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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】オーブンを有する電子レンジ
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20241021BHJP
   F24C 7/00 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
F24C7/02 531B
F24C7/02 501G
F24C7/02 511M
F24C7/02 531C
F24C7/00 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022166914
(22)【出願日】2022-10-18
(62)【分割の表示】P 2021522437の分割
【原出願日】2019-06-18
(65)【公開番号】P2022183270
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】16/215,096
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】ポール・アール・ストーン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ラングネス
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2007-0105794(KR,A)
【文献】実開昭56-168703(JP,U)
【文献】実開昭53-112864(JP,U)
【文献】特開2003-106534(JP,A)
【文献】韓国実用新案第20-0371499(KR,Y1)
【文献】欧州特許出願公開第01367861(EP,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0013762(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0081621(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
F24C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上壁、底壁、後壁および対向する側壁を有する内部を含む、オーブン機能付き電子レンジであって、
前記内部の前記後壁に設けられた凹みに埋め込まれており、展開位置に開放可能なヒンジドアと、
前記ヒンジドアに固定され、前記ヒンジドアが展開されたときに前記ヒンジドアの上に且つ実質的に水平に位置決めされるように露出される下部加熱素子と、
前記下部加熱素子から離間して、前記内部の前記上壁に近接して配置される上部加熱素子と、
コントローラであって、プロセッサと、それに付随するデータメモリと、ユーザインタフェースとを有し、電気信号を受信して前記電気信号を前記オーブン機能付き電子レンジの複数の電気部品に供給するための複数の入力および出力を有し、前記ユーザインタフェースからの入力に応答して出力を供給して、電力を前記上部加熱素子及び前記下部加熱素子に供給する前記コントローラと、
前記ヒンジドアの展開位置を検出するためのセンサと、を含み、
前記上部加熱素子および前記下部加熱素子は、オーブン機能を提供する加熱素子から構成されており、
前記センサの出力は前記コントローラの入力に操作可能に接続され、前記センサが前記ヒンジドアの展開位置を検出した場合、前記コントローラは、前記オーブン機能付き電子レンジに対してマイクロ波を用いた加熱動作を禁止する、
ことを特徴とするオーブン機能付き電子レンジ。
【請求項2】
マイクロ波の放射を遮断するために前記上部加熱素子の下方に固定されたグリッドを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のオーブン機能付き電子レンジ。
【請求項3】
前記上部加熱素子および前記グリッドは、前記内部の前記上壁に設けられた凹みに埋め込まれている、
ことを特徴とする請求項2に記載のオーブン機能付き電子レンジ。
【請求項4】
前記下部加熱素子から食品に熱を導くために前記ヒンジドアに固定された反射面を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のオーブン機能付き電子レンジ。
【請求項5】
食品を支持するために前記下部加熱素子から離間した関係で前記ヒンジドアに固定されたラックを含む、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のオーブン機能付き電子レンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年12月10日に出願された米国特許出願第16/215,096号の優先権を主張しており、これにより、本願の全体が引用により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電気器具製造産業においては、多機能装置を提供することが望まれており、特にキッチン用電気器具のためのカウンタースペースおよび壁スペースを節約する手段として使用されている。例えば、氷および水分配器を有する冷蔵庫、ならびに従来のオーブン、対流オーブンおよび電子レンジとして使用されるオーブンは、多くの家庭で一般的になってきている。
【0003】
ほとんどの現在のキッチンでは、電子レンジ(またはカウンターに設置された独立した装置として、または従来のオーブンの一部として)およびオーブンまたはベーキングオーブンを使用し、これら2つの装置は、2つの全く異なる調理機能を提供するからである。電子レンジが壁に埋め込まれていたり、コンロまたはコンロ面の上方に取り付けられていたりした場合であっても、別のベーキングオーブンを使用するには余分なカウンタースペースが必要となり、このスペースは小キッチンでは非常に貴重なものとなり得る。
【0004】
一部の電気器具製造業者は、ベーキングチャンバがマイクロ波チャンバとは別個に設けられかつ異なる電子レンジとベーキングオーブンの組合せ電気器具を提供することによって、この問題を解決しようと試みてきた。しかし、この解決策には多くの欠点がある。例えば、2つの別個の調理室を設ける必要があるため、電気器具の全体的な寸法がかなり大きくなり、知覚される利点がなくなる可能性がある。さらに、全体的な寸法を縮小するために、一部の製造業者は、10~12インチの個人用ピザおよびトウモロコシ粉の薄い焼き餅のような物品をユーザがベーキングしたり調理したりすることを防止する小さなベイクチャンバを提供してきた。
【0005】
上記から容易に理解されるように、当技術分野では、2つの操作のために同じ調理室を使用するベーキングオーブンと組み合わせた電子レンジが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、一体型のベーキングオーブンを有する組合せ電子レンジを提供するためのシステムおよび装置に関する。本明細書に記載のシステムは、従来の電子レンジ内部で食品をベーキングするための様々な装置を提供し、それにより、既存の別個の電子レンジおよびベーキングオーブンの代わりとなり、キッチンスペースを節約できる二重目的の調理器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
様々な実施形態において、本明細書に開示されるシステムは、システムのマイクロ波およびベーキング機能を操作および制御するために設けられた制御システムによってオーブンまたはベーキングオーブンとして操作可能な、従来の電子レンジの内部に取り付けられた少なくとも1対の離間した加熱素子を提供する。様々な実施形態において、下部加熱素子は、電子レンジ内部の後壁に凹んでおり、使用のために所望のときに展開されてもよい。いくつかの実施形態において、制御システムは、スイッチまたは他のインジケータを監視して、システムのベーキング機能が使用されているか否かを判定し、それによってマイクロ波操作を無効にする。
【0008】
他の実施形態において、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、1つまたは複数の上部加熱素子を含むことができ、これらの加熱素子は、電子レンジ内部の上壁または天板内に凹んでおり、マイクロ波放射が加熱素子に伝達されないように、メッシュまたはグリルで覆われている。これらの実施形態において、1つまたは複数の下部加熱素子は、電子レンジ内部から離れて展開位置に枢動またはヒンジ結合された調節可能なトレイまたは棚によって上部加熱素子から分離されてもよい。トレイはまた、上部素子と下部素子との間に食品を置くことを可能にする金属ラックまたは棚を含むことができる。
【0009】
いくつかの態様および実施形態において、下部加熱素子は、マイクロ波放射による下部加熱素子の損傷を防ぐために、電子レンジ底部のガラス底板または板下方に取り付けられ、メッシュまたはグリルで覆われてもよい。これらの実施形態において、調理すべき食品を位置決めするための金属ラックを、上部素子と下部素子との間に配置することができる。
【0010】
様々な態様および実施形態において、本明細書に記載のシステムは、一体型の加熱素子を有する上部トレイおよび下部トレイを含むドロップダウンベーキングチャンバを含むことができる。ベーキングチャンバは、複数の枢動アームによって電子レンジの内面に固定されてもよく、これらの枢動アームは、チャンバを使用時に所定の位置にヒンジ結合させ、非使用時に電子レンジの内部の頂部に格納することを可能にする。いくつかの態様および実施形態において、ベーキングチャンバの上部トレイおよび下部トレイは、調理すべき食品のために異なるベーキング水平および異なる寸法を提供するために、調節可能に分離される。
【0011】
本開示の目的のために本明細書で使用される場合、用語「電気器具」は、一般に、電力を消費し、回路または電池に接続され得る任意の装置と同義であり、当該装置を含むものと理解されるべきであり、例えば、業務を遂行するために住宅や業務環境で使用される装置である。本明細書で使用される電気器具は、制御ノブ、ユーザインタフェースまたはセレクタを操作することによって操作可能な、回路によって給電される複数の電気的操作部材を含むことができる。電気器具はまた、電気器具および本明細書を通して言及される様々な部材および機能を操作、制御および監視する1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。
【0012】
用語「電子レンジ」は、本明細書では、調理用途で一般的に使用され、1つまたは複数の物品を所望の温度に加熱するためにマイクロ波エネルギーを提供する様々な従来の電気器具を説明するために一般的に使用される。電子レンジは、限定されるものではないが、カウンターおよび埋め込み装置を含む、マイクロ波を利用する任意の従来のオーブンを含む。
【0013】
用語「コントローラ」または「プロセッサ」は、本明細書では、システムの操作に関連する様々な装置および本明細書で言及する電気器具を説明するために一般的に使用される。コントローラは、本明細書で説明する様々な機能を実行する多くの方法で(例えば、専用ハードウェアを用いて)実装することができる。「プロセッサ」は、本明細書で説明する様々な機能を実行するためにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされ得る1つまたは複数のマイクロプロセッサを採用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサの有無にかかわらず実装でき、一部の機能を実行する専用のハードウェアと他の機能を実行するプロセッサ(例えば、1つまたは複数のプログラムされたマイクロプロセッサおよび関連する回路)の組み合わせとして実装されてもよい。本開示の様々な実施形態で用いることができるコントローラ部材の例としては、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理コントローラ(PLC)およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
プロセッサまたはコントローラは、1つまたは複数の記憶媒体(本明細書では一般に「メモリ」と呼ばれ、例えば、揮発性および不揮発性コンピュータメモリ(RAM、PROM、EPROMおよびEEPROMなど)、フロッピーディスク、圧縮ディスク、光ディスク、テープなど)と関連付けられていてもよい。いくつかの実施形態において、記憶媒体は、1つまたは複数のプロセッサおよび/またはコントローラ上で実行されるときに、本明細書で説明される少なくともいくつかの機能を実行する1つまたは複数のプログラムによって符号化されてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサまたはコントローラ内に固定されていてもよいし、その上に記憶された1つまたは複数のプログラムをプロセッサまたはコントローラにロードして、本明細書で論じられる本開示の様々な態様を実施するように輸送されてもよい。用語「プログラム」または「コンピュータプログラム」は、本明細書では、1つまたは複数のプロセッサまたはコントローラをプログラムするために使用され得る任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェアまたはマイクロコード)を指す一般的な意味で使用される。
【0015】
用語「インターネット」または同義の「モノのインターネット」は、標準化された通信プロトコルを使用する相互接続ネットワークを含む、様々な情報および通信設備を提供するグローバルコンピュータネットワークを指す。本明細書で言及される電気器具、コントローラ、およびプロセッサは、インターネットに操作可能に接続されてもよい。
【0016】
前述の概念および以下により詳細に説明される他の概念の全ての組み合わせ(そのような概念が互いに一致する場合)は、本明細書に開示される発明の主題の一部であることを理解されたい。具体的には、本開示の最後に現れる特許請求の範囲に記載された主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示された主題の一部であると考えられる。本明細書に明示的に使用される用語は、本明細書に開示された特定の概念と最も一致する意味で、引用によって組み込まれたいずれの開示にも存在し得ることも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面において、同一の参照符号は、一般に、異なる図を通して同一の部品に言及している。図面は必ずしも等比率である必要はない。むしろ本開示の原理を例示することに重点が置かれることが多く、ここで、
図1】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図2】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図3】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図4】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図5】いくつかの態様および実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの背面斜視図である。
図6】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図7】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図8】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図9】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図10】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図11】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図12】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図13】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図14】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図15】様々な実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図16】いくつかの態様および実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの例示的な制御システムのブロック図である。
図17】いくつかの態様および実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの斜視図である。
図18】いくつかの態様および実施形態に係るマイクロ波ベーキングオーブンの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図18を参照すると、本発明の様々な態様および実施形態によれば、電子レンジとベーキングオーブン電気器具100を組み合わせるためのシステム10が記載されている。様々な実施形態において、システム10を実装する電気器具100は、電気器具100を操作し、本明細書に記載のシステム10の様々な実施形態および態様を実施する、電気器具100に統合されたコントローラ200を含むことができる。
【0019】
図16は、本明細書でさらに詳細に後述するように、電気器具100の様々な機能および特徴を制御するための例示的なオーブン100のハードウェア環境を示す。システム10は、コントローラ200と、1つまたは複数のプロセッサ202と、付随するメモリ204とを含むことができる。電気器具100はまた、複数の電気器具10部材に操作可能に接続されてシステム10の操作を監視し、命令することができる複数の信号出力210および信号入力220を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態において、コントローラ200は、無線またはハードワイヤード通信インタフェース230を含むことができ、当該インタフェースにより、コントローラ200は、システム10に統合可能な外部装置またはインターネットなどの通信ネットワークと通信することができる。
【0020】
また、コントローラ200は、オペレータまたはユーザインタフェース240を備えることができ、当該インタフェースはユーザに聴覚的または視覚的フィードバックを提供し、コントローラ200に命令またはコマンドを提供する能力をユーザに提供する。使用することができる例示的で非限定的なユーザインタフェースには、マウス、キーパッド、タッチスクリーン、キーボード、スイッチ、および/またはタッチパッドが含まれる。本発明の範囲から逸脱することなく、任意のユーザインタフェースを本発明に使用することができる。図1は、いくつかの態様において抽象概念を構成し、電気器具100およびコントローラ200の部材の実際の組織は、図示したものよりも複雑であり得ることを理解されたい。
【0021】
プロセッサ202は、メモリ204またはデータストレージ206に記憶された命令を実行するか、またはデータを他の方法で処理することができる任意のハードウェア装置であってもよい。したがって、プロセッサは、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)または他の同様の装置を含んでいてもよい。
【0022】
メモリ204は、L1、L2またはL3高速キャッシュまたはシステムメモリなどの様々なメモリを含むことができる。したがって、メモリ204は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)または他の同様の記憶装置を含むことができる。プロセッサが、本明細書に記載の1つまたは複数の機能をハードウェアで実装する1つまたは複数のASIC(または他の処理装置)を含む実施形態において、他の実施形態においてそのような機能に対応するものとして説明するソフトウェアを省略することができることは明らかであろう。
【0023】
ユーザインタフェース240は、管理者などのユーザとの通信を可能にするための1つまたは複数の装置を含むことができる。例えば、ユーザインタフェース240は、ユーザコマンドを受信するためのディスプレイ、マウス、およびキーボードを含むことができる。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース240は、通信インタフェース230を介してリモート端末に提示され得るコマンドラインインタフェースまたはグラフィカルユーザインタフェースを含むことができる。
【0024】
通信インタフェース230は、他のハードウェア装置との通信を可能にするための1つまたは複数の装置を含むことができる。例えば、通信インタフェース230は、イーサネットプロトコルに従って通信するように構成されたネットワークインタフェースカード(NIC)を含むことができる。また、通信インタフェース230は、TCP/IPプロトコルに従って通信のためのTCP/IPスタックを実装することができる。通信インタフェース230の様々なオプションまたは追加のハードウェアまたは構成が明らかになるであろう。
【0025】
ストレージ206は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリ装置または同様の記憶媒体などの1つまたは複数の機械可読記憶媒体を含むことができる。様々な実施形態において、ストレージ206は、プロセッサ202によって実行される命令またはプロセッサ202によって操作可能なデータを記憶することができる。例えば、ストレージ206は、ハードウェアの様々な基本操作を制御するための基本オペレーティングシステムを記憶することができる。以下に詳述する実施形態によれば、システム10の様々な機能を実行するために、他の命令セットをストレージ206に記憶することができる。
【0026】
ストレージ206に記憶されていると説明されている様々な情報が、メモリ204に追加的にまたは代替的に記憶されてもよいことは明らかであろう。この点に関して、メモリ204は、「記憶装置」を構成すると考えることもでき、ストレージ206は、「メモリ」であるとも考えられる。様々な他の構成が明らかになるであろう。さらに、メモリ204およびストレージ206の両方は、「非一時的機械可読媒体」と考えることができる。本明細書で使用するとき、用語「非一時的」は、一時的な信号を除外するものと理解されるが、揮発性および不揮発性メモリの両方を含む全ての形態のストレージを含む。
【0027】
コントローラ200は、説明した各部材のうちの1つを含むように示されているが、様々な実施形態において、様々な部材を複製することができる。例えば、プロセッサ202は、本明細書に記載の方法を独立して実行するように構成されるか、または本明細書に記載の方法のステップまたはサブルーチンを実行するように構成される複数のマイクロプロセッサを含むことができ、複数のプロセッサが協働して本明細書に記載の機能を実現することができる。
【0028】
ここで図1図5を参照すると、いくつかの態様および実施形態によれば、組合せ電子レンジ100およびベーキングオーブン110は、当技術分野で知られているように、調理される食品(図示せず)を囲むオーブン内部チャンバ102を含む。組合せオーブン100は、従来の電子レンジ100およびそれに付随する構造および制御装置を含むことに留意されたい。これらの実施形態において、電子レンジ100の操作特性として、従来のターンテーブル106を設けることができる。組合せオーブン100はまた、オーブン100の後壁104内に、後壁104内のドア120を開閉および固定するためのノブまたは留め具122を含む、下向きに折り畳まれた後部ドア120を組み込むオーブン110を含む。いくつかの実施形態において、ドア120は、上下に回転するように単純にヒンジ結合され、上方または格納位置にあるときに後壁104と面一に協働する。
【0029】
図2図5に最もよく描かれているように、様々な実施形態によれば、ドア120は、開放位置において、下部オーブン加熱素子124と、下部加熱素子124の上方に位置決めされかつそれから離間された金属ラック126と、を露出させる。図4に描かれているように、オーブン100の上壁108に凹んだ上部加熱素子128も、ラック126上に置かれた食品を加熱するために設けられている。さらに、上部加熱素子128を覆うように天井グリル130が設けられ、加熱素子128へのマイクロ波放射を遮断する。
【0030】
様々な態様において、加熱素子124および128は、本発明の範囲から逸脱することなく、石英加熱素子、抵抗加熱素子または様々な電動加熱素子のいずれであってもよい。いくつかの態様および実施形態において、コントローラ200は、電子レンジ100が使用されるときにオーブン110の操作を禁止する適切な命令セットが設定される。さらに、いくつかの実施形態において、制限または近接スイッチ132のようなセンサまたはスイッチ132は、ドア120の近傍に取り付けられ、または固定されて、その開閉を感知することができる。スイッチ132は、ドア120が閉鎖位置にあることを示す出力134をコントローラ200の入力220に提供することができる。コントローラ200は、ドア120が上方または格納位置にあることをスイッチ132が示していない限り、電子レンジ100の操作を無効にして、2つのオーブンの安全な操作を提供する命令を含む。
【0031】
別の実施形態において、コントローラ200は、ユーザのオーブンへの入力に基づいて下部加熱素子124および上部加熱素子128に電力を供給するために、複数の出力210を提供することもできる。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース240を介して複数のベーキング暗さ設定、ひいては上部加熱素子128のみが電力供給されるメドレー機能をユーザに提供することができ、この設定により、ユーザは、例えば、明るい、中程度、または暗いベーキングを選択することができる。このようにして、オーブン110は、電子レンジ100の内部102に組み込まれながら、独立したベーキングオーブンとして機能することができる。
【0032】
図5に描かれているようないくつかの態様および実施形態において、オーブン110、折り畳みドア120、下部加熱素子124および金属ラック126は、電子レンジ100の後部からわずかに突出するハウジング138を備えることができる。当該ハウジング138は、電子レンジ100の全体的な外形寸法をわずかに増加させながら、使用しないときにドア120および下部加熱素子124を格納するためのスペースを提供する。
【0033】
ここで図6図8を参照すると、いくつかの実施形態によれば、オーブン100のオーブン110は、図6に最もよく見られるように、必要になるまでオーブン底板112内のオーブン内部102の後壁104に隣接する閉鎖位置に格納されることができるスライドアウトトレイ140を備えてもよい。スライドアウトトレイ140は、図7および図8に示すように、使用のために手動または電動で展開されることができ、トレイ140は、図7の矢印7で示すように、オーブン100の内部102に外向きに移動される。一実施形態では、プロセッサ200は、ソレノイドまたはモータに出力を提供して、トレイ140を展開位置または格納位置に押したり引いたりする。下部加熱素子124は、ベーキングオーブン110の操作のためにトレイ140に取り付けられる。本発明のこの実施形態では、上部加熱素子128は、図8に描かれているように、マイクロ波放射保護のために付随するグリル130を備えるオーブン110の頂部に配置することができる。コントローラ200には、スライドアウトトレイ140が格納位置にない限り、電子レンジ100の操作を無効にして、2つのオーブンの安全な操作を提供する命令を設定することができる。
【0034】
ここで図9図13を参照すると、様々な実施形態によれば、電子レンジ100は、図9に描かれているような開放(ベーキング)位置または図10に描かれているような閉鎖位置に位置決めされることができるドロップダウントレイ300を備えてもよい。いくつかの実施形態において、スイッチ132、例えば制限または近接スイッチ132は、ドロップダウントレイ300の開閉を感知するために取り付けられる。スイッチ132は、トレイ300が閉鎖位置にあることを示す出力134を、コントローラ200の入力220に提供することができる。コントローラ200は、ドロップダウントレイ300が上方または格納位置にあることをスイッチ132が示していない限り、電子レンジ100の操作を無効にして、2つのオーブンの安全な操作を提供する命令を含む。
【0035】
ドロップダウントレイ300は、ドロップダウントレイ300を適切な位置に降下させるために開放位置または展開位置まで延在する複数の枢動アーム302によって内部102の上部に固定される。図11図14に最もよく見られるように、下部加熱素子124または複数の下部加熱素子は、ドロップダウントレイ300に取り付けられる。電力は、コントローラ200の出力210を介して加熱素子124に供給することができる。本発明の一実施形態において、電気配線または導体は、枢動アーム302の一体部分として配線することができる。前の実施形態と同様に、上部加熱素子128は、図13に描かれているように、マイクロ波放射保護のために付随するグリル130を備えるオーブン110の頂部に配置することができる。図12および図13に描かれているような様々な非限定的な実施形態では、金属ラック126は、食品2がベーキングのために置かれ得るドロップダウントレイ300に設けられてもよい。いくつかの実施形態において、ドロップダウントレイは、反射面129または下部加熱素子124から食品2に熱を上向きに導くための表面を含むことができる。
【0036】
ここで図14図15を参照すると、非限定的な例示的実施形態において、本明細書では、例示の目的のために、電子レンジ100の内部102に取り付けることができるドロップダウンベーキングチャンバ400が提供される。ドロップダウンベーキングチャンバ400は、いくつかの実施形態において、スロット404を内部に有するトラック402として成形され得る1対の離間した取り付けリンク402を含む。取り付けリンク402は、図15に描かれているように、オーブン100の内部102の上面に固定される。2対のリフトアーム406、407は、一方のアーム406の先端がリンクに枢動可能に固定され、他方のアーム407の先端がスロット404によって摺動可能に係合されるように取り付けリンク402に固定される。各対のリフトアーム406、407は、その中央部408の近傍で枢動可能に固定されており、その結果、各対のリフトアームは、ベーキングチャンバ400を昇降させるための剪断装置を実質的に形成する。
【0037】
ベーキングチャンバ400は、下部トレイおよび一体型加熱素子420、ならびに上部トレイおよび一体型加熱素子430によって形成される。下部トレイ420には、対向側に、一方のリフトアーム406の第2端部と係合する1対の離間したスロット422が設けられている。次に、他方のリフトアーム407の第2端部は、下部トレイ420の点に固定され、したがって、各対のリフトアーム406、407は、ベーキングチャンバ400を下降および上昇させるはさみ式リフトとして操作する。下部トレイおよび加熱素子420はまた、異なる食品を収容するようにベーキングチャンバ400の寸法を変更するための成形スロット428をその中に含む1対の対向側426を含む。上部トレイおよび加熱素子430はまた、下部トレイ420の当該対向側426と係合する1対の対向側436を含む。上部トレイ430はまた、上部トレイ430および下部トレイ420が複数の距離で互いに離間して、ベーキングチャンバ400内に配置された食品に供給される熱を増減させるように、温度調節スロット428と係合する1対の調節ピン438を含む。
【0038】
本発明のさらに別の実施形態において、電力は、コントローラ200の出力210を介してリフトアーム406、407の助けを借りて下部トレイ420および上部トレイ430に供給することができる。本発明の一実施形態において、電気配線または導体は、リフトアーム406、407の一体部分として配線することができ、アーム406、407を上部トレイ430および下部トレイ420にそれぞれ固定するための留め具およびリベットによって伝導される。
【0039】
図17図18に最もよく見られるように、いくつかの実施形態によれば、電子レンジ110は、下部加熱素子124が位置決めされ得る凹部114を覆うガラス底板112またはガラス底板112の一部を含むことができる。金属グリル130は、マイクロ波放射が加熱素子124に到達するのを遮断するように、下部加熱素子124を覆うようにガラス底板112の下方に配置される。ガラス底板は、加熱素子124からの熱放射を上向きに放射させ、下部加熱素子124を飛沫、食品粒子などから保護し、下部加熱素子124の上方に位置決めされ、それから離間された金属ラック126はベーキングのための食品の配置を容易にする。図4に描かれ、本明細書で上述されているように、オーブン100の上壁108内に凹んだ上部加熱素子128も、ラック126上に配置された食品を上方から加熱するために設けられている。本発明のこの実施形態では、上部加熱素子128および下部加熱素子124の両方が電子レンジ100の内部102の上面および下面に凹んでいるので、オーブン110は電子レンジ100の内部102に一体的に配置される。ユーザは、物品をベーキングしたり調理したりするために、電子レンジ100の内部102にラック126を置くだけでよい。いくつかの態様および実施形態では、コントローラ200には、電子レンジ100が使用されるときにオーブン110の操作を禁止する適切な命令セットが設定される。
【0040】
本明細書において様々な発明の実施形態が説明され例示されたが、当業者には理解されるように、本明細書に記載の機能を行うため、および/または本明細書に記載の結果および/または本明細書に記載の利点のうちの1つもしくは複数を得るための様々な他の方法、システムおよび/または構造が可能であり、さらに理解されるように、このような変形および/または改良のそれぞれは、本明細書に記載の発明の実施形態の範囲内にある。当業者は、本明細書に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本教示が使用される具体的な用途に依存することを理解するであろう。当業者は、単に日常的な実験を用いて、本明細書に記載の具体的な発明の実施形態に対する多くの均等物を認識または確認することが可能であろう。したがって、前述の実施形態は、一例として示されたものにすぎず、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、発明の実施形態が具体的に説明および請求されたものとは異なって実行される場合もあると理解されたい。本開示の発明の実施形態は、本明細書に記載されている個々の特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法のそれぞれに関する。さらに、このような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法が互いに矛盾していないとき、このような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法の2つ以上の任意の組み合わせは、本開示の発明の範囲に含まれる。
【0041】
本明細書で定義および使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書中の定義、および/または定義された用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。
【0042】
本明細書および特許請求の範囲で使用される不定冠詞「1」および「1つ」は、そうでないことが明確に示されていない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0043】
本明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」、つまり、あるときには結合的に存在し、他のときには分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」を用いて列挙された複数の要素は、同じように解釈されるべきであり、つまり、そのように結合された要素の「1つまたは複数」である。具体的に識別された要素に関連するか否かにかかわらず、「および/または」条項によって具体的に識別された要素以外の他の要素が任意に存在してもよい。よって、非限定的な例として、オープンエンド言語(「含む」など)とともに使用されるとき、「Aおよび/またはB」への言及は、一実施形態ではAのみ(選択的にはB以外の要素を含む)、他の実施形態ではBのみ(選択的にA以外の要素を含む)、さらに他の実施形態ではAおよびBの両方(選択的に他の要素を含む)などを指し得る。
【0044】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、「または」は、上で定義されたような「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、一連の項目を分離するとき、「または」または「および/または」は包括的、つまり、複数のまたは一連の要素のうちの少なくとも1つを含むが、1つよりも多い項目を含み、かつ選択的にはリストされない項目を含むと解釈されるべきである。反対に明確に示されている用語(「1つのみ」または「ちょうど1つ」、または、特許請求の範囲で使用されている「…からなる」など)のみが、いくつかまたは一連の要素のちょうど1つの包含を指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、排他的な用語(「いずれか」、「1つの」、「1つのみの」、または「ちょうど1つの」など)が先行する場合にのみ、排他的な選択肢(すなわち「1つまたはこれ以外だが両方ではない」)を示すものとして解釈される。「本質的に…からなる」は、特許請求の範囲において使用されるとき、特許法の分野で使用されるときのその通常の意味を有する。
【0045】
本明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、一連の1つまたは複数の要素の参照に関して「少なくとも1つ」という語句は、一連の要素の任意の1つまたは複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、しかし、必ずしも一連の要素内に具体的に列挙された各要素の少なくとも1つを含む必要はなく、一連の要素内の要素のいかなる組み合わせを除外するものではない。この定義はまた、要素が、「少なくとも1つ」という語句で言及された一連の要素の中で具体的に識別された要素以外に、具体的に識別された要素に関係するか関係しないかにかかわらず、任意に存在してもよいことを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つの(選択的に1つよりも多い)A(Bが存在しない(および選択的にB以外の要素を含む))に言及することができ、別の実施形態では、少なくとも1つの(選択的に1つよりも多い)B(Aが存在しない(および選択的にA以外の要素を含む))が言及され、さらに別の実施形態では、少なくとも1つの(選択的に1つよりも多い)Aおよび少なくとも1つの(選択的に1つよりも多い)B(および選択的に他の要素を含む)などが言及される。
【0046】
また、明確に相反して指示されない限り、1つよりも多いステップまたは動作を含む、本明細書において請求される任意の方法において、方法のステップまたは動作の順序は、列挙された方法のステップまたは動作の順序に必ずしも限定されない。
【0047】
特許請求の範囲および上記明細書において、全ての移行語句(例えば、「含む」、「所持する」、「有する」、「包含する」、「関する」、「保持する」、「…から構成される」)などは、オープンエンドであると理解されるべきであり、つまり、含むがこれに限定されないことを意味する。「…からなる」および「…から実質的になる」という移行語句だけが、それぞれ、米国特許庁の特許審査手続便覧のセクション2111.03に記載されているように、クローズドまたはセミクローズド移行語句であるべきである。特許協力条約(「PCT」)に基づく規則6.2(b)の特許請求の範囲で使用される特定の表現および参照符号は、範囲を限定しないことを理解されたい。
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