(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】飲料ディスペンサシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20241021BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022048933
(22)【出願日】2022-03-24
(62)【分割の表示】P 2018526203の分割
【原出願日】2016-11-18
【審査請求日】2022-04-14
(32)【優先日】2015-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】メア・ナチャワティ
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-500108(JP,A)
【文献】特表2010-537913(JP,A)
【文献】特開2014-127168(JP,A)
【文献】特表2010-538399(JP,A)
【文献】国際公開第2015/148089(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/153565(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/144819(WO,A1)
【文献】特表2013-518005(JP,A)
【文献】特表2013-530798(JP,A)
【文献】特開2015-029544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
A47J 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムを含む飲料分配システムと、飲料成分と識別子とを含むカートリッジと、を用いて炭酸飲料を分配する方法であって、
飲料成分を含む前記カートリッジを分配するように構成された前記飲料分配システムに自動販売時点情報管理装置
を提供するステップであって、
前記自動販売時点情報管理装置は
、前記飲料分配システムにおいて前記カートリッジを分配するように構成され、
前記自動販売時点情報管理装置は、販売に関する制限基準に基づいて前記カートリッジを分配するように構成されている、ステップと、
炭酸水と、前記カートリッジ内の前記飲料成分と、を用いて炭酸飲料を分配するように構成された前記飲料分配システムを提供するステップであって、
前記飲料分配システムは、前記通信システムを使用して前記識別子と通信を行い、前記飲料
成分に関連する情報を受信し、前記飲料に関する情報に基づいて前記炭酸飲料を分配するように構成されている、ステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記販売に関する制限基準は、前記カートリッジが分配される時間的制限範囲を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記販売に関する制限基準は、前記カートリッジが分配される地理的制限範囲を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記飲料分配システムからユーザのデバイスに信号を送る通信を含み、
前記飲料分配システムから前記ユーザのデバイスに信号を送る通信は、前記自動販売時点情報管理装置で利用可能な前記カートリッジに関する情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記飲料に関する情報は、カートリッジに関するプロモーション、飲料成分の特別なフレーバ、および期間限定提供に関する詳細の少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記自動販売時点情報管理装置は、ユーザのデバイスにおけるユーザインターフェースを介して前記自動販売時点情報管理装置に送信される前記カートリッジの購入オーダに応じて前記飲料分配システムにおいて前記カートリッジを分配するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
飲料分配システムを用いて飲料を分配する方法であって、
飲料成分を含むカートリッジを前記カートリッジの購入オーダに応じて分配するように構成された飲料分配システムに自動販売時点情報管理装置を提供するステップであって、
前記自動販売時点情報管理装置は
、前記飲料分配システムにおいて前記カートリッジを分配するように構成され、
前記自動販売時点情報管理装置は、販売に関する制限基準に基づいて前記カートリッジを分配するように構成されている、ステップと、
まず、前記飲料分配システムに接続された
前記飲料分配システムにおけるバルブを介して流れる飲料濃縮物を用いて飲料を分配し、次に、前記飲料成分を供給するために前記カートリッジ内の前記飲料成分を用いて飲料を分配するように構成された飲料分配システムを提供するステップであって、
前記飲料分配システムは、
通信システムを使用して
識別子と通信を行い、前記販売に関する制限基準に関連する情報を受信するように構成されている、ステップと、
前記飲料濃縮物又は
前記カートリッジのいずれかを用いて、前記飲料を分配するように前記飲料分配システムを構成するステップと、を含む方法。
【請求項8】
前記販売に関する制限基準は、前記カートリッジが分配される時間的制限範囲を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記販売に関する制限基準は、前記カートリッジが分配される地理的制限範囲を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
通信システムを含む飲料分配システムと、飲料成分と識別子とを含むカートリッジと、を用いて飲料を分配する方法であって、
前記カートリッジを分配するように構成された飲料分配システムに自動販売時点情報管理装置を提供するステップであって、
前記自動販売時点情報管理装置は
、前記飲料分配システムにおいて前記カートリッジを分配するように構成され、
前記自動販売時点情報管理装置は、販売に関する制限基準に基づいて前記カートリッジを分配するように構成されている、ステップと、
前記カートリッジ内の前記飲料成分を用いて飲料を分配するように構成された前記飲料分配システムを提供するステップであって、
前記飲料分配システムは、前記通信システムを使用して前記識別子と通信を行い、前記飲料に関連する情報を受信するように構成されている、ステップと、
前記
カートリッジから前記飲料に関連する情報を受信した後、前記
カートリッジを受けるためのカートリッジホルスタを自動的に位置づけるステップと、
前記飲料分配システムから前記飲料を分配するステップと、を含む方法。
【請求項11】
前記飲料分配システムからユーザのデバイスに信号を送る通信を含み、
前記飲料分配システムから前記ユーザのデバイスに信号を送る通信は、前記自動販売時点情報管理装置で利用可能な前記カートリッジに関する情報を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記カートリッジに関連する情報は、前記飲料分配システムから前記ユーザのデバイスへ信号を送る通信に含まれており、カートリッジに関するプロモーション、飲料成分の特別なフレーバ、および期間限定提供に関する詳細の少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記自動販売時点情報管理装置は、ユーザのデバイスにおけるユーザインターフェースを介して前記自動販売時点情報管理装置に送信される前記カートリッジの購入オーダに応じて前記飲料分配システムにおいて前記カートリッジを分配するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
通信システムを含む飲料分配システムと、飲料成分と識別子とを含むカートリッジと、を用いて期間限定提供飲料を分配する方法であって、
前記飲料分配システムにおいて前記カートリッジを分配するように構成された自動販売時点情報管理
装置を提供するステップであって、
前記自動販売時点情報管理装置は
、前記カートリッジを分配するように構成され、
前記自動販売時点情報管理装置は、期間限定提供飲料に関する情報に基づいて前記カートリッジを分配するように構成されている、ステップと、
前記カートリッジ内の前記飲料成分を用いて飲料を分配するように構成された前記飲料分配システムを提供するステップであって、
前記飲料分配システムは、前記通信システムを使用して前記識別子と通信を行い、前記期間限定提供飲料に関する情報を受信するように構成されている、ステップと、
前記期間限定提供飲料に関する情報を前記カートリッジから受信した後、前記飲料分配システム上に配置されるカートリッジホルスタを、前記カートリッジを受けることができない休止位置から、前記カートリッジを受ける位置に自動的に位置決めするステップと、を含む方法。
【請求項15】
前記飲料分配システムからユーザのデバイスに信号を送る通信を含み、
前記飲料分配システムから前記ユーザのデバイスに信号を送る通信は、前記自動販売時点情報管理
装置で利用可能な前記カートリッジに関する情報を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記期間限定提供飲料に関する情報は、前記飲料分配システムから
ユーザのデバイスに信号を送る通信に含まれており、
前記期間限定提供飲料に関する情報は、前記カートリッジに関するプロモーション、前記飲料成分の特別なフレーバ、および前記期間限定提供
飲料に関する情報の詳細の少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記カートリッジが前記飲料
分配システムの予め決められた範囲内に入った後、前記カートリッジホルスタが位置決めされる、請求項14の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載された実施形態は、全般的には、飲料ディスペンサに関する。特に、実施形態は、飲料ディスペンサに使用されるカートリッジバルブアダプタシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カートリッジバルブアダプタシステムのための様々なシステム及び方法が使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施形態は、カートリッジアダプタシステムを対象とし、カートリッジアダプタシステムは、穿刺デバイスと、穿刺デバイスを受容するように構成された穿刺ポートと、飲料ディスペンサノズルに取り外し可能に連結するように構成されたノズル連結部と、飲料成分を含有するカートリッジに取り外し可能に連結するように構成されたカートリッジ連結部と、を含む、ノズルアダプタと、カートリッジの一部を受容するための受容部を有するカートリッジホルスタと、を備え、穿刺デバイスは、カートリッジを穿刺し、これによって飲料成分を放出させるように構成されている。
【0004】
いくつかの実施形態では、流体調整器は、流体をノズル及びカートリッジから押し出し、これにより、飲料成分と流体とを混合させる。実施形態では、第1の流体調整器は、流体をノズルの中に押し込み、第2の流体調整器は、飲料成分をカートリッジからノズルの中に吸引し、これにより飲料成分と流体とを混合させる。
【0005】
いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタは、カートリッジをカートリッジ受容部に装填及び取り外しできるように、カートリッジ連結部に対して調節可能である。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタは、バルブ100のバルブ本体に調節可能に装着されるように構成されている。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタは、飲料ディスペンサに調節可能に装着されるように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、1杯分の飲料成分を含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは、期間限定提供又は地域限定提供の一部である。いくつかの実施形態では、カートリッジは、バッグ、シェル、ボックス、及びポッドのうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、カートリッジは、再使用可能である。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタは、ノズルアダプタに連結されている場合に、第2の流体調整器を自動的に遮断するように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態は、ポストミックス分配システムを対象とし、ポストミックス分配システムは、飲料ディスペンサノズルと、第1の流体調整器と、第2の流体調整器と、流体調整器を制御するように構成された制御システムと、飲料成分を含有するカートリッジを穿刺し、これにより飲料成分を放出させるように構成された穿刺デバイスと、穿刺デバイスを受容するように構成された穿刺ポートと、ノズルに取り外し可能に連結するように構成されたノズル連結部と、カートリッジに取り外し可能に連結するように構成されたカートリッジ連結部と、を含む、ノズルアダプタと、カートリッジの一部を受容するための受容部を有するカートリッジホルスタと、を備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、制御システムは、第1の流体調整器を制御して、流体をノズル及びカートリッジから押し出し、これにより、飲料成分と流体とを混合させる。いくつかの実施形態では、制御システムは、第1の流体調整器を制御して、流体をノズルの中に押し込み、第2の流体調整器を制御して、飲料成分をカートリッジからノズルの中に吸引し、これにより飲料成分と流体とを混合させる。いくつかの実施形態では、制御システムは、カートリッジホルスタがノズルアダプタに連結されている場合に、第2の流体調整器を自動的に遮断する。
【0009】
いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタは、カートリッジをカートリッジ受容部に装填及び取り外しできるように、カートリッジ連結部に対して調節可能である。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタは、バルブ本体に装着される。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタは、飲料ディスペンサに装着される。
【0010】
いくつかの実施形態は、飲料を製造するための方法に関し、方法は、システムのための飲料成分を含有するカートリッジへのアクセスを提供することと、カートリッジを設置して、カートリッジの一部を受容するための受容部を有するカートリッジホルスタと、飲料ディスペンサノズルに取り外し可能に連結するように構成されたノズル連結部と、カートリッジに取り外し可能に連結するように構成されたカートリッジ連結部と、を含むノズルアダプタと、を備える、カートリッジアダプタシステムに係合することと、飲料成分をカートリッジから放出させることと、流体を流して、流体が飲料成分と混合され、最終飲料を製造することと、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態は、期間限定提供の飲料を製造するための方法に関し、方法は、制限基準に基づいて分配システムのための飲料成分を含有するカートリッジへのアクセスを受容することと、カートリッジを中に設置して、カートリッジの一部を受容するための受容部を有するカートリッジホルスタと、穿刺デバイスと、穿刺デバイスを受容するように構成された穿刺ポートと、飲料ディスペンサノズルに取り外し可能に連結するように構成されたノズル連結部と、カートリッジに取り外し可能に連結するように構成されたカートリッジ連結部と、を含む、ノズルアダプタと、を備える、カートリッジアダプタシステムに係合することと、飲料成分をカートリッジから放出させることと、流体をカートリッジアダプタシステムを通って流して、流体を飲料成分と混合させ、最終飲料を製造することと、を含む。いくつかの実施形態では、流体調整器のうちの1つは、所定の又はプログラムされた体積の流体の流れを調整するように構成されている。いくつかの実施形態では、制限基準は、限定された期間である。いくつかの実施形態では、制限基準は、限定された地理的エリアである。いくつかの実施形態では、方法は、第1の調整器を制御して、流体をノズルの中に押し込み、これにより飲料成分と流体とを混合させることを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1の調整器を制御して、流体をノズルの中に押し込むことと、第2の調整器を制御して、飲料成分をカートリッジからノズルの中に吸引し、これにより飲料成分と流体とを混合させることと、を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、カートリッジホルスタがノズルアダプタに連結されている場合に、第2の調整器を自動的に遮断することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
開示は、添付図面と共に以下の詳細な説明によって容易に理解されるだろう。その際、同様の参照番号は同様の構造的要素を示す。
【0013】
【
図1】実施形態によるカートリッジアダプタシステム、及び実施形態による例示的なカートリッジの分解組立斜視図である。
【0014】
【
図2】実施形態によるカートリッジアダプタシステムを備えるバルブアセンブリの分解組立斜視図である。
【0015】
【
図3A】実施形態によるカートリッジホルスタ及び装着システムの側面図である。
【0016】
【
図3B】実施形態によるカートリッジホルスタ及び装着システムの前面斜視図である。
【0017】
【
図3C】実施形態によるカートリッジホルスタの切断斜視図である。
【0018】
【
図4】実施形態によるカートリッジアダプタシステムを備えるバルブアセンブリの組立斜視図である。
【0019】
【
図5】実施形態によるカートリッジアダプタシステムを備えるバルブアセンブリの部分断面図である。
【0020】
【
図6】実施形態によるカートリッジホルスタ及び装着システムの側面断面図である。
【0021】
【
図7】実施形態によるカートリッジアダプタシステムを備えるバルブアセンブリの組立斜視図である。
【0022】
【
図8】実施形態によるディスペンサバルブの前面右側斜視図である。
【0023】
【
図9】実施形態による内部構成要素を示すためにハウジングを取り外した状態のディスペンサバルブの前方右側斜視図である。
【0024】
【
図10】実施形態による様々な通信構成要素を備えるカートリッジアダプタシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
これから、添付図面に図示されるような(複数の)本発明の実施形態を参照して、本発明を詳細に説明する。「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むわけではないことを示す。更に、このような語句は、必ずしも同一の実施形態を意味しない。更に、実施形態に関連する特定の特徴、構造、又は特性が記載されるとき、明確に記載されているかどうかに関わりなく他の実施形態に関連するかかる特徴、構造、又は特性に影響を与えることは、当業者の知見内であることが提示される。
【0026】
飲料分配ユニットは、飲食店が施設設置型ドリンクサーバ飲料(on-site fountain beverage)を作るための人気の方法となっている。典型的には、これらのユニットは、それぞれが、シロップ及び液体を分配する液体源を含有する複数のバッグインボックス容器と、混合ユニットと、分配ユニットと、を含む。シロップは、バッグインボックス容器から混合ユニット内へポンプで送り込まれ、混合ユニットにおいて、液体と混合されて、その後、分配ユニットを通って分配される飲料を形成する。典型的には、ポンプによって、シロップが、バッグインボックス容器から混合ユニット内へ放出される。
【0027】
従来の飲料分配ユニット及びシステムは、これらが騒音を出す場合があり、利用客の邪魔をする場合があるため、バッグインボックス容器及びポンプを、貯蔵室又は食品調製エリアなどの奥の部屋に位置付けている。分配ユニットは、スタッフ及び/又は利用客がそれにアクセスすることができるように、レストラン又はバーの食品サービスエリアに位置付けられる場合が多い。このユニットは、複数の部屋に位置付けられ、ユニットの一部は、アクセスしにくいので、組み立て、分解、及び整備に時間がかかる。この飲料分配ユニットの組み立て、分解、及び整備は、ユニットの複雑な特性のため、高度な技術を有する技術者によって行われる場合が多い。
【0028】
多くの炭酸飲料及び無炭酸飲料は、市場で手に入り、需要がある。例えば、レストラン、カフェテリア、ファストフード施設などは、飲料ディスペンサを利用する場合が多く、かかる飲料を(カウンターの後ろからか又はセルフサービスかのいずれか一方で)顧客に提供している。これらのディスペンサは、「ポストミックス」飲料分配バルブを使用する場合が多く、2つの別個の流路を使用して、(飲料の種類に応じて炭酸の又は無炭酸の)水と、シロップと、をカップの中に分配し、カップの中で水とシロップとが混合して、飲料を製造する。代わりになるべきものとして、「プレミックス」ディスペンサは、予め混合された飲料を分配し得る。
【0029】
典型的に、ポストミックス飲料分配バルブは、1つのバルブにつき飲料フレーバを1つだけ分配する。ディスペンサが収容できるこれらの「1フレーバ」バルブの数は限定され、それ故に、バルブは、最も人気のあるフレーバ、典型的には炭酸飲料(コーラ、ダイエットコーラ、レモンライム、ルートビアなど)に割り当てられる。追加の無炭酸飲料のフレーバ(例えば、アイスティー、レモネード、ピンクレモネード、フルーツパンチ、ラズベリーアイスティなど)には、追加のディスペンサが必要となる。多くの場合、これらのディスペンサは、飲料分配サイクル間のフレーバの混合を防止するために、1つのフレーバ専用となる。これにより、更にカウンターの空間が占領され、飲料分配コストが増加する。
【0030】
企業は、期間限定提供(「LTO」)の飲料製品を、ボトル及び缶で提供し得る。企業は、何か新しいもの及び新型のものへの興味を生成することにより、増量が可能な、期間限定の刷新した新しいフレーバを提供することができる。特定の製品を入手する機会を制限することにより、需要を衝動させることができ、企業にとって有利であり得る。現在、既存のポストミックス飲料分配設備は、概ね、技術者がシロップラインなどの特定の供給ラインを洗浄又は交換し、新しい製品を装填することが必要なラインの中に既にあるもののみを運搬することができる。かかる集約的システムの分解整備の必要がなく、消費者への期間限定提供を可能にする1杯又は複数杯分用のパッケージにより、食品サービスの顧客が、一人一人に合わせた製品を提供されることは、有利であり得る。
【0031】
このシステムのインフラストラクチャ及び特性により、食品及び飲料施設(例えば、レストラン、コンビニエンスストア、食料品店など)で、LTOを提供することは、切り替えコスト及び設備交換のために、あまり所望されない場合がある。LTOを提供する回転ディスペンサは、ラインを通って流れていた前のシロップのフレーバに起因するフレーバのクロスコンタミネーションを避けるために、シロップのラインなどの構成要素を交換することが必要となり得る。標準的なポストミックスシステムは、概ね、ラインを通ってポンプで送り込まれるシロップ製品のみを分配し得る。フレーバを変えるためには非常に時間がかかり、複雑な切り替えが必要とされ、ライン交換を必要とする、刺激性のフレーバから薄いフレーバへ切り替える際、フレーバの残渣がリスクとなる。
【0032】
加えて、サプライチェーン及び在庫の使用期限管理の観点から、ポストミックス環境におけるLTOは、期限切れが発生しがちである。本明細書の1杯分用のパッケージ又はシステムを利用することにより、廃棄製品を減らし、ユニットを分割して、より小さい形態で、在庫管理をより簡単にすることができる。
【0033】
実施形態によれば、例えば、顧客は、期間限定提供品を購入し、シロップ、濃縮物、粉体などの飲料成分を含有するポッド又は包みなどの、1杯又は複数杯分用のカートリッジ又はパッケージを受け取り得る。いくつかの実施形態では、飲料成分は、冷蔵庫で冷蔵される。消費者は、その後、カートリッジをポストミックスカートリッジアダプタシステム内に配置して、無炭酸水又は炭酸水をカートリッジを通過させて、飲料成分と混合させることができる。こうして、バッグインボックスからシロップが流れることなく、最終飲料が作られる。いくつかの実施形態では、栄養性又は非栄養性甘味料の流れが追加されてもよく、成分のうちの1種がカートリッジ内に配置されなくてもよい3種以上の成分から最終飲料が作られる。
【0034】
いくつかの実施形態では、既存のポストミックスバルブは、カートリッジがノズルと相互作用するように特別に設計されたカートリッジであるように、カートリッジを他の設備なしに受容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタは、カートリッジが配置されるプラットフォームであってもよく、カートリッジをノズルに連結させる。他の実施形態では、カートリッジホルスタは、カートリッジホルスタを前方に移動させて、カートリッジホルスタの受容部内にカートリッジを配置させるために、機械的に又は電気的に調節可能であり得る。いくつかの実施形態では、一旦、カートリッジがカートリッジホルスタ内に配置されると、穿刺デバイスがカートリッジを穿刺する一方でノズルアダプタを介してノズルに連結するように、カートリッジホルスタは、自動的に適所内へ移動することができ、最終飲料を作り始める。
【0035】
いくつかの実施形態では、識別子(例えば、バーコード、RFIDタグなど)がカートリッジに連結され、シロップ含有パッケージを通って分配する液体の体積、炭酸化プラットフォームにおける炭酸のレベル、又は3つの流れのプラットフォーム(例えば、濃縮物、甘味料、水/炭酸水)のための甘さ若しくはブリックスのレベルなどの制御属性をディスペンサに示すように構成されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、飲料中に提供される水又は炭酸水と同様に、栄養性又は非栄養性甘味料の流れが存在してもよい。バルブは、追加の流体の流れを含んでもよい。いくつかの実施形態では、炭酸レベルなどと共にブリックスレベルが制御され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、カートリッジは、1杯分用のパッケージであってもよく、店員から消費者に提供されてもよい。他の実施形態では、カートリッジは、自動販売機を介して消費者に分配されてもよく、又は在庫用に保管されてもよい。いくつかの実施形態では、自動販売機は、冷蔵であってもよく、店員からの対話をほとんど必要としないか又は全く必要としない、カートリッジを分配すると考えられる一体化型販売時点情報管理(「POS」)支払いシステムを備えてもよい。
【0038】
これらの及び他の実施形態は、図面を参照して以下で考察される。しかしながら、これらの図面を参照して本明細書に付与された詳細な説明は、単なる説明の目的であり、限定的であると解釈されるべきではないことを当業者は容易に認識するであろう。
【0039】
図1及び
図2を参照すると、カートリッジアダプタシステム200は、穿刺デバイス202と、ノズルアダプタ208と、カートリッジホルスタ217と、を備え得る。ノズルアダプタ208は、穿刺デバイス202を受容するように構成された穿刺ポート210を含み得る。ノズルアダプタ208はまた、飲料ディスペンサノズル102に取り外し可能に連結するように構成されたノズル連結部212と、飲料成分302を含有するカートリッジ300に取り外し可能に連結するように構成されたカートリッジ連結部214と、を含み得る。ノズルアダプタ208は、細長いアダプタ本体216を含み得る。カートリッジホルスタ217は、カートリッジ300の一部を受容するための受容部220を有し得る。使用時には、穿刺デバイス202は、例えば、刺通部204を備え、カートリッジ300を穿刺するように構成されており、これにより飲料成分を放出させる。いくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、1種以上の流体又は飲料成分302を拡散し得るディフューザ206を含み得る。いくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、ノズル102に置き換えられ得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、バルブ100は、部分制御機構を含み得る。いくつかの実施形態では、刺通部204は、カートリッジ300を穿刺するように構成された先端を備える筒状部材として形成され得る。
【0041】
図8及び
図9は、実施形態によるバルブ100を示す。いくつかの実施形態では、バルブ100は、ポストミックスバルブであってもよい。示されるように、バルブ100は、ノズル102と、ハウジング110と、飲料ディスペンサの飲料分配機能を作動させ得る作動装置104と、を含み得る。
図9は、ハウジング110を取り外した状態の
図8のバルブ100を示す。バルブ100は、第1の調整器106及び第2の調整器108を有し得る。いくつかの実施形態では、更なる調整器が含まれ得る。調整器106及び108は、流体調整器であり得、無炭酸又は炭酸水成分、及びシロップなどの飲料成分302などの流体の流れを調整し得る。いくつかの実施形態では、調整器106/108は、粉末などの他の飲料成分302の流れを調整し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、流体調整器106は、ノズル102及びカートリッジ300を通って押された流体(例えば、無炭酸水又は炭酸水)の流れを制御し、これにより飲料成分302と流体とが混合されて、最終飲料が製造される。いくつかの実施形態では、第1の流体調整器106は、ノズル102の中に押し込まれる流体(例えば、無炭酸水又は炭酸水)の流量を制御し、第2の流体調整器108は、飲料成分302をカートリッジ300からノズル102の中に吸引し、これにより飲料成分と流体とが混合されて、最終飲料が製造される。第2の流体調整器108が飲料成分302をカートリッジ300から吸引するように構成されているいくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、いくつかの実施形態では、省略されてもよい。いくつかの実施形態では、流体調整器106/108は、バルブ、開口などであってもよく、例えば、機械的に又は電気的に操作され得る。いくつかの実施形態では、ポンプ又はインペラが調整器に連結されてもよく、飲料混合パラメータに従って流量を増加又は減少させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、流体及び飲料成分302は、ノズル又はバルブ構成要素内で混合され得る。いくつかの実施形態では、流体及び飲料成分302は、カップ又はマグなどの容器の中に分配されると混合され得る。
【0043】
図1及び
図2に示されるように、いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタ217は、カートリッジ300をカートリッジ受容部220に装填及び取り外しできるように、カートリッジ連結部214に対して調節可能である。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタ217は、バルブ本体に調節可能に装着されるように構成されている。カートリッジホルスタ217は、最終飲料が分配される分配部218を含み得る。分配部218はまた、流体又は飲料成分などの別個の成分を、カップの中で混合するために別々に分配し得る。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタ217は、バルブノズル102の下に配置される。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタ217は、飲料ディスペンサのフレーム又はハウジングに調節可能に装着されるように構成されている。
【0044】
図3A、
図3B、及び
図3Cに示されるように、カートリッジホルスタ217は、カートリッジが空洞内にしっかりと保持されるように、カートリッジ300を受容するように構成されてもよく、カートリッジ300は、カートリッジホルスタ217内に封止される。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタ217は、装着デバイス226を含み得る。装着デバイス226は、バルブ100若しくは別の分配システムの構成要素、又は、壁、調理台、テーブル、若しくはハウジングを含むがこれに限定されないバルブ100に隣接する構造体などの別の構造体に又はこれに隣接して装着することができる。実施形態では、装着デバイス226は、装着部材228、1つ以上の装着アーム230、及び装着面232を含み得る。いくつかの実施形態では、装着部材228は、装着面232で、バルブ100の底面又は縁部上でバルブ100に装着される。この点に関して、カートリッジホルスタ217及び受容部220は、ノズル102の下に調節可能に位置付けられてもよく、作動装置104及び/又はハウジング110との干渉を避けることができる。いくつかの実施形態では、バルブ100は、ホルスタ装着部112を含む。ホルスタ装着部112及びカートリッジホルスタ217は、例えば、締結具システム、摺動可能なダブテールシステム、スナップ嵌めなどによって、取り外し可能に又は固定して連結され得る。いくつかの実施形態では、バルブ100は、カートリッジホルスタ217を一体型構成要素として含む。いくつかの実施形態では、ホルスタ217は、ハウジング110の中に一体化され得る。いくつかの実施形態では、カートリッジ300が配置されるか、又はカートリッジホルスタ217をノズルアダプタ208に連結させるために、カートリッジホルスタ217を所定位置に位置付ける(例えば、下げかつ上げる)動作は、例えば、装着アーム230及び/又はカートリッジホルスタ217に動作可能に接続されている電気モータ、ソレノイドなどの1つ以上の作動構成要素を使用して自動化され得る。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタ217を位置付ける動作は、ばね又は圧縮ピストンなどによって機械的に容易にされ得る。電気的、機械的、又は電気機械的な作動構成要素が、装着デバイス226、バルブ100若しくは別の分配システムの構成要素、又は、壁、調理台、テーブル、若しくはハウジングを含むがこれらに限定されないバルブ100に隣接する構造体に配置され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、1杯分の飲料成分302を含む。いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、期間限定提供又は地域限定提供の一部である。いくつかの実施形態では、カートリッジは、バッグ、シェル、ボックス、ポッド、又はこれらの組み合わせとして構成され得る。いくつかの実施形態では、カートリッジは、シェル材料、及びホイル又は紙などの穿刺可能材料から製造され得る。いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、再使用可能であり、例えば、消費者によって再使用されて、消費者の飲料成分302を追加するか、又は作ることができる。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタ217は、ノズルアダプタ208に連結されている場合に、流体調整器のうちの1つ以上を自動的に遮断するように構成されている。
【0046】
いくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、ノズル102と一体化されてもよく、又はノズル102全体と置き換えられてもよい。いくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、ノズルアダプタ208、カートリッジ300、又はカートリッジホルスタ217と連結し得る。いくつかの実施形態では、ノズル102は、カートリッジ300又はカートリッジホルスタ217と連結し得る。
【0047】
図4~
図7を参照して、バルブ100及びその一部のカートリッジアダプタシステムを備えるバルブアセンブリの様々な図面が、追加の実施形態によって示されている。本明細書で記載されるカートリッジアダプタシステム200の特徴はまた、いくつかの実施形態では、
図4~
図7に示されるカートリッジアダプタシステムに適用することができ、本明細書に記載される
図4~
図7に示されるカートリッジアダプタシステムの特徴はまた、いくつかの実施形態では、カートリッジアダプタシステム200を適用することができる。
【0048】
図5に示されるように、ノズルアダプタ208は、シール500を含んで、バルブ100に直接連結され得る。加えて、ノズルアダプタ208は、カートリッジホルスタ217の先端に配置された封止フランジ236を受容する封止溝234を含み得る。いくつかの実施形態では、封止面は、逆転されてもよい。いくつかの実施形態では、ノズルアダプタ208は、カートリッジホルスタ217から概ね径方向に延びる第2のフランジ240に当接し得る。いくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、カートリッジ300の表面を刺通するように構成された中実又は中空の針を含み得る。いくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、流体がノズルアダプタ208に流入することを可能にするための複数のチャネル238を含み得る。いくつかの実施形態では、ノズルアダプタ208は、流体がカートリッジホルスタ217にカートリッジ300を通って流入することを可能にするための複数のチャネル238を含み得る。いくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、ノズルアダプタ208に機械的に連結され得る。いくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、ノズルアダプタ208に螺結され得る。
図4、
図5、及び
図7に示されるように、いくつかの実施形態では、ノズルアダプタ208は、ホルスタ217上で回転している間に思いがけず外れることを防ぐために、係止システム400を含み得る。いくつかの実施形態では、係止システム400は、ノズルアダプタ208に関連するアダプタ係止部材402と、バルブ100に関連し、アダプタ係止部材402に係合するように構成された、第1のバルブ係止部材404及び第2のバルブ係止部材406と、を含む。いくつかの実施形態では、アダプタ係止部材402は、ノズルアダプタ208とは別個の構成要素であってもよく、又は1つのピースとして一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のバルブ係止部材404及び第2のバルブ係止部材406は、バルブ100とは別個の構成要素であってもよく、又は1つのピースとして一体的に形成されてもよい。係止システム400が係合すると、ホルスタ217は、ノズルアダプタ208に連結されることができ、係止システム400は、ホルスタ217が回転している間にノズルアダプタ208がバルブ100から外れないことを確実にし得る。
【0049】
図6及び
図7に示されるように、いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、飲料成分302を含有するように構成されたカートリッジ300内の内部ライナーを穿刺するように構成された歯242などの内部構造体を含み得る。いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、流体がカートリッジ300を通って流れ得るように、カートリッジ300の下面を穿刺するように構成された歯242などの内部構造体を含み得る。いくつかの実施形態では、歯242は、カートリッジホルスタ217がノズルアダプタ208に連結したときに歯がカートリッジ300の中に押し込まれるように、カートリッジホルスタ217の表面に係合することができる外側部分を含み得る。いくつかの実施形態では、歯242は、内部構造体246に連結され得る。内部構造体246は、カートリッジの開口248を封止するように構成され得る。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタ217は、回転係止システムによってノズルアダプタ208を係止するように構成され得る。
【0050】
実施形態では、刺通部204は、使用中に無炭酸水又は炭酸水などの流体が通って流れるチャネルを有し得る。いくつかの実施形態では、ディフューザ206は、流体と飲料成分302とを混合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、カートリッジホルスタ217は、ホルスタの先端に、流体と飲料成分302とが分配される前に混合され得る(例えば、
図6に示される)静的液体剪断発生部500などの混合部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、静的液体剪断発生部500は、突起、溝、フランジ、リップなどとして構成され得る。いくつかの実施形態では、静的液体剪断発生部500は、ホルスタ217の内面の一部に配置されてもよく、又はホルスタ217の内周全体に沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、静的液体剪断発生部500は、ホルスタ217から取り外し可能な別個の構成要素として構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ノズルアダプタ208は、流体の流れを指向又は拡散させ得る別個のフロープレート250を含み得る。いくつかの実施形態では、穿刺デバイス202は、システムを通る流体の流れを指向させるように構成された偏向面252を含み得る。いくつかの実施形態では、偏向面252は、流体の経路が流路に沿って拡大又は収縮するように、角度をつけられてもよい。いくつかの実施形態では、システムを通る水力直径は多様であってもよい。いくつかの実施形態では、ノズルアダプタ208及びカートリッジホルスタ217はまた、システムを通る流体の流れを制御するための偏向面252を含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態は、飲料を製造するための方法に関し、方法は、システムのための飲料成分を含有するカートリッジへのアクセスを提供することと、カートリッジを設置して、カートリッジの一部を受容するための受容部を有するカートリッジホルスタと、飲料ディスペンサノズルに取り外し可能に連結するように構成されたノズル連結部と、カートリッジに取り外し可能に連結するように構成されたカートリッジ連結部と、を含む、ノズルアダプタと、を含む、カートリッジアダプタシステムに係合することと、飲料成分をカートリッジから放出させることと、流体を流して、流体が飲料成分と混合され、最終飲料が製造されることと、を含む。
【0052】
いくつかの実施形態は、期間限定提供の飲料を製造するための方法に関する。かかる方法は、飲料成分を含有するカートリッジへのアクセスを提供すること、受容すること、又は制限することを含み得る。いくつかの実施形態では、飲料成分は、制限基準に基づいて提供され得る。いくつかの実施形態では、飲料は、ポストミックスプロセスによって形成され得る。いくつかの実施形態では、飲料は、プレミックスプロセスによって形成され得る。実施形態では、カートリッジ300は、カートリッジアダプタシステム200と係合することができ、カートリッジアダプタシステム200は、カートリッジの一部を受容するための受容部を有するカートリッジホルスタ217と、穿刺デバイスと、穿刺デバイスを受容するように構成された穿刺ポートと、飲料ディスペンサノズルに取り外し可能に連結するように構成されたノズル連結部と、カートリッジに取り外し可能に連結するように構成されたカートリッジ連結部と、を含む、ノズルアダプタと、を備えてもよく、飲料成分をカートリッジから放出させ、流体を、ポストミックスカートリッジアダプタシステムを通って流して、流体が飲料成分と混合し、最終飲料を製造することを可能にする。いくつかの実施形態では、制限基準は、限定された期間であり、例えば、6ケ月未満、3ケ月未満、1ケ月未満である。いくつかの実施形態では、限定された期間は、映画館でのロードショー、スポーツのフランチャイズプロモーション、クラウドソースのフレーバコンテストなどの別の期間限定イベントと一致してもよい。いくつかの実施形態では、制限基準は、限定された国での発売、限定された州での発売、又は他の限定された地域での発売などの限定された地理的エリアである。いくつかの実施形態では、限定された地理的エリアは、特定のコンビニエンスストア、又はレストランなどの特定の小売環境であってもよい。いくつかの実施形態では、飲料成分は、企業にとっての主力製品であってもよく、LTOに関連しなくてもよい。いくつかの実施形態では、方法は、第1の調整器を制御して、流体をノズルの中に押し込み、これにより飲料成分と流体とを混合させることを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1の調整器を制御して、流体をノズルの中に押し込むことと、第2の調整器を制御して、飲料成分をカートリッジからノズルの中に吸引し、これにより飲料成分と流体とを混合させることと、を更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、カートリッジホルスタがノズルアダプタに連結されている場合に、第2の調整器を自動的に遮断することを更に含む。
【0053】
上述されたように、いくつかの実施形態では、カートリッジは、1杯分用のパッケージであってもよく、店又はレストランの店員から消費者に提供されてもよい。他の実施形態では、カートリッジは、自動販売機を介して、消費者に分配されてもよく、又は在庫用に保管されてもよい。いくつかの実施形態では、自動販売機は、冷蔵であってもよく、店員からの対話をほとんど必要としないか又は全く必要としない、カートリッジを分配すると考えられる一体化型販売時点情報管理(「POS」)支払いシステムを備えてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、システムは、消費者ではなく店員によって完全に操作されてもよい。
【0055】
図10に示されるように、例えば、いくつかの実施形態では、カートリッジ300若しくはディスペンサ又はカートリッジアダプタシステム200は、顧客のデバイス800(例えば、電話器、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなど)と通信し得る受信部及び/又は送信部602を含み得る。いくつかの実施形態では、この通信により、以前の顧客の嗜好によるカスタマイズを提供し得る。例えば、消費者が、小売の場所内などの、カートリッジ300又はディスペンサに比較的近い距離内にいるとき、あるいはディスペンサを備える特定のレストランの近くを移動しているとき、消費者は、カートリッジ300において入手可能な特別なLTO、プロモーション、特別フレーバなどに関する情報を含むメッセージをデバイス800上で受信し得る。別の例では、消費者は、飲料Aを嗜好し得る。消費者がカートリッジ300又はディスペンサの比較的近い距離内にいるとき、消費者は、飲料Aを作る成分を含有するカートリッジ300を発見及び/又は購入することができる場所を消費者に知らせるメッセージをデバイス800上で受信することができる。いくつかの実施形態では、この通信は、システムの使用方法についての使用説明を含んでもよく、又は消費者のデバイス800上のユーザインターフェースを介して、例えば、カートリッジ300を購入する取引的要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジアダプタシステム200は、デバイス800及び/又はカートリッジアダプタシステム200の構成要素がネットワーク700を経由して通信し得るように、例えば、クラウド又はインターネットなどのネットワーク700を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジ300に関連する受信部/送信部602は、システム200に関連する受信部/送信部602と通信し得る。いくつかの実施形態では、受信部/送信部602は、デバイス800と通信し得る。
図10に示される構成要素間の通信は、一方向又は多方向通信であり得る。いくつかの実施形態では、
図10に示されるある構成要素は、省略されてもよい。
【0056】
様々なソーシャルメディア、及びインスタントシステム及び方法へ組み込むために利用可能な他の通信機構の例は、その全体が参照により本明細書に援用されている米国特許出願公開第2013/0096715号において見出され得る。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、例えば、
図10に示されるように、複数のデバイス800間で、ある個人から別の個人へのギフト飲料に関連する指示を受信するか、あるいはギフト、クーポン、又はプロモーションの受信者が、ギフト、クーポン、又はプロモーションを受信者に送った関係者のメッセージなどの、音声、文章、及び/又は映像メッセージを聞き、かつ/又は見ることを可能にするインターフェースを提供するように構成されていてもよい。
【0057】
図10に示されるように、いくつかの実施形態では、システム200は、顧客のモバイルデバイス800及び/又は顧客によって使用されるモバイルソフトウェアアプリケーションと通信するように構成され得る。それ故に、システム200は、特定の顧客が注文したか、かつ/又は特定の飲料のために支払ったか、かつ/又は顧客に飲料を受け取る権利を与えるクーポン、プロモーションなどを引き換えたかどうかを判断するように構成され得る。
図10に示されるように、例えば、システム200は、例えば、送受信部又はリーダであってもよく、例えば、バーコード、アクティブ型又はパッシブ型RFIDタグなどの識別子600を読み取り得る通信デバイス604を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信デバイス604は、別の送受信部又は通信デバイスと通信するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信デバイス604は、(複数の)コード、(複数の)チェックイン、及び/又はユーザのある(複数の)電子デバイス800、例えば、(複数の)モバイル通信デバイス800の他の認識の検知を可能にすることができ、かかる(複数の)電子デバイス800との通信を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、システムを使用して、慈善団体及び/又は慈善活動との、キャンペーンを含むパートナーシップを作り出すことができる。いくつかの実施形態では、システムは、顧客の識別時に、顧客に飲料プロモーション又は値引きを自動的に提供するように構成され得る。
【0058】
上述されたように、かつ
図10で更に示されるように、例えば、識別子600(例えば、バーコード、アクティブ型又はパッシブ型RFIDタグなど)は、カートリッジ300に連結されてもよく、シロップ含有パッケージを介して分配する液体の体積、炭酸化プラットフォームにおける炭酸のレベル、又は3つの流れのプラットフォーム(例えば、濃縮物、甘味料、水/炭酸水)のための甘さ若しくはブリックスレベルなどの制御属性をディスペンサに示すように構成され得る。いくつかの実施形態では、識別子600に関する情報は、消費者に消費者のデバイス800を介して伝達され得る。いくつかの実施形態では、識別子600は、消費者によって消費者のデバイス800を介して選択されてもよく、飲料の調製に使用するために、システムに伝達され得る。
【0059】
一実施形態では、識別子600(例えば、バーコード、アクティブ型又はパッシブ型RFIDタグなど)は、カートリッジ300に連結されてもよく、カートリッジアダプタシステム200に関連するリーダなどの通信デバイス604は、識別子600を読み取り、識別子600(したがって、カートリッジ300)が所定の範囲内にあるという事実に基づいてシステム200を設定することができる。例えば、消費者が、最近購入したか又は受け取ったカートリッジ300を備えるシステム200に近づいたとき、リーダ604は、識別子600を読み取り、カートリッジホルスタがカートリッジ300を受容する位置にあるように装着アーム230を作動させることによって、システム200を設定し得る。このように、システム200は、使用されない間「オフ」又は「休」位置を維持することができ、消費者がカートリッジ300を備えるシステムに近づいたとき、「オン」又は「使用」位置へ作動させることができる。いくつかの実施形態では、この機能は、デバイス800、カートリッジ300及び/又はシステム200間の通信によって実行することができ、これらは、それぞれの送信部及び/若しくは受信部602、又は追加のネットワーク700を備える。
【0060】
いくつかの実施形態では、システム200及び/又はデバイス間のインターフェース及び通信は、通信ネットワークを介して共にネットワーク化され得る。通信ネットワークとしては、例えば、1)ローカルエリアネットワーク(LAN)、2)(直接的なモデム間接続などの)簡易な地点間ネットワーク、並びに/又は、3)インターネット及び他の商用系ネットワークサービスを含むワイドエリアネットワーク(WAN)が挙げられる。一態様において、インターフェース及び/又はデバイスは、通信ネットワークを介して、あるいはTCP/IP、Ethernet、FTP、HTTP、BLUETOOTH、Wi-Fi、超広帯域無線(UWB)、低電力無線周波数(LPRF)、無線ICタグ(RFID)、赤外線通信、IrDA、第3世代(3G)セルラーデータ通信、第4世代(4G)セルラーデータ通信、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)、又は他のワイヤレス通信ネットワークなどの様々なプロトコルを使用して、ソーシャルメディアコンピュータに接続され得る。システム及び/又はデバイス間のインターフェース及び通信は、物理的に互いに接続されるか、あるいはツイストペア線、同軸ケーブル、光ファイバ、電波又は他の媒体を介して1つ以上のネットワークに接続され得る。一態様では、Flash、HTML5などを含む既知の標準的なプロトコルが使用され得る。
【0061】
本明細書で使用及び図示される際、「ネットワーク」という用語は、遠隔記憶デバイスが1つ以上の通信経路によって共に連結されるシステムだけでなく、ストレージ機能を有するかかるシステムに時々連結され得る独立型デバイスをも含むと、幅広く解釈されるべきである。結果的に、「ネットワーク」という用語は、「物理的ネットワーク」だけでなく、全ての物理的ネットワークに亘って存在する(単一のエンティティに帰属する)データから構成される「コンテントネットワーク」をも含む。本明細書で使用される際、「ネットワーク」はまた、「バーチャルの」サーバ、プロセス、スレッド、又は互いと通信する他の進行中のコンピュータによるプロセスのネットワークを含むことができ、これらのうちのいくつか又は全ては、クライアントサーバ、プロセス、スレッド、又はこの同一のマシン上、他のマシン上、若しくは両方のマシン上の他の進行中のコンピュータによるプロセスに情報を提供し得る単一のマシンにホスティングされ得る。
【0062】
本明細書に記載された特定の実施形態の先述の記載は、図示及び説明の目的のために提示されている。これらの例示的な実施形態は、網羅的であると意図されたものでも、あるいは実施形態を開示された正確な形態に限定するように意図されたものでもない。記載された全ての特定の詳細が、記載された実施形態を実践するために必要とされるわけではない。
【0063】
上述の教示の観点から多くの変形例及び変更例が可能であること、及び当該技術分野の範囲内の知識を適用することによって、過度の実証をすることなく、本発明の全般的な概念から逸脱することなく、かかる特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適応させ得ることが当業者にとって明らかであろう。かかる適応及び修正は、本明細書に提示された教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。
【0064】
「発明を実施するための形態」の節は、「特許請求の範囲」を解釈するために使用されることが意図される。「発明の概要」及び「要約書」の節は、(複数の)発明者によって想到されるように、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を表し得るが、本発明及び特許請求の範囲を限定するように意図されるものではない。
【0065】
特定の機能の実施及びこれらの関係を例示する機能的構成要素の助けにより、本発明を上で説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0066】
本明細書で使用された表現法又は用語法は、本明細書の用語法又は表現法が当業者によって解釈されるように、説明の目的のためであって限定を意図するものではない。
【0067】
本発明の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても制限されるべきではないが、特許請求の範囲及びこれらの等価物に従って規定されるべきである。