(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】バックオフ防止再シール可能な接着剤
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20241021BHJP
B65D 53/06 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
B65D77/20 J
B65D53/06
(21)【出願番号】P 2021557913
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 US2020024966
(87)【国際公開番号】W WO2020205433
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-24
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】フー、 ウィンストン
(72)【発明者】
【氏名】クリーグル、 アレクシス
(72)【発明者】
【氏名】ウォルパート、 クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ブル、 ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】エミンジャー、 メーガン
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-315739(JP,A)
【文献】特表2010-514637(JP,A)
【文献】特開2017-110100(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0082371(US,A1)
【文献】特開平10-047327(JP,A)
【文献】特表2018-505271(JP,A)
【文献】特開平01-141980(JP,A)
【文献】特開平04-351310(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0297828(US,A1)
【文献】特開平04-114872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20
B65D 53/06-53/08
F16B 39/02
C09K 3/12
C09J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のねじ山部材および第1のねじ山部材と嵌合して係合する第2のねじ山部材を含む製品であって、
第1のねじ山部材のねじ山は、水性接着剤を含む再シール可能な接着剤で少なくとも部分的にコーティングされ、
第1のねじ山部材と第2のねじ山部材との間に再シール可能な接着剤がコーティングされ、
水性接着剤が、エチレン酢酸ビニルベースの接着剤またはポリアクリルベースの接着剤であり、
第1または第2のねじ山部材が、独立して、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレンテレフタレートで作られ、
コーティングは、0.0031g/cm
2
(0.02g/インチ
2
)~0.078g/cm
2
(0.5g/インチ
2
)の範囲であり、
再シール可能な接着剤は、ASTM D2063に従って測定された、0.45~2.26N・m(4~20インチポンド)の除去トルクおよび
ASTM D2063に従って測定された、0.23~1.69N・m(2~15インチポンド)の再シール可能トルクを有する製品。
【請求項2】
第1のねじ山部材が、キャップ、蓋、またはクロージャーである、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
第1のねじ山部材が、容器ネックまたはボトルネックである、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
円周または周囲寸法および高さ寸法の領域を有する第1の非ねじ山クロージャー部材および第1の非ねじ山部材の領域と嵌合して係合する第2の非ねじ山部材を含む製品であって、クロージャー部材の領域は、水性接着剤を含む再シール可能接着剤で少なくとも部分的にコーティングされ、
第1の非ねじ山部材と第2の非ねじ山部材との間に再シール可能な接着剤がコーティングされ、
水性接着剤が、エチレン酢酸ビニルベースの接着剤またはポリアクリルベースの接着剤であり、
第1または第2の非ねじ山部材が、独立して、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレンテレフタレートで作られ、
コーティングは、0.0031g/cm
2
(0.02g/インチ
2
)~0.078g/cm
2
(0.5g/インチ
2
)の範囲であり、
再シール可能な接着剤は、ASTM D2063に従って測定された、0.45~2.26N・m(4~20インチポンド)の除去トルクおよび
ASTM D2063に従って測定された、0.23~1.69N・m(2~15インチポンド)の再シール可能トルクを有する製品。
【請求項5】
第1の非ねじ山部材が、キャップ、蓋、またはクロージャーである、請求項
4に記載の製品。
【請求項6】
第1の非ねじ山部材が、容器ネックまたはボトルネックである、請求項
4に記載の製品。
【請求項7】
(a)第1の部材を提供し
(b)第1の部材と嵌合して係合することができる第2の部材を提供し、
第1および第2の部材のうちの少なくとも1つは、再シール可能なコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされ、
(c)第1および第2の部材を嵌合して係合すると、再シール可能なコーティング組成物は、第1の部材と第2の部材との間の嵌合して係合するスペースを実質的に満たすことを含む部材をシールする方法であって、
ここで、再シール可能な接着剤は、エチレン酢酸ビニルベースの水性接着剤またはポリアクリルベースの水性接着剤であり、
第1または第2の部材が、独立して、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレンテレフタレートで作られ、
コーティングは、0.0031g/cm
2
(0.02g/インチ
2
)~0.078g/cm
2
(0.5g/インチ
2
)の範囲であり、
ASTM D2063に従って測定された、0.45~2.26N・m(4~20インチポンド)の除去トルクおよび
ASTM D2063に従って測定された、0.23~1.69N・m(2~15インチポンド)の再シール可能トルクを有する方法。
【請求項8】
第1および第2の部材の少なくとも1つが、キャップ、蓋、またはクロージャーである、請求項
7に記載の部材をシールする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手の力で取り外し可能なシーリング容器クロージャーのガスケットおよびライナーに替わる接着剤組成物に関する。本発明の接着剤組成物は、容器クロージャーのためのバックオフトルクを防止するのに特に有用であり、容器内容物の保管および輸送中の漏れおよびこぼれを防止する。
【背景技術】
【0002】
スレッドロック接着剤は、通常、バックオフトルクを防止し、係合可能な構造ファスナーを接着して最終状態にインターロックするために使用される。このようなスレッドロック接着剤は、強力な接着性を有し、手の力によって取り外すことはできない。低力のスレッドロック接着剤も利用できますが、接着が解除されると、接着剤は凝集力を失い、インターロックしなくなる。
【0003】
電子商取引の台頭に伴い、消費者向けの液体およびゲル商品の配送が増加している。液体および/またはゲル製品を収容する容器およびパッケージは、漏れがなく、商品の安全な配送を提供する必要がある。
【0004】
容器は、保管および輸送中に内容物が失われるのを防ぐためにシールされている。内容物をシールするために、適用トルクが容器のクロージャーに適用される。しかし、時間と取り扱いによってある程度のトルクが失われ、この現象はバックオフとして知られている。このバックオフトルクを補うために、より高い初期適用トルクが適用される場合がある。これにより、容器の損傷、機器の摩耗をもたらし、または消費者が単なる手の力で容器を開けることができなくなる可能性がある。追加のガスケット、誘導シールライナー、内部シール、バルブシール、またはライナーは、漏れを防ぐために容器に適用されることがよくある。または、第2のプラスチックライナーまたはフォームバッグライナーが容器に追加され、商品のコスト、複雑さ、および二酸化炭素排出量が増加する。さらに、これらの追加のシールは、パッケージングプロセスにさらに多くのステップを追加し、生産ラインへのいくつかの再工具(および生産ラインへの輸送および生産ラインからの輸送)が必要であり、二酸化炭素排出量がさらに増加する。
【0005】
輸送中および容器を開封した後でも、容器とパッケージのシールを維持しながら、二酸化炭素排出量、コスト、および複雑さを最小限に抑える、より持続可能なソリューションに対する継続的なニーズがある。本発明は、当技術分野におけるこの必要性に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、容器およびパッケージ内のテープ、ガスケット、ライナーまたは誘導シールのまたはそれらに加えての代替を提供する。
【0007】
本発明の一態様は、第1のねじ山部材を含み、ねじ山部材のねじ山は、再シール可能な接着剤で部分的にコーティングされている製品に関する。再シール可能な接着剤は、水性接着剤である。
【0008】
本発明の別の態様は、上記の第1のねじ山部材と、さらに第1のねじ山部材と嵌合して係合する第2のねじ山部材とを含み、その結果、再シール可能な接着剤が第1および第2のねじ山部材の間にコーティングされている製品を提供する。再シール可能な接着剤は、(1)ASTM D2063に従って測定された、約4~約20インチポンドの除去トルクおよび(2)ASTM D2063に従って測定された、約2~約15インチポンドの再シール可能トルクを有することを特徴とする水性接着剤である。
【0009】
別の態様では、本発明は、円周または周囲寸法および高さ寸法を有する非ねじ山クロージャー部材を含む製品を提供する。クロージャー部材は、水性接着剤を含む再シール可能な接着剤で少なくとも部分的にコーティングされている。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、上記の非ねじ山クロージャー部材と、第1の非ねじ山部材と嵌合して係合する第2の非ねじ山部材とを含み、その結果、再シール可能な接着剤が、第1と第2の非ねじ山部材との間にコーティングされる製品を提供する。再シール可能な接着剤は、(1)ASTM D2063に従って測定された、約4~約20インチポンドの除去トルクおよび(2)ASTM D2063に従って測定された、約2~約15インチポンドの再シール可能トルクを有することを特徴とする水性接着剤である。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、
(a)第1のねじ山部材を提供し、
(b)第1のねじ山部材と嵌合して係合することができる第2のねじ山部材を提供し、
第1および第2のねじ山部材の少なくとも1つは、再シール可能なコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされ、
(c)第1および第2のねじ山部材を嵌合して係合することを含むねじ山部材をシールする方法を提供する。
【0012】
再シール可能なコーティング組成物は、第1のねじ山部材と第2のねじ山部材との間の嵌合して係合するスペースを実質的に満たす。再シール可能なコーティング組成物は、(1)ASTM D2063に従って測定された、約4~約20インチポンドの除去トルクおよび(2)ASTM D2063に従って測定された、約2~約15インチポンドの再シール可能トルクを有することを特徴とする水性接着剤である。
【0013】
本発明の別の態様は、
(a)円周または周囲寸法および高さ寸法を有する第1の非ねじ山部材を提供し、
(b)第1の非ねじ山部材と嵌合して係合することができる第2の非ねじ山部材を提供し、
第1および第2の非ねじ山部材の少なくとも1つは、再シール可能なコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされ、
(c)第1および第2の非ねじ山部材を嵌合して係合させることを含む非ねじ山部材をシールする方法を提供する。
【0014】
再シール可能なコーティング組成物は、第1の非ねじ山部材と第2の非ねじ山部材との間の嵌合して係合するスペースを実質的に満たす。再シール可能なコーティング組成物は、(1)ASTM D2063に従って測定された、約4~約20インチポンドの除去トルクおよび(2)ASTM D2063に従って測定された、約2~約15インチポンドの再シール可能トルクを有することを特徴とする水性接着剤である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、ねじ山付きキャップと再シール可能な接着剤が施されたねじ山付きネックの図である。
【
図2】
図2は、非ねじ山キャップと再シール可能な接着剤が施された非ねじ山ネックの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<発明の詳細な説明>
本発明は、開口部をシールし、容器の内容物の損失を防ぐように設計された追加の装置なしで、再シール可能な接着剤が施されたクロージャーを提供する。再シール可能な接着剤が施されたクロージャーには、ガスケット、誘導シールライナー、内部シール、バルブシール、またはライナーが含まれず、これらは通常、金属、プラスチック、フォーム、紙、および/またはホイルで作られている。再シール可能な接着剤が施されたクロージャーは、ねじ山クロージャーと非ねじ山クロージャーの両方に役立つ。
【0017】
「適用トルク」という用語は、クロージャーを容器にねじ込むのに必要な、インチポンドで測定されるトルク力である。
【0018】
「バックオフ」という用語は、クロージャーの適用後の前方推力の緩和またはトルクの損失を意味する。これは、トップローディング、クロージャーライナーの圧縮性と弾力性、適用トルクの一貫性、クロージャーとボトルの機械的相互作用の影響を受ける可能性がある。
【0019】
「除去トルク」という用語は、特定の適用トルクで閉じた後、初めて容器からクロージャーを緩めたり、開いたり、ねじを緩めたり、取り外したりするのに必要な力の量である。
【0020】
「再適用トルク」という用語は、容器を閉じるために再適用されるトルクの量である。
【0021】
「再シール可能トルク」という用語は、クロージャーに再適用トルクが再び加えられた後、クロージャーを再び緩め、再び開き、再びねじを緩め、または取り外すのに必要な力の量であり、その後の開放トルクを測定する。
【0022】
言い換え可能に用いられる「容器」および「パッケージ」という用語は、内容物を保持する媒体であり、液体、ゲル、および固体を含む。
【0023】
本発明は、嵌合可能に係合可能なねじ山およびその相補的なねじ山部材を接着剤で固定することに関し、クロージャー部材は、接着剤で接着され、ASTM D2063に従って測定された、約4~約20インチポンドの除去トルクを維持する。さらに、再シール可能な接着剤は、再シール可能性を提供し、ASTMD2063に従って測定された約2~約15インチポンドの後続の開口部のトルクを維持する。
【0024】
本発明はまた、上記と同じ除去トルクおよび再シール可能性の値を有する、嵌合可能に係合可能な非ねじ山およびその相補的な非ねじ山部材を接着剤で固定することに関する。
【0025】
再シール可能な接着剤を追加すると、部材に適用トルクが加えられると、部材がロックおよびシールされる。そのような再シール可能な接着剤は、容器の係合したねじ山および非ねじ山部材を破壊または回転させるのに必要なトルクを大幅に増加させ、追加のライナーなしで容器に漏れおよびこぼれ防止を提供する。約4~約20インチポンドの一般的なトルク値により、結合された部材を手で取り外すことができる。約20インチポンドを超える値では、部材を分離するための追加のツールが必要になる。約2インチポンド未満の値は、シールを破り、内容物が漏れる原因となる可能性がある。
【0026】
本発明の再シール可能な接着剤は、大きなギャップ充填能力を有し、乱雑ではなく、滴下せず、容器表面に適用され、使用前に保管され得る。
【0027】
再シール可能な接着剤は、水性接着剤である。典型的には、水性接着剤は、水性ポリマーまたはエマルジョンポリマーを含む。エマルジョンポリマーは、接着剤組成物中に任意の量で存在することができ、望ましくは、組成物の硬化前に、接着剤組成物の約50重量%~約99.5重量%の量で存在する。エマルジョンポリマーに応じて、固形分レベルは、エマルジョンポリマーに基づいて、約50重量%~約90重量%まで変化する。エマルジョンポリマー成分は、酢酸ビニルエチレン分散液、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルポリビニルアルコール、デキストリン安定化ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニルエチレンコポリマー、ビニルアクリル、スチレンアクリル、アクリル、スチレンブチルゴム、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル、ポリアクリル、およびそれらの混合物を含む任意の所望のポリマー成分を含み得る。特に好ましいエマルジョンポリマー成分は、ポリアクリル酸、酢酸ビニルエチレン分散液、エチレン酢酸ビニル、およびポリ酢酸ビニルである。
【0028】
水性接着剤はまた、当技術分野の技術の範囲内の粘着付与剤、保湿剤、防腐剤、例えば、抗酸化剤、殺生物剤、充填剤、顔料、染料、安定剤、レオロジー調整剤、ミクロスフェア、ポリビニルアルコール、乳化剤、防腐剤、顔料、防食剤、水腐食防止剤、フィラー、潤滑剤(グリース、オイル、ワックスなど)、脱泡剤、および/またはカップリング剤などの既知の水性接着剤に通常見られる他の適合性のある成分、添加剤および/または成分を含み得ることが理解される。これらの成分は、組成物の硬化前に、接着剤組成物の約0.05重量%~約50重量%の量で含まれ得る。
【0029】
例示的な水性接着剤には、感圧接着剤、エチレン酢酸ビニルベースの接着剤、およびポリアクリルベースの接着剤が含まれる。
【0030】
特定の配合物に関係なく、水性接着剤配合物は、当技術分野で知られている方法と組み合わされる。水性接着剤は、望ましくは、その相補的な部材の嵌合とロックの前に接着剤のその後の滴下、たるみ、または移動なしで、嵌合可能な部材のねじ山および非ねじ山に接着剤を容易に塗布できる、十分な粘度およびたるのみ耐性と一致してペースト状に形成される。
【0031】
一実施形態では、再シール可能な接着剤は、クロージャー部材のうちの1つの表面に塗布され得る。再シール可能な接着剤は、例えば、押出し、スプレー、浸漬、ローラーコーティング、接触コーティングなどの任意の適切な方法で、組成物の具体的な最終用途に望まれるまたは存在する厚さ、フローおよび粘度特性に応じて、任意の適切な方法で、適用することができる。再シール可能な接着剤は、相補的な嵌合部材と係合する部材の表面積(指定された領域のコーティング重量)に設定された量で事前に塗布され、その後、そのような事前に塗布された媒体は、任意の適切な方法、例えば、周囲(室温)または水性接着剤用のコーティングされた材料の乾燥に有効な高温乾燥条件によって、再シール可能な接着剤のタイプに応じて乾燥され得る。水の蒸発と硬化により、接着剤はその後、乾燥され、塗布された厚さよりも薄い厚さに硬化される。
【0032】
別の実施形態では、一定量の再シール可能な接着剤を、相補的な嵌合部材と係合する部材の表面領域に事前に塗布することができ、接着剤が乾燥して硬化する前に、第2の部材が係合される。次に、係合した部材の接着剤は、任意の適切な方法で、例えば、周囲(室温)によって、または水性接着剤のコーティングされた材料の乾燥に有効な高温乾燥条件によって、乾燥および硬化される。
【0033】
クロージャー部材での再シール可能な接着剤の均一な厚さが望ましい。しかし、不均一な厚さは、適用力下でより均一になる可能性があり、2つの部材を嵌合すると、再シール可能な接着剤が一緒に押しつぶされて、望ましいシールが形成される。
【0034】
図1に示すように、再シール可能な接着剤(4)がねじ山ネックの領域(3)に塗布される。ネック部材は、キャップ(1)のねじ山(2)に嵌合して係合する。
【0035】
また、
図2に示すように、再シール可能な接着剤(30)が、ネック(20)に塗布される。ネックはキャップ(10)にぴったりとはまる。
【0036】
部材の1つに塗布されると、再シール可能な接着剤は、その相補的な部材と嵌合するまで、ねじ山または非ねじ山部材の表面に残る。使用時に、事前に再シール可能な接着剤が塗布された部材は、相補部材の嵌合面と接触し、係合部材の固定を容易にするために、好ましくは、その相補部材の表面に事前に再シール可能な接着剤が塗布されていてもよい。このようにして、嵌合可能に係合した部材に差圧が加えられる。
【0037】
驚くべきことに、除去トルクは、係合した部材の再シール可能な接着剤の厚さに依存せず、コーティングは、約0.001g/in2~約1g/in2、好ましくは約0.02g/in2~約0.5g/in2の範囲である。再シール可能接着剤は自動調整式であり、乾燥および硬化時に約4~約20インチポンドの最適な除去トルク範囲を提供し、再シール可能トルクは、2~約15インチポンドの範囲にある。再シール可能な接着剤はまた、再適用されたトルクの約40~100%を保持し、バックオフトルク損失は重要ではない。
【0038】
いくつかの実施形態では、再シール可能な接着剤は、透明または乳白色である。他の実施形態では、容器の色と一致するように再シール可能な接着剤の色を着色または染色するために顔料が添加される。
【0039】
別の実施形態では、本発明は、以下のステップ
(a)第1のねじ山部材または非ねじ山部材を提供し、
(b)第1の部材と嵌合して係合することができる第2のねじ山または非ねじ山部材を提供し、
第1および第2の部材の少なくとも1つが、再シール可能なコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされ、
(c)第1および第2のねじ山部材を嵌合して係合させることによって、ねじ山または非ねじ山部材を接着結合するための方法である。
【0040】
再シール可能なコーティング組成物は、第1の部材と第2の部材との間の嵌合して係合するスペースを実質的に満たす。再シール可能なコーティング組成物は、(1)ASTM D2063に従って測定された、約4~約20インチポンドの除去トルクおよび(2)ASTM D2063に従って測定された、約2~約15インチポンドの再シール可能トルクを有することを特徴とする水性接着剤である。
【0041】
本発明は、バッグ、テープ、フィルム、ストリップ、ガスケット、パッド、ストリング、および容器クロージャー部材に適用され得る他の様々な形状の部品の代わりに、またはそれらに加えて使用され得る。
【0042】
本発明を実施することができる容器クロージャー部材は、任意の構造要素、例えば、キャップおよびクロージャー、スクリュートップ、スナップファスナー要素、さねはぎファスナー要素、面ファスナー要素、圧入要素、ポンプディスペンサーなどを含み、相補的な嵌合構造と接着剤で結合可能である。したがって、クロージャー部材および相補的部材は、ねじ山または非ねじ山で係合され、嵌合して係合された部材間のギャップに再シール可能な接着剤が充填されたキャップおよびクロージャーアセンブリを含み得る。
【0043】
本発明は、キャップ、蓋、およびクロージャーとして有用であり、容器(ボトル)ネック、スクリューキャップ、ロールオンピルファープルーフクロージャー、セキュリティクロージャー、分配および投与クロージャー、トリガースプレークロージャー、セキュリティクロージャー、バルブクロージャー、チューブキャップ、不正開封防止クロージャー、スポーツキャップ、スナップヒンジキャップ、スクリューキャップ、プッシュプルクロージャー、注入およびスポイトクロージャー、子供の扱えないクロージャーなどとして形成することができる。
【0044】
上記のキャップおよびクロージャーは、通常、ポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、および/またはポリエチレンテレフタレートから作られている。
【実施例】
【0045】
すべてのトルク値は、ASTMD2063に従い、Mark10、モデルMTT01-50で測定した。
【0046】
(例1)
再シール可能な接着剤として、固形分が、約66%、粘度が900~1000cP、pHが4.5のサンプルポリアクリルベースの感圧接着剤を使用した。
【0047】
サンプル接着剤の種々のコーティング重量(グラム/インチ平方)を第1のねじ山部材に塗布し、次に乾燥および硬化した。
【0048】
少なくとも3つのねじ山部材を室温(21~25℃)で24時間コンディショニングし、各部材をその嵌合可能な第2のねじ山部材に手(適用力)でねじ込んだ。次に、嵌合した部材の除去トルクをテストし、表1に記録した。
【0049】
取り外し、それぞれを指定された再適用トルクで再度閉じ、再シール可能トルクをテストした。再シール可能トルクの値と保持トルクの割合も表1に記載される。
【表1】
【0050】
最初の3つのサンプルのコーティング重量により、手で開くことができる範囲内での除去トルクと再シール可能トルクが可能になった。上記の例は、除去および再シール可能トルク値が、接着剤が水性接着剤の場合、コーティング重量とは多少独立していることを示す。また、再シール可能な接着剤は、約42%を超えるトルクを保持した。
【0051】
(例2)
さまざまなコーティング重量のホットメルト接着剤[エチレン酢酸ビニルポリマー(30重量%)、粘着付与剤(60%)、ワックス(8%)、添加剤(2%)]を、対応するトルク値についてテストし、結果を表2に示す。
【表2】
【0052】
上に示したように、ホットメルト接着剤のコーティング重量は、除去トルクに直接影響する。水性接着剤とは異なり、0.268g/インチ2のホットメルト接着剤コーティング重量を適用すると、外側の手の開放性に対する除去トルクが増加した。
【0053】
当業者には明らかであるように、本発明の多くの修正および変形は、その精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に記載の特定の実施形態は、例としてのみ提供され、本発明は、添付の特許請求の範囲の用語、ならびにそのような特許請求の範囲が権利を有する同等物の全範囲によってのみ限定されるべきである。