非ヒトポリメラーゼを更に含む、請求項
21に記載の分子複合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ステロール調節エレメント結合転写因子1(SREBF1)阻害剤による、脂質レベルが上昇した対象の治療、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加した対象を特定する方法、SREBF1バリアント核酸分子及びバリアントポリペプチドを検出する方法、ならびにSREBF1バリアント核酸分子及びSREBF1バリアントポリペプチドに関する。
【0002】
配列表についての言及
本出願は、191キロバイトのサイズを有する、2020年3月7日に作成された、18923802002SEQというテキストファイルとして電子的に提出された配列表を含む。この配列表は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
脂質代謝障害は、肥満の周知の合併症である。脂質代謝障害は、高インスリン血症、アポリポタンパク質Bレベルの上昇、高トリグリセリド濃度、高い低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール濃度、及び低い高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール濃度を特徴とすることが多い。
【0004】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)は、脂質発生及び脂質取り込みを制御する転写因子である。哺乳動物には2つのSREBP遺伝子、SREBP-1とSREBP-2が存在する。SREBP-1遺伝子は、脂肪酸合成を制御する遺伝子を調節する、異なるプロモーターからコードされる2つのアイソフォームSREBP-1a及びSREBP-1cを転写する。SREBP-2は、コレステロール合成に関与する遺伝子を調節する。しかしながら、SREBP-1及びSREBP-2の役割は、脂質代謝の調節において有意に重複する。正常組織では、SREBPのレベル及び活性は、負のフィードバック調節を介して内因性ステロールレベルによって厳密に制御される。SREBPは、細胞のステロールレベルが十分であるときにインスリン誘導性遺伝子(Insig)によって保持されるSREBP切断活性化タンパク質(SCAP)と会合して、小胞体(ER)膜に位置する。ステロールレベルが低下すると、SCAPタンパク質はInsigタンパク質と解離し、SREBPをゴルジ体にエスコートし、その中で、それらはsite-1及びsite-2プロテアーゼ(S1P及びS2P)によって順次切断され、それによってN末端を放出し、次いでN末端は核内に入り、脂質生成遺伝子及び低密度リポタンパク質受容体(LDLR)を転写する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示はまた、総コレステロールが増加した対象を治療する方法であって、対象にSREBF1阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
本開示はまた、低密度リポタンパク質(LDL)が増加した対象を治療する方法であって、対象にSREBF1阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
【0006】
本開示はまた、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤で対象を治療する方法であって、対象が、上昇した脂質レベルを経験しており、当該方法が、対象がヒトSREBF1ポリペプチドをコードするSREBF1バリアント核酸分子を有するかどうかを、対象から生体試料を得るか、または得ていることと、生体試料上で遺伝子型分類アッセイを実施するか、または実施していることにより、対象がSREBF1バリアント核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを判定することと、によって判定するステップと、対象がSREBF1参照である場合、対象に、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤を標準投薬量で投与するか、または投与を継続し、対象に、SREBF1阻害剤を投与するステップと、対象がSREBF1バリアント核酸分子に対してヘテロ接合性である場合、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤を標準投薬量と同じかもしくはそれよりも少ない量で対象に投与するか、または投与を継続し、対象にSREBF1阻害剤を投与するステップと、を含み、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするSREBF1バリアント核酸分子を有する遺伝子型の存在が、対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが低減していることを示し、上昇した脂質レベルが、上昇した血清脂質レベル、増加した総コレステロール、または増加したLDLであり、SREBF1バリアント核酸分子が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、もしくはその相補体、v)試料中のmRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するcDNA分子、もしくはその相補体、vi)試料中のmRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するcDNA分子、もしくはその相補体、及び/またはvii)試料中のmRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するcDNA分子、もしくはその相補体である、方法を提供する。
【0007】
本開示はまた、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加したヒト対象を特定する方法であって、当該方法が、対象から得られた生体試料中のヒトSREBF1ポリペプチドをコードするSREBF1バリアント核酸分子の存在または非存在を判定するかまたは判定していることを含み、ヒト対象がSREBF1参照である場合、ヒト対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加しており、ヒト対象がSREBF1バリアント核酸分子に対してヘテロ接合性であるか、またはバリアント核酸分子に対してホモ接合性である場合、ヒト対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが減少しており、SREBF1バリアント核酸分子が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、もしくはその相補体、v)試料中のmRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するcDNA分子、もしくはその相補体、vi)試料中のmRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するcDNA分子、もしくはその相補体、及び/またはvii)試料中のmRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列、もしくはその相補体を有するcDNA分子、もしくはその相補体である、方法を提供する。
【0008】
本開示はまた、ヒト対象におけるヒトSREBF1バリアント核酸分子を検出する方法であって、ヒト対象から得られた試料をアッセイして、試料中の核酸分子が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、及び/またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、を含むヌクレオチド配列を含むかどうかを判定することを含む、方法を提供する。
【0009】
本開示はまた、少なくとも約15ヌクレオチドを含む単離された改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーであって、当該改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーが、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含み、当該一部分が、i)配列番号2に記載の17,922位、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位、もしくはその相補体、vii)配列番号14に記載の1,056位、もしくはその相補体、に対応する位置を含む、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーを提供する。
【0010】
本開示はまた、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸分子であって、当該ポリペプチドが、i)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステイン、もしくはその相補体、ii)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステイン、もしくはその相補体、またはiii)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステイン、もしくはその相補体を含む、単離核酸分子を提供する。
【0011】
本開示はまた、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、またはその相補体を含む、単離核酸分子を提供する。
【0012】
本開示はまた、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離mRNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、i)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、ii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、またはiii)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体を含む、単離mRNA分子を提供する。
【0013】
本開示はまた、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むcDNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、i)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、ii)配列番号13に記載の1,260位にチミン、もしくはその相補体、またはiii)配列番号14に記載の1,056位にチミン、もしくはその相補体を含む、cDNA分子を提供する。
【0014】
本開示はまた、単離されたSREBF1ポリペプチドであって、i)配列番号18と少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有し、配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含む、ii)配列番号19と少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有し、配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含む、またはiii)配列番号20と少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列を有し、配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含む、単離されたSREBF1ポリペプチドを提供する。
【0015】
本開示はまた、i)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む、ゲノム核酸分子、もしくはその相補体、ii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、iii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、iv)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、v)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列が、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、vi)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、vii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、viii)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、ix)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、及び/またはx)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、を有する、ヒト対象における上昇した脂質レベルの治療に使用するための、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤を提供する。
【0016】
本開示はまた、i)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む、ゲノム核酸分子、もしくはその相補体、ii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、iii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列が、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、iv)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、v)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、vi)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、vii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、viii)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、ix)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、及び/またはx)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、を有する、ヒト対象における上昇した脂質レベルの治療に使用するための、SREBF1阻害剤を提供する。
【0017】
本開示はまた、改変特異的プライマーまたは改変特異的プローブを含む分子複合体であって、当該改変特異的プライマーまたは改変特異的プローブが、i)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むゲノム核酸分子にハイブリダイゼーションされており、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にあるチミンもしくはその相補体にハイブリダイゼーションされているか、ii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むmRNA分子にハイブリダイゼーションされており、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にあるウラシルもしくはその相補体、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にあるウラシルもしくはその相補体、または配列番号8に記載の1,056位にあるウラシルもしくはその相補体にハイブリダイゼーションされているか、またはiii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むcDNA分子にハイブリダイゼーションされており、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にあるチミンもしくはその相補体、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にあるチミンもしくはその相補体、または配列番号14に記載の1,056位にあるチミンもしくはその相補体にハイブリダイゼーションされている、分子複合体を提供する。
【0018】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図は、いくつかの態様を図示し、この説明と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。
特許または出願ファイルには、少なくとも1つのカラーで作製された図面が含まれている。本特許または特許出願公開書類の写しは、必要な料金を請求及び支払うことにより、カラー図面(複数可)を添付して特許庁により提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】(パネルA~C)は、SREBF1ミスセンスバリアントと、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)の低下(パネルA)、非HDLコレステロールの減少(パネルB)、及び総コレステロールの減少(パネルC)との関連を示す。
【
図1B】(パネルA~C)は、SREBF1ミスセンスバリアントと、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)の低下(パネルA)、非HDLコレステロールの減少(パネルB)、及び総コレステロールの減少(パネルC)との関連を示す。
【
図1C】(パネルA~C)は、SREBF1ミスセンスバリアントと、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)の低下(パネルA)、非HDLコレステロールの減少(パネルB)、及び総コレステロールの減少(パネルC)との関連を示す。
【
図2】LDLR-プロモータールシフェラーゼレポーター上の3xflagタグ付き核及び全長SREBP-wt及びSREBP-R334Cプラスミド構築物トランス活性化活性の抗flagウェスタンブロットタンパク質分析を示す。
【
図3】
図2からのSREBP-wt及びSREBP-R334Cを有するLUCレポーターの相対的活性を示す。
【
図4】0.025μg未満のSREBP滴定トランスフェクションの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の態様に関する様々な用語は、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して使用される。かかる用語は、別段の指示がない限り、当該技術分野におけるそれらの通常の意味を与えるべきである。他の具体的に定義された用語は、本明細書に提供される定義と一致する方法で解釈されるべきである。
【0021】
特に明記されない限り、本明細書に記載される任意の方法または態様が、そのステップを特定の順序で実行する必要があるものとして解釈されることは、何ら意図されていない。したがって、方法の請求項が、特許請求の範囲または説明に、ステップが特定の順序に限定されるべきであることを具体的に述べられていない場合、いかなる点においても、順序が推定されることを決して意図していない。これは、ステップもしくは操作フローの構成に関する論理の問題、文法体系もしくは句読点に由来する平易な意味、または本明細書に記載される態様の数または種類等の、解釈のためのあらゆる可能な非表現的根拠についても当てはまる。
【0022】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物を含む任意の動物を含む。哺乳動物としては、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタ等)、伴侶動物(例えば、イヌ、ネコ等)、実験動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ等)、及び非ヒト霊長類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0023】
本明細書で使用される場合、「核酸」、「核酸分子」、「核酸配列」、「ポリヌクレオチド」、または「オリゴヌクレオチド」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を含むことができ、DNA及び/またはRNAを含むことができ、一本鎖、二本鎖、または複数鎖であることができる。核酸の1つの鎖はまた、その相補体も指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、所望される特定の実施形態では、「からなる(consisting)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」と置き換えてもよい。
【0025】
「単離」核酸分子は、例えば、血液及び動物組織とは別の、その天然環境以外の状態にあるポリヌクレオチドである。好ましい形態において、単離核酸分子は、他のポリヌクレオチド、特に動物由来の他のポリペプチドを実質的に含まない。高度に精製された形態、すなわち95%超の純度、より好ましくは99%超の純度の核酸分子を提供することが好ましい。この文脈で使用される場合、「単離(された)」という用語は、二量体または代替的にリン酸化もしくは誘導体化された形態等の代替の物理的形態での同じ核酸分子の存在を除外しない。
【0026】
SREBF1の特定のバリエーションは、低密度リポタンパク質(LDL)の減少及び総コレステロールの減少と関連していることが本開示に従って観察されている。SREBF1遺伝子またはタンパク質のバリアントは、低密度リポタンパク質(LDL)の減少及び総コレステロールの減少とのいかなる既知の関連性も有しないと考えられている。
【0027】
LDLの減少及び総コレステロールの減少を伴うSREBF1遺伝子分離における希少なバリアントが、本開示に従って特定されている。例えば、ヒト野生型SREBF1遺伝子(配列番号1)中の17,922位のシトシンヌクレオチドをチミンに変化させる遺伝子改変が観察されており、かかる改変を有するヒトがLDLの減少及び総コレステロールの減少を有している可能性があることを示している。まとめると、本明細書に記載の遺伝子解析は、驚くべきことに、SREBF1遺伝子、具体的には、SREBF1遺伝子のバリアントが、LDLの減少及び総コレステロールの減少と関連していることを示す。したがって、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加したSREBF1参照であるヒト対象は、上昇した脂質レベルが阻害される、その症状が低減される、及び/または症状の発症が抑制されるように治療され得る。したがって、本開示は、対象におけるそのようなバリアントの特定を活用して、上昇した脂質レベルを発症するそのような対象におけるリスクを特定または層別化することにより、リスクのある対象または活動性疾患のある対象がそれに応じて治療され得る方法を提供する。更に、本開示は、単離されたSREBF1バリアントゲノム核酸分子、バリアントmRNA分子、及びバリアントcDNA分子を提供する。したがって、LDLの減少及び総コレステロールの減少に関連することが発見されたSREBF1バリアント核酸分子が本明細書において提供される。
【0028】
本開示の目的のために、任意の特定のヒトは、3つのSREBF1遺伝子型:i)SREBF1参照、ii)SREBF1バリアント(予測される機能喪失バリアント等)に対してヘテロ接合性、及びiii)SREBF1バリアント(例えば、予測される機能喪失バリアント)に対してホモ接合性、のうちの1つを有するものとして分類され得る。SREBF1参照カテゴリーのヒトは、SREBF1バリアント核酸分子(予測される機能喪失バリアント核酸分子等)のコピーを有しない。SREBF1バリアント核酸分子(予測される機能喪失バリアント核酸分子等)に対してヘテロ接合性であるヒトは、SREBF1バリアント核酸分子(予測される機能喪失バリアント核酸分子等)の単一コピーを有する。SREBF1バリアント核酸分子(予測される機能喪失バリアント核酸分子等)に対してホモ接合性であるヒトは、SREBF1バリアント核酸分子(予測される機能喪失バリアント核酸分子等)の2つのコピーを有する。SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、部分的機能喪失、完全機能喪失、予測される部分的機能喪失、または予測される完全機能喪失を有するSREBF1ポリペプチドをコードする任意のSREBF1核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子等)である。部分的機能喪失(または予測される部分的機能喪失)を有するSREBF1ポリペプチドを有するヒトは、SREBF1に対して低次形態である。SREBF1バリアント核酸分子は、SREBF1のArg334Cys、Arg364Cys、またはArg310Cysをコードする任意の核酸分子であり得る。SREBF1のArg334Cys、Arg364Cys、またはArg310Cysをコードする本明細書に記載のSREBF1バリアント核酸分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子であると考えられる。いくつかの実施形態では、SREBF1バリアント核酸分子は、SREBF1のArg334Cysをコードする。いくつかの実施形態では、SREBF1バリアント核酸分子は、SREBF1のArg364Cysをコードする。いくつかの実施形態では、SREBF1バリアント核酸分子は、SREBF1のArg310Cysをコードする。
【0029】
SREBF1参照であると遺伝子型分類されるか、または判定されるヒト対象の場合、そのようなヒト対象は、上昇した血清脂質レベル、増加した総コレステロール、及び/または増加したLDL等の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加している。SREBF1参照であるか、もしくはSREBF1バリアント核酸分子(予測される機能喪失バリアント等)に対してヘテロ接合性であるかのいずれかであると遺伝子型分類されるか、または判定されるヒト対象の場合、そのようなヒト対象をSREBF1阻害剤で治療することができる。
【0030】
本開示は、血清脂質レベルが増加した対象を治療する方法であって、対象にSREBF1阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
本開示はまた、総コレステロールが増加した対象を治療する方法であって、対象にSREBF1阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
【0031】
本開示はまた、LDLが増加した対象を治療する方法であって、対象にSREBF1阻害剤を投与することを含む、方法を提供する。
本明細書に記載される実施形態のうちのいずれかにおいて、上昇した脂質レベルは、上昇した血清脂質レベル、増加した総コレステロール、または増加したLDLである。いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルは、上昇した血清脂質レベルである。いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルは、増加した総コレステロールである。いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルは、増加した血清コレステロールである。いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルは、増加したLDLである。
【0032】
いくつかの実施形態では、SREBF1阻害剤は、アンチセンス分子を含む。アンチセンス分子の例としては、アンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、及び短ヘアピンRNA(shRNA)が挙げられるが、これらに限定されない。かかるアンチセンス分子は、SREBF1 mRNAの任意の領域を標的とするように設計することができる。いくつかの実施形態では、アンチセンスRNA、siRNA、またはshRNAは、SREBF1ゲノム核酸分子またはmRNA分子内の配列にハイブリダイゼーションし、対象の細胞におけるSREBF1ポリペプチドの発現を減少させる。いくつかの実施形態では、SREBF1阻害剤は、SREBF1ゲノム核酸分子またはmRNA分子にハイブリダイゼーションし、対象の細胞におけるSREBF1ポリペプチドの発現を減少させるアンチセンスRNAを含む。いくつかの実施形態では、SREBF1阻害剤は、SREBF1ゲノム核酸分子またはmRNA分子にハイブリダイゼーションし、対象の細胞におけるSREBF1ポリペプチドの発現を減少させるsiRNAを含む。いくつかの実施形態では、SREBF1阻害剤は、SREBF1ゲノム核酸分子またはmRNA分子にハイブリダイゼーションし、対象の細胞におけるSREBF1ポリペプチドの発現を減少させるshRNAを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、SREBF1阻害剤は、認識配列(複数可)で1つ以上のニックもしくは二本鎖切断を誘導するヌクレアーゼ剤、またはSREBF1ゲノム核酸分子内の認識配列に結合するDNA結合タンパク質を含む。認識配列は、SREBF1遺伝子のコード領域内、または遺伝子の発現に影響を及ぼす調節領域内に位置することができる。DNA結合タンパク質またはヌクレアーゼ剤の認識配列は、イントロン、エクソン、プロモーター、エンハンサー、調節領域、または任意の非タンパク質コード領域に位置することができる。認識配列は、SREBF1遺伝子の開始コドンを含むか、またはそれに近接することができる。例えば、認識配列は、開始コドンの約10、20、30、40、50、100、200、300、400、500、または1,000ヌクレオチドから位置することができる。別の例として、それぞれが開始コドンを含むか、またはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とする、2つ以上のヌクレアーゼ剤を使用することができる。別の例として、開始コドンを含むかまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とするものと、停止コドンを含むかまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とするものの2つのヌクレアーゼ剤を使用することができ、ヌクレアーゼ剤による切断は、2つのヌクレアーゼ認識配列間のコード領域の欠失をもたらすことができる。ニックまたは二本鎖切断を所望の認識配列に誘導する任意のヌクレアーゼ剤を、本明細書に開示される方法及び組成物に使用することができる。所望の認識配列に結合する任意のDNA結合タンパク質を、本明細書に開示される方法及び組成物に使用することができる。
【0034】
本明細書で使用するのに好適なヌクレアーゼ剤及びDNA結合タンパク質としては、ジンクフィンガータンパク質もしくはジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)対、転写活性化因子様エフェクター(TALE)タンパク質もしくは転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、またはクラスター化された規則的散在型短パリンドローム反復(CRISPR)/CRISPR関連(CAS)系が挙げられるが、これらに限定されない。認識配列の長さは様々であってもよく、例えば、ジンクフィンガータンパク質またはZFN対については約30~36bp(すなわち、各ZFNについては約15~18bp)、TALEタンパク質またはTALENについては約36bp、及びCRISPR/CasガイドRNAについては約20bpである認識配列を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、CRISPR/Cas系を使用して、細胞内のSREBF1ゲノム核酸分子を修飾することができる。本明細書に開示される方法及び組成物は、SREBF1核酸分子の部位特異的切断のためにCRISPR複合体(Casタンパク質と複合体化されたガイドRNA(gRNA)を含む)を利用することによって、CRISPR-Cas系を用いることができる。
【0036】
Casタンパク質は、一般に、gRNAと相互作用することができる少なくとも1つのRNA認識または結合ドメインを含む。Casタンパク質はまた、ヌクレアーゼドメイン(例えば、DNaseまたはRNaseドメイン等)、DNA結合ドメイン、ヘリカーゼドメイン、タンパク質-タンパク質相互作用ドメイン、二量体化ドメイン、及び他のドメインを含むことができる。好適なCasタンパク質としては、例えば、野生型Cas9タンパク質及び野生型Cpf1タンパク質(例えば、FnCpf1等)が挙げられる。Casタンパク質は、完全な切断活性を有して、SREBF1ゲノム核酸分子内に二本鎖切断を作製することができるか、またはSREBF1ゲノム核酸分子内に一本鎖切断を作製するニッカーゼであり得る。Casタンパク質のさらなる例としては、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas5e(CasD)、Cas6、Cas6e、Cas6f、Cas7、Cas8a1、Cas8a2、Cas8b、Cas8c、Cas9(Csn1もしくはCsx12)、Cas10、Casl0d、CasF、CasG、CasH、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1(CasA)、Cse2(CasB)、Cse3(CasE)、Cse4(CasC)、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、及びCu1966、ならびにそれらのホモログまたは修飾バージョンが挙げられるが、これらに限定されない。Casタンパク質は、融合タンパク質として異種ポリペプチドに作用可能に結合することもできる。例えば、Casタンパク質は、切断ドメイン、エピジェネティック修飾ドメイン、転写活性化ドメイン、または転写抑制ドメインに融合することができる。Casタンパク質は、任意の形態で提供することができる。例えば、Casタンパク質は、gRNAと複合体化されたCasタンパク質等のタンパク質の形態で提供され得る。あるいは、Casタンパク質は、RNAまたはDNA等のCasタンパク質をコードする核酸分子の形態で提供され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、SREBF1ゲノム核酸分子の標的遺伝子修飾は、Casタンパク質、及びSREBF1ゲノム核酸分子内の標的遺伝子座内に位置する1つ以上のgRNA認識配列にハイブリダイゼーションする1つ以上のgRNAに細胞を接触させることによって生成することができる。例えば、gRNA認識配列は、配列番号1の領域内にあり得る。別の例として、gRNA認識配列はまた、配列番号1に記載の17,922位に対応する位置を含むか、またはそれに近接することができる。例えば、gRNA認識配列は、配列番号1に記載の17,922位に対応する位置の約1,000、500、400、300、200、100、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5ヌクレオチドから位置することができる。更に別の例として、gRNA認識配列は、SREBF1ゲノム核酸分子の開始コドンまたはSREBF1ゲノム核酸分子の停止コドンを含むか、またはそれに近接することができる。例えば、gRNA認識配列は、開始コドンまたは停止コドンの約10、20、30、40、50、100、200、300、400、500、または1,000ヌクレオチドから位置することができる。
【0038】
SREBF1ゲノム核酸分子内の標的ゲノム遺伝子座内に位置するgRNA認識配列は、Cas9ヌクレアーゼが標的とするDNA配列の直後の2~6塩基対のDNA配列であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列の近くに位置する。標準的なPAMは、配列5’-NGG-3’であり、式中、「N」は、任意の核酸塩基であり、その後に2つのグアニン(「G」)核酸塩基が続く。gRNAは、遺伝子編集のためにCas9をゲノム内の任意の場所に輸送することができるが、Cas9がPAMを認識する部位以外では、編集は生じ得ない。加えて、5’-NGA-3’は、ヒト細胞のための非常に効率的な非標準的PAMであり得る。一般に、PAMは、gRNAが標的とするDNA配列の下流の約2~6ヌクレオチドである。PAMは、gRNA認識配列に隣接することができる。いくつかの実施形態では、gRNA認識配列の3’末端に、PAMが隣接し得る。いくつかの実施形態では、gRNA認識配列の5’末端に、PAMが隣接し得る。例えば、Casタンパク質の切断部位は、PAM配列の上流または下流の約1~約10塩基対、約2~約5塩基対、または3塩基対であり得る。いくつかの実施形態では(S.pyogenes由来のCas9または密接に関連するCas9が使用される場合等)、非相補鎖のPAM配列は、5’-NGG-3’であり得、式中、Nは、任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの非相補鎖のgRNA認識配列のすぐ3’である。このように、相補鎖のPAM配列は、5’-CCN-3’であり、式中、Nは、任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの相補鎖のgRNA認識配列のすぐ5’である。
【0039】
gRNAは、Casタンパク質に結合し、Casタンパク質をSREBF1ゲノム核酸分子内の特定の位置に標的化するRNA分子である。1つの例示的なgRNAは、Cas酵素を、SREBF1ゲノム核酸分子に結合またはそれを切断するように導くのに有効なgRNAであり、gRNAは、配列番号1に記載の17,922位に対応する位置を含むか、またはそれに近接するSREBF1ゲノム核酸分子内のgRNA認識配列にハイブリダイゼーションするDNA標的化セグメントを含む。例えば、gRNAは、配列番号1に記載の17,922位に対応する位置の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、300、400、500、または1,000ヌクレオチドから位置するgRNA認識配列にハイブリダイゼーションするように選択することができる。他の例示的なgRNAは、配列番号1の領域内にあるSREBF1ゲノム核酸分子内のgRNA認識配列にハイブリダイゼーションするDNA標的化セグメントを含む。他の例示的なgRNAは、開始コドンもしくは停止コドンを含むか、またはそれに近接するSREBF1ゲノム核酸分子内のgRNA認識配列にハイブリダイゼーションするDNA標的化セグメントを含む。例えば、gRNAは、開始コドンの約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、300、400、500、もしくは1,000ヌクレオチドに位置するか、または開始コドンもしくは停止コドンの約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、300、400、500、または1,000ヌクレオチドから位置するgRNA認識配列にハイブリダイゼーションするように選択することができる。gRNAの設計及び合成は、例えば、Mali et al.,Science,2013,339,823-826、Jinek et al.,Science,2012,337,816-821、Hwang et al.,Nat.Biotechnol.,2013,31,227-229、Jiang et al.,Nat.Biotechnol.,2013,31,233-239、及びCong et al.,Science,2013,339,819-823に記載されている。好適なgRNAは、約17~約23ヌクレオチド、約18~約22ヌクレオチド、または約19~約21ヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、gRNAは、20ヌクレオチドを含むことができる。
【0040】
ヒト野生型SREBF1遺伝子内に位置する好適なgRNA認識配列の例は、配列番号21~41に記載されている。
【0041】
【0042】
Casタンパク質及びgRNAは、複合体を形成し、Casタンパク質は、標的SREBF1ゲノム核酸分子を切断する。Casタンパク質は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合する標的SREBF1ゲノム核酸分子内に存在する核酸配列内または外側の部位で核酸分子を切断することができる。例えば、CRISPR複合体(gRNA認識配列にハイブリダイゼーションし、Casタンパク質と複合体化したgRNAを含む)の形成により、gRNAのDNA標的化セグメントが結合するSREBF1ゲノム核酸分子内に存在する核酸配列の中またはその付近(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、またはそれ以上の塩基対内等)の一方または両方の鎖が切断され得る。
【0043】
かかる方法は、例えば、配列番号1の領域が破壊されている、開始コドンが破壊されている、終止コドンが破壊されている、またはコード配列が欠失されているSREBF1ゲノム核酸分子をもたらし得る。任意選択で、細胞は、SREBF1ゲノム核酸分子内の標的遺伝子座内の追加のgRNA認識配列にハイブリダイゼーションする1つ以上の追加のgRNAと更に接触させることができる。1つ以上の追加のgRNA(例えば、第2のgRNA認識配列にハイブリダイゼーションする第2のgRNA等)と細胞を接触させることにより、Casタンパク質による切断は、2つ以上の二本鎖切断または2つ以上の一本鎖切断を生成することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、SREBF1阻害剤は、小分子を含む。いくつかの実施形態では、SREBF1阻害剤は、ファトスタチンAまたはPF-429242である。
いくつかの実施形態では、当該方法は、対象からの生体試料中のヒトSREBF1ポリペプチドをコードするSREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子の存在または非存在を検出することを更に含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、対象からの生体試料中のSREBF1の予測される機能喪失バリアントポリペプチドの存在または非存在を検出することを更に含む。本開示を通して使用される場合、「SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子」は、部分的機能喪失、完全機能喪失、予測される部分的機能喪失、または予測される完全機能喪失を有するSREBF1ポリペプチドをコードする任意のSREBF1核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子等)である。例えば、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、SREBF1のArg334Cys、Arg364Cys、またはArg310Cysをコードする任意の核酸分子であり得る。いくつかの実施形態では、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、SREBF1のArg334Cysをコードする。いくつかの実施形態では、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、SREBF1のArg364Cysをコードする。いくつかの実施形態では、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、SREBF1のArg310Cysをコードする。
【0045】
いくつかの実施形態では、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、v)mRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有する、cDNA分子、vi)mRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有する、cDNA分子、またはvii)mRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有する、cDNA分子である。
【0046】
いくつかの実施形態では、対象がSREBF参照である場合、対象にも、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤が標準投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、対象がSREBFの予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である場合、対象にも、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤が、標準投薬量と同じまたはそれよりも少ない投薬量で投与される。
【0047】
本開示はまた、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤で対象を治療する方法であって、対象が上昇した脂質レベルを経験しており、当該方法が、対象がヒトSREBF1ポリペプチドをコードするSREBF1の機能喪失バリアント核酸分子を有するかどうかを、対象から生体試料を得るか、または得ていることと、生体試料上で遺伝子型分類アッセイを実施するか、または実施していることにより、対象がSREBF1の機能喪失バリアント核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを判定することと、によって判定するステップと、対象がSREBF1参照である場合、i)対象に、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤を標準投薬量で投与するか、または投与を継続し、対象に、SREBF1阻害剤を投与するステップと、対象がSREBF1の機能喪失バリアント核酸分子に対してヘテロ接合性である場合、i)上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤を標準投薬量と同じかもしくはそれよりも少ない量で対象に投与するか、または投与を継続し、対象にSREBF1阻害剤を投与するステップと、を含み、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするSREBF1の機能喪失バリアント核酸分子を有する遺伝子型の存在が、対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが低減していることを示す、方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、SREBF1参照である。いくつかの実施形態では、対象は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である。
【0048】
SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、部分的機能喪失、完全機能喪失、予測される部分的機能喪失、または予測される完全機能喪失を有するSREBF1ポリペプチドをコードする任意のSREBF1核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子等)であり得る。例えば、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、SREBF1のArg334Cys、Arg364Cys、またはArg310Cysをコードする任意の核酸分子であり得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子、v)mRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有する、cDNA分子、vi)mRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有する、cDNA分子、及び/またはvii)mRNA分子から産生されるcDNA分子であって、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含むヌクレオチド配列を有する、cDNA分子である。
【0050】
対象からの生体試料中のSREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子(例えば、SREBF1のArg334Cys、Arg364Cys、またはArg310Cysをコードする核酸分子等)の存在または非存在を検出すること、及び/または対象がSREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子(例えば、SREBF1のArg334Cys、Arg364Cys、またはArg310Cysをコードする核酸分子等)を有するかどうかを判定することは、本明細書に記載の方法のうちのいずれかによって行うことができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は、インビトロで行うことができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は、インサイチュで行うことができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は、インビボで行うことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、検出ステップ、検出するステップ、または遺伝子型分類アッセイは、生体試料中のSREBF1ゲノム核酸分子、SREBF1 mRNA分子、またはSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、配列決定された部分は、機能喪失を引き起こすか、または機能喪失を引き起こすと予測されるバリエーション(複数可)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、検出ステップ、検出するステップ、または遺伝子型分類アッセイは、i)SREBF1ポリペプチドをコードするゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、ii)SREBF1ポリペプチドをコードするmRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、iii)SREBF1ポリペプチドをコードするmRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、iv)SREBF1ポリペプチドをコードするmRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、v)SREBF1ポリペプチドをコードするcDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、vi)SREBF1ポリペプチドをコードするcDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、及び/またはvii)SREBF1ポリペプチドをコードするcDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置、もしくはその相補体を含む。生体試料中のSREBF1ゲノム核酸分子の配列決定された部分が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む場合、生体試料中のSREBF1 cDNA分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントcDNA分子である。
【0052】
いくつかの実施形態では、検出ステップ、検出するステップ、または遺伝子型分類アッセイは、a)i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置に近接するSREBF1ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の一部分、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置に近接するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置に近接するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置に近接するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置に近接するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置に近接するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分、及び/またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置に近接するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイゼーションするプライマーと生体試料を接触させることと、b)少なくともi)配列番号2に記載の17,922位に対応するSREBF1ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の位置、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の位置、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の位置、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の位置、v)配列番号12に記載の1,185位に対応するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の位置、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の位置、または配列番号14に記載の1,056位に対応するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の位置を介して、プライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長生成物が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含むかどうかを判定することと、を含む。いくつかの実施形態では、判定するステップは、核酸分子全体を配列決定することを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、検出ステップ、検出するステップ、または遺伝子型分類アッセイは、a)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、当該部分が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、及び/またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、改変特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、当該改変特異的プローブが、ストリンジェントな条件下で、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、及び/またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体とハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)当該検出可能な標識を検出することと、を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子はmRNAであり、判定するステップは、増幅するステップの前にmRNAをcDNAに逆転写することを更に含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、検出ステップ、検出するステップ、または遺伝子型分類アッセイは、生体試料中の核酸分子を、検出可能な標識を含む改変特異的プローブと接触させることを含み、当該改変特異的プローブは、ストリンジェントな条件下で、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む前記増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、及び/またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体とハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む。
【0055】
これらの実施形態のうちのいずれにおいても、核酸分子は、ヒト対象から得られた細胞内に存在することができる。
本明細書に記載される実施形態のうちのいずれかにおいて、上昇した脂質レベルは、上昇した血清脂質レベル、増加した総コレステロール、または増加したLDLである。いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルは、上昇した血清脂質レベルである。いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルは、増加した総コレステロールである。いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルは、増加した血清コレステロールである。いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルは、増加したLDLである。
【0056】
いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルは、高コレステロール血症(コレステロールの上昇)等の高脂質血症を含む。上昇した脂質レベルはまた、リポタンパク質(通常はLDL)の上昇を指す高リポタンパク質血症も含む。
【0057】
SREBF1参照であるか、もしくはSREBF1の予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性であるかのいずれかであると遺伝子型分類されるか、または判定されるヒト対象の場合、上記のように、そのようなヒト対象をSREBF1阻害剤で治療することができる。
【0058】
上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤の例としては、スピロ環状アゼチジノン誘導体、スタチン、PPARアゴニスト、ニコチン酸、ナイアシン、エゼチミブ、PCSK9阻害剤、RXRアゴニスト、ホルモン、スルホニル尿素系薬物、ビグアニド、α-グルコシダーゼ阻害剤、GLP-1アゴニスト、及びPPARα/δデュアルアゴニスト、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
スピロ環状アゼチジノン誘導体としては、例えば、米国再発行特許第37,721号、米国特許第5,631,356号、同第5,767,115号、同第5,846,966号、同第5,698,548号、同第5,633,246号、同第5,656,624号、同第5,624,920号、同第5,688,787号、及び同第5,756,470号、米国公開第2002/0137689号、ならびにPCT公開第WO02/066464号、同第WO95/08522号、及び同第WO96/19450号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
スタチンとしては、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチン、及びシンバスタチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
PPARアゴニストとしては、チアゾリジンジオンまたはフィブラートが挙げられるが、これらに限定されない。チアゾリジンジオンとしては、5-((4-(2-(メチル-2-ピリジニルアミノ)エトキシ)フェニル)メチル)-2,4-チアゾリジンジオン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、WAY-120,744、エングリタゾン、AD5075、ダルグリタゾン、及びロシグリタゾンが挙げられるが、これらに限定されない。フィブラートとしては、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、クロフィブラート、及びシプロフィブラートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
RXRアゴニストとしては、LG100268、LGD1069、9-シスレチノイン酸、2-(1-(3,5,5,8,8-ペンタメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチル)-シクロプロピル)-ピリジン-5-カルボン酸、及び4-((3,5,8,8-ペンタメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチル)2-カルボニル)-安息香酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
ホルモンとしては、甲状腺ホルモン、エストロゲン、及びインスリンが挙げられるが、これらに限定されない。好適なインスリンとしては、注射可能なインスリン、経皮的インスリン、及び吸入インスリン、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。インスリンの代替として、インスリン誘導体、分泌促進物質、増感剤、または模倣物質が使用され得る。インスリン分泌促進物質としては、フォルスコリン、ジブチルcAMP、及びイソブチルメチルキサンチン(IBMX)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
スルホニル尿素系薬物としては、グリソキセピド、グリブリド、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、グリクラジド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、及びトルシクラミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
ビグアニドとしては、メトホルミン、フェンホルミン、及びブホルミンが挙げられるが、これらに限定されない。
α-グルコシダーゼ阻害剤としては、アカルボース及びミグリトールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
GLP-1アゴニストとしては、VICTOZA(登録商標)及びSAXENDA(登録商標)(リラグルチド)、BYETTA(登録商標)及びBYDUREON(登録商標)(エキセナチド)、LYXUMIA(登録商標)(リキシセナチド)、TANZEUM(登録商標)(アルビグルチド)、TRULICITY(登録商標)(デュラグルチド)、及びOZEMPIC(登録商標)(セマグルチド)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
SREBF1参照であるか、もしくはSREBF1の予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性であるかのいずれかであると遺伝子型分類されるか、または判定されるヒト対象の場合、そのようなヒト対象はまた、上記SREBF1の予測された機能喪失ポリペプチドのうちのいずれか1つ以上で治療することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルを治療または阻害する治療剤の用量は、SREBF1参照である(標準投薬量を受け得る)対象と比較して、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子に対してヘテロ接合性である対象について、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%減少させることができる。いくつかの実施形態では、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤の用量は、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%減少させることができる。更に、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子に対してヘテロ接合性である対象における上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤の用量は、SREBF1参照である対象と比較して少ない頻度で投与することができる。
【0069】
上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤及び/またはSREBF1阻害剤の投与は、例えば、1日後、2日後、3日後、5日後、1週間後、2週間後、3週間後、1ヶ月後、5週間後、6週間後、7週間後、8週間後、2ヶ月後、または3ヶ月後に繰り返すことができる。反復投与は、同じ用量または異なる用量であり得る。投与は、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれ以上繰り返すことができる。例えば、ある特定の投与レジメンによれば、対象は、例えば、6ヶ月、1年、またはそれ以上等の長期間の治療を受けることができる。
【0070】
上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤及び/またはSREBF1阻害剤の投与は、非経口、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、くも膜下腔内、腹腔内、局所、鼻腔内、もしくは筋肉内を含むがこれらに限定されない任意の好適な経路によって生じ得る。投与のための薬学的組成物は、望ましくは滅菌され、実質的に等張性であり、GMP条件下で製造される。医薬組成物は、単位剤形(すなわち、単回投与のための剤形)で提供され得る。薬学的組成物は、1つ以上の生理学的及び薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、または補助剤を使用して製剤化することができる。製剤は、選択された投与経路に依存する。「薬学的に許容される」という用語は、担体、希釈剤、賦形剤、または補助剤が製剤の他の成分と適合性であり、そのレシピエントに実質的に有害ではないことを意味する。
【0071】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」、及び「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、それぞれ、治療効果及び予防効果等の所望の生物学的応答を誘発することを指す。いくつかの実施形態では、治療効果は、薬剤または薬剤を含む組成物の投与後の、上昇した脂質レベルの減少/低下、上昇した脂質レベルの重症度の減少/低下(例えば、発達もしくは上昇した脂質レベルの低下または阻害等)、症状の減少/低下、及び脂質レベル関連効果の増加、症状の発症の遅延、及び脂質レベル関連効果の増加、脂質レベル関連効果の増加の症状の重症度の低下、急性エピソードの重症度の低下、症状の数の減少、及び脂質レベル関連効果の増加、症状の潜伏期間の低下、及び脂質レベル関連効果の増加、症状の改善、及び脂質レベル関連効果の増加、二次症状の減少、二次感染の減少、上昇した脂質レベルの再発の予防、再発エピソードの数もしくは頻度の減少、症状エピソード間の潜伏期間の増加、持続的進行への時間の増加、寛解の促進、寛解の誘発、寛解の増強、回復のスピードの増加、もしくは代替治療剤の有効性の増加、もしくはそれに対する抵抗性の減少、及び/または罹患宿主の生存時間の増加のうちの1つ以上を含む。予防効果は、治療プロトコルの投与後の、完全もしくは部分的な回避/阻害、または上昇した脂質レベルの発症/進行の遅延(例えば、完全または部分的な回避/阻害、または遅延等)、及び罹患宿主動物の生存時間の増加を含み得る。上昇した脂質レベルの治療は、任意の臨床段階または症状発現において、いずれかの形態で脂質レベルが上昇していると既に診断されている対象の治療、上昇した脂質レベルの症状もしくは兆候の発症もしくは進化もしくは増悪もしくは悪化の遅延、及び/または上昇した脂質レベルの重症度の予防及び/または低減を包含する。
【0072】
いくつかの実施形態では、当該方法は、対象からの生体試料中のSREBF1ポリペプチドの存在または非存在を検出することを含み、SREBF1ポリペプチドは、i)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステイン、ii)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステイン、またはiii)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含み、ヒト対象がSREBF1ポリペプチドを有しない場合、ヒト対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加しており、ヒト対象がSREBF1ポリペプチドを有する場合、ヒト対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが低減している。
【0073】
いくつかの実施形態では、検出するステップは、i)配列番号18に記載の334位に対応する位置、ii)配列番号19に記載の364位に対応する位置、またはiii)配列番号20に記載の310位に対応する位置を含むポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、ポリペプチド全体を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、i)配列番号18に記載の334位に対応する位置、ii)配列番号19に記載の364位に対応する位置、またはiii)配列番号20に記載の310位に対応する位置を含む、ポリペプチドの存在を検出するためのイムノアッセイを含む。
【0074】
本開示はまた、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加したヒト対象を特定する方法であって、本明細書に記載のSREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/またはcDNA分子等)のうちのいずれかの存在または非存在を検出するための本明細書に記載の方法のうちのいずれかを含む、方法を提供する。対象から得られた試料中で特定の核酸分子の存在または非存在を判定することまたは判定していることは、本明細書に記載の方法のうちのいずれかによって実行することができる。ヒト対象が、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子を欠く場合(すなわち、ヒト対象が、SREBF1参照として遺伝子型分類される)、ヒト対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクは増加している。ヒト対象が、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子を有する場合(すなわち、ヒト対象が、SREBF1の予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性であるか、またはSREBF1の予測される機能喪失バリアントに対してホモ接合性であると分類される場合)、ヒト対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクは低下している。SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子の単一コピーを有することは、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子のコピーを有しないことよりも、上昇した脂質レベルを発症することからヒト対象をより保護する。
【0075】
いかなる特定の理論または作用機序にも限定されるものではないが、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子の単一のコピー(すなわち、SREBF1の予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合体)は、上昇した脂質レベルの発症からヒト対象を保護すると考えられ、また、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子の2つのコピー(すなわち、SREBF1の予測される機能喪失バリアントに対してホモ接合体)を有することは、単一のコピーを有するヒト対象と比較して、上昇した脂質レベルの発症からヒト対象をより保護することができると考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子の単一コピーは、完全に保護的ではなく、代わりに、上昇した脂質レベルの発症からヒト対象を部分的または不完全に保護し得る。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子の単一コピーを有するヒト対象に依然として存在する、上昇した脂質レベルの発症に関与する追加の因子または分子が存在してもよく、したがって、上昇した脂質レベルの発症からの不完全な保護をもたらす。
【0076】
本開示はまた、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加したヒト対象を特定する方法であって、対象からの生体試料中のSREBF1の予測される機能喪失バリアントポリペプチドの存在または非存在を検出することを含み、SREBF1ポリペプチドは、i)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステイン、ii)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステイン、またはiii)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含み、ヒト対象がSREBF1の予測される機能喪失バリアントポリペプチドを有しない場合、ヒト対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加しており、ヒト対象がSREBF1の予測される機能喪失バリアントポリペプチドを有する場合、ヒト対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが低減している、方法を提供する。
【0077】
いくつかの実施形態では、判定するステップは、配列番号18に記載の334位に対応する位置を含むポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、判定するステップは、配列番号19に記載の364位に対応する位置を含むポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、判定するステップは、配列番号20に記載の310位に対応する位置を含むポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、判定するステップは、ポリペプチド全体を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、判定するステップは、イムノアッセイを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、ヒト対象は、本明細書に記載されるように、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤及び/またはSREBF1阻害剤で更に治療される。例えば、ヒト対象がSREBF1参照であり、したがって、ヒト対象の、上昇した脂質レベルを発症するリスクが増加している場合、ヒト対象は、SREBF1阻害剤を投与される。いくつかの実施形態では、かかる対象には、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤も投与される。いくつかの実施形態では、対象がSREBF1の予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である場合、対象に、上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤を標準投薬量と同じまたはそれよりも少ない投薬量で投与し、またSREBF1阻害剤も投与する。いくつかの実施形態では、対象は、SREBF1参照である。いくつかの実施形態では、対象は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントに対してヘテロ接合性である。
【0079】
本開示はまた、対象ヒトからの生体試料中のSREBF1の予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子、SREBF1の予測される機能喪失バリアントmRNA分子、及び/またはSREBF1の予測される機能喪失バリアントcDNA分子の存在を検出する方法も提供する。集団内の遺伝子配列及びかかる遺伝子によってコードされるmRNA分子は、一塩基多型等の多型により変化し得ることが理解される。SREBF1バリアントゲノム核酸分子、SREBF1バリアントmRNA分子、及びSREBF1バリアントcDNA分子の、本明細書において提供される配列は、例示的な配列に過ぎない。SREBF1バリアントゲノム核酸分子、バリアントmRNA分子、及びバリアントcDNA分子の他の配列もまた可能である。
【0080】
生体試料は、対象からの任意の細胞、組織、または生体流体に由来し得る。試料は、骨髄試料、腫瘍生検、細針吸引液、または血液、歯肉口蓋液、血漿、血清、リンパ、腹水、嚢胞液、もしくは尿等の体液の試料等の、臨床的に関連する任意の組織を含み得る。いくつかの場合では、試料は、口腔スワブを含む。本明細書に開示される方法で使用される試料は、アッセイ形式、検出方法の性質、及び試料として使用される組織、細胞、または抽出物に基づいて変化する。採用されるアッセイに応じて、生体試料を異なる方法で処理することができる。例えば、任意のSREBF1バリアント核酸分子を検出する場合、ゲノムDNAの試料を単離または濃縮するように設計された予備的処理を用いることができる。この目的のために、様々な既知の技術が使用されてもよい。任意のSREBF1バリアントmRNAのレベルを検出するとき、異なる技術を使用して、生体試料をmRNAで濃縮することができる。mRNAの存在もしくはレベル、または特定のバリアントゲノムDNA遺伝子座の存在を検出するための様々な方法を使用することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、ヒト対象におけるヒトSREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子を検出する方法は、ヒト対象から得られた生体試料をアッセイして、生体試料中のSREBF1ゲノム核酸分子、SREBF1 mRNA分子、またはSREBF1 cDNA分子が、機能喪失(部分的もしくは完全)を引き起こすか、または機能喪失(部分的もしくは完全)を引き起こすと予測される1つ以上のバリエーションを含むかどうかを判定することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、ヒト対象におけるヒトSREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子を検出する方法は、対象から得られた生体試料をアッセイして、生体試料中のSREBF1核酸分子が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、を含むヌクレオチド配列を含むかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、インビトロ方法である。
【0082】
いくつかの実施形態では、ヒト対象におけるSREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/もしくはcDNA分子等)の存在または非存在を検出する方法は、対象から得られた生体試料に対してアッセイを実行することを含み、このアッセイは、生体試料中の核酸分子が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンをコードするヌクレオチド配列を含むかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、生体試料は、細胞または細胞溶解物を含む。かかる方法は、例えば、SREBF1ゲノム核酸分子もしくはmRNA分子を含む対象から生体試料を得ることと、mRNAが所望により、mRNAをcDNAに逆転写する場合、SREBF1ゲノム核酸分子、mRNA、もしくはcDNAの位置が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置のチミン、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置のウラシル、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置のウラシル、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置のウラシル、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置のチミン、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置のチミン、またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置のチミンをコードすると判定する生体試料にアッセイを実行することと、を更に含むことができる。かかるアッセイは、例えば、特定のSREBF1核酸分子のこれらの位置の同一性を判定することを含み得る。いくつかの実施形態では、この方法は、インビトロ方法である。
【0083】
いくつかの実施形態では、当該アッセイは、生体試料中のSREBF1ゲノム核酸分子、SREBF1 mRNA分子、またはSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、配列決定された部分は、機能喪失(部分的もしくは完全)を引き起こす1つ以上のバリエーションを含む。例えば、いくつかの実施形態では、当該アッセイは、i)生体試料中のSREBF1ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、ii)生体試料中のSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、iii)生体試料中のSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、iv)生体試料中のSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、v)生体試料中のSREBF1 cRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、vi)生体試料中のSREBF1 cRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置、もしくはその相補体を含む、及び/またはvii)生体試料中のSREBF1 cRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、当該配列決定された部分は、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置、もしくはその相補体を含む。生体試料中のSREBF1ゲノム核酸分子の配列決定された部分が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む場合、生体試料中のSREBF1ゲノム核酸分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子である。生体試料中のSREBF1 mRNA分子の配列決定された部分が、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む場合、生体試料中のSREBF1 mRNA分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントmRNA分子である。生体試料中のSREBF1 mRNA分子の配列決定された部分が、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む場合、生体試料中のSREBF1 mRNA分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントmRNA分子である。生体試料中のSREBF1 mRNA分子の配列決定された部分が、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む場合、生体試料中のSREBF1 mRNA分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントmRNA分子である。生体試料中のSREBF1 cDNA分子の配列決定された部分が、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む場合、生体試料中のSREBF1 cDNA分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントcDNA分子である。生体試料中のSREBF1 cDNA分子の配列決定された部分が、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む場合、生体試料中のSREBF1 cDNA分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントcDNA分子である。生体試料中のSREBF1 cDNA分子の配列決定された部分が、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む場合、生体試料中のSREBF1 cDNA分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントcDNA分子である。
【0084】
いくつかの実施形態では、当該アッセイは、a)i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置に近接するSREBF1ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の一部分、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置に近接するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置に近接するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置に近接するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の一部分、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置に近接するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置に近接するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分、及び/またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置に近接するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の一部分にハイブリダイゼーションするプライマーと試料を接触させることと、b)少なくともi)配列番号2に記載の17,922位に対応するSREBF1ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の位置、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の位置、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の位置、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応するSREBF1 mRNA分子のヌクレオチド配列の位置、v)配列番号12に記載の1,185位に対応するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の位置、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の位置、またはvii)配列番号14に記載の1,056位に対応するSREBF1 cDNA分子のヌクレオチド配列の位置を介して、プライマーを伸長させることと、c)プライマーの伸長生成物が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、vii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含むかどうかを判定することと、を含む。いくつかの実施形態では、アッセイは、核酸分子全体を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、SREBF1ゲノム核酸分子のみが分析される。いくつかの実施形態では、SREBF1 mRNAのみが分析される。いくつかの実施形態では、SREBF1 mRNAから得られたSREBF1 cDNAのみが分析される。
【0085】
いくつかの実施形態では、当該アッセイは、a)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部分を増幅することであって、当該部分が、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、v)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、v)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体を含む、増幅することと、b)増幅された核酸分子を、検出可能な標識で標識することと、c)標識された核酸分子を、改変特異的プローブを含む支持体と接触させることであって、当該改変特異的プローブが、ストリンジェントな条件下で、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子の核酸配列、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子の核酸配列、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子の核酸配列、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子の核酸配列、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子の核酸配列、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子の核酸配列、もしくはその相補体、vii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子の核酸配列、もしくはその相補体とハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む、接触させることと、d)当該検出可能な標識を検出することと、を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子はmRNAであり、判定するステップは、増幅するステップの前にmRNAをcDNAに逆転写することを更に含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、当該アッセイは、生体試料中の核酸分子を、検出可能な標識を含む改変特異的プローブと接触させることを含み、当該改変特異的プローブは、ストリンジェントな条件下で、i)配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、ii)配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、iii)配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、iv)配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、v)配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む前記増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、vi)配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体、vii)配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む増幅された核酸分子のヌクレオチド配列、もしくはその相補体とハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む。改変特異的ポリメラーゼ連鎖反応技術を使用して、核酸配列におけるSNP等の変異を検出することができる。鋳型との不一致が存在する場合、DNAポリメラーゼは伸長しないため、改変特異的プライマーを使用することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、試料中の核酸分子はmRNAであり、mRNAは、増幅するステップの前にcDNAに逆転写される。いくつかの実施形態では、核酸分子は、ヒト対象から得られた細胞内に存在する。
【0088】
SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、部分的機能喪失、完全機能喪失、予測される部分的機能喪失、または予測される完全機能喪失を有するSREBF1ポリペプチドをコードする任意のSREBF1核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子等)であり得る。例えば、SREBF1の予測される機能喪失バリアント核酸分子は、SREBF1のArg334Cys、Arg364Cys、またはArg310Cysをコードする任意の核酸分子であり得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、当該アッセイは、SREBF1バリアントゲノム配列、バリアントmRNA配列、またはバリアントcDNA配列に特異的にハイブリダイゼーションし、ストリンジェントな条件下で対応するSREBF1参照配列ではない、改変特異的プライマーまたは改変特異的プローブ等のプライマーまたはプローブと生体試料を接触させることと、ハイブリダイゼーションが生じたかどうかを判定することと、を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、当該アッセイは、RNA配列決定(RNA-Seq)を含む。いくつかの実施形態では、当該アッセイは、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)等による、mRNAのcDNAへの逆転写も含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、当該方法は、標的ヌクレオチド配列に結合し、SREBF1バリアントゲノム核酸分子、バリアントmRNA分子、またはバリアントcDNA分子を含むポリヌクレオチドを特異的に検出及び/または特定するのに十分なヌクレオチド長のプローブ及びプライマーを利用する。ハイブリダイゼーション条件または反応条件は、この結果を達成するためにオペレータによって判定され得る。このヌクレオチド長は、本明細書に記載または例示される任意のアッセイを含む、選択された検出方法において使用するのに十分な任意の長さであり得る。かかるプローブ及びプライマーは、高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標的ヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイゼーションすることができる。プローブ及びプライマーは、標的ヌクレオチド配列内の連続するヌクレオチドの完全なヌクレオチド配列同一性を有し得るが、標的ヌクレオチド配列とは異なり、標的ヌクレオチド配列を特異的に検出及び/または特定する能力を保持するプローブが、従来の方法によって設計され得る。したがって、プローブ及びプライマーは、標的核酸分子のヌクレオチド配列と約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%の配列同一性または相補性を共有することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、生体試料中のSREBF1核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、もしくはcDNA分子)もしくはその相補体が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンをコードするヌクレオチド配列を含むかどうかを判定するために、生体試料は、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置のチミン、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置のウラシル、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置のウラシル、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置のウラシル、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置のチミン、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置のチミン、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置のチミンに隣接する5’隣接配列に由来する第1プライマーと、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置のチミン、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置のウラシル、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置のウラシル、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置のウラシル、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置のチミン、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置のチミン、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置のチミンに隣接する3’隣接配列に由来する第2プライマーと、を含むプライマー対を使用する増幅方法に供して、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置のチミン、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置のウラシル、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置のウラシル、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置のウラシル、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置のチミン、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置のチミン、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置のチミンをコードする位置にSNPの存在を示すアンプリコンを産生する。いくつかの実施形態では、アンプリコンの長さは、プライマー対の組み合わせた長さ+1つのヌクレオチド塩基対から、DNA増幅プロトコルによって産生可能なアンプリコンの任意の長さまでの範囲であってもよい。この距離は、1ヌクレオチド塩基対から増幅反応の限界までの範囲、または約20,000ヌクレオチド塩基対であり得る。任意選択で、プライマー対は、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置のチミン、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置のウラシル、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置のウラシル、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置のウラシル、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置のチミン、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置のチミン、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置のチミンをコードする位置と、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置のチミン、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置のウラシル、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置のウラシル、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置のウラシル、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置のチミン、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置もチミン、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置のチミンをコードする位置の各側面にある少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくはそれ以上のヌクレオチドと、を含む領域に隣接する。同様のアンプリコンは、mRNA及び/またはcDNA配列から生成することができる。PCRプライマー対は、例えば、Vector NTIバージョン10(Informax Inc.,Bethesda Md.)、PrimerSelect(DNASTAR Inc.,Madison,Wis.)、及びPrimer3(Version 0.4.0.COPYRGT.,1991、Whitehead Institute for Biomedical Research,Cambridge,Mass.)等の、その目的のために意図されたコンピュータープログラムを使用して既知の配列から得ることができる。更に、既知のガイドラインを使用して、配列は目視でスキャンし、プライマーは手動で特定することができる。
【0093】
例えば、核酸配列決定、核酸ハイブリダイゼーション、及び核酸増幅を含む様々な技術を使用することができる。核酸配列決定技術の例示的な例としては、チェーンターミネーター(Sanger)配列決定及びダイターミネーター配列決定が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
他の方法は、精製されたDNA、増幅されたDNA、及び固定された細胞調製物(蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH))に対して標識されたプライマーまたはプローブを使用することを含む、配列決定以外の核酸ハイブリダイゼーション方法を含む。いくつかの方法では、標的核酸分子は、検出の前に、または検出と同時に増幅してもよい。核酸増幅技術の例示的な例としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、及び核酸配列ベース増幅(NASBA)が挙げられるが、これらに限定されない。他の方法としては、リガーゼ連鎖反応、鎖置換増幅、及び好熱性SDA(tSDA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
ハイブリダイゼーション技術では、プローブまたはプライマーがその標的に特異的にハイブリダイゼーションするように、ストリンジェントな条件を用いることができる。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、他の非標的配列よりも、例えば、バックグラウンド全体で少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、またはそれ以上(バックグラウンド全体で10倍超を含む)、検出可能に高い程度でその標的配列にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも少なくとも2倍、検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも少なくとも3倍、検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも少なくとも4倍、検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下でのポリヌクレオチドプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも、バックグラウンド全体で10倍を超えて、検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする。ストリンジェントな条件は配列に依存し、状況に応じて異なるであろう。
【0096】
DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェントな条件、例えば、約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、続いて50℃での2×SSCの洗浄は、既知であるか、またはCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1-6.3.6.において見つけることができる。典型的には、ハイブリダイゼーション及び検出のためのストリンジェントな条件は、pH7.0~8.3で、塩濃度が約1.5M Na+イオン未満、典型的には約0.01~1.0M Na+イオン濃度(または他の塩)であり、温度が短いプローブ(例えば、10~50ヌクレオチド等)では少なくとも約30℃、より長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドを超える)では少なくとも約60℃である条件である。ストリンジェントな条件は、ホルムアミド等の不安定化剤の添加によっても達成され得る。任意選択で、洗浄緩衝液は、約0.1%~約1%のSDSを含み得る。ハイブリダイゼーションの持続時間は、一般に、約24時間未満、通常約4~約12時間である。洗浄時間の持続時間は、少なくとも、平衡に達するのに十分な時間の長さでなければならない。
【0097】
本開示はまた、ヒトSREBF1の予測される機能喪失バリアントポリペプチドの存在を検出する方法であって、対象におけるSREBF1ポリペプチドが、ポリペプチドに機能喪失(部分的または完全)をさせる1つ以上バリエーションを含有するかどうかを判定するために、ヒト対象から得られた試料に対してアッセイを行うことを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、当該方法は、例えば、SREBF1 Arg334Cysバリアントポリペプチド等のヒトSREBF1の予測される機能喪失バリアントポリペプチドの存在を検出し、ヒト対象から得られた試料に対してアッセイを行い、試料中のSREBF1ポリペプチドが、配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含むかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、配列番号15または配列番号18に記載の334位に対応する位置を含むポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、ポリペプチド全体を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、配列番号15または配列番号18に記載の334位に対応する位置を含むポリペプチドの存在を検出するためのイムノアッセイを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、当該方法は、例えば、SREBF1 Arg364Cysバリアントポリペプチド等のヒトSREBF1の予測される機能喪失バリアントポリペプチドの存在を検出し、ヒト対象から得られた試料に対してアッセイを行い、試料中のSREBF1ポリペプチドが、配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含むかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、配列番号16または配列番号19に記載の364位に対応する位置を含むポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、ポリペプチド全体を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、配列番号16または配列番号19に記載の364位に対応する位置を含むポリペプチドの存在を検出するためのイムノアッセイを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、当該方法は、例えば、SREBF1 Arg310Cysバリアントポリペプチド等のヒトSREBF1の予測される機能喪失バリアントポリペプチドの存在を検出し、ヒト対象から得られた試料に対してアッセイを行い、試料中のSREBF1ポリペプチドが、配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含むかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、配列番号17または配列番号20に記載の310位に対応する位置を含むポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、ポリペプチド全体を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、検出するステップは、配列番号17または配列番号20に記載の310位に対応する位置を含むポリペプチドの存在を検出するためのイムノアッセイを含む。
【0100】
本開示はまた、SREBF1の予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子(配列番号2等)、SREBF1の予測される機能喪失バリアントmRNA分子(配列番号6、配列番号7、及び配列番号8等)、及び/またはSREBF1の予測される機能喪失バリアントcDNA分子(配列番号12、配列番号13、及び配列番号14等)にハイブリダイゼーションする単離核酸分子も提供する。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置を含み、配列番号6もしくは配列番号12に記載の1,185位に対応する位置を含み、配列番号7もしくは配列番号13に記載の1,260位に対応する位置を含み、または配列番号8もしくは配列番号14に記載の1,056位に対応する位置を含むSREBF1核酸分子の一部分にハイブリダイゼーションする。
【0101】
いくつかの実施形態では、かかる単離核酸分子は、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約2000、少なくとも約3000、少なくとも約4000、少なくとも約5000、少なくとも約6000、少なくとも約7000、少なくとも約8000、少なくとも約9000、少なくとも約10000、少なくとも約11000、少なくとも約12000、少なくとも約13000、少なくとも約14000、少なくとも約15000、少なくとも約16000、少なくとも約17000、少なくとも約18000、少なくとも約19000、もしくは少なくとも約20000ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、そのような単離核酸分子は、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、もしくは少なくとも約25ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。好ましい実施形態では、単離核酸分子は、少なくとも約18ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、少なくとも約15ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、約10~約35、約10~約30、約10~約25、約12~約30、約12~約28、約12~約24、約15~約30、約15~約25、約18~約30、約18~約25、約18~約24、もしくは約18~約22ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。好ましい実施形態では、単離核酸分子は、約18~約30ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、少なくとも約15ヌクレオチド~少なくとも約35ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。
【0102】
いくつかの実施形態では、かかる単離核酸分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子(配列番号2等)、SREBF1の予測される機能喪失バリアントmRNA分子(配列番号6、配列番号7、及び配列番号8等)、及び/またはSREBF1の予測される機能喪失バリアントcDNA分子(配列番号12、配列番号13、及び配列番号14等)にハイブリダイゼーションする。かかる核酸分子は、例えば、本明細書に記載もしくは例示されるようなプローブ、プライマー、改変特異的プローブ、または改変特異的プライマーとして使用することができ、限定するものではないが、プローブ、アンチセンスRNA、shRNA、及びsiRNAを含み、これらはそれぞれ、本明細書の他の箇所においてより詳細に記載され、本明細書に記載される方法のうちのいずれかで使用することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、SREBF1の予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子(配列番号2等)、SREBF1の予測される機能喪失バリアントmRNA分子(配列番号6、配列番号7、及び配列番号8等)、及び/またはSREBF1の予測される機能喪失バリアントcDNA分子(配列番号12、配列番号13、及び配列番号14等)と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一である核酸分子の少なくとも約15の連続するヌクレオチドにハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、約15~約100ヌクレオチド、もしくは約15~約35ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、約15~約100ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、約15~約35ヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。
【0104】
いくつかの実施形態では、単離された改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、少なくとも約15個のヌクレオチドを含み、当該改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含み、当該一部分は、配列番号2に記載の17,922位、もしくはその相補体、配列番号6に記載の1,185位、もしくはその相補体、配列番号7に記載の1,260位、もしくはその相補体、配列番号8に記載の1,056位、もしくはその相補体、配列番号12に記載の1,185位、もしくはその相補体、配列番号13に記載の1,260位、もしくはその相補体、配列番号14に記載の1,056位、もしくはその相補体、に対応する位置を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号2に記載の17,922位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号2に記載の17,922~17,924位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号6に記載の1,185位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号6に記載の1,185~1,187位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号7に記載の1,260位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号7に記載の1,260~1,262位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号8に記載の1,056位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号8に記載の1,056~1,058位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号12に記載の1,185位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号12に記載の1,185~1,187位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号13に記載の1,260位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号13に記載の1,260~1,262位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号14に記載の1,056位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーは、配列番号14に記載の1,056~1,058位、もしくはその相補体に対応する位置を含むヌクレオチド配列の一部分に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、改変特異的プローブ及び改変特異的プライマーは、DNAを含む。いくつかの実施形態では、改変特異的プローブ及び改変特異的プライマーは、RNAを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のプローブ及びプライマー(改変特異的プローブ及び改変特異的プライマーを含む)は、本明細書に開示される核酸分子、もしくはその相補体のうちのいずれかに特異的にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、プローブ及びプライマーは、ストリンジェントな条件下で本明細書に開示される核酸分子のうちのいずれかに特異的にハイブリダイゼーションする。
【0114】
いくつかの実施形態では、改変特異的プライマーを含むプライマーは、第2世代配列決定または高スループット配列決定で使用することができる。場合によっては、改変特異的プライマーを含むプライマーを修飾することができる。特に、プライマーは、例えば、マッシブパラレルシグネチャーシーケンシング(MPSS)、ポロニーシーケンシング、及び454パイロシーケンシングの異なるステップで使用される様々な修飾を含むことができる。修飾プライマーは、クローニングステップにおけるビオチン化プライマー、及びビーズ装填ステップ及び検出ステップで使用される蛍光標識プライマーを含む、プロセスのうちのいくつかのステップで使用することができる。ポロニーシーケンシングは、一般に、DNAテンプレートの各分子が約135bpの長さであるペアエンドのタグライブラリを使用して実行される。ビオチン化プライマーは、ビーズ装填ステップ及びエマルションPCRで使用される。蛍光標識された縮重九量体オリゴヌクレオチドは、検出ステップで使用される。アダプターは、ストレプトアビジンでコーティングされたビーズへDNAライブラリの固定化するための5’-ビオチンタグを含有することができる。
【0115】
本明細書に記載のプローブ及びプライマーを使用して、SREBF1バリアントゲノム核酸分子内のC17,922Tバリエーション(配列番号2等)、SREBF1バリアントmRNA分子内のC1,185Uバリエーション(配列番号6等)、SREBF1バリアントmRNA分子内のC1,260Uバリエーション(配列番号7等)、SREBF1バリアントmRNA分子内のC1,056Uバリエーション(配列番号8等)、SREBF1バリアントcDNA分子内のC1,185Tバリエーション(配列番号12等)、SREBF1バリアントcDNA分子内のC1,260Tバリエーション(配列番号13等)、またはSREBF1バリアントcDNA分子内のC1,056Tバリエーション(配列番号14等)を検出することができる。例えば、プライマーを使用して、C17,922Tバリエーションを含むSREBF1バリアントゲノム核酸分子またはその断片を増幅することができる。プライマーを使用して、C1,185Uバリエーション、C1,260Uバリエーション、及び/またはC1,056Uバリエーションを含むSREBF1バリアントmRNAまたはその断片を増幅することもできる。プライマーを使用して、C1,185Tバリエーション、C1,260Tバリエーション、及び/またはC1,056Tバリエーションを含むSREBF1バリアントcDNAまたはその断片を増幅することもできる。
【0116】
本開示はまた、上述のプライマーのうちのいずれかを含むプライマー対を提供する。プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1核酸分子内の(チミンではなく)17,922位のシトシンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1参照ゲノム核酸分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1核酸分子内の(シトシンではなく)17,922位のチミンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1バリアントゲノム核酸分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態では、配列番号2の17,922位に対応する位置におけるチミンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’末端に存在し得る。
【0117】
プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 mRNA分子内の(ウラシルではなく)1,185位のシトシンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1参照mRNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 mRNA分子内の(シトシンではなく)1,185位のウラシルにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1バリアントmRNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態では、配列番号6の1,185位に対応する位置におけるウラシルに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’末端に存在し得る。加えて、プライマー’3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 mRNA分子内の(ウラシルではなく)1,260位のシトシンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1参照mRNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 mRNA分子内の(シトシンではなく)1,260位のウラシルにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1バリアントmRNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態では、配列番号7の1,260位に対応する位置におけるウラシルに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’末端に存在し得る。加えて、プライマー’3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 mRNA分子内の(ウラシルではなく)1,056位のシトシンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1参照mRNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 mRNA分子内の(シトシンではなく)1,056位のウラシルにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1バリアントmRNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態では、配列番号8の1,056位に対応する位置におけるウラシルに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’末端に存在し得る。プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 cDNA分子内の(チミンではなく)1,185位のシトシンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1参照cDNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 cDNA分子内の(シトシンではなく)1,185位のチミンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1バリアントcDNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態では、配列番号12の1,185位に対応する位置におけるチミンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’末端に存在し得る。加えて、プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 cDNA分子内の(チミンではなく)1,260位のシトシンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1参照cDNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 cDNA分子内の(シトシンではなく)1,260位のチミンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1バリアントcDNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態では、配列番号13の1,260位に対応する位置におけるチミンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’末端に存在し得る。加えて、プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 cDNA分子内の(チミンではなく)1,056位のシトシンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1参照cDNA分子の存在を示すであろう。逆に、プライマーの3’末端のうちの1つが、特定のSREBF1 cDNA分子内の(シトシンではなく)1,056位のチミンにハイブリダイゼーションする場合、増幅断片の存在は、SREBF1バリアントcDNA分子の存在を示すであろう。いくつかの実施形態では、配列番号14の1,056位に対応する位置におけるチミンに相補的なプライマーのヌクレオチドは、プライマーの3’末端に存在し得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、SREBF1ゲノム核酸分子の一部分にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含み、当該一部分は、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含むか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む一部分で配列番号2を含むSREBF1ゲノム核酸分子にハイブリダイゼーションするか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、SREBF1 mRNA分子の一部分にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含み、当該一部分は、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含むか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む一部分で配列番号6を含むSREBF1 mRNA分子にハイブリダイゼーションするか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、SREBF1 mRNA分子の一部分にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含み、当該一部分は、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含むか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む一部分で配列番号7を含むSREBF16 mRNA分子にハイブリダイゼーションするか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、SREBF1 mRNA分子の一部分にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含み、当該一部分は、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含むか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む一部分で配列番号8を含むSREBF16 mRNA分子にハイブリダイゼーションするか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、SREBF1 cDNA分子の一部分にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含み、当該一部分は、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含むか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む一部分で配列番号12を含むSREBF1 cDNA分子にハイブリダイゼーションするか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、SREBF1 cDNA分子の一部分にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含み、当該一部分は、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含むか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む一部分で配列番号13を含むSREBF1 cDNA分子にハイブリダイゼーションするか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、SREBF1 cDNA分子の一部分にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含み、当該一部分は、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含むか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションする。いくつかの実施形態では、プローブまたはプライマーは、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む一部分で配列番号14を含むSREBF1 cDNA分子にハイブリダイゼーションするか、またはこの核酸分子の相補体にハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含む。
【0125】
本開示の文脈において、「特異的にハイブリダイゼーションする」は、プローブまたはプライマー(例えば、改変特異的プローブまたは改変特異的プライマー)が、SREBF1参照ゲノム核酸分子、SREBF1参照mRNA分子、及び/またはSREBF1参照cDNA分子をコードする核酸配列にハイブリダイゼーションしないことを意味する。
【0126】
いくつかの実施形態では、プローブ(例えば、改変特異的プローブ等)は、標識を含む。いくつかの実施形態では、当該標識は、蛍光標識、放射標識、またはビオチンである。
本開示はまた、本明細書に開示されるプローブのうちのいずれか1つ以上が付着している基質を含む支持体を提供する。固体支持体は、本明細書に開示されるプローブのうちのいずれか等の分子が会合することができる固体基質または支持体である。固体支持体の形態は、アレイである。固体支持体の別の形態は、アレイ検出器である。アレイ検出器は、複数の異なるプローブがアレイ、グリッド、または他の秩序立ったパターンで結合された固体支持体である。固体基質の形態は、標準的な96ウェルタイプ等のマイクロタイターディッシュである。いくつかの実施形態では、通常、ウェルごとに1つのアレイを含むマルチウェルガラススライドを使用することができる。
【0127】
本開示はまた、本明細書に記載のSREBF1核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、もしくはcDNA分子)もしくはその相補体のうちのいずれかと、本明細書に記載の改変特異的プライマーもしくは改変特異的プローブのうちのいずれかと、を含むか、またはそれらからなる分子複合体を提供する。いくつかの実施形態では、分子複合体中のSREBF1核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、もしくはcDNA分子)もしくはその相補体は、一本鎖である。いくつかの実施形態では、SREBF1核酸分子は、本明細書に記載のゲノム核酸分子のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、SREBF1核酸分子は、本明細書に記載されるmRNA分子のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、SREBF1核酸分子は、本明細書に記載されるcDNA分子のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、分子複合体は、本明細書に記載のSREBF1核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)もしくはその相補体のいずれかと、本明細書に記載の改変特異的プライマーのうちのいずれかと、を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、分子複合体は、本明細書に記載のSREBF1核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、もしくはcDNA分子)もしくはその相補体のうちのいずれかと、本明細書に記載の改変特異的プローブのうちのいずれかと、を含むか、またはそれらからなる。
【0128】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むゲノム核酸分子にハイブリダイゼーションされた改変特異的プライマーもしくは改変特異的プローブを含むか、またはそれからなり、当該改変特異的プライマーもしくは改変特異的プローブは、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置のチミン、もしくはその相補体にハイブリダイゼーションされる。いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号2に記載の17,922~17,924位に対応する位置でTGCコドンにハイブリダイゼーションされる改変特異的プライマーもしくは改変特異的プローブを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号2を含むゲノム核酸分子を含むか、またはそれからなる。
【0129】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むmRNA分子にハイブリダイゼーションされた改変特異的プライマーもしくは改変特異的プローブを含むか、またはそれからなり、当該改変特異的プライマーまたは改変特異的プローブは、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置のウラシル、もしくはその相補体、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置のウラシル、もしくはその相補体、または配列番号8に記載の1,056位に対応する位置のウラシル、もしくはその相補体にハイブリダイゼーションされる。いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号6に記載の1,185~1,187位に対応する位置のUGCコドン、配列番号6に記載の1,260~1,262位に対応する位置のUGCコドン、もしくは配列番号8に記載の1,056~1,058位に対応する位置のUGCコドンにハイブリダイゼーションされる、改変特異的プライマーもしくは改変特異的プローブを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号6、配列番号7、もしくは配列番号8を含むmRNA分子を含むか、またはそれからなる。
【0130】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むcDNA分子にハイブリダイゼーションされた改変特異的プライマーもしくは改変特異的プローブを含むか、またはそれからなり、当該改変特異的プライマーまたは改変特異的プローブは、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置のチミン、もしくはその相補体、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置のチミン、もしくはその相補体、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置のチミン、もしくはその相補体にハイブリダイゼーションされる。いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号12に記載の1,185~1,187位に対応する位置のTGCコドン、配列番号13に記載の1,260~1,262位に対応する位置のTGCコドン、または配列番号14に記載の1,056~1,058位に対応する位置のTGCコドンにハイブリダイゼーションされる、改変特異的プライマーもしくは改変特異的プローブを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号12、配列番号13、もしくは配列番号14を含むcDNA分子を含むか、またはそれからなる。
【0131】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、標識を含む改変特異的プローブまたは改変特異的プライマーを含む。いくつかの実施形態では、当該標識は、蛍光標識、放射標識、またはビオチンである。いくつかの実施形態では、分子複合体は、非ヒトポリメラーゼを更に含む。
【0132】
本開示はまた、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸分子であって、当該ポリペプチドが、配列番号18に記載の334位、もしくはその相補体、配列番号19に記載の364位、もしくはその相補体、または配列番号20に記載の310位、もしくはその相補体に対応する位置にシステインを含む単離核酸分子も提供する。
【0133】
いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、以下の配列に対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するSREBF1ポリペプチドをコードする:配列番号18(当該アミノ酸配列が、配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含む)、配列番号19(当該アミノ酸配列が、配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含む)、または配列番号20(当該アミノ酸配列が、配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含む)。
【0134】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号18、配列番号19または配列番号20を含むSREBF1ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号18、配列番号19、または配列番号20からなるSREBF1ポリペプチドをコードする。
【0135】
SREBF1参照ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列は、配列番号1に記載されている。配列番号1を参照すると、SREBF1参照ゲノム核酸分子の17,922位は、シトシンである。SREBF1のバリアントゲノム核酸分子が存在し、17,922位のシトシンがチミンで置き換えられる。このSREBF1の予測される機能喪失バリアントゲノム核酸分子のヌクレオチド配列は、配列番号2に記載されている。
【0136】
本開示は、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる単離されたゲノム核酸分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン(C17,922T)、もしくはその相補体を含む、単離されたゲノム核酸分子を提供する。いくつかの実施形態では、単離されたゲノム核酸分子は、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、当該ヌクレオチド配列は、配列番号2に記載の17,922~17,924位に対応する位置にTGCコドンを含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、単離されたゲノム核酸分子は、配列番号2に対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなり、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体を含む。本明細書において、配列同一性パーセントについて言及する場合、高い配列同一性パーセントの方が、低いパーセントよりも好ましい。
【0138】
いくつかの実施形態では、単離されたゲノム核酸分子は、配列番号2に対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなり、配列番号2に記載の17,922~17,924位に対応する位置にTGCコドン、もしくはその相補体を含む。本明細書において、配列同一性パーセントについて言及する場合、高い配列同一性パーセントの方が、低いパーセントよりも好ましい。
【0139】
いくつかの実施形態では、単離されたゲノム核酸分子は、配列番号2を含む。いくつかの実施形態では、単離されたゲノム核酸分子は、配列番号2からなる。
いくつかの実施形態では、単離されたゲノム核酸分子は、ゲノムDNA配列全体よりも少ないものを含む。いくつかの実施形態では、単離されたゲノム核酸分子は、配列番号2の少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約2000、少なくとも約3000、少なくとも約4000、少なくとも約5000、少なくとも約6000、少なくとも約7000、少なくとも約8000、少なくとも約9000、少なくとも約10000、少なくとも約11000、少なくとも約12000、少なくとも約13000、少なくとも約14000、少なくとも約15000、少なくとも約16000、少なくとも約17000、もしくは少なくとも約18000の連続するヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、単離されたゲノム核酸分子は、配列番号2の少なくとも約1000~少なくとも約2000の連続するヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、これらの単離されたゲノム核酸分子は、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む。
【0140】
3つのSREBF1参照mRNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号3、配列番号4、及び配列番号5に記載されている。配列番号3を参照すると、SREBF1参照mRNA分子の1,185位は、シトシンである。配列番号4を参照すると、SREBF1参照mRNA分子の1,260位は、シトシンである。配列番号5を参照すると、SREBF1参照mRNA分子の1,056位は、シトシンである。SREBF1の3つのバリアントmRNA分子が存在し、シトシンはチミンで置き換えられる。配列番号6を参照すると、バリアントSREBF1 mRNA分子の1,185位は、チミンである。配列番号7を参照すると、バリアントSREBF1 mRNA分子の1,260位は、チミンである。配列番号8を参照すると、バリアントSREBF1 mRNA分子の1,056位は、チミンである。
【0141】
本開示は、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる単離mRNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体、または配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体を含む、単離mRNA分子を提供する。
【0142】
いくつかの実施形態では、単離されたmRNA分子は、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなり、当該ヌクレオチド配列は、配列番号6に記載の1,185~1,187位に対応する位置にUGCコドン、配列番号7に記載の1,260~1,262位に対応する位置にUGCコドン、または配列番号8に記載の1,056~1,058位に対応する位置にUGCコドンを含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、単離されたmRNA分子は、以下の配列に対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有するか、またはそれからなる:配列番号6(当該ヌクレオチド配列は、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体を含む)、配列番号7(当該ヌクレオチド配列が、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体を含む)、または配列番号8(当該ヌクレオチド配列が、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシル、もしくはその相補体を含む)。本明細書において、配列同一性パーセントについて言及する場合、高い配列同一性パーセントの方が、低いパーセントよりも好ましい。
【0144】
いくつかの実施形態では、単離されたmRNA分子は、以下の配列に対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有するか、またはそれからなる:配列番号6(当該ヌクレオチド配列は、配列番号6に記載の1,185~1,187位に対応する位置にUGCコドン、もしくはその相補体を含む)、配列番号7(当該ヌクレオチド配列が、配列番号7に記載の1,260~1,262位に対応する位置にUGCコドン、もしくはその相補体を含む)、または配列番号8(当該ヌクレオチド配列が、配列番号8に記載の1,056~1,058位に対応する位置にUGCコドン、もしくはその相補体を含む)。本明細書において、配列同一性パーセントについて言及する場合、高い配列同一性パーセントの方が、低いパーセントよりも好ましい。
【0145】
いくつかの実施形態では、単離されたmRNA分子は、配列番号6、配列番号7、または配列番号8を含む。いくつかの実施形態では、単離されたmRNA分子は、配列番号6、配列番号7、または配列番号8からなる。いくつかの実施形態では、単離されたmRNA分子は、配列番号6からなる。
【0146】
3つのSREBF1参照cDNA分子のヌクレオチド配列は、配列番号9、配列番号10、及び配列番号11に記載されている。配列番号9を参照すると、SREBF1参照cDNA分子の1,185位は、シトシンである。配列番号10を参照すると、SREBF1参照cDNA分子の1,260位は、シトシンである。配列番号11を参照すると、SREBF1参照cDNA分子の1,056位は、シトシンである。SREBF1の3つのバリアントcDNA分子が存在し、シトシンはチミンで置き換えられる。配列番号12を参照すると、バリアントSREBF1 cDNA分子の1,185位は、チミンである。配列番号13を参照すると、バリアントSREBF1 cDNA分子の1,260位は、チミンである。配列番号14を参照すると、バリアントSREBF1 cDNA分子の1,056位は、チミンである。
【0147】
本開示は、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる単離cDNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体を含む、単離cDNA分子を提供する。
【0148】
いくつかの実施形態では、単離されたcDNA分子は、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなり、当該ヌクレオチド配列は、配列番号12に記載の1,185~1,187位に対応する位置にTGCコドン、配列番号13に記載の1,260~1,262位に対応する位置にTGCコドン、または配列番号14に記載の1,056~1,058位に対応する位置にTGCコドンを含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、単離されたcDNA分子は、以下の配列に対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有するか、またはそれからなる:配列番号12(当該ヌクレオチド配列は、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体を含む)、配列番号13(当該ヌクレオチド配列が、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体を含む)、または配列番号14(当該ヌクレオチド配列が、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミン、もしくはその相補体を含む)。本明細書において、配列同一性パーセントについて言及する場合、高い配列同一性パーセントの方が、低いパーセントよりも好ましい。
【0150】
いくつかの実施形態では、単離されたcDNA分子は、以下の配列に対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有するか、またはそれからなる:配列番号12(当該ヌクレオチド配列は、配列番号12に記載の1,185~1,187位に対応する位置にTGCコドン、もしくはその相補体を含む)、配列番号13(当該ヌクレオチド配列が、配列番号13に記載の1,260~1,262位に対応する位置にTGCコドン、もしくはその相補体を含む)、または配列番号14(当該ヌクレオチド配列が、配列番号14に記載の1,056~1,058位に対応する位置にTGCコドン、もしくはその相補体を含む)。本明細書において、配列同一性パーセントについて言及する場合、高い配列同一性パーセントの方が、低いパーセントよりも好ましい。
【0151】
いくつかの実施形態では、単離されたcDNA分子は、配列番号12、配列番号13、または配列番号14を含む。いくつかの実施形態では、単離されたcDNA分子は、配列番号12、配列番号13、または配列番号14からなる。
【0152】
いくつかの実施形態では、単離されたmRNA分子またはcDNA分子は、mRNAまたはcDNA配列全体よりも少ないものを含む。いくつかの実施形態では、単離されたcDNA分子は、配列番号6、配列番号7もしくは配列番号8(mRNAの場合)、または配列番号12、配列番号13もしくは配列番号14(cDNAの場合)の少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約12、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約1100、少なくとも約1200、少なくとも約1300、少なくとも約1400、少なくとも約1500、少なくとも約1600、少なくとも約1700、少なくとも約1800、少なくとも約1900、少なくとも約2000、少なくとも約2100、少なくとも約2200、少なくとも約2300、少なくとも約2400、少なくとも約2500、少なくとも約2600、少なくとも約2700、少なくとも約2800、少なくとも約2900、少なくとも約3000、少なくとも約3100、少なくとも約3200、もしくは少なくとも約3300の連続するヌクレオチドを含むか、またはそれらからなる。
【0153】
ゲノム核酸分子、mRNA分子、及びcDNA分子は、任意の生物由来であり得る。例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及びcDNA分子は、ヒトであり得るか、または非ヒト哺乳動物、げっ歯類、マウス、もしくはラット等の別の生物由来のオルソログであり得る。集団内のゲノム核酸分子、mRNA分子、及びcDNA配列は、一塩基多型等の多型により変化し得ることが理解される。本明細書に提供される実施例は、例示的な配列に過ぎない。他の配列も可能である。
【0154】
開示した核酸分子と相互作用し得る機能性ポリヌクレオチドも本明細書において提供される。機能性ポリヌクレオチドは、標的分子の結合または特定の反応の触媒等の特定の機能を有する核酸分子である。機能性ポリヌクレオチドの例としては、アンチセンス分子、アプタマー、リボザイム、三重鎖形成性分子、及び外部ガイド配列が挙げられるが、これらに限定されない。機能性ポリヌクレオチドは、標的分子によって保有される特定の活性のエフェクター、阻害剤、調節剤、及び刺激剤として作用することができるか、または機能性ポリヌクレオチドは、いずれの他の分子からも独立して新規の活性を保有することができる。
【0155】
本明細書に開示される単離核酸分子は、RNA、DNA、またはRNA及びDNAの両方を含むことができる。単離核酸分子はまた、異種標識に連結または融合され得る。かかる標識としては、例えば、化学発光剤、金属、タグ、酵素、放射性標識、顔料、染料、発色原、スピン標識、及び蛍光標識が挙げられる。標識には、例えば、粒子、蛍光体、ハプテン、酵素、及びそれらの熱量測定、蛍光生成及び化学発光基質、ならびに他の標識も含まれる。
【0156】
開示する核酸分子は、例えば、ヌクレオチドまたは非天然または修飾ヌクレオチド、例えば、ヌクレオチド類似体またはヌクレオチド置換体を含むことができる。かかるヌクレオチドには、修飾塩基、修飾糖、もしくは修飾リン酸基を含有するか、またはその構造に非天然部分を組み込むヌクレオチドが含まれる。
【0157】
本開示はまた、本明細書に開示される核酸分子のうちのいずれか1つ以上を含むベクターも提供する。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書に開示される核酸分子のうちのいずれか1つ以上及び異種核酸を含む。ベクターは、核酸分子を輸送することができるウイルスベクターまたは非ウイルスベクターであり得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドまたはコスミドである。
【0158】
核酸分子内のヌクレオチド配列またはポリペプチド内のアミノ酸配列の特定の伸長間の同一性パーセント(もしくは相補性パーセント)は、BLASTプログラム(基本的ローカルアラインメント検索ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403-410、Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649-656)を使用して、またはSmith-Watermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482-489)を使用する、デフォルト設定を使用したGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)を使用することによって、慣例的に求めることができる。本明細書において、配列同一性パーセントについて言及する場合、高い配列同一性パーセントの方が、低いパーセントよりも好ましい。
【0159】
本開示はまた、本明細書に開示される単離核酸分子、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/またはcDNA分子のうちのいずれか1つ以上を含む組成物も提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、医薬組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、担体及び/または賦形剤を含む。
【0160】
3つのSREBF1参照ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号15、配列番号16、及び配列番号17に記載されている。配列番号15を参照すると、SREBF1参照ポリペプチドの334位は、アルギニンである。配列番号16を参照すると、SREBF1参照ポリペプチドの364位は、アルギニンである。配列番号17を参照すると、SREBF1参照ポリペプチドの310位は、アルギニンである。3つのバリアントSREBF1ポリペプチドが存在し、アルギニンはシステインで置き換えられる。配列番号18を参照すると、バリアントSREBF1ポリペプチドの334位は、システインである。配列番号19を参照すると、バリアントSREBF1ポリペプチドの364位は、システインである。配列番号20を参照すると、バリアントSREBF1ポリペプチドの310位は、システインである。
【0161】
本開示はまた、以下の配列に対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一のアミノ酸配列を有する、単離されたヒトSREBF1ポリペプチドを提供する:配列番号18(当該ポリペプチドが、配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含む)、配列番号19(当該ポリペプチドが、配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含む)、または配列番号20(当該ポリペプチドが、配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含む)。本明細書において、配列同一性パーセントについて言及する場合、高い配列同一性パーセントの方が、低いパーセントよりも好ましい。
【0162】
いくつかの実施形態では、単離されたヒトSREBF1ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号18、配列番号19または配列番号20を含む。いくつかの実施形態では、単離されたヒトSREBF1ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号18、配列番号19、または配列番号20からなる。
【0163】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、配列番号18、配列番号19、または配列番号20の少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500、少なくとも約550、少なくとも約600、少なくとも約650、少なくとも約700、少なくとも約750、少なくとも約800、少なくとも約850、少なくとも約900、少なくとも約950、少なくとも約1000、少なくとも約1050、または少なくとも約1100の連続したアミノ酸に対して少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含むか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドはまた、配列番号18の334位に対応する位置にシステイン、配列番号19の364位に対応する位置にシステイン、または配列番号20の310位に対応する位置にシステインを含む。
【0164】
本明細書に開示される単離ポリペプチドは、天然に存在するSREBF1ポリペプチドのアミノ酸配列を含むことができるか、または非天然に存在する配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、天然に存在する配列は、保存的アミノ酸置換に起因して、非天然に存在する配列と異なり得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、単離ポリペプチドは、非天然または修飾アミノ酸またはペプチド類似体を含む。例えば、天然に存在するアミノ酸とは異なる機能的置換基を有する多数のD-アミノ酸またはアミノ酸が存在する。
【0166】
SREBF1参照ポリペプチドは、例えば、アンタゴニストとして作用する化合物をスクリーニングするために使用され得、これを使用して、SREBF1参照であるか、またはSREBF1の予測される機能喪失核酸分子に対してヘテロ接合性である対象を治療することができる。バリアントSREBF1ポリペプチド(本明細書に記載されるSREBF1の予測される機能喪失ポリペプチド)を使用して、例えば、アゴニストとして作用する化合物をスクリーニングすることができ、これを使用して、SREBF1参照であるか、またはSREBF1の予測される機能喪失核酸分子に対してヘテロ接合性である対象を治療することができる。
【0167】
本開示はまた、本明細書に開示されるポリペプチドのうちのいずれかをコードする核酸分子を提供する。これには、特定のポリペプチド配列に関連するすべての縮重配列が含まれる。したがって、各特定の核酸配列は本明細書に書かれていない場合があるが、各及びすべての配列は、実際には、開示されたポリペプチド配列を通じて本明細書に開示され、記載される。
【0168】
本開示はまた、本明細書に開示される核酸分子のうちの任意の1つ以上の及び/またはポリペプチドのうちの任意の1つ以上を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、担体を含む。
【0169】
本開示は、本明細書に開示されるSREBF1ポリペプチドまたはその断片のうちのいずれかを産生する方法も提供する。かかるSREBF1ポリペプチドまたはその断片は、任意の好適な方法によって産生され得る。
【0170】
本開示はまた、本明細書に開示される核酸分子のうちの任意の1つ以上の及び/またはポリペプチドのうちの任意の1つ以上を含む細胞を提供する。細胞は、インビトロ、エクスビボ、またはインビボであり得る。核酸分子は、プロモーター及び他の調節配列に連結されてもよく、そのため、コードされたタンパク質を産生するように発現される。
【0171】
添付の配列表に列挙されているヌクレオチド及びアミノ酸配列は、ヌクレオチド塩基の標準的な文字の略語、及びアミノ酸の3文字のコードを使用して示されている。ヌクレオチド配列は、配列の5’末端で開始し、3’末端まで前進する(すなわち、各行において左から右へ)という標準的な慣習に従う。各ヌクレオチド配列の1つの鎖のみが示されるが、相補鎖は、表示される鎖を任意に参照することによって含まれると理解される。アミノ酸配列は、配列のアミノ末端で開始し、カルボキシ末端まで前進する(すなわち、各行で左から右へ)という標準的な慣習に従う。
【0172】
本明細書で使用される場合、「に対応する」という語句またはその文法的変形は、特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列または位置の番号付けの文脈で使用される場合、特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列が参照配列と比較される場合の、特定の参照配列の番号付けを指す。言い換えると、特定のポリマーの残基(例えば、ヌクレオチドもしくはアミノ酸等)数または残基(例えば、ヌクレオチドもしくはアミノ酸等)位置は、特定のヌクレオチドもしくはヌクレオチド配列内の残基の実際の数値位置ではなく、参照配列に関して指定される。例えば、特定のヌクレオチド配列は、2つの配列間の残基の一致を最適化するためにギャップを導入することによって参照配列に整列させることができる。これらの場合、ギャップは存在するが、特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列における残基の番号付けは、それがアラインメントされた参照配列に対して行われる。
【0173】
例えば、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む核酸配列は、SREBF1ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列が配列番号2の配列にアラインメントされている場合、SREBF1の配列が配列番号2の17,922位に対応する位置にチミン残基を有することを意味する。同じことが、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むmRNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシル、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシル、または配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子と、ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むcDNA分子であって、当該ヌクレオチド配列が、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミン、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミン、または配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む、cRNA分子にも当てはまる。言い換えれば、これらの語句は、SREBF1ポリペプチドをコードする核酸分子を指し、当該ゲノム核酸分子は、配列番号2の17,922位のチミン残基に相同であるチミン残基を含むヌクレオチド配列を有する(またはmRNA分子は、配列番号6の1,185位のウラシル残基に相同であるか、配列番号7の1,260位に対応する位置のウラシル残基に相同であるか、もしくは配列番号8の1,056位に対応する位置のウラシル残基に相同であるウラシル残基を含むヌクレオチド配列を有するか、またはcDNA分子は、配列番号12の1,185位のチミン残基に相同であるか、配列番号13の1,260位のチミン残基に相同であるか、もしくは配列番号14の1,056位のチミン残基に相同であるチミン残基を含むヌクレオチド配列を有する)。本明細書では、かかる配列は、ゲノム核酸分子を指す「C17,922T改変を有するSREBF1配列」もしくは「C17,922Tバリエーションを有するSREBF1配列」(または「C1,185U改変を有するSREBF1配列」もしくは「C1,185Uバリエーションを有するSREBF1配列」、または「C1,260U改変を有するSREBF1配列」もしくは「C1,260Uバリエーションを有するSREBF1配列」、または「C1,056U改変を有するSREBF1配列」もしくは「C1,056Uバリエーションを有するSREBF1配列」、及び「C1,185T改変を有するSREBF1配列」もしくは「C1,185Tバリエーションを有するSREBF1配列」、または「C1,260T改変を有するSREBF1配列」もしくは「C1,260Tバリエーションを有するSREBF1配列」、または「C1,056T改変を有するSREBF1配列」もしくは「C1,056Tバリエーションを有するSREBF1配列」)とも称される。
【0174】
本明細書に記載されるように、配列番号2に記載の17,922位に対応するSREBF1ゲノム核酸分子内の位置は、特定のSREBF1核酸分子のヌクレオチド配列と配列番号2のヌクレオチド配列との間で配列アラインメントを実行することによって特定することができる。配列アラインメントを実行して、例えば、配列番号2の17,922位に対応するヌクレオチド位置を特定するために使用され得る様々な計算アルゴリズムが存在する。例えば、NCBI BLASTアルゴリズム((Altschul et al.,Nucleic Acids Res.,1997,25,3389-3402)またはCLUSTALWソフトウェア(Sievers and Higgins,Methods Mol.Biol.,2014,1079,105-116)配列アラインメントを実行してもよい。しかしながら、配列は手動でアラインメントさせることもできる。
【0175】
本開示はまた、ヒト対象における上昇した脂質レベルの治療に使用するための(または上昇した脂質レベルを治療するための医薬品の調製に使用するための)上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤であって、ヒト対象が、i)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む、ゲノム核酸分子、もしくはその相補体、ii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、iii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、iv)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、v)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNAであって、ヌクレオチド配列が、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む、cDNA、もしくはその相補体、vi)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、vii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、viii)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、ix)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、及び/またはx)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチドを有する、治療剤を提供する。上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤は、本明細書に記載される上昇した脂質レベルを治療もしくは阻害する治療剤のうちのいずれかであり得る。
【0176】
本開示はまた、ヒト対象における上昇した脂質レベルの治療に使用するための(または上昇した脂質レベルを治療するための医薬品の調製に使用するための)SREBF1阻害剤であって、ヒト対象が、i)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の17,922位に対応する位置にチミンを含む、ゲノム核酸分子、もしくはその相補体、ii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号6に記載の1,185位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、iii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号7に記載の1,260位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、iv)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号8に記載の1,056位に対応する位置にウラシルを含む、mRNA分子、もしくはその相補体、v)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNAであって、ヌクレオチド配列が、配列番号12に記載の1,185位に対応する位置にチミンを含む、cDNA、もしくはその相補体、vi)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号13に記載の1,260位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、vii)ヒトSREBF1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、ヌクレオチド配列が、配列番号14に記載の1,056位に対応する位置にチミンを含む、cDNA分子、もしくはその相補体、viii)配列番号18に記載の334位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、ix)配列番号19に記載の364位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチド、及び/またはx)配列番号20に記載の310位に対応する位置にシステインを含むSREBF1ポリペプチドを有する、SREBF1阻害剤を提供する。SREBF1阻害剤は、本明細書に記載されるSREBF1阻害剤のうちのいずれかであり得る。
【0177】
上記または下記で引用されるすべての特許文献、ウェブサイト、他の刊行物、受託番号等は、参照により組み込まれるように、各個々の項目が具体的かつ個別に示されるのと同様の範囲で、すべての目的のために、参照によりその全体が組み込まれる。異なるバージョンの配列が、異なるときの受託番号に関連付けられている場合、本出願の有効な出願日の受託番号に関連付けられたバージョンが意味される。有効な出願日とは、該当する場合、受託番号を参照する優先出願の実際の出願日または出願日のいずれか早い日を意味する。同様に、刊行物、ウェブサイトなどの異なるバージョンが異なるときに公開されている場合、特に指示がない限り、出願の有効な出願日に公開されたごく最近のバージョンを意味する。本開示の任意の特徴、ステップ、要素、実施形態、または態様は、別途具体的に示されない限り、任意の他の特徴、ステップ、要素、実施形態、または態様と組み合わせて使用することができる。明確さ及び理解のために、本開示は例証及び例としてある程度詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることは明らかであろう。
【0178】
以下の実施例は、実施形態をより詳細に説明するために提供される。これらは、特許請求される実施形態を例示することを意図するものであり、限定するものではない。以下の実施例は、本明細書に記載される化合物、組成物、物品、デバイス、及び/または方法がどのように作製され、評価されるかについての開示及び記載を当業者に提供し、純粋に例示的であることが意図され、任意の特許請求の範囲を限定することを意図されていない。数字(例えば、量、温度等)に対する正確性を確保する努力は行ったが、ある程度の誤差及び偏差がある場合がある。別様に示されない限り、部は重量部であり、温度は℃であるか、または周囲温度であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
【実施例】
【0179】
実施例1:SREBF1(SREBP)におけるミスセンスバリアントは、Old Order AmishにおけるLDL-C及び総コレステロールの減少と有意に関連している
Old Order Amishコホートから得たpLoF多型及びミスセンスバリアントを分析した。結果(表1及び
図1を参照)によれば、SREBF1バリアントは、LDL-C及び総コレステロールの減少と有意に関連している。このバリアントは、Old Order Amishに0.032の対立遺伝子頻度で存在し、gnomADと比較して約2900倍ドリフトしている。
【0180】
【0181】
実施例2:SREBF1バリアントはLDLRプロモーター活性を調節する
PLDLR-lucレポーター(G10855)を含有するプラスミドの一過性トランスフェクションを、核形態または全長形態のSREBF1 WTまたはMut SREBF1(R334C)バリアントをそれぞれ0.4μg、及び対照pSMPUWプラスミドを用いて、HEK293細胞中、一定及び滴定投薬量で実施した。48時間後に、ルシフェラーゼアッセイ及び抗flagウェスタンブロットタンパク質分析のために細胞を回収した。ルシフェラーゼ活性は、LDLRプロモーター活性の代理物として測定し、抗flag抗体を用いてウェスタンブロット(
図2)を実行して、flagタグ付きSREBPタンパク質発現を測定し、タンパク質バンドは、ImageLabソフトウェアを使用して定量化した(
図3)。
【0182】
結果は、SREBF1(R334C)の完全長ならびに切断核及び完全長バリアントが、ルシフェラーゼ及びImageLabの結果(
図4)によって示されるように、LDLRプロモーターレポーターに対して野生型よりもLDLRプロモータートランス活性化レポーター活性が低いことを示しており、SREBPバリアントがLDLR及び他の標的遺伝子に対する調節活性が低くてもよいことを示している。R334Cバリエーションは、標的遺伝子のプロモーターDNAに結合するSREBPのHLHドメインにある。
【0183】
本明細書に記載されるものに加えて、記載される主題の様々な修正が、当業者には前述の説明から明らかであろう。そのような修正はまた、添付の特許請求の範囲内であることが意図される。本出願で引用される各参照(雑誌論文、米国及び非米国特許、特許出願公開、国際特許出願公開、遺伝子バンク受託番号等を含むが、これらに限定されない)は、その全体が、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【配列表】