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  • 特許-殺虫剤のための高拡展性ULV製剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】殺虫剤のための高拡展性ULV製剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 25/30 20060101AFI20241021BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 47/06 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 43/12 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 43/90 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 43/713 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 41/10 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 53/08 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 51/00 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 47/40 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 47/02 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 43/56 20060101ALI20241021BHJP
   A01N 43/40 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
A01N25/30
A01P7/04
A01N47/06 D
A01N43/12 Z
A01N43/90 102
A01N43/713
A01N41/10 Z
A01N53/08 120
A01N53/08 125
A01N51/00
A01N47/40 Z
A01N47/02
A01N43/56 D
A01N43/40 101A
A01N43/40 101C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021565827
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2020062906
(87)【国際公開番号】W WO2020225428
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】19173402.9
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19173403.7
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19173404.5
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】313006625
【氏名又は名称】バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ペリス・ウルキホ,ゴルカ
(72)【発明者】
【氏名】ガエルツェン,オリバー
(72)【発明者】
【氏名】エッガー,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】フィアース,マルコム
(72)【発明者】
【氏名】ヒルツ,エミリア
(72)【発明者】
【氏名】セレッソ-ガルベス,シルヴィア
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-131979(JP,A)
【文献】特開昭60-104002(JP,A)
【文献】特表2007-520511(JP,A)
【文献】特表2009-545517(JP,A)
【文献】国際公開第2012/153735(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101642099(CN,A)
【文献】特開平02-193904(JP,A)
【文献】特開昭56-065808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/
A01P 7/
A01N 47/
A01N 43/
A01N 41/
A01N 53/
A01N 51/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬製剤を作物に施用する方法であって、前記製剤は、1~20L/haの散布液量で施用され、該製剤は
(a) 農薬的に施用される殺虫剤の群から選択される1種類以上の活性成分;
(b) 有機シリコーン系界面活性剤;
(c) 1種類以上の別の製剤助剤;及び、
(d) 所定の容積までの担体;を含み、
ここで、
(a)は、0.5~30重量%の量で存在し、
(b)は、1~6重量%で存在し、そして、
(c)は、0.5~65重量%で存在し、
ここで、前記殺虫剤は、スピロテトラマト、スピロメシフェン、スピドキサメート(IUPAC名:11-(4-クロロ-2,6-キシリル)-12-ヒドロキシ-1,4-ジオキサ-9-アザジスピロ[4.2.4.2]テトラデカ-11-エン-10-オン)、フルベンジアミド、テトラニリプロール、デルタメトリン、β-シフルトリン、イミダクロプリド、チアクロプリド、エチプロール、フィプロニル、フルオピラム及びフルピラジフロンからなる群から選択され、
ここで、(b)は、ポリアルキレンオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサンであり、そしてここで、
前記有機シリコーン界面活性剤(b)が、10g/ha~60g/haで施用される
前記方法
【請求項2】
(a)が、1~27.5重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法
【請求項3】
c)が、1~49.5重量%の量で存在する、請求項1又は2に記載の方法
【請求項4】
成分(c)が、少なくとも1種類の非イオン性界面活性剤及び/又はイオン性界面活性剤を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法
【請求項5】
成分(c)が、少なくとも1種類の非イオン性界面活性剤(c1)及び/又はイオン性界面活性剤、1種類のレオロジー調整剤(c2)、1種類の消泡性物質(c3)及び1種類の不凍剤(c4)を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
(c1)が、2~15重量%で存在し;そして、
(c2)が、0.1~20重量%で存在し;そして、
(c3)が、0.05~5重量%で存在し;そして、
(c4)が、0.1~20重量%で存在する;
請求項5に記載の方法
【請求項7】
前記製剤が、2~15L/haの散布液量で施用される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法
【請求項8】
前記作物への(a)の施用量が、2~250g/haである、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法
【請求項9】
前記製剤が、ざらざらした葉の表面を有する植物又は作物に施用される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法
【請求項10】
有害な昆虫害虫を防除するための請求項1~9のいずれか1項に記載の方法であって、前記製剤が、無人航空機(UAV)、無人誘導車両(UGV)又はパルス幅モジュール(PWM)によって施用される、前記方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬組成物;茎葉散布のためのそれらの使用;少量の散布液量でのそれらの使用;無人航空機システム(UAS)による、無人誘導車両(UGV)による、及び、従来のノズルのみではなくパルス幅変調式噴霧ノズル又は回転円盤液滴散布機も備えたトラクター搭載ブーム噴霧器による、それらの使用;並びに、農業害虫、雑草又は病害を防除するための、特に、蝋質の葉における農業害虫、雑草又は病害を防除するための、それらの施用に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の農業は、安全で持続可能な方法で充分な食料を生産する上で多くの課題に直面している。従って、環境や農地への影響を最小限に抑えながら、安全性、品質及び収量を高めるために作物保護製品を利用することが求められている。多くの作物保護製品は、化学的であろうと生物学的であろうと、通常、比較的大量の散布液量で、例えば、選択されたケースでは、50L/haを超える散布液量で、そして、多くの場合、150~400L/haを超える散布液量で、施用される。この結果、大量の散布液を運ぶために多くのエネルギーを消費しなければならず、さらに、その大量の散布液を噴霧施用によって作物に施用する。これは、大型トラクターによって実施することができるが、その大型トラクターは、その重量とさらに散布液の重量のために、関連する機械的作業からCOを生成し、さらに、土壌の有害な圧縮(これは、植物の根の成長、健康及び収量に影響を与える)も引き起こし、その後、これらの影響を改善するためにエネルギーが費やされる。
【0003】
大量の散布液を大幅に減らし、製品の施用に必要な機器の重量を低減させる解決策が必要である。
【0004】
農業では、無人航空機システム(UAS)、無人誘導車両(UGV)及びパルス幅変調式噴霧ノズル又は回転円盤液滴散布機を備えたトラクター搭載ブーム散布機などの低散布液量施用技術が、低散布液量(典型的には、10~20L/ha以下に低減された)で製品を施用するという解決策を農家に提供している。これらの解決策は、例えば、必要とする水が大幅に少ないこと(これは、水の供給が制限されている地域において重要である)、散布液の輸送と施用に必要なエネルギーが少ないこと、散布タンクの充填と施用の両方が速いことに起因してより迅速であること、輸送する散布液の容積の低減と小型で軽量の車両の使用(これらは、土壌の圧縮ダメージを軽減し、より安価な施用システムの使用を可能にする)の両方に起因してCO生成が低減されること、などを包含する有利点を有している。
【0005】
しかしながら、Wangら[Field evaluation of an unmanned aerial vehicle(UAV) sprayer:effect of spray volume on deposition and the control of pests and disease in wheat.Pest Management Science 2019 doi/epdf/10.1002/ps.5321]は、散布液量が450及び225L/haから28.1、16.8及び9.0L/haに減少するにつれて、被覆面積(%面積)、面積当たりの散布付着物の数及び散布付着物の直径の全てが感水試験紙で測定して低減されたということを示した(「Wangら、2019」の表3を参照されたい)。同時に、コムギのアブラムシ防除とうどんこ病防除の両方に関する生物学的防除効果は、低散布液量で低減し、その際、9.0L/haで最大に低減し、16.8L/haがそれに続いた(「Wangら、2019)の図6、7及び8を参照されたい)。
【0006】
従って、面積あたりの散布付着物の数が低減している場合(単位面積当たりの散布液滴の数は、散布液量が低減するにつれて、同じ散布液滴スペクトルサイズの場合、比例して低減する)でも、低散布液量での散布付着物の被覆面積及び直径の低減を克服する製剤システムを設計することが必要である。これは、特に、25L/ha未満、さらに特に17L/ha未満、一層さらに特に10L/ha以下で必要である。
【0007】
解決策は、1ヘクタール当たりに施用される総量が驚くほど少ない有機シリコーン界面活性剤(これは、通常使用されるレベルを下回っており、及び、有機シリコーン界面活性剤が機能すると予期されるレベルを下回っている)を含む製剤によって提供される。そのような製剤は、低散布液量で、散布付着物の増大した被覆面積及び増大した直径をもたらす。さらに、その散布付着物の増大した被覆面積及び増大した直径は、通常の多い散布液量で得られる被覆面積に匹敵する。さらに、本発明を体現する製剤は、より一般的な散布液量では保持及び被覆が不充分な湿りにくい葉の表面において特に効果的である。
【0008】
通常の多い散布液量で必要とされるレベルと比較して有機シリコーン系界面活性剤の総量が少ないことに起因する本発明の特定の利点は、製剤の低いコスト及びそれらの製造の容易さである。さらなる利点としては、製剤の安定性の向上と製造の簡素化、商品の低いコスト、及び、環境への影響が少ないことなどがある。
【0009】
タンクミックスのアジュバントとしての有機シリコーン系界面活性剤の使用は、より少ない散布液量が有利であり得るという認識で長年存在してきた。Gaskinら[Adjuvant prescriptions to lower water volumes and improve disease control in vineyards, ISAA 2004 proceedings;R.Gaskinら、New adjuvant technology for pesticide use on wine grapes,New Zealand Plant Protection 55:154-158(2002);及び、R.Gaskinら、Use of a superspreader adjuvant to reduce spray application volumes on avocados, New Zealand Avocado Growers’Association Annual Research Report 2004.4:8-12]は、散布液量を低減させるのに有機シリコーン系界面活性剤が有利であり得ると報告している。しかしながら、これらは、100~2500L/haの比較的高い散布液量及び100~800gl/haの高いアジュバント量について言及している。それらは、有機シリコーン系界面活性剤が、非常に低い散布液量(典型的には、10~20L/ha以下、又は、それ以下でさえ)で利点を提供できることについて、及び、少量の界面活性剤(典型的には、50g/h以下)でも利点を提供できることについて、示してもいないし示唆もしていない。
【0010】
R.Gaskinら[Effect of surfactant concentration and spray volume on retention of organosilicone sprays on wheat,Proc.50th N.Z.Plant Protection Conf.1997:139-142]は、オルガノシリコーン系界面活性剤が広範囲の散布施用量にわたって湿りにくい耕作可能な種における農薬散布液の保持を強化することが期待されると結論付けた。しかしながら、そのデータは、37~280L/haのみを包含しており、そして、保持農薬散布液のみを対象としており、散布付着物の植物被覆面積やサイズについては対象としていない。さらに、10~20L/haまで低減した施用液量(特定の実施形態では、これよりもさらに低い、例えば、1~5L/haまで低減した)を使用する本発明による微量散布液量については言及されていなかった。
【0011】
これらは、全て、タンクミックスアジュバントについてのものであり、即時使用可能(ready to use)な製剤を対象としていない。
【0012】
本発明の製剤(これは、最も好ましくは、タンク混合物とは対照的に即時使用可能な製剤である)は、本明細書中で示されている本発明の製剤中において高濃度の有機シリコーンを使用することによって、散布液量が少ないという利点を提供し、従って、植物の表面上の少ないがそれでも有効な量を提供し、その結果、少ない散布液量に起因して施用後の環境中の量が少なくなる。
【0013】
有機シリコーン系界面活性剤を含む従来技術において既知の製剤(さらに、タンクミックス用製剤)は、主に、非常に多い散布液量のために設計されており、そして、一般に、その散布液ブロスの中に低濃度の有機シリコーン系界面活性剤を含む。それにもかかわらず、従来技術で使用される多い散布液量に起因して、使用される有機シリコーン界面活性剤の総量は本発明の場合よりも多く、従って、環境中の総量も本発明の場合よりも多い。
【0014】
有機シリコーン界面活性剤の濃度は、本発明の重要な要素であり、その理由は、適切な拡展は、有機シリコーン界面活性剤の特定の最小濃度(通常は、0.05%w/w又はw/v(これらは、有機シリコーン界面活性剤の密度が約1.0g/cmであるので、同等である))が達成されるときに起こるからである。
【0015】
明確にするために、当業者には理解されるように、「拡展(spreading)」は、表面(即ち、本発明に関連する場合、葉などの植物の部分の表面)の上で液滴が迅速に広がることを意味する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【文献】Field evaluation of an unmanned aerial vehicle(UAV) sprayer:effect of spray volume on deposition and the control of pests and disease in wheat.Pest Management Science 2019 doi/epdf/10.1002/ps.5321
【文献】Adjuvant prescriptions to lower water volumes and improve disease control in vineyards,ISAA 2004 proceedings
【文献】New adjuvant technology for pesticide use on wine grapes,New Zealand Plant Protection 55:154-158(2002)
【文献】Use of a superspreader adjuvant to reduce spray application volumes on avocados, New Zealand Avocado Growers’Association Annual Research Report 2004.4:8-12
【文献】Effect of surfactant concentration and spray volume on retention of organosilicone sprays on wheat,Proc.50th N.Z.Plant Protection Conf.1997:139-142
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、従来技術で使用されているような500L/haの散布液量の場合、適切な拡展を達成するために、約250g/haの有機シリコーン界面活性剤が必要となるであろう。従って、散布液量を減らすという課題に直面して、当業者は、製剤中に同じ濃度の有機シリコーン界面活性剤を適用するであろう。例えば、散布液量が10L/haの場合、約5g/ha(散布液ブロス中の約0.05%)の界面活性剤が必要になるであろう。しかしながら、そのような低濃度の有機シリコーン界面活性剤を含むそのような少ない散布液量では、充分な拡展を達成することはできない(実施例を参照されたい)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明において、本発明者らは、驚くべきことに、散布液量が低減するにつれて有機シリコーン界面活性剤の濃度を増加させることにより、散布液量の低減に起因する被覆面積の喪失(不充分な拡展による)を補うことができることを見出した。驚くべきことに、散布液量を50%減らすごとに、界面活性剤の濃度を約2倍にする必要があることが分かった。
【0019】
従って、有機シリコーン界面活性剤の絶対濃度は当技術分野で知られている製剤と比較して増大するが、1ヘクタール当たりの相対的な総量を低減させることが可能であり(これは、経済的及び生態学的の両方で有利である)、一方、本発明の製剤による被覆面積及び本発明の製剤の効力は、改善されているか、維持されているか、又は、低散布液量による施用の別の利点(例えば、物品のコストが低いことにより製剤のコストが低いこと、作業コストが少ない小型車両、土壌の圧縮が少ないことなど)を考慮した場合、許容されるレベルに少なくとも維持されている。
【0020】
驚くほど少ない総量の有機シリコーン系界面活性剤の使用を可能にする本発明のさらなる部分は、標的作物の葉の表面テクスチャーである。Bicoら[Wetting of textured surfaces,Colloids and Surfaces A,206(2002)41-46]は、滑らかな表面と比較して、ざらざらした表面は、90°未満の接触角を有する製剤散布希釈液に関する湿潤を増強することが可能であること及び90°を超える接触角に関する湿潤を低減させることが可能であるということを確立した。
【0021】
このことは、高濃度の有機シリコーン界面活性剤を含む本発明の製剤による低散布液量に起因して有機シリコーン系界面活性剤の少ない総量(1ha当たり)をもたらす本発明の方法で散布された場合、葉の表面(特に、ざらざらした葉の表面)にも当てはまる。当該散布液による葉の表面の著しく高い被覆面積(通常予期されるよりも高いレベルまででさえ)を実証することができた。
【0022】
ざらざらした葉の表面には、例えば、コムギ、オオムギ、イネ、ナタネ、ダイズ(若い植物)及びキャベツなどの表面にミクロンスケールの蝋結晶を含む葉、並びに、例えば、ハス植物の葉などの表面テクスチャーを有する葉が包含される。表面テクスチャーは、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察によって、及び、葉の表面上の1滴の水によって作られる接触角を測定することにより決定される葉の濡れ性によって確認することができる。
【0023】
要約すると、本発明の目的は、良好な葉の被覆面積、取り込み及び昆虫に対する生物学的効力を提供し、同時に、1ha当たりに施用される付加的な添加剤の量を低減させながら、微量(即ち、20L/ha未満)で施用することが可能な製剤を提供すること、並びに、製剤を微量(即ち、20L/ha未満)で使用する方法及び上記で定義されている微量で施用するための製剤の使用を提供することである。
【0024】
ざらざらした葉への施用が好ましいが、驚くべきことに、ざらざらしていない葉においても、本発明による製剤は、200L/ha用の古典的な噴霧施用用製剤と比較して良好な拡展及び被覆面積及び他の特性を示すことが見出された。
【0025】
一態様において、本発明は、茎葉散布のための本発明による組成物の使用を対象とする。
【0026】
別途示されていない限り、本出願における「%」は、重量パーセント(%w/w)を意味する。
【0027】
さまざまな成分を組み合わせる場合、製剤の全ての成分のパーセンテージが常に合計で100になることは理解される。
【0028】
さらに、別途示されていない限り、担体に関する「所定の容積まで(to volume)」という言及は、担体が1000mL(1L)又は1000g(1kg)になるまで加えられることを示している。
【0029】
さらに、施用液量(application volume)又は施用量(application rate)の好ましい所与の範囲、及び、本明細書中に記載されているそれぞれの成分の好ましい所与の範囲は、自由に組み合わせることが可能であることは理解され、並びに、全ての組み合わせは本明細書中に開示されているが、さらに好ましい実施形態では、成分は、好ましくは同じ程度に好ましい範囲内で存在し、一層さらに好ましい成分は、最も好ましい範囲内で存在することは理解される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、葉のざらざらした表面の走査型電子顕微鏡写真を示しており、ここで、上部の写真はブドウの葉の表面(ざらざらしていない)を示しており、下部の写真はダイズの葉の表面(ざらざらしている)を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
一態様では、本発明は、以下のものを含む製剤に関する:
(a) 農薬的に施用される殺虫剤の群から選択される1種類以上の活性成分;
(b) 少なくとも1種類の有機シリコーン系界面活性剤(好ましくはポリアルキレンオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサン);
(c) 1種類以上の別の製剤助剤;及び、
(d) 所定の容積(1L又は1kg)までの1種類以上の担体;
ここで、(b)は、0.5~15重量%で存在する。
【0032】
本発明において別途示されていない限り、担体は、通常、製剤中で所定の容積まで使用される。好ましくは、本発明による製剤中の担体の濃度は、少なくとも5%w/wであり、さらに好ましくは、少なくとも10%w/w、例えば、少なくとも20%w/w、少なくとも40%w/w、少なくとも50%w/w、少なくとも60%w/w、少なくとも70%w/w及び少なくとも80%w/wである。
【0033】
製剤は、好ましくは、作物に対して使用される噴霧施用である。
【0034】
好ましい実施形態では、本発明の製剤は、以下のものを含む:
(a) 農薬的に施用される殺虫剤の群から選択される1種類以上の活性成分;
(b) 少なくとも1種類の有機シリコーン系界面活性剤(好ましくはポリアルキレンオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサン);及び、
(c1) 少なくとも1種類の適切な非イオン性界面活性剤及び/又は適切なイオン性界面活性剤;
(c2) 任意に、レオロジー調整剤;
(c3) 任意に、適切な消泡性物質;
(c4) 任意に、適切な別の製剤助剤;
(d) 担体 固体又は液体。
【0035】
別の実施形態では、c2、c3及びc4のうちの少なくとも1つは必須であり、好ましくは、c2、c3及びc4のうちの少なくとも2つは必須であり、さらに別の実施形態では、c2、c3及びc4は必須である。
【0036】
好ましい実施形態では、成分(a)は、好ましくは0.5~30重量%の量で、好ましくは1~27.5重量%の量で、及び、最も好ましくは1.2~25重量%の量で存在する。
【0037】
代替え的な実施形態では、(a)は、1~5重量%で存在する。
【0038】
別の実施形態では、(a)は、5~12重量%で存在する。
【0039】
さらに別の実施形態では、(a)は、10~20重量%で存在する。
【0040】
好ましい実施形態では、成分(b)は、0.5~15重量%で、好ましくは0.75~10重量%で、及び、さらに好ましくは1.0~6重量%で存在する。
【0041】
好ましい実施形態では、1種類以上の成分(c)は、0.5~65重量%で、好ましくは1~49.5重量%で、及び、さらに好ましくは2~37.5重量%で存在する。
【0042】
好ましい実施形態では、1種類以上の成分(c1)は、0.5~20重量%で、好ましくは1~17.5重量%で、及び、最も好ましくは2~15重量%で存在する。
【0043】
好ましい実施形態では、1種類以上の成分(c2)は、0~20重量%で、好ましくは0~15重量%で、及び、最も好ましくは0~10重量%で存在する。
【0044】
好ましい実施形態では、1種類以上の成分(c3)は、0~5重量%で、好ましくは0~2重量%で、及び、最も好ましくは0~0.5重量%で存在する。
【0045】
好ましい実施形態では、1種類以上の成分(c4)は、0~20重量%で、好ましくは0~15重量%で、及び、最も好ましくは0~12重量%で存在する。
【0046】
c2が必須である場合、それは、0.1~20重量%で存在する。
【0047】
c3が必須である場合、それは、0.05~5重量%で存在する。
【0048】
c4が必須である場合、それは、0.1~20重量%で存在する。
【0049】
一実施形態では、製剤は、成分(a)~(d)を以下の量で含む:
(a) 0.5~30重量%;
(b) 0.5~15重量%;
(c1) 0.5~20重量%;
(c2) 0~20重量%;
(c3) 0~5重量%;
(c4) 0~20重量%;
(d) 所定の容積までの担体。
【0050】
別の実施形態では、製剤は、成分(a)~(d)を以下の量で含む:
(a) 1~27.5重量%;
(b) 0.75~10重量%;
(c1) 1~17.5重量%;
(c2) 0~15重量%;
(c3) 0~2重量%;
(c4) 0~15重量%;
(d) 所定の容積までの担体。
【0051】
一実施形態では、製剤は、成分(a)~(c)を以下の量で含む:
(a) 1.2~25重量%;
(b) 1~6重量%;
(c1) 2~15重量%;
(c2) 0~10重量%;
(c3) 0~0.5重量%;
(c4) 0~12重量%;
(d) 所定の容積までの担体。
【0052】
さらに別の実施形態では、製剤は、成分(a)~(c)を以下の量で含む:
(a) 1.2~25重量%;
(b) 1~6重量%;
(c1) 2~15重量%;
(c2) 0.1~20重量%;
(c3) 0.05~5重量%;
(c4) 0.1~20重量%;
(d) 所定の容積までの担体。
【0053】
上記で示されているように、成分(d)は、常に、所定の容積まで(即ち、1L又は1kgまで)添加され、その結果、重量%は合計で100になる。
【0054】
本発明のさらに好ましい実施形態では、製剤は、指定された量及び範囲の上記で記載した成分(a)~(d)のみからなる。
【0055】
本発明は、さらに、上記製剤の施用方法にも適用され、ここで、製剤は、1~20L/ha、好ましくは2~15L/ha、さらに好ましくは5~15L/haの散布液量で施用される。
【0056】
さらに好ましくは、本発明は、上記製剤の施用方法にも適用され、ここで、製剤は、1~20L/ha、好ましくは2~15L/ha、さらに好ましくは5~15L/haの散布液量で施用され、及び、
(b)の量は、0.5~15重量%で、好ましくは0.75~10重量%で、及び、さらに好ましくは1~6重量%で存在し;
ここで、好ましいさらなる実施形態では、(a)は、0.5~30重量%の量で、好ましくは1~27.5重量%の量で、及び、最も好ましくは1.2~25重量%の量で存在する。
【0057】
代替え的な実施形態では、(a)は、1~5重量%で存在する。
【0058】
別の実施形態では、(a)は、5~12重量%で存在する。
【0059】
さらに別の実施形態では、(a)は、15~25重量%で存在する。
【0060】
別の態様では、本発明は、上記製剤の施用方法に適用され、
ここで、製剤は、1~20L/ha、好ましくは2~15L/ha、さらに好ましくは5~15L/haの散布液量で施用され;及び、
ここで、好ましくは、当該作物への(a)の施用量は、2~250g/haであり、好ましくは5~225g/haであり、及び、さらに好ましくは10~200g/haである。
【0061】
一実施形態では、上記で示されている方法による作物への(a)の施用量は、2~10g/haである。
【0062】
別の実施形態では、上記で示されている方法による作物への(a)の施用量は、40~110g/haである。
【0063】
上記施用における一実施形態では、活性成分(ai)(a)は、圃場条件下において、好ましくは2~250g/haで、好ましくは5~225g/haで、及び、さらに好ましくは10~200g/haで施用され、一方、対応するように、有機シリコーン界面活性剤(b)は、好ましくは5g/ha~150g/haで、さらに好ましくは7.5g/ha~100g/haで、及び、最も好ましくは10g/ha~60g/haで施用される。
【0064】
特に、本発明の製剤は、ざらざらしている葉の表面を有している植物又は作物に対して施用するのに有用である。
【0065】
施用される薬量に対する本発明による製剤中の有機シリコーン界面活性剤剤(b)の対応する薬量は、以下の通りである。
【0066】
2L/haの液体製剤は、以下のものを送達する:
50g/haの有機シリコーン界面活性剤は、25g/Lの界面活性剤(b)を含む;
30g/haの有機シリコーン界面活性剤は、15g/Lの界面活性剤(b)を含む;
12g/haの有機シリコーン界面活性剤は、6g/Lの界面活性剤(b)を含む;
10g/haの有機シリコーン界面活性剤は、5g/Lの界面活性剤(b)を含む。
【0067】
1L/haの液体製剤は、以下のものを送達する:
50g/haの有機シリコーン界面活性剤は、50g/Lの界面活性剤(b)を含む;
30g/haの有機シリコーン界面活性剤は、30g/Lの界面活性剤(b)を含む;
12g/haの有機シリコーン界面活性剤は、12g/Lの界面活性剤(b)を含む;
10g/haの有機シリコーン界面活性剤は、10g/Lの界面活性剤(b)を含む。
【0068】
0.5L/haの液体製剤は、以下のものを送達する:
50g/haの有機シリコーン界面活性剤は、100g/Lの界面活性剤(b)を含む;
30g/haの有機シリコーン界面活性剤は、60g/Lの界面活性剤(b)を含む;
12g/haの有機シリコーン界面活性剤は、24g/Lの界面活性剤(b)を含む;
10g/haの有機シリコーン界面活性剤は、20g/Lの界面活性剤(b)を含む。
【0069】
0.2L/haの液体製剤は、以下のものを送達する:
50g/haの有機シリコーン界面活性剤は、250g/Lの界面活性剤(b)を含む;
30g/haの有機シリコーン界面活性剤は、150g/Lの界面活性剤(b)を含む;
12g/haの有機シリコーン界面活性剤は、60g/Lの界面活性剤(b)を含む;
10g/haの有機シリコーン界面活性剤は、50g/Lの界面活性剤(b)を含む。
【0070】
2kg/haの固形製剤は、以下のものを送達する:
50g/haの有機シリコーン界面活性剤は、25g/kgの界面活性剤(b)を含む;
30g/haの有機シリコーン界面活性剤は、15g/kgの界面活性剤(b)を含む;
12g/haの有機シリコーン界面活性剤は、6g/kgの界面活性剤(b)を含む;
10g/haの有機シリコーン界面活性剤は、5g/kgの界面活性剤(b)を含む。
【0071】
1kg/haの固形製剤は、以下のものを送達する:
50g/haの有機シリコーン界面活性剤は、50g/kgの界面活性剤(b)を含む;
30g/haの有機シリコーン界面活性剤は、30g/kgの界面活性剤(b)を含む;
12g/haの有機シリコーン界面活性剤は、12g/kgの界面活性剤(b)を含む;
10g/haの有機シリコーン界面活性剤は、10g/kgの界面活性剤(b)を含む。
【0072】
0.5kg/haの固形製剤は、以下のものを送達する:
50g/haの有機シリコーン界面活性剤は、100g/kgの界面活性剤(b)を含む;
30g/haの有機シリコーン界面活性剤は、60g/kgの界面活性剤(b)を含む;
12g/haの有機シリコーン界面活性剤は、24g/kgの界面活性剤(b)を含む;
10g/haの有機シリコーン界面活性剤は、20g/kgの界面活性剤(b)を含む。
【0073】
1ヘクタール当たりの別の薬量で施用される製剤中の有機シリコーン界面活性剤(b)の濃度は、同じ方法で計算することができる。
【0074】
本発明に関連して、適切な製剤のタイプは、定義により、懸濁製剤、水性懸濁液剤、サスポエマルション剤又はカプセル懸濁液剤、EW製剤、顆粒水和剤、油分散液剤、乳剤、分散性濃厚剤であり、好ましくは、懸濁製剤、水性懸濁液剤、サスポエマルション剤、油分散液剤、乳剤及び顆粒水和剤であり、ここで、非水性製剤又は固体製剤の場合、噴霧可能な製剤は水を加えることによって得られる。
【0075】
従って、一実施形態では、製剤は、所定の容積まで担体で希釈することによって懸濁製剤(SC)から得られる。
【0076】
本発明によるSCは、以下のものを含む:
(a) 0.025~30%の活性成分、好ましくは0.5~15%;
(b) 0.025~15%の有機シリコーン界面活性剤、好ましくは0.05~7.5%;
(c) 12.5%~90%、好ましくは25%~45%;
ここで、c1~c4は、
(c1) 0.025~20%、好ましくは0.5~10%;
(c2) 0.005~20%、好ましくは0.01~10%;
(c3) 0.0025~5%、好ましくは0.005~2.5%;
(c4) 0.005~20%、好ましくは0.01~10%;
で存在する。
【0077】
一実施形態では、製剤は、所定の容積まで担体で希釈することによって顆粒水和剤(WG)から得られる。
【0078】
本発明によるWGは、以下のものを含む:
(a) 0.025~30%の活性成分、好ましくは0.5~15%;
(b) 0.025~15%の有機シリコーン界面活性剤、好ましくは0.05~7.5%;
(c) 12.5%~90%、好ましくは25%~45%;
ここで、c1~c4は、
(c1) 0.025~20%、好ましくは0.5~10%;
(c2) 0~20%、好ましくは0~10%;
(c3) 0.0025~5%、好ましくは0.005~2.5%;
(c4) 0.005~20%、好ましくは0.01~10%;
で存在する。
【0079】
一実施形態では、製剤は、所定の容積まで担体で希釈することによってEW製剤(EC)から得られる。
【0080】
本発明によるECは、以下のものを含む:
(a) 0.025~30%の活性成分、好ましくは0.5~15%;
(b) 0.025~15%の有機シリコーン界面活性剤、好ましくは0.05~7.5%;
(c) 12.5%~90%、好ましくは25%~45%;
ここで、c1~c4は、
(c1) 0.025~20%、好ましくは0.5~10%;
(c2) 0~20%、好ましくは0~10%;
(c3) 0.0025~5%、好ましくは0.005~2.5%;
(c4)0.005~20%、好ましくは0.01~10%;
で存在する。
【0081】
一実施形態では、製剤は、所定の容積まで担体で希釈することによって油分散液剤(OD)から得られる。
【0082】
本発明によるODは、以下のものを含む:
(a) 0.025~30%の活性成分、好ましくは0.5~15%;
(b) 0.025~15%の有機シリコーン界面活性剤、好ましくは0.05~7.5%;
(c1) 0.025~20%、好ましくは0.5~10%;
(c2) 0.005~20%、好ましくは0.01~10%;
(c3) 0.0025~5%、好ましくは0.005~2.5%;
(c4) 0.005~20%、好ましくは0.01~10%。
【0083】
活性成分(a):
本明細書中において「一般名で」記載されており、農業において使用される本発明において意図されている殺虫剤、殺ダニ剤及び/又は殺線虫剤は既知であり、そして、例えば、「“The Pesticide Manual” 16th Ed.,British Crop Protection Council 2012」に記載されているか、又は、インターネットで見いだすことができる(例えば、「http://www.alanwood.net/pesticides」)。それらの分類は、出願日において既知の「IRAC Mode of Action Classification Scheme」に基づいている。
【0084】
(1) アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬、例えば、
カーバメート系、アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMC及びキシリルカルブ;又は、
有機リン酸エステル系、例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス-メチル、クマホス、シアノホス、ジメトン-S-メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ダイスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、イミシアホス、イソフェンホス、O-(メトキシアミノチオホスホリル)サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン-メチル、パラチオン-メチル、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロペタムホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテップ、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン及びバミドチオン。
【0085】
(2) GABA制御塩化物チャンネル拮抗薬、好ましくは、
シクロジエン-有機塩素系、これは、クロルダン及びエンドスルファンの群から選択される;又は、
フェニルピラゾール系(フィプロール系)、これは、エチプロール及びフィプロニルから選択される。
【0086】
(3) ナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬、例えば、
ピレスロイド系、例えば、アクリナトリン、アレスリン、d-シス-トランスアレスリン、d-トランスアレスリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン s-シクロペンテニル異性体、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、シータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン[(1R)-トランス-異性体]、デルタメトリン、エムペントリン[(EZ)-(1R)-異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、タウ-フルバリネート、ハルフェンプロックス、イミプロトリン、カデトリン、モンフルオロトリン、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)-トランス-異性体]、プラレトリン、ピレトリン類(除虫菊(pyrethrum))、レスメトリン、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン、テトラメトリン[(1R)-異性体]、トラロメトリン及びトランスフルトリンから選択される;又は、
DDT;又は、メトキシクロル。
【0087】
(4) ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)競合的アクチベーター、好ましくは、
ネオニコチノイド系、これは、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド及びチアメトキサムから選択される;又は、
ニコチン;又は、
スルホキシイミン系、これは、スルホキサフロルから選択される;又は、
ブテノリド系、これは、フルピラジフロンから選択される;又は、
メソイオン系、これは、トリフルメゾピリムから選択される。
【0088】
(5) ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)アロステリックアクチベーター、好ましくは、
スピノシン系、これは、スピネトラム及びスピノサドから選択される。
【0089】
(6) グルタミン酸依存性塩化物チャンネル(GluCl)のアロステリックモジュレーター、好ましくは、
アベルメクチン系/ミルベマイシン系、これは、アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチン及びミルベメクチンから選択される。
【0090】
(7) 幼若ホルモン模倣物質、好ましくは、
幼若ホルモン類似体、これは、ハイドロプレン、キノプレン及びメトプレンから選択される;又は、
フェノキシカルブ;又は、ピリプロキシフェン。
【0091】
(8) 種々の特定されていない(多部位)阻害薬、好ましくは、
ハロゲン化アルキル系、これは、臭化メチル及び別のハロゲン化アルキルから選択される;又は、
クロロピクリン;又は、フッ化スルフリル;又は、ホウ砂;又は、吐酒石;又は、
イソシアン酸メチル生成物質、これは、ダゾメット(diazomet)及びメタムから選択される。
【0092】
(9) 弦音器官のTRPVチャンネルモジュレーター、これは、ピメトロジン及びピリフルキナゾンから選択される。
【0093】
(10) ダニ成長阻害薬、これは、クロフェンテジン、ヘキシチアゾクス、ジフロビダジン及びエトキサゾールから選択される。
【0094】
(11) 昆虫腸膜の微生物ディスラプター、これは、バシルス・ツリンギエンシス・亜種・イスラエレンシス(Bacillus thuringiensis subspecies israelensis)、バシルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、バシルス・ツリンギエンシス・亜種・アイザワイ(Bacillus thuringiensis subspecies aizawai)、バシルス・ツリンギエンシス・亜種・クルスタキ(Bacillus thuringiensis subspecies kurstaki)、バシルス・ツリンギエンシス・亜種・テネブリオニス(Bacillus thuringiensis subspecies tenebrionis)及びBt植物タンパク質(これは、Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry1A.105、Cry2Ab、Vip3A、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb及びCry34Ab1/35Ab1から選択される)から選択される。
【0095】
(12) ミトコンドリアATPシンターゼの阻害薬、好ましくは、
ATPディスラプター、これは、ジアフェンチウロンから選択される;又は、
有機スズ化合物、これは、アゾシクロチン、シヘキサチン及び酸化フェンブタスズから選択される;又は、
プロパルギット;又は、テトラジホン。
【0096】
(13) プロトン勾配を撹乱することによる酸化的リン酸化のデカップラー、これは、クロルフェナピル、DNOC及びスルフルラミドから選択される。
【0097】
(14) ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネル遮断薬、これは、ベンスルタップ、カルタップ塩酸塩、チオシクラム(thiocylam)及びチオスルタップ-ナトリウムから選択される。
【0098】
(15) キチン生合成の阻害薬(タイプ0)、これは、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロン及びトリフルムロンから選択される。
【0099】
(16) キチン生合成の阻害薬(タイプ1)、これは、ブプロフェジンから選択される。
【0100】
(17) 脱皮ディスラプター(特に、双翅目(Diptera)、即ち、双翅類昆虫(two-winged insects))、これは、シロマジンから選択される。
【0101】
(18) エクジソン受容体作動薬、これは、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド及びテブフェノジドから選択される。
【0102】
(19) オクトパミン受容体作動薬、これは、アミトラズから選択される。
【0103】
(20) ミトコンドリア複合体III電子伝達阻害薬、これは、ヒドラメチルノン、アセキノシル及びフルアクリピリムから選択される。
【0104】
(21) ミトコンドリア複合体I電子伝達阻害薬、好ましくは、
所謂METI殺ダニ剤、これは、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド及びトルフェンピラドから選択される;又は、
ロテノン(Derris)。
【0105】
(22) 電位依存性ナトリウムチャンネルの遮断薬、これは、インドキサカルブ及びメタフルミゾンから選択される。
【0106】
(23) アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害薬、好ましくは、
テトロン酸誘導体及びテトラミン酸誘導体、これは、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト及びスピドキサメート(Spidoxamate)(IUPAC名:11-(4-クロロ-2,6-キシリル)-12-ヒドロキシ-1,4-ジオキサ-9-アザジスピロ[4.2.4.2]テトラデカ-11-エン-10-オン)から選択される。
【0107】
(24) ミトコンドリア複合体IV電子伝達阻害薬、好ましくは、
ホスフィン系、これは、リン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィン及びリン化亜鉛から選択される;又は、
シアン化物、これは、シアン化カルシウム、シアン化カリウム及びシアン化ナトリウムから選択される。
【0108】
(25) ミトコンドリア複合体II電子伝達阻害薬、好ましくは、
β-ケトニトリル誘導体、これは、シエノピラフェン及びシフルメトフェンから選択される;又は、
カルボキシアニリド系、これは、ピフルブミドから選択される。
【0109】
(28) リアノジン受容体モジュレーター、好ましくは、
ジアミド系、これは、クロラントラニリプロール、シアントラニルプロール及びフルベンジアミドから選択される。
【0110】
(29) 弦音器官のモジュレーター(標的構造が定義されていない)、これは、フロニカミドから選択される。
【0111】
(30) 以下のものから選択される別の活性成分:アシノナピル、アフィドピロペン、アフォキソレイナー、アザジラクチン、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ベンズピリモキサン、ビフェナゼート、ブロフラニリド、ブロモプロピレート、キノメチオナート、クロロプラレトリン(chloroprallethrin)、氷晶石(cryolite)、シクラニリプロール、シクロキサプリド、シハロジアミド(cyhalodiamide)、ジクロロメゾチアズ、ジコホル、ジムプロピリダズ(dimpropyridaz)、ε-メトフルトリン、ε-モムフルトリン(epsilon-momfluthrin)、フロメトキン、フルアザインドリジン、フルエンスルホン、フルフェネリム、フルフェノキシストロビン、フルフィプロール、フルヘキサホン、フルオピラム、フルピリミン、フルララネル、フルキサメタミド、フフェノジド、グアジピル、ヘプタフルトリン、イミダクロチズ、イプロジオン、イソシクロセラム、κ-ビフェントリン、κ-テフルトリン、ロチラネル、メペルフルトリン、オキサゾスルフィル、パイコングディング(paichongding)、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、スピロブジクロフェン(spirobudiclofen)、スピロピジオン、テトラメチルフルトリン、テトラニリプロール、テトラクロラントラニリプロール、チゴラネル(tigolaner)、チオキサザフェン、チオフルオキシメート(thiofluoximate)、及び、ヨードメタン;バシルス・フィルムス(Bacillus firmus)に由来する生成物(I-1582,BioNeem,Votivo)、並びに、以下の化合物:1-{2-フルオロ-4-メチル-5-[(2,2,2-トリフルオロエチル)スルフィニル]フェニル}-3-(トリフルオロメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-アミン(WO2006/043635から既知)(CAS 885026-50-6)、{1’-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-エン-1-イル]-5-フルオロスピロ[インドール-3,4’-ピペリジン]-1(2H)-イル}(2-クロロピリジン-4-イル)メタノン(WO2003/106457から既知)(CAS 637360-23-7)、2-クロロ-N-[2-{1-[(2E)-3-(4-クロロフェニル)プロパ-2-エン-1-イル]ピペリジン-4-イル}-4-(トリフルオロメチル)フェニル]イソニコチンアミド(WO2006/003494から既知)(CAS 872999-66-1)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-4-ヒドロキシ-8-メトキシ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-2-オン(WO2010052161から既知)(CAS 1225292-17-0)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-2-オキソ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-4-イル エチルカルボネート(EP2647626から既知)(CAS 1440516-42-6)、4-(ブタ-2-イン-1-イルオキシ)-6-(3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)-5-フルオロピリミジン(WO2004/099160から既知)(CAS 792914-58-0)、PF1364(JP2010/018586から既知)(CAS-Reg.No.1204776-60-2)、(3E)-3-[1-[(6-クロロ-3-ピリジル)メチル]-2-ピリジリデン]-1,1,1-トリフルオロ-プロパン-2-オン(WO2013/144213から既知)(CAS 1461743-15-6)、N-[3-(ベンジルカルバモイル)-4-クロロフェニル]-1-メチル-3-(ペンタフルオロエチル)-4-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(WO2010/051926から既知)(CAS 1226889-14-0)、5-ブロモ-4-クロロ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-(メチルカルバモイル)フェニル]-2-(3-クロロ-2-ピリジル)ピラゾール-3-カルボキサミド(CN103232431から既知)(CAS 1449220-44-3)、4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-(シス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミド、4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-(トランス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミド及び4-[(5S)-5-(3,5-ジクロロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-2-メチル-N-(シス-1-オキシド-3-チエタニル)ベンズアミド(WO2013/050317A1から既知)(CAS 1332628-83-7)、N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]プロパンアミド、(+)-N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]プロパンアミド及び(-)-N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)スルフィニル]プロパンアミド(WO2013/162715A2、WO2013/162716A2、US2014/0213448A1から既知)(CAS 1477923-37-7)、5-[[(2E)-3-クロロ-2-プロペン-1-イル]アミノ]-1-[2,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-[(トリフルオロメチル)スルフィニル]-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル(CN101337937Aから既知)(CAS 1105672-77-2)、3-ブロモ-N-[4-クロロ-2-メチル-6-[(メチルアミノ)チオキソメチル]フェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド、(Liudaibenjiaxuanan、CN103109816Aから既知)(CAS 1232543-85-9);N-[4-クロロ-2-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]-6-メチルフェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-3-(フルオロメトキシ)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(WO2012/034403A1から既知)(CAS 1268277-22-0)、N-[2-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-クロロ-6-メチルフェニル]-3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(WO2011/085575A1から既知)(CAS 1233882-22-8)、4-[3-[2,6-ジクロロ-4-[(3,3-ジクロロ-2-プロペン-1-イル)オキシ]フェノキシ]プロポキシ]-2-メトキシ-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン(CN101337940Aから既知)(CAS 1108184-52-6);(2E)-及び2(Z)-2-[2-(4-シアノフェニル)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-N-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]ヒドラジンカルボキサミド(CN101715774Aから既知)(CAS 1232543-85-9);シクロプロパンカルボン酸-3-(2,2-ジクロロエテニル)-2,2-ジメチル-4-(1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)フェニルエステル(CN103524422Aから既知)(CAS 1542271-46-4);(4aS)-7-クロロ-2,5-ジヒドロ-2-[[(メトキシカルボニル)[4-[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル]アミノ]カルボニル]インデノ[1,2-e][1,3,4]オキサジアジン-4a(3H)-カルボン酸メチルエステル(CN102391261Aから既知)(CAS 1370358-69-2);6-デオキシ-3-O-エチル-2,4-ジ-O-メチル-,1-[N-[4-[1-[4-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ)フェニル]-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]フェニル]カルバメート]-α-L-マンノピラノース(US2014/0275503A1から既知)(CAS 1181213-14-8);8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-トリフルオロメチル-フェノキシ)-3-(6-トリフルオロメチル-ピリダジン-3-イル)-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS 1253850-56-4)、(8-アンチ)-8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-トリフルオロメチル-フェノキシ)-3-(6-トリフルオロメチル-ピリダジン-3-イル)-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS 933798-27-7)、(8-シン)-8-(2-シクロプロピルメトキシ-4-トリフルオロメチル-フェノキシ)-3-(6-トリフルオロメチル-ピリダジン-3-イル)-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン(WO2007040280A1、WO2007040282A1から既知)(CAS 934001-66-8)、N-[3-クロロ-1-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-N-エチル-3-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)チオ]-プロパンアミド(WO2015/058021A1、WO2015/058028A1から既知)(CAS 1477919-27-9)、及び、N-[4-(アミノチオキソメチル)-2-メチル-6-[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]-3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(CN103265527Aから既知)(CAS 1452877-50-7)、5-(1,3-ジオキサン-2-イル)-4-[[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ]-ピリミジン(WO2013/115391A1から既知)(CAS 1449021-97-9)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン(WO2014/187846A1から既知)(CAS 1638765-58-8)、3-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-8-メトキシ-1-メチル-2-オキソ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-3-エン-4-イル-カルボン酸エチルエステル(WO2010/066780A1、WO2011151146A1から既知)(CAS 1229023-00-0)、4-[(5S)-5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[(4R)-2-エチル-3-オキソ-4-イソオキサゾリジニル]-2-メチル-ベンズアミド(WO2011/067272、WO2013/050302から既知)(CAS 1309959-62-3)。
【0112】
少なくとも1種類の活性成分は、好ましくは、上記で記載されているクラス(2)GABA制御塩化物チャネル拮抗薬、(3)ナトリウムチャネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャネル遮断薬、(4)ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)競合的アクチベーター、(23)アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害剤、(28)リアノジン受容体モジュレーター、(30)別の活性成分を含む群から選択される殺虫剤を含む群から選択される。
【0113】
さらに好ましくは、少なくとも1種類の活性成分(a)は、スピロテトラマト、スピロメシフェン、スピドキサメート(IUPAC名: 11-(4-クロロ-2,6-キシリル)-12-ヒドロキシ-1,4-ジオキサ-9-アザジスピロ[4.2.4.2]テトラデカ-11-エン-10-オン)、フルベンジアミド、テトラニリプロール、デルタメトリン、β-シフルトリン、イミダクロプリド、チアクロプリド、エチプロール、フィプロニル、フルオピラム及びフルピラジフロンを含む群から選択される。
【0114】
上記で記載されているクラス(1)~(30)の全ての殺虫剤は、遊離化合物の形態で存在することが可能であり、及び/又は、それらの官能基によって可能であれば、その農薬的に活性な塩の形態で存在することが可能である。
【0115】
さらに、メゾメリック形態及び立体異性体又はエナンチオマーも、適切な場合には、これらの変形が同質異像と同様に当業者にはよく知られているので包含されるべきである。
【0116】
別途示されていないかぎり、本発明において、固体の農薬活性化合物(a)は、融点が20℃を超える、植物の処理に関して慣習的な全ての物質を意味すると理解されるべきである。
【0117】
好ましい実施形態では、殺虫剤として1種類のみの活性成分が存在する。
【0118】
別の実施形態では、製剤は、(a)として2種類の殺虫剤の混合物を含む。
【0119】
代替え的な実施形態では、製剤は、(a)として殺虫剤を含み、及び、混合相手剤として、殺菌剤、除草剤及び薬害軽減剤の群から選択されるさらなる活性成分を含む。
【0120】
有機シリコーン界面活性剤(b)
適切な有機シリコーンエトキシレートは、以下のCAS番号:CAS No.27306-78-1、67674-67-3、134180-76-0を有する有機修飾ポリシロキサン/トリシロキサンアルコキシレート、例えば、Silwet(登録商標)L77、Silwet(登録商標)408、Silwet(登録商標)806、BreakThru(登録商標)S240、BreakThru(登録商標)S278などである。
【0121】
好ましいのは、ポリアルキレンオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサンであり、さらに好ましくは、シロキサン基ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル),.アルファ.-メチル-.オメガ.-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ](CAS No.27306-78-1)、ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル),.アルファ.-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]-.オメガ.-ヒドロキシ(Cas No.67674-67-3)、及び、オキシラン,メチル-,オキシランを含むポリマー,モノ3-1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシジシロキサニルプロピルエーテル(Cas No.134180-76-0)を含む群から選択されるポリアルキレンオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサンである。
【0122】
別の製剤助剤(c)は、以下のものである
(C1) 適切な非イオン性界面活性剤又は分散剤(c1)は、農薬において慣習的に使用可能なこのタイプの全ての物質である。好ましくは、ポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドブロックコポリマー(好ましくは、6000g/molを超える分子量又は45%を超えるポリエチレンオキシド含有量を有する、さらに好ましくは、6000g/モルを超える分子量及び45%を超えるポリエチレンオキシド含有量を有する)、分枝鎖若しくは直鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、脂肪酸又は脂肪酸アルコールとエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの反応生成物、さらに、ポリビニルアルコール、ポリオキシアルキレンアミン誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンのコポリマー、及び、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルのコポリマー、さらに、分枝鎖若しくは直鎖アルキルエトキシレート及びアルキルアリールエトキシレート(ここで、ポリエチレンオキシド-ソルビタン脂肪酸エステルを例として挙げることができる)。上記例のうち、選択されたクラスは、任意に、リン酸化、スルホン化又は硫酸化されていてもよく、及び、塩基で中和されていてもよい。
【0123】
可能な陰イオン界面活性剤(c1)は、農薬において慣習的に使用可能なこのタイプの全ての物質である。アルキルスルホン酸又はアルキルリン酸(alkylphospohric acid)のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、並びに、アルキルアリールスルホン酸又はアルキルアリールリン酸が好ましい。陰イオン性界面活性剤又は分散剤のさらなる好ましい群は、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、ポリビニルスルホン酸の塩、アルキルナフタレンスルホン酸の塩、ナフタレン-スルホン酸-ホルムアルデヒド縮合生成物の塩、ナフタレンスルホン酸とフェノールスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合生成物の塩、及び、リグノスルホン酸の塩である。スルホコハク酸金属塩と1~10個の炭素原子を含む分枝鎖又は直鎖のアルコールとのモノエステル及びジエステル、特に、アルカリ金属塩、さらに特にナトリウム塩,及び、最も特にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム。
【0124】
(C2) レオロジー調整剤は、保存中における分散した活性成分の重力分離を低減させる濃度で処方に加えられた場合に低剪断速度で粘度の実質的な増大をもたらす添加剤である。本発明の目的に関して、低剪断速度は、0.1s-1以下として定義され、及び、実質的な増大は、2倍を超えるとして定義される。粘度は、回転剪断レオメーターで測定することができる。
【0125】
適切なレオロジー調整剤(c2)は、例として、以下のとおりである:
・ キサンタンガム、グアーガム及びヒドロキシエチルセルロースを包含する多糖類。その例は、Kelzan(登録商標)、Rhodopol(登録商標)G及び23、Satiaxane(登録商標)CX911、並びに、Natrosol(登録商標)250rangeである;
・ モンモリロナイト、ベントナイト、セピオライト(sepeolite)、アタパルジャイト、ラポナイト、ヘクトライトを包含する粘土。その例は、Veegum(登録商標)R、VanGel(登録商標)B、Bentone(登録商標)CT、HC、EW、Pangel(登録商標)M100、M200、M300、S、M、W、Attagel(登録商標)50、Laponite(登録商標)RDである;
・ ヒュームドシリカ及び沈降シリカ、その例は、Aerosil(登録商標)200、Sipernat(登録商標)22である。
【0126】
好ましいのは、キサンタンガム、モンモリロナイト粘土、ベントナイト粘土及びヒュームドシリカである。
【0127】
(C3) 適切な消泡性物質(c3)は、この目的のために農薬において慣習的に使用可能な全ての物質である。シリコーン油、シリコーン油調製物が好ましい。その例は、Bluestar Silicones製のSilcolapse(登録商標)426及び432、Wacker製のSilfoam(登録商標)SRE及びSC132、Silchem製のSAF-184(登録商標)、Basildon Chemical Company Ltd製のFoam-Clear ArraPro-S(登録商標)、Momentive製のSAG(登録商標)1572及びSAG(登録商標)30である[ジメチルシロキサン類及びシリコーン類、CAS No.63148-62-9]。好ましいのは、SAG(登録商標)1572である。
【0128】
(C4) 適切な別の製剤助剤(c4)は、殺生物剤、不凍液、着色剤、pH調節剤、緩衝液、安定化剤、抗酸化剤、保湿剤、結晶成長阻害剤、微量栄養素から選択される。これらの例は、以下のものである。
【0129】
可能な防腐剤は、この目的のために農薬において慣習的に使用可能な全ての物質である。防腐剤の適切な例は、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン[CAS-No.26172-55-4]、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン[CAS-No.2682-20-4]又は1.2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン[CAS-No.2634-33-5]を含む調製物である。挙げることができる例は、Preventol(登録商標)D7(Lanxess)、Kathon(登録商標)CG/ICP(Dow)、Acticide(登録商標)SPX(Thor GmbH)及びProxel(登録商標)GXL(Arch Chemicals)である。
【0130】
適切な不凍液は、この目的のために農薬において慣習的に使用可能な全ての物質である。適切な例は、プロピレングリコール、エチレングリコール、尿素及びグリセリンである。
【0131】
可能な着色剤は、この目的のために農薬において慣習的に使用可能な全ての物質である。二酸化チタン、カーボンブラック、酸化亜鉛、青色顔料、Brilliant Blue FCF、赤色顔料及びPermanent Red FGRを例として挙げることができる。
【0132】
可能なpH調節剤及び緩衝液は、この目的のために農薬において慣習的に使用可能な全ての物質である。クエン酸、硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム(NaHPO)、リン酸二水素ナトリウム(NaHPO)、リン酸二水素カリウム(KHPO)、リン酸水素カリウム(KHPO)を例として挙げることができる。
【0133】
適切な安定化剤及び抗酸化剤は、この目的のために農薬において慣習的に使用可能な全ての物質である。ブチルヒドロキシトルエン[3.5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルオール、CAS-No.128-37-0]が好ましい。
【0134】
担体(d)は、農薬製剤においてこの目的のために慣習的に使用可能な担体である。
【0135】
担体は、一般に不活性であり且つ溶媒として機能し得る固体又は液体の天然又は合成の有機又は無機の物質である。担体は、一般に、例えば植物、植物の部分又は種子への化合物の施用を改善する。
【0136】
適切な固体担体の例としては、限定するものではないが、アンモニウム塩、特に、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム及び硝酸アンモニウム、天然岩粉、例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト及びケイ藻土、シリカゲル、並びに、合成岩粉、例えば、微粉化シリカ、アルミナ及びシリケートなどを挙げることができる。顆粒剤を調製するための典型的に有用な固体担体の例としては、限定するものではないが、粉砕して分別した天然岩石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及び苦灰岩、無機及び有機の粉末からなる合成顆粒、並びに、有機材料、例えば、紙、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒などがある。
【0137】
好ましい固体担体は、粘土、タルク及びシリカから選択される。
【0138】
適切な液体担体の例としては、限定するものではないが、水、有機溶媒及びそれを組み合わせたものなどがある。適切な溶媒の例としては、極性及び非極性の有機化学的液体、例えば、以下のクラスから選択されるものなどがある:
・ 芳香族及び非芳香族の炭化水素類(例えば、シクロヘキサン、パラフィン類、アルキルベンゼン類、キシレン、トルエン、テトラヒドロナフタレン、アルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン);
・ アルコール類及びポリオール類(これらは、場合により置換されていてもよく、エーテル化されていてもよく、及び/又は、エステル化されていてもよい;例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール又はグリコール、2-エチルヘキサノール);
・ エーテル類、例えば、ジオクチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルイソソルビド、ソルケタール、シクロペンチルメチルエーテル、Dowによって「Dowanol Product Range」で提供される溶媒、例えば、Dowanol DPM、アニソール、フェネトール、種々の分子量グレードのジメチルポリエチレングリコール、種々の分子量グレードのジメチルポリプロピレングリコール、ジベンジルエーテル;
・ ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、アセトフェノン、プロピオフェノン);
・ エステル類(これは、ナタネ油メチルエステル、ダイズ油メチルエステル、ココナッツ油メチルエステル、2-エチルヘキシルパルミテート、2-エチルヘキシルステアレートなどのメチル化油脂も包含する)、例えば、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸イソボルニル、安息香酸ベンジル、安息香酸ブチル、安息香酸イソプロピル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチル、ベンジル-2-エチルヘキシルアジペート、ジメチル2-メチルグルタレート、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、クエン酸トリメチル、クエン酸トリエチル、トリエチルアセチルシトレート、クエン酸トリブチル、トリブチルアセチルシトレート;
・ 乳酸エステル、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸2-エチルヘキシル;
・ (ポリ)エーテル類、例えば、種々の分子量グレードのポリエチレングリコール、種々の分子量グレードのポリプロピレングリコール;
・ 置換されていない及び置換されているアミン類;
・ アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、又は、N,N-ジメチルラクトアミド、又は、N-ホルミルモルホリン、又は、脂肪酸アミド、例えば、N,N-ジメチルデカンアミド若しくはN,N-ジメチルデカ-9-エンアミド)及びそれらのエステル類;
・ ラクタム類(例えば、2-ピロリドン、又は、N-アルキルピロリドン類、例えば、N-メチルピロリドン、又は、N-ブチルピロリドン、又は、N-オクチルピロリドン、又は、N-ドデシルピロリドン、又は、N-メチルカプロラクタム、N-アルキルカプロラクタム);
・ ラクトン類(例えば、ガンマ-ブチロラクトン、ガンマ-バレロラクトン、デルタ-バレロラクトン、又は、アルファ-メチルガンマ-ブチロラクトン);
・ スルホン類及びスルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド);
・ 植物起源又は動物起源の油、例えば、ヒマワリ油、ナタネ油、トウモロコシ油;
・ ニトリル類(例えば、直鎖アルキルニトリル類又は環状アルキルニトリル類、特に、アセトニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、オクタノニトリル、ドデカノニトリル);
・ 直鎖及び環状の炭酸エステル類、例えば、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジブチル、炭酸ジオクチル、又は、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸グリセリン;
・ リン酸エステル類、例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリス(2-エチルヘキシル);
・ 白色鉱油;
・ 上記の混合物、例えば、RPDE、FMPC A128 I221 “crodamol OP cegesoft 24” CETIOL(登録商標)868、Match 111、Rhodiasol green/25、Miglyol 812N、Agnique ME 610、Agnique ME 890。
【0139】
一実施形態では、液体担体として水が最も好ましい。
【0140】
これらの散布液は、慣習的な方法で、即ち、例えば、散布、流し込み又は注入などによって、特に、散布によって、及び、最も特には、UAVによる散布によって施用する。
【0141】
本発明による製剤の施用量は、比較的広い範囲内で変えることができる。それは、特定の農薬活性物質及びそれらの当該製剤中の量に左右される。
【0142】
本発明による製剤を用いて、農薬活性物質を特に有利な方法で植物及び/又はそれらの生息環境に送達することが可能である。
【0143】
本発明は、さらに、その中に含まれている農薬活性化合物を植物及び/又はそれらの生息環境に施用するための、本発明による農薬組成物の使用も対象とする。
【0144】
本発明の製剤を使用して、全ての植物及び植物の部分を処理することができる。ここで、植物というのは、望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(自然発生した作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味する。作物植物は、慣習的な育種法と最適化法によって、又は、生物工学的方法と遺伝子工学的方法によって、又は、それら方法を組み合わせたものによって得ることが可能な植物であり得る。そのような作物植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、品種所有権によって保護され得る植物品種及び保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、枝条、葉、花及び根などの植物の地上及び地下の全ての部分及び全ての器官を意味し、その例示的なリストには、葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子、並びに、さらに、根、塊茎及び根茎が包含される。植物の部分には、さらに、収穫物、並びに、さらに、栄養繁殖器官及び生殖繁殖器官(vegetative and generative propagation material)も包含される。
【0145】
本発明に関連して強調し得ることは、禾穀類植物、例えば、コムギ、エンバク、オオムギ、スペルトコムギ、ライコムギ及びライムギなどにおける使用に関して、さらにまた、トウモロコシ、ソルガム及びアワ、イネ、サトウキビ、ダイズ、ヒマワリ、ジャガイモ、ワタ、ナタネ、カノラ、タバコ、テンサイ、飼料用ビート、アスパラガス、ホップ、並びに、果実植物(例えば、仁果類、例えば、リンゴ及びナシ、核果類、例えば、モモ、ネクタリン、サクラの木、プラム及びアンズ、柑橘類果実、例えば、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、レモン、キンカン、タンジェリン及びウンシュウミカン、堅果類、例えば、ピスタチオ、アーモンド、クルミ及びペカンナッツ、熱帯果実、例えば、マンゴー、パパイア、パイナップル、ナツメヤシ及びバナナ、並びに、ブドウの木)、並びに、野菜類(例えば、葉菜類、例えば、エンダイブ、ノヂシャ(corn salad)、イタリアウイキョウ(Florence fennel)、レタス、コスレタス、フダンソウ(Swiss chard)、ホウレンソウ及びサラダ用チコリー、キャベツ類、例えば、カリフラワー、ブロッコリ、ハクサイ、ケールキャベツ(Brassica oleracea (L.) convar. acephala var. sabellica L.)(curly kale, feathered cabbage)、コールラビ、メキャベツ(Brussels sprouts)、レッドキャベツ、ホワイトキャベツ及びチリメンキャベツ(Savoy cabbage)、果菜類、例えば、ナス、キュウリ、トウガラシ、テーブルカボチャ、トマト、ズッキーニ及びスイートコーン、根菜類、例えば、根用セロリ、野生カブ、ニンジン(黄色の品種を包含する)、ハツカダイコン(Raphanus sativus var. niger and var. radicula)、ビートルート(beetroot)、スコルツォネラ及びセロリ、豆類、例えば、エンドウ及びインゲンマメ、並びに、ネギ類の野菜、例えば、リーキ及びタマネギ)などにおける使用に関して、本発明の製剤が特に有利な効果を示すということである。
【0146】
本発明の製剤を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法に従って、例えば、浸漬、散布、気化、噴霧、ばらまき若しくは塗布などによって、直接的に行うか、又は、それらの周囲、生息環境若しくは貯蔵所に作用させることにより行い、及び、繁殖器官、特に種子の場合は、さらに、1層若しくは多層のコーティングを施すことによって行う。
【0147】
含まれている当該農薬活性物質は、対応する慣習的な製剤の形態で施用された場合と比較して、優れた生物学的活性を発揮する。
【0148】
葉の表面(表を含む新しい修正バージョン-他の全てのバージョンを置き換える)
表1a及び表1bにおいて、ざらざらしている場合及びざらざらしていない場合の、葉の表面上の水の接触角が示されている。
【表1】
【表2】
【0149】
ざらざらしていない作物及び植物の例としては、トマト、コショウ、ジャガイモ、ニンジン、セロリ、テンサイ、ビートルート、ホウレンソウ、レタス、マメ類、エンドウ豆、クローバー、リンゴ、ナシ、モモ、アンズ、プラム、マンゴー、アボカド、オリーブ、柑橘類、オレンジ、レモン、ライム、ブドウ、イチジク、キュウリ、メロン、スイカ、イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー、ヒマワリ、カボチャ、ダイズ(≧GS16(BBCH16))、トウモロコシ(≧GS15(BBCH15)、ワタを挙げることができる。
【0150】
ざらざらしている作物及び植物の例としては、ニンニク、タマネギ、リーキ、ダイズ(≦GS16(BBCH16))、カラスムギ、コムギ、オオムギ、イネ、サトウキビ、パイナップル、バナナ、アマニ、ユリ、ラン、トウモロコシ(≦GS15(BBCH15))、キャベツ、芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ライムギ、ナタネ、チューリップ及びピーナッツを挙げることができる。
【0151】
ざらざらしていない雑草の例としては、イチビ(Abutilon theophrasti)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、ヨウシュチョウセンアサガオ(Datura stramonium)、ヤエムグラ(Galium aparine)、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)、オオイヌタデ(Polygonum lapathifolium)、スベリヒユ(Portulaca oleracea)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、コハコベ(Stellaria media)、オオオナモミ(Xanthium orientale)、ハマスゲ(Cyperus rotundus)及びアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)を挙げることができる。
【0152】
ざらざらしている雑草の例としては、エビスグサ(Cassia obtusifolia)、シロザ(Chenopodium album)、シバムギ(Agropyron repens)、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)、カラスムギ(Avena fatua)、アレキサンダーグラス(Brachiaria plantaginea)、カラスノチャヒキ(Bromus secalinus)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、オニメヒシバ(Digitaria sanguinalis)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、スズメノカタビラ(Poa annua)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)及びセイバンモロコシ(Sorghum halepense)を挙げることができる。
【0153】
ダイズ及びトウモロコシはその生涯にわたって葉の特性を変化させるので、本発明によれば、葉の特性に関した処理を適合させることが可能であり、即ち、本発明による製剤は、葉が濡れにくい成長段階に適用することができる。
【実施例
【0154】
実施例
方法1: SCの調製
懸濁製剤を調製する方法は当業者に知られており、そして、当業者によく知られている既知方法によって製造することができる。水中のキサンタン(c)と殺生物剤(c)の2%ゲルを、低剪断撹拌で調製した。活性成分(a)、非イオン性及び陰イオン性分散剤(c)、消泡剤(c)及び他の製剤助剤(c)を水と混合させてスラリーを形成させ、最初に、高剪断ローター-ステーターミキサー(Ultra-Turrax(登録商標))を用いて混合してその粒子サイズD(v、0.9)を約50ミクロンに低減させ、次いで、1以上のビーズミル(Eiger(登録商標)250 Mini Motormill)を通過させて、典型的には1~15ミクロンの粒子サイズD(v、0.9)を達成した。次いで、ポリアルキレンオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサン(b)及び上記で調製したキサンタンゲルを添加し、均一になるまで低剪断撹拌で混合させた。最後に、そのpHを、必要に応じて酸又は塩基(e)を用いて調節する。
【0155】
方法2: WGの調製
顆粒水和剤製剤を調製する方法は当業者に知られており、そして、当業者によく知られている既知方法によって製造することができる。
【0156】
例えば、流動床顆粒を製造するためには、最初に、水ベースの製剤用濃厚剤を調製する必要がある。低剪断撹拌しながら、全ての成分(a、b及びc)、例えば、活性成分、界面活性剤、分散剤、結合剤、消泡剤、拡展剤及び増量剤を、水中で混合させ、最後に、高剪断ローター-ステーターミキサー(Ultra-Turrax(登録商標))内で前粉砕して、それらの粒子サイズD(v、0.9)を約50ミクロンに低減させ、その後、1以上のビーズミル(KDL、Bachofen、Dynomill、Buhler、Drais、Lehmann)を通過させて、典型的には1~15ミクロンの粒子サイズD(v、0.9)を達成する。次いで、この水ベースの製剤用濃厚剤を、流動床造粒プロセスで噴霧乾燥させて、顆粒水和剤(WG)を形成させる。
【0157】
粒子サイズは、CIPAC(CIPAC=Collaborative International Pesticides Analytical Council; www.cipac.org)方法MT187に従って決定する。その粒子サイズ分布は、レーザー回折によって決定する。代表的な量のサンプルを周囲温度の脱気水の中に分散させ(サンプルの自己飽和)、超音波で処理し(通常、60秒)、次いで、Malvern Mastersizer シリーズ(Malvern Panalytical)の機器で測定する。その散乱光をマルチエレメント検出器を使用してさまざまな角度で測定し、関連する数値を記録する。フラウンホーファーモデルを用いて、特定のサイズクラスの比率を散乱データから計算し、これから体積加重粒子サイズ分布を計算する。通常、d50値又はd90値=活性成分粒子サイズ(全体積粒子の50%又は90%)が得られる。平均粒子サイズは、d50値を意味する。
【0158】
同様に、造粒法として、他の噴霧プロセス(例えば、古典的な噴霧乾燥)も使用することができる。
【0159】
顆粒水和剤を製造するためのさらなる技術は、例えば、低圧押出しである。当該製剤の成分を乾燥形態で混合させ、その後、粉砕(例えば、エアジェットミルを使用)して、粒子サイズを低減させる。次に、この乾燥粉末を、その混合物に水を加えながら撹拌する(製剤の組成に応じて、約10~30wt%)。さらなる段階において、その混合物を、通常0.8~1.2mmのダイ寸法を有する押出機(例えば、ドーム押出機、ダブルドーム押出機、バスケット押出機、篩ミル、又は、同様の装置)を通して押し出して、押出物を形成させる。最後の段階で、その押出物を後乾燥(例えば、流動床乾燥機内で)させて、当該粉末の含水量を、通常は残留水のレベルが1~3wt%になるまで低減させる。
【0160】
方法3: ECの調製
EC製剤を調製する方法は当業者に知られており、そして、当業者によく知られている既知方法によって製造することができる。一般に、EC製剤は、活性成分(a)を残りの当該製剤成分(これは、とりわけ、界面活性剤(c)、拡展剤(b)、担体(d)を包含する)と撹拌装置を備えた容器の中で混合させることによって得られる。場合により温度を僅かに上昇させる(60℃を超えない)ことで溶解又は混合を促進させる。均一な混合物が得られるまで撹拌を続ける。
【0161】
方法4: ODの調製
製剤成分(c)、担体(d)、活性成分(a)、拡展剤(b)を量り取り、高剪断装置(例えば、Ultraturrax、又は、コロイドミル)を用いて均質化し、次いで、ビーズミル(例えば、Dispermat SL50、80%充填、1.0-1.25mmガラスビーズ、4000rpm、循環粉砕)内で、10μ未満の粒子サイズが達成されるまで粉砕する。あるいは、製剤成分をボトル内で混合させた後、約25体積%の1.0-1.25mmガラスビーズを加える。次に、そのボトルを閉じ、撹拌装置(例えば、Retsch MM301)内に固定し、10μ未満の粒子サイズが達成されるまで、数分間30Hzで処理する。
【0162】
方法5: 被覆面積
これらの実験には、表1a及び表1bに示されている発育段階にある温室植物を使用した。散布実験の直前に一枚の葉を切り、ペトリ皿に入れ、0°(水平)又は60°(葉面積の50%に散布できるように)の両方の先端にテープで貼り付けた。蝋表面の損傷を避けるために、葉は注意して運んだ。これらの水平に向けられた葉は、(a)散布液が水圧ノズルを介して施用される散布チャンバーに入れたか、又は、(b)散布液の4μLの液滴を葉の表面に触れることなく上部にピペットで移した。
【0163】
少量のUV染料を散布液に加えて、散布付着物をUV光の下で視覚化した。その染料の濃度は、散布液の表面特性に影響を与えないように、及び、それ自体が拡展に寄与しないように、選択した。コロイド懸濁液としてのTinopal OBを、WG、SC、OD及びSEのような全てのフロアブル製剤及び固体製剤に使用した。EC、EW及びSLのような活性成分が溶解している製剤には、Tinopal CBS-X又はBlankophor SOLを使用した。Tinopal CBS-Xを水相に溶解させ、及び、Blankophor SOLを油相に溶解させた。
【0164】
散布液が蒸発した後、葉を、Camag、Reprostar 3UV チャンバーの中に入れ、そこで、散布付着物の写真を可視光及び366nmのUV光の下で撮影した。キヤノン EOS700D デジタルカメラをUVチャンバーに取り付け、葉の画像を取得するために使用した。可視光の下で撮影された写真は、背景から葉の形を差し引くために使用した。ImageJソフトウェアを使用して、(a)噴霧された葉に関する施用された散布の被覆面積(%)、又は、(b)ピペットで滴下された液滴の拡展面積(mm)のいずれかを計算した。
【0165】
方法6: 殺虫剤温室試験
殺虫剤温室試験
選択された作物を、「泥炭土T」を含むプラスチック製ポット内で温室条件下で栽培した。適切な作物の生育段階で、植物を、例えば処理の約2日前に標的害虫を蔓延させることによって、処理のために準備した(下記表を参照されたい)。
【0166】
散布溶液は、製剤を水道水で希釈し、必要に応じてタンクミックス中に適切な量の添加剤を添加することにより、さまざまな薬量の活性成分を直接使用して調製した。
【0167】
施用は、トラック散布機を用いて、300L/ha又は10L/haの散布液量で葉の上側に実施した。使用したノズル:LechlerのTeeJet TP8003E(300L/ha用)及びLechlerの652.246とパルス幅モジュール(PWM)(10L/ha用)。施用される各単一薬量について、通常、2~5回の反復を同時に処理した。
【0168】
処理後、植物に、必要に応じて人工的に蔓延させ、試験期間中は温室内又は人工気候室内に維持した。当該処理の効力は、異なる時点における死虫率(一般に、%で与えられる)及び/又は植物保護(例えば対応する対照と比較した食害から計算される)について評価した後で採点した。平均値のみが報告される。
【0169】
下記表は、当該試験において使用した害虫及び作物を示している。
【表3】
【0170】
材料
【表4】
【表5】
【0171】
【0172】
実施例
全ての実施例の製剤は、関連する方法に従って調製した。
【0173】
1. スピロテトラマト/スピロメシフェンSC製剤
表3: スピロテトラマト/スピロメシフェンSC製剤
【表6】
【0174】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【表7】
表4: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量。
【0175】
製剤は、1L/haで施用した。
【0176】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、被覆面積がより高い散布水量でより大きいことを示している。
【0177】
表5: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量。
【0178】
製剤は、1L/haで施用した。
【0179】
上記結果は、10L/haの散布液量で、本発明を例証している処方が本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0180】
表6: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表8】
【0181】
製剤は、1L/haで施用した。
【0182】
表7: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表9】
【0183】
製剤は、1L/haで施用した。
【0184】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0185】
2. スピドキサメートOD
表8: スピドキサメートOD製剤
【表10】
【0186】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【0187】
表9: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表11】
【0188】
製剤は、1L/haで施用した。
【0189】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、より高い散布水量で付着物サイズが同様であるか又はより小さいことを示している。
【0190】
表10: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表12】
【0191】
製剤は、1L/haで施用した。
【0192】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0193】
3. フルベンジアミド、テトラニリプロールSC処方
表11: フルベンジアミド、テトラニリプロールSC処方
【表13】
【0194】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【0195】
表12: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表14】
【0196】
製剤は、1L/haで施用した。
【0197】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、被覆面積がより高い散布水量でより大きいことを示している。
【0198】
表13: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表15】
【0199】
上記結果は、10L/haの散布液量で、本発明を例証している処方が本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0200】
表14: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表16】
【0201】
製剤は、1L/haで施用した。
【0202】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが両方の散布水量で同様であることを示している。
【0203】
表15: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表17】
【0204】
製剤は、1L/haで施用した。
【0205】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0206】
4. フルベンジアミドWG処方
表16: フルベンジアミドWG処方
【表18】
【0207】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【0208】
表17: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表19】
【0209】
製剤は、40g ai/ha又は166g WG/haで施用した。
【0210】
表18: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表20】
【0211】
製剤は、40g ai/ha又は166g WG/haで施用した。
【0212】
上記結果は、本発明を例証している処方が、ざらざらしている葉において200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0213】
5. デルタメトリン、β-シフルトリンSC処方
表19: デルタメトリン、β-シフルトリンSC処方
【表21】
【0214】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【0215】
表20: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表22】
【0216】
製剤は、0.5L/haで施用した。
【0217】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが低散布水量で僅かに大きいことを示している。
【0218】
表21: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表23】
【0219】
製剤は、0.5L/haで施用した。
【0220】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0221】
表22: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表24】
【0222】
製剤は、0.5L/haで施用した。
【0223】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが低散布水量で僅かに大きいことを示している。
【0224】
表23: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表25】
【0225】
製剤は、0.5L/haで施用した。
【0226】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0227】
6. デルタメトリンEC製剤
表24: デルタメトリンEC製剤
【表26】
【0228】
使用した調製方法は、EC調製方法に準じた。
【0229】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【0230】
表25: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表27】
【0231】
製剤は、0.25L/haで施用した。
【0232】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが高散布水量で同様であるか又はより大きいことを示している。
【0233】
表26: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表28】
【0234】
製剤は、0.25L/haで施用した。
【0235】
上記結果は、本発明を例証している処方が、ざらざらしている葉において200L/haよりも20L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0236】
7. クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリド処方
表27: クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリドSC処方
【表29】
【0237】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【0238】
表28: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表30】
【0239】
製剤は、1L/haで施用した。
【0240】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが低散布水量で同様であるか又は僅かに大きいことを示している。
【0241】
表29: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表31】
【0242】
製剤は、1L/haで施用した。
【0243】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0244】
表30: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表32】
【0245】
製剤は、1L/haで施用した。
【0246】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが低散布水量で大きいか又は同様であることを示している。
【0247】
表31: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表33】
【0248】
製剤は、1L/haで施用した。
【0249】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも20L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0250】
表32: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表34】
【0251】
製剤は、1L/haで施用した。
【0252】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが高散布水量でより大きいことを示している。
【0253】
表33: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表35】
【0254】
製剤は、1L/haで施用した。
【0255】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0256】
8. エチプロール、フィプロニル処方
表34: エチプロール、フィプロニルSC処方
【表36】
【0257】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【0258】
表35: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表37】
【0259】
製剤は、0.5L/haで施用した。
【0260】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが高散布水量で僅かに大きいことを示している。
【0261】
表36: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表38】
【0262】
製剤は、0.5L/haで施用した。
【0263】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0264】
表37: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表39】
【0265】
製剤は、1L/haで施用した。
【0266】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが低散布水量で僅かに大きいことを示している。
【0267】
表38: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表40】
【0268】
製剤は、1L/haで施用した。
【0269】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0270】
表39: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表41】
【0271】
製剤は、0.5L/haで施用した。
【0272】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが低散布水量で僅かに大きいことを示している。
【0273】
表40: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表42】
【0274】
製剤は、0.5L/haで施用した。
【0275】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0276】
9. フルオピラム処方
表41: フルオピラムSC処方
【表43】
【0277】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【0278】
表42: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表44】
【0279】
製剤は、1L/haで施用した。
【0280】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが低散布水量で僅かに大きいことを示している。
【0281】
表43: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表45】
【0282】
製剤は、1L/haで施用した。
【0283】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0284】
10. フルピラジフロン処方
表44: フルピラジフロン処方
【表46】
【0285】
BOP
葉の付着物のサイズを被覆面積方法に従って測定した。
【0286】
表45: ざらざらしていない葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表47】
【0287】
製剤は、1L/haで施用した。
【0288】
上記結果は、ざらざらしていない葉において、付着物サイズが低散布水量で僅かに大きいことを示している。
【0289】
表46: ざらざらしている葉における散布希釈液の液滴サイズ及び薬量
【表48】
【0290】
製剤は、1L/haで施用した。
【0291】
上記結果は、本発明を例証している処方が、200L/haよりも10L/haの散布液量でより大きい付着物サイズを示すことを示しており、及び、全ての水量の使用で本発明ではない処方よりも大きい付着物サイズを示すことを示している。
【0292】
11. 温室生物学データ
テトラニリプロールSC040製剤
試験方法: 経層活性に関して、予め発生している1葉期のキャベツ植物、BBCH12の上面に施用する、2反復。
【0293】
表47: キャベツに予め発生しているモモアカアブラムシ(Myzus persicae)の混合個体群に対する生物学的効力(%死虫率)、施用7日後に評価
【表49】
【0294】
上記結果は、本発明による処方が対照処方よりも効果が高いことを示しており、及び、本発明による処方の生物学的効力が300L/haよりも10L/haでより優れていることも示している。
【0295】
イミダクロプリド+エチプロールSC200製剤
試験方法: 接触取り込み及び経口取り込みに関して、ダイズ、BBCH12の上面に施用する、2反復;10匹のミナミアオカメムシ若虫を人工的に寄生させる。
【0296】
表48: ダイズにおけるミナミアオカメムシ(Nezara viridula)(N2 若虫)の混合個体群に対する生物学的効力(%死虫率)、施用3日後に評価
【表50】
【0297】
上記結果は、Silwet HS312を添加することによって、特に10L/haの散布水量において、活性成分の生物学的効力が改善されることを示している。
図1