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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/474 20210101AFI20241021BHJP
   H01M 50/477 20210101ALI20241021BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20241021BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20241021BHJP
   H01M 50/645 20210101ALI20241021BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20241021BHJP
   H01M 10/052 20100101ALN20241021BHJP
【FI】
H01M50/474
H01M50/477
H01M10/0587
H01M50/103
H01M50/645
H01M50/55 101
H01M10/052
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022173417
(22)【出願日】2022-10-28
(65)【公開番号】P2024064659
(43)【公開日】2024-05-14
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】宮村 幸延
(72)【発明者】
【氏名】脇元 亮一
(72)【発明者】
【氏名】今西 裕明
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/105490(WO,A1)
【文献】特開2014-199797(JP,A)
【文献】特開2002-231297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/40-50/497
H01M 50/60-50/691
H01M 10/05-10/0587
H01M 50/103
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極および負極を含み、一対の湾曲部を有する巻回電極体と、
複数の前記巻回電極体を収容し、底面と、該底面と対向する略矩形状の第1面と、該底面から延び互いに対向する一対の第1側壁と、該底面から延び互いに対向する一対の第2側壁と、を有する六面形状の電池ケースと、
前記電池ケースの前記第1面に形成された注液孔と、
前記注液孔を封止する封止部材と、
前記第1面に固定された絶縁部材と、
を備える電池であって、
前記複数の巻回電極体は、前記一対の湾曲部の一方が前記第1面と対向し、他方が前記底面と対向する向きで前記電池ケースに配置され、
前記注液孔は、前記複数の巻回電極体のそれぞれの前記湾曲部の頂点と重ならない位置に形成され、
ここで、前記絶縁部材の一部は、隣接する巻回電極体のそれぞれの前記頂点をつなぐ面と、該隣接する巻回電極体の前記湾曲部の湾曲表面とに囲まれた谷部に配置され、
前記封止部材の一部は前記谷部に配置される、電池。
【請求項2】
前記絶縁部材は、前記谷部に向けて突出する突出部を有し、
前記突出部が前記谷部に配置される、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記第1面に取り付けられた端子と、
前記端子と前記正極または前記負極とを電気的に接続する集電部材と、を備えており、
前記電池ケースの高さ方向において前記集電部材と前記第1面との間に前記絶縁部材が挟持される、請求項1または2に記載の電池。
【請求項4】
前記絶縁部材は、前記谷部に向けて突出する突出部を有し、前記第1面の長手方向における中央側であって、前記集電部材と対向しない領域において、前記突出部が複数形成される突出部形成領域を有している、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記突出部形成領域は、前記巻回電極体と対向する面側において複数の湾曲面を有しており、
前記複数の湾曲面は、複数の前記突出部の間に形成されており、
前記複数の湾曲面は、前記巻回電極体の湾曲表面に沿った形状である、請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記絶縁部材の下端部は、前記封止部材の下端部よりも前記底面側に配置される、請求項1に記載の電池。
【請求項7】
前記電池ケース内に配置される前記複数の巻回電極体は、奇数個であり、
前記第1面の短手方向における中心線と重ならない位置に前記注液孔が配置される、請求項1に記載の電池。
【請求項8】
前記封止部材は、前記電池ケースの内部に向けて突出しており、
前記封止部材は、突出方向において前記第1面側に最大幅部を有している、請求項1に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正極および負極を有する電極体と、該電極体を収容する電池ケースと、注液孔と、該注液孔を封止する封止部材と、を備える電池が知られている(例えば特許文献1および2)。このような電池では、注液孔から電解液を注液した後、注液孔を封止部材で封止する。例えば、特許文献1では、封止部材としてブラインドリベットを用いて封止することが記載されている。また、特許文献2では、蓋体と電極体の湾曲部との間に形成される隙間に開口する注液部を配置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-76865号公報
【文献】国際公開第2012/105490号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているように、ブラインドリベットによって注液孔を封止した場合には、当該リベットの先端と電極体とが接触して損傷する虞があるため、リベットの先端と電極体との間に距離を設ける必要がある。このため、巻回電極体の上下方向の長さが制限され、高容量化が妨げられることがある。
【0005】
また、特許文献2に記載されているように、蓋体と電極体の湾曲部との間に形成される隙間に注液部を配置した場合には、電極体と封止部材との距離が近くなり得る。このため、例えば電池の製造時や使用時において振動等が加わった場合には、封止部材と電極体とが接触しやすく、電極体が損傷する虞がある。本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、高容量化と信頼性の向上とを実現する電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示される電池は、正極および負極を含み、一対の湾曲部を有する巻回電極体と、複数の上記巻回電極体を収容し、底面と、該底面と対向する略矩形状の第1面と、該底面から延び互いに対向する一対の第1側壁と、該底面から延び互いに対向する一対の第2側壁と、を有する六面形状の電池ケースと、上記電池ケースの上記第1面に形成された注液孔と、上記注液孔を封止する封止部材と、上記第1面に固定された絶縁部材と、を備える。上記複数の巻回電極体は、上記一対の湾曲部の一方が上記第1面と対向し、他方が上記底面と対向する向きで上記電池ケースに配置される。上記注液孔は、上記複数の巻回電極体のそれぞれの上記湾曲部の頂点と重ならない位置に形成される。ここで、上記絶縁部材の一部は、隣接する巻回電極体のそれぞれの上記頂点をつなぐ面と、該隣接する巻回電極体の上記湾曲部の湾曲表面とに囲まれた谷部に配置され、上記封止部材の一部は上記谷部に配置される。
【0007】
上記のとおり、隣接する巻回電極体の湾曲面に囲まれた谷部に封止部材が配置されることで、巻回電極体の上下方向の長さを長くすることができ、電池の高容量化をすることができる。これに加えて、上記構成の電池では、絶縁部材の一部が谷部に配置される。このため、電池の製造時や使用時において衝撃や振動が加わったとしても巻回電極体が大きく動くことが抑制され、谷部に配置される封止部材と巻回電極体とが接触して損傷することを抑制できる。したがって、かかる構成によれば、高容量化を実現しつつ、より信頼性が向上した電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る電池を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、一実施形態に係る電池の模式的な縦断面図である。
図3図3は、図2のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線に沿う模式的な横断面図である。
図5図5は、巻回電極体の構成を示す模式図である。
図6図6は、封口板に取り付けられた電極体を模式的に示す斜視図である。
図7図7は、正極第2集電部材および負極第2集電部材が取り付けられた電極体を模式的に示す斜視図である。
図8図8は、図3の注液孔の近傍を模式的に示す縦断面図である。
図9図9は、図2の正極端子の近傍を模式的に示す縦断面図である。
図10】正極端子と負極端子と正極第1集電部材と負極第1集電部材と正極絶縁部材と負極絶縁部材とが取り付けられた封口板を模式的に示す斜視図である。
図11図11は、図10の封口板を裏返した斜視図である。
図12図12は、正極絶縁部材を模式的に示す斜視図である。
図13図13は、図12の正極絶縁部材を裏返した斜視図である。
図14図14は、第1変形例に係る電池の図8対応図である。
図15図15は、第1変形例に係る電池の図13対応図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ここで開示される技術の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、ここで開示される技術の実施に必要な事柄(例えば、ここに開示される技術を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここで開示される技術は、本明細書に開示されている内容と、当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0010】
本明細書において「電池」とは、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、電解質を介して正極と負極の間で電荷担体が移動することによって繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)を指す用語である。
【0011】
以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表す。また、図面中の符号Xは「電池の短辺方向」を示し、符号Yは「電池の長辺方向」を示し、符号Zは「電池の上下方向」を示す。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、電池の設置形態を何ら限定するものではない。
【0012】
<電池>
図1は、電池100の斜視図である。図2は電池100の模式的な縦断面図である。図1および図2に示すように、電池100は、巻回電極体20と、当該巻回電極体20を収容する電池ケース10と、電池ケース10の第1面(ここでは封口板14)に形成された注液孔15と、該注液孔15を封止する封止部材16と、第1面において巻回電極体20と対向する面に固定された絶縁部材(ここでは正極絶縁部材70および負極絶縁部材80)と、を備えている。図示は省略するが、電池100は、ここではさらに電解液を備えている。電池100は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池であることが好ましい。
【0013】
電池ケース10は、巻回電極体20を収容する筐体である。電池ケース10はここでは、図1に示すように、有底の直方体形状(六面形状)の外形を有する。電池ケース10は、開口12hを有する外装体12と、開口12hを塞ぐ封口板14と、を備えている(図2参照)。封口板14は、ここに開示される電池100の第1面の一例である。電池ケース10は、外装体12の開口12hの周縁に封口板14が接合(例えば溶接接合)されることによって一体化されている。封口板14の接合は、例えばレーザ溶接等の溶接によって行うことができる。電池ケース10は気密に封止(密閉)されている。
【0014】
図1に示すように、外装体12は、底面12aと、底面12aから延び相互に対向する一対の長側壁12bと、底面12aから延び相互に対向する一対の短側壁12cと、を備えているとよい。短側壁12cの面積は、長側壁12bの面積よりも小さい。ここでは、長側壁12bは第1側壁の一例であり、短側壁12cは第2側壁の一例である。外装体12の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。外装体12は金属製であることが好ましい。一例として、外装体12はアルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等から構成されることが好ましい。
【0015】
第1面としての封口板14は、平面視において略矩形状である。図1に示すように、封口板14は、底面12aと対向している。ここでは、封口板14の短手方向が電池100の短辺方向Xと一致し、封口板14の長手方向が電池100の長辺方向Yと一致している。また、封口板14は、ここでは外装体12の開口12hを塞ぐ板状部材である。封口板14の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。封口板14は金属製であることが好ましい。一例として、封口板14はアルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等から構成されることが好ましい。
【0016】
封口板14には注液孔15が設けられている。注液孔15は、外装体12に封口板14を組み付けた後、電池ケース10の内部に電解液を注液するための貫通孔である。注液孔15は、封口板14を上下方向Zに貫通する。注液孔15は、封止部材16によって封止されている。注液孔15および封止部材16の詳細については後述する。
【0017】
図2に示すように、封口板14は、ガス排出弁17と、2つの端子引出孔18、19と、が設けられている。ガス排出弁17は、電池ケース10の内部の圧力が所定値以上になったときに破断して、電池ケース10の内部のガスを外部に排出するように構成された薄肉部である。端子引出孔18、19は、封口板14の長手方向の両端部にそれぞれ形成されている。端子引出孔18、19は、封口板14を上下方向Zに貫通する貫通孔である。
【0018】
封口板14には、正極端子30と負極端子40とが、それぞれ設けられている。正極端子30は、封口板14の長辺方向Yの一方側(図1および図2の左側)に配置されている。負極端子40は、封口板14の長辺方向Yの他方側(図1および図2の右側)に配置されている。正極端子30および負極端子40はここに開示される端子の一例である。図1に示すように、正極端子30および負極端子40の一端は、それぞれ、封口板14の外側(外表面14A側)に露出している。また、図2に示すように、正極端子30および負極端子40の他端は、それぞれ、端子引出孔18、19に挿通されて封口板14の内側(内表面14B側)に配置されている。特に限定されないが、正極端子30および負極端子40は、かしめ加工により封口板14の端子引出孔18、19を囲む周縁部分にかしめられている。
【0019】
正極端子30は、金属製であることが好ましく、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されることがより好ましい。負極端子40は、金属製であることが好ましく、銅または銅合金から構成されることがより好ましい。図2に示すように、正極端子30の下端部30cは、外装体12の内部で、正極集電部材50を介して巻回電極体20の正極22(図5参照)と電気的に接続されている。負極端子40の下端部40cは、外装体12の内部で、負極集電部材60を介して巻回電極体20の負極24(図5参照)と電気的に接続されている。図2に示すように、正極端子30は、正極絶縁部材70、ガスケット90および外部絶縁部材92によって、封口板14と絶縁されている。また、負極端子40は、負極絶縁部材80、ガスケット90および外部絶縁部材92によって、封口板14と絶縁されている。正極絶縁部材70および負極絶縁部材80は、ここに開示される絶縁部材の一例である。
【0020】
図1に示すように、封口板14の外側の面(外表面14A)には、板状の正極外部導電部材32および負極外部導電部材42が取り付けられている。正極外部導電部材32は、正極端子30と電気的に接続されている。負極外部導電部材42は、負極端子40と電気的に接続されている。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、複数の電池100を相互に接続する際に、バスバーが付設される部材である。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、導電性に優れた金属から構成されていることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等で構成されている。正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は、外部絶縁部材92によって封口板14と絶縁されている。ただし、正極外部導電部材32および負極外部導電部材42は必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。
【0021】
図3は、図2のIII-III線に沿う模式的な縦断面図である。図4は、図2のIV-IV線に沿う模式的な横断面図である。図5は、巻回電極体20の構成を模式的に示す図である。図3および図4に示すようにここに開示される電池100は、複数の巻回電極体20を有している。ここでは、電池100は、3つの巻回電極体20を有している。ただし、1つの外装体12の内部に配置される巻回電極体20の数は複数(すなわち2つ以上)であれば特に限定されず、偶数個であってもよいし、奇数個であってもよい。なお、複数の巻回電極体20は、同様の構成であってよい。
【0022】
図3に示すように、巻回電極体20は、扁平状であることが好ましい。なお、本明細書において、扁平状の巻回電極体とは、断面視において略長円形であり、いわゆるレーストラック形状である巻回電極体(図3参照)のことをいう。巻回電極体20は、例えば、扁平状であって、第1面(ここでは封口板14)および外装体12の底面12aと対向する一対の湾曲部20rと、一対の湾曲部20rを連結し、外装体12の長側壁12bと対向する平坦部20fと、を有する。
【0023】
図3に示すように、複数の巻回電極体20は、樹脂製のシートからなる電極体ホルダ29に覆われた状態で外装体12の内部に配置されている。一対の湾曲部20rの一方(図3の上側)は、ここでは正極第1集電部材51、負極第1集電部材61、正極絶縁部材70、負極絶縁部材80等を介して、間接的に封口板14と対向している。また、湾曲部20rの他方(図3の下側)は、ここでは、電極体ホルダ29を介して間接的に底面12aと対向している。
【0024】
複数の巻回電極体20は、巻回電極体20の積層方向と電池100の短辺方向Xとが略一致するように外装体12の内部に配置されている。複数の巻回電極体20は、それぞれの巻回軸WL(図5参照)が電池100の長辺方向Yと平行になる向きで、外装体12に収容されている。すなわち、複数の巻回電極体20は、それぞれの巻回軸WLが平行となるように外装体12の内部に配置されることが好ましい。複数の巻回電極体20は、それぞれの巻回軸WLが平行になり、該巻回軸WLが短側壁12cと直交する向きで外装体12の内部に配置されているとよい。複数の巻回電極体20のそれぞれの端面(正極22と負極24とが積層された積層面、図5の長辺方向Yの端面)は、短側壁12cと対向している。
【0025】
図5に示すように、巻回電極体20は、正極22と負極24とセパレータ26とを有する。巻回電極体20は、帯状の正極22と、帯状の負極24とが、帯状のセパレータ26を介して積層され、巻回軸WLを中心として巻回されて構成されている。
【0026】
正極22は、図5に示すように、帯状の部材である。正極22(「正極シート22」ともいう。)は、帯状の正極集電体22cと、正極集電体22cの少なくとも一方の表面上に固着された正極活物質層22aおよび正極保護層22pと、を有する。ただし、正極保護層22pは必須ではなく、他の実施形態において省略することもできる。正極シート22を構成する各部材には、一般的な電池(例えば、リチウムイオン二次電池)で使用され得る従来公知の材料を特に制限なく使用できる。正極集電体22cは、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属から構成されることが好ましい。正極集電体22cは、ここでは金属箔、具体的にはアルミニウム箔である。
【0027】
正極22では、図5に示すように、巻回電極体20の長辺方向Yの一方の端部(図5の左端部)には、複数の正極タブ22tが設けられている。複数の正極タブ22tは、正極集電体22cの長手方向に沿って所定の間隔を空けて(間欠的に)設けられている。正極タブ22tは、正極22に接続されている。正極タブ22tは、ここでは正極集電体22cの一部であり、金属箔(具体的にはアルミニウム箔)から構成される。正極タブ22tは、正極活物質層22aが形成されておらず、正極集電体22cが露出した領域である。ただし、正極タブ22tは、一部に正極活物質層22aおよび/または正極保護層22pが設けられていてもよく、正極集電体22cと別の部材であってもよい。複数の正極タブ22tは、ここではそれぞれ台形状である。ただし、正極タブ22tの形状はこれに限定されない。また、複数の正極タブ22tのサイズも特に限定されない。正極タブ22tの形状やサイズは、例えば正極集電部材50に接続される状態を考慮し、その形成位置等によって、適宜調整することができる。複数の正極タブ22tは、図4に示すように、電池100の長辺方向Yの一方の端部(図4の左端部)で積層され、正極タブ群23を構成している。
【0028】
正極活物質層22aは、図5に示すように、帯状の正極集電体22cの長手方向に沿って、帯状に設けられている。正極活物質層22aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質(例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物)を含んでいる。正極活物質層22aの固形分全体を100質量%としたときに、正極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。正極活物質層22aは、正極活物質以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材の一例として、アセチレンブラック(AB)等の炭素材料が挙げられる。バインダの一例として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のフッ素系樹脂が挙げられる。
【0029】
正極保護層22pは、図5に示すように、長辺方向Yにおいて、正極集電体22cと正極活物質層22aとの境界部分に設けられている。正極保護層22pは、ここでは、正極集電体22cの幅方向の一方の端部(図5の左端部)に設けられている。ただし、正極保護層22pは幅方向の両端部に設けられていてもよい。正極保護層22pは、絶縁性の無機フィラー、例えば、アルミナ等のセラミック粒子を含んでいる。正極保護層22pの固形分全体を100質量%としたときに、無機フィラーは、概ね50質量%以上、典型的には70質量%以上、例えば80質量%以上を占めていてもよい。正極保護層22pは、無機フィラー以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、各種添加成分等を含んでいてもよい。導電材およびバインダは、正極活物質層22aに含み得るとして例示したものと同じであってもよい。
【0030】
負極24は、図5に示すように、帯状の部材である。負極24(「負極シート24」ともいう。)は、帯状の負極集電体24cと、負極集電体24cの少なくとも一方の表面上に固着された負極活物質層24aと、を有する。負極シート24を構成する各部材には、一般的な電池(例えば、リチウムイオン二次電池)で使用され得る従来公知の材料を特に制限なく使用できる。例えば、負極集電体24cは、銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属から構成されることが好ましい。負極集電体24cは、ここでは金属箔、具体的には銅箔である。
【0031】
負極24では、図5に示すように、巻回電極体20の長辺方向Yの一方の端部(図5の右端部)には、複数の負極タブ24tが設けられている。複数の負極タブ24tは、負極集電体24cの長手方向に沿って所定の間隔を空けて(間欠的に)設けられている。負極タブ24tは、負極24に接続されている。負極タブ24tは、ここでは負極集電体24cの一部であり、金属箔(具体的には銅箔)から構成される。負極タブ24tは、ここでは負極活物質層24aが形成されておらず、負極集電体24cが露出した領域である。ただし、負極タブ24tは、一部に負極活物質層24aが形成されていてもよく、負極集電体24cとは別の部材であってもよい。複数の負極タブ24tは、ここではそれぞれ台形状である。ただし、複数の負極タブ24tの形状やサイズは、正極タブ22tと同様に適宜調整することができる。複数の負極タブ24tは、図4に示すように、負極シート24の長辺方向Yの一方の端部(図4の右端部)で積層され、負極タブ群25を構成している。
【0032】
負極活物質層24aは、図5に示すように、帯状の負極集電体24cの長手方向に沿って、帯状に設けられている。負極活物質層24aは、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素材料)を含んでいる。負極活物質層24aの幅(長辺方向Yの長さ。以下同じ)は、正極活物質層22aの幅よりも大きいことが好ましい。負極活物質層24aの固形分全体を100質量%としたときに、負極活物質は、概ね80質量%以上、典型的には90質量%以上、例えば95質量%以上を占めていてもよい。負極活物質層24aは、負極活物質以外の任意成分、例えば、導電材、バインダ、分散剤、各種添加成分等を含んでいてもよい。バインダの一例として、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類が挙げられる。分散剤の一例として、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロール類が挙げられる。
【0033】
セパレータ26は、正極22の正極活物質層22aと、負極24の負極活物質層24aとを絶縁する部材である。セパレータ26としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる樹脂製の多孔性シートが好適である。セパレータ26は、ここでは、樹脂製の多孔性シートからなる基材部と、基材部の少なくとも一方の表面上に形成された耐熱層(Heat Resistance Layer:HRL)と、を有する。耐熱層は、典型的には無機フィラーとバインダとを含む層である。無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、チタニア等を使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。
【0034】
また、電池ケース10には、上記したように巻回電極体20とともに、電解液が収容され得る。電解液としては、従来公知の電池において使用されているものを特に制限なく使用できる。一例として、電解液は、非水系溶媒に支持塩を溶解させた非水電解液である。非水系溶媒の一例としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート系溶媒が挙げられる。支持塩の一例としては、LiPF等のフッ素含有リチウム塩が挙げられる。非水電解液は、必要に応じて各種の添加剤を含有していてもよい。
【0035】
図6は、封口板14に取り付けられた複数の巻回電極体20を模式的に示す斜視図である。図7は、巻回電極体20を模式的に示す斜視図である。図6に示すように、複数の巻回電極体20のそれぞれの正極タブ群23は、正極集電部材50を介して正極端子30と接続されている。正極集電部材50は、電池ケース10の内部に収容されている。正極集電部材50は、図2および図6に示すように、正極第1集電部材51と、正極第2集電部材52と、を備えている。正極第1集電部材51の構成については、後述する。図6および図7に示すように、正極第2集電部材52は、電池100の上下方向Zに沿って延びる板状の導電部材である。図2に示すように、正極端子30の下端部30cは、封口板14の端子引出孔18を通って電池ケース10の内部に挿入され、正極第1集電部材51と接続されている。また、図4および図6に示すように、ここでは、電池100は、複数の巻回電極体20の個数に対応した数の正極第2集電部材52を備えている。それぞれの正極第2集電部材52は、複数の巻回電極体20のそれぞれの正極タブ群23に接続される。そして、図4に示すように、巻回電極体20の正極タブ群23は、正極第2集電部材52と、巻回電極体20の一方の側面20eとが対向するように折り曲げられている。これによって、正極第2集電部材52と、正極第1集電部材51とが電気的に接続される。なお、正極集電部材50は、導電性に優れた金属から構成されていることが好ましく、例えばアルミニウムまたは、アルミニウム合金によって構成され得る。
【0036】
一方、複数の巻回電極体20のそれぞれの負極タブ群25は、負極集電部材60を介して負極端子40と接続される。かかる負極側の接続構造は、上述した正極側の接続構造と略同一である。具体的には、負極集電部材60は、図2および図6に示すように、負極第1集電部材61と、負極第2集電部材62と、を備えている。負極第1集電部材61の構成については後述する。図6および図7に示すように、負極第2集電部材62は、電池100の上下方向Zに沿って延びる板状の導電部材である。図2に示すように、負極端子40の下端部40cは、端子引出孔19を通って電池ケース10の内部に挿入され、負極第1集電部材61と接続される。また、図4および図6に示すように、ここでは、電池100は、複数の巻回電極体20の個数に対応した数の負極第2集電部材62を備えている。それぞれの負極第2集電部材62は、複数の巻回電極体20のそれぞれの負極タブ群25に接続される。そして、図4に示すように、巻回電極体20の負極タブ群25は、負極第2集電部材62と、巻回電極体20の他方の側面20gとが対向するように折り曲げられている。これによって、負極第2集電部材62と、負極第1集電部材61とが電気的に接続される。なお、負極集電部材60は、導電性に優れた金属から構成されていることが好ましく、例えば銅または、銅合金によって構成され得る。
【0037】
図8は、図3の注液孔15の近傍を模式的に示す部分的な断面図である。図9は、図2の正極端子30の近傍を模式的に示す部分的な断面図である。図8に示すように、ここに開示される電池100では、高容量化を目的として、注液孔15が巻回電極体20のそれぞれの頂点Pと重ならない位置に形成され、当該注液孔15を封止する封止部材16の一部が図8に仮想線で示される谷部Sに配置されるように構成されている。ここで、谷部Sは、図8に示すように、巻回電極体20の巻回軸WLに沿って見た縦断面図において、隣接する2つの巻回電極体20の頂点Pを結んだ直線と、湾曲部20rの湾曲表面20r1とにより形成される領域である。これにより、巻回電極体20の高さ(上下方向Zの長さ。以下同じ)を高くすることができるため、電池100の高容量化が実現される。また、図9に示すように、ここに開示される電池100では、上下方向Zにおいて封口板14と正極第1集電部材51との間に、正極絶縁部材70が配置されている。そして、正極絶縁部材70の少なくとも一部は、上記した谷部Sに配置される(図8参照)。正極絶縁部材70の少なくとも一部がかかる谷部Sに配置されることにより、電池ケース10の内部で巻回電極体20が大きく移動することを抑制する。このため、上記した谷部Sに封止部材16が配置されて巻回電極体20との距離が近くなっても、絶縁部材の一部が谷部Sに配置されていることにより、巻回電極体20が大きく動いて封止部材16と接触し損傷することが抑制される。このため、高容量化を実現しつつ、信頼性の高い電池100を提供することができる。
【0038】
図10は、封口板14を模式的に示す斜視図である。また、図11は、図10の封口板14を裏返した斜視図である。図11は、封口板14の外装体12の側(内側)の面を示している。図10および図11に示すように、封口板14には注液孔15が設けられている。注液孔15は、ここでは平面視において略円形状に形成されている。ここに開示される電池100では、封口板14において注液孔15は上記した谷部Sと対向する位置に形成されている。例えば、電池100は巻回電極体20を奇数個(ここでは3つ)備えている場合、谷部Sは、封口板14の短手方向における中心線CL2と対向する位置に形成されない。このため、封口板14の中心線CL2上に注液孔15が設けられていない。谷部Sと対向する位置に注液孔15を設けることにより、封止部材16の一部も谷部Sに配置される。このため、巻回電極体20の高さを高くすることができ、電池100を高容量化させることができる。ただし、電池100が巻回電極体20を偶数個(例えば2つ)備えている場合には、谷部Sが封口板14の中心線CL2と対向する位置に形成され得る。この場合には、封口板14の中心線CL2上に注液孔15が設けられていてもよい。
【0039】
図8に示すように、封口板14の外表面14Aには、凹部14cが設けられていてもよい。凹部14cは、注液孔15の周囲を取り囲むように設けられている。凹部14cは、ここでは平面視において注液孔15よりも大きい略円形状に形成されている。平面視において、凹部14cの中心は、注液孔15の中心と一致している。凹部14cは、封口板14の外表面14A側から内表面14B側に向けて窪んでいる。凹部14cは、底面14c1と、側壁14c2と、を有する。底面14c1は、ここでは封口板14の内表面14B側と略平行である。側壁14c2は、底面14c1の外縁から上下方向Zに沿って上方側に立ち上がっている。
【0040】
注液孔15は、電解液の注液後に封止部材16により封止される。封止部材16は、典型的には金属製である。封止部材16は、特に限定されないが、リベットであることが好ましく、ブラインドリベットであることがより好ましい。封止部材16は、例えば図8に示すように、上端部16uが電池ケース10の外部に露出し、下端部16eが電池ケース10の内部に突出している。封止部材16は、挿通部16aと、鍔部16bと、拡径部16cと、を有する。封止部材16の挿通部16aは、注液孔15に挿通されている。封止部材16は、該封止部材16を注液孔15に装着する過程において鍔部16bと拡径部16cとによって、封口板14にかしめ固定される。なお、封止部材16は、必ずしも上記した形状である必要はない。また、封止部材16はかしめることによって固定されることに限定されず、封止部材16を封口板14に溶接することによって接合されていてもよい。
【0041】
挿通部16aは、注液孔15に挿通された部分である。挿通部16aの外径は、注液孔15の外径よりも小さい。挿通部16aは、内部空洞16fを有する円筒状の部分である。内部空洞16fは、挿通部16aの上部に形成される第1空洞部16f1と、下部に形成される第2空洞部16f2と、を有している。第1空洞部16f1には、マンドレルの頭部16gが収容されている。マンドレルは、頭部16gの上面から上下方向Zの上方に延びる棒状の部材である。後述するが、マンドレルは、封止部材16を注液孔15に装着させる過程において除去されるため、図8には記載されていない。
【0042】
鍔部16bは、注液孔15から電池ケース10の外部に突出している。鍔部16bは、封口板14の外表面14Aに載置されている。鍔部16bは、平面視において略円形状に形成されていてもよいし、略四角形状に形成されていてもよい。鍔部16bの外径は、ここでは平面視において封口板14の凹部14cの直径よりも小さい。
【0043】
拡径部16cは、挿通部16aの下端から底面12a側(鍔部16bと反対側)に延びている。拡径部16cの外径は注液孔15の外径よりも大きい。これにより、注液孔15が封止部材16によって封止される。ここに開示される技術においては、封止部材16の一部(ここでは拡径部16c)が図8に仮想線で示される谷部Sに配置される。封止部材16の拡径部16cが谷部Sに配置されることにより、拡径部16cが巻回電極体20の頂点Pと対向する位置に形成される場合よりも、巻回電極体20の高さを高くすることができる。したがって、電池100をより高容量化させることができる。
【0044】
また、特に限定されないが、図8に示すように、拡径部16cは、上方(すなわち封口板14の近傍)において、外径が最大である最大幅部16dを有していることが好ましい。すなわち、封止部材16は、上記したとおり電池ケース10の内部に向けて突出しており、突出方向において封口板14側に最大幅部16dを有していることが好ましい。これにより、注液孔15をより気密に封止しつつ、谷部Sの形状によりフィットしやすくなる。このため、さらに巻回電極体20の高さを高くすることができ、電池100を高容量化することができる。
【0045】
また、図8に示すように、封止部材16と封口板14との間にシール部材95を有していてもよい。これにより、注液孔15がより気密に封止される。シール部材95は、樹脂部材で構成されることが好ましい。かかる樹脂部材の一例として、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂、パーフルオロアルコキシアルカン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。
【0046】
図9図11に示すように、正極第1集電部材51は、封口板14の内表面14B側に取り付けられている。また、負極第1集電部材61も同様に、封口板14の内表面14B側に取り付けられている。正極第1集電部材51および負極第1集電部材61は、ここに開示される集電部材の一例である。ここに開示される電池100では、上下方向Zにおいて封口板14と集電部材(ここでは正極第1集電部材51および負極第1集電部材61)との間に、絶縁部材(ここでは正極絶縁部材70および負極絶縁部材80)が配置されている。これにより、封口板14と集電部材とが絶縁部材によって絶縁される。なお、以下では正極端子30側の構成について詳しく説明するが、負極端子40側の構成についてもほぼ同様の構成とすることができる。
【0047】
図9に示すように、正極第1集電部材51は、第1領域51aと第2領域51bとを有している。正極第1集電部材51は、一つの部材を例えばプレス加工等によって折り曲げることによって構成されてもよく、複数の部材を溶接接合等によって一体化することで構成されてもよい。正極第1集電部材51は、ここではかしめ加工によって封口板14の内表面14Bに固定されている。第1領域51aは、封口板14と巻回電極体20との間に配置される部位である。第1領域51aは、長辺方向Yに沿って延びている。第1領域51aは、封口板14の内表面14Bに沿って水平に広がっている。第1領域51aは、ここではかしめ加工により、正極端子30と電気的に接続されている。第1領域51aにおいて、封口板14の端子引出孔18に対応する位置には、上下方向Zに貫通した貫通孔51hが形成されている。第2領域51bは、第1領域51aの長辺方向Yの一方側の端(図9の左端)から外装体12の短側壁12cに沿って延びている。すなわち、第2領域51bは、上下方向Zに沿って延びている。
【0048】
正極絶縁部材70は、正極第1集電部材51の第1領域51aと封口板14とを絶縁する。正極絶縁部材70は、使用する電解液に対する耐性と電気絶縁性とを有し、弾性変形が可能な樹脂材料から構成され得る。かかる樹脂材料の一例として、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。
【0049】
図12は、正極絶縁部材70の斜視図である。図13は、図12の正極絶縁部材70を裏返した斜視図である。図13は、正極絶縁部材70において巻回電極体20と対向する側の面を示している。図12および図13に示すように、正極絶縁部材70は、ベース領域71と突出部形成領域72とを有している。ベース領域71と突出部形成領域72とは、ここでは一体成型されている。正極絶縁部材70は、ここでは上記したような樹脂材料を一体成型してなる一体成型品である。これにより、ベース領域71と突出部形成領域72とを別部材とする場合と比較して使用する部材の数を削減することができ、コストを低減することができる。なお、ベース領域71と突出部形成領域72とは、別部材によって構成されていてもよい。
【0050】
図9に示すように、ベース領域71は、上下方向Zにおいて、封口板14と正極第1集電部材51との間に配置される領域である。すなわち、ベース領域71は、集電部材(ここでは、正極第1集電部材51)と対向する領域である。ベース領域71は、正極第1集電部材51の第1領域51aに沿って水平に広がっている。図12および図13に示すように、ベース領域71は、本体部71aと、壁部71bと、貫通孔71hと、を有している。本体部71aは、正極第1集電部材51の第1領域51aの上面と対向する。壁部71bは、本体部71aの周囲に設けられている。壁部71bは、本体部71aの周縁から上下方向Zに沿って延びる部位である。壁部71bは、第1領域51aの側面と対向する。貫通孔71hは、本体部71aを上下方向Zに貫通している。貫通孔71hは、封口板14の端子引出孔18と対応する位置に形成されている。
【0051】
突出部形成領域72は、図9に示すように、封口板14の長手方向において、ベース領域71よりも中央側(図9の右側)に設けられている。すなわち、突出部形成領域72は、巻回電極体20と対向し、かつ、集電部材(ここでは、正極第1集電部材51)と対向しない領域である。図11および図13に示すように、突出部形成領域72は、突出部72aを有している。突出部72aは、封口板14の側から巻回電極体20の側に向けて突出する部位である。より詳細には、突出部72aは上記した谷部Sに向けて突出する部位である。突出部72aは、ベース領域71の壁部71bよりも巻回電極体20の側に突出している。
【0052】
図8に示すように、ここに開示される電池100では、突出部72aが上記した谷部Sに配置されることが好ましい。これにより、巻回電極体20が左右方向(図8の短辺方向X)に移動することが好適に抑制され、電池ケース10の内部において巻回電極体20の位置が固定され得る。このため、上記したとおり高容量化を目的として封止部材16が谷部Sに配置されていても、巻回電極体20が大きく動いて封止部材16と接触し損傷することが抑制される。したがって、ここに開示される電池100によれば、高容量化と信頼性とが両立された電池を実現することができる。突出部72aの形状は、谷部Sに配置することができる限り特に限定されない。例えば、断面視において台形状であってもよいし、コの字状であってもよいし、三角形状であってもよいし、半円形状であってもよい。
【0053】
突出部形成領域72は、ここでは複数の突出部72aを有している。突出部形成領域72に形成される突出部72aの数は、ここでは谷部Sの数と同数(すなわち2つ)である。これにより、複数の突出部72aが谷部Sに好適に配置され、巻回電極体20が電池ケース10の内部で大きく動くことを抑制することができる。ただし、突出部72aの数は特に限定されない。突出部72aは、1つであってもよいし、複数であってもよい。好ましくは、突出部72aは、突出部形成領域72において複数形成されているとよい。突出部形成領域72が複数の突出部72aを有している場合、複数の突出部72aは突出部形成領域72において短辺方向Xに並んで配置されているとよい。
【0054】
図13に示すように、正極絶縁部材70の突出部形成領域72は、巻回電極体20と対向する側の面において、複数の突出部72aに加えて複数の湾曲面72rを有していることが好ましい。これにより、巻回電極体20が上下方向に大きく移動することを抑制し、より信頼性の高い電池100を提供することができる。複数の湾曲面72rは、複数の突出部72aの間に形成され得る。正極絶縁部材70の湾曲面72rは、巻回電極体20の上下方向の移動をさらに好適に抑制する観点から、巻回電極体20の湾曲表面20r1に沿った形状であることがより好ましい。
【0055】
複数の湾曲面72rは、巻回電極体20と当接していてよいし、当接していなくてもよい。好ましくは、図8に示すように、複数の湾曲面72rは、巻回電極体20と離間した位置に配置されているとよい。すなわち、複数の湾曲面72rと巻回電極体20の湾曲部20rとの間には、わずかに隙間が設けられていてもよい。巻回電極体20と絶縁部材との間にクリアランスが設けられていることにより、電池100の組立工程を容易に行うことができる。また、例えば巻回電極体20が充放電によって膨張等した場合でも、クリアランスがあるため巻回電極体20を圧迫され難くなる。特に限定されないが、正極絶縁部材70の湾曲面72rと巻回電極体20の湾曲部20rとの最短距離L1(図8参照)は、0.3mm以上2mm以下であることが好ましく、0.5mm以上1mm以下であることがより好ましい。
【0056】
また、特に限定されないが、図12に示すように、突出部形成領域72の封口板14と対向する側の面において、凹部72bが形成されていることが好ましい。かかる凹部72bは、突出部72aと対向する位置に形成され得る。凹部72bを形成することで、電池ケース10の内部において気体が存在可能な体積を大きくすることができる。このため、ガス発生時等の内圧の上昇を緩やかにすることができる。
【0057】
負極絶縁部材80は、図2に示すように、巻回電極体20の長辺方向Yの中央CL1に対して正極絶縁部材70と対象に配置されている。負極絶縁部材80の構成は、正極絶縁部材70の構成と同様であってよい。負極絶縁部材80は、ここでは正極絶縁部材70と同様にベース領域81と突出部形成領域82とを有し、該突出部形成領域82には複数の突出部82a(図11参照)を有している。
【0058】
電池100は、正極絶縁部材70および負極絶縁部材80をいずれも備えることが好ましい。これにより、電池100の製造時における搬送や電池100の使用時等において、振動や衝撃が加わっても、巻回電極体20が大きく移動することを抑制することができる。このため、巻回電極体20が損傷し難く、信頼性の高い電池100を実現することができる。
【0059】
図8に示すように、ここに開示される電池100では、正極絶縁部材70の下端部70eは、封止部材16の下端部16eよりも下方(電池ケース10の底面12a側)に配置されていることが好ましい。言い換えれば、正極絶縁部材70の突出部72aの上下方向Zの長さH1は、拡径部16cの上下方向Zの長さH2よりも長いことが好ましい。これにより、例えば電池100の製造時や電池100の使用時において上下方向に振動が加わっても、巻回電極体20が正極絶縁部材70の下端部70eと接触するため封止部材16の下端部16eと接触し難くなり、巻回電極体20が損傷することを抑制する。特に、封止部材16が金属製であり、正極絶縁部材70が樹脂製である場合には、巻回電極体20をより効果的に保護し得る。したがって、正極絶縁部材70の下端部70eが封止部材16の下端部16eよりも底面12a側に配置されることにより、より信頼性が高い電池100を実現することができる。突出部72aの長さH1は、例えば、拡径部16cの長さH2よりも0.1mm以上長いことが好ましく、0.2mm以上長いことがより好ましい。
【0060】
<電池の製造方法>
ここに開示される電池100では、封口板14において注液孔15が上記した谷部Sと対向する位置に形成され、該注液孔15が封止部材16によって封止されている。そして、電池100は、高さ方向(上下方向Z)において封口板14と集電部材との間に絶縁部材を有しており、当該絶縁部材の一部が谷部Sに配置される。このような電池100は、例えば、組立工程と、電池封止工程と、注液孔封止工程と、を含む製造方法によって製造することができる。なお、ここに開示される製造方法は、任意の段階でさらに他の工程を含んでいてもよい。
【0061】
まず、組立工程では、外装体12と、封口板14と、複数(ここでは3つ)の巻回電極体20と、端子(正極端子30および負極端子40)と、集電部材(正極第1集電部材および負極第1集電部材61)と、絶縁部材(正極絶縁部材70および負極絶縁部材80)と、を用意する。封口板14は、ここでは封口板14の短辺方向Xにおける中心線CL2上に注液孔15が形成されていないものを用意する。次いで、図10および図11に示すような第1合体物を用意する。具体的には、注液孔15が形成された封口板14に、正極端子30と、正極第1集電部材51と、正極絶縁部材70と、負極端子40と、負極第1集電部材61と、負極絶縁部材80と、を取り付ける。
【0062】
正極端子30と正極第1集電部材51と正極絶縁部材70とは、例えば、かしめ加工(リベッティング)によって封口板14に固定する。かしめ加工は、封口板14の外表面14A側と正極端子30との間にガスケット90を挟み、さらに封口板14の内表面14B側と正極第1集電部材51との間に正極絶縁部材70を挟んで行われる。なお、ガスケット90の材質は、正極絶縁部材70と同様であってもよい。詳しくは、かしめ加工前の正極端子30を、封口板14の上方から、ガスケット90の貫通孔と、封口板14の端子引出孔18と、正極絶縁部材70の貫通孔71hと、正極第1集電部材51の貫通孔51hと、に順番に挿入して、封口板14の下方に突出させる。そして、上下方向Zに対して圧縮力が加わるように正極端子30の封口板14よりも下方に突出した部分をかしめる。これにより、正極端子30と正極第1集電部材51と正極絶縁部材70とガスケット90とを、封口板14に固定することができる。
【0063】
負極端子40と、負極第1集電部材61と、負極絶縁部材80との固定は、上記した正極側と同様に行うことができる。すなわち、かしめ加工前の負極端子40を、封口板14の上方から、ガスケットの貫通孔と、封口板14の端子引出孔19と、負極絶縁部材80の貫通孔と、負極第1集電部材61の貫通孔と、に順番に挿入して、封口板14の下方に突出させる。そして、上下方向Zに対して圧縮力が加わるように負極端子40の封口板14よりも下方に突出した部分をかしめる。これにより、負極端子40と負極第1集電部材61と負極絶縁部材80とガスケット90とを、封口板14に固定することができる。
【0064】
なお、正極絶縁部材70および負極絶縁部材80は、上記したようなかしめ加工による固定に限定されない。例えば、封口板14に接着剤等を用いて接着することにより固定していてもよいし、嵌合接続によって封口板14に固定してもよい。
【0065】
次に、封口板14の外表面14Aに、外部絶縁部材92を介して、正極外部導電部材32および負極外部導電部材42を取り付ける。なお、外部絶縁部材92の材質は、正極絶縁部材70と同様であってもよい。また、正極外部導電部材32と負極外部導電部材42とを取り付けるタイミングは、注液孔封止工程の後であってもよい。
【0066】
そして、上記作製した第1合体物を用いて、図6に示すような第2合体物を作製する。具体的にはまず、図7に示すように、正極第2集電部材52および負極第2集電部材62の付設された巻回電極体20を3つ用意する。そして、図6に示すように、短辺方向Xに並べて配置する。このとき、巻回電極体20は、いずれも、巻回軸WLが平行に並ぶように配置することが好ましい。
【0067】
次いで、図4に示すように複数の正極タブ22tを湾曲させた状態で、封口板14に固定された正極第1集電部材51(詳しくは第2領域51b)と、各巻回電極体20の正極第2集電部材52と、をそれぞれ接合する。また、負極タブ群25の複数の負極タブ24tを湾曲させた状態で、封口板14に固定された負極第1集電部材61と、各巻回電極体20の負極第2集電部材62と、をそれぞれ接合する。接合方法としては、例えば、超音波溶接、抵抗溶接、レーザ溶接等の溶接を用いることができる。特に、レーザ等の高エネルギー線の照射による溶接を用いることが好ましい。
【0068】
電池封止工程では、封口板14と一体化された巻回電極体20を、外装体12の内部空間に収容し、外装体12の開口12hの縁部に封口板14を接合して、開口12hを封止する。具体的には、まず、例えば、ポリエチレン(PE)等の樹脂材料からなる絶縁性の樹脂シートを、袋状または箱状に折り曲げて、電極体ホルダ29を用意する。次に、電極体ホルダ29に上記した巻回電極体20を収容する。電極体ホルダ29で覆われた巻回電極体20を、外装体12に挿入する。そして、外装体12の開口12hの縁部に封口板14を例えばレーザ溶接等の溶接に接合して、開口12hを封止する。
【0069】
注液孔封止工程では、電解液を注液後に注液孔15を封止部材16によって封止する。まず、封止部材16と、電解液と、を用意する。封止部材16としては、ブラインドリベットを用意する。ブラインドリベットは、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。一例において、ブラインドリベットは、加工前(注液孔15を封止する前)の状態で、注液孔15に挿入可能な筒状のスリーブと、スリーブの一端から延び、注液孔15よりも外径が大きい鍔状のフランジと、スリーブの一部であって、フランジとは反対側の端部に設けられた袋部と、スリーブおよび袋部に設けられたマンドレル(シャフト)と、を備える。また、電解液は特に限定されず、従来からこの種の二次電池において用いられているものと同様のものを使用することができる。
【0070】
次いで、注液孔15から電解液を注入する。そして、用意したブラインドリベットを封口板14の注液孔15に挿入する。具体的には、ブラインドリベットのスリーブを袋部の側から注液孔15に挿入する。注液孔15にブラインドリベットが挿入された時点では(すなわち、かしめ加工を行う前の時点では)、挿入されたブラインドリベットの下端部は、絶縁部材の下端部よりも下方に位置していてもよい。そして、フランジを封口板14に押圧しながら、マンドレルのフランジから延出した部分を工具等で上方に引っ張る。これにより、袋部の内側が塑性変形されると共に、マンドレルのフランジから延出した部分が切断されて排出される。その結果、図8に示すように、挿通部16aの下端に拡径部16cが形成されると共に、封止部材16の上下方向Zの長さが短くなる。これにより、封止部材16の下端部16eよりも正極絶縁部材70の下端部70eの方が下方に配置される。また、当該かしめ加工は、拡径部16cの最大幅部16dが封口板14側に位置するように実施するとよい。
【0071】
注液孔封止工程において、上述した通りかしめ加工を実施することにより、注液孔15の周縁に封止部材16としてのブラインドリベットがかしめ固定されると共に、注液孔15が封止部材16によって封止される。このようにして電池100を製造することができる。
【0072】
<電池の用途>
上述した電池は各種用途に利用可能であるが、例えば、乗用車、トラック等の車両に搭載されるモータ用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)、電気自動車(BEV;Battery Electric Vehicle)等が挙げられる。電池は、組電池の構築においても好適に用いることができる。
【0073】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は、他にも種々の形態にて実施することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
【0074】
<第1変形例>
図14は、第1変形例に係る電池200の図8対応図である。図15は、第1変形例に係る電池200の図11対応図である。図14および図15に示すように、第1変形例に係る電池200においては、封口板114の内表面114B側において注液孔115の周囲に凹部114dが設けられている。すなわち、電池200では、封口板14に代えて封口板114を備えている。電池200は、これらのこと以外、上記した電池100と同様の構成であってよい。
【0075】
凹部114dは、注液孔115の周囲を取り囲むように設けられている。凹部114dは、ここでは平面視において注液孔115よりも大きい略円形状に形成されている。平面視において、凹部114dの中心は、注液孔115の中心と一致している。凹部114dは、封口板114の内表面114B側から外表面114A側に向けて窪んでいる。図14に示すように、凹部114dは、底面114d1と、側壁114d2と、を有する。底面114d1は、ここでは封口板114の外表面114Aと略平行である。側壁114d2は、底面114d1の外縁から上下方向Zに沿って下方(底面12a側)に延びている。側壁114d2は、ここでは底面114d1から略垂直に延びている。ただし、底面114d1と側壁114d2とのなす角度は、鋭角あるいは鈍角であってもよい。
【0076】
封口板114の内表面114B側において凹部114dを備えている場合、封止部材16の拡径部16cの少なくとも一部は、凹部114dの内部に配置されているとよい。拡径部16cは、その全体が凹部114dの内部に配置されていてもよいし、配置されていなくてもよい。拡径部16cの少なくとも一部が封口板114の凹部114dの内部に配置されることで、巻回電極体120の側に突出する封止部材16の長さを短くすることができる。すなわち、凹部114dの側壁114d2の下端から谷部Sに向けて突出する封止部材16の突出長さH3を短くすることができる。これにより、巻回電極体20の上端部を封口板14のより近くに配置することができ、巻回電極体20の高さを高くすることができる。これにより、電池200をさらに高容量化することができる。
【0077】
以上のとおり、ここに開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:正極および負極を含み、一対の湾曲部を有する巻回電極体と、複数の上記巻回電極体を収容し、底面と、該底面と対向する略矩形状の第1面と、該底面から延び互いに対向する一対の第1側壁と、該底面から延び互いに対向する一対の第2側壁と、を有する六面形状の電池ケースと、上記電池ケースの上記第1面に形成された注液孔と、上記注液孔を封止する封止部材と、上記第1面に固定された絶縁部材と、を備える電池であって、上記複数の巻回電極体は、上記一対の湾曲部の一方が上記第1面と対向し、他方が上記底面と対向する向きで上記電池ケースに配置され、上記注液孔は、上記複数の巻回電極体のそれぞれの上記湾曲部の頂点と重ならない位置に形成され、ここで、上記絶縁部材の一部は、隣接する巻回電極体のそれぞれの上記頂点をつなぐ面と、該隣接する巻回電極体の上記湾曲部の湾曲表面とに囲まれた谷部に配置され、上記封止部材の一部は上記谷部に配置される、電池。
項2:上記絶縁部材は、上記谷部に向けて突出する突出部を有し、上記突出部が上記谷部に配置される、項1に記載の電池。
項3:上記第1面に取り付けられた端子と、上記端子と上記正極または上記負極とを電気的に接続する集電部材と、を備えており、上記絶縁部材は、上記谷部に向けて突出する突出部を有し、上記電池ケースの高さ方向において上記集電部材と上記第1面との間に上記絶縁部材が挟持される、項1または2に記載の電池。
項4:上記第1面に取り付けられた端子と、上記端子と上記正極または上記負極とを電気的に接続する集電部材と、を備えており、上記絶縁部材は上記第1面の長手方向における中央側であって、上記集電部材と対向しない領域において、上記突出部が複数形成される突出部形成領域を有している、項1~3のいずれか一つに記載の電池。
項5:上記絶縁部材は、上記第1面の長手方向における中央側であって、上記集電部材と対向しない領域において、上記突出部が複数形成される突出部形成領域を有しており、該突出部形成領域は、上記巻回電極体と対向する面側において複数の湾曲面を有しており、上記複数の湾曲面は、複数の上記突出部の間に形成されており、上記複数の湾曲面は、上記巻回電極体の湾曲表面に沿った形状である、項1~4のいずれか一つに記載の電池。
項6:上記絶縁部材の下端部は、上記封止部材の下端部よりも上記底面側に配置される、項1~5のいずれか一つに記載の電池。
項7:上記電池ケース内に配置される上記複数の巻回電極体は、奇数個であり、上記第1面の短手方向における中心線と重ならない位置に上記注液孔が配置される、項1~6のいずれか一つに記載の電池。
項8:上記封止部材は、上記電池ケースの内部に向けて突出しており、上記封止部材は、突出方向において上記第1面側に最大幅部を有している、項1~7のいずれか一つに記載の電池。
【符号の説明】
【0078】
10 電池ケース
12 外装体
12a 底面
12b 長側壁
12c 短側壁
12h 開口
14 封口板(第1面)
14A 外表面
14B 内表面
14c 凹部
14c1 底面
14c2 側壁
15 注液孔
16 封止部材
16a 挿通部
16b 鍔部
16c 拡径部
16d 最大幅部
16e 下端部
20 巻回電極体
20f 平坦部
20r 湾曲部
20r1 湾曲表面
22 正極(正極シート)
24 負極(負極シート)
26 セパレータ
30 正極端子
40 負極端子
50 正極集電部材
51 正極第1集電部材
52 正極第2集電部材
60 負極集電部材
61 負極第1集電部材
62 負極第2集電部材
70 正極絶縁部材
70e 下端部
70h 貫通孔
71 ベース領域
72 突出部形成領域
72a 突出部
72b 凹部
72r 湾曲面
80 負極絶縁部材
81 ベース領域
82 突出部形成領域
82a 突出部
100 電池
114 封口板
114A 外表面
114B 内表面
114d 凹部
115 注液孔
200 電池
P 頂点
S 谷部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15