(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】金属ベース回路基板、及び金属ベース回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/05 20060101AFI20241021BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
H05K1/05 A
H05K1/03 610K
H05K1/03 610N
H05K1/03 610L
H05K1/03 610R
(21)【出願番号】P 2022201344
(22)【出願日】2022-12-16
(62)【分割の表示】P 2022561361の分割
【原出願日】2021-10-19
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2020187555
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 晋也
(72)【発明者】
【氏名】植竹 操
【審査官】小南 奈都子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/194920(WO,A1)
【文献】特開2020-088150(JP,A)
【文献】特開2017-117513(JP,A)
【文献】特開2003-264360(JP,A)
【文献】特開2004-193594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/05
H05K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板に積層した絶縁層の表面に回路導体でなる回路パターンを積層した金属ベース回路基板であって、
前記絶縁層は、樹脂と、無機充填材とを含み、
前記回路導体でなる回路パターンは、厚みが0.8mmを上回り、
前記回路導体の断面において
、前記絶縁層に接する下面の幅が
層方向の中間部の幅より狭い、
金属ベース回路基板。
【請求項2】
金属基板に積層した絶縁層の表面に回路導体でなる回路パターンを積層した金属ベース回路基板であって、
前記絶縁層は、樹脂と、無機充填材とを含み、
前記回路導体でなる回路パターンは、厚みが0.8mmを上回り、
前記回路導体の断面において、層方向の中間部が少なくとも前記絶縁層の表面上に位置する部分に対して層交差方向への膨出形状である、
金属ベース回路基板。
【請求項3】
前記回路導体の断面において、
前記層方向の中間部が少なくとも前記絶縁層の表面上に位置する部分に対して層交差方向への膨出形状である、
請求項1に記載の金属ベース回路基板。
【請求項4】
前記絶縁層は、窒化ホウ素を含み、
前記絶縁層は、前記樹脂の全体積を基準として、前記窒化ホウ素を30~85体積%含む、
請求項1~3の何れか1項に記載の金属ベース回路基板。
【請求項5】
金属基板に積層した絶縁層の表面に回路導体でなる回路パターンを積層した金属ベース回路基板の製造方法であって、
前記絶縁層は、樹脂と、無機充填材とを含み、
前記回路パターンは、厚みが0.8mmを上回り、
前記回路パターンの断面において前記絶縁層に接する下面の幅を
層方向の中間部の幅より狭く形成する回路パターン形成工程と、
前記回路パターン形成工程後に前記回路パターンを前記金属基板上の絶縁層に接着する工程を含む、
金属ベース回路基板の製造方法。
【請求項6】
金属基板に積層した絶縁層の表面に回路導体でなる回路パターンを積層した金属ベース回路基板の製造方法であって、
前記絶縁層は、樹脂と、無機充填材とを含み、
前記回路パターンは、厚みが0.8mmを上回り、
前記回路パターンの断面において層方向の断面の中間部を膨出形状に形成する工程と、
前記膨出形状に形成する工程後に前記回路パターンを前記金属基板上の絶縁層に接着する工程を含む、
金属ベース回路基板の製造方法。
【請求項7】
前記回路パターンを前記金属基板上の絶縁層に接着する工程は、真空加熱プレス工程を含む、
請求項5又は請求項6に記載の金属ベース回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路パターン、回路基板用半製品基材、金属回路基板、回路パターンの製造方法、及び回路パターンの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント配線板として
図20に示す断面を有するものがある。このプリント配線板101の回路パターン103は、絶縁基板105の表面のみから金属箔にエッチングを行う片面エッチングにより形成されている。
【0003】
かかる片面エッチングでは、完成した回路パターン103の個々の回路導体103aの断面が台形形状となる。この回路パターン103を密な配置で形成すると、回路パターン103の上部で断線、底部で隣接回路導体103a相互間の短絡やイオンマイグレーションが発生し易いという問題があった。
【0004】
これに対し、特許文献1に記載のプリント配線基板では、片面エッチングの工程を工夫して形成されている。このプリント配線基板は、回路パターンを構成する回路導体の断面においてトップ部の幅をボトム部の幅以上として改善を図っている。
【0005】
しかし、特許文献1に記載のプリント配線基板においては、片面エッチングにより回路導体の断面形状を略逆台形、略すり鉢形、或いは略鼓形とするものであり、回路導体の断面積の増大が規制され、大電流への対応には限界があった。
【0006】
一方、特許文献2には、
図21に示すような断面のプリント配線板101が提案されている。
【0007】
このプリント配線板101の回路パターン103は、金属箔の表裏の双方でエッチングを行う両面エッチングにより形成されている。
【0008】
この両面エッチングでは、まず材料としての金属箔単体の一側面にフィルム状の保護材などが接着される。
【0009】
金属箔の他側面は、パターンレジストが形成され、第1面のエッチングが行なわれる。この第1面のエッチングにより金属箔の他側面に回路パターン103に応じた部分が層方向の中間部まで形成される。
【0010】
次に、金属箔の他側面は、回路パターン103に応じた部分の他側面が、絶縁基板105の表面に加圧と加熱とにより接着される。
【0011】
さらに、金属箔の一側面にパターンレジストが形成され、この一側面から第2面のエッチングが行なわれる。この第2面のエッチングにより金属箔の一側面に回路パターン103に応じた部分が層方向の中間部まで形成される。
【0012】
この結果、
図21に示すような断面の回路パターン103を絶縁基板105上に備えたプリント配線板101が完成する。
【0013】
かかるプリント配線板101では、両面エッチングにより金属箔の厚さを実際の厚さよりも薄くしたようにして回路パターン103を形成することができる。また、回路パターン103を構成する個々の回路導体103aの断面が、層方向の中間部で層方向に対する交差方向(層交差方向)への膨出形状である。従って、回路導体103aの断面積の増大を図ることができ、電流増大に対応し易くなっている。
【0014】
しかし、エッチングを金属箔の表裏両面から行う単純な両面エッチングである。このため、回路パターン103の個々の回路導体103aの層方向の中間部103abが絶縁基板105の表面に沿って尖った膨出形状となっている。
【0015】
このため、
図21の回路パターン103は、絶縁基板105の表面上で個々の回路導体103aの断面が尖った中間部13abを底部とするほぼ台形形状となる。結果として
図20の回路パターン103と同様に隣接回路導体103a相互間の短絡や絶縁基板105上でのイオンマイグレーションが発生し易いという問題が残存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】特開2005―209920号公報
【文献】特開平10―178256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
解決しようとする問題点は、層方向の中間部で層交差方向への膨出形状とする場合、絶縁基板の表面上では、個々の回路導体の断面が層交差方向へ尖った中間部を底部とするほぼ台形状となっており、隣接回路導体相互間の短絡やイオンマイグレーションが発生し易いという問題が残存し、回路パターンの密な配置に限界があった点である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の回路パターンは、金属基板に絶縁層を介して積層するための回路導体でなる回路パターンであって、前記回路導体の断面において、層方向の中間部が前記層交差方向への膨出形状であり、前記膨出形状は、層方向になだらかな面で形成された。
【0019】
本発明の回路基板用半製品基材は、前記回路パターンが、保護シートに積層された。
【0020】
本発明の金属ベース回路基板は、金属基板に積層した絶縁層の表面に回路導体でなる回路パターンを積層した金属ベース回路基板であって、前記回路導体の断面において、層方向の中間部が少なくとも前記絶縁層の表面上に位置する部分に対して層交差方向への膨出形状である。
【0021】
本発明の回路パターンの製造方法は、材料板への両面エッチングにより回路パターンを構成する個々の回路導体に応じた部分が相対的に薄肉の結合部で結合された回路パターン半製品を形成するパターン形成工程と、前記回路パターン半製品の一側面から前記結合部に対し片面エッチングすることにより前記回路導体の層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に前記膨出形状を層方向になだらかな面で形成した回路パターンとする回路形成工程とを備えた。
【0022】
本発明の回路パターンの製造装置は、材料板への両面エッチングにより回路パターンを構成する個々の回路導体に応じた部分が相対的に薄肉の結合部で結合された回路パターン半製品を形成するパターン形成装置と、前記回路パターン半製品の一側面から前記結合部に対し片面エッチングすることにより前記回路導体の層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に前記膨出形状を層方向になだらかな面で形成した回路パターンとする回路形成装置とを備えた。
【発明の効果】
【0023】
本発明の回路パターンは、中間部の膨出形状により回路導体の断面積を増大することができ、電流増加に対応し易く、大電流化にも有利である。膨出形状は層方向になだらかな面で形成されているから、この部分での隣接回路導体との間の短絡を抑制することができる。従って、回路パターンの密な配置を可能とする。
【0024】
本発明の回路基板用半製品基材は、回路パターンを保護シートに積層することで、膨出形状を備えた回路パターンを在庫化することができる。
【0025】
本発明の金属ベース回路基板は、電流増加に対応し易く、大電流化にも有利である。また、隣接回路導体との間のイオンマイグレーションの発生の抑制により回路パターンの密な配置にすることができる。
【0026】
本発明の回路パターンの製造方法は、電流増加に対応し易く、大電流化にも有利な回路パターンを製造することができる。また、隣接回路導体との間の短絡の抑制、イオンマイグレーションの発生の抑制により密な配置の回路パターンを製造することができる。
【0027】
本発明の回路パターンの製造装置は、回路パターンの製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1(A)は、本発明の実施例に係る膨出形状が回路導体の層方向上下中央よりも下部側に位置する金属ベース回路基板の模式的な概略断面図、
図1(B)は、
図1(A)に対し膨出形状が回路導体の層方向中央よりも上部側に位置する金属ベース回路基板の模式的な概略断面図である。
【
図2】
図2は、回路基板用半製品基材の斜視図である。
【
図5】
図5は、回路パターンの製造方法を示す工程図である。
【
図6】
図6は、回路パターンの製造方法の後工程として金属ベース回路基板の製造方法を示す工程図である。
【
図7】
図7は、パターン形成装置における第1ラミネート装置のラミネート状況を示す概略断面図である。
【
図8】
図8は、パターン形成装置における露光装置での露光状況を示す概略断面図である。
【
図9】
図9は、パターン形成装置における現像装置での現像状況を示す概略断面図である。
【
図10】
図10は、パターン形成装置における両面エッチング装置でのエッチング状況を示す概略断面図である。
【
図11】
図11は、パターン形成装置における剥離装置でのアルカリ剥離状況を示す概略断面図である。
【
図12】
図12は、回路形成装置における第2ラミネート装置でのラミネート状況を示す概略断面図である。
【
図13】
図13は、回路形成装置における片面エッチング装置での片面エッチング状況を示す概略断面図である。
【
図14】
図14は、回路基板用半製品基材から回路パターンの切り取りイメージを示す斜視図である。
【
図15】
図15は、クッション材への回路パターンの転写を示す概略断面図である。
【
図16】
図16は、回路パターンを転写したクッション材の概略断面図である。
【
図17】
図17は、金属基板上の絶縁層に回路パターンを転写する真空加熱プレスを示す概略断面図である。
【
図18】
図18は、金属ベース回路基板の模式的な概略断面図である。
【
図19】
図19(A)は、回路基板用半製品基材から切り取った保護フィルム上の回路パターンを示す概略断面図である。
図19(B)は、クッション材に転写された回路パターンを示す概略断面図である。
図19(C)は、金属基板上の絶縁層に転写された回路パターンを示す概略断面図である。
【
図20】
図20は、従来例に係る金属ベース回路基板の概略断面図である。
【
図21】
図21は、他の従来例に係る金属ベース回路基板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、電流増加に対応し易く、隣接回路導体相互間の短絡或いはイオンマイグレーションが発生し難く、回路パターンの密な配置を可能にするという目的を以下のように実現した。
【0030】
本発明は、金属基板に絶縁層を介して積層するための回路導体でなる回路パターンであって、回路導体の断面において、層方向の中間部が層交差方向への膨出形状であり、膨出形状は、層方向になだらかな面で形成された。層方向とは、回路導体の積層方向又は板厚方向を意味し、層交差方向とは、層方向に対する交差方向である。
【0031】
回路導体の断面の層方向の中間部の膨出形状は、回路導体の周側面の周方向において周側面に周回状に全体的に形成されるが、部分的に形成してもよい。
【0032】
層方向の中間部とは、回路導体の層方向の上下面間での任意の位置を意味する。
【0033】
回路導体の層方向になだらかな面は、層交差方向に尖端を有しないことを意味し、例えば層交差方向への凸曲面である。ただし、このなだらかな面は、層交差方向に尖っていなければよく、必ずしも曲面である必要は無い。つまり、なだらかな面は、ダレた凸面、変形した凸面などにすることもできる。
【0034】
回路導体の断面の層方向の中間部の膨出形状は、ウェットエッチングによる両面エッチング及び片面エッチングを用いて形成できるが、同様の形状を形成できる限りにおいて加工方法は問わない。
【0035】
回路導体は、層方向の断面において絶縁層に接する下面の幅が上面の幅よりも広い又は層方向の断面において絶縁層に接する下面の幅が上面の幅よりも狭い。但し、回路導体は、上下面の幅が等しくても良い。
【0036】
回路基板用半製品基材の回路パターンは、保護シートに積層された構成であってもよい。保護シートは、エッチングに使用されたものをそのまま用いればよい。ただし、保護シートを、エッチングの保護シートとは別のものを用いることもできる。保護シートの大きさは、回路パターンに応じているのがよい。保護シートは、可撓性を有しているものが好ましいが、硬質のものであってもよい。
【0037】
回路基板用半製品板材の回路パターンは、厚みが0.8mmを上回る。
【0038】
この回路パターンは、大電流化ニーズに応じた厚みのあるパターンとなる。但し、回路パターンの厚みは、電流仕様に応じて種々選択できる。つまり、回路パターンは、回路導体の断面に膨出形状が無い場合との比較において回路導体の断面の膨出形状により電流増加に対応し易くできればよい。回路パターンの厚みの上限、下限は、回路パターンとして技術常識の範囲内である。回路パターンは、銅箔、圧延銅板、アルミ板などで形成することができる。
【0039】
本発明の金属ベース回路基板は、金属基板に積層した絶縁層の表面に回路導体でなる回路パターンを積層した金属ベース回路基板であって、回路導体の断面において、層方向の中間部が少なくとも絶縁層の表面上に位置する部分に対して層交差方向への膨出形状である。
【0040】
絶縁層の表面に回路導体でなる回路パターンを積層したとは、回路導体の下面が絶縁層の表面に接するか僅かに埋没した状態である。この場合、膨出形状には、層交差方向に尖った形状を含む。膨出形状は、層方向になだらかな面で形成されてもよい。
【0041】
金属ベース回路基板の回路パターンは、絶縁層上で回路導体の周側面を樹脂モールドすることもできる。金属基板の厚み、平面形状は、金属ベース回路基板の仕様に応じて設定される。
【0042】
本発明の回路パターンの製造方法は、パターン形成工程と、回路形成工程とを備えた。パターン形成工程は、材料板への両面エッチングにより回路パターンを構成する個々の回路導体に応じた部分が相対的に薄肉の結合部で結合された回路パターン半製品を形成する。回路形成工程は、回路パターン半製品の一側面から結合部に対し片面エッチングすることにより回路導体の層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に膨出形状を層方向になだらかな面で形成した回路パターンとする。
【0043】
材料板の両面へのエッチングは、両面同時に行うこと又は片面ずつ両面を行うことの何れでもよい。
【0044】
回路導体に応じた部分とは、金属ベース回路基板の回路導体に対応した部分であり、相互に結合部で結合され、回路導体として半製品であることを意味する。
【0045】
薄肉の結合部は、回路導体の層方向の中間部において任意の位置に形成することができる。
【0046】
相対的に薄肉とは、結合部が回路導体に対して薄肉であることを意味する。
【0047】
回路パターン半製品は、材料板への両面エッチングにより回路パターンの輪郭が形成され、且つ回路パターンの回路導体に応じた部分が相互に結合部で結合され、回路パターンとしては半製品の状態である。つまり、回路パターン半製品とは、材料板への両面エッチングによる結果物である。
【0048】
回路パターン半製品の一側面は、回路パターン半製品の表裏何れでもよく、選択した面が一側面であり、この一側面に対する他方の面が他側面となる。
【0049】
回路パターンの製造方法は、パターン形成工程及び回路形成工程に加え、製造された回路パターンを金属基板に絶縁層を介して積層する工程を含むことができる。
【0050】
パターン形成工程は、回路パターン半製品の回路パターンに応じた部分の最外周に結合部に応じた形状の舌部を周回状に備えた回路パターン半製品を形成し、回路形成工程は、片面エッチングを結合部及び舌部に対して行い上記膨出形状とする。
【0051】
回路パターンに応じた部分とは、金属ベース回路基板の回路パターンに応じた部分であり、結合部で結合された個々の回路導体に応じた部分の組み合わせで構成される。
【0052】
結合部に応じた形状の舌部は、片面エッチングにより結合部と共に除去可能な形状を意味し、例えば厚み、幅寸法が結合部とほぼ同じであるものである。
【0053】
回路形成工程は、回路パターン半製品の一側面に結合部を露出させ又は結合部及び舌部を露出させたレジストパターンを形成すると共に回路パターン半製品の他側面に保護シートを積層するシート積層工程を含み、回路形成工程は、一側面からの片面エッチングをレジストパターンから行う。
【0054】
回路形成工程は、片面エッチングの後にレジストパターンを除去して保護シートに積層された回路パターンを有する回路基板用半製品基材を得る。
【0055】
本発明の回路パターンの製造装置は、パターン形成装置と、回路形成装置とを備えた。パターン形成装置は、材料板への両面エッチングにより回路パターンを構成する個々の回路導体に応じた部分が相対的に薄肉の結合部で結合された回路パターン半製品を形成する。回路形成装置は、回路パターン半製品の一側面から結合部に対し片面エッチングすることにより回路導体の層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に膨出形状を層方向になだらかな面で形成した回路パターンとする。
【0056】
回路パターンの製造装置は、回路パターン半製品の一側面にレジストパターンを形成すると共に回路パターン半製品の他側面に保護シートを積層する積層装置を備え、回路形成装置は、一側面からの片面エッチングをレジストパターンから行う。
【0057】
回路形成装置は、片面エッチングの後にレジストパターンを除去して保護シートに積層された回路パターンを有する回路基板用半製品基材を形成する。
【実施例】
【0058】
[金属ベース回路基板]
図1(A)は、膨出形状が回路導体の層方向上下中央よりも下部側に位置する金属ベース回路基板の模式的な概略断面図、
図1(B)は、膨出形状が回路導体の層方向上下中央よりも上部側に位置する金属ベース回路基板の模式的な概略断面図である。
【0059】
なお、以下の説明において、層方向とは、金属ベース回路基板の積層方向を意味する。層交差方向とは、金属ベース回路基板の面方向を意味する。上とは、金属ベース回路基板を水平に置いた時の重力方向の上を意味する。下とは、金属ベース回路基板を水平に置いた時の重力方向の下を意味する。
【0060】
図1の金属ベース回路基板1は、大電流化ニーズに応じた厚い回路パターン3を備えたものである。
図1(A)及び(B)の金属ベース回路基板1は、膨出形状が上下中央よりも下部側に位置するか上部側に位置するかで相違するが、基本的には同一構造である。従って、金属ベース回路基板1の構造は、主に
図1(A)を用いて説明し、
図1(B)の金属ベース回路基板1及び
図2の回路導体の断面は、必要に応じて参照する。
【0061】
図1(A)のように、金属ベース回路基板1は、後述する回路基板用半製品基材を用いて製造されたものである。この金属ベース回路基板1は、金属基板5上に絶縁層7を介して回路パターン3を積層したものである。
【0062】
回路パターン3は、例えば銅で形成され、本実施例において厚みが0.8mmを上回る3.0mmの回路用銅材料で形成され、大電流に対応したものとしている。
【0063】
この回路パターン3は、電気的に独立した複数の回路導体3aを備えている。複数の回路導体3aの構成は、回路パターン3の要求特性に応じて形成される。
【0064】
回路導体3aの層方向の厚みは、0.8~3.0mmの範囲で選択している。但し、回路導体3aの層方向の厚みは、金属ベース回路基板1の仕様により上記範囲外での選択も可能である。
【0065】
回路導体3aの断面において、層方向の中間部が少なくとも絶縁層7上に位置する部分である下面3dに対して層交差方向への膨出形状である。本実施例では、層方向の中間部が上下面3c及び3に対して層交差方向への膨出形状となる。この膨出形状は、層方向になだらかな面3bで形成されている。層方向になだらかな面3bは、凸曲面である。各回路導体3aは、周方向に同様の断面が連続する形状となっている。
【0066】
回路導体3aの層方向の中間部は、回路導体3aの層方向の上下面3c、3d間の位置である。
図1(A)の膨出形状の面3bは、回路導体3aの上下中央よりも若干下面3d寄りとなっている。
図1(B)の回路導体3aの膨出形状の面3bは、回路導体3aの上下中央よりも若干上面3c寄りとなっている。
【0067】
層方向になだらかな面3bは、層交差方向の尖った部分(尖端)や角ばった部分が無く、層方向に連続している。面3bの凸曲面は、円弧状に漸次連続している。
【0068】
膨出形状の面3bに対して上下側の面3e、3fはほぼ直状の傾斜面となって面3bに連続している。なお、面3e、3fは、後述する
図4のように凹曲面状に形成することもできる。
【0069】
図1(A)に示す回路導体3aの下面3dは、上面3cよりも幅が広くなっている。
図1(B)に示す回路導体3aでは、
図1(A)の回路導体3aとは逆に上面3cの幅が下面3dの幅より広く形成されている。
【0070】
図1(A)に示す回路導体3aでは、回路導体3aの膨出形状の面3b間の間隔は、2mm程度に設定され、下面3d間の間隔は、2.1mm程度となっている。
図1(B)に示す回路導体3aでは、回路導体3aの膨出形状の面3b間の間隔を、2mm程度に設定すると、下面3d間の間隔は、2.2mm程度となっている。
【0071】
図20、
図21の従来のプリント配線板101を比較して見ると、絶縁基板105の表面での回路導体103aの間隔が2mmとなり、
図1(A)及び(B)の金属ベース回路基板1に対して狭くなる。
【0072】
絶縁層7は、回路パターン3を金属基板5から電気的に絶縁する役割を果たしているのに加え、それらを互いに張り合わせる接着剤としての役割も果たしている。そのため、絶縁層7には一般に樹脂が使用される。
【0073】
絶縁層7の厚みは、60~150μmに設定されている。この絶縁層7は、回路パターン3に実装される素子の高い発熱性に対する高い耐熱性と、この発熱を金属基板5に伝達する高い熱伝達性とが必要とされる。このため、絶縁層7は無機充填材を更に含有することが好ましい。
【0074】
絶縁層7のマトリクス樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリアジン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ノボラック型シアネート樹脂等のシアネート樹脂等を単独又は2種以上を混合して用いることができる。また、エポキシ樹脂と合わせてアミン、フェノール樹脂などの硬化剤を使用する。硬化剤は例えば同じアミン化合物の中から2種以上混合する場合もある。さらに硬化のための触媒を加えることもある。
【0075】
絶縁層7が含有する無機充填材は、電気絶縁性に優れ且つ熱伝導率の高いものが好ましい。例えば、アルミナ、シリカ、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム等が挙げられ、これらの中から選ばれる1種又は2種以上を無機充填材として用いることが好ましい。
【0076】
絶縁層7における無機充填材の充填率は、無機充填剤の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、無機充填材の充填率は、絶縁層7に含有されるマトリクス樹脂の全体積を基準として85体積%以下であることが好ましく、30~85体積%がより好ましい。
【0077】
絶縁層7は、上述したマトリックス樹脂及び無機充填材以外に、例えば、カップリング剤、分散剤等を更に含有してもよい。
【0078】
なお、絶縁層7として半硬化状態の絶縁シートを用いることもできる。
【0079】
金属基板5は、例えば、単体金属又は合金からなる。金属基板5の材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、アルミニウム合金、又はステンレスを使用することができる。金属基板5は、炭素などの非金属を更に含んでいてもよい。例えば、金属基板5は、炭素と複合化したアルミニウムを含んでいてもよい。また、金属基板5は、単層構造、又は多層構造を有していてもよい。
【0080】
金属基板5は、高い熱伝導率を有している。例えば、銅材では、370~400W・m-1・K-1、アルミ材では、190~220W・m-1・K-1、鉄材では、60~80W・m-1・K-1の熱伝導率を有している。
【0081】
金属基板5は、可撓性を有していてもよく、可撓性を有していなくてもよい。金属基板5の厚さは、例えば、1.0~3.0mmの範囲内で設定されている。
【0082】
なお、金属ベース回路基板1は、ヒートシンク形状の金属基板を用いた金属ベース回路基板として構成することもできる。
【0083】
かかる金属ベース回路基板1は、上記のように回路導体3aに層方向の中間部で層方向になだらかな層交差方向への凸曲面である面3bで膨出形状が形成されている。
【0084】
このため、回路導体3aの中間部の膨出形状により回路導体3aの断面積を増大することができる。従って、金属ベース回路基板1は、電流増加に対応し易く、大電流化にも有利である。
【0085】
回路導体3aの膨出形状は層方向になだらかな面3bで形成されているから、この部分での隣接回路導体3aとの間の短絡を抑制することができる。
【0086】
図1(A)及び(B)に示す回路導体3aは、絶縁層7に積層される回路導体3aの下面3dの幅が中間部の面3bにおける幅よりも小さくなる。従って、回路導体3a間の絶縁層7上でのイオンマイグレーションの発生を抑制できる。
【0087】
隣接回路導体3a間の短絡を抑制し、イオンマイグレーションの発生を抑制できるから、金属ベース回路基板1では回路パターン3の密な配置を可能とする。特に
図1(A)に示す回路導体3aは、下面3dの幅が上面3c幅よりも広く、絶縁層7に対する接着力を
図1(B)に示す回路導体3aよりも大きくすることができる。
【0088】
[回路基板用半製品基材]
図2は、回路基板用半製品基材の斜視図である。
図3は、回路パターンの平面図である。
図4は、回路導体の要部拡大断面図である。
【0089】
図2のように本発明実施例の回路基板用半製品基材W1は、回路パターン3が、保護シート9に積層されて形成されている。回路基板用半製品基材W1は、後述のように両面エッチング及び片面エッチングを用いた回路パターンの製造方法により製造されている。
【0090】
保護シート9は、後述のように回路パターン半製品の一側面から行う片面エッチングに際して回路パターン半製品の他側面にラミネートされた裏面保護フィルムがそのまま用いられている。
【0091】
回路パターン3は、概ね前述の通りであるが、銅板材に対するウェットエッチングで両面エッチング及び片面エッチングにより製造した場合、代表的な断面形状は
図4のようになる。両面エッチング及び片面エッチングによる製造方法については、後述する。
【0092】
図4において、円弧状の凸曲面である面3bは、回路導体3aの上下面3c、3d間の中央又は中央よりも僅かに上面3c寄り(t1-t2≦t2)に形成されている。
【0093】
膨出形状の面3bに対して上下側の面3e、3fは、凹曲面状に形成されている。面3b及び面3e、3fは、回路導体3aの周側面で層方向に滑らかに連続している。面3bは、上下面3c、3dよりも層交差方向へ突出している。
【0094】
従って、回路基板用半製品基材W1の回路パターン3を用いて金属ベース回路基板1を製造することができる。
【0095】
[回路パターンの製造方法、金属ベース回路基板の製造方法]
図5は、回路パターンの製造方法を示す工程図である。
図6は、回路パターンの製造方法の後工程として金属ベース回路基板の製造方法を示す工程図である。実施例では、回路パターンの製造方法及び金属ベース回路基板の製造方法を連続ラインで実現しているが、これら製造方法を、別個のラインとして実現することもできる。
【0096】
図5のように、回路パターン製造方法は、パターン形成工程S1~S5と回路形成工程S6~S10とを備えている。また、回路形成工程S6~S10は、シート積層工程S6~S8を含んでいる。
【0097】
パターン形成工程S1~S5は、材料板としての銅箔又は銅板材への両面エッチングを行う。これにより回路パターン3を構成する個々の回路導体3aに応じた部分が相対的に薄肉の結合部(後述)で結合された回路パターン半製品が形成される。
【0098】
回路形成工程S6~S10は、回路パターン半製品(後述)の一側面から結合部及び回路パターン最外周の舌部(後述)に対し片面エッチングを行う。これにより回路導体3aの層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に膨出形状を層方向になだらかな面3bで形成した回路パターン3を得る。
【0099】
シート積層工程である第2フィルムラミネート工程S6は、回路パターン半製品の一側面に結合部及び舌部を露出させたレジストパターン(後述)を形成すると共に回路パターン半製品の他側面に保護シート(後述)を積層する。
【0100】
パターン形成工程S1~S5は、パターン形成装置(後述)によって行われる。回路形成工程S6~S10は、回路形成装置(後述)によって行われる。シート積層工程S6~S8は、積層装置(後述)によって行われる。
【0101】
回路形成工程S6~S10では、一側面からの片面エッチングをレジストパターンから行う。
【0102】
そして、回路形成工程S6~S10では、片面エッチングの後にレジストパターンを除去して保護シートに積層された回路パターン3を有する回路基板用半製品基材W1を得る。この回路基板用半製品基材W1は、基板積層工程S11~S14による金属ベース回路基板1の製造に用いられる。回路基板用半製品基材W1は、連続生産ラインから切り離してそのまま在庫化することもできる。
【0103】
図5のパターン形成工程S1~S5及び回路形成工程S6~S10を、
図7~
図13を参照しつつさらに説明する。
図7~
図11はパターン形成工程S1~S5を実現するパターン形成装置に係り、
図12~
図13は、回路形成工程S6~S10を実現する回路形成装置に係るものである。
【0104】
図7は、パターン形成装置における第1ラミネート装置のラミネート状況を示す概略断面図である。
図8は、パターン形成装置における露光装置での露光状況を示す概略断面図である。
図9は、パターン形成装置における現像装置での現像状況を示す概略断面図である。
図10は、パターン形成装置における両面エッチング装置での両面エッチング状況を示す概略断面図である。
図11は、パターン形成装置におけるアルカリ剥離装置でのアルカリ剥離状況を示す概略断面図である。
【0105】
図12は、回路形成装置における第2ラミネート装置でのラミネート状況を示す概略断面図である。
図13は、回路形成装置における片面エッチング装置での片面エッチング状況を示す概略断面図である。
【0106】
また、
図6の基板積層工程S11~S14を
図14~
図19を参照しつつさらに説明する。
図14は、回路基板用半製品基材からの回路パターンの切り取りイメージを示す斜視図である。
図15は、クッション材への回路パターンの転写を示す概略断面図である。
図16は、回路パターンを転写したクッション材の概略断面図である。
図17は、金属基板上の絶縁層に回路パターンを転写する真空加熱プレスを示す概略断面図である。
図18は、金属ベース回路基板の模式的な概略断面図である。
図19(A)は、回路基板用半製品基材から切り取った保護フィルム上の回路パターンを示す概略断面図である。
図19(B)は、クッション材に転写された回路パターンを示す概略断面図である。
図19(C)は、金属基板上の絶縁層に転写された回路パターンを示す概略断面図である。
【0107】
図5において、ステップS1は、パターン形成工程の第1フィルムラミネート工程である。この工程は、パターン形成装置に含まれる
図7の第1ラミネート装置11でのフィルムラミネートによって実現される。
【0108】
すなわち、材料板である銅板材Wは、予め基板サイズに切断され、第1ラミネート装置11のロール11a、11b間にドライフィルム13a、13bと共に供給される。この工程によりドライフィルム13a、13bが、銅基板Wの表裏に貼り付けられる。ドライフィルム13a、13bとしては、厚み100μm程度のものが用いられている。ただし、ドライフィルム13a、13bとして他の厚みを有するもの、例えば40μm程度のものを用いることもある。
【0109】
ステップS2は、パターン形成工程の露光工程である。この工程は、パターン形成装置に含まれる
図8の露光装置15での露光によって実現される。この工程では、表裏にドライフィルム13a、13bが張り付けられた銅基板Wの表裏のドライフィルム13a、13bに露光フィルム17a、17bを配置し、露光する。
【0110】
ステップS3は、パターン形成工程の現像工程である。この工程は、
図9のようにパターン形成装置に含まれる現像装置(図示せず。)での現像によって実現される。この工程では、ステップS2で露光された銅基板Wの表裏のドライフィルム13a、13bを現像し、露光で硬化していない部分を除去する。除去されて露出した銅基板Wにおける部分は、回路パターンとならない部分となる。つまり、現像後に残ったドライフィルム13a、13bは、回路パターン3に対応したレジストパターン19となっている。
【0111】
ステップS4は、パターン形成工程の両面エッチング工程である。この工程は、パターン形成装置に含まれる
図10の両面エッチング装置21での両面エッチングによって実現される。この工程では、両面エッチング装置21により塩化第二鉄のエッチング液を銅基板Wの表裏から噴霧し、両面エッチングを行う。エッチング液としては、塩化第二銅、アルカリエッチング液を用いることもできる。なお、
図10において、両面エッチング装置21は、概念的にのみ示している。この両面エッチング装置21としては、適宜の周知の両面エッチング機を採用可能である。
【0112】
両面エッチングは、液温45℃、スプレー圧0.4MPaの噴霧でエッチング時間30分程度行われる。但し、両面エッチングの液温等の条件は、結合部23及び舌部23aの設定により種々変更することができる。
【0113】
この両面エッチングにより、回路パターン3を構成する個々の回路導体3aに応じた部分3aaが相対的に薄肉の結合部23で結合された形状が形成される。回路導体3aに応じた部分3aaで構成される回路パターンに応じた部分3Aの最外周には、結合部23に対応した形状の舌部23aが形成されている。舌部23aは、回路パターンに応じた部分3A全体を囲むように周回状に形成されている。舌部23aの厚み、突出寸法は、結合部23の厚み及び回路導体3a間に渡る寸法と同程度に形成されている。
【0114】
ステップS5は、パターン形成工程のアルカリ剥離工程である。この工程は、
図11のようにパターン形成装置に含まれるアルカリ剥離装置(図示せず。)でのアルカリ剥離によって実現される。この工程では、現像後に回路パターン3に対応したレジストパターン19がアルカリ液により除去され、回路パターン半製品25が形成される。回路パターン半製品25では、回路パターン3を構成する個々の回路導体3aに応じた部分3aaが相対的に薄肉の結合部23で相互に結合されている。
【0115】
ステップS6は、回路形成工程の第2フィルムラミネート工程である。第2フィルムラミネート工程は、ステップS7の露光工程、ステップS8の現像工程と共にシート積層工程を構成し、後述のようにレジストパターン31を形成する。この工程は、回路形成装置に含まれる
図12の第2ラミネート装置27でのフィルムラミネートによって実現される。
【0116】
この工程では、回路パターン半製品25が第2ラミネート装置27のロール27a、27b間にドライフィルム29、保護シート9としての裏面保護フィルムと共に供給される。
【0117】
この工程によりドライフィルム29が、回路パターン半製品25の表面に貼り付けられ、保護シート9である裏面保護フィルムが同裏面に貼り付けられる。なお、回路パターン半製品25の表裏は、任意に選択することができる。ドライフィルム29としては、厚み100μm程度のものが用いられている。但し、ドライフィルム29として他の厚みを有するもの、例えば厚み40μmのものを用いることもある。
【0118】
ステップS7は、回路形成工程の露光工程、ステップS8は、回路形成工程の現像工程である。ステップS7、S8は、パターン形成工程のステップS2、S3と同様の工程が実施される。ステップS7、S8は、ステップS6と共に回路形成工程のシート積層工程を構成する。シート積層工程を実現する第2ラミネート装置27、露光装置、現像装置が積層装置を構成する。
【0119】
ステップS8において現像後に残ったドライフィルム29は、回路パターンに対応して回路パターン半製品25の一側面である表面に結合部23を露出させたレジストパターン31を構成する。回路パターン半製品25の他側面である裏面には、裏面保護フィルムである保護シート9が積層して貼り付けられる。
【0120】
ステップS9は、回路形成工程の片面エッチング工程である。この工程は、回路形成装置に含まれる
図13の片面エッチング装置33での片面エッチングによって実現される。この工程では、片面エッチング装置33により塩化第二鉄のエッチング液を一側面のレジストパターン31から噴霧し、片面エッチングを行う。なお、
図13において、片面エッチング装置33は、概念的にのみ示している。この片面エッチング装置33としては、適宜の周知の片面エッチング機を採用可能である。
【0121】
エッチング液としては、上記同様、塩化第二銅、アルカリエッチング液を用いることもできる。この片面エッチングは、液温45℃、スプレー圧0.4MPaの噴霧でエッチング時間5分程度行われる。但し、両面エッチングの液温等の条件は、結合部23及び舌部23aの厚み、層方向の位置により種々変更することができる。片面エッチングにより、結合部23及び舌部23aがエッチングされて除去される。
【0122】
結合部23及び舌部23aは完全に除去するのではなく、回路導体3aの周側面が膨出形状となるように残す。この場合、エッチングの進行と共に膨出形状に対して層方向においても全体的にエッチング液が行き渡ることになる。
【0123】
このため、膨出形状の表面は、
図4のように円弧状の凸曲面の面3bとして形成される。面3bの凸曲面の形態は、液温、スプレー圧、エッチング時間の設定により調節することができる。面3bの上下面3c、3d間での位置、膨出形状の大きさ、上下面3c、3dの幅の設定は、結合部23及び舌部23aの上下位置、厚み、片面エッチングの液温、スプレー圧、エッチング時間の設定により調節することができる。
【0124】
ステップS10は、回路形成工程の完成工程に関する。この完成工程では、ステップS5のアルカリ剥離工程と同様の工程が行われる。つまり、ステップS9での片面エッチングの後に回路形成装置に含まれるアルカリ剥離装置でのアルカリ剥離によりレジストパターン31を除去する。この結果、
図2の回路基板用半製品基材W1を結果物として得る。回路基板用半製品基材W1は、保護シート9である裏面保護フィルムに回路パターン3が貼り付けられている。
【0125】
図2のように得られた回路基板用半製品基材W1を用い、
図6の基板積層工程S11~S14により金属ベース回路基板1が完成する。
【0126】
つまり、
図14に示されるような回路基板用半製品基材W1から回路パターン3を1組ずつ切り取り、回路パターン3をむき出し面(表面)でクッション材35へ転写させる。次いで裏面保護フィルムを剥がし、金属基板5上の絶縁層7に回路パターン3を裏面保護フィルムを剥がした側で貼り付ける。さらにクッション材35を剥がし、回路パターン3を加圧加熱処理して金属ベース回路基板1が完成する。
【0127】
さらに述べると、
図6においてステップS11は、基板積層工程の切り取り工程である。この工程では、前記のようにして得られた回路基板用半製品基材W1から
図14のように一組の回路パターン3の切り取りが行われる。この切り取りでは、保護シート9がカットされ一組の回路パターン3が保護シート9と共に切り出される。
【0128】
ステップS12は、転写工程である。この工程では、
図15のように回路パターン3の表面をクッション材35の表面に向け、回路パターン3をクッション材35にプレスにより転写する。この時、回路パターン3の個々の回路導体3aの相互位置は保護シート9により正確に維持される。
【0129】
クッション材35は、例えば厚さ3~5mmのウレタン製である。クッション材35の表面には、粘着層が備えられている。回路パターン3の表面は、クッション材35の表面の粘着層に粘着により保持される。クッション材35の粘着強度は、保護シート9による回路パターン3の保持力よりも高く設定されている。従って、プレス後に保護シート9を剥がすことで
図16のようにクッション材35に回路パターン3が転写される。
【0130】
ステップS13は、真空加熱プレス工程である。この工程では、
図17のようにクッション材35に保持された回路パターン3を金属基板5上の絶縁層7に真空加熱プレスにより押圧する。
【0131】
このとき、クッション材35は、各回路導体3aの粘着部分が各回路導体3aから反力を受けて撓み、各回路導体3aの粘着部分以外の残りの部分が絶縁層7に届くように変形する。このクッション材35の弾性により真空加熱プレス時に各回路導体3aを未硬化の絶縁層7上に適正に押圧することができる。
【0132】
従って、クッション材35の厚みは、プレスする回路導体3aの厚みに応じて設定される。すなわち、クッション材35は、厚い回路導体3aの場合に厚く、薄い回路導体3aの場合に薄くなる。これらの厚みの関係は、クッション材35の弾性との関係で予めの実験により設定することができる。
【0133】
ステップS14は、完成工程である。この工程では、絶縁層7が固化した後、クッション材35を剥がす。これによって
図18の金属ベース回路基板1が完成する。
【0134】
ステップS11~S14の工程と膨出形状との関係は、
図19のようになる。
【0135】
ステップS11の切り取り工程により回路パターン3の個々の回路導体3aの下面3dが切り取られた保護シート9に保持され、個々の回路導体3aの上面3cが露出している。個々の回路導体3aの膨出形状の面3bは、保護シート9を下方に位置させた状態で回路導体3aの上下中央位置よりも下側としている。
【0136】
ステップS12の転写工程により回路パターン3の個々の回路導体3aが反転し、個々の回路導体3aの上面3cがクッション材35に保持され、個々の回路導体3aの下面3dが露出する。この状態で面3bは、クッション材35を下方に位置させた状態で回路導体3aの上下中央位置よりも上側となる。
【0137】
ステップS13、S14の真空加熱プレス工程及び完成工程では、個々の回路導体3aが再反転し、下面3dが絶縁層7に固定される。絶縁層7が硬化した後クッション材35が剥離ローラー(図示せず。)などを用いて剥がされることにより各回路導体3aの上面3cが露出する。この完成した金属ベース回路基板1において個々の回路導体3aの膨出形状の面3bは、絶縁層7を下方に位置させた状態で回路導体3aの上下中央位置よりも下側となっている。
【0138】
なお、完成した金属ベース回路基板1において個々の回路導体3aの膨出形状の面3bを、絶縁層7を下方に位置させた状態で回路導体3aの上下中央位置よりも上側にすることもできる。
【0139】
この場合、ステップS11の切り取り工程により個々の回路導体3aの膨出形状の面3bは、保護シート9を下方に位置させた状態で回路導体3aの上下中央位置よりも上側とする。
【0140】
ステップS12の転写工程で面3bは、クッション材35を下方に位置させた状態で回路導体3aの上下中央位置よりも下側となる。
【0141】
ステップS13、S14の真空加熱プレス工程及び完成工程で面3bは、絶縁層7を下方に位置させた状態で回路導体3aの上下中央位置よりも上側となる。
【0142】
なお、
図6の基板積層工程では、クッション材35を用いているが、これを省略してもよい。この場合、保護シート9をそのままクッション材として代用し、切り取り工程S11の後に真空加熱プレス工程S13を実行させることもできる。保護シート9は、エッチング液に対する耐薬液性を有してはいるが前記ステップS13の真空加熱プレス工程でのクッション材35と同等の厚み及び弾性を有する物性を備えることになる。
【0143】
[作用効果]
本発明実施例は、金属基板5に絶縁層7を介して積層するための回路導体3aでなる回路パターン3であって、回路導体3aの断面は、層方向の中間部が層交差方向への膨出形状であり、膨出形状は、層方向に連続した円弧状の凸曲面のなだらかな面3bで形成された。
【0144】
従って、面3bの膨出形状により回路導体3aの体積を増加することができる。特に円弧状の凸曲面は、膨出形状が尖った形状にすることなく回路導体3aの体積を確実に増大させることができる。この回路導体3aの体積増大により膨出形状を電流増加に対応し易く、大電流化にも有利である。
【0145】
膨出形状は層方向になだらかな面3bで形成されているからこの面3bでの隣接回路導体3a間の短絡を抑制することができる。特に円弧状の凸曲面は、膨出形状での回路導体3a相互の短絡を確実に抑制することができる。
【0146】
中間部での膨出形状により回路導体3aの体積を増大させながら絶縁層7に積層される回路導体3aの下面3dの幅を中間部の面3b相互間の幅よりも小さくすることができる。下面3d部分で回路導体3aの幅が小さくなることで隣接回路導体3a間の短絡を抑制し、且つイオンマイグレーションの発生を抑制できる。
【0147】
隣接回路導体3a間の短絡を抑制し、イオンマイグレーションの発生を抑制できるから回路パターン3の密な配置を可能とする。
【0148】
回路導体3aは、層方向の断面において絶縁層7に接する下面3dの幅が上面3cの幅よりも狭い。この上下面3c、3dの幅の設定により、下面3dにおいて隣接回路導体3a間の短絡を抑制し、且つイオンマイグレーションの発生を抑制できる。上面3cにおいては、断線を抑制できる。
【0149】
回路基板用半製品基材W1は、回路パターン3が、裏面保護フィルムの保護シート9に積層された。
【0150】
この保護シート9により、片面エッチング時は回路パターン3の裏面をエッチング液から保護することができる。また、保護シート9により、結果物を回路パターン3が保護シート9に積層された回路基板用半製品基材W1として取り扱うことを可能とし、在庫化を容易にすることができる。
【0151】
回路基板用半製品板材W1の回路パターン3は、厚みが0.8mmを上回る3.0mmの銅板材Wで形成した。この回路パターン3の厚みにより、大電流に対応できる。
【0152】
金属ベース回路基板1は、回路パターン3が、金属基板5に絶縁層7を介して積層された。この積層により、上記作用効果を備えた回路パターン3を有する金属ベース回路基板1を得ることができる。
【0153】
回路パターンの製造方法は、銅板材Wへの両面エッチングにより回路パターン3を構成する個々の回路導体3aに応じた部分3aaが相対的に薄肉の結合部23で結合された回路パターン半製品25を形成するパターン形成工程S1~S5と、回路パターン半製品25の一側面から結合部23に対し片面エッチングすることにより回路導体3aの層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に膨出形状を層方向になだらかな面3bで形成した回路パターン3とする回路形成工程S6~S10とを備えた。
【0154】
この回路パターンの製造方法のパターン形成工程S1~S5では、両面エッチングにより回路パターン半製品25を形成することができる。回路形成工程S6~S10では、回路パターン半製品25を用いて回路パターン3を形成することができる。
【0155】
パターン形成工程S1~S5は、回路パターン半製品25の回路パターン3に応じた部分3Aの最外周に結合部23と共に結合部23に応じた形状の舌部23aを周回状に形成する。
【0156】
この舌部23aにより回路パターン3の最外周においても回路導体3aの層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に膨出形状を層方向になだらかな面3bで形成することができる。
【0157】
回路形成工程S6~S10は、回路パターン半製品25の一側面に結合部23及び舌部23aを露出させたレジストパターン31を形成すると共に回路パターン半製品25の他側面に保護シート9を積層するシート積層工程S6~S8を含み、回路形成工程S6~S10は、一側面からの片面エッチングをレジストパターン31から行う。
【0158】
この片面エッチングにより回路導体3aの周側面になだらかな面3bの膨出形状を形成することができる。片面エッチングの液温、スプレー圧、エッチング時間の設定により面3bを円弧状の凸曲面にすることもできる。
【0159】
回路形成工程S6~S10は、片面エッチングの後にレジストパターン31を除去して保護シート9に積層された回路パターン3を有する回路基板用半製品基材W1とする。この回路基板用半製品基材W1は、取り扱い、在庫化を容易に行わせることができる。
【0160】
この回路基板用半製品基材W1を、金属ベース回路基板1の製造に用いることで上記作用効果を備えた回路パターン3を有する金属ベース回路基板1を得ることができる。
【0161】
回路パターンの製造装置は、銅板材Wへの両面エッチングにより回路パターン3を構成する個々の回路導体3aに応じた部分3aaが相対的に薄肉の結合部23で結合された回路パターン半製品25を形成するパターン形成装置と、回路パターン半製品25の一側面から結合部23に対し片面エッチングすることにより回路導体3aの層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に膨出形状を層方向になだらかな面3bで形成した回路パターン3とする回路形成装置とを備えた。
【0162】
この回路パターンの製造装置により、回路パターンの製造方法を実現し、層方向になだらかな面3bで形成した膨出形状の回路パターン3を得ることができる。
【0163】
回路パターンの製造装置は、回路パターン半製品25の一側面に結合部23を露出させたレジストパターン31を形成すると共に回路パターン半製品25の他側面に保護シート9を積層する積層装置として第2ラミネート装置27、露光装置、現像装置を備え、回路形成装置は、一側面からの片面エッチングをレジストパターン31から行う。
【0164】
この回路パターンの製造装置により、回路パターンの製造方法を実現し、なだらかな面3bで形成した膨出形状の回路パターン3を得る回路形成装置は、片面エッチングの後にレジストパターン31を除去して保護シート9に積層された回路パターン3を有する回路基板用半製品基材W1を形成する。
【0165】
この回路パターンの製造装置により、層方向になだらかな面3bで形成した膨出形状の回路パターン3の回路基板用半製品基材W1を得ることができる。
【0166】
(1)
金属基板に絶縁層を介して積層するための回路導体でなる回路パターンであって、
前記回路導体の断面において、層方向の中間部が層交差方向への膨出形状であり、
前記膨出形状は、層方向になだらかな面で形成された、
回路パターン。
(2)
上記(1)に記載の回路パターンであって、
前記層方向になだらかな面は、層交差方向への凸曲面である、
回路パターン。
(3)
上記(2)に記載の回路パターンであって、
前記回路導体は、層方向の断面において前記絶縁層に接する下面の幅が上面の幅よりも広い又は層方向の断面において前記絶縁層に接する下面の幅が上面の幅よりも狭い、
回路パターン。
(4)
上記(1)~(3)の何れか1つに記載の回路パターンであって、
前記回路パターンが、保護シートに積層された、
回路基板用半製品基材。
(5)
上記(4)に記載の回路基板用半製品基材であって、
前記回路パターンは、厚みが0.8mmを上回る、
回路基板用半製品基材。
(6)
金属基板に積層した絶縁層の表面に回路導体でなる回路パターンを積層した金属ベース回路基板であって、
前記回路導体の断面において、層方向の中間部が少なくとも前記絶縁層の表面上に位置する部分に対して層交差方向への膨出形状である、
金属ベース回路基板。
(7)
上記(1)~(3)の何れか1つに記載の回路パターンを積層した金属ベース回路基板であって、
前記回路パターンが、前記金属基板に前記絶縁層を介して積層された、
金属ベース回路基板。
(8)
材料板への両面エッチングにより回路パターンを構成する個々の回路導体に応じた部分が相対的に薄肉の結合部で結合された回路パターン半製品を形成するパターン形成工程と、
前記回路パターン半製品の一側面から前記結合部に対し片面エッチングすることにより前記回路導体の層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に前記膨出形状を層方向になだらかな面で形成した回路パターンとする回路形成工程と、
を備えた回路パターンの製造方法。
(9)
上記(8)に記載の回路パターンの製造方法であって、
前記パターン形成工程は、前記回路パターン半製品の回路パターンに応じた部分の最外周に前記結合部に応じた形状の舌部を周回状に備えた回路パターン半製品を形成し、
前記回路形成工程は、前記片面エッチングを前記結合部及び舌部に対して行い前記膨出形状とする、
回路パターンの製造方法。
(10)
上記(8)又は(9)に記載の回路パターンの製造方法であって、
前記回路形成工程は、前記回路パターン半製品の一側面に前記結合部を露出させたレジストパターンを形成すると共に前記回路パターン半製品の他側面に保護シートを積層するシート積層工程を含み、
前記回路形成工程は、前記一側面からの片面エッチングを前記レジストパターンから行う、
回路パターンの製造方法。
(11)
上記(9)に記載の回路パターンの製造方法であって、
前記回路形成工程は、前記回路パターン半製品の一側面に前記結合部及び舌部を露出させたレジストパターンを形成すると共に前記回路パターン半製品の他側面に保護シートを積層するシート積層工程を含み、
前記回路形成工程は、前記一側面からの片面エッチングを前記レジストパターンから行う、
回路パターンの製造方法。
(12)
上記(10)又は(11)に記載のパターン製造方法であって、
前記回路形成工程は、前記片面エッチングの後に前記レジストパターンを除去して前記保護シートに積層された回路パターンを有する回路基板用半製品基材とする、
回路パターンの製造方法。
(13)
材料板への両面エッチングにより回路パターンを構成する個々の回路導体に応じた部分が相対的に薄肉の結合部で結合された回路パターン半製品を形成するパターン形成装置と、
前記回路パターン半製品の一側面から前記結合部に対し片面エッチングすることにより前記回路導体の層方向の断面の中間部を膨出形状に形成すると共に前記膨出形状を層方向になだらかな面で形成した回路パターンとする回路形成装置と、
を備えた回路パターンの製造装置。
(14)
上記(13)に記載の回路パターンの製造装置であって、
前記回路パターン半製品の一側面に前記結合部を露出させたレジストパターンを形成すると共に前記回路パターン半製品の他側面に保護シートを積層する積層装置を備え、
前記回路形成装置は、前記一側面からの片面エッチングを前記レジストパターンから行う、
回路パターンの製造装置。
(15)
上記(14)に記載の回路パターンの製造装置であって、
前記回路形成装置は、前記片面エッチングの後に前記レジストパターンを除去して前記保護シートに積層された回路パターンを有する回路基板用半製品基材を形成する、
回路パターンの製造装置。
【符号の説明】
【0167】
1 金属ベース回路基板
3 回路パターン
3a 回路導体
3b 層交差方向に尖っていない面
5 金属基板
7 絶縁層
9 保護シート
11 第1ラミネート装置(パターン形成装置)
15 露光装置
21 両面エッチング装置
23 結合部
23a 舌部
25 回路パターン半製品
27 第2ラミネート装置
31 レジストパターン
33 片面エッチング装置
W 銅板材(材料板)
W1 回路基板用半製品基材
S1~S5 パターン形成工程
S6~S10 回路形成工程
S1 パターン形成工程の第1フィルムラミネート工程
S2 パターン形成工程の露光工程
S3 パターン形成工程の現像工程
S4 パターン形成工程の両面エッチング工程
S5 パターン形成工程のアルカリ剥離工程
S6 回路形成工程の第2フィルムラミネート工程
S7 回路形成工程の露光工程
S8 回路形成工程の現像工程
S9 回路形成工程の片面エッチング工程
S10 回路形成工程の完成工程